JP2014009805A - アキュムレータを備えた作業機械の油圧回路 - Google Patents

アキュムレータを備えた作業機械の油圧回路 Download PDF

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Abstract

【課題】油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータから排出される油圧エネルギーを蓄積するアキュムレータとを備えた作業機械の油圧回路において、アキュムレータに高温の作動油が流入しないようにする。
【解決手段】アキュムレータ10への作動油の流入油路となるアキュムレータ流出入油路9に、アキュムレータ10の蓄圧容積に相当する容積を有する冷却用配管12を配設し、該冷却用配管12で冷却された作動油をアキュムレータ10に蓄積する構成にした。
【選択図】図1

Description

本発明は、油圧エネルギー蓄積用のアキュムレータを備えた作業機械の油圧回路の技術分野に関するものである。
油圧ショベル等の油圧駆動式の作業機械のなかには、燃費向上や排気ガス低減を図るべく、作業装置の位置エネルギーや旋回動作の慣性力により発生する高圧油を油圧エネルギーとしてアキュムレータに蓄圧する一方、該アキュムレータの蓄圧油を油圧アクチュエータへの供給油として再利用できるように構成したものがある。
例えば、油圧ショベルは、機体に上下揺動自在に支持されるブームの先端部にアームやバケット等を装着して作業装置を構成すると共に、ブームの上下動はブームシリンダの伸縮作動に基づいて行なわれるが、このものにおいて、バケットが接地していない状態で作業装置を下動させるときには、該作業装置の位置エネルギーによりブームシリンダのヘッド側油室から高圧の油が排出される。そこで、ブームの下動時にブームシリンダのヘッド側油室からの排出油をアキュムレータに蓄圧する一方、該アキュムレータの蓄圧油をブームの上動時にブームシリンダのヘッド側油室に供給する構成とし、これにより、従来は油タンクに戻されていたブームシリンダのヘッド側油室からの高圧の排出油を再利用できるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−13123号公報
ところで、油圧アクチュエータからの排出油は、油圧アクチュエータの駆動に使用された作動油であるため高温になっており、このため、油圧アクチュエータからの排出油を油タンクに戻す従来の構成のものでは、油タンクの上流側に配設されたオイルクーラーによって油圧アクチュエータからの排出油を冷却するように構成されている。しかしながら、前記特許文献1のように油圧アクチュエータから排出される作動油をアキュムレータに蓄圧する構成のものでは、油圧アクチュエータの駆動に使用されて高熱になった作動油がそのままアキュムレータに蓄圧される。而して、アキュムレータには高温の作動油が蓄積されることになるが、高温の作動油はアキュムレータの材質を劣化させて耐久寿命を短くすることになり、このため、耐熱性を有した高価なアキュムレータを採用する必要があってコスト高になるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータから排出される油圧エネルギーを蓄積する一方、該蓄積した油圧エネルギーを油圧アクチュエータに供給するアキュムレータとを備えてなる作業機械の油圧回路において、前記アキュムレータへの作動油の流入油路に、アキュムレータの蓄圧容積に相当する容積を有する冷却用配管を配設し、該冷却用配管で冷却された作動油をアキュムレータに蓄積する構成にしたことを特徴とするアキュムレータを備えた作業機械の油圧回路である。
請求項2の発明は、請求項1において、冷却用配管を、つづら折状あるいは螺旋状に配設したことを特徴とするアキュムレータを備えた作業機械の油圧回路である。
請求項3の発明は、請求項1または2において、冷却用配管は、並列状に配される複数の流路に分割されていることを特徴とするアキュムレータを備えた作業機械の油圧回路である。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか一項において、冷却用配管は、アキュムレータへの作動油の流入および流出の油路となるアキュムレータ流入出油路に配設されると共に、該冷却用配管内に、作動油の流れと共に移動して作動油の混合を防止する浮動体を配置したことを特徴とするアキュムレータを備えた作業機械の油圧回路である。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか一項において、冷却用配管を流れる作動油を冷却するための冷却手段を設けたことを特徴とするアキュムレータを備えた作業機械の油圧回路である。
請求項1の発明とすることにより、アキュムレータには、油圧アクチュエータから排出される高温の作動油がそのまま蓄積されるのではなく、冷却用配管で冷却された低温の作動油が蓄積されることになり、この結果、作動油の高温に起因するアキュムレータの材質劣化を確実に抑制することができて、アキュムレータの耐用年数を長くすることができるうえ、耐熱性を有した高価なアキュムレータを使用する必要がなくなって、コスト低減に大きく貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、冷却用配管をコンパクトに収納できる。
請求項3の発明とすることにより、冷却用配管内の熱対流を低減させることができて、油圧アクチュエータから排出される高温の作動油と冷却用配管内の低温の作動油とが撹拌されてしまうことを防止できる。
請求項4の発明とすることにより、浮動体によって、油圧アクチュエータから排出される高温の作動油と冷却用配管内の低温の作動油とが混合してしまうことを防止できる。
請求項5の発明とすることにより、冷却用配管内の作動油をより効果的に冷却できる。
第一の実施の形態におけるブームシリンダ用油圧回路である。 (A)は第一の実施の形態の冷却用配管を示す図、(B)はアキュムレータおよび冷却用配管の配設状態を示す図である。 第二の実施の形態におけるブームシリンダ用油圧回路である。 (A)は第三の実施の形態の冷却用配管を示す図、(B)は第四の実施の形態の冷却用配管を示す図である。 (A)は第五の実施の形態の冷却用配管を示す図、(B)は(A)のX−X拡大断面図、(C)は第六の実施の形態の冷却用配管を示す図、(D)は(C)のX−X拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
まず、第一の実施の形態を図1、図2に基づいて説明するが、図1は、作業機械の一例である油圧ショベルにおけるブームシリンダ用の油圧回路を示す図であって、該図1において、1はブームシリンダ(本発明の油圧アクチュエータに相当する)、2は油圧ショベルに搭載されたエンジン(図示せず)により駆動する油圧ポンプ、3は油タンク、4はコントロールバルブ、5はオイルクーラー、6はオイルクーラー用バイパスチェックバルブ、7は背圧弁である。
前記ブームシリンダ1は、油圧ショベルの機体に上下動自在に支持されるブーム(図示せず)を上下動させるべく伸縮作動するものであって、ヘッド側油室1aへの油供給およびロッド側油室1bからの油排出により伸長してブームを上動せしめ、また、ロッド側油室1bへの油供給およびヘッド側油室1aからの油排出により縮小してブームを下動せしめる。尚、図示しないが、ブームの先端部にはアームが揺動自在に支持され、さらに該アームの先端部にはバケットが揺動自在に支持されており、これらブーム、アーム、バケット等により油圧ショベルのフロント作業装置が構成されると共に、バケットが接地していない状態では、前記ブームシリンダ1のヘッド側油室1aの圧力によってフロント作業装置の重量を保持しており、而して、ブームの下動時にはブームシリンダ1のヘッド側油室1aから高い油圧エネルギーを有した高圧の作動油が排出されるようになっている。
また、前記コントロールバルブ4は、ブーム用操作具(図示せず)の操作に基づいてブームシリンダ1に対する油給排制御を行なう流量制御切換弁であって、上動側、下動側の各パイロットポート4a、4bを備えている。そして、該コントロールバルブ4は、上動側、下動側の両パイロットポート4a、4bにパイロット圧が入力されていない状態では、油圧ポンプ2の吐出油をブームシリンダ1のヘッド側油室1aおよびロッド側油室1bに供給せず、且つ、ヘッド側油室1aおよびロッド側油室1bの油を油タンク3に流さない中立位置Nに位置しているが、上動側パイロットポート4aにパイロット圧が入力されることにより、油圧ポンプ2の吐出油をヘッド側油室1aに供給し、且つ、ロッド側油室1bからの排出油を油タンク3に流す上動側位置Xに切換わる。また、下動側パイロットポート4bにパイロット圧が入力されることにより、油圧ポンプ2の吐出油をロッド側油室1bに供給する下動側位置Yに切換るが、該下動側位置Yのコントロールバルブ4は、ヘッド側油室1aからの排出油を油タンク3に流さないように構成されている。尚、前記コントロールバルブ4の上動側、下動側パイロットポート4a、4bへのパイロット圧の入力は、ブーム用操作具の上動側、下動側操作に基づいて行なわれる構成になっている。
さらに、図1において、8は前記コントロールバルブ4とブームシリンダ1のヘッド側油室1aとを接続するヘッド側油路であって、該ヘッド側油路8には、アキュムレータ流入出油路9を介してアキュムレータ10が接続されている。該アキュムレータ10は、油圧エネルギー蓄積用のものであって、例えばピストン形やブラダ形のものが用いられる。また、アキュムレータ流入出油路(本発明のアキュムレータへの作動油の流入油路、およびアキュムレータへの作動油の流入および流出の油路となるアキュムレータ流入出油路に相当する)9は、ヘッド側油路8とアキュムレータ10の油給排口10aとを連結する油路であって、アキュムレータ10への作動油の流入油路および流出油路となる油路であるが、該アキュムレータ流入出油路9には後述するアキュムレータ用制御弁11が配設されていると共に、該アキュムレータ用制御弁11とアキュムレータ10との間のアキュムレータ流入出油路9には、冷却用配管12が配設されている。
前記アキュムレータ用制御弁11は、アキュムレータ10への作動油の流入、流出を制御する流量制御切換弁であって、流入側、流出側の各パイロットポート11a、11bを備えている。そして、該アキュムレータ用制御弁11は、流入側、流出側の両パイロットポート11a、11bにパイロット圧が入力されていない状態では、アキュムレータ10への作動油の流入および流出を行なわない中立位置Nに位置しているが、流入側パイロットポート11aにパイロット圧が入力されることにより、ヘッド側油路8の作動油を流入側チェックバルブ13を介して冷却用配管12に流す流入側位置Xに切換わり、これにより、ヘッド側油路8の作動油が冷却用配管12に流入すると共に、該冷却用配管12の作動油がアキュムレータ10に流入して蓄圧されるようになっている。また、流出側パイロットポート11bにパイロット圧が入力されることにより、冷却用配管12の作動油を流出側チェックバルブ14を介してヘッド側油路8に流す流出側位置Yに切換わり、これにより、冷却用配管12の作動油がヘッド側油路8に流出すると共に、アキュムレータ10の蓄圧油が冷却用配管12に放出されるようになっている。尚、前記アキュムレータ用制御弁11の流入側、流出側パイロットポート11a、11bへのパイロット圧の入力は、図示しないコントローラからの制御指令に基づいて行なわれるように構成されている。
一方、前記冷却用配管12は、アキュムレータ10に蓄積される作動油を冷却するために設けられる配管であって、アキュムレータ10の蓄圧容積に相当する容積(アキュムレータ10に蓄圧できる最大容積と同等の容積)を有している。而して、ヘッド側油路8の作動油が前記流入側位置Xのアキュムレータ用制御弁11を経由して冷却用配管12に流入した場合に、ヘッド側油路8の作動油がアキュムレータ10まで流入することなく、冷却用配管12内の作動油がアキュムレータ10に蓄積されるようになっている。
ここで、前記冷却用配管12は、図2(A)に示す如く、長い管をつづら折状に屈曲して配設したものであって、これにより、冷却用配管12の表面積を大きくして該冷却用配管12内の作動油と外部空気との熱交換が促進されるようにしたものでありながら、コンパクトに収納できるようになっている。そして、該冷却用配管12で冷却された作動油がアキュムレータ10に蓄積されることで、アキュムレータ10内の蓄圧油の温度を、外気温度に近い低温に維持することができるようになっている。
また、前記アキュムレータ10および冷却用配管12は油圧ショベルの適宜箇所に配設されるが、本実施の形態では、図2(B)に示すごとく、油圧ショベルの機体後部に装着されるカウンタウエイト15内にアキュムレータ収納部16を形成し、該アキュムレータ収納部16にアキュムレータ10を収納すると共に、アキュムレータ収納部16の上方につづら折状に屈曲された冷却用配管12を配設して、該冷却用配管12をアキュムレータ収納部16の上方を覆うカバーとしている。 この様に構成することにより、冷却用配管12のスペースを別途確保する必要がないうえ、冷却用配管12を外気が当たる箇所に配設できることになる。
次いで、ブームの下動、上動に伴うアキュムレータ10の蓄圧、放出作動について説明する。
まず、ブームの下動時、つまりブーム用操作具が下動側に操作されると、コントロールバルブ4の下動側パイロットポート4bにパイロット圧が入力されてコントロールバルブ4が下動側位置Yに切換わると共に、コントローラの制御指令に基づいてアキュムレータ用制御弁11の流入側パイロットポート11aにパイロット圧が入力されてアキュムレータ用制御弁11が流入側位置Xに切換わる。この状態では、油圧ポンプ2の吐出油がコントロールバルブ4を経由してブームシリンダ1のロッド側油室1bに供給されると共に、ブームシリンダ1のヘッド側油室1aからの排出油がヘッド側油路8に流れ、該ヘッド側油路8から流入側チェックバルブ13およびアキュムレータ用制御弁11を経由して冷却用配管12に流れる。これにより、冷却用配管12の作動油がアキュムレータ10に流入して蓄圧され、而して、ブームの下動時にヘッド側油室1aから排出される油圧エネルギーがアキュムレータ10に蓄積されるようになっている。
一方、ブームの上動時、つまりブーム用操作具が上動側に操作されると、コントロールバルブ4の上動側パイロットポート4aにパイロット圧が入力されてコントロールバルブ4が上動側位置Xに切換わると共に、コントローラの制御指令に基づいてアキュムレータ用制御弁11の流出側パイロットポート11bにパイロット圧が入力されてアキュムレータ用制御弁11が流出側位置Yに切換わる。この状態では、油圧ポンプ2の吐出油がコントロールバルブ4を経由してブームシリンダ1のヘッド側油室1aに供給され、また、ロッド側油室1bからの排出油がコントロールバルブ4を経由して油タンク3に排出されると共に、アキュムレータ10の蓄圧油が冷却用配管12に放出され、該冷却用配管12の作動油がアキュムレータ用制御弁11および流出用チェックバルブ14を経由してヘッド側油路8に供給される。そして、該冷却用配管12からヘッド側油路8に供給された作動油は、前記コントロールバルブ4から供給される油圧ポンプ2の吐出油と合流してブームシリンダ1のヘッド側油室1aに供給されることになる。而して、ブームの下動時にアキュムレータ10に蓄積された油圧エネルギーを、ブームの上動時に再利用することができる構成になっている。
叙述の如く構成された本形態において、油圧ショベルの油圧回路には、ブームを上下動させるブームシリンダ1が設けられると共に、ブームの下動時にブームシリンダ1から排出される油圧エネルギーを蓄積する一方、該蓄積した油圧エネルギーをブームの上動時にブームシリンダ1に供給するアキュムレータ10が設けられているが、該アキュムレータ10への作動油の流入油路となるアキュムレータ流入出油路9には、アキュムレータ10の蓄圧容積に相当する容積を有する冷却用配管12が配設されており、該冷却用配管12で冷却された作動油がアキュムレータ10に蓄積されることになる。
而して、アキュムレータ10には、ブームシリンダ1から排出される高温の作動油がそのまま蓄積されるのではなく、冷却用配管12で冷却された低温の作動油が蓄積されることになり、よって、アキュムレータ10に蓄積される作動油の温度を、ブームシリンダ用油圧回路の許容温度(例えば、約90°C)よりも充分に低い温度にすることができる。この結果、作動油の高温に起因するアキュムレータ10の材質劣化を確実に抑制することができて、アキュムレータ10の耐用年数を長くすることができるうえ、耐熱性を有した高価なアキュムレータを使用する必要がなくなって、コスト低減に大きく貢献できる。
次いで、第二の実施の形態を図3に基づいて説明するが、該第二の実施の形態のものは、前記第一の実施の形態のようにアキュムレータ流入出油路を経由してアキュムレータへの流入および流出が行なわれる構成ではなく、アキュムレータ流入油路17とアキュムレータ流出油路18とが別個に設けられていて、アキュムレータ10への作動油の流入はアキュムレータ流入油路17を経由して行なわれる一方、アキュムレータ10からの作動油の流出はアキュムレータ流出油路18を経由して行なわれるように構成されている。そして、この様にアキュムレータ流入油路17とアキュムレータ流出油路18とが別個に設けられた油圧回路においても、アキュムレータ流入油路17に冷却用配管12を設けることにより本発明を実施できる。尚、第二の実施の形態において第一の実施の形態と共通するもの(同一のもの)については、同一の符号を附すと共に詳細な説明については省略する。
つまり、第二の実施の形態のものにおいて、アキュムレータ10は、アキュムレータ流入油路17を介してヘッド側油路8に接続される一方、アキュムレータ流出油路18を介して油圧ポンプ2の吐出側に接続されている。前記アキュムレータ流入油路17には、流入側チェックバルブ13、コントローラからの制御指令で切換わるアキュムレータ流入用制御弁19、およびアキュムレータ10の蓄圧容積に相当する容積を有する第一の実施の形態と同様の冷却用配管12が配設されている。また、アキュムレータ流出油路18には、流出用チェックバルブ14、コントローラからの制御指令で切換わるアキュムレータ流出用制御弁20が配設されている。そして、ブームの下動時には、ブームシリンダ1のヘッド側油室1aからヘッド側油路8に排出された作動油が、流入側チェックバルブ13およびアキュムレータ流入用制御弁19を経由して冷却用配管12に流れ、これにより冷却用配管12の作動油がアキュムレータ10に蓄圧されるように構成されている。一方、ブームの上動時には、アキュムレータ10の蓄圧油が流出側チェックバルブ14およびアキュムレータ流出用制御弁20を経由して油圧ポンプ2の吐出側に供給され、該油圧ポンプ2の吐出油と合流してコントロールバルブ4に供給され、さらにコントロールバルブ4からブームシリンダ1のヘッド側油室1aに供給されるようになっている。
そして、この様にアキュムレータ流入油路17とアキュムレータ流出油路18とが別個に設けられている第二の実施の形態のものにおいても、アキュムレータ流入油路17に設けられた冷却用配管12によってアキュムレータ10に低温の作動油を蓄積できることになり、第一の実施の形態と同様の作用効果を奏することになる。
さらに、本発明は、冷却用配管を配設するにあたり、図4(A)に示す第三の実施の形態の冷却用配管21の如く、長い管を螺旋状に湾曲させて配設しても良い。この様に長い管を螺旋状に配設した場合にも、冷却用配管21の表面積を大きくすることができて冷却用配管21内の作動油と外部空気との熱交換が促進されるものでありながら、コンパクトに収納することができる。
また、図4(B)に示す第四の実施の形態の如く、冷却用配管22内に作動油の流れと共に移動する浮動体23を配置し、該浮動体23によって、油圧アクチュエータ(ブームシリンダ1)から排出される高温の作動油と冷却用配管22内で冷却された低温の作動油とが冷却用配管内で混合することを防止する構成にすることもできる。この場合、浮動体23は、アキュムレータ10に作動油が蓄圧されていない状態で冷却用配管22の始端側(油圧アクチュエータ側端部)に位置する一方、アキュムレータ10に作動油が最大量蓄圧されている状態では冷却用配管22の終端側(アキュムレータ側端部)に位置するように冷却用配管22内に配置されていて、アキュムレータ10への作動油蓄圧時には冷却用配管22の始端側から終端側へと移動し、アキュムレータ10からの作動油放出時には終端側から始端側へと移動するようになっている。そして、該作動油の流れと共に移動する浮動体23によって、油圧アクチュエータから排出される高温の作動油と冷却用配管22内で冷却された低温の作動油とが冷却用配管22内で混合してしまうことを防止することができることになる。さらに、この様な浮動体23を冷却用配管22内に配置する場合、冷却用配管22の始端側および終端側に、浮動体23が冷却用配管22から抜け出てしまうことを防止するためのストッパ(図示せず)を設けても良い。また、冷却用配管22は、浮動体23の移動が円滑に行なわれるような状態で配設されることが要求され、例えば、前記図4(B)に示す如く螺旋状に湾曲させた状態で配設される。尚、前記浮動体23は、前述したようにアキュムレータ10の蓄圧、放出に伴う作動油の流れと共に冷却用配管22の始端側と終端側との間を移動するものであるため、前記第一の実施の形態のようにアキュムレータの流入油路および流出油路となるアキュムレータ流入出油路に冷却用配管を配した油圧回路に採用できるが、第二の実施の形態のようにアキュムレータ流入油路とアキュムレータ流出油路とが別個に設けられている油圧回路には採用できない。
また、冷却用配管を、並列状に配される複数の流路に分割する構成にすることもできる。この場合、例えば、図5(A)、(B)に示す第五の実施の形態の冷却用配管24の如く、複数の細径の分岐配管24a(図5(A)、(B)には四本の分岐配管24aを図示したが、これに限定されず、二本或いは三本、或いは五本以上であっても良い。)を並列状に配して冷却用配管24を形成することで、冷却用配管24を複数の流路に分割する構成にすることができる。そして、この様に構成することで、細径の分岐配管24a内での流動時の乱流による撹拌及び熱対流が低減して、油圧アクチュエータから排出される高温の作動油と冷却用配管24内の低温の作動油とが撹拌されてしまうことを防止できるうえ、冷却用配管24の表面積が増えて冷却効果が増大する。また、図5(C)、(D)に示す第六の実施の形態の如く、冷却用配管25の内部に流路を複数に仕切る仕切部材25aを設けても、冷却用配管25を複数の流路に分割する構成にすることができる。そして、この様に構成した場合にも、冷却用配管25内の流動時の乱流による撹拌及び熱対流を低減させることができることになる。
また、本発明の冷却用配管は、該冷却用配管の表面で冷却用配管内の作動油と外部空気との熱交換が行なわれることになるが、この場合に、冷却用配管を自然通風で冷却する構成にしても良いが、冷却用配管を強制的に冷却する冷却手段を別途設けることもできる。冷却手段としては、例えば、冷却用配管に取付けられる放熱フィンや、冷却用配管に冷却風を供給する冷却ファン等を採用できる。そして、この様な冷却手段を設けることにより、冷却用配管内の作動油をより効果的に冷却することができる。
さらに、本発明は、油圧ショベルのブームシリンダ用油圧回路だけでなく、例えばクレーン等の各種作業機械の油圧回路に実施できる。
本発明は、油圧アクチュエータから排出される油圧エネルギーを蓄圧するためのアキュムレータを備えた各種作業機械の油圧回路に利用することができる。
1 ブームシリンダ
9 アキュムレータ流入出油路
10 アキュムレータ
12、21、22、24、25 冷却用配管
17 アキュムレータ流入油路
23 浮動体

Claims (5)

  1. 油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータから排出される油圧エネルギーを蓄積する一方、該蓄積した油圧エネルギーを油圧アクチュエータに供給するアキュムレータとを備えてなる作業機械の油圧回路において、前記アキュムレータへの作動油の流入油路に、アキュムレータの蓄圧容積に相当する容積を有する冷却用配管を配設し、該冷却用配管で冷却された作動油をアキュムレータに蓄積する構成にしたことを特徴とするアキュムレータを備えた作業機械の油圧回路。
  2. 請求項1において、冷却用配管を、つづら折状あるいは螺旋状に配設したことを特徴とするアキュムレータを備えた作業機械の油圧回路。
  3. 請求項1または2において、冷却用配管は、並列状に配される複数の流路に分割されていることを特徴とするアキュムレータを備えた作業機械の油圧回路。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項において、冷却用配管は、アキュムレータへの作動油の流入および流出の油路となるアキュムレータ流入出油路に配設されると共に、該冷却用配管内に、作動油の流れと共に移動して作動油の混合を防止する浮動体を配置したことを特徴とするアキュムレータを備えた作業機械の油圧回路。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項において、冷却用配管を流れる作動油を冷却するための冷却手段を設けたことを特徴とするアキュムレータを備えた作業機械の油圧回路。
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