JP2014015919A - エンジンの始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの軸方向長さを短縮して小型化することができるエンジンの始動装置を提供する。
【解決手段】始動用モータとクランク軸40との間に介在される一方向クラッチ70は、始動用モータの駆動力が伝達されるクラッチインナ71と、プライマリドリブンギヤ56と一体回転可能に設けられるクラッチアウタ72とを有し、クラッチアウタ72には、補機駆動用の駆動部77が形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンの始動装置に関し、より詳細には、始動用モータを備え、一方向クラッチを介して始動用モータの駆動力をクランク軸に伝達するようにしたエンジンの始動装置に関する。
従来、クランク軸と変速機の入力軸及び出力軸とが平行に配置されたエンジンユニットの始動装置において、始動用モータの出力ギヤと入力軸に回転自在に装着された始動用ギヤとを中間ギヤを介して噛合させ、該始動用ギヤと入力軸に装着された減速大ギヤとの間に一方向クラッチを介在させて連結するようにした車両用エンジンユニットの始動装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この始動装置では、エンジン始動後にクランク軸からの駆動力が始動用モータに伝達されることを遮断する一方向クラッチが、変速機の入力軸上に配置される。
特開平10‐77936号公報
特許文献1に開示されている車両用エンジンユニットの始動装置では、入力軸の下方に離れて配置されるオイルポンプなどの補機を駆動するための駆動スプロケットが、一方向クラッチに隣接して同軸上に配置されている。しかしながら、駆動スプロケットのスプロケット歯は、一方向クラッチと径方向位置が重なるため、駆動スプロケットと一方向クラッチとを軸方向に並べて配置せざるを得ず、これによりエンジンの軸方向の大型化を招くおそれがあった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンの軸方向長さを短縮して小型化することができるエンジンの始動装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
エンジン始動時に駆動力を発揮し、プライマリドリブンギヤを介してクランク軸を強制回転させる始動用モータを備えるエンジンの始動装置であって、
前記始動用モータと前記クランク軸との間に介在され、前記始動用モータからの駆動力を前記クランク軸に伝達する一方、前記クランク軸側からの駆動力を遮断して前記始動用モータへの伝達を阻止する一方向クラッチを備え、
前記一方向クラッチは、前記始動用モータの駆動力が伝達されるクラッチインナと、該クラッチインナの径方向外側に配置され、前記プライマリドリブンギヤと一体回転可能に設けられるクラッチアウタとを有し、
前記クラッチアウタは、補機駆動用の駆動部を備える
ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加えて、
前記補機駆動用の駆動部は、前記一方向クラッチの外径端よりも径方向外側に配置したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2の構成に加えて、
前記補機駆動用の駆動部は、前記クラッチアウタに一体に形成されたことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3の構成に加えて、
前記補機駆動用の駆動部は、前記一方向クラッチの軸方向中央よりも前記プライマリドリブンギヤ寄りに配置されることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4の構成に加えて、
前記クラッチインナと一体に形成されるスタータドリブンギヤは、前記クラッチインナと前記スタータドリブンギヤのギヤ歯との間で前記一方向クラッチを軸方向に避けて、前記ギヤ歯が前記クラッチアウタの径方向外側となるように屈曲形成され、前記スタータドリブンギヤのギヤ歯が前記補機駆動用の駆動部に隣接配置されることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項の構成に加えて、
前記スタータドリブンギヤの外径寸法と、前記補機駆動用の駆動部の外径寸法とは、異なることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項の構成に加えて、
前記クラッチアウタと共に回転する駆動力伝達部は、軸方向に突出する複数の係合凸部を備え、前記プライマリドリブンギヤを前記駆動力伝達部に軸方向から当接させて、前記プライマリドリブンギヤに設けられた被係合部を前記係合凸部に係合させることで、前記プライマリドリブンギヤと前記駆動力伝達部とを一体回転することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項7の構成に加えて、
前記スタータドリブンギヤは、前記補機駆動用の駆動部と前記係合凸部との軸方向中間に配置されることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1から請求項8のいずれか1項の構成に加えて、
プライマリドライブギヤを有する前記クランク軸と、前記プライマリドライブギヤに噛合する前記プライマリドリブンギヤを回転自在に支承する入力軸とを、平行に支持するクランクケースを備え、
前記始動用モータは、前記入力軸を挟んで前記クランク軸と反対側、且つ前記入力軸よりも下方の前記クランクケースの側壁に固定配置されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、始動用モータの駆動力が伝達されるクラッチインナと、該クラッチインナの径方向外側に配置されてプライマリドリブンギヤと一体回転可能に設けられるクラッチアウタとを有し、始動用モータとクランク軸との間に介在されて始動用モータからの駆動力をクランク軸に伝達する一方、クランク軸側からの駆動力を遮断して始動用モータへの伝達を阻止する一方向クラッチを備える。補機駆動用の駆動部は、クラッチアウタに設けられるので、一方向クラッチと補機駆動用の駆動部とを径方向に並べて配置することができ、従来に較べて軸方向寸法を短縮してエンジンを小型化することができる。
請求項2の発明によれば、補機駆動用の駆動部は、一方向クラッチの外径端よりも径方向外側に配置したので、一方向クラッチと補機駆動用の駆動部とを径方向に並べて配置することができ、軸方向寸法を短縮できる。
請求項3の発明によれば、補機駆動用の駆動部は、クラッチアウタに一体に形成されるので、補機駆動用の駆動部を別に設ける場合と比較して部品点数を削減することができ、コストを抑制することができる。
請求項4の発明によれば、補機駆動用の駆動部は、一方向クラッチの軸方向中央よりもプライマリドリブンギヤ寄りに配置されるので、プライマリドリブンギヤと補機駆動用の駆動部との間隔が狭まり、軸方向寸法が短縮されてエンジンの小型化が図れる。
請求項5の発明によれば、クラッチインナと一体に形成されるスタータドリブンギヤは、クラッチインナとスタータドリブンギヤのギヤ歯との間で一方向クラッチを軸方向に避けて、ギヤ歯がクラッチアウタの径方向外側となるように屈曲形成され、スタータドリブンギヤのギヤ歯が補機駆動用の駆動部に隣接配置されるので、スタータドリブンギヤ及び補機駆動用の駆動部にそれぞれ係合する伝達部材同士を軸方向に隣接して配置することができ、該伝達部材が占める軸方向幅を小さくすることができる。
請求項6の発明によれば、スタータドリブンギヤの外径寸法と、補機駆動用の駆動部の外径寸法とは、異なるので、スタータドリブンギヤ及び補機駆動用の駆動部とそれぞれ係合する伝達部材を、軸方向隙間を設けることなく径方向で離間配置することができ、エンジンの大型化を抑制することができる。
請求項7の発明によれば、クラッチアウタと共に回転する駆動力伝達部は、軸方向に突出する複数の係合凸部を備え、プライマリドリブンギヤを駆動力伝達部に軸方向から当接させてプライマリドリブンギヤに設けられた被係合部を係合凸部に係合させることでプライマリドリブンギヤと駆動力伝達部とを一体回転するようにしたので、プライマリドリブンギヤと駆動力伝達部との結合機構が簡素化されると共に、プライマリドリブンギヤと駆動力伝達部とを密着配置することで軸方向寸法を短縮することができる。
請求項8の発明によれば、スタータドリブンギヤは、補機駆動用の駆動部と係合凸部との軸方向中間に配置されるので、補機駆動用の駆動部と係合凸部との隙間を利用してプライマリドリブンギヤを配置することで、軸方向寸法をより一層短縮して、エンジンの小型化が可能となる。
請求項9の発明によれば、クランクケースは、クランク軸と、プライマリドリブンギヤを回転自在に支承する入力軸と、を平行に支持し、始動用モータは、入力軸を挟んでクランク軸と反対側、且つ入力軸よりも下方のクランクケースに固定配置されるので、始動用モータと入力軸とを、同一平面上での干渉を防止して相互に近づけることができる、エンジンの軸配列方向での小型化が可能となる。
本発明に係るエンジンの始動装置を備える自動二輪車の左側面図である。 クランクケースの側面カバーを外して示すパワーユニットの右側面図である。 第1実施形態の始動装置を備えるパワーユニットの要部縦断面図である。 図3の要部拡大図である。 第1実施形態の一方向クラッチ及びその周辺機構の外観斜視図である。 第2実施形態のエンジン始動装置の図4相当断面図である。 第2実施形態の一方向クラッチ及びその周辺機構の外観斜視図である。 第3実施形態のエンジン始動装置の図4相当断面図である。 第3実施形態の一方向クラッチ及びその周辺機構の外観斜視図である。 第4実施形態のエンジン始動装置の図4相当断面図である。 第4実施形態の一方向クラッチ及びその周辺機構の外観斜視図である。
以下、本発明に係るエンジンの始動装置の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明では、上下、左右、前後は自動二輪車に乗車した乗員から見た方向を言うものとする。
(第1実施形態)
先ず図1において、小型車両である自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフオーク11を操向可能に支承するヘッドパイプ12と、該ヘッドパイプ12から後ろ下がりに延びる左右一対のメインフレーム13と、ヘッドパイプ12および両メインフレーム13の前部に連設されるとともにメインフレーム13の下方で後ろ下がりに延びる左右一対のエンジンハンガ14と、メインフレーム13の後端部に建設されて下方に延びる左右一対のピボットフレーム15と、後ろ上がりに延びて両メインフレーム13の後部に連結される左右一対のシートレール16と、を備える。
車体フレームFには、メインフレーム13の下方に位置するようにしてパワ−ユニットPが搭載されており、このパワーユニットPから出力される動力で回転駆動される後輪WRの車軸17が、スイングアーム19の後端部に軸支される。スイングアーム19の前端部は、支軸18を介してピボットフレーム15に上下に揺動可能に支承される。またパワーユニットPの出力軸20に固定される駆動スプロケット21と、車軸17に固定される被動スプロケット22とに無端状のチェーン23が巻き掛けられる。
パワーユニットPの上方には、車体フレームFにおけるヘッドパイプ12の後方に位置するようにして不図示のエアクリーナが配置され、このエアクリーナの上部を覆う燃料タンク31が、両メインフレーム13上に搭載される。また燃料タンク31の後方のシートレール16には、ライダーを座乗させるためのメインシート32が支持され、同乗者を乗せるためのピリオンシート33が、メインシート32から後方に離れた位置でシートレール16に支持される。
図2〜図4も参照して、パワーユニットPは、たとえば4気筒の内燃機関Eと、出力軸20を有する変速装置Mとを備える。パワーユニットPは、クランク軸40の軸線を車幅方向に向けて車体フレームFに搭載されている。
内燃機関Eは、クランクケース35にシリンダブロック36、シリンダヘッド37、シリンダヘッドカバー38がこの順に重ねられて立設され、クランクケース35の下部にはオイルパン39が固定されている。シリンダブロック36には、車幅方向に並ぶ各気筒のピストン41が摺動自在に嵌合し、各ピストン41は、コネクティングロッド42を介してクランク軸40に共通に連接されている。
シリンダヘッド37には、気筒毎に吸気ポート及び排気ポート(図示せず)が開口し、吸気ポートはいずれも不図示のスロットルボディを介してエアクリーナに接続されている。また排気ポートには、気筒毎に排気管24の上流端が接続されており、それらの排気管24の下流端は、後輪WRの上方に配置される排気マフラー25に接続されている(図1参照)。
吸気ポート及び排気ポートの開口は、それぞれ不図示の吸気バルブ及び排気バルブで開閉可能となっている。吸気バルブ及び排気バルブの上方には、それぞれ該バルブを押圧駆動するカムを備えるカム軸45がクランク軸40と平行に配設されている。各カム軸45は、一端に取り付けられたカムスプロケットとクランク軸40の一端に配設されたカム駆動歯とに巻き掛けられたタイミングチェーン(いずれも図示せず)によって駆動される。
図3に示すように、変速装置Mは、入力ギヤ群51を備える入力軸50と、入力ギヤ群51に噛合する出力ギヤ群52を備える出力軸20とが、クランク軸40と平行に配置されてクランクケース35に回転自在に支持され、クランク軸40からの回転動力が伝達される。
出力軸20の一端は、クランクケース35から外方に突出しており、該突出部に装着された駆動スプロケット21には、チェーン23が巻き掛けられて後輪WRの被動スプロケット22に連結されている(図1参照)。
また、クランクケース35には、入力軸50及び出力軸20と平行に、不図示のシフトドラム及びフォーク軸が配設されている。フォーク軸のシフトフォークは、入力ギヤ群51、及び出力ギヤ群52に形成された溝57、58に摺動自在に係合し、シフトドラムを回動させてシフトフォークを軸方向に摺動移動させることにより入力ギヤ群51及び出力ギヤ群52を移動させ、入力ギヤ群51と出力ギヤ群52との噛合状態を変更して変速を行う。
入力軸50に回転自在に軸支されたプライマリドリブンギヤ56は、クランク軸40と共に一体回転するプライマリドライブギヤ55に噛合している。また、図4及び図5に示すように、プライマリドリブンギヤ56には、後述する駆動力伝達部であるインナーカラー68から軸方向に突出する係合凸部69と係合可能な被係合部である係合孔56aが設けられている。
入力軸50の端部には、クラッチ機構60が装着されている。クラッチ機構60は、プライマリドリブンギヤ56にダンパ61を介して連結されたアウタドラム62と、入力軸50にスプライン結合されたインナドラム63との間に、多数のクラッチ板64が介在して構成され、該クラッチ機構60をオフ、オンすることにより、クランク軸40と入力軸50との接続、即ち動力の伝達が断接される。
入力軸50には、プライマリドリブンギヤ56のクラッチ機構60と軸方向反対側にエンジンの始動装置10が配設されている。具体的には、入力軸50に嵌合するスリーブ67を介して駆動力伝達部である鍔付きのインナーカラー68が、入力軸50に回動自在に嵌合している。インナーカラー68の鍔部68aには、ピン状に形成された複数の係合凸部69が軸方向に突出して設けられ、また、インナーカラー68には、鍔部68aと反対側の軸部に雄スプライン68bが形成されている。
インナーカラー68は、係合凸部69がプライマリドリブンギヤ56の係合孔56aに係合して状態で鍔部68aとプライマリドリブンギヤ56とが軸方向で当接する。これによりインナーカラー68とプライマリドリブンギヤ56とが結合されて一体回転する。
インナーカラー68の外周には、一方向クラッチ70のクラッチインナ71が回転自在に嵌合する。一方向クラッチ70は、円筒状に形成されたクラッチインナ71とクラッチアウタ72との間に、複数の係止体73が周方向に配置されて構成され、クラッチインナ71がクラッチアウタ72に対して所定の一方向に相対回転するときには、係止体73がクラッチインナ71とクラッチアウタ72とに同時に係止してクラッチインナ71とクラッチアウタ72が一体回転し、クラッチインナ71がクラッチアウタ72に対して他方向に相対回転するときには、該係止が解除されて相対回転する従来公知の一方向クラッチである。
クラッチインナ71のプライマリドリブンギヤ56側端部には、外周面にギヤ歯75aが形成されたスタータドリブンギヤ75が一体に形成されている。一方、円筒状に形成されたクラッチアウタ72のスタータドリブンギヤ75と反対側の端部には、円盤部76が一体に形成されている。円盤部76に設けられた雌スプライン76aは、インナーカラー68の雄スプライン68bとスプライン嵌合している。
クラッチアウタ72の外径端である外周面72aには、例えば、オイルポンプなどの補機駆動用の駆動部であるギヤ77が設けられている。補機駆動用のギヤ77は、スタータドリブンギヤ75よりも小径であり、一方向クラッチ70の軸方向中央よりもプライマリドリブンギヤ56寄りに形成されている。
このように、スタータドリブンギヤ75を一方向クラッチ70よりプライマリドリブンギヤ56側に配置したので、不図示のチェンジ機構との干渉を防止しつつスタータドリブンギヤ75を大径とすることができ、リダクションレシオを大きくして後述する始動用モータ80やバッテリの小型化が可能となる。また、クラッチアウタ72(円盤部76を含む)とインナーカラー68とを別部品で構成してスプライン嵌合により一体としたので、これらを一体で形成する場合と比較してそれぞれの形状が簡単化されて製作が容易となる。
図2に戻り、入力軸50を挟んでクランク軸40と反対側、且つ入力軸50よりも下方のクランクケース35には、始動用モータ80が入力軸50と平行に固定されている。始動用モータ80の出力ギヤ81は、大歯車82aと小歯車82bが一体形成されたアイドルギヤ82の大歯車82aに噛合する。アイドルギヤ82の小歯車82bは、他のアイドルギヤ83を介してスタータドリブンギヤ75のギヤ歯75aに噛合する。
クラッチアウタ72に一体形成された補機駆動用のギヤ77は、アイドルギヤ84を介して不図示のオイルポンプの回転軸86に固定されたオイルポンプギヤ85に噛合している。オイルポンプは、入力軸50の下方においてクランクケース35の側面に固定されている。また、補機駆動用のギヤ77は、入力軸50の斜め上方に配設された不図示のウォータポンプの回転軸87に固定されたウォータポンプギヤ88に噛合している。
本実施形態の作用を説明する。図2から図5において、エンジン始動時に始動用モータ80を回転駆動すると、該始動用モータ80の回転は、出力ギヤ81、アイドルギヤ82、83を介してスタータドリブンギヤ75に伝達される。スタータドリブンギヤ75と一体に形成されたクラッチインナ71が所定の方向に回転すると、クラッチインナ71とクラッチアウタ72とに同時に係止し、クラッチアウタ72がクラッチインナ71と共に回転する。
クラッチアウタ72の回転は、スプライン嵌合するインナーカラー68に伝達され、更に、係合孔56aがインナーカラー68の係合凸部69と係止するプライマリドリブンギヤ56が回転する。プライマリドリブンギヤ56の回転は、プライマリドライブギヤ55を介してクランク軸40を回転させて内燃機関Eを始動させる。
内燃機関Eが始動すると、クランク軸40の回転は、プライマリドライブギヤ55及びプライマリドリブンギヤ56を介してクラッチ機構60のアウタドラム62を回転させる。ここでクラッチ機構60を作動させて多数のクラッチ板64同士を密着させると、インナドラム63がアウタドラム62と共に一体回転して、インナドラム63がスプライン嵌合する入力軸50を駆動する。入力軸50の回転は、互いに噛合する入力ギヤ群51及び出力ギヤ群52で変速されて出力軸20に伝達され、更に駆動スプロケット21、チェーン23、及び被動スプロケット22を介して後輪WRを駆動する。
一方、プライマリドリブンギヤ56の回転は、係合孔56aに係合凸部69が係止するインナーカラー68にも伝達され、インナーカラー68にスプライン嵌合するクラッチアウタ72が回転する。クラッチアウタ72から一方向クラッチ70に伝達される駆動力は、クラッチアウタ72がクラッチインナ71の回転速度を上回ることで、係止体73によるクラッチインナ71との係止が解除されるので、クラッチインナ71には伝達されず、クラッチアウタ72のみが相対回転する。
このようにクラッチアウタ72、即ち、クラッチアウタ72に一体形成された補機駆動用のギヤ77は、始動用モータ80による内燃機関Eの始動時、及び内燃機関Eの始動後のいずれにおいても所定の方向に回転し、アイドルギヤ84、オイルポンプギヤ85を介してギヤ77に接続されたオイルポンプを駆動すると共に、ウォータポンプギヤ88を介して接続されたウォータポンプを駆動する。オイルポンプは、パワーユニットPの各摺動部に潤滑油を供給し、ウォータポンプは、シリンダブロック36及びシリンダヘッド37の内部に設けられたウオータジャケットに冷却水を供給する。
以上説明したように、本実施形態のエンジンの始動装置10によれば、補機駆動用のギヤ77を一方向クラッチ70のクラッチアウタ72に設けたので、一方向クラッチ70と補機駆動用のギヤ77とが軸方向で干渉することなく、径方向に並べて配置することができ、従来に較べて軸方向寸法を短縮してパワーユニットPを小型化することができる。
また、補機駆動用のギヤ77は、一方向クラッチ70の外径端、即ちクラッチアウタ72の外周面72aよりも径方向外側に配置したので、一方向クラッチ70と補機駆動用のギヤ77とを径方向に並べて配置することができ、軸方向寸法を短縮できる。
補機駆動用のギヤ77がクラッチアウタ72と一体に形成されるので、補機駆動用のギヤ77を別部品で形成する場合と比較して部品点数を削減することができ、製作コストを抑制することができる。
補機駆動用のギヤ77は、一方向クラッチ70の軸方向中央よりもプライマリドリブンギヤ56寄りに配置したので、プライマリドリブンギヤ56と補機駆動用のギヤ77との間隔を狭めることができ、軸方向寸法を短縮してパワーユニットPの小型化が図れる。
スタータドリブンギヤ75の外径寸法と、補機駆動用のギヤ77の外径寸法とは、異なるので、スタータドリブンギヤ75及び補機駆動用のギヤ77とそれぞれ係合するアイドルギヤ83、84を、軸方向隙間を設けることなく径方向で離間配置することができ、パワーユニットPの大型化を抑制することができる。
インナーカラー68に複数の係合凸部69を設け、プライマリドリブンギヤ56の係合孔56aに係合させるようにしたので、プライマリドリブンギヤ56とインナーカラー68との結合機構が簡素化されると共に、密着配置することで軸方向寸法を短縮することができる。
スタータドリブンギヤ75は、補機駆動用のギヤ77と係合凸部69との軸方向中間に配置したので、補機駆動用のギヤ77と係合凸部69との隙間を利用してスタータドリブンギヤ75を配置することができ、軸方向寸法をより一層短縮して、パワーユニットPの小型化が可能となる。
クランクケース35は、クランク軸40及び入力軸50を平行に支持し、始動用モータ80は、入力軸50を挟んでクランク軸40と反対側、且つ入力軸50よりも下方に配置されてクランクケース35に固定されるので、始動用モータ80と入力軸50とを、同一平面上での干渉を防止しつつ相互に近づけることができる、パワーユニットPの軸配列方向での小型化が可能となる。
(第2実施形態)
次に、エンジンの始動装置の第2実施形態を図6及び図7を参照して説明する。なお、これ以降に説明する各実施形態のエンジンの始動装置は、一方向クラッチ及びその周辺部分のみが異なり、その他の部分については、本発明の第1実施形態の始動装置と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図6及び図7に示すように、第2実施形態のエンジンの始動装置10は、第1実施形態のインナーカラー68と円盤部76とのプライン嵌合部が、スタータドリブンギヤ75よりプライマリドリブンギヤ56側に配置されている。具体的に、クラッチアウタ72と、入力軸50に回動自在に嵌合するスリーブ91とは、スタータドリブンギヤ75と反対側の端部同士を円盤部91aで接続することで一体に形成されている。スタータドリブンギヤ75から軸方向に突出するスリーブ91の外周には、雄スプライン91bが形成され、複数の係合凸部69を備える駆動リング92の雌スプライン92aとスプライン嵌合している。これにより、クラッチアウタ72と駆動リング92とが連結されて一体回転する。
(第3実施形態)
次に、本発明のエンジンの始動装置の第3実施形態について図8及び図9を参照して説明する。本実施形態のエンジンの始動装置10は、スタータドリブンギヤ75と補機駆動用のギヤ77の軸方向位置が、第1及び第2実施形態の配置と逆の配置となっている。
図8及び図9に示すように、クラッチインナ71は、インナーカラー68の周囲にベアリング74を介して回転自在に配置される。クラッチアウタ72は、プライマリドリブンギヤ56側の端部が、複数の係合凸部69を備える駆動リング95と連結されて一体に形成されている。クラッチアウタ72の外周面72aには、一方向クラッチ70の軸方向中央よりもプライマリドリブンギヤ56寄りに補機駆動用のギヤ77が形成されている。
スタータドリブンギヤ75とクラッチインナ71を一体に繋ぐハブ部75bは、クラッチインナ71のプライマリドリブンギヤ56と反対側の端部から径方向外方に延びた後、一方向クラッチ70を軸方向に避けて、ギヤ歯75aがクラッチアウタ72の径方向外側となるようにプライマリドリブンギヤ56側に屈曲形成され、更に径方向外方に屈曲して、断面クランク状に形成されている。これにより、スタータドリブンギヤ75のギヤ歯75aは、補機駆動用のギヤ77に隣接して配置される。スタータドリブンギヤ75の外径は、補機駆動用のギヤ77の外径より大きくなっている。
以上説明したように、本実施形態のエンジンの始動装置10によれば、一方向クラッチ70を軸方向に避けて、ギヤ歯75aがクラッチアウタ72の径方向外側となるようにスタータドリブンギヤ75のハブ部75bを屈曲形成して、スタータドリブンギヤ75と補機駆動用のギヤ77とが隣接配置されるので、スタータドリブンギヤ75及び補機駆動用のギヤ77とそれぞれ係合する伝達部材同士83、84を軸方向に隣接して配置することができ、伝達部材83、84が占める軸方向幅を小さくすることができる。
また、スタータドリブンギヤ75のハブ部75bを屈曲形成することにより不図示のチェンジ機構との干渉を防止することができる。更に、スタータドリブンギヤ75を大径とすることができ、リダクションレシオを大きくして始動用モータ80やバッテリの小型化が可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明のエンジンの始動装置の第4実施形態について図10及び図11を参照して説明する。本実施形態のエンジンの始動装置10は、スタータドリブンギヤ75と補機駆動用のギヤ77の軸方向位置が、第3実施形態と同様に配置されている。
本実施形態の始動装置10は、スタータドリブンギヤ75が一方向クラッチ70を回避することなく円盤状に形成されており、クラッチインナ71のプライマリドリブンギヤ56と反対側の端部に連結し一体形成されている。これにより、第3実施形態のように屈曲形成されていないので、クラッチインナ71とスタータドリブンギヤ75との一体形成が容易となる。また、本実施形態では、スタータドリブンギヤ75と補機駆動用のギヤ77との外径寸法の差は大きくないので、始動用モータ80とスタータドリブンギヤ75との間に配設される中間ギヤのギヤレシオを大きく設定できる場合に有効である。また、補機駆動用のギヤ77は、スタータドリブンギヤ75よりプライマリドリブンギヤ56側、一方向クラッチ70の軸方向中央よりもプライマリドリブンギヤ56寄りに配置されるので、チェンジ機構との干渉を防止することができる。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
10 エンジンの始動装置
35 クランクケース
40 クランク軸
50 入力軸
55 プライマリドライブギヤ
56 プライマリドリブンギヤ
56a 係合孔(被係合部)
68 インナーカラー(駆動力伝達部)
69 係合凸部
70 一方向クラッチ
71 クラッチインナ
72 クラッチアウタ
72a 外周面(一方向クラッチの外径端)
75 スタータドリブンギヤ
75a ギヤ歯
77 ギヤ(補機駆動用の駆動部)
80 始動用モータ
92、95 駆動リング(駆動力伝達部)
E 内燃機関(エンジン)

Claims (9)

  1. エンジン始動時に駆動力を発揮し、プライマリドリブンギヤ(56)を介してクランク軸(40)を強制回転させる始動用モータ(80)を備えるエンジンの始動装置(10)であって、
    前記始動用モータ(80)と前記クランク軸(40)との間に介在され、前記始動用モータ(80)からの駆動力を前記クランク軸(40)に伝達する一方、前記クランク軸(40)側からの駆動力を遮断して前記始動用モータ(80)への伝達を阻止する一方向クラッチ(70)を備え、
    前記一方向クラッチ(70)は、前記始動用モータ(80)の駆動力が伝達されるクラッチインナ(71)と、該クラッチインナ(71)の径方向外側に配置され、前記プライマリドリブンギヤ(56)と一体回転可能に設けられるクラッチアウタ(72)とを有し、
    前記クラッチアウタ(72)は、補機駆動用の駆動部(77)を備えることを特徴とするエンジンの始動装置(10)。
  2. 前記補機駆動用の駆動部(77)は、前記一方向クラッチ(70)の外径端よりも径方向外側に配置したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの始動装置(10)。
  3. 前記補機駆動用の駆動部(77)は、前記クラッチアウタ(72)に一体に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンの始動装置(10)。
  4. 前記補機駆動用の駆動部(77)は、前記一方向クラッチ(70)の軸方向中央よりも前記プライマリドリブンギヤ(56)寄りに配置されることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの始動装置(10)。
  5. 前記クラッチインナ(71)と一体に形成されるスタータドリブンギヤ(75)は、前記クラッチインナ(71)と前記スタータドリブンギヤ(75)のギヤ歯(75a)との間で前記一方向クラッチ(70)を軸方向に避けて、前記ギヤ歯(75a)が前記クラッチアウタ(72)の径方向外側となるように屈曲形成され、前記スタータドリブンギヤ(75)のギヤ歯(75a)が前記補機駆動用の駆動部(77)に隣接配置されることを特徴とする請求項4に記載のエンジンの始動装置(10)。
  6. 前記スタータドリブンギヤ(75)の外径寸法と、前記補機駆動用の駆動部(77)の外径寸法とは、異なることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のエンジンの始動装置(10)。
  7. 前記クラッチアウタ(72)と共に回転する駆動力伝達部(68、92、95)は、軸方向に突出する複数の係合凸部(69)を備え、前記プライマリドリブンギヤ(56)を前記駆動力伝達部(68、92、95)に軸方向から当接させて、前記プライマリドリブンギヤ(56)に設けられた被係合部(56a)を前記係合凸部(69)に係合させることで、前記プライマリドリブンギヤ(56)と前記駆動力伝達部(68、92、95)とを一体回転することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のエンジンの始動装置(10)。
  8. 前記スタータドリブンギヤ(75)は、前記補機駆動用の駆動部(77)と前記係合凸部(69)との軸方向中間に配置されることを特徴とする請求項7に記載のエンジンの始動装置(10)。
  9. プライマリドライブギヤ(55)を有する前記クランク軸(40)と、前記プライマリドライブギヤ(55)に噛合する前記プライマリドリブンギヤ(56)を回転自在に支承する入力軸(50)とを、平行に支持するクランクケース(35)を備え、
    前記始動用モータ(80)は、前記入力軸(50)を挟んで前記クランク軸(40)と反対側、且つ前記入力軸(50)よりも下方の前記クランクケース(35)の側壁に固定配置されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のエンジンの始動装置(10)。
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