JP2014009581A - 多層建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】共有の避難場所となりうる場所を備え、かつ居住継続性能を備えた多層建築物の提供。
【解決手段】多層階を備え、各階に、コア部1と、コア部1と連絡する共用通路2と、各出入口が共用通路2にそれぞれ面した複数の居住区域3とが少なくとも配置された多層建築物Aであって、連続する複数階を一群として建築物Aの中高層階を上位の階から順に区分けした場合に各群の略中央に位置する階に、それぞれ特別居室4が配置されるとともに、特別居室4の出入口に面する位置に、共用通路2に接続する自然採光空間5が形成された多層建築物を提供する。特別居室4と自然採光空間5を合わせて避難場所とすることにより、多層建築物A内に避難場所を確保できる。また、特別居室4に専用生活維持手段を設けることにより居住継続性能を向上させることができる。その他、大規模地震などの非常時に、高齢者などが避難場所へ避難する際の労力・負担を軽減できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、大規模地震などの非常時に利用できる避難場所を備え、かつ居住継続性能(LCP;life continuity performance)を考慮した多層建築物などに関連する。より詳細には、複数の階に特別居室及び自然採光空間が配置され、非常時には、それらの各領域を避難場所・生活維持施設として用いることができる多層建築物などに関連する。
土地の有効活用などを目的として、都市部などを中心に、事業用・商用などの多層建築物が多数建設されている。また、近年は、集合住宅・ホテル・病院・老人施設などに用いる建築物においても、高層化・超高層化が進んでおり、階層ごとに用途の異なる複合型の多層建築物も増加している。
従来、多層建築物の建設には、高度な耐震性などが要求される。そのため、建築物の耐震性などに関する研究が日々行われるとともに、耐震性などの技術の向上に伴って、建築物の高層化も進展してきた。また、集合住宅などに用いられる多層建築物の増加や社会ニーズの変化などに伴い、居住性の改善、環境負荷の軽減なども図られてきた。
なお、特許文献1には、既設建物の空室に構築された既設建物補強構造が、特許文献2には、避難用室が避難通路に隣接して設けられた建造物が、特許文献3には、歩行者の避難路として利用されるスロープを備えた建物が、それぞれ記載されている。
特開2010−229800号公報 特開昭63−289176号公報 特開2003−253896号公報
近年の耐震技術の向上などにより、例えば、大規模地震などが発生した際にも、多くの場合、多層建築物自体は破壊されない可能性が高い。一方、電力・上水などのライフラインは、大規模地震などにより停止しやすく、復旧にも時間がかかることが想定される。
例えば、大規模地震などが発生した場合において、多層建築物の被害は少ないが、建築物の外部から供給されるライフラインが停止した場合、居住者などは、ライフラインなどが復旧するまでの一定期間、多層建築物内で避難生活を行う必要が生じる可能性がある。そのような事態に備えて、多層建築物は、(1)共有の避難場所となりうる場所を備えており、かつ、(2)非常時などにも居住性能などを保持できる、いわゆる居住継続性能(LCP;life continuity performance)を備えていることが好ましい。
そこで、本発明は、共有の避難場所となりうる場所を備え、かつ居住継続性能を備えた多層建築物を提供することなどを目的とする。
本発明では、多層階を有し、各階に、コア部と、該コア部と連絡する共用通路と、各出入口が前記共用通路にそれぞれ面した複数の居住区域とが少なくとも配置された多層建築物であって、連続する複数階を一群として該建築物の中高層階を上位の階から順に区分けした場合に各群の略中央に位置する階に、それぞれ特別居室が配置されるとともに、特別居室の出入口に面する位置に、共用通路に接続する自然採光空間が形成され、特別居室及び自然採光空間を非常時の避難場所として用いることが可能な多層建築物を提供する。
本発明では、特別居室及び自然採光空間が一定階層ごとに配置される。通常時には、特別居室を、ゲストルームなどの共用区域として用いることができる。一方、大規模地震などの非常時には、例えば、特別居室及びその補充空間としての自然採光空間を合わせて避難場所とする。これにより、多層建築物の中高層階に複数の避難場所を確保できる。また、避難場所を設け、居住者などが避難場所に集合できるようにすることにより、大規模地震やその後の余震などで生じる居住者の不安感を緩和でき、避難生活における居住者間などの相互互助を促進できる。
特別居室は、建築物の外部からの電力及び/又は上水の供給が停止した場合に一定期間の生活を維持するための専用生活維持手段を備える構成にすることができる。これにより、例えば、居住区域のライフラインなどが復旧していない場合であっても、各特別居室では電力・上水などの供給を臨時的に確保でき、各特別居室における居住性能などを保持できるため、各特別居室及び各自然採光空間を、避難場所としてだけでなく、非常時の生活維持施設としても用いることができる。
具体的には、電気系統の専用生活維持手段として、例えば、各特別居室へ電力を供給する専用発電手段、及び/又は、各特別居室で用いるための電力を蓄電する専用蓄電手段を備えた構成にしてもよい。また、給水系統の専用生活維持手段として、各居住区域へ給水する管路とは独立した管路で供給された上水を貯留する専用貯水手段と、該専用貯水手段に貯留する上水を前記各特別居室へ供給する専用給水手段と、を備えた構成にしてもよい。これらの構成にすることにより、ライフラインなどが停止した場合であっても、蓄電された電力・貯水された上水などを特別居室に供給できる。
その他、本発明には次のような有利性がある。
多層建築物の場合、例えば、避難場所が低層階に設けられていると、中高層の居住者などは、避難場所への移動及びその後の往復に多大な労力を必要とする。特に、停電などによりエレベーターが停止している場合などは、高齢者・乳幼児を伴った母親・昼間独居状態になる児童などの階段での移動・往復は相当の困難を伴う。それに対し、本発明に係る多層建築物は、中高層階に一定階層ごとに避難場所が確保されているため、中高層階の居住者などであっても、避難場所へ比較的簡易に移動などができる。
本発明により、多層建築物内に避難場所を確保でき、かつ大規模地震などの非常時においても居住継続性能を維持できる。また、大規模地震などの非常時に、高齢者などが避難場所へ避難する際の労力・負担を軽減できる。
以下、本発明の実施形態の例を、図1〜3を用いて説明する。なお、本発明は、これらの実施形態のみに狭く限定されない。
図1は本発明に係る多層建築物の例を示す断面模式図、図2は本発明に係るセンターコア型の多層建築物の例を示す平面模式図である。なお、図1は、主に特別居室の設置階及び電気系統・給水系統を説明するための模式図であり、各階における各部屋・区域の配置・大きさなどを対応させたものではない。
本発明に係る多層建築物Aは、多層階を有し、各階に、コア部1と、コア部1と連絡する共用通路2と、各出入口が共用通路2にそれぞれ面した複数の居住区域3とが少なくとも配置される。そして、連続する複数階を一群として建築物Aの中高層階を上位の階から順に区分けした場合に各群G1、G2、G3の略中央に位置する階に、それぞれ特別居室4が配置されるとともに、特別居室4の出入口に面する位置に、共用通路2に接続する自然採光空間5が形成される。
多層建築物Aは、高層建築物・超高層建築物など、一定以上の階層数を有するものを広く包含する。階層数は特に限定されないが、例えば、9〜200階が好適であり、15〜200階がより好適であり、20〜200階が最も好適である。
本発明は、集合住宅に用いる建築物のほか、ホテル・病院・老人施設などに用いる建築物、事業用・商用などの建築物、それらの複合型の建築物などにも広く適用できる。
上記の通り、多層建築物Aの各階には、コア部1と、コア部1と連絡する共用通路2と、各出入口が共用通路2にそれぞれ面した複数の居住区域3とが配置される。なお、本発明では、多数の階でこのような基本構成を備えていればよく、全ての階でこれらの基本構成を備えていることを要しない。例えば、一階、最上階、地下階などでは、目的・用途などに応じて異なった配置・構成を有する場合がある。
コア部1は、建築物のコアとなる部分で、例えば、この部分に、エレベーター11、階段12、エレベーターホール13などを適宜配置する。コア部1の配置場所は、建築物の構造設計によりある程度決定される。本発明は、コア部1の設置場所により、狭く限定されない。
共用通路2は、共用部分の一つであり、コア部1と居住区域3などとを連絡させる通路部分である。
居住区域3は、集合住宅の場合の各住戸にあたる部分であり、出入口31を介して、共用通路2から出入りできる。集合住宅では、例えば、出入口(玄関)、リビング、キッチン、トイレ、浴室、各居室などがこの居住区域3の中に配置され、空調設備等が装備される。また、上記の通り、本発明は、集合住宅用以外の多層建築物にも適用できる。その場合、例えば、ホテルの客室、病院の病室、老人施設の個室、事業用ビルの各オフィス空間、商用ビルの各店舗空間などが、居住区域3に該当する。各居住区域3には、スプリンクラー消火、火災感知器、消火器を設置し、防火消火性能を確保することが好ましい。その他、例えば、図2に示す通り、居住区域3は、バルコニーなどの屋外空間32を備える構成にしてもよい。
特別居室4は、図1に示す通り、連続する複数階を一群として建築物Aの中高層階を上位の階から順に区分けした場合に各群G1、G2、G3の略中央に位置する階に、それぞれ配置される。即ち、特別居室4は、多層建築物Aの中高層などに、略一定階層ごとに配置される。なお、各群に区分けする際には、階層数をほぼ一定階数ごとに区分けすることが好ましいが、必ず同一の階数ごとに区分けする必要はない。
連続する複数階を一群として建築物Aの中高層階を上位の階から順に区分けする際には、3〜50階を一群とすることが好適であり、3〜20階を一群とすることがより好適であり、3〜15階を一群とすることが最も好適である。即ち、特別居室は、3〜50階ごとに設置されることが好適であり、3〜20階ごとに設置されることがより好適であり、3〜15階ごとに設置されることが最も好適である。なお、中高層階は、地下階・低層階を除く階を指し、建築物の階層数により適宜設定可能であり、特に限定されないが、例えば、4階以上の階である。
特別居室4は、図2に示す通り、出入口41が自然採光空間5に面する位置に配置されており、出入室を、共用通路2から自然採光空間5を介して行う。
特別居室4は、一定の居住性能を備えた共用区域であることが好ましい。例えば、室内に、キッチン、ユニットバスなどの浴室、便所などを実装してもよい。これにより、例えば、集合住宅などの場合、特別居室をゲストルームなどとしても利用できる。浴室・便所を装備する場合は排気可能な構成が好ましく、例えば、手動開閉可能な窓などの換気手段を設置してもよい。特別居室4には、食料・水・医薬品などを備蓄する備蓄倉庫を配備してもよい。その他、特別居室4には、各居住区域3などと同様、スプリンクラー消火、火災感知器、消火器を設置し、防火消火性能を確保することが好ましい。
特別居室4は、外光採光可能な窓部42を備えていることが好ましく、そのために、平面視上、多層建築物Aの外周側面に直接又はバルコニーなどの屋外空間43を介して接していることが好ましい。これにより、例えば、停電時などにおいても日中は採光が可能であり、また、非常時などにおいても、建築物の外の状況を把握できる。また、中高層階の好眺望の位置に特別居室4を配置できるため、通常時においても、ゲストルームなどとしての利用が可能になる。その他、例えば、窓部42を開閉可能とすることにより、適宜換気が可能となる構成にしてもよい。
特別居室4は、建築物Aの外部からの電力及び/又は上水の供給が停止した場合に一定期間の生活を維持するための専用生活維持手段を備える構成にする。専用生活維持手段の少なくとも一つを備えるかどうかによって、特別居室4とその他の居住区域3とを区別できる。特別居室4に居住継続性能を集約することにより、大規模地震などの非常時に、比較的低コストで避難生活を維持できるほか、上下水・電力・情報通信などの管理も容易化できる。
例えば、電気系統の専用生活維持手段7として、各特別居室4へ電力を供給する専用発電手段71、及び/又は、各特別居室4で用いるための電力を蓄電する専用蓄電手段72を備えた構成にすることができる。
通常時には、外部電力61より多層建築物Aへ電力が供給され、一般電力供給手段62により、各居住区域3へ電力が供給される。また、コア部1内のエレベーター11、共用通路2などの共用部分で用いる電力などについても、外部電力61から供給される。
特別居室4では、例えば、通常時、外部電力61からの電力、又は、専用発電手段71で発電された電力のいずれかを用いる設計にしてもよいし、両者を併用する設計にしてもよい。また、外部電力61及び/又は専用発電手段71で発電された電力を専用蓄電手段72に蓄電しておき、停電などが発生した際にも、特別居室4への電力の供給が一定期間保持されるようにしてもよい。
そして、例えば、大規模地震の発生などにより、外部電力61の供給が停止した場合には、専用発電手段71での発電を開始又は継続し、各特別居室4及び/又は専用蓄電手段72に電力を供給する。また、専用発電手段71で発電した電力、及び/又は、専用蓄電手段72に蓄電された電力を各特別居室4に供給する。これにより、各特別居室での電気系統に関する居住性能を維持できる。
専用発電手段71には、太陽光発電機、簡易発電機など、公知の発電手段を広く採用できる。なお、図1では、専用発電手段71として太陽光発電機を用いる場合を例示しているが、本発明はそれのみに狭く限定されない。
太陽光発電機としては、公知のものを広く採用できる。例えば、通常時・非常時において、専用発電手段71として太陽光発電機を用いる場合、自然エネルギーを活用できるため、環境負荷も軽減できる。太陽光発電機の設置場所は特に限定されないが、例えば、太陽光の照射する建築物屋上・低層階屋上などに設置することができる。
簡易発電機としては、公知のものを広く採用できる。例えば、可動式・可搬式のものを採用してもよい。簡易発電機の設置場所は特に限定されないが、各特別居室4の近傍に設置することが好ましく、特に、燃焼排気が発生する場合には、各特別居室4近傍の屋外空間などに設置することが好ましい。
その他、専用発電手段71として、例えば、太陽光発電機と簡易発電機を併設する構成にしてもよい。例えば、通常時及び非常時において、太陽光発電機により発電を行い、場合によってはその電力を専用蓄電手段72に蓄電するとともに、非常時において、それらの電力のみでは不足する場合に、簡易発電機で発電を行い、不足分を補充するようにしてもよい。
専用蓄電手段72には、バッテリーなど、公知の蓄電手段を広く採用できる。
その他、多層建築物Aには、停電時にも起動・発電可能な自家発電手段73を設置する構成にすることができる。例えば、外部電力61の供給が停止した場合、自家発電手段73で発電し、コア部1内のエレベーター11、共用通路2などの共用部分などで用いる電力を優先的に供給する。また、例えば、その電力を特別居室4にも供給できる構成にしてもよい。これにより、専用発電手段71・専用蓄電手段72だけでは不足する分の電力を補うことができ、特別居室4における電力供給の安定性を確保できる。自家発電手段73には、大型固定式の公知のものを広く採用できる。自家発電手段73の設置場所は特に限定されない。例えば、燃料備蓄・燃料補給などの観点から、自家発電手段73を地下階などに設置してもよい。また、前記の観点に加え、浸水被害を防止する観点から、自家発電手段73を、低層階、別棟など、浸水の懸念のない箇所に設置してもよい。
例えば、給水系統の専用生活維持手段9として、各居住区域3へ給水する管路83とは独立した管路91により供給された上水を貯留する専用貯水手段92と、専用貯水手段92に貯留する上水を各特別居室4へ供給する専用給水手段93と、を備えた構成にすることができる。
通常時には、例えば、外部から供給された上水を受水槽81に貯水した後、加圧ポンプ82で各居住区域3へ給水する管路83を介して各居住区域3に供給する。
特別居室4への給水は、各居住区域3とは別の経路で行う構成にすることができる。例えば、受水槽81に貯留した上水を、加圧ポンプ82で独立した管路91を介して専用貯水手段92に供給し、専用貯水手段92に貯水するとともに、その貯留上水を専用給水手段93により、各特別居室4に供給する。専用貯水手段92として、例えば、高架水槽を採用できる。専用貯水手段92を建築物Aの上部に設置することにより、重力により無動力で特別居室4に上水を安定供給できる。
この構成により、例えば、外部からの電力及び上水の供給が停止した場合でも、専用貯水手段92に貯留した上水を特別居室4に供給できる。
外部からの上水の供給が停止したままの状態で、自家発電手段73により加圧ポンプ82の稼働が可能になった場合、例えば、開閉バルブ84を閉じて居住区域3への上水の供給を停止するとともに、加圧ポンプ82を適宜稼働して、受水槽81の貯留上水を専用貯水手段92に供給し、専用貯水手段92内の貯留上水を補充する。その際、例えば、受水槽81から直接上水を採取したい場合は、水栓85により、上水を直接採取できるようにしてもよい。
電気系統の専用生活維持手段7及び給水系統の専用生活維持手段9は、それぞれ、各特別居室4への電力・上水の供給に加えて、図1のように、1階のエントランスホールE又は低層階の避難場所にも、電力・上水を供給できる構成にしてもよい。その場合、例えば、当該避難場所用の専用蓄電手段72’を設置する構成にしてもよい。1階のエントランスホールEを避難場所として活用したり、低層階にも避難場所を設定したりすることにより、例えば、居住者以外に、建築物の外部から避難した人なども、多層建築物A内に収容できる。これにより、いわゆる帰宅困難者などの一時避難を可能にできる。
例えば、特別居室4内の設備をできるだけ電力で稼働可能な構成にし、また、特別居室4内の給湯設備をヒートポンプ技術などで行う構成にしてもよい。これにより、例えば、建築物の外部からの電力及び上水の供給が停止した場合であっても、各特別居室4では電力・上水などの供給を確保できるため、キッチン、浴室などの利用が可能であり、空調設備も稼働できる。従って、各特別居室における居住性能などを保持できる。
汚水・下水処理については、例えば、通常時、多層建築物Aの地下部分に汚水貯留槽(図示せず)を設置し、建築物A内で発生した汚水などをその汚水貯留槽に集積した後、ポンプなどで汲みあげて外部の下水に排出するようにしてもよい。この構成の場合、例えば、大規模地震などが発生した場合でも、一定量の汚水を蓄積でき、また、一定量以上蓄積したら、自家発電手段73によりポンプを稼働させ、外部の下水に排出することが可能である。
各特別居室4は、それぞれの階における平面視略同一の位置に配置されていることが好ましい。例えば、特別居室4の床面全体のうち、少なくとも一部分が、平面視上、他階の特別居室4の床面全体のいずれかの部分と重複するように、各特別居室4を互いに配置する。これにより、特別居室4で独立して配備される電線・上水用の配管などの配設ルートなどを簡素化できるため、建設コストを低減でき、維持・修繕・管理・補修の労力を軽減できる。
特別居室4とコア部1は、隣接する位置に配置されることが好ましい。コア部1にはエレベーター11などが配置されており、コア部1の周辺は、通常、居住者のほとんどが共通して利用する区域である。コア部1の周辺は、各階ごとの構造・配置も近似する場合が多い。従って、特別居室4とコア部1を隣接した位置に配置することにより、通常時に予め特別居室4の場所を認識しておくことができ、例えば、大規模地震などが発生した場合にも、居住者などが比較的冷静に特別居室4に集合しやすくすることができる。また、コア部1にはエレベーター11・階段12などが配置されているため、特別居室4とコア部1を隣接した位置に配置することにより、避難生活などを行っている間、その多層建築物A内の管理室及び各特別居室4との間での相互連絡や物資の運搬などを容易化できる。その他、避難場所が不足した場合にエレベーターホール13などを利用できる、階段で避難する居住者などの一時休憩所などとしても利用できる、避難生活の際にも居住区域3のプライバシーを保護できる、などの利点もある。
なお、図2では、特別居室4とコア部1が、共用通路2を挟んで対面する位置に配置されており、特別居室4がコア部1に隣接する位置に配置されている。その他、例えば、特別居室4とコア部1は、共用通路2などを挟まずに特別居室4の壁面を介して直接隣接するように配置されていてもよい(例えば、後述する図3参照)。
各特別居室4には、多層建築物A内の管理室及び各特別居室4との間で相互に通話ができるように、インターホンなどの特設相互通話手段を設置しておくことが好ましい。これにより、非常時の連絡・連携を強化できる。
また、各特別居室4には、例えば、電話用として、電話回線及び携帯電話の住宅向け小型基地局を、インターネット通信用として、有線LANと無線LAN設備を、テレビ受信用として、ケーブルテレビと屋上アンテナを、それぞれ装備してもよい。各ツールについて、複数の接続手段を準備することにより、非常時においても、災害の状況などを把握できる。また、例えば、上記の各ツールのいずれか又は複数について、居住区域3に設置したものとは独立した特別通信設備を設置することにより、情報収集の確実性を高めることができる。
自然採光空間5は、外光が自然に入射するホワイエ空間であり、特別居室4の出入口に面する位置に配置され、共用通路2に接続する。この自然採光空間5は、建築基準法上、容積対象の緩和を受ける部分であり、容積対象となる事業床の減少に影響を与えない部分である。
自然採光空間5は、少なくとも自然光が、一定時間、空間5内を入射する構造を有しているものを広く包含する。特別居室4と同様、平面視上、多層建築物Aの外周側面に直接又はバルコニーなどの屋外空間43を介して接していることが好ましい。自然採光空間5は、大規模地震などの非常時においては、特別居室4の出入口41に面する位置に形成されたことにより、少なくとも特別居室4の補充空間としての機能を果たしていればよく、例えば、避難場所としての直接的又は具体的な機能を果たすものであるかどうかによって、狭く限定されない。
自然採光空間5は、外気の流通可能な構成を備えていることが好ましい。自然採光空間5が外気の流通可能な構成を備えることにより、適宜換気が可能となる。外気の流通可能な構成として、例えば、自然採光空間5に開閉可能な窓部51を設けてもよい。
上記の通り、本発明では、特別居室4とその補充空間としての自然採光空間5を合わせて非常時の避難場所・生活維持施設として用いることができる。
特別居室4は、上記の通り、建築物の外部からの電力及び/又は上水の供給が停止した場合に一定期間の生活を維持するための専用生活維持手段を備えており、各特別居室における居住性能などを保持できる。自然採光空間5は、特別居室4の補充空間として機能するほか、外気の流通可能な構成を備えることができる。従って、大規模地震などの非常時において、居住者がこの避難場所に集合した場合であっても、被災直後からライフライン復旧までの一定期間、一定の生活を継続して維持することが可能であり、避難場所としてだけではなく、非常時の生活維持施設として用いることができる。
加えて、特別居室4と自然採光空間5を合わせて避難場所とすることにより、避難場所を2つの領域に分けて用いることができる。これにより、例えば、男女や、健常者と体調不良者となどで使用する領域を分けることができる。このことは、実際の避難生活において、非常に利便性が高い。
図3は、ボイド型の多層建築物の例を示す平面模式図である。
図3の多層建築物A’も、平面視中央部に吹き抜け部Vを備えるほかは、図2と同様、コア部1と、コア部1と連絡する共用通路2と、各出入口31が共用通路2にそれぞれ面した複数の居住区域3と、コア部1に隣接する特別居室4と、特別居室4の出入口41に面し、共用通路2に接続する自然採光空間5と、を備える。
コア部1には、図2と同様、エレベーター11、階段12、エレベーターホール13が配置されている。居住区域3には、屋外空間32が適宜配置されている。特別居室4は、外光採光可能な窓部42を、自然採光空間5は開閉可能な窓部51を、それぞれ備える。
図3では、特別居室4とコア部1が、共用通路2などを挟まずに、特別居室4の壁面を介して直接隣接するように配置されている。即ち、特別居室4は、コア部1に隣接する位置に配置されている。上記図2と同様、特別居室4とコア部1を隣接した位置に配置することにより、例えば、大規模地震などが発生した場合に、居住者などが特別居室4に集合しやすくすることができ、また、避難生活などを行っている間、その多層建築物A内の管理室及び各特別居室4との間での相互連絡や物資の運搬などを容易化できる。
図3の多層建築物A’の場合も、図2と同様、特別居室4と自然採光空間5を合わせて避難場所とすることにより、多層建築物内に避難場所を確保でき、かつ大規模地震などの非常時においても居住継続性能を維持できる。
以上の通り、本発明は、センターコア型、ボイド型を含む多層建築物全般に適用可能である。
従前より、大規模地震が発生した際、高層・超高層などの多層建築物では、本震に続き、断続的に発生する余震に対する恐怖心から、居住者が自主的に建築物の1階のエントランスロビーなどの共用区域に臨時避難場所を仮設するとともに、その場所で緊急支援物資の分配や寝泊りを行う例が多くみられた。低層階に避難場所を設置することは、救援物資の授受が容易であるなどの利点があった。
しかし、例えば、地震に伴い、エレベーターが運転不能となった場合、高齢者・乳幼児を伴った母親・昼間独居状態になる児童外部からなどが、高層階から階段で避難場所に移動したり、自宅と避難場所を往復したりすることには、相当の困難性を伴う。
また、行政において、自然災害発生直後に発生する大量の帰宅困難者の一時避難先として、オフィスビル・マンションなどの高層建築物を活用することが検討されている。
それに対し、本発明は、多層建築物の中高層階に避難場所を設け、かつ大規模地震などの非常時においても居住継続性能を維持する新規手段を開示している点で、産業上有用である。加えて、本発明では居住者の避難場所を中高層階に設定しているため、エントランスロビーなどの1階や低層階の避難場所をいわゆる帰宅困難者に提供できるという有利性も備える。
本発明に係る多層建築物の例を示す断面模式図。 本発明に係る多層建築物の例を示す平面模式図(センターコア型)。 本発明に係る多層建築物の別の例を示す平面模式図(ボイド型)。
1 コア部
11 エレベーター
12 階段
13 エレベーターホール
2 共用通路
3 居住区域
4 特別居室
5 自然採光空間
61 外部電力
62 一般電力供給手段
7 電気系統の専用生活維持手段
71 専用発電手段
72 専用蓄電手段
73 自家発電手段
81 一般貯水手段
82 給水用ポンプ
83 居住区域へ給水する管路
9 給水系統の専用生活維持手段
91 専用貯水手段92へ給水する独立管路
92 専用貯水手段
93 専用給水手段
A 多層建築物
E エントランスホール
V 吹き抜け部

Claims (7)

  1. 多層階を有し、各階に、コア部と、該コア部と連絡する共用通路と、各出入口が前記共用通路にそれぞれ面した複数の居住区域とが少なくとも配置された多層建築物であって、
    連続する複数階を一群として該建築物の中高層階を上位の階から順に区分けした場合に各群の略中央に位置する階に、それぞれ特別居室が配置されるとともに、前記特別居室の出入口に面する位置に、前記共用通路に接続する自然採光空間が形成され、
    前記特別居室及び前記自然採光空間を非常時の避難場所として用いることが可能な多層建築物。
  2. 前記特別居室が、前記建築物の外部からの電力及び/又は上水の供給が停止した場合に一定期間の生活を維持するための専用生活維持手段を備えた請求項1記載の多層建築物。
  3. 電気系統の前記専用生活維持手段として、
    前記各特別居室へ電力を供給する専用発電手段、及び/又は、前記各特別居室で用いるための電力を蓄電する専用蓄電手段を備えた請求項2記載の多層建築物。
  4. 給水系統の前記専用生活維持手段として、
    前記各居住区域へ給水する管路とは独立した管路により供給された上水を貯留する専用貯水手段と、
    該専用貯水手段に貯留する上水を前記各特別居室へ供給する専用給水手段と、を備えた請求項2又は請求項3記載の多層建築物。
  5. 前記自然採光空間が外気の流通可能な構成を備えた請求項1〜4のいずれか記載の多層建築物。
  6. 前記特別居室が、前記コア部に隣接する位置に配置された請求項1〜5のいずれか一項記載の多層建築物。
  7. 前記各特別居室が、それぞれの階における平面視略同一の位置に配置された請求項1〜6のいずれか一項記載の多層建築物。
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