JP2014013213A - 電子機器の設置環境判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】偶発故障期間の故障率を想定された範囲内に収めるために、また想定される摩耗故障期間までの期間が短くならないようにするために、導電膜を使用した電子機器の設置環境判定装置を提供すること。
【解決手段】絶縁物の基材に成膜されている温度・湿度に対応して時間経過により抵抗値が上昇する導電膜は、温度・湿度が低いと抵抗値の上昇スピードが遅くなかなか抵抗値が上昇しないが、温度・湿度が高いと抵抗値の上昇スピードが速く、その抵抗値の上昇が基準となる温度・湿度における抵抗値の上昇よりも速い場合は、温度・湿度が高く信頼性的に問題ありとしてアラーム出力を行い、アラームに対応することにより、想定された寿命よりも短くなることを防ぎ、偶発故障期間の故障率の上昇を防ぐことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、各種電子機器に使用される電気・電子部品において想定された寿命よりも短くならないように、また偶発故障期間の故障率が上がらないようにするために設置環境が悪く(温度・湿度が高く)ないか判定し、前もって設定した設置環境条件と比較して、設置環境が悪い(温度・湿度が高い)場合は、設置環境を改善するようにアラームを出す導電膜を使用した電子機器の設置環境判定装置に関する。
電気・電子機器に使用される部品等が故障する場合、図1に示す、初期故障期間、偶発故障期間、摩耗故障期間の3つの内のいずれかで発生する。初期故障期間は時間とともに故障率が減少し、バーンインなどを実施し故障したものを取り除くことで市場での故障率を減少させることができる。
偶発故障期間はランダムに故障が発生し、故障率は一般的にほぼ一定となる。摩耗故障期間はいわゆる寿命として故障しはじめる(寿命を迎えるものが出始める)期間である。時間と共に故障率が上昇する。
摩耗故障期間の故障、いわゆる寿命に関しては、耐環境性が劣ったものを使用して被試験部品の寿命を短くし、残存寿命を予測する方法(特許文献1参照)などがある。異常な温度や湿度を感知するために、温度センサおよび湿度センサを装置内の電気回路に設置(実装)し、温度・湿度をモニタする方法(特許文献2参照)などがある。
特開2000−214205号公報 特許第3295005号公報
偶発故障期間の故障はランダムに発生するので、バーンインなどで取り除くことはできない。また、使用環境によって故障率が大きく変化する。つまり、高温高湿(多湿)で使用すると、偶発故障期間の故障率は上昇する。また、摩耗故障期間に入るまでの時間が短くなり、本来製品寿命まで保つはずであった部品などが、製品寿命前に故障率が急に高くなり問題となる。例えば製品寿命が10年とすると、少なくとも10年間は部品などが摩耗故障期間に入らないようにしなければならない。ただし、消耗品として交換が前提になっている部品などを除く。したがって、高温高湿(高温多湿)で使用しないことが重要である。
なお、摩耗故障期間に入るまでの時間や偶発故障期間の故障率(以下、「摩耗偶発信頼性」という。)は、ある温度とある湿度(一定の条件)において使用されたと仮定して推定される。よって摩耗偶発信頼性に関する推定に使用された温度と湿度に対して設置環境の温度と湿度が高い場合は、推定された摩耗故障期間に入るまでの時間が短くなり、偶発故障期間の故障率は高くなってしまう。よって、設置環境の温度と湿度を知る必要があるが、刻々と変わる温度と湿度を測定して分かったとしても、推定に使用した一定な温度と湿度に対して、個々の測定した温度と湿度が高いのか、等しいのか、あるいは低いのかは分かるが、ある一定期間で比較することが難しかった。つまり、ある一定期間(3ヶ月や半年や1年など)使用した場合に、その期間の刻々と変化する使用条件(温度・湿度の条件)が摩耗偶発信頼性の推定に使用された一定な温度と湿度と比較して良いのか悪いのか判定することが難しかった。
例えば日本のように四季があったり梅雨の期間があったりするような温度や湿度が大きく変化する環境では、温度と湿度が一定ではないので、ある一定期間で比較する場合に、想定した偶発故障期間の故障率の範囲内となる設置環境なのか、また想定される製品寿命(消耗品を除き、ある温度とある湿度で使用したときに期待される使用期間(例えば5年間とか10年間)内に摩耗故障期間に入らないように設計されている。)より短くなる設置環境でないかを知ることは難しかった。なお、例として日本の四季を挙げたが、東南アジアにおいても温度や湿度は変化するし、エアーコンディショナーの使用不使用により信頼性が大きく変わるため、ある設置環境で、ある一定期間使用した場合、推定に使用した温度と湿度に対して高いのか低いのかを明確に知ることは難しかった。
そして、特許文献1に開示される技術では残存寿命が分かるだけである。故障する前に交換することが必要であり、消耗品の考え方である。想定した寿命を短くしないという考え方ではないし、偶発故障期間の想定した故障率があがらないようにする考え方ではない。また、特許文献2に開示される技術は、密封された容器に穴が開くなどのような障害に対して、温度・湿度のモニタで発見することを目的としており、日々刻々と変化する温度・湿度をモニタして想定される偶発故障期間の故障率が高くならないように、想定される摩耗故障期間までの期間が短くならないようにする技術ではない。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、制御装置や電子機器が設置されている環境を判定し、制御装置や電子機器内に設けられた部品などに影響がある(寿命が想定よりも短くなるとか、偶発故障期間の故障率が高くなる)場合、影響に応じたアラームなどを出力し、アラームに対処する(環境を改善する)ことにより、摩耗故障期間(寿命)までの時間が短くなることを防ぎ、偶発故障期間の故障率を想定された範囲内に収めることが可能な導電膜を使用した電子機器の設置環境判定装置を提供することを課題とする。
温度・湿度に対応して異なった抵抗値の上昇スピードを示す導電膜を使用し、後述するように前もって温度・湿度を変えて試験を行い、時間に対する抵抗値の変化を調べる。この試験結果をもとに、基準となる導電膜の抵抗値と基準となる時間を求めておく。実使用において、導電膜の抵抗値をある時間毎に測定し、その抵抗値が基準の値になったら(基準値の近傍に入ったらまたは基準値を超えたら)、基準の時間と比較することにより設置されている環境が推定に使用したものの温度・湿度に対して高いのか低いのか同じかが分るので、制御装置や電子機器などが設置されている環境が適切かどうか判断し、不適切な場合はアラームで示す。不適切な環境を適切な状態に改善することにより、寿命が短くなることを防ぎ、偶発故障期間の故障率を想定された範囲内に収めることができる。
温度・湿度に対応して抵抗値の上昇スピードが異なる導電膜について、薄い導電膜、例えば、タッチパネルなどの電極として使用されるほど薄い透明導電膜がプラスチックフィルム上に形成させる場合、構造や膜質などによっては高温高湿(高温多湿)に弱い(例えば抵抗値が上昇する)ので、信頼性向上のため、プラスチックフィルム上のバリア層を設けたり複層構造にする技術、熱膨張係数の相違の緩和のための層を設ける技術、非晶質の導電膜を加熱処理し結晶化する技術、炭素に着目した技術などがある。
これらからも明らかなように、薄い導電膜において構造や膜質によっては、温度・湿度の条件(高温・高湿)により抵抗値が上昇する。本発明は、温度・湿度に強い導電膜(温度・湿度が高くても抵抗値が一定に近い導電膜、本発明では透明性は必要しないので、単に導電膜とする)についてのものではなく、逆に、温度・湿度が高いと抵抗値が上昇する導電膜を利用するものである。
本発明は、高温・高湿(高温・多湿)の下で抵抗値が上昇する性質を有する導電膜を利用し、空気中の水分(水蒸気)が侵入できるような構造にする(つまり、セラミックなどの空気中の水分(水蒸気))が侵入しない材料をすべての面に使用して密閉構造としない)ことにより、温度・湿度によって抵抗値が時間とともに上昇することを利用する。
導電膜の材料としては、金、銀、パラジウムなどの金属薄膜、インジウム酸化物、スズ酸化物、インジウム−スズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)などの金属酸化物が使用できるが、本発明は透明性が必要ないので、これらの金属薄膜や金属酸化物に限定されない。
導電膜の成膜には、真空蒸着法、スパッタリング法などが使用できる。本発明の場合、導電膜の膜質は結晶質よりも非晶質の方がよい。非晶質、結晶質の成膜温度については、基板温度が100℃以下であるときはほぼ非晶質であり、結晶質にするためには、150℃以上が必要である。
導電膜を成膜させる基材となるものについては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル系、ポリエチレン系などが使用できるが、本発明においては、透明である必要がないので、プラスチック全般について使用することができる。また、導電膜を成膜させる基材となるのは、プラスチックに限らず、絶縁基材であればよいので、例えばセラミックやガラスなどを使用することができる。なお、セラミックやガラスなどを基材とする時は導電膜の少なくとも、一方から空気中の水分が浸入することが必要になる。例えば、セラミック上に導電膜を成膜したときは、セラミックで密封すると空気中の水分が入ってこないので、水蒸気透過性を有する絶縁物と透湿性の被覆材として導電膜の表面を保護するか、保護なし(表面を外部に露出)とするなど空気中の水分の浸入が可能なようにする必要がある。
そして、本願の請求項1に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、前記測定部により測定した抵抗値を使用開始時からの経過時間または製造時からの経過時間に対応付けて記憶する測定値記憶部と、基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時の前記経過時間と前記基準時間における経過時間を比較する比較部と、前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置である。
請求項2に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、前記測定部により測定した抵抗値を測定時刻に対応付けて記憶する測定値記憶部と、基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時の前記測定時刻より算出した使用開始時からの経過時間または製造時からの経過時間と前記基準時間における経過時間を比較する比較部と、前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置である。
請求項3に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、前記測定部により測定した抵抗値を使用開始時からの経過時間または製造時からの経過時間に対応付けて記憶する測定値記憶部と、基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時、前記測定値記憶部に記憶した抵抗値と経過時間から経過時間の増分と抵抗値の増分との測定比を算出する測定比算出部と、前記基準時間記憶部に記憶した抵抗値と経過時間から算出した経過時間の増分と抵抗値の増分との基準比を算出する基準比算出部と、前記算出した測定比と基準比とを比較する比較部と、前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置である。
請求項4に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、前記測定部により測定した抵抗値を測定時刻に対応付けて記憶する測定値記憶部と、基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時、前記測定値記憶部に記憶した抵抗値と時刻から経過時間の増分と抵抗値の増分との測定比を算出する測定比算出部と、前記基準時間記憶部に記憶した抵抗値と経過時間から算出した経過時間の増分と抵抗値の増分との基準比を算出する基準比算出部と、前記算出した測定比と基準比とを比較する比較部と、前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置である。
請求項5に係る発明は、前記比較結果出力部は、前記所定の抵抗値となった時の経過時間が前記基準時間よりも短い場合、または前記所定の抵抗値となった時の経過時間と前記基準時間との差が所定範囲内にある場合にアラームを出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電子機器の設置環境判定装置である。
請求項6に係る発明は、前記基準時間を複数設け、前記比較結果出力部は前記所定の抵抗値となった時の経過時間が前記複数の基準時間のうち最も近い基準時間に対応したアラームまたはメッセージを出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電子機器の設置環境判定装置である。
本発明により、制御装置や電子機器が設置されている環境を判定し、制御装置や電子機器内に設けられた部品などに影響がある(寿命が想定よりも短くなるとか、偶発故障期間の故障率が高くなる)場合、影響に応じたアラームなどを出力し、アラームに対処する(環境を改善する)ことにより、摩耗故障期間(寿命)までの時間が短くなることを防ぎ、偶発故障期間の故障率を想定された範囲内に収めることが可能な導電膜を使用した電子機器の設置環境判定装置を提供できる。
初期故障期間では故障率が時間とともに減少し、偶発故障期間では故障率はほぼ一定、摩耗故障期間では故障率は時間とともに増加し、故障が発生する場合はこれらの3つの内のいずれかであることを説明する図である。 水蒸気透過性を有する絶縁物の基材に、温度・湿度に対応して時間経過により抵抗値が上昇する導電膜と導電膜と接続される両側に形成された導体(電極)からなる構造を説明する図である。 水蒸気透過性を有しない絶縁物の基材に、温度・湿度に対応して時間経過により抵抗値が上昇する導電膜と導電膜と接続される両側に形成された導体(電極)からなる構造を説明する図である。 基板(プリント基板やアルミナ基板など)上の導体パターン間に温度・湿度によって抵抗値が上昇する導電膜を成形した例を説明する図である。 導電膜における時間と抵抗値の関係を説明する図である。 抵抗値がR1の場合について、ワイブル分布のグラフにプロットしたグラフを説明する図である。 設定された累積パーセントとなる時間と「1/温度」の関係を説明する図である。 設定された累積パーセントとなる時間と「1/湿度」の関係を説明する図である。 温度・湿度を((E/k(T+273))+(β/RH))に代入して求めた値と時間の関係を説明する図である。 環境条件1〜3の温度・湿度を((E/k(T+273))+(β/RH))に代入して求めた値と時間の関係を説明する図である。 R1〜Rnについて、環境条件1〜3の温度・湿度を((E/k(T+273))+(β/RH))に代入して求めた値と時間の関係を説明する図である。 Tm_Rx(xは1〜n)から((E/k(T+273))+(β/RH))の値を求め、求められた値と設置条件1〜3の((E/k(T+273))+(β/RH))の値との関係を説明する図である。 抵抗値測定部・比較(判定)部・記憶部・アラーム出力部を備えた本発明の実施形態を説明する図である。 抵抗値測定部・算出及び比較(判定)部・記憶部・アラーム出力部を備えた本発明の実施形態を説明する図である。 ロッカー上に設けられた温度・湿度に対応して時間経過により抵抗値が上昇する導電膜を示す図である。 ロッカーの内面に設けられた温度・湿度に対応して時間経過により抵抗値が上昇する導電膜を示す図である。 プリント板に設けられた温度・湿度に対応して時間経過により抵抗値が上昇する導電膜を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
<本発明の実施形態に用いられる導電膜>
本発明の実施形態に用いられる導電膜(例えばITO膜で非結晶タイプのもの)は、温度・湿度が低いと抵抗値の上昇スピードが遅くなかなか抵抗値が上昇しない。温度・湿度(温度および湿度)が高いと抵抗値の上昇スピードが速い(なお、上昇したものは下降しない。)。本発明はこの性質を利用し、導電膜の抵抗値の上昇をある時間毎にモニタリングし、その抵抗値の上昇が基準となる温度・湿度における抵抗値の上昇よりも速い場合は、温度・湿度が高く信頼性的に問題ありとしてアラーム出力を行う。アラームに対応することにより、想定された寿命よりも短くなることを防ぎ、偶発故障期間の故障率の上昇を防ぐことができる。
本発明の実施形態に用いられる導電膜は以下に述べるような構造の素子として、または、プリント基板に直に形成して使用することができる。
図2に示されるように、水蒸気透過性を有する絶縁物の基材4に、温度・湿度に対応して時間経過により抵抗値が上昇する導電膜5(例えば、ITO膜)と、導電膜5と接続される両側に形成された導体(電極6,6)を備える。この場合は導電膜5の表面を外部に露出させてもよいし、水蒸気透過性を有する絶縁物を透湿層の被覆材として導電膜5を覆ってもよいし、水蒸気透過性を有しない絶縁物で導電膜5の表面を覆ってもよい。水蒸気透過性を有する絶縁物の基材としては、プラスチック全般を指すが、PET程度以上の水蒸気透過性(PETフィルム厚25μmで20〜30g/m2・24h、40℃、90%RH)を有するプラスチックが好ましい。
図3に示す素子は、水蒸気透過性を有しない絶縁物の基材7(例えば、セラミック、ガラスなど)に温度・湿度に対応して時間経過により抵抗値が上昇する導電膜5(例えばITO膜)と、導電膜5と接続される両側に形成された導体(電極6,6)からなる。この場合は導電膜5の表面を外部に露出させてもよいし、水蒸気透過性を有する絶縁物を透湿層の被覆材として導電膜5の表面を覆ってもよい。水蒸気透過性を有する絶縁物の基材としては、プラスチック全般を指すが、PET程度以上の水蒸気透過性を有するプラスチックが好ましい。また、導電膜5の部分の被覆材において孔径と孔数、つまり、孔面積を変化させてもよい。また、導電膜5の部分の被覆材においてスリットを入れて空気中の水分が導電膜5に到達しやすくしてもよい。
次に、温度・湿度に対応して時間経過により抵抗値が上昇する導電膜5について説明する。導電膜5はスパッタリング法で成膜する。膜厚は5〜200nm程度が好ましい。温度は、100℃以下が好ましく、非晶質が好ましい。なお、温度・湿度に対応して経過時間により抵抗値の上昇が大きすぎる場合は、バリア層を設けたり、熱を加えて非晶質を結晶化したり、水蒸気透過性を有する絶縁物において水蒸気が透過し難くしたりすることなどにより抵抗値の上昇のスピードを調整することができる。バリア層が不十分であったりITO膜が十分に結晶化していない場合は、温度・湿度の条件により、ITO膜の抵抗値の上昇スピードが異なるため、その上昇した抵抗値と時間を算出することにより、温度・湿度が信頼性上問題無い範囲か推測することが可能である。
なお、図4に示すように基板(プリント基板やアルミナ基板など)上の導体パターン間(配線パターン9,9の間)に図2あるいは図3の温度・湿度によって抵抗値が上昇する導電膜5を成形してもよい。導電膜5の保護膜の有無や保護については前述のとおりである。
<温度・湿度に対応して経過時間により抵抗値が上昇する導電膜を利用した設置環境判定装置を設けた数値制御装置の実施形態>
コンピュータ内蔵の数値制御装置は工作機械の制御を行う。工作機械は悪環境(例えば空調がきいておらず、夏は温度が非常に高く梅雨時は湿度が高くなる建屋内や、周囲に高温となる設備があり、その影響を受ける場所)に設置されることがある。悪環境に設置されたまま使用を続けると数値制御装置の故障率は想定されたものよりも高くなってしまうし、寿命は想定されたものよりも短くなってしまう。
これを防ぐためには、どのような環境に数値制御装置が設置されて使用されているかを知る必要がある。使用時の温度や湿度がある一定値を超えたらアラームを出すようにしているものもあるが、その設定の温度や湿度は一般的に高くされているため、その設定に近い温度や湿度で経年的に使用を続けると寿命が短くなったり、偶発故障期間の故障率が高くなったりする。
そこで、適切な温度・湿度で使用されているのか経時的に分かるようにしたものが以下の実施形態である。
温度・湿度に対応して時間経過により抵抗値が上昇する導電膜を利用した設置環境判定装置が例えば数値制御装置に設けられた場合の実施形態は以下のとおりである。本発明の実施形態における回路構成を図13に示す。抵抗値測定・比較(判定)・記憶・アラーム出力の回路50は抵抗値測定部51、比較(判定)部54、記憶部55、及びアラーム出力部56を有する。
まず、記憶部55に保存されるデータについて説明する。例えば導電膜としてのITO膜の抵抗値は、図5のように変化する。あるサンプル数で、ある温度・湿度条件(例えば、60℃/95%や50℃/95%)での試験を実施することによって時間(対数軸)と抵抗値(対数軸とか対数・対数軸とか対数・対数・対数軸など)の関係が求められる。
試験条件(1)から試験条件(4)は、あるサンプル数(図5ではサンプル数はn個である)分の結果例を表している。温度・湿度の試験条件は、試験条件(1)がT1℃,φ1%RH、試験条件(2)がT1℃,φ2%RH、試験条件(3)がT2℃,φ1%RH、試験条件(4)がT2℃,φ2%RHと仮定する。温度・湿度と、ある抵抗値に上昇するまでの時間の関係は、数1式や数2式などで表される。ここでは、数1式に当てはまる場合の例について説明する。
Figure 2014013213
Figure 2014013213
数1式において、湿度を一定にした場合、ある抵抗値になるまでの、温度T1(℃)での試験結果の時間をL1、温度T2(℃)での試験結果の時間をL2(T1>T2、L1<L2)とすると、活性化エネルギーEは、数3式で求められる。
Figure 2014013213
同様に温度を一定にした場合、ある抵抗値になるまでの、湿度φ1(%RH)での試験結果の時間をL1、湿度φ2(%RH)での試験結果の時間をL2(φ1>φ2、L1<L2)とすると、加速性βは、数4式で求められる。
Figure 2014013213
つまり、最低、温度2条件、湿度2条件(試験の条件としては、例えば(Tp,φm)、(Tq,φm)、(Tq,φn)の3つ実施すれば湿度を一定にした場合の最低、温度2つ、温度を一定にした場合の最低、湿度2つが求まる)で活性化エネルギーEおよび加速性βが求まる。しかし、より正確に求めるには、温度条件3条件以上、湿度3条件以上が望ましい。
活性化エネルギーEと加速性βが分かれば定数Aが求まる。
さて、試験を行いグラフにプロットして活性化エネルギーE、加速性β、定数Aを求める場合について述べる。上記に述べたように温度3条件以上、湿度3条件以上が望ましいが、説明を簡単にするために、温度2条件、湿度2条件の場合について説明する。温度の条件としてT1℃、T2℃(T1>T2)、湿度2条件としてφ1%RH、φ2%RH(φ1>φ2)の4条件で試験を行う。つまり試験条件(1)(T1℃、φ1%RH)、試験条件(2)(T1℃、φ2%RH)、試験条件(3)(T2℃、φ1%RH)、試験条件(4)(T2℃、φ2%RH)の4つの試験条件で試験を行う。サンプル数を各々n個とする。これらのサンプルを各々の試験条件(試験条件(1),試験条件(2),試験条件(3),試験条件(4))で試験を行う。
時間毎に導電膜の抵抗値を測定して図5のようにプロットする。時間軸と抵抗軸について対数をとったりすることで、時間と抵抗の関係が直線になるようにする。温度・湿度が、試験条件(1)(T1℃、φ1%RH)、試験条件(2)(T1℃、φ2%RH)、試験条件(3)(T2℃、φ1%RH)、試験条件(4)(T2℃、φ2%RH)である。図5では全サンプルの結果を帯状の直線で表している。図5の抵抗値をR1〜Rnに分ける。
まず、抵抗がR1の場合について説明する。温度・湿度の試験条件(1)のT1℃、φ1%RHの各サンプルの抵抗がR1になる時間を読み取り図6のようにワイブル確率のグラフにプロットし直線で表す。他の3つの試験条件についてもワイブル確率のグラフにプロットし直線で表す。図5の符号22は図6の符号32の直線に変換され、図5の符号24は図6の符号34の直線に変換され、図5の符号26は図6の符号36の直線に変換され、図5の符号28は図6の符号38の直線に変換される。なお、ワイブル・プロットは公知である。
これより抵抗値がR1になる時間と累積パーセント(%)(F(t))が試験条件(試験条件(1),試験条件(2),試験条件(3),試験条件(4))毎に分かる。図6のように累積パーセント(%)をx%(xは任意である)と選択すると、それぞれの試験条件においての時間がわかる。図6のR1になるまでの累積x(%)となる時間をT1℃およびφ1%RHの試験条件(1)でt11、T1℃およびφ2%RHの試験条件(2)でt12、T2℃およびφ1%RHの試験条件(3)でt21、T2℃およびφ2%RHの試験条件(4)でt22とする。
これらの時間を、「1/温度」と時間のグラフにプロットしたものが図7である。ここで温度は、ケルビン温度(絶対温度)を分母とするためにセ氏(℃)の温度に273を加えて、(T+273)とする。4条件の試験結果より、2本の直線が引ける。これらの直線は平行となる。平行とならない場合は、同一の活性化エネルギーE,同一の加速性βでの加速となっていないため、温度・湿度の試験条件を変えて実施する。この直線の傾きにボルツマン定数をかけたものが活性化エネルギーEである。
同様に、これらの時間を、「1/湿度」と時間のグラフにプロットしたものが図8である。この場合も温度と同様に、2本の直線に引ける。これらの直線は平行となる。平行とならない場合は、同一の活性化エネルギーE,同一の加速性βでの加速となっていないため、温度・湿度の試験条件を変えて実施する。この直線の傾きが湿度の加速性βを表す。
数1式から、R1になる時間をLR1、R1における定数をAR1とすると、LR1=AR1・EXP(E/k(T+273)))・EXP(β/RH)で表される。この式より、数5式として表される。
Figure 2014013213
なお、抵抗値がR2では数6式で表される。
Figure 2014013213
また、抵抗値がRnでは数7式で表される。
Figure 2014013213
試験条件の温度・湿度とR1になるまでのt11、t12、t21、t22は数5式を満足する(T=T1,RH=φ1を代入するとLR1=t11となり、T=T1,RH=φ2を代入すると、LR1=t12となり、T=T2,RH=φ1を代入するとLR1=t21となり、T=T2,RH=φ2を代入するとLR1=t22となる)ので、横軸に((E/k(T+273))+(β/RH))をとり縦軸に対数の時間軸をとれば、t11、t12、t21、t22と、試験条件の温度・湿度を((E/k(T+273))+(β/RH))に代入して求めた数値をプロットした点は直線となる。これらを((E/k(T+273))+(β/RH))と時間のグラフにプロットしたものが図9であり、直線が引ける。
ここで、摩耗偶発信頼性に関する推定に使用する温度・湿度に対する時間の求め方について説明する。温度Tx(℃)、湿度φx(%RH)とし、((E/k(T+273))+(β/RH))で計算したものが図9の(Tx、φx)の点とする。その点から時間軸に平行な線を引き、直線との交点i1から時間軸に垂直に線を引き、時間軸との交点をLxとする。温度Tx(℃)、湿度φx(%RH)での使用ではR1になるまでの時間はLxであることがわかる。
同様に温度Ty(℃)、湿度φy(%RH)とし、((E/k(T+273))+(β/RH))で計算したものが図9の(Ty、φy)の点とする。その点から時間軸に平行に線を引き、直線との交点i2から時間軸に垂直に線を引き、時間軸との交点をLyとすると、温度Ty(℃)、湿度φy(%RH)での使用では、R1になるまでの時間はLyであることがわかる。
つまり、摩耗偶発信頼性に関する推定に使用された温度と湿度が(Tx、φx)であったり(Ty、φy)であったりし、対応する時間が分かるということである。
この考え方をどのように適用するかを次に説明する。
設置環境条件を下記のようにする。
設置環境条件1:ただちに温度・湿度を下げる対策が必要。
設置環境条件2:温度・湿度の条件が厳しいので、温度・湿度を下げること。
設置環境条件3:温度・湿度の条件は想定使用範囲内。
設置環境条件1〜3の温度・湿度を((E/k(T+273))+(β/RH))で計算したものが図10の各点とすると、図9で求めたように各設置条件1〜3に対応するR1になる時間が求められる。纏めたものを表1に表す。
Figure 2014013213
R1について求めたように、R2・・・Rnについても求める。その結果を図11とする。図10で求めたように各Rに対する各環境設置条件に対応した時間を求めたものが表2である。
Figure 2014013213
表2のように、設置環境条件1のR1に対応する時間をtR1_1、R2に対応する時間をtR2_1、Rnに対応する時間をtRn_1、設置環境条件2のR1に対応する時間をtR1_2、R2に対応する時間をtR2_2、Rnに対応する時間をtRn_2、設置環境条件3のR1に対応する時間をtR1_3、R2に対応する時間をtR2_3、Rnに対応する時間をtRn_3とし、R1〜Rn、および設置環境条件1のR1〜Rnに対応するtR1_1〜tRn_1、および設置環境条件2のR1〜Rnに対応するtR1_2〜tRn_2、および設置環境条件3のR1〜Rnに対応するtR1_3〜tRn_3の値のデータとして基準時間記憶部に保存する。
なお、設置環境条件と時間との対応について表2のようなデータを基準時間記憶部に記憶してもよいし、各設置環境条件の温度・湿度と活性化エネルギーEや加速性βやボルツマン定数kと数5式〜数7式のAR1からARnのデータを基準時間記憶部に記憶して数5式〜数7式から計算してもよい。
数値制御装置が設置され稼働したら、導電膜の抵抗値を測定し、測定した抵抗値と、対応する時間を測定値記憶部に保存する。なお、必要に応じて数値制御装置製造時に測定した抵抗値と測定時の時刻がすでに保存されているものとする。例えば、装置の製造からユーザでの使用開始までが長く保存状態が不明な場合など、製造時から使用開始までの時間を補正して使用する場合に必要になることがある。その後は、例えば、一日毎や一週間毎などに、導電膜の抵抗値を調べる。測定値に対応する時間は、その時の時刻(測定時刻)でも、使用開始からの経過時間でも、前回の測定からの経過時間でもどれでもよい。
表3は、抵抗測定値と対応する測定時間と経過時間を測定値記憶部に記憶した例を説明する表である。
Figure 2014013213
表3のRm_0は稼働初期の導電膜の抵抗の測定値である。測定値に対応する時間として例えば年と月と日と時間を示すY0:M0:D0:h0(Y=年、M=月、D=日、h=時間)が記憶されているとする。よってこの場合の測定値に対応する時間とは測定時刻である。Rm_R1はR1になったと判断された時の抵抗値であり、その時の時刻をYR1:MR1:DR1:hR1とすると、経過した時間tm_R1はYR1:MR1:DR1:hR1からY0:M0:D0:h0を引いた値となり、経過時間として測定値記憶部に記憶されているとする。時刻を記憶しておけば経過時間は計算で求めることができるが、説明しやすいように経過時間も記憶されているとする。
以下同様に、R2となったと判断された時、R3になったと判断された時と続く。なお、通常、測定値記憶部に記憶される抵抗値が基準時間記憶部に記憶されているRnに到達する前に製品寿命となるものとする。
なお、例ではR1やR2になった時のデータを記憶させているが、それ以外の測定毎に測定した抵抗値と対応する測定時刻、経過時間を個々に記憶させてもよい。表3、表4では測定毎のデータは記憶させていない。尚、全て記憶させるか間引いて記憶させるかは任意である。
表4は、経過時間が、測定値記憶部に記憶されるデータ例を説明する表である。
Figure 2014013213
表4のRm_0は稼働初期の導電膜の抵抗の測定値であり表3のRm_0と同じであるが、時間は例えばタイマースタートの時間としたものである。よって、表4のtm_0に対応した経過時間の欄には0が入ることになる。表4のRm_R1はR1になったと判断された時の抵抗値であり、表3のRm_R1と同じであるが、対応する時間はタイマースタートからの時間がtm_R1である。よって、この場合、tm_R1が経過時間となる。以下、同様である。以下の説明では表3の方を利用する。
次に、導電膜の抵抗値の測定などについて説明する。
抵抗値測定・比較(判定)・記憶・アラーム出力の回路50は、例えば図13の抵抗値・比較(判定)・記憶・アラーム出力部として構成される。Rxは既知の抵抗である。導電膜Rpは温度・湿度に対応して経過時間により抵抗値が上昇する導電膜の抵抗である。符号51は抵抗値測定部、符号52はOPアンプ、符号53はA/Dコンバータ、符号54は比較(判定)部、符号55は記憶部、符号56はアラーム出力部である。抵抗Rxと導電膜Rpを図13の抵抗値測定・比較(判定)・記憶・アラーム出力部のように接続し、RxとRpの接続点の電圧をVxとすると、導電膜Rpの抵抗値は、数8式により求められる。なお、数8式では導電膜Rpの抵抗値を単にRpと表す。なお、具体的には、比較(判定)部54は比較(判定)の処理を行うプロセッサ(CPU)である。また、記憶部55は、メモリであり、例えば、Flash ROM(フラッシュロム)、電源バックアップされたRAM、EEPROMなどである。
Figure 2014013213
抵抗Rxと導電膜Rpの接続点をOPアンプ52の+(プラス)に接続し、OPアンプ52の−(マイナス)はOPアンプの出力に接続する。いわゆるボルテージフォロア接続とする。OPアンプ52の出力はVxを出力するのでA/Dコンバータ53の入力に接続し、A/Dコンバータ53はアナログ値Vxをデジタル値に変換する。A/Dコンバータ53のデジタル値は、比較(判定)部54に入力される。比較(判定)部54はデジタル値としてVxの値が分かるので、数8式を使って導電膜Rpの抵抗値を求める。
稼働始めの時には測定したRpの抵抗値(例えばRm_0とする)と時刻(たとえばY0:M0:D0:h0)を、表3に対応する測定値記憶部(記憶部55の所定の記憶領域)に記憶させる。その後、測定したRpの抵抗値と基準時間記憶部(記憶部55の所定の記憶領域)に記憶されているR1のデータを比較し、やがてR1になったら(R1±y%(yは任意の数))内に入ったらまたはR1を超えたら、表3に対応する測定値記憶部に、R1の抵抗値(RpのR1になった時の抵抗値をRm_R1とする)と対応する時刻(例えばYR1:MR1:DR1:hR1とする)を記憶し、YR1:MR1:DR1:hR1―Y0:M0:D0:h0を計算し経過時間tm_R1として記憶する。
測定値記憶部のtm_R1と、基準値記憶部に記憶されているR1時の設置環境条件1のtR1_1、設置環境条件2のtR1_2、設置環境条件3のtR1_3を以下のように比較し、比較した結果として記載例の動作を行う。
m_R1<tR1_1
ならば、比較(判定)部54は異常と判定し、例として次の動作を行う。比較(判定)部54は、温度・湿度が非常に高いことをアラーム出力部56にアラーム出力し、ただちに温度・湿度を下げるように警告する。アラーム出力部56の表示器は、このまま使用すれば近々に障害発生となるのでただちに温度・湿度を下げるように画面に表示したり、スタックライトや警告灯は赤色を点灯したり、ブザーは緊急音を出したりすることで緊急に対応を行うよう作業者などに通報する。
R1_1≦tm_R1≦tR1_2
において、tm_R1がtR1_2よりもtR1_1に近いならば比較(判定)部54は異常と判定し、tm_R1相当の警告を行う。
m_R1がtR1_2に近いならば比較(判定)部54は温度・湿度が高いと判定し、温度・湿度が高いことをアラーム出力し、温度・湿度が高いので温度を下げるように警告する。アラーム出力部56の表示器は温度・湿度が高いので温度・湿度を下げるように表示したり、スタックライトや警告灯は橙色を点灯したり、ブザーはやや緊急である音を出したりすることで、今後このまま継続使用すれば問題となることを作業者などに通報する。なお、tm_R1の抵抗値がtR1_1とtR1_2のどのあたりにあるかによって警告の仕方を変更するのがよい。
R1_2≦tm_R1<tR1_3
において、tm_R1がtR1_2とtR1_3のどのあたりにあるのかにより、比較(判定)部54は温度・湿度が高いと判定したり、温度・湿度がやや高いと判定したりする。その判定により比較(判定)部54は前述のtm_R1がtR1_2に近い時相当のアラーム出力し、警告を行ったり、温度・湿度が通常よりもやや高いことをアラーム出力し警告(アラーム出力部56の表示器は温度・湿度がやや高いことを表示したり、スタックライトや警告灯は黄色を点灯したり、ブザーは緊急でない音を出したりすることで緊急でないが今後温度・湿度を下げた方がよいことを作業者などに通報する。)を行ったり、警告を行わず内部的に保持したりする。
R1_3≦tm_R1
ならば比較(判定)部54は問題なしと判定する。
同様にやがてR2になったら、R2になるまでの時間tm_R2を使用し同様にtR2_1、tR2_2、tR2_3、と比較処理(前述のR1と同様な処理を実施)する。
以下同様である。
上記は経過時間を使用したが、前もって経過時間を記憶しなくても測定時刻のみ記憶しておき測定時刻の差分を使用してもよいことはいままでの説明からいうまでもない。
また、上記は時間で比較し設置されている環境を類推するものであるが、図12のように測定記憶部のTm_Rx(xは1〜n)から((E/k(T+273))+(β/RH))の値を求め、設置条件1〜3の((E/k(T+273))+(β/RH))の値と比較してもよい。
なお、製造時に測定した抵抗値を測定値記憶部に記憶している場合は、その値と稼働開始時に測定した抵抗値を比較し、使用開始前の保存状態を知ることができる。保守時の情報として利用したり、抵抗値の上昇の程度によりアラーム出力を行ったりすることができる。
前述では、ある抵抗値になるまでの経過時間を使用したが、ここでは時間の増分と抵抗値の増分から設置されている環境条件を判断する場合について述べる。表3の測定値記憶部にすでにデータが記憶されているとして説明する。測定した導電膜Rpの抵抗値がR1、R2、R3・・・になったとすると、時間の増分と抵抗値の増分は数9式で表すことができる。
Figure 2014013213
これは図14の抵抗値測定部・算出及び比較(判定)部・記憶・アラーム出力の回路60の算出及び比較(判定)部64において算出する。数9式を算出する算出部を「測定比算出部」という。
基準時間記憶部に記憶されている設置環境条件1〜3の時間の増分と抵抗値の増分は、例えば表2から設置環境条件1では、数10式である。
Figure 2014013213
設置環境条件2では、数11式である。
Figure 2014013213
設置環境条件3では、数12式である。
Figure 2014013213
数10〜12式により、時間の増分/抵抗値の増分の値が求められる。なお、R1、R2、R3、R4、・・・の値はすでに基準値記憶部(記憶部65の所定の記憶領域)に記憶されているとする。これは図14の抵抗値測定・算出及び比較(判定)・記憶・アラーム出力の回路60の算出及び比較(判定)部64を算出および比較(判定)部として用いる。数10式〜数12式を算出するのを、「基準比算出部」という。なお、具体的には、算出及び比較(判定)部64は算出及び比較(判定)の処理を行うプロセッサ(CPU)である。また、記憶部65は、メモリであり、例えば、Flash ROM(フラッシュロム)、電源バックアップされたRAM、EEPROMなどである。
導電膜Rpの抵抗値を測定し、抵抗値がRj(j≧1)になったら、数9式から時間の増分/抵抗値の増分の「測定比」が求められるので、数10式〜数12式より求められる設置環境条件1〜3の「基準比」と比較して実際の設置環境条件を判断し、対応する設置環境受験1〜3の「基準比」と比較して実際の設置環境条件を判断し、対応する設置環境条件によりアラーム出力する。
前述では、設置環境条件を3つに分けて比較したが、多くの設置環境条件に分けて比較すれば、より細かいアラームや注意を出せることはいうまでもない。また複数ではなく、1つとしてもよい。
なお、測定値記憶部(メモリ65)のデータについて、例えば故障発生時や、一定期間ごとに電話回線やインターネット経由で測定値記憶部のデータを読み込めば使用されている環境条件(温度・湿度)を知ることができるので、商品や改善や設置環境条件の見直しなどを行うことができる。
本発明の実施形態で用いられる導電膜5は図15のようにロッカー70上に設けることにより、ロッカー周辺の温度・湿度を検知することができ、タッチパネル等の偶発故障や摩耗故障に対応することができる。また、図16のようにロッカー70内の板72に設けることによりロッカー内のユニット74や部品の偶発故障や摩耗故障に対応することができる。あるいは、図17のように部品が実装されたプリント板76上に設けることによりプリント板76やユニット74上の部品に対して偶発故障や摩耗故障に対応することができる。
また、本発明は、工作機械を制御する数値制御装置への適用に限定されず、種々の電子機器に適用できる。
4 水蒸気透過性を有する絶縁物の基材
5 導電膜
6 電極
7 水蒸気透過性を有しない絶縁物の基材

9 配線パターン

50 抵抗値測定・比較(判定)・記憶・アラーム出力の回路
51 抵抗値測定部
52 OPアンプ
53 A/Dコンバータ
54 比較(判定)部
55 メモリ
56 アラーム出力部

60 抵抗値測定・算出及び比較(判定)・記憶・アラーム出力の回路
61 抵抗値測定部
62 OPアンプ
63 A/Dコンバータ
64 算出及び比較(判定)部
65 メモリ
66 アラーム出力部

70 ロッカー
72 板
74 ユニット
76 プリント板

Rx 抵抗
Rp 導電膜
F(t) 累積パーセント
RH 湿度
T 温度

Claims (6)

  1. 電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、
    前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、
    前記測定部により測定した抵抗値を使用開始時からの経過時間または製造時からの経過時間に対応付けて記憶する測定値記憶部と、
    基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、
    前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時の前記経過時間と前記基準時間における経過時間を比較する比較部と、
    前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置。
  2. 電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、
    前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、
    前記測定部により測定した抵抗値を測定時刻に対応付けて記憶する測定値記憶部と、
    基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、
    前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時の前記測定時刻より算出した使用開始時からの経過時間または製造時からの経過時間と前記基準時間における経過時間を比較する比較部と、
    前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置。
  3. 電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、
    前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、
    前記測定部により測定した抵抗値を使用開始時からの経過時間または製造時からの経過時間に対応付けて記憶する測定値記憶部と、
    基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、
    前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時、前記測定値記憶部に記憶した抵抗値と経過時間から経過時間の増分と抵抗値の増分との測定比を算出する測定比算出部と、
    前記基準時間記憶部に記憶した抵抗値と経過時間から算出した経過時間の増分と抵抗値の増分との基準比を算出する基準比算出部と、
    前記算出した測定比と基準比とを比較する比較部と、
    前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置。
  4. 電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、
    前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、
    前記測定部により測定した抵抗値を測定時刻に対応付けて記憶する測定値記憶部と、
    基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、
    前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時、前記測定値記憶部に記憶した抵抗値と時刻から経過時間の増分と抵抗値の増分との測定比を算出する測定比算出部と、
    前記基準時間記憶部に記憶した抵抗値と経過時間から算出した経過時間の増分と抵抗値の増分との基準比を算出する基準比算出部と、
    前記算出した測定比と基準比とを比較する比較部と、
    前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置。
  5. 前記比較結果出力部は、前記所定の抵抗値となった時の経過時間が前記基準時間よりも短い場合、または前記所定の抵抗値となった時の経過時間と前記基準時間との差が所定範囲内にある場合にアラームを出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電子機器の設置環境判定装置。
  6. 前記基準時間を複数設け、前記比較結果出力部は前記所定の抵抗値となった時の経過時間が前記複数の基準時間のうち最も近い基準時間に対応したアラームまたはメッセージを出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電子機器の設置環境判定装置。
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