JP2014012833A - 光学部材、電子基板、光学部材の製造方法、電子基板の製造方法 - Google Patents

光学部材、電子基板、光学部材の製造方法、電子基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱成形により架橋することができ、線膨張係数が低く、かつ成形収縮が小さい光学部材、電子基板、光学部材の製造方法、電子基板の製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(7)で示す構造単位を含む架橋重合体からなることを特徴とする光学部材。
Figure 2014012833

【選択図】なし

Description

本発明は、線膨張係数が低く、成形収縮が小さい光学部材、電子基板、光学部材の製造方法、電子基板の製造方法に関する。
光学部材(レンズやミラー等)や電子基板(プリント基板等)には、軽量で成形が容易なことから、プラスチックが有用であることは知られている。こういった光学部材や電子基板においては、製造時や使用時にさまざまな温度の環境で用いられることが想定され、熱変形しにくい、すなわち、線膨張係数が小さく、かつ、成形時の収縮が小さい材料が求められている。
一般に、光学部材の分野では、吸水性が低く、透明性が高いことから、環状オレフィンポリマーがレンズ等の光学部材に利用されている。また、電子基板の分野では、プリント基板や半導体実装用基板等において、おもに耐熱性の高いポリイミド等の樹脂が利用されている。
しかしながら、高解像度を実現する高精度な光学部材や、集積化が顕著に進んでいる電子基板で利用するためには、線膨張係数の低減が強く求められている。特に、環状オレフィンポリマーは線膨張係数が高く、使用できる用途に制限が大きい。一方、ポリイミドは、線膨張係数はきわめて低いものの、成形性が悪く、用途の制限がある。
非特許文献1では、ビニルベンゾシクロブテンとメタクリル酸メチルの共重合体を架橋した厚さ4μmの薄膜において、ガラス転移温度(Tg)が向上し、耐熱性が向上したと報告されている。
特許文献1では、多官能(メタ)アクリレート化合物から構成される重合体が開示されており、線膨張係数の小さい成形体を製造できるとされている。
特開2005−280261号公報
Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.46,2799から2806(2008),"Styrene 4−Vinylbenzocyclobutene Copolymer for Microelectronic Applications"
しかしながら、非特許文献1において開示されている線膨張係数では、近年、高い性能を要求されるようになってきた光学部材や電子基板において利用する場合、満足のいくレベルになく、用途の制限がある。また、特許文献1の重合体では、(メタ)アクリレート化合物により好適な線膨張係数が得られているが、成形方法の制限が多く、(メタ)アクリル基の重合に伴う成形収縮もきわめて大きく、光学部材や電子基板への利用は困難である。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、線膨張係数が低く、かつ成形収縮が小さい光学部材及び電子基板を提供するものである。
本発明に係る第1の光学部材は、下記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体からなることを特徴とする。
Figure 2014012833
(式中、R、Rは、互いに独立に−Hもしくは−CHであり、m、nは、互いに独立に0から3の範囲の整数である。式中の*は結合手を示し、Xa、Xbのいずれか一方に結合し、残りの一方には−Hが結合する。)
本発明に係る第1の電子基板は、下記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体からなることを特徴とする。
Figure 2014012833
(式中、R、Rは、互いに独立に、−Hもしくは−CHであり、m、nは、互いに独立に、0から3の範囲の整数である。式中の*は結合手を示し、Xa、Xbのいずれか一方に結合し、残りの一方には、−Hが結合する。)
本発明に係る第1の光学部材の製造方法は、
下記一般式(2)に示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体に熱もしくはマイクロ波を付与する工程(i)と、
前記工程(i)により得られる重合体を成形する工程(ii)と、
を有することを特徴とする。
Figure 2014012833
(一般式(2)において、Rは−Hもしくは−CHであり、sは0から3の範囲の整数である。)
本発明に係る第1の電子基板の製造方法は、下記一般式(2)に示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体に熱もしくはマイクロ波を付与する工程(i)と、
前記工程(i)により得られる重合体を成形する工程(ii)と、
を有することを特徴とする電子基板の製造方法。
Figure 2014012833
(一般式(2)において、Rは−Hもしくは−CHであり、sは0から3の範囲の整数である。)
本発明によれば、線膨張係数が低く、かつ成形収縮が小さい光学部材、電子基板、光学部材の製造方法、電子基板の製造方法を提供することができる。
吸光度のピーク高さの算出方法の一例を示す図である。 本発明による光学部材の一実施態様のレンズを示す断面図である。 本発明による電子基板の一実施態様のプリント基板を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の一実施態様に係る光学部材及び電子基板は、下記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体からなる。
本発明の他の実施態様に係る光学部材及び電子基板は、下記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造および下記一般式(2)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体、である。
Figure 2014012833
(一般式(1)において、R、Rは、互いに独立に−Hもしくは−CHであり、m、nは、互いに独立に0から3の範囲の整数である。式中の*は結合手を示し、Xa、Xbのいずれか一方に結合し、残りの一方には−Hが結合する。)
Figure 2014012833
(一般式(2)において、Rは−Hもしくは−CHであり、sは0から3の範囲の整数である。)
一般式(1)に示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体からなる光学部材及び電子基板は、一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体からなる架橋体であり、例えば、下記の一般式(4)で示すビニル基を有するベンゾシクロブテン単量体を重合して得られた、下記の一般式(2)に示す繰り返し構造単位を有する重合体であるベンゾシクロブテニル基を有するビニル重合体を加熱成形し、架橋することで得ることができる。
Figure 2014012833
Figure 2014012833
(一般式(2)及び(4)において、Rは−Hもしくは−CHであり、sは0から3の範囲の整数である。)
本発明において、架橋体とは、架橋している重合体を表す。
本発明は、熱成形により架橋することができ、線膨張係数が低く、かつ成形収縮が小さい光学部材及び電子基板を提供することができる。本実施形態に係る架橋体は、光学部材及び電子基板において好適に使用することができる。光学部材や電子基板としては、光学レンズ類、導光板、保護フィルム、偏向フィルム、位相差フィルム、タッチパネル、透明電極基板、CD、MD、DVD等の光学記録基板、TFT用基板、カラーフィルター基板封止材等の電子材料やプリプレグ、樹脂付き銅箔、プリント配線板、アンテナ基板等を挙げることができる。
鋭意検討した結果、本発明では、本発明に係わる架橋体の架橋率を高くすることで、線膨張係数が飛躍的に低減することを見出した。さらに、通常であれば、架橋率を上昇した場合、架橋による収縮が発生すると考えられるが、本発明では、本発明に係わる架橋体が、例えば100μm以上の厚みのある光学部材や電子基板に熱成形により用いた場合であっても、密度変化が微小であり、高度な形状精度を必要する近年の光学部材や電子基板にきわめて好適であることを見出した。
(ビニル基を有するベンゾシクロブテン単量体)
一般式(4)に示す単量体は、Kirchhoffら(PCT.Int.Appl.(1987),WO87/05303,pp.113)やEndoら(Journal of Polymer Science,Part A:Polymer Chemistry (1995),33(4),pp.707−15)の報告にあるような公知の方法で合成することができる。
一般式(4)に示す単量体は、重合体の熱的安定性の点から、Rは−Hであることが好ましい。また、sについては、sが大きすぎると分子の運動性が高まり、線膨張係数が高くなってしまうと考えられ、本発明の用途としては、sは0から3の整数であることが好ましく、さらに好ましくはsが0の場合である。
具体的には、Rが−H、sが0のとき、一般式(4)に示す単量体は、下記化学式(5)に示すように4−ビニルベンゾシクロブテンとなる。
Figure 2014012833
(ベンゾシクロブテニル基を有するビニル重合体)
一般式(2)に示すベンゾシクロブテニル基を有するビニル重合体は、一般式(4)に示すビニル基を有するベンゾシクロブテン単量体をラジカル重合やアニオン重合といった公知の重合方法によって重合することなどにより得ることができる。
ベンゾシクロブテニル基を有するビニル重合体を得る重合方法としては特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができる。このような公知の重合方法としては、例えば、溶液重合法、エマルション重合法、ソープフリーエマルション重合法、溶媒を用いないモノマーのみによる重合法、懸濁重合法、ラジカル重合法、アニオン重合法、光重合法、熱重合法等が挙げられる。その際に重合開始剤を用いる場合、アゾ系の熱重合開始剤(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等)、過酸化物系の重合開始剤(過酸化ベンゾイル等)、水溶性の重合開開始剤(過硫酸アンモニウム等)、アニオン重合用開始剤(n−ブチルリチウム等)、光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等)を適宜選択しても散ることができる。溶剤を用いる場合、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、イソプロパノール、水等の公知のものを適宜選択して用いることができる。また、必要に応じ、n−ドデカンチオール等のアルカンチオールを連鎖移動剤と用いて分子量を調整してもよい。
このような重合反応における諸条件は、採用する重合方法に沿って適宜設定することができるものであり、特に制限されないが、重合開始剤の含有量としては、単量体に対して、0.01から10mol%程度が好ましく、重合体の分子量を適度に調整するため、特に0.01から1mol%が好ましい。さらに、単量体の濃度としては、10から100wt%が好ましいが、重合中のゲル化の抑止しつつ、重合反応の進行を促進するとともに、収率を高く保つために、特に30wt%から60wt%が好ましい。連鎖移動剤の添加量としては、前記単量体に対して0乃至100mol%とすることができるが、特に0.1mol%から10mol%が好ましい。また、重合反応雰囲気は、大気中でも構わないが、酸素による重合阻害を抑制するために、特に窒素などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。重合温度については、−100から150℃の範囲から、重合開始剤に応じて適時選ぶことができるが、重合反応の扱いやすさから、特に40℃から80℃の範囲が好ましい。重合反応時間は、1から48時間程度とできるが、4から12時間程度が好ましい。
また、重合反応後、未反応の単量体を除去するため、再沈殿法、蒸留法等を用いて精製してもよい。再沈殿法を用いている場合、ベンゾシクロブテニル基を有するビニル重合体が不溶であり、単量体が溶解するようなアセトン、メタノール、ヘキサン等の公知の溶媒に、重合体の溶解した溶液を滴下することで、重合体が沈殿し、固形分として単量体が除去された重合体を回収することができる。
ベンゾシクロブテニル基を有するビニル重合体の分子量は特に限定されないが、熱成形時の加工性の点から、数平均分子量で2,000から200,000の範囲が好ましい。特に、分子量が小さい場合、高分子鎖の運動性が高まることから、架橋体製造時の架橋反応の反応性を高め、低温での架橋処理においても十分に架橋率を高まる。結果、低温かつ短時間で効率よく架橋率を高めることができ、架橋と並行して起こると考えられるビニル重合体主鎖の分解反応を抑制しつつ、低い線膨脹係数が実現可能となる。このような特徴を発言するためには、数平均分子量で2,000〜10,000、あるいは、ガラス転移温度が115℃以下の重合体がさらに好ましい。また、架橋前の重合体のハンドリングのよさの点から、数平均分子量で4,000以上8,000以下の範囲がより好ましい。前記連鎖移動剤を適時用いることで所望の分子量をもつ重合体を得ることができる。
分子量を制御する目的で添加する連鎖移動剤としては、一般にアルキルメルカプタン類(n−ブチルメルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等)、チオフェノール類(チオフェノール、m−ブロモチオフェノール、p−ブロモチオフェノール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール等)、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(α−メチルスチレン)等の公知の連鎖移動剤を用いることができる。
また、重合体は一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有するホモポリマーであることが好ましいが、ベンゾシクロブテニル基を有さない構造単位として第三の構造単位を、共重合により重合体中に導入したものであっても良い。第三の構造単位を形成するために、共重合体させる単量体としては、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル単量体、スチレン等のビニル系単量等を挙げることができる。しかし、ベンゾシクロブテニル基を有するビニル系単量体以外の、架橋に寄与しない第三の構造単位の量が増加すると、本発明の効果を十分に得ることができなく可能性があるため、重合体中のベンゾシクロブテニル基を有さない単量体の量は、モル比にして1mol%以上70mol%以下が好ましい。また、架橋に関与しない構造単位が増加すると線膨脹係数が低下すると考えられ、架橋体の架橋率を低下させないためにも、1mol%以上20mol%以下がさらに好ましい。
一般式(2)において、Rが−H、sが0のとき、下記化学式(6)に示すように4−ビニルベンゾシクロブテン重合体となる。
Figure 2014012833
(本実施形態に係わる架橋体)
本実施形態に係る架橋体は、一般式(1)で示す構造単位と一般式(2)で示す構造単位を有し、一般式(1)で示す構造単位の含有量と一般式(2)で示す構造単位の含有量の合計を100重量%とした際に、一般式(1)で示す構造単位の含有量が20重量%以上100重量%未満である、もしくは架橋体が一般式(2)で示す構造単位を有さず、一般式(1)で示す構造単位の含有量が100重量%である。
本実施形態に係る架橋体は、上記の重合体を加熱することによって得られるため、架橋剤や架橋助剤等が不要であり、簡易に得ることができ、さらにエチレン等の副生成物を発生しない。さらに、得られる架橋体は線膨張係数が低いという特徴を有する。また、開環することにより架橋が形成されることで、化学結合生成によって一般に発生すると想定される収縮がきわめて少なくなり、成形時に密度変化が発生せず、ひけ等の形状不良の発生を抑制する効果を有する。成形収縮が少ないことで、本発明に係わる架橋体による光学部材では、画像の劣化を効果的に抑制でき、一方、本発明の電子基板であれば、電気基板上に正確に回路等を搭載することが可能となる。また、本発明の実施形態に関わる架橋体は、透明性を有し、複屈折も少ないため、光学用途での好適である。しかし、未架橋体は、成型時にベンゾシクロブテン基の芳香環がスタッキングを起こし、配向するために、複屈折が若干生じる傾向にある。しかし、加熱により架橋体とすることで、この芳香環のスタッキングが緩和され、複屈折も低減できる。このため、本発明の実施形態に関わる架橋体は、特に光学部材として好適に用いることができる。
また、本実施形態に係る架橋体は、前記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。一般式(1)中のR、Rは、互いに独立に、−Hもしくは−CHであり、m、nは、互いに独立に、0から3の範囲の整数である。架橋体の熱安定性の観点から、R、Rは、−Hであることが好ましく、低線膨張を実現するために架橋構造の運動を抑制するために、m、nは0であることが好ましい。特に、R、Rが−H、m、nが0である場合、下記一般式(3)に示す構造単位を有することになり、本発明の架橋体ではきわめて好適である。
Figure 2014012833
(式中の*は結合手を示し、Xa、Xbのいずれか一方に結合し、残りの一方には、−Hが結合する。)
本実施形態に係る架橋体は、前記一般式(2)のベンゾシクロブテニル基を有するビニル重合体の加熱処理及び/またはマイクロ波照射処理することにより得られる。
一般式(2)中のベンゾシクロブテニル基は、180℃以上の熱をかけることで、四員環が開環し、二量化反応を起こし、前記一般式(1)で示した構造を取る。このベンゾシクロブテニル基の二量化反応によって、ビニル重合体の主鎖同士が架橋されることとなる。Marksらの報告(Macromolecule(1994),27,pp.4114から4126)にあるように、二量化反応をした場合、下記の一般式(7)および一般式(8)に示すような構造となる。
Figure 2014012833
Figure 2014012833
(前記一般式(7)及び(8)中のRは、下記一般式(9)の構造となる。
Figure 2014012833
(一般式(9)中の*は結合手であり、一般式(7)または(8)のRに結合する。Rは−Hもしくは−CHであり、sは0から3の範囲の整数である。)
本発明に係わる架橋体では、前記に説明したようにベンゾシクロブテニル基により架橋構造が形成されることで、重合体主鎖の熱運動が抑制され、線膨張係数が低減されると考えられる。本発明の効果を得るためには、一般式(2)で示したベンゾシクロブテニル基を有するビニル重合体の架橋率が、20%以上100%以下、好ましくは40%以上100%以下、さらに好ましくは95%以上100%以下が望ましい。一般式(1)で示す構造単位の含有量により示すと、本発明に係わる架橋体における、一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造および一般式(2)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体における、一般式(1)で示す構造単位の含有量(言い換えれば、一般式(1)で示す構造単位の含有量+一般式(2)で示す構造単位の含有量を100重量%とした時の一般式(1)で示す構造単位の含有量)が20重量%以上100重量%未満、好ましくは60重量%以上100重量%未満、さらに好ましくは95重量%以上100重量%未満、最も好ましくは100重量%であることが望ましい。架橋率が20%以上100%以下の場合、本発明に係わる架橋体の線膨張係数は40ppm/K以下となり、光学部材の中でも、走査光学系やミラー等の材料として好適となる。また、架橋率が40%以上100%以下の場合、本発明に係わる架橋体の線膨張係数は30ppm/K以下となり、レンズに代表される撮像光学系や電子基板等の材料として好適となる。
本発明の光学部材及び電子基板には、本発明の効果を損なわない範囲で、重合体の機械特性、電気特性、光学特性などの改善を目的に充填剤を添加してもよい。用いられる充填剤は特に限定はなく、無機物であっても有機物であってもよい。
無機物としては、酸化ケイ素、金属酸化物、ダイヤモンド、金属複酸化物、金属硫化物、金属化合物半導体、金属のいずれかからなることが好ましい。金属酸化物の例としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化テルル、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫等が挙げられる。金属複酸化物の例としては、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム等が挙げられる。金属化合物半導体の例としては、硫化亜鉛、硫化カドミウム等の金属硫化物、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、テルル化亜鉛、テルル化カドミウム等が挙げられる。金属の例としては、金などが挙げられる。また、1種類の無機粒子に他の無機成分を被覆した、いわゆるコア−シェル型無機粒子を使用することもできる。また、無機粒子の形状は、球状、楕円状、扁平状、ロッド状などいずれの形状であっても良い。
また、後述する光学部材に透明性が必要な場合には、無機物の散乱を抑制するために、用いる無機物の平均一次粒子径は30nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。本明細書において、平均一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)によって測定された粒子径である。
有機物としては、木粉、デンプン、有機顔料、ポリスチレン、ナイロン、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、塩化ビニル、各種エラストマー、及び廃プラスチック等が挙げられる。
また、充填剤としては、上記の無機物及び有機物の他、チョップド(chopped)ストランドやミルドファイバー等の短繊維長繊維を用いることもできる。繊維の種類としては、ガラス繊維、カーボン繊維、及び金属繊維等の無機繊維や;アラミド繊維、ナイロン繊維、ジュート繊維、ケナフ繊維、竹繊維、ポリエチレン繊維、延伸ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、及び延伸ポリプロピレン繊維等の有機繊維が挙げられる。
さらに、充填剤として難燃剤を用いてもよい。例えば、金属水酸化物などの無機物からなる難燃剤や、含リン化合物、含ハロゲン化合物、及び含窒素化合物などの有機物からなる難燃剤が挙げられる。中でも、環境負荷低減という観点から、金属水酸化物からなる難燃剤が好ましい。金属水酸化物からなる難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性酸化マグネシウム、及びドーソナイト等が挙げられる。
また、本発明に係わる光学部材及び電子基板には、劣化防止剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、耐光安定剤、可塑剤、赤外吸収剤等の公知の添加材を添加してもよい。
酸化防止剤は、上記光学部材の酸化による劣化を抑制する材料であれば特に限定されないが、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなく、成形時の酸化劣化等による着色や強度低下を防止できる。
耐光安定剤は、上記光学部材に光が当たることによる劣化を抑制する材料であれば特に限定されないが、例えば、としては、ベンゾフェノン系耐光安定剤、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤等が挙げられるが、本実施形態においては、透明性、耐着色性等の観点から、ヒンダードアミン系耐光安定剤を用いるのが好ましい。
一般式(1)で示す構造単位、及び、未架橋の一般式(2)で示す構造単位を有する重合体(成分A)の線膨張係数は本実施例から20ppm/Kに到達できることが分かる。本発明の光学部材及び基電子基板に含まれる成分A以外の樹脂(成分B)の線膨張係数は、一般的に70ppm/K程度と想定される(メタクリル酸メチル等)。成分Aと成分Bの密度はおおよそ同一であると仮定することで、加成則に基づき線膨張係数を計算すれば、20(本発明の実施例の線膨張係数)×0.6(成分Aの重量%)+75(一般の樹脂の線膨張係数)×0.4(成分Bの重量%)=40ppm/Kとなり、本発明の効果を十分に得るためには成分Aが60重量%以上必要であると考えられる。よって、本発明に係わる光学部材及び電子基板において、好適な線膨張係数を得るために、無機成分を除いた有機成分の中で、一般式(1)で示す構造単位、及び、未架橋の一般式(2)で示す構造単位を有する重合体が、60重量%以上含まれていることが好ましく、95%以上100%以下であることがさらに好ましい。
光学部材及び電子基板における有機成分量については、熱重量分析(TG)等の公知の方法で求めることができる。また、有機成分中の、一般式(1)で示す構造単位を有する架橋体、及び、未架橋の一般式(2)に示す重合体の量は、核磁気共鳴測定、フーリエ赤外分光測定、同時示差熱天秤質量分析、元素分析測定等の公知の分析手段を用いて同定することができる。
(ベンゾシクロブテニル基の架橋率の算出方法)
本発明に係わる架橋体の架橋率とは、以下の方法で定義できる。
架橋体についてフーリエ赤外分光測定(FT−IR)を行い、吸光度のスペクトルを得る。FT−IRの測定では、透過法や全反射法等任意の方法を用いることができる。
架橋体のFT−IRスペクトルにおいて、架橋反応前後で1475cm−1付近のピークの減少と1500cm−1付近のピークの増加を観測することができ、架橋体の構造の同定を行うことができる。また、芳香環に由来の820cm−1のピークには強度の変化は見られない。
架橋率を求める場合、FT−IR吸光スペクトルの上記ピークの高さや面積を用いて、算出することができる。
具体的には、吸光スペクトルからピークの高さを求める場合、図1で示したようにピークに対して基準線を引き、ピーク頂点から垂線を下ろし、この垂線と基準線の交点からピークの頂点までの高さを求める方法がある。
本発明に係わる架橋体で架橋率の算出においては、架橋率を求める架橋体及び未架橋の重合体について、前記一般式(2)のベンゾシクロブテニル基(BCB)に由来するピークが1475cm−1に確認でき、上記で説明した方法でピーク高さをそれぞれ求める。また、同様に、芳香環(Bz)由来の820cm−1のピーク高さをそれぞれ求める。これらピーク高さから、下記式(1)に基づき、架橋率が算出される。
架橋率(%)=100×[1−{(BCB/Bz)/(BCB/Bz)}]・・・式(1)
BCB:架橋率を求める架橋体のBCB由来の1475cm−1におけるピーク高さ。
Bz:架橋率を求める架橋体のBz由来の820cm−1におけるピーク高さ。
BCB:未架橋の重合体のBCB由来の1475cm−1におけるピーク高さ。
Bz:未架橋の重合体のBz由来の820cm−1におけるピーク高さ。
面積を用いて計算する場合、前記式(1)中のピーク高さの代わりに、ピークと基準線で囲まれた範囲の面積を用い計算し、架橋率を用いることができる。
(架橋体の製造方法)
本実施形態に係る架橋体の製造方法は、前記ベンゾシクロブテニル基を有するビニル重合体の加熱処理及び/またはマイクロ波照射処理することにより得られる。
加熱処理における加熱温度は、前記重合体のベンゾシクロブテニル基の四員環が開環する温度であれば特に限定されないが、180℃乃至400℃が好ましく、200℃乃至300℃がより好ましい。加熱温度が低いと架橋が不十分であり、線膨張率が十分に低下しない。また、加熱温度が高いと重合体及び架橋体の熱による分解が始まるからである。
マイクロ波照射処理におけるマイクロ波の周波数は、前記重合体のベンゾクロブテニル基が開環する周波数であれば特に限定されないが、周波数2.45GHzまたは5.8GHzのマイクロ波を照射して形成される。使用されるマイクロウエーブの周波数は、それぞれ、いわゆるISMバンドに対応した2.45GHz帯の2,450±50MHzまたは5.8GHz帯の5,800±75MHzの周波数をさす。なお、マイクロ波の照射は、異なる条件で複数回行ってもよい。マイクロ波照射時の温度は、特に限定されないが50から400℃が好ましく、より好ましくは80から300℃、特に好ましくは100から200℃である。
加熱処理とマイクロ波照射処理は、同時にまたは順次(どちらの処理が先でも構わない)行ってもよい。
本発明の架橋体の酸化劣化を防止するという観点から、加熱処理及び/またはマイクロ波照射処理時の周囲の雰囲気はアルゴン、ヘリウム、窒素等の不活性雰囲気を用いることが好ましい。
(光学部材)
本発明の実施形態に係わる光学部材について、図2を用いてその一例を説明する。図2(a)は、本発明に係る光学部材101からなる凸レンズである光学レンズを示している。図2(b)は、ガラスのような無機材料からなる基材103の上に、本発明に係る光学部材102が形成された光学レンズを示している。
光学レンズは、表面に図2の101aや102bで示した反射防止膜やハードコート等の層が設けられていてもよく、反射防止膜と本発明に係わる光学部材との間に中間層を設けてもよい。反射防止膜は特に限定されないが、光学レンズの屈折率と近い屈折率を有するものであることが好ましい。また、中間層は特に限定されないが、光学レンズの屈折率と反射防止膜の屈折率との間の値をもつ材料からなることが好ましい。また、光学レンズにおいて、内面反射を低減するため、光が通過できない部分、通常は光学レンズ側端部(通称はコバ部)等に、使用波長域において実質不透明な膜を形成してもよい。
本発明に係わる光学部材では、成形収縮が少なく、ひけ等の形状不良の発生を抑制され、光学用途に好適である。さらに、架橋率が20%以上100%以下の場合、本発明に係わる架橋体の線膨張係数は40ppm/K以下となり、走査光学系や、対物レンズと撮像素子とのあいだに配置されるミラー等の用途に好適となる。また、架橋率が40%以上100%以下の場合、本発明に係わる架橋体の線膨張係数は30ppm/K以下となり、光学レンズや光学プリズムに代表される撮像光学系の用途に好適となる。
本実施形態に係る光学部材の例は、光学レンズや光学プリズムとしては、カメラの撮像系レンズ;顕微鏡、内視鏡、望遠鏡レンズ等のレンズ;眼鏡レンズ等の全光線透過型レンズ;光ディスク用途としては、CD、CD−ROM、WORM(追記型光ディスク)、MO(書き変え可能な光ディスク;光磁気ディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)等光ディスクのピックアップレンズ;走査光学系のレンズとしては、レーザビームプリンターのfθレンズ、センサー用レンズ等のレーザ走査系レンズ;カメラのファインダー系のプリズムレンズ等が挙げられる。その他の例としては、対物レンズと撮像素子とのあいだに配置されるミラー;液晶ディスプレイ等の導光板;偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム等の光学フィルム;光拡散板;光カード;等が挙げられる。
(カメラの撮像系レンズ)
本実施形態に係る光学部材は、上記の例の中でもカメラの撮像系レンズであることが好ましい。また、レンズの形状は、例えば、球面レンズ、非球面レンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、カマボコ型レンズ、シリンドリカルレンズ等とすることができる。これらのレンズは、例えば、レンズ付き携帯電話、デジタルカメラ、DVD、光通信機器、車載カメラ、Webカメラ、プロジェクター等に使用される。また、レンズ付き携帯電話、デジタルカメラ等の用途に広く使用されているカメラモジュールに組み込まれるレンズであってもよい。
本実施形態の光学部材は、レンズとして用いる場合、最大厚みが0.1mm以上であることがレンズ性能の観点から好ましく、0.1〜5mmの厚みであることがより好ましく、1〜3mmの厚みであることが特に好ましい。全光線透過率に関しては、波長550nmにおいて厚さ1mm換算の全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上である。線膨張係数に関しては40ppm以下が好ましい。
また、本実施形態の光学部材をレンズとして用いる場合、レンズ表面に反射防止膜が設けられていてもよく、反射防止膜とレンズとの間に中間層を設けてもよい。反射防止膜は特に限定されないが、レンズの屈折率と近い屈折率を有するものであることが好ましい。また、中間層は特に限定されないが、レンズの屈折率と反射防止膜の屈折率との間の値をもつ材料からなることが好ましい。レンズの表面とは、レンズの有する面を指し、反射防止膜は、レンズの有する全ての面に設けられていてもよく、一部の面、面の内の一部の領域に設けられてもよいが、少なくともレンズの主面に設けられていることが好ましい。
(光学部材の製造方法)
本実施形態に係る光学部材の作製方法の一例について説明する。光学部材は、まず、上記のベンゾシクロブテニル基を有した重合体を調製した後、得られた前記重合体を成形する工程を経て作製される。成形方法としては、特に制限されるものではないが、目的の光学部材の形状に適した成形法を用いることが好ましい。例えば、射出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、回転成形法、真空成形法、押出成形法、カレンダー成形法、溶液流延法、熱プレス成形法、インフレーション法、溶剤キャスト法がある。
また、光学部材は、球状、棒状、板状、円柱状、筒状、チューブ状、繊維状、フィルムまたはシート形状等種々の形態で使用することができる。
以下、光学部材の一例として光学レンズの製造方法について説明する。光学レンズは、上記の重合体を所望のレンズ形状に成形することにより得られる。成形方法は特に限定されないが、低複屈折性、機械強度、寸法精度等の特性に優れた成形物を得る為には溶融成形が好ましい。溶融成形法としては、例えば、市販のプレス成形、市販の押し出し成形、市販の射出成形等が挙げられるが、射出成形は成形性がよく、生産性が高いため、好ましい。
成形条件は使用目的、または成形方法により適宜選択されるが、例えば、射出成形をするときにおける重合体の温度は、100℃乃至400℃の範囲にあることが好ましい。さらに、成形加工中が不活性ガス下または真空下で行われるとより好ましい。また、成形型に前記重合体を注入したあと、ベンゾシクロブテニル基の二量化反応が発生する温度以上に温度を加温する。該温度範囲である場合、該重合体が成形時に適度な流動性を有し、成形品のヒケやひずみを生じにくく、重合体の熱分解によるシルバーストリークの発生がしにくく、さらに、成形物の黄変がしにくいからである。また、不活性ガス下または真空下の場合、成形物の黄変が顕著に抑制されるからである。
(電子基板)
本発明に係わる電子基板について、図3のプリント基板の例を用いてその一例を説明する。
図3で示したプリント基板301は、配線層302、303、304からなり、その上に電子部品321が実装されている。
配線層302、303、304は、線膨張係数の低い本発明に関わる重合体からなり、そのうえに複数の配線パターン311、312が形成されている。配線層302の表面側には複数の端子313が設けられ、電子部品321の電極322と接続されている。
また、配線層303には、スルーホール315が形成されている。スルーホール315は、配線層302、304の各層に形成された配線パターン311、312と導通している。
配線パターン311、312は、接地用配線、電力供給用配線又は信号用配線として機能するものであり、高導電率である銅からなる金属材料により形成されたものを使用することができる。配線パターン311、312は、厚みが例えば0.2μm以上1μm以下となっている。例えば、配線パターン311が銅箔である場合、配線パターンを施すため、エッチングレジストをシルク印刷し、その後、エッチングレジスト印刷を施していない部分の銅箔を除去し、残留したエッチングレジストを除去することで、配線パターンを作製することができる。また、配線パターン間の絶縁と半田付け工程で余計な部分に半田を付着させないために、ソルダーレジストをシルク印刷しその後、紫外光を用いた硬化処理を施すことで、絶縁処理をしてもよい。
配線層302、303、304は、配線の強度を高めるものであり、厚みが例えば0.1mm以上1mm以下に設定される。また、実装された電子部品321および配線パターンの線膨張係数に合わせるため、平面方向及び厚み方向への線膨張係数が例えば5ppm/K以上30ppm/K以下に設定されていることが好ましい。
本発明に係わる電子基板においては、架橋率が20%以上100%以下の場合、本発明に係わる架橋体の線膨張係数は30ppm/K以下となり、かつ、成形収縮が少なく、配線が施される面の精度も高いことから、プリント配線基板、ビルドアップ基板等に使用でき、例えば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ装置又はその周辺機器等の電子機器に実装する電子基板としての用途に好適となる。
(電子基板の製造方法)
本発明に係わる電子基板の製造の一例を説明する。電子基板を作製する場合、成形方法は特に限定されないが、機械強度、寸法精度等の特性に優れた成形物を得る為には溶融成形が好ましい。溶融成形法としては、例えば、市販のプレス成形、市販の押し出し成形、市販の射出成形等が挙げられるが、特に射出成形の成形性がよく、生産性が高いため、好ましい。
成形条件は成形方法により適宜選択されるが、例えば、射出成形をするときにおける重合体の温度は、100℃乃至400℃の範囲にあることが好ましい。さらに、成形加工中が不活性ガス下または真空下で行われるとより好ましい。また、成形型に前記重合体を注入したあと、ベンゾシクロブテニル基の二量化反応が発生する温度以上に温度を加温する。該温度範囲である場合、該重合体が成形時に適度な流動性を有し、成形品のヒケを生じにくく、重合体によるシルバーストリークの発生がしにくく、さらに、成形物の黄変がしにくいからである。また、不活性ガス下または真空下の場合、成形物の黄変が顕著に抑制されるからである。
以下に本発明を詳しく説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例で用いた重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度、線膨張係数、架橋率、及び、密度は、次に述べる方法で測定した。
(1)数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエションクロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography、GPC)装置(ウォーターズ(WATERS)社製)で、Shodex LF−804 カラム(昭和電工株式会社製)を2本直列に配置し、40℃、展開溶媒としてTHFを用い、RI(Refractive Index、示差屈折率)検出器により測定した。得られた数平均分子量及び重量平均分子量は標準ポリスチレン換算値である。
(2)ガラス転移温度(Tg)
JIS−K7121に基づいて示差走査型熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 DSC7020)により昇温速度10℃/分の条件で、まず30℃から145℃の昇温を行った後、30℃から200℃まで昇温を行い、Tgを求めた。
(3)線膨張係数
プラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法(JIS−K7197)に基づき、得られた硬化物を長さ1cmの短冊状の試験片として切り出し、試験片を熱機械分析装置(TMA、株式会社リガク製 Thermo Plus EVO TMA8310)に取り付け、窒素気流下(毎分100mL/min)にて、昇温速度5℃/分の条件で、−40℃から80℃の昇温及び降温を2回繰り返し、2回目の昇温時の0℃から40℃平均線膨張係数を求めた。
(4)架橋率の測定
成形体をフーリエ変換赤外分光装置(パーキンエルマー社製Spectrum One)によりATR法(全反射測定法)で測定を行い、1475cm−1付近のピークと820cm−1付近のピークを用い、前記式(1)の式から架橋率を求めた。この架橋率およびPVBCBの成形体中の重量%を用いて、成形体中に含有される一般式(1)で示される架橋構造の重量%を算出することができる。
(5)密度の測定
円柱状の成形体を作製し、その表面積、高さ、成形体の重量を計測し、その体積と重量から成形体の密度を求めた。
(実施例1)
(4−ビニルベンゾシクロブテンの重合)
テトラヒドロフラン10mLに4−ビニルベンゾシクロブテン6.50g(5mmol)を溶解し、その後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル8.14mg(0.05mmol)を溶解し、ガラスチューブに入れた。その後、ガラスチューブ内を窒素ガスで置換し、密閉した。密閉したガラスチューブをオイルバスにて74℃に加熱し、48時間重合した。得られた重合体をテトラヒドロフランを50mL加えて希釈し、この希釈液を大容量のメタノールに滴下することで、4−ビニルベンゾシクロブテン重合体を沈殿物として回収した。
回収した重合体を重クロロホルム溶液に溶解させ、化学シフトの基準としてテトラメチルシランを用い、水素核磁気共鳴装置(H NMR)(ブルカー・バイオスピン株式会社製Avance600MHz)にて測定し、単量体の残留がないこと、及び、重合体の化学構造を確認した。
H NMR(600MHz,CDCl):δ6.95−5.87(3H),3.08(4H),2.29−0.91(3H)。
GPCから得られた4−ビニルベンゾシクロブテン重合体の分子量は、Mn=18.5×10、Mw=57.6×10であった。また、DSCにより求められたガラス転移温度は119℃であった。
熱重量分析(TG−DTA、株式会社リガク製Thermo Plus TG 8120)を使用し、窒素気流下にて昇温速度10℃/minで、4−ビニルベンゾシクロブテン重合体の耐熱性を900℃まで加熱し、耐熱性を確認した。結果、4−ビニルベンゾシクロブテン重合体は昇温時に架橋反応が進行することで架橋体となり、5重量%分解温度が436℃と高い耐熱性を示した。
(架橋体の製造)
前記の4−ビニルベンゾシクロブテン重合体を、200mgを円柱状の金型(直径10mm×高さ1.2mm)に入れ、窒素気流下で3tonの圧力を印加しながら230℃で30分成形処理を行い、架橋体を得た。得られた架橋体について、前述の手法を用い、FT−IRにて架橋率を算出し、TMAにて線膨張係数を測定した結果、架橋率は23%であり、成形体に含有される一般式(1)に示す架橋構造の重量%は23重量%となり、線膨張係数は39ppm/Kとなった。
前記架橋体(厚み1.2mm)について紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所製、SolidSpec−3700)を用い、波長587nmにおける透過率を測定したところ、69%と高い透明性を示した。
(実施例2)
実施例1記載の4−ビニルベンゾシクロブテン重合体を用い、熱成形処理を230℃、60分とする以外は、実施例1同様の処理を行い架橋体を得た。得られた架橋体の架橋率は41%であり、成形体に含有される一般式(1)に示す架橋構造の重量%は41重量%となり、線膨張係数は24ppm/Kとなった。実施例1同様に波長587nmにおける透過率を測定したところ、77%と高い透明性を示した。
(実施例3)
実施例1記載の4−ビニルベンゾシクロブテン重合体を用い、熱成形処理を230℃、90分とする以外は、実施例1同様の処理を行い架橋体を得た。得られた架橋体の架橋率は50%であり、成形体に含有される一般式(1)に示す架橋構造の重量%は50重量%となり、線膨張係数は21ppm/Kとなった。実施例1同様に波長587nmにおける透過率を測定したところ、67%と高い透明性を示した。
(実施例4)
実施例1記載の4−ビニルベンゾシクロブテン重合体を用い、熱成形処理を230℃、120分とする以外は、実施例1同様の処理を行い架橋体を得た。得られた架橋体の架橋率は50%であり、成形体に含有される一般式(1)に示す架橋構造の重量%は50重量%となり、線膨張係数は20ppm/Kとなった。実施例1同様に波長587nmにおける透過率を測定したところ、66%と高い透明性を示した。
(実施例5)
実施例1記載の4−ビニルベンゾシクロブテン重合体を用い、熱成形処理を250℃、90分とする以外は、実施例1同様の処理を行い架橋体を得た。得られた架橋体の架橋率は91%であり、成形体に含有される一般式(1)に示す架橋構造の重量%は91重量%となり、線膨張係数は24ppm/Kとなった。実施例1同様に波長587nmにおける透過率を測定したところ、68%と高い透明性を示した。
(実施例6)
実施例1記載の4−ビニルベンゾシクロブテン重合体を用い、熱成形処理を290℃、10分とする以外は、実施例1同様の処理を行い架橋体を得た。得られた架橋体の架橋率は100%であり、成形体に含有される一般式(1)に示す架橋構造の重量%は100重量%となり、線膨張係数は25ppm/Kとなった。もっとも成形収縮が大きいと考えられる架橋率100%の架橋体においても、密度は1.049であり、架橋による成形収縮率(=架橋体の密度/未架橋体の密度×100)は0.3%であった。前記架橋体について、精密屈折計(株式会社島津デバイス製造製、KPR−2000)にてd線(波長587nm)における屈折率を測定したところ1.61であった。もっとも架橋率が高いサンプルであっても、密度変化が小さく、屈折率も比較例に示した未架橋体の屈折率と同様であった。
実施例1同様に波長587nmにおける透過率を測定したところ、71%と高い透明性を示した。
前記架橋体について、位相差測定装置(王子計測機器株式会社、KOBRA)により、平行ニコル下での位相差を測定したところ、架橋体内の位相差分布は最大で88nmであり、比較例で示した未架橋体に比べて位相差が低減され、低い複屈折を有することが明らかとなった。これは、架橋が進行することで、ベンゾシクロブテンの芳香環の配向が緩和された結果と考えられる。
(比較例)
実施例1記載の4−ビニルベンゾシクロブテン重合体を用い、熱成形処理を170℃、30分で行い、4−ビニルベンゾシクロブテン重合体の未架橋の成形体を得る以外は、実施例1と同様の処理を行った。得られた未架橋の成形体については、1500cm−1の架橋体に起因するピークが存在しないことを確認した。得られた未架橋の成形体の架橋率は0%であり、成形体に含有される一般式(1)に示す架橋構造の重量%も0重量%であり、線膨張係数は84ppm/Kとなった。未架橋体の密度は、1.052g/cmであった。実施例1同様に波長587nmにおける透過率を測定したところ、86%と高い透明性を示した。また、実施例1同様に屈折率を測定したところ、屈折率は1.61と実施例1と同様であった。
前記未架橋体について、実施例6同様に位相差を測定したところ、未架橋体内の位相差分布は最大で116nmであり、比較的高い複屈折を示した。
実施例1から6及び比較例の結果をまとめて表1に示す。
(実施例7)
(4−ビニルベンゾシクロブテンの重合)
テトラヒドフラン10mLに4−ビニルベンゾシクロブテン6.50g(5mmol)を溶解し、さらに、連鎖移動剤として、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを11.8mg(0.05mmol)を添加した。その後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル8.14mg(0.05mmol)を溶解し、ガラスチューブに入れた。その後、ガラスチューブ内を窒素ガスで置換し、密閉した。密閉したガラスチューブをオイルバスにて74℃に加熱し、48時間重合した。得られた重合体のテトラヒドロフランを50mL加え希釈し、この希釈液を大容量のメタノールに滴下することで、4−ビニルベンゾシクロブテン重合体を沈殿物として回収した。
回収した共重合体を重クロロホルム溶液に溶解させ、化学シフトの基準としてテトラメチルシランを用い、水素核磁気共鳴装置(H NMR)(ブルカー・バイオスピン株式会社製Avance600MHz)にて測定し、単量体の残留がないこと、及び、重合体の化学構造を確認した。
GPCから得られた4−ビニルベンゾシクロブテン重合体の分子量は、Mn=5.62×10、Mw=1.32×10であった。また、DSCにより求められたガラス転移温度は112℃であった。
(架橋体の製造)
前記の4−ビニルベンゾシクロブテン重合体を、200mgを円柱状の金型(直径10mm×高さ1.2mm)に入れ、窒素気流下で3tonの圧力を印加しながら230℃で120分成形処理を行い、架橋体を得た。得られた架橋体について、前述の手法を用い、FT−IRにて架橋率を算出し、TMAにて線膨張係数を測定した結果、架橋率は100%であり、成形体に含有される一般式(1)に示す架橋構造の重量%は100重量%となり、線膨張係数は12ppm/Kとなった。実施例1同様に波長587nmにおける透過率を測定したところ、72%と高い透明性を示した。
(実施例8)
(4−ビニルベンゾシクロブテンの重合)
連鎖移動剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを29.5mg(0.125mmol)を添加した以外は、実施例7と同様の処理を行い重合体を得た。
GPCから得られた4−ビニルベンゾシクロブテン重合体の分子量は、Mn=5.09×10、Mw=9.71×10であった。また、DSCにより求められたガラス転移温度は106℃であった。
(架橋体の製造)
実施例7同様の処理で架橋体を製造したところ、架橋率は79%であり、成型体に含有される一般式(1)に示す架橋構造の重量%は79重量%となり、線膨張係数は14ppm/Kとなった。実施例1同様に波長587nmにおける透過率を測定したところ、76%と高い透明性を示した。
(実施例9)
(4−ビニルベンゾシクロブテンの重合)
連鎖移動剤として2tert−ドデシルメルカプタンを10.1mg(0.05mmol)を添加した以外は、実施例7と同様の処理を行い重合体を得た。
GPCから得られた4−ビニルベンゾシクロブテン重合体の分子量は、Mn=4.02×10、Mw=1.07×10であった。また、DSCにより求められたガラス転移温度は96℃であった。
(架橋体の製造)
実施例7同様の処理で架橋体を製造したところ、架橋率は71%であり、成型体に含有される一般式(1)に示す架橋構造の重量%は71重量%となり、線膨張係数は20ppm/Kとなった。実施例1同様に波長587nmにおける透過率を測定したところ、64%と高い透明性を示した。
(実施例10)
(4−ビニルベンゾシクロブテンの重合)
テトラヒドフラン10mLに4−ビニルベンゾシクロブテン5.85g(4.5mmol)とメタクリル酸メチル0.05g(0.5mmol)を溶解し、その後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル8.14mg(0.05mmol)を溶解し、ガラスチューブに入れた。その後、ガラスチューブ内を窒素ガスで置換し、密閉した。密閉したガラスチューブをオイルバスにて74℃に加熱し、48時間重合した。得られた重合体のテトラヒドロフランを50mL加え希釈し、この希釈液を大容量のメタノールに滴下することで、4−ビニルベンゾシクロブテン−メタクリル酸メチル共重合体を沈殿物として回収した。
回収した重合体を重クロロホルム溶液に溶解させ、化学シフトの基準としてテトラメチルシランを用い、水素核磁気共鳴装置(H NMR)(ブルカー・バイオスピン株式会社製Avance600MHz)にて測定し、単量体の残留がないこと、及び、重合体の化学構造を確認した。得られた共重合体の共重合比は、4−ビニルベンゾシクロブテン:メタクリル酸メチル=88:12であった。
GPCから得られた4−ビニルベンゾシクロブテン−メタクリル酸メチル共重合体の分子量は、Mn=7.44×10、Mw=1.84×10であった。また、DSCにより求められたガラス転移温度は108℃であった。
得られた共重合体を用いて実施例同様の処理で架橋体を製造したところ、架橋率は67%であり、成型体に含有される一般式(1)に示す架橋構造の重量%は59重量%となり、線膨張係数は21ppm/Kとなった。実施例1同様に波長587nmにおける透過率を測定したところ、75%と高い透明性を示した。
実施例7から10の結果をまとめて表2に示す。
以上の実施例及び比較例の結果から、本発明に係わる架橋体は、線膨張係数が低く、光学部材及び電子基板として好適であることがわかった。
Figure 2014012833
Figure 2014012833
本発明は、光学部材や電子基板として、光学レンズ類、導光板、保護フィルム、偏向フィルム、位相差フィルム、タッチパネル、透明電極基板、CD、MD、DVD等の光学記録基板、TFT用基板、カラーフィルター基板封止材等の電子材料やプリプレグ、樹脂付き銅箔、プリント配線板、絶縁シート、アンテナ基板等に用いることがきる。
101 光学部材
101a、102b 反射防止膜またはハードコート
102 光学部材
103 基材
301 プリント基板
302、303、304 配線層
311、312 配線パターン
313 端子
315 スルーホール
321 電子部品
322 電極

Claims (20)

  1. 下記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体からなることを特徴とする光学部材。
    Figure 2014012833

    (一般式(1)において、R、Rは、互いに独立に−Hもしくは−CHであり、m、nは、互いに独立に0から3の範囲の整数である。式中の*は結合手を示し、Xa、Xbのいずれか一方に結合し、残りの一方には−Hが結合する。)
  2. 前記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体が、下記一般式(2)で示す構造単位の繰り返し構造を有することを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
    Figure 2014012833

    (一般式(2)において、Rは−Hもしくは−CHであり、sは0から3の範囲の整数である。)
  3. 前記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体が有する前記一般式(1)で示す構造単位の含有量と前記一般式(2)で示す構造単位の含有量の合計を100重量%とした際に、前記一般式(1)で示す構造単位の含有量が20重量%以上100重量%未満であることを特徴とする請求項2に記載の光学部材。
  4. 前記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体が有する前記一般式(1)で示す構造単位の含有量と前記一般式(2)で示す構造単位の含有量の合計を100重量%とした際に、前記一般式(1)で示す構造単位の含有量が60重量%以上100重量%未満であることを特徴とする請求項2に記載の光学部材。
  5. 前記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体が有する前記一般式(1)で示す構造単位の含有量と前記一般式(2)で示す構造単位の含有量の合計を100重量%とした際に、前記一般式(1)で示す構造単位の含有量が95重量%以上100重量%未満であることを特徴とする請求項2に記載の光学部材。
  6. 前記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体が前記一般式(2)で示す構造単位を有さないことを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  7. 前記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体がホモポリマーであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載の光学部材。
  8. 前記一般式(1)で示す構造単位が、下記一般式(3)で示す構造単位であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載の光学部材。
    Figure 2014012833

    (式中の*は結合手を示し、Xa、Xbのいずれか一方に結合し、残りの一方には、−Hが結合する。)
  9. 下記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体からなることを特徴とする電子基板。
    Figure 2014012833

    (一般式(1)において、R、Rは、互いに独立に−Hもしくは−CHであり、m、nは、互いに独立に0から3の範囲の整数である。式中の*は結合手を示し、Xa、Xbのいずれか一方に結合し、残りの一方には−Hが結合する。)
  10. 前記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体が、下記一般式(2)で示す構造単位の繰り返し構造を有することを特徴とする請求項9に記載の電子基板。
    Figure 2014012833

    (一般式(2)において、Rは−Hもしくは−CHであり、sは0から3の範囲の整数である。)
  11. 前記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体が有する前記一般式(1)で示す構造単位の含有量と前記一般式(2)で示す構造単位の含有量の合計を100重量%とした際に、前記一般式(1)で示す構造単位の含有量が20重量%以上100重量%未満であることを特徴とする請求項10に記載の電子基板。
  12. 前記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体が有する前記一般式(1)で示す構造単位の含有量と前記一般式(2)で示す構造単位の含有量の合計を100重量%とした際に、前記一般式(1)で示す構造単位の含有量が60重量%以上100重量%未満であることを特徴とする請求項10に記載の電子基板。
  13. 前記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体が有する前記一般式(1)で示す構造単位の含有量と前記一般式(2)で示す構造単位の含有量の合計を100重量%とした際に、前記一般式(1)で示す構造単位の含有量が95重量%以上100重量%未満であることを特徴とする請求項10に記載の電子基板。
  14. 前記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体が、下記一般式(2)で示す構造単位を有さないことを特徴とする請求項9に記載の電子基板。
    Figure 2014012833

    (一般式(2)において、Rは−Hもしくは−CHであり、sは0から3の範囲の整数である。)
  15. 前記一般式(1)で示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体がホモポリマーであることを特徴とする請求項9乃至14のいずれかの項に記載の電子基板。
  16. 前記一般式(1)で示す構造単位が、下記一般式(3)で示す構造単位であることを特徴とする請求項9乃至15のいずれかの項に記載の電子基板。
    Figure 2014012833

    (式中の*は結合手を示し、Xa、Xbのいずれか一方に結合し、残りの一方には、−Hが結合する。)
  17. 下記一般式(2)に示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体に熱もしくはマイクロ波を付与する工程(i)と、
    前記工程(i)により得られる重合体を成形する工程(ii)と、
    を有することを特徴とする光学部材の製造方法。
    Figure 2014012833

    (一般式(2)において、Rは−Hもしくは−CHであり、sは0から3の範囲の整数である。)
  18. 前記一般式(2)に示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体の数平均分子量が4000以上8000以下であることを特徴とする請求項17に記載の光学部材の製造方法。
  19. 下記一般式(2)に示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体に熱もしくはマイクロ波を付与する工程(i)と、
    前記工程(i)により得られる重合体を成形する工程(ii)と、
    を有することを特徴とする電子基板の製造方法。
    Figure 2014012833

    (一般式(2)において、Rは−Hもしくは−CHであり、sは0から3の範囲の整数である。)
  20. 前記一般式(2)に示す構造単位の繰り返し構造を有する重合体の数平均分子量が4000以上8000以下であることを特徴とする請求項19に記載の電子基板の製造方法。
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