JP2014010563A - 定電圧電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基準電圧と出力電圧に対応した帰還電圧との差を出力するよう構成されてなる第1の増幅器1と、その出力電圧を増幅、出力するドライバー段101と、ドライバー段101により駆動されるパワートランジスタ11、及び、パワートランジスタ11に直列接続された第1及び第2の帰還抵抗器21,22を有し、第1及び第2の帰還抵抗器21,22により分圧された出力電圧が帰還電圧として第1の増幅器1へ帰還されて、出力電圧の定電圧化を可能とすると共に、パワートランジスタ11の出力電流を検出する電流検出回路102と、電流検出回路102の検出電流に応じて基準電圧を可変可能とする可変基準電圧回路103とを具備し、高精度の電圧補償を可能としたものである。
【選択図】図2
Description
ところが、かかる定電圧電源装置と言えども、負荷までの配線が比較的長くなると、配線が有する抵抗成分により電圧が低下してしまい所望の電圧を得られなくなる場合がある。
このような問題に対する方策としては、例えば、電圧センシング用の配線を2本追加し、負荷端でフィードバック制御をかける構成とすることが考えられる。
しかし、この場合、負荷端までの配線が、本来の電源供給用と併せて4本となるため、コストや配置スペースの制約等から現実的ではない。
このような問題を解決する回路として、例えば、特許文献1等により提案された回路がある。
この特許文献1に開示された回路は、負荷電流が増加すると出力電圧が高くなるよう構成された昇圧回路を設けた定電圧電源装置である。
すなわち、特許文献1の図1に示された回路構成においてMOSトランジスタのβや差動対のテール電流値が変動すると、補償量が変わってしまう欠点がある。通常、電流出力の精度が高く、温度特性がフラットな電流源を半導体上で構成することは難しく、また、MOSトランジスタのβもウェハの製造工程で大きく変動するため、高い補償精度を実現するのは現実的には極めて困難なことである。
例えば、カーナビゲーションとスマートフォンを連携させるアプリケーションにおいては、両機器間で情報通信を行うだけでなく、カーナビゲーションからスマートフォンへ動作電力の供給をも行う構成となっている。
一般的に、スマートフォンの消費電流は1A〜2Aと大きく、許容電圧は5V±5%と厳しいため、1〜5mにも及ぶ車内ハーネスを介して電源供給を行うと、スマートフォン端では電源電圧が大きく低下してしまう。さらに、配線材や接点の抵抗値は製造公差があり、また、導体となる金属は、周囲温度により抵抗値が変化するため、それらの変化がある場合であっても、電圧変動をスマートフォンの許容電圧に収めるためには、定電圧電源装置において極めて精度の高い電圧補償が要求される。
しかしながら、これらの要求に対して、上述の従来回路では十分な精度の電源電圧の供給が補償できず、スマートフォンの動作を確実とすることができないという問題がある。
基準電圧と、出力電圧に対応した帰還電圧との差を出力するよう構成されてなる第1の増幅器と、
前記第1の増幅器の出力電圧を増幅、出力する第1のドライバー段と、
当該第1のドライバー段により駆動されるパワートランジスタ及び当該パワートランジスタに直列接続された分圧抵抗器を有してなる出力段と、を具備し、
前記分圧抵抗器により分圧された出力電圧が前記帰還電圧として前記第1の増幅器へ帰還されて、出力電圧の定電圧化が可能に構成されてなる定電圧電源回路において、
前記パワートランジスタの出力電流を検出する電流検出回路と、
前記電流検出回路により検出された電流に応じて、前記基準電圧を可変可能に構成されてなる可変基準電圧回路とを具備してなるものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における定電圧電源装置の基本回路構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における定電圧電源装置は、第1の増幅器(図1においては「AMP1」と表記)1と、ドライバ段101と、パワートランジスタ(図1においては「Q1」と表記)11と、第1及び第2の帰還抵抗器(図1においては、「R1」、「R2」と表記)21,22と、電流検出回路(図1においては「I−DET」と表記)102と、可変基準電圧回路103とを具備してなるものである。
第1の増幅器1の出力端子はドライバ段101を構成するNPN型の第5のトランジスタ(図1においては「Q5」と表記)15のベースに接続されている。
第5のトランジスタ15は、そのエミッタがグランドに接続される一方、コレクタは、パワートランジスタ11のベースに接続されており、第1の増幅器1の出力を増幅してパワートランジスタ11へ入力するようになっている。
一方、パワートランジスタ11のコレクタとグランドとの間には、分圧抵抗器として機能する第1及び第2の帰還抵抗器21,22が直列接続されると共に、コレクタには、出力端子42が出力されて、外部へ出力電圧VOUTが出力可能となっている。
第1及び第2の帰還抵抗器21,22の相互の接続点は、第1の増幅器1の非反転入力端子に接続されており、出力電圧VOUTに対応したフィードバック電圧が印加されて、フィードバック制御がなされるようになっている。
そして、可変基準電圧回路103は、電流検出回路102の出力電流の大きさに応じて、第1の増幅器1へ印加する基準電圧Vrefを可変可能に構成されたものとなっている。
なお、図1に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明する。
この具体回路構成例においては、電流検出回路102、可変基準電圧回路103のより具体的な回路構成例が示されており、他の回路構成は、図1に示されたものと基本的に同一となっている。
PNP型の電流検出用トランジスタ12は、ベースがパワートランジスタ11のベース及び第5のトランジスタ15のコレクタと相互に接続される一方、エミッタが電源入力端子41に接続されたものとなっている。
そして、電流検出用トランジスタ12のコレクタと可変抵抗器25の相互の接続点は、後述する可変基準電圧回路103を構成する第2の増幅器(図2においては「AMP2」と表記)2の非反転入力端子に接続されて、電流検出回路102により検出されたパワートランジスタ1の出力電流に対応する検出電流が入力されるようになっている。
第1の電圧シフタ104Aは、PNP型の第3のトランジスタ(図2においては「Q3」と表記)13と第3の抵抗器(図2においては「R3」と表記)23とを有して構成されたものとなっており、第1の増幅器1の非反転入力端子へ印加する基準電圧をシフト可能に構成されたものとなっている(詳細は後述)。
一方、第3のトランジスタ13のエミッタは、第3の抵抗器(第1の電圧シフタ用抵抗器)23を介して第1のカレントミラー105Aの第1出力端子out1に接続されると共に、第1の増幅器1の非反転入力端子に接続されている。
また、第3のトランジスタ13のエミッタと第3の抵抗器23の相互の接続点は、第2のカレントミラー105Bの第1出力端子out1に接続されたものとなっている。
第1及び第2のカレントミラー105A,105Bは、いずれも第1の入力端子In1を有する一方、第1及び第2の出力端子out1,out2を、それぞれ有しており、第1の入力端子In1に流れる電流に対応して、予め設定された出力電流比に応じた電流が第1及び第2の出力端子out1,out2に流れるよう構成されたものとなっている。
具体的な構成としては、まず、第4のトランジスタ(第2の電圧シフタ用トランジスタ)14のベースは、第1及び第2の帰還抵抗器21,22の相互の接続点に接続されたものとなっている。
一方、第4のトランジスタ14のエミッタと第4の抵抗器24の相互の接続点は、第1のカレントミラー105Aの第2の出力端子out2に接続されている。
この第2の増幅器2は、第1及び第2のサブ出力端子outA,outBを有しており、第1のサブ出力端子outA(第1のシフタ供給電流端子)は、第1のカレントミラー104Aの第1の入力端子In1に、第2のサブ出力端子outB(第2のシフタ供給電流端子)は、第2のカレントミラー104Bの第1の入力端子In1に、それぞれ接続されたものとなっている。
第2の増幅器2は、その出力段を構成するトランジスタ(図示せず)が、いわゆるオープンコレクタの状態に設けられており、そのコレクタが第1及び第2のサブ出力端子outA,outBに接続されたものとなっている(詳細は後述)。
この回路構成例において、第2の増幅器2は、NPN型の第6乃至第10のトランジスタ(図3においては、それぞれ「Q6」、「Q7」、「Q8」、「Q9」、「Q10」と表記)16〜20と、電流源32と、駆動段33とを主たる構成要素として構成されたものとなっている。
すなわち、まず、第6のトランジスタ16と第9のトランジスタ19により第1のSEPP増幅段が構成される一方、第7及び第10のトランジスタ17,20により第2のSEPP増幅段が構成され、第1のSEPP増幅段が最終出力段となるように縦属接続された構成となっている。
また、第6のトランジスタ16のエミッタはグランドに接続される一方、第9のトランジスタ19のコレクタは、オープンコレクタの状態とされて第1のサブ出力端子outAとなっている。
また、第7のトランジスタ17のエミッタはグランドに接続される一方、第10のトランジスタ20のコレクタは、オープンコレクタの状態とされて第2のサブ出力端子outBとなっている。
一方、第6及び第7のトランジスタ16,17のベースは相互に接続されると共に、第8のトランジスタ18のベースに接続されている。
第8のトランジスタ18は、ベースとコレクタが相互に接続されてダイオード接続状態とされており、コレクタは定電流源32に接続される一方、エミッタはグランドに接続されたものとなっている。
一方、第2のサブ出力端子outBには、第2の増幅器2の出力段のバイアス電流、すなわち、IC(Q6)に対応する電流が流れることとなる。
上述のような構成において、第1及び第2の電圧シフタ104A,104Bは、第2の増幅器2の出力段におけるバイアス電流であるIC(Q6)の影響を排除するようにシフト量が制御され、特に、本発明の実施の形態においては、素子の相対精度を用いて電圧シフトが行われるよう構成されているため、高精度に出力電圧が補償されるようになっている。
まず、この定電圧電源装置の出力電流が増加すると、電検出用トランジスタ12のコレクタ電流IC(Q2)もリニアに増加する。このコレクタ電流IC(Q2)は、可変抵抗器25により電圧変換されて、ボルテージフォロア接続された第2の増幅器2でインピーダンス変換されて、第6の抵抗器26において、再び電流に変換される。この第6の抵抗器26に流れる電流は、パワートランジスタ11の出力電流に対応した電流(対応出力電流)である。
かかるインピーダンス変換を行うのは、可変抵抗器25を外付け素子とし、ユーザーが電圧補償の大きさを任意に調節できるようにするためである。
そして、dV(R3)は、下記する式2により、VBE(Q3)は、下記する式3により、それぞれ表される。
また、VTは熱電圧、IoutBは第4の抵抗器24を流れる電流、IS(Q3)は第3のトランジスタ13の逆方向飽和電流である。
なお、第1のカレントミラー105A及び第2のカレントミラー105Bの各々の入力端子In1、第1の出力端子out1、第2の出力端子out2に流れる電流を、便宜的に、それぞれI(In1)、I(out1)、I(out2)とすると、いずれのカレントミラー105A,105Bにおいても、I(In1):I(out1):I(out2)=1:1:1と設定されているものとする。
一方、第1の増幅器1の反転入力端子における電圧V−(AMP1)は、下記する式5により表すことができる。
そして、dV(R4)は下記する式6により表される。
また、VBE(Q4)は下記する式7により表される。
かかる関係式に、先の式4及び式8を代入してまとめると下記する式9となる。
また、第9のトランジスタ19のベースと第10のトランジスタ20のベースは、共通のノード、すなわち、駆動段33の出力段に接続されているため、VCE(Q6)≒VCE(Q7)であり、トランジスタのアーリー電圧の影響はほとんど無く、IC(Q7)とIC(Q6)は同等である。
したがって、出力電圧VOUTは、下記する式11により表される。
このように、第3の抵抗器23と第4の抵抗器24、及び、第3の抵抗器23と第6の抵抗器26、並びに、第3のトランジスタ13と第4のトランジスタ14の、それぞれの相対精度が高ければ、パワートランジスタ11の電流IC(Q1)に比例してリニアに出力電圧VOUTが上昇せしめられるため、負荷までの配線抵抗による電圧降下が高精度に補償されるものとなっている。このため、本発明は、特に、素子の導体精度を高め易い半導体に適用するのが好適である。
なお、図2及び図3に示された第1の具体回路構成例における構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明する。
この第2の具体回路構成例は、雰囲気温度の変化に応じて負荷までの配線抵抗による電圧降下の補償の強さを可変可能としたものである。
すなわち、第2の具体回路構成例においては、先の図2に示された具体回路構成例を基本とし、さらに、温度検出回路(図4においては「T−DET」と表記)106と乗算器107が設けられた構成となっている。
乗算器107は、温度検出回路106の出力信号と、第5の抵抗器25からの電圧信号とが入力され、2つの信号の乗算結果に対応する電圧信号を、第2の増幅器2の非反転入力端子へ印加するよう設けられたものとなっている。
かかる構成により、負荷までの金属配線の抵抗値の温度変化をも補償することができ、幅広い温度範囲において配線抵抗による電圧降下が補償され、負荷端の電圧がより精度良く一定とされることとなる。
102…電流検出回路
103…可変基準電圧回路
104A…第1の電圧シフタ
104B…第2の電圧シフタ
105A…第1のカレントミラー
105B…第2のカレントミラー
106…温度検出回路
107…乗算器
Claims (4)
- 基準電圧と、出力電圧に対応した帰還電圧との差を出力するよう構成されてなる第1の増幅器と、
前記第1の増幅器の出力電圧を増幅、出力する第1のドライバー段と、
当該第1のドライバー段により駆動されるパワートランジスタ及び当該パワートランジスタに直列接続された分圧抵抗器を有してなる出力段と、を具備し、
前記分圧抵抗器により分圧された出力電圧が前記帰還電圧として前記第1の増幅器へ帰還されて、出力電圧の定電圧化が可能に構成されてなる定電圧電源回路において、
前記パワートランジスタの出力電流を検出する電流検出回路と、
前記電流検出回路により検出された電流に応じて、前記基準電圧を可変可能に構成されてなる可変基準電圧回路とを具備してなることを特徴とする定電圧電源回路。 - 前記可変基準電圧回路は、
固定基準電圧源と、第1及び第2の電圧シフタ回路と、第1及び第2のカレントミラーと、第2の増幅器とを具備してなり、
前記第1の電圧シフタ回路は、第1の電圧シフタ用抵抗器と第1の電圧シフタ用トランジスタが直列接続されて構成され、前記第1の電圧シフタ用抵抗器の一端が前記第1の増幅器の非反転入力端子に接続される一方、前記第1の電圧シフタ用トランジスタの一端がグランドに接続されてなり、
前記第2の電圧シフタ回路は、第2の電圧シフタ用抵抗器と第2の電圧シフタ用トランジスタが直列接続されて構成され、前記第2の電圧シフタ用抵抗器の一端が前記第1の増幅器の反転入力端子に接続される一方、前記第2の電圧シフタ用トランジスタの一端がグランドに接続されてなり、
前記第1の電圧シフタの入力段には前記固定基準電圧源の出力電圧が印加される一方、
前記第2の電圧シフタの入力段には前記帰還電圧が印加され、
前記第2の増幅器は、前記電流検出回路から出力された検出電流に応じた電圧を電流変換し、前記パワートランジスタの出力電流に応じた電流である対応出力電流を生成すると共に、前記対応出力電流と前記第2の増幅器の出力段のバイアス電流との和である第1のシフタ供給電流を外部へ供給可能とする第1のシフタ供給電流端子と、前記第2の増幅器の出力段のバイアス電流である第2のシフタ供給電流を外部へ供給可能とする第2のシフタ供給電流端子とを具備してなり、
前記第1のシフタ供給電流端子は、前記第1のカレントミラーの入力端子に接続される一方、前記第1のカレントミラーの2つの出力端子は、その一方が前記第1の電圧シフタと前記第1の増幅器との相互の接続点に、他方が前記第2の電圧シフタ用抵抗器と前記第2の電圧シフタ用トランジスタの相互の接続点に、それぞれ接続され、
前記第2のシフタ供給電流端子は、前記第2のカレントミラーの入力端子に接続される一方、前記第2のカレントミラーの2つの出力端子は、その一方が前記第2の電圧シフタと前記第1の増幅器との相互の接続点に、他方が前記第1の電圧シフタ用抵抗器と前記第1の電圧シフタ用トランジスタの相互の接続点に、それぞれ接続され、前記第2の増幅器のバイアス電流の影響を受けることなく前記第1及び第2の電圧シフタのそれぞれの電圧シフト量を制御可能に構成されてなることを特徴とする請求項1記載の定電圧電源回路。 - 温度検出回路と乗算器を備え、
前記温度検出回路の出力を前記乗算器の第1の入力端子に印加する一方、前記帰還電圧を前記乗算器の第2の入力端子に印加し、前記乗算器の出力が前記第2の増幅器へ入力されるよう億世されてなることを特徴とする請求項2記載の定電圧電源回路。 - バイポーラトランジスタの一部、又は、全てに代えてMOSトランジスタを用いてなることを特徴とする請求項2、又は、請求項3記載の定電圧電源回路。
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