JP2007289825A - 膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、及び電気光学装置 - Google Patents

膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、及び電気光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、1枚の基板上に形成された機能膜間の膜厚のばらつきを抑制すると共に、基板上に多数形成されるそれぞれの機能膜における膜厚の不均一を抑制することができる膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、及び電気光学装置を提供する。
【解決手段】本発明による膜形成方法は、機能膜を構成する材料を含む液状材料を基板上の機能膜形成領域に配置し、当該液状材料を減圧環境下で乾燥させることで機能膜を形成する膜形成方法であって、液状材料を機能膜形成領域に充填する液状材料配置工程と、機能膜形成領域に対応する位置にマスク穴が形成された乾燥マスクを、基板と隙間を隔てて対向する位置に、マスク穴が機能膜形成領域に対向するように設置するマスク設置工程と、液状材料を減圧環境下で乾燥させて機能膜を形成する乾燥工程と、を有する膜形成方法である。
【選択図】図7

Description

本発明は、有機エレクトロルミネセンス(以降、「有機EL」と表記する。)装置の発光膜などのような機能膜を形成する膜形成方法、当該機能膜を有する電気光学基板の製造方法、及び当該機能膜を有する電気光学装置の製造方法に関する。また、機能膜、電気光学基板、及び電気光学装置に関する。
従来から、有機EL装置の発光膜やカラー液晶装置のカラーフィルタ膜などの機能膜を形成する技術として、機能膜の材料を含む液状材料を塗布し、当該液状材料を乾燥させて機能膜を形成する技術が知られている。機能膜は厚さによって特性が異なることから、有機EL装置などに形成された互いに同一の機能(特性)を備えることが必要な複数の機能膜は、その膜厚が均等であることが求められる。同様な理由から、各機能膜においても、当該機能膜の各部分の厚さが均一であることが求められる。しかし、液状材料を乾燥させることで形成された機能膜は、中央部分が厚い凸形状や、中央部分が薄い凹形状になることで、同一機能膜における膜厚が均一でなかったり、凸形状や凹形状の形状がばらつくことで、機能膜間で膜厚が均等でなかったりする場合があった。
例えばカラー液晶装置のカラーフィルタ膜では、膜厚が均一でないカラーフィルタ膜は、均一であるカラーフィルタ膜とは透過光量が異なることから、当該膜厚が均一でないカラーフィルタ膜が対応する画素の輝度が、膜厚が均一であるカラーフィルタ膜を前提とした画素の輝度とは異なってしまう。画像の最小単位(以降、「絵素」と表記する。)を構成する複数の画素の輝度が前提とした輝度からずれると、絵素の輝度や色が表示すべき輝度や色と異なってしまう。一つのカラー液晶装置に形成された複数のカラーフィルタ膜間で膜厚が均等でない場合には、輝度むらや色むらが発生する。
特許文献1には、機能膜の形状が、液状材料を乾燥させて機能膜を形成する際の乾燥速度に依存することに注目して、液状材料(機能性層形成用塗工液)の温度を調整することで乾燥速度を制御することにより、同一の機能膜(機能性層)における膜厚を均一にする方法が開示されている。
特開2004―327357号公報
しかしながら、乾燥速度は、乾燥中の雰囲気の影響を受けることから、乾燥中の液状材料が置かれた雰囲気によっても異なっている。1枚の基板上に多数の機能膜が形成される有機EL基板などにおいては、蒸発した液状材料の溶媒の雰囲気中の濃度が、基板の中央付近と周辺付近とでは異なることから、基板の中央付近と周辺付近とで機能膜の乾燥速度が異なっている。これにより、基板の中央付近と周辺付近とで、乾燥速度に依存する機能膜の厚さ方向の形状が異なるため、1枚の基板上に形成された機能膜間で膜厚がばらつくという課題があった。
また、基板の中央付近又は周辺付近の一方にある機能膜において同一の機能膜における膜厚が均一になるように調整すると、他方にある機能膜においては凸形状や凹形状になり、均一厚の望ましい機能膜が形成できないという課題もあった。特開2004−327357に開示された方法は、液状材料を乾燥中の基板が置かれた雰囲気に関わりなく、基板上に配置された多数の液状材料の乾燥速度を一律に制御するものであり、1枚の基板上に形成される機能膜間の膜厚のばらつきの発生を解決できるものではなく、基板に多数形成されるそれぞれの機能膜の膜厚を均一にできるものでもない。
本発明は、上記課題を解決するものであり、1枚の基板上に形成された機能膜間の膜厚のばらつきを抑制すると共に、基板上に多数形成されるそれぞれの機能膜における膜厚の不均一を抑制することができる膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法、並びに機能膜、電気光学基板、及び電気光学装置を実現することを目的とする。
本発明による膜形成方法は、機能膜を構成する材料を含む液状材料を基板上の機能膜を構成するべき領域である1以上の機能膜形成領域に配置し、当該液状材料を減圧環境下で乾燥させることで機能膜を形成する膜形成方法であって、液状材料を機能膜形成領域に充填する液状材料配置工程と、機能膜形成領域に対応する位置にマスク穴が形成された乾燥マスクを、基板と隙間を隔てて対向する位置に、マスク穴が機能膜形成領域に対向するように設置するマスク設置工程と、液状材料を減圧環境下で乾燥させて機能膜を形成する乾燥工程と、を有することを特徴とする。
機能膜は厚さによって特性が異なることから、同一の装置に形成された互いに同一の機能(特性)を備えることが必要な複数の機能膜は、その膜厚が均等であることが求められる。同様な理由から、各機能膜においても、当該機能膜の各部分の厚さが均一であることが求められる。
本発明に係る膜形成方法によれば、基板は基板と隙間を隔てて対向する位置に配置された乾燥マスクで覆われており、機能膜形成領域に対向する位置にマスク穴が開口している。減圧乾燥では、雰囲気のほとんどは液状材料から蒸発した溶媒である。減圧乾燥を実行する乾燥工程において、機能膜形成領域の雰囲気は機能膜形成領域に充填された液状材料から蒸発した溶媒であって、殆ど当該溶媒からなる雰囲気は、マスク穴を通って拡散される。機能膜形成領域と対応するマスク穴との位置関係は、基板上の各機能膜形成領域において略均一であることから、機能膜形成領域に充填されており乾燥される液状材料の雰囲気は基板上の各機能膜形成領域において略均一である。これにより、乾燥中の雰囲気の影響を受ける乾燥速度を、各機能膜形成領域において略均一にすることができる。従って、1枚の基板上に形成された機能膜間の膜厚のばらつきを抑制することができる。さらに、一つの機能膜における膜厚の均一化を実行することで、基板上に形成された総ての機能膜における膜厚の均一化を実行することができる。
本発明において、膜形成方法は、乾燥マスクが、形成されているマスク穴の形状が互いに異なる中央乾燥マスク又は周辺乾燥マスクであって、マスク設置工程を実施することなく乾燥マスクを用いない状態で乾燥工程を実行した場合に得られる機能膜の膜厚の状態に応じて、マスク設置工程において、中央乾燥マスク又は周辺乾燥マスクを設置することが好ましい。
この膜形成方法によれば、中央乾燥マスクと周辺乾燥マスクとは形成されているマスク穴の形状が互いに異なることから、中央乾燥マスクを用いた乾燥工程と周辺乾燥マスクを用いた乾燥工程とで、機能膜形成領域に充填されており乾燥される液状材料の雰囲気が互いに異なっている。これにより、中央乾燥マスクを用いた乾燥工程と周辺乾燥マスクを用いた乾燥工程とで、機能膜形成領域に充填された液状材料の乾燥速度が異なることから、充填された液状材料が同一であっても、形成される機能膜における膜厚方向の形状が、異なっている。上述したように、機能膜は当該機能膜の各部分の厚さが均一であることが好ましい。乾燥マスクを用いない状態で乾燥工程を実行した場合に得られる機能膜の膜厚の状態に応じて、中央乾燥マスク又は周辺乾燥マスクを用いることで、形成される機能膜の膜厚方向の形状をより均一な状態に近づけることができる。
本発明において、膜形成方法は、中央乾燥マスクが、開口面積が機能膜形成領域の面積より小さい中央マスク穴を有し、マスク設置工程において、中央乾燥マスクを、機能膜形成領域の中央と中央マスク穴の中央とが略重なる位置に設置することが好ましい。
容器に充填された液体は液面が水平を保つように移動する。同様に、一つの機能膜形成領域内に充填された液状材料は、乾燥中も液面が水平を保つように移動する。溶媒の乾燥が速い部分は液量の減り方が速いため液面が下がることから、乾燥が遅い部分から速い部分へ液状材料が流入する。乾燥が速い部分では、溶媒が蒸発して濃度が上がったところに液状材料が供給されることから溶質の量が多くなる。これにより、乾燥して形成された機能膜は、溶媒の乾燥が速い部分が厚くなる。
この膜形成方法によれば、機能膜形成領域の中央と中央マスク穴の中央とが略重なっていることから、中央マスク穴は機能膜形成領域の略中央に対向して配置される。機能膜形成領域に充填された液状材料から蒸発した溶媒は、機能膜形成領域の中央付近から中央マスク穴を通って拡散される。また、中央マスク穴の開口面積が機能膜形成領域の面積より小さいことから、機能膜形成領域の周辺付近に充填された液状材料は、中央付近に充填された液状材料にくらべて、中央マスク穴からの距離が遠くなる。これにより、周辺付近に充填された液状材料から蒸発した溶媒の方が、中央付近に充填された液状材料から蒸発した溶媒より拡散し難くなるため、周辺付近の方が雰囲気中の蒸発した溶媒の濃度が濃くなる。従って、機能膜形成領域の中央付近に充填された液状材料の乾燥速度を、周辺付近に充填された液状材料に比べて速くすることができる。これにより、中央付近の膜厚を周辺付近の膜厚に対して厚くする方向に調整することができる。
本発明において、膜形成方法は、中央マスク穴の平面形状が、中央乾燥マスクが基板上に設置された状態において、中央マスク穴の縁から機能膜形成領域の平面形状の外形までの距離が略均一となる形状であることが好ましい。
この膜形成方法によれば、中央マスク穴の縁から機能膜形成領域の外周までの距離が略均一であり、機能膜形成領域の周辺付近に充填された液状材料から蒸発した溶媒が中央マスク穴に至る距離を機能膜形成領域の周辺全周にわたって略均一になる。これにより、機能膜形成領域の周辺全周にわたって雰囲気を略均一にして乾燥状態を略均一にすることができる。
本発明において、膜形成方法は、周辺乾燥マスクが、穴配置領域に形成された複数の小穴から成る周辺マスク穴を有し、マスク設置工程において、周辺乾燥マスクは、穴配置領域が機能膜形成領域に対向しており、穴配置領域の中央と機能膜形成領域の中央とが略重なる位置に設置されることが好ましい。
この膜形成方法によれば、機能膜形成領域に対向する穴配置領域に周辺マスク穴の小穴を形成することで、機能膜形成領域に充填された液状材料から蒸発した溶媒は、周辺マスク穴の小穴を通って拡散される。これにより、小穴に対向する位置に充填された液状材料の乾燥速度を、小穴に対向する位置以外に充填された液状材料に比べて速くすることができる。これにより、小穴に対向する位置の膜厚を小穴に対向する位置以外の位置の膜厚に対して厚くする方向に調整することができる。
本発明において、膜形成方法は、穴配置領域の平面形状が、機能膜形成領域の平面形状と略同一であることが好ましい。
この膜形成方法によれば、機能膜形成領域の任意の位置に対向する位置に周辺マスク穴の小穴を形成することで、機能膜形成領域の任意の位置の乾燥が他の位置より速くなるように調整することができる。これにより、機能膜形成領域の任意の位置の膜厚を他の位置の膜厚に対して厚くする方向に調整することができる。
本発明において、膜形成方法は、複数の小穴のそれぞれが、穴配置領域の外形形状線に内接する位置に形成されていることが好ましい。外形形状線は、仮想の線であって、穴配置領域と穴配置領域以外の領域との境界である。
この膜形成方法によれば、外形形状線に内接するように形成された小穴は、機能膜形成領域の周辺部分に対向する。機能膜形成領域の周辺部分に対向する位置に周辺マスク穴の小穴を形成することで、機能膜形成領域に充填された液状材料から蒸発した溶媒は、機能膜形成領域の周辺部分付近から周辺マスク穴を通って拡散される。機能膜形成領域の周辺付近に充填された液状材料は、中央付近に充填された液状材料にくらべて、周辺マスク穴からの距離が近くなる。これにより、周辺付近に充填された液状材料から蒸発した溶媒の方が、中央付近に充填された液状材料から蒸発した溶媒より拡散し易くなるため、周辺付近の方が雰囲気中の蒸発した溶媒の濃度が薄くなる。従って、機能膜形成領域の周辺付近に充填された液状材料の乾燥を、中央付近に充填された液状材料に比べて速くすることができる。これにより、周辺付近の膜厚を中央付近の膜厚に対して厚くする方向に調整することができる。
本発明において、膜形成方法は、マスク設置工程を実施することなく乾燥マスクを用いない状態で乾燥工程を実行した場合に得られる機能膜が周辺側の膜厚が中央側の膜厚より厚い機能膜である場合に、マスク設置工程において、中央乾燥マスクを設置することが好ましい。
容器に充填された液体は液面が水平を保つように移動する。同様に、一つの機能膜形成領域内に充填された液状材料は、乾燥中も液面が水平を保つように移動する。溶媒の乾燥が速い部分は液量の減り方が速いため液面が下がることから、乾燥が遅い部分から速い部分へ液状材料が流入する。乾燥が速い部分では、溶媒が蒸発して濃度が上がったところに液状材料が供給されることから溶質の量が多くなる。これにより、乾燥して形成された機能膜は、溶媒の乾燥が速い部分が厚くなる。この膜形成方法によれば、乾燥マスクを用いない状態で乾燥工程を実行した場合に得られる機能膜が周辺側の膜厚が中央側の膜厚より厚い機能膜である場合、即ち、周辺側の方が中央側より乾燥速度が速い場合に、乾燥工程において、中央側に中央マスク穴が形成された中央乾燥マスクを用いるため、中央側の乾燥速度が周辺側より速くなるように調整されることで、周辺側の膜厚が中央側の膜厚より厚い傾向を是正して、均一な膜厚に近づけることができる。
本発明において、膜形成方法は、マスク設置工程を実施することなく乾燥マスクを用いない状態で乾燥工程を実行した場合に得られる機能膜が周辺側の膜厚が中央側の膜厚より薄い機能膜である場合に、マスク設置工程において、周辺乾燥マスクを設置することが好ましい。
この膜形成方法によれば、乾燥マスクを用いない状態で乾燥工程を実行した場合に得られる機能膜が周辺側の膜厚が中央側の膜厚より薄い機能膜である場合、即ち、周辺側の方が中央側より乾燥速度が遅い場合に、乾燥工程において、周辺側に周辺マスク穴が形成された周辺乾燥マスクを用いるため、周辺側の乾燥速度が中央側より速くなるように調整されることで、中央側の膜厚が周辺側の膜厚より厚い傾向を是正して、均一な膜厚に近づけることができる。
本発明による膜形成方法は、機能膜を構成する材料を含む液状材料を基板上の機能膜を構成するべき領域である1以上の機能膜形成領域に充填することで基板上に配置する液状材料配置工程と、機能膜形成領域に対応する位置に複数のマスク穴が形成された乾燥マスクを、基板と隙間を隔てて対向する位置に、マスク穴が機能膜形成領域に対向するように設置するマスク設置工程と、液状材料を減圧環境下で乾燥させて機能膜を形成する乾燥工程と、を有し、乾燥マスクは、形状が異なる複数の種類のマスク穴が形成されている混合乾燥マスクであって、機能膜形成領域のそれぞれに対応するマスク穴の種類は、マスク設置工程を実施することなく乾燥マスクを用いない状態で乾燥工程を実行した場合に得られるそれぞれの機能膜形成領域毎の機能膜の膜厚の状態に応じて、決定することを特徴とする。
本発明に係る膜形成方法によれば、設置された乾燥マスクの対向する位置に形成されているマスク穴の形状によって、機能膜形成領域に充填されており乾燥される液状材料の雰囲気が互いに異なっている。これにより、機能膜形成領域に充填された液状材料の乾燥速度が異なることから、充填された液状材料が同一であっても、形成される機能膜における膜厚方向の形状が、異なっている。機能膜は厚さによって特性が異なることから、同一の装置に形成された互いに同一の機能を(特性)を備えることが必要な複数の機能膜は、その膜厚が均等であることが求められる。同様な理由から、各機能膜においても、当該機能膜の各部分の厚さが均一であることが求められる。機能膜形成領域毎に、乾燥マスクを用いない状態で乾燥工程を実行した場合に得られる機能膜の膜厚の状態に応じて、マスク穴の形状を変えることで、形成される機能膜の膜厚方向の形状をより均一な状態に近づけることができる。
本発明において、膜形成方法は、混合乾燥マスクが、1個の機能膜形成領域に対応するマスク穴が1個であり、当該マスク穴の開口面積が機能膜形成領域の面積より小さい第一のマスク穴と、穴配置領域に形成された複数の小穴から成る第二のマスク穴と、を有し、マスク設置工程において、混合乾燥マスクは、機能膜形成領域の中央と第一のマスク穴の中央とが略重なり、機能膜形成領域の中央と穴配置領域の中央とが略重なる位置に配置されることが好ましい。
この膜形成方法によれば、機能膜形成領域の中央と第一のマスク穴の中央とが略重なっていることから、第一のマスク穴は機能膜形成領域の略中央に対向して配置される。機能膜形成領域に充填された液状材料から蒸発した溶媒は、機能膜形成領域の中央付近から第一のマスク穴を通って拡散される。また、第一のマスク穴の開口面積が機能膜形成領域の面積より小さいことから、機能膜形成領域の周辺付近に充填された液状材料は、中央付近に充填された液状材料にくらべて、第一のマスク穴からの距離が遠くなる。これにより、周辺付近に充填された液状材料から蒸発した溶媒の方が、中央付近に充填された液状材料から蒸発した溶媒より拡散し難くなるため、周辺付近の方が雰囲気中の蒸発した溶媒の濃度が濃くなる。従って、機能膜形成領域の中央付近に充填された液状材料の乾燥速度を、周辺付近に充填された液状材料に比べて速くすることができる。これにより、第一のマスク穴が対向する機能膜形成領域では、中央付近の膜厚を周辺付近の膜厚に対して厚くする方向に調整することができる。一方、機能膜形成領域に対向する穴配置領域に第二のマスク穴の小穴を形成することで、機能膜形成領域に充填された液状材料から蒸発した溶媒は、第二のマスク穴の小穴を通って拡散される。これにより、小穴に対向する位置に充填された液状材料の乾燥速度を、小穴に対向する位置以外に充填された液状材料に比べて速くすることができる。これにより、第一のマスク穴が対向する機能膜形成領域では、小穴に対向する位置の膜厚を小穴に対向する位置以外の位置の膜厚に対して厚くする方向に調整することができる。
本発明において、膜形成方法は、混合乾燥マスクにおいて、マスク設置工程を実施することなく乾燥マスクを用いない状態で乾燥工程を実行した場合に得られる機能膜の形状が周辺側の膜厚が中央側の膜厚より厚い形状であるような機能膜を形成する機能膜形成領域に対応する位置には第一のマスク穴を配置し、マスク設置工程を実施することなく乾燥マスクを用いない状態で乾燥工程を実行した場合に得られる機能膜の形状が周辺側の膜厚が中央側の膜厚より薄い形状であるような機能膜を形成する機能膜形成領域に対応する位置には第二のマスク穴を配置することが好ましい。
この膜形成方法によれば、乾燥マスクを用いない状態で周辺側の膜厚が中央側の膜厚より厚い機能膜が形成される機能膜形成領域に対応する位置には、マスク穴が形成された機能膜形成領域の中央付近に充填された液状材料の乾燥速度を、周辺付近に充填された液状材料に比べて速くすることができる第一のマスク穴を形成することで、周辺側の膜厚が中央側の膜厚より厚いことを緩和することができる。乾燥マスクを用いない状態で周辺側の膜厚が中央側の膜厚より薄い機能膜が形成される機能膜形成領域に対応する位置には、機能膜形成領域の小穴が形成された付近に充填された液状材料の乾燥速度を、小穴が形成されていない部分に充填された液状材料に比べて速くすることができる第二のマスク穴を形成することで、中央の膜厚が周辺の膜厚より厚いことを緩和することができる。
本発明において、膜形成方法は、第一のマスク穴の平面形状は、混合乾燥マスクが基板上に設置された状態において、第一のマスク穴の縁から機能膜形成領域の平面形状の外形までの距離が略均一となる形状であることが好ましい。
この膜形成方法によれば、第一のマスク穴の縁から機能膜形成領域の外周までの距離が略均一であり、機能膜形成領域の周辺付近に充填された液状材料から蒸発した溶媒が第一のマスク穴に至る距離を機能膜形成領域の周辺全周にわたって略均一になる。これにより、機能膜形成領域の周辺全周にわたって雰囲気を略均一にして乾燥状態を略均一にすることができる。
本発明において、膜形成方法は、穴配置領域の平面形状が、機能膜形成領域の平面形状と略同一の形状であることが好ましい。
この膜形成方法によれば、機能膜形成領域の任意の位置に対向する位置に第二のマスク穴の小穴を形成することで、機能膜形成領域の任意の位置の乾燥が他の位置より速くなるように調整することができる。これにより、機能膜形成領域の任意の位置の膜厚を他の位置の膜厚に対して厚くする方向に調整することができる。
本発明において、膜形成方法は、複数の小穴のそれぞれは穴配置領域の外形形状線に内接する位置に形成されていることが好ましい。
この膜形成方法によれば、外形形状線に内接するように形成された小穴は、機能膜形成領域の周辺部分に対向する。機能膜形成領域の周辺部分に対向する位置に第二のマスク穴の小穴を形成することで、機能膜形成領域に充填された液状材料から蒸発した溶媒は、機能膜形成領域の周辺部分付近から第二のマスク穴を通って拡散される。機能膜形成領域の周辺付近に充填された液状材料は、中央付近に充填された液状材料にくらべて、第二のマスク穴からの距離が近くなる。これにより、周辺付近に充填された液状材料から蒸発した溶媒の方が、中央付近に充填された液状材料から蒸発した溶媒より拡散し易くなるため、周辺付近の方が雰囲気中の蒸発した溶媒の濃度が薄くなる。従って、機能膜形成領域の周辺付近に充填された液状材料の乾燥を、中央付近に充填された液状材料に比べて速くすることができる。これにより、周辺付近の膜厚を中央付近の膜厚に対して厚くする方向に調整することができる。
本発明において、膜形成方法は、周辺マスク穴又は第二のマスク穴を構成する複数の小穴のそれぞれの小穴、中央マスク穴、及び第一のマスク穴は、複数の微小穴の集合であってもよい。
本発明による電気光学基板の製造方法は、機能膜を有する電気光学基板の製造方法であって、少なくとも1種類の機能膜を前記請求項の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成することを特徴とする。
本発明に係る電気光学基板の製造方法によれば、1枚の基板上に形成された機能膜間の膜厚のばらつきを抑制することができると共に、機能膜における膜厚の均一化を実行することができる膜形成方法を用いて機能膜を形成することから、機能膜間の膜厚のばらつきが小さく、一つの機能膜における膜厚のばらつきが小さい、好適な電気光学基板を製造することができる。例えばカラーフィルタ基板であれば、色むらや輝度むらが少なく、表示するべき色や輝度を正確に表示し易いというように、高性能の電気光学基板を製造することができる。
本発明による電気光学装置の製造方法は、機能膜を有する電気光学装置の製造方法であって、少なくとも1種類の機能膜を前記請求項のいずれか1項に記載の膜形成方法を用いて形成することを特徴とする。
本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、1台の電気光学装置上に形成された機能膜間の膜厚のばらつきを抑制することができると共に、機能膜における膜厚の均一化を実行することができる膜形成方法を用いて機能膜を形成することから、機能膜間の膜厚のばらつきが小さく、一つの機能膜における膜厚のばらつきが小さい、好適な電気光学装置を製造することができる。例えば有機EL表示装置であれば、色むらや輝度むらが少なく、表示するべき色や輝度を正確に表示し易いというように、高性能の電気光学装置を製造することができる。
本発明による機能膜は、機能膜を構成する材料を含む液状材料を基板上の機能膜を構成するべき領域である1以上の機能膜形成領域に配置し、当該液状材料を減圧環境下で乾燥させることで基板上に形成されており、所定の機能を有する機能膜であって、平面形状が略円形であることを特徴とする。
機能膜材料を含む液状材料を乾燥させて機能膜を形成する場合、形成するべき機能膜の縁の形状によって当該縁の近くの液状材料の乾燥状態が異なる。このため、機能膜の厚みが縁の形状によって部分的に異なり、全体の厚みが均一でなくなる。例えば、多角形の機能膜の辺の部分と角の部分とでは乾燥状態が異なることから、辺の部分と角の部分とで機能膜の厚さが均一でなくなる。本発明に係る機能膜の構成によれば、機能膜の縁は総て円弧の一部であることから、縁の形状が全周で均一になる。これにより、全周にわたって乾燥状態が略同一になり全周にわたって膜厚を略均一にすることができる。従って、機能膜の形状がばらつく可能性が少ないことから、機能膜の所望の機能を実現し易い機能膜を実現することができる。
本発明による電気光学基板は、機能膜を構成する材料を含む液状材料を基板上の機能膜を構成するべき領域である1以上の機能膜形成領域に配置し、当該液状材料を減圧環境下で乾燥させることで基板上に形成されており、所定の機能を有する機能膜を有する電気光学基板であって、機能膜は平面形状が略円形であることを特徴とする。
本発明に係る電気光学基板によれば、機能膜の形状がばらつく可能性の少ないことから、機能膜の所望の機能を実現し易い機能膜を備えることで、所望の機能を実現し易い電気光学基板を実現することができる。また、個々の機能膜の形状がばらつく可能性が少ないことから、電気光学基板上の複数の機能膜相互間のばらつきが小さい電気光学基板を実現することができる。例えばカラーフィルタ基板であれば、色むらや輝度むらが少なく、表示するべき色や輝度を正確に表示し易いというように、高性能の電気光学基板を実現することができる。
本発明による電気光学装置は、機能膜を構成する材料を含む液状材料を基板上の機能膜を構成するべき領域である1以上の機能膜形成領域に配置し、当該液状材料を減圧環境下で乾燥させることで基板上に形成されており、所定の機能を有する機能膜を有する電気光学装置であって、機能膜は平面形状が略円形であることを特徴とする。
本発明に係る電気光学装置によれば、機能膜の形状がばらつく可能性の少ないことから、機能膜の所望の機能を実現し易い機能膜を備えることで、所望の機能を実現し易い電気光学装置を実現することができる。また、個々の機能膜の形状がばらつく可能性が少ないことから、電気光学装置上の複数の機能膜相互間のばらつきが小さい電気光学装置を実現することができる。例えば有機EL表示装置であれば、色むらや輝度むらが少なく、表示するべき色や輝度を正確に表示し易いというように、高性能の電気光学装置を実現することができる。
以下、本発明に係る膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法の一実施形態について図面を参照して、説明する。本発明の実施形態は、電気光学装置の一例である液晶表示装置を構成する液晶表示パネルのカラーフィルタ基板を製造する工程、及び電気光学装置の一例である有機EL表示装置を製造する工程において、機能膜を形成する工程で用いられる膜形成方法を例に説明する。
(第一の実施形態)
第一の実施形態は、電気光学装置の一例である液晶表示装置を構成する液晶表示パネルのカラーフィルタ基板を製造する工程において、機能膜の一例であるフィルタ膜としての色要素膜を形成する工程で用いられる膜形成方法を例に説明する。
(液晶表示パネルの構成)
最初に、液晶表示パネルについて説明する。図1は、液晶表示パネルの構造を示す概略図である。図1(a)は、液晶表示パネルについて、各構成要素とともにフィルタ基板側から見た平面図であり、図1(b)は図1(a)にA−Aで示した断面における断面形状を示す概略断面図である。なお、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、それぞれの層や部材毎に縮尺を異ならせてある。
図1(a)および(b)に示すように、液晶表示パネル10は、TFT(Thin Film Transistor)素子3及び画素電極6bを有する素子基板1と、対向電極6a及びカラーフィルタ5を有するフィルタ基板2と、シール材4によって接着された素子基板1とフィルタ基板2との隙間に充填された液晶8とを備えている。素子基板1はフィルタ基板2より一回り大きく額縁状に張り出した状態となっている。
素子基板1は、厚さおよそ1.2mmの石英ガラス基板を用いており、その表面には画素を構成する画素電極6bと、3端子のうちの一つが画素電極6bに接続されたTFT素子3が形成されている。TFT素子3の残りの2端子は、画素電極6bを囲んで互いに絶縁状態で格子状に配置されたデータ線(図示省略)と走査線(図示省略)とに接続されている。データ線は、Y軸方向に引き出されて端子部16においてデータ線駆動回路部9aに接続されている。走査線は、X軸方向に引き出され、左右の額縁領域に形成された2つの走査線駆動回路部9b,9bに個々に接続されている。各データ線駆動回路部9aおよび走査線駆動回路部9bの入力側配線は、端子部16に沿って配列した実装端子11にそれぞれ接続されている。端子部16とは反対側の額縁領域には、2つの走査線駆動回路部9b,9bを繋ぐ配線12が設けられている。
フィルタ基板2は、厚みおよそ1.0mmの透明な石英ガラスからなるガラス基板2aを用いており、共通電極としての対向電極6aが設けられている。対向電極6aは、ガラス基板2aの四隅に設けられた上下導通部14を介して素子基板1側に設けられた配線と導通しており、当該配線も端子部16に設けられた実装端子11に接続されている。また、フィルタ基板2には、画素電極6bと対向する位置に色要素膜53が形成されたカラーフィルタ5が設けられている。
液晶8に面する素子基板1の表面およびフィルタ基板2の表面には、それぞれ配向膜7b、配向膜7aが形成されている。
液晶表示パネル10は、外部駆動回路と電気的に繋がる中継基板が実装端子11に接続される。そして、外部駆動回路からの入力信号が各データ線駆動回路部9aおよび走査線駆動回路部9bに入力されることにより、TFT素子3が画素電極ごとにスイッチングされ、画素電極6bと対向電極6aとの間に駆動電圧が印加されて表示が行われる。
尚、図1では図示省略したが、液晶表示パネル10の表裏面には、それぞれ入出射する光を偏向する偏光板が設けられる。
(カラーフィルタ)
次に、フィルタ基板2に形成されているカラーフィルタ5及びカラーフィルタ5における色要素膜53の配列について説明する。図2(a)はカラーフィルタの一実施形態の平面構造を模式的に示す平面図であり、図2(b),(c)は、3色カラーフィルタの配列例を示す模式平面図である。
上述したように、フィルタ基板2は、厚みおよそ1.0mmの透明な石英ガラスからなるガラス基板2aを用いて形成されている。図2(a)に示すように、カラーフィルタ5は、方形状のガラス基板2aの表面に複数の色要素領域52をドットパターン状、本実施形態ではドット・マトリクス状に形成し、当該色要素領域52に色要素膜53を形成することによって形成されている。ガラス基板2aのカラーフィルタ5が形成される領域にかからない位置にアライメントマーク51a,51bが形成されている。アライメントマーク51a,51bは、カラーフィルタ5などを形成する諸工程を実行するためにガラス基板2aを製造装置に取付ける際などに位置決め用の基準マークとして用いられる。
図2(b),(c)に示すように、色要素膜53は、透光性のない樹脂材料によって格子状のパターンに形成された隔壁56によって区画されてドット・マトリクス状に並んだ複数の例えば方形状の色要素領域52を色材で埋めることによって形成される。例えば、色要素膜53を構成する色材を含む液状材料を色要素領域52に充填し、当該液状材料の溶媒を蒸発させて液状材料を乾燥させることで、色要素領域52を埋める膜状の色要素膜53を形成する。色要素膜53が機能膜に相当し、色要素領域52が機能膜形成領域に相当する。フィルタ基板2が、機能膜を有する電気光学基板に相当する。
色要素膜53の配列としては、例えば、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等が知られている。ストライプ配列は、図2(b)に示したように、マトリクスの縦列が総て同色の色要素膜53になる配列である。モザイク配列は、図2(c)に示したように、横方向の各行ごとに色要素膜53一つ分だけ色をずらした配列で、3色フィルタの場合、縦横の直線上に並んだ任意の3つの色要素膜53が3色となる配列である。そして、デルタ配列は、色要素膜53の配置を段違いにし、3色フィルタの場合、任意の隣接する3つの色要素膜53が異なる色となる配色である。
図2(b),(c)に示した3色フィルタにおいて、色要素膜53は、それぞれが、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のうちのいずれか1色の色材によって形成されている。隣り合って形成されたR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の色要素膜53R,53G,53Bを各1個づつ含む色要素膜53の組で、画像を構成する最小単位である絵素のフィルタ(以降、「絵素フィルタ54」と表記する。)を形成している。1絵素フィルタ54内の色要素膜53R,53G,53Bのいずれか1つ又はそれらの組み合わせに光を選択的に通過させることにより、フルカラー表示を行う。このとき、透光性のない樹脂材料によって形成された隔壁56はブラックマトリクスとして作用する。
(液滴吐出法及び液滴吐出ヘッド)
次に、液状材料を色要素領域52に充填する際に用いられる液滴吐出法について説明する。液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加して吐出ノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。このうち、ピエゾ方式は、液状材料に熱を加えないため、材料の組成等に影響を与えないなどの利点を有する。本実施形態では、液状材料選択の自由度の高さ、及び液滴の制御性の良さの点から上記ピエゾ方式を用いる。
次に、本発明に係るデバイスを液滴吐出法によって製造する際に用いられるデバイス製造装置の液滴吐出ヘッドについて説明する。このデバイス製造装置は、液滴吐出ヘッドから基板に対して液滴を吐出(滴下)することによりデバイスを製造する液滴吐出装置(インクジェット装置)である。図3は、液滴吐出ヘッドの外観の概要を示す図である。図3(a)は、液滴吐出ヘッドの外観の概要を示す斜視図であり、図3(b)は、ノズルの配列を示す図である。図3(a)に示すように、液滴吐出ヘッド62は、例えば、複数の吐出ノズル67が配列されてなるノズル列68を有する。吐出ノズル67の数は例えば180であり、吐出ノズル67の孔径は例えば28μmであり、吐出ノズル67のピッチは例えば141μmである(図3(b)参照)。図3(a)に示す基準方向Sは、基板上の任意の位置に液滴を着弾させるために液滴吐出ヘッド62が基板に対して相対移動する際の主走査方向を示し、配列方向Tはノズル列68における吐出ノズル67の配列方向を示している。
図4(a)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視図であり、図4(b)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズル部の詳細構造を示す断面図である。図4(a)及び(b)に示すように、それぞれの液滴吐出ヘッド62は、振動板73と、ノズルプレート74とを、備えている。振動板73と、ノズルプレート74との間には、液状材料タンク(図示省略)から供給孔77を介して供給される材料液が常に充填される液たまり75が位置している。また、振動板73と、ノズルプレート74との間には、複数のヘッド隔壁71が位置している。そして、振動板73と、ノズルプレート74と、1対のヘッド隔壁71とによって囲まれた空間がキャビティ70である。キャビティ70は吐出ノズル67に対応して設けられているため、キャビティ70の数と吐出ノズル67の数とは同じである。キャビティ70には、1対のヘッド隔壁71間に位置する供給口76を介して、液たまり75から材料液が供給される。
振動板73上には、それぞれのキャビティ70に対応して、振動子72が位置する。振動子72は、ピエゾ素子72cと、ピエゾ素子72cを挟む1対の電極72a、72bとから成る。この1対の電極72a、72bに駆動電圧を与えることで、対応する吐出ノズル67から液状材料が液滴となって吐出される。吐出ノズル67から吐出される液状材料の一部がノズルプレート74に付着することを抑制するために、ノズルプレート74の外面は、液状材料に対して撥液性を有する撥液処理層2Pが形成されている。
制御装置(図示省略)は、ピエゾ素子72cへの印加電圧の制御、すなわち駆動信号を制御することにより、複数の吐出ノズル67のそれぞれに対して、液状材料の吐出制御を行う。より詳細には、吐出ノズル67から吐出される液滴の体積や、単位時間あたりに吐出する液滴の数、基板上に着弾した液滴同士の距離などを変化させることができる。例えば、ノズル列68に並ぶ複数の吐出ノズル67の中から、液滴を吐出させる吐出ノズル67を選択的に使用することにより、配列方向Tの方向では、ノズル列68の長さの範囲であって吐出ノズル67のピッチ間隔で、複数の液滴を同時に吐出することができる。基準方向Sの方向では、基板上に着弾した液滴同士の距離を、当該液滴を吐出する吐出ノズル67ごとに個別に変化させることができる。なお、吐出ノズル67のそれぞれから吐出される液滴の体積は、1pl〜300pl(ピコリットル)の間で可変である。
(乾燥マスク)
次に、色要素領域52に充填された液状材料を乾燥させる際に用いられる乾燥マスクについて説明する。図5(a)は、乾燥マスクの概略構成を示す平面図であり、図5(b)は、マスク穴の形状を示す部分平面図であり、図5(c)は、マスク穴の断面形状を色要素領域52の断面形状と共に示す断面図である。
図5(a)に示すように、乾燥マスク80は、方形状のステンレス鋼板に、方形状のマスク穴83がドット・マトリクス状に形成されている。ステンレス鋼板の方形状のマスク穴83が形成される領域にかからない位置にアライメントマーク81a,81bが形成されている。アライメントマーク81a,81bは、乾燥マスク80を製造途中のフィルタ基板2に対向させて設置する際に位置決め用の基準マークとして用いられる。アライメントマーク81a,81bを、上述したフィルタ基板2に形成されアライメントマーク51a,51b(図2参照)に合わせることで、マスク穴83の中央が色要素領域52(図2参照)の中央と略一致する。
マスク穴83の大きさは色要素領域52の平面形状より小さくなっている。ここでの色要素領域52の平面形状は、形成される色要素膜53の有効な大きさに略等しい、隔壁56の隔壁裾56aの形状である。そして、図5(b)、図5(c)に示すように、マスク穴83の中央が色要素領域52(図2参照)の中央と略一致した状態において、マスク穴83の縁から隔壁裾56aまでのフィルタ基板2の面方向の距離は、四辺とも略同一のaになる。マスク穴83が中央マスク穴に相当し、乾燥マスク80が中央乾燥マスクに相当する。また、色要素膜53が機能膜に相当し、色要素領域52が機能膜形成領域に相当する。
<フィルタ基板の製造>
次に、フィルタ基板2の色要素膜形成工程について図6および図7を参照して説明する。図6はフィルタ基板の色要素膜形成工程を示すフローチャートであり、図7(a)〜(d)はフィルタ基板の色要素膜形成工程を示す模式断面図である。
図6のステップS1では、図7(a)に示すように、ガラス基板2aの表面に隔壁56を形成する。隔壁56は、例えば、ガラス基板2aの表面に隔壁56の材料を含む液状材料を塗布し、乾燥させて隔壁膜を形成し、フォトエッチングなどで色要素領域52などの部分を取り除くことで、形成する。次に、ステップS2では、隔壁56が形成されたガラス基板2aを洗浄する。ガラス基板2aが機能膜を形成する基板に相当する。
次に、ステップS3では、隔壁56が形成され洗浄されたガラス基板2aを、液状材料を充填し易くするように、表面処理する。隔壁裾56aに囲まれた色要素領域底52aと、隔壁側面56bとが色要素膜53の材料を含む液状材料530に対して親液性となるように処理し、隔壁頂部56cは液状材料530に対して撥液性となるように処理する。この処理によって、色要素領域52に配置された液状材料530が色要素領域52に馴染み易くなると共に、色要素領域52から溢れ出し難くなる。
次に、ステップS4では、色要素材料液を塗布する。図7(b)に示すように、隔壁56によって形成された複数の色要素領域52のそれぞれに色要素形成材料を含む液状材料530を液滴吐出ヘッド62から液滴530aとして吐出し、色要素領域52に液状材料530を充填する。勿論、異なる色の各色要素膜53が形成される各色要素領域52に対して異なる色要素材料を含む液状材料530を吐出する。例えば、上述した3色フィルタ(図2(b),(c)参照)であれば、異なる色の各色要素膜53R,53G,53Bが形成される各色要素領域52に対応して、異なる色要素材料を含む3種の液状材料530を液滴吐出ヘッド62に順次充填して吐出する。あるいは、複数の液滴吐出ヘッド62を用意し、それぞれに異なる色要素材料を含む液状材料530を充填して吐出してもよい。ステップS4の色要素領域52に液状材料530を充填する工程が、液状材料配置工程に相当する。
次に、ステップS5では、色要素領域52に液状材料530が充填されたガラス基板2aの上に、乾燥マスク80(図5参照)を、アライメントマーク81a,81bがアライメントマーク51a,51bと重なり合うように位置合わせをして設置する。図7(c)に示すように、液状材料530が充填された色要素領域52は乾燥マスク80で覆われ、色要素領域52の中央とマスク穴83の中央とが略重なるような位置にマスク穴83が位置している。ステップS5のガラス基板2aの上に、乾燥マスク80を設置する工程が、マスク設置工程に相当する。
次に、ステップS6では、乾燥マスク80を設置したガラス基板2aを減圧環境に投入し、液状材料530を乾燥させて、色要素膜53を形成する。なお、液状材料530は、厳密には、液滴吐出ヘッド62から液滴530aとして吐出された瞬間から乾燥を開始するが、液状材料530の溶媒の沸点などを調節することで、常圧ではほとんど乾燥せず、減圧された状態で乾燥するようにすることができる。乾燥マスク80を設置した状態の乾燥工程で殆ど総ての乾燥が行われるようにするために、液状材料530は乾燥進行が遅い高沸点溶媒の比率を高くすることが好ましい。
図7(d)に示すように、色要素膜面531が略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53が形成される。本実施形態の液状材料530は、乾燥マスク80を用いないで液状材料530を乾燥させた場合には、周辺部の方が中央部より乾燥速度が速いため、表面が図7(d)に二点鎖線で示した表面532のように凹形状となる。乾燥マスク80を用いて、マスク穴83が色要素領域52の中央付近に位置するように設置して乾燥工程を実行することで、周辺部の乾燥速度を遅らせる。これにより、中央部の乾燥速度と周辺部の乾燥速度とを調和させて、色要素膜面531が略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53が形成されるようにする。中央部の乾燥速度と周辺部の乾燥速度との速度差の調整度合いは、マスク穴83の大きさや、乾燥マスク80とガラス基板2aとの距離を変えることで適宜調節可能である。
図7(d)に示すように、色要素膜53を形成し、フィルタ基板2の色要素膜形成工程を終了する。更に、対向電極6aや配向膜7aを形成する工程を実行して、フィルタ基板2を形成する。
以下、第一の実施形態の効果を記載する。第一の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)液状材料530が充填された色要素領域52の中央付近にマスク穴83を配置することで、液状材料530から蒸発した溶媒は、マスク穴83を通過して拡散するため中央付近の方が拡散し易くなる。蒸発した溶媒が拡散しやすいことで、液状材料530からの蒸発が起こり易くなる。これにより、色要素領域52に充填された液状材料530の乾燥速度を周辺部に対して中央部の方を速くする方向に調節することができる。
(2)マスク穴83の中央が色要素領域52の中央と略一致した状態において、マスク穴83の縁から隔壁裾56aまでのフィルタ基板2の面方向の距離は、四辺とも略同一のaになることから、マスク穴83が液状材料530の乾燥速度に及ぼす影響を、色要素領域52の各周辺部において略均一にすることができる。即ち、色要素領域52の各周辺部において乾燥条件を略均一にして、色要素膜53の周辺部の膜厚が、四辺のいずれでも略同一になるようにすることができる。
(3)液状材料530は、乾燥マスク80を用いないで液状材料530を乾燥させた場合には、周辺部の方が中央部より乾燥速度が速いため、表面が凹形状となる。液状材料530を乾燥させる際に、色要素領域52の中央付近にマスク穴83を配置させる乾燥マスク80を用いることで、周辺部の乾燥速度を中央部に対して遅らせることができる。これにより、中央部の乾燥速度と周辺部の乾燥速度とを調和させることで、周辺部の方が中央部より乾燥速度が速いことに起因する表面の凹形状を緩和して、色要素膜面531が略平坦であって、膜厚が略均一な色要素膜53を形成することができる。
(第二の実施形態)
次に、本発明に係る膜形成方法、電気光学基板の製造方法、及び電気光学装置の製造方法の一実施形態である第二の実施形態について図面を参照して、説明する。本実施形態は、電気光学装置の一例である有機EL表示装置を製造する工程において、機能膜の一例である発光層及び正孔輸送層を形成する工程で用いられる膜形成方法を例に説明する。本実施形態の液滴吐出装置は、第一の実施形態で説明した液滴吐出装置と実質的に同一のものであるため、液滴吐出装置に関する説明は省略する。
(有機EL表示装置の構成)
最初に、有機EL表示装置の構成について説明する。図8は、有機EL表示装置を示す概略正面図である。図8(a)に示すように、本実施形態の有機EL表示装置100は、発光素子である複数の有機EL素子107を有する素子基板101と、封止基板109とを備えている。有機EL素子107は所謂カラー素子であり、有機EL表示装置100は、赤色素子107R(赤色系)、緑色素子107G(緑色系)、青色素子107B(青色系)の3色の有機EL素子107を有している。有機EL素子107は表示領域106に配置されており、当該表示領域106に画像が表示される。
素子基板101上の3色の有機EL素子107は、例えば、図8(b)に示すように、同色系の有機EL素子107が図面において上下方向に配列したストライプ配列に配置されている。各有機EL素子107の平面形状は略円形である。図の上下方向に並ぶ有機EL素子107を一つおきに図の左右方向にずらすことで、有機EL素子107の配置密度を上げている。
素子基板101は、各有機EL素子107に対応した位置に、駆動素子としての複数のスイッチング素子112(図9参照)を備えている。スイッチング素子112は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)素子である。また、封止基板109よりも一回り大きく、額縁状に張り出した部分には、スイッチング素子112を駆動する2つの走査線駆動回路部103,103と1つのデータ線駆動回路部104が設けられている。素子基板101の端子部101aには、これらの駆動回路部103,104と外部駆動回路とを接続するためのフレキシブルな中継基板108が実装されている。これらの駆動回路部103,104は、例えば、あらかじめ素子基板101の表面に低温ポリシリコンの半導体層を形成して構成する。
図9は、有機EL表示装置の有機EL素子を含む要部の断面図である。素子基板101は、ガラス基板110と、ガラス基板110の一方の表面上に形成された複数のスイッチング素子112と、スイッチング素子112を覆うように形成された絶縁層111と、絶縁層111上に形成されており、導通層114aを介してスイッチング素子112と導通している複数の画素電極114と、複数の画素電極114の間に形成されたバンク115と、を有する。更に、バンク115によって区画された領域(以降、「画素領域121」と表記する。)の画素電極114上に形成された正孔輸送層116と、正孔輸送層116上に積層して形成された発光層117と、発光層117およびバンク115を覆うように設けられた対向電極118と、を有する。有機EL表示装置100は、素子基板101の対向電極118に対向して封止基板109が配置され、対向電極118と封止基板109との間に不活性ガス120が封入されている。バンク115によって区画形成された領域の画素電極114上に形成された、正孔輸送層116、発光層117、対向電極118によって構成された部分が、有機EL素子107に該当する。
画素領域121に、赤色、緑色、青色の光をそれぞれ発光する、赤色発光層117R(赤色系)、緑色発光層117G(緑色系)、青色発光層117B(青色系)を形成することで、赤色素子107R、緑色素子107G、青色素子107Bを形成する。赤色素子107R、緑色素子107G、青色素子107Bを各1個づつ含む有機EL素子107の組で、画像を構成する最小単位である絵素を形成している。1絵素内の赤色素子107R、緑色素子107G、青色素子107Bのいずれか1つ又はそれらの組み合わせに選択的に発光させることにより、フルカラー表示を行う。
(乾燥マスク)
次に、画素領域121に充填された液状材料を乾燥させる際に用いられる乾燥マスクについて説明する。図10(a)は、乾燥マスクの概略構成を示す平面図であり、図10(b)は、マスク穴の形状を示す部分平面図であり、図10(c)は、マスク穴の断面形状を画素領域121の断面形状と共に示す断面図である。
図10(a)に示すように、乾燥マスク180は、方形状のステンレス鋼板に、図10(b)に形状を示したマスク穴183がドット・マトリクス状に形成されている。図10(b)に示すように、乾燥マスク180に形成されているマスク穴183は、8個のマスク小穴183a,b,c,d,e,f,g,hで構成されている。8個のマスク小穴183a〜hは、図10(b)に二点鎖線で示した仮想の線であって略円形状の配置位置線182に内接する位置に略等間隔で形成されている。図10(c)に示すように、配置位置線182の形状は、画素領域121の平面形状と略同一である。より詳細には、配置位置線182の形状は、バンク115の立ち上がり位置であるバンク裾115aの形状と、略同一である。バンク裾115aが囲む領域は、形成される機能膜の有効な領域と略同等である。
図10(a)に示すように、ステンレス鋼板のマスク穴183が形成される領域にかからない位置にアライメントマーク181a,181bが形成されている。アライメントマーク181a,181bは、乾燥マスク180を製造途中の素子基板101に対向させて設置する際に位置決め用の基準マークとして用いられる。アライメントマーク181a,181bを、素子基板101のガラス基板110に形成されアライメントマークに合わせることで、配置位置線182とバンク裾115aとが、ガラス基板110の厚さ方向で略重なる。もちろん、配置位置線182に囲まれた領域の中央と、バンク裾115aに囲まれた領域即ち形成される機能膜の有効な形状の中央とが、ガラス基板110の厚さ方向で略重なる。マスク穴183が周辺マスク穴に相当し、乾燥マスク180が周辺乾燥マスクに相当し、マスク小穴183a,b,c,d,e,f,g,hが小穴に相当する。配置位置線182が穴配置領域の外形形状線に相当し、配置位置線182に囲まれた領域が、穴配置領域に相当する。
<有機EL素子の製造>
次に、有機EL表示装置100の素子基板101における有機EL素子107を構成する正孔輸送層116及び発光層117の形成工程について図11および図12を参照して説明する。図11は素子基板の正孔輸送層及び発光層の形成工程を示すフローチャートであり、図12(a)〜(e)は素子基板の正孔輸送層及び発光層の形成工程を示す模式断面図である。
図11のステップS21では、図12(a)に示すように、スイッチング素子112と、絶縁層111と、導通層114aと、画素電極114とが形成されたガラス基板110の表面に、バンク115を形成する。バンク115は、例えば、ガラス基板110の表面にバンク115の材料を含む液状材料を塗布し、乾燥させてバンク膜を形成し、フォトエッチングなどで画素領域121などの部分を取り除くことで、形成する。次に、ステップS22では、バンク115が形成されたガラス基板110を洗浄する。ガラス基板110が機能膜を形成する基板に相当する。素子基板101が、機能膜を有する電気光学基板に相当する。
次に、ステップS23では、バンク115が形成され洗浄されたガラス基板110を、液状材料を充填し易くするように、表面処理する。バンク115に囲まれた画素領域121の底部と、バンク115の側面とが、正孔輸送層116の材料を含む液状材料560に対して親液性となるように処理し、バンク115の頂部は液状材料560に対して撥液性となるように処理する。この処理によって、画素領域121に充填されるべく配置された液状材料560が画素領域121に馴染み易くなると共に、画素領域121から溢れ出し難くなる。
次に、ステップS24では、正孔輸送層材料液を塗布する。図12(b)に示すように、バンク115によって形成された複数の画素領域121のそれぞれに正孔輸送層116の材料を含む液状材料560を液滴吐出ヘッド62から液滴560aとして吐出し、画素領域121に液状材料560を充填する。画素領域121が、機能膜形成領域に相当する。
次に、ステップS25では、画素領域121に液状材料560が充填されたガラス基板110の上に、乾燥マスク180(図10参照)を、アライメントマーク181a,181bがガラス基板110に形成されたアライメントマークと重なり合うように位置合わせをして設置する。図12(c)に示すように、液状材料560が充填された画素領域121は乾燥マスク180で覆われ、略円形の配置位置線182の中心と、同じく略円形のバンク裾115aに囲まれた領域即ち画素領域121の中心とが、ガラス基板110の厚さ方向で略重なっている。乾燥マスク180に形成されているマスク穴183を構成する、8個のマスク小穴183a,b,c,d,e,f,g,hはそれぞれ配置位置線182に内接する位置に形成されているため、画素領域121の周辺部であって画素領域121と重なる位置にセットされている。
次に、ステップS26では、乾燥マスク180を設置したガラス基板110を減圧環境に投入し、液状材料560を乾燥させて、正孔輸送層116を形成する。なお、液状材料560は、厳密には、液滴吐出ヘッド62から液滴560aとして吐出された瞬間から乾燥を開始するが、液状材料560の溶媒の沸点などを調節することで、常圧ではほとんど乾燥せず、減圧された状態で乾燥するようにすることができる。乾燥マスク180を設置した状態の乾燥工程で殆ど総ての乾燥が行われるようにするために、液状材料560は乾燥進行が遅い高沸点溶媒の比率を高くすることが好ましい。
図12(d)に示すように、正孔輸送層面561が略平坦であって、膜厚が略均一な正孔輸送層116が形成される。本実施形態の液状材料560は、乾燥マスク180を用いないで液状材料560を乾燥させた場合には、周辺部の方が中央部より乾燥速度が遅いため、表面が図12(d)に二点鎖線で示した表面562のように凸形状となる。乾燥マスク180を用いて、マスク小穴183a〜hが画素領域121の周辺部に位置するように設置して乾燥工程を実行することで、中央部の乾燥速度を遅らせる。これにより、中央部の乾燥速度と周辺部の乾燥速度とを調和させて、正孔輸送層面561が略平坦であって、膜厚が略均一な正孔輸送層116が形成されるようにする。中央部の乾燥速度と周辺部の乾燥速度との速度差の調整度合いは、マスク小穴183a〜hの大きさや数や、乾燥マスク180とガラス基板110との距離を変えることで適宜調節可能である。正孔輸送層116が機能膜に相当する。
次に、ステップS27では、発光層材料液を塗布する。図12(b)に示したステップS24と同様に、正孔輸送層116が形成された複数の画素領域121のそれぞれに発光層117の材料を含む液状材料570を液滴吐出ヘッド62から液滴として吐出し、画素領域121に液状材料570を充填する。勿論、異なる色の各発光層117が形成される各画素領域121に対して異なる発光層材料を含む液状材料570を吐出する。例えば、上述した3色の発光層によるカラー表示(図8参照)であれば、赤色、緑色、青色の光をそれぞれ発光する、赤色発光層117R(赤色系)、緑色発光層117G(緑色系)、青色発光層117B(青色系)をそれぞれ形成するべき画素領域121に、それぞれの発光層117の材料を含む液状材料570を液滴吐出ヘッド62に順次充填して吐出する。あるいは、複数の液滴吐出ヘッド62を用意し、それぞれに異なる色の発光層117用材料の液状材料570を充填して吐出してもよい。
なお、液状材料560が画素領域121に馴染み易くなると共に画素領域121から溢れ出し難くなるようにステップS23で実行した表面処理が、液状材料570については有効でない場合には、ステップS27を実行する前に、ステップS23で実行した処理と同様の表面処理を実行する。勿論、この場合に実行する処理は、液状材料570が画素領域121に馴染み易くなると共に画素領域121から溢れ出し難くなるようにする表面処理である。
次に、ステップS28では、画素領域121に液状材料570が充填されたガラス基板110の上に、乾燥マスク180(図10参照)を、アライメントマーク181a,181bがガラス基板110に形成されたアライメントマークと重なり合うように位置合わせをして設置する。図12(c)に示したマスク小穴183a〜hと画素領域121との位置関係と同様に、マスク小穴183a〜hは、画素領域121の周辺部であって画素領域121と重なる位置にセットされている。
次に、ステップS29では、乾燥マスク180を設置したガラス基板110を減圧環境に投入し、液状材料570を乾燥させて、発光層117を形成する。上述した液状材料560などと同様に、液状材料570は、厳密には、液滴吐出ヘッド62から液滴として吐出された瞬間から乾燥を開始するが、液状材料570の溶媒の沸点などを調節することで、常圧ではほとんど乾燥せず、減圧された状態で乾燥するようにすることができる。乾燥マスク180を設置した状態の乾燥工程で殆ど総ての乾燥が行われるようにするために、液状材料570は乾燥進行が遅い高沸点溶媒の比率を高くすることが好ましい。
図12(e)に示すように、発光層面571が略平坦であって、膜厚が略均一な発光層117が形成される。本実施形態の液状材料570は、乾燥マスク180を用いないで液状材料570を乾燥させた場合には、周辺部の方が中央部より乾燥速度が遅いため、表面が図12(e)に二点鎖線で示した表面572のように凸形状となる。乾燥マスク180を用いて、マスク小穴183a〜hが画素領域121の周辺部に位置するように設置して乾燥工程を実行することで、中央部の乾燥速度を遅らせる。これにより、中央部の乾燥速度と周辺部の乾燥速度とを調和させて、発光層面571が略平坦であって、膜厚が略均一な発光層117が形成されるようにする。中央部の乾燥速度と周辺部の乾燥速度との速度差の調整度合いは、マスク小穴183a〜hの大きさや数や、乾燥マスク180とガラス基板110との距離を変えることで適宜調節可能である。発光層117が機能膜に相当する。
図12(e)に示すように、発光層117を形成して、正孔輸送層116及び発光層117の形成工程を終了する。更に、対向電極118を形成する工程を実行して、素子基板101を形成する。さらに、封止基板109を取付け、上述した中継基板108等を実装して、有機EL表示装置100を形成する。
以下、第二の実施形態の効果を記載する。第二の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)液状材料560又は570が充填された画素領域121の周辺付近にマスク小穴183a〜hを配置することで、液状材料560などから蒸発した溶媒は、マスク小穴183a〜hを通過して拡散するため周辺付近の方が拡散し易くなる。蒸発した溶媒が拡散しやすいことで、液状材料560などからの蒸発が起こり易くなる。これにより、画素領域121に充填された液状材料560又は570の乾燥速度を中央部に対して周辺部の方を速くする方向に調節することができる。
(2)マスク小穴183a〜hは配置位置線182に内接する状態で互いに略等間隔に形成されている。略円形の配置位置線182と略同一平面形状の画素領域121の中心を略一致させるように乾燥マスク180を設置することで、画素領域121に対してマスク小穴183a〜hを略均等に配置して、画素領域121に充填された液状材料560又は570の乾燥速度に及ぼす影響を、画素領域121の各周辺部において略均一にすることができる。
(3)乾燥させた場合には、周辺部の方が中央部より乾燥速度が遅いため、凸形状となる液状材料560又は570を乾燥させる際に、画素領域121の周辺付近にマスク小穴183a〜hを配置させる乾燥マスク180を用いることで、中央部の乾燥速度を周辺部に対して遅らせることができる。これにより、中央部の乾燥速度と周辺部の乾燥速度とを調和させて、正孔輸送層面561又は発光層面571が略平坦であって、膜厚が略均一な正孔輸送層116又は発光層117を形成することができる。
(4)画素領域121の平面形状が円形であって、形成される正孔輸送層116又は発光層117の平面形状が円形である。正孔輸送層面561又は発光層面571の縁は総て円弧の一部であることから、縁の形状が全周で均一になる。これにより、縁の形状が異なることに起因する厚み方向の形状のばらつきが抑制されることから、全周にわたって乾燥状態が略同一になり全周にわたって正孔輸送層116又は発光層117の膜厚を略均一にすることができる。また、乾燥マスク180を用いることが膜厚に及ぼす影響の、縁の形状が異なることに起因するばらつきが抑制されることから、乾燥マスク180を用いることによる膜厚の制御を容易に実行することができる。従って、正孔輸送層116又は発光層117の膜厚方向の形状がばらつく可能性が少ないことから、正孔輸送層116又は発光層117の所望の機能を実現し易い正孔輸送層116又は発光層117を実現することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、前記実施形態に限らない。本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
(変形例1)前記実施形態においては、単一の乾燥マスクに形成されるマスク穴は総て同形状のマスク穴である乾燥マスク80や乾燥マスク180について説明したが、乾燥マスクに形成されるマスク穴が総て同形状であることは必須ではない。同一の乾燥マスクに異なる形状のマスク穴を設けてもよい。同一の乾燥マスクに形成するマスク穴83の大きさが対応する液状材料毎に異なる乾燥マスクや、マスク小穴183a〜hの大きさや個数が対応する液状材料毎に異なる乾燥マスクを用いてもよいし、同一の乾燥マスクに、液状材料毎に対応してマスク穴83とマスク小穴183a〜h(マスク穴183)とが混在する構成の乾燥マスクを用いてもよい。これらの形状や大きさが異なる複数のマスク穴を有する乾燥マスクが、混合乾燥マスクに相当する。混合乾燥マスクに形成された、マスク穴83が第一のマスク穴に相当し、マスク穴183が第二のマスク穴に相当し、マスク小穴183a〜hが小穴に相当する。
例えば、第一の実施形態において説明した色要素膜53R,53G,53Bの液状材料530R,530G,530Bはそれぞれ乾燥特性が異なる場合がある。この場合、液状材料530R,530G,530B毎に個別にマスク穴83の大きさを設定することで、大きさが一定のマスク穴83を一律に適用する場合に比べて、より平坦で、膜厚が均一の色要素膜53R,53G,53Bを実現することができる。また、液状材料530R,530G,530Bのいずれかが中央が厚い凸形状になり易く、他のいずれかが中央が薄い凹形状になり易い場合には、凸形状になり易い液状材料にはマスク穴183を凹形状になり易い液状材料にはマスク穴83をそれぞれ対応させることで、いずれの液状材料にも対応して平坦で、膜厚が均一の色要素膜53R,53G,53Bを実現することができる。
(変形例2)前記実施形態においては、マスク穴83やマスク小穴183a〜hはそれぞれ1個の開口穴であったが、マスク穴が単独の開口から成る穴であることは必須ではない。複数の微小穴の集合で、マスク穴を形成する構成であってもよい。この場合、微小穴の集合を、前記実施形態において説明したマスク穴83やマスク小穴183a〜hの形状や位置に形成することで、前記実施形態において説明した作用や効果と同様の作用や効果が得られる。
(変形例3)前記実施形態においては、液状材料を配置するためにインクジェット方式の液滴吐出ヘッド62を用いていたが、インクジェット方式の液滴吐出ヘッドを用いることは必須ではない。例えばマイクロディスペンサを用いるなど、微少量の液状材料を目的の配置位置に配置できる方法であればよい。
(変形例4)前記実施形態においては、ガラス基板2a又はガラス基板110の表面処理は、隔壁56又はバンク115を形成した後に実行していたが、表面処理の実行時期は隔壁56又はバンク115を形成した後に限らない。前記実施形態で説明した各部の親液性又は撥液性が形成されればよい。
(変形例5)前記実施形態においては、ガラス基板2a又はガラス基板110の表面処理を実行することで、前記実施形態で説明した各部の親液性又は撥液性を形成していたが、表面処理を実行することは必須ではない。液状材料に対して親液性又は撥液性を有する材料を用いて基板や隔壁又はバンクを形成することで、前記実施形態で説明した各部の親液性又は撥液性を実現してもよい。
(変形例6)前記実施形態においては、走査線駆動回路部103とデータ線駆動回路部104とは、あらかじめ素子基板101の表面に低温ポリシリコンの半導体層を形成して構成していたが、これに限らず、発光素子を駆動可能なドライバICをガラス基板上に平面実装してもよい。
(変形例7)前記実施形態においては、隔壁56やバンク115は、隔壁膜やバンク膜を予め形成し、当該隔壁膜やバンク膜から色要素領域52や画素領域121などの部分を取り除くことで形成する方法を説明したが、隔壁56やバンク115は、直接形成する方法で形成することもできる。例えば、前記実施形態において説明した液滴吐出ヘッド62を用いて隔壁56やバンク115の材料を含む液状材料を吐出して、基板上の隔壁56やバンク115を形成する位置に選択的に配置することでも形成することができる。この方法によれば、除去する材料が発生しないため、材料が無駄に消費されることを抑制することができる。
上述した実施形態においては、機能膜の一例として、液晶表示装置のカラーフィルタの色要素膜や、有機EL表示装置の正孔輸送層や発光層について説明したが、本発明による膜形成方法は様々な機能膜の形成方法として利用できる。例えば、液晶表示装置の配向膜のように、1枚の基板上に1枚の大きな機能膜を形成するような膜形成方法としても利用できる。また、隔壁を形成するための隔壁膜や、バンクを形成するためのバンク膜のような膜の形成方法としても利用できる。
(a)液晶表示パネルの構造を示す平面図。(b)A−Aで示した断面における概略断面図。 (a)カラーフィルタの平面構造を模式的に示す平面図。(b),(c)3色カラーフィルタの配列例を示す模式平面図。 (a)液滴吐出ヘッドの外観の概要を示す斜視図。(b)ノズルの配列を示す模式図。 (a)液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視図。(b)液滴吐出ヘッドの吐出ノズル部の詳細構造を示す断面図。 (a)乾燥マスクの概略構成を示す平面図。(b)マスク穴の形状を示す部分平面図。(c)マスク穴の断面形状を色要素領域の断面形状と共に示す断面図。 フィルタ基板の色要素膜形成工程を示すフローチャート。 フィルタ基板の色要素膜形成工程を示す模式断面図。 有機EL表示装置を示す概略正面図。 有機EL表示装置の有機EL素子を含む要部の断面図。 (a)乾燥マスクの概略構成を示す平面図。(b)マスク穴の形状を示す部分平面図。(c)マスク穴の断面形状を画素領域の断面形状と共に示す断面図。 素子基板の正孔輸送層及び発光層の形成工程を示すフローチャート。 素子基板の正孔輸送層及び発光層の形成工程を示す模式断面図。
符号の説明
2a…ガラス基板、5…カラーフィルタ、10…液晶表示パネル、51a,51b…アライメントマーク、52…色要素領域、53…色要素膜、56…隔壁、56a…隔壁裾、56b…隔壁側面、56c…隔壁頂部、80…乾燥マスク、81a,81b…アライメントマーク、83…マスク穴、100…有機EL表示装置、110…ガラス基板、115…バンク、115a…バンク裾、116…正孔輸送層、117…発光層、121…画素領域、180…乾燥マスク、181a,181b…アライメントマーク、182…配置位置線、183…マスク穴、183a,b,c,d,e,f,g,h…マスク小穴、530,560,570…液状材料、531…色要素膜面、532…表面、561…正孔輸送層面、562…表面、571…発光層面、572…表面。

Claims (21)

  1. 機能膜を構成する材料を含む液状材料を基板上の前記機能膜を構成するべき領域である1以上の機能膜形成領域に配置し、当該液状材料を減圧環境下で乾燥させることで前記機能膜を形成する膜形成方法であって、
    前記液状材料を前記機能膜形成領域に充填する液状材料配置工程と、
    前記機能膜形成領域に対応する位置にマスク穴が形成された乾燥マスクを、前記基板と隙間を隔てて対向する位置に、前記マスク穴が前記機能膜形成領域に対向するように設置するマスク設置工程と、
    前記液状材料を前記減圧環境下で乾燥させて前記機能膜を形成する乾燥工程と、を有することを特徴とする膜形成方法。
  2. 前記乾燥マスクは、形成されている前記マスク穴の形状が互いに異なる中央乾燥マスク又は周辺乾燥マスクであって、
    前記マスク設置工程を実施することなく前記乾燥マスクを用いない状態で前記乾燥工程を実行した場合に得られる前記機能膜の膜厚の状態に応じて、前記マスク設置工程において、前記中央乾燥マスク又は前記周辺乾燥マスクを設置することを特徴とする、請求項1に記載の膜形成方法。
  3. 前記中央乾燥マスクは、開口面積が前記機能膜形成領域の面積より小さい中央マスク穴を有し、
    前記マスク設置工程において、前記中央乾燥マスクを、前記機能膜形成領域の中央と前記中央マスク穴の中央とが略重なる位置に設置することを特徴とする、請求項2に記載の膜形成方法。
  4. 前記中央マスク穴の平面形状は、前記中央乾燥マスクが前記基板上に設置された状態において、前記中央マスク穴の縁から前記機能膜形成領域の平面形状の外形までの距離が略均一となる形状であることを特徴とする、請求項3に記載の膜形成方法。
  5. 前記周辺乾燥マスクは、穴配置領域に形成された複数の小穴から成る周辺マスク穴を有し、
    前記マスク設置工程において、前記周辺乾燥マスクは、前記穴配置領域が前記機能膜形成領域に対向しており、前記穴配置領域の中央と前記機能膜形成領域の中央とが略重なる位置に設置されることを特徴とする、請求項2に記載の膜形成方法。
  6. 前記穴配置領域の平面形状は、前記機能膜形成領域の平面形状と略同一であることを特徴とする、請求項5に記載の膜形成方法。
  7. 前記複数の小穴のそれぞれは、前記穴配置領域の外形形状線に内接する位置に形成されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の膜形成方法。
  8. 前記マスク設置工程を実施することなく前記乾燥マスクを用いない状態で前記乾燥工程を実行した場合に得られる前記機能膜が周辺側の膜厚が中央側の膜厚より厚い機能膜である場合に、前記マスク設置工程において、前記中央乾燥マスクを設置することを特徴とする、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の膜形成方法。
  9. 前記マスク設置工程を実施することなく前記乾燥マスクを用いない状態で前記乾燥工程を実行した場合に得られる前記機能膜が周辺側の膜厚が中央側の膜厚より薄い機能膜である場合に、前記マスク設置工程において、前記周辺乾燥マスクを設置することを特徴とする、請求項2又は請求項5乃至7のいずれか1項に記載の膜形成方法。
  10. 機能膜を構成する材料を含む液状材料を基板上の前記機能膜を構成するべき領域である1以上の機能膜形成領域に充填することで前記基板上に配置する液状材料配置工程と、
    前記機能膜形成領域に対応する位置に複数のマスク穴が形成された乾燥マスクを、前記基板と隙間を隔てて対向する位置に、前記マスク穴が前記機能膜形成領域に対向するように設置するマスク設置工程と、
    前記液状材料を減圧環境下で乾燥させて前記機能膜を形成する乾燥工程と、を有し、
    前記乾燥マスクは、形状が異なる複数の種類の前記マスク穴が形成されている混合乾燥マスクであって、
    前記機能膜形成領域のそれぞれに対応する前記マスク穴の前記種類は、前記マスク設置工程を実施することなく前記乾燥マスクを用いない状態で前記乾燥工程を実行した場合に得られるそれぞれの前記機能膜形成領域毎の前記機能膜の膜厚の状態に応じて、決定することを特徴とする膜形成方法。
  11. 前記混合乾燥マスクは、1個の前記機能膜形成領域に対応する前記マスク穴が1個であり、当該マスク穴の開口面積が前記機能膜形成領域の面積より小さい第一のマスク穴と、
    穴配置領域に形成された複数の小穴から成る第二のマスク穴と、を有し、
    前記マスク設置工程において、前記混合乾燥マスクは、前記機能膜形成領域の中央と前記第一のマスク穴の中央とが略重なり、
    前記機能膜形成領域の中央と前記穴配置領域の中央とが略重なる位置に配置されることを特徴とする、請求項10に記載の膜形成方法。
  12. 前記混合乾燥マスクは、
    前記マスク設置工程を実施することなく前記乾燥マスクを用いない状態で前記乾燥工程を実行した場合に得られる前記機能膜の形状が周辺側の膜厚が中央側の膜厚より厚い形状であるような前記機能膜を形成する前記機能膜形成領域に対応する位置には前記第一のマスク穴を配置し、
    前記マスク設置工程を実施することなく前記乾燥マスクを用いない状態で前記乾燥工程を実行した場合に得られる前記機能膜の形状が周辺側の膜厚が中央側の膜厚より薄い形状であるような前記機能膜を形成する前記機能膜形成領域に対応する位置には前記第二のマスク穴を配置することを特徴とする、請求項11に記載の膜形成方法。
  13. 前記第一のマスク穴の平面形状は、前記混合乾燥マスクが前記基板上に設置された状態において、前記第一のマスク穴の縁から前記機能膜形成領域の平面形状の外形までの距離が略均一となる形状であることを特徴とする請求項11又は12に記載の膜形成方法。
  14. 前記穴配置領域の平面形状は、前記機能膜形成領域の平面形状と略同一の形状であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の膜形成方法。
  15. 前記複数の小穴のそれぞれは前記穴配置領域の外形形状線に内接する位置に形成されていることを特徴とする、請求項11、12、又は14に記載の膜形成方法。
  16. 前記周辺マスク穴又は前記第二のマスク穴を構成する前記複数の小穴のそれぞれの小穴、前記中央マスク穴、及び前記第一のマスク穴は、複数の微小穴の集合であることを特徴とする、請求項1乃至15の何れか1項に記載の膜形成方法。
  17. 機能膜を有する電気光学基板の製造方法であって、
    少なくとも1種類の前記機能膜を請求項1乃至16の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成することを特徴とする電気光学基板の製造方法。
  18. 機能膜を有する電気光学装置の製造方法であって、
    少なくとも1種類の前記機能膜を請求項1乃至16の何れか1項に記載の膜形成方法を用いて形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  19. 機能膜を構成する材料を含む液状材料を基板上の前記機能膜を構成するべき領域である1以上の機能膜形成領域に配置し、当該液状材料を減圧環境下で乾燥させることで前記基板上に形成されており、所定の機能を有する機能膜であって、平面形状が略円形であることを特徴とする機能膜。
  20. 機能膜を構成する材料を含む液状材料を基板上の前記機能膜を構成するべき領域である1以上の機能膜形成領域に配置し、当該液状材料を減圧環境下で乾燥させることで前記基板上に形成されており、所定の機能を有する機能膜を有する電気光学基板であって、
    前記機能膜は平面形状が略円形であることを特徴とする電気光学基板。
  21. 機能膜を構成する材料を含む液状材料を基板上の前記機能膜を構成するべき領域である1以上の機能膜形成領域に配置し、当該液状材料を減圧環境下で乾燥させることで前記基板上に形成されており、所定の機能を有する機能膜を有する電気光学装置であって、
    前記機能膜は平面形状が略円形であることを特徴とする電気光学装置。
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