JP2014010421A - 画像形成装置、定着装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】定着不良やグロスムラの発生を防止することができる定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー像を形成するトナー像形成手段と、記録媒体にトナーを定着する定着部材と、定着部材との間で記録媒体を挟んで搬送する加圧部材と、加圧部材を回転させることで定着部材を従動して回転させる駆動手段と、定着部材の回転数を検知する回転数検知手段とを備える定着装置と、回転数検知手段により検知された定着部材の回転数に基づき駆動手段の回転数を決定する回転数決定手段と、回転数決定手段により決定された回転数が予め定められた回転数とならない場合、駆動手段を停止させる停止手段とを備えた。
【選択図】図7

Description

本発明は、画像形成装置、定着装置及びプログラムに関する。
温度検知センサの出力に応じて用紙の搬送速度を決定し、決定された速度に基づき用紙の搬送速度を制御する手段を有する電子写真プリンタが知られている(特許文献1)。
また、定着ベルトの表面速度を検知し、その検知結果に基づいて加圧ローラの速度を可変とする加熱装置も知られている(特許文献2)。
さらに、定着ニップで搬送する用紙の搬送時間を計測し、その計測された搬送時間に応じて駆動モータの回転速度を制御する画像記録装置も知られている(特許文献3)。
特開平04−235574号公報 特開2002−311744号公報 特開平11−344915号公報
本発明は、加圧ローラ表面の過剰な温度上昇を抑制し、ホットオフセットの発生を防止することができる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の画像形成装置は、
トナー像を形成するトナー像形成手段と、
記録媒体にトナーを定着する定着部材と、
前記定着部材との間で前記記録媒体を挟んで搬送する加圧部材と、
前記加圧部材を回転させることで前記定着部材を従動して回転させる駆動手段と、
前記定着部材の回転数を検知する回転数検知手段と、を備える定着装置と、
前記回転数検知手段により検知された前記定着部材の回転数に基づき前記駆動手段の回転数を決定する回転数決定手段と、
前記回転数決定手段により決定された回転数が予め定められた回転数とならない場合、前記駆動手段を停止させる停止手段と、
を備えた、
ことを特徴とする。
本発明の請求項2記載の画像形成装置は、
トナー像を形成するトナー像形成手段と、
記録媒体にトナーを定着する定着部材と、
前記定着部材との間で前記記録媒体を挟んで搬送する加圧部材と、
前記加圧部材を回転させることで前記定着部材を従動して回転させる駆動手段と、
前記定着部材の回転数を検知する回転数検知手段と、
を備える定着装置と、
前記回転数検知手段により検知された前記定着部材の回転数に基づき前記駆動手段の回転数を決定する回転数決定手段と、
前記回転数決定手段により決定された前記駆動手段の第1の回転数と、予め定められた時間経過後に決定された前記駆動手段の第2の回転数から、前記駆動手段の回転数の低下率を算出する回転数低下率算出手段と、
前記回転数低下率算出手段により算出された回転数低下率が予め定められた低下率より高い場合、前記加圧部材を前記定着部材に対して離間させる離間手段と、
を備えた、
ことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
予め設定された前記駆動手段の回転数の低下率が、前記加圧部材が受ける熱履歴に応じて変化する加圧部材の外径に対応して定められる、
ことを特徴とする。
本発明の請求項4記載の画像形成装置は、
トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
導電層を有し前記導電層が電磁誘導加熱されることで記録媒体にトナーを定着する定着部材と、
前記定着部材との間で前記記録媒体を挟んで搬送する加圧部材と、
前記定着部材に対向配置され、磁界を発生させる磁界発生手段と、
前記加圧部材を回転させることで前記定着部材を従動して回転させる駆動手段と、
前記定着部材の回転数を検知する回転数検知手段と、
前記加圧部材を前記定着部材に対して離間または圧接する状態に移動させる移動手段と、を備える定着装置と、
前記回転数検知手段により検知された前記定着部材の回転数に基づき前記駆動手段の回転数を決定する回転数決定手段と、
前記回転数決定手段により決定された前記駆動手段の回転数に基づき前記記録媒体の前記定着部材または前記加圧部材への巻付きを検知する巻付き検知手段と、
を備えた、
ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、
前記巻付き検知手段が、前記回転数決定手段により決定された前記駆動手段の回転数と予め定められた回転上限値又は回転下限値とを比較することで前記記録媒体の前記定着部材または前記加圧部材への巻付きを検知する、
ことを特徴とする。
本発明の請求項6記載の定着装置は、
導電層を有し、前記導電層が電磁誘導加熱されることで記録媒体にトナーを定着する定着部材と、
前記定着部材との間で前記記録媒体を挟んで搬送する加圧部材と、
前記定着部材に対向配置され、磁界を発生させる磁界発生手段と、
前記加圧部材を回転させることで前記定着部材を従動して回転させる駆動手段と、
前記定着部材の回転数を検知する回転数検知手段と、
前記加圧部材を前記定着部材に対して離間または圧接する状態に移動させる移動手段と、
前記回転数検知手段により検知した前記定着部材の回転数を出力する出力部と、
前記出力部により出力した前記定着部材の回転数に基づき設定された前記駆動手段の回転数を受け付ける取得部と、
を備えた、
ことを特徴とする。
本発明の請求項7に記載のプログラムは、
コンピュータに、
回転検知手段により検知した定着部材の回転数に基づき駆動手段の回転数の決定を行なう回転数決定機能と、
決定された前記駆動手段の回転数の低下率を算出する回転数低下率算出機能と
移動手段が加圧部材を前記定着部材から離間させる機能と、
を実現する、
ことを特徴とする。
本発明の請求項8に記載のプログラムは、
コンピュータに、
回転検知手段により検知した定着部材の回転数に基づき駆動手段の回転数の決定を行なう回転数決定機能と、
決定された前記駆動手段の回転数に基づき記録材の定着部材または加圧部材への巻付きを検知する巻付き検知機能と、
を実現する、
ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、加圧ローラ表面の過剰な温度上昇を抑制し、ホットオフセットの発生を防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、駆動手段の回転数低下を迅速に検出し、加圧部材への不要な熱移動を抑制し、画像形成装置の無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、加圧部材が受ける熱履歴に応じて駆動手段の回転数低下を迅速に検出することができる。
請求項4に記載の発明によれば、定着ベルト及び加圧ローラへの用紙巻付きを検知する専用センサを設けることなく、用紙巻付きを検知することができる。
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、駆動手段の回転上限値及び回転下限値をより容易に決定することができる。
請求項6に記載の発明によれば、ホットオフセットの発生を防止することができる。また、用紙巻付きを検知することができる。
請求項7に記載の発明によれば、加圧ローラ表面の過剰な温度上昇を抑制し、ホットオフセットの発生を防止することができる機能をコンピュータにより実現することができる。
請求項8に記載の発明によれば、定着ベルト及び加圧ローラへの用紙巻付きを検知する専用センサを設けることなく、用紙巻付きを検知することができる機能をコンピュータにより実現することができる。
本実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す断面模式図である。 本実施形態に係る定着装置の断面模式図である。 本実施形態に係る定着装置の用紙の搬入側からみた正面模式図である。 定着装置を構成する定着ベルトの断面層構成図である。 (a)は、定着ベルトの温度が透磁率変化開始温度以下の状態にある場合の感温磁性部材の作用を説明する模式図、(b)は、定着ベルトの温度が透磁率変化開始温度を超える状態にある場合の感温磁性部材の作用を説明する模式図である。 (a)は、通常のジョブ時に予め設定された範囲内で制御される駆動モータの回転数の変化を説明するための模式図、(b)は、定着ベルト又は加圧ローラに用紙が巻付いた場合の駆動モータの回転数の変化を示した模式図である。 第1実施形態に係る画像形成装置1の回転制御部について説明したブロック図である。 第1実施形態に係る画像形成装置1の回転制御部が行なう動作の流れを説明したフローチャートである。 第1実施形態に係る画像形成装置1の回転制御部が行なう動作の変形例を説明したフローチャートである。 第2実施形態に係る画像形成装置1Aの巻付き検知部を備えた回転制御部について説明したブロック図である。 第2実施形態に係る画像形成装置1Aの巻付き検知部を備えた回転制御部が行なう動作の流れを説明したフローチャートである。
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
尚、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする。
(1)画像形成装置の全体構成及び動作
「第1実施形態」
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の内部構成を示す断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、画像形成装置1の全体構成及び動作を説明する。
画像形成装置1は、制御装置10、給紙装置20、感光体ユニット30、現像装置40、転写装置50、定着装置60、とを備えて構成されている。画像形成装置1の上面(Z方向)には、画像が記録された用紙が排出・収容される排出トレイ1aが形成されている。
制御装置10は、画像形成装置1の動作を制御するコントローラ11と、コントローラ11により作動を制御される画像処理部12、電源装置13等を有する。電源装置13は、後述する帯電ローラ32、現像ローラ42、一次転写ローラ52、二次転写ローラ53等に電圧を印加する。
画像処理部12は、外部の情報送信装置(例えばパーソナルコンピュータ等)から入力された印刷情報を潜像形成用の画像情報に変換して予め設定されたタイミングで、駆動信号を露光装置LHに出力する。本実施形態の露光装置LHは、LED(Light Emitting Diode)が線状に配置されたLEDヘッドにより構成されている。
画像形成装置1の底部には、給紙装置20が設けられている。給紙装置20は、用紙積載板21を備え、用紙積載板21の上面には多数の記録媒体としての用紙Pが積載される。用紙積載板21に積載され、規制板(不図示)で幅方向位置が決められた用紙Pは、上側から1枚ずつ用紙引き出し部22により前方(−X方向)に引き出された後、レジストローラ対23のニップ部まで搬送される。
感光体ユニット30は、給紙装置20の上方(Z方向)に、それぞれが並列して設けられ、回転駆動する像保持体としての感光体ドラム31を備えている。感光体ドラム31の回転方向にそって、帯電ローラ32、露光装置LH、現像装置40、一次転写ローラ52、クリーニングブレード34が配置されている。帯電ローラ32には、帯電ローラ32の表面をクリーニングするクリーニングローラ33が対向、接触して配置されている。
現像装置40は、内部に現像剤が収容される現像ハウジング41を有する。現像ハウジング41内には、感光体ドラム31に対向して配置された現像ローラ42と、この現像ローラ42の背面側斜め下方には現像剤を現像ローラ42側へ撹拌搬送する一対のオーガ44、45が配設されている。現像ローラ42には、現像剤の層厚を規制する層規制部材46が近接配置されている。
現像装置40各々は、現像ハウジング41に収容される現像剤を除いて略同様に構成され、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
回転する感光体ドラム31の表面は、帯電ローラ32により帯電され、露光装置LHから出射する潜像形成光により静電潜像が形成される。感光体ドラム31上に形成された静電潜像は現像ローラ42によりトナー像として現像される。
転写装置50は、各感光体ユニット30の感光体ドラム31にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト51、各感光体ユニット30にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト51に順次転写(一次転写)する一次転写ローラ52を備えている。さらに、中間転写ベルト51上に重畳して転写された各色トナー像を記録媒体である用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写ローラ53、とから構成されている。
各感光体ユニット30の感光体ドラム31に形成された各色トナー像は、コントローラ11により制御される電源装置13等から所定の転写電圧が印加された一次転写ローラ52により中間転写ベルト51上に順次静電転写(一次転写)され、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。
中間転写ベルト51上の重畳トナー像は、中間転写ベルト51の移動に伴って二次転写ローラ53が配置された領域(二次転写部T)に搬送される。重畳トナー像が二次転写部Tに搬送されると、そのタイミングに合わせて給紙装置20から用紙Pが二次転写部Tに供給される。そして、二次転写ローラ53には、コントローラ11により制御される電源装置13等から所定の転写電圧が印加され、レジストローラ対23から送り出され、搬送ガイドにより案内された用紙Pに中間転写ベルト51上の多重トナー像が一括転写される。
感光体ドラム31表面の残留トナーは、クリーニングブレード34により除去され、廃トナー収容部(不図示)に回収される。感光体ドラム31の表面は、帯電ローラ32により再帯電される。尚、クリーニングブレード34で除去しきれず帯電ローラ32に付着した残留物は、帯電ローラ32に接触して回転するクリーニングローラ33表面に捕捉され、蓄積される。
定着装置60は一方向へ回転する無端状の定着ベルト61と、定着ベルト61の周面に接し、一方向へ回転する加圧ローラ62と、を有し、定着ベルト61と加圧ローラ62の圧接領域によってニップ部N(定着領域)が形成される。
転写装置50においてトナー像が転写された用紙Pは、トナー像が未定着の状態で搬送ガイドを経由して定着装置60に搬送される。定着装置60に搬送された用紙Pは、一対の定着ベルト61と加圧ローラ62により、圧着と加熱の作用でトナー像が定着される。定着トナー像が形成された用紙Pは、搬送ガイドによってガイドされ、排出ローラ対69から画像形成装置1上面の排出トレイ1aに排出される。
(2)定着装置の構成
図2は、本実施形態に係る画像形成装置1の定着部を構成する定着装置60の断面模式図である。図3は、用紙の搬入側からみた定着装置60の正面模式図である。
定着装置60は、交流磁界を生成する磁界生成部材の一例としてのIH(Induction Heating)ヒータ80、IHヒータ80により電磁誘導加熱されてトナー像を定着する定着部材の一例としての定着ベルト61、定着ベルト61に対向するように配置された加圧部材の一例としての加圧ローラ62と、を備えている。
定着ベルト61の内周側には、定着ベルト61を介して加圧ローラ62から押圧されてニップ部Nを形成する押圧パッド63、押圧パッド63等の構成部材を支持する支持部材の一例としてのホルダ65、IHヒータ80にて生成された交流磁界の作用により電磁誘導されて発熱する伝熱部64と、を備えている。
定着ベルト61の両端部には、定着ベルト61を回転駆動するために、その回転駆動力を伝達するための駆動伝達部材67が設けられている。
また、定着ベルト61と加圧ローラ62とのニップ部Nの用紙Pの搬送方向下流側には、定着ベルト61からの用紙Pの剥離を補助する剥離補助部材70を備えている。
(2・1)定着ベルト
図4は、本実施形態に係る定着装置60を構成する定着ベルト61の断面層構成図である。以下、図2ないし図4を参照しながら定着ベルト61について説明する。
定着ベルト61は、原形が円筒形状の無端のベルト部材で構成され、例えば原形(円筒形状)時の直径が20mm〜50mm、幅方向長が370mmに形成されている。また、定着ベルト61は、基材層611、基材層611の上に積層された導電発熱層612、トナー像の定着性を向上させる弾性層613、最上層に被覆された表面離型層614からなる多層構造のベルト部材である。
基材層611は、薄層の導電発熱層612を支持するとともに、定着ベルト61全体としての機械的強度を形成する耐熱性のシート状部材で構成される。また、基材層611は、IHヒータ80にて生成された交流磁界が感温磁性部材641まで作用するように、磁界を通過させる物性(比透磁率、固有抵抗)を持った材質、厚さで形成される。一方、基材層611自身は、磁界の作用により発熱しないか、または発熱し難く構成される。
具体的には、基材層611として、例えば、厚さ30μm〜200μm、好ましくは50μm〜150μmの非磁性ステンレススチール等の非磁性金属や、厚さ50μm〜200μmの樹脂材料等(例えばポリイミド樹脂)が用いられる。
導電発熱層612は、導電層の一例であって、IHヒータ80にて生成される交流磁界によって電磁誘導加熱される電磁誘導発熱体層であり、IHヒータ80からの交流磁界が厚さ方向に通過することにより、渦電流を発生させる層である。
IHヒータ80により生成される交流磁界の周波数は、例えば、一般的な汎用電源により生成される交流電流の周波数、すなわち20kHz〜100kHzであるため、導電発熱層612は、周波数20kHz〜100kHzの交流磁界が侵入し通過するように構成される。
導電発熱層612に交流磁界が侵入できる領域は、交流磁界が1/eに減衰する領域である「表皮深さ(δ)」として規定され、次の(1)式から導かれる。(1)式において、fは交流磁界の周波数(例えば、20kHz)、ρは固有抵抗値(Ω・m)、μrは比透磁率である。
δ=503(ρ/(f×μr))1/2・・・(1)
そのため、導電発熱層612の厚さは、周波数20k〜100kHzの交流磁界が導電発熱層612を侵入し通過するように、(1)式で規定される導電発熱層612の表皮深さ(δ)よりも薄層に構成される。また、導電発熱層612を構成する材料として、例えば、Au、Ag、Al、Cu、Zn、Sn、Pb、Bi、Be、Sb等の金属や、これらの金属合金が用いられる。
具体的には、導電発熱層612として、厚さ2〜20μm、固有抵抗2.7×10−8Ω・m以下の例えばCu等の非磁性金属(比透磁率が概ね1)が用いられる。
また、定着ベルト61が定着設定温度まで加熱されるまでに要する時間(以下、「ウォームアップタイム」と記す。)を短縮する観点からも、導電発熱層612は、薄層に構成するのが好ましい。
弾性層613は、シリコーンゴム等の耐熱性の弾性体で構成される。定着対象となる用紙Pに保持されるトナー像は、粉体である各色トナーが積層して形成されている。そのため、ニップ部Nにおいてトナー像の全体に均一に熱を供給するには、用紙P上のトナー像の凹凸に倣って定着ベルト61表面が変形することが好ましい。そこで、弾性層613には、例えば厚みが100μm〜600μm、硬度が10°〜30°(JIS−A)のシリコーンゴムが好適である。
表面離型層614は、用紙P上で溶融されたトナーとの接着力を弱めて、用紙Pを定着ベルト61から剥離しやすくするために設けられる。例えば、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン共重合体、またはこれらの複合層等が用いられる。表面離型層614の厚さとしては、耐摩耗性と熱容量とのバランスを考慮し、1μm〜50μmが好適である。
(2.2)加圧ローラ
加圧ローラ62は、例えば、金属製の円筒状の芯材621と、芯材621の外周面に被覆された耐熱性弾性体層622(例えばシリコーンゴム層や、フッ素ゴム層等)と、さらに、必要に応じて、例えばPFA等の耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層623とが積層されて構成される。
加圧ローラ62は移動機構200によって定着ベルト61を介して押圧パッド63に押圧して配置されニップ部Nを形成する。また、移動機構200によって、定着ベルト61の外周面と接離可能に支持されている。定着動作時は、図2矢印B方向に回転し、ニップ部Nに未定着トナー像を保持した用紙Pを通過させることで、熱および圧力を加えて未定着トナー像を用紙Pに定着する。
(2.3)押圧パッド及びホルダ
押圧パッド63は、定着ベルト61を介して加圧ローラ62から押圧される状態で配置され、加圧ローラ62との間でニップ部Nを形成する。
押圧パッド63は、加圧ローラ62から押圧力を受けたときのホルダ65と組み合わせたときの撓み量が許容値以下、具体的には撓み量が0.5mm以下になる材料であれば、特に制限はなく、例えば、シリコーンゴム等やフッ素ゴム等の弾性体や、ガラス繊維強化PPS(ポロフェニレンサルファイド)、フェノール、ポリイミド、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂等を用いることができる。
押圧パッド63を支持するホルダ65は、ホルダ本体65aと、伝熱部64を構成する感温磁性部材641、誘導部材642とを支持するばね部材65bと、で構成され、ニップ部Nにおける長手方向の圧力(ニップ圧)の均一性を維持している。さらに、本実施形態の定着装置60では、電磁誘導を用いて定着ベルト61を加熱する構成を採用していることから、ホルダ本体65aは、誘導磁界に影響を与えないか、または与え難い材料であり、かつ、誘導磁界から影響を受けないか、または受け難い材料で構成される。例えば、ガラス繊維強化PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂や、Al、Cu、Ag等の非磁性金属材料等が用いられる。
また、押圧パッド63は、ニップ部Nの入口側(用紙Pの搬送方向上流側)のプレニップ領域63aと、ニップ部Nの出口側(用紙Pの搬送方向下流側)の剥離ニップ領域63bとで異なるニップ圧が設定されている。
すなわち、プレニップ領域63aでは、加圧ローラ62側の面がほぼ加圧ローラ62の外周面に倣う円弧形状に形成され、均一で幅の広いニップ部Nを形成する。また、剥離ニップ領域63bでは、剥離ニップ領域63bを通過する定着ベルト61の曲率半径が小さくなるように、加圧ローラ62表面から局所的に大きなニップ圧で押圧されるように形成される。
それにより、剥離ニップ領域63bを通過する用紙Pに定着ベルト61表面から離れる方向のカールを形成して、用紙Pに対する定着ベルト61表面からの剥離を促進させている。
(2.4)剥離補助手段
本実施形態では、押圧パッド63による剥離の補助手段として、ニップ部Nの下流側に、剥離補助部材70を配置している。剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト61の回転移動方向と対向する向きに定着ベルト61と近接する状態で支持板72によって支持される。そして、押圧パッド63の出口にて用紙Pに形成されたカール部分を剥離バッフル71により支持することで、用紙Pが定着ベルト61方向に向かうことを抑制する。
(2.5)IHヒータ
続いて、定着ベルト61の導電発熱層612に交流磁界を作用させて電磁誘導加熱するIHヒータ80について図2を参照しながら説明する。
図2に示したように、IHヒータ80は、定着ベルト61の外周面に倣った形状に構成され、定着ベルト61を介して伝熱部64と対向して配置されている。
IHヒータ80は、例えば耐熱性樹脂等の非磁性体から構成される支持体81、交流磁界を発生する励磁コイル82、励磁コイル82を支持体81上に固定する弾性支持部材83、定着ベルト61の幅方向に沿って複数配置され、励磁コイル82で生成された交流磁界の磁路を形成する磁心84と、を備えている。
さらに、磁界を遮蔽するシールド85、磁心84を支持体81側に加圧する加圧部材86、励磁コイル82に交流電流(電力)を供給する励磁回路88を備えている。
支持体81は、断面が定着ベルト61の外周面に倣った形状で形成され、定着ベルト61の外周面と予め定めた間隙(例えば、0.5mm〜2mm)を保つように形成されている。
支持体81を構成する材質としては、例えば、耐熱ガラス、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂、またはこれらにガラス繊維を混合した耐熱性樹脂等の耐熱性のある非磁性材料が用いられる。
励磁コイル82は、相互に絶縁された例えば直径0.17mmの銅線材を例えば90本束ねたリッツ線が長円形状や楕円形状、長方形状等の中空きの閉ループ状に巻かれて構成される。そして、励磁コイル82に励磁回路88から、汎用電源により生成される20k〜100kHzの交流電流が供給されることにより、励磁コイル82の周囲には、交流磁界が生成される。
弾性支持部材83は、例えばシリコーンゴム等やフッ素ゴム等の弾性体で構成されたシート状部材であり、励磁コイル82を支持体81に対して押圧し、励磁コイル82が支持体81の支持面81aに密着して固定されるように設定されている。
磁心84は、励磁コイル82にて生成された交流磁界による磁力線(磁束)を内部に誘導し、磁心84から定着ベルト61を横切って感温磁性部材641方向に向かい、感温磁性部材641の中を通過して磁心84に戻るといった磁力線の通路(磁路)を形成する。それにより、励磁コイル82にて生成された交流磁界の磁力線が定着ベルト61の磁心84と対向する領域に集中される。
磁心84は、渦電流損を小さくする形態(スリット等による電流経路遮断や分断化、薄板束ね等)での使用が望ましく、ヒステリシス損の小さい材料で形成されることが望ましい。具体的には、例えば焼成フェライト、フェライト樹脂、非晶質合金(アモルファス合金)、やパーマロイ、感温磁性合金等の高透磁率の酸化物や合金材質で構成される円弧形状の強磁性体が用いられる。
定着ベルト61の回転方向に沿った磁心84の長さは、感温磁性部材641の定着ベルト61の回転方向に沿った長さよりも小さく構成される。それにより、磁力線のIHヒータ80周辺への漏洩が減り、力率が向上する。さらには、定着ユニットを構成する金属製部材への電磁誘導を抑え、定着ベルト61(導電発熱層612)での発熱効率を高める。
(2.6)伝熱部
伝熱部64は、感温磁性部材641及び誘導部材642を、定着ベルト61の内周面側から定着ベルト61の中心軸O1に向かってこの順に積層してなる。伝熱部64は、ホルダ65のばね部材65bにより、ホルダ本体65aとは非接触で定着ベルト61を円筒形状に維持させつつ、非押圧で定着ベルト61の内周面に接して配置されている。
感温磁性部材641は、定着ベルト61の内周面に倣った円弧形状(円弧形状部)で形成され、定着ベルト61の内周面に接するとともにIHヒータ80に定着ベルト61を介して対向して配置される。
また、感温磁性部材641は、その磁気特性の透磁率が急変する温度である「透磁率変化開始温度」(後段参照)が定着設定温度以上であって、定着ベルト61の弾性層613や表面離型層614の耐熱温度よりも低い温度範囲内に設定された材質で構成される。
従って、強磁性を呈する透磁率変化開始温度以下の温度範囲においては、IHヒータ80にて生成された磁力線は、感温磁性部材641の内部を感温磁性部材641の形状に沿って通過する磁路を形成する(図5(a)参照)。
一方、透磁率変化開始温度を超える温度範囲においては、IHヒータ80にて生成された磁力線は、感温磁性部材641の厚さ方向に横切るように透過し、誘導部材642の内部を通過してIHヒータ80に戻る磁路を形成する(図5(b)参照)。
なお、ここでの「透磁率変化開始温度」とは、透磁率(例えば、JIS C2531で測定される透磁率)が連続的に低下を開始する温度であり、磁性が消失する温度であるキュリー点に近い温度となるが、キュリー点とは異なる概念を有するものである。
感温磁性部材641に用いる材質として、具体的には、透磁率変化開始温度が定着設定温度(例えば140°C〜240°C)の範囲内に設定された、例えばFe−Ni合金(パーマロイ)等の二元系感温磁性合金やFe−Ni−Cr合金等の三元系の感温磁性合金等が用いられる。このようなパーマロイや感温磁性合金等の金属合金等は、成型性や加工性に優れ、伝熱性も高く安価である等の理由から、感温磁性部材641に適する。その他の材質としては、Fe、Ni、Si、B、Nb、Cu、Zr、Co、Cr、V、Mn、Mo等からなる金属合金が用いられる。
また、感温磁性部材641は、IHヒータ80により生成された交流磁界(磁力線)に対する表皮深さδ(上記(1)式参照)よりも大きい厚さで形成される。具体的には、例えばFe−Ni合金を用いた場合には50μm〜300μm程度に設定される。
誘導部材642は、定着ベルト61に比べて熱容量が大きく、定着ベルト61や感温磁性部材641で発生した熱を蓄熱する。そのために、誘導部材642は、例えばAg、Cu、Alといった固有抵抗値が比較的小さい非磁性金属で構成される。
そして、感温磁性部材641が透磁率変化開始温度以上の温度に上昇した際に、IHヒータ80により生成された交流磁界(磁力線)を誘導して、定着ベルト61の導電発熱層612よりも渦電流Iが発生し易い状態を形成する。そのために、誘導部材642は、渦電流Iが流れ易いように、表皮深さδ(上記(1)式参照)よりも充分に厚い予め定めた厚さ(例えば、1.0mm)で形成される。
尚、上述した伝熱部64は、感温磁性部材641及び誘導部材642を、定着ベルト61の内周面側から定着ベルト61の中心軸O1に向かってこの順に積層し、非押圧で定着ベルト61の内周面に接して配置されている場合について説明したが、感温磁性部材641は、定着ベルト61の内周面とは予め定めた間隙(例えば、0.5mmないし1.5mm)を有するように非接触で近接させて配置されても良い。
感温磁性部材641が非接触で近接させて配置された場合、画像形成装置1の電源が起動され、定着ベルト61が予め設定された定着設定温度まで加熱される際に、定着ベルト61の熱が感温磁性部材641に流入するのを抑制し、ウォームアップタイムの短縮を図ることができる。
(2・5)定着装置の駆動手段
続いて図3を参照しながら本実施形態の定着装置60における、加圧ローラ62と定着ベルト61の駆動機構について説明する。
定着装置60は移動機構200を備え、加圧ローラ62は、定着を行なうときには定着ベルト61の外周面に圧接することでニップ部Nを形成し、定着を行なわないときには定着ベルト61から離間するように、移動機構200により支持されている。
定着動作前の待機時には、移動機構200によって、加圧ローラ62は定着ベルト61から離間したウォームアップ位置に置かれ、加圧ローラ62は定着ベルト61とは物理的に接触しない状態(ラッチOFF)になる。
図3に示すように、定着装置60では、駆動手段の一例としての駆動モータ90からの回転駆動力が、回転軸91に固定された伝達ギヤ92と、伝達ギヤ93、94、95、96を介してシャフト97に伝達され、加圧ローラ62が回転駆動される(図2矢印D参照)。
また、駆動モータ90からの回転駆動力は、回転軸91に伝達ギヤ92と同軸に固定された伝達ギヤ101と、回転伝達制限部材の一例としてのワンウェイクラッチ102を介してシャフト103に伝達され、シャフト103に結合された伝達ギヤ104、105から定着ベルト61の軸方向両端部に配された駆動伝達部材67のギヤ部67bに直接伝達され、定着ベルト61が回転駆動される(図2矢印A参照)。
次に、定着装置60は、定着動作時には、移動機構200によって、加圧ローラ62が定着ベルト61に圧接した状態(ラッチON)に置かれる。このとき、ワンウェイクラッチ102が作動し、駆動モータ90からシャフト97への回転駆動力の伝達が停止する。そして、定着ベルト61は加圧ローラ62を回転駆動させることで従動して回転する。
(3)定着装置の作用・効果
(3.1)定着装置の動作
次に、本実施形態に係る定着装置60の動作について説明する。
まず、定着装置60では、例えば画像形成装置1におけるトナー画像形成動作が開始されるとともに、定着ベルト61と加圧ローラ62とが離間した状態(ラッチOFF)で、駆動モータ90により駆動伝達部材67が回転駆動され、これに伴い定着ベルト61が回転駆動される(図2矢印A参照)。
この定着ベルト61の回転駆動がなされるとともに、励磁回路88からIHヒータ80を構成する励磁コイル82に交流電流が供給される。励磁コイル82に交流電流が供給されると、励磁コイル82の周囲に磁束(磁界)が生成消滅を繰り返す。この磁束(磁界)が感温磁性部材641を横切るとき、その磁界の変化を妨げる磁界が生じるように、感温磁性部材641に渦電流が発生し、感温磁性部材641の表皮抵抗及び感温磁性部材641を流れる電流の大きさの二乗に比例して発熱する。
ここで、定着ベルト61はCu等の非磁性金属(比透磁率が概ね1)からなる導電発熱層612を有し、定着ベルト61は磁束(磁界)が貫通するとともに、当該磁束(磁界)の作用によって導電発熱層612が発熱する。
そして、感温磁性部材641は、定着ベルト61の内周面に擦られながら定着ベルト61を加熱する。これにより、定着ベルト61は、例えば10秒程度で設定温度(例えば150℃)まで加熱される。
次に、定着ベルト61に対し加圧ローラ62を押圧した状態(ラッチON)で、定着装置60に送り込まれた用紙Pが定着ベルト61と加圧ローラ62との間のニップ部Nに送り込まれ、感温磁性部材641により加熱された定着ベルト61と加圧ローラ62とによって加熱押圧され、トナー画像が用紙P表面に定着される。
用紙Pは、定着ベルト61と加圧ローラ62とのニップ部Nから送り出されたとき、定着ベルト61表面から剥離する。
(3.2)定着装置の作用
図3、図6を参照しながら、本実施形態に係る定着装置60の作用について説明する。
図6(a)は、通常のジョブ時に予め設定された範囲内で制御される駆動モータ90の回転数の変化を説明するための模式図である。
本実施形態の定着装置60は、定着ベルト61の内面でIHヒータ80に対向して、温度検知手段の一例である温度センサ110を備え、定着ベルト61の温度を検知する。また回転検知手段の一例である回転検知計107を備え、定着ベルト61の回転数を検知する。
そして温度センサ110により検知された定着ベルト61の温度及び回転検知計107により検知された定着ベルト61の回転数は、温度・回転数出力部901から画像形成装置1の制御装置10(図1参照)に備えられた回転制御部300(図7参照)に出力される。
定着装置60は、駆動モータ90の設定回転数取得部902を備え、回転制御部300から、温度・回転数出力部901により出力した定着ベルト61の回転数及び定着ベルト61の温度を基にして決定された加圧ローラ62の回転数と対応した駆動モータ90の設定回転数を受け付ける。
そして、駆動モータ90の設定回転数は、設定回転数取得部902からモータドライバ910に送られ、モータドライバ910により駆動モータ90の回転が制御される。
また、移動機構200は、駆動源としてのラッチモータ201、回転軸202、伝達ギヤ203、204、シャフト205、及びシャフト205に偏心カム206と、を備えている。そして偏心カム206の回転により加圧ローラ62が上下方向(X方向)に移動し、定着ベルト61との間で圧接もしくは離間の動作を行なう。
また移動機構200は、圧接(離間)指示取得部207を備えている。制御装置10からの圧接(離間)指示を受けた圧接(離間)指示取得部207は、モータドライバ210を介してラッチモータ201の動作を制御する。
ここで、加圧ローラ62は、上述したように芯材621の外周面に、耐熱性弾性体層622及び耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層623を積層して構成されている(図2参照)ため、加熱により熱膨張する。
そのため加圧ローラ62は、加圧ローラ62の回転数が一定の場合、外径の変化に対応して加圧ローラ62外周面の線速度が変化する。その結果、加圧ローラ62が定着ベルト61に圧接した状態(ラッチON)では、上述の通り定着ベルト61は、加圧ローラ62の回転駆動により従動回転しているため、定着ベルト61の回転速度、つまり回転数が変化する。
そこで、回転制御部300から、定着ベルト61の回転数および定着ベルト61の温度を基にして決定された加圧ローラ62の回転数と対応した駆動モータ90の設定回転数が、設定回転数取得部902を介して、モータドライバ910に送られ、モータドライバ910により駆動モータ90の回転が制御される。その結果、通常のジョブにおいては、駆動モータ90の回転は、予め設定された範囲内に維持される(図6(a)参照)。
一方、例えば、印刷ジョブ中の画像形成装置1のセットアップサイクルや、画像処理部12における画像情報変換処理、画像形成動作の前処理及び後処理において、用紙Pが定着装置60のニップ部Nを通過しない状態で回転が継続される(以下、「加熱空回転」と記す。)と、用紙Pに熱量が奪われず所定の温度に高温制御された定着ベルト61から直接加圧ローラ62へ熱移動が発生し、通常のジョブ時に比較して、加圧ローラ62は過剰に温度上昇する。
この状態で、転写装置50においてトナー像が転写された用紙Pが定着装置60のニップ部Nに送り込まれると、用紙P上の一部のトナーが定着ベルト61の表面に転移(ホットオフセット)し、そのホットオフセットしたトナーがその後の一対の定着ベルト61と加圧ローラ62の回転により、加圧ローラ62表面に堆積する。この状態で画像形成装置1の使用を継続すると、加圧ローラ62の表面に堆積したトナーが、用紙Pの表裏面に付着して、画像品質が悪化することがある。
加熱空回転時には、加圧ローラ62には熱量が蓄積され、通常のジョブ時に比較して、熱膨張により加圧ローラ62の外径が増加し、加圧ローラ62の線速度は速くなる。その結果、回転検知計107により検出される定着ベルト61の回転数は通常のジョブに比較してより大きくなる。
そのために、回転制御部300は、通常のジョブ時に比較して加圧ローラ62の設定回転数を減少させ、新たな駆動モータ90の設定回転数がモータドライバ910に送られ、駆動モータ90の回転数は低下する(図6(a)参照)。
また、本実施形態に係る画像形成装置1は、駆動モータ90の回転数低下率の算出手段を備え、現在の駆動モータ90の回転数低下率と通常のジョブ時の予め設定された回転数低下率とを比較する。
その結果、現在の駆動モータ90の回転数低下率が予め設定された回転数低下率よりも大きいと判断された場合(加熱空回転)、制御装置10は、移動機構200の圧接(離間)指示取得部207へ離間指示を送る。離間指示を受けた圧接(離間)指示取得部207は、モータドライバ210を介してラッチモータ201の駆動を制御する。
すなわち、移動機構200によって、加圧ローラ62は定着ベルト61から離間したウォームアップ位置に置かれ、加圧ローラ62は定着ベルト61とは物理的に接触しない状態(ラッチOFF)になる。
その後、加圧ローラ62には、定着ベルト61からの熱移動がなくなり、加圧ローラ62の過剰な温度上昇が抑制される。
(3.3)画像形成装置及び定着装置の制御・動作
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る画像形成装置1及び定着装置60の制御・動作について詳細に説明を行なう。
図7は、加圧ローラ62の温度変化によりその外径に変化が生じていても、定着ベルト61を規定回転数で回転させる制御を行なう回転制御部300について説明したブロック図である。図8は、回転制御部300が行なう動作の流れを説明したフローチャートである。
本実施形態において回転制御部300は、画像形成装置1全体の制御を行なう制御装置10の一部を構成している。
温度・回転数取得部301は、定着装置60の温度・回転数出力部901から定着ベルト61の温度及び回転数を取得する。
演算部302は、設定回転数算出部302aと回転数低下率算出部302bとからなる。設定回転数算出部302aは、温度・回転数取得部301を介して取得された定着ベルト61の温度及び回転数から、定着ベルト61の回転数を規定回転数に制御するために決定された加圧ローラ62の回転数と対応した駆動モータ90の設定回転数を算出する。
回転数低下率算出部302bは、駆動モータ90の回転数低下率を算出し、予め設定された通常のジョブ時の回転数低下率と比較する。
記憶部303は、演算部302が必要とするデータを記憶する。
データ取得部304は、記憶部303が記憶するデータを取得し、時間計測部305は、回転制御部300が予め定められた制御を行なうためのタイミングを計測する。
回転数出力部306は、設定回転数算出部302aにより算出された加圧ローラ62の設定回転数を定着装置60の設定回転数取得部902に出力する。
また、制御装置10は画像形成の開始や停止の指示を取得する画像形成開始(停止)指示取得部307、加圧ローラ62の移動機構200を制御し加圧ローラ62の圧接(離間)の指示を定着装置60の圧接(離間)指示取得部207に出力する移動機構制御部308と、を備える。
回転制御部300は、定着装置60の運転中において、加圧ローラ62の温度変化により加圧ローラ62の外径が変化しても、定着ベルト61の回転数が不安定となるのを抑制するための制御を行なう。
具体的には、加圧ローラ62の回転数に対応した駆動モータ90の回転数を段階的に減少させ、駆動モータ90の回転数が正常範囲内に収まるように制御を行なっている(図7(a)参照)。
一方、定着装置60内の温度は、通常一定の温度以上には上昇せず、加圧ローラ62の温度も一定の温度以上には上昇しないため加圧ローラ62の熱膨張による外径の増大には上限が存在する。
そのために、この上限の加圧ローラ62の外径に対応した駆動モータ90の回転数の最小値、即ち回転下限値が存在する。回転下限値(Rml)は、熱膨張により増大する加圧ローラ62の径の値に対応して定められ記憶部303に記憶されている。
また、駆動モータ90の回転数の最大値、即ち回転上限値(Rmu)は、画像形成装置1の印刷速度に応じて、所望の定着処理が行われる範囲内で設定され記憶部303に記憶されている。
回転制御部300の温度・回転数取得部301が、定着装置60の温度・回転数出力部901から定着ベルト61の現在の回転数を回転検知計107の信号として取得(S111)し、第1の回転数(Rb1)として記憶部303に記憶する。
次に、設定回転数算出部302aは、定着ベルト61の第1の回転数(Rb1)から定着ベルト61の回転数を予め定められた規定回転数に制御するための駆動モータ90の回転数を算出し、駆動モータ90の第1の回転数(Rm1)として記憶部303に記憶する(S112)。
駆動モータ90の第1の回転数(Rm1)は、設定回転数取得部902を介してモータドライバ910に送られ、モータドライバ910により駆動モータ90の回転が制御される(S113)。
続いて、温度・回転数取得部301は、時間計測部305から受け取った、予め定められたサンプリング周期(Δt:本実施形態においては、例えば20msec)で再度定着ベルト61の現在の回転数を取得(S114)し、第2の回転数(Rb2)としては記憶部303に記憶する。
次に、設定回転数算出部302aは、定着ベルト61の第2の回転数(Rb2)から定着ベルト61の回転数を予め定められた規定回転数に制御するための駆動モータ90の回転数を算出し、駆動モータ90の第2の回転数(Rm2)として記憶部303に記憶する(S115)。
駆動モータ90の第2の回転数(Rm2)は、設定回転数取得部902を介してモータドライバ910に送られ、モータドライバ910により駆動モータ90の回転が制御される(S116)。
そして、回転数低下率算出部302bは、データ取得部304を介して記憶部303に記憶された駆動モータ90の第1の回転数(Rm1)及び第2の回転数(Rm2)を取得し、第1の回転数(Rm1)と第2の回転数(Rm2)の差分から、サンプリング周期の期間(Δt)における駆動モータ90の回転数低下率(DRm1)を算出する(S117)。
また、回転数低下率算出部302bは、記憶部303に記憶されている予め設定された通常のジョブ時の駆動モータ90の回転数低下率(DRm0)をデータ取得部304を介して取得する(S118)。
その後、回転数低下率算出部302bはS118で算出された駆動モータ90の回転数低下率(DRm1)と、通常のジョブ時の駆動モータ90の回転数低下率(DRm0)とを比較する(S119)。
その結果、算出された駆動モータ90の回転数低下率(DRm1)が予め設定された通常のジョブ時の駆動モータ90の回転数低下率(DRm0)よりも大きい場合(ステップ119 Yes)、加熱空回転であると判断し、移動機構制御部308は、移動機構200の圧接(離間)指示取得部207へ離間指示を送る(ステップ120)。
離間指示を受けた圧接(離間)指示取得部207は、モータドライバ210を介してラッチモータ201の駆動を制御する(ステップ121)。
すなわち、移動機構200によって、加圧ローラ62は定着ベルト61から離間したウォームアップ位置に置かれ、加圧ローラ62は定着ベルト61とは物理的に接触しない状態(ラッチOFF)になる。
次に、回転制御部300の温度・回転数取得部301は、定着装置60の温度・回転数出力部901から定着ベルト61の現在の定着ベルト61の温度(T1)を温度センサ110の信号として取得(S122)し、現在の定着ベルト61の温度(T1)は記憶部303に記憶される。
演算部302は、現在の定着ベルト61の温度(T1)を予め設定された定着ベルト61の設定温度(T0)の上限値と比較し(S123)、上限値を超えていた場合(S123 No)ラッチOFF状態を維持し、上限値以下(S123 Yes)であれば印刷ジョブの終了まで定着動作が継続される。
尚、算出された駆動モータ90の回転数低下率(DRm1)が予め設定された通常のジョブ時の駆動モータ90の回転数低下率(DRm0)よりも大きくない場合(ステップ119 No)は、通常のジョブ時であると判断し、印刷ジョブの終了まで定着動作が継続される。
以上の一連の制御により、加熱空回転時において、通常ジョブ時に比較して加圧ローラ62が過剰に温度上昇した場合、移動機構200によって加圧ローラ62は定着ベルト61から離間したウォームアップ位置に置かれ、加圧ローラ62への不要な熱移動を抑制することができる。
その結果、画像形成装置1の無駄なエネルギー消費を抑えるとともに、ホットオフセット及び加圧ローラ62表面へのトナーの堆積を防止することができる。
「変形例」
図9は、本実施形態に係る画像形成装置1の回転制御部300が行なう動作の変形例を説明したフローチャートである。
回転数低下率算出部302bが加熱空回転であると判断する場合に参照する記憶部303に記憶されている予め設定された駆動モータ90の回転数低下率を、加圧ローラ62が受ける熱履歴に応じて設定することもできる。
加圧ローラ62は、印刷ジョブの履歴、例えば前回の印刷ジョブでの通紙枚数や複数の印刷ジョブ間の休止時間に応じて受ける熱履歴が異なる。
例えば前回の印刷ジョブにおいて連続して多枚数の定着が行われると、定着ベルト61は熱容量が低いためにほとんど外径が変化しないが、加圧ローラ62は熱膨張によって外径が拡大することになる。
また、前回の印刷ジョブから一定の時間が経過して次回の印刷ジョブが開始される場合には、加熱空回転時間に応じて、加圧ローラ62の熱膨張後の外径が異なる。
加圧ローラ62が受ける熱履歴に応じて、記憶部303には予め定められた加圧ローラ外径に対応した駆動モータ90の複数の回転数低下率(DRpn:nは自然数)が記憶されている。
回転数低下率算出部302bは、サンプリング周期の期間における駆動モータ90の回転数低下率(DRm1)を算出し(S217)、記憶部303に記憶されている加圧ローラ62が受ける熱履歴に対応した駆動モータ90の複数の回転数低下率(DRmn:nは自然数)をデータ取得部304を介して取得する(S218)。
その後、回転数低下率算出部302bはS217で算出された駆動モータ90の回転数低下率(DRm1)と、予め定められた加圧ローラ外径に対応した駆動モータ90の複数の回転数低下率(DRmn:nは自然数)とを比較する(S219)。
その結果、算出された回転数低下率(DRm1)が予め定められた加圧ローラ外径に対応した駆動モータ90の複数の回転数低下率(DRmn:nは自然数)のいずれかよりも大きい場合(ステップ219 Yes)、移動機構制御部308は、移動機構200の圧接(離間)指示取得部207へ離間指示を送る(ステップ220)。
離間指示を受けた圧接(離間)指示取得部207は、モータドライバ210を介してラッチモータ201の駆動を制御する(ステップ221)。
すなわち、移動機構200によって、加圧ローラ62は定着ベルト61から離間したウォームアップ位置に置かれ、加圧ローラ62は定着ベルト61とは物理的に接触しない状態(ラッチOFF)になり、制御装置10は、次の用紙送り指令が入力されるまで、ラッチOFF状態を維持する。
以上の制御により、画像形成装置1の印刷ジョブ履歴に応じて、移動機構200によって、加圧ローラ62は定着ベルト61から離間したウォームアップ位置に置かれ、加圧ローラ62への不要な熱移動を抑制することができる。
その結果、画像形成装置1の無駄なエネルギー消費を抑えるとともに、ホットオフセット及び加圧ローラ62表面へのトナーの堆積を防止することができる。
「第2実施形態」
第2実施形態に係る画像形成装置1Aの構成は、上記第1実施形態に係る画像形成装置1と同一であり、回転制御部300が用紙巻付きを検出し、画像生成装置1Aの使用者に用紙巻付きを知らせる点で異なる。従って、第1実施形態に係る画像形成装置1と共通の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6(b)は、定着ベルト61又は加圧ローラ62に用紙Pが巻付いた場合の駆動モータ90の回転数の変化を示した模式図である。
ここで、定着装置60の定着動作中に加圧ローラ62に用紙Pが巻付く場合がある。定着装置60は、温度センサ110を定着ベルト61の内周面に備えて定着ベルト61の温度を検知しているために、例えば用紙Pが定着ベルト61の表面に巻付いた場合、用紙Pの巻付を判別することができない。
一方、用紙Pが加圧ローラ62に巻付いた場合、その用紙を除去しなくても一般には定着装置60は定着を継続することができる。
しかるに、定着ベルト61や加圧ローラ62の表面に用紙Pが巻付くと、用紙Pにより凹凸が生じるため定着画像に乱れが生じる。また紙しわが発生したり、異音が生じる場合もある。そのため用紙Pが定着ベルト61や加圧ローラ62に巻付いた場合は、その発生を迅速に検知し、画像形成装置1Aを停止させ画像形成装置1Aの使用者に対し警告を発信する等の処置が必要となる。
本実施形態においては、算出した駆動モータ90の回転数に基づき用紙Pの定着ベルト61又は加圧ローラ62への巻付きを検知する巻付き検知部302cを画像形成装置1Aの制御装置10に設けることでこの問題を解決する。
巻付き検知部302cは、演算部302Aの一部として構成されている。
以下、本実施形態に係る巻付き検知部302cの動作について図面を参照しながら詳細に説明する。
図10は、巻付き検知部302cを備えた回転制御部300Aについて説明したブロック図である。
図11は、巻付き検知部302cを備えた回転制御部300Aが行なう動作の流れを説明したフローチャートである。
定着ベルト61に用紙Pが完全に巻付くと、定着ベルト61の外径は巻付いた用紙の厚み分だけ大きくなる。定着ベルト61は、加圧ローラ62から駆動力を受けて従動回転しているために、加圧ローラ62が通常のジョブ時に設定された回転数で駆動された場合、定着ベルト61の見掛け上の周長が長くなり、回転検知計107からの定着ベルト61の回転数は通常時よりも過小に出力される。
また、加圧ローラ62に用紙Pが完全に巻付くと、加圧ローラ62の外径は巻付いた用紙の厚み分だけ大きくなる。定着ベルト61は、加圧ローラ62から駆動力を受けて従動回転しているために、加圧ローラ62が通常のジョブ時に設定された回転数で駆動された場合、加圧ローラ62の外径が巻付いた用紙の厚み分だけ大きくなっているために、回転検知計107からの定着ベルト61の回転数は通常時よりも過大に出力される。
回転制御部300Aの温度・回転数取得部301は、定着装置60の温度・回転数出力部901から定着ベルト61の現在の回転数(Rb1)を回転検知計107の信号として取得(S311)し記憶部303に記憶される。
次に、設定回転数算出部302aは、取得された定着ベルト61の現在の回転数(Rb1)から定着ベルト61の回転数を予め定められた規定回転数に制御するための駆動モータ90の回転数(Rm1)を算出し、算出された駆動モータ90の回転数(Rm1)は記憶部303に記憶される(S312)。
駆動モータ90の回転数(Rm1)は、設定回転数取得部902を介してモータドライバ910に送られ、モータドライバ910により駆動モータ90の回転が制御される(S313)。
巻付き検知部302cは、記憶部303に記憶されている予め設定された通常のジョブ時の駆動モータ90の回転上限値(Rmu)及び回転下限値(Rml)をデータ取得部304を介して取得(S314)し、S313で設定された駆動モータ90の回転数(Rm1)とを比較する(S315)。
その結果、設定された駆動モータ90の回転数(Rm1)が予め設定された通常のジョブ時の駆動モータ90の回転上限値(Rmu)よりも大きい場合(ステップ315 Yes)、画像形成装置1Aを停止させ(S316)、画像形成装置1Aの使用者に対し警告を発信する(S317)。例えば画像形成装置1Aの操作表示部(図1不図示)にその旨を表示することができる。
設定された駆動モータ90の回転数(Rm1)が予め設定された通常のジョブ時の駆動モータ90の回転上限値(Rmu)よりも大きくなかった場合(ステップ315 No)、巻付き検知部302cは、データ取得部304を介して取得した予め設定された通常のジョブ時の駆動モータ90の回転下限値(Rml)と、S313で設定された駆動モータ90の回転数(Rm1)とを比較する(S318)。
その結果、設定された駆動モータ90の回転数(Rm1)が予め設定された通常のジョブ時の駆動モータ90の回転下限値(Rml)よりも小さい場合(ステップ317 Yes)、画像形成装置1Aを停止させ、画像形成装置1Aの使用者に対し警告を発信する(S316)。
尚、設定された駆動モータ90の回転数(Rm1)が予め設定された通常のジョブ時の駆動モータ90の回転下限値(Rml)よりも小さくなかった場合(ステップ317 No)は、通常のジョブ時であると判断し印刷ジョブの終了まで定着動作が継続される。
以上の制御により、画像形成装置1Aは、定着ベルト61及び加圧ローラ62への用紙巻付きを検知する専用センサを設けることなく用紙巻付きを検知することができる。
「変形例」
尚、上述した実施形態では、駆動モータ90の設定された回転数(Rm1)と、予め設定された通常のジョブ時の駆動モータ90の回転上限値(Rmu)又は回転下限値(Rml)とを比較することで巻付き検知を行なっていたが、これに限られるものではない。
用紙Pが定着ベルト61又は加圧ローラ62に巻付いたときには、定着ベルト61又は加圧ローラ62の見かけ上の外径が急速に増加するために、演算部302Aの設定回転数算出部302aにより算出される駆動モータ90の回転数が急速に減少することになる。従って、例えば駆動モータ90の一定のサンプリング期間における回転数低下率が一定以上となった場合、用紙Pが定着ベルト61又は加圧ローラ62に巻付いたと判断して巻付き検知を行なってもよい。
1、1A・・・画像形成装置
10・・・制御装置
20・・・給紙装置
30・・・感光体ユニット
40・・・現像装置
50・・・転写装置
60・・・定着装置
61・・・定着ベルト
62・・・加圧ローラ
63・・・押圧パッド
64・・・伝熱部
641・・・感温磁性部材
642・・・蓄熱部材
65・・・ホルダ
67・・・駆動伝達部材
70・・・剥離補助部材
80・・・IHヒータ
81・・・支持体
82・・・励磁コイル
84・・・磁心
90・・・駆動モータ
901・・・温度・回転数出力部
902・・・設定回転数取得部
107・・・回転検知計
200・・・移動機構
207・・・圧接(離間)指示取得部
300、300A・・・回転制御部
301・・・温度・回転数取得部
302、302A・・・演算部
302a・・・設定回転数算出部
302b・・・回転数低下率算出部
302c・・・巻付き検知部
303・・・記憶部
304・・・データ取得部
305・・・時間計測部
306・・・回転数出力部
307・・・画像形成開始(停止)指示取得部
308・・・移動機構制御部
P・・・用紙
N・・・ニップ部

Claims (8)

  1. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    記録媒体にトナーを定着する定着部材と、
    前記定着部材との間で前記記録媒体を挟んで搬送する加圧部材と、
    前記加圧部材を回転させることで前記定着部材を従動して回転させる駆動手段と、
    前記定着部材の回転数を検知する回転数検知手段と、を備える定着装置と、
    前記回転数検知手段により検知された前記定着部材の回転数に基づき前記駆動手段の回転数を決定する回転数決定手段と、
    前記回転数決定手段により決定された回転数が予め定められた回転数とならない場合、前記駆動手段を停止させる停止手段と、
    を備えた、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    記録媒体にトナーを定着する定着部材と、
    前記定着部材との間で前記記録媒体を挟んで搬送する加圧部材と、
    前記加圧部材を回転させることで前記定着部材を従動して回転させる駆動手段と、
    前記定着部材の回転数を検知する回転数検知手段と、
    を備える定着装置と、
    前記回転数検知手段により検知された前記定着部材の回転数に基づき前記駆動手段の回転数を決定する回転数決定手段と、
    前記回転数決定手段により決定された前記駆動手段の第1の回転数と、予め定められた時間経過後に決定された前記駆動手段の第2の回転数から、前記駆動手段の回転数の低下率を算出する回転数低下率算出手段と、
    前記回転数低下率算出手段により算出された回転数低下率が予め定められた低下率より高い場合、前記加圧部材を前記定着部材に対して離間させる離間手段と、
    を備えた、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  3. 予め設定された前記駆動手段の回転数の低下率が、前記加圧部材が受ける熱履歴に応じて変化する加圧部材の外径に対応して定められる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    導電層を有し前記導電層が電磁誘導加熱されることで記録媒体にトナーを定着する定着部材と、
    前記定着部材との間で前記記録媒体を挟んで搬送する加圧部材と、
    前記定着部材に対向配置され、磁界を発生させる磁界発生手段と、
    前記加圧部材を回転させることで前記定着部材を従動して回転させる駆動手段と、
    前記定着部材の回転数を検知する回転数検知手段と、
    前記加圧部材を前記定着部材に対して離間または圧接する状態に移動させる移動手段と、を備える定着装置と、
    前記回転数検知手段により検知された前記定着部材の回転数に基づき前記駆動手段の回転数を決定する回転数決定手段と、
    前記回転数決定手段により決定された前記駆動手段の回転数に基づき前記記録媒体の前記定着部材または前記加圧部材への巻付きを検知する巻付き検知手段と、
    を備えた、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記巻付き検知手段が、前記回転数決定手段により決定された前記駆動手段の回転数と予め定められた回転上限値又は回転下限値とを比較することで前記記録媒体の前記定着部材または前記加圧部材への巻付きを検知する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 導電層を有し、前記導電層が電磁誘導加熱されることで記録媒体にトナーを定着する定着部材と、
    前記定着部材との間で前記記録媒体を挟んで搬送する加圧部材と、
    前記定着部材に対向配置され、磁界を発生させる磁界発生手段と、
    前記加圧部材を回転させることで前記定着部材を従動して回転させる駆動手段と、
    前記定着部材の回転数を検知する回転数検知手段と、
    前記加圧部材を前記定着部材に対して離間または圧接する状態に移動させる移動手段と、
    前記回転数検知手段により検知した前記定着部材の回転数を出力する出力部と、
    前記出力部により出力した前記定着部材の回転数に基づき設定された前記駆動手段の回転数を受け付ける取得部と、
    を備えた、
    ことを特徴とする定着装置。
  7. コンピュータに、
    回転検知手段により検知した定着部材の回転数に基づき駆動手段の回転数の決定を行なう回転数決定機能と、
    決定された前記駆動手段の回転数の低下率を算出する回転数低下率算出機能と
    移動手段が加圧部材を前記定着部材から離間させる機能と、
    を実現するためのプログラム。
  8. コンピュータに、
    回転数検知手段により検知した定着部材の回転数に基づき駆動手段の回転数の決定を行なう回転数決定機能と、
    決定された前記駆動手段の回転数に基づき記録材の定着部材または加圧部材への巻付きを検知する巻付き検知機能と、
    を実現するためのプログラム。
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