JP2014013213A - 電子機器の設置環境判定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁物の基材に成膜されている温度・湿度に対応して時間経過により抵抗値が上昇する導電膜は、温度・湿度が低いと抵抗値の上昇スピードが遅くなかなか抵抗値が上昇しないが、温度・湿度が高いと抵抗値の上昇スピードが速く、その抵抗値の上昇が基準となる温度・湿度における抵抗値の上昇よりも速い場合は、温度・湿度が高く信頼性的に問題ありとしてアラーム出力を行い、アラームに対応することにより、想定された寿命よりも短くなることを防ぎ、偶発故障期間の故障率の上昇を防ぐことができる。
【選択図】図2
Description
導電膜の成膜には、真空蒸着法、スパッタリング法などが使用できる。本発明の場合、導電膜の膜質は結晶質よりも非晶質の方がよい。非晶質、結晶質の成膜温度については、基板温度が100℃以下であるときはほぼ非晶質であり、結晶質にするためには、150℃以上が必要である。
請求項2に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、前記測定部により測定した抵抗値を測定時刻に対応付けて記憶する測定値記憶部と、基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時の前記測定時刻より算出した使用開始時からの経過時間または製造時からの経過時間と前記基準時間における経過時間を比較する比較部と、前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置である。
請求項3に係る発明は、電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、前記測定部により測定した抵抗値を使用開始時からの経過時間または製造時からの経過時間に対応付けて記憶する測定値記憶部と、基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時、前記測定値記憶部に記憶した抵抗値と経過時間から経過時間の増分と抵抗値の増分との測定比を算出する測定比算出部と、前記基準時間記憶部に記憶した抵抗値と経過時間から算出した経過時間の増分と抵抗値の増分との基準比を算出する基準比算出部と、前記算出した測定比と基準比とを比較する比較部と、前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置である。
請求項5に係る発明は、前記比較結果出力部は、前記所定の抵抗値となった時の経過時間が前記基準時間よりも短い場合、または前記所定の抵抗値となった時の経過時間と前記基準時間との差が所定範囲内にある場合にアラームを出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電子機器の設置環境判定装置である。
請求項6に係る発明は、前記基準時間を複数設け、前記比較結果出力部は前記所定の抵抗値となった時の経過時間が前記複数の基準時間のうち最も近い基準時間に対応したアラームまたはメッセージを出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電子機器の設置環境判定装置である。
<本発明の実施形態に用いられる導電膜>
本発明の実施形態に用いられる導電膜(例えばITO膜で非結晶タイプのもの)は、温度・湿度が低いと抵抗値の上昇スピードが遅くなかなか抵抗値が上昇しない。温度・湿度(温度および湿度)が高いと抵抗値の上昇スピードが速い(なお、上昇したものは下降しない。)。本発明はこの性質を利用し、導電膜の抵抗値の上昇をある時間毎にモニタリングし、その抵抗値の上昇が基準となる温度・湿度における抵抗値の上昇よりも速い場合は、温度・湿度が高く信頼性的に問題ありとしてアラーム出力を行う。アラームに対応することにより、想定された寿命よりも短くなることを防ぎ、偶発故障期間の故障率の上昇を防ぐことができる。
図2に示されるように、水蒸気透過性を有する絶縁物の基材4に、温度・湿度に対応して時間経過により抵抗値が上昇する導電膜5(例えば、ITO膜)と、導電膜5と接続される両側に形成された導体(電極6,6)を備える。この場合は導電膜5の表面を外部に露出させてもよいし、水蒸気透過性を有する絶縁物を透湿層の被覆材として導電膜5を覆ってもよいし、水蒸気透過性を有しない絶縁物で導電膜5の表面を覆ってもよい。水蒸気透過性を有する絶縁物の基材としては、プラスチック全般を指すが、PET程度以上の水蒸気透過性(PETフィルム厚25μmで20〜30g/m2・24h、40℃、90%RH)を有するプラスチックが好ましい。
コンピュータ内蔵の数値制御装置は工作機械の制御を行う。工作機械は悪環境(例えば空調がきいておらず、夏は温度が非常に高く梅雨時は湿度が高くなる建屋内や、周囲に高温となる設備があり、その影響を受ける場所)に設置されることがある。悪環境に設置されたまま使用を続けると数値制御装置の故障率は想定されたものよりも高くなってしまうし、寿命は想定されたものよりも短くなってしまう。
そこで、適切な温度・湿度で使用されているのか経時的に分かるようにしたものが以下の実施形態である。
まず、抵抗がR1の場合について説明する。温度・湿度の試験条件(1)のT1℃、φ1%RHの各サンプルの抵抗がR1になる時間を読み取り図6のようにワイブル確率のグラフにプロットし直線で表す。他の3つの試験条件についてもワイブル確率のグラフにプロットし直線で表す。図5の符号22は図6の符号32の直線に変換され、図5の符号24は図6の符号34の直線に変換され、図5の符号26は図6の符号36の直線に変換され、図5の符号28は図6の符号38の直線に変換される。なお、ワイブル・プロットは公知である。
同様に温度Ty(℃)、湿度φy(%RH)とし、((E/k(T+273))+(β/RH))で計算したものが図9の(Ty、φy)の点とする。その点から時間軸に平行に線を引き、直線との交点i2から時間軸に垂直に線を引き、時間軸との交点をLyとすると、温度Ty(℃)、湿度φy(%RH)での使用では、R1になるまでの時間はLyであることがわかる。
つまり、摩耗偶発信頼性に関する推定に使用された温度と湿度が(Tx、φx)であったり(Ty、φy)であったりし、対応する時間が分かるということである。
設置環境条件を下記のようにする。
設置環境条件1:ただちに温度・湿度を下げる対策が必要。
設置環境条件2:温度・湿度の条件が厳しいので、温度・湿度を下げること。
設置環境条件3:温度・湿度の条件は想定使用範囲内。
なお、例ではR1やR2になった時のデータを記憶させているが、それ以外の測定毎に測定した抵抗値と対応する測定時刻、経過時間を個々に記憶させてもよい。表3、表4では測定毎のデータは記憶させていない。尚、全て記憶させるか間引いて記憶させるかは任意である。
抵抗値測定・比較(判定)・記憶・アラーム出力の回路50は、例えば図13の抵抗値・比較(判定)・記憶・アラーム出力部として構成される。Rxは既知の抵抗である。導電膜Rpは温度・湿度に対応して経過時間により抵抗値が上昇する導電膜の抵抗である。符号51は抵抗値測定部、符号52はOPアンプ、符号53はA/Dコンバータ、符号54は比較(判定)部、符号55は記憶部、符号56はアラーム出力部である。抵抗Rxと導電膜Rpを図13の抵抗値測定・比較(判定)・記憶・アラーム出力部のように接続し、RxとRpの接続点の電圧をVxとすると、導電膜Rpの抵抗値は、数8式により求められる。なお、数8式では導電膜Rpの抵抗値を単にRpと表す。なお、具体的には、比較(判定)部54は比較(判定)の処理を行うプロセッサ(CPU)である。また、記憶部55は、メモリであり、例えば、Flash ROM(フラッシュロム)、電源バックアップされたRAM、EEPROMなどである。
ならば、比較(判定)部54は異常と判定し、例として次の動作を行う。比較(判定)部54は、温度・湿度が非常に高いことをアラーム出力部56にアラーム出力し、ただちに温度・湿度を下げるように警告する。アラーム出力部56の表示器は、このまま使用すれば近々に障害発生となるのでただちに温度・湿度を下げるように画面に表示したり、スタックライトや警告灯は赤色を点灯したり、ブザーは緊急音を出したりすることで緊急に対応を行うよう作業者などに通報する。
において、tm_R1がtR1_2よりもtR1_1に近いならば比較(判定)部54は異常と判定し、tm_R1相当の警告を行う。
tm_R1がtR1_2に近いならば比較(判定)部54は温度・湿度が高いと判定し、温度・湿度が高いことをアラーム出力し、温度・湿度が高いので温度を下げるように警告する。アラーム出力部56の表示器は温度・湿度が高いので温度・湿度を下げるように表示したり、スタックライトや警告灯は橙色を点灯したり、ブザーはやや緊急である音を出したりすることで、今後このまま継続使用すれば問題となることを作業者などに通報する。なお、tm_R1の抵抗値がtR1_1とtR1_2のどのあたりにあるかによって警告の仕方を変更するのがよい。
において、tm_R1がtR1_2とtR1_3のどのあたりにあるのかにより、比較(判定)部54は温度・湿度が高いと判定したり、温度・湿度がやや高いと判定したりする。その判定により比較(判定)部54は前述のtm_R1がtR1_2に近い時相当のアラーム出力し、警告を行ったり、温度・湿度が通常よりもやや高いことをアラーム出力し警告(アラーム出力部56の表示器は温度・湿度がやや高いことを表示したり、スタックライトや警告灯は黄色を点灯したり、ブザーは緊急でない音を出したりすることで緊急でないが今後温度・湿度を下げた方がよいことを作業者などに通報する。)を行ったり、警告を行わず内部的に保持したりする。
tR1_3≦tm_R1
ならば比較(判定)部54は問題なしと判定する。
同様にやがてR2になったら、R2になるまでの時間tm_R2を使用し同様にtR2_1、tR2_2、tR2_3、と比較処理(前述のR1と同様な処理を実施)する。
以下同様である。
また、本発明は、工作機械を制御する数値制御装置への適用に限定されず、種々の電子機器に適用できる。
5 導電膜
6 電極
7 水蒸気透過性を有しない絶縁物の基材
9 配線パターン
50 抵抗値測定・比較(判定)・記憶・アラーム出力の回路
51 抵抗値測定部
52 OPアンプ
53 A/Dコンバータ
54 比較(判定)部
55 メモリ
56 アラーム出力部
60 抵抗値測定・算出及び比較(判定)・記憶・アラーム出力の回路
61 抵抗値測定部
62 OPアンプ
63 A/Dコンバータ
64 算出及び比較(判定)部
65 メモリ
66 アラーム出力部
70 ロッカー
72 板
74 ユニット
76 プリント板
Rx 抵抗
Rp 導電膜
F(t) 累積パーセント
RH 湿度
T 温度
Claims (6)
- 電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、
前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、
前記測定部により測定した抵抗値を使用開始時からの経過時間または製造時からの経過時間に対応付けて記憶する測定値記憶部と、
基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、
前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時の前記経過時間と前記基準時間における経過時間を比較する比較部と、
前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置。 - 電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、
前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、
前記測定部により測定した抵抗値を測定時刻に対応付けて記憶する測定値記憶部と、
基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、
前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時の前記測定時刻より算出した使用開始時からの経過時間または製造時からの経過時間と前記基準時間における経過時間を比較する比較部と、
前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置。 - 電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、
前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、
前記測定部により測定した抵抗値を使用開始時からの経過時間または製造時からの経過時間に対応付けて記憶する測定値記憶部と、
基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、
前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時、前記測定値記憶部に記憶した抵抗値と経過時間から経過時間の増分と抵抗値の増分との測定比を算出する測定比算出部と、
前記基準時間記憶部に記憶した抵抗値と経過時間から算出した経過時間の増分と抵抗値の増分との基準比を算出する基準比算出部と、
前記算出した測定比と基準比とを比較する比較部と、
前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置。 - 電子機器に設けられ、前記電子機器の設置環境を判定する設置環境判定装置であって、前記電子機器内の回路上に設けられた導電膜と、
前記導電膜の抵抗値を所定時間毎あるいは所定のタイミング毎に測定する測定部と、
前記測定部により測定した抵抗値を測定時刻に対応付けて記憶する測定値記憶部と、
基準となる温度・湿度における導電膜の抵抗値と基準時間として用いられる経過時間との関係を記憶した基準時間記憶部と、
前記測定した抵抗値が所定の抵抗値となった時、前記測定値記憶部に記憶した抵抗値と時刻から経過時間の増分と抵抗値の増分との測定比を算出する測定比算出部と、
前記基準時間記憶部に記憶した抵抗値と経過時間から算出した経過時間の増分と抵抗値の増分との基準比を算出する基準比算出部と、
前記算出した測定比と基準比とを比較する比較部と、
前記比較部による比較の結果を出力する比較結果出力部とを有することを特徴とする電子機器の設置環境判定装置。 - 前記比較結果出力部は、前記所定の抵抗値となった時の経過時間が前記基準時間よりも短い場合、または前記所定の抵抗値となった時の経過時間と前記基準時間との差が所定範囲内にある場合にアラームを出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電子機器の設置環境判定装置。
- 前記基準時間を複数設け、前記比較結果出力部は前記所定の抵抗値となった時の経過時間が前記複数の基準時間のうち最も近い基準時間に対応したアラームまたはメッセージを出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電子機器の設置環境判定装置。
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JP2003090795A (ja) * | 2001-09-18 | 2003-03-28 | Masahiro Kitada | 環境評価装置 |
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