JP7120571B2 - 集合住宅 - Google Patents
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Description
その原因は複数存在するであろうが、集合住宅(なお、本願では、マンション等の住宅(ホテルにおける宿泊用の居室を含む)が集合したものの他、事務所の集合であるオフィスビルと称されることもある事務所建築物、住宅及び事務所の集合である併用建築物を総称して「集合住宅」と称するものとする。)からの排熱がその原因の一つであることには疑いの余地がない。例えば、夏場において活躍する冷房装置(空調装置を含む。)の室外機からは、無視できない量の排熱が外部環境へ排出される。
いずれにせよ、室外機は居室単位で設置されることが通常であり、各室外機から外部環境へ排出される排熱に対して、その熱を下げるような統一的な処理を行うことが難しい。また、そもそも室外機はある程度の大きさがあるため、集合住宅の外部から視認可能な位置に室外機が点々と存在するのは、美観の点から見ても難がある。
本願発明は、排熱を除去する対象となる少なくとも1つの居室を有している、そのそれぞれが所定の階高とされた連続した複数の階の集合である対象階を含み、前記対象階のそれぞれには、前記対象階のそれぞれに存在するすべての居室に面する廊下が設けられている集合住宅である。なお、本願における各階の区分は、水平な床スラブを基準として判断されるものとする。
そして、この集合住宅の前記対象階に含まれる階の少なくとも1つの階の前記廊下の上方には、当該廊下の全長にわたる長尺で且つ筒状の設備専用空間が設けられているとともに、前記設備専用空間内には、少なくとも前記設備専用空間がある階に存在するすべての居室から排熱を集める管である排熱管が設けられている。
この集合住宅は、対象階の少なくとも1つの階の廊下の上方の空間に、設備専用空間を設けている。設備専用空間は、通常であればデッドスペースとなっていた廊下の上方の空間を利用するものである。設備専用空間の中には、当該設備専用空間が存在する階にあるすべての居室からの排熱を集める管である排熱管が設けられている。それを可能とするため、排熱管は、当該排熱管がその中にある設備専用空間が存在する階にあるすべての居室の傍を通る必要があるが、廊下はその性質上、その廊下がある階にあるすべての居室に面するため、廊下に沿って設けられた設備専用空間の中に設けられた排熱管は、その排熱管がある階におけるすべての居室の傍を通るという条件を自ずから充足する。排熱管は、例えば、居室のキッチン、バスルームから排熱を集める。排熱管は、それが排熱を集める対象となる居室のすべてに直接繋がっていてもよいし、他の手段、例えば他の管によって繋がっていても良い。
設備専用空間は、例えば、ダクトの様な構造とすることができ、その断面は例えば矩形である。
このような構造を持つ本願発明の集合住宅によれば、少なくとも設備専用空間が廊下にある階の各居室から出る排熱を、設備専用空間の中の排熱管に集めることが可能であるため、少なくとも各居室から各々排熱を外部環境に排出する従来の集合住宅よりも排熱の処理を行い易い。加えて、排熱を集める排熱管は廊下における設備専用空間の中に収納されるのであるから美観の点からも優れている。廊下の天井高を、集合住宅を利用する者(例えば、住人)に圧迫感を与えない程度に高く取ることを考えると、前記設備専用空間が設けられる階の階高は、3000mm以上、好ましくは3500mm以上とすべきである。
前記設備専用空間及び前記排熱管は、前記対象階中のすべての階に存在するすべての居室から前記排熱管により排熱を集められるようになっていてもよい。すべての階のすべての居室から、排熱管に熱を集めることが可能と慣れば、排熱の集中的な処理をより一層実現しやすくなる。
設備専用空間の中には、他にも、それらのいずれもが各居室に連なる水道管、ガス管、電線等が配されていても構わない。設備専用空間を利用することにより、水道管、ガス管、電線その他の電気系統諸設備等を集合住宅に配するための、従来の集合住宅では必要だった他の設備を省略することが可能となる。
これによれば、集合住宅における排熱管からの排熱を集中排熱管に集めることが可能となる。これにより、排熱のより統一的な処理が可能となる。集中排熱管は、例えば、集合住宅の上下方向に延び、その上端が集合住宅の最上階或いは更にその上に位置するようにすることができる。集合住宅の上方から排熱を外部環境に放出することとすれば、排熱が外部環境に与える影響を限定的なものとすることができる。
前記集中排熱管には、前記排熱を他のエネルギーに変換する変換器が設けられていてもよい。そのような変換器で排熱の少なくとも一部を他のエネルギー(例えば、電力)に変換することにより、排熱の温度を下げることが可能となるだけでなく、他の用途に利用できるエネルギーを得られることになり一石二鳥である。
集合住宅が変換器を備える場合における前記変換器は、前記排熱の熱エネルギーを利用して発電を行うペルチェ素子であり、前記ペルチェ素子の吸熱側が前記集中排熱管に面していてもよい。ペルチェ素子を変換器とすれば、排熱から電力を得られることになる。
そして、この集合住宅における前記高階のみによって占められる前記対象階の偶数階又は奇数階における前記高階に存在する前記廊下の上方から、前記高階の階高と前記低階の階高の差分よりも小さい高さ範囲には、前記設備専用空間が設けられており、前記設備専用空間それぞれの中に設けられる前記排熱管は、前記設備専用空間に隣接する前記高階の前記居室のすべて、及び前記設備専用空間が存在する前記高階の直上に位置する前記高階又は前記低階の前記居室のすべてからの排熱を集めるようになっていてもよい。
この発明における集合住宅は、階高の異なる2種類の階を有している。一般的な集合住宅では、階高は一定であることが多い。他方、本願発明者は、各階の階高を、例えば、各階を区切るスラブとして、順梁スラブ(正梁スラブ)と逆梁スラブとを組み合わせることによって変化させる技術をかねてから提案している。階高の異なる2種類の階を用いるには順梁スラブと逆梁スラブとを応用することが必須ではないが、階高の異なる2種類の階を組み合せるという発想により、以下のような効果を得られる。
高階と低階の定義に話を戻す。相対的に階高の高い階を本願では「高階」と称し、相対的に階高が低い階を本願では「低階」と称する。高階と低階のうち、高階は、少なくとも対象階における偶数階のすべて又は奇数階のすべてを占める。前記高階は、前記対象階の偶数階又は奇数階にのみに存在してもよい。もっとも、高階が対象階における偶数階のすべてを占める場合、対象階における奇数階に高階が含まれても良いが、対象階における奇数階のうちの少なくとも1つの階は低階である。高階が対象階における奇数階のすべてを占める場合、対象階における偶数階に高階が含まれても良いが、対象階における偶数階のうちの少なくとも1つの階は低階である。つまり、本願発明の集合住宅の対象階には、少なくとも1階おきに高階が存在することになる。本願発明の集合住宅では、高階にも低階にも少なくとも1つの居室が存在するが、高階にも低階にも居室のすべてに面する廊下が存在する。
高階が対象階における偶数階のすべてを占める場合における対象階における偶数階の高階の廊下には、或いは高階が対象階における奇数階のすべてを占める場合における対象階における奇数階の高階の廊下には、廊下の全長にわたる設備専用空間が設けられる。つまり、設備専用空間は対象階において1階おきに存在することになる。設備専用空間は、高階の廊下の上方の部分に設けられることになる。設備専用空間の上下方向の長さは、高階の階高と低階の階高の差分よりも小さい。これによれば、設備専用空間が設けられた高階の廊下における設備専用空間の下側の部分の天井高(設備専用空間の底面を天井として捉えた場合の天井高)として、低階における廊下の天井高と同じかそれ以上の天井高を確保することができることになる。
設備専用空間の中には、排熱管が設けられる。排熱管は、設備専用空間に隣接する高階の居室のすべて、及び設備専用空間が存在する高階の直上に位置する高階又は低階の居室のすべてからの排熱を集めるためのものである。本願発明の集合住宅では、1階おきに設備専用空間及び排熱管が設けられる。したがって、1階おきに存在する排熱管は、設備専用空間のある高階にある居室と、その高階の直上に位置する高階又は低階の居室のすべてと近接した位置を通ることになるため、それらすべての居室から排熱を集めることができるのである。
このような構造を持つ本願発明の集合住宅によれば、各居室から出る排熱を、1階おきに存在する設備専用空間の中の排熱管に集めることが可能であるため、少なくとも各居室から各々排熱を外部環境に排出する従来の集合住宅よりも排熱の処理を行い易い。加えて、排熱を集める排熱管は設備専用空間の中に収納されるのであるから美観の点からも優れている。加えて、対象階において高階のみに設けられる設備専用空間の下には、少なくとも低階の廊下に与えられる天井高と同じ天井高を与えることが可能であるため、集合住宅を利用する者に圧迫感を与えることもない。
上述したように、設備専用空間の上下方向の長さは、高階の階高と低階の階高の差分よりも小さくされるが、低階の階高に差がある場合においては、設備専用空間の上下方向の長さは、例えば、高階の階高と、最も階高の低い低階の階高の差分よりも小さくすることができる。
図1に、本願発明の第1実施形態による集合住宅の側断面図、図2に後述する高階における平面図を示す。
集合住宅の基本的な構成は、従前からの構成と同じで良い。例えば、図示を省略しているが、この実施形態の集合住宅は、地面Gに深く打ち込まれた基礎の上に建てられている。
これには限られないがこの実施形態の集合住宅は住宅が集合したマンションである。集合住宅は、マンションに限らず、ホテルでもよく、事務所の集合した事務所建築物(いわゆるオフィスビル)であっても良いし、住宅と事務所等を併合した併用建築物であっても良く、その一部例えば低層階に商業施設用階を含むものであっても良い。
集合住宅の1階は、これには限られないが、この実施形態ではエントランスEになっている。集合住宅の1階には、災害の備えとなる備蓄品の倉庫や、駐車場が存在しても構わない。また、集合住宅の1階には、店舗が存在しても良い。
これには限られないが、この実施形態では、集合住宅の2階から上が対象階となっている。各対象階には少なくとも1つの居室Rが存在する。この実施形態いでは、これには限られないが、各対象階における居室Rは並列的に設けられている。対象階は、排熱を除去する対象となる居室Rを有している連続する階の集合である。この実施形態では対象階から外されているが、集合住宅の1階も対象階に含めることも可能である。
床スラブ101は、その下面が各居室R等の天井の表面となる場合もあるし、そうでない場合もある。床スラブ101の下面が各居室R等の天井の表面でない場合には、床スラブ101の下方には床スラブ101に平行な他の板が配される。床スラブ101は、その上面が各居室R等の床の表面となる場合もあるし、そうでない場合もある。床スラブ101の上面が各居室R等の床の表面でない場合には、床スラブ101の上方には床スラブ101に平行な他の板が配される。いずれにせよ、上述の「他の板」はこの実施形態では存在しないものとする。
また、壁102の外面の少なくとも一部に発電を目的としたソーラパネルが取り付けられていても良い。これら事情は、後述する転落防止壁、転落防止柵でも同様である。
各居室Rには、各居室Rに出入りするための開閉自在のドア103が設けられており、また、各居室Rの適当な位置には、例えば、開閉自在とされた窓104が設けられている。ドア103、窓104は、公知或いは周知のもので良い。
図1において居室Rから左側に床スラブ101が食み出た部分によって、対象階における廊下Pが形成されている。この実施形態における2階から7階の各階における廊下Pは、図1の紙面に垂直な方向で直線状であり、事実上集合住宅の紙面に垂直な方向の全長に及んでいる。各階における廊下Pは、各階におけるすべての居室Rに、より正確には各階におけるすべての居室Rのドア103に面している。
廊下Pの居室Rとは反対側には、転落防止を主な目的とする公知或いは周知の転落防止壁105がある。また、廊下Pの所定の部分には、エレベーターホールEHを介してエレベータEVが設けられている。エレベーターホールEH及びエレベータEVはいずれも、公知或いは周知のもので良い。
図1において居室Rから右側に床スラブ101が食み出た部分によって、対象階におけるベランダBが形成されている。この実施形態における2階から7階の各階におけるベランダBは、図1の紙面に垂直な方向で直線状であり、事実上集合住宅の紙面に垂直な方向の全長に及んでいる。もっともベランダBは存在しなくてもよく、また、床スラブ101のうちのベランダBを構成する部分は、床スラブ101とは別の構造体であっても良い。
ベランダBの居室Rと反対側には、転落防止を主な目的とした転落防止柵106が設けられている。
この実施形態では、対象階において、2階、4階、6階は、その階高がL1とされている。また、この実施形態において、3階、5階は、その階高がL2とされている。この実施形態において、7階は、その階高がL3とされている。
2階、4階、6階の階高であるL1は、3階、5階、7階の階高であるL2、L3よりも高い。階高がL2、L3である3階、5階、7階よりも、それらの階高(L1)が高い2階、4階、6階は、本願でいう高階に該当する。他方、階高がL2である3階、5階、及び階高がL3である7階は、本願でいう低階に該当する。なお、L1の範囲は、例えば4800mm~5000mmの間であり、L2、L3の範囲は、これには限られないが例えば3000mm~3600mmの間である。
この実施形態では、高階は、2階、4階、6階に存在する。このように高階は、それが対象階のうちの偶数階に存在する場合には、対象階の偶数階のすべてを占める。他方、図示を省略するが、高階は、対象階の奇数階のすべてを占める場合がある。この実施形態の集合住宅であれば、その場合においては高階は、3階、5階、7階に存在することになる。
この実施形態においては、高階でない階である3階、5階、7階はすべて低階とされている。もっとも、高階でない階は、必ずしも低階である必要はなく、高階でない階が高階に相当する階高を持っていても良い。ただし、高階でない階のうちの少なくとも1つの階は低階である必要がある。これらの事情は、高階が、対象階のうちの偶数階をすべて占める場合に限らず、高階が対象階のうちの奇数階のすべてを占める場合においても同様である。
この実施形態では、高階の階高は、すべての階でL1であり、すべての階で等しくされている。また、高階は、集合住宅の少なくとも偶数階のすべて、或いは少なくとも奇数階のすべてを占めるため、集合住宅の対象階において少なくとも1階おきに存在することになる。
他方、この実施形態では、低階の階高は、L2又はL3であり、すべての階で等しくされているわけではない。この実施形態では、必ずしもこの限りではないが、L3>L2とされている。もっとも、L2、L3はL1よりは必ず小さい。とはいえ、上述のように、高階でない階は必ずしも低階である必要はないので、例えば、L3=L1であっても構わない。また、すべての低階の階高を同じとすることも可能であり、その場合には、L2=L3とすることも可能である。
また、特に高階においては、近接する2つの床スラブ101によって上下から挟まれた1つの居室R内に、例えばロフトである上部余剰空間とでも呼ぶべき層状の構造を構築することが可能となり、コストの上昇を抑えつつ、集合住宅中の各居室Rに更なるバリエーションを与えることが可能となる。加えて、特に高階においては、例えば床下収納である下部余剰空間とでも呼ぶべき層状の構造を構築することが可能となる。
設備専用空間Dは筒状である。設備専用空間Dを作る部材は、集合住宅の躯体と一体であってもよいし、そうでなくてもよい。設備専用空間Dは筒状ではあるが、完全な筒状であることは要求されず、その両端部分以外の部分が開放されていても構わない。例えば、図1にあるように、設備専用空間Dの例えば居室Rの反対側の部分は、一部が開放されていてもよい。とはいえ、設備専用空間Dの下面は、開放されていない方が美観の点から好ましい。設備専用空間Dは、集合住宅の躯体の一部として構成されていても良いし、集合住宅の躯体とは別部材で構成されていても良い。
設備専用空間Dは、廊下Pの全長にわたって存在する。
設備専用空間Dは、廊下Pの上端に存在する。また、設備専用空間Dの上下方向の長さ(高さ)は、高階の階高と低階の階高との差分よりも小さくされる。この実施形態における設備専用空間Dの上下方向の長さは設備専用空間Dの全長にわたって等しくされている。この実施形態では、低階の階高がL2かL3のいずれかであって、低階の階高が一定ではない。そのような場合には、設備専用空間Dの上下方向の長さは、高階の階高であるL1と最も階高の低い階高であるL2の差分よりも小さくする。そうすることによって、高階の廊下Pの天井高として、最も天井高の低い低階の廊下Pの天井高と少なくとも同じ天井高を確保できるようになる。
この実施形態では、これには限られないが、高階の廊下Pの床の下に、開閉自在な収納扉107で平常時は蓋のされた収納スペースXが設けられている。収納スペースXは、例えば、災害時の備えとしての備蓄品が収納されており、災害時には収納扉107を開放することで、備蓄品を取り出せるようになっている。この実施形態では、高階の廊下Pの下方の空間をも収納スペースXを設けることによって更に有効に利用することにしている。とはいえ、収納スペースXを設けると、設備専用空間Dの上下方向の高さ分のみならず、収納スペースXの深さ分も、高階の廊下Pの天井高が低くなる。その点を考慮して、この実施形態では、高階の廊下Pの設備専用空間Dの上下方向の長さは、収納スペースXを設けてもなお、高階の廊下Pの天井高として最も天井高の低い低階の廊下Pの天井高と少なくとも同じ天井高を確保できるように設計されている。
上述したように排熱管121を収納する設備専用空間Dは、対象階におけるすべての高階の廊下Pに存在する。そして、高階は、対象階に1階おきに存在する。したがって、高階にある各排熱管121が、その階とその上の階の居室Rのすべてから排熱を回収できることと相俟って、集合住宅の対象階におけるすべての居室Rから排熱を集めることが可能となる。
例えば、各排熱管121は、枝管122を介して、その排熱管121を収納する設備専用空間Dのある階の居室Rと、その上の階の居室Rとに接続されている。設備専用空間Dのある階の居室Rの設備専用空間Dと隣接する部分における床スラブ101の下面には、枝管122が接続されるべき2つの居室Rに面した空間である接続空間Yが設けられている(図1参照)。枝管122はその先で更に2つに枝分かれして、接続空間Yから上下2つの居室Rに対して繋げられている。枝管122は、居室Rから、例えば、居室R内にある図示せぬキッチン、バスルーム等から排熱を集める。図示を省略しているが、枝管122の先端は、キッチン、バスルーム等の排熱を生じる箇所に接続されている。排熱は、例えば、温風として集められても良いし、熱媒を介して集められてもよい。この実施形態では、枝管122の基端はヒートポンプ123と接続されている。ヒートポンプ123は、各居室Rから排熱を引くものである。枝管122中の熱媒を介してヒートポンプ123に運ばれた排熱は、熱交換の機能を有するヒートポンプ123によって熱媒から取り出され、管である第1接続管124を介して排熱管121に熱風として送り込まれる。
また、各設備専用空間Dの内部には各居室Rに配置された冷房装置(或いは空調装置)と図示を省略の公知或いは周知の設備により接続された室外機125が配置されている。冷房装置は、周知のように排熱を生じ、排熱は一般的には室外機から外部環境に排出される。この実施形態の集合住宅では、室外機125を設備専用空間D内に配置することとし、また室外機125と排熱管121とを管である第2接続管126で繋ぐことによって、各室外機125からの排熱を、熱風として排熱管121に送り込むようにしている。
設備専用空間Dの中には、排熱管121に加えて、各居室Rに連なる水道管、ガス管、電線その他の電気系統設備等が配されていても構わない。
もっとも、この実施形態では、必ずしもその限りではないが、各排熱管121は、集合排熱管132に接続されている。集合排熱管132は、例えば上下方向に伸びる、金属等でできた管である。この実施形態における集合排熱管132はその下端は封止されており、その上端は開放されている。集合排熱管132の上端は、集合住宅の最上部と略同じか、それよりも高い高さに及んでいる。なお、集合排熱管132は、それを外側から囲みつつ支持する筒である外筒131によって支持されている。外筒131は、床スラブ101の廊下Pから更に居室Rから遠い方向に延びた部分である板状の支持部108を貫通しており、各支持部108によって支持された状態となっている。外筒131の中には、集合排熱管132に加えて、各居室Rに連なる水道管、ガス管、電線その他の電気系統設備等が配されていても構わない。
集合排熱管132内に熱風の状態で集められた各居室Rからの排熱は、集合排熱管132の上端から外部環境へ放出されるようになっている。熱風は何らの処理を行われずに外部環境へ放出されるようになっていても構わないが、この実施形態では集合排熱管132に排熱を他のエネルギー(例えば、電力)に変換する変換器(の少なくとも一部)が設けられている。変換器の図示を省略するが、この実施形態における変換器は、熱電変換を行うことのできる、つまり、排熱の熱エネルギーを利用して発電を行うペルチェ素子である。ペルチェ素子の吸熱側が集合排熱管132に面している(例えば、集合排熱管の上端付近の内面に配置されている)とともに、その放熱側を、より低温の部分(例えば、集合住宅の地下を流れる地下水の中、或いは地下水に放熱を行うことのできる放熱板)等に位置させるか接触させることにより、吸熱側と放熱側の素子の間で電位差が生じる。それにより、排熱の熱エネルギーから電力を取り出すことが可能となる。
なお、電力を取り出す方法は、上述の限りではなく、例えば、排熱を運ぶ空気が運動エネルギー(風力)を持つのであれば、集合排熱管132の例えば、出口近辺に当該運動エネルギーを電力に変換する風車型発電機を設けることも可能である。風車型発電機は、公知或いは周知のもので良い。
変形例による集合住宅について説明する。
上述の実施形態における集合住宅では、居室Rは、対象階の各階において並列的に並んでおり、また、各階の廊下Pは直線状であった。変形例による集合住宅では、これに代えて、対象階の各階において廊下Pを回廊型とするとともに、居室Rを廊下Pの周囲に配置している(図3)。このような居室Rの配置は、典型的にはタワーマンションでよく見られる。なお、図3中の網掛け部分は、他の階も含めて、例えば吹き抜けにしても良いが、タワー駐車場、集合住宅に必要な設備を配置する部屋、倉庫等に利用することもできる。
変形例の場合においても、高階の廊下Pの全長にわたって設備専用空間が設けられることになる(エレベーターホールEHにまで設備専用空間が及んでいるか否かは問わない。)。この場合、設備専用空間の中には排熱管121が設けられる。これには限られないが、図3で排熱管121は、図3で示したように、図3における右側と左側の2系統に分けられている。上述の実施形態の場合でも同様であるが、このように、各設備専用空間Dの中にある排熱管121を複数系統に分けることを本願の集合住宅は排除しない。変形例では、2系統の排熱管121は、2つの集合排熱管132にそれぞれ接続されている。
なお、図3では、ヒートポンプ123、室外機125の図示は省略している。
図4に、第2実施形態による集合住宅の側面図を示す。
第2実施形態による集合住宅は、多くの部分で第1実施形態における集合住宅と共通する。ただし、7階建てであった第1実施形態の集合住宅とは異なり、第2実施形態による集合住宅は、6階建てとなっている。
第2実施形態による集合住宅の1階の構造は、第1実施形態と変わらない。第2実施形態の集合住宅も第1実施形態の場合と同様に2階より上の階のすべてが対象階となっている。
対象階の各階は、廊下Pの上方に設備専用空間Dを取れるだけの階高を取ってある。各階の階高L4は、3000mm以上、好ましくは3500mm以上であって、この実施形態ではこの限りではないが、上述の高階の階高であるL1に対応した範囲から選ばれるものとなっている。もっとも、各階の階高L4はすべて共通である必要はなく、各階の階高を、3000mm以上、好ましくは3500mm以上の範囲で適宜に決定することができる。
ヒートポンプ123、及び室外機125の機能は第1実施形態、及び第2実施形態で変わりはないが、第2実施形態におけるそれらは、それらがある階にある居室Rからのみ排熱を引くようになっている。この点で第2実施形態は、ヒートポンプ123、及び室外機125が、それらが存在する階及びその直上の階の居室Rから排熱を引くようになっていた第1実施形態と異なる。第2実施形態では、すべての階に設備専用空間Dが存在し、すべての階に排熱管121、ヒートポンプ123、及び室外機125が存在するので、ヒートポンプ123、及び室外機125は、それらが存在する階の居室Rからのみ排熱を引き、それらが入れられた設備専用空間D中の排熱管121に排熱を渡すようになっていれば十分だからである。
第2実施形態でも第1実施形態の場合と同様に、すべての排熱管121が、集合排熱管132に接続されている。それにより、第2実施形態では、対象階におけるすべての居室Rで生じた排熱が集合排熱管132に集められるようになっている。
第2実施形態がそうであるように、設備専用空間D及び排熱管121は、対象階中のすべての階に存在するすべての居室Rから排熱管121により排熱を集められるようになっているのが好ましい。排熱管121は上述したように、廊下Pの上方に設けた設備専用空間Dの中に配される。そのことを考慮すれば、ある階に存在する設備専用空間Dの中に配された排熱管121は、第1実施形態で説明したように、当該排熱管121が存在する階、及びその直上の階からの排熱を集めるのに適している。その点を考慮すれば、設備専用空間D及び排熱管121は少なくとも1階おきに存在するべきであろう。もっとも、集合住宅の中で設備専用空間Dを廊下Pの上方に作るために十分な階高がある階のすべてにおいて、設備専用空間Dを作ることが可能であり、その場合には、第2実施形態で述べたように、設備専用空間Dが連続する複数階に存在してもよい。
また、ある階に設備専用空間Dが存在するとして、そこに、その階に存在する居室R及びその直上にある階の居室Rのみならず、例えば2階上の階や直下の階にある居室Rから排熱を引くためのヒートポンプ123や室外機125を置くことも可能である。その場合には、例えば、ヒートポンプ123から伸びる上述の枝管122が、排熱を引く対象となる居室Rのそれぞれにまで伸びることになろう。そのような構成を採用するのであれば、設備専用空間Dは、1階おきに設ける必要はなく、対象階のうちの適宜の階に設けられれば良い、ということになる。
102 壁
108 支持部
121 排熱管
122 枝管
123 ヒートポンプ
124 第1接続管
125 室外機
126 第2接続管
131 外筒
132 集合排熱管
D 設備専用空間
P 廊下
R 居室
X 収納スペース
Claims (7)
- 排熱を除去する対象となる少なくとも1つの居室を有している、そのそれぞれが所定の階高とされた連続した複数の階の集合である対象階を含み、前記対象階のそれぞれには、前記対象階のそれぞれに存在するすべての居室に面する廊下が設けられている集合住宅であって、
前記対象階に含まれる階の少なくとも1つの階の前記廊下の上方には、当該廊下の全長にわたる長尺で且つ筒状の設備専用空間が設けられているとともに、
前記設備専用空間内には、少なくとも前記設備専用空間がある階に存在するすべての居室から排熱を集める管である排熱管が設けられており、
前記設備専用空間は、前記対象階の中の複数の階に設けられているとともに、
前記設備専用空間それぞれの中にある前記排熱管のそれぞれと連なる管であり、前記設備専用空間それぞれの中にある前記排熱管から前記排熱を集める集中排熱管を更に備えており、
前記集中排熱管には、前記排熱を他のエネルギーに変換する変換器が設けられている、
集合住宅。 - 排熱を除去する対象となる少なくとも1つの居室を有している、そのそれぞれが所定の階高とされた連続した複数の階の集合である対象階を含み、前記対象階のそれぞれには、前記対象階のそれぞれに存在するすべての居室に面する廊下が設けられている集合住宅であって、
前記対象階に含まれる階の少なくとも1つの階の前記廊下の上方には、当該廊下の全長にわたる長尺で且つ筒状の設備専用空間が設けられているとともに、
前記設備専用空間内には、少なくとも前記設備専用空間がある階に存在するすべての居室から排熱を集める管である排熱管が設けられており、
前記設備専用空間及び前記排熱管は、前記対象階中のすべての階に存在するすべての居室から前記排熱管により排熱を集められるようになっており、
前記対象階は、所定の階高の高階と、前記高階よりも低い階高の低階とを含んでいるとともに、少なくとも前記対象階の偶数階のすべて又は奇数階のすべてが前記高階とされており、
前記高階のみによって占められる前記対象階の偶数階又は奇数階における前記高階に存在する前記廊下の上方から、前記高階の階高と前記低階の階高の差分よりも小さい高さ範囲には、前記設備専用空間が設けられており、
前記設備専用空間それぞれの中に設けられる前記排熱管は、前記設備専用空間に隣接する前記高階の前記居室のすべて、及び前記設備専用空間が存在する前記高階の直上に位置する前記高階又は前記低階の前記居室のすべてからの排熱を集めるようになっている、
集合住宅。 - 前記設備専用空間それぞれの中には、前記居室から前記排熱管に排熱を引くためのヒートポンプが設けられている、
請求項1又は2記載の集合住宅。 - 前記変換器は、前記排熱の熱エネルギーを利用して発電を行うペルチェ素子であり、前記ペルチェ素子の吸熱側が前記集中排熱管に面している、
請求項1記載の集合住宅。 - 前記高階は、前記対象階の偶数階又は奇数階にのみに存在する、
請求項2記載の集合住宅。 - 前記低階それぞれの階高はすべて等しい、
請求項2記載の集合住宅。 - 前記設備専用空間が設けられる階の階高は、3000mm以上となっている、
請求項1~6のいずれかに記載の集合住宅。
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