JPH08131889A - スクリューデカンタ型遠心分離機 - Google Patents

スクリューデカンタ型遠心分離機

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Publication number
JPH08131889A
JPH08131889A JP27653694A JP27653694A JPH08131889A JP H08131889 A JPH08131889 A JP H08131889A JP 27653694 A JP27653694 A JP 27653694A JP 27653694 A JP27653694 A JP 27653694A JP H08131889 A JPH08131889 A JP H08131889A
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JP
Japan
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bowl
screw conveyor
speed
torque
motor
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Pending
Application number
JP27653694A
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English (en)
Inventor
Masanori Nagafuji
雅則 長藤
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置構成を簡素化でき、装置の製造コストば
かりでなくランニングコストも低く抑えることが可能
で、かつ脱水(分離)性能を向上させることのできるス
クリューデカンタ型遠心分離機を得ること。 【構成】 主駆動モータ58により円筒形のボウル8を
一方向に回転させるとともに、ボウル8内においてこれ
と同軸でかつ回転差を有して同方向に回転自在なスクリ
ューコンベア13をベクトル制御インバータにより制御
される誘導電動機52でダイレクトドライブにより回転
させるようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上水・下水処理場、し
尿処理場、ごみ焼却・処分場、食品工業、畜産業、化学
工業、鉱鋼業等の多分野において、これらから発生する
汚泥を脱水もしくは濃縮するために用いられる遠心分離
機、特に一方向に回転する円筒形のボウルと、ボウル内
においてこれと同軸でかつ回転差を有して同方向に回転
するスクリューコンベアとを備えたスクリューデカンタ
型遠心分離機(横型連続遠心脱水機)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクリューデカンタ型遠心分離
機は、一方向に回転する円筒形のボウルと、ボウル内に
おいてこれと同軸でかつ回転差を有して同方向に回転す
るスクリューコンベアとを備えている。ボウルは、遠心
力を発生して流動性のある供給混合物質を脱水し、固形
物を多く含む成分(以下、脱水ケーキいう)とそうでな
い成分(液体)とに分離するために一定ではあるが色々
な速度で回転される。この回転で発生する遠心力によ
り、水分に比し重量の重い固形物はボウルの内面側に集
められる。スクリューコンベアはボウルに対し微小の相
対速度で回転する。この差動回転は一連のスクリューと
ボウルの壁との間に相対運動を生成し、その結果、固形
物はボウルの壁に沿ってゆっくりと筒軸方向へ運ばれ
る。供給混合物質中の軽い部分すなわち液体は、遠心力
の結果として固形物から分離し、半径方向内方に移動す
る。その後、分離された重い物質である脱水ケーキと軽
い物質である液体は、通常、ボウルの両端から別々に排
出される。
【0003】スクリューコンベアとボウルとの間の差動
速度は、幾つかのパラメータや固形物を分離して取り出
そうとする供給混合物質の所要品質に基づき、遠心分離
機の運転中に変えることができるが、実際に運転する場
合はこれらの条件は既知となっているので、ボウル側に
ついては回転数を一定とするのが一般的である。一方、
スクリューコンベアの回転数は、ボウルの回転数に対し
常に一定の差速とする方式と、スクリューコンベアの搬
送トルクに応じ差速を変化させる方式がある。
【0004】スクリューデカンタ型遠心分離機の運転に
おいては、ボウル内での閉塞をもたらすことなく、得ら
れる脱水ケーキの濃度を一定にし、かつ含水率を最小に
することが求められる。脱水性に効果を及ぼす機械的因
子として遠心力と脱水時間、ボウル形状、圧密作用があ
る。圧密作用とは、ボウル内壁にたまった固形物質が高
遠心力下で、それ自体に加わる荷重によって圧縮されて
密度を高くし、水分を放出する働きをいう。遠心分離機
に供給する固形物濃度が大であると、ボウル内に滞留す
る固形物量が大となり、それに伴ってスクリューコンベ
アの搬送トルクが大となり、場合によっては許容値をオ
ーバーし機械が故障する。
【0005】したがって、ボウルの回転数に対しスクリ
ューコンベアの回転数を常に一定の差速とする方式で
は、供給する物質量や固形物濃度が変化して大となった
場合にもスクリューコンベアの搬送トルクが許容値をオ
ーバーしないように差速を大きくとるようにしている。
このため、この一定差速方式においては、圧密作用が少
なく、脱水性能を上げるのに限界がある。
【0006】これに対し、スクリューコンベアの回転数
をその搬送トルクに応じ変化させる方式では、供給する
物質量や固形物濃度の変化に対しても、常に一定の圧密
作用を確保でき、脱水性能を向上させることができる。
この場合、ボウル内壁の固形物量が減少傾向にあると、
スクリューコンベアの搬送トルクが減少するので、圧密
作用の減少を防ぐため差速を小さくし、スクリューコン
ベアの搬送量を減少させることにより、ボウル内壁の固
形物量を回復させて圧密作用を回復させるようにしてい
る。また逆に、ボウル内壁の固形物量が増加傾向にある
と、スクリューコンベアの差速を大とし、スクリューコ
ンベアの搬送量を増加させ、その結果ボウル内壁の固形
物量を減少させて、スクリューコンベアの搬送トルクも
減少させるようにしている。
【0007】遠心分離機のボウルとスクリューとの間に
差動速度を発生させるための駆動方式として、多くの形
式のものがあるが、2つに大別することができる。1つ
は電気モータと差動歯車を利用したバック駆動方式であ
り、他の1つは油圧モータを利用した駆動方式である。
【0008】図2は例えば特開平5ー184973号公
報に示されている電気モータバック駆動方式による従来
のスクリューデカンタ型遠心分離機の例を示す概略構成
図である。この電気モータ駆動方式を用いたスクリュー
デカンタ型遠心分離機1は、主駆動モータ2とバック駆
動モータ3を有し、これらは制御装置4を介してAC電
源5に接続されている。主駆動モータ2は、Vベルト6
及びプーリ7を介して遠心分離機1のボウル8を駆動す
る。バック駆動モータ3は、Vベルト9、プーリ11、
及びギヤボックス(遊星差動歯車)12を介して遠心分
離機1のスクリューコンベア13を駆動する。制御装置
4は、V/Fコントローラ14の第1部分14Aで交流
(AC)電力を直流(DC)電力に変換し、かつ第2部
分14BでDC電力を可変電圧のAC電力に変換して、
主駆動モータ2を可変速制御する。一方、V/Fコント
ローラ14に共通DCバス15で接続された別のV/F
コントローラ16は、V/Fコントローラ14と同様の
第1部分16Aと第2部分16Bを有し、バック駆動モ
ータ3を主駆動モータ2とは差速分だけ低い第2の速度
で可変速制御する。スクリューコンベア13には、その
軸部先端側(図の右側)に、供給混合物質である原液を
ボウル8内に供給するための複数のノズル17が設けら
れている。ボウル8は、その両端を支持体18A,18
Bによって回転自在に支承されるとともに、一端側にテ
ーパ19が形成されており、テーパ19部に原液から分
離された脱水ケーキの複数の排出口21が、更に他端側
に原液から分離された液体の複数の排水口22が設けら
れている。また、制御装置4内には、バック駆動モータ
3がブレーキングにより電力を発生した際に、この電力
をAC電源5側へ戻す回生パッケージ23が設けられて
いる。
【0009】この電気モータ駆動方式による従来のスク
リューデカンタ型遠心分離機において、スクリューコン
ベア13は、ボウル8に満たされた液体および脱水ケー
キの回転によって生ずるトルクおよび摩擦により、ボウ
ル8の速度で回ろうとする。したがって、運転中、バッ
ク駆動モータ3は、ボウル回転数より差速分だけ低い回
転数で回転させるためスクリューコンベア13からトル
クを受けて常にブレーキとして作用し、ボウル8とスク
リューコンベア13間の一定の差動速度を維持する。
【0010】図3は例えば特開平4ー290562号公
報に示されている油圧モータ駆動方式による従来のスク
リューデカンタ型遠心分離機の例を示す概略構成図であ
る。この油圧モータ駆動方式を用いたスクリューデカン
タ型遠心分離機31は、ボウル8を駆動する主駆動モー
タとしての電気モータ32と、スクリューコンベア13
を駆動するバック駆動モータとしての油圧モータ33
と、油圧モータ33を駆動するための油圧ユニット34
とを有し、油圧モータ33はスクリューコンベア13の
軸に直結されている。電気モータ32の駆動力は、Vベ
ルト35及びプーリ36を介してボウル8に伝達される
ようになっている。油圧ユニット34は、油圧モータ3
3を駆動するための調節ポンプ37と、この調節ポンプ
駆動用の電気モータ38と、調節ポンプ37の吐出量を
調整する調節弁39と、調節弁39のスプール位置設定
手段39aと、油圧モータ33に送られる油圧の圧力を
検出する圧力検出器41と、圧力検出器41からの出力
信号により切り換えられて調節弁39を作動する三位置
切換弁42と、フィルタ43及びタンク44とから構成
されている。
【0011】この油圧モータ駆動方式による従来のスク
リューデカンタ型遠心分離機においては、搬送トルクを
高く設定できるため、ボウル内の脱水ケーキ層を厚くし
て脱水ケーキの圧密度を高めることができる。
【0012】油圧モータ駆動方式による従来のスクリュ
ーデカンタ型遠心分離機としてはその他、主駆動モータ
及びバック駆動モータをいずれも油圧モータから構成し
たもの(特開平3ー60751号公報)等があるが、こ
の場合でも油圧ユニットが必要であることは言うまでも
ない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スクリ
ューコンベア13をV/F制御のバック駆動モータ3に
よりVベルト9、プーリ11、及びギヤボックス12を
介して駆動する前者のものにあっては、駆動モータ3と
スクリューコンベア13が直結されていないため、以下
のような問題がある。 イ)Vベルト9の滑りによる伝達ロス、遅れがある。 ロ)ボウル8の回転速度を考慮した場合、スクリューコ
ンベア13の駆動系内のギヤの減速比を大きくとれず、
大出力化が困難である。 ハ)差速が最小3〜5rpmであり、これより小さくす
るのが困難である。 ニ)搬送負荷がボウル8側にかかるため、主駆動モータ
2の容量を大きくしなければならない。 ホ)省エネ運転のためには回生回路を組む必要がある。 ヘ)ギヤ(差動歯車)が高価である。 加えて、この前者の装置に使用されているV/F制御イ
ンバータは、誘導電動機のスリップにより必要トルクを
発生させるものであって、誘導電動機の回転数が変動す
るものであるため、独立したトルク制御ができない。こ
のため、V/F制御インバータを用いたものにおいて、
スクリューコンベアの搬送トルクを一定制御するには、
スクリューコンベアにトルク検出器を設けて負荷トルク
を検知し、計算機により予想回転数を求めてスクリュー
コンベア駆動モータに回転数を指示し、再び負荷トルク
が設定値となっているか判断するという試行錯誤を繰り
返しながら制御しなければならない。更に、前記イ)の
理由から指示値と測定値が一致しにくいため、搬送負荷
(トルク)一定制御は困難である。
【0014】また、スクリューコンベア13の駆動を油
圧モータ33でダイレクトドライブにより行う後者のも
のでは、前述のイ)〜ヘ)のような問題は発生せず、か
つ差速を0.5rpmまで小さくできるという利点を有
するものの、以下のような新たな問題が発生する。 ト)油圧ユニット34が別途必要になる。 チ)油圧ロスが大きい。 リ)油圧の冷却水が必要となる。 ヌ)装置構成が複雑にならざるを得ない。 ル)油圧モータ33、油圧ユニット34が高価である。 ヲ)油は火災の原因となる。
【0015】本発明は、前記イ)〜ヲ)のような問題を
解決するためになされたもので、装置構成を簡素化で
き、装置の製造コストばかりでなくランニングコストも
低く抑えることが可能で、かつ脱水(分離)性能を向上
させることのできるスクリューデカンタ型遠心分離機を
得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスクリュー
デカンタ型遠心分離機は、下記の構成からなるものであ
る。すなわち、一方向に回転する円筒形のボウルと、ボ
ウルを駆動する主駆動モータと、ボウル内においてこれ
と同軸でかつ回転差を有して同方向に回転するスクリュ
ーコンベアと、スクリューコンベアを駆動するモータと
を備え、スクリューコンベアの搬送トルクに応じ差速を
変化させるスクリューデカンタ型遠心分離機において、
スクリューコンベア駆動モータにベクトル制御インバー
タにより制御される誘導電動機を用い、これをスクリュ
ーコンベアの軸に直結したものである。
【0017】
【作用】本発明においては、スクリューコンベアを駆動
するモータとして誘導電動機を用い、これをスクリュー
コンベアの軸に直結し、誘導電動機をベクトル制御イン
バータ(三相正弦波PWM制御・デジタル・ベクトル制
御)により制御するものである。ベクトル制御とは、誘
導電動機に供給する一次電流が誘導電動機の内部で設定
値通りの励磁電流(磁束を発生させる電流)とトルク電
流(トルクを発生させる電流)に分配させるように、一
次電流の大きさ、周波数および位相(すなわち電流ベク
トル)を制御することをいう。ベクトル制御には誘導電
動機の磁束検出を必要とする磁界オリエンテーション方
式と誘導電動機の回転数検出を必要とするすべり周波数
制御方式の二つの方式があり、いずれを用いてもよい。
ベクトル制御は励磁電流とトルク電流を独立に制御でき
るので、従来のV/F一定制御に比べ以下の特長があ
る。 トルク制御ができる。 零速から速度制御が行え、速度制御範囲が広い。 制御の応答性が良い。 加減速特性が良い。 ベクトル制御をしていない誘導電動機では、負荷が変わ
るとすべりが変化し、回転数が変化するが、ベクトル制
御をしている誘導電動機では、何等付加的な計器が不要
で1/1000秒以下という非常に短い応答時間で負荷の変
化に対しても回転数一定制御ができる。加えてスクリュ
ーコンベアをダイレクトドライブによって駆動するた
め、ベルトの伝達遅れやロスがなく負荷トルクと発生ト
ルクが一致する。すなわち、周波数を0〜約120Hz
、速度制御範囲を1:3000〜50000にとることができ、
スクリューコンベア回転数を4極電動機では0〜360
0rpm、ボウルとスクリューコンベアの差速を約0.
1〜1rpmのピッチで制御できる。更に高出力化が可
能で、これにより圧密沈降効果が増大し、脱水、分離性
能が向上する。このような利点を利用し、ボウルの回転
数Nに対し差速ΔNとなるように一般的には(N+Δ
N)の回転数をスクリューコンベアに与えるような差速
制御を行う。一方、スクリューコンベアの回転数を(N
−ΔN)の回転数となるようバック駆動することも可能
であるが、この場合省エネ運転とするには別途回生回路
が必要となるので合理的とは言えない。また前述の差速
制御と同時に、スクリューコンベア搬送負荷(トルク)
が上昇すると、差速を大とし、これにより固体搬送速度
を大として固体排出量を増やし、逆にスクリューコンベ
ア搬送負荷(トルク)が減少すると、差速を小とし、こ
れにより固体搬送速度を小として固体排出量を減らし、
ボウル内での固体滞留時間を延ばして圧密効果を大とす
るような搬送負荷(トルク)一定制御を行う。
【0018】
【実施例】以下、図示実施例により本発明を説明する。
図1は本発明に係るスクリューデカンタ型遠心分離機を
示す概略構成であり、図中、従来例(図2)に相当する
部分には同一符号を付してある。
【0019】本実施例のスクリューデカンタ型遠心分離
機51は、スクリューコンベア13を駆動するバック駆
動モータに誘導電動機52を用い、これをスクリューコ
ンベア13の軸に直結し、速度・トルク制御装置53を
介してAC電源5Aに接続している。速度・トルク制御
装置53は、誘導電動機52の速度を検出する回転計5
4とボウル8の速度を検出する回転計55に接続されて
これら回転計54,55の検出結果に基づき差速を算出
し、誘導電動機52の速度を決定する速度制御器56
と、速度制御器56からの速度指令値と回転計54から
の誘導電動機52の実際の速度に基づき、誘導電動機5
2の励磁電流とトルク電流を独立に制御し、スクリュー
コンベア13の搬送トルクの変動に対しても常に目標差
速を保持できるベクトル制御器57とから構成されてい
る。一方、主駆動モータ58は、直接AC電源5Bに接
続され、Vベルト59及びプーリ61を介して遠心分離
機51のボウル8を駆動するようになっているが、VV
VF制御により周波数変換を行えるようにすることは好
ましい。ボウル8は、その両端を支持体18A,18B
によって回転自在に支承されるとともに、一端側にテー
パ19が形成されている。一方(図の左側)の支持体1
8Aには原液の注入パイプ62が取付けられ、注入パイ
プ62の末端がスクリューコンベア13軸心部の内部空
間に挿入されている。スクリューコンベア13には、注
入パイプ62より供給された原液をボウル8内に導入す
るための複数の孔13aが穿設されている。他方(図の
右側)の支持体18Bには原液から分離された脱水ケー
キの排出口63が取付けられている。それ以外の構成は
前述の従来例(図2)と同様である。
【0019】本実施例のスクリューデカンタ型遠心分離
機において、速度・トルク制御装置53は、ボウル8の
回転数Nに対し差速ΔNとなるように(N+ΔN)の回
転数をスクリューコンベア13に与えるような差速制御
を行う。また同時に、スクリューコンベア搬送負荷(ト
ルク)が上昇すると、差速を大とし、これにより固体搬
送速度を大として固体排出量を増やし、逆にスクリュー
コンベア搬送負荷(トルク)が減少すると、差速を小と
し、これにより固体搬送速度を小として固体排出量を減
らし、ボウル内での固体滞留時間を延ばして圧密効果を
大とするような搬送負荷(トルク)一定制御を行う。
【0020】このように本実施例のスクリューデカンタ
型遠心分離機は、スクリューコンベア13を駆動するモ
ータにベクトル制御インバータにより制御される誘導電
動機52を用い、これをスクリューコンベア13の軸に
直結したので、トルク検出器等を用いることなく、ボウ
ル8の回転数に対し、僅かな差速となるように誘導電動
機52の速度およびトルクを速度・トルク制御装置53
によって独立に制御することができるとともに、搬送ト
ルクに応じて差速を高精度にかつ応答性良く変化させる
ことができる。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ス
クリューコンベアを駆動するモータにベクトル制御イン
バータにより制御される誘導電動機を用い、これをスク
リューコンベアの軸に直結したので、装置構成が簡素化
され、装置の製造コストばかりでなくランニングコスト
も低く抑えることができるとともに、速度制御およびト
ルク制御を独立に制御することができ、かつ搬送トルク
に応じて差速を高精度にかつ応答性良く変化させること
ができる。このため、脱水(分離)性能を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスクリューデカンタ型遠心分離機
の概略構成である。
【図2】電気モータ駆動方式による従来のスクリューデ
カンタ型遠心分離機の概略構成図である。
【図3】油圧モータ駆動方式による従来のスクリューデ
カンタ型遠心分離機の概略構成図である。
【符号の説明】
8 ボウル 13 スクリューコンベア 52 誘導電動機(スクリューコンベア駆動モータ) 58 主駆動モータ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上水・下水処理場、し
尿処理場、ごみ焼却・処分場、食品工業、畜産業、化学
工業、鉱鋼業等の多分野において、これらから発生する
汚泥を脱水もしくは濃縮するために用いられる遠心分離
機、特に一方向に回転する円筒形のボウルと、ボウル内
においてこれと同軸でかつ回転差を有して同方向に回転
するスクリューコンベアとを備えたスクリューデカンタ
型遠心分離機(横型連続遠心脱水機)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクリューデカンタ型遠心分離
機は、一方向に回転する円筒形のボウルと、ボウル内に
おいてこれと同軸でかつ回転差を有して同方向に回転す
るスクリューコンベアとを備えている。ボウルは、遠心
力を発生して流動性のある供給混合物質を脱水し、固形
物を多く含む成分(以下、脱水ケーキいう)とそうでな
い成分(液体)とに分離するために一定ではあるが色々
な速度で回転される。この回転で発生する遠心力によ
り、水分に比し重量の重い固形物はボウルの内面側に集
められる。スクリューコンベアはボウルに対し微小の相
対速度で回転する。この差動回転は一連のスクリューと
ボウルの壁との間に相対運動を生成し、その結果、固形
物はボウルの壁に沿ってゆっくりと筒軸方向へ運ばれ
る。供給混合物質中の軽い部分すなわち液体は、遠心力
の結果として固形物から分離し、半径方向内方に移動す
る。その後、分離された重い物質である脱水ケーキと軽
い物質である液体は、通常、ボウルの両端から別々に排
出される。
【0003】スクリューコンベアとボウルとの間の差動
速度は、幾つかのパラメータや固形物を分離して取り出
そうとする供給混合物質の所要品質に基づき、遠心分離
機の運転中に変えることができるが、実際に運転する場
合はこれらの条件は既知となっているので、ボウル側に
ついては回転数を一定とするのが一般的である。一方、
スクリューコンベアの回転数は、ボウルの回転数に対し
常に一定の差速とする方式と、スクリューコンベアの搬
送トルクに応じ差速を変化させる方式がある。
【0004】スクリューデカンタ型遠心分離機の運転に
おいては、ボウル内での閉塞をもたらすことなく、得ら
れる脱水ケーキの濃度を一定にし、かつ含水率を最小に
することが求められる。脱水性に効果を及ぼす機械的因
子として遠心力と脱水時間、ボウル形状、圧密作用があ
る。圧密作用とは、ボウル内壁にたまった固形物質が高
遠心力下で、それ自体に加わる荷重によって圧縮されて
密度を高くし、水分を放出する働きをいう。遠心分離機
に供給する固形物濃度が大であると、ボウル内に滞留す
る固形物量が大となり、それに伴ってスクリューコンベ
アの搬送トルクが大となり、場合によっては許容値をオ
ーバーし機械が故障する。
【0005】したがって、ボウルの回転数に対しスクリ
ューコンベアの回転数を常に一定の差速とする方式で
は、供給する物質量や固形物濃度が変化して大となった
場合にもスクリューコンベアの搬送トルクが許容値をオ
ーバーしないように差速を大きくとるようにしている。
このため、この一定差速方式においては、圧密作用が少
なく、脱水性能を上げるのに限界がある。
【0006】これに対し、スクリューコンベアの回転数
をその搬送トルクに応じ変化させる方式では、供給する
物質量や固形物濃度の変化に対しても、常に一定の圧密
作用を確保でき、脱水性能を向上させることができる。
この場合、ボウル内壁の固形物量が減少傾向にあると、
スクリューコンベアの搬送トルクが減少するので、圧密
作用の減少を防ぐため差速を小さくし、スクリューコン
ベアの搬送量を減少させることにより、ボウル内壁の固
形物量を回復させて圧密作用を回復させるようにしてい
る。また逆に、ボウル内壁の固形物量が増加傾向にある
と、スクリューコンベアの差速を大とし、スクリューコ
ンベアの搬送量を増加させ、その結果ボウル内壁の固形
物量を減少させて、スクリューコンベアの搬送トルクも
減少させるようにしている。
【0007】遠心分離機のボウルとスクリューとの間に
差動速度を発生させるための駆動方式として、多くの形
式のものがあるが、2つに大別することができる。1つ
は電気モータと差動歯車を利用したバック駆動方式であ
り、他の1つは油圧モータを利用した駆動方式である。
【0008】図2は例えば特開平5ー184973号公
報に示されている電気モータバック駆動方式による従来
のスクリューデカンタ型遠心分離機の例を示す概略構成
図である。この電気モータ駆動方式を用いたスクリュー
デカンタ型遠心分離機1は、主駆動モータ2とバック駆
動モータ3を有し、これらは制御装置4を介してAC電
源5に接続されている。主駆動モータ2は、Vベルト6
及びプーリ7を介して遠心分離機1のボウル8を駆動す
る。バック駆動モータ3は、Vベルト9、プーリ11、
及びギヤボックス(遊星差動歯車)12を介して遠心分
離機1のスクリューコンベア13を駆動する。制御装置
4は、V/Fコントローラ14の第1部分14Aで交流
(AC)電力を直流(DC)電力に変換し、かつ第2部
分14BでDC電力を可変電圧のAC電力に変換して、
主駆動モータ2を可変速制御する。一方、V/Fコント
ローラ14に共通DCバス15で接続された別のV/F
コントローラ16は、V/Fコントローラ14と同様の
第1部分16Aと第2部分16Bを有し、バック駆動モ
ータ3を主駆動モータ2とはボウルの回転数に対しスク
リューの回転数が差速分だけ低くなるよう異なる第2の
速度で可変速制御する。スクリューコンベア13には、
その軸部先端側(図の右側)に、供給混合物質である原
液をボウル8内に供給するための複数のノズル17が設
けられている。ボウル8は、その両端を支持体18A,
18Bによって回転自在に支承されるとともに、一端側
にテーパ19が形成されており、テーパ19部に原液か
ら分離された脱水ケーキの複数の排出口21が、更に他
端側に原液から分離された液体の複数の排水口22が設
けられている。また、制御装置4内には、バック駆動モ
ータ3がブレーキングにより電力を発生した際に、この
電力をAC電源5側へ戻す回生パッケージ23が設けら
れている。
【0009】この電気モータ駆動方式による従来のスク
リューデカンタ型遠心分離機において、スクリューコン
ベア13は、ボウル8に満たされた液体および脱水ケー
キの回転によって生ずるトルクおよび摩擦により、ボウ
ル8の速度で回ろうとする。したがって、運転中、バッ
ク駆動モータ3は、ボウル回転数より差速分だけ低い回
転数で回転させるためスクリューコンベア13からトル
クを受けて常にブレーキとして作用し、ボウル8とスク
リューコンベア13間の一定の差動速度を維持する。
【0010】図3は例えば特開平4ー290562号公
報に示されている油圧モータ駆動方式による従来のスク
リューデカンタ型遠心分離機の例を示す概略構成図であ
る。この油圧モータ駆動方式を用いたスクリューデカン
タ型遠心分離機31は、ボウル8を駆動する主駆動モー
タとしての電気モータ32と、スクリューコンベア13
を駆動するバック駆動モータとしての油圧モータ33
と、油圧モータ33を駆動するための油圧ユニット34
とを有し、油圧モータ33はスクリューコンベア13の
軸に直結されている。電気モータ32の駆動力は、Vベ
ルト35及びプーリ36を介してボウル8に伝達される
ようになっている。油圧ユニット34は、油圧モータ3
3を駆動するための調節ポンプ37と、この調節ポンプ
駆動用の電気モータ38と、調節ポンプ37の吐出量を
調整する調節弁39と、調節弁39のスプール位置設定
手段39aと、油圧モータ33に送られる油圧の圧力を
検出する圧力検出器41と、圧力検出器41からの出力
信号により切り換えられて調節弁39を作動する三位置
切換弁42と、フィルタ43及びタンク44とから構成
されている。
【0011】この油圧モータ駆動方式による従来のスク
リューデカンタ型遠心分離機においては、搬送トルクを
高く設定できるため、ボウル内の脱水ケーキ層を厚くし
て脱水ケーキの圧密度を高めることができる。
【0012】油圧モータ駆動方式による従来のスクリュ
ーデカンタ型遠心分離機としてはその他、主駆動モータ
及びバック駆動モータをいずれも油圧モータから構成し
たもの(特開平3ー60751号公報)等があるが、こ
の場合でも油圧ユニットが必要であることは言うまでも
ない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スクリ
ューコンベア13をV/F制御のバック駆動モータ3に
よりVベルト9、プーリ11、及びギヤボックス12を
介して駆動する前者のものにあっては、駆動モータ3と
スクリューコンベア13が直結されていないため、以下
のような問題がある。 イ)Vベルト9の滑りによる伝達ロス、遅れがある。 ロ)ボウル8の回転速度を考慮した場合、スクリューコ
ンベア13の駆動系内のギヤの減速比を大きくとれず、
大出力化が困難である。 ハ)差速が最小3〜5rpmであり、これより小さくす
るのが困難である。 ニ)搬送負荷がボウル8側にかかるため、主駆動モータ
2の容量を大きくしなければならない。 ホ)省エネ運転のためには回生回路を組む必要がある。 ヘ)ギヤ(差動歯車)が高価である。 加えて、この前者の装置に使用されているV/F制御イ
ンバータは、誘導電動機のスリップにより必要トルクを
発生させるものであって、誘導電動機の回転数が変動す
るものであるため、独立したトルク制御ができない。こ
のため、V/F制御インバータを用いたものにおいて、
スクリューコンベアの搬送トルクを一定制御するには、
スクリューコンベアにトルク検出器を設けて負荷トルク
を検知し、計算機により予想回転数を求めてスクリュー
コンベア駆動モータに回転数を指示し、再び負荷トルク
が設定値となっているか判断するという試行錯誤を繰り
返しながら制御しなければならない。更に、前記イ)の
理由から指示値と測定値が一致しにくいため、搬送負荷
(トルク)一定制御は困難である。
【0014】また、スクリューコンベア13の駆動を油
圧モータ33でダイレクトドライブにより行う後者のも
のでは、前述のイ)〜ヘ)のような問題は発生せず、か
つ差速を0.5rpmまで小さくできるという利点を有
するものの、以下のような新たな問題が発生する。 ト)油圧ユニット34が別途必要になる。 チ)油圧ロスが大きい。 リ)油圧の冷却水が必要となる。 ヌ)装置構成が複雑にならざるを得ない。 ル)油圧モータ33、油圧ユニット34が高価である。 ヲ)油は火災の原因となる。
【0015】本発明は、前記イ)〜ヲ)のような問題を
解決するためになされたもので、装置構成を簡素化で
き、装置の製造コストばかりでなくランニングコストも
低く抑えることが可能で、かつ脱水(分離)性能を向上
させることのできるスクリューデカンタ型遠心分離機を
得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスクリュー
デカンタ型遠心分離機は、下記の構成からなるものであ
る。すなわち、一方向に回転する円筒形のボウルと、ボ
ウルを駆動する主駆動モータと、ボウル内においてこれ
と同軸でかつ回転差を有して同方向に回転するスクリュ
ーコンベアと、スクリューコンベアを駆動するモータと
を備え、スクリューコンベアの搬送トルクに応じ差速を
変化させるスクリューデカンタ型遠心分離機において、
スクリューコンベア駆動モータにベクトル制御インバー
タにより制御される誘導電動機を用い、これをスクリュ
ーコンベアの軸に直結したものである。
【0017】
【作用】本発明においては、スクリューコンベアを駆動
するモータとして誘導電動機を用い、これをスクリュー
コンベアの軸に直結し、誘導電動機をベクトル制御イン
バータ(三相正弦波PWM制御・デジタル・ベクトル制
御)により制御するものである。ベクトル制御とは、誘
導電動機に供給する一次電流が誘導電動機の内部で設定
値通りの励磁電流(磁束を発生させる電流)とトルク電
流(トルクを発生させる電流)に分配させるように、一
次電流の大きさ、周波数および位相(すなわち電流ベク
トル)を制御することをいう。ベクトル制御には誘導電
動機の磁束検出を必要とする磁界オリエンテーション方
式と誘導電動機の回転数検出を必要とするすべり周波数
制御方式の二つの方式があり、いずれを用いてもよい。
ベクトル制御は励磁電流とトルク電流を独立に制御でき
るので、従来のV/F一定制御に比べ以下の特長があ
る。 トルク制御ができる。 零速から速度制御が行え、速度制御範囲が広い。 制御の応答性が良い。 加減速特性が良い。 ベクトル制御をしていない誘導電動機では、負荷が変わ
るとすべりが変化し、回転数が変化するが、ベクトル制
御をしている誘導電動機では、何等付加的な計器が不要
で1/1000秒以下という非常に短い応答時間で負荷の変
化に対しても回転数一定制御ができる。加えてスクリュ
ーコンベアをダイレクトドライブによって駆動するた
め、ベルトの伝達遅れやロスがなく負荷トルクと発生ト
ルクが一致する。すなわち、周波数を0〜約120Hz
、速度制御範囲を1:3000〜50000にとることができ、
スクリューコンベア回転数を4極電動機では0〜360
0rpm、ボウルとスクリューコンベアの差速を約0.
1〜1rpmのピッチで制御できる。更に高出力化が可
能で、これにより圧密沈降効果が増大し、脱水、分離性
能が向上する。このような利点を利用し、ボウルの回転
数Nに対し差速ΔNとなるように一般的には(N+Δ
N)の回転数をスクリューコンベアに与えるような差速
制御を行う。一方、スクリューコンベアの回転数を(N
−ΔN)の回転数となるようバック駆動することも可能
であるが、この場合省エネ運転とするには別途回生回路
が必要となるので合理的とは言えない。また前述の差速
制御と同時に、スクリューコンベア搬送負荷(トルク)
が上昇すると、差速を大とし、これにより固体搬送速度
を大として固体排出量を増やし、逆にスクリューコンベ
ア搬送負荷(トルク)が減少すると、差速を小とし、こ
れにより固体搬送速度を小として固体排出量を減らし、
ボウル内での固体滞留時間を延ばして圧密効果を大とす
るような搬送負荷(トルク)一定制御を行う。
【0018】
【実施例】以下、図示実施例により本発明を説明する。
図1は本発明に係るスクリューデカンタ型遠心分離機を
示す概略構成であり、図中、従来例(図2)に相当する
部分には同一符号を付してある。
【0019】本実施例のスクリューデカンタ型遠心分離
機51は、スクリューコンベア13を駆動するモータに
誘導電動機52を用い、これをスクリューコンベア13
の軸に直結し、速度・トルク制御装置53を介してAC
電源5Aに接続している。速度・トルク制御装置53
は、誘導電動機52の速度を検出する回転計54とボウ
ル8の速度を検出する回転計55に接続されてこれら回
転計54,55の検出結果に基づき差速を算出し、誘導
電動機52の速度を決定する速度制御器56と、速度制
御器56からの速度指令値と回転計54からの誘導電動
機52の実際の速度に基づき、誘導電動機52の励磁電
流とトルク電流を独立に制御し、スクリューコンベア1
3の搬送トルクの変動に対しても常に目標差速を保持で
きるベクトル制御器57とから構成されている。一方、
主駆動モータ58は、直接AC電源5Bに接続され、V
ベルト59及びプーリ61を介して遠心分離機51のボ
ウル8を駆動するようになっているが、VVVF制御に
より周波数変換を行えるようにすることは好ましい。ボ
ウル8は、その両端を支持体18A,18Bによって回
転自在に支承されるとともに、一端側にテーパ19が形
成されている。一方(図の左側)の支持体18Aには原
液の注入パイプ62が取付けられ、注入パイプ62の末
端がスクリューコンベア13軸心部の内部空間に挿入さ
れている。スクリューコンベア13には、注入パイプ6
2より供給された原液をボウル8内に導入するための複
数の孔13aが穿設されている。他方(図の右側)の支
持体18Bには原液から分離された脱水ケーキの排出口
63が取付けられている。それ以外の構成は前述の従来
例(図2)と同様である。
【0020】本実施例のスクリューデカンタ型遠心分離
機において、速度・トルク制御装置53は、ボウル8の
回転数Nに対し差速ΔNとなるように(N+ΔN)の回
転数をスクリューコンベア13に与えるような差速制御
を行う。また同時に、スクリューコンベア搬送負荷(ト
ルク)が上昇すると、差速を大とし、これにより固体搬
送速度を大として固体排出量を増やし、逆にスクリュー
コンベア搬送負荷(トルク)が減少すると、差速を小と
し、これにより固体搬送速度を小として固体排出量を減
らし、ボウル内での固体滞留時間を延ばして圧密効果を
大とするような搬送負荷(トルク)一定制御を行う。
【0021】このように本実施例のスクリューデカンタ
型遠心分離機は、スクリューコンベア13を駆動するモ
ータにベクトル制御インバータにより制御される誘導電
動機52を用い、これをスクリューコンベア13の軸に
直結したので、トルク検出器等を用いることなく、ボウ
ル8の回転数に対し、僅かな差速となるように誘導電動
機52の速度およびトルクを速度・トルク制御装置53
によって独立に制御することができるとともに、搬送ト
ルクに応じて差速を高精度にかつ応答性良く変化させる
ことができる。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ス
クリューコンベアを駆動するモータにベクトル制御イン
バータにより制御される誘導電動機を用い、これをスク
リューコンベアの軸に直結したので、装置構成が簡素化
され、装置の製造コストばかりでなくランニングコスト
も低く抑えることができるとともに、速度制御およびト
ルク制御を独立に制御することができ、かつ搬送トルク
に応じて差速を高精度にかつ応答性良く変化させること
ができる。このため、脱水(分離)性能を向上させるこ
とができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に回転する円筒形のボウルと、こ
    のボウルを駆動する主駆動モータと、前記ボウル内にお
    いてこれと同軸でかつ回転差を有して同方向に回転する
    スクリューコンベアと、このスクリューコンベアを駆動
    するモータとを備え、スクリューコンベアの搬送トルク
    に応じ差速を変化させるスクリューデカンタ型遠心分離
    機において、 前記スクリューコンベア駆動モータにベクトル制御イン
    バータにより制御される誘導電動機を用い、これをスク
    リューコンベアの軸に直結したことを特徴とするスクリ
    ューデカンタ型遠心分離機。
JP27653694A 1994-11-10 1994-11-10 スクリューデカンタ型遠心分離機 Pending JPH08131889A (ja)

Priority Applications (3)

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US08/549,259 US5681256A (en) 1994-11-10 1995-10-27 Screw decanter centrifuge having a speed-torque controller
EP95117427A EP0711608A1 (en) 1994-11-10 1995-11-06 Screw decanter centrifuge

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007098260A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Hitachi Koki Co Ltd 遠心分離機
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JP5192609B1 (ja) * 2012-12-21 2013-05-08 巴工業株式会社 汚泥処理システム、汚泥処理システムの運転制御用プログラム
CN112973989A (zh) * 2021-02-25 2021-06-18 河北诚信集团有限公司 螺旋离心机不停机减振方法

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