JP2014012265A - 遠心分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理液の性状(特に、固形分濃度)が変化しても安定した操業であって、且つ
、不要な電力を削減した省エネ操業を実現できる遠心分離装置を提供する
【解決手段】被処理液に遠心力を付与して固形物と液とを遠心分離するボウルと、前記ボ
ウル内の固形物を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記ボウルを回転させ
る駆動モータと、前記スクリューコンベアが前記ボウルと相対的な差速をもって回転する
ようにする差速発生装置と、を備えた遠心分離装置であって、前記スクリューコンベアの
搬送トルクの変化に応じて前記ボウルの遠心力の大きさを自動制御する制御装置を備えた
構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボウルとスクリューコンベアを備えた遠心分離装置に関し、特に、スクリュ
ーコンベアの搬送トルクに応じてボウルの遠心力を制御する機能を備えた遠心分離装置に
関する。
遠心力を利用して固液分離を行う装置として、デカンタと称される遠心分離装置が知ら
れている(例えば、特許文献1参照)。図9は、横型のデカンタの概略構造を示す。横型
のデカンタ100は、図9に示されるように、水平軸廻りに回転可能なボウル101と、
このボウル101内に同じ回転軸上に配置されたスクリューコンベア102とが、ケーシ
ング103の内部に収容されている構造である。
固形物を含む被処理液に遠心力を付与するボウル101は、一端側がコニカル状に形成
されている。このコニカル状に形成されている部位は、スクリューコンベア102によっ
て移送される固形物が液溜まりから離脱するビーチ部を形成しており、その先端側に固形
物出口104が形成されている。また、ボウル101の胴部は、ボウル101の内部に供
給される被処理液の液溜り(プール部)を形成しており、他端側の端面に分離液出口10
5が形成されている。一方、スクリューコンベア102の胴部には、螺旋状のスクリュー
羽根102aと、被処理液をボウル内に供給するための吐出口102bが形成されている
このような構成において、回転するボウル101内に被処理液を連続供給すると、遠心
力の作用によりボウル101の周壁面に固形物が沈降する。そして、ギアボックス106
を介してボウル101とは相対的な差速をもって回転するスクリューコンベア102によ
って、固形物はビーチ部に向かって移送される。ビーチ部で液から分離された固形物は、
固形物出口104から排出される。一方、固形物が分離された液(分離液)は、分離液出
口105からオーバーフローして排出される。
ボウル101は、主駆動モータ107によって回転される。主駆動モータ107は、イ
ンバータ制御によってボウル101の回転速度(N)を制御する。一方、スクリューコン
ベア102は、ボウル101と相対的な差速(ΔN)をもって回転するように、ギアボッ
クス106とバック駆動モータ108によって回転速度が制御される構成になっている。
上記構成において差速を形成する方法について説明する。主駆動モータ107によって
被処理液を含むボウル101を回転させると、摩擦や流体抵抗等の作用によりボウル10
1と一体となってスクリューコンベア102も同速で回転しようとする。同速では固形物
がビーチ部へ搬送されないため、スクリューコンベア102がボウル101よりも遅い速
度で回転するように、バック駆動モータ108によってブレーキをスクリューコンベア1
02に付与する。ブレーキの作用によって生成された回生電力は、主駆動モータ107で
消費し、装置の省エネ化を実現している。
従来においては、ボウル101の回転速度(N)と差速(ΔN)の両方が一定となるよ
うに操業されるか、或いは、特許文献2のように、スクリューコンベア102の搬送負荷
(トルク)を計測し、トルク値に応じて差速(ΔN)の大きさを制御するデカンタ100
が開示されている。すなわち、従来はボウル101の回転速度(N)を一定とした操業が
行われている。
特開2011−230040号公報 特開平8−332413号公報
しかしながら、供給する被処理液の性状(特に、固形分濃度)は、必ずしも連続して一
定ではなく、変動する場合がある。特に、被処理液が下水処理等で発生する汚泥の場合、
降雨量等の諸因子によって固形分濃度(汚泥濃度)が変化する。従来においては、意図し
てボウル101の回転数を一定に設定するか、或いは、特許文献2のように一定にせざる
を得ない構造にしているので、供給する被処理液の性状(特に、固形分濃度)に不適正な
遠心力(G)で操業している場合がある。この場合、ボウル101から排出される固形物
(汚泥の場合は濃縮汚泥)の含水率が目標値から外れたり、或いは不必要に電力を消費す
ることによるランニングコスト増を招いたりする。
本発明は、一例として挙げた上記問題点を解決するためになされたものであり、その目
的は、被処理液の性状(特に、固形分濃度)が変化しても安定した操業であって、且つ、
不要な電力を削減した省エネ操業を実現できる遠心分離装置を提供することにある。
本発明の遠心分離装置は、被処理液に遠心力を付与して固形物と液とに遠心分離するボ
ウルと、前記ボウル内の固形物を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記ボ
ウルを回転させる駆動モータと、前記スクリューコンベアが前記ボウルと相対的な差速を
もって回転するようにする差速発生装置と、を備えた遠心分離装置であって、前記スクリ
ューコンベアの搬送トルクの変化に応じて前記ボウルの遠心力の大きさを自動制御する制
御装置を備えたことを特徴とする。
前記制御装置は、前記搬送トルクの目標設定値の範囲の情報を有し、遠心分離実行時の
搬送トルクが目標設定値の範囲に納まるように前記ボウルの遠心力の大きさを段階的に変
えることが好ましい。また、前記目標設定値の範囲は、上限値と下限値との差が0.5k
gf−mに設定されており、前記搬送トルクがこの範囲内に納まるように前記ボウルの遠
心力の大きさを段階的に変えることが好ましい。また、前記ボウルの遠心力は、例えば1
00G間隔で段階的に変えることが好ましい。
前記制御装置は、段階的に変えられる遠心力の各々に対応付けた差速可動上限値の情報と差速可動下限値の情報とをさらに有し、前記ボウルの遠心力の大きさを段階的に変えるときに変更後の前記ボウルの遠心力に対応する差速可動上限値及び差速可動下限値に設定することが好ましい。また、前記制御装置は、前記ボウルの遠心力を上昇させる動作を開始してから変更後の遠心力となるまでの間、前記ボウルへの被処理液の供給を停止する制御を実行することが好ましい。
前記制御装置は、前記搬送トルクのトルク目標設定値の範囲の情報、前記差速の差速可動範囲の情報を有し、遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記トルク目標設定値の範囲外にあり、かつ、差速が差速可動範囲の限界値である差速可動上限値又は差速可動下限値にある状態が一定時間継続する場合には、前記搬送トルクをトルク目標設定値の範囲に収める方向に、前記ボウルの遠心力の大きさを段階的に変えることが好ましい。
前記制御装置は、前記トルク目標設定値の範囲よりも広いトルク限界値の範囲の情報を有し、遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記トルク目標設定値の上限設定値と前記トルク限界値の上限値であるトルク上限限界値との間であって、かつ、前記差速が前記差速可動下限値にある状態が一定時間継続した場合には、遠心力を下げる第1の遠心力低下処理を行い、遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記トルク上限限界値以上であって、かつ、前記差速が前記差速可動下限値にある状態が一定時間継続した場合には、前記第1の遠心力低下処理よりも大きく遠心力を下げる第2の遠心力低下処理を行い、遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記トルク目標設定値の下限設定値と前記トルク限界値の下限値であるトルク下限限界値との間であって、かつ、前記差速が前記差速可動上限値にある状態が一定時間継続した場合には、遠心力を上げる第1の遠心力増加処理を行い、遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記下限限界値以下であって、かつ、前記差速が前記差速可動上限値にある状態が一定時間継続した場合には、第1の遠心力増加処理よりも大きく遠心力を上げる第2の遠心力増加処理を行うことが好ましい。
本発明によれば、被処理液に遠心力を付与して固形物と液とに遠心分離するボウルと、
前記ボウル内の固形物を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記ボウルを回
転させる駆動モータと、前記スクリューコンベアが前記ボウルと相対的な差速をもって回
転するようにする差速発生装置と、を備えた遠心分離装置において、前記スクリューコン
ベアの搬送トルクの変化に応じて前記ボウルの遠心力の大きさを自動制御する制御装置を
備えたことにより、被処理液の性状(特に、固形分濃度)の変化に応じた適正な遠心力で
遠心分離を行うことができる。その結果、固形物(汚泥の場合はケーキ)の含水率が目標
値から外れるのを抑制でき、また不要な電力を削減した省エネ操業を実現できる。
本発明の実施形態に従うデカンタの全体構成を示す図である。 上記デカンタの部分拡大図(ショートコーン)である。 上記デカンタの部分拡大図(アキシャルコンベア)である。 上記デカンタが実行する自動制御の設定値一覧である。 発明の効果を確認するために行った実施例の結果を示す。 第2実施形態の搬送トルクおよび差速のグラフである。 メモリが格納する各種の設定値である。 汚泥の遠心分離方法を説明するためのフローチャートである。 従来のデカンタを示す概略図である。
以下、本発明の好ましい実施形態による遠心分離装置について、汚泥を処理する横型の
デカンタを一例に挙げて説明する。但し、以下に説明する各実施形態によって本発明の技術的範囲は何ら限定解釈されることはない。
(第1実施形態)
本実施形態に従うデカンタ1は、図1に示すように、固形物出口21と分離液出口22
のそれぞれが下方に形成されているケーシング2と、ケーシング2内に配置された回転筒
状体をなすボウル3と、ボウル3内で遠心力が付与された固形物の搬送手段であるスクリ
ューコンベア4を備えている。ボウル3は、例えばケーシング2に取付けられたベアリン
グ等の軸受機構23によって支持され、スクリューコンベア4はコンベアベアリング(不
図示)によって支持されており、ボウル3とスクリューコンベア4のそれぞれが独立して
水平軸周りに回転可能となっている。
そして、駆動機構である駆動モータ24の動力が回転ベルト24aを介してボウル3側
のプーリー24bに伝達されることによって、ボウル3が所定の回転速度で回転し、さら
に差速発生機構25及びスプラインシャフト26を通じてスクリューコンベア4に動力が伝達され、ボウル3とスクリューコンベア4が相対的な差速をもって回転するように構成されている。差速発生機構には、例えば、遊星ギアを用いることができる。
差速発生機構25の回転シャフト25aには、バックドライブモータ27と称される駆動モータが回転ベルト27a及びプーリー27bを介して連結されている。バックドライブモータ27は、モータの回転シャフトを回転ベルト27aが回転するときのトルクを利用して、スクリューコンベア4がボウル3よりも遅く回転するようにブレーキをかけるためのものである。ブレーキをかけることによってモータ27に発生する回生電力は、駆動モータ24に供給し、これにより装置全体の消費電力を抑えるようにしている。但し、差速発生機構25のギア比のみで差速を形成する場合は、バックドライブモータ27を設けなくともよい。
デカンタ1は、被処理液である汚泥、及び凝集剤をボウル3内に供給するための供給ノ
ズル5をさらに備えている。供給ノズル5は、例えば2重管構造であり、内側に汚泥,外
側に凝集剤の流路が割り当てられている。汚泥は、上下水、産業排水、し尿などの水処理
過程で発生する汚泥であり、95〜99.5%程度の含水率である。凝集剤は、例えば高
分子凝集剤が用いられる。
ボウル3の胴部は、一端側が円錐部31に形成され、他端側が円筒部32に形成されて
いる。そして、他端側の開口部は、フロントハブ33と称される平面が円形の部材によっ
て塞がれている。フロントハブ33と円筒部32は、ボウル3内に供給される汚泥が滞留
するプール部(液溜まり)を形成する。フロントハブ33には分離液排出口34が形成さ
れており、汚泥を連続的にボウル3内に供給することによって分離液を排出口34からオ
ーバーフローさせる。
一方、ボウル3の円錐部31は、スクリューコンベア4によって移送される濃縮汚泥(
すなわち、脱水途中の汚泥)がプール部から離脱するビーチ部を形成しており、ビーチ部
の先端側に濃縮汚泥(又は脱水汚泥)の排出口35が形成されている。ビーチ部は、その
傾斜面で濃縮汚泥をスリップさせスクリュー羽根41の圧搾力を大きく汚泥に作用させる
役割と、プール部の有効容積を大きくして汚泥滞留時間を増加させる機能がある。低動力
や高脱水型のデカンタ1においては、中央付近で傾斜角度が変わる2段構造のビーチ部と
なっている。図1のビーチ部のように先端側の傾斜角の方を急にすることには、スクリュ
ー羽根41の圧搾力と汚泥滞留時間を更に増加させる作用がある。但し、先端側の傾斜角
の方を緩やかにすることもでき、必ずしも2段構造としなくともよい。さらに、本実施形
態は、円錐部31を有さず、円筒部32のみで構成されるボウル3にも適用可能である。
ボウル3内で汚泥を搬送・圧搾するスクリュー羽根41は、スクリューコンベア4の胴
部42の外周面に螺旋状に形成されている。スクリューコンベア4の胴部42は、図2に
示すように、内部に空洞(バッファ部)を有し、バッファ部内まで供給ノズル5の先端が
延設されている。そして、供給ノズル5からの汚泥がバッファ部に供給されると、胴部4
2の中央部付近に形成されているショートコーン43を介して遠心力の作用によってボウ
ル3内に汚泥が供給されるようになっている。凝集剤も、同図に示すように、汚泥とは別
経路でショートコーン43内に供給され、ショートコーン43内で汚泥と混合されてボウ
ル3内に供給される。ショートコーン43の内部領域で汚泥と凝集剤を効率良く反応させ
て遠心力場に速やかに供給できるので、凝集剤の低薬注率を達成することができる。さら
に、ショートコーン43に沿って汚泥が遠心力場に供給されるので、ボウル3内の汚泥層
を撹拌することがなく、分離性能を高めることができる。なお、凝集剤の薬注は、必ずし
も行わなくてもよく、薬注するための設備を省略することもできる。
スクリューコンベア4は、好ましくはスクリューコンベア4の軸芯方向に沿った分離液
の流れを可能にする開口部がスクリュー羽根41に設けられたアキシャルコンベアを用い
る。アキシャルコンベアを用いることにより、分離液は、スクリュー羽根41間の溝に沿
って螺旋状に流れるのではなく、開口部を通過してスクリューコンベア4の軸芯方向に沿
って直線状に流れ、分離液排出口34に向かう。このような流れを形成させることにより
、ボウル3内における分離液の線速度が低くなり、汚泥層を撹乱することなく流れること
によって低薬注率を達成できる。
図3には、アキシャルコンベアの一例を示している。このアキシャルコンベアは、図3
に示すように、ショートコーン43から分離液排出口34側のスクリュー羽根41につい
ては、螺旋状の帯状部材41aをスクリューコンベア4の胴部から離して配置することに
よって開口部を形成し、放射状に配置される支持部材41bで螺旋状の帯状部材を固定す
ることによってスクリュー羽根41を形成している。
説明を図1に戻すと、デカンタ1は、ボウル3の回転速度を計測するボウル速度計を有する。ボウル速度計は、一例として非接触式回転センサーを採用することができる。ボウル3が被処理液に付与する遠心力(G)は、ボウル3の回転速度(N)と、回転軸からラジアル方向の距離(すなわち、ボウル内径r)とによって、遠心力(G)=r×ω2/g=(r×N2)/894の計算式で算出することができる。ボウル3の内径(r)は設計仕様によって決まっているので、前記算出式を用いて遠心力(G)と回転速度(N)との対応関係を予め求めておくことができる。本実施形態では、遠心分離実行時に遠心力(G)の設定値を決め、その遠心力(G)に対応する回転速度(N)を設定値に決める手順を実行する。そして決められた設定値でボウル3が回転するように、ボウル速度計の計測値を参照して駆動モータ24をインバータ制御する。遠心力(G)と回転速度(N)との対応関係の情報は、後述する制御装置6のメモリ等に格納しておくことができる。なお、ボウル3の回転速度は、インバータ制御される駆動モータ24のインバータ情報(周波数等)から検出することもできる。
デカンタ1は、スクリューコンベア4の搬送トルクを計測するトルク計を有する。トル
ク計は、一例としてインバータトルクモニタ出力を採用することができる。スクリューコ
ンベア4の搬送トルクは、ボウル3内の汚泥の濃縮状態によって変化する。より詳しくは
、濃縮が進行し過ぎのときは、ボウル3内の汚泥の含水率が低いため搬送トルクが大きく
なる。反対に、濃縮が不足し過ぎのときは、ボウル3内の汚泥の含水率が高いため搬送ト
ルクが小さくなる。ボウル3内の濃縮汚泥の状態を変える因子の一つとしては、供給する
汚泥(供給汚泥)の性状(特に、汚泥濃度)の変化がある。供給汚泥の性状は、降雨量等
に基づく下水性状の変化や、下水処理場の操業状態等によって変化する。
ここで、従来のようにボウル3の回転速度(N)を一定にして操業した場合、濃度が高
い汚泥を供給するとボウル3内で濃縮が進行し過ぎて搬送トルクが大きくなる。その結果
、濃縮汚泥の含水率が目標値よりも低くなり過ぎ、さらに濃縮汚泥が排出口35を閉塞さ
せる場合がある。さらに、必要以上の遠心力(G)を付与することは、必要以上の電力が
消費されていることになる。反対に、濃度が低い汚泥を供給するとボウル3内での濃縮が
不十分になって、搬送トルクが小さくなる。その結果、目標値に到達しない濃縮汚泥が機
外に排出されることになる。
本実施形態のデカンタ1は、適正な遠心力(G)を付与することによってボウル3内の
濃縮状態を安定化させるために、スクリューコンベア4の搬送トルクの変化に応じて、ボ
ウル3の遠心力(G)の大きさを変える制御装置6を備えている。制御装置6は、例えば
CPUとメモリを備えたコンピュタ装置で構成することができる。制御装置6は、後述す
る遠心力(G)の自動制御を行うシーケンスプログラムをメモリに格納している。制御装
置6は、更に、デカンタ1の全体的動作を制御するシーケンスプログラムをメモリに格納
しておくことができる。
制御装置6は、図4に一例を挙げているように、遠心力(G)と回転速度(N)との対
応関係を示す情報と、遠心力(G)と対応付けた差速(ΔN)の差速可動上限値の情報及び差速可動下限値の情報をメモリに格納している。遠心力(G)は、段階的に変えることが好ましいため、例えば800G〜1700Gの範囲を100G間隔で10段階に区切った遠心力(G)の設定値と、各遠心力(G)の設定値に対応付けた回転速度(N)と差速(ΔN)の差速可動上限値の情報と差速可動下限値の情報とを格納している。
さらに、制御装置6は、図4に併せて示すように、搬送トルクの目標設定値の範囲の情
報をメモリに格納している。目標設定値の範囲は、処理する汚泥の種類や目標とする含水
率等によって適宜設定することができる。好ましい一例としては、目標設定値を7.5k
gf−mとし、トルク上限設定値を7.7kgf−m、トルク下限設定値を7.2kgf−mに設定する。すなわち、トルク上限設定値とトルク下限設定値の差を0.5kgf−mとするのが好ましい。トルク上限設定値とトルク下限設定値の差を比較的狭く設定することによって、適正な遠心力(G)の傾向を把握できる利点がある。これに対し、この差が大き過ぎるとトルク変動の幅が大きく安定性を欠いた操業となる場合があり、反対に差が小さ過ぎると頻繁に遠心力(G)が変更され安定性を欠いた操業となる場合がある。
(作用)
続いて、本実施形態に従うデカンタ1を用いて汚泥を遠心分離する動作について説明す
る。まず、駆動モータ24を起動し、ボウル3とスクリューコンベア4をそれぞれ所定の
回転速度で回転させながら、汚泥と凝集剤をボウル3内に供給する。ボウル3の回転速度
(N)の設定値、ボウル3とスクリューコンベア4の差速(ΔN)の差速可動上限値及び差速可動下限値は、遠心力(G)の設定値に基づいてそれぞれ決定される。一例として、供給する汚泥の濃度を予め分析し、分析結果に基づいて遠心力(G)の目標値(初期設定値)を決定し、オペレータが制御装置6に入力する。初期設定値は低めに設定しておき、自動制御によって適正な遠心力(G)に段階的に上げていくのが好ましい。初期設定値が入力された制御装置6は、初期設定値の遠心力(G)に対応する回転速度(N)の設定値と差速(ΔN)の差速可動上限値の情報と差速(ΔN)の差速可動下限値の情報とをメモリから読み出し、その回転速度(N)の設定値と差速(ΔN)の差速可動上限値と差速(ΔN)の差速可動下限値とを制御用の設定値に決定する。一例として、1600Gを初期設定値とした場合、回転速度(N)の設定値は1792min−1であり、差速(ΔN)の差速可動上限値は3.5min−1であり、差速(△N)の差速可動下限値は4.5min−1である。ボウルの回転速度(N)は、ボウル速度計が計測する回転速度が設定値と同じになるように駆動モータ24をインバータ制御する。一方、差速については、トルク出力に基づいて制御する。汚泥の供給量は、一例として2〜50m3/hとすることができる。凝集剤の添加量は、添加する凝集剤の種類、汚泥の性状や反応性などに基づいて調整することができる。
汚泥と凝集剤は、前述したように、ショートコーン43の部分で混合される。凝集剤が
混合された汚泥は、回転するボウル3によって遠心力が付与され、ボウル3のプール部に
全周に亘って貯留された状態となり、さらに比重差によって汚泥固形分がボウル3の内周
面側に沈降した状態となる。そして、ボウル3内周面側に沈降した汚泥固形分は、回転す
るスクリューコンベア4のスクリュー羽根41によって排出口35に向かって移送されて
いき、ビーチ部に上陸することによって液から分離される。液から分離された濃縮汚泥は
、排出口35からボウル3外に排出される。一方、汚泥を連続供給することによって、分
離液排出口34から分離液がオーバーフローする。
トルク計は、スクリューコンベア4の搬送トルクを連続計測する。制御装置6は、トルク計が計測するトルク値を予め決めた所定の間隔(例えば、30分間隔)でサンプリングし、目標設定値の範囲内に納まっているかを判定する。判定の結果、目標設定値の範囲内に納まっていれば現在の遠心力(1600G)で適切であると判断し、この設定値を維持する。なお、後述する実施例の結果にも示されているように、搬送トルクは時々刻々と変化するので、複数サンプリングしてその平均値を指標とするのが好ましい。
一方で、サンプリングしたトルク値がトルク上限設定値を超えている場合(例えばトルク値が8.0kgf−mであった場合)、制御装置6は、現在の遠心力(G)が高いと判断し、現在の遠心力(G)から100G低い遠心力(1500G)を新たな設定値に変更する。さらに、制御装置6は、新たな遠心力(G)の設定値に対応する回転速度(N)の設定値と差速(ΔN)の差速可動上限値の情報と差速(ΔN)の差速可動下限値の情報とをメモリから読み出し、それぞれ新たな設定値に変更する。なお、運転は継続した状態で設定変更が完了となる。
他方、サンプリングしたトルク値がトルク下限設定値を下回っている場合(例えばトルク値が6.5kgf−mであった場合)、制御装置6は、現在の遠心力(G)では低いと判断し、現在の遠心力(G)から100G高い遠心力(1700G)を新たな設定値に変更する。さらに、制御装置6は、新たな遠心力(G)の設定値に対応する回転速度(N)の設定値と差速(ΔN)の差速可動上限値の情報と差速(ΔN)の差速可動下限値の情報とをメモリから読み出し、それぞれ新たな制御用の設定値に変更する。なお、遠心力(G)を上げるときは、回転速度(N)と差速(ΔN)が新たな制御用の設定値へ移行される間は、汚泥の供給を停止することが好ましい。汚泥の供給を継続したまま遠心力(G)を上げると、駆動モータ24に過負荷が発生して異常停止する場合があるからである。
なお、遠心力(G)の変化は1段階づつに限定されることはなく、例えばトルク上限設定値(又はトルク下限設定値)との差が大きい場合、2段階以上変化させてもよい。さらに、遠心力(G)を変える因子として、搬送トルクに加えて供給汚泥の濃度を追加するようにしてもよい。本明細書では、前述の搬送トルクに基づく制御を「オートモード制御」と定義し、搬送トルクと供給汚泥の濃度に基づいて遠心力(G)を制御することを「フルオートモード制御」と定義する。フルオートモード制御の場合、前述の制御に加えて、供給汚泥濃度が高いときに遠心力(G)を下げ、反対に濃度が低いときに遠心力(G)を上げる制御を追加する。汚泥の濃度は、濃度計を設置して連続的に測定することが好ましい。
上述の実施形態によれば、スクリューコンベア4の搬送トルクの変化に応じてボウル3
の遠心力(G)の大きさを自動制御する制御装置6を備えたことにより、供給汚泥の性状
(固形分濃度)の変化に応じた適正な遠心力で遠心分離を行うことができる。その結果、
ボウル3内の濃縮状態を安定化することができ、ボウル3から排出される濃縮汚泥の含水
率が(指定の目標値)から外れるのを抑制することができる。また、適正な遠心力(G)
に設定することによって、不要な電力を削減した省エネ操業を実現できる。なお、上述の
実施形態では制御装置6による自動制御を採用しているが、オペレータによる手動制御を
実行してもよい。
さらに上述の実施形態によれば、遠心力(G)を段階的に変える制御方法を採用したことにより、完全自動化による無人運転が可能になる。という利点がある。
以上、本発明を具体的な実施形態に則して詳細に説明したが、形式や細部についての種
々の置換、変形、変更等が、特許請求の範囲の記載により規定されるような本発明の精神
及び範囲から逸脱することなく行われることが可能であることは、当該技術分野における
通常の知識を有する者には明らかである。従って、本発明の範囲は、前述の実施形態及び
添付図面に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づ
いて定められるべきである。
最後に、図4の設定値で実際に自動操業を行ったときの、トレンドデータを図5に示す
。同図の結果から明らかなように、搬送トルクに応じて回転数(N)と差速(ΔN)が目
標とする制御設定値に沿うように自動制御されており、安定した操業を実現できた。さら
に操業期間中、濃縮汚泥の含水率も目標範囲に納まっていた。
(第2実施形態)
第1実施形態では、ボウル3の遠心力(G)の大きさをスクリューコンベア4の搬送トルクの変化に応じて制御した。本実施形態では、ボウル3の遠心力(G)の大きさを搬送トルクの変化に加えて、スクリューコンベア4とボウル3との差速(ΔN)の変化に応じて制御することで、より被処理液の性状に対応して安定操業可能な、かつ省エネルギー可能な運転となっている。本実施形態では、デカンタ1の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を繰り返さない。
本実施形態は、差速(△N)が差速可動範囲の限界値にある状態が一定時間継続しているにも拘わらず、搬送トルクが目標設定値の範囲に収束しない場合には、差速制御による搬送トルクの制御が不可能であるとみなして、遠心力(G)の大きさを変更することにより、目標設定値の範囲に搬送トルクを収束させる処理を実施する。この点について、以下詳細に説明する。
差速(△N)は、ボウル3の回転速度をN1、差速発生機構25の回転シャフト25aの回転速度をN2、差速発生機構25における減速比をXとした場合、
差速(△N)=(N1−N2)/X・・・・・・・・・(1)
なる算出式から導出することができる。
したがって、ボウル3の回転速度N1が一定である場合には、バックドライブモータ27の出力を増大させることにより差速(△N)が縮小し、バックトライブモータ27の出力を低下させることにより差速(△N)が拡張する。差速(△N)が変わると、搬送トルクも変化し、差速(△N)には搬送トルクを目標設定値の範囲に収めるための適正範囲があり、この適正範囲が上述の差速可動範囲に相当する。
図6は、ボウル3の遠心力(G)の制御方法を説明するためのグラフである。図6(A)は、スクリューコンベア4の搬送トルクの変化を示しており(代表例)、図6(B)は、ボウル3とスクリューコンベア4の差速(ΔN)の変化を示している(代表例)。図7は、メモリが格納する各種の設定値を示すデータテーブルである。
制御装置6のメモリには、図7に示すように、ボウル3の遠心力(G)の制御に用いられる各種の設定値が格納されている。各種設定値は、ボウル3の遠心力(G)を600G〜1500Gの範囲において100G間隔で10段階に分割し、各段階に対応付けられて記憶されている。すなわち、各遠心力(G)には、回転速度(N)が対応付けられている。例えば、1000Gの遠心力(G)には、回転速度(N)として1417min−1、差速(△N)の差速可動上限値として2.8min−1、差速(△N)の差速可動下限値として4.0min−1がそれぞれ対応付けられている。ただし、差速可動範囲は、差速発生機構25の構造、汚泥の目標含水率に応じて変化するため、図7に示す数値は一例である。したがって、図7では、差速(△N)の差速可動下限値の数値を全て同じにしているが、異なる値に設定してもよい。この点については、実施形態1においても同様である。なお、差速可動上限値及び差速可動下限値はそれぞれバックトライブモータ27の出力の下限値及び上限値に対応している。すなわち、上述の(1)式に示すように、バックドライブモータ27の出力が増大すると差速(△N)が縮小し、バックドライブモータ27の出力が低下すると差速(△N)が拡張する。そのため、図6(B)の縦軸表記は、差速可動下限値から差速可動上限値に向かって差速(Δ)の数値が漸減している。
制御装置6のメモリには、トルク目標設定値の範囲の情報、トルク限界値の範囲の情報が格納されている。搬送トルクのトルク目標設定値は7.5kg−mとなっている。
トルク目標設定値の範囲を示す情報は、実施形態1と同様であるため、説明を繰り返さない。トルク限界値の範囲の情報として、この範囲の上限値であるトルク上限限界値、この範囲の下限値であるトルク下限限界値とがメモリに格納されている。トルク上限限界値は、搬送トルクが大きくなりすぎて、差速発生機構25に加わる負荷が過大となるのを抑制する観点から適宜設定することができる。したがって、図7に示すトルク上限限界値(9.0kg−m)は、例示であり、差速発生機構25の種類に応じて適宜変更することができる。また、トルク下限限界値は、搬送トルクが小さくなりすぎて、汚泥の含水率が著しく目標含水率から外れるのを抑制する観点から適宜設定することができる。したがって、図7に示すトルク下限限界値(5.5kg−m)は、例示であり、汚泥の種類などに応じて適宜変更することができる。
以下、デカンタ1を用いた汚泥の遠心分離方法を図8のフローチャートを参照して詳細に説明する。
まず、デカンタ1の起動方法について説明する。オペレータは、ボウル3に供給する汚泥の濃度を予め分析し、分析結果に基づいて遠心力(G)の目標値(初期設定値)を決定する。制御装置6は、遠心力(G)の初期設定値のオペレータによる入力を受け付ける(Act1)。本実施形態では、遠心力(G)の初期設定値を1000Gに設定したものとする。
制御装置6は、遠心力(G)の初期設定値に対応する回転速度(N)の初期設定値(目標値)や差速(ΔN)の各種設定値をメモリから読み出す(Act2)。遠心力(G)の初期設定値1000Gに対応する回転速度(N)は1417min−1となり、差速可動範囲は2.8〜4.0min−1となる。
制御装置6は、駆動モータ24を起動し、ボウル3の回転速度(N)が初期設定値1417min−1に到達すると、汚泥および凝集剤のボウル3内へ供給を開始する(Act3)。
ボウル3内へ供給された汚泥および凝集剤は、ボウル3内で混合されるとともに、回転するボウル3によって遠心力が付与される。これにより、汚泥固形分は、ボウル3の内周面側に沈降して液から分離され、ボウル3に追従して回転するスクリューコンベア4によりボウル3外に排出されるとともに、分離液はボウル3からオーバーフローし、ボウル3から外部に排出される。
駆動モータ24の起動後、所定時間(例えば、15分程度)を経ることにより、このような汚泥の遠心分離処理が安定する。制御装置6は、トルク計から出力されるスクリューコンベア4の搬送トルクを常時監視する。また、制御装置6は、インバータ制御されるバックドライブモータ27のインバータ情報(周波数等)からスクリューコンベア4の回転速度を検出する。ただし、制御装置6は、差速発生機構25の回転シャフト25aの回転速度を検出する図示しない速度計からスクリューコンベア4の回転速度を取得してもよい。ボウル3の回転速度を検出する検出方法については説明を繰り返さない。
Act4において、制御装置6は、トルク値がトルク目標設定値(7.0〜7.8kg−m)の範囲内であるか否かを判別する。ここで、トルク値は、予め定められた所定の間隔(例えば、30分間隔)であるトルクサンプリング時間内におけるスクリューコンベア4のトルクの平均値とすることができる。トルク値がトルク目標設定値の範囲内でない場合、処理はAct5に進む。Act5において、制御装置6は、トルク値がトルク上限設定値よりも高いか否かを判別する。図6(A)の1−1、1−2に示すようにトルク値がトルク上限設定値よりも高い場合(Act5、YES)、処理はAct6に進む。トルク値がトルク下限設定値よりも低い場合(Act5、No)、処理はAct10に進む。
Act6において、差速(ΔN)が差速可動下限値にある状態が一定時間継続した場合(Act6:YES)、処理はAct7に進む。すなわち、トルク値がトルク上限設定値を超えた状態で、差速(△N)が差速可動下限値から所定時間変化しない場合には、差速(△N)による制御(つまり、バックドライブモータ27による差速制御)が限界に達しているものとみなして、Act7に進む。
Act7において、制御装置6は、トルク値がトルク上限限界値以上であるか否かを判別する。トルク値がトルク上限限界値以上である場合(Act7、YES)、処理はAct9に進む。トルク値がトルク上限限界値以上でない場合(Act7、NO)、処理はAct8に進む。
Act9において、制御装置6は、遠心力(G)を2段階下げる処理を行う。つまり、トルク値がトルク上限限界値以上である場合には、汚泥の圧搾処理が進みすぎて、目標含水率を維持できなくなるおそれがあるとともに、差速発生機構25に加わる負荷が過大となるから、遠心力(G)を2段階下げて、固形物を速やかにデカンタ1の外部に排出する。
具体的には、制御装置6は、差速(ΔN)が差速可動下限値にある状態が20分(例示である)継続した場合(Act6:YES)において、図6(A)の1−2に示すように、トルク値がトルク上限限界値(9.0kg−m)以上である場合(Act7:YES)、メモリから現在の遠心力(G)より2段低い遠心力(G)を読み出し、遠心力(G)の大きさの設定値を1000Gから800Gに2段階下げる処理を行う。また、制御装置6は、メモリから新たな遠心力(G)の設定値に対応する回転数(N)、差速(ΔN)の各種の値を読み出す。制御装置6は、遠心力(G)の大きさの設定値等、これら読み出した新たな各種の設定値に基づいてデカンタ1を駆動する。
Act8において、制御装置6は、遠心力(G)を1段階下げる処理を行う。つまり、
トルク値がトルク上限設定値超、トルク上限限界値未満である場合には、汚泥の圧搾処理が進みすぎて、目標含水率を維持できなくおそれがあるから、遠心力(G)を1段階下げて、固形物を速やかにデカンタ1の外部に排出する。なお、遠心力(G)の大きさを下げる場合における差速(ΔN)の差速可動下限値継続状態の時間条件は、1段下げる場合と2段下げる場合とで変えてもよい。
具体的には、制御装置6は、差速(ΔN)が差速可動下限値にある状態が30分(例示である)継続した場合(Act6:YES)において、図6(A)の1−1に示すように、トルク値がトルク上限設定値超、トルク上限限界値未満である場合には(Act7:NO)、メモリから現在の遠心力(G)より1段低い遠心力(G)を読み出し、遠心力(G)の大きさの設定値を1000Gから900Gに1段階下げる処理を行う。また、制御装置6は、メモリから新たな遠心力(G)の設定値に対応する回転数(N)、差速(ΔN)の各種の値を読み出す。制御装置6は、遠心力(G)の大きさの設定値等、これら読み出した新たな各種の設定値に基づいてデカンタ1を駆動する。
なお、制御装置6は、回転速度(N)と差速(ΔN)に係る各種設定値を新たな設定値に変更し、遠心力(G)を変更して運転を行う際は、5分程度、汚泥の供給を停止して運転するのが好ましい。駆動モータ24に過負荷が発生して異常停止する場合があるからである。
Act6において、差速(ΔN)が差速可動下限値おいて一定時間継続していない場合(Act6:NO)、差速(△N)の制御によってトルク値が目標設定値の範囲に収束したとみなしてよいから、遠心力(G)を下げずに、処理はAct4に戻る。
具体的には、制御装置6は、図6(B)の1−3に示すように、差速(△N)が差速可動下限値から一定時間内に外れた場合には、差速(△N)の制御によって、図6(A)の1−3に示すように、トルク値をトルク上限設定値よりも低いトルク目標設定値の範囲に収束させることができるため、遠心力(G)の大きさは変更せず、そのまま運転を続ける。
このように、本実施形態では、トルク値がトルク上限設定値を超えており、かつ、差速(ΔN)が差速可動下限値にある状態が一定時間継続した場合に、トルク値に応じて、遠心力(G)の変更レベルを変化させることができるため、汚泥を安定的に処理するとともに、差速発生機構25の過負荷を防止できる。
再び図8のフローチャートを参照して、Act10において、差速(ΔN)が差速可動上限値にある状態が一定時間以上継続した場合(Act10:YES)、処理はAct11に進む。すなわち、トルク値がトルク下限設定値よりも低い状態で、差速(△N)が差速可動上限値から一定時間変化しない場合には、差速(△N)による制御(つまり、バックドライブモータ27による差速制御)が限界に達しているものとみなし、Act11に進む。
Act11において、制御装置6は、トルク値がトルク下限限界値以下であるか否かを判別する。トルク値がトルク下限限界値以下である場合(Act11、YES)、処理はAct12に進む。トルク値がトルク下限限界値以下でない場合(Act11、NO)、処理はAct13に進む。
Act12において、制御装置6は、遠心力(G)を2段階上げる処理を行う。つまり、トルク値がトルク下限限界値以下である場合には、汚泥の含水率が目標含水率から著しく外れるおそれがあるため、遠心力(G)を2段階上げて、圧搾処理を促進する。
具体的には、制御装置6は、差速(ΔN)が差速可動上限値にある状態が15分(例示である)継続した場合(Act10:YES)において、図6(A)の2−2に示すように、トルク値がトルク下限限界値(5.5kg−m)より小さい場合(Act11:YES)、メモリから2段高い遠心力(G)を読み出し、遠心力(G)の大きさの設定値を1000Gから1200Gに2段上げる処理を行う。また、制御装置6は、メモリから新たな遠心力(G)の設定値に対応する回転数(N)、差速(ΔN)の各種の設定値を読み出す。制御装置6は、遠心力(G)の大きさの設定値等、これら読み出した新たな各種の設定値に基づいてデカンタ1を駆動する。
Act13において、制御装置6は、遠心力(G)を1段階上げる処理を行う。つまり、トルク値がトルク下限限界値超、トルク下限設定値未満である場合には、汚泥の圧搾処理が不十分であるため、遠心力(G)を1段階だけ上げて、圧搾処理を促進する。なお、遠心力(G)の大きさを上げる場合における差速(ΔN)の差速可動上限値継続状態の時間条件は、1段上げる場合と2段上げる場合とで変えてもよい。
具体的には、制御装置6は、差速(ΔN)が差速可動上限値にある状態が15分(例示である)継続した場合(Act10:YES)において、図6(A)の2−1に示すように、トルク値がトルク下限限界値超、トルク下限設定値未満である場合(Act11:NO)、メモリから現在の遠心力(G)より1段高い遠心力(G)を読み出し、遠心力(G)の大きさの設定値を1000Gから1100Gに1段階上げる処理を行う。また、制御装置6は、メモリから新たな遠心力(G)の設定値に対応する回転数(N)、差速(ΔN)の各種の値を読み出す。制御装置6は、遠心力(G)の大きさの設定値等、これら読み出し新たな各種の設定値に基づいてデカンタ1を駆動する。
Act10において、差速(△N)が差速可動上限値にある状態が一定時間継続していない場合(Act10 NO)、差速(△N)の制御によって、トルク値が目標設定値の範囲に収束したとみなしてよいから、遠心力(G)を上げずに、処理はAct4に戻る。
具体的には、制御装置6は、図6(B)の2−3に示すように、差速(△N)が差速可動上限値から一定時間内に外れた場合には、差速(△N)の制御によって、図6(A)の2−3に示すように、トルク値をトルク下限設定値よりも高いトルク目標設定値の範囲に収束させることができるため、遠心力(G)の大きさは変更せず、そのまま運転を続ける。
このように、本実施形態では、トルク値がトルク下限設定値を下回っており、かつ、差速(ΔN)が差速可動上限値にある状態が一定時間継続した場合に、トルク値に応じて、遠心力(G)の変更レベルを変化させることができるため、汚泥を安定的に処理することができる。
本実施形態では、トルク値の値に応じて、遠心力(G)を変化させるレベルを変えたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、差速(N)が差速可動下限値にある状態が一定時間続き、トルク値がトルク上限設定値を超えている場合には、トルク値の値に拘わらず、常に遠心力(G)のレベルを1段階下げる処理を実施しもよい。また、差速(N)が差速可動上限値にある状態が一定時間続き、トルク値がトルク下限設定値未満である場合には、トルク値の値に拘わらず、常に遠心力(G)のレベルを1段階だけ上げる処理を実施してもよい。
1 デカンタ
2 ケーシング
3 ボウル
4 スクリューコンベア
5 供給ノズル
6 制御装置
本発明の遠心分離装置は、被処理液に遠心力を付与して固形物と液とを遠心分離するボウルと、前記ボウル内の固形物を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記ボウルを回転させる駆動モータと、前記スクリューコンベアが前記ボウルと相対的な差速をもって回転するようにする差速発生装置と、を備えた遠心分離装置であって、前記スクリューコンベアの搬送トルクがトルク目標設定値の範囲の上限値であるトルク上限設定値よりも高くなった場合に、前記ボウルの遠心力を段階的に下げる制御を行い、前記トルク目標設定値の範囲の下限値であるトルク下限設定値よりも低くなった場合に、前記ボウルの遠心力を段階的に上げる制御を行うことにより、遠心分離実行時の搬送トルクを前記トルク目標設定値の範囲に納める制御装置を備えたことを特徴とする。
前記トルク上限設定値と前記トルク下限設定値との差が0.5kgf−mに設定されており、前記搬送トルクがこの範囲内に納まるように前記ボウルの遠心力の大きさを段階的に変えることが好ましい。また、前記ボウルの遠心力は、例えば100G間隔で段階的に変えることが好ましい。
本発明の遠心分離装置は、被処理液に遠心力を付与して固形物と液とを遠心分離するボウルと、前記ボウル内の固形物を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記ボウルを回転させる駆動モータと、前記スクリューコンベアが前記ボウルと相対的な差速をもって回転するようにする差速発生装置と、を備えた遠心分離装置であって、前記スクリューコンベアの搬送トルクが目標含水率に対応付けられたトルク目標設定値の範囲の上限値であるトルク上限設定値よりも高くなった場合に、前記ボウルの遠心力を段階的に下げる制御を行い、前記トルク目標設定値の範囲の下限値であるトルク下限設定値よりも低くなった場合に、前記ボウルの遠心力を段階的に上げる制御を行うことにより、遠心分離実行時の搬送トルクを前記トルク目標設定値の範囲に納める制御装置を備えたことを特徴とする。
本発明の遠心分離装置は、被処理液に遠心力を付与して固形物と液とを遠心分離するボウルと、前記ボウル内の固形物を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記ボウルを回転させる駆動モータと、前記スクリューコンベアが前記ボウルと相対的な差速をもって回転するようにする差速発生装置と、を備えた遠心分離装置であって、目標含水率に対応付けられた搬送トルクのトルク目標設定値の範囲の情報、搬送トルクを前記トルク目標設定値の範囲に収めるために必要な前記スクリューコンベア及び前記ボウルの差速の差速可動範囲の情報を有し、遠心分離実行時の搬送トルクが前記トルク目標設定値の範囲外にあり、かつ、差速が前記差速可動範囲の限界値である差速可動上限値又は差速可動下限値にある状態が一定時間継続する場合には、前記搬送トルクを前記トルク目標設定値の範囲に収める方向に、前記ボウルの遠心力の大きさを段階的に変える制御装置を備えたことを特徴とする。
前記制御装置は、前記トルク目標設定値の範囲よりも広いトルク限界値の範囲の情報を有し、遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記トルク目標設定値の上限設定値と前記トルク限界値の上限値であるトルク上限限界値との間であって、かつ、前記差速が前記差速可動下限値にある状態が一定時間継続した場合には、遠心力を下げる第1の遠心力低下処理を行い、遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記トルク上限限界値以上であって、かつ、前記差速が前記差速可動下限値にある状態が一定時間継続した場合には、前記第1の遠心力低下処理よりも大きく遠心力を下げる第2の遠心力低下処理を行い、遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記トルク目標設定値の下限設定値と前記トルク限界値の下限値であるトルク下限限界値との間であって、かつ、前記差速が前記差速可動上限値にある状態が一定時間継続した場合には、遠心力を上げる第1の遠心力増加処理を行い、遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記下限限界値以下であって、かつ、前記差速が前記差速可動上限値にある状態が一定時間継続した場合には、第1の遠心力増加処理よりも大きく遠心力を上げる第2の遠心力増加処理を行うことが好ましい。
前記差速可動範囲は、段階的に変えられる遠心力の各々に対応付けられており、前記制御装置は、前記ボウルの遠心力の大きさを段階的に変えるときに変更後の前記ボウルの遠心力に対応する差速可動上限値及び差速可動下限値に設定することが好ましい。また、前記制御装置は、前記ボウルの遠心力を上昇させる動作を開始してから変更後の遠心力となるまでの間、前記ボウルへの被処理液の供給を停止する制御を実行することが好ましい。
本発明の参考例に従うデカンタの全体構成を示す図である。 上記デカンタの部分拡大図(ショートコーン)である。 上記デカンタの部分拡大図(アキシャルコンベア)である。 上記デカンタが実行する自動制御の設定値一覧である。 発明の効果を確認するために行った実験結果を示す。 実施形態の搬送トルクおよび差速のグラフである。 メモリが格納する各種の設定値である。 汚泥の遠心分離方法を説明するためのフローチャートである。 従来のデカンタを示す概略図である。
以下、本発明の好ましい実施形態による遠心分離装置について、汚泥を処理する横型の
デカンタを一例に挙げて説明する。但し、以下に説明する実施形態によって本発明の技術的範囲は何ら限定解釈されることはない。
参考例
参考例に従うデカンタ1は、図1に示すように、固形物出口21と分離液出口22
のそれぞれが下方に形成されているケーシング2と、ケーシング2内に配置された回転筒
状体をなすボウル3と、ボウル3内で遠心力が付与された固形物の搬送手段であるスクリ
ューコンベア4を備えている。ボウル3は、例えばケーシング2に取付けられたベアリン
グ等の軸受機構23によって支持され、スクリューコンベア4はコンベアベアリング(不
図示)によって支持されており、ボウル3とスクリューコンベア4のそれぞれが独立して
水平軸周りに回転可能となっている。
一方、ボウル3の円錐部31は、スクリューコンベア4によって移送される濃縮汚泥(
すなわち、脱水途中の汚泥)がプール部から離脱するビーチ部を形成しており、ビーチ部
の先端側に濃縮汚泥(又は脱水汚泥)の排出口35が形成されている。ビーチ部は、その
傾斜面で濃縮汚泥をスリップさせスクリュー羽根41の圧搾力を大きく汚泥に作用させる
役割と、プール部の有効容積を大きくして汚泥滞留時間を増加させる機能がある。低動力
や高脱水型のデカンタ1においては、中央付近で傾斜角度が変わる2段構造のビーチ部と
なっている。図1のビーチ部のように先端側の傾斜角の方を急にすることには、スクリュ
ー羽根41の圧搾力と汚泥滞留時間を更に増加させる作用がある。但し、先端側の傾斜角
の方を緩やかにすることもでき、必ずしも2段構造としなくともよい。さらに、本参考例は、円錐部31を有さず、円筒部32のみで構成されるボウル3にも適用可能である。
説明を図1に戻すと、デカンタ1は、ボウル3の回転速度を計測するボウル速度計を有する。ボウル速度計は、一例として非接触式回転センサーを採用することができる。ボウル3が被処理液に付与する遠心力(G)は、ボウル3の回転速度(N)と、回転軸からラジアル方向の距離(すなわち、ボウル内径r)とによって、遠心力(G)=r×ω2/g=(r×N2)/894の計算式で算出することができる。ボウル3の内径(r)は設計仕様によって決まっているので、前記算出式を用いて遠心力(G)と回転速度(N)との対応関係を予め求めておくことができる。本参考例では、遠心分離実行時に遠心力(G)の設定値を決め、その遠心力(G)に対応する回転速度(N)を設定値に決める手順を実行する。そして決められた設定値でボウル3が回転するように、ボウル速度計の計測値を参照して駆動モータ24をインバータ制御する。遠心力(G)と回転速度(N)との対応関係の情報は、後述する制御装置6のメモリ等に格納しておくことができる。なお、ボウル3の回転速度は、インバータ制御される駆動モータ24のインバータ情報(周波数等)から検出することもできる。
参考例のデカンタ1は、適正な遠心力(G)を付与することによってボウル3内の
濃縮状態を安定化させるために、スクリューコンベア4の搬送トルクの変化に応じて、ボ
ウル3の遠心力(G)の大きさを変える制御装置6を備えている。制御装置6は、例えば
CPUとメモリを備えたコンピュタ装置で構成することができる。制御装置6は、後述す
る遠心力(G)の自動制御を行うシーケンスプログラムをメモリに格納している。制御装
置6は、更に、デカンタ1の全体的動作を制御するシーケンスプログラムをメモリに格納
しておくことができる。
(作用)
続いて、本参考例に従うデカンタ1を用いて汚泥を遠心分離する動作について説明す
る。まず、駆動モータ24を起動し、ボウル3とスクリューコンベア4をそれぞれ所定の
回転速度で回転させながら、汚泥と凝集剤をボウル3内に供給する。ボウル3の回転速度
(N)の設定値、ボウル3とスクリューコンベア4の差速(ΔN)の差速可動上限値及び差速可動下限値は、遠心力(G)の設定値に基づいてそれぞれ決定される。一例として、供給する汚泥の濃度を予め分析し、分析結果に基づいて遠心力(G)の目標値(初期設定値)を決定し、オペレータが制御装置6に入力する。初期設定値は低めに設定しておき、自動制御によって適正な遠心力(G)に段階的に上げていくのが好ましい。初期設定値が入力された制御装置6は、初期設定値の遠心力(G)に対応する回転速度(N)の設定値と差速(ΔN)の差速可動上限値の情報と差速(ΔN)の差速可動下限値の情報とをメモリから読み出し、その回転速度(N)の設定値と差速(ΔN)の差速可動上限値と差速(ΔN)の差速可動下限値とを制御用の設定値に決定する。一例として、1600Gを初期設定値とした場合、回転速度(N)の設定値は1792min−1であり、差速(ΔN)の差速可動上限値は3.5min−1であり、差速(△N)の差速可動下限値は4.5min−1である。ボウルの回転速度(N)は、ボウル速度計が計測する回転速度が設定値と同じになるように駆動モータ24をインバータ制御する。一方、差速については、トルク出力に基づいて制御する。汚泥の供給量は、一例として2〜50m3/hとすることができる。凝集剤の添加量は、添加する凝集剤の種類、汚泥の性状や反応性などに基づいて調整することができる。
トルク計は、スクリューコンベア4の搬送トルクを連続計測する。制御装置6は、トルク計が計測するトルク値を予め決めた所定の間隔(例えば、30分間隔)でサンプリングし、目標設定値の範囲内に納まっているかを判定する。判定の結果、目標設定値の範囲内に納まっていれば現在の遠心力(1600G)で適切であると判断し、この設定値を維持する。なお、後述する実験結果にも示されているように、搬送トルクは時々刻々と変化するので、複数サンプリングしてその平均値を指標とするのが好ましい。
上述の参考例によれば、スクリューコンベア4の搬送トルクの変化に応じてボウル3の遠心力(G)の大きさを自動制御する制御装置6を備えたことにより、供給汚泥の性状
(固形分濃度)の変化に応じた適正な遠心力で遠心分離を行うことができる。その結果、
ボウル3内の濃縮状態を安定化することができ、ボウル3から排出される濃縮汚泥の含水
率が(指定の目標値)から外れるのを抑制することができる。また、適正な遠心力(G)
に設定することによって、不要な電力を削減した省エネ操業を実現できる。なお、上述の
参考例では制御装置6による自動制御を採用しているが、オペレータによる手動制御を実行してもよい。
さらに上述の参考例によれば、遠心力(G)を段階的に変える制御方法を採用したことにより、完全自動化による無人運転が可能になる。という利点がある。
(第実施形態)
参考例では、ボウル3の遠心力(G)の大きさをスクリューコンベア4の搬送トルクの変化に応じて制御した。本実施形態では、ボウル3の遠心力(G)の大きさを搬送トルクの変化に加えて、スクリューコンベア4とボウル3との差速(ΔN)の変化に応じて制御することで、より被処理液の性状に対応して安定操業可能な、かつ省エネルギー可能な運転となっている。本実施形態では、デカンタ1の構成は参考例と同様であるため、説明を繰り返さない。
制御装置6のメモリには、図7に示すように、ボウル3の遠心力(G)の制御に用いられる各種の設定値が格納されている。各種設定値は、ボウル3の遠心力(G)を600G〜1500Gの範囲において100G間隔で10段階に分割し、各段階に対応付けられて記憶されている。すなわち、各遠心力(G)には、回転速度(N)が対応付けられている。例えば、1000Gの遠心力(G)には、回転速度(N)として1417min−1、差速(△N)の差速可動上限値として2.8min−1、差速(△N)の差速可動下限値として4.0min−1がそれぞれ対応付けられている。ただし、差速可動範囲は、差速発生機構25の構造、汚泥の目標含水率に応じて変化するため、図7に示す数値は一例である。したがって、図7では、差速(△N)の差速可動下限値の数値を全て同じにしているが、異なる値に設定してもよい。この点については、参考例においても同様である。なお、差速可動上限値及び差速可動下限値はそれぞれバックトライブモータ27の出力の下限値及び上限値に対応している。すなわち、上述の(1)式に示すように、バックドライブモータ27の出力が増大すると差速(△N)が縮小し、バックドライブモータ27の出力が低下すると差速(△N)が拡張する。そのため、図6(B)の縦軸表記は、差速可動下限値から差速可動上限値に向かって差速(Δ)の数値が漸減している。
トルク目標設定値の範囲を示す情報は、参考例と同様であるため、説明を繰り返さない。トルク限界値の範囲の情報として、この範囲の上限値であるトルク上限限界値、この範囲の下限値であるトルク下限限界値とがメモリに格納されている。トルク上限限界値は、搬送トルクが大きくなりすぎて、差速発生機構25に加わる負荷が過大となるのを抑制する観点から適宜設定することができる。したがって、図7に示すトルク上限限界値(9.0kg−m)は、例示であり、差速発生機構25の種類に応じて適宜変更することができる。また、トルク下限限界値は、搬送トルクが小さくなりすぎて、汚泥の含水率が著しく目標含水率から外れるのを抑制する観点から適宜設定することができる。したがって、図7に示すトルク下限限界値(5.5kg−m)は、例示であり、汚泥の種類などに応じて適宜変更することができる。

Claims (8)

  1. 被処理液に遠心力を付与して固形物と液とを遠心分離するボウルと、前記ボウル内の固
    形物を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記ボウルを回転させる駆動モー
    タと、前記スクリューコンベアが前記ボウルと相対的な差速をもって回転するようにする
    差速発生装置と、を備えた遠心分離装置であって、
    前記スクリューコンベアの搬送トルクの変化に応じて前記ボウルの遠心力の大きさを自
    動制御する制御装置を備えたことを特徴とする遠心分離装置。
  2. 前記制御装置は、前記搬送トルクの目標設定値の範囲の情報を有し、遠心分離実行時の
    搬送トルクが目標設定値の範囲に納まるように前記ボウルの遠心力の大きさを段階的に変
    えることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離装置。
  3. 前記目標設定値の範囲は、上限値と下限値との差が0.5kgf−mに設定されており
    、前記搬送トルクがこの範囲内に納まるように前記ボウルの遠心力の大きさを段階的に変
    えることを特徴とする請求項2に記載の遠心分離装置。
  4. 前記ボウルの遠心力は、100G間隔で段階的に変えることを特徴とする請求項2又は
    3に記載の遠心分離装置。
  5. 前記制御装置は、段階的に変えられる遠心力の各々に対応付けた差速可動上限値の情報と差速可動下限値の情報とをさらに有し、前記ボウルの遠心力の大きさを段階的に変えるときに変更後の前記ボウルの遠心力に対応する差速可動上限値及び差速可動下限値に設定することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の遠心分離装置。
  6. 前記制御装置は、前記ボウルの遠心力を上昇させる動作を開始してから変更後の遠心力
    となるまでの間、前記ボウルへの被処理液の供給を停止する制御を実行することを特徴と
    する請求項2〜5のいずれか1項に記載の遠心分離装置。
  7. 前記制御装置は、前記搬送トルクのトルク目標設定値の範囲の情報、前記差速の差速可動範囲の情報を有し、遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記トルク目標設定値の範囲外にあり、かつ、差速が差速可動範囲の限界値である差速可動上限値又は差速可動下限値にある状態が一定時間継続する場合には、前記搬送トルクをトルク目標設定値の範囲に収める方向に、前記ボウルの遠心力の大きさを段階的に変えることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心分離装置。
  8. 前記制御装置は、前記トルク目標設定値の範囲よりも広いトルク限界値の範囲の情報を有し、
    遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記トルク目標設定値の上限設定値と前記トルク限界値の上限値であるトルク上限限界値との間であって、かつ、前記差速が前記差速可動下限値にある状態が一定時間継続した場合には、遠心力を下げる第1の遠心力低下処理を行い、
    遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記トルク上限限界値以上であって、かつ、前記差速が前記差速可動下限値にある状態が一定時間継続した場合には、前記第1の遠心力低下処理よりも大きく遠心力を下げる第2の遠心力低下処理を行い、
    遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記トルク目標設定値の下限設定値と前記トルク限界値の下限値であるトルク下限限界値との間であって、かつ、前記差速が前記差速可動上限値にある状態が一定時間継続した場合には、遠心力を上げる第1の遠心力増加処理を行い、
    遠心分離実行時の前記搬送トルクが前記下限限界値以下であって、かつ、前記差速が前記差速可動上限値にある状態が一定時間継続した場合には、第1の遠心力増加処理よりも大きく遠心力を上げる第2の遠心力増加処理を行うことを、特徴とする請求項7に記載の遠心分離装置。
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