JP2004132742A - 歪センサの出力電圧温度補償抵抗の調整方法とそれに用いる温度補償抵抗の調整装置 - Google Patents

歪センサの出力電圧温度補償抵抗の調整方法とそれに用いる温度補償抵抗の調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】歪センサの出力電圧の温度特性を補償するために恒温槽で荷重を印加して出力電圧を測定する工程を無くして、温度補償の調整が簡単にできる方法を供することにある。
【解決手段】歪センサのストレンゲージ抵抗体からなるブリッジ回路の外部入力電圧供給端子側に設けられた温度補償抵抗(Rs)によりブリッジ回路の温度変化による出力変動の影響をなくすために、二点の測定温度(t,t:t<t)において、予め測定された前記温度補償抵抗(Rs)の抵抗温度係数(α)と前記温度補償抵抗(Rs)を設けない場合の出力電圧の温度係数(β)と、前記ブリッジ回路の抵抗値(Rb)とから、関係式、
(Rb+Rs(t))β=Rb+Rs(t)(1+α(t−t))
により温度補償抵抗(Rs)の最適抵抗値を決定し、この最適抵抗値に調整する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歪センサの荷重印加時における出力電圧の温度補償抵抗の調整をする方法、およびそれに用いる温度補償抵抗の抵抗調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
荷重の大きさを測定する歪センサとして、例えば、ロードセルが一般に使用されている。ロードセルは、荷重を受けるビーム体の変形部位(起歪部)にストレンゲージが接着等により装着され、ストレンゲージによるブリッジ回路が形成されている。荷重が印加されたとき、前記起歪部の変形量によりストレンゲージのゲージ抵抗値が変化するので、ブリッジ回路からの出力電圧のバランスの変化分を荷重の大きさとして測定するものである。この測定方法では、ロードセルが使用される周囲温度の変化によりブリッジ回路の出力電圧も変化する。これは、ロードセルのビーム体として用いられる金属材料の剛性(ヤング率)が温度により変化し、ビーム体の変形量が変化するからである。ロードセルは、高温になるに従って金属材料のヤング率が小さくなるため、ビーム体の変形量が増大し、出力電圧が増大し、測定すべき荷重量の出力電圧の温度による誤差が生ずるという性質を有している。従って、ロードセルを使用した場合、その歪センサの出力を、周囲の温度変化に応じて補償する必要がある。
【0003】
一般に温度変化による歪センサの出力電圧の変化分を補償する方法として、ブリッジ回路の入力側に温度補償抵抗、例えば、プラスの抵抗温度特性を有する抵抗体を設置し、この温度補償抵抗の温度による抵抗値の変化によりブリッジ回路に印加される入力電圧を変化させて、結果として出力電圧が一定となるように温度補償抵抗を設ける方法が採用されている。(例えば、特許文献1あるいは特許文献2を参照。)
その調整方法の一例を挙げると、恒温槽の温度を所定温度に設定し、例えば0℃と50℃との2点の雰囲気で歪センサに所定の荷重を印加し、それぞれの出力電圧を測定する。それらの出力電圧の差に基づいて前記温度補償抵抗の抵抗値を調整し、0℃と50℃のそれぞれの出力電圧が同一になるように補正する方法が知られている。しかし、このような方法では、所定の恒温槽で荷重を印加し、その出力電圧を測定する作業を要するため生産性に難点があった。
【0004】
【特許文献1】
特開昭58−118931号公報
【特許文献2】
特開昭63−204103号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した様に、本発明は、歪センサの出力電圧の温度特性を補償するための抵抗の調整方法として、恒温槽で荷重を印加して出力電圧を測定した値に基づいて、温度補償抵抗の調整をするという工程を無くして、大量生産に適した歪センサの温度補償抵抗の調整方法を提供することにある。
【0006】
【発明が解決するための手段】
歪センサのビーム体の変形部に配置されたストレンゲージ抵抗体により構成されるブリッジ回路の外部入力電圧供給端子側に設けられた温度補償抵抗(Rs)の最適抵抗値を決定し、この決定した最適抵抗値に調整する歪センサの出力電圧温度補償抵抗の調整方法において、
所定の温度範囲から選択された少なくとも二点の測定温度(t,t:t<t)における関係式、
(Rb+Rs(t))β=Rb+Rs(t)(1+α(t−t))
ここで、Rb;ブリッジ回路の抵抗値、
α;温度補償抵抗(Rs)の抵抗温度係数、
β;所定荷重がセンサに印加されたときの温度tと温度tにおける出力電圧との比、
により算出された温度補償抵抗(Rs(t))に基づいて前記温度補償抵抗(Rs)を調整するときの周囲温度をt℃(t<t<t)としたときに、
関係式、
Rs(t)=Rs(t)(1+α(t―t))
により算出された温度補償抵抗(Rs(t))を周囲温度(t℃)における最適抵抗値として決定し、この決定した最適抵抗値に調整することを特徴とする歪センサの出力電圧温度補償抵抗の調整方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1に本発明の実施に用いた歪センサ1を示す。ビーム体2のパターン形成面3にストレンゲージにより構成されるブリッジ回路4が形成されている。4個のストレンゲージの抵抗R1、R2、R3およびR4がそれぞれビーム体2の薄肉変形部、すなわち起歪部6に位置するように形成され、リード配線パターンLによりそれぞれ互いに電気的に接続されている。ここで、出力電圧の温度補償をする温度補償抵抗Rsがブリッジ回路4の入力電圧端子とブリッジ回路4の接続点21の間に形成されている。この温度補償抵抗Rsは、入力電圧端子と接続点21の間であれば、入力電圧端子側に設けられても良い。
【0008】
次に、歪センサ1のブリッジ回路4のパターン形成プロセスについて、図3乃至図5を用いて説明する。ビーム体2のパターン形成面3に絶縁層10が、例えば、ポリイミド樹脂のワニスを塗布後、加熱硬化することにより形成される。次に絶縁層10の上層にスパッタリング法により、ストレンゲージ抵抗層11、温度補償抵抗層12およびリード配線層13が同一真空内で連続的に積層形成される。例えば、ストレンゲージ抵抗層11としてNiCrSiを主成分とするNiCrSi層、温度補償抵抗層12として、Ti層が、またリード配線層13としてCu層が形成される。NiCrSi層は、抵抗温度係数がゼロになるような組成が選ばれる。
【0009】
次に、ビーム体2のパターン形成面3に形成された積層体は、図4(a)に示すように、いわゆるPEP工程(フォトエッチングプロセス)において、ブリッジ回路4のパターン部がフォトレジストにより形成され、次にパターン部以外の領域のCu層、Ti層、NiCrSi層が順次、それぞれのエッチャントを用いて選択エッチングにより除去され、図4(a)に示すようなパターンが形成される。次に図4(b)に示すように、ストレンゲージの抵抗R1,R2、R3およびR4と温度補償抵抗Rsの上層のCu層(リード配線層13)が同様にPEP工程により除去される。この工程でTi層が露出し、このPEP工程で温度補償抵抗Rsのパターンが完成される。さらに図4(c)において、ストレンゲージの抵抗R1,R2,R3およびR4の上層のTi層がPEP工程により除去され、それぞれの抵抗体パターンのNiCrSi層(ストレンゲージ抵抗層11)が露出する。このPEP工程でストレンゲージのブリッジ回路4が完成する。ここで、図4(c)におけるX−X断面を図5に示す。ストレンゲージ抵抗層11、温度補償抵抗層12およびリード配線層13の断面が示されている。
【0010】
次に、歪センサ1の動作原理について図6を用いて説明する。歪センサ1のビーム体2は、固定台9にボルト等により固定される。荷重Pがこのビーム体2の可動部に印加された時、その荷重の大きさに比例した応力がビーム体2に発生し、起歪部6が変形する。その起歪部6の変形による歪量に従って、引張歪がストレンゲージ抵抗R2およびR3に生じ、また圧縮歪がストレンゲージ抵抗R1およびR4に生じる。その結果、歪センサ1に出力電圧が発生する。この荷重Pの印加による出力電圧は、以下の式により算出される。
まず、荷重Pが印加される前のストレンゲージ抵抗R1,R2,R3およびR4からなるブリッジ回路のゼロバランスVoは、R1,R2、R3およびR4を変数とする関数であるから、
【数1】
Figure 2004132742
が成立する。ここで、Veは、ブリッジ回路の入力電圧である。
【0011】
次に荷重Pが印加された時に生じる出力電圧の変化分△Voの計算を行う。荷重Pが印加されたとき、ストレンゲージの抵抗R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、圧縮歪または引張歪を受けるから、R1→R1−△R1、R2→R2+△R2、R3+△R3、R4→R4―△R4と変化する。ここで、R1とR4は圧縮歪が生じるため符号はマイナスで、R2とR3は引張り歪が生じるため符号はプラスである。
上記から、出力電圧の変化分ΔVoは、
【数2】
Figure 2004132742
となる。 なお「∂/∂」は、“偏微分”を表す演算子である。また、この出力電圧の変化分△Voは、実質的にはこのブリッジ回路の出力電圧であるので、以後の記載においては単に出力電圧Voaとする。
ここで、説明を簡単にするため、荷重Pが印加された時に、それぞれのストレンゲージの変形による歪量が均等になるようにビーム体2の4個所の起歪部を加工し、また、4個のストレンゲージ抵抗の抵抗値を等しく設計されたとして計算をすると、荷重Pが印加されたときの出力電圧Voaは、
【数3】
Figure 2004132742
となる。
ここで、△R/Rは、
【数4】
Figure 2004132742
(ε:荷重Pが印加されたときに起歪部に生じる歪量、K:ゲージ率)と表される。
ゲージ率(K)は、この技術分野で用いられている定数であり、数式4に示されているようにストレンゲージが伸縮した場合に生じる歪量(ε)による抵抗変化率の大きさを決定する物性値である。また、この値は、ストレンゲージ抵抗の金属材料が有する固有の物理量である。例えば、通常ストレンゲージ抵抗として使用されているコンスタンタン(CuNi)は、2.0前後の値である。また、NiCrSi材料も同様な値を有している。
【0012】
次に、数3と数4から、
【数5】
Figure 2004132742
となり、また、印加された荷重Pと歪量εの関係は、材料力学で公知の関係式P=E*εを用いて、
【数6】
Figure 2004132742
となる。ここで、Eはビーム体材料のヤング率である。このように出力電圧Voaは、歪センサに印加される荷重Pとストレンゲージのゲージ率Kと入力電圧Veの大きさの積で決定される。すなわち印加荷重に比例する出力電圧が得られる。
【0013】
上述の説明においては、説明を簡単にするために上記した条件に基づいて説明したが、通常の条件、例えば、ストレンゲージ抵抗の抵抗値がそれぞれ異なる場合も基本的には多少数式が複雑になるが、動作原理の本質は同様である。
また、上記した本発明の実施に用いた歪センサのビーム体2のほか、図14や図15に示すようなビーム体が使用される。これらは、歪センサの使用形態により随時選択される。いずれのビーム体もビーム形状に拘らず、上記の動作原理が適用可能であることはもちろんである。
【0014】
以上、歪センサの動作原理について説明したが、上記数式6に示すビーム体のヤング率Eとストレンゲージのゲージ率Kは、それぞれ固有の温度特性を有しているために、荷重が印加されたときの出力電圧Voaは、図8に示すように、温度が上昇するに従って増加する。この増加量は、主としてビーム体材料のヤング率Eの温度特性に依存する。
この温度特性は、使用されるビーム体の材質に依存するが、例えば、弾性ビーム材として一般的に使用されるSUS630材の場合は、使用温度範囲で、例えば、0℃と50℃における出力電圧の増加分は、約1.0%程度ある。また、高力アルミの場合は、さらに大きく約1.8%程度変化する。このように温度変化による出力電圧の変動によリ測定誤差が生じるという問題点がある。 たとえば、歪センサの用途によって、測定の分解能を0.5%まで要求される場合等は、使用温度範囲内で周囲温度の変化があっても、少なくとも0.5%以下に抑えなければならない。温度補償が施されないままでは要求される測定精度を満たすことができない。
【0015】
この荷重が印加されたときの出力電圧の温度特性を補償する従来の方法について以下に述べる。
図2に示すブリッジ回路の入力側には温度補償抵抗Rsが挿入されている。入力電圧Veが温度補償抵抗Rsとブリッジ抵抗Rbのそれぞれに分圧されるので、ブリッジ回路のブリッジ抵抗Rbに印加される入力電圧は、Ve*(Rb/(Rb+Rs))となる。
従って、数式6から、温度補償抵抗Rsをブリッジ回路の入力側に設けた場合の出力電圧をVobとすると、
【数7】
Figure 2004132742
となる。
ここで、ブリッジ抵抗Rbは、ブリッジバランスの安定化のため、抵抗温度係数がほぼゼロの抵抗体材料が用いられるので温度により抵抗値の変化はないが、温度補償抵抗Rsは、プラスの抵抗温度係数(α/℃)を有する抵抗体が用いられる。例えば、上記したように温度補償抵抗層12としてTiや、Niのような金属が使用される。また、ゲージ率Kやビーム体のヤング率Eは上記したように温度により変化する。従って、Vobは、温度の関数、
【数8】
Figure 2004132742
として表される。この温度補償抵抗Rsを用いた出力電圧の温度補償が一般に行われている。つまり、温度補償抵抗Rsは温度により抵抗値が増加し、また、ビーム体のヤング率Eは温度により減少する。いずれも数式8の分母にあり、ヤング率Eはビーム体固有の値であり調整することは出来ないが、温度補償抵抗Rsは抵抗調整パターンを設けることにより自由に抵抗値を調整することができる。
【0016】
従って、温度補償抵抗Rsの抵抗値、ゲージ率Kやビーム体のヤング率Eを個別に測定し、それらの値を求めなくても任意の異なる温度において、たとえば、所定の荷重Pが温度が50℃と0℃において印加されたときのそれぞれの出力電圧Vobを測定することにより、結果としてこれらの値が反映された測定値を求められる。そこで、温度補償抵抗Rsの抵抗値のみを調整してVob(50℃)=Vob(0℃)の関係を充たすように調整すれば、0℃と50℃の温度範囲内で温度変化があっても出力電圧Vobが一定になるようにすることができる。この方法により、それぞれの温度において、荷重Pを印加し、その出力電圧を測定した結果に基づいて、温度補償抵抗Rsの値を調整するといういわゆるカット・アンド・トライを行いながら温度補償抵抗Rsの最適抵抗値を決定するという作業がなされている。また、経験的に最適と推測されるRsの値に近い値に予め調整しておくことにより、温度補償抵抗Rsの抵抗値を調整するというようにして、測定の回数を低減し、また、調整精度を高めるような工夫も行われている。
しかしこのような温度補償を調整するための工程では、所定の温度雰囲気下において、荷重の印加等を行う工程が必要であり、その調整作業は短時間ではできない等のため、大量生産を行う場合等に支障をきたすという問題点が考えられる。
【0017】
そこで、所定の温度雰囲気下において、荷重の印加を行うという工程を行わずに出力電圧の温度補償を行う方法について以下に説明する。
上記したように温度補償抵抗Rsは、プラスの抵抗温度係数(α/℃)を有
する抵抗体が用いられる。例えば、温度補償抵抗層12としてTiのような金属が使用される。温度t℃における抵抗値と温度t℃(t<t)における抵抗値の関係は公知の関係式から、
【数9】
Figure 2004132742
となる。ここで Rs(t):温度t℃における温度補償抵抗Rsの抵抗値、Rs(t):温度t℃における温度補償抵抗Rsの抵抗値、α:温度補償抵抗Rsの抵抗温度係数である。
次に、
【数10】
Figure 2004132742
とおいて、数式8と数式9を用いて数式10を整理すると、
【数11】
Figure 2004132742
となる。また数式6から、温度補償抵抗Rsを設けないときの温度t℃と温度t℃における出力電圧は、
【数12】
Figure 2004132742
および
【数13】
Figure 2004132742
となる。
さらに数式12および数式13を数式11に代入すると、
【数14】
Figure 2004132742
となる。
ここで、出力電圧の温度係数βは、
【数15】
Figure 2004132742
で表され、これにより数式14を変形すると、
【数16】
Figure 2004132742
となる。
このようにして得られた関係式、数式16において、この式の中の(β)と(α)を予め測定した値を用い、さらにブリッジ抵抗Rbを測定することにより、この関係式を充たす温度補償抵抗Rsの抵抗値を求めることができる。
【0018】
上記から、温度tと温度tにおける測定温度として、例えば、0℃と50℃における測定値に基づいて最適抵抗値が決定される。この決定された最適抵抗値は、t℃またはt℃における抵抗値である。実際にこの温度補償抵抗Rsの抵抗値調整を行う環境は、温度t℃(t<t<t)たとえば、25℃の温度環境で行われる。このt℃の温度環境で抵抗調整が行われる場合は、さらに上記数式9を用いて、一般式として、抵抗調整する調整環境温度をtとしたときの温度補償抵抗Rs(t)は、上記に決定された温度補償抵抗Rs(t)を基準として、
【数17】
Figure 2004132742
なる関係式から、温度補償抵抗Rsの抵抗調整環境温度下(t℃)における最適抵抗値Rs(t)が決定される。
【0019】
ここで歪センサの出力電圧の温度補償を数式16を用いて具体的な実施例について説明する。歪センサの使用温度範囲が0℃〜50℃の温度補償をする場合について説明する。
本発明の実施に用いた歪センサ1のビーム体2として高力アルミ、A2024材を定格荷重、例えば荷重P=1Kgが印加された時の起歪部6の歪量ε=800μSとなるような寸法に加工され、また、薄膜プロセスにより、ブリッジ回路や温度補償抵抗Rsが形成されたものを使用した。
ブリッジ回路のストレンゲージ抵抗体はNiCrSi抵抗層11により形成され、温度補償抵抗Rsは、NiCrSi抵抗層11と温度補償抵抗層12としてTi層の積層体として形成されている。
まず、歪センサ1に温度補償抵抗Rsを設けない場合(たとえば、図1に示す温度補償抵抗Rsの両側のリード配線をジャンパー線で短絡させる手段により)、0℃と50℃における荷重を印加した場合のそれぞれの出力電圧、Voa(0℃)およびVoa(50℃)を求める。その測定結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
Figure 2004132742
【0021】
これらの実測の結果から、出力電圧の温度係数は数式15から、
β=Voa(50℃)/Voa(0℃)=1.0180
なる値が得られる。
次に、温度補償抵抗Rsの抵抗温度係数αを求める。例えば、図1に示す歪センサ1の温度補償抵抗Rsの両側のリード配線パターンからリード線を引き出して、0℃と50℃の其々の抵抗値を測定し、抵抗温度係数αを求める。6個の歪センサの温度補償抵抗Rsの抵抗温度係数を表2に示す。
【0022】
【表2】
Figure 2004132742
【0023】
これらのαやβは、上記の測定結果からもわかるようにビーム体の材料や、抵抗体材料の固有の特性値であるので、ばらつきが小さく、また経験的に製造ロット間の変動も小さい。
従って、大量に歪センサを生産するような場合は、予め、αやβの測定値に対する信頼性が得られる程度の試料数、例えば10個程度の歪センサを用いて測定しておけば、これらの値を用いて、大量の生産に適用することができる。
次に数式16を用い、ブリッジ抵抗Rbの抵抗値を求めて、温度補償抵抗Rsの最適抵抗値を決定する。 ブリッジ抵抗Rbの抵抗値の測定結果が800Ωとすると、数式16から Rb(0℃)=111.80Ω が得られる。また、この最適抵抗値に調整する調整工程の環境温度がこれらの測定温度と異なる場合、例えば25℃の場合は、さらに数式17を用いて、
Rs(25℃)=111.80*(1+2936*10−6*50)
=128.21Ω が得られる。
従って、例えば、調整前の温度補償抵抗体Rsの抵抗値が90Ωであったとすると、調整されるべきギャップ量は、38.21Ωとなり、この抵抗値のギャップ量がゼロに近づくように、即ち最適抵抗値 128.21Ωになるように温度補償抵抗体Rsが調整される。
【0024】
次に具体的な温度補償抵抗体Rsの抵抗調整方法として、図7に示すような抵抗体パターンを例えばレーザトリミング法により抵抗調整する例について説明する。この抵抗体パターンすなわち調整される前の初期抵抗値は、ブリッジ回路の抵抗値のばらつき等を考慮して、抵抗値として低目に設計される。抵抗値の調整は、抵抗値が増加する方向にしか調整できないからである。具体的な調整方法は後述するが、まず、最適抵抗値と抵抗調整前の初期抵抗値のギャップ値に基づいて、どの調整パターンを用いて調整されるかが決定され、ギャップ値が大きい場合は、粗調整パターン25が使用され、また、ギャップ量が小さい場合は、微調整パターン27が選択される。
【0025】
次にブリッジ回路の出力電圧の温度補償を行う前の温度変化による出力電圧の関係を図8に示す。この出力電圧の温度による変化は、上記したようにビーム体材料の種類に依存するが、通常50℃の温度範囲で1%から2%の範囲である。上記のように出力電圧の温度補償をした結果、図9に示すように、ほぼ温度変化による出力電圧の変化を補償し平坦化できる。しかし、さらに細かく測定すると図9に示すような平坦な温度特性が得られるとは限らない。これは、測定される温度範囲により、温度補償抵抗Rsの抵抗温度係数αが異なった値を有する場合や、また、ビーム体材料のヤング率Eの温度特性が測定温度範囲で一定でないことに起因すると考えられる。 このような理由から、更に精度の高い温度補償が求められる場合は、上記の場合と異なり、例えば3点以上の温度にて数式9を用いて、その式から演算して温度補償抵抗Rsの抵抗値を決定し、細分化した温度範囲のαやβの値を数式に反映させる。これにより、温度特性の平坦な温度補償をすることができる。
【0026】
上記に歪センサに所定荷重が印加された時の出力電圧の温度補償を行うことができる原理を述べたが、以下、本発明による歪センサの出力電圧の温度補償を行うために前記温度補償抵抗Rsの抵抗値を調整する具体的な方法について説明する。
図10に本発明の実施に用いた温度補償抵抗Rsの抵抗値の調整(トリミング)を行うためのレーザトリミング装置30のブロック図を示す。レーザトリミング装置30の基本構成は、一般に用いられている抵抗器のトリミング装置と同様な構成で、レーザ照射光源としてYAGレーザが使用される。
装置制御部31には、出力電圧の温度特性を補償するための温度補償抵抗Rsの抵抗値を決定するための演算プログラムやレーザトリミング工程を制御するための制御プグラム、たとえば、試料(温度補償がされる歪センサ)のローディング、アンローディングの制御プログラムや、温度補償抵抗Rsのトリミングパターンの位置制御プログラム等が格納されている。
次に、温度補償抵抗Rsを決定するためのパラメータである温度補償抵抗Rsの抵抗温度係数αや出力電圧の温度係数βや、また、温度補償抵抗Rsの調整パターンの位置データ等が温度補償パラメータ入力部32から装置制御部31の記憶部39に格納される。このようにしてレーザトリミング装置が稼動するための初期設定がされる。
【0027】
初期設定された後、所定のトリミング動作が装置制御部31に格納されている制御プログラムに従って実行される。まず、搬送カセット(図示せず)に搭載された試料(歪センサ1)が所定のトリミング台にマウントされる。その後、抵抗値(ブリッジ回路抵抗Rb)検出部33により、歪センサ1に形成されているブリッジ回路21と22間の抵抗を測定するためのプローブ端子がリード配線部の所定位置に電気的に導通するように圧接され、測定されたブリッジ回路の抵抗値Rbが、装置制御部31に入力され、上記入力されている温度補償抵抗Rsの抵抗温度係数αや出力電圧の温度係数βを用いて、装置制御プログラムの実行により、上記数式16により温度補償抵抗Rsの調整すべき抵抗値(Rs(t))が決定される。この場合、試料の周囲温度(調整作業を行なう周囲温度)t℃が、温度t℃と同じ場合には、この抵抗値(Rs(t))が最適抵抗値(Rs(t))と決定され、この抵抗値(Rs(t))が比較部34に入力される。他方、この温度が異なる場合には、さらに数式17により所定の演算が実行され、最適抵抗値(Rs(t))が決定され比較部34に入力される。
【0028】
次に、Rs検出部35により温度補償抵抗Rsの両端のリード配線パターンに同様にプローブ端子が圧接され電気的に導通される。このように抵抗測定用のプローブ端子を介して抵抗値が測定され、歪センサ1の温度補償抵抗Rsの調整される前の抵抗値(Rsx(t))が比較部34に入力され、この抵抗値(Rsx(t)と前記最適抵抗値(Rs(t))が演算回路により比較され、調整すべき(トリミング)抵抗値のギャップ量が決定される。
このようにして決定されたギャップ量に基づいて温度補償抵抗Rsの補正パターン38にレーザビームトリミング位置制御部36により制御されたレーザがレーザビーム発射部37より照射される。この場合、図7に示すように温度補償パターンの抵抗値調整パターン部25において、ギャップ量に対応した抵抗値の補正量の値にしたがって、レーザビームの照射位置が決定され、その決定された位置に基づいて、試料載置台がレーザビームトリミング位置制御部36により照射位置に移動制御される。その後所定の照射パワーでレーザビーム発射部37から発射されるレーザビームにより抵抗値調整パターンの所定部が切断される。その後更に温度補償抵抗Rsの抵抗値がRs検出部35により測定され、その値が比較部34にフィードバックされ、前記決定された最適抵抗値(Rs(t))と比較され、さらに、決定された抵抗値になるまでさらにレーザカット、測定、比較の繰り返しにより目的の最適抵抗値が得られる。
以上のように温度補償抵抗Rsが目的の最適抵抗値に調節された後、試料がトリミング台からアンロードされ一連の調整工程が完了する。
【0029】
このような方法で、歪センサの出力電圧の温度特性による変動を低減化するための温度補償抵抗の最適抵抗値を決定し、温度補償抵抗Rsを調整することができるので、従来の所定温度で荷重を印加して、その結果求められた出力電圧に基づき温度補償抵抗を調整する方法と比較して大幅な工程の短縮を図ることができる。また、レーザトリミングによる調整をすることにより、より精度の高い調整を行なうことができる。特に、図7に示す温度補償抵抗Rsの補正抵抗パターンのトリミング個所27のような微調整できるパターンを設けることにより、調整精度を高めることができ、ほぼ求めようとする最適抵抗値に調整することが可能となる。
【0030】
以上述べた実施例では、図2に示すようにブリッジ回路のブリッジバランスの補正抵抗が設けられていない場合について述べたが、上記数式1に示したようにストレンゲージの抵抗値R1,R2,R3およびR4を等しくなるように設計しても製造ばらつき等により互いに異なった値になり、その結果、ブリッジバランスV0は、ゼロにはならず、出力電圧が零電圧からずれてしまう。
【0031】
このため、ブリッジバランスを補正する方法として、図11に示すようにブリッジ回路に補正抵抗Raをブリッジ回路の図に示すような位置にブリッジバランスを保つ対称な2個所に配置させる。このように配置することにより、例えば、ブリッジバランスがプラス電圧側にずれた場合は、抵抗体R2側のraの抵抗を増加させるとマイナス方向にずれるのでその抵抗値の補正量でブリッジバランスを調整することができる。このブリッジバランスの調整を行った後は、ブリッジ回路の抵抗値も増加するので、温度補償抵抗Rsの最適抵抗値もその増加量に伴って変動する。従って、ブリッジバランスの調整を行った場合は、その調整工程の完了後に温度補償抵抗Rsの調整を行う必要がある。
【0032】
また、同様にブリッジバランスが温度によってドリフトする場合、例えば、温度が上昇した時に、ブリッジバランスがマイナス電圧の方向等に変化することがある。このような場合は、図12に示すように上記したブリッジバランスの補正抵抗raと同様に図12に示すように温度補正抵抗rbをブリッジ回路の対象な位置に2個所設ける。なお、ブリッジバランスを保つことができれば、この2個所に限ることはないが、説明を簡単にするために2個所に設けた場合を例示して説明する。この温度補償抵抗rbは、上記した出力電圧の温度補償抵抗Rsと同様な方法で正の抵抗温度係数を有する抵抗体で形成することができる。例えば、ブリッジバランスが温度上昇に対してマイナス電圧の方向に変動する場合は、抵抗体R2側の補正抵抗rbの抵抗を増大するように調整することにより、温度が上昇した場合、ブリッジバランスがプラス電圧方向に大きく変化するように補正抵抗rbの抵抗値が増大する方向に所定量調整することによりブリッジバランスの温度ドリフトを相殺させることができ、結果としてブリッジバランスの温度ドリフトを低減させることができる。このように、温度補償抵抗rbの抵抗調整によりブリッジ抵抗Rbが変動することになるから、出力電圧の温度補償抵抗Rsの最適抵抗値も変化する。従って、ブリッジバランスの温度補償を行った後に、出力電圧の温度補償抵抗Rsの最適抵抗値を決定することが必要である。
【0033】
次に、ブリッジバランスの補正抵抗raとブリッジバランスの温度補償抵抗rbの構成について図13(a)および図13(b)を用いて説明する。図13(a)は、ブリッジ回路の接続点21とストレンゲージ抵抗体R2の間とストレンゲージR1の間の2個所に対称に配置されているうちの一方の拡大図を示す。補正抵抗raと温度補償抵抗rbには、抵抗値の粗調整パターン40aと微調整パターン40bから構成されている。抵抗値がレーザトリミング等により調整されたときに切断された状態を図中の42および43に示す。また、同様に温度補償抵抗rbも同様な構成をしている。
図13(b)には、図13(a)のY―Y断面を示す。ビーム体2のパターン形成面に絶縁層10の上層にストレンゲージ抵抗層11、温度補償抵抗体層12およびリード配線層13が積層形成され、その後、PEP(フォトエッチングプロセス)等で、補正抵抗raの粗調整パターン40aおよび微調整パターン40bが形成されている。また同様に温度補償抵抗rbの粗調整パターン41aおよび微調整パターン41bが形成されている。また、これらの調整パターンは、上記したストレンゲージ抵抗体や温度補償抵抗Rsと同様な膜構成が可能なことからブリッジ回路と一体的に形成することができる。
特に、上記本実施例に用いた薄膜プロセスで作成されたブリッジ回路パターンを有する歪センサは、ストレンゲージ抵抗体、前記ブリッジ回路の補正抵抗体や温度補償抵抗体は一体的に同時に形成されるので、上記、レーザトリミング等を利用した調整プロセスには好適である。
【0034】
以上述べたように、ブリッジ回路のブリッジバランス電圧の補正やブリッジバランスの温度補償の調整を行った後は、ブリッジ抵抗Rbが補正前に対して抵抗値が増大するので、求める出力電圧の温度補償抵抗の抵抗値もブリッジバランスの補正抵抗値の補正量によっても数式16からもわかるように変わる。従って、上記したように出力電圧の温度補償をするための調整工程は、まず、最初にブリッジバランスの調整またはブリッジバランスの温度補償の調整を行った後に出力電圧の温度補償の調整を実施することにより、所望の最適抵抗値に調整をすることができる。
【0035】
以上については、図1に示すような薄膜プロセスで製作される歪センサ1についての実施例について述べたが、一般に使用されている歪センサとして、たとえば市販されているストレンゲージ素子をビーム体に接着剤により接着し、また温度補償抵抗素子を同様に接着しそれぞれをリード線で配線されているロードセルにおいても本発明による出力電圧の温度補償を実施することができる。この場合は、それぞれのストレンゲージは、予め所定範囲の抵抗値となるように調整されており、また温度補償抵抗素子も別途製作され、またこれらの素子が接着等によりビーム体に装着された後、互いにリード配線で接続する工程等を要することからコストが増大するという欠点を有しているが、本発明による出力電圧の温度補償方法の適用は可能である。
【0036】
薄膜プロセスで製作された歪センサは、薄膜プロセスでブリッジ回路パターン形成後、レーザトリミングにより、ブリッジバランスの補正や本発明による出力電圧温度補償抵抗の調整を一括して行うことができるので、従来の歪センサの製作工程に比べて大幅な工程の短縮をすることが可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、荷重を印加して測定された出力電圧の値に基づいて温度補償抵抗の調整をするという従来工程を無くすることができ、大量生産に適した歪センサの温度補償抵抗の調整方法を提供することができる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いた歪センサの斜視図である。
【図2】本発明の実施に用いた歪センサのブリッジ回路を示す図である。
【図3】本発明の実施に用いた歪センサのブリッジ回路のパターンを構成する積層体の断面図である。
【図4】(a),(b),(c)は、ブリッジ回路パターンの形成プロセスを説明する図である。
【図5】ブリッジ回路パターンを示す図4(c)のX−Xの断面図を示す図である。
【図6】歪センサに荷重が印加されたときのビーム体の変形を示す図である。
【図7】出力電圧温度補償抵抗パターンを示す図である。
【図8】歪センサの荷重による出力電圧の温度特性を示す図である。
【図9】歪センサの出力電圧が温度補償された後の特性を示す図である。
【図10】本発明の実施に用いたレーザトリミング装置のブロック図である。
【図11】ブリッジ回路にブリッジバランス補正抵抗を設けた回路図である。
【図12】ブリッジバランス温度補正抵抗と温度補償抵抗を設けた回路図である。
【図13】(a)は、ブリッジバランス温度補正抵抗と温度補償抵抗を設けたパターン図であり、(b)は、図13(a)のY−Y断面の構造を示す図である。
【図14】本発明の実施に用いられる歪センサの他の例を示す側面図である。
【図15】本発明の実施に用いられる歪センサの更に他の例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 歪センサ
2 ビーム体
3 パターン形成面
4 ブリッジ回路
6 起歪部
9 ベース
10 絶縁層
11 ストレンゲージ抵抗体層
12 温度補償抵抗体層
13 リード配線層
24 温度補償抵抗パターン
25 抵抗補正パターン
26,27 レーザトリミング箇所
30 レーザトリミング装置
31 装置制御部
32 温度補償設定部
33 抵抗値検出部
34 比較部
35 Rs検出部
36 レーザビームトリミング位置制御部
40、42 ゼロバランス補正抵抗パターン

Claims (5)

  1. 歪センサのビーム体の変形部に配置されたストレンゲージ抵抗体により構成されるブリッジ回路の外部入力電圧供給端子側に設けられた温度補償抵抗(Rs)の最適抵抗値を決定し、この決定した最適抵抗値に調整する歪センサの出力電圧温度補償抵抗の調整方法において、
    所定の温度範囲から選択された少なくとも二点の測定温度(t,t:t<t)における関係式、
    (Rb+Rs(t))β=Rb+Rs(t)(1+α(t−t))
    ここで Rb;ブリッジ回路の抵抗値、
    α;温度補償抵抗(Rs)の抵抗温度係数、
    β;所定荷重がセンサに印加されたときの温度tと温度tにおける出力電圧との比、
    により算出された温度補償抵抗(Rs(t))に基づいて前記温度補償抵抗(Rs)を調整するときの周囲温度をt℃(t<t<t)としたときに、関係式、
    Rs(t)=Rs(t)(1+α(t―t))
    により算出された温度補償抵抗(Rs(t))を周囲温度(t℃)における最適抵抗値として決定し、この決定した最適抵抗値に調整することを特徴とする歪センサの出力電圧温度補償抵抗の調整方法。
  2. 前記ブリッジ回路にブリッジバランス補正抵抗を設け、前記ブリッジバランス補正抵抗の抵抗値を調整し、前記ブリッジ回路のブリッジバランスを調整した後、温度補償抵抗(Rs)の最適抵抗値を決定し、この決定した最適抵抗値に調整することを特徴とする請求項1記載の歪センサの出力電圧温度補償抵抗の調整方法。
  3. 前記ブリッジ回路にブリッジバランス温度補償抵抗を設け、前記ブリッジバランス補正抵抗およびブリッジバランス温度補償抵抗の抵
    抗値を調整した後、出力電圧温度補償抵抗(Rs)の最適抵抗値を決定し、この決定した最適抵抗値に調整することを特徴とする請求項2記載の歪センサの出力電圧温度補償抵抗の調整方法。
  4. 歪センサのビーム体の変形部に配置されたストレンゲージ抵抗体により構成されるブリッジ回路の外部入力電圧供給端子側に設けられた温度補償抵抗(Rs)の最適抵抗値を決定し、この決定された最適抵抗値に調整する歪センサの出力電圧温度補償抵抗の調整装置において、
    前記ブリッジ回路の抵抗値(Rb)を測定する測定手段と、
    前記温度補償抵抗(Rs)の調整をする周囲温度がt℃のとき、前記温度補償抵抗(Rs)の調整前の抵抗値(Rsx(t))を測定する測定手段と、
    所定の温度範囲から選択された少なくとも二点の測定温度(t、t:(t<t<t)において事前に求められた温度補償抵抗(Rs)の抵抗温度係数α、前記温度補償抵抗(Rs)が設けられていない状態で、歪センサに所定の荷重が印加されたときの前記温度t℃とt℃におけるブリッジ回路の出力電圧の比βおよび前記ブリッジ回路の抵抗値(Rb)を用いて、温度補償抵抗(Rs)の抵抗値(Rs(t))を、
    (Rb+Rs(t))β=Rb+Rs(t)(1+α(t−t))
    を用いて演算し求める演算手段と、
    前記演算された温度補償抵抗(Rs)の抵抗値(Rs(t))を用いて、
    Rs(t)=Rs(t)(1+α(t―t))
    から、温度補償抵抗(Rs)の温度t℃における最適抵抗値(Rs(t))を算出する手段と、
    前記測定された温度補償抵抗(Rs)の抵抗値(Rsx(t))と前記算出された温度補償抵抗(Rs)の最適抵抗値(Rs(t))のギャップ量を算出する比較回路と、
    前記比較回路により算出されたギャップ量がゼロに近づくように前記温度補償抵抗(Rs)を調整する抵抗調整手段を備えたことを特徴とする歪センサの出力電圧温度補償抵抗の調整装置。
  5. 前記温度補償抵抗(Rs)の抵抗値を調整する調整手段は、レーザトリミング手段であることを特徴とする請求項4記載の歪センサの出力電圧温度補償抵抗の調整装置。
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