JP2014011109A - 機能膜を有する構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能膜である有機層となるインクを基板上に塗布することにより当該有機層を形成してなる有機EL素子の製造方法において、有機層の膜厚が不均一となるのを極力防止する。
【解決手段】基材10上にて、機能膜としての正孔注入層30および発光層40が形成される膜形成領域10aを取り囲む環状のバンク60を形成し、バンク60の先端部61よりも高く盛り上がるように膜形成領域10aにインクKを塗布し、一面が平坦面201であって、膜形成領域10aの周辺部側は遮蔽し且つ中央部側は開口させる蓋200を用い、蓋200の平坦面201を基材10に対向させ、当該平坦面201がバンク60の先端部61に接触するまで、当該平坦面201によって膜形成領域10a上のインクKを押さえ、蓋200の開口部210を介してインクK中の液成分を蒸発させることによりインクKを乾燥させ、機能膜としての有機層30、40を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)における有機層等の機能膜を有する構造体に関し、特に、インクを基材上に塗布することにより当該機能膜を形成してなる機能膜を有する構造体の製造方法に関する。
従来より、この種の構造体の製造方法としては、基材の表面に塗布用マスクを密着させた状態で、塗布用マスクの開口部内に、機能膜となるインクを塗布し、これを乾燥することにより、機能膜を形成する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2011−48915号公報
ところで、基材上に塗布されたインクにおいては、インクの流動性や表面張力等によって、中央部に比べて周辺部が薄く形成されやすい。そのため、インクの乾燥時において、当該インク周辺部の薄い部分から乾燥が進み、そこに中央部側から未乾燥のインクが流動することが発生する。そうすると、当該インク周辺部の膜厚が厚くなり、乾燥後のインクすなわち機能膜において膜厚が不均一となりやすい。
そして、このように機能膜の膜厚が不均一になると、たとえば機能膜が有機ELの発光層である場合には、当該有機ELを発光させた時に発光ムラが発生するなどの不具合が生じやすい。
本発明は、上記したような問題に鑑みてなされたものであり、機能膜となるインクを基材上に塗布することにより当該機能膜を形成してなる機能膜を有する構造体の製造方法において、機能膜の膜厚が不均一となるのを極力防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基材(10)と、基材上に設けられた機能膜(30、40)と、を備え、機能膜は、当該機能膜となるインク(K)を基材上に塗布し、これを乾燥することにより形成されるものである機能膜を有する構造体の製造方法であって、
基材上にて、機能膜が形成される膜形成領域(10a)を取り囲む環状のバンク(60)を形成するバンク形成工程と、バンクの先端部(61)よりも高く盛り上がるようにバンク内の膜形成領域にインクを塗布する塗布工程と、一面が平坦面(201)であって、膜形成領域の周辺部側は遮蔽し且つ膜形成領域の中央部側に開口部(210)を有する蓋(200)を用い、蓋の平坦面を基材に対向させ、蓋の平坦面がバンクの先端部に接触するまで、蓋の平坦面によって膜形成領域上のインクを押さえる蓋接触工程と、蓋の開口部を介してインク中の液成分を蒸発させることによりインクを乾燥させ、機能膜を形成する乾燥工程と、を備えることを特徴とする。
それによれば、蓋接触工程では、膜形成領域上のインクのうち周辺部側は蓋の平坦面で押さえ付けられ、当該インクの中央部側は蓋の開口部内にはみ出すことになる。そして、膜形成領域上のインクのうち中央部側は、蓋の開口部内にて盛り上がった状態となるが、周辺部側は、蓋の平坦面で押さえられてバンクの高さと実質同一の膜厚となる。つまり、インクのうち、開口部に位置する中央部側は、当該開口部以外の周辺部側よりも若干厚くなるが、当該周辺部側では均一な膜厚が実現される。
そして、乾燥工程では、開口部を介して乾燥するため、開口部が位置するインクの中央部側の方が、インクの周辺部側よりも乾燥速度が速くなり、それに比べて、インクのうち中央部側よりも厚さが薄い周辺部側の部位は、蓋で遮蔽されているため、乾燥の進行が遅くなる。そのため、従来のようなインク周辺部側の部位への未乾燥インクの流動を、抑制することができる。
よって、本発明によれば、機能膜の膜厚が不均一となるのを極力防止することができ、バンクの内周全体つまり機能膜の全体にて均一な膜厚を実現しやすい。
ここで、請求項2に記載の発明のように、開口部は、当該開口部における膜形成領域の周辺部側よりも中央部側にて開口密度が大きい形状とされたものであることが好ましい。それによれば、膜形成領域の中央部側に位置する開口部のなかでも更に中央部側において、インクの乾燥速度を速いものにできる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(a)は本発明の第1実施形態にかかる構造体としての有機EL素子の概略平面構成を示す図であり、(b)は(a)中の一点鎖線A−Aに沿った部分の概略断面図である。 図1に示される有機EL素子の製造方法における要部工程を示す工程図である。 図2に続く要部工程を示す工程図である。 (a)は本発明の第2実施形態にかかる蓋における開口部形状の第1の例を示す概略平面図であり、(b)は第2の例を示す概略平面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る構造体S1ついて、図1を参照して述べる。本実施形態では、構造体として、有機EL素子S1を例に採って説明する。この有機EL素子S1は、機能膜として有機EL材料よりなる有機層30、40を有するものである。
この有機EL素子S1は、透明なガラス基板等よりなる電気絶縁性の基板10の一面上に、下部電極20、正孔注入層30、発光層40、上部電極50を順次積層してなる典型的な積層構造を有する。なお、上記各層以外にも、各層の間に正孔輸送層や電子輸送層等が介在している構成であってもよいことはもちろんである。
ここでは、有機EL素子S1は、セグメントタイプの画素P1を有する表示素子として構成されている。具体的には、環状のバンク(隔壁)60によって画定された領域が1個の画素P1を構成しており、各画素P1は、上記各層20〜50の積層構造により構成されている。
特に限定されるものではないが、ここでは、バンク60は、基板10の一面上にベタの状態で形成された下部電極20の上に形成され、下部電極20上の各層30〜50がバンク60で区画されることにより、1個の画素P1が画定されている。なお、バンク60の外側では、下部電極20上には正孔注入層30、発光層40、上部電極50は形成されておらず、画素となっていない。
そして、図1の例では、7個の画素P1により数字の「8」の形状が形成されている。この場合、図示しない配線等を介して外部回路から、下部電極20と上部電極50との間に電圧を印加することにより、発光層40が発光する。
そして、7個の画素P1を選択的に点灯させることにより、数字の「0」〜「9」が表示できるようになっている。ここで、この発光層40からの光は、たとえば基板10側から取り出されるようになっている。
具体的に、下部電極20は、スパッタ等により形成されたITO(インジウム−チン−オキサイド)等の典型的な透明な電極材料よりなる。また、本実施形態では、正孔注入層30および発光層40の両方が、素材となるインクを塗布して乾燥させることにより形成されるものとされている。
たとえば、正孔注入層30としては、導電性ポリマーであるポリエチレンジオキシチオフェンPEDOTと、ドーパントであるポリスチレンスルホン酸PSS(以下、「PEDOT/PSS」と略記する)よりなる。そして、この場合、正孔注入層30の素材となるインクは、このPEDOT/PSSを、水に分散したものに高沸点の溶媒を加えてなる有機溶液とされる。
また、発光層40としては、たとえば、電子輸送性発光材料としてのポリフェニレンビニレン系ポリマーやポリフルオレン系ポリマー等の共役系高分子よりなる。そして、この場合、発光層40の素材となるインクは、これら高分子を高沸点の溶媒に加えてなる有機溶液とされる。
そして、上部電極50としては、たとえば蒸着等により形成されたアルミニウム等の膜が挙げられる。また、バンク60は、たとえばポリイミド等の電気絶縁性の樹脂よりなり、このようなバンク60は、フォトリソグラフ技術を用いて形成される。ここでは、個々のバンク60は、六角形環状をなしている。
次に、図2および図3を参照して、本実施形態にかかる有機EL素子S1の製造方法について述べる。ここで、図2、図3は、有機EL素子S1における有機層30、40を形成する方法についての工程図であるが、基板10上の下部電極20については図示を省略してある。
まず、図2に示される有機層30、40の成膜装置について述べる。この成膜装置は、大きくは、インクKを吐出するノズル100と、基板10を支持し可動させるステージ110と、これらノズル100およびステージ110の作動を制御するコンピュータ等よりなる図示しない制御部と、を有している。
ノズル100は、ステージ110上に搭載され固定された基板10に対して、有機層30、40の素材となるインクKを滴下する機能を備えている。ここで、上記図示しない制御部により、ノズル100とステージ110とは、互いの相対的位置を所望の位置関係とするように走査されるようになっている。
それにより、狙いの位置にインクKが滴下されるようになっている。また、ノズル100は、上記図示しない制御部により、インクKの吐出のオンオフやインクKの吐出量を制御できるようになっている。
そして、本実施形態の製造方法では、まず、基板10の上に、上記ITO等の膜よりなる下部電極20を、スパッタリングや蒸着等により形成する。
次に、図2(a)に示されるように、基板10上にて、機能膜としての正孔注入層30が形成される膜形成領域10aを取り囲む環状のバンク60を形成する(バンク形成工程)。このバンク60は、上述のように、絶縁性樹脂を用いてフォトリソグラフ法等により形成されるもので、基板10側から突出し、その突出先端部を先端部61とする壁状のものである。
ここで、1個の膜形成領域10aの外郭は、実質的に1個の画素P1の外郭に対応するものである。また、図2、図3では図示しないが、基板10上には下部電極20が形成されており、膜形成領域10aの表面は下部電極20により構成されている。
つまり、バンク60は、下部電極20の表面のうち膜形成領域10aの外郭となる部位に形成されるものであり、バンク60の内郭が膜形成領域10aの外郭に相当するものとなっている。そして、図2(a)に示されるように、この下部電極20およびバンク60が形成された基板10を、ステージ110上に搭載し、固定する。
次に、図2(b)に示されるように、バンク60の先端部61よりも高く盛り上がるようにバンク60内の膜形成領域10aにインクKを塗布する(塗布工程)。ここでは、膜形成領域10aに正孔注入層30となるインクKを塗布する。この正孔注入層30となるインクKとしては、上記したPEDOT/PSSを溶媒に加えてなる有機溶液等が採用される。
具体的に塗布工程では、ノズル100を膜形成領域10a上に位置させ、ノズル100からインクKを吐出させ、滴下を行う。これにより、インクKは、膜形成領域10a上に塗布される。
ここで、ノズル100としては、インクKを吐出して膜形成領域10a上に塗布するものであればよく、その吐出形態は特に限定されない。たとえば、インクジェットとして噴霧するものでもよいし、ディスペンスのように滴下するものでもよい。
そして、1個の膜形成領域10aについてインクKの塗布を行った後、ノズル100を次の膜形成領域10a上に位置させ、同様に塗布工程を行う。そして、この塗布工程を各々の膜形成領域10aについて行い、すべての膜形成領域10aについて正孔注入層30となるインクKを塗布する。
次に、図3(a)、(b)に示されるように、蓋接触工程を行う。この蓋接触工程では、一面が平坦面201であって、膜形成領域10aの周辺部側は遮蔽し且つ膜形成領域10aの中央部側に開口部210を有する蓋200を用いる。
そして、この蓋接触工程では、蓋200の平坦面201を基材10に対向させ、蓋200の平坦面201がバンク60の先端部61に接触するまで、蓋200の平坦面201によって膜形成領域10a上のインクKを押さえるようにする。具体的には、蓋200により、膜形成領域10aに蓋をするように、バンク60の先端部61に蓋200を載せる。なお、図3(a)は図3(b)における蓋200の平坦面201側の概略平面を示す図である。
この蓋200は、たとえばステンレス等の鉄系金属などの磁性材料よりなる板材である。この場合、たとえばステージ110の下側に電磁石等の磁力発生機構を設けることにより、蓋200は、当該磁力によって基板10側に引き寄せられ、バンク60に密着して固定される。なお、蓋200は、クランプ機構等により基板10に固定されてもよく、この場合は、磁性材料以外の材料を適宜選択できる。
ここで、本実施形態の蓋200においては、膜形成領域10aの周辺部側は遮蔽し且つ膜形成領域10aの中央部側に開口部210を有する構成とされている。そのため、図3(b)に示されるように、膜形成領域10a上のインクKのうち周辺部側は蓋200の平坦面201で押さえ付けられ、当該インクKの中央部側は蓋200の開口部210内にはみ出すことになる。
そして、図3(b)に示されるように、蓋接触工程では、膜形成領域10a上のインクKのうち中央部側は、蓋200の開口部210内にて盛り上がった状態となるが、周辺部側は、蓋200の平坦面201で押さえられてバンク60の高さと実質同一の膜厚となる。つまり、蓋200中央の開口部210に位置するインクKの部位は、当該開口部210以外のインクKの部位よりも若干厚くなるが、当該開口部210以外のインクKの部位では、均一な膜厚が実現される。
次に、図3(c)に示されるように、蓋200をバンク60に接触させた状態のまま、インクKの乾燥工程を行う。この乾燥工程では、常温または加熱により乾燥を行う。加熱乾燥としては、たとえば基板10を高温(たとえば150℃程度)雰囲気のオーブンやホットプレートに設置して、乾燥を行う。
このとき、乾燥工程では、蓋200の開口部210を介してインクK中の液成分を蒸発させることによりインクKを乾燥させる。これにより、乾燥が完了したインクKが機能膜としての正孔注入層30として形成される。図3(c)は、この乾燥完了後のインクKを示しており、当該インクKは、膜形成領域10a内にて均一な膜厚とされている。
こうして、正孔注入層30が形成されるが、続いて、発光層40についても、発光層40となるインクKおよび正孔注入層30と同じ蓋200を用いて、正孔注入層30と同様に塗布工程、蓋接触工程、乾燥工程を行う。この発光層40となるインクKとしては、たとえば上述した共役系高分子を溶媒に加えてなる有機溶液等が採用される。これにより、発光層40ができあがる。
こうして、発光層40を形成した後、蓋200を取り外し、続いて上部電極50を形成する。この上部電極50は上述のように、蒸着やスパッタリング等により形成する。こうして、各画素P1が形成されることで、本実施形態の有機EL素子S1ができあがる。以上が、本実施形態の製造方法である。
ところで、本実施形態の製造方法によれば、蓋接触工程では、膜形成領域10a上のインクKのうち中央部側は蓋200の開口部210内にて盛り上がった状態となるが、周辺部側は蓋200の平坦面201で押さえ付けられてバンク60の高さと実質同一の膜厚となるため、当該開口部210以外の部位では均一な膜厚が実現される。
そして、乾燥工程では、蓋200の開口部210を介して乾燥するため、開口部210が位置するインクKの中央部側の方が、蓋200で遮蔽されているインクKの周辺部側よりも乾燥速度が速くなる。それに比べ、インクのうち中央部側よりも厚さが薄い周辺部側の部位は、蓋200で遮蔽されているので、乾燥の進行が遅れることになる。
そのため、従来のようなインクK周辺部側の部位へ未乾燥のインクKが流動してしまい、当該インクK周辺部の膜厚が中央部側よりも大きくなってしまうことを、抑制できる。ここで、インクKの中央部側は、蓋200の開口部210内に盛り上がることで当該インクKの周辺部側よりも厚いので、乾燥速度が速くなることは好ましい。
よって、本実施形態によれば、機能膜としての正孔注入層30および発光層40の膜厚が不均一となるのを極力防止することができ、バンク60の内周全体つまり機能膜としての有機層30、40の全体にて均一な膜厚を実現しやすい。
また、本実施形態においては、蓋200の表面、特に開口部210の側面は撥液性を有することが望ましい。それによれば、蓋200の開口部210を通るインクKがはじかれるため、開口部210の内面に付着せずに、開口部210から膜形成領域10a上に落ち込みやすくなる。このような蓋200の撥液化処理は、例えば、フッ素系表面処理剤に蓋200を浸漬し、撥液層を形成する等により行える。
また、膜形成領域10aは親液性を有することが望ましい。ここでは、膜形成領域10aの表面となる下部電極20表面が親液性を有することが望ましい。それによれば、膜形成領域10aの全体にインクKが濡れ拡がりやすくなり、インクKの厚さの均一化の点で有利である。このような構成は、下部電極20の表面を酸素プラズマ処理やUVオゾン処理等を施すことにより実現することができる。
また、バンク60の表面は撥液性を有することが望ましい。それによれば、バンク60まで濡れ拡がったインクKが、バンク60を這い上がりにくくなるため、インクKの周辺部の厚さが必要以上に厚くなるのを防止しやすくなる。このような構成は、四フッ化炭素等のフッ化ガスによるプラズマ処理をバンク60に施すことにより実現される。
なお、本実施形態において、「撥液性」とは、上記インクKを基板10上等に滴下して、接触角の測定を行った場合に、当該接触角が50°以上になる状態と規定する。また、「撥液性」に対する「親液性」とは、本実施形態においては、上記接触角が40°以下になる状態と規定する。
つまり、本実施形態においては、蓋200の表面およびバンク60の表面よりも、インクKが塗布される膜形成領域10aの表面の方がインクKに対する濡れ性が大きいことが好ましい。それによれば、インクKの膜厚をインクK全体で均一化しやすくなる。
また、インクK全体の均一な膜厚を実現するためには、塗布工程と乾燥工程との間、超音波振動の印加等により基板10を振動させるようにしてもよい(基板振動工程)。それによれば、当該基板10の振動によって、塗布されたインクKが濡れ拡がりやすくなるため、当該膜厚の均一化を実現しやすくなる。
また、乾燥工程では、密閉されたオーブン等を用いることにより、真空引きを行い、減圧雰囲気にて基板10上のインクKを乾燥させるようにしてもよい。それによれば、乾燥が促進されるという利点がある。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、上記第1実施形態とは相違する開口部210形状を有する蓋200を提供するものである。蓋200において、開口部210はが、上記第1実施形態では、この開口部210は、たとえば六角形であり、開口部210全体で均一な開口密度とされていた。
それに対して、本実施形態では、膜形成領域10aの中央部側に設けられる開口部210について、更に当該開口部210における膜形成領域10aの周辺部側よりも中央部側にて開口密度が大きい形状とされたものとしている。
それによれば、膜形成領域10aの中央部側に位置する開口部210のなかでも更に中央部側において、インクKの乾燥速度を速いものにできるという利点がある。なお、開口密度とは、バンク60内の膜形成領域10aにおける単位面積当たりの開口密度であることはもちろんである。
図4(a)に示される第1の例では、蓋200のうち膜形成領域10aの中央部に位置する開口部210は複数個の穴の集合体よりなるが、中央部には大きな1個の大穴210aを設け、周辺部側には当該大穴210aを取り巻くように小さな複数個の小穴210bを設けている。これにより、この開口部210は上記した開口密度の関係を満足するものとされている。
また、図4(b)に示される第2の例では、蓋200の開口部210は1個のものより構成されているが、この開口部210は、膜形成領域10aのうち中央部で開口サイズが大きく、周辺部側では幅が狭くなった開口形状とされている。これにより、この開口部210は上記した開口密度の関係を満足するものとされている。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、正孔注入層30および発光層40の両方が、素材となるインクを塗布して乾燥させることにより形成されるものであったが、これら両層30、40のいずれか一方のみが素材となるインクを塗布して乾燥させることにより形成されるものであってもよい。その場合でも、上記各実施形態の製造方法を適用できることはもちろんである。
また、蓋200の開口部210としては、膜形成領域10aの中央部側を開口させ、その周囲の周辺部側を蓋200で遮蔽するように当該蓋200に設けられたものであればよく、当該開口部210の開口形状としては、上記各図に示した形状に限定されるものではなく、その他にも種々の形状が可能である。
また、蓋200としては、蓋200自身の温度を制御できるものとしてもよい。たとえば、蓋200を通電によって発熱する金属よりなるもので構成すればよい。それによれば、インクKの塗布工程において、蓋200の温度を調整してインクKの粘性を適度な状態に制御することが可能となる。
また、上記実施形態では、セグメントタイプの画素P1を有する有機EL素子S1としたが、膜形成領域10aの形が同じ大きさの繰り返しとなるドットマトリクスタイプの画素を有する有機EL素子であってもよい。この場合も、有機層30、40の形成に対して、上記製造方法を適用できる。
さらには、有機EL素子S1としては、セグメントタイプの画素とドットマトリクスタイプの画素とが1個の基板10上に混在するものであってもかまわない。
また、上記実施形態では、機能膜は、有機EL素子S1の有機層30、40であったが、機能膜としては、素材となるインクを基材上に塗布して乾燥させることにより形成されるものであるならば、これに限定されるものではない。
たとえば、機能膜としては、ペンタセン等を含む有機半導体膜や、有機太陽電池や、カラーフィルタ等であってもよい。さらには、機能膜としては、有機物の膜以外にも、可能ならば無機物の膜よりなるものであってもかまわない。
また、機能膜が形成される基材としては、上記基板10のような絶縁性の板状のものに限定されるものではなく、成膜可能な形状および材質のものであるならば、種々のものが適用可能である。
また、上記した各実施形態同士の組み合わせ以外にも、上記各実施形態は、可能な範囲で適宜組み合わせてもよく、また、上記各実施形態は、上記の図示例に限定されるものではない。
10 基板
10a 膜形成領域
30 機能膜としての正孔注入層
40 機能膜としての発光層
60 バンク
61 バンクの先端部
200 蓋
201 蓋の平坦面
210 蓋の開口部
K インク

Claims (2)

  1. 基材(10)と、
    前記基材上に設けられた機能膜(30、40)と、を備え、
    前記機能膜は、当該機能膜となるインク(K)を前記基材上に塗布し、これを乾燥することにより形成されるものである機能膜を有する構造体の製造方法であって、
    前記基材上にて、前記機能膜が形成される膜形成領域(10a)を取り囲む環状のバンク(60)を形成するバンク形成工程と、
    前記バンクの先端部(61)よりも高く盛り上がるように前記バンク内の前記膜形成領域に前記インクを塗布する塗布工程と、
    一面が平坦面(201)であって、前記膜形成領域の周辺部側は遮蔽し且つ前記膜形成領域の中央部側に開口部(210)を有する蓋(200)を用い、
    前記蓋の平坦面を前記基材に対向させ、前記蓋の平坦面が前記バンクの先端部に接触するまで、前記蓋の平坦面によって前記膜形成領域上の前記インクを押さえる蓋接触工程と、
    前記蓋の開口部を介して前記インク中の液成分を蒸発させることにより前記インクを乾燥させ、前記機能膜を形成する乾燥工程と、
    を備えることを特徴とする機能膜を有する構造体の製造方法。
  2. 前記開口部は、当該開口部における前記膜形成領域の周辺部側よりも中央部側にて開口密度が大きい形状とされたものであることを特徴とする請求項1に記載の機能膜を有する構造体の製造方法。
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