JP2016077934A - 固液分離装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原液が供給される回転ボウル(11)と、この回転ボウル内に配設されたスクリューコンベヤ(12)と、回転ボウルに原液を供給する原液供給管(15)と、スクリューコンベヤの回転に所定の差速を設定する差速電動機(19)と、差速電動機の電流値を検出する電流計(21)と、電流値に対して差速電動機を制御する差速自動制御装置(20)と、原液供給管を流通する原液の濃度を検出する濃度検出装置(26)と、濃度検出装置によって検出された原液の濃度が自動制御閾値を超えた場合には、差速を予め設定した高濃度時増速差速に設定する差速予測制御装置(23)と、を備えた。
【選択図】図2
Description
また、原液供給管を流通する原液の濃度を検出する濃度検出装置を備えたことで、回転ボウルに供給される原液の濃度を検出することができるため、原液の濃度が所定の閾値を超えて急激に濃度が上昇したような場合には濃度の変化を迅速に検知することができる。
請求項2に記載された発明によれば、前記高濃度時差速は、前記差速自動制御装置が設定する所定の最大差速とすることで、迅速に最大差速まで増速して差速自動制御時にて生じていた差速制御の遅れを早期に回避することができる。
請求項3に記載された発明によれば、濃度検出装置によって検出された原液の濃度が前記差速予測制御閾値よりも高い許容処理閾値を超えた場合には、前記原液をバイパスラインへ供給する切り換え弁を備えたことによって、前記原液の高濃度による負荷の増大によって生じる、固液分離処理の停止等を、事前に回避することができるため、不用意な生産ラインの停止等を回避して、固液分離処理の生産性を向上することができる。
請求項4に記載された発明によれば、所定の前記高濃度時増速差速(最大差速)を維持する時間を設定するタイマーを備えたことによって、前記低い濃度に低下したことを検出した後、直ぐに自動制御に移行せず、最大差速をタイマーによって所定時間維持することで、突発的な原液の高濃度に対しても、安定した運転を連続して行うことができるとともに、原液の濃度変化の状態を確認することができる。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る固液分離装置10は、最上部の原液供給管15の原液供給口Aから、水アトマイズ法により生成された金属粉末と水とが混じり合った原液を供給する。そして、回転ボウル11の回転よりもスクリューコンベヤ12の回転を遅く回転させることにより回転差(差速)を設けて、原液を金属粉末と水とに分離する。
固液分離装置10は、分離脱水処理が連続してでき、分離液の水は分離液出口Bから排出し、分離した固形分の金属粒子は分離固形物排出口Cから回収する。
この差速によって回転に位相差を設けることで、比重差により分離された固形分は、スクリューコンベヤ12の差速の回転により下側に搬送され、外部に取出すことができる。また、原液とは、ここでは固形物である金属粉末が混入した状態の水をいう。また、この水(液体)を分離液、分離される固形物を分離固形物ともいう。
固液分離装置10は、原液が供給される回転ボウル11と、この回転ボウル11内に同一軸に設けられたスクリューコンベヤ12と、原液を供給する原液供給管15と、原液を回転ボウル11の内壁に分配する分流リブ板16と、回転ボウル11の回転速度と若干の差速を持たせてスクリューコンベヤ12を回転させる差速装置18と、回転ボウル11を高速回転させる主速電動機17と、差速装置18を介してスクリューコンベヤ12を低速回転させる差速電動機19と、電流計21によって検出された電流値に基づいて差速電動機19を制御する差速自動制御装置20と、原液供給管15を流通する原液の濃度を検出する濃度検出装置26と、濃度検出装置26によって検出された原液の濃度に基づいて所定の高濃度時増速差速に設定する差速予測制御装置23と、原液の濃度が所定の許容処理閾値を超えた場合にはバイパスライン25へ供給する切り換え弁24a、24bと、差速予測制御を所定の時間維持させるタイマー23aと、を備えている。
<回転ボウル>
回転ボウル11は、上部端板11cと、この上部端板11cに接続された円筒部11b、そして、下部のテーパ部11aとを一体に、回転自在に形成されている。
回転ボウル11は、下部小径端側に固形物排出口13を有するテーパ部11aと、前記テーパ部11aの上部大径端側に連なり、上部端板11cに堰板(図示せず)を設けた分離液溢流口11eを有する円筒部11bと、を備えている。
スクリューコンベヤ12は、回転ボウル11の内周面に装着され、スクリューコンベヤ軸12aと、このスクリューコンベヤ軸12aの外周を螺旋状に形成したスクリューコンベヤ羽根12bとから構成されている。スクリューコンベヤ12の駆動は、差速電動機19を駆動源として、差速装置18を介して行われ、回転ボウル11の回転速度と差速電動機19の回転速度の差に比例する差速でスクリューコンベヤ12を回転する。
差速装置18は、3段で減速する遊星歯車減速装置であり、回転ボウル11の下方に配設されている。差速装置18の回転ボウル11を回転させる減速機軸3と、スクリューコンベヤ軸12aを回転させる減速機入力軸4とは同一芯上にあり、同一方向に回転する。差速装置18は、差速1回転当りの減速比分の回転数を減速する。したがって、大きな差速を得るためには、減速比を小さくしなければならないが、極端に小さくすると大きなトルクが電動機に求められることから、結果的に電動機の出力が大きくなり、消費電力が大きくなるが、消費電力が大きくなるのを抑制して、最適な減速比と出力トルクを設定している。
また、主速電動機17の回転数を2500rpm、および差速電動機19の回転数を1000rpmとすれば、差速は、(2500−1000)÷150=10rpmとなる。
原液供給管15は、回転ボウル11の中に原液供給口Aから原液を供給する原液の流通管であり、上部にフランジが形成された円筒管である。原液供給管15は、回転ボウル11の円筒部11bの前記上部端板11cの中心部に突出する挿管孔11dから回転ボウル11の中に挿入されている。原液供給管15に供給された原液は、原液供給管15を通って回転ボウル11内の分流リブ板16に供給される。
分流リブ板16は、回転ボウル11内の半径方向に放射状に配置された原液分配治具である。原液の流れを縦に分割し、原液を回転ボウル11の内壁に移送する。分流リブ板16の1枚の形状は、平面(半径方向断面)から見ると回転ボウル11の中心から内壁に向かって、幅が略一定の分割部材であり、軸方向に沿った正面断面図で見ると回転ボウル11の中心側から内壁側に向かって台形(末広がりの形)をしており、原液供給管15からの原液の流れを軸方向に縦分割する。すなわち、中心側と内壁側は開口している。
分離液(水)は、原液が供給された回転ボウル11を回転させると、原液は、回転ボウル11の円筒部11bの内周面にて、遠心力によって分離液として液面Fを形成し、上部端板11cに堰板を設けられた分離液溢流口11eから溢れ出て、分離液出口Bから機外に排出される。
固形物は、スクリューコンベヤ12によってテーパ部11a側に搬送され、脱水された固形物は、固形物排出口13から下方に落下し、分離固形物排出口Cからピット(図示せず)に設けられた機外搬出用コンベヤ(図示せず)等によって回収される。
切換え弁24aは、原液供給管15の供給口Aよりも上部に配置され、その切換え弁24aの上部に、原液供給管15と接続されたバイパスライン25が設けられ、そのバイパスラインの接続部近傍に切換え弁4bが配置されている。
各電動機と制御装置とは、それぞれ電気的に接続され相互に信号を送受信することができる。具体的には、主速電動機17と差速自動制御装置20が接続され、差速電動機19と差速自動制御装置20が接続され、濃度検出装置26と差速予測制御装置23が接続され、差速電動機19と差速予測制御装置23、とが接続されている。
また、差速電動機19と差速自動制御装置20、との間には電流計21が配置され、差速予測制御装置内にはタイマー23aが設けられている。
主速電動機17は、三相誘導電動機または三相同期電動機が使用され、定トルク/インバータ制御のため、回転数は周波数の制御により自動変速される。主速電動機17の回転数は、必要な遠心効果を得るためのものであり、原液の性状や必要な性能により決められる。主速電動機17の回転数は、例えば、高速(1000〜3500rpm)で回転し、ベルト11hを介してプーリ11f、11gによって減速機軸3を回転する。減速機軸3が回転すると、回転ボウル11が回転する。
差速電動機19は、三相誘導電動機または三相同期電動機が使用され、定トルク/インバータ制御のため、回転数は周波数の制御により自動変速される。差速電動機19の回転は、差速装置18を介して主速電動機17の回転に対して、最適な差速で制御される。
差速電動機19の回転は、ベルト12hを介してプーリ12f、12gによって減速機入力軸4が回転する。減速機入力軸4が回転すると、差速装置18を介してスクリューコンベヤ12を同一方向へ低速回転させる。
差速自動制御装置20は、電流計21によって、差速電動機19の電流値(負荷)を検出し、検出した結果を基に演算によって、差速電動機19の回転を、所定の差速で制御する。
具体的には、差速自動制御装置20は、電流計21が検出した電流値(負荷)が75%以下の場合(このとき、濃度検出装置26が検出した原液の濃度は3.5%未満)には差速を4rpmで設定し、電流値が76〜80%の場合(原液の濃度は3.5〜4.0%)には差速を5rpmで設定し、電流値が81〜85%の場合(原液の濃度は4.0〜5.0%)には差速を6rpmで設定する。
一方原液の濃度が6.0%を超えた場合には、差速自動制御装置20は、差速自動制御から差速予測制御装置23が担当する差速予測制御に移管する。
濃度検出装置26は、原液供給管15の上部、詳しくは、バイパスライン接続部よりも上部に配置される。
なお、本実施形態においては、回転ボウル11に供給される原液の濃度をより正確に直前に検出するために濃度検出装置26を固液分離装置10の上部に配設したが、これに限定されるものではなく、原液の流れ方向に対して原液供給管15のさらに上流側に接続された原液供給管(不図示)に濃度検出装置26を配設してもよい。
また、一般的に濃度検出装置としては、コリオリ式質量流量計や放射線式ガンマ線密度計などが用いられ、金属粉や高濃度流体の濃度を計測する。
差速予測制御装置23は、濃度検出装置26によって原液の高濃度を検出し、検出した結果を基に演算によって、所定の差速を予測して、差速電動機19の回転を、予測した所定の差速で制御する。
具体的には、差速予測制御装置23は、濃度検出装置26が検出した原液の濃度が6.0%を超えた場合には差速を第1の高濃度時増速差速である8rpmで設定し、原液の濃度が7.0%を超えた場合には差速を第2の高濃度時増速差速である10rpm(以下、最大差速とも言う)で設定する。
なお、本実施形態においては、最大差速を10rpmで設定したが、これに限定されるものではなく、最大差速は減速比を変えることで適宜設定することができるため、固液分離装置の用途や仕様、原液の性質等を考慮して適宜設定する。
このため、高濃度時増速差速は、差速自動制御装置20が電流計21の検出する電流値に基づいて設定する差速よりも大きな値である。
作業者(不図示)が起動ボタンを押すと、固液分離装置10は、主速電動機17を起動し、回転ボウル11を高速(たとえば1000〜3500rpm)で回転させる。つづいて、固液分離装置10は、差速電動機19を起動し、主速電動機17の回転数に対して差速を持たせてスクリューコンベヤ12を回転させる。
図2に示すように、たとえば起動初期時、原液供給口Aから供給される原液の濃度を濃度検出装置26が検出する。そして、濃度検出装置26が検出した原液の濃度が第1の自動制御閾値である6.0%以下の場合には(時刻t0〜t1)、差速自動制御装置20が電流計21の検出した電流値に基づいて差速を設定する。
具体的には、原液供給口Aから供給される原液の濃度は2%であり(時刻t0)、この時の差速電動機19の負荷は65%であるから、差速自動制御装置20は、差速を4rpmに設定する。
このように、差速自動制御装置20は、濃度検出装置26が検出した原液の濃度が6.0%以下の場合には(時刻t0〜t1)、電流計21で検出される電流値に適応して、差速自動制御によって差速を制御し、効率的に原液が処理される。差速自動制御装置20による差速自動制御では、差速電動機19の負荷が85%以下で検出される。
差速予測制御装置23による差速予測制御は、将来上昇するであろう電流値(差速電動機の負荷)に適合するように、予めδの分だけリードタイムを設けて差速を設定することができる。
かかる構成により、差速自動制御と差速予測制御との間の不用意な切り替えを抑制して動作の安定を図ることができる。
かかる構成により、高濃度の原液内に滞留する金属粉を沈降させずにバイパスラインへ供給することができるため、原液供給管15の詰まりを抑制して円滑な連続稼働を可能にすることができる。
なお、本発明に係る本実施形態に限定されるものではなく、原液の材質等によっては構成を簡素化して、バイパスラインを配置せず、切り換え弁4aのみ使用して原液の流入を制御してもよい。
つまり、固液分離装置10は、差速予測制御によって電流値に応じて差速を設定する差速自動制御を好適に補完することができるため、原液の濃度変化に迅速に適合して、適切な差速を設定することができる。このため、安定した運転を継続して生産性を向上することができる。
例えば、本実施形態においては、第1の高濃度時増速差速と第2の高濃度時増速差速の2段階の高濃度時増速差速を設定したが、これに限定されるものではなく、濃度検出装置26によって、原液の濃度が6.1%を検出した際に、その後、高濃度の原液が流入することを予測して、最大差速を10rpmに増速させてもよいし、3段階の高濃度時増速差速を設定してもよい。
4 減速機入力軸
10 固液分離装置
11 回転ボウル
11a テーパ部
11b 円筒部
11c 上部端板
11d 挿管孔
11e 分離液溢流口
12 スクリューコンベヤ
12a スクリューコンベヤ軸
12b スクリューコンベヤ羽根
13 固形物排出口
14 分離液排出口
15 原液供給管
16 分流リブ板
17 主速電動機
18 差速装置
19 差速電動機
20 差速自動制御装置
21 電流計
23 差速予測制御装置
23a タイマー
24a 切り換え弁a
24b 切り換え弁b
25 バイパスライン
26 濃度検出装置
A 原液供給口
B 分離液出口
C 分離固形物排出口
D,E 窒素供給口
Claims (4)
- 水アトマイズ法によって生成された金属粉末を含有する原液から水を分離して前記金属粉末を抽出する固液分離装置であって、
前記原液が供給される回転ボウルと、
この回転ボウル内に配設されたスクリューコンベヤと、
前記回転ボウルに前記原液を供給する原液供給管と、
前記回転ボウルと前記スクリューコンベヤの回転に所定の差速を設定する差速電動機と、
前記差速電動機の電流値を検出する電流計と、
前記電流値に対して前記差速電動機を制御する差速自動制御装置と、
前記原液供給管を流通する原液の濃度を検出する濃度検出装置と、
前記濃度検出装置によって検出された原液の濃度が所定の自動制御閾値を超えた場合には前記電流値によらずに前記差速を予め設定した所定の高濃度時増速差速に設定する差速予測制御装置と、
を備えたことを特徴とする固液分離装置。 - 前記高濃度時増速差速は、前記差速自動制御装置が設定する所定の最大差速であること、
を特徴とする請求項1に記載の固液分離装置。 - 前記濃度検出装置によって検出された原液の濃度が前記自動制御閾値よりも高い許容処理閾値を超えた場合には、前記原液が前記回転ボウルへ流通することを規制してバイパスラインへ供給する切り換え弁を備えたこと、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の固液分離装置。 - 前記差速予測制御装置は、前記原液の濃度が前記自動制御閾値よりも低い濃度に低下したことを検出した後、所定の前記高濃度時増速差速(最大差速)を維持する時間を設定するタイマーを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の固液分離装置。
Priority Applications (1)
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JP2014208894A JP2016077934A (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | 固液分離装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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2014
- 2014-10-10 JP JP2014208894A patent/JP2016077934A/ja active Pending
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