JP2014009299A - タイヤ用ゴム組成物及び高性能ドライタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性能、耐アブレージョン性能、グリップ性能をバランスよく改善したタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた高性能ドライタイヤを提供する。
【解決手段】スチレンブタジエンゴムと、ノルボルネンポリマーと、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物とを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた高性能ドライタイヤに関する。
レースなどに使用される高性能ドライタイヤ用トレッドゴム組成物には、ドライグリップ性能、耐摩耗性能、耐アブレージョン性能のバランス向上が強く要求されており、これらの性能を確保するため、従来から様々な工夫がなされている。その中でも、主にスチレンブタジエンゴム種の開発により、前記性能のバランス向上が図られている。
しかしながら、スチレンブタジエンゴム種の開発のみでは大きなブレークスルーは得ることは難しく、また、天然ゴムの配合比率を高めることで耐摩耗性や耐アブレージョン性能は向上するものの、ドライグリップ性能が大きく低下する傾向があるため、これらの性能を両立することは一般に困難である。
そこで、スチレンブタジエンゴムとノルボルネンポリマーを組み合わせてグリップ性能を向上し、前記性能バランスを改善することが考えられるが、スチレンブタジエンゴムの配合比率が少なくなる、すなわちノルボルネンポリマーの配合比率が多くなるにつれて、ドライグリップ性能が低下し、また、耐摩耗性能や耐アブレージョン性能も低下する傾向があるため、特に耐摩耗性能や耐アブレージョン性能が要求される配合の作製が困難である。
更に特許文献1には、ゴム成分、酸、窒素化合物及びロジン誘導体を含むグリップ性能と耐摩耗性を両立できる高性能タイヤが開示されているが、前記性能バランスについて改善の余地を残している。このように、レースなどの競技で乾燥路面に使用される高性能ドライタイヤには、ドライグリップ性能、耐摩耗性能、耐アブレージョン性能の性能バランスの更なる改善が望まれている。
特開2011−57797号公報
本発明は、前記課題を解決し、ドライグリップ性能、耐摩耗性能、耐アブレージョン性能をバランスよく改善したタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた高性能ドライタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、スチレンブタジエンゴムと、ノルボルネンポリマーと、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物とを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
ゴム成分100質量%中の前記スチレンブタジエンゴム含有量が70〜95質量%、前記ノルボルネンポリマーの含有量が5〜30質量%であることが好ましく、また、前記ゴム成分100質量部に対する前記脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物の含有量が1〜5質量部であることが好ましい。
前記ノルボルネンポリマーとしては、オイル、液状レジン及び液状ジエン系重合体からなる群より選択される少なくとも1種で伸展されたものが好ましい。
前記ゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。
前記ゴム組成物は、高性能ドライタイヤ用トレッドゴム組成物であることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した高性能ドライタイヤに関する。
本発明によれば、スチレンブタジエンゴムと、ノルボルネンポリマーと、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物とを含有するタイヤ用ゴム組成物であるので、耐摩耗性能、耐アブレージョン性能、グリップ性能をバランスよく改善でき、これらの性能バランスに優れた高性能ドライタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(SBR)と、ノルボルネンポリマーと、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物とを含有する。
SBRとノルボルネンポリマーとを用いた場合、特にノルボルネンポリマーの配合比率が高くなると、グリップ性能、耐摩耗性能、耐アブレージョン性能の性能バランスが低下する傾向があるが、これは、リバージョン(加硫戻り)が大きくなることで、ゴムの劣化や架橋状態の悪化、更には破壊エネルギーの低下に起因するものと推察される。そこで、本発明では、更に前記混合物を配合してリバージョンを防止することでこれらの特性の悪化を防止し、これにより、充分なグリップ性能を維持しながら、耐摩耗性能や耐アブレージョン性能が改善され、これらの性能バランスを顕著に改善できるものと推察される。
本発明ではゴム成分として使用されるSBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)などが挙げられる。なかでも、本発明の効果が好適に得られるという理由から、E−SBRが好ましい。
SBRのスチレン含有率は、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。20質量%未満では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、該スチレン含有率は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。60質量%を超えると、耐摩耗性が低下するだけでなく、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなる傾向がある。
なお、スチレン含有量は、H−NMR測定によって算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上である。70質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、該SBRの含有量は、95質量%以下が好ましい。95質量%を超えると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。
本発明でゴム成分として使用されるノルボルネンポリマーは、エチレンとシクロペンタジエンとのディールス・アルダー反応により合成されるノルボルネンを開環重合して得られるポリマーである。ノルボルネンポリマーとしては特に限定されず、例えば、ノーソレックス(アストロテック社製)などの市販品などを使用できる。
ゴム成分100質量%中のノルボルネンポリマーの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、必要な耐摩耗性能、耐アブレージョン性能が得られない恐れがある。また、該ノルポルネンポリマーの含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。30質量%を超えると、充分なグリップ性能が得られない恐れがある。
ノルボルネンポリマーとして、軟化剤1で伸展したもの(伸展ノルボルネンポリマー)を好適に使用できる。これにより、他のゴム成分との相溶性が向上し、耐アブレージョン性、耐摩耗性が大きく向上し、前記性能バランスを顕著に改善できる。
ノルボルネンポリマーを伸展する軟化剤1としては特に限定されないが、例えば、オイル、液状レジン、液状ジエン系重合体などを好適に使用できる。該軟化剤1は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
オイルとしては、アロマオイル、プロセスオイル、パラフィンオイルなどの鉱物油などが挙げられる。
液状レジンとしては、液状クマロンインデンレジン、液状テルペンレジン、液状テルペンフェノールレジン、液状スチレンレジンなどが挙げられる。ここで、液状レジンの軟化点の下限は−20℃以上、好ましくは−5℃以上、より好ましくは0℃以上であり、上限は20℃以下、好ましくは18℃以下、より好ましくは17℃以下である。なお、本明細書において、軟化点とは、JIS K6220:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
液状ジエン系重合体とは、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。
液状ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1.0×10〜2.0×10、より好ましくは2.0×10〜1.0×10、更に好ましくは3.0×10〜2.0×10である。1.0×10未満では、破壊特性が低下し、充分な耐摩耗性を確保できない恐れがある。一方、2.0×10を超えると、重合溶液の粘度が高くなり過ぎ生産性が悪化する恐れがある。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求められる。
液状ジエン系重合体としては、例えば、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。なかでも、耐アブレージョン性能とグリップ性能がバランスよく得られるという理由から、液状SBR、液状IRが好ましく、液状SBRがより好ましい。
液状SBRのビニル含量は、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜75質量%である。なお、液状SBRのビニル含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。また、液状SBRのスチレン含量は、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは15〜45質量%である。なお、液状SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
伸展ノルボルネンポリマーにおいて、ノルボルネンポリマー100質量部に対して、伸展する軟化剤1の配合量(伸展軟化剤1量)は、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは35質量部以上である。10質量部未満では、ノルボルネンポリマーの可塑化効果が不足し、十分に他のゴム成分と混ざらない恐れがある。該配合量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは70質量部以下、特に好ましくは60質量部以下である。200質量部を超えると、ノルボルネンポリマーが有する高い破壊エネルギーが低下する恐れがある。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のSBR及びノルボルネンポリマーの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。これにより、良好な前記性能バランスが得られる。
本発明で使用できる他のゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられ、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合してもよい。
本発明では、補強用充填剤として、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなど、従来タイヤ用ゴム組成物において慣用されるもののなかから任意に選択して用いることができる。主としてカーボンブラックを配合することが好ましい。
カーボンブラックを使用することにより、グリップ性能を向上でき、また、耐摩耗性、耐アブレージョン性能や操縦安定性の改善効果も得られる。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなど、タイヤ工業において一般的なものを用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは100m/g以上、より好ましくは130m/g以上である。100m/g未満では、グリップ性能が低下する傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは、好ましくは500m/g以下、より好ましくは450m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。500m/gを超えると、カーボンブラックの分散性が悪く、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上である。50質量部未満では、グリップ性能、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは180質量部以下である。200質量部を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
本発明では、グリップ性能などの観点から、軟化剤2を配合してもよい。この場合、例えば、前記伸展ノルボルネンポリマーを用いる場合、伸展される軟化剤1とは別に、軟化剤2が配合される。軟化剤2としては特に限定されないが、例えば、前記オイルを好適に使用できる。
軟化剤2としてオイルを配合する場合、その含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは15質量部以上、より好ましくは35質量部以上である。15質量部未満では、添加による効果が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは65質量部以下である。80質量部を超えると、耐摩耗性、耐アブレージョン性能が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物において、軟化剤の合計含有量(油展ゴム中の軟化剤、伸展軟化剤1、軟化剤2など、組成物中の軟化剤の合計量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは35質量部以上、より好ましくは60質量部以上である。35質量部未満では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、該合計含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。150質量部を超えると、耐摩耗性、耐アブレージョン性能が悪化する傾向がある。
本発明では、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩と芳香族カルボン酸の亜鉛塩との混合物が使用される。SBRに、ノルボルネンポリマーに加えて更に前記混合物を配合することで、良好なグリップ性能を得ながら、耐アブレージョン性、耐摩耗性を高め、これらの性能バランスを相乗的に改善できる。
脂肪族カルボン酸の亜鉛塩における脂肪族カルボン酸としては、やし油、パーム核油、ツバキ油、オリーブ油、アーモンド油、カノーラ油、落花生油、米糖油、カカオ脂、パーム油、大豆油、綿実油、胡麻油、亜麻仁油、ひまし油、菜種油などの植物油由来の脂肪族カルボン酸、牛脂などの動物油由来の脂肪族カルボン酸、石油等から化学合成された脂肪族カルボン酸などが挙げられるが、環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもでき、更に、加硫戻りを充分に抑制できることから、植物油由来の脂肪族カルボン酸が好ましく、やし油、パーム核油又はパーム油由来の脂肪族カルボン酸がより好ましい。
脂肪族カルボン酸の炭素数は4以上が好ましく、6以上がより好ましい。脂肪族カルボン酸の炭素数が4未満では、分散性が悪化する傾向がある。脂肪族カルボン酸の炭素数は16以下が好ましく、14以下がより好ましく、12以下が更に好ましい。脂肪族カルボン酸の炭素数が16を超えると、加硫戻りを充分に抑制できない傾向がある。
なお、脂肪族カルボン酸中の脂肪族としては、アルキル基などの鎖状構造でも、シクロアルキル基などの環状構造でもよい。
芳香族カルボン酸の亜鉛塩における芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、フタル酸、メリト酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸、ジフェン酸、トルイル酸、ナフトエ酸などが挙げられる。なかでも、加硫戻りを充分に抑制できることから、安息香酸、フタル酸又はナフトエ酸が好ましい。
混合物中の脂肪族カルボン酸の亜鉛塩と芳香族カルボン酸の亜鉛塩との含有比率(モル比率、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩/芳香族カルボン酸の亜鉛塩、以下、含有比率とする)は1/20以上が好ましく、1/15以上がより好ましく、1/10以上が更に好ましい。含有比率が1/20未満では、環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもできないうえに、混合物の分散性及び安定性が悪化する傾向がある。また、含有比率は20/1以下が好ましく、15/1以下がより好ましく、10/1以下が更に好ましい。含有比率が20/1を超えると、加硫戻りを充分に抑制できない傾向がある。
混合物中の亜鉛含有率は3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。混合物中の亜鉛含有率が3質量%未満では、加硫戻りを充分に抑制できない傾向がある。また、混合物中の亜鉛含有率は30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。混合物中の亜鉛含有率が30質量%を超えると、加工性が低下する傾向がある。
混合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満では、耐摩耗性や耐アブレージョン性の改善効果が低く、前記性能バランスが低下する傾向がある。該混合物の含有量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。5質量部を超えても、増量による効果は得られず、また、加工性が低下するおそれもある。
本発明のゴム組成物は、特段ステアリン酸を添加しなくても前記効果が得られるものであるため、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下であり、含まなくてもよい。
本発明のゴム組成物には、上記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、粘着付与剤、ワックス、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、上記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッド部に使用することが好ましく、高性能ドライタイヤ(レースなどの競技で、特に乾燥路面に使用されるタイヤ)のトレッド(キャップトレッド)に使用することが特に好ましい。
本発明の空気入りタイヤ(高性能ドライタイヤ)は、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:Nipol9541(日本ゼオン社製、スチレン含有率45質量%、ゴム成分100質量部に対して37.5質量部油展)
NR:TSR20
ノルボルネンポリマー:NSX ノーソレックス(アストロテック社製 ゴム成分100質量部に対して50質量部油展(伸展油:ダイアナプロセスAH−24(出光興産社製))
カーボンブラック:シースト9 SAF(東海カーボン(株)製、NSA:142m/g)
オイル:ダイアナプロセスAH−24(出光興産社製プロセスオイル)
酸化亜鉛:酸化亜鉛(三井金属鉱業社製)
ステアリン酸:ステアリン酸「椿」(日油社製)
リバージョン防止剤(脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物):ストラクトール社製のアクチベーター73A((i)脂肪族カルボン酸亜鉛塩:やし油由来の脂肪酸(炭素数:8〜12)の亜鉛塩、(ii)芳香族カルボン酸亜鉛塩:安息香酸亜鉛、含有モル比率:1/1、亜鉛含有率:17質量%)
老化防止剤:アンチゲン6C(住友化学社製)
硫黄:粉末硫黄(軽井沢硫黄社製)
加硫促進剤NS:ノクセラーNS(大内新興化学社製)
加硫促進剤M:ノクセラーM(大内新興化学社製)
〔実施例及び比較例〕
<ゴム組成物の製造>
表1に示す配合処方にしたがって、神戸製鋼(株)製1.7Lバンバリーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を混練りし、混練り物を得た後、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫することにより、加硫ゴム組成物を得た。
<タイヤの製造>
得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件下で30分間プレス加硫し、試験用カートタイヤ(タイヤサイズ:11×7.10−5)を得た。
<評価方法>
作製した加硫ゴム組成物、試験用カートタイヤについて、以下の評価を行い、結果を表1に示した。
(ドライグリップ性能)
試験用カートに試験用カートタイヤを装着し、テストコース(乾燥路面)にて10周の実車走行を行った。その際、操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示をした。指数が大きいほど、ドライグリップ性能が高いことを示す。
(耐アブレージョン性能)
JIS K6251に準拠した引張試験法に基づきダンベル3号サンプルを用いて試験を行い、300%引張時のデータを測定した。M300を破壊特性として評価し、比較例1の破断特性を100として指数表示した。指数が大きいほど、耐アブレージョン性能に優れることを示す。
(耐摩耗性能)
試験用カートに試験用カートタイヤを装着し、テストコース(乾燥路面)にて10周の実車走行を行った。その際、タイヤの重量減量(摩耗量)を耐摩耗性能として評価し、比較例1の重量減量を100として指数表示をした。指数が大きいほど、摩耗減量が少なく、耐摩耗性能が優れることを示す。
Figure 2014009299
表1において、比較例1及び3では、SBRの一部をノルボルネンポリマーに置換することにより、ドライグリップ性能が向上しているものの、耐アブレージョン性や耐摩耗性が低下しているのに対し、更にリバージョン防止剤を添加した実施例では、良好なドライグリップ性能を得ながら、耐アブレージョン性や耐摩耗性を更に改善でき、これらの性能バランスを顕著に改善できた。

Claims (6)

  1. スチレンブタジエンゴムと、ノルボルネンポリマーと、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物とを含有するタイヤ用ゴム組成物。
  2. ゴム成分100質量%中の前記スチレンブタジエンゴム含有量が70〜95質量%、前記ノルボルネンポリマーの含有量が5〜30質量%であり、
    該ゴム成分100質量部に対する前記脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物の含有量が1〜5質量部である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ノルボルネンポリマーは、オイル、液状レジン及び液状ジエン系重合体からなる群より選択される少なくとも1種で伸展されたものである請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. カーボンブラックを含有する請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 高性能ドライタイヤ用トレッドゴム組成物である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した高性能ドライタイヤ。
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