JP4745044B2 - 気体圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は気体圧縮機に関し、詳細には、端板の2カ所から交互に吐出される圧縮空気を単一の気体出口部から排出させる吐出気体導板の改良に関する。
従来、空気調和システム(以下、空調システムという。)には、気体(冷媒ガス)を圧縮して、空調システムに気体を循環させるための気体圧縮機(コンプレッサ)が用いられている。
ここで、一般的なコンプレッサのひとつとして例えばベーンロータリ形式のコンプレッサは、一端が開放された略筒状のケースとこのケースの開放された一端開口を塞ぐように当該ケースの一端面に接続されるヘッドとを有するハウジングの内部に、圧縮機本体が収容された構成となっている。
圧縮機本体は、回転軸と、この回転軸と一体的にその軸回りに回転する円柱状のロータと、ロータの外周面の外方を取り囲む内壁面の輪郭形状が楕円状に形成されたシリンダと、ロータの軸回りに等角度間隔の位置に埋設されて、その突出側先端がシリンダの内壁面の輪郭形状に追従するように、ロータの外周面からの突出長さが可変とされ、ロータの外周面とシリンダの内壁面とによって区画された空間を仕切る5枚の平板状のベーンと、ロータ、シリンダおよびベーンの両端面側にそれぞれ配設されて、仕切られた空間を外部から隔絶する2つのサイドブロック(端板)とを有している。
そして、シリンダの外周面が、Oリングを介して、ケースの内周面に支承され、ロータから突出している回転軸の一端側が、一方のサイドブロック(以下、フロントサイドブロックという。)およびヘッドを貫通してハウジングの外部に延び、その外部に延びた回転軸の部分に、この回転軸にトルクを供給する動力源が連接される。
また、2つのサイドブロックのうちケースの内奥側に位置するサイドブロック(ヘッドから遠い側のサイドブロック;以下、リヤサイドブロックという。)の、回転軸に対して互いに点対称となる2つの部分には、ロータ、シリンダ、ベーンおよび両サイドブロックにより囲んで形成された圧縮室から、回転軸の回転に伴って圧縮された圧縮気体を圧縮機本体の外部(リヤサイドブロックとケースとによって囲まれた空間。;以下、吐出室という。)に吐出させるための、リヤサイドブロックを厚さ方向に貫く貫通孔がそれぞれ形成されているとともに、これら2つの貫通孔の位置にそれぞれ対応して形成された2つの気体入口部とこれら気体入口部とは異なる位置に形成された単一の気体出口部とを連通した2つの吐出気体通路を有するサイクロンブロック(吐出気体導板)が、貫通孔が形成されたリヤサイドブロックに取り付けられている。
なお、サイクロンブロックは、この気体出口部よりも下流側部分に、圧縮気体に混じった冷凍機油をその圧縮気体から分離させるために、その冷凍機油が混在した圧縮気体を衝突させて冷凍機油の凝集を促進する金網が備えられている(特許文献1)。
特開2002−250291号公報
ところで、上述したコンプレッサは、回転軸の1回転あたり、リヤサイドブロックの各貫通孔からは5回ずつの吐出がなされ、また、リヤサイドブロックの2つの貫通孔は点対称の位置に形成されているため、2つの貫通孔からは圧縮気体が吐出されるタイミングは、単一の貫通孔から圧縮気体が吐出される周期の半分(半周期)だけ位相がずれていることになる。
そして、サイクロンブロックに形成された2つの吐出気体通路は、同一の通路長で形成されているため、サイクロンブロックの単一の気体出口部からは、回転軸の1回転あたり、等時間間隔で10回の吐出が行われる。
このサイクロンブロックからの吐出室への圧縮空気の吐出は、吐出室内の圧力を瞬間的に変動させる脈動となるため、上述した回転軸の1回転あたり等時間間隔10回の吐出は、このコンプレッサにおいて、10次の振動成分として作用する。
この10次の振動成分は、コンプレッサの定格回転域において、このコンプレッサがカーエアコンシステムの構成要素として搭載される車両のエンジンが発生する振動等と共振を起こしたり、カーエアコンシステムの配管類やその他の構成要素に悪影響を与える場合がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、10次の振動成分を抑制することができる気体圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係る気体圧縮機は、発生タイミングが互いに半周期ずれた2つの5次の振動成分を、半周期ずれたままで、吐出気体導板の単一の気体出口部から吐出させる(10次の振動成分となる)のではなく、2つの5次の振動成分同士を、吐出気体導板の単一の気体出口部において、半周期とは異なる位相ずれで吐出されるようにしたものである。
すなわち、本発明に係る気体圧縮機は、回転軸と一体的にその軸回りに回転する円柱状のロータと、該ロータの外周面の外方を取り囲む内壁面の輪郭形状が楕円状に形成されたシリンダと、前記ロータの軸回りに等角度間隔で埋設されて、その突出側先端が前記シリンダの内壁面の輪郭形状に追従するように、該ロータの外周面からの突出長さが可変とされ、前記ロータの外周面と前記シリンダの内壁面とによって区画された空間を仕切る5枚の平板状のベーンと、前記ロータ、前記シリンダおよび前記ベーンの両端面側にそれぞれ配設されて、前記仕切られた空間を外部から隔絶する2つの端板とを有し、前記2つの端板のうち一方の端板の、前記軸に対して互いに点対称となる2つの部分に、前記ロータ、前記シリンダ、前記ベーンおよび前記端板により画成された圧縮室から、前記回転軸の回転に伴って圧縮された圧縮気体を外部に吐出させるための、該端板を厚さ方向に貫く貫通孔がそれぞれ形成されているとともに、前記2つの貫通孔の位置にそれぞれ対応して形成された2つの気体入口部とこれら気体入口部とは異なる位置に形成された単一の気体出口部とを連通した2つの吐出気体通路を有し、または前記2つの吐出気体通路が前記端板との結合により形成される吐出気体導板が、前記貫通孔が形成された前記端板に取り付けられてなる気体圧縮機において、前記2つの吐出気体通路は、それらの通路長が非等長となるように形成され、回転軸の定格回転数をN[rpm]、圧縮気体が該吐出気体通路を通過するときの流速をv[m/sec]としたとき、前記2つの吐出気体通路の通路長の差ΔLが、以下の条件を満たすように設定されていることを特徴とする。
ΔL≠12vn/N[m](ただし、nは自然数)
このように構成された本発明に係る気体圧縮機によれば、回転軸の1回転あたり、端板に形成された2つの貫通孔を、それぞれ5つの圧縮室が通過し、各圧縮室が通過するごとに、各貫通孔からは、圧縮室の容積変化によって圧力が高められた圧縮気体が吐出する。
各圧縮室は、回転軸回りに等角度間隔で埋設されたベーンによって仕切られているため、回転軸が等角速度で回転しているとき、各貫通孔を通過する圧縮室の時間間隔は等時間間隔となり、しかも、2つの貫通孔は回転軸中心に対して点対称の位置にあるため、2つの貫通孔からは等時間間隔で交互に圧縮気体が吐出される。
すなわち、回転軸の1回転あたり、2つの貫通孔から圧縮気体が10回、等時間間隔に吐出されるため、圧縮気体の吐出に伴う脈動は10次の成分となり得る。
ここで、各貫通孔から吐出した圧縮気体は、吐出気体導板の、各貫通孔に対応して形成された各気体入口部から各吐出気体通路を通って、両吐出気体通路に共通して形成された単一の気体出口部から、圧縮機本体の外部に吐出されるが、2つの吐出気体通路の通路長(気体入口部から気体出口部までの経路長さ)は非等長であるため、一方の貫通孔から吐出した圧縮気体が気体出口部に到達するための所要時間と、他方の貫通孔から吐出した圧縮気体が気体出口部に到達するための所要時間とは同一とはならず、したがって、気体出口部から吐出される圧縮気体の吐出周期は、2つの貫通孔から吐出されたときの圧縮気体の吐出周期(10次)とは異なるものとなる。
このように、本発明に係る気体圧縮機によれば、気体圧縮機の定格回転域において、このコンプレッサがカーエアコンシステムの構成要素として搭載される車両のエンジンが発生する振動等と共振を起こしたり、カーエアコンシステムの配管類やその他の構成要素に悪影響を与える場合がある10次の振動成分を抑制することができる。
また、回転軸の定格回転数をN[rpm]、回転軸回りに等角度間隔で5つの圧縮室が形成され、回転軸回りの対角位置(位相差180度)に形成された2つの吐出口(圧縮室からの出口)から圧縮室で圧縮された圧縮気体が交互に吐出され、圧縮気体が吐出気体通路を通過するときの流速をv[m/秒]とすると、回転軸の1回転当たりで、一方の吐出口から気体が吐出される回数は5[回]。
したがって、定格回転では、1分間当たり5N[回]、1秒間では、5N/60[回]、よって、吐出間隔は、1/(5N/60)=12/N[秒]となる。他方の吐出口についても同様であり、吐出間隔は、12/N[秒]となる。
2つの吐出口は互いに回転軸回りの位相が180度ずれているので、一方の吐出口からの吐出と他方の吐出口からの吐出との時間差は、各吐出口からの吐出間隔の半分となり、(12/N)/2=6/N[秒]となる。
この時間差6/N[秒]の間に、圧縮気体が吐出気体通路を進む距離は、(6/N)×v=6v/N[m]となる。
この距離は、一方の吐出口から吐出した気体が、他方の吐出口から気体が吐出されるまでの間に進む進行距離であるから、一方の吐出口から両吐出気体通路の合流部までの通路長L1と、他方の吐出口から合流部までの通路長L2との差(通路長差ΔL=|L1−L2|)が、この進行距離の偶数倍(ΔL=2n×6v/N;nは自然数)であると、合流部での吐出時間間隔が、2つの吐出口間での吐出時間間隔と一致してしまい、合流部で10次の脈動が生じ得る。
反対に、通路長差ΔLが、条件式ΔL≠12vn/N[m]を満たすときは、10次の脈動を抑えることができる。
なお、通路長差ΔLは、以下の条件をさらに満たすように設定されていることが、より好ましい。ΔL≠6v(2n−1)/N[m](ただし、nは自然数)
通路長の差ΔLが、6v(2n−1)/N[m]に一致すると、一方の吐出口から吐出された圧縮気体と、上記時間差6/N[秒]を以て他方の吐出口から吐出された圧縮気体とが、合流部に同時に到達し、5次の脈動が大きくなることが予想される。
しかし、通路長の差ΔLが、上記条件式を満たすとき、すなわち、6v(2n−1)/N[m]に一致しないときは、5次の脈動が大きくなるのも抑えることができる。
本発明に係る気体圧縮機においては、気体出口部は、前記2つの気体入口部からの距離が異なる位置に形成されていることにより、2つの吐出気体通路の長さに差異を設けるのが好ましい。
2つの吐出気体通路の長さに、容易に差異を設けることができるからである。
本発明に係る気体圧縮機によれば、10次の振動成分を抑制することができる。
以下、本発明の気体圧縮機に係る最良の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサ100を示す概略縦断面図、図2は図1におけるA−A線に沿った断面を示す図、図3は図1における矢視B方向からの、(a)サイクロンブロック60(吐出気体導板)単体の正面図、(b)サイクロンブロック60を除去した状態のリヤサイドブロック20(端板)の正面図である。
図示のコンプレッサ100は、例えば、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう空調システムの一部として構成され、この空調システムの他の構成要素である凝縮器、膨張弁、蒸発器等(いずれも図示を省略する。)とともに、冷却媒体の循環経路上に設けられている。
そして、コンプレッサ100は、空調システムの蒸発器から取り入れた気体状の冷却媒体、すなわち冷媒ガスGを圧縮し、この圧縮された冷媒ガスGを空調システムの凝縮器に供給する。凝縮器は、圧縮された冷媒ガスGを液化させ、高圧で液状の冷媒(液)として膨張弁に送出する。
高圧で液状の冷媒は、膨張弁で低圧化され、蒸発器に送出される。低圧の液状冷媒は、蒸発器において周囲の空気から吸熱して気化し、この気化熱との熱交換により蒸発器周囲の空気を冷却する。
また、コンプレッサ100は、回転軸51回りに回転して冷媒ガスGを圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体を覆う、ケース11およびフロントヘッド12からなるハウジングと、フロントヘッド12に取り付けられ、図示しない駆動源からの駆動力を圧縮機本体に伝える伝達機構13とを備える。
ハウジングの一方を構成するケース11は、一端開放の略筒状を呈し、空調システムの蒸発器から低圧の冷媒ガスGが吸入される吸入ポート12aおよび圧縮機本体で圧縮された高圧の冷媒ガスGを空調システムの凝縮器に吐出する吐出ポート11aが形成されている。
また、吸入ポート12aとフロントヘッド12に形成された後述の吸入室34(図1)とは、逆止弁12bを介して連通している。
ハウジングの他方であるフロントヘッド12は、ケース11の開放端面を閉じるように蓋状に形成され、ケース11に接続される。そして、ヘッド12の略中心部分を、回転軸51が貫通するように形成されている。
ハウジング内に収容された圧縮機本体は、図1,2に示すように、回転軸51と、この回転軸51が嵌入されて回転軸51と一体的に軸回りに回転する円柱状のロータ50と、ロータ50の外周面の外方を取り囲む内壁面49aの断面輪郭形状が略楕円形状に形成され、両端が開放されたシリンダ40と、ロータ50の外周面から突出して、この突出した先端(突出側先端)がシリンダ40の内壁面49aに当接し、内壁面49aの形状変化に追従して突出長さが変化する、回転軸51回りに等角度間隔でロータ50に埋設された5枚の平板状のベーン58と、ロータ50、シリンダ40およびベーン58の両端面側にそれぞれ配設されて、ベーン58によって仕切られた空間を外部から隔絶するフロントサイドブロック30およびリヤサイドブロック20(2つの端板)とからなる。
そして、2つのサイドブロック20,30、ロータ50、シリンダ40、およびロータ50の回転方向(図2において反時計回りの方向)について互いに隣り合う2つのベーン58,58によって5つの圧縮室48が画成され、各圧縮室48の容積が、回転軸51の回転にしたがって増減を繰り返すことにより、各圧縮室48に吸入された冷媒ガスGを圧縮して吐出するように構成されている。
ロータ50の両端面側からそれぞれ突出した回転軸51のうち一方の側の部分は、フロントサイドブロック30の軸受部32に軸支されるとともに、フロントヘッド12を貫通して外方まで延びている。
同様に、回転軸51の突出部分のうち他方の側の部分は、リヤサイドブロック20の軸受部22に軸支されている。
そして、フロントヘッド12による回転軸51の支持と、両サイドブロック20,30の外周部がOリングにより、ケース11の内周面に支承されることとによって、圧縮機本体はケース11の内部空間の所定位置に配置されている。
なお、回転軸51のうち、フロントサイドブロック30の軸受部32に支持された部分よりも外側部分には、リップシール15が配置されている。このリップシール15は、回転軸51を通じてハウジングの外部に冷凍機油Rが漏れるのを阻止している。
フロントヘッド12には、ラジアルボールベアリング14を介して 回転自在に伝達機構13が支持されており、この伝達機構13から回転軸51に動力が供給されて、圧縮機本体の回転圧縮動作が行われる。
また、圧縮機本体がケース11の内部に収容された状態で、リヤサイドブロック20の外面とケース11の内面とによって、圧縮された高圧の冷媒ガスGが圧縮機本体から吐出される吐出室21が形成され、一方、フロントサイドブロック30の外面とフロントヘッド12の内面とによって、圧縮機本体に供給される冷媒ガスGが吸入される吸入室34が形成されており、吐出室21は吐出ポート11aに連通し、吸入室34は吸入ポート12aに連通している。さらに、吸入室34は、フロントサイドブロック30の図示しない孔を介して、圧縮室48に連通されている。
なお、回転軸51の延びる方向において、吸入室34と吐出室21とは、圧縮機本体を挟んで反対側に配置されており、これら吸入室34と吐出室21とは、前述したOリング等によって気密に隔絶されている。
また、圧縮室48により高圧に圧縮され、吐出通路42(図2参照)および吐出弁43を通って吐出チャンバ44に吐出された、冷凍機油Rが混入した高圧の冷媒ガスGは、リヤサイドブロック20を厚さ方向に貫通して形成された2つの貫通孔26a,26bを通過して、圧縮機本体から吐出される。
ここで、2つの貫通孔26a,26bは、回転軸51に対して互いに点対称となる位置に形成されている。
さらに、このリヤサイドブロック20の、外方を向いた面には、図3(b)に示すように、各貫通孔26a,26bをそれぞれ気体入口部27a,27bとし、単一の凹状に形成された気体出口部28までそれぞれ延びる2本の吐出気体通路27c,27dを構成する2本の溝が形成されている。
リヤサイドブロック20の、外方を向いた面には、図1に示すように、圧縮室48から吐出されている冷媒ガスGから冷凍機油Rを分離するための油分離網60aを有するとともに、リヤサイドブロック20の軸受部22の開放端部を外側から覆うサイクロンブロック60が取り付けられているが、このサイクロンブロック60の、リヤサイドブロック20に向いた面(図3(a)において図示しない背面側)にも、リヤサイドブロック20に形成された2本の吐出気体通路27c,27dを構成する2本の溝に対応した位置に、吐出気体通路27c,27dを構成する2本の溝が形成されている。
そして、これらリヤサイドブロック20とサイクロンブロック60とにそれぞれ形成された2本の溝は、サイクロンブロック60がリヤサイドブロック20に取り付けられた状態での、例えば図3(a)におけるC−C線に沿った断面図である図4に示すように、溝同士が向き合って、閉断面となる吐出気体通路27dを形成する。なお、吐出気体通路27cについても吐出気体通路27dと同様に、リヤサイドブロック20とサイクロンブロック60とにそれぞれ形成された2本の溝同士が向き合って突き合わされることにより、閉断面となる。
なお、本実施形態のコンプレッサ100は、リヤサイドブロック20に形成された溝と、サイクロンブロック60に形成された溝とを互いに突き合わせて、2本の吐出気体通路27c,27dを形成した形態であるが、本発明に係る気体圧縮機は、この形態に限定されるものではなく、リヤサイドブロック20には、溝も閉断面の通路も形成せずに、サイクロンブロック60にのみ、閉断面の吐出気体通路27c,27dを形成してもよい。
また、サイクロンブロック60にのみ溝を形成し、リヤサイドブロック20には溝を形成しないものであっても、サイクロンブロック60の溝の断面開放部を、リヤサイドブロック20の外面によって塞ぐことで、吐出気体通路27c,27dを形成することができる。
そして、これら2つの吐出気体通路27c,27dは、それらの通路長L1,L2が非等長(L1≠L2;本実施形態においては、例えば、L1<L2に形成されている。)に形成されている。
サイクロンブロック60に備えられている油分離網60aは、吐出気体通路27c,27dが合流する気体出口部28に配置されており、各吐出気体通路27c,27dを通過して、気体出口部28から吐出された冷媒ガスGを通過させることにより、冷媒ガスGに混入している冷凍機油Rの凝集を促して、冷凍機油Rを冷媒ガスGから分離するものである。
そして、油分離網60aを通過して一部の冷凍機油Rが分離された後の冷媒ガスGは、サイクロンブロック60の外周枠部60bの内周面に沿って流れ、この流れの際に生じる遠心力によって、冷媒ガスGに残存している冷凍機油Rをある程度分離する。
このように、サイクロンブロック60によって分離された冷凍機油Rは、吐出室21内に滴下して、底部に溜められる。
圧縮室48から吐出室21に吐出された冷媒ガスGは高圧であるため、吐出室21の内部は高圧となる。また、冷媒ガスGは、吐出ポート11aを通って、コンプレッサ100の外部の凝縮器に供給される。
これに対して、吸入ポート12aには、空調システムの蒸発器から、冷媒ガスGが供給され、この冷媒ガスGは吸入室34を通って、容積が増大し始める行程にある圧縮室48に供給される。
一方、吐出室21の底部に溜められた冷凍機油Rは、このコンプレッサ100の摺動部等を潤滑・冷却・清浄する潤滑油としての機能と、ベーン58をシリンダ40の内壁面49aの方向に突出させるように圧力を作用させる作動油としての機能を有している。
ここで、冷凍機油Rが作動油として機能するときの作用について説明する。リヤサイドブロック20には、軸受部22に至る油路23が形成され、また、リヤサイドブロック20の内側端面には、軸受部22における油路23の開口から、軸受部22と回転軸51との間の微小隙間を通って、ロータ50の背圧室59に連通する凹部(サライ溝)25が形成されている。
また、シリンダ40の底部に、油路23に接続する貫通孔46が設けられ、フロントサイドブロック30に、この貫通孔46のフロントサイドブロック30側の開口と軸受部32とを連通させる油路33が形成されて、冷凍機油Rは、軸受部32と回転軸51との間の微小隙間を通過し、フロントサイドブロック30の内側端面に形成された凹部(サライ溝)35等に導かれる。
ここで、フロントサイドブロック30のサライ溝35も、リヤサイドブロック20のサライ溝25と同様、ロータ50の背圧室59に連通している。
吐出室21の内部圧力は、コンプレッサ100の運転中においては、圧縮室48から吐出された高圧の冷媒ガスGによって高圧とされており、吐出室21の底部に溜まった冷凍機油Rにも高圧が作用している。
この結果、冷凍機油Rは、油路23を通り、リヤサイドブロック20の軸受部22と回転軸51との間の微小隙間を通過することで絞りによる圧力損失を受けて、圧力損失を受ける前の高圧から受けた後の中間圧まで油圧が低下し、サライ溝25を介して、背圧室59に供給される。
一方、冷凍機油Rは、油路23、貫通孔46および油路33を通り、フロントサイドブロック30の軸受部32と回転軸51との間の微小隙間を通過することで絞りによる圧力損失を受けて、圧力損失を受ける以前の高圧から受けた後の中間圧まで油圧が低下し、サライ溝35を介して、背圧室59に供給される。
ロータ50には、スリット状のベーン溝56が放射状に、かつロータ50の回転軸回りに等角度間隔で5つ形成され、これらのベーン溝56に、前述のベーン58が挿入され、各ベーン58は、ロータ50の回転によって生じる遠心力と、ベーン溝56およびベーン58の底面によって画成された背圧室59に加えられる冷凍機油Rの油圧(中間圧)とにより、シリンダ40の内壁面49a方向へ突出させ、このベーン58の突出した先端がシリンダ40の内壁面49aに当接した状態に付勢され、シリンダの内壁面49aの輪郭形状変化に追従して、ベーン58の突出長さが変動する。
これにより、シリンダ40と、ロータ50と、ロータ50の回転方向について相前後する2つのベーン58,58と、フロントサイドブロック30と、リヤサイドブロック20とにより画成された各圧縮室48は、ロータ50の回転にしたがって容積の変化を繰り返し、圧縮気体(冷媒ガスG)が貫通孔26a,26bから吐出気体通路27c,27dに、交互に吐出される。
そして、2つの吐出気体通路27c,27dの出口は共通した単一の気体出口部28であるため、いずれの貫通孔26a,26bから吐出した圧縮気体Gも、この単一の気体出口部28から吐出される。
ここで、各圧縮室48は、回転軸51回りに等角度間隔で埋設されたベーン58によって仕切られているため、定格回転など、回転軸51が等角速度で回転しているとき、各貫通孔26a,26bを通過する圧縮室48の時間間隔は等時間間隔となり、しかも、2つの貫通孔26a,26bは回転軸51中心に対して点対称の位置にあるため、2つの貫通孔26a,26bからは等時間間隔で交互に圧縮気体が吐出される。
すなわち、回転軸51の1回転あたり、2つの貫通孔26a,26bから圧縮気体Gが10回、等時間間隔に吐出されるため、これら貫通孔26a,26bから圧縮気体Gが吐出室21に直接吐出されると、この吐出室21への吐出による10次の脈動がコンプレッサ100の振動成分となる。
しかし、本実施形態のコンプレッサ100は、各貫通孔26a,26bから吐出した圧縮気体Gが、サイクロンブロック60の、各貫通孔26a,26bに対応して形成された各気体入口部27a,27bから各吐出気体通路27c,27dを通って、両吐出気体通路27c,27dに共通して形成された単一の気体出口部28から、圧縮機本体の外部である吐出室21に吐出され、2つの吐出気体通路27c,27dの通路長L1,L2(気体入口部27c,27dから気体出口部28,28までの経路長さ)は非等長(L1<L2)であるため、一方の貫通孔26aから吐出した圧縮気体Gが気体出口部28に到達するための所要時間と、他方の貫通孔26bから吐出した圧縮気体Gが気体出口部28に到達するための所要時間とは同一とはならず、したがって、気体出口部28から吐出室21に吐出される圧縮気体の吐出周期は、2つの貫通孔26a,26bから吐出されたときの圧縮気体Gの吐出周期(10次)とは異なるものとなり、10次の振動成分は相対的に低減されることになる。
このように、本実施形態に係るコンプレッサ100によれば、コンプレッサ100の定格回転域において、このコンプレッサ100がカーエアコンシステムの構成要素として搭載される車両のエンジンが発生する振動等と共振を起こしたり、カーエアコンシステムの配管類やその他の構成要素に悪影響を与える場合がある10次の振動成分を抑制することができる。
なお、本実施形態に係るコンプレッサ100は、吐出気体通路27cの通路長L1が、吐出気体通路27dの通路長L2よりも短い実施形態であるが、これとは反対に、吐出気体通路27dの通路長L2が、吐出気体通路27cの通路長L1よりも短いものとしてもよい。
また、本実施形態に係るコンプレッサ100は、吐出気体通路27cの通路長L1と吐出気体通路27dの通路長L2とに差異を与えるように、気体出口部28の位置が設定されているが、各吐出気体通路27c,27dの気体入口部27a,27bから気体出口部28までの直線距離を同一とする位置に気体出口部28を設けてもよく、その場合、吐出気体通路27c,27dの通路長L1,L2に差異を設けるべく、少なくとも一方の吐出気体通路27cおよび/または27dの通路形状を屈曲させて、両通路27c,27dの通路長L1,L2に差異を与えればよい。
なお、回転軸51の定格回転数をN[rpm]、圧縮気体Gが吐出気体通路27c,27dを通過するときの流速をv[m/sec]としたとき、両通路27c,27dの通路長L1,L2の差ΔL(=L2−L1)は、12vn/N[m](ただし、nは自然数)に一致しないように設定されていることにより、少なくとも当該運転条件下では、気体出口部28において、両気体入口部27a,27bからそれぞれ吐出した2つの圧縮気体Gの吐出タイミングの位相差が(2n−1)π[rad]となることがなく、したがって、吐出室21に吐出される圧縮気体Gによる脈動の10次成分を低減することができる。
さらに、両通路27c,27dの通路長L1,L2の差ΔLは、6v(2n−1)/N[m]にも一致しないように設定されていることが好ましく、そのように設定されていることにより、少なくとも当該運転条件下では、気体出口部28において、両気体入口部27a,27bからそれぞれ吐出した2つの圧縮気体Gの吐出タイミングの位相差が0または2nπ[rad]となることがなく、したがって、吐出室21に吐出される圧縮気体Gによる脈動の5次成分をも低減することができる。
本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサを示す概略縦断面図である。 図1におけるA−A線に沿った断面を示す図である。 図1における矢視B方向からの、(a)サイクロンブロック単体の正面図、(b)サイクロンブロックを除去したリヤサイドブロックの正面図である。 図3(a)のC−C線に沿った要部断面を示す断面図である。
符号の説明
20 リヤサイドブロック(端板)
26a,26b 貫通孔
27a,27b 気体入口部
27c,27d 吐出気体通路
28 気体出口部
30 フロントサイドブロック(端板)
40 シリンダ
50 ロータ
51 回転軸
58 ベーン
60 サイクロンブロック(吐出気体導板)
100 コンプレッサ(気体圧縮機)
G 冷媒ガス(気体)
R 冷凍機油(作動油、潤滑油)
L1,L2 通路長

Claims (2)

  1. 回転軸と一体的にその軸回りに回転する円柱状のロータと、該ロータの外周面の外方を取り囲む内壁面の輪郭形状が楕円状に形成されたシリンダと、前記ロータの軸回りに等角度間隔で埋設されて、その突出側先端が前記シリンダの内壁面の輪郭形状に追従するように、該ロータの外周面からの突出長さが可変とされ、前記ロータの外周面と前記シリンダの内壁面とによって区画された空間を仕切る5枚の平板状のベーンと、前記ロータ、前記シリンダおよび前記ベーンの両端面側にそれぞれ配設されて、前記仕切られた空間を外部から隔絶する2つの端板とを有し、
    前記2つの端板のうち一方の端板の、前記軸に対して互いに点対称となる2つの部分に、前記ロータ、前記シリンダ、前記ベーンおよび前記端板により画成された圧縮室から、前記回転軸の回転に伴って圧縮された圧縮気体を外部に吐出させるための、該端板を厚さ方向に貫く貫通孔がそれぞれ形成されているとともに、
    前記2つの貫通孔の位置にそれぞれ対応して形成された2つの気体入口部とこれら気体入口部とは異なる位置に形成された単一の気体出口部とを連通した2つの吐出気体通路を有し、または前記2つの吐出気体通路が前記端板との結合により形成される吐出気体導板が、前記貫通孔が形成された前記端板に取り付けられてなる気体圧縮機において、
    前記2つの吐出気体通路は、それらの通路長が非等長となるように形成され、
    前記回転軸の定格回転数をN[rpm]、前記圧縮気体が前記吐出気体通路を通過するときの流速をv[m/sec]としたとき、前記2つの吐出気体通路の通路長の差ΔLが、以下の条件を満たすように設定されていることを特徴とする気体圧縮機。
    ΔL≠12vn/N[m](ただし、nは自然数)
  2. 前記気体出口部は、前記2つの気体入口部からの距離が異なる位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
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