JP2014013035A - 気体圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮室内での過圧縮の発生を防止することができる気体圧縮機を提供する。
【解決手段】シリンダ40の内周面40aとロータ50の外周面50aとが回転軸51の軸周りの1周の範囲で最近接する領域(近接部48)に対して、シリンダ40の内周面40aの周方向に沿ってロータ50の回転方向上流側に、圧縮室43で圧縮された冷媒ガスを吐出するための吐出孔を少なくとも2つ有しており、吐出孔のうち近接部48に最も近い側にある第1の吐出孔45aには、圧縮室で圧縮された媒体の圧力が所定の吐出圧力に達したときに開弁し、所定の吐出圧力に達していないときは閉弁する吐出弁を設けていなく、吐出室14側に連通している。
【選択図】図2

Description

本発明は、気体圧縮機に関し、詳細にはベーンロータリー型の気体圧縮機の改良に関する。
例えば、自動車などの車両には、車室内の温度調整を行うための空調装置が設けられている。このような空調装置は、冷媒(冷却媒体)を循環させるようにしたループ状の冷媒サイクルを有しており、この冷媒サイクルは、蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁が順に設けられている。
前記空調装置の圧縮機(コンプレッサ)は、蒸発器で蒸発されたガス状の冷媒(冷媒ガス)を圧縮して高圧の冷媒ガスとし、凝縮器へ送出するものである。
このような圧縮機として、従来より、略楕円状の内周面を有するシリンダ内に、先端部がシリンダの内周面に摺接し、突出収納自在に設けた複数枚のベーンを有するロータが回転自在に軸支されたベーンロータリー型の圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このベーンロータリー型の圧縮機は、ロータの回転にともない回転するベーンのシリンダ内周面との摺接によって容積が変化する圧縮室を有し、この圧縮室の容積の増大にともない吸入口を介して冷媒ガスを吸入し、圧縮室の容積の減少にともない吸入した冷媒ガスを圧縮して、高圧の冷媒ガスを吐出口を通して吐出室に吐出する。そして、吐出室から高圧の冷媒ガスを凝縮器側へ送出する。
なお、前記ベーンは、ロータの内側から表面に露出するスリット状のベーン溝に摺動自在に配置されている。そして、このベーンは、ベーン背圧空間等を通してベーン溝内の底部に供給される油による背圧(ベーン背圧)、及び回転するロータの遠心力によって先端側がロータ表面から突出し、ベーンの先端部がシリンダ内周面に当接した状態を維持する。
特開昭54−28008号公報
ところで、ベーンロータリー形式の圧縮機は、冷媒ガスを急激に圧縮するために圧縮室内で過圧縮が生じやすく、その分、動力の損失が大きくなったり、隣接する圧縮室間の圧力差が大きくなって、回転方向下流側の圧縮室から回転方向上流側の圧縮室へ圧縮された冷媒ガスが漏れやすくなるなどの原因により、他の形式の気体圧縮機(例えばロータリーピストン型の圧縮機など)よりも効率(成績係数又はCOP(Coefficient of Performance:冷房能力/動力))が低くなる傾向にあった。
そこで、本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、圧縮室内での過圧縮の発生を防止することができる気体圧縮機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、回転軸と一体的に回転する略円柱状のロータと、前記ロータを該ロータの外周面の外方から取り囲む輪郭形状の内周面を有するシリンダと、前記ロータに形成したベーン溝に該ロータの外周面から前記シリンダの内周面に向けて突出自在に設けられた複数の板状のベーンと、前記ロータおよび前記シリンダの両端をそれぞれ塞ぐ2つのサイドブロックとを備え、前記ベーンは、前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面との間に形成された空間を仕切ることにより複数の圧縮室を形成するものであり、これら形成された各圧縮室が前記ロータの1回転の期間に、媒体の吸入、圧縮及び吐出を1サイクルのみ行うように、前記シリンダの内周面の輪郭形状が設定された気体圧縮機であって、前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面とが前記回転軸の軸周りの1周の範囲で最近接する領域に対して前記ロータの回転方向上流側に、前記圧縮室で圧縮された媒体を外部に吐出するための吐出孔を、前記シリンダの内周面の周方向に沿って少なくとも2つ以上有しており、前記各吐出孔のうち、少なくとも前記最近接する領域に最も近い側にある第1の吐出孔には、前記圧縮室で圧縮された媒体の圧力が所定の吐出圧力に達したときに開弁し、前記所定の吐出圧力に達していないときは閉弁する吐出弁を設けていなく、外部側に連通していることを特徴としている。
請求項2に記載の気体圧縮機は、前記第1の吐出孔よりも前記ロータの回転方向上流側に位置する第2の吐出孔には、該第2の吐出孔に臨む圧縮室で圧縮された媒体の圧力が前記所定の吐出圧力に達したときに開弁し、前記所定の吐出圧力に達していないときは閉弁する吐出弁が設けられていることを特徴としている。
請求項3に記載の気体圧縮機は、前記第1の吐出孔は圧縮機運転時においては前記所定の吐出圧力に達している、前記第1の吐出孔に臨む圧縮室内の媒体を常に外部に吐出させていることを特徴としている。
請求項4に記載の気体圧縮機は、前記第1の吐出孔よりも前記ロータの回転方向上流側に位置する第2の吐出孔にも、該第2の吐出孔に臨む圧縮室で圧縮された媒体の圧力が前記所定の吐出圧力に達したときに開弁し、前記所定の吐出圧力に達していないときは閉弁する吐出弁を設けていなく、外部側に連通していることを特徴としている。
請求項5に記載の気体圧縮機は、相前後する2つの前記ベーンによって仕切られた圧縮室内で圧縮される媒体が前記所定の吐出圧力に略達したときに、前記2つのベーンのうちの前側のベーンが前記第2の吐出孔を通過して、前記所定の吐出圧力に達している前記圧縮室内の媒体が前記第2の吐出孔から外部に吐出されることを特徴としている。
請求項6に記載の気体圧縮機は、前記第2の吐出孔45bから吐出されずに圧縮室内に残留した一部の残留媒体は、前記前側のベーンが前記第1の吐出孔を通過後に該第1の吐出孔から外部に吐出されることを特徴としている。
本発明に係る気体圧縮機によれば、シリンダの内周面とロータの外周面とが回転軸の軸周りの1周の範囲で最近接する領域に対して、シリンダの内周面の周方向に沿ってロータの回転方向上流側に、圧縮室で圧縮された媒体を外部に吐出するための吐出孔を少なくとも2つ有しているので、圧縮室内の冷媒ガスの圧力が、最近接する領域に最も近い側にある吐出孔に臨む以前の段階で所定の吐出圧力に達した場合であっても、圧縮室内の冷媒ガスを、最近接する領域に最も近い側にある吐出孔よりもロータの回転方向上流側に位置する吐出孔から吐出させることができるので、圧縮室内の冷媒ガスの圧力が所定の吐出圧力を超える過圧縮を防止することができ、動力の損失を抑えることができる。
更に、少なくとも最近接する領域に最も近い側にある第1の吐出孔には、圧縮室で圧縮された媒体の圧力が所定の吐出圧力に達したときに開弁し、所定の吐出圧力に達していないときは閉弁する吐出弁を設けていないので、吐出弁の開閉にともなう衝突音(騒音)が発生することはなく、かつ部品数の削減によってコストの低減を図ることができる。
本発明の実施形態1に係る気体圧縮機(ベーンロータリー型の気体圧縮機)を示す縦断面図。 図1のA−A線断面図。 本発明の実施形態2に係る気体圧縮機(ベーンロータリー型の気体圧縮機)を示す横断面図。 本発明の実施形態3に係る気体圧縮機(ベーンロータリー型の気体圧縮機)を示す横断面図。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る気体圧縮機としてのベーンロータリー型の気体圧縮機(以下、「コンプレッサ」という)を示す縦断面図、図2は、図1におけるA−A線に沿った横断面を示す図である。なお、本実施形態のコンプレッサは、電動モータを内蔵している電動式である。
(コンプレッサ1の全体構成、動作)
図示のコンプレッサ100は、例えば、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう空気調和システム(以下、「空調システム」という)の一部として構成され、この空調システムの他の構成要素である凝縮器、膨張弁、蒸発器等(いずれも図示を省略する)とともに冷却媒体の循環経路上に設けられている。なお、このような空調システムとしては、例えば、車両(自動車など)の車室内の温度調整を行うための空調装置が挙げられる。
コンプレッサ100は、空調システムの蒸発器から取り入れた気体状の冷却媒体としての冷媒ガスを圧縮し、この圧縮された冷媒ガスを空調システムの凝縮器に供給する。凝縮器は圧縮された冷媒ガスを液化させ、高圧で液状の冷媒として膨張弁に送出する。そして、高圧で液状の冷媒は、膨張弁で低圧化され、蒸発器に送出される。低圧の液状冷媒は、蒸発器において周囲の空気から吸熱して気化し、この気化熱との熱交換により蒸発器周囲の空気を冷却する。
コンプレッサ100は、図1に示すように、本体ケース11とフロントカバー12とから主に構成されているハウジング10の内部に、モータ90と圧縮機本体60とが収容された構成である。
本体ケース11は、略円筒形状であり、その円筒形状の一方(図1の右側)の端部が塞がれたように形成され、他方(図1の左側)の端部は開口して形成されている。
フロントカバー12は、この本体ケース11の開口側の端部に接した状態でこの開口を塞ぐように蓋状に形成されていて、この状態で締結部材により本体ケース11に締結されて本体ケース11と一体化され、内部に空間を有するハウジング10を形成する。
フロントカバー12には、空調システムの蒸発器(不図示)から低圧の冷媒ガスG1を吸入室13内に導入する吸入ポート12aが形成されている。一方、本体ケース11の後述する吐出室14には、圧縮機本体60で得られた高圧の冷媒ガスG2を空調システムの凝縮器(不図示)に吐出する吐出ポート11aが形成されている。
本体ケース11の内部に設けられたモータ90は、永久磁石のロータ90aと電磁石のステータ90bとを備えた多相ブラシレス直流モータを構成している。ステータ90bは本体ケース11の内周面に嵌め合わされて固定され、ロータ90aには回転軸51が固定されている。
そして、モータ90は、フロントカバー12の端面に取付けられた電源コネクタ90cを介して供給された電力によってステータ90bの電磁石を励磁することにより、ロータ90aおよび回転軸51をその軸心回りに回転駆動させる。
なお、電源コネクタ90cとステータ90bとの間に、インバータ回路90dなどを備えた構成を採用することもできる。
なお、本実施形態のコンプレッサ100は上述したとおり電動式のものであるが、本発明に係る気体圧縮機は電動式のものに限定されるものではなく、機械式のものであってもよく、本実施形態のコンプレッサ100を仮に機械式のものとした場合は、モータ90を備える代わりに、回転軸51をフロントカバー12から外部へ突出させて、その突出した回転軸51の先端部に、車両のエンジン等から動力の伝達を受けるプーリーや歯車等を備えた構成とすればよい。
モータ90とともにハウジング10の内部に収容された圧縮機本体60は、回転軸51の延びた方向に沿ってモータ90と並んで配置されており、ボルト等の締結部材15により、本体ケース11内に固定されている。
圧縮機本体60は、モータ90によって回転される前記回転軸51と、回転軸51と一体的に回転する略円柱状のロータ50と、このロータ50をその外周面50a(図2参照)の外方から取り囲む輪郭形状の内周面40aを有するシリンダ40と、ロータ50の外周面50aからシリンダ40の内周面40aに向けて突出自在に設けられた5枚の板状のベーン58と、ロータ50及びシリンダ40の両端を塞ぐ2つのサイドブロック(フロントサイドブロック20、リヤサイドブロック30)とを備えている。
回転軸51は、フロントカバー12に形成された軸受12b、圧縮機本体60の各サイドブロック20,30にそれぞれ形成された軸受27,37により、回転自在に支持されている。
フロントサイドブロック20とリヤサイドブロック30の外周面には、それぞれOリング等のシール部材が外周面の全周に亘って設置されており、リヤサイドブロック30側の本体ケース11内に形成された吐出室14と、フロントサイドブロック20側の本体ケース11とフロントカバー12内に形成された吸入室13との間を気密性よく仕切っている。
リヤサイドブロック30の外面には、油分離部70が吐出室14内に位置するようにして取付けられている。なお、フロントカバー12内に形成された吸入室13内に、前記モータ90が設けられている。
圧縮機本体60の内部には、図2に示すように、シリンダ40の内周面40aとロータ50の外周面50aと両サイドブロック20,30(図1参照)との間に単一のシリンダ室42が形成されている。
具体的には、シリンダ40の内周面41aとロータ50の外周面50aとが、回転軸51の軸回りの1周(角度360度)の範囲で1箇所(図2の近接部48)だけ略接(最近接)するように、シリンダ40の内周面40aの輪郭形状が設定されていて、これにより、シリンダ室42は単一の略三日月形状の空間を形成している。
なお、シリンダ40の内周面40aの輪郭形状のうちシリンダ40の内周面40aとロータ50の外周面50aとが最も近接した領域である近接部48は、シリンダ40の内周面40aとロータ50の外周面50aとが最も離れた領域である遠隔部49から、本実施形態ではロータ50の回転方向W(図2において時計回り方向)に沿って下流側に角度270度程度離れた位置に設定されている。
シリンダ40の内周面40aの輪郭形状は、遠隔部49から回転方向Wに沿って近接部48に至るまで、ロータ50の外周面50aとシリンダ40の内周面40aとの間の距離が単調に減少するような形状に設定されている。
ベーン58は、ロータ50に形成されたベーン溝59に摺動自在に嵌め込まれていて、ベーン溝59に供給される冷凍機油による背圧により、ロータ50の外周面50aから外方に突出する。
また、ベーン58は、単一のシリンダ室42を複数の圧縮室43に区画するものであり、ロータ50の回転方向Wに沿って相前後する2つのベーン58によって1つの圧縮室43が形成される。従って、5枚のベーン58が回転軸51回りに角度72度の等角度間隔で設置された本実施形態においては、5つの圧縮室43が形成される。
ベーン58によりシリンダ室42を仕切って得られた圧縮室43内の容積は、回転方向Wに沿って圧縮室43が遠隔部49から近接部48に至るまで単調に小さくなる。なお、図1では、シリンダ室42に露出しているベーン58は省略している。
このシリンダ室42の近接部48に対してロータ50の回転方向下流側の部分には、フロントサイドブロック20に形成された、吸入室13に通じる吸入孔23(図2参照)が臨んでいる。
一方、シリンダ室42の近接部48に対してロータ50の回転方向上流側の、シリンダ40の内周面40aには、その内周面40aの周方向に沿って第1の吐出孔45aと第2の吐出孔45bが形成されている。なお、ロータ50の回転方向Wに沿って近接部48により近接している方が第1の吐出孔45aであり、ロータ50の回転方向Wに沿って第1の吐出口45aの上流側に第2の吐出孔45bが形成されている。
第1、第2の各吐出孔45a,45bは、シリンダ40の外周面側に本体ケース11の内周面との間に形成された空間としての吐出チャンバ46a,46bにそれぞれ連通している。また、リヤサイドブロック30には、各吐出チャンバ46a,46bとリヤサイドブロック30の外面(吐出室14に向いた面)に取付けられた油分離部70との間を連通している吐出路30a,30bが形成されている。
なお、シリンダ40の内周面40aに形成された第1、第2の各吐出孔45a,45bは、シリンダ40の幅方向に沿ってそれぞれ2つ形成されている。第1、第2の各吐出孔45a,45bの詳細については後述する。
各圧縮室43において、ロータ50の1回転の期間に、吸入孔23を通しての冷媒ガスの吸入、冷媒ガスの圧縮及び第1、第2の吐出孔45a,45bへの冷媒ガスの吐出を1サイクルだけ行うように、シリンダ40の内周面40aの輪郭形状が設定されている。
シリンダ室42の遠隔部49に対してロータ50の回転方向上流側では、シリンダ40の内周面40aとロータ50の外周面50aとの間隔が小さい状態から急激に大きくなるように、シリンダ40の内周面40aの輪郭形状が設定されていて、遠隔部49を含んだ角度範囲ではロータ50の回転方向Wへの回転に伴って圧縮室43の容積が拡大して、吸入孔23を通じて圧縮室43内に低圧の冷媒ガスG1が吸入される行程(吸入行程)となる。
次いで、シリンダ室42の遠隔部49に対してロータ50の回転方向下流側に向かって、シリンダ40の内周面40aとロータ50の外周面50aとの間隔が徐々に小さくなるように、シリンダ40の内周面40aの輪郭形状が設定されていて、その範囲ではロータ50の回転に伴って圧縮室43の容積が減少し、圧縮室43内の冷媒ガスが圧縮される行程(圧縮行程)となる。
そして、ロータ50の回転にともなってシリンダ40の内周面40aとロータ50の外周面50aとの間隔がさらに小さくなることで冷媒ガスの圧縮がさらに進み、冷媒ガスの圧力が所定の吐出圧力に達すると、高圧の冷媒ガスG2は第1吐出孔45a(及び第2の吐出孔45b)に吐出される行程(吐出行程)となる。
このように、ロータ50の回転にともなって、各圧縮室43が吸入行程、圧縮行程、吐出行程をこの順序で繰り返すことにより、吸入室13から吸入された低圧の冷媒ガスを高圧にして第1吐出孔45a(及び第2の吐出孔45b)から吐出させる。
また、前記第2の吐出孔45bの周囲には、吐出弁61と弁サポート62が設置されている。吐出弁61は、前記圧縮行程における圧縮室43(図2では、圧縮室43b)内の冷媒ガスの圧力が所定の吐出圧力以上になると吐出チャンバ46b側に反るように弾性変形して第2の吐出孔45bを開き、冷媒ガスの圧力が前記所定の吐出圧力に達していないときは弾性力により第2の吐出孔45bを閉じる。弁サポート62は、吐出弁61が吐出チャンバ46b側に過度に反るのを防止する。なお、第1の吐出孔45aには、これらの吐出弁と弁サポートは設けられておらず、常に開いている。
油分離部70は、冷媒ガスと混ざった冷凍機油(ロータ50に形成されたベーン溝59からシリンダ室42(圧縮室43)に漏れたベーン背圧用の油)を冷媒ガスから分離するものであり、第1、第2の吐出孔45a,45bから吐出されて、吐出チャンバ46a,46b、吐出路30a,30bを通って導入された高圧の冷媒ガスを、螺旋状に旋回させることで冷凍機油を遠心分離するように構成されている。
そして、冷媒ガスから分離された冷凍機油R(図1参照)は吐出室14の底部に溜まり、冷凍機油Rが分離された後の高圧の冷媒ガスG2は吐出室14の上部から吐出ポート11aを通って凝縮器(不図示)に吐出される。
吐出室14の底部に溜められた冷凍機油Rは、吐出室14の高圧雰囲気により、リヤサイドブロック30に形成された油路38a及び背圧供給用の凹部であるサライ溝31,32を通じて、並びにリヤサイドブロック30に形成された油路38a,38b、シリンダ40に形成された油路44、フロントサイドブロック20に形成された油路24及びフロントサイドブロック20に形成された背圧供給用の凹部であるサライ溝21,22を通じて、それぞれロータ50のベーン溝59に供給され、ベーン58を外方に突出させる背圧となる。
なお、この冷凍機油は、ベーン58とベーン溝59との間の隙間や、ロータ50と各サイドブロック20,30との間の隙間等から滲みだして、ロータ50と各サイドブロック20,30との間の接触部分や、ベーン58とシリンダ40や各サイドブロック20,30との間の接触部分などにおける潤滑や冷却の機能も発揮し、その冷凍機油の一部が圧縮室43内の冷媒ガスと混ざるため、油分離部70により冷凍機油の分離が行われる。
リヤサイドブロック30に形成された2つのサライ溝31,32のうち、シリンダ室42の近接部48に対してロータ50の回転方向下流側の部分(吸入行程及び圧縮行程に対応する部分)に形成されたサライ溝31に供給される冷凍機油は、油路38aから軸受37と回転軸51の外周面との間の狭い隙間を通過してサライ溝31に供給される。このため、軸受37と回転軸51の外周面との間の狭い隙間を通過する際の圧力損失により、吐出室14の雰囲気である高圧(吐出圧力に近い圧力)よりも低い中圧(吸入室13の雰囲気である吸入圧よりも高い圧力)となる。
フロントサイドブロック20に形成された2つのサライ溝21,22のうち、シリンダ室42の近接部48に対してロータ50の回転方向下流側の部分に形成されたサライ溝21に供給される冷凍機油についても、サライ溝31に供給される冷凍機油と同様に中圧となる。
一方、リヤサイドブロック30に形成された2つのサライ溝31,32のうち、シリンダ室42の近接部48に対してロータ50の回転方向上流側の部分(主に吐出行程に対応する部分)に形成されたサライ溝32に供給される冷凍機油は、油路38aから圧力損失なく供給されるため、吐出室14の雰囲気である高圧に近い圧力(中圧よりも高い圧力)となる。
なお、フロントサイドブロック20に形成された2つのサライ溝21,22のうち、シリンダ室42の近接部48に対してロータ50の回転方向上流側の部分に形成されたサライ溝22に供給される冷凍機油についても、サライ溝32に供給される冷凍機油と同様に高圧となる。
そして、ロータ50の両端面まで貫通したベーン溝59が、ロータ50の回転により、各サイドブロック20,30のサライ溝21,31、22,32にそれぞれ通じたときに、その通じたサライ溝21,31、22,32からベーン溝59に冷凍機油が供給されて、供給された冷凍機油の圧力がベーン58を突出させる背圧となる。
(第1、第2の吐出孔45a,45bについての詳細な構成)
次に、シリンダ40の内周面40aにその周方向に沿って形成された第1、第2の吐出孔45a,45bについて、図2を参照して詳しく説明する。
まず、ロータ50の回転方向Wに沿って近接部48の直前の上流側に形成された第1の吐出孔45aは、ロータ50の1回転の間に吸入、圧縮及び吐出というサイクルを1サイクルしか行わない、単一の吐出孔しか備えない構成の気体圧縮機における本来の単一の吐出孔に対応するものであり、主吐出孔ということができる。一方、ロータ50の回転方向Wに沿って第1の吐出孔45aよりも上流側に位置するように形成された第2の吐出孔45bを副吐出孔ということができる。
そして、ロータ50の回転にともなって第1の吐出孔45aに臨んだ圧縮室43a内の冷媒ガスの圧力が所定圧力(所定の吐出圧力)以上の高圧になり、この高圧の冷媒ガスG2が第1の吐出孔45aから吐出されるように構成されている。第1の吐出孔45aから吐出された高圧の冷媒ガスG2は、吐出チャンバ46a、吐出路30aを介し油分離部70を通して吐出室14に導入される。
ロータ50の回転方向Wに沿って圧縮室43aの上流側で、この圧縮室43aに隣接する圧縮室43bは、圧縮室43aが第1の吐出孔45aに臨んでいるときは圧縮室43aの容積よりも大きいが、圧縮室43bが第1の吐出孔45aに臨む位置まで回転する以前に、その圧縮室43b内で圧縮された冷媒ガスの圧力が、前記所定圧力(所定の吐出圧力)に達する場合も起こりうる。
このような場合、仮に吐出孔が1つ(第1の吐出孔45aのみ)しか形成されていない気体圧縮機では、ロータ50の回転にともなって圧縮室43bの容積がさらに小さくなるため、圧縮室43b内の冷媒ガスの圧力が所定圧力(所定の吐出圧力)を超えるが、圧縮室43bが第1の吐出孔45aに臨む位置まで回転する以前は、所定圧力(所定の吐出圧力)を超えた冷媒ガスが吐出されない。
この際、この圧縮室43bを仕切っている2つのベーン(図2では、ベーン58a,58b)のうち回転方向上流側のベーン58bには、冷凍機油によるベーン溝59からの背圧とこのベーン58bに作用する遠心力との合力によるシリンダ40の内周面40aへの押付力が作用している。そして、圧縮室43bの内部圧力による、ベーン58bの先端側をシリンダ40の内周面40aから押し戻す力が上回ると、そのベーン58bの突出側先端部がシリンダ40の内周面40aから離れる。その後、圧縮室43b内の冷媒ガスが吐出孔(第1の吐出孔45a)から吐出されると、ベーン58bがシリンダ40の内周面40aに衝突する。
このように、コンプレッサ100の運転時にベーン58(図2では、ベーン58b)がシリンダ40の内周面40aとの間で、離間と衝突を繰り返すことで騒音(以下「チャタリング」という)が発生する。
これに対して、上記した本実施形態のコンプレッサ100は、圧縮室43b内の冷媒ガスの圧力が第1の吐出孔45aに臨む以前の段階で所定圧力(所定の吐出圧力)に達したときに、その圧縮室43b内の高圧の冷媒ガスG2を吐出させる第2の吐出孔45bが、第1の吐出孔45aよりもロータ回転方向上流側に設けられている。
このため、圧縮室43b内の冷媒ガスの圧力が、第1の吐出孔45aに臨む以前の段階で所定圧力(所定の吐出圧力)に達した場合であっても、その圧縮室43b内の高圧の冷媒ガスG2は、第2の吐出孔45bから吐出チャンバ46b、吐出路30bを介し油分離部70を通して吐出室14に導入される。この際、吐出弁61は、第2の吐出孔45bから吐出される高圧の冷媒ガスG2によって弾性変形して、開弁している。
このように、シリンダ40の内周面40aに、その周方向に沿って2つの第1の吐出孔45aと第2の吐出孔45bを形成したことにより、圧縮室43b内の冷媒ガスの圧力が、第1の吐出孔45aに臨む以前の段階で所定圧力(所定の吐出圧力)に達した場合であっても、圧縮室43b内の冷媒ガスを第2の吐出孔45bから吐出させることができるので、圧縮室43b内の冷媒ガスの圧力が所定圧力(所定の吐出圧力)を超える過圧縮を防止することができる。
これにより、コンプレッサ100の運転時での動力の損失を抑えることができる。また、ベーン58(図2では、ベーン58b)の突出側先端部がシリンダ40の内周面40aとの間で、離間と衝突を繰り返すことなくなり、チャタリングの発生を防止することができる。
ところで、前記したように、第2の吐出孔45bの吐出側には吐出弁61と弁サポート62が設けられており、圧縮室43b内の冷媒ガスの圧力が、第1の吐出孔45aに臨む以前の段階で所定圧力(所定の吐出圧力)に達した場合に、吐出弁61が開弁されて高圧の冷媒ガスを第2の吐出孔45bから吐出される。
即ち、第2の吐出孔45bの吐出弁61は、圧縮室43b内の冷媒ガスの圧力が前記所定圧力(所定の吐出圧力)に達していないときは閉じて、第2の吐出孔45bを塞いでいる。これは、圧縮室43b内の冷媒ガスの圧力が前記所定圧力(所定の吐出圧力)に達していないときに、吐出室14(吐出チャンバ46b)側から高圧の冷媒ガスが圧縮室43b側へ逆流するのを防止するためである。
一方、第1の吐出孔45aには、第2の吐出孔45b側に設けている吐出弁と弁サポートは設けられておらず、常時開いている。
これは、コンプレッサ100の運転時において、圧縮室43a(第1の吐出孔45aがある圧縮室)で圧縮される冷媒ガスは、常に所定圧力(所定の吐出圧力)に達して吐出状態にある。よって、第1の吐出孔45aに吐出弁を設けていなくても、吐出室14(吐出チャンバ46a)側から高圧の冷媒ガスが圧縮室43a側へ逆流することはない。
このように、第1の吐出孔45a側の吐出弁と弁サポートを不要にすることができるので、これらの吐出弁と弁サポートの部品数の削減を図ることができ、これにより、コストの削減を図ることができる。
なお、第1の吐出孔45a側に仮に吐出弁を設けている構成の場合、圧縮室43aで圧縮される冷媒ガスは、常に所定圧力(所定の吐出圧力)に達しているので、吐出弁は開弁状態となる。しかしながら、圧縮室43aの体積が小さいために、第1の吐出孔45aからの冷媒ガスの吐出量が小さいので、ベーン58がこの第1の吐出孔45aを通り過ぎた直後に吐出弁が瞬間的に閉じ、すぐに吐出弁が開くような動作を繰り返すことがある。
このため、この吐出弁が開閉して第1の吐出孔45aの周囲に当たったときに衝突音(騒音)が発生することがあるが、本発明では第1の吐出孔45aの周囲に吐出弁を設けていないので、このような吐出弁の衝突音(騒音)が発生することはない。
<実施形態2>
図3は、本発明の実施形態2に係るコンプレッサ(ベーンロータリー型の気体圧縮機)の横断面を示す図である。なお、図1、図2に示した前記実施形態1のコンプレッサと同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
実施形態1では、5枚のベーン58が等角度間隔でロータ50の各ベーン溝59に摺動自在に嵌め込まれている構成であったが、本実施形態では、図3に示すように、3枚のベーン58a,58b,58cが等角度間隔でロータ50の各ベーン溝59に摺動自在に嵌め込まれ、シリンダ室42に各ベーン58a,58b,58cで仕切られた圧縮室43を複数形成している。
更に、実施形態1では、第1の吐出孔45aには吐出弁は設けていなく、第2の吐出孔45bに吐出弁61を設けている構成であったが、本実施形態では、図3に示すように、第1、第2の各吐出孔45a,45bの両方とも吐出弁、弁サポートを設けていない構成である。他の構成は実施形態1と略同様である。
本実施形態では、図3に示すように、2枚の前側のベーン58aと後側のベーン58bによって形成された、第2の吐出孔45bに臨んだ圧縮室43bは、実施形態1のようにベーンが5枚のときに比べて、周方向に沿ったベーン間の間隔が長くなることで圧縮工程が長くなる。よって、ロータ50の回転に伴い圧縮室43bの容積がより小さくなることで冷媒ガスがより圧縮されて、第2の吐出孔45bの手前付近で所定の吐出圧力に略達する。
図3では、前側のベーン58aがロータ50の回転方向に沿って第2の吐出孔45bよりも下流側まで移動しているが、圧縮室43b内で圧縮される冷媒ガスが前記所定の吐出圧力に略達した時点では、前側のベーン58aは第2の吐出孔45bに差しかかる直前である。よって、ベーン58aが第2の吐出孔45bを通過直後に、所定の吐出圧力に略達した圧縮室43b内の冷媒ガスG2が第2の吐出孔45bから吐出される。
なお、本実施形態では、図3において、吸入孔23を通して圧縮室43内に吸入される冷媒ガスG1の吸入圧力に対して、圧縮室43b内での圧縮比が4〜6となるような吐出圧力となったタイミングで、前側のベーン58aが第2の吐出孔45bに差しかかるように、第2の吐出孔45bの位置が設定されている。
そして、第2の吐出孔45bから吐出された高圧の冷媒ガスG2は、吐出チャンバ46b、吐出路30bを通して油分離部70、吐出室14(図1参照)に導入される。
また、第2の吐出孔45bから吐出されずに圧縮室43b内に残留した一部の高圧の冷媒ガス(以下、「残ガス」という)は、ロータ50の回転にともなって前側のベーン58aが第2の吐出孔45bを通過後に、圧縮室43aに臨んだ第1の吐出孔45aから吐出される。第1の吐出孔45aから吐出された残ガスG2’は、吐出路30aを通して油分離部70、吐出室14に導入される。よって本実施形態では、実施形態1の場合とは逆に第2の吐出孔45bが主吐出孔であり、第1の吐出孔45aが副吐出孔である。
このように、本実施形態では、圧縮室43b内の冷媒ガスの圧力が所定の吐出圧力に略達したときに第2の吐出孔45bから吐出させることができるので、圧縮室43b内の冷媒ガスの圧力が所定圧力(所定の吐出圧力)を超える過圧縮を防止することができる。
更に、本実施形態では、コンプレッサの運転時において、第1、第2の各吐出孔45a,45bから所定の吐出圧力に略達した冷媒ガスを吐出させることで、第1、第2の各吐出孔45a,45bの両方とも、冷媒ガスの逆流を防止するための吐出弁、弁サポートが不要となる。このように、第1、第2の各吐出孔45a,45bに吐出弁を設けていないので、吐出弁の開閉による衝突音(騒音)が発生することはない。
<実施形態3>
図4は、本発明の実施形態3に係るコンプレッサ(ベーンロータリー型の気体圧縮機)の横断面を示す図である。なお、図1、図2に示した前記実施形態1、及び図3に示した前記実施形態2のコンプレッサと同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態では、前記実施形態2に示した3枚のベーン58a,58b,58cを有しかつ第1、第2の各吐出孔45a,45bの両方とも吐出弁、弁サポートを設けていない構成のコンプレッサにおいて、図4に示すように、前記第2の吐出孔45bに対してロータ回転方向上流側に位置するシリンダ40の内周面40aに、第3の吐出孔45cを形成している。
この第3の吐出孔45cは、回転軸51を間にして第1、第2の各吐出孔45a,45bの中間位置付近と対向する位置に設けられている。第3の吐出孔45cの周囲には、吐出弁61aと弁サポート62aが設置されている。第3の吐出孔45cは、吐出チャンバ46cと吐出路30cを通して油分離部70、吐出室14(図1参照)に連通している。なお、この吐出路30cは、前記吐出路30a,30bに連通している。吐出弁61aと弁サポート62aは、吐出チャンバ46cに設けられている。他の構成は実施形態2と同様である。
本実施形態では、図4に示したように、2枚のベーン58bとベーン58cによって形成された圧縮室43c内の冷媒ガスの圧力が、第2の吐出孔45bに臨む以前の段階で所定圧力に達した場合であっても、その圧縮室43c内の高圧の冷媒ガスは、第3の吐出孔45cから吐出チャンバ46c、吐出路30cを介し油分離部70を通して吐出室14に導入される。この際、吐出弁61aは、第3の吐出孔45cから吐出される高圧の冷媒ガスによって弾性変形して、開弁する。
このように、本実施形態では、実施形態2で得られる効果に加えて、圧縮室43c内の冷媒ガスの圧力が、第2の吐出孔45bに臨む以前の段階で所定圧力に達した場合であっても、圧縮室43c内の冷媒ガスを第3の吐出孔45cから吐出させることができるので、圧縮室43c内の冷媒ガスの圧力が所定圧力を超える過圧縮を防止することができる。
10 ハウジング
13 吸入室
14 吐出室
20 フロントサイドブロック
30 リヤサイドブロック
40 シリンダ
42 シリンダ室
43,43a,43b,43c 圧縮室
45a 第1の吐出孔
45b 第2の吐出孔
45c 第3の吐出孔
50 ロータ
51 回転軸
58,50a,50b,50c ベーン
60 圧縮機本体
61,61a 吐出弁
62,62a 弁サポート
70 油分離部
100 コンプレッサ(気体圧縮機)

Claims (6)

  1. 回転軸と一体的に回転する略円柱状のロータと、
    前記ロータを該ロータの外周面の外方から取り囲む輪郭形状の内周面を有するシリンダと、
    前記ロータに形成したベーン溝に該ロータの外周面から前記シリンダの内周面に向けて突出自在に設けられた複数の板状のベーンと、
    前記ロータおよび前記シリンダの両端をそれぞれ塞ぐ2つのサイドブロックとを備え、
    前記ベーンは、前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面との間に形成された空間を仕切ることにより複数の圧縮室を形成するものであり、これら形成された各圧縮室が前記ロータの1回転の期間に、媒体の吸入、圧縮及び吐出を1サイクルのみ行うように、前記シリンダの内周面の輪郭形状が設定された気体圧縮機であって、
    前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面とが前記回転軸の軸周りの1周の範囲で最近接する領域に対して前記ロータの回転方向上流側に、前記圧縮室で圧縮された媒体を外部に吐出するための吐出孔を、前記シリンダの内周面の周方向に沿って少なくとも2つ以上有しており、
    前記各吐出孔のうち、少なくとも前記最近接する領域に最も近い側にある第1の吐出孔には、前記圧縮室で圧縮された媒体の圧力が所定の吐出圧力に達したときに開弁し、前記所定の吐出圧力に達していないときは閉弁する吐出弁を設けていなく、外部側に連通していることを特徴とする気体圧縮機。
  2. 前記第1の吐出孔よりも前記ロータの回転方向上流側に位置する第2の吐出孔には、該第2の吐出孔に臨む圧縮室で圧縮された媒体の圧力が前記所定の吐出圧力に達したときに開弁し、前記所定の吐出圧力に達していないときは閉弁する吐出弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
  3. 前記第1の吐出孔は、圧縮機運転時においては前記所定の吐出圧力に達している、前記第1の吐出孔に臨む圧縮室内の媒体を常に外部に吐出させていることを特徴とする請求項1又は2に記載の気体圧縮機。
  4. 前記第1の吐出孔よりも前記ロータの回転方向上流側に位置する第2の吐出孔にも、該第2の吐出孔に臨む圧縮室で圧縮された媒体の圧力が前記所定の吐出圧力に達したときに開弁し、前記所定の吐出圧力に達していないときは閉弁する吐出弁を設けていなく、外部側に連通していることを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
  5. 相前後する2つの前記ベーンによって仕切られた圧縮室内で圧縮される媒体が前記所定の吐出圧力に略達したときに、前記2つのベーンのうちの前側のベーンが前記第2の吐出孔を通過して、前記所定の吐出圧力に達している前記圧縮室内の媒体が前記第2の吐出孔から外部に吐出されることを特徴とする請求項4に記載の気体圧縮機。
  6. 前記第2の吐出孔45bから吐出されずに圧縮室内に残留した一部の残留媒体は、前記前側のベーンが前記第1の吐出孔を通過後に該第1の吐出孔から外部に吐出されることを特徴とする請求項5に記載の気体圧縮機。
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