JP5205216B2 - ブリッジ回路の短絡検出装置および短絡検出方法 - Google Patents

ブリッジ回路の短絡検出装置および短絡検出方法 Download PDF

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本発明は基板上に抵抗体パターンを形成した抵抗素子を用いて構成されたブリッジ回路を備えた抵抗式センサにおいて、ブリッジ回路の抵抗素子における短絡の有無を検出する検出装置および検出方法に関するものである。
絶縁フィルム等の基板上に抵抗体パターンを形成した1個分または複数個分の抵抗素子を保護フィルムで覆って取り扱いを容易にしたパッケージはひずみゲージとしてよく知られている。このひずみゲージを用いて構成されたブリッジ回路を起歪体に取り付けた抵抗式センサは荷重センサ、圧力センサ、加速度センサなどとして工業的に広く応用されている。これらの抵抗式センサは、温度変化が大きい環境で使用されることが多い。しかし、抵抗体のパターンは絶縁フィルム等の基板の表面に金属で形成された微細なパターンであるため、温度変化によって抵抗体のパターンが容易に収縮または膨張し、その結果として抵抗素子の抵抗値が変化する。抵抗式センサが荷重や圧力などを精度よく測定するためには、ブリッジ回路は無負荷状態(起歪体の変形がゼロの状態)で出力電圧がゼロでなければならないが、温度変化によって抵抗素子の抵抗値が変化すると、ブリッジ回路のバランスが崩れて、無負荷状態においても見かけの出力が発生し、測定誤差を生じさせる。
そのため、一般に、抵抗式センサ等を用いて測定を行う場合、いわゆる温度補償(測定時の温度変化に応じた測定値の補正)が必要とされる。たとえば、温度が上がれば抵抗式センサ等のブリッジ回路の抵抗素子を構成する金属材質の特性上、その計測出力が増加しプラス側へ移動する。そこで、一つの解決策としては、ブリッジ回路の印加電圧側に温度上昇に伴いその抵抗値がプラスとなる補償用抵抗を設ける。それによって、抵抗式センサの設置周囲温度がプラス側へ移動すれば、ブリッジ回路へ印加する電圧が下がるように補正することができる。こうした電気回路的な温度補償技術としては、たとえば特許文献1などに開示されている。あるいは、ブリッジ回路の出力電圧側に温度変化に応じてその出力が補正されるような温度補償回路を設けてもよい。こうした温度補償技術は、たとえば特許文献2などに開示されている。
また、荷重センサを構成するひずみゲージの抵抗素子には製造時の加工誤差による抵抗値のバラツキがあり、同じ公称抵抗値の抵抗素子でブリッジ回路を構成しただけではバランスを取るのが困難である。そのため、抵抗式センサの使用温度範囲が、下限温度T1から上限温度T2の範囲であるとき、荷重センサを温度T1および温度T2に加熱したときの見かけの出力電圧V1およびV2を測定して使用温度範囲内における温度特性を前もって求め、その温度特性に応じた補正がされるように出荷前に温度補償回路を調整し、抵抗式センサの測定精度を確保することが従来から行われている。これによって、製造時の加工誤差に起因する分の見かけの出力もV1およびV2に含まれるから、製造時の加工誤差による抵抗式センサの測定誤差も同時に補正される。
実開平5−59266号公報 特開2004−325094号公報
前述のように細心の注意を払って荷重センサの測定精度を確保したにも拘らず、使用中に無負荷状態でも見かけの出力が発生し、抵抗式センサの測定精度が悪化する場合がある。それは次のような原因によるものであると思われる。
ひずみゲージは絶縁フィルム表面に金属で形成されたジグザグ状の抵抗体パターン(グリッド)からなる抵抗素子によって構成されている。図8に代表的なひずみゲージ200の抵抗素子における抵抗体パターン201を示す。図中、配線がジグザグ状に繰り返し折れ曲がっている部分がひずみ検出部として機能し、パターン両端の幅広部分はリード線を半田付けするための半田タブである。ジグザグ状のパターン201における配線の幅と配線同士の間隔は数十ミクロンオーダーの高密度配線となっている。そのため、配線同士の間に金属粉などの微細幅の導電性介在物が付着して配線を短絡させる、いわゆるグリッドショートが起きてしまうことがある。そのような短絡が一箇所で生じても、グリッドが断線していなければ、抵抗素子としては機能する。したがって、温度補償回路で調整可能な程度の誤差であれば、センサは機能する。たとえ、顕微鏡よる目視検査や画像処理による抵抗素子の検査を実施しても、短絡を起こしている導電性介在物が微細なため、グリッドショートを完璧に見つけ出すのは困難である。しかしながら、このような抵抗素子が使用中に温度変化を繰り返し受けると、微細な配線が膨張収縮を繰り返し、何らかの弾みで電性介在物と配線が接触しなくなったり、接触面積が増減したりして、接触状態が変化することがある。その結果、抵抗素子の抵抗値が変化するので、ブリッジ回路に見かけの出力が発生し、抵抗式センサの精度が悪化する。
このような状態でも補償回路の再調整が可能であれば、再び精度を確保することが可能であるが、抵抗式センサが機械や装置に組み付けてあって、使用開始後の再調整が困難な場合は、抵抗式センサの測定誤差によって機械や装置が正しく作動しないという事故が生じる恐れがある。したがって、出荷前にグリッドショートを含む抵抗式センサを検出できる検査方法と検査装置が求められている。
本発明が解決しようとする課題は、上記のような事故を未然に防ぐために、ブリッジ回路を構成するひずみゲージの抵抗素子におけるグリッドの配線間の短絡(グリッドショート)を簡単かつ確実に検出可能なグリッドショート検出装置およびその検出方法を提供することである。
本発明のブリッジ回路の短絡検出装置は、少なくとも、基板上に抵抗体パターンを形成した抵抗素子を用いて構成されたブリッジ回路を備えた抵抗式センサを所定の温度まで加熱して保温する加熱手段と、ブリッジ回路に電圧を印加するための定電圧電源と、ブリッジ回路の出力電圧を測定する電圧測定器と、出力電圧値を処理して判定する処理部と、を有し、ブリッジ回路を加熱しながら出力電圧の測定を複数回行って、連続測定した一対の出力電圧値に基づいた比較値を処理部で算出して基準値と比較を行い、比較値が基準値を上回ったときにブリッジ回路を構成する少なくとも一つの抵抗素子の抵抗体パターンに短絡が生じていると判定することを特徴とする。
本発明のブリッジ回路の短絡検出装置は、連続測定した一対の出力電圧値のうち、先に測定した時の時間と出力電圧値をそれぞれt1およびV1とし、後に測定した時の時間と出力電圧値をそれぞれt2およびV2としたときに、比較値を(V2−V1)/(t2−t1)とすることができる。このとき、測定の時間間隔は任意でも一定でもよい。
また、本発明のブリッジ回路の短絡検出装置は、複数回測定する際の測定の時間間隔が一定である場合は、連続測定した一対の出力電圧値のうち、先に測定した出力電圧値をV1とし、後に測定した出力電圧値をV2として、比較値を(V2−V1)とすることができる。
本発明のブリッジ回路の短絡検出方法は、基板上に抵抗体パターンを形成した抵抗素子を用いて構成されたブリッジ回路を加熱しながらブリッジ回路の出力電圧の測定を複数回行って、連続測定した一対の出力電圧値に基づいた比較値を算出して基準値と比較を行い、比較値が基準値を上回ったときにブリッジ回路を構成する少なくとも一つの抵抗素子のパターンに短絡が生じていると判定することを特徴とする。
本発明のブリッジ回路の短絡検出方法は、連続測定した一対の出力電圧値のうち、先に測定した時の時間と出力電圧値をそれぞれt1およびV1とし、後に測定した時の時間と出力電圧値をそれぞれt2およびV2としたときに、比較値が(V2−V1)/(t2−t1)とすることができる。
さらに、本発明のブリッジ回路の短絡検出方法は、複数回測定する際の測定の時間間隔が一定である場合は、連続測定した一対の出力電圧値のうち、先に測定した出力電圧値をV1とし、後に測定した出力電圧値をV2として、比較値が(V2−V1)とすることができる。
本発明のグリッドショート検出装置および検出方法によれば、ひずみゲージの抵抗素子におけるグリッドの配線間の短絡を含むブリッジ回路を簡単かつ確実に検出することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
本発明の最良の実施形態は、抵抗式センサを加熱しながらブリッジ回路に印加電圧を加えてブリッジ回路の出力電圧を一定の時間間隔で複数回測定し、測定された出力電圧値から比較値を算出し、その比較値を基準値と比較し、比較値が基準値を上回っている場合は、ブリッジ回路を構成する抵抗素子のグリッドの間に金属粉等の導電性介在物が付着してグリッドショートが起きていると判定することを特徴とする。
まず、本発明で用いるブリッジ回路及びその構成要素としての抵抗素子について述べる。
図1は、ブリッジ回路を説明するための図である。ブリッジ回路100において、R1〜R4は抵抗素子であり、それらの抵抗値もそれぞれR1〜R4で表すことにする。
このようなブリッジ回路100は、1個の抵抗素子からなるひずみゲージを4個用いて構成することもできるし、基板の上に4個の抵抗素子とブリッジ回路の配線を形成して1個のひずみゲージとしたものを用いることもできる。
いま、R1:R3とR2:R4が等しいと、結合点S3と結合点S4の電位は同じとなり、電圧Vはゼロとなる。ところが、R1〜R4のいずれか一つの抵抗値が例えば小さくなると、このバランスが崩れてゼロでない電圧Vが生じる。個々の抵抗素子は、図2の拡大図で模式的に示すように、抵抗体をジグザグ状のパターンとして基板上に形成することにより得られる。ここで、同図でDで示す様な微小な金属粉などの導電性の介在物がパターン101の間に付着して短絡すると、この抵抗素子の抵抗値は小さくなる。このような抵抗値の減少はブリッジ回路のアンバランスをもたらすが、温度補償回路で補正可能な程度であれば、ブリッジ回路は良品として扱われてしまい、そのまま出荷されてしまう。
本発明者らは、グリッド間の介在物によるショートに起因する抵抗値の減少が起きている場合、その抵抗素子を含むブリッジ回路を所定の温度まで急速に加熱して、一定の時間間隔でブリッジ回路の出力電圧値を測定して基準値と比較することにより、グリッドショートの有無が判定可能であることを見出した。ここで、パターンはジグザグ状に限らず、例えばらせん状のような他の形態でもよい。
図7は、ブリッジ回路を所定の温度まで加熱して温度を一定に保ったときに得られるブリッジ回路の出力電圧を示している。
Y曲線はグリッドショートが有るブリッジ回路の出力電圧を表し、X曲線はグリッドショートが無いブリッジ回路の出力電圧を表している。また、時間ゼロで加熱を開始している。X曲線とY曲線には顕著な違いが見られる。
図3および図4に基づいて、このときに起こっていると思われる現象を説明する。図3(a)は、常温において導電性介在物D1がブリッジ回路を構成する抵抗素子のパターン101の間に付着している様子の一例を示している。ここでは、導電性介在物D1はパターン101にわずかに接触はしているものの、接触抵抗は大きく、パターン101を電気的にショートする効果はあまり顕著ではない。図3(b)は同図(a)のIIIB−IIIBに沿っての断面図であり、導電性介在物D1がパターン101の間に嵌っている様子を示している。
この状態の抵抗素子を加熱すると、導電性介在物D1はサイズが小さく、金属等で熱伝導率も高いため、抵抗素子の載った基板やブリッジ回路が取り付けられた起歪体に比べて早く膨張する。すなわち、抵抗式センサに温度勾配が存在する非定常状態が生じる。そこで、図4(a)、(b)に示すように、膨張した導電性介在物D1がパターン101に接触している部位が徐々に大きくなる。そこでの接触抵抗は小さくなっていき、やがてはパターン101が導電性介在物D1により完全にショートされてしまう。このことにより、この抵抗素子の電気抵抗は小さくなる。そこで、ブリッジ回路を構成する抵抗素子のうちの少なくとも一つについてこの現象が起こると、ブリッジ回路のバランスが崩れて出力電圧が現れる。加熱途中の非定常状態においては、導電性介在物D1がパターン101に接触している程度は刻々と変わっていくので、それに対応して出力電圧値は変化していく。しかしながら、ブリッジ回路の温度の低い部位も加熱時間の経過とともに次第に温度が上昇していくので、やがてはブリッジ回路全体の温度が一定となって定常状態が得られる、定常状態では導電性介在物D1がパターン101に接触している程度も変化しなくなるので、ブリッジ回路の出力電圧値も一定になる。
一方、グリッドショートの無いブリッジ回路を同様に加熱した場合でも抵抗素子の抵抗値は徐々に変化してから定常状態になるが、その変化の程度はグリッドショートが有る場合と比較すると極めて小さい。したがって、非定常状態におけるグリッドショートの無いブリッジ回路の出力電圧値の変化は小さく、定常状態になった後の出力電圧値もグリッドショートの有るブリッジ回路よりも低いレベルで一定となる。
従来の温度補償回路を調整する方法では、ブリッジ回路が定常状態に到達するまで待ってから測定された出力電圧値に基づいて温度補償を行ってバランスを取っているが、その出力電圧値が一定であれば補正が決まるのでグリッドショートの有るブリッジ回路も良品とみなされてしまう。そのため、定常状態における出力電圧値の大小はグリッドショートの検出には有効ではない。しかし、非定常状態における出力電圧の時間変化を示す曲線の傾きには大きな違いがある。したがって、抵抗式センサの加熱開始とともに非定常状態におけるブリッジ回路の出力電圧を複数回測定すれば出力電圧の時間変化を示す曲線の傾き値を得ることができ、その傾き値を前もって測定してある良品の傾き値に基づいた(基準値)と比較すればグリッドショートの検出が可能となる。
すなわち、出力電圧の測定をt1、t2、t3=、etc.の時点で行うと、測定出力電圧値V1、V2、V3、etc.が得られる。それぞれの時間間隔に対応する傾き値α1、α2、α3、etc.は数1で与えられる。
Figure 0005205216
図7から分かるように、α値は初期段階で大きく、プラス値から徐々に減少して、マイナス値になり、定常状態ではゼロに戻る。従って、前もって良品で測定を行って、良品におけるα値の上限を求め、それに基づいて基準値を設定すれば、α値がその基準値を超えたブリッジ回路にはグリッドショートが起きていると判定することができる。このようにしてグリッドショートを検出することが可能となる。
ここで、t1、t2、t3などの間の時間間隔は任意でも構わないが、測定する時間隔を一定にしておくと、式1の分母がすべて同じになるので、α値をいちいち算出しなくとも、連続して測定された出力電圧値の差を直接比較することでも判定が行えるからである。すなわち、一定の時間間隔をΔtとしたとき、出力電圧の測定はt1、t2=t1+Δt、t3=t2+Δt、etc.の時点で行われ、測定出力電圧値V1、V2、V3、etc.が得られる。そして、次式で与えられるΔViを求める。
Figure 0005205216
それを、良品におけるΔV値の上限に基づいて設定した基準値を超えたときにブリッジ回路にグリッドショートが起きていると判定すればよい。こちらの方が計算が簡単である。
従って、グリッドショート検出方法の最良の形態ではブリッジ回路の出力電圧を複数回測定する時間間隔を一定にして、連続的に測定して得られた出力電圧値の差を基準値と比較してグリッドショートを検出する方法が望ましい。
最良の形態のグリッドショート検出装置は、ブリッジ回路の加熱手段と、ブリッジ回路に電圧を印加するための定電圧電源と、ブリッジ回路の出力電圧を測定するための電圧検出器と、測定された出力電圧を電圧検出器から受け取って算出したΔV値を基準値と比較してグリッドショートを検出する処理部と操作部とを有する。加熱手段はブリッジ回路を所定の温度まで加熱するための加熱制御回路と温度検出器を含んでいる。処理部は、たとえば、電圧検出器とのインタフェースカードを搭載したパーソナルコンピュータ(PC)で構成される。グリッドショートの検出結果はPCのディスプレイ画面に表示される。この場合、操作部はキーボードとマウスである。また、測定を一定の時間間隔で行う制御も処理部で行われる。処理部は、さらに、インタフェースカードを介して温度検出器および加熱制御回路と信号のやり取りを行って加熱手段を制御してもよい。処理部ですべての制御を行うようにすると、装置の部品点数も少なくて済み、装置自体の構造も簡単なもので済む。また、PCの処理能力が許せば、一台のPCと定電圧電源に複数の加熱手段と電圧検出装置を接続して、同時に複数のブリッジ回路の検査を行うことができる。
また、PCに代えて、PLC(シーケンサ)等で処理を行い、検出結果をスピーカ音やランプの光と色で示すようにしてもよい。この場合、操作部は装置の操作盤となる。いずれにせよ、処理部には処理を行うCPUと検出結果を示す表示手段があれば、どのような構成でもよい。
図5に本発明を実施するためのグリッドショート検出装置の一例のブロック図を示す。
ここで、試料はひずみゲージを用いたブリッジ回路11を起歪体12に取り付けた荷重センサである。図8はひずみゲージ200とその抵抗素子の抵抗体パターン201の一例を示す図である。
ブリッジ回路11の加熱は荷重センサを加熱手段15で直接加熱して行われる。加熱手段15には温度を検出する温度検出器13が設けられ、これによる温度検出結果に基づいて加熱制御回路14により熱源に流す電流を制御することで加熱温度が制御される。
検査対象であるブリッジ回路11には、定電圧電源2から直流電圧Eが供給され、ブリッジ回路11の出力電圧Vが電圧検出器10により検出され、インターフェイス3を介してコンピュータ4に入力される。前記の加熱制御回路14へはコンピュータ4から制御情報が入力され、急速加熱(熱源に所定の電流を流し続けて急速に加熱する)や保温(加熱手段15が所定の温度に至ったことを温度検出器13の出力により検出したことを受けて保温動作に入る)などの制御が行われる。加熱手段15はオーブンやヒーターなど、コンピュータ4による制御が可能で荷重センサを損傷させることなく所定の温度まで加熱して、その温度を一定に維持できるものであればなんでもよい。
図6に、図5のような検出装置によりグリッドショートの有無を検出するための方法をフローチャートで示す。
コンピュータ4に設けられた操作部5からの使用者の指令により、検査が開始されると、ステップS001において、測定回数、測定する時間間隔、加熱の所定温度が設定される。ステップS002において加熱手段15の加熱が行われているかどうかを確認する。加熱手段15の温度が所定の温度に達していれば測定を開始する。
ステップS002において、加熱手段15が所定の温度TS(たとえば100°C)に達したか否かが判定され、まだ達していなければ加熱を続け、温度TSに達したらステップS003に移る。
ステップS003では、設定された時間間隔(DT秒)ごとに設定された測定回数(NMAX)まで測定を繰り返し、測定値をメモリに保存する。
ステップS004では測定回数がNMAXに達した確認し、達していればステップS005に移行する。そして、ステップS005で数2のΔViを比較値として算出し、基準値Aと比較する。本実施例ではあらかじめ複数の良品を同じ条件で測定し、そこで得られたΔViの最大値を基準値Aとして設定しておいた。この比較結果に基づいてΔVi>Aであればグリッドショートが検出されたと判定する。そして、ステップS006で、判定結果を表示するとともにメモリに蓄積する。このとき、ステップS003で測定した出力電圧値を横軸を経過時間としてプロットしたグラフを同時に表示しても良い。このようなグラフ表示を行うことにより、ブリッジ回路の出力電圧の推移が視覚的にわかるので、判定結果の二重チェックができる。
続いて、ステップS007では、次に検査する荷重センサがなければ検査終了とする。検査を終了するとステップS008で加熱手段がOFFにされ、検査プロセスは完全に終了する。
複数個の荷重センサを検査する場合は、ステップS007の後にステップS002に戻る前に荷重センサを図示せぬロボット供給装置等により交換すれば、複数の荷重センサを自動的に連続して測定することができる。また、前記のように時系列で測定を行うのではなく、加熱手段15およびその周辺1(図5で破線で囲んだ部分)を複数用意し、コンピュータ4ではそれらを並列処理するようにして、同時に複数個の荷重センサを測定するようにしてもよい。
図7に出力電圧の測定例の概要を示す。ここで、横軸は時間軸で、加熱手段の急速加熱を終えて保温状態(一定温度保持状態)に入ってからの経過時間を示す。縦軸はブリッジ回路の出力電圧値である。
同図で、曲線Xはグリッドショートが無い場合のブリッジ回路の出力電圧の一例を示す。時間軸の最初の方で若干出力電圧が出ているのは、ブリッジ回路へ電圧Eを供給し始めたときに出るいわゆるパワーオンドリフトの影響と温度上昇による抵抗値の変化の影響であるが、その電圧値は後述するグリッドショートが有る場合に比べて小さい。時間が経つにつれ、曲線Xで示す出力電圧はゼロ近くに落ち着いている。
これに対して、同図の曲線Yはグリッドショートが有る場合の出力電圧の時間経過の典型例である。加熱手段の急速過熱後、出力電圧は増え続け、ある値になるとほぼ一定となっていることがわかる。図6のプロセスでは、電圧をNMAX回測定し、ΔV1〜ΔVNMAX−1値を算出してそれぞれの値を基準値Aと比較してグリッドショートの有無を判定する。本実施例では、1.6秒間で20°CからTS=100°Cまで加熱手段を急速加熱した後荷重センサの加熱を開始し、測定時間間隔DT=1秒として、経過時間t1=1秒において出力電圧V1、経過時間t2=2秒において出力電圧V2、経過時間tn=n秒において出力電圧Vnを測定し、NMAX=10回まで測定したデータで正確にグリッドショートの検出が行えた。ここで、これらの設定値はある特定の測定対象について実際に実験した際に使用したものであるが、測定対象と加熱手段に応じて、経験的に適切な設定値を選択すればよい。
さらに他の判定方法として、グリッドショートがある場合に生ずる電圧上昇時の電圧変化の時間に対する傾きを求めることによるグリッドショートの有無を判定することもできる。図7で時間軸t1、t2、t3、etc.において、出力電圧をV1、V2、V3、etc.として、数1によりαiを求めると、これが連続した1対の時間tiおよびti+1の間に対する出力電圧の時間変化を示す曲線の平均傾きとなる。図7より明らかなように、Y(グリッドショートがある場合)の方が、X(グリッドショートのない場合)よりも傾きが大きいことがわかる。これは顕著な違いであるので、この傾きによって付着物の有無を判定することができる。
本実施例では、t1、t2、t3、etc.の間の時間間隔は、実施例1と違って、一定である必要はないが、一定であってもなんら問題はない。また、本実施例では、電圧の出力変化が大きい加熱初期段階では時間間隔を短くし、出力変化が緩やかな加熱の後半段階では時間間隔を長くすれば、より正確な傾き値を得ることが可能である。
本発明は汎用性の高い技術であり、ひずみゲージによるブリッジ回路を用いた加速度センサ、荷重センサ、圧力センサなどの各種ひずみゲージ式センサの製造過程において、グリッドショートを検出する検査に適用することができる。
本発明に用いるブリッジ回路を示す構成図である。 本発明に用いるブリッジ回路を構成する抵抗素子の概略的な拡大図である。 付着物が付着している様子を説明するための図であり、(a)は、常温において導電性介在物がブリッジ回路を構成する抵抗素子のパターンの間に付着している様子の一例を示しており、(b)は(a)のIIIB−IIIBに沿っての断面図であり、導電性介在物がパターンの間に嵌っている様子を示している。 図3のように付着物が付着した状態から急速に加熱した場合の状態を説明するための図であり、(a)は図3(a)から急速に加熱した状態を示す図、(b)は(a)のIVB−IVBに沿っての断面図である。 本発明の測定装置の一例を示すブロック図である。 図5の測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。 加熱しながら測定したブリッジ出力電圧の時間変化の一例を示す図である。 ひずみゲージとその抵抗素子の抵抗体パターンの一例を示す図である。
符号の説明
2 定電圧源
3 インターフェイス
4 コンピュータ
5 操作部
10 電圧検出器
11 ブリッジ回路
12 起歪体
13 温度検出器
14 加熱制御回路
15 加熱手段

Claims (6)

  1. 少なくとも、
    基板上に抵抗体パターンを形成した抵抗素子を用いて構成されたブリッジ回路を備えた抵抗式センサを所定の温度まで加熱して保温する加熱手段と、
    ブリッジ回路に電圧を印加するための定電圧電源と、
    ブリッジ回路の出力電圧を測定する電圧測定器と、
    出力電圧値を処理して判定する処理部と、
    を有し、
    ブリッジ回路を加熱しながら出力電圧の測定を複数回行って、連続測定した一対の出力電圧値に基づいた比較値を処理部で算出して基準値と比較を行い、比較値が基準値を上回ったときにブリッジ回路を構成する少なくとも一つの抵抗素子の抵抗体パターンに短絡が生じていると判定するブリッジ回路の短絡検出装置。
  2. 連続測定した一対の出力電圧値のうち、先に測定した時の時間と出力電圧値をそれぞれt1およびV1とし、後に測定した時の時間と出力電圧値をそれぞれt2およびV2としたときに、比較値が(V2−V1)/(t2−t1)であることを特徴とする請求項1に記載の短絡検出装置。
  3. 複数回測定する際の測定の時間間隔が一定であり、連続測定した一対の出力電圧値のうち、先に測定した出力電圧値をV1とし、後に測定した出力電圧値をV2としたときに、比較値が(V2−V1)であることを特徴とする請求項1に記載の短絡検出装置。
  4. 基板上に抵抗体パターンを形成した抵抗素子を用いて構成されたブリッジ回路を加熱しながらブリッジ回路の出力電圧の測定を複数回行って、連続測定した一対の出力電圧値に基づいた比較値を算出して基準値と比較を行い、比較値が基準値を上回ったときにブリッジ回路を構成する少なくとも一つの抵抗素子のパターンに短絡が生じていると判定するブリッジ回路の短絡検出方法。
  5. 連続測定した一対の出力電圧値のうち、先に測定した時の時間と出力電圧値をそれぞれt1およびV1とし、後に測定した時の時間と出力電圧値をそれぞれt2およびV2としたときに、比較値が(V2−V1)/(t2−t1)であることを特徴とする請求項4に記載の短絡検出方法。
  6. 複数回測定する際の測定の時間間隔が一定であり、連続測定した一対の出力電圧値のうち、先に測定した出力電圧値をV1とし、後に測定した出力電圧値をV2としたときに、比較値が(V2−V1)であることを特徴とする請求項4に記載の短絡検出方法。
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