JPWO2014049904A1 - El表示装置の製造方法、el表示装置の製造に用いられる転写基板 - Google Patents

El表示装置の製造方法、el表示装置の製造に用いられる転写基板 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2014049904A1
JPWO2014049904A1 JP2014538086A JP2014538086A JPWO2014049904A1 JP WO2014049904 A1 JPWO2014049904 A1 JP WO2014049904A1 JP 2014538086 A JP2014538086 A JP 2014538086A JP 2014538086 A JP2014538086 A JP 2014538086A JP WO2014049904 A1 JPWO2014049904 A1 JP WO2014049904A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
substrate
light emitting
layer
display device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014538086A
Other languages
English (en)
Inventor
庸一 新谷
庸一 新谷
充司 津野
充司 津野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Joled Inc
Original Assignee
Joled Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Joled Inc filed Critical Joled Inc
Publication of JPWO2014049904A1 publication Critical patent/JPWO2014049904A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/30Devices specially adapted for multicolour light emission
    • H10K59/35Devices specially adapted for multicolour light emission comprising red-green-blue [RGB] subpixels
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/10Deposition of organic active material
    • H10K71/12Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating
    • H10K71/13Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating using printing techniques, e.g. ink-jet printing or screen printing
    • H10K71/135Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating using printing techniques, e.g. ink-jet printing or screen printing using ink-jet printing
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/10Deposition of organic active material
    • H10K71/18Deposition of organic active material using non-liquid printing techniques, e.g. thermal transfer printing from a donor sheet
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/11OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/12Active-matrix OLED [AMOLED] displays
    • H10K59/1201Manufacture or treatment
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/12Active-matrix OLED [AMOLED] displays
    • H10K59/122Pixel-defining structures or layers, e.g. banks

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

少なくとも赤色、緑色および青色の発光色で発光する発光部と、発光部の発光を制御する薄膜トランジスタアレイ装置とを備え、発光部は、バンク(28)により区画された領域に少なくとも赤色、緑色および青色の発光層を配置するEL表示装置の製造方法において、発光層を形成する工程は、支持基板に発光材料を含む転写層を形成した転写基板を準備し、転写基板を用いて被転写基板に転写層を転写して発光層を形成し、かつ前記転写基板は、支持基板(51)上に画素パターンに対応させて開口が設けられるように隔壁(54)を形成するとともに、隔壁(54)内に発光材料を含む有機材料インクを塗布して転写層を形成して構成し、かつ隔壁(54)の頂部には、被転写基板のバンク(28)に当接する突起(54b)を設けた。

Description

本開示は、EL表示装置の製造方法、EL表示装置の製造に用いられる転写基板に関するものである。
近年、次世代の表示装置が盛んに開発されている。特に、駆動用基板上に、第1電極、発光層を含む複数の有機層および第2電極を順に積層したEL(Electroluminescence)表示装置が注目されている。EL表示装置は自発光型である。従って、EL表示装置は広い視野角を有する。そして、EL表示装置はバックライトを必要としない。その結果、EL表示装置は、省電力で駆動でき、高い応答性を有し、装置の厚みを薄くできるなどの特徴を有する。そのため、EL表示装置がテレビ等の大画面表示装置へ応用されることが強く望まれている。
このようなEL表示装置の発光層の形成方法には様々な方法がある。例えば、基板上に発光材料を蒸着または塗布することでRGBの発光層をパターニングする方法がある。
また、特許文献1に示すように、レーザーなどの輻射線を用いた転写法がある。転写法は、転写基板に形成された、発光材料を含む転写層を、EL発光素子を形成するための被転写基板に転写する方法である。具体的には、まず、支持材に転写層が形成された転写基板が形成される。そして、この転写基板は、被転写基板に対向配置される。そして、減圧環境下で輻射線が転写基板に照射される。これにより、転写層が被転写基板に転写され、被転写基板上に発光層が形成される。
特開2009−146715号公報
本開示は、EL表示装置の高精細化が可能なEL表示装置の製造方法、EL表示装置の製造に用いる転写基板を提供する。
この目的を達成するために本開示におけるEL表示装置の製造方法は、少なくとも赤色、緑色および青色の発光色で発光する発光部と、発光部の発光を制御する薄膜トランジスタアレイ装置とを備え、発光部は、バンクにより区画された領域に少なくとも赤色、緑色および青色の発光層を配置するとともに、封止層により被覆することにより構成されるEL表示装置の製造方法において、発光層を形成する工程は、支持基板に少なくとも赤色、緑色および青色の発光材料を含む転写層を形成した転写基板を準備し、転写基板を用いて、EL表示装置の被転写基板に転写層を転写して発光層を形成する転写工程を有し、かつ転写基板は、支持基板上に画素パターンに対応させて開口が設けられるように隔壁を形成するとともに、隔壁内にインクジェット法により発光材料を含む有機材料インクを塗布して転写層を形成して構成し、かつ隔壁の頂部には、EL表示装置の被転写基板のバンクに当接する突起を設けたことを特徴とする。
また、本開示におけるEL表示装置の製造に用いられる転写基板は、基板と、基板上において、間隔を空けて連続して配置されている複数の隔壁と、を備えるEL表示装置の製造に用いる転写基板であって、隣接する2つの隔壁の間に存在する領域に対して、インクジェット法により発光材料を吐出することにより形成された転写層をさらに備え、隔壁は、上面に突起部を有し、突起部は、転写基板が被転写基板の隣接する2つのバンクの間に存在する領域に、転写層を形成している発光材料を転写する際の配置関係にあるときに、被転写基板のバンクの上面に対向する位置に配置されることを特徴とする。
本開示によれば、EL表示装置の高精細化が可能なEL表示装置の製造方法、EL表示装置の製造に用いる転写基板を提供できる。
図1は、本開示の一実施の形態によるEL表示装置の斜視図である。 図2は、画素回路の回路構成を示す電気回路図である。 図3は、EL表示装置において、RGBの画素部分の断面構造を示す断面図である。 図4は、本開示によるEL表示装置の製造方法において、一実施の形態による製造工程を示す工程図である。 図5Aは、Rの発光層を形成するためのR転写層を有するR用転写基板の製造工程の一部を示す工程図である。 図5Bは、Rの発光層を形成するためのR転写層を有するR用転写基板の製造工程の一部を示す工程図である。 図5Cは、Rの発光層を形成するためのR転写層を有するR用転写基板の製造工程の一部を示す工程図である。 図6Aは、本開示による製造方法において、RGBの発光層を形成する発光層形成工程A5における概要を示す説明図である。 図6Bは、本開示による製造方法において、RGBの発光層を形成する発光層形成工程A5における概要を示す説明図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
本開示の一実施の形態によるEL表示装置の製造方法、EL表示装置の製造に用いる転写基板について、図1〜図6Bを用いて説明する。
図1はEL表示装置の概略構成を示す斜視図である。図2は画素を駆動する画素回路の回路構成を示す図である。
図1、図2に示すように、EL表示装置は、下層より、薄膜トランジスタアレイ装置1と、陽極2と、発光層3および陰極4からなる発光部との積層構造により構成されている。薄膜トランジスタアレイ装置1には、複数個の薄膜トランジスタが配置されている。陽極2は下部電極である。発光層3は有機材料により構成される。陰極4は上部電極である。発光部は薄膜トランジスタアレイ装置1により発光制御される。また、発光部は、一対の電極である陽極2と陰極4との間に発光層3が配置された構成である。陽極2と発光層3の間には正孔輸送層が積層形成されている。発光層3と透明な陰極4の間には電子輸送層が積層形成されている。薄膜トランジスタアレイ装置1には、複数の画素5がマトリクス状に配置されている。
各画素5は、それぞれに設けられた画素回路6によって駆動される。また、薄膜トランジスタアレイ装置1は、複数のゲート配線7と、複数の信号配線としてのソース配線8と、複数の電源配線9(図1では省略)とを備える。複数のゲート配線7は、薄膜トランジスタアレイ装置1上で、行状に配置されている。複数のソース配線8は、ゲート配線7と交差するように列状に配置されている。複数の電源配線9は、ソース配線8に平行に延びている。
ゲート配線7は、薄膜トランジスタ10のゲート電極10gと行毎に接続されている。薄膜トランジスタ10は、画素回路6のそれぞれに含まれるスイッチング素子として動作する。ソース配線8は、薄膜トランジスタ10のソース電極10sと列毎に接続されている。電源配線9は、薄膜トランジスタ11のドレイン電極11dと列毎に接続されている。薄膜トランジスタ11は、画素回路6のそれぞれに含まれる駆動素子として動作する。
図2に示すように、画素回路6は、薄膜トランジスタ10と、薄膜トランジスタ11と、キャパシタ12とで構成される。キャパシタ12は、対応する画素に表示するデータを記憶する。
薄膜トランジスタ10は、ゲート電極10gと、ソース電極10sと、ドレイン電極10dと、半導体膜(図示せず)とで構成されている。ドレイン電極10dは、キャパシタ12および薄膜トランジスタ11のゲート電極11gに接続されている。薄膜トランジスタ10は、接続されたゲート配線7およびソース配線8に電圧が印加されると、ソース配線8に印加された電圧値を表示データとしてキャパシタ12に保存する。
薄膜トランジスタ11は、ゲート電極11gと、ドレイン電極11dと、ソース電極11sと、半導体膜(図示せず)とで構成されている。ドレイン電極11dは、電源配線9およびキャパシタ12に接続されている。ソース電極11sは、陽極2に接続されている。この薄膜トランジスタ11は、キャパシタ12が保持している電圧値に対応する電流を、電源配線9からソース電極11sを通じて陽極2に供給する。すなわち、上記構成のEL表示装置は、ゲート配線7とソース配線8との交点に位置する画素5毎に表示制御を行うアクティブマトリクス方式を採用している。
また、EL表示装置において、発光部は、少なくとも赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光層を有する画素が複数個マトリクス状に配列されるように形成されている。従って、発光部は、少なくとも赤色、緑色および青色の発光色で発光する。各画素は、バンクによって互いに分離されている。このバンクは、ゲート配線7に平行に延びる突条と、ソース配線8に平行に延びる突条とが互いに交差するように形成されることにより設けられている。そして、この突条で囲まれる部分、すなわちバンクの開口部にRGBの発光層を有する画素が形成されている。
図3は、EL表示装置において、RGBの画素部分の断面構造を示す断面図である。図3に示すように、EL表示装置において、ベース基板21上に、薄膜トランジスタアレイ装置22が形成されている。ベース基板21は、ガラス基板、フレキシブル樹脂基板などで構成されている。薄膜トランジスタアレイ装置22は、上述した画素回路6を構成している。また、薄膜トランジスタアレイ装置22には、平坦化絶縁膜(図示せず)を介して下部電極である陽極23が形成されている。そして、陽極23上には、正孔輸送層24、有機材料からなる発光層25R、25G、25B、電子輸送層26、透明な上部電極である陰極27が順に積層形成されている。これによりRGBの発光部が構成されている。また、発光部の発光層25R、25G、25Bは、絶縁層であるバンク28により区画された領域に形成されている。
このように構成された発光部は、窒化ケイ素などの封止層29により被覆されている。封止層29により被覆された発光部は、封止層29上に接着層30を介して封止用基板31が全面にわたって貼り合わされることにより封止されている。封止用基板31は、透明なガラス基板、フレキシブル樹脂基板などで構成されている。
ここで、バンク28は、陽極23と陰極27との絶縁性を確保している。また、バンク28は、発光領域を所定の形状に区画している。バンク28は、例えば酸化シリコンまたはポリイミドなどの感光性樹脂により構成されている。
次に、本開示によるEL表示装置の製造方法について、図4〜図6Bの図面を用いて説明する。
本開示によるEL表示装置の製造方法においては、RGBそれぞれの3種類の転写基板が準備される。これらの転写基板は、それぞれ、RGBの何れかの発光材料が含まれる転写層がインクジェット法により支持基板上に蒸着または塗布されることで形成される。そして、このRGBそれぞれの転写基板が用いられ、EL表示装置の被転写基板に、転写基板の転写層が転写される。これにより、発光層が被転写基板上に形成される。このような被転写基板に転写層を転写する転写工程がRGBそれぞれの転写基板を用いて順次実施される。なお、発光層は、RGBの3種類の例に限定されない。EL表示装置の発光画素の形態によっては、発光層は、RGB以外の発光材料により形成される場合がある。その場合は発光層の種類に応じて複数種類の転写基板が準備される。そして、その転写基板が用いられることで、被転写基板に転写層が転写される工程が順次実施されればよい。
図4は、本開示によるEL表示装置の製造方法において、一実施の形態による製造工程を示す工程図である。
図4において、隔離雰囲気40は、大気に曝露しない雰囲気を形成するものである。隔離雰囲気40は、減圧や、ドライガスまたは不活性ガスを導入することで形成される。各製造工程を実施するための複数の製造装置は、製造装置間で部材を搬送する搬送装置を介して接続されている。そして、一部の製造装置は、搬送装置を介して、部材を保管するための保管設備と接続されている。そして、各製造装置、搬送装置、および保管設備は、内部に隔離雰囲気40が形成された空間を有している。また、各製造装置、搬送装置、および保管設備は、隔離雰囲気40で繋がっている。内部に形成された隔離雰囲気40において部材を製造し、搬送し、保管することで、部材が大気に直接触れることを回避できる。これは、部材が水や酸素等に触れると劣化する恐れがあるからである。隔離雰囲気40は、装置や設備の内部において、真空ポンプが用いられて内部が排気されて減圧状態とされたり、ドライガスや不活性ガスが導入されることで形成される。これにより、装置や設備の内部に隔離雰囲気40が形成される。また、別の実現方法においては、製造装置、搬送装置および保管設備の内部に個別に隔離雰囲気40を形成してもよい。この場合には、製造装置、搬送装置および保管設備は隔離雰囲気40で繋がっていないこととなる。この場合にも、部材を製造装置から搬送装置に移動する際には、製造装置と搬送装置とを接続し、隔離雰囲気40で繋がるようにする。また、部材を搬送装置から保管設備に移動する際には、搬送装置と保管設備とを接続し、隔離雰囲気40で繋がるようにする。これにより、部材が大気に直接触れないようにする。この場合においても、装置や設備の内部が減圧状態とされたり、ドライガスや不活性ガスが導入されることにより、装置や設備の内部に隔離雰囲気40が形成される。
次に、図4の工程図に沿って、本技術による製造方法について説明する。
まず、TFTアレイ装置形成工程A1が実施される。TFTアレイ装置形成工程A1においては、ベース基板21に、画素回路6を構成する薄膜トランジスタアレイ装置22が形成される。
TFTアレイ装置形成工程A1において、次の処理が実施される。まず、真空蒸着、スパッタリングなどの薄膜形成法により金属材料、半導体材料などの所定の薄膜が形成される。この際、薄膜が所定のパターンとなるようにフォトリソグラフィ法が用いられ、薄膜のパターニングが行われる。そして、複数のゲート配線7、複数のソース配線8、複数の電源配線9、複数の薄膜トランジスタ10、11および複数のキャパシタ12などの要素部品が層間絶縁層を介して積層形成される。ここまでの処理がTFTアレイ装置形成工程A1において実施される。
TFTアレイ装置形成工程A1が実施された後、陽極形成工程A2が実施される。陽極形成工程A2においては、陽極23が、平坦化絶縁膜を介して薄膜トランジスタアレイ装置22上に形成される。陽極23は、薄膜トランジスタアレイ装置22の薄膜トランジスタ11のソース電極11sに接続される。陽極23は発光部の一方の電極である。
陽極形成工程A2において、薄膜トランジスタアレイ装置22の全面に感光性樹脂が塗布される。これにより、薄膜トランジスタアレイ装置22上に平坦化絶縁膜が形成される。そして、露光および現像により平坦化絶縁膜が所定の形状にパターニングされる。これにより、薄膜トランジスタ11のソース電極11sとの接続孔が薄膜トランジスタアレイ装置22上に形成され、焼成される。次に、例えばスパッタリング法により、陽極材料の膜が形成される。そして、形成された陽極材料の膜がエッチングにより所定の形状に成形される。これにより、薄膜トランジスタアレイ装置22上に陽極23が形成される。ここまでの処理が陽極形成工程A2において実施される。
続いて、バンク形成工程A3において、ベース基板21の陽極23が覆われるように全面に感光性樹脂が塗布される。その後、フォトリソグラフィ法により、陽極23の発光領域に対応する位置に開口部が設けられてバンク28が形成される。
その後、バンク28まで形成されたベース基板21が上述した隔離雰囲気40に搬送される。
バンク28まで形成されたベース基板21が隔離雰囲気40に搬送された後、正孔輸送層形成工程A4において、例えばエリアマスクを用いた蒸着法により、正孔輸送層24が順次成膜される。これにより、発光層形成前の基板が作製される。
発光層形成前の基板が作成されると、作成された基板は隔離雰囲気40内を搬送される。そして、発光層形成工程A5が実施される。発光層形成工程A5においては、バンク28内に発光層25R、25G、25Bが形成される。この発光層形成工程A5については、後で詳細に説明する。
発光層形成工程A5が実施された後、発光層25R、25G、25Bが形成された基板は、隔離雰囲気40内を搬送される。搬送された基板に対して、電子輸送層形成工程A6が実施される。電子輸送層形成工程A6においては、隔離雰囲気40内において、蒸着法により電子輸送層26が形成される。電子輸送層26が形成されると、基板は、隔離雰囲気40内を搬送される。そして、搬送された基板に対して、陰極形成工程A7が実施される。陰極形成工程A7においては、隔離雰囲気40内において、蒸着法により陰極27が形成される。
このようにして、発光部が形成された後、基板は、隔離雰囲気40内を搬送される。そして、搬送された基板に対して、封止層形成工程A8が実施される。封止層形成工程A8においては、蒸着法またはCVD法により、封止層29で発光部全体が被覆される。封止層29は、窒化ケイ素などで形成される。
その後、隔離雰囲気40内において、封止層29が形成された基板に対して封止用基板貼り合わせ工程A9が実施される。封止用基板張り合わせ工程A9においては、封止層29上に接着層30を介して封止用基板31が全面にわたって張り合わされる。封止用基板31は、透明なガラス基板、フレキシブル樹脂基板などで形成される。ここで、封止用基板31にカラーフィルタが形成されている場合は、封止用基板31のカラーフィルタが形成された面が封止層29側になるように接着層30により貼り合わされるようにする。
なお、封止層形成工程A8において、発光部全体を完全に封止層29で封止できる場合には、必ずしも封止用基板張り合わせ工程A9を隔離雰囲気40内で実施する必要はない。この場合には、封止用基板張り合わせ工程A9を隔離雰囲気40外で実施してもよい。
また、発光部全体を完全に封止層29で封止できる場合には、必ずしも封止用基板31を張り合わせる必要はない。また、発光部全体を完全に封止用基板31で封止できる場合には、必ずしも封止層29で発光部を被覆する必要はない。要するに、発光部全体を封止する工程が実施できればどのようにしてもよい。
以上のような工程を実施することにより、EL表示装置が作製される。
次に、EL表示装置の発光層の形成工程について説明する。本開示によるEL表示装置の製造方法においては、次の方法によりEL表示装置の被転写基板上に発光層が形成される。まず、RGBそれぞれの少なくとも3種類の転写基板が準備される。この転写基板は、RGBの発光材料が含まれる転写層がインクジェット法により支持基板上に蒸着または塗布されることで形成される。このRGBそれぞれの転写基板が用いられ、EL表示装置の被転写基板に、転写層が転写される。これにより、発光層が被転写基板上に形成される。このような被転写基板に転写層を転写する転写工程がRGBそれぞれの転写基板を用いて順次実施される。
まず、転写基板の製造方法について、図5A〜5Cを用いて説明する。
図5A〜5Cは、Rの発光層を形成するためのR転写層を有するR用転写基板の製造工程の一部を示す工程図である。なお、説明は省略するが、Gの発光層を形成するための転写層を有するG用転写基板およびBの発光層を形成するための転写層を有するB用転写基板についても、同様な工程により製造される。
まず、図5Aに示すように、支持基板51上に、EL表示装置のRの画素パターンに対応した複数の光熱変換層52が形成される。支持基板51は、レーザー光に対する透過性の高いガラス基板や樹脂基板などである。また、光熱変換層52は、レーザー光を吸収すると発熱する。光熱変換層52が形成された後、光熱変換層52を覆うように平坦化層53が形成される。ここで、光熱変換層52は、例えばモリブデン(Mo),チタン(Ti),クロム(Cr)あるいはこれらを含む合金などのレーザー光の吸収率の高い金属材料により形成されている。平坦化層53は、窒化ケイ素、酸化シリコンなどにより形成されている。
次に、支持基板51上に、Rの画素パターンに対応させて、光熱変換層52上に開口が設けられるように隔壁54が形成される。隔壁54は、高さが1μm〜3μm程度である。隔壁54は、感光性樹脂が塗布され、フォトリソグラフィ法により所定の形状に成形され、焼成されることにより形成されている。また、R用転写基板の隔壁54は、Rの画素パターンに対応する部分にのみ開口54aが形成された形状である。また、隔壁54の頂部には、開口54a間の中間部に突起54bが形成されている。
ここで、G用転写基板およびB用転写基板の場合は、光熱変換層52および隔壁54は、Gの画素パターン、Bの画素パターンそれぞれに対応して形成されることにより作製される。勿論、隔壁54の開口54aおよび突起54bについても、Gの画素パターン、Bの画素パターンそれぞれに対応するように形成されている。
次に、図5Bに示すように、光熱変換層52上の隔壁54の開口54a内に、インクジェット法による塗布装置55が用いられることで、発光材料を含む有機材料インク56が塗布される。インクジェット法による塗布装置55は、ノズルから吐出される有機材料インク56の液滴56aの量と数をコントロールする。これにより、図5Bに示すように、有機材料インク56は、隔壁54の開口54aから盛り上がる程度に塗布される。ここで、有機材料インク56の塗布状態によっては、有機材料インク56が隔壁54の頂部に沿って流れ出てしまう可能性がある。しかしながら、仮に有機材料インク56が隔壁54の頂部に沿って流れ出たとしても、隔壁54の頂部に設けられた突起54bが隔壁54の頂部に沿って流れ出た有機材料インク56をせき止める。その結果、隔壁54の頂部に沿って流れ出た有機材料インク56が別の開口54aに流れ込んでしまう可能性を低減できる。
その後、隔壁54の開口から盛り上がる程度に塗布された有機材料インク56は、加熱乾燥されて有機材料インク56に含まれる溶媒成分が除去される。これにより、図5Cに示すように、光熱変換層52上の隔壁54内に、Rの発光材料を含む転写層57Rが形成される。そして、R用転写基板58Rが作製される。
ここで、作製されたR用転写基板58Rは、図5Cに示すように、基板(支持基板51と複数の光熱変換層52と平坦化層53とからなる構成)と、基板上において、間隔を空けて連続して配置されている複数の隔壁54と、を備えるEL表示装置の製造に用いるR用転写基板58Rである。そして、R用転写基板58Rは、隣接する2つの隔壁54の間に存在する領域(隔壁54の開口54a)に対して、インクジェット法により有機材料インク56を吐出することにより形成された転写層57Rをさらに備える。また、R用転写基板58Rにおいて、隔壁54は、上面に突起54bを有する。
なお、Gの発光層を形成するための転写層57Gを有するG用転写基板58GおよびBの発光層を形成するための転写層57Bを有するB用転写基板58Bについても、上述したR用転写基板58Rと同様なステップで作製される。
このような転写基板の形成工程において、図4に示すように、転写基板形成工程Bの中で、図5Aに示す光熱変換層形成工程B1、隔壁形成工程B2までは、隔離雰囲気40外で実施される。R用転写基板58R、G用転写基板58G、B用転写基板58Bそれぞれの転写層57R、57G、57Bを形成するための図5B、5Cに示すR転写層形成工程B3−1、G転写層形成工程B3−2、B転写層形成工程B3−3それぞれは、隔離雰囲気40内において実施される。転写層が形成された転写基板は、さらにそのまま隔離雰囲気40内に保管される。そして、転写層が形成された転写基板は、隔離雰囲気40内で実施される発光層形成工程A5に使用される。
図6A、6Bは、本開示による製造方法において、Rの発光層を形成する発光層形成工程A5における概要を示す説明図である。図6A、6Bは、Rの発光層25Rを形成している様子を示す説明図である。図6A、6Bは、Rの発光層25Rを形成している様子のみを示しているが、Gの発光層25Gを形成する場合、Bの発光層25Bを形成する場合も同様なステップで行うこととなる。
図4に示すように、正孔輸送層形成工程A4において、正孔輸送層24が順次成膜される。発光層形成前の被転写基板が作製された後、隔離雰囲気40内で実施する発光層形成工程A5においては、まず、図6Aに示すように、発光層形成前の被転写基板に、R用転写基板58Rが位置合わせされて配置される位置合わせ工程A5−1が行われる。その後、転写工程A5−2において、R用転写基板58Rの支持基板51側から、レーザー光59が照射される。そして、光熱変換層52によりレーザー光59が熱に変換される。そして、R用転写基板58Rに形成された転写層57Rは、昇華または気化する。昇華または気化した転写層57Rは、EL表示装置の被転写基板のバンク28内にRの発光層25Rとして転写される。図6Bは、EL表示装置の被転写基板のバンク28内にRの発光層25Rを転写して形成した状態を示す図である。
図6Aに示すように、発光層形成前の被転写基板に、R用転写基板58Rを位置合わせして配置する際に、R用転写基板58Rは、隔壁54の頂部に設けた突起54bがEL表示装置の被転写基板のバンク28に当接する。別の表現をすると、突起54bは、R用転写基板58Rが非転写基板の隣接する2つのバンクの間に存在する領域に、転写層57Rを形成している有機材料インク56を転写する際の配置関係にあるときに、非転写基板のバンクの上面に対向する位置に配置されるといえる。
なお、R用転写基板58Rの隔壁54を作成する際の製造ばらつきなどにより、隔壁54の寸法にばらつきが発生する場合がある。従って、隔壁54の全ての突起54bが被転写基板のバンク28に当接しなくてもよい。例えば、図6Aに示すように、隔壁54に設けた突起54bとバンク28との間に一部隙間が発生してもよい。
その後、R用転写基板58Rが取り外される。そして、G用転写基板58Gが位置合わせされて配置される位置合わせ工程A5−1が行われる。その後、転写工程A5−2において、転写基板58Gの支持基板51側から、レーザー光59が照射される。これにより、転写基板58Gの転写層57Gが昇華または気化する。昇華または気化した転写層57Gは、EL表示装置の基板のバンク28内にGの発光層25Gとして転写される。
その後、同様に、G用転写基板58Gが取り外される。そして、B用転写基板58Bが位置合わせされて配置される位置合わせ工程A5−1が行われる。その後、転写工程A5−2において、転写基板58Bの支持基板51側から、レーザー光59が照射される。これにより、転写基板58Bの転写層57Bが昇華または気化する。昇華または気化した転写層57Bは、EL表示装置の基板のバンク28内にBの発光層25Bとして転写される。
以上の工程を行うことにより、EL表示装置において、RGBの発光層25R、25G、25Bが形成されることとなる。
なお、発光層形成工程A5において、レーザー光を照射して、R用転写基板58R、G用転写基板58G、B用転写基板58Bそれぞれから転写層57R、57G、57Bを転写する際、R用転写基板58R、G用転写基板58G、B用転写基板58Bの支持基板51側にレーザー光遮光マスクを配置するようにしてもよい。これにより、レーザー光を該当する光熱変換層52に効率よく照射できる。
以上のように本開示における、EL表示装置の製造方法は、少なくとも赤色、緑色および青色の発光色で発光する発光部と、発光部の発光を制御する薄膜トランジスタアレイ装置とを備え、発光部は、バンクにより区画された領域に少なくとも赤色、緑色および青色の発光層を配置するとともに、封止層により被覆することにより構成されるEL表示装置の製造方法である。そして、発光層を形成する工程は、まず、支持基板に少なくとも赤色、緑色および青色の発光材料を含む転写層を形成した転写基板を準備する。そして、発光層を形成する工程は、転写基板を用いて、EL表示装置の被転写基板に転写層を転写して発光層を形成する転写工程を有する。ここで、転写基板は、支持基板上に画素パターンに対応させて開口が設けられるように隔壁を形成している。また、転写層は、隔壁内にインクジェット法により発光材料を含む有機材料インクが塗布されて形成されている。また、隔壁の頂部には、EL表示装置の被転写基板のバンクに当接する突起が設けられている。
これにより、大画面のEL表示装置の製造に適するインクジェット法を用い、インクジェット法により高精細化を実現する際に、隣接する発光層間で混色が発生するということも少なくなり、EL表示装置の高精細化を実現できる。
また、本開示における、EL表示装置の製造に用いられる転写基板は、基板と、基板上において、間隔を空けて連続して配置されている複数の隔壁と、を備えるEL表示装置の製造に用いる転写基板である。転写基板は、隣接する2つの隔壁の間に存在する領域に対して、インクジェット法により発光材料を吐出することにより形成された転写層をさらに備える。そして、基板上に設けられた隔壁は、上面に突起部を有する。さらに、突起部は、転写基板が被転写基板の隣接する2つのバンクの間に存在する領域に、転写層を形成している発光材料を転写する際の配置関係にあるときに、被転写基板のバンクの上面に対向する位置に配置されている。
これにより、インクジェット法により発光材料を吐出することで転写基板の転写層を形成する際に、仮に発光材料が隔壁の頂部に沿って流れ出たとしても、隔壁の頂部に設けられた突起54bが隔壁54の頂部に沿って流れ出た発光材料をせき止める。その結果、隔壁の頂部に沿って流れ出た発光材料が別の開口に流れ込んでしまい、発光材料の混色が発生する可能性を低減できる。つまり、大画面のEL表示装置の製造に適するインクジェット法を用い、インクジェット法により高精細化を実現する際に、隣接する発光層間で混色が発生するということも少なくなり、EL表示装置の高精細化を実現できる。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
以上のように本開示における技術によれば、EL表示装置の高精細化を容易に実現する上で有用な発明である。
1,22 薄膜トランジスタアレイ装置
2,23 陽極
3 発光層
4,27 陰極
5 画素
6 画素回路
7 ゲート配線
8 ソース配線
9 電源配線
10,11 薄膜トランジスタ
21 ベース基板
24 正孔輸送層
25R,25G,25B 発光層
26 電子輸送層
28 バンク
29 封止層
30 接着層
31 封止用基板
40 隔離雰囲気
51 支持基板
52 光熱変換層
53 平坦化層
54 隔壁
54a 開口
54b 突起
55 塗布装置
56 有機材料インク
56a 液滴
57R,57G,57B 転写層
58R,58G,58B 転写基板
本開示は、EL表示装置の製造方法、EL表示装置の製造に用いられる転写基板に関するものである。
近年、次世代の表示装置が盛んに開発されている。特に、駆動用基板上に、第1電極、発光層を含む複数の有機層および第2電極を順に積層したEL(Electroluminescence)表示装置が注目されている。EL表示装置は自発光型である。従って、EL表示装置は広い視野角を有する。そして、EL表示装置はバックライトを必要としない。その結果、EL表示装置は、省電力で駆動でき、高い応答性を有し、装置の厚みを薄くできるなどの特徴を有する。そのため、EL表示装置がテレビ等の大画面表示装置へ応用されることが強く望まれている。
このようなEL表示装置の発光層の形成方法には様々な方法がある。例えば、基板上に発光材料を蒸着または塗布することでRGBの発光層をパターニングする方法がある。
また、特許文献1に示すように、レーザーなどの輻射線を用いた転写法がある。転写法は、転写基板に形成された、発光材料を含む転写層を、EL発光素子を形成するための被転写基板に転写する方法である。具体的には、まず、支持材に転写層が形成された転写基板が形成される。そして、この転写基板は、被転写基板に対向配置される。そして、減圧環境下で輻射線が転写基板に照射される。これにより、転写層が被転写基板に転写され、被転写基板上に発光層が形成される。
特開2009−146715号公報
本開示は、EL表示装置の高精細化が可能なEL表示装置の製造方法、EL表示装置の製造に用いる転写基板を提供する。
この目的を達成するために本開示におけるEL表示装置の製造方法は、少なくとも赤色、緑色および青色の発光色で発光する発光部と、発光部の発光を制御する薄膜トランジスタアレイ装置とを備え、発光部は、バンクにより区画された領域に少なくとも赤色、緑色および青色の発光層を配置するとともに、封止層により被覆することにより構成されるEL表示装置の製造方法において、発光層を形成する工程は、支持基板に少なくとも赤色、緑色および青色の発光材料を含む転写層を形成した転写基板を準備し、転写基板を用いて、EL表示装置の被転写基板に転写層を転写して発光層を形成する転写工程を有し、かつ転写基板は、支持基板上に画素パターンに対応させて開口が設けられるように隔壁を形成するとともに、隔壁内にインクジェット法により発光材料を含む有機材料インクを塗布して転写層を形成して構成し、かつ隔壁の頂部には、EL表示装置の被転写基板のバンクに当接する突起を設けたことを特徴とする。
また、本開示におけるEL表示装置の製造に用いられる転写基板は、基板と、基板上において、間隔を空けて連続して配置されている複数の隔壁と、を備えるEL表示装置の製造に用いる転写基板であって、隣接する2つの隔壁の間に存在する領域に対して、インクジェット法により発光材料を吐出することにより形成された転写層をさらに備え、隔壁は、上面に突起部を有し、突起部は、転写基板が被転写基板の隣接する2つのバンクの間に存在する領域に、転写層を形成している発光材料を転写する際の配置関係にあるときに、被転写基板のバンクの上面に対向する位置に配置されることを特徴とする。
本開示によれば、EL表示装置の高精細化が可能なEL表示装置の製造方法、EL表示装置の製造に用いる転写基板を提供できる。
図1は、本開示の一実施の形態によるEL表示装置の斜視図である。 図2は、画素回路の回路構成を示す電気回路図である。 図3は、EL表示装置において、RGBの画素部分の断面構造を示す断面図である。 図4は、本開示によるEL表示装置の製造方法において、一実施の形態による製造工程を示す工程図である。 図5Aは、Rの発光層を形成するためのR転写層を有するR用転写基板の製造工程の一部を示す工程図である。 図5Bは、Rの発光層を形成するためのR転写層を有するR用転写基板の製造工程の一部を示す工程図である。 図5Cは、Rの発光層を形成するためのR転写層を有するR用転写基板の製造工程の一部を示す工程図である。 図6Aは、本開示による製造方法において、RGBの発光層を形成する発光層形成工程A5における概要を示す説明図である。 図6Bは、本開示による製造方法において、RGBの発光層を形成する発光層形成工程A5における概要を示す説明図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
本開示の一実施の形態によるEL表示装置の製造方法、EL表示装置の製造に用いる転写基板について、図1〜図6Bを用いて説明する。
図1はEL表示装置の概略構成を示す斜視図である。図2は画素を駆動する画素回路の回路構成を示す図である。
図1、図2に示すように、EL表示装置は、下層より、薄膜トランジスタアレイ装置1と、陽極2と、発光層3および陰極4からなる発光部との積層構造により構成されている。薄膜トランジスタアレイ装置1には、複数個の薄膜トランジスタが配置されている。陽極2は下部電極である。発光層3は有機材料により構成される。陰極4は上部電極である。発光部は薄膜トランジスタアレイ装置1により発光制御される。また、発光部は、一対の電極である陽極2と陰極4との間に発光層3が配置された構成である。陽極2と発光層3の間には正孔輸送層が積層形成されている。発光層3と透明な陰極4の間には電子輸送層が積層形成されている。薄膜トランジスタアレイ装置1には、複数の画素5がマトリクス状に配置されている。
各画素5は、それぞれに設けられた画素回路6によって駆動される。また、薄膜トランジスタアレイ装置1は、複数のゲート配線7と、複数の信号配線としてのソース配線8と、複数の電源配線9(図1では省略)とを備える。複数のゲート配線7は、薄膜トランジスタアレイ装置1上で、行状に配置されている。複数のソース配線8は、ゲート配線7と交差するように列状に配置されている。複数の電源配線9は、ソース配線8に平行に延びている。
ゲート配線7は、薄膜トランジスタ10のゲート電極10gと行毎に接続されている。薄膜トランジスタ10は、画素回路6のそれぞれに含まれるスイッチング素子として動作する。ソース配線8は、薄膜トランジスタ10のソース電極10sと列毎に接続されている。電源配線9は、薄膜トランジスタ11のドレイン電極11dと列毎に接続されている。薄膜トランジスタ11は、画素回路6のそれぞれに含まれる駆動素子として動作する。
図2に示すように、画素回路6は、薄膜トランジスタ10と、薄膜トランジスタ11と、キャパシタ12とで構成される。キャパシタ12は、対応する画素に表示するデータを記憶する。
薄膜トランジスタ10は、ゲート電極10gと、ソース電極10sと、ドレイン電極10dと、半導体膜(図示せず)とで構成されている。ドレイン電極10dは、キャパシタ12および薄膜トランジスタ11のゲート電極11gに接続されている。薄膜トランジスタ10は、接続されたゲート配線7およびソース配線8に電圧が印加されると、ソース配線8に印加された電圧値を表示データとしてキャパシタ12に保存する。
薄膜トランジスタ11は、ゲート電極11gと、ドレイン電極11dと、ソース電極11sと、半導体膜(図示せず)とで構成されている。ドレイン電極11dは、電源配線9およびキャパシタ12に接続されている。ソース電極11sは、陽極2に接続されている。この薄膜トランジスタ11は、キャパシタ12が保持している電圧値に対応する電流を、電源配線9からソース電極11sを通じて陽極2に供給する。すなわち、上記構成のEL表示装置は、ゲート配線7とソース配線8との交点に位置する画素5毎に表示制御を行うアクティブマトリクス方式を採用している。
また、EL表示装置において、発光部は、少なくとも赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光層を有する画素が複数個マトリクス状に配列されるように形成されている。従って、発光部は、少なくとも赤色、緑色および青色の発光色で発光する。各画素は、バンクによって互いに分離されている。このバンクは、ゲート配線7に平行に延びる突条と、ソース配線8に平行に延びる突条とが互いに交差するように形成されることにより設けられている。そして、この突条で囲まれる部分、すなわちバンクの開口部にRGBの発光層を有する画素が形成されている。
図3は、EL表示装置において、RGBの画素部分の断面構造を示す断面図である。図3に示すように、EL表示装置において、ベース基板21上に、薄膜トランジスタアレイ装置22が形成されている。ベース基板21は、ガラス基板、フレキシブル樹脂基板などで構成されている。薄膜トランジスタアレイ装置22は、上述した画素回路6を構成している。また、薄膜トランジスタアレイ装置22には、平坦化絶縁膜(図示せず)を介して下部電極である陽極23が形成されている。そして、陽極23上には、正孔輸送層24、有機材料からなる発光層25R、25G、25B、電子輸送層26、透明な上部電極である陰極27が順に積層形成されている。これによりRGBの発光部が構成されている。また、発光部の発光層25R、25G、25Bは、絶縁層であるバンク28により区画された領域に形成されている。
このように構成された発光部は、窒化ケイ素などの封止層29により被覆されている。封止層29により被覆された発光部は、封止層29上に接着層30を介して封止用基板31が全面にわたって貼り合わされることにより封止されている。封止用基板31は、透明なガラス基板、フレキシブル樹脂基板などで構成されている。
ここで、バンク28は、陽極23と陰極27との絶縁性を確保している。また、バンク28は、発光領域を所定の形状に区画している。バンク28は、例えば酸化シリコンまたはポリイミドなどの感光性樹脂により構成されている。
次に、本開示によるEL表示装置の製造方法について、図4〜図6Bの図面を用いて説明する。
本開示によるEL表示装置の製造方法においては、RGBそれぞれの3種類の転写基板が準備される。これらの転写基板は、それぞれ、RGBの何れかの発光材料が含まれる転写層がインクジェット法により支持基板上に蒸着または塗布されることで形成される。そして、このRGBそれぞれの転写基板が用いられ、EL表示装置の被転写基板に、転写基板の転写層が転写される。これにより、発光層が被転写基板上に形成される。このような被転写基板に転写層を転写する転写工程がRGBそれぞれの転写基板を用いて順次実施される。なお、発光層は、RGBの3種類の例に限定されない。EL表示装置の発光画素の形態によっては、発光層は、RGB以外の発光材料により形成される場合がある。その場合は発光層の種類に応じて複数種類の転写基板が準備される。そして、その転写基板が用いられることで、被転写基板に転写層が転写される工程が順次実施されればよい。
図4は、本開示によるEL表示装置の製造方法において、一実施の形態による製造工程を示す工程図である。
図4において、隔離雰囲気40は、大気に曝露しない雰囲気を形成するものである。隔離雰囲気40は、減圧や、ドライガスまたは不活性ガスを導入することで形成される。各製造工程を実施するための複数の製造装置は、製造装置間で部材を搬送する搬送装置を介して接続されている。そして、一部の製造装置は、搬送装置を介して、部材を保管するための保管設備と接続されている。そして、各製造装置、搬送装置、および保管設備は、内部に隔離雰囲気40が形成された空間を有している。また、各製造装置、搬送装置、および保管設備は、隔離雰囲気40で繋がっている。内部に形成された隔離雰囲気40において部材を製造し、搬送し、保管することで、部材が大気に直接触れることを回避できる。これは、部材が水や酸素等に触れると劣化する恐れがあるからである。隔離雰囲気40は、装置や設備の内部において、真空ポンプが用いられて内部が排気されて減圧状態とされたり、ドライガスや不活性ガスが導入されることで形成される。これにより、装置や設備の内部に隔離雰囲気40が形成される。また、別の実現方法においては、製造装置、搬送装置および保管設備の内部に個別に隔離雰囲気40を形成してもよい。この場合には、製造装置、搬送装置および保管設備は隔離雰囲気40で繋がっていないこととなる。この場合にも、部材を製造装置から搬送装置に移動する際には、製造装置と搬送装置とを接続し、隔離雰囲気40で繋がるようにする。また、部材を搬送装置から保管設備に移動する際には、搬送装置と保管設備とを接続し、隔離雰囲気40で繋がるようにする。これにより、部材が大気に直接触れないようにする。この場合においても、装置や設備の内部が減圧状態とされたり、ドライガスや不活性ガスが導入されることにより、装置や設備の内部に隔離雰囲気40が形成される。
次に、図4の工程図に沿って、本技術による製造方法について説明する。
まず、TFTアレイ装置形成工程A1が実施される。TFTアレイ装置形成工程A1においては、ベース基板21に、画素回路6を構成する薄膜トランジスタアレイ装置22が形成される。
TFTアレイ装置形成工程A1において、次の処理が実施される。まず、真空蒸着、スパッタリングなどの薄膜形成法により金属材料、半導体材料などの所定の薄膜が形成される。この際、薄膜が所定のパターンとなるようにフォトリソグラフィ法が用いられ、薄膜のパターニングが行われる。そして、複数のゲート配線7、複数のソース配線8、複数の電源配線9、複数の薄膜トランジスタ10、11および複数のキャパシタ12などの要素部品が層間絶縁層を介して積層形成される。ここまでの処理がTFTアレイ装置形成工程A1において実施される。
TFTアレイ装置形成工程A1が実施された後、陽極形成工程A2が実施される。陽極形成工程A2においては、陽極23が、平坦化絶縁膜を介して薄膜トランジスタアレイ装置22上に形成される。陽極23は、薄膜トランジスタアレイ装置22の薄膜トランジスタ11のソース電極11sに接続される。陽極23は発光部の一方の電極である。
陽極形成工程A2において、薄膜トランジスタアレイ装置22の全面に感光性樹脂が塗布される。これにより、薄膜トランジスタアレイ装置22上に平坦化絶縁膜が形成される。そして、露光および現像により平坦化絶縁膜が所定の形状にパターニングされる。これにより、薄膜トランジスタ11のソース電極11sとの接続孔が薄膜トランジスタアレイ装置22上に形成され、焼成される。次に、例えばスパッタリング法により、陽極材料の膜が形成される。そして、形成された陽極材料の膜がエッチングにより所定の形状に成形される。これにより、薄膜トランジスタアレイ装置22上に陽極23が形成される。ここまでの処理が陽極形成工程A2において実施される。
続いて、バンク形成工程A3において、ベース基板21の陽極23が覆われるように全面に感光性樹脂が塗布される。その後、フォトリソグラフィ法により、陽極23の発光領域に対応する位置に開口部が設けられてバンク28が形成される。
その後、バンク28まで形成されたベース基板21が上述した隔離雰囲気40に搬送される。
バンク28まで形成されたベース基板21が隔離雰囲気40に搬送された後、正孔輸送層形成工程A4において、例えばエリアマスクを用いた蒸着法により、正孔輸送層24が順次成膜される。これにより、発光層形成前の基板が作製される。
発光層形成前の基板が作成されると、作成された基板は隔離雰囲気40内を搬送される。そして、発光層形成工程A5が実施される。発光層形成工程A5においては、バンク28内に発光層25R、25G、25Bが形成される。この発光層形成工程A5については、後で詳細に説明する。
発光層形成工程A5が実施された後、発光層25R、25G、25Bが形成された基板は、隔離雰囲気40内を搬送される。搬送された基板に対して、電子輸送層形成工程A6が実施される。電子輸送層形成工程A6においては、隔離雰囲気40内において、蒸着法により電子輸送層26が形成される。電子輸送層26が形成されると、基板は、隔離雰囲気40内を搬送される。そして、搬送された基板に対して、陰極形成工程A7が実施される。陰極形成工程A7においては、隔離雰囲気40内において、蒸着法により陰極27が形成される。
このようにして、発光部が形成された後、基板は、隔離雰囲気40内を搬送される。そして、搬送された基板に対して、封止層形成工程A8が実施される。封止層形成工程A8においては、蒸着法またはCVD法により、封止層29で発光部全体が被覆される。封止層29は、窒化ケイ素などで形成される。
その後、隔離雰囲気40内において、封止層29が形成された基板に対して封止用基板貼り合わせ工程A9が実施される。封止用基板張り合わせ工程A9においては、封止層29上に接着層30を介して封止用基板31が全面にわたって張り合わされる。封止用基板31は、透明なガラス基板、フレキシブル樹脂基板などで形成される。ここで、封止用基板31にカラーフィルタが形成されている場合は、封止用基板31のカラーフィルタが形成された面が封止層29側になるように接着層30により貼り合わされるようにする。
なお、封止層形成工程A8において、発光部全体を完全に封止層29で封止できる場合には、必ずしも封止用基板張り合わせ工程A9を隔離雰囲気40内で実施する必要はない。この場合には、封止用基板張り合わせ工程A9を隔離雰囲気40外で実施してもよい。
また、発光部全体を完全に封止層29で封止できる場合には、必ずしも封止用基板31を張り合わせる必要はない。また、発光部全体を完全に封止用基板31で封止できる場合には、必ずしも封止層29で発光部を被覆する必要はない。要するに、発光部全体を封止する工程が実施できればどのようにしてもよい。
以上のような工程を実施することにより、EL表示装置が作製される。
次に、EL表示装置の発光層の形成工程について説明する。本開示によるEL表示装置の製造方法においては、次の方法によりEL表示装置の被転写基板上に発光層が形成される。まず、RGBそれぞれの少なくとも3種類の転写基板が準備される。この転写基板は、RGBの発光材料が含まれる転写層がインクジェット法により支持基板上に蒸着または塗布されることで形成される。このRGBそれぞれの転写基板が用いられ、EL表示装置の被転写基板に、転写層が転写される。これにより、発光層が被転写基板上に形成される。このような被転写基板に転写層を転写する転写工程がRGBそれぞれの転写基板を用いて順次実施される。
まず、転写基板の製造方法について、図5A〜5Cを用いて説明する。
図5A〜5Cは、Rの発光層を形成するためのR転写層を有するR用転写基板の製造工程の一部を示す工程図である。なお、説明は省略するが、Gの発光層を形成するための転写層を有するG用転写基板およびBの発光層を形成するための転写層を有するB用転写基板についても、同様な工程により製造される。
まず、図5Aに示すように、支持基板51上に、EL表示装置のRの画素パターンに対応した複数の光熱変換層52が形成される。支持基板51は、レーザー光に対する透過性の高いガラス基板や樹脂基板などである。また、光熱変換層52は、レーザー光を吸収すると発熱する。光熱変換層52が形成された後、光熱変換層52を覆うように平坦化層53が形成される。ここで、光熱変換層52は、例えばモリブデン(Mo),チタン(Ti),クロム(Cr)あるいはこれらを含む合金などのレーザー光の吸収率の高い金属材料により形成されている。平坦化層53は、窒化ケイ素、酸化シリコンなどにより形成されている。
次に、支持基板51上に、Rの画素パターンに対応させて、光熱変換層52上に開口が設けられるように隔壁54が形成される。隔壁54は、高さが1μm〜3μm程度である。隔壁54は、感光性樹脂が塗布され、フォトリソグラフィ法により所定の形状に成形され、焼成されることにより形成されている。また、R用転写基板の隔壁54は、Rの画素パターンに対応する部分にのみ開口54aが形成された形状である。また、隔壁54の頂部には、開口54a間の中間部に突起54bが形成されている。
ここで、G用転写基板およびB用転写基板の場合は、光熱変換層52および隔壁54は、Gの画素パターン、Bの画素パターンそれぞれに対応して形成されることにより作製される。勿論、隔壁54の開口54aおよび突起54bについても、Gの画素パターン、Bの画素パターンそれぞれに対応するように形成されている。
次に、図5Bに示すように、光熱変換層52上の隔壁54の開口54a内に、インクジェット法による塗布装置55が用いられることで、発光材料を含む有機材料インク56が塗布される。インクジェット法による塗布装置55は、ノズルから吐出される有機材料インク56の液滴56aの量と数をコントロールする。これにより、図5Bに示すように、有機材料インク56は、隔壁54の開口54aから盛り上がる程度に塗布される。ここで、有機材料インク56の塗布状態によっては、有機材料インク56が隔壁54の頂部に沿って流れ出てしまう可能性がある。しかしながら、仮に有機材料インク56が隔壁54の頂部に沿って流れ出たとしても、隔壁54の頂部に設けられた突起54bが隔壁54の頂部に沿って流れ出た有機材料インク56をせき止める。その結果、隔壁54の頂部に沿って流れ出た有機材料インク56が別の開口54aに流れ込んでしまう可能性を低減できる。
その後、隔壁54の開口から盛り上がる程度に塗布された有機材料インク56は、加熱乾燥されて有機材料インク56に含まれる溶媒成分が除去される。これにより、図5Cに示すように、光熱変換層52上の隔壁54内に、Rの発光材料を含む転写層57Rが形成される。そして、R用転写基板58Rが作製される。
ここで、作製されたR用転写基板58Rは、図5Cに示すように、基板(支持基板51と複数の光熱変換層52と平坦化層53とからなる構成)と、基板上において、間隔を空けて連続して配置されている複数の隔壁54と、を備えるEL表示装置の製造に用いるR用転写基板58Rである。そして、R用転写基板58Rは、隣接する2つの隔壁54の間に存在する領域(隔壁54の開口54a)に対して、インクジェット法により有機材料インク56を吐出することにより形成された転写層57Rをさらに備える。また、R用転写基板58Rにおいて、隔壁54は、上面に突起54bを有する。
なお、Gの発光層を形成するための転写層57Gを有するG用転写基板58GおよびBの発光層を形成するための転写層57Bを有するB用転写基板58Bについても、上述したR用転写基板58Rと同様なステップで作製される。
このような転写基板の形成工程において、図4に示すように、転写基板形成工程Bの中で、図5Aに示す光熱変換層形成工程B1、隔壁形成工程B2までは、隔離雰囲気40外で実施される。R用転写基板58R、G用転写基板58G、B用転写基板58Bそれぞれの転写層57R、57G、57Bを形成するための図5B、5Cに示すR転写層形成工程B3−1、G転写層形成工程B3−2、B転写層形成工程B3−3それぞれは、隔離雰囲気40内において実施される。転写層が形成された転写基板は、さらにそのまま隔離雰囲気40内に保管される。そして、転写層が形成された転写基板は、隔離雰囲気40内で実施される発光層形成工程A5に使用される。
図6A、6Bは、本開示による製造方法において、Rの発光層を形成する発光層形成工程A5における概要を示す説明図である。図6A、6Bは、Rの発光層25Rを形成している様子を示す説明図である。図6A、6Bは、Rの発光層25Rを形成している様子のみを示しているが、Gの発光層25Gを形成する場合、Bの発光層25Bを形成する場合も同様なステップで行うこととなる。
図4に示すように、正孔輸送層形成工程A4において、正孔輸送層24が順次成膜される。発光層形成前の被転写基板が作製された後、隔離雰囲気40内で実施する発光層形成工程A5においては、まず、図6Aに示すように、発光層形成前の被転写基板に、R用転写基板58Rが位置合わせされて配置される位置合わせ工程A5−1が行われる。その後、転写工程A5−2において、R用転写基板58Rの支持基板51側から、レーザー光59が照射される。そして、光熱変換層52によりレーザー光59が熱に変換される。そして、R用転写基板58Rに形成された転写層57Rは、昇華または気化する。昇華または気化した転写層57Rは、EL表示装置の被転写基板のバンク28内にRの発光層25Rとして転写される。図6Bは、EL表示装置の被転写基板のバンク28内にRの発光層25Rを転写して形成した状態を示す図である。
図6Aに示すように、発光層形成前の被転写基板に、R用転写基板58Rを位置合わせして配置する際に、R用転写基板58Rは、隔壁54の頂部に設けた突起54bがEL表示装置の被転写基板のバンク28に当接する。別の表現をすると、突起54bは、R用転写基板58Rが非転写基板の隣接する2つのバンクの間に存在する領域に、転写層57Rを形成している有機材料インク56を転写する際の配置関係にあるときに、非転写基板のバンクの上面に対向する位置に配置されるといえる。
なお、R用転写基板58Rの隔壁54を作成する際の製造ばらつきなどにより、隔壁54の寸法にばらつきが発生する場合がある。従って、隔壁54の全ての突起54bが被転写基板のバンク28に当接しなくてもよい。例えば、図6Aに示すように、隔壁54に設けた突起54bとバンク28との間に一部隙間が発生してもよい。
その後、R用転写基板58Rが取り外される。そして、G用転写基板58Gが位置合わせされて配置される位置合わせ工程A5−1が行われる。その後、転写工程A5−2において、転写基板58Gの支持基板51側から、レーザー光59が照射される。これにより、転写基板58Gの転写層57Gが昇華または気化する。昇華または気化した転写層57Gは、EL表示装置の基板のバンク28内にGの発光層25Gとして転写される。
その後、同様に、G用転写基板58Gが取り外される。そして、B用転写基板58Bが位置合わせされて配置される位置合わせ工程A5−1が行われる。その後、転写工程A5−2において、転写基板58Bの支持基板51側から、レーザー光59が照射される。これにより、転写基板58Bの転写層57Bが昇華または気化する。昇華または気化した転写層57Bは、EL表示装置の基板のバンク28内にBの発光層25Bとして転写される。
以上の工程を行うことにより、EL表示装置において、RGBの発光層25R、25G、25Bが形成されることとなる。
なお、発光層形成工程A5において、レーザー光を照射して、R用転写基板58R、G用転写基板58G、B用転写基板58Bそれぞれから転写層57R、57G、57Bを転写する際、R用転写基板58R、G用転写基板58G、B用転写基板58Bの支持基板51側にレーザー光遮光マスクを配置するようにしてもよい。これにより、レーザー光を該当する光熱変換層52に効率よく照射できる。
以上のように本開示における、EL表示装置の製造方法は、少なくとも赤色、緑色および青色の発光色で発光する発光部と、発光部の発光を制御する薄膜トランジスタアレイ装置とを備え、発光部は、バンクにより区画された領域に少なくとも赤色、緑色および青色の発光層を配置するとともに、封止層により被覆することにより構成されるEL表示装置の製造方法である。そして、発光層を形成する工程は、まず、支持基板に少なくとも赤色、緑色および青色の発光材料を含む転写層を形成した転写基板を準備する。そして、発光層を形成する工程は、転写基板を用いて、EL表示装置の被転写基板に転写層を転写して発光層を形成する転写工程を有する。ここで、転写基板は、支持基板上に画素パターンに対応させて開口が設けられるように隔壁を形成している。また、転写層は、隔壁内にインクジェット法により発光材料を含む有機材料インクが塗布されて形成されている。また、隔壁の頂部には、EL表示装置の被転写基板のバンクに当接する突起が設けられている。
これにより、大画面のEL表示装置の製造に適するインクジェット法を用い、インクジェット法により高精細化を実現する際に、隣接する発光層間で混色が発生するということも少なくなり、EL表示装置の高精細化を実現できる。
また、本開示における、EL表示装置の製造に用いられる転写基板は、基板と、基板上において、間隔を空けて連続して配置されている複数の隔壁と、を備えるEL表示装置の製造に用いる転写基板である。転写基板は、隣接する2つの隔壁の間に存在する領域に対して、インクジェット法により発光材料を吐出することにより形成された転写層をさらに備える。そして、基板上に設けられた隔壁は、上面に突起部を有する。さらに、突起部は、転写基板が被転写基板の隣接する2つのバンクの間に存在する領域に、転写層を形成している発光材料を転写する際の配置関係にあるときに、被転写基板のバンクの上面に対向する位置に配置されている。
これにより、インクジェット法により発光材料を吐出することで転写基板の転写層を形成する際に、仮に発光材料が隔壁の頂部に沿って流れ出たとしても、隔壁の頂部に設けられた突起54bが隔壁54の頂部に沿って流れ出た発光材料をせき止める。その結果、隔壁の頂部に沿って流れ出た発光材料が別の開口に流れ込んでしまい、発光材料の混色が発生する可能性を低減できる。つまり、大画面のEL表示装置の製造に適するインクジェット法を用い、インクジェット法により高精細化を実現する際に、隣接する発光層間で混色が発生するということも少なくなり、EL表示装置の高精細化を実現できる。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
以上のように本開示における技術によれば、EL表示装置の高精細化を容易に実現する上で有用な発明である。
1,22 薄膜トランジスタアレイ装置
2,23 陽極
3 発光層
4,27 陰極
5 画素
6 画素回路
7 ゲート配線
8 ソース配線
9 電源配線
10,11 薄膜トランジスタ
21 ベース基板
24 正孔輸送層
25R,25G,25B 発光層
26 電子輸送層
28 バンク
29 封止層
30 接着層
31 封止用基板
40 隔離雰囲気
51 支持基板
52 光熱変換層
53 平坦化層
54 隔壁
54a 開口
54b 突起
55 塗布装置
56 有機材料インク
56a 液滴
57R,57G,57B 転写層
58R,58G,58B 転写基板

Claims (4)

  1. 少なくとも赤色、緑色および青色の発光色で発光する発光部と、前記発光部の発光を制御する薄膜トランジスタアレイ装置とを備え、前記発光部は、バンクにより区画された領域に少なくとも赤色、緑色および青色の発光層を配置するとともに、封止層により被覆することにより構成されるEL表示装置の製造方法において、
    前記発光層を形成する工程は、支持基板に少なくとも赤色、緑色および青色の発光材料を含む転写層を形成した転写基板を準備し、
    前記転写基板を用いて、前記EL表示装置の被転写基板に前記転写層を転写して前記発光層を形成する転写工程を有し、
    かつ前記転写基板は、前記支持基板上に画素パターンに対応させて開口が設けられるように隔壁を形成するとともに、前記隔壁内にインクジェット法により前記発光材料を含む有機材料インクを塗布して転写層を形成して構成し、
    かつ前記隔壁の頂部には、前記EL表示装置の前記被転写基板の前記バンクに当接する突起を設けたことを特徴とするEL表示装置の製造方法。
  2. 前記転写基板は、前記支持基板に少なくとも赤色、緑色および青色の前記発光材料を含む前記転写層をインクジェット法により形成した赤色、緑色および青色それぞれの少なくとも3種類の前記転写基板であり、
    前記発光層を形成する際に、それぞれの前記転写基板を用いて、前記EL表示装置の前記被転写基板に前記転写層を転写して前記発光層を形成する前記転写工程を順次実施することを特徴とする請求項1に記載のEL表示装置の製造方法。
  3. 前記赤色、緑色および青色それぞれの少なくとも3種類の前記転写基板は、前記支持基板上に、赤色、緑色および青色の画素パターンに対応させてレーザー光を吸収し発熱する複数の光熱変換層を形成するとともに、前記光熱変換層上に開口が設けられるように前記隔壁を形成し、その後前記光熱変換層上の前記隔壁内にインクジェット法により前記発光材料を含む有機材料インクを塗布して前記転写層を形成して構成したものであり、
    前記転写工程は、前記EL表示装置の前記被転写基板に前記転写基板を位置合わせして配置し、その後前記転写基板の前記支持基板側からレーザー光を照射して前記転写層を昇華または気化して前記被転写基板の前記バンク内に前記発光層を形成する工程で、少なくとも赤色、緑色および青色の前記発光層を転写する工程を順次実施するものであることを特徴とする請求項2に記載のEL表示装置の製造方法。
  4. 基板と、
    前記基板上において、間隔を空けて連続して配置されている複数の隔壁と、を備えるEL表示装置の製造に用いる転写基板であって、
    隣接する2つの前記隔壁の間に存在する領域に対して、インクジェット法により発光材料を吐出することにより形成された転写層をさらに備え、
    前記隔壁は、上面に突起部を有し、
    前記突起部は、前記転写基板が被転写基板の隣接する2つのバンクの間に存在する領域に、前記転写層を形成している発光材料を転写する際の配置関係にあるときに、前記被転写基板のバンクの上面に対向する位置に配置されることを特徴とする、
    EL表示装置の製造に用いられる転写基板。
JP2014538086A 2012-09-25 2013-04-16 El表示装置の製造方法、el表示装置の製造に用いられる転写基板 Pending JPWO2014049904A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012210823 2012-09-25
JP2012210823 2012-09-25
PCT/JP2013/002555 WO2014049904A1 (ja) 2012-09-25 2013-04-16 El表示装置の製造方法、el表示装置の製造に用いられる転写基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2014049904A1 true JPWO2014049904A1 (ja) 2016-08-22

Family

ID=50387360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014538086A Pending JPWO2014049904A1 (ja) 2012-09-25 2013-04-16 El表示装置の製造方法、el表示装置の製造に用いられる転写基板

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20150214509A1 (ja)
JP (1) JPWO2014049904A1 (ja)
WO (1) WO2014049904A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106324906A (zh) * 2016-09-08 2017-01-11 京东方科技集团股份有限公司 准直背光源及其制备方法、透明显示装置
CN107331681B (zh) * 2017-06-21 2020-04-10 京东方科技集团股份有限公司 一种显示基板及其制作方法、显示器件
JP6808662B2 (ja) 2018-01-15 2021-01-06 株式会社Joled 有機el表示パネルの製造方法、および、有機el表示パネル、有機el表示装置
WO2020021301A1 (ko) * 2018-07-22 2020-01-30 박진성 Led 디스플레이 장치, led 모듈 및 레이저를 이용한 led 전사 방법
KR102378115B1 (ko) * 2020-01-08 2022-03-25 웨이브로드 주식회사 반도체 발광소자 칩을 전사하는 방법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006244944A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Seiko Epson Corp 有機el装置の製造方法、蒸着ボート
JP2012109638A (ja) * 2008-06-16 2012-06-07 Toray Ind Inc デバイス

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009187810A (ja) * 2008-02-07 2009-08-20 Seiko Epson Corp 発光装置の製造方法
JP5244680B2 (ja) * 2008-04-14 2013-07-24 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置の作製方法
JP4600569B2 (ja) * 2008-06-25 2010-12-15 ソニー株式会社 ドナー基板および表示装置の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006244944A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Seiko Epson Corp 有機el装置の製造方法、蒸着ボート
JP2012109638A (ja) * 2008-06-16 2012-06-07 Toray Ind Inc デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014049904A1 (ja) 2014-04-03
US20150214509A1 (en) 2015-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110911461B (zh) Oled显示面板及其制作方法
US7733010B2 (en) Organic electroluminescent device and its method of manufacture
EP2251906B1 (en) Method of fabricating organic light emitting diode display
JP5384752B2 (ja) 蒸着膜の形成方法及び表示装置の製造方法
TW201427139A (zh) 顯示裝置及其製造方法
WO2014049904A1 (ja) El表示装置の製造方法、el表示装置の製造に用いられる転写基板
KR20110050159A (ko) 유기발광다이오드 표시장치의 제조방법
WO2019180846A1 (ja) 成膜用マスクおよびそれを用いた表示装置の製造方法
JP5478954B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示装置
US10622412B2 (en) Display panel
JP2006171329A (ja) 表示装置及び表示装置の製造方法
JP2009146716A (ja) 表示装置およびドナー基板
JP2003152299A (ja) 配線接続構造及びその製造方法
JP2004349049A (ja) 有機elパネル及びその製造方法
JP2015158672A (ja) アクティブマトリクス有機発光ダイオードパネル及びその実装方法
JP2006004743A (ja) 表示装置及びその製造方法
JP2012022787A (ja) 有機el装置、有機el装置の製造方法、及び電子機器
WO2014049902A1 (ja) El表示装置の製造方法、el表示装置の製造に用いられる転写基板、el表示装置の製造に用いられる転写基板の製造方法
WO2014049903A1 (ja) El表示装置の製造方法
WO2014174803A1 (ja) El表示装置の製造方法
WO2020021722A1 (ja) 表示デバイスの製造方法
JP2007095379A (ja) 有機el表示装置とその製造方法
JP2006190570A (ja) 表示装置及び表示装置の製造方法
WO2014174804A1 (ja) El表示装置の製造方法
JP2019194960A (ja) 塗布装置、塗布方法および有機elディスプレイ

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170606