JP2014014514A - トレー支持構造及びこれを備えたカート装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トレーのがたつきを防止することができるとともに、トレーをレールから引き出す際の操作力を低減することができるトレー支持構造及びこれを備えたカート装置を提案する。
【解決手段】トレー支持構造2は、物品を収容可能とされたトレー80と、該トレー80を一方向にスライド可能に支持するトレー支持部材61と、前記トレー80又は前記トレー支持部材61のいずれか一方に取り付けられ、前記トレー80又は前記トレー支持部材61の他方を上下方向に押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記一方向に移動可能とされていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】トレー支持構造2は、物品を収容可能とされたトレー80と、該トレー80を一方向にスライド可能に支持するトレー支持部材61と、前記トレー80又は前記トレー支持部材61のいずれか一方に取り付けられ、前記トレー80又は前記トレー支持部材61の他方を上下方向に押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記一方向に移動可能とされていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、トレー支持構造及びこれを備えたカート装置に関するものである。
周知のように、オフィス、病院、公共施設等における執務空間においては、執務空間内の様々な場所に移動しながら執務を行う場合がある。この場合、物品を収容可能とされたカート装置を用い、執務者がカート装置と共に移動しながら執務が行われていた。
このようなカート装置としては、一般に、床面上を走行可能なキャスターが設けられたベースと、該ベースから立設された一対の支柱と、一対の該支柱に支持された天板と、一対の支柱間に設けられたレールと、該レールにスライド可能に支持され物品を収容可能とされたトレーとを備えるものが使用されている。
上記のカート装置によれば、執務者がトレーに執務に必要な物品を整頓して収容することができるとともに、場所を移動しながら所望の場所にて当該物品を用いて執務を行うことが可能とされている。
ここで、カート装置の移動時に、トレーとレールとの間でがたつきが生じ、異音が発生してしまう虞れがあり、さらにはトレーがレールから落下する虞れもあった。そこで、トレーのがたつきを防止するために、下記の特許文献1に記載のトレー押さえ構造が提案されている。
特許文献1に記載のトレー押さえ構造は、物品を収容可能とされたトレーと、該トレーをスライド可能に支持するガイドレールと、該ガイドレールに設けられトレーを押圧する押さえ板とを備えている。この押さえ板により、トレーのスライド領域にわたって設けられ、トレーを常時押圧することにより、該トレーとガイドレールとの間に生じるがたつきを防止することができる。
しかしながら、上記の特許文献1に記載のトレー押さえ構造では、トレーがガイドレールにより押圧されることで該トレーのがたつきが防止される反面、トレーをレールから引き出す際に必要とされる引き出す力が大きくなり、操作性が悪いという問題点がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、トレーのがたつきを防止することができるとともに、トレーをレールから引き出す際の操作力を低減することができるトレー支持構造及びこれを備えたカート装置を提案するものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係るトレー支持構造は、物品を収容可能とされたトレーと、該トレーを一方向にスライド可能に支持するトレー支持部材と、前記トレー又は前記トレー支持部材のいずれか一方に取り付けられ、前記トレー又は前記トレー支持部材の他方を押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記一方向に移動可能とされていることを特徴とする。
すなわち、本発明に係るトレー支持構造は、物品を収容可能とされたトレーと、該トレーを一方向にスライド可能に支持するトレー支持部材と、前記トレー又は前記トレー支持部材のいずれか一方に取り付けられ、前記トレー又は前記トレー支持部材の他方を押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記一方向に移動可能とされていることを特徴とする。
このように構成されたトレー支持構造では、トレー(又はトレー支持部材)が押圧部材から押圧されている。また、押圧部材は押圧した状態で移動可能とされているため、トレーをトレー支持部材からスライドする際に生じる抵抗を低減することができる。
よって、トレーのがたつきを防止することができるとともに、トレーをレールから引き出す際の操作力を低減することができる。
よって、トレーのがたつきを防止することができるとともに、トレーをレールから引き出す際の操作力を低減することができる。
また、前記トレー又は前記トレー支持部材の前記一方には、前記一方向に向かって延在する凹部が形成され、前記押圧部材は、該凹部と嵌合し、且つ、前記一方向に向かって移動可能な嵌合部と、弾性材料から構成され前記トレー又は前記トレー支持部材の前記他方を押圧する押圧部とを有していることが好ましい。
このように構成されたトレー支持構造では、凹部に嵌合部を嵌合させるだけで、トレー支持部材(又はトレー)に押圧部材を支持させることができるため、簡易な構成とすることができる。
また、本発明に係るトレー支持構造は、前記トレーは、第一位置から、前記トレー支持部材から前記トレーが取り出された第二位置までスライド可能とされ、前記押圧部材は、前記第一位置から前記第二位置に移動する途中で、前記凹部の前記一方向の端部と係合してもよい。
このように構成されたトレー支持構造では、トレーをトレー支持部材からスライドさせる初期段階の操作力を確実に低減させることができる。また、所定の範囲スライドさせた後は押圧部材は凹部に係合してスライドせずトレー(又はトレー支持部材)を押圧しなくなるため、トレーを引き出す操作力を一層低減させることができる。
また、本発明に係るトレー支持構造は、前記押圧部材が、前記トレー又は前記トレー支持部材の他方を上下方向に押圧していてもよい。
このように構成されたトレー支持構造では、押圧部材ががたつきが生じる方向となる上下方向に押圧することで、より確実にトレーのがたつきを防止することができる
また、本発明に係るトレー支持構造は、前記トレー支持部材は、互いに離間して立設された一対の支持体それぞれに取り付けられ、一対の前記トレー支持部材が前記支持体に取り付けられた部分から離間した位置において、一対の該トレー支持部材を着脱可能に連結する連結部材を備えていてもよい。
このように構成されたトレー支持構造では、連結部材により一対のレールが連結されるため、一対のレールが互いに連結される方向から反対方向に離間することが防止される。また、連結部材は、レールに取り付けられた状態と、レールから取り外された状態のいずれの態様もとることが可能である。よって、簡易な構成でありながら強固な構造とすることができる。
また、本発明に係るカート装置は、上記のいずれか一に記載のトレー支持構造を備えることを特徴とする。
このように構成されたカート装置では、トレーのがたつきを防止することができるとともに、トレーをレールから引き出す際の操作力を低減することができる。
本発明に係るトレー支持構造及びこれを備えたカート装置によれば、トレー(又はトレー支持部材)がトレー支持部材(又はトレー)から押圧されている。また、押圧部材は押圧した状態で移動可能とされているため、トレーをトレー支持部材からスライドする際に生じる抵抗を低減することができる。よって、トレーのがたつきを防止することができるとともに、トレーをレールから引き出す際の操作力を低減することができる。
(カート装置)
以下、本発明の一実施形態に係るカート装置について説明する。
図1に示すように、カート装置1は、床面F上に設けられるベース体10と、該ベース体10から立設された一対の支持体40と、一対の該支持体40に支持された天板50と、一対の該支持体40間に設けられ物品を収容可能なトレー支持構造2とを備えている。
以下、本発明の一実施形態に係るカート装置について説明する。
図1に示すように、カート装置1は、床面F上に設けられるベース体10と、該ベース体10から立設された一対の支持体40と、一対の該支持体40に支持された天板50と、一対の該支持体40間に設けられ物品を収容可能なトレー支持構造2とを備えている。
執務者は、例えば病院等の執務空間において、カート装置1の天板50及びトレー支持構造2に物品を載置した状態で、天板50に設けられた操作ハンドル51を把持して操作力を与えることで、床面F上でカート装置1を移動させることが可能となっている。
ここで、執務者が操作ハンドル51部と対向するように位置して、操作ハンドル51を押す側となる図1の左奥側をカート装置1の前側とし、操作ハンドル51を引く側となる図1の右手前側をカート装置1の後側とする。また、図1に示す紙面の左手前側から右奥側に向かう方向を左右方向と称する。
(ベース体)
ベース体10は、互いに左右方向に離間して前後方向に向かって配設された一対の脚部材11と、一対の該脚部材11を左右方向に連結する連結杆(不図示)とを有している。
ベース体10は、互いに左右方向に離間して前後方向に向かって配設された一対の脚部材11と、一対の該脚部材11を左右方向に連結する連結杆(不図示)とを有している。
脚部材11の前端及び後端の下面には、床面Fに直交する鉛直軸回りに旋回可能なキャスター13がそれぞれ設けられている。このキャスター13により、カート装置1は前後方向及び左右方向に移動可能とされている。
連結杆の上方には、上面が床面Fと平行な状態となるとともに略矩形状に形成され物品を載置可能とされた固着載置部20が固着されている。この固着載置部20は、脚部材11の前端にも固着されている。
(支持体)
支持体40は互いに左右方向に離間した一対で構成され、それぞれの支持体40は脚部材11の前後方向の中央よりも後方から立設されている。
支持体40は互いに左右方向に離間した一対で構成され、それぞれの支持体40は脚部材11の前後方向の中央よりも後方から立設されている。
支持体40における対向する面、すなわち支持体40の左右方向内側の面には、上下方向に離間して複数のスリット(不図示)が形成されている。このスリットには、後述するトレー支持構造2が係止されている。
(天板)
天板50は、上面が床面Fと平行な状態となるとともに略矩形状に形成され、支持体40に支持されている。そして、上面は薬品等の物品が載置可能であり、又はカルテ等の記載が可能な作業台として使用することができる。この天板50の後側には、操作ハンドル51が設けられている。
天板50は、上面が床面Fと平行な状態となるとともに略矩形状に形成され、支持体40に支持されている。そして、上面は薬品等の物品が載置可能であり、又はカルテ等の記載が可能な作業台として使用することができる。この天板50の後側には、操作ハンドル51が設けられている。
操作ハンドル51は、天板50の後部の左右両側から後方に向かって突設された一対のハンドル取付部51aと、一対の該ハンドル取付部51aを連結するハンドル本体51bとを有している。執務者は、該ハンドル本体51bを把持することで、カート装置1を床面F上に移動させることができる。
また、天板50の上面には、ワイヤー部材52が設けられている。ワイヤー部材52は、線状に形成されたワイヤー本体53と、該ワイヤー本体53を天板50に固定する固定部材54とを有している。
ワイヤー本体53は、天板50の上方の前縁に配設される前ワイヤー53aと、該前ワイヤー53aの両端から屈曲して形成された一対の側ワイヤー53bとを有している。
固定部材54は、前ワイヤー53aの略中央に設けられた前固定部54aと、側ワイヤー53bの端部に設けられた側固定部54bとを有している。前固定部54aは前ワイヤー53aに係合されるとともに下端が天板50に固定され、側固定部54bは側ワイヤー53bに係合されるとともに下端が天板50に固定されている。
ワイヤー本体53が固定部材54により天板50に固定されることにより、執務者が操作ハンドル51を把持してカート装置1を移動させても、該天板50に載置された物品の落下が防止される。
(トレー支持構造)
図1及び図2に示すように、トレー支持構造2は、支持体40に設けられた一対のレール(トレー支持部材)61と、一対のレール61に対して前後方向(一方向)にスライド可能に支持されるトレー80と、該トレー80を上下方向に押圧する押圧部材100と、一対の該レール61を着脱可能に連結する連結部材90とを備えている。このトレー支持構造2は、上下方向に離間して複数設けられ、本実施形態では3個設けられている。
図1及び図2に示すように、トレー支持構造2は、支持体40に設けられた一対のレール(トレー支持部材)61と、一対のレール61に対して前後方向(一方向)にスライド可能に支持されるトレー80と、該トレー80を上下方向に押圧する押圧部材100と、一対の該レール61を着脱可能に連結する連結部材90とを備えている。このトレー支持構造2は、上下方向に離間して複数設けられ、本実施形態では3個設けられている。
(レール)
レール61は、トレーを前後方向にスライド可能に支持するものである。このレール61は、前後方向に向かって延在するレール本体62と、該レール本体62の後部外側面に形成された係止体75とを有している。この係止体75が支持体40に形成されたスリットに係止されることで、レール61は支持体40に取り付けられている。
レール61は、トレーを前後方向にスライド可能に支持するものである。このレール61は、前後方向に向かって延在するレール本体62と、該レール本体62の後部外側面に形成された係止体75とを有している。この係止体75が支持体40に形成されたスリットに係止されることで、レール61は支持体40に取り付けられている。
図2及び図3に示すように、レール本体62は、トレー80が載置されるレール載置部63と、該レール載置部63から立設されたレール立設部64と、該レール立設部64から屈曲して形成されたレール上壁部65とを有している。
レール載置部63には、前後方向の両端に上下方向に向かって貫通する係合孔63a,63bが穿設されている。
レール上壁部65には、前後方向に向かって延在する貫通孔(凹部)65aが形成されている。
(トレー)
図2に示すように、トレー80は、上方が開放された箱状部材であって物品が収容可能とされている。このトレー80は、底部をなすトレー底壁部81と、該トレー底壁部81から立設された前後一対のトレー前壁部82及びトレー後壁部83と、該トレー前壁部82とトレー後壁部83とを連結する一対のトレー側壁部84とを有している。
図2に示すように、トレー80は、上方が開放された箱状部材であって物品が収容可能とされている。このトレー80は、底部をなすトレー底壁部81と、該トレー底壁部81から立設された前後一対のトレー前壁部82及びトレー後壁部83と、該トレー前壁部82とトレー後壁部83とを連結する一対のトレー側壁部84とを有している。
このトレー側壁部84がレール載置部63の上面に載置され、前方の収容される第一位置から後方の引き出される第二位置まで前後方向にスライド可能とされている。
図1に示すように、前方に収容された状態において、トレー80の支持体40に対する前方への突出長さQ1は、トレー80の支持体40に対する後方への突出長さQ2よりも長く設定された片持ち状態とされている。
(押圧部材)
図4及び図5に示すように、押圧部材100はレール61に取り付けられるとともに、前後方向に移動可能とされている。
図4及び図5に示すように、押圧部材100はレール61に取り付けられるとともに、前後方向に移動可能とされている。
具体的には、押圧部材100は、トレー80を押圧する押圧部110と、該押圧部110から立設されレール61の貫通孔65aに嵌合される嵌合部120と、該嵌合部120の上部に設けられた押圧基部130とを有している。
押圧部110は、合成樹脂、天然ゴムや合成ゴム等の弾性材料で構成されており、トレー80のトレー側壁部84の上面84a(図2参照)を押圧している。この押圧部110は、曲面状に形成された押圧本体111と、該押圧本体111の上端を連結する押圧連結部112とを有している。
嵌合部120は、押圧連結部112のから立設して形成され、レール61の貫通孔65aに該貫通孔65aの延在方向(前後方向)に移動可能に嵌合されている。例えば、嵌合部120の左右方向の寸法は、貫通孔65aの左右方向の寸法よりも僅かに小さく設定されている。
押圧基部130は、嵌合部120の上部から水平方向に突出して形成された突出壁部131と、該突出壁部131から上方に向かうしたがって該押圧基部130の平面視中央に向かうように形成された複数の傾斜部132と、複数の該傾斜部132の上部を連結する押圧上壁部133とを有している。この押圧基部130は、例えば合成樹脂、天然ゴムや合成ゴム等の弾性材料で構成されている。
このように構成された押圧部材100は、レール61のレール上壁部65の下方から、複数の傾斜部132のうち左右方向に対向する傾斜部132を互いに近接させる方向に押圧して、貫通孔65aを上方に向かって挿通させることにより、嵌合部120が貫通孔65aに嵌合される。
ここで、押圧部材100の押圧部110がトレー80を押圧した状態では、押圧部材100の押圧部110とトレー80との間の摩擦抵抗よりも、押圧部材100の嵌合部120とレール61との摩擦抵抗が小さく設定されている。ここで、各摩擦抵抗は、押圧部材100の押圧部110とトレー80の表面の材質及び接触面積、また、押圧部材100の嵌合部120とレール61の貫通孔65a部分の材質及び接触面積によって規定される。
ここで、押圧部材100の押圧部110がトレー80を押圧した状態では、押圧部材100の押圧部110とトレー80との間の摩擦抵抗よりも、押圧部材100の嵌合部120とレール61との摩擦抵抗が小さく設定されている。ここで、各摩擦抵抗は、押圧部材100の押圧部110とトレー80の表面の材質及び接触面積、また、押圧部材100の嵌合部120とレール61の貫通孔65a部分の材質及び接触面積によって規定される。
(連結部材)
図2及び図3に示すように、連結部材90は線状部材で構成され、左右方向に延在して、その両端には下方に向かって屈曲された係合部91が形成されている。
図2及び図3に示すように、連結部材90は線状部材で構成され、左右方向に延在して、その両端には下方に向かって屈曲された係合部91が形成されている。
この連結部材90の係合部91は、レール61に穿設された係合孔63aに上方から下方に向かって挿通されることで、該係合孔63aに係合されている。なお、当該係合を解除して、係合部91が係合孔63bに上方から下方に向かって挿通されることで、該係合部91は該係合孔63bにも係合可能とされている。
このように、連結部材90は、係止体75から離間した位置、すなわちレール61の前端において、一対のレール61を連結している。
また、トレー80を前方に収容される側にスライドさせた状態において、トレー80のトレー前壁部82が連結部材90に当接している。
次に、上記のように構成されたカート装置1において、トレー80をレール61からスライドさせる動作について、図6を用いて説明する。
図6(a)に示す第一位置において、トレー80が連結部材90と当接し、押圧部材100は貫通孔65aの前後方向の略中央に位置している。このとき、押圧部材100の嵌合部120はレール61に形成された貫通孔65aに嵌合されるとともに、押圧本体111がトレー80のトレー側壁部84の上面84aを押圧している。
この状態から、トレー80に後方向きの力を加える。すると、押圧部材100の押圧部110とトレー80との間の摩擦抵抗よりも、押圧部材100の嵌合部120とレール61との摩擦抵抗が小さく設定されていることから、トレー80が後方に向かって移動するとともに、押圧部材100が貫通孔65a内を後方に向かって移動する。そして、図6(b)に示すように、押圧部材100の嵌合部120の後面が貫通孔65aの後端と係合する位置で、該押圧部材100の移動は規制される。
この状態から、トレー80にさらに後向きの力を加えると、押圧部材100は静止したまま、押圧本体111に対してトレー80のトレー側壁部84が摺動して、トレー80が後方に移動する。ここで、押圧部材100とトレー80とが離間するまでの間は、まだ押圧部材100とトレー80との間には摩擦抵抗が生じることとなる。しかしながら、この状態では、押圧部材100とトレー80とが動摩擦状態となることから、静止状態で生じる摩擦抵抗に比べて操作時の抵抗力が小さくなっているために、容易にトレー80を移動せることができる。
そして、図6(c)に示すように、トレー80が押圧部材100から後方に離間して、トレー80が押圧部材100から押圧されずに後方に向かって、第二位置まで移動する。
また、連結部材90の係合部91を係合孔63bに係合させた状態においては、トレー80をレール61から後ろ向きに引き出すことができる。この場合の動作について、図7を用いて説明する。
図7(a)に示す第一位置において、トレー80が連結部材90と当接し、押圧部材100は貫通孔65aの前後方向の略中央に位置している。このとき、押圧部材100の嵌合部120はレール61に形成された貫通孔65aに嵌合されるとともに、押圧本体111がトレー80のトレー側壁部84の上面84aを押圧している。
この状態から、トレー80に前方向きの力を加える。すると、上記同様摩擦抵抗の大きさの相対関係から、トレー80が前方に向かって移動するとともに、押圧部材100が貫通孔65a内を前方に向かって移動する。そして、図7(b)に示すように、押圧部材100の嵌合部120の前面が貫通孔65aの前端と係合する位置で、該押圧部材100の移動は規制される。
この状態から、トレー80にさらに前向きの力を加えると、押圧部材100は静止したまま、押圧本体111に対してトレー80のトレー側壁部84が摺動して、トレー80が前方に移動する。この場合にも、押圧部材100とトレー80とが動摩擦状態となることから、静止状態で生じる摩擦抵抗に比べて操作時の抵抗力が小さくなっているために、容易にトレー80を移動せることができる。
そして、図7(c)に示すように、トレー80が押圧部材100から前方に離間して、トレー80が押圧部材100から押圧されずに前方に向かって、第二位置まで移動する。
このように構成されたカート装置1では、トレー80のトレー側壁部84の上面84aが押圧部材100の押圧本体111から押圧されている。また、押圧部材100は押圧した状態で、トレー80とともに前後方向に移動するため、トレー80をレール61からスライドする際に生じる抵抗を低減することができる。よって、トレー80のがたつきを防止することができるとともに、該トレー80をレール61から引き出す際の操作力を低減することができる。
また、レール61からトレー80を移動させる初期段階(例えば図6(a)に示す段階)では、押圧部材100がトレー80とともに移動するため、該トレー80を移動させるのに必要な操作力を確実に低減させることができる。
そして、所定の範囲スライドさせた後(例えば図6(c)に示す状態)では、トレー80が押圧部材100から押圧されることはないため、トレーを引き出す操作力を一層低減させることができる。
また、図6(a)及び図7(a)に示すように、第一位置において、押圧部材100はトレー80を前後方向の中央部近傍で押圧するため、トレー80のがたつきを確実に防止することができる。
また、貫通孔65aに押圧部材100の嵌合部120を嵌合させるだけで、該押圧部材100をレール61に支持させることができるため、簡易な構成とすることができる。
また、連結部材90により一対のレール61が連結されるため、一対のレール61が互いに左右方向外側に向かって離間することが防止される。よって、簡易な構造でありながらレール61として強固な構造とすることができる。
特に、本実施形態のような片持ち状態においては、レール61の前部に作用する力を、連結部材90及び一対のレール61で一体として負担することができるため、トレー80に収容された物品を安定的に支持することができる。
また、レール61に穿設された係合孔63aと、連結部材90の形成された係合部91とを係合することで、連結部材90を一対のレール61に対して連結させることができる。そして、係合孔63aと係合部91との係合を解除することで、連結部材90を一対のレール61から取り外すことができる。よって、執務者は、連結部材90の取り付け、取り外しを容易に行うことができる。
また、図6(a)に示すように、トレー80が前方にスライドされた状態において、トレー80のトレー前壁部82が連結部材90に当接して、トレー80は位置決めされて当該当接した位置よりも前方への移動が規制されている。よって、トレー80がレール61の前方から落下する虞がない。さらに、トレー80の前方への移動を規制する部材を別個設ける必要がないため、簡素な構成でありながら、カート装置1としての使い勝手を向上させることができる。
また、連結部材90の係合部91は、レール61に穿設された係合孔63a及び63bのいずれにも係合可能である。よって、カート装置1の使用態様に応じて、係合部91を係合孔63bに係合させて、一対のレール61の後部を連結部材90で連結し、前方からトレー80を引き出すこともできるため、使い勝手を良好とすることができる。
(変形例1)
上記に示す実施形態の変形例1としては、図8に示すように、押圧部材100が、第一位置から第二位置まで、トレー80と共に移動してもよい。
上記に示す実施形態の変形例1としては、図8に示すように、押圧部材100が、第一位置から第二位置まで、トレー80と共に移動してもよい。
図8(a)に示す第一位置において、トレー80が連結部材90と当接し、押圧部材100は貫通孔165aの後端に位置している。このとき、押圧部材100の嵌合部120はレール61に形成された貫通孔165aに嵌合されるとともに、押圧本体111がトレー80のトレー側壁部84の上面84a(図2参照)を押圧している。
この状態から、トレー80に前方向きの力を加えると、図8(b)に示すようにトレー80が前方に向かって移動するとともに、押圧部材100が貫通孔165a内を前方に向かって移動する。
そして、図8(c)示す第二位置において、押圧部材100の嵌合部120の前面が貫通孔165aの前端と係合する位置で、該押圧部材100及びトレー80の移動は規制される。
このように構成されたカート装置1では、第一位置から第二位置まで、押圧部材100がトレー80を押圧するため、トレー80のがたつきを確実に防止することができるとともに、該トレー80をレール61から引き出す際の操作力を低減することができる。
(変形例2)
上記に示す実施形態の変形例2として、図9に示すような構成の弾性材料で構成された押圧部材200であってもよい。
上記に示す実施形態の変形例2として、図9に示すような構成の弾性材料で構成された押圧部材200であってもよい。
押圧部材200は、トレー80を押圧する押圧部210と、該押圧部210から立設されレール61の貫通孔65aに嵌合される嵌合部220と、該嵌合部220の上部に設けられた押圧基部230とを有している。
嵌合部220は、押圧連結部212のから左右方向に離間して一対立設して形成され、レール61の貫通孔65aに該貫通孔65aの延在方向(前後方向)に移動可能に嵌合されている。
押圧基部230は、一対の嵌合部220のそれぞれの上部から立設された押圧立設部231と、該押圧立設部231から左右方向外側に向かって延出する押圧延出部232とを有している。
このように構成された押圧部材200は、レール61のレール上壁部65の下方から、一対の押圧基部230を互いに近接させる方向(図9に示す紙面左右方向内側)に向かって押圧して、押圧基部230を貫通孔65aに挿通させる。押圧基部230がレール上壁部65の上面に載置された状態で、押圧していた力を解除すると一対の押圧基部230が互いに離間する方向(図9に示す紙面左右方向外側)に移動して、嵌合部220が貫通孔65aに嵌合される。この状態で、押圧部材200は、前後方向(図9に示す紙面奥行方向)に移動可能とされている。
このような構成においても、押圧部材200は簡易な構成でありながら、押圧部210によりトレー80を確実に押圧して、トレー80のがたつきを防止することができる。
また、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本実施形態の構成とは逆に、トレー80に前後方向に向かって貫通孔65aが形成されるとともに、該貫通孔65aに押圧部材100が嵌合支持され、該押圧部材100がレール61を押圧する構成であってもよい(不図示)。この場合には、トレー80を移動させると、最初は、摩擦抵抗の大きさの相対関係から、押圧部材100が、レール61に対して相対移動せずに、トレー80に対して貫通孔65a内で相対移動する。そして、押圧部材100が貫通孔65aの端部と係合すると、押圧部材100は、レール61に対して摺動しつつ、トレー80とともに移動することとなる。
この場合においても、トレー80をトレー支持部材61からスライドする際に生じる抵抗を低減することができるため、トレー80のがたつきを防止することができるとともに、トレー80をレール61から引き出す際の操作力を低減することができる。
また、押圧部材100が、レール61のレール上壁部65及びレール載置部63等と当接するとともに、トレー80の後端または前端を挟持するように弾性部材で形成されていてもよい。
この場合においても、押圧部材100がレール上壁部65及びレール載置部63等に支持されるとともにトレー80を押圧し、トレー80とともに移動可能とされている。
また、本実施形態においては、貫通孔65aはレール61のレール上壁部65に形成されているが、例えばレール立設部64に形成されていてもよい。この場合でも、貫通孔65aに押圧部材100を嵌合させて、側方に位置するトレー80を押圧して摩擦抵抗によりがたつきを防止するとともにとともに、該貫通孔65aの延在方向に向かって移動可能である。
また、凹部が前後方向に延在するレール61に形成された溝で構成され、該溝に前後方向にスライド可能に押圧部材100を嵌合させる構成であってもよい。
1…カート装置
2…トレー支持構造
4…支持体
80…トレー
61…トレー支持部材(レール)
100…押圧部材
65a…貫通孔
110…押圧部
120…嵌合部
2…トレー支持構造
4…支持体
80…トレー
61…トレー支持部材(レール)
100…押圧部材
65a…貫通孔
110…押圧部
120…嵌合部
Claims (6)
- 物品を収容可能とされたトレーと、
該トレーを一方向にスライド可能に支持するトレー支持部材と、
前記トレー又は前記トレー支持部材のいずれか一方に取り付けられ、前記トレー又は前記トレー支持部材の他方を押圧する押圧部材とを備え、
前記押圧部材は、前記一方向に移動可能とされていることを特徴とするトレー支持構造。 - 請求項1に記載のトレー支持構造において、
前記トレー又は前記トレー支持部材の前記一方には、前記一方向に向かって延在する凹部が形成され、
前記押圧部材は、該凹部と嵌合し、且つ、前記一方向に向かって移動可能な嵌合部と、弾性材料から構成され前記トレー又は前記トレー支持部材の前記他方を押圧する押圧部とを有することを特徴とするトレー支持構造。 - 請求項2に記載のトレー支持構造において、
前記トレーは、第一位置から、前記トレー支持部材から前記トレーが取り出された第二位置までスライド可能とされ、
前記押圧部材は、前記第一位置から前記第二位置に移動する途中で、前記凹部の前記一方向の端部と係合することを特徴とするトレー支持構造。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトレー支持構造において、
前記押圧部材が、前記トレー又は前記トレー支持部材の他方を上下方向に押圧することを特徴とするトレー支持構造。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のトレー支持構造において、
前記トレー支持部材は、互いに離間して立設された一対の支持体それぞれに取り付けられ、
一対の前記トレー支持部材が前記支持体に取り付けられた部分から離間した位置において、一対の該トレー支持部材を着脱可能に連結する連結部材を備えることを特徴とするトレー支持構造。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のトレー支持構造を備えることを特徴とするカート装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012153962A JP2014014514A (ja) | 2012-07-09 | 2012-07-09 | トレー支持構造及びこれを備えたカート装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012153962A JP2014014514A (ja) | 2012-07-09 | 2012-07-09 | トレー支持構造及びこれを備えたカート装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014014514A true JP2014014514A (ja) | 2014-01-30 |
Family
ID=50109779
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012153962A Pending JP2014014514A (ja) | 2012-07-09 | 2012-07-09 | トレー支持構造及びこれを備えたカート装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014014514A (ja) |
-
2012
- 2012-07-09 JP JP2012153962A patent/JP2014014514A/ja active Pending
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