JP2014015632A - 軸受鋼 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.95〜1.2%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.05〜0.5%、P:0.025%以下、S:0.010%以下、Cr:0.80〜1.80%、Al:0.005%を超えて0.040%以下、Ca:0.0003〜0.0012%およびO:0.0010%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、〔0.70≦Ca/O≦1.80〕、〔Ca/O≧1250S−5.80〕および〔20≦Mn/S≦170〕を満足する化学組成を有する軸受鋼。
【選択図】なし
Description
〔0.70≦Ca/O≦1.80〕
を満たせば、粗大な酸化物や点列状の酸化物の形成を抑制することができる。
0.70≦Ca/O≦1.80・・・[1]
Ca/O≧1250S−5.80・・・[2]
20≦Mn/S≦170・・・[3]
ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
C:0.95〜1.2%
Cは、焼入れ時の硬さを確保して転動疲労寿命を向上させる元素であり、0.95%以上の含有量とする必要がある。しかしながら、Cの含有量が多くなって、特に1.2%を超えると、耐摩耗性は向上するものの、棒鋼圧延工程における加熱段階で、粗大な初析セメンタイトが多く分散することになり、冷間鍛造性の悪化を招く。また硬さの上昇を招き、切削加工時の工具寿命の低下、焼割れの原因となる。したがって、Cの含有量を0.95〜1.2%とした。なお、C含有量の好ましい下限は0.97%である。また、好ましい上限は1.1%である。
Siは、焼入れ性を高めて転動疲労寿命を向上させるのに有効な元素であり、0.15%以上含有させなければならない。しかしながら、0.35%を超えてSiを含有させると、母材の硬さが高くなって切削加工時の工具寿命の低下を招く。したがって、Siの含有量を0.15〜0.35%とした。なお、Si含有量の好ましい下限は0.20%である。また、好ましい上限は0.32%である。
Mnは、焼入れ性を高めて転動疲労寿命を向上させるのに有効な元素であり、0.05%以上含有させなければならない。しかしながら、0.5%を超えてMnを含有させると、母材の硬さが高くなって、切削加工時の工具寿命の低下を招く。さらには、焼割れの原因ともなる。したがって、Mnの含有量を0.05〜0.5%とした。なお、Mn含有量の好ましい下限は0.10%である。また、好ましい上限は0.45%である。なお、Mnの含有量は後述の[3]式も満たす必要がある。
Pは、結晶粒界に偏析して転動疲労寿命を短くしてしまう。特に、その含有量が0.025%を超えると、転動疲労寿命の低下が著しくなる。したがって、Pの含有量を0.025%以下とした。好ましいP含有量の範囲は0.020%以下である。
Sは、硫化物を形成する元素であり、その含有量が0.010%を超えると、粗大な硫化物が残存するため冷間鍛造性の劣化や転動疲労寿命を著しく短くしてしまう。したがって、Sの含有量を0.010%以下とした。なお、転動疲労寿命の向上という観点からは、Sの含有量は低ければ低いほど好ましく、好ましい上限は、0.001%である。なお、Sの含有量は後述の[2]式および[3]式も満たす必要がある。
Crは、鋼の焼入れ性を高めるとともに、セメンタイトを熱的に安定化させ、高温域におけるセメンタイトのマトリックス中への固溶を抑止する作用を有する。この効果はCrの含有量が0.80%以上で発揮される。しかしながら、Crの含有量が1.80%を超えると、前記の効果が飽和するだけでなく、最終形状にした後に行う焼入れ処理の際に、焼割れを生じやすくなり、また、転動疲労寿命の低下を招く。したがって、Crの含有量を0.80〜1.80%とした。なお、Cr含有量の好ましい下限は0.90%である。また、好ましい上限は1.60%である。
Alは、精錬工程で脱酸を行うために使用する元素であり、0.005%を超えて含有させなければ、Alによる脱酸効果が得られない。しかし、Alの含有量が0.040%を上回ると粗大な酸化物として残存しやすくなり、転動疲労寿命の低下を招く。したがって、Alの含有量は0.005%を超えて0.040%以下とした。なお、Al含有量の好ましい下限は0.007%である。また、好ましい上限は0.038%である。
Caは、酸化物中に適量のCaOを形成するとともに、硫化物中に固溶しCaSを形成する。酸化物中にCaOを形成することによって、界面エネルギーが低下し、酸化物の凝集力が低下することで、粗大化が抑制される。この効果によって、転動疲労寿命の低下を抑制できる。また硫化物に対してはCaSを形成することで延伸・粗大化を抑制する効果がある。さらに晶出形態が変化するため、硫化物系介在物が均一分散する。これらの効果によって、転動疲労寿命の低下を抑制できる。上述したCaの各効果は、Caの含有量が0.0003%以上で発揮される。しかしながら、Caの含有量が0.0012%を超えると、前記の効果が飽和するだけでなく、特に、酸化物の粗大化を招き、結果として転動疲労寿命の低下を招く場合がある。したがって、Caの含有量を0.0003〜0.0012%とした。なお、Ca含有量の好ましい下限は0.0004%である。また、好ましい上限は0.0010%である。なお、Caの含有量は後述の[1]式および[2]式も満たす必要がある。
O(酸素)は、酸化物を生成する元素であり、極力低下させる必要がある。Oの含有量が多くなって、特に0.0010%を上回ると、粗大な酸化物として残存しやすくなり、転動疲労寿命の低下を招く。したがって、Oの含有量を0.0010%以下とした。Oの含有量は0.0008%以下であることが好ましい。なお、Oの含有量は後述の[1]式および[2]式も満たす必要がある。
本発明の軸受鋼は、Ca/Oが下記の[1]式を満足する化学組成でなければならない。
0.70≦Ca/O≦1.80・・・[1]
ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
Ca/O≧1250S−5.80・・・[2]
ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
本発明の軸受鋼は、さらに下記の[3]式を満足する化学組成でなければならない。
20≦Mn/S≦170・・・[3]
ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
本発明に係る軸受鋼は、たとえば、転炉で溶製した鋼を連続鋳造で300mm×400mmの鋳片にすることで製造できる。
・粗圧延機列:8台の圧延機で構成、
・中間圧延機列:4台の圧延機で構成、
・仕上げ圧延機列:2台の圧延機で構成。
Claims (1)
- 質量%で、C:0.95〜1.2%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.05〜0.5%、P:0.025%以下、S:0.010%以下、Cr:0.80〜1.80%、Al:0.005%を超えて0.040%以下、Ca:0.0003〜0.0012%およびO:0.0010%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、下記の[1]〜[3]式を満足する化学組成を有する軸受鋼。
0.70≦Ca/O≦1.80・・・[1]
Ca/O≧1250S−5.80・・・[2]
20≦Mn/S≦170・・・[3]
ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54128418A (en) * | 1978-03-30 | 1979-10-05 | Daido Steel Co Ltd | Bearing steel |
JP2011117010A (ja) * | 2009-11-30 | 2011-06-16 | Kobe Steel Ltd | 冷間加工性に優れた軸受用鋼 |
WO2012002869A1 (en) * | 2010-07-02 | 2012-01-05 | Aktiebolaget Skf | Flash-butt welded bearing component |
-
2012
- 2012-07-05 JP JP2012151619A patent/JP5867324B2/ja active Active
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