JP2014012634A - 有機elディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザー光等の照射光による局所加熱に好適であるとともに、低軟化特性と高耐水性を両立させた有機ELディスプレイ用封着材料、および信頼性の高い有機ELディスプレイを提案する。
【解決手段】ビスマス系ガラス粉末55〜100体積%、耐火性フィラー粉末0〜45体積%含有し、且つビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、CuO+Feを0.2〜15質量%含有することを特徴とする有機ELディスプレイ用封着材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機ELディスプレイ用封着材料に関し、具体的には照射光による封着処理に供される有機ELディスプレイ用封着材料に関する。
近年、フラットディスプレイパネルとして有機ELディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイは、直流電圧で駆動できるため駆動回路を簡略化できるとともに、液晶ディスプレイのように視野角依存性がなく、また自己発光のため明るく、更には応答速度が速い等の利点がある。現在、有機ELディスプレイは、主に携帯電話等の小型携帯機器に利用されているが、今後は超薄型テレビへの応用が期待されている。
有機ELディスプレイは、2枚のガラス基板、金属等の陰電極、有機発光層、ITO等の陽電極、接着材料等で構成される。従来、接着材料として、低温硬化性を有するエポキシ樹脂、或いは紫外線硬化樹脂等の有機樹脂系接着材料が使用されてきた。しかし、有機樹脂系接着材料は気体の侵入を完全に遮断することが困難であるため、有機ELディスプレイ内部の気密性を維持することが困難であり、このことに起因して、耐水性の低い有機発光層が劣化しやすくなり、経時的に有機ELディスプレイの表示特性が劣化するといった不具合が生じていた。また、有機樹脂系接着材料は、低温でガラス基板同士を接着できる利点を有するものの、耐水性が低い欠点を有し、有機ELディスプレイを長期に亘って使用した場合、ディスプレイの信頼性が低下しやすくなる。
また、有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイと同様にして、薄膜トランジスタ(TFT)等のアクティブ素子を各画素に配置して、駆動させる方式が主流である。
米国特許6416375号明細書 特開2006−315902号公報
ガラスを用いた封着材料は、有機樹脂系接着材料に比べ、耐水性に優れるとともに、有機ELディスプレイ内部の気密性を確保するのに適している。
しかし、封着材料に使用されるガラスは、一般的に、軟化点が300℃以上であるため、有機ELディスプレイに適用することが困難であった。つまり、上記の封着材料でガラス基板同士を封着する場合、電気炉に有機ELディスプレイ全体を投入し、ガラスの軟化点以上の温度で熱処理する必要がある。しかし、アクティブ素子は、120〜130℃程度の耐熱性しか有していないため、この方法でガラス基板同士を封着すると、アクティブ素子が熱により損傷し、有機ELディスプレイの表示特性が劣化してしまう。同様にして、有機発光材料も耐熱性が乏しいため、この方法でガラス基板同士を封着すると、有機発光材料が熱により損傷し、有機ELディスプレイの表示特性が劣化してしまう。
このような事情に鑑み、近年、封着材料にレーザー光等の照射光を照射し、有機ELディスプレイを封着する方法が検討されている。レーザー光等は、封着すべき部位のみを局所加熱できることから、アクティブ素子等の劣化を防止した上で、ガラス基板同士を封着することができる。
特許文献1、2には、封着材料にレーザー光を照射して、フィールドエミッションディスプレイの前面ガラス基板と背面ガラス基板を封着する方法が記載されている。しかし、特許文献1、2には、この方法に好適なガラス系について具体的な記載がなく、レーザー光を封着材料に照射しても、封着部位において、レーザー光の光エネルギーを熱エネルギーに効率良く変換させることが困難であった。それ故、これらの封着材料を用いて、ガラス基板同士を封着するためには、レーザー光の出力を上げる必要があり、その結果、アクティブ素子等に不当な熱履歴がかかり、有機ELディスプレイの表示特性が劣化するおそれがあった。
また、レーザー光等で封着材料を局所加熱する場合、ガラスの軟化点が低いと、短時間で封着できるとともに、封着強度を高めることができる。しかし、一般的に、ガラスの軟化点を下げると、ガラスの耐水性が低下しやすくなる。既述の通り、封着材料の耐水性は、有機発光層の劣化を防止する観点から重要であるが、特許文献1、2には、当然のことながら、低軟化特性と高耐水性を両立させたガラス系について具体的な記載はない。
そこで、本発明は、レーザー光等の照射光による局所加熱に好適であるとともに、低軟化特性と高耐水性を両立させた有機ELディスプレイ用封着材料を創案することにより、信頼性の高い有機ELディスプレイを作製することを技術的課題とする。
本発明者等は、鋭意努力の結果、有機ELディスプレイ用封着材料として、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含有する封着材料を用いるとともに、ビスマス系ガラス粉末において、ガラス組成として、CuOとFeのいずれか、或いは双方を所定量導入することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末55〜100体積%、耐火性フィラー粉末0〜45体積%含有し、且つビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、CuO+Fe(CuOとFeの合量)を0.2〜15質量%含有することを特徴とする。ここで、「ビスマス系ガラス粉末」とは、ガラス組成中のBiの含有量が50質量%以上のガラス粉末を指す。なお、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、耐火性フィラー粉末を添加することなく、ビスマス系ガラス粉末のみで構成されていてもよい。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末55〜100体積%、耐火性フィラー粉末0〜45体積%含有する。このようにすれば、被封着物の熱膨張係数に整合するように、封着材料の熱膨張係数を下げることができる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ガラス粉末を含有する。このようにすれば、有機ELディスプレイ内部の気密性を維持、つまり有機発光層を劣化させるHOやO等が有機ELディスプレイ内部に侵入する事態を防止することができ、その結果、有機ELディスプレイの長期信頼性を確保することができる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末を含有する。ビスマス系ガラスは、耐水性に優れているため、有機発光層の劣化を防止することができる。また、ビスマス系ガラスは、軟化点が低いため、短時間で封着できるとともに、封着強度を高めることができる。また、ビスマス系ガラスは、レーザー光等の照射の際に、ガラスに発泡が生じ難く、発泡に起因して、封着部位の機械的強度が低下する事態が生じ難い。更に、ビスマス系ガラスは、熱的に安定であり、レーザー光等の照射の際に、ガラスが失透し難く、失透に起因して、封着強度が低下する事態が生じ難い。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、CuO+Feの含有量を0.2質量%以上(好ましくは0.5質量%以上、1質量%以上、1.5質量%以上、2質量%以上、特に3.5質量%以上)含有する。このようにすれば、レーザー光等の光エネルギーが効率良く熱エネルギーに変換されるため、換言すればレーザー光等が的確にガラスに吸収されるため、封着すべき部位のみを局所加熱することができる。その結果、アクティブ素子や有機発光層の熱的損傷を防止した上で、ガラス基板同士を封着することができる。なお、レーザー光等で封着材料を局所加熱する場合、加熱箇所から1mm離れた部位の温度は100℃以下になり、アクティブ素子や有機発光層の熱的損傷を防止することができる。一方、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、CuO+Feの含有量を15質量%以下に規制している。このようにすれば、レーザー光等の照射の際に、ガラスが失透する事態を防止することができる。
第二に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、照射光による封着処理に供されることに特徴付けられる。既述の通り、このようにすれば、封着材料を局所加熱することができ、アクティブ素子や有機発光層の熱的損傷を防止することができる。
第三に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、上記照射光がレーザー光であることに特徴付けられる。ここで、照射光の光源として、種々のレーザー光を使用することができるが、特に、半導体レーザー、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザー、赤外レーザー等は、取り扱いが容易な点で好適である。また、レーザー光は、ガラスに光を的確に吸収させるために、500〜1600nm、好ましくは750〜1300nmの発光中心波長を有することが好ましい。
第四に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、下記酸化物換算の質量%表示で、Bi 67〜90%、B 2〜12%、ZnO 1〜20%、CuO+Fe 0.2〜15%含有することに特徴付けられる。
第五に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、耐火性フィラー粉末が、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、リン酸ジルコニウム、ジルコン、ジルコニア、酸化スズから選ばれる一種または二種以上であることに特徴付けられる。
第六に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、実質的にPbOを含有しないことに特徴付けられる。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm以下の場合を指す。このようにすれば、近年の環境的要請を満たすことができる。
第七に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50が15μm未満であることに特徴付けられる。ここで、「平均粒子径D50」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。
第八に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxが30μm以下であることに特徴付けられる。ここで、「最大粒子径Dmax」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
第九に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、更に、酸化物顔料を0〜10積%含有することに特徴付けられる。
本発明の封着材料において、ビスマス系ガラス粉末のガラス組成範囲を上記のように限定した理由を下記に示す。なお、以下の%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を指す。
Biは、軟化点を下げるための主要成分であり、その含有量は67〜90%、好ましくは70〜87%、より好ましくは72〜85%、更に好ましくは75〜83%である。Biの含有量が67%より少ないと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、Biの含有量が90%より多いと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時または照射時にガラスが失透しやすくなる。
は、ビスマス系ガラスのガラスネットワークを形成する成分であり、その含有量は2〜12%、好ましくは3〜10%、より好ましくは4〜10%、更に好ましくは5〜9%である。Bの含有量が2%より少ないと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時または照射時にガラスが失透しやすくなる。一方、Bの含有量が12%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
ZnOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制し、ガラスの熱膨張係数を低下させる成分であり、その含有量は1〜20%、好ましくは2〜15%、より好ましくは3〜15%、更に好ましくは3〜12%である。ZnOの含有量が1%より少ないと、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する効果が得られ難くなる。ZnOの含有量が20%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。
CuO+Feは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分である。また、CuO+Feは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分である。CuO+Feの含有量は0.2〜15%、好ましくは0.5〜10%、より好ましくは1〜10%、更に好ましくは1.5〜10%、特に好ましくは2〜8%、最も好ましくは3.5〜8%である。CuO+Feの含有量が0.2%より少ないと、光吸収特性が乏しくなり、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、CuO+Feの含有量が15%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
ガラス組成中のFeは、Fe2+、或いはFe3+の形で存在することが想定されるが、本発明においては、ガラス組成中のFeは、Fe2+、或いはFe3+のいずれかに限定されるものではなく、いずれであっても構わない。ここで、本発明では、Fe2+の場合はFeに換算した上で取り扱う。特に、照射光として赤外レーザーを使用する場合、Fe2+は赤外域に吸収ピークを有することから、Fe2+の割合を高くする方が好ましく、酸化鉄中のFe2+/Fe3+の比率を0.03以上(望ましくは0.08以上)にすることが好ましい。
CuOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であるとともに、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜15%、0.2〜15%、0.5〜10%、1〜10%、特に3.5〜7%が好ましい。CuOの含有量が15%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。なお、CuOの含有量が少ないと、光吸収特性が乏しくなり、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
Feは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であるとともに、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0.05〜7%、より好ましくは0.1〜4%、更に好ましくは0.2〜2%である。Feの含有量が7%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。なお、Feの含有量が少ないと、光吸収特性が乏しくなり、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
本発明に係るビスマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、例えば、以下の成分を20%まで含有することができる。
SiOは、ガラスの耐水性を向上させる成分である。その含有量は0〜10%、好ましくは0〜3%である。SiOの含有量が10%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
Alは、ガラスの耐水性を向上させる成分である。その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。Alの含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量)は、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、これらの成分の含有量は合量で0〜15%、好ましくは0〜10%である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が15%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MgOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。MgOの含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
CaOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。CaOの含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
SrOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。SrOの含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
BaOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%である。BaOの含有量が10%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
CeOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%である。CeOの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。また、ガラスの熱的安定性を向上させる観点から、CeOを微量添加するのが好ましく、具体的には、CeOの含有量を0.01%以上とするのが好ましい。
Sbは、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%である。Sbは、ビスマス系ガラスのネットワーク構造を安定化させる効果があり、ビスマス系ガラスにおいて、Sbを適宜添加すれば、Biの含有量が多い場合、例えばBiの含有量が76%以上であっても、ガラスの熱的安定性が低下し難くなる。ただし、Sbの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。また、ガラスの熱的安定性を向上させる観点から、Sbを微量添加するのが好ましく、具体的には、Sbの含有量は0.05%以上が好ましい。
Ndは、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%である。Ndは、ビスマス系ガラスのネットワーク構造を安定化させる効果があり、ビスマス系ガラスにおいて、Ndを適宜添加すれば、Biの含有量が多い場合、例えばBiの含有量が76%以上であっても、ガラスの熱的安定性が低下し難くなる。ただし、Ndの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。また、ガラスの熱的安定性を向上させる観点から、Ndの微量添加が好ましく、具体的には、Ndの含有量は0.05%以上が好ましい。
WOは、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜2%である。ただし、WOの含有量が10%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。
In+Ga(InとGaの合量)は必須成分ではないが、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は合量で0〜5%、好ましくは0〜3%である。ただし、In+Gaの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。なお、Inの含有量は0〜1%がより好ましく、Gaの含有量は0〜0.5%がより好ましい。
Li、Na、KおよびCsの酸化物は、ガラスの軟化点を低くする成分であるが、溶融時にガラスの失透を促進する作用を有するため合量で2%以下とするのが好ましい。
は、溶融時にガラスの失透を抑制する成分であるが、その添加量が1%より多いと、溶融時にガラスが分相しやすくなる。
La、YおよびGdは、溶融時にガラスの分相を抑制する成分であるが、これらの合量が3%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
NiOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。NiOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
は、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。Vの含有量が7%より多いと、照射時にガラスに発泡が生じやすくなる。
CoOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。CoOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
MoOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。MoOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
TiOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。TiOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。また、TiOの含有量が7%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MnOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。MnOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
また、その他の成分であっても、ガラスの特性を損なわない範囲で15%(好ましくは5%)までガラス組成中に添加することができる。ただし、PbOは、既述の通り、環境的観点から、実質的に含有しないことが好ましい。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末55〜100体積%、耐火性フィラー粉末0〜45体積%を含有し、ビスマス系ガラス粉末65〜100体積%と耐火性フィラー粉末0〜35体積%を含有することが好ましく、ビスマス系ガラス粉末65〜85体積%と耐火性フィラー粉末15〜35体積%を含有することがより好ましい。ビスマス系ガラス粉末は、低融点であることから、低温で良好に流動する。また、ビスマス系ガラス粉末に耐火性フィラー粉末を添加すれば、封着材料の熱膨張係数を調整できるため、被封着物の熱膨張係数に容易に整合させることができる。その結果、封着部位に不当な応力が残留する事態を防止することができる。ただし、耐火性フィラーの含有量が45体積%より多いと、ビスマス系ガラス粉末の含有量が相対的に少なくなって、所望の流動性を確保することが困難になる。また、耐火性フィラーの含有量が45体積%より多いと、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50が10μm以下の場合、照射時にガラス中に耐火性フィラー粉末が溶解しやすくなり、その結果、ガラスが失透しやすくなる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、耐火性フィラー粉末として、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、リン酸ジルコニウム、ジルコン、ジルコニア、酸化スズから選ばれる一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。これらの耐火性フィラー粉末は、熱膨張係数が低いことに加えて、機械的強度高く、しかもビスマス系ガラス粉末との適合性が良好である。更に、上記の耐火性フィラー粉末以外にも、封着材料の熱膨張係数の調整、流動性の調整および機械的強度の改善のために、石英ガラス、β−ユークリプタイト等の耐火性フィラー粉末を添加することができる。
現在、有機ELディスプレイは、駆動方式として、TFT等のアクティブ素子を各画素に配置して駆動するアクティブマトリクス駆動が採用されており、そのため、有機ELディスプレイ用ガラス基板には、無アルカリガラス(例えば、日本電気硝子株式会社製OA−10)が使用される。無アルカリガラスの熱膨張係数は、通常、40×10−7/℃以下であるため、有機ELディスプレイ用封着材料の熱膨張係数を無アルカリガラスの熱膨張係数に厳密に適合させることは困難である。しかし、有機ELディスプレイ用封着材料の熱膨張係数をできるだけ低くすることは重要であり、具体的には、有機ELディスプレイ用封着材料の熱膨張係数は80×10−7/℃以下、特に70×10−7/℃以下が望ましい。このようにすれば、封着部位にかかる応力を小さくすることができ、封着部位の応力破壊を防ぐことができる。ここで、「熱膨張係数」は、押棒式熱膨張係数測定装置で測定した値を指し、測定温度範囲は30〜300℃とする。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、更に、酸化物顔料を0〜10体積%、好ましくは0.1〜5体積%、より好ましくは0.5〜3体積%含有することが好ましい。酸化物顔料の含有量が10体積%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。酸化物顔料として、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物およびこれらのスピネル型複合酸化物等が使用可能であり、特に、酸化物顔料として、Mn系酸化物(例えば、東罐マテリアル株式会社製42−343B)が好ましい。これらの酸化物顔料は、レーザー光等の光吸収を促進させることが可能であり、その結果、封着材料の封着強度を高めることができる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、更に、封着部位の厚みを均一化するために、ガラスファイバー、ガラスビーズ、シリカビーズ、樹脂ビーズ等をスペーサーとして10体積%まで含有してもよい。また、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、更に、光吸収を促進させるために、Cu、Fe、Mn、Co等の遷移金属粉末等を10体積%まで含有してもよい。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料において、軟化点は550℃以下が好ましく、500℃以下がより好ましく、465℃以下が更に好ましい。軟化点が550℃より高いと、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難い傾向があり、ガラス基板同士の封着強度を高めるためには、レーザー光等の出力を上げる必要がある。軟化点の下限は特に限定されないが、ガラスの熱的安定性を考慮すれば、軟化点を385℃以上に設定することが好ましい。ここで、「軟化点」とは、示差熱分析装置で測定した値を指し、空気中で昇温速度は10℃とする。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料において、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50は15μm未満が好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜5μmが更に好ましい。耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50が15μm以上であると、封着部位が厚くなりやすく、両ガラス基板間のギャップが大きくなり、有機ELディスプレイを薄型化し難くなる。また、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50を15μm未満にすると、両ガラス基板間のギャップを小さくすることができ、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部位にクラック等が発生し難くなる。なお、耐火性フィラー粉末の効果(例えば、封着材料の熱膨張係数を低下させる効果)を的確に享受するためには、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50を0.5μm以上にするのが好ましい。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料において、耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxは30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxが30μmより大きいと、封着部位において、30μm以上の厚みを有する箇所が発生するため、両ガラス基板間のギャップが不均一になり、有機ELディスプレイを薄型化し難くなる。また、耐火性フィラー粉末の平均粒子径Dmaxを30μm以下にすると、両ガラス基板間のギャップを小さくすることができ、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部位にクラック等が発生し難くなる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料において、ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径D50は15μm未満が好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜5μmが更に好ましい。ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径D50を15μm未満にすると、両ガラス基板間のギャップを小さくしやすくなり、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部位にクラック等が発生し難くなるとともに、封着に要する時間を短縮することができる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料において、ビスマス系ガラス粉末の最大粒子径Dmaxは30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径Dmaxを30μm以下にすると、両ガラス基板間のギャップを小さくしやすくなり、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部位にクラック等が発生し難くなるとともに、封着に要する時間を短縮することができる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、粉末のまま使用に供してもよいが、ビークルと均一に混練し、ペーストに加工すると取り扱いやすい。ビークルは、主に溶媒と樹脂とからなり、樹脂はペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。作製されたペーストは、ディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いてガラス基板に塗布され、脱バインダー工程に供される。
樹脂としては、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。特に、アクリル酸エステル、ニトロセルロースは、熱分解性が良好であるため、好ましい。
溶媒としては、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、α−ターピネオールは、高粘性であり、樹脂等の溶解性も良好であるため、好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
表1〜4は本発明の実施例(試料No.1〜18)および比較例(試料No.19〜23)を示している。
次のようにして表1〜4に記載の各試料を調製した。まず、表に示したガラス組成となるように各種酸化物、炭酸塩等の原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて1100℃で1時間溶融した。次に、水冷ローラーにより、溶融ガラスを薄片状に成形した。最後に、薄片状のガラスをボールミルにて粉砕後、空気分級し、平均粒子径D50が2.5μm、最大粒子径Dmaxが10μmの各ガラス粉末を得た。
耐火物フィラー粉末は、コーディエライト、ウイレマイト、β−ユークリプタイト、リン酸ジルコニウムを用いた。各耐火性フィラー粉末は、平均粒子径D50が2.5μm、最大粒子径Dmaxが10μmになるように調製した。
表中に示す通り、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を混合し、試料No.1〜23を作製した。試料No.1〜23につき、ガラス転移点、軟化点、熱膨張係数、流動性、封着強度、発泡状態および失透状態を評価した。
ガラス転移点、軟化点は、示差熱分析装置で測定した。測定は、大気中において、昇温速度10℃/分で行い、室温から測定を開始した。
熱膨張係数は、押棒式熱膨張係数測定装置で求めた。測定温度範囲は30〜300℃とした。
流動性は、各試料を厚さ2mmに加圧成形した後、各加圧体に波長1060nmのYAGレーザー(出力600mW、パワー密度5kW/cm)を照射することで評価した。YAGレーザーを照射した後、ガラスが溶解する状態を顕微鏡でその場観察し、ガラスが軟化変形しているものを「○」、ガラスが軟化変形していないものを「×」として評価した。
次のようにして封着強度を評価した。まず、各試料とビークル(アクリル樹脂含有のα−ターピネオール)を三本ロールミルで均一に混錬し、ペースト化した後、無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10、□100mm×0.5mm厚)の外周端に線状(30μm厚)に塗布し、乾燥オーブンで150℃10分間乾燥した。次に、室温から10℃/分で昇温し、450℃で20分間焼成した後、室温まで10℃/分で降温し、脱バインダー処理を行なった。次に、乾燥膜が形成された無アルカリガラス基板の上に、別の無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10、□100mm×0.5mm厚)を正確に重ねた後、乾燥膜に沿って、波長1060nmのYAGレーザー(出力600mW、パワー密度5kW/cm)を照射し、両ガラス基板を封着した。封着後の両ガラス基板を上方1mからコンクリート上に落下させ、両ガラス基板が剥離しなかったものを「○」、両ガラス基板が剥離したものを「×」として評価した。
発泡状態は、上記封着強度の評価で形成された封着部位の断面を光学顕微鏡で観察し、100μm×100μmの面積中にφ5μm以上の泡が5個未満のものを「○」、φ5μm以上の泡が5個以上のものを「×」として評価した。
失透状態は、上記封着強度の評価で形成された封着部位の表面を光学顕微鏡(100倍)で観察し、表面に結晶が観察されたものを「○」、表面に結晶が観察されなかったものを「×」として評価した。
表1〜3から明らかなように、試料No.1〜18は、流動性、封着強度、発泡性および失透状態の評価が良好であり、有機ELディスプレイ用封着材料に好適であると判断できる。
表4から明らかなように、試料No.19〜22は、ガラス組成中にCuOおよびFeを含有していないため、流動性および封着強度の評価が不良であった。試料No.23は、バナジウム系ガラス粉末を使用したため、発泡性の評価が不良であった。
本発明は、有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板に関し、具体的には照射光による封着処理に供される有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板に関する。
近年、フラットディスプレイパネルとして有機ELディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイは、直流電圧で駆動できるため駆動回路を簡略化できるとともに、液晶ディスプレイのように視野角依存性がなく、また自己発光のため明るく、更には応答速度が速い等の利点がある。現在、有機ELディスプレイは、主に携帯電話等の小型携帯機器に利用されているが、今後は超薄型テレビへの応用が期待されている。
有機ELディスプレイは、2枚のガラス基板、金属等の陰電極、有機発光層、ITO等の陽電極、接着材料等で構成される。従来、接着材料として、低温硬化性を有するエポキシ樹脂、或いは紫外線硬化樹脂等の有機樹脂系接着材料が使用されてきた。しかし、有機樹脂系接着材料は気体の侵入を完全に遮断することが困難であるため、有機ELディスプレイ内部の気密性を維持することが困難であり、このことに起因して、耐水性の低い有機発光層が劣化しやすくなり、経時的に有機ELディスプレイの表示特性が劣化するといった不具合が生じていた。また、有機樹脂系接着材料は、低温でガラス基板同士を接着できる利点を有するものの、耐水性が低い欠点を有し、有機ELディスプレイを長期に亘って使用した場合、ディスプレイの信頼性が低下しやすくなる。
また、有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイと同様にして、薄膜トランジスタ(TFT)等のアクティブ素子を各画素に配置して、駆動させる方式が主流である。
米国特許6416375号明細書 特開2006−315902号公報
ガラスを用いた封着材料は、有機樹脂系接着材料に比べ、耐水性に優れるとともに、有機ELディスプレイ内部の気密性を確保するのに適している。
しかし、封着材料に使用されるガラスは、一般的に、軟化点が300℃以上であるため、有機ELディスプレイに適用することが困難であった。つまり、上記の封着材料でガラス基板同士を封着する場合、電気炉に有機ELディスプレイ全体を投入し、ガラスの軟化点以上の温度で熱処理する必要がある。しかし、アクティブ素子は、120〜130℃程度の耐熱性しか有していないため、この方法でガラス基板同士を封着すると、アクティブ素子が熱により損傷し、有機ELディスプレイの表示特性が劣化してしまう。同様にして、有機発光材料も耐熱性が乏しいため、この方法でガラス基板同士を封着すると、有機発光材料が熱により損傷し、有機ELディスプレイの表示特性が劣化してしまう。
このような事情に鑑み、近年、封着材料にレーザー光等の照射光を照射し、有機ELディスプレイを封着する方法が検討されている。レーザー光等は、封着すべき部位のみを局所加熱できることから、アクティブ素子等の劣化を防止した上で、ガラス基板同士を封着することができる。
特許文献1、2には、封着材料にレーザー光を照射して、フィールドエミッションディスプレイの前面ガラス基板と背面ガラス基板を封着する方法が記載されている。しかし、特許文献1、2には、この方法に好適なガラス系について具体的な記載がなく、レーザー光を封着材料に照射しても、封着部位において、レーザー光の光エネルギーを熱エネルギーに効率良く変換させることが困難であった。それ故、これらの封着材料を用いて、ガラス基板同士を封着するためには、レーザー光の出力を上げる必要があり、その結果、アクティブ素子等に不当な熱履歴がかかり、有機ELディスプレイの表示特性が劣化するおそれがあった。
また、レーザー光等で封着材料を局所加熱する場合、ガラスの軟化点が低いと、短時間で封着できるとともに、封着強度を高めることができる。しかし、一般的に、ガラスの軟化点を下げると、ガラスの耐水性が低下しやすくなる。既述の通り、封着材料の耐水性は、有機発光層の劣化を防止する観点から重要であるが、特許文献1、2には、当然のことながら、低軟化特性と高耐水性を両立させたガラス系について具体的な記載はない。
そこで、本発明は、レーザー光等の照射光による局所加熱に好適である有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板を創案することにより、信頼性の高い有機ELディスプレイを作製することを技術的課題とする。
本発明者等は、鋭意努力の結果、有機ELディスプレイ用封着材料として、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含有する封着材料をガラス基板上で焼成して、乾燥膜を形成するとともに、光吸収特性を有する成分を所定量導入することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板は、封着材料の焼成により形成された乾燥膜を有する乾燥膜付きガラス基板であって、封着材料が、ビスマス系ガラス粉末55〜100体積%、耐火性フィラー粉末0〜45体積%含有し、且つビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、光吸収特性を有する成分を0.2質量%以上含むことを特徴とする。ここで、「ビスマス系ガラス粉末」とは、ガラス組成中のBiの含有量が50質量%以上のガラス粉末を指す。なお、本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板は、封着材料が、耐火性フィラー粉末を添加することなく、ビスマス系ガラス粉末のみで構成されていてもよい。
本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板は、封着材料が、ビスマス系ガラス粉末55〜100体積%、耐火性フィラー粉末0〜45体積%含有する。このようにすれば、ガラス基板の熱膨張係数に整合するように、封着材料の熱膨張係数を下げることができる。
本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板は、封着材料が、ガラス粉末を含有する。このようにすれば、有機ELディスプレイ内部の気密性を維持、つまり有機発光層を劣化させるHOやO等が有機ELディスプレイ内部に侵入する事態を防止することができ、その結果、有機ELディスプレイの長期信頼性を確保することができる。
本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板は、封着材料が、ビスマス系ガラス粉末を含有する。ビスマス系ガラスは、耐水性に優れているため、有機発光層の劣化を防止することができる。また、ビスマス系ガラスは、軟化点が低いため、短時間で封着できるとともに、封着強度を高めることができる。また、ビスマス系ガラスは、レーザー光等の照射の際に、ガラスに発泡が生じ難く、発泡に起因して、封着部位の機械的強度が低下する事態が生じ難い。更に、ビスマス系ガラスは、熱的に安定であり、レーザー光等の照射の際に、ガラスが失透し難く、失透に起因して、封着強度が低下する事態が生じ難い。
スマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、CuO+Feの含有量を0.2質量%以上(好ましくは0.5質量%以上、1質量%以上、1.5質量%以上、2質量%以上、特に3.5質量%以上)含有することが好ましい。このようにすれば、レーザー光等の光エネルギーが効率良く熱エネルギーに変換されるため、換言すればレーザー光等が的確にガラスに吸収されるため、封着すべき部位のみを局所加熱することができる。その結果、アクティブ素子や有機発光層の熱的損傷を防止した上で、ガラス基板同士を封着することができる。なお、レーザー光等で封着材料を局所加熱する場合、加熱箇所から1mm離れた部位の温度は100℃以下になり、アクティブ素子や有機発光層の熱的損傷を防止することができる。一方、封着材料中のビスマス系ガラス粉末において、ガラス組成として、CuO+Feの含有量を15質量%以下に規制することが好ましい。このようにすれば、レーザー光等の照射の際に、ガラスが失透する事態を防止することができる。
発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板は、照射光による封着処理に供されることが好ましい。既述の通り、このようにすれば、封着材料で構成される乾燥膜を局所加熱することができ、アクティブ素子や有機発光層の熱的損傷を防止することができる。
記照射光は、レーザー光であることが好ましい。ここで、照射光の光源として、種々のレーザー光を使用することができるが、特に、半導体レーザー、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザー、赤外レーザー等は、取り扱いが容易な点で好適である。また、レーザー光は、ガラスに光を的確に吸収させるために、500〜1600nm、好ましくは750〜1300nmの発光中心波長を有することが好ましい。
発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板は、ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、下記酸化物換算の質量%表示で、Bi 67〜90%、B 2〜12%、ZnO 1〜20%、CuO+Fe 0.2〜15%含有することが好ましい
発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板は、耐火性フィラー粉末が、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、リン酸ジルコニウム、ジルコン、ジルコニア、酸化スズから選ばれる一種または二種以上であることが好ましい
発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板は、ビスマス系ガラス粉末が、実質的にPbOを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm以下の場合を指す。このようにすれば、近年の環境的要請を満たすことができる。
発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板は、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50が15μm未満であることが好ましい。ここで、「平均粒子径D50」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。
発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板は、耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxが30μm以下であることが好ましい。ここで、「最大粒子径Dmax」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板は、封着材料が、更に、酸化物顔料を0〜10積%含有することに特徴付けられる。
本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板において、ビスマス系ガラス粉末のガラス組成範囲を上記のように限定した理由を下記に示す。なお、以下の%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を指す。
Biは、軟化点を下げるための主要成分であり、その含有量は67〜90%、好ましくは70〜87%、より好ましくは72〜85%、更に好ましくは75〜83%である。Biの含有量が67%より少ないと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、Biの含有量が90%より多いと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時または照射時にガラスが失透しやすくなる。
は、ビスマス系ガラスのガラスネットワークを形成する成分であり、その含有量は2〜12%、好ましくは3〜10%、より好ましくは4〜10%、更に好ましくは5〜9%である。Bの含有量が2%より少ないと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時または照射時にガラスが失透しやすくなる。一方、Bの含有量が12%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
ZnOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制し、ガラスの熱膨張係数を低下させる成分であり、その含有量は1〜20%、好ましくは2〜15%、より好ましくは3〜15%、更に好ましくは3〜12%である。ZnOの含有量が1%より少ないと、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する効果が得られ難くなる。ZnOの含有量が20%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。
CuO+Feは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分である。また、CuO+Feは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分である。CuO+Feの含有量は0.2〜15%、好ましくは0.5〜10%、より好ましくは1〜10%、更に好ましくは1.5〜10%、特に好ましくは2〜8%、最も好ましくは3.5〜8%である。CuO+Feの含有量が0.2%より少ないと、光吸収特性が乏しくなり、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、CuO+Feの含有量が15%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
ガラス組成中のFeは、Fe2+、或いはFe3+の形で存在することが想定されるが、本発明においては、ガラス組成中のFeは、Fe2+、或いはFe3+のいずれかに限定されるものではなく、いずれであっても構わない。ここで、本発明では、Fe2+の場合はFeに換算した上で取り扱う。特に、照射光として赤外レーザーを使用する場合、Fe2+は赤外域に吸収ピークを有することから、Fe2+の割合を高くする方が好ましく、酸化鉄中のFe2+/Fe3+の比率を0.03以上(望ましくは0.08以上)にすることが好ましい。
CuOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であるとともに、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜15%、0.2〜15%、0.5〜10%、1〜10%、特に3.5〜7%が好ましい。CuOの含有量が15%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。なお、CuOの含有量が少ないと、光吸収特性が乏しくなり、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
Feは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であるとともに、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0.05〜7%、より好ましくは0.1〜4%、更に好ましくは0.2〜2%である。Feの含有量が7%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。なお、Feの含有量が少ないと、光吸収特性が乏しくなり、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
本発明に係るビスマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、例えば、以下の成分を20%まで含有することができる。
SiOは、ガラスの耐水性を向上させる成分である。その含有量は0〜10%、好ましくは0〜3%である。SiOの含有量が10%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
Alは、ガラスの耐水性を向上させる成分である。その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。Alの含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量)は、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、これらの成分の含有量は合量で0〜15%、好ましくは0〜10%である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が15%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MgOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。MgOの含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
CaOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。CaOの含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
SrOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。SrOの含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
BaOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%である。BaOの含有量が10%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
CeOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%である。CeOの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。また、ガラスの熱的安定性を向上させる観点から、CeOを微量添加するのが好ましく、具体的には、CeOの含有量を0.01%以上とするのが好ましい。
Sbは、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%である。Sbは、ビスマス系ガラスのネットワーク構造を安定化させる効果があり、ビスマス系ガラスにおいて、Sbを適宜添加すれば、Biの含有量が多い場合、例えばBiの含有量が76%以上であっても、ガラスの熱的安定性が低下し難くなる。ただし、Sbの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。また、ガラスの熱的安定性を向上させる観点から、Sbを微量添加するのが好ましく、具体的には、Sbの含有量は0.05%以上が好ましい。
Ndは、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%である。Ndは、ビスマス系ガラスのネットワーク構造を安定化させる効果があり、ビスマス系ガラスにおいて、Ndを適宜添加すれば、Biの含有量が多い場合、例えばBiの含有量が76%以上であっても、ガラスの熱的安定性が低下し難くなる。ただし、Ndの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。また、ガラスの熱的安定性を向上させる観点から、Ndの微量添加が好ましく、具体的には、Ndの含有量は0.05%以上が好ましい。
WOは、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜2%である。ただし、WOの含有量が10%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。
In+Ga(InとGaの合量)は必須成分ではないが、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は合量で0〜5%、好ましくは0〜3%である。ただし、In+Gaの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。なお、Inの含有量は0〜1%がより好ましく、Gaの含有量は0〜0.5%がより好ましい。
Li、Na、KおよびCsの酸化物は、ガラスの軟化点を低くする成分であるが、溶融時にガラスの失透を促進する作用を有するため合量で2%以下とするのが好ましい。
は、溶融時にガラスの失透を抑制する成分であるが、その添加量が1%より多いと、溶融時にガラスが分相しやすくなる。
La、YおよびGdは、溶融時にガラスの分相を抑制する成分であるが、これらの合量が3%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
NiOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。NiOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
は、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。Vの含有量が7%より多いと、照射時にガラスに発泡が生じやすくなる。
CoOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。CoOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
MoOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。MoOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
TiOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。TiOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。また、TiOの含有量が7%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MnOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。MnOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
また、その他の成分であっても、ガラスの特性を損なわない範囲で15%(好ましくは5%)までガラス組成中に添加することができる。ただし、PbOは、既述の通り、環境的観点から、実質的に含有しないことが好ましい。
本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板において、封着材料は、ビスマス系ガラス粉末55〜100体積%、耐火性フィラー粉末0〜45体積%を含有し、ビスマス系ガラス粉末65〜100体積%と耐火性フィラー粉末0〜35体積%を含有することが好ましく、ビスマス系ガラス粉末65〜85体積%と耐火性フィラー粉末15〜35体積%を含有することがより好ましい。ビスマス系ガラス粉末は、低融点であることから、低温で良好に流動する。また、ビスマス系ガラス粉末に耐火性フィラー粉末を添加すれば、封着材料の熱膨張係数を調整できるため、被封着物の熱膨張係数に容易に整合させることができる。その結果、封着部位に不当な応力が残留する事態を防止することができる。ただし、耐火性フィラーの含有量が45体積%より多いと、ビスマス系ガラス粉末の含有量が相対的に少なくなって、所望の流動性を確保することが困難になる。また、耐火性フィラーの含有量が45体積%より多いと、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50が10μm以下の場合、照射時にガラス中に耐火性フィラー粉末が溶解しやすくなり、その結果、ガラスが失透しやすくなる。
火性フィラー粉末として、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、リン酸ジルコニウム、ジルコン、ジルコニア、酸化スズから選ばれる一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。これらの耐火性フィラー粉末は、熱膨張係数が低いことに加えて、機械的強度高く、しかもビスマス系ガラス粉末との適合性が良好である。更に、上記の耐火性フィラー粉末以外にも、封着材料の熱膨張係数の調整、流動性の調整および機械的強度の改善のために、石英ガラス、β−ユークリプタイト等の耐火性フィラー粉末を添加することができる。
現在、有機ELディスプレイは、駆動方式として、TFT等のアクティブ素子を各画素に配置して駆動するアクティブマトリクス駆動が採用されており、そのため、有機ELディスプレイ用ガラス基板には、無アルカリガラス(例えば、日本電気硝子株式会社製OA−10)が使用される。無アルカリガラスの熱膨張係数は、通常、40×10−7/℃以下であるため、有機ELディスプレイ用封着材料の熱膨張係数を無アルカリガラスの熱膨張係数に厳密に適合させることは困難である。しかし、有機ELディスプレイ用封着材料の熱膨張係数をできるだけ低くすることは重要であり、具体的には、有機ELディスプレイ用封着材料の熱膨張係数は80×10−7/℃以下、特に70×10−7/℃以下が望ましい。このようにすれば、封着部位にかかる応力を小さくすることができ、封着部位の応力破壊を防ぐことができる。ここで、「熱膨張係数」は、押棒式熱膨張係数測定装置で測定した値を指し、測定温度範囲は30〜300℃とする。
本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板において、封着材料は、更に、酸化物顔料を0〜10体積%、好ましくは0.1〜5体積%、より好ましくは0.5〜3体積%含有することが好ましい。酸化物顔料の含有量が10体積%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。酸化物顔料として、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物およびこれらのスピネル型複合酸化物等が使用可能であり、特に、酸化物顔料として、Mn系酸化物(例えば、東罐マテリアル株式会社製42−343B)が好ましい。これらの酸化物顔料は、レーザー光等の光吸収を促進させることが可能であり、その結果、封着材料の封着強度を高めることができる。
本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板において、封着材料は、更に、封着部位の厚みを均一化するために、ガラスファイバー、ガラスビーズ、シリカビーズ、樹脂ビーズ等をスペーサーとして10体積%まで含有してもよい。更に、光吸収を促進させるために、Cu、Fe、Mn、Co等の遷移金属粉末等を10体積%まで含有してもよい。
本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板において、封着材料の軟化点は550℃以下が好ましく、500℃以下がより好ましく、465℃以下が更に好ましい。軟化点が550℃より高いと、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難い傾向があり、ガラス基板同士の封着強度を高めるためには、レーザー光等の出力を上げる必要がある。軟化点の下限は特に限定されないが、ガラスの熱的安定性を考慮すれば、軟化点を385℃以上に設定することが好ましい。ここで、「軟化点」とは、示差熱分析装置で測定した値を指し、空気中で昇温速度は10℃とする。
本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板において、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50は15μm未満が好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜5μmが更に好ましい。耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50が15μm以上であると、封着部位が厚くなりやすく、両ガラス基板間のギャップが大きくなり、有機ELディスプレイを薄型化し難くなる。また、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50を15μm未満にすると、両ガラス基板間のギャップを小さくすることができ、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部位にクラック等が発生し難くなる。なお、耐火性フィラー粉末の効果(例えば、封着材料の熱膨張係数を低下させる効果)を的確に享受するためには、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50を0.5μm以上にするのが好ましい。
本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板において、耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxは30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxが30μmより大きいと、封着部位において、30μm以上の厚みを有する箇所が発生するため、両ガラス基板間のギャップが不均一になり、有機ELディスプレイを薄型化し難くなる。また、耐火性フィラー粉末の平均粒子径Dmaxを30μm以下にすると、両ガラス基板間のギャップを小さくすることができ、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部位にクラック等が発生し難くなる。
本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板において、ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径D50は15μm未満が好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜5μmが更に好ましい。ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径D50を15μm未満にすると、両ガラス基板間のギャップを小さくしやすくなり、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部位にクラック等が発生し難くなるとともに、封着に要する時間を短縮することができる。
本発明の有機ELディスプレイ用乾燥膜付きガラス基板において、ビスマス系ガラス粉末の最大粒子径Dmaxは30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径Dmaxを30μm以下にすると、両ガラス基板間のギャップを小さくしやすくなり、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部位にクラック等が発生し難くなるとともに、封着に要する時間を短縮することができる。
本発明に係る封着材料は、粉末のまま使用に供してもよいが、ビークルと均一に混練し、ペーストに加工すると取り扱いやすい。ビークルは、主に溶媒と樹脂とからなり、樹脂はペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。作製されたペーストは、ディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いてガラス基板に塗布され、脱バインダー工程に供される。
樹脂としては、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。特に、アクリル酸エステル、ニトロセルロースは、熱分解性が良好であるため、好ましい。
溶媒としては、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、α−ターピネオールは、高粘性であり、樹脂等の溶解性も良好であるため、好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
表1〜4は本発明の実施例(試料No.1〜18)および比較例(試料No.19〜23)を示している。
次のようにして表1〜4に記載の各試料を調製した。まず、表に示したガラス組成となるように各種酸化物、炭酸塩等の原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて1100℃で1時間溶融した。次に、水冷ローラーにより、溶融ガラスを薄片状に成形した。最後に、薄片状のガラスをボールミルにて粉砕後、空気分級し、平均粒子径D50が2.5μm、最大粒子径Dmaxが10μmの各ガラス粉末を得た。
耐火物フィラー粉末は、コーディエライト、ウイレマイト、β−ユークリプタイト、リン酸ジルコニウムを用いた。各耐火性フィラー粉末は、平均粒子径D50が2.5μm、最大粒子径Dmaxが10μmになるように調製した。
表中に示す通り、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を混合し、試料No.1〜23を作製した。試料No.1〜23につき、ガラス転移点、軟化点、熱膨張係数、流動性、封着強度、発泡状態および失透状態を評価した。
ガラス転移点、軟化点は、示差熱分析装置で測定した。測定は、大気中において、昇温速度10℃/分で行い、室温から測定を開始した。
熱膨張係数は、押棒式熱膨張係数測定装置で求めた。測定温度範囲は30〜300℃とした。
流動性は、各試料を厚さ2mmに加圧成形した後、各加圧体に波長1060nmのYAGレーザー(出力600mW、パワー密度5kW/cm)を照射することで評価した。YAGレーザーを照射した後、ガラスが溶解する状態を顕微鏡でその場観察し、ガラスが軟化変形しているものを「○」、ガラスが軟化変形していないものを「×」として評価した。
次のようにして封着強度を評価した。まず、各試料とビークル(アクリル樹脂含有のα−ターピネオール)を三本ロールミルで均一に混錬し、ペースト化した後、無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10、□100mm×0.5mm厚)の外周端に線状(30μm厚)に塗布し、乾燥オーブンで150℃10分間乾燥した。次に、室温から10℃/分で昇温し、450℃で20分間焼成した後、室温まで10℃/分で降温し、脱バインダー処理を行なった。次に、乾燥膜が形成された無アルカリガラス基板の上に、別の無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10、□100mm×0.5mm厚)を正確に重ねた後、乾燥膜に沿って、波長1060nmのYAGレーザー(出力600mW、パワー密度5kW/cm)を照射し、両ガラス基板を封着した。封着後の両ガラス基板を上方1mからコンクリート上に落下させ、両ガラス基板が剥離しなかったものを「○」、両ガラス基板が剥離したものを「×」として評価した。
発泡状態は、上記封着強度の評価で形成された封着部位の断面を光学顕微鏡で観察し、100μm×100μmの面積中にφ5μm以上の泡が5個未満のものを「○」、φ5μm以上の泡が5個以上のものを「×」として評価した。
失透状態は、上記封着強度の評価で形成された封着部位の表面を光学顕微鏡(100倍)で観察し、表面に結晶が観察されたものを「○」、表面に結晶が観察されなかったものを「×」として評価した。
表1〜3から明らかなように、試料No.1〜18は、流動性、封着強度、発泡性および失透状態の評価が良好であり、有機ELディスプレイ用封着材料に好適であると判断できる。
表4から明らかなように、試料No.19〜22は、ガラス組成中にCuOおよびFeを含有していないため、流動性および封着強度の評価が不良であった。試料No.23は、バナジウム系ガラス粉末を使用したため、発泡性の評価が不良であった。

Claims (9)

  1. ビスマス系ガラス粉末55〜100体積%、耐火性フィラー粉末0〜45体積%含有し、且つビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、CuO+Feを0.2〜15質量%含有することを特徴とする有機ELディスプレイ用封着材料。
  2. 照射光による封着処理に供されることを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  3. 照射光がレーザー光であることを特徴とする請求項2に記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  4. ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、下記酸化物換算の質量%表示で、Bi 67〜90%、B 2〜12%、ZnO 1〜20%、CuO+Fe 0.2〜15%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  5. 耐火性フィラー粉末が、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、リン酸ジルコニウム、ジルコン、ジルコニア、酸化スズから選ばれる一種または二種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  6. 実質的にPbOを含有しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  7. 耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50が15μm未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  8. 耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxが30μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  9. 更に、酸化物顔料を0〜10体積%含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
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