JP2014013332A - 光学素子保持機構、レーザー走査光学装置、画像形成装置、及び光学素子保持方法 - Google Patents

光学素子保持機構、レーザー走査光学装置、画像形成装置、及び光学素子保持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学素子を歪みなく保持することができる光学素子保持機構、当該光学素子保持機構を備えるレーザー走査光学装置、当該レーザー走査光学装置を備える画像形成装置、及び当該光学素子保持機構における光学素子保持方法を提供する。
【解決手段】光学素子62を保持位置で支持する支持ピン63と、光学素子62から退避した状態で保持可能に構成され、退避した状態から支持ピン63により支持された光学素子62に当接する方向に移動して、光学素子62に当接することで光学素子62の保持位置を調整する調整ピン66と、光学素子62を挟んで調整ピン66と対向する位置に、光学素子62から退避した状態で保持可能に構成され、退避した状態から調整ピン66により保持位置が調整された光学素子62に当接する方向に移動して、光学素子62を押圧する第2押圧ピン68と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学素子保持機構、当該光学素子保持機構を備えるレーザー走査光学装置、当該レーザー走査光学装置を備える画像形成装置、及び当該光学素子保持機構における光学素子保持方法に関する。
従来、レーザープリンターやデジタル複写機などの画像形成装置には、光源ホルダーに保持された光源より出射されるレーザー光を用いて感光体を走査するレーザー走査光学装置が搭載されている。
近年、レーザー走査光学装置に対する要求性能は益々高くなり、光学素子の性能や取り付け精度も高精度化の傾向にある。特に、長尺の光学素子は、光学素子ホルダーに取り付け固定する際に変形しやすいため、保持する際の取り扱いが困難である。
従来の光学素子の保持機構として、長尺光学素子を弾性力により押圧する弾性部材と、弾性部材と対をなし弾性部材からの押圧力に対向して長尺光学素子を支持する支持部材及び調整部材と、を備え、ホルダー部材に固定又は一体形成された支持部材が長尺光学素子の長手方向両端部を支持するとともに、ホルダー部材に保持された調整部材が弾性部材からの押圧力の方向に移動可能であるものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の技術によれば、長尺光学素子の歪み量を調整することができるので、理想状態からずれた形状を呈する長尺光学素子又は長尺光学素子以外の光学部品の形状誤差又は組立誤差に起因する走査線の曲がり等のビーム位置性能を補正することができる。
特許第4744125号公報
しかしながら、上述した特許文献1記載の光学素子の保持機構では、ビーム位置性能を補正する際に光学素子を歪ませることで応力が発生し、環境変化が繰り返されることで当該応力が変化するので、結果的にビーム位置性能が初期調整時から変化してしまうといった問題が発生する。
また、光学素子がミラーなどの反射系の場合、ビーム位置性能を補正するために光学素子を歪ませると、ビーム径や像面湾曲などのビーム結像性能が大きく悪化するといった問題が発生する。
本発明は、光学素子を歪みなく保持することができる光学素子保持機構、当該光学素子保持機構を備えるレーザー走査光学装置、当該レーザー走査光学装置を備える画像形成装置、及び当該光学素子保持機構における光学素子保持方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
光学素子保持機構において、
光学素子を保持位置で支持する支持部材と、
前記光学素子から退避した状態で保持可能に構成され、前記退避した状態から前記支持部材により支持された前記光学素子に当接する方向に移動して、前記光学素子に当接することで前記光学素子の保持位置を調整する調整部材と、
前記光学素子を挟んで前記調整部材と対向する位置に、前記光学素子から退避した状態で保持可能に構成され、前記退避した状態から前記調整部材により保持位置が調整された前記光学素子に当接する方向に移動して、前記光学素子を押圧する押圧部材と、
を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学素子保持機構において、
前記支持部材は、前記光学素子を3点で位置決めしていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光学素子保持機構において、
前記調整部材と前記光学素子が接触する点と前記押圧部材と前記光学素子が接触する点とを結ぶ直線と、前記調整部材と前記光学素子が接触する点近傍の光学面の法線と、が平行であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学素子保持機構において、
前記調整部材は、前記光学素子の長手方向に沿って複数配置され、
前記複数の調整部材は、各々移動方向が異なることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の光学素子保持機構において、
前記調整部材は、前記光学素子の短手方向に複数列配置されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光学素子保持機構において、
前記調整部材と前記光学素子が接触する点と前記押圧部材と前記光学素子が接触する点とを結ぶ直線、前記調整部材の移動方向、及び前記押圧部材の移動方向の全てが平行であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学素子保持機構において、
前記調整部材及び前記押圧部材の前記光学素子に当接する側の一端は、互いに同径の球形状に形成されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学素子保持機構において、
前記光学素子を保持する光学素子ホルダーを備え、
前記光学素子ホルダーには、前記押圧部材を挿通可能な押圧部材挿通孔を有し、当該押圧部材挿通孔に前記押圧部材を挿通させて前記押圧部材を保持する押圧部材ホルダーが備えられ、
前記押圧部材は、
前記光学素子を押圧するための押圧力を発生させる圧縮コイルバネと、
他端側に形成されたロックピン挿通孔に挿通可能に形成され、前記ロックピン挿通孔を前記押圧部材ホルダーの上方に位置させた状態で前記ロックピン挿通孔に挿通されて当該押圧部材を前記光学素子から退避した状態で固定するロックピンと、を備え、
前記押圧部材から前記ロックピンを引き抜くことにより、当該押圧部材を前記光学素子に当接する方向に移動可能であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学素子保持機構において、
前記光学素子を保持する光学素子ホルダーを備え、
前記光学素子ホルダーには、前記押圧部材を挿通可能な押圧部材挿通孔を有し、当該押圧部材挿通孔に前記押圧部材を挿通させて前記押圧部材を保持する押圧部材ホルダーが備えられ、
前記押圧部材は、
前記光学素子を押圧するための押圧力を発生させる圧縮コイルバネと、
他端側に形成されたロックピン挿通孔に挿通された状態で固定され、前記押圧部材ホルダーに前記押圧部材挿通孔と一体形成された嵌合溝に直交する方向に載置されて当該押圧部材を前記光学素子から退避した状態で固定する固定ロックピンと、を備え、
前記押圧部材を、当該押圧部材の移動方向を回転軸として回転させ、前記固定ロックピンを前記嵌合溝に嵌合させることにより、当該押圧部材を前記光学素子に当接する方向に移動可能であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学素子保持機構において、
前記光学素子ホルダーには、前記押圧部材を挿通可能な押圧部材挿通孔を有し、当該押圧部材挿通孔に前記押圧部材を挿通させて前記押圧部材を保持する押圧部材ホルダーが備えられ、
前記押圧部材挿通孔の内周面は、前記押圧部材の他端側に形成されたネジ部と螺合するように形成され、
前記押圧部材は、
前記光学素子を押圧するための押圧力を発生させる圧縮コイルバネを備え、
前記押圧部材を、当該押圧部材の移動方向を回転軸として回転させることにより、当該押圧部材を前記光学素子に当接する方向に移動可能であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、レーザー走査光学装置において、
レーザー光を出射する光源と、
前記光源から出射されたレーザー光を偏向する偏向器と、
前記偏向器によりにより偏向されたレーザー光を被照射体上に集光する長尺光学素子と、
前記長尺光学素子を保持する請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学素子保持機構と、
を備えることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、画像形成装置において、
感光体と、
前記感光体を帯電する帯電部と、
前記帯電部により帯電された前記感光体に対してレーザー光を照射することで前記感光体上に静電潜像を形成する請求項11に記載のレーザー走査光学装置と、
前記レーザー光を照射された前記感光体に現像剤を供給することで前記静電潜像を現像剤による像に顕像化する現像部と、
前記現像剤による像を記録媒体に転写する転写部と、
前記転写部により転写された前記現像剤による像を前記記録媒体に定着する定着部と、を備えることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、
前記光学素子を位置決めした状態で、前記光学素子から退避した状態で保持され、前記退避した状態から前記光学素子に当接する方向に移動可能な調整部材を移動させて前記光学素子に当接させる調整部材当接工程と、
前記調整部材当接工程で前記調整部材を前記光学素子に当接させた後、前記光学素子を挟んで前記調整部材と対向する位置に、前記光学素子から退避した状態で保持され、前記退避した状態から前記光学素子に当接する方向に移動可能な押圧部材を前記光学素子に当接する方向に移動させて前記光学素子を押圧させる光学素子押圧工程と、
を含む光学素子保持方法である。
本発明によれば、光学素子に歪みが生じていない状態で調整部材の位置を決めた後、押圧部材により光学素子を押圧させて固定することができることとなって、光学素子を歪みなく保持することが可能となる。
本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 本実施形態に係るレーザー走査光学装置の概略構成を示す図である。 本実施形態に係る第三の光学系の全体構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る調整ピン及び第2押圧ピンの構成を示す側面図である。 本実施形態に係る第2押圧ピンの構成を示す斜視図である。 調整ピン及び第2押圧ピンがともに退避した状態を模式的に示す側面図である。 光学素子上に配置される支持ピン及び調整ピンの配置箇所を示す底面図である。 図6の状態から調整ピンを光学素子に当接させた状態を模式的に示す側面図である。 図8の状態から第2押圧ピンの退避状態を解除した状態を模式的に示す側面図である。 調整ピン及び第2押圧ピンの位置関係を模式的に示す側面図である。 調整ピン及び第2押圧ピンの位置関係を模式的に示す側面図である。 変形例1に係る第2押圧ピンの構成を示す側面図である。 変形例1に係る第2押圧ピンの構成を示す斜視図である。 変形例2に係る第2押圧ピンの構成を示す側面図である。 変形例2に係る第2押圧ピンの構成を示す斜視図である。 調整ピン及び第2押圧ピンの配置の一変形例を示す側面図である。 調整ピン及び第2押圧ピンの配置及び移動方向の一変形例を示す側面図である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置1000は、例えば、レーザープリンターやデジタル複写機等として用いられ、図1に示すように、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色の各色ごとに設けられた複数のレーザー走査光学装置100と、レーザー走査光学装置100に対応して設けられた感光体ドラム等の感光体(被照射体)200と、感光体200を帯電する帯電部210と、レーザー光を照射された感光体200に現像剤を供給することで静電潜像を現像剤による像に顕像化する現像部220と、中間転写ベルト300と、現像剤による像を記録媒体に転写する転写ローラ(転写部)400と、転写ローラ400により転写された現像剤による像を記録媒体に定着する定着部500と、等を備えて構成される。
画像形成装置1000は、レーザー走査光学装置100より照射されるレーザー光によって静電潜像が形成された感光体200に現像剤を供給することで当該静電潜像を現像剤による像に顕像化し、中間転写ベルト300上に当該現像剤による像を転写させる。次に、画像形成装置1000は、中間転写ベルト300に転写された現像剤による像を転写ローラ400によって記録媒体としての用紙Pに押圧して転写させ、定着部500によって当該用紙Pを加熱及び加圧することで、現像剤による像を用紙P上に定着する。そして、画像形成装置1000は、用紙Pを排紙ローラ(図示省略)等により搬送してトレイ(図示省略)に排紙することで画像形成処理を行う。
レーザー走査光学装置100は、図1、2に示すように、帯電部210により帯電された感光体200に対してレーザー光Lを照射することで感光体200上に静電潜像を形成する装置である。レーザー走査光学装置100は、レーザー光Lを出射させる光源1と、光源1を保持する光源ホルダー2と、光源1より出射されたレーザー光Lを平行光化させる第一の光学系3と、第一の光学系3を透過したレーザー光Lの副走査方向成分のみを収束させる第二の光学系4と、第二の光学系4を透過したレーザー光Lを偏向させる偏向器5と、偏向器5により偏向されたレーザー光Lを感光体200上に集光させる第三の光学系6と、偏向器5により偏向されたレーザー光Lの一部を集光させる第四の光学系7と、第四の光学系7を透過したレーザー光Lを入力するセンサー8と、を備えて構成され、これらを光学ハウジング9で保持するようになっている。
光源1は、レーザー光Lを出射させる半導体レーザーである。光源1から出射されたレーザー光Lは、第一の光学系3へと照射される。
光源ホルダー2は、光源1を保持するためのホルダーである。
第一の光学系3は、コリメータレンズなどを含んで構成され、光源1から出射されたレーザー光を発散光から平行光に変換する。
第二の光学系4は、スリットやシリンドリカルレンズを含んで構成される。そして、第二の光学系4は、スリットにより、感光体200上でビームスポットが整形されるように、第一の光学系3により平行光に変換されたレーザー光Lの透過量を制限する。また、第二の光学系4は、シリンドリカルレンズにより、第一の光学系3により平行光に変換されたレーザー光Lを副走査方向に収束させる。
偏向器5は、側面が鏡面からなる多角柱形状をしたポリゴンミラーと、ポリゴンミラーに回動力を付与してポリゴンミラーを回動させるモータと、を含んで構成される。偏向器5は、第二の光学系4を透過したレーザー光Lを回転に応じた向きに偏向する。そして、偏向器5は、偏向させたレーザー光Lを第三の光学系6を介して感光体200の周面に照射する。この際、偏向器5は、回転位置に応じて感光体200の長手方向の異なる位置にレーザー光Lを照射するため、主走査方向(図2における感光体200の長手方向)へのレーザー光Lの走査を可能にする。
第三の光学系6は、偏向器5で偏向されたレーザー光Lを感光体200表面に集光し、結像させる。また、第三の光学系6は、レーザー光Lを感光体200表面に集光するための長尺の光学素子62を複数備え、当該光学素子62を光学素子ホルダー61により固定し、保持させる構成(光学素子保持機構)となっている(図3等参照)。
第四の光学系7は、シリンドリカルレンズなどを含んで構成される。そして、第四の光学系7は、偏向器5により偏向されたレーザー光Lの一部を集光し、集光したレーザー光Lをセンサー8に入射させる。
センサー8は、第四の光学系7により集光されたレーザー光Lを検出する光センサーである。そして、レーザー走査光学装置100を備えた画像形成装置1000の制御部(図示省略)は、センサー8より検出される検出信号に基づいて、感光体200への書き出し位置のタイミング調整などを行う。
(光学素子ホルダー61により光学素子62を固定する構成)
次に、図3〜図5を用いて、光学素子ホルダー61により光学素子62を固定する構成を説明する。なお、図3〜図5については、説明の都合上、光学素子ホルダー61の記載を二点鎖線で示すようにし、光学素子ホルダー61内部の構造を見えやすくしている。
以下の説明では、図3等に示す光学素子ホルダー61の長手方向をY方向、短手方向をZ方向、Y方向及びZ方向に直交する方向をX方向とする。また、図3等に示す第三の光学系6において、後述する第1押圧ピン67及び第2押圧ピン68が配置された側を上側、上側と反対方向を下側とする。本実施形態では、光学素子62に対して、X方向、即ち、上下方向にレーザー光Lが入射して透過するようになっている。即ち、X方向は、レーザー光Lの光軸方向と一致する。
光学素子ホルダー61は、図3に示すように、Y方向に長尺で且つ上面側が開口した略箱状部材で形成された光学素子ケース611と、光学素子ケース611の上面側を上方から覆う略蓋状部材で形成された光学素子カバー612と、を備えて構成され、内部に光学素子62を挿入して保持することができるようになっている。光学素子ケース611及び光学素子カバー612は、内部に挿入される光学素子62の形状に合わせて、X方向上方にわずかに湾曲した形状に形成されている。
光学素子ケース611のY方向両端部には、光学素子62をX方向下方から保持位置で支持する支持ピン(支持部材)63と、Z方向一方(図中手前方向)に押圧するZ押圧部64と、光学素子62をY方向について位置決めするY方向位置決めピン65と、が配置されている。光学素子ケース611の下面部のZ方向略中央には、Y方向に長尺で且つX方向に貫通した貫通孔611aが形成され、当該貫通孔611aをレーザー光Lが通過できるように構成されている。また、光学素子ケース611の下面部のZ方向両端部には、光学素子62をX方向下方から支持する調整ピン(調整部材)66が、Y方向に沿って複数(図中では3本ずつ)配置されている。さらに、調整ピン66は、図3に示すように、光学素子62の短手方向(Z方向)に複数列(図中では2列)配置されている。
調整ピン66は、図4に示すように、一端(図中上端)側に円筒形状に形成された円筒部661と、他端(図中下端)側に円筒形状に形成された被保持部662と、円筒部661と被保持部662との境界に沿って両者を隔てるように設けられた隔壁部663と、円筒部661の外周面に設けられた圧縮コイルバネ664と、を備えて構成され、光学素子ケース611をX方向に貫通する挿通孔611bを下面側から挿通することで、光学素子62を支持することができるようになっている。
円筒部661の上面には、球形状に形成された当接部661aが設けられ、この当接部661aが、光学素子62と当接するようになっている。
被保持部662は、外周面に雄ネジが形成され、下面に十字型のネジ溝662aが形成されている。
隔壁部663は、円板状に形成され、円筒部661及び被保持部662と比較して、長手方向(図中X方向)に直交するYZ平面に突出するように径が長くなっている。
圧縮コイルバネ664は、一端が光学素子ケース611の下面に当接されるとともに、他端が隔壁部663の上面に当接され、円筒部661の外周面に螺旋状に巻き付けられている。この圧縮コイルバネ664は、被保持部662と後述する調整ピンホルダー665との噛み合いガタ分を長手方向下方に付勢する。
また、調整ピン66は、調整ピンホルダー665により光学素子ケース611に保持されている。
調整ピンホルダー665は、板状部材で形成され、長手方向(図中Y方向)中央部を略コ字状に折り曲げて形成された保持部665aを備えることにより、調整ピン66を収納可能な収納空間が形成されて調整ピン66を保持することができるようになっている。調整ピンホルダー665は、光学素子ケース611の長手方向(図中Y方向)に長尺となるように配置された状態で、長手方向両端部を止めネジ665bにより光学素子ケース611に固定されている。
保持部665aの略中央部には、調整ピン66の被保持部662と略同径の円形孔665cが形成されており、この円形孔665cに被保持部662を挿通させることで調整ピン66を保持することができるようになっている。
また、円形孔665cの内周面には、被保持部662の外周面に形成された雄ネジと螺合する雌ネジが形成されており、調整ピン66の長手方向(図中X方向)を回転軸として調整ピン66を回転させることで、調整ピン66を長手方向に進退させることができるようになっている。なお、図4(A)に示す調整ピン66は、調整前の光学素子62から退避した状態を示し、図中のM1は、調整ピン66の当接部661aと光学素子62との隙間を示している。また、図4(B)に示す調整ピン66は、調整ピン66を回転させて長手方向上方に移動させ、調整ピン66の当接部661aを光学素子62に当接させた状態を示している。
即ち、調整ピン66は、光学素子62から退避した状態で保持可能に構成され、退避した状態から光学素子62に当接する方向に移動して、光学素子62に当接することで光学素子62の保持位置を調整する調整部材として機能する。
光学素子カバー612のY方向両端部には、光学素子62を挟んで支持ピン63と対向する位置に、光学素子62をX方向上方から押圧して固定する第1押圧ピン67が配置されている。また、光学素子カバー612の上面部のZ方向両端部には、光学素子62を挟んで調整ピン66と対向する位置に、光学素子62をX方向上方から押圧して固定する第2押圧ピン(押圧部材)68が、Y方向に沿って複数配置されている。
第2押圧ピン68は、図4及び図5に示すように、一端(図中下端)側に円筒形状に形成された円筒部681と、他端(図中上端)側に形成され、後述する第2押圧ピンホルダー685により保持される被保持部682と、円筒部681と被保持部682との境界に沿って両者を隔てるように設けられた隔壁部683と、被保持部682の外周面に設けられた圧縮コイルバネ684と、を備えて構成され、光学素子カバー612をX方向に貫通する挿通孔612bを上面側から挿通することで、光学素子62を押圧して固定することができるようになっている。
円筒部681の下面には、球形状に形成された当接部681aが設けられ、この当接部681aが、光学素子62と当接するようになっている。なお、本実施形態では、球形状に形成された当接部681aの半径が、同じく球形状に形成された調整ピン66の当接部661aの半径と同一となるように形成されている。即ち、調整ピン66及び第2押圧ピン68の光学素子62に当接する側の一端は、互いに同径の球形状に形成されている。
被保持部682は、円筒形状に形成され、後述する第2押圧ピンホルダー685により保持される。また、被保持部682の上端側(光学素子62に当接しない側)には、第2押圧ピン68の長手方向(図中X方向)に直交する方向に貫通する挿通孔(ロックピン挿通孔)682aが形成されている。
隔壁部683は、円板状に形成され、円筒部681及び被保持部682と比較して、長手方向(図中X方向)に直交するYZ平面に突出するように径が長くなっている。
圧縮コイルバネ684は、一端が後述する第2押圧ピンホルダー685の保持部685aの下面に当接されるとともに、他端が隔壁部683の上面に当接され、被保持部682の外周面に螺旋状に巻き付けられている。この圧縮コイルバネ684は、第2押圧ピン68を長手方向下方に付勢し、光学素子62を押圧するための押圧力を発生させる。
また、第2押圧ピン68は、第2押圧ピンホルダー(押圧部材ホルダー)685により光学素子カバー612に保持されている。
第2押圧ピンホルダー685は、板状部材で形成され、長手方向(図中Y方向)中央部を略コ字状に折り曲げて形成された保持部685aを備えることにより、第2押圧ピン68を収納可能な収納空間が形成されて第2押圧ピン68を保持することができるようになっている。第2押圧ピンホルダー685は、光学素子カバー612の長手方向(図中Y方向)に長尺となるように配置された状態で、長手方向両端部を止めネジ685bにより光学素子カバー612に固定されている。
保持部685aの略中央部には、第2押圧ピン68の被保持部682と略同径の円形孔(押圧部材挿通孔)685cが形成されており、この円形孔685cに被保持部682を挿通させることで第2押圧ピン68を保持することができるようになっている。
本実施形態では、図4(A)及び図5(A)に示すように、被保持部682に形成された挿通孔682aを第2押圧ピンホルダー685よりも上方に位置させた状態で、挿通孔682aに当該挿通孔682aと略同径の棒状部材で形成されたロックピン686を挿通させることで、第2押圧ピン68を光学素子62から退避した状態で固定することができるようになっている。なお、図4(A)中のL1は、第2押圧ピン68の当接部681aと光学素子62との隙間を示している。
そして、図4(B)及び図5(B)に示すように、挿通孔682aに挿通されていたロックピン686を引き抜くことで、第2押圧ピン68を長手方向下方に下降させ、第2押圧ピン68を光学素子62に当接させることができるようになっている。ロックピン686を第2押圧ピン68から引き抜く方法としては、例えば、手指やペンチ等でロックピン686の一端を狭持して引き抜く方法等が挙げられる。
即ち、第2押圧ピン68は、光学素子62を挟んで調整ピン66と対向する位置に、光学素子62から退避した状態で保持可能に構成され、退避した状態から光学素子62に当接する方向に移動して、光学素子62を押圧する押圧部材として機能する。
次に、光学素子62を光学素子ホルダー61に固定する方法について、図3〜図11を参照して説明する。なお、図6〜図11については、説明の都合上、光学素子ホルダー61の記載を省略し、光学素子62が調整ピン66及び第2押圧ピン68により固定される様子を見えやすくしている。
まず、光学素子ケース611に光学素子62を挿入して搭載し、光学素子62をZ押圧部64及びY方向位置決めピン65に当接させて位置決めし、光学素子62のY方向両端部を支持ピン63により支持する。支持ピン63は、図3及び図7に示すように、光学素子62のY方向一端部(図中左端部)を1箇所、Y方向他端部(図中右端部)を2箇所支持するように計3本が配置され、光学素子62を3点(図中A1〜A3)で支持することで、光学素子62に対するX方向の取付面を規定している。即ち、支持ピン63は、光学素子ホルダー61の光学素子ケース611に対して光学素子62を3点で位置決めしている。
光学素子62を支持ピン63により支持した後、光学素子62のX方向上方から光学素子カバー612を取り付け、光学素子62のY方向両端部の光学素子62を挟んで支持ピン63と対向する位置を、第1押圧ピン67により押圧して固定する。即ち、第1押圧ピン67は、光学素子62のY方向一端部を1箇所、Y方向他端部を2箇所押圧するように計3本が配置され、光学素子62を3点で押圧して固定する。これにより、光学素子ホルダー61に対して光学素子62が3点で位置決めされる。このとき、調整ピン66及び第2押圧ピン68は、光学素子62から退避した状態で固定されている(図6参照)。
次に、光学素子ホルダー61に対して光学素子62を位置決めした状態で、調整ピン66の長手方向を回転軸として調整ピン66を回転させることにより調整ピン66を長手方向の光学素子62側に移動させ、調整ピン66を光学素子62に当接させる(図8参照)。調整ピン66を回転させる方法としては、例えば、被保持部662の下面に形成されたネジ溝662aにドライバーを挿入して回転させる方法等が挙げられる。この調整ピン66が光学素子62に当接した瞬間が調整ピン66の調整位置となる。例えば、感光体等価位置でのビーム位置の変化を観察することで、調整ピン66が光学素子62に当接した瞬間を、サブμm程度の精度で把握することができる。なお、各調整ピン66の移動方向(図中C1〜C3)は異なっているため、調整作業は個別に行われる。
調整ピン66は、図3及び図7に示すように、光学素子62のZ方向両端部(図中上端部及び下端部)を、Y方向に沿って3箇所ずつ支持するように計6本が配置され、光学素子62を6点(図中B1〜B6)で支持する。
次に、第2押圧ピン68の挿通孔682aに挿通されているロックピン686を引き抜いて、第2押圧ピン68を長手方向下方に下降させ、光学素子62のZ方向両端部の光学素子62を挟んで調整ピン66と対向する位置を、第2押圧ピン68により押圧して固定する(図9参照)。即ち、第2押圧ピン68は、光学素子62のZ方向両端部を、Y方向に沿って3箇所ずつ押圧するように計6本が配置され、光学素子62を6点で押圧して固定する。
このとき、図10に示すように、調整ピン66と光学素子62が接触する点をP1、第2押圧ピン68と光学素子62が接触する点をP2とすると、この2点を結ぶ直線T3、調整ピン66の移動方向D4、第2押圧ピン68の押圧方向D5、及び第2押圧ピン68の退避方向D6は、全て平行である。
また、図11に示すように、直線T3と、調整ピン66と光学素子62が接触する点P1近傍の光学面の法線D7と、は平行である。
上述のように、調整ピン66及び第2押圧ピン68により、光学素子62のZ方向両端部をY方向に沿って3箇所ずつ計6箇所狭持することで、光学素子62を固定する位置を増やすことができるので、光学素子62をより安定した状態で固定することができる。なお、固定点のピッチが狭ければ狭いほど、環境変動による光学素子62の変形を抑制する効果を期待することができる。調整ピン66及び第2押圧ピン68の位置が決まり、光学素子62が固定された段階で、Y方向位置決めピン65を抜去する。
なお、調整ピン66及び第2押圧ピン68により光学素子62を狭持する作業を行う際には、図示しない測定機により光学素子62の状態をモニターすると、光学素子62に生ずる歪の状態を精度よく監視することができるので、作業を行い易くすることができる。
以上のように、本実施形態のレーザー走査光学装置100によれば、光学素子62を保持位置で支持する支持ピン63と、光学素子62から退避した状態で保持可能に構成され、退避した状態から支持ピン63により支持された光学素子62に当接する方向に移動して、光学素子62に当接することで光学素子62の保持位置を調整する調整ピン66と、光学素子62を挟んで調整ピン66と対向する位置に、光学素子62から退避した状態で保持可能に構成され、退避した状態から調整ピン66により保持位置が調整された光学素子62に当接する方向に移動して、光学素子62を押圧する第2押圧ピン68と、を備えるので、光学素子62に歪みが生じていない状態で調整ピン66の位置を決めた後、第2押圧ピン68により光学素子62を押圧させて固定することができることとなって、光学素子62を歪みなく保持することが可能となる。
特に、本実施形態のレーザー走査光学装置100によれば、支持ピン63は、光学素子62を3点で位置決めしているが、一般に、部材を3点で保持することにより支持面が決まるため、3点保持することにより部材を歪みなく保持することができる。従って、本実施形態のレーザー走査光学装置100によれば、光学素子62を歪みなく位置決めした状態で調整ピン66を光学素子62に当接させることができることとなって、光学素子62を歪みなく保持することができる。
しかも、本実施形態のレーザー走査光学装置100によれば、支持ピン63により3点保持するのみならず、調整ピン66及び第2押圧ピン68により1点以上保持するので、光学素子62を全体として4点以上で保持することとなって、振動を防止する効果を向上させることができる。
また、本実施形態のレーザー走査光学装置100によれば、光学素子ホルダー61には、第2押圧ピン68を挿通可能な円形孔685cを有し、当該円形孔685cに第2押圧ピン68を挿通させて第2押圧ピン68を保持する第2押圧ピンホルダー685が備えられ、第2押圧ピン68は、光学素子62を押圧するための押圧力を発生させる圧縮コイルバネ684と、他端側(光学素子62に当接しない側)に形成された挿通孔682aに挿通可能に形成され、挿通孔682aを第2押圧ピンホルダー685の上方に位置させた状態で挿通孔682aに挿通されて当該第2押圧ピン68を光学素子62から退避した状態で固定するロックピン686と、を備え、第2押圧ピン68からロックピン686を引き抜くことにより、当該第2押圧ピン68を光学素子62に当接する方向に移動可能であるので、容易に第2押圧ピン68の退避状態を解除することができることとなって、作業効率を向上させることができる。
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(変形例1)
例えば、図12及び図13に示す例では、実施形態と比べ、第2押圧ピン68及び第2押圧ピンホルダー685の構造が異なっている。なお、説明の簡略化のため、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
変形例1に係る第2押圧ピン68Aは、一端(図中下端)側に円筒形状に形成された円筒部681と、他端(図中上端)側に形成され、後述する第2押圧ピンホルダー685Aにより保持される被保持部682と、円筒部681と被保持部682との境界に沿って両者を隔てるように設けられた隔壁部683と、被保持部682の外周面に設けられた圧縮コイルバネ684と、被保持部682に形成された挿通孔682aに挿通して固定される固定ロックピン686Aと、を備えて構成され、光学素子カバー612をX方向に貫通する挿通孔612bを上面側から挿通することで、光学素子62を押圧して固定することができるようになっている。
固定ロックピン686Aは、挿通孔682aと略同径の棒状部材で形成され、挿通孔682aに挿通された後、両端が挿通孔682aからわずかに突出した状態で固定されている。
また、変形例1に係る第2押圧ピン68Aは、第2押圧ピンホルダー685Aにより光学素子カバー612に保持されている。
第2押圧ピンホルダー685Aは、板状部材で形成され、長手方向(図中Y方向)中央部を略コ字状に折り曲げて形成された保持部685aを備えることにより、第2押圧ピン68Aを収納可能な収納空間が形成されて第2押圧ピン68Aを保持することができるようになっている。第2押圧ピンホルダー685Aは、光学素子カバー612の長手方向(図中Y方向)に長尺となるように配置された状態で、長手方向両端部を止めネジ685bにより光学素子カバー612に固定されている。
保持部685aの略中央部には、第2押圧ピン68Aの被保持部682と略同径の円形孔685cが形成されており、この円形孔685cに被保持部682を挿通させることで第2押圧ピン68Aを保持することができるようになっている。
また、保持部685aの短手方向(図中Z方向)の略中央部には、長手方向(図中Y方向)に沿って、固定ロックピン686Aが嵌合可能に形成された嵌合溝685dが、円形孔685cと一体形成されている。
変形例1では、図12(A)及び図13(A)に示すように、被保持部682に形成された挿通孔682aに挿通された固定ロックピン686Aが、第2押圧ピンホルダー685Aに形成された嵌合溝685dに直交する方向(図中Z方向)を向くように、第2押圧ピン68Aを当該第2押圧ピン68Aの移動方向を回転軸として回転させ、固定ロックピン686Aを第2押圧ピンホルダー685Aの上面に載置させることで、第2押圧ピン68Aを光学素子62から退避させた状態で固定することができるようになっている。なお、図12(A)中のL2は、第2押圧ピン68Aの当接部681aと光学素子62との隙間を示している。
そして、図12(B)及び図13(B)に示すように、第2押圧ピン68Aを回転させ、固定ロックピン686Aを嵌合溝685dに嵌合させることで、第2押圧ピン68を長手方向下方に下降させ、第2押圧ピン68を光学素子62に当接させることができるようになっている。第2押圧ピン68Aを回転させる方法としては、例えば、手指やペンチ等で固定ロックピン686Aの一端を狭持して回転させる方法等が挙げられる。
即ち、第2押圧ピン68Aは、光学素子62を挟んで調整ピン66と対向する位置に、光学素子62から退避した状態で保持可能に構成され、退避した状態から光学素子62に当接する方向に移動して、光学素子62を押圧する押圧部材として機能する。
以上のように、変形例1のレーザー走査光学装置100によれば、光学素子ホルダー61には、第2押圧ピン68Aを挿通可能な円形孔685cを有し、当該円形孔685cに第2押圧ピン68Aを挿通させて第2押圧ピン68Aを保持する第2押圧ピンホルダー685Aが備えられ、第2押圧ピン68Aは、光学素子62を押圧するための押圧力を発生させる圧縮コイルバネ684と、他端側に形成された挿通孔682aに挿通された状態で固定され、第2押圧ピンホルダー685Aに円形孔685cと一体形成された嵌合溝685dに直交する方向に載置されて第2押圧ピン68Aを光学素子から退避した状態で固定する固定ロックピン686Aと、を備え、第2押圧ピン68Aを、当該第2押圧ピン68Aの移動方向を回転軸として回転させ、固定ロックピン686Aを嵌合溝685dに嵌合させることにより、当該第2押圧ピン68Aを光学素子62に当接する方向に移動可能であるので、容易に第2押圧ピン68Aの退避状態を解除することができることとなって、作業効率を向上させることができる。
(変形例2)
例えば、図14及び図15に示す例では、実施形態と比べ、第2押圧ピン68及び第2押圧ピンホルダー685の構造、並びに光学素子カバー612に形成される挿通孔612bの形状が異なっている。なお、説明の簡略化のため、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
変形例2に係る第2押圧ピン68Bは、一端(図中下端)側に円筒形状に形成された中空の円筒部681Bと、他端(図中上端)側に円筒形状に形成され、後述する第2押圧ピンホルダー685Bにより保持される被保持部682Bと、円筒部681Bの下面に形成された挿通孔681bを挿通する当接部687Bと、円筒部681B内に設けられ、当接部687Bと一体形成された円板部688Bと、円筒部681B内に設けられ、一端が円板部688Bの上面に当接され、他端が円筒部681Bの上端部の下面に当接された圧縮コイルバネ684Bと、を備えて構成され、光学素子カバー612をX方向に貫通する挿通孔612bを上面側から挿通することで、光学素子62を押圧して固定することができるようになっている。また、変形例2では、光学素子カバー612に形成された挿通孔612bの下端部に、円筒部681Bの下面と当接する座面612cが形成されている。なお、図14及び図15については、説明の都合上、円筒部681Bの記載を二点鎖線で示すようにし、円筒部681B内の構造を見えやすくしている。
円筒部681Bは、中空の円筒部材で形成され、下面の略中央部には、第2押圧ピン68Bの長手方向(図中X方向)に貫通する挿通孔681bが形成されている。
被保持部682Bは、外周面に雄ネジが形成され、上面に十字型のネジ溝682bが形成されている。即ち、被保持部682Bは、後述する第2押圧ピンホルダー685Bの円形孔685cBと螺合するように形成されており、ネジ部として機能する。
当接部687Bは、挿通孔681bと略同径の円筒形状に形成され、下端が球形状に形成されている。この当接部687Bが、光学素子62と当接するようになっている。なお、変形例2では、球形状に形成された当接部687Bの下端の半径が、同じく球形状に形成された調整ピン66の当接部661aの半径と同一となるように形成されている。
円板部688Bは、円筒部681Bの内径と略同径の円板形状に形成され、下面の略中央部には、当接部687Bの上端が固定されている。
圧縮コイルバネ684Bは、一端が円板部688Bの上面に当接されるとともに、他端が円筒部681Bの上端部の下面に当接され、円板部688Bを介して当接部687Bを長手方向下方に付勢し、光学素子62を押圧するための押圧力を発生させる。
また、第2押圧ピン68Bは、第2押圧ピンホルダー685Bにより光学素子カバー612に保持されている。
第2押圧ピンホルダー685Bは、板状部材で形成され、長手方向(図中Y方向)中央部を略コ字状に折り曲げて形成された保持部685aを備えることにより、第2押圧ピン68Bを収納可能な収納空間が形成されて第2押圧ピン68Bを保持することができるようになっている。第2押圧ピンホルダー685Bは、光学素子カバー612の長手方向(図中Y方向)に長尺となるように配置された状態で、長手方向両端部を止めネジ685bにより光学素子カバー612に固定されている。
保持部685aの略中央部には、第2押圧ピン68Bの被保持部682Bと略同径の円形孔685cBが形成されており、この円形孔685cBに被保持部682Bを挿通させることで第2押圧ピン68Bを保持することができるようになっている。
また、円形孔685cBの内周面には、被保持部682Bの外周面に形成された雄ネジと螺合する雌ネジが形成されており、第2押圧ピン68Bの長手方向(図中X方向)を回転軸として第2押圧ピン68Bを回転させることで、第2押圧ピン68Bを長手方向に進退させることができるようになっている。第2押圧ピン68Bを回転させる方法としては、例えば、被保持部682Bの上面に形成されたネジ溝682bにドライバーを挿入して回転させる方法等が挙げられる。なお、図14(A)及び図15(A)に示す第2押圧ピン68Bは、調整前の状態を示し、図14(A)中のL3は、第2押圧ピン68Bの当接部687Bと光学素子62との隙間を示している。また、図14(B)及び図15(B)に示す第2押圧ピン68Bは、第2押圧ピン68Bを当該第2押圧ピン68Bの移動方向を回転軸として回転させて長手方向下方に移動させ、第2押圧ピン68Bの当接部687Bを光学素子62に当接させた状態を示している。
即ち、第2押圧ピン68Bは、光学素子62を挟んで調整ピン66と対向する位置に、光学素子62から退避した状態で保持可能に構成され、退避した状態から光学素子62に当接する方向に移動して、光学素子62を押圧する押圧部材として機能する。
ここで、変形例2では、図14(A)及び図15(A)に示すように、調整前の退避状態においては、円板部688Bの下面が円筒部681Bの下端部の上面に当接した状態となっている。
一方、第2押圧ピン68Bを回転させて長手方向下方に移動させた場合、まず、当接部687Bが光学素子62に当接する。当接部687Bが光学素子62に当接した後もなお第2押圧ピン68Bを回転させると、円筒部681Bは引き続き下方に移動するものの、光学素子62に当接した当接部687Bの位置は変化しないため、円板部688Bの下面と円筒部681Bの下端部の上面との間に隙間が生じ始める。更に第2押圧ピン68Bを回転させると、図14(B)及び図15(B)に示すように、円筒部681Bの下面が座面612cに当接し、円筒部681Bの下方への移動が停止される。変形例2では、上記構造を備えることにより、当接部687Bによる光学素子62に対する過剰な押圧を防止することができる。なお、図14(B)中のL4は、円筒部681Bの下面が座面612cに当接した際の、円板部688Bの下面と円筒部681Bの下端部の上面との隙間を示している。
以上のように、変形例2のレーザー走査光学装置100によれば、光学素子ホルダー61には、第2押圧ピン68Bを挿通可能な円形孔685cBを有し、当該円形孔685cBに第2押圧ピン68Bを挿通させて第2押圧ピン68Bを保持する第2押圧ピンホルダー685Bが備えられ、円形孔685cBの内周面は、第2押圧ピン68Bの他端側に形成された被保持部682Bと螺合するように形成され、第2押圧ピン68Bは、光学素子62を押圧するための押圧力を発生させる圧縮コイルバネ684Bを備え、第2押圧ピン68Bを、当該第2押圧ピン68Bの移動方向を回転軸として回転させることにより、当該第2押圧ピン68Bを光学素子62に当接する方向に移動可能であるので、容易に第2押圧ピン68Bの退避状態を解除することができることとなって、作業効率を向上させることができる。
(その他の変形例)
また、上記実施形態では、光学素子62を、調整ピン66によりX方向下方から支持し、第2押圧ピン68によりX方向上方から押圧して固定するようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、図16に示すように、調整ピン66と第2押圧ピン68の位置関係を逆転させるようにしてもよい。即ち、光学素子62を、調整ピン66によりX方向上方から支持し、第2押圧ピン68によりX方向下方から押圧して固定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図8〜11に示すように、調整ピン66と光学素子62が接触する点P1近傍の光学面の法線D7と平行な方向に調整ピン66及び第2押圧ピン68を移動させるようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、図17に示すように、調整ピン66の移動方向(図中C2、C4、C5)、第2押圧ピン68の移動方向、及び調整ピン66と光学素子62が接触する点と第2押圧ピン68と光学素子62が接触する点とを結ぶ直線の全てが平行となるように調整ピン66及び第2押圧ピン68を配置するようにしてもよい。これにより、調整ピン66及び第2押圧ピン68の移動方向が同一となるので、作業範囲を狭くすることができ、作業性を向上させることができる。
また、上記実施形態では、長尺の光学素子62に対して本発明を適用しているが、これに限定されるものではなく、光学素子ホルダーに対する位置決めが必要となる形状であればいかなる形状の光学素子に対しても本発明を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、レーザー走査光学装置100の第3の光学系6に対して本発明を適用しているが、これに限定されるものではなく、レーザー走査光学装置100の他の光学系に適用してもよいし、レーザー走査光学装置100以外の光学装置に備えられた光学素子に対して適用してもよい。
また、上記実施形態では、支持ピン63及び第1押圧ピン67により、光学素子62のY方向一端部を1箇所、Y方向他端部を2箇所の計3点で固定して位置決めするようにしているが、これに限定されるものではなく、光学素子62を位置決めできる構成であれば、何点で位置決めするようにしてもよい。例えば、光学素子62のY方向一端部を実施形態と同様1点で固定し、Y方向他端部を支持ピン63及び第1押圧ピン67よりも幅のある部材で面固定して位置決めするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、調整ピン66及び第2押圧ピン68により光学素子62を計6箇所固定するように構成しているが、これに限定されるものではなく、任意の箇所を固定するように構成してもよい。例えば、1箇所のみ固定するように構成してもよいし、10箇所を固定するように構成してもよい。
その他、レーザー走査光学装置及び画像形成装置を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1000 画像形成装置
100 レーザー走査光学装置
200 感光体(被照射体)
210 帯電部
220 現像部
300 中間転写ベルト
400 転写ローラ(転写部)
500 定着部
1 光源
2 光源ホルダー
3 第一の光学系
4 第二の光学系
5 偏向器
6 第三の光学系(光学素子保持機構)
61 光学素子ホルダー
611 光学素子ケース
612 光学素子カバー
62 光学素子(長尺光学素子)
63 支持ピン(支持部材)
64 Z押圧部
65 Y方向位置決めピン
66 調整ピン(調整部材)
661 円筒部
662 被保持部
663 隔壁部
664 圧縮コイルバネ
665 調整ピンホルダー
67 第1押圧ピン
68、68A、68B 第2押圧ピン(押圧部材)
681、681B 円筒部
682 被保持部
682B 被保持部(ネジ部)
682a 挿通孔(ロックピン挿通孔)
683 隔壁部
684、684B 圧縮コイルバネ
685、685A、685B 第2押圧ピンホルダー(押圧部材ホルダー)
685c、685cB 円形孔(押圧部材挿通孔)
685d 嵌合溝
686 ロックピン
686A 固定ロックピン
687B 当接部
688B 円板部
7 第四の光学系
8 センサー
9 光学ハウジング

Claims (13)

  1. 光学素子を保持位置で支持する支持部材と、
    前記光学素子から退避した状態で保持可能に構成され、前記退避した状態から前記支持部材により支持された前記光学素子に当接する方向に移動して、前記光学素子に当接することで前記光学素子の保持位置を調整する調整部材と、
    前記光学素子を挟んで前記調整部材と対向する位置に、前記光学素子から退避した状態で保持可能に構成され、前記退避した状態から前記調整部材により保持位置が調整された前記光学素子に当接する方向に移動して、前記光学素子を押圧する押圧部材と、
    を備えることを特徴とする光学素子保持機構。
  2. 前記支持部材は、前記光学素子を3点で位置決めしていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子保持機構。
  3. 前記調整部材と前記光学素子が接触する点と前記押圧部材と前記光学素子が接触する点とを結ぶ直線と、前記調整部材と前記光学素子が接触する点近傍の光学面の法線と、が平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子保持機構。
  4. 前記調整部材は、前記光学素子の長手方向に沿って複数配置され、
    前記複数の調整部材は、各々移動方向が異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学素子保持機構。
  5. 前記調整部材は、前記光学素子の短手方向に複数列配置されていることを特徴とする請求項4に記載の光学素子保持機構。
  6. 前記調整部材と前記光学素子が接触する点と前記押圧部材と前記光学素子が接触する点とを結ぶ直線、前記調整部材の移動方向、及び前記押圧部材の移動方向の全てが平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子保持機構。
  7. 前記調整部材及び前記押圧部材の前記光学素子に当接する側の一端は、互いに同径の球形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学素子保持機構。
  8. 前記光学素子を保持する光学素子ホルダーを備え、
    前記光学素子ホルダーには、前記押圧部材を挿通可能な押圧部材挿通孔を有し、当該押圧部材挿通孔に前記押圧部材を挿通させて前記押圧部材を保持する押圧部材ホルダーが備えられ、
    前記押圧部材は、
    前記光学素子を押圧するための押圧力を発生させる圧縮コイルバネと、
    他端側に形成されたロックピン挿通孔に挿通可能に形成され、前記ロックピン挿通孔を前記押圧部材ホルダーの上方に位置させた状態で前記ロックピン挿通孔に挿通されて当該押圧部材を前記光学素子から退避した状態で固定するロックピンと、を備え、
    前記押圧部材から前記ロックピンを引き抜くことにより、当該押圧部材を前記光学素子に当接する方向に移動可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学素子保持機構。
  9. 前記光学素子を保持する光学素子ホルダーを備え、
    前記光学素子ホルダーには、前記押圧部材を挿通可能な押圧部材挿通孔を有し、当該押圧部材挿通孔に前記押圧部材を挿通させて前記押圧部材を保持する押圧部材ホルダーが備えられ、
    前記押圧部材は、
    前記光学素子を押圧するための押圧力を発生させる圧縮コイルバネと、
    他端側に形成されたロックピン挿通孔に挿通された状態で固定され、前記押圧部材ホルダーに前記押圧部材挿通孔と一体形成された嵌合溝に直交する方向に載置されて当該押圧部材を前記光学素子から退避した状態で固定する固定ロックピンと、を備え、
    前記押圧部材を、当該押圧部材の移動方向を回転軸として回転させ、前記固定ロックピンを前記嵌合溝に嵌合させることにより、当該押圧部材を前記光学素子に当接する方向に移動可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学素子保持機構。
  10. 前記光学素子を保持する光学素子ホルダーを備え、
    前記光学素子ホルダーには、前記押圧部材を挿通可能な押圧部材挿通孔を有し、当該押圧部材挿通孔に前記押圧部材を挿通させて前記押圧部材を保持する押圧部材ホルダーが備えられ、
    前記押圧部材挿通孔の内周面は、前記押圧部材の他端側に形成されたネジ部と螺合するように形成され、
    前記押圧部材は、
    前記光学素子を押圧するための押圧力を発生させる圧縮コイルバネを備え、
    前記押圧部材を、当該押圧部材の移動方向を回転軸として回転させることにより、当該押圧部材を前記光学素子に当接する方向に移動可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学素子保持機構。
  11. レーザー光を出射する光源と、
    前記光源から出射されたレーザー光を偏向する偏向器と、
    前記偏向器によりにより偏向されたレーザー光を被照射体上に集光する長尺光学素子と、
    前記長尺光学素子を保持する請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学素子保持機構と、
    を備えることを特徴とするレーザー走査光学装置。
  12. 感光体と、
    前記感光体を帯電する帯電部と、
    前記帯電部により帯電された前記感光体に対してレーザー光を照射することで前記感光体上に静電潜像を形成する請求項11に記載のレーザー走査光学装置と、
    前記レーザー光を照射された前記感光体に現像剤を供給することで前記静電潜像を現像剤による像に顕像化する現像部と、
    前記現像剤による像を記録媒体に転写する転写部と、
    前記転写部により転写された前記現像剤による像を前記記録媒体に定着する定着部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記光学素子を位置決めした状態で、前記光学素子から退避した状態で保持され、前記退避した状態から前記光学素子に当接する方向に移動可能な調整部材を移動させて前記光学素子に当接させる調整部材当接工程と、
    前記調整部材当接工程で前記調整部材を前記光学素子に当接させた後、前記光学素子を挟んで前記調整部材と対向する位置に、前記光学素子から退避した状態で保持され、前記退避した状態から前記光学素子に当接する方向に移動可能な押圧部材を前記光学素子に当接する方向に移動させて前記光学素子を押圧させる光学素子押圧工程と、
    を含む光学素子保持方法。
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