JP2014015632A - 軸受鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受部品として優れた転動疲労寿命を実現しうる軸受鋼を提供する。
【解決手段】C:0.95〜1.2%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.05〜0.5%、P:0.025%以下、S:0.010%以下、Cr:0.80〜1.80%、Al:0.005%を超えて0.040%以下、Ca:0.0003〜0.0012%およびO:0.0010%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、〔0.70≦Ca/O≦1.80〕、〔Ca/O≧1250S−5.80〕および〔20≦Mn/S≦170〕を満足する化学組成を有する軸受鋼。
【選択図】なし

Description

本発明は、軸受鋼に関する。詳しくは、本発明は、転動疲労寿命に優れる高炭素クロム軸受鋼に関する。
自動車や産業機械などに用いられる軸受部品は、一般に、JIS G 4805(2008)に規定されたSUJ2〜5に代表される高炭素クロム軸受鋼鋼材を素材として、熱間鍛造、冷間鍛造、切削加工などの工程を経て、所望の形状に仕上げられている。
なお、熱間圧延ままの高炭素クロム軸受鋼鋼材は、通常そのミクロ組織がパーライトの単相組織あるいはベイナイトなど硬質相とパーライトの混合組織であって、硬さが高いものである。したがって、熱間圧延ままの高炭素クロム軸受鋼鋼材に切削加工や冷間鍛造などを施すと、工具寿命が低下したり、冷間鍛造の際に割れが発生するなどの問題を避け難い。
このため、従来、切削加工性や冷間鍛造性などの加工性を高めることを目的に、前処理として「球状化焼鈍」と呼ばれる20時間を超えるような長時間の球状化熱処理を施し、ミクロ組織をフェライトと球状セメンタイトの混合組織に変えることが行われてきた。
しかしながら、上記長時間の球状化熱処理は、高価な熱処理設備を必要とするうえに多大なエネルギーを消費し、しかも、生産性を低下させてしまうので、コスト上昇を招く処理である。
したがって、産業界からは、切削加工や冷間鍛造工程の前処理としての球状化熱処理を省略するか、あるいは省略できないまでもその時間を大幅に短縮して、エネルギー消費を少なくするとともに設備コストも下げ、さらに、工程を簡略化して生産性を高めたいとの要望が大きくなっている。
そこで、本発明者らは、これらの要望に応えるべく、特許文献1において、球状化焼鈍を省略化あるいは簡略化することができる技術を提案した。
具体的には、本発明者らは、特許文献1において、質量%で、C:0.7〜1.2%、Cr:0.8〜1.8%、Mn:0.2〜1.2%およびS:0.015%以下を含み、かつ、MnとSの含有量の比であるMn/Sの値が20〜170である化学組成を有する被圧延材を、Ae1点〜Aem点の温度域に加熱した後、2以上の圧延工程と、最初の圧延工程から最後の圧延工程までの間に1以上の中間冷却工程とを備える全連続式熱間圧延方法により圧延し、さらに、圧延終了後に、400℃までの温度域を冷却速度が5℃/s以下の条件で最終冷却する軸受鋼鋼材の製造方法であって、該全連続式熱間圧延方法が、〔1〕各圧延工程中の被圧延材の表面温度が、680℃〜(Aem点−30℃)の範囲内であること、〔2〕中間冷却工程において、冷却開始から冷却終了後被圧延材の表面温度がAe1点以上に復熱するまでの時間Δtが10s以下であること、および〔3〕総減面率が30%以上であること、の全てを満足することを基本の条件とする「軸受鋼鋼材の製造方法」および上記基本の条件に加えてさらに、Ae1点〜Aem点の温度域での加熱が、〔4〕被圧延材の温度が750〜850℃となる時間が、累積時間で60min以下であること、および〔5〕被圧延材の温度が850℃を超えてAem点以下となる時間が、累積時間で120min以下であることを特徴とする「軸受鋼鋼材の製造方法」を提案した。
上記の技術により、熱間での線材圧延および棒鋼圧延といった圧延のままで、球状化組織を有するミクロ組織を造り込むことができ、球状化焼鈍の省略または球状化焼鈍時間を従来の半分程度以下に短縮することが可能である。
既に述べたように、軸受鋼は、切削加工や冷間鍛造などの加工工程を経て最終的に軸受部品となる。この軸受部品としての製品特性、特に転動疲労特性に対する長寿命化の要求は、近年、ますます厳しくなっているのが現状である。
軸受部品の転動疲労特性、すなわち転動疲労寿命は、素材である軸受鋼中に存在する非金属介在物(以下、単に「介在物」ともいう。)、特に、酸化物系介在物(以下、単に「酸化物」ともいう)により低下することが知られている。そのため、転動疲労寿命を長寿命化するためには、鋼材中の酸素の含有量を低下させ酸化物の総量を低減させ、かつ介在物の組成、形態を調整する必要がある。
これらの要望に応えるべく、例えば特許文献2に、微量のCaを添加し、さらにイオウ、アルミニウムおよび酸素量を低く制限することで、転動疲労寿命を長寿命化できる技術が開示されている。
具体的には、特許文献2に、質量%で、C:0.80〜1.20%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、Cr:0.50〜2.0%を主成分とし、必要に応じて、MoまたはVをそれぞれ0.80%以下含有し、残余が実質的にFeからなる軸受鋼において、さらにCa:0.0005〜0.0100%、S:0.025%以下、Al:0.040%以下、O:0.0020%以下に調整したことを特徴とする「転動寿命特性および被削性が良好な軸受鋼」が開示されている。
特開2009−275263号公報 特開昭54−128418号公報
本発明者らが特許文献1で提案した技術の具体的な目的は、熱間での線材圧延および棒鋼圧延といった圧延のままで球状化組織を有し、球状化焼鈍時間を従来の半分程度以下に短縮することが可能な高炭素クロム軸受鋼鋼材の製造方法を提供することであり、さらには、従来の球状化焼鈍で得られる球状セメンタイトを球状化熱処理を行わずとも得ることが可能な高炭素クロム軸受鋼鋼材の製造方法を提供することである。
このため、製造工程の一部を簡略化、省略化して、CO2排出量の低減や生産性向上、製造コストの低減を実現することは可能である。しかしながら、近年強く要望される最終的な軸受部品として要求される製品性能、特に転動疲労寿命を長寿命化するという点については、必ずしも十分ではないところもあった。
特許文献2で開示されている鋼は、微量のCaを添加することにより酸化物組成をAl23系からAl23−SiO2−CaO系に調整して転動疲労寿命の長寿命化を図るものである。しかし、単にCaを添加することによって酸化物の組成を調整しても、鋼に含まれるO量とS量に応じて粗大な酸化物を形成し、早期剥離が生じて転動疲労寿命を逆に短くする場合がある。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、軸受部品として優れた転動疲労寿命を実現しうる軸受鋼を提供することを目的とする。
一般に、転動疲労は、鋼材中に存在する介在物に繰返し荷重が加わり、応力集中によってき裂が生じ、その後、繰り返し荷重によってき裂が徐々に進展し、最終的に剥離に至る現象である、と理解されている。
そこで、発明者らは、転動疲労寿命の長寿命化に関して、介在物の形態と組成に着目して検討を行い、介在物の組成と形態の調整に関して、先ず下記の(a)および(b)の重要な知見を得た。
(a)酸化物および硫化物の組成を制御することによって、具体的には、酸化物中に適量のCaOを、また硫化物中にCaSを含有するように組成を制御することによって、転動疲労寿命に対して有害となる(転動疲労での繰返し荷重に伴い応力集中源となる)粗大な介在物を抑制できる。
(b)上述の(a)の介在物の組成に制御するためには、少なくとも脱酸処理後の溶鋼中に微量のCaを含有させる必要がある。例えば、微量のCaを添加せず溶鋼中にCaが含まれない場合には、酸化物は溶鋼中でAl23主体となり、凝固時にはこの酸化物は凝集し、粗大化する。しかしCaを添加して溶鋼中にCaが含まれる場合には、溶鋼中に生成する酸化物組成が変化することで界面エネルギーが低下し、結果として凝集力が低下することで、粗大化が抑制される。一方、上記溶鋼中にCaが含まれることで、硫化物の場合は、MnS主体からCaSを含む硫化物になって球状化し、かつ圧延時に変形しにくくなるため小径化できる。
脱酸処理後の溶鋼段階で微量添加したCaは、酸化物および硫化物の双方と反応して、それらの組成を変化させる。つまり、Ca添加する直前の溶鋼中の酸化物量やS量に応じて、Caとの反応挙動が異なってくるので、反応後の酸化物および硫化物の組成が変化する。そして、この組成変化に応じて形態も変化してしまう。したがって、転動疲労寿命を長寿命化するためには、Ca添加によって酸化物と硫化物の各組成を適切に調整して、形態を小径化する必要がある。
そこで次に、発明者らは、脱酸処理後の溶鋼段階で添加したCaと酸化物および硫化物との間の反応と、鋳片における酸化物および硫化物の形態とについて、詳細な検討を行った。
その結果、下記の(c)および(d)に示すように、O量とCa量の比である〔Ca/O〕およびS量を用いて、酸化物および硫化物の形態を管理しうることを見出した(図1参照)。
(c)脱酸処理後の溶鋼段階で添加したCaと酸化物の反応は、脱酸処理後の溶鋼中に含まれるO量とCa量で整理することができる。すなわち、O量は、脱酸処理後、Ca添加の直前に溶鋼中に形成された酸化物の総量を表し、Ca添加後の酸化物の組成は溶鋼中に含まれるCa量とO量との比である「Ca/O」を指標として表すことができる。そして、
〔0.70≦Ca/O≦1.80〕
を満たせば、粗大な酸化物や点列状の酸化物の形成を抑制することができる。
(d)ただし、溶鋼段階で添加したCaはSとも反応する。このため、たとえCa量とO量が上記(c)で述べた関係式を満たしても、S量によっては、溶鋼段階でCaSが形成されてしまって、粗大な酸化物の形成を抑制できない場合がある。しかし、Ca量、O量およびS量が、上記〔0.70≦Ca/O≦1.80〕を満たしたうえでさらに〔Ca/O≧1250S−5.80〕を満たせば、安定して酸化物の粗大化を抑制することができる。
本発明は、上記の技術的思想とそれに基づく知見によって完成されたものであり、その要旨は下記の軸受鋼にある。
(1)質量%で、C:0.95〜1.2%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.05〜0.5%、P:0.025%以下、S:0.010%以下、Cr:0.80〜1.80%、Al:0.005%を超えて0.040%以下、Ca:0.0003〜0.0012%およびO:0.0010%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、下記の[1]〜[3]式を満足する化学組成を有する軸受鋼。
0.70≦Ca/O≦1.80・・・[1]
Ca/O≧1250S−5.80・・・[2]
20≦Mn/S≦170・・・[3]
ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
なお、「不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境などから混入するものであって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
本発明の軸受鋼は、転動疲労による破損に対して良好な耐久性を有し、転動疲労寿命が長いことから、各種の産業機械や自動車などに使用される「玉軸受」や「コロ軸受」といった転がり軸受の素材として好適に用いることができる。
鋳片におけるCa/OとS量が、粗大な酸化物や点列状の酸化物の形成に及ぼす影響について説明する図である。 大気雰囲気の箱型電気加熱炉を用いて行った球状化処理条件を説明する図である。 大気雰囲気の箱型電気加熱炉を用いて行った球状化処理条件を説明する図で、一般に球状化処理条件として用いられている長時間処理の一例である。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」は「質量%」を意味する。
(A)軸受鋼の化学組成:
C:0.95〜1.2%
Cは、焼入れ時の硬さを確保して転動疲労寿命を向上させる元素であり、0.95%以上の含有量とする必要がある。しかしながら、Cの含有量が多くなって、特に1.2%を超えると、耐摩耗性は向上するものの、棒鋼圧延工程における加熱段階で、粗大な初析セメンタイトが多く分散することになり、冷間鍛造性の悪化を招く。また硬さの上昇を招き、切削加工時の工具寿命の低下、焼割れの原因となる。したがって、Cの含有量を0.95〜1.2%とした。なお、C含有量の好ましい下限は0.97%である。また、好ましい上限は1.1%である。
Si:0.15〜0.35%
Siは、焼入れ性を高めて転動疲労寿命を向上させるのに有効な元素であり、0.15%以上含有させなければならない。しかしながら、0.35%を超えてSiを含有させると、母材の硬さが高くなって切削加工時の工具寿命の低下を招く。したがって、Siの含有量を0.15〜0.35%とした。なお、Si含有量の好ましい下限は0.20%である。また、好ましい上限は0.32%である。
Mn:0.05〜0.5%
Mnは、焼入れ性を高めて転動疲労寿命を向上させるのに有効な元素であり、0.05%以上含有させなければならない。しかしながら、0.5%を超えてMnを含有させると、母材の硬さが高くなって、切削加工時の工具寿命の低下を招く。さらには、焼割れの原因ともなる。したがって、Mnの含有量を0.05〜0.5%とした。なお、Mn含有量の好ましい下限は0.10%である。また、好ましい上限は0.45%である。なお、Mnの含有量は後述の[3]式も満たす必要がある。
P:0.025%以下
Pは、結晶粒界に偏析して転動疲労寿命を短くしてしまう。特に、その含有量が0.025%を超えると、転動疲労寿命の低下が著しくなる。したがって、Pの含有量を0.025%以下とした。好ましいP含有量の範囲は0.020%以下である。
S:0.010%以下
Sは、硫化物を形成する元素であり、その含有量が0.010%を超えると、粗大な硫化物が残存するため冷間鍛造性の劣化や転動疲労寿命を著しく短くしてしまう。したがって、Sの含有量を0.010%以下とした。なお、転動疲労寿命の向上という観点からは、Sの含有量は低ければ低いほど好ましく、好ましい上限は、0.001%である。なお、Sの含有量は後述の[2]式および[3]式も満たす必要がある。
Cr:0.80〜1.80%
Crは、鋼の焼入れ性を高めるとともに、セメンタイトを熱的に安定化させ、高温域におけるセメンタイトのマトリックス中への固溶を抑止する作用を有する。この効果はCrの含有量が0.80%以上で発揮される。しかしながら、Crの含有量が1.80%を超えると、前記の効果が飽和するだけでなく、最終形状にした後に行う焼入れ処理の際に、焼割れを生じやすくなり、また、転動疲労寿命の低下を招く。したがって、Crの含有量を0.80〜1.80%とした。なお、Cr含有量の好ましい下限は0.90%である。また、好ましい上限は1.60%である。
Al:0.005%を超えて0.040%以下
Alは、精錬工程で脱酸を行うために使用する元素であり、0.005%を超えて含有させなければ、Alによる脱酸効果が得られない。しかし、Alの含有量が0.040%を上回ると粗大な酸化物として残存しやすくなり、転動疲労寿命の低下を招く。したがって、Alの含有量は0.005%を超えて0.040%以下とした。なお、Al含有量の好ましい下限は0.007%である。また、好ましい上限は0.038%である。
Ca:0.0003〜0.0012%
Caは、酸化物中に適量のCaOを形成するとともに、硫化物中に固溶しCaSを形成する。酸化物中にCaOを形成することによって、界面エネルギーが低下し、酸化物の凝集力が低下することで、粗大化が抑制される。この効果によって、転動疲労寿命の低下を抑制できる。また硫化物に対してはCaSを形成することで延伸・粗大化を抑制する効果がある。さらに晶出形態が変化するため、硫化物系介在物が均一分散する。これらの効果によって、転動疲労寿命の低下を抑制できる。上述したCaの各効果は、Caの含有量が0.0003%以上で発揮される。しかしながら、Caの含有量が0.0012%を超えると、前記の効果が飽和するだけでなく、特に、酸化物の粗大化を招き、結果として転動疲労寿命の低下を招く場合がある。したがって、Caの含有量を0.0003〜0.0012%とした。なお、Ca含有量の好ましい下限は0.0004%である。また、好ましい上限は0.0010%である。なお、Caの含有量は後述の[1]式および[2]式も満たす必要がある。
O:0.0010%以下
O(酸素)は、酸化物を生成する元素であり、極力低下させる必要がある。Oの含有量が多くなって、特に0.0010%を上回ると、粗大な酸化物として残存しやすくなり、転動疲労寿命の低下を招く。したがって、Oの含有量を0.0010%以下とした。Oの含有量は0.0008%以下であることが好ましい。なお、Oの含有量は後述の[1]式および[2]式も満たす必要がある。
Ca/O:0.70〜1.80、かつ(1250S−5.80)以上
本発明の軸受鋼は、Ca/Oが下記の[1]式を満足する化学組成でなければならない。
0.70≦Ca/O≦1.80・・・[1]
ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
Ca/Oは酸化物総量に対するCa比率を表す指標であり、Ca/Oが0.70未満の場合、粗大化した、または点列状の、Al23を主成分としたスピネルが生成し、球状の酸化物を得ることが困難である。一方、Ca/Oが1.80を上回ると、CaOを主体とする粗大な酸化物あるいは点列状の酸化物を形成しやすくなり、粗大な酸化物を抑制することが困難になる。したがって、Ca/Oは0.70〜1.80の範囲とした。
本発明の軸受鋼は、さらにCa/Oが下記の[2]式を満足する化学組成でなければならない。
Ca/O≧1250S−5.80・・・[2]
ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
これは、たとえCa/Oが上記0.70〜1.80の範囲であっても、鋼中に存在するS量によっては、CaS形成のため、酸化物の粗大化を抑制できない場合があるからである。
すなわち、〔Ca/O<1250S−5.80〕の場合、CaS形成に伴い、酸化物形態制御に用いられるCa量が不足するため、粗大または点列状の、Al23を主成分としたスピネルが生成し、酸化物の粗大化を抑制できない。したがって、〔Ca/O≧1250S−5.80〕とした。なお、Sに対する係数である1250は、CaS形成に伴うCa減少係数を意味する。
Mn/S:20〜170
本発明の軸受鋼は、さらに下記の[3]式を満足する化学組成でなければならない。
20≦Mn/S≦170・・・[3]
ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
これは先ず、熱間加工中の割れ発生を抑止するためには、Sの含有量を既に述べた0.010%以下とすることに加えて、固溶Sの量を減らすために、少なくともSをMnS(硫化物)として存在させる必要があり、MnとSの含有量の比であるMn/Sの値が20以上であれば、Sが固溶Sとして延性低下を引き起こすことがないからである。一方、Mn/Sの値が大きすぎると、固溶Sは存在しなくなってSが延性低下を引き起こすことはなくなるものの、Mn/Sの値が170を超えると、生成したMnSの大きさが増大し、粗大なMnSが残存する場合があるからである。したがって、Mn/Sの値を20〜170とした。
(B)軸受鋼の製造方法:
本発明に係る軸受鋼は、たとえば、転炉で溶製した鋼を連続鋳造で300mm×400mmの鋳片にすることで製造できる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。
表1に示す種々の化学組成を有する軸受鋼1〜13を70t転炉で溶製した。
なお、転炉でAlによる脱酸処理を施した後、CaSi化合物を添加し、Ca量を調整した。
表1中の鋼1〜6は、化学組成が本発明で規定する範囲内にある鋼であり、鋼7〜13は、化学組成が本発明で規定する条件から外れた比較例の鋼である。
表1には、株式会社材料設計技術研究所で開発・販売されている状態図計算ソフトウェア「Pandat ver.6.0」によって求めた各鋼のAe1点およびAem点を併記した。「Ae1点」および「Aem点」はそれぞれ、平衡状態における共析温度および平衡状態においてセメンタイトがオーステナイトに完全に固溶する温度である。
Figure 2014015632
転炉で溶製した鋼は、連続鋳造により300mm×400mmの鋳片にした後、さらに1250℃で均熱し、その後、1150〜1100℃の温度域で分塊圧延して、160mm×160mmの鋼片とした。
次いで、鋼片は、下記の構成からなる各圧延機列の間に冷却設備を備えた全連続式熱間圧延ラインによって、表2に試験番号1〜14として示した条件で「総減面率」が88.96%の熱間圧延を行い、直径60mmの棒鋼に加工した。「総減面率」とは、全連続式熱間圧延方法における被圧延材の圧延前の断面積をA0、最終の圧延機を出た後の面積をAfとした場合に、{(A0−Af)/A0}×100で求められる値(%)である。
・粗圧延機列:8台の圧延機で構成、
・中間圧延機列:4台の圧延機で構成、
・仕上げ圧延機列:2台の圧延機で構成。
なお、表2における試験番号1〜13の熱間圧延は、特許文献1の発明の製造方法である。また、表2における試験番号14の熱間圧延は、オーステナイト単相域に加熱して熱間圧延する従来の全連続式熱間圧延方法である。
Figure 2014015632
棒鋼圧延時の被圧延材の表面温度は、放射温度計を用いて測定した。
連続圧延終了後、つまり、仕上げ圧延機列の2台目の圧延機による圧延を終了した後は、大気中で放冷した。
なお、表2において粗圧延機列、中間圧延機列および仕上げ圧延機列をそれぞれ、「粗列」、「中間列」および「仕上列」と表記し、粗圧延機列と中間圧延機列との間の冷却設備を「冷却設備1」、中間圧延機列と仕上げ圧延機列の間の冷却設備を「冷却設備2」と表記した。さらに、冷却設備1、2を用いて冷却した場合、各設備での冷却開始から終了までの間で最も低くなった温度を、それぞれ「最低温度」と表記した。
なお、表2に記載の圧延開始温度、入側温度、出側温度および圧延終了温度は、放射温度計を用いて測定した被圧延材の表面温度であり、各冷却設備における最低温度については、放射温度計で測定した表面温度測定値、冷却設備における冷却条件、冷却設備を出た後の大気中での冷却条件および圧延条件を考慮して、差分法による数値解析によって求めた被圧延材表面の温度履歴から、各冷却設備での被圧延材表面の最低温度を算出して記載したものである。
これらの棒鋼圧延材は、次に示す方法でミクロ組織を調査した。
すなわち、先ず、直径60mmの各棒鋼から長さが20mmの試験片を切り出し、これらの試験片の中心軸を通り、圧延方向に平行に切り出した断面(以下、「縦断面」という。)が被検面になるように樹脂に埋め込み、鏡面研磨した後、ピクリン酸アルコール(ピクラル液)で腐食して、倍率を5000倍として走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて10視野についてミクロ組織画像を撮影した。なお、各視野の面積は25μm×20μmである。
次に、上記の撮影画像を用いて、画像処理ソフトによって各セメンタイトの長径Lと短径Wとを個々に測定し、L/Wが5.0以下であるセメンタイトの割合と、L/Wが2.0以下であるセメンタイトの割合をそれぞれ、算出した。
また、画像処理ソフトによってL/Wが2.0以下である各セメンタイトの円相当直径を導出し、それを算術平均してL/Wが2.0以下であるセメンタイトの平均粒径を求めた。なお、以下の説明においては、上記のようにして求めたL/Wが2.0以下であるセメンタイトの割合を「球状化率」という。
上記のミクロ組織調査結果を表2に併せて示した。
表2から明らかなように、特許文献1の発明の製造方法で製造した試験番号1〜13においては、鋼種によらず、球状化率は全て80%程度となったことを確認した。
また、オーステナイト単相域に加熱して熱間圧延する従来の全連続式熱間圧延方法の試験番号14では、球状化組織が得られなかった。
次に、各棒鋼から長さが300mmの試験片を切り出した。次いで、試験番号1〜13の試験片を図2に示す全在炉時間が12hの条件で、大気雰囲気の箱型電気加熱炉を用いて、球状化熱処理を行った。
図2に示した熱処理パターンは、一般的な球状化熱処理として用いられている長時間処理に比べて、全在炉時間が半減したものである。
また、試験番号14は、一般的な球状化熱処理として用いられている長時間処理の一例として示した図3の熱処理パターンで処理した。
次いで、上記球状化熱処理した直径が60mmの各試験片について、次に示す方法で、ミクロ組織を調査した。
先ず、各球状化熱処理後の試験片の中心軸を通り、圧延方向に平行に切り出したいわゆる「縦断面」が被検面になるように樹脂に埋め込み、鏡面研磨した後、ピクリン酸アルコール(ピクラル液)で腐食して、倍率を5000倍として走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて中心部10視野についてミクロ組織画像を撮影した。なお、各視野の面積は25μm×20μmである。
次に、上記のミクロ組織撮影画像を用いて、画像処理ソフトによって各セメンタイトの長径Lと短径Wとを個々に測定し、L/Wが2.0以下以下であるセメンタイトの割合、つまり「球状化率」を算出した。
上記の球状化熱処理パターンおよび球状化熱処理後のミクロ組織調査結果も表2に併記した。
表2に示すとおり、試験番号1〜13の場合では、球状化率が95%以上であり、試験番号14の場合には、通常要求される85%という球状化率が得られることが確認できた。
そこで、転動疲労特性を評価するため、前記球状化熱処理を施して得た鋼1〜14の直径が60mmの棒鋼の中心から、長手方向が素形材の厚みとなるように、直径が60mmで厚みが5.5mmの素形材をスライスして採取した。
上記の直径が60mmで厚みが5.5mmの素形材を、830℃で30min加熱した後、油焼入れし、その後さらに、180℃で1h加熱してから大気中で放冷する焼戻しを行った。
このようにして「焼入れ−焼戻し」の調質処理を行った直径が60mmで厚みが5.5mmの素形材の表面をラッピング加工して転動疲労試験片を作製し、転動疲労試験に供した。
転動疲労試験は、スラスト型の転動疲労試験機を用いて、潤滑油中で最大接触面圧5230MPa、繰返し速度1800cpm(cycle per minute)の条件で行った。なお、鋼球としてJIS G 4805(2008)に規定されたSUJ2の調質材を用いた。
表3に、転動疲労試験の詳細条件を示す。なお、表3における「焼入れ−焼戻し」は、上記「調質」と同義である。
Figure 2014015632
転動疲労試験結果は、ワイブル分布確率紙上にプロットし、10%破損確率を示すL10寿命を「転動疲労寿命」として転動疲労特性を評価した。なお、転動疲労寿命の長寿命化の判断については、L10寿命が2.0×107以上を満足した場合を長寿命化とし、これを目標とした。
表2に、上記のようにして求めた転動疲労寿命を併せて示した。
表2に示すように、本発明で規定した化学組成を満足する鋼1〜6を用いた試験番号1〜6および試験番号14の場合は、転動疲労寿命(L10寿命)は5.9×107以上で、転動疲労寿命の長寿命化が達成できている。
これに対して、試験番号7〜13の場合は、用いた鋼7〜13の化学組成が本発明で規定する条件から外れている。このため、上記各試験番号の場合、転動疲労寿命が短く目標に達していない。
試験番号7の場合、用いた鋼7は、[1]式を満たさないので、すなわち、CaとOの含有量から算出されるCa/Oの値が、本発明で規定する値を下回る0.67であるので、粗大なスピネル系の酸化物系介在物を生成する。このため、試験番号7の場合、L10寿命が1.1×107と短い。
試験番号8の場合、用いた鋼8は、[2]式を満たさないので、すなわち、〔Ca/O<1250S−5.80〕であるので、粗大な酸化物系介在物を生成する。このため、試験番号8の場合、L10寿命が9.0×106と短い。
試験番号9の場合、用いた鋼9は、[1]式を満たさないので、すなわち、CaとOの含有量から算出されるCa/Oの値が、本発明で規定する値を上回る2.00であるので、粗大なCaOを主体とする酸化物系介在物を生成する。このため、試験番号9の場合、L10寿命が1.2×107と短い。
試験番号10の場合、用いた鋼10は、Caの含有量が、本発明で規定する値を上回る0.0015%であるので、粗大な酸化物系介在物を生成する。このため、試験番号10の場合、L10寿命が8.0×106と短い。
試験番号11の場合、用いた鋼11は、Ca含有量が本発明で規定する値を下回る0.0001%、また、Ca/Oの値も本発明で規定する値を下回る0.11であり、さらに[2]式を満たさず〔Ca/O<1250S−5.80〕であるので、粗大で延伸した硫化物系介在物や粗大な酸化物系介在物が生成される。このため、試験番号11の場合、L10寿命が5.0×106と短い。
試験番号12の場合、用いた鋼12は、S含有量が本発明で規定する値を上回る0.0110%であり、さらに[2]式を満たさず〔Ca/O<1250S−5.80〕であるので、粗大で延伸した硫化物系介在物や粗大な酸化物系介在物が生成する。このため、試験番号12の場合、L10寿命が7.0×106と短い。
試験番号13の場合、用いた鋼13は、O含有量が本発明で規定する値を上回る0.0015%であり、また、Ca/Oの値も本発明で規定する値を下回る0.47であるので、粗大な酸化物系介在物が生成される。このため、試験番号13の場合、L10寿命が1.2×107と短い。
本発明の軸受鋼は、転動疲労による破損に対して良好な耐久性を有し、転動疲労寿命が長いことから、各種の産業機械や自動車などに使用される「玉軸受」や「コロ軸受」といった転がり軸受の素材として好適に用いることができる。

Claims (1)

  1. 質量%で、C:0.95〜1.2%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.05〜0.5%、P:0.025%以下、S:0.010%以下、Cr:0.80〜1.80%、Al:0.005%を超えて0.040%以下、Ca:0.0003〜0.0012%およびO:0.0010%以下を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、下記の[1]〜[3]式を満足する化学組成を有する軸受鋼。
    0.70≦Ca/O≦1.80・・・[1]
    Ca/O≧1250S−5.80・・・[2]
    20≦Mn/S≦170・・・[3]
    ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
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