JP2014008881A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】キーの取付けが容易に行える車両用ステアリング装置を提供する。
【解決手段】互いに摺動可能に支持できるようにアウターチューブ21の内周に被摺動面を設けるとともにインナーチューブ25の外周に摺動面を設け、アウターチューブ21に長溝22を軸方向に延びかつ外径方向に幅が狭くならないように貫通して形成し、アウターチューブ21の外周側より長溝22に挿入してインナーチューブ25にキー26を固定し、長溝22の幅を、キー26の幅よりも小さくし、インナーチューブ25に対しアウターチューブ21を軸方向に摺動させたときに、キー26によって長溝22を拡げるようにした。
【選択図】 図5
【解決手段】互いに摺動可能に支持できるようにアウターチューブ21の内周に被摺動面を設けるとともにインナーチューブ25の外周に摺動面を設け、アウターチューブ21に長溝22を軸方向に延びかつ外径方向に幅が狭くならないように貫通して形成し、アウターチューブ21の外周側より長溝22に挿入してインナーチューブ25にキー26を固定し、長溝22の幅を、キー26の幅よりも小さくし、インナーチューブ25に対しアウターチューブ21を軸方向に摺動させたときに、キー26によって長溝22を拡げるようにした。
【選択図】 図5
Description
本発明は、2次衝突時の衝撃を吸収できるようにした車両用ステアリング装置に関する。
特許文献1に示す車両用ステアリング装置は、ステアリングシャフトをステアリングチューブに挿通し、ステアリングチューブは、大径のアウターチューブおよび小径のインナーチューブを有し、アウターチューブの内周に円周3箇所以上に内径側に向かって幅が狭くなるアウターチューブ突起を設け、インナーチューブに円周3箇所以上に軸方向に延びかつ外径側に向かって幅が拡がるように貫通して長溝を設け、各長溝にアウターチューブ突起を摺接させることによって、インナーチューブに対しアウターチューブを摺動可能に支持する構造となっている。
前記アウターチューブ突起および前記長溝によって、アウターチューブのインナーチューブに対する案内支持(テレスコピック調整)および2次衝撃吸収を兼ね備えている。アウターチューブの内周にアウターチューブ突起を設けているので、長溝に合わせてアウターチューブ突起をアウターチューブに取付ける作業が非常に困難である。本発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、アウターチューブのインナーチューブに対する案内支持と、2次衝撃吸収を別々に設けることにより、キーの取付けが容易に行えるようにした車両用ステアリング装置を提供する。
請求項1に記載の発明は、一端にハンドルを連結し他端にインターミディエイトシャフトを回転連結したステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを挿通するステアリングチューブと、前記ステアリングシャフトおよび前記ステアリングチューブ間に設けられ前記ステアリングシャフトを回転可能に軸承する軸受と、前記ステアリングチューブを車体に固定するブラケットとを備え、前記ステアリングシャフトは、互いに軸方向に伸縮可能にかつ回転伝達可能に連結した第1シャフトおよび第2シャフトを有し、前記ステアリングチューブは、互いに軸方向に摺動可能に支持したアウターチューブおよびインナーチューブを有する車両用ステアリング装置において、
前記アウターチューブは前記インナーチューブに対して大径であり、互いに摺動可能に支持できるようにアウターチューブの内周に被摺動面を設けるとともにインナーチューブの外周に摺動面を設け、前記アウターチューブに長溝を前記軸方向に延びかつ外径方向に幅が狭くならないように貫通して形成し、前記アウターチューブの外周側より前記長溝に挿入して前記インナーチューブにキーを固定し、前記長溝の幅を、前記キーの幅よりも小さくし、前記インナーチューブに対し前記アウターチューブを前記軸方向に摺動させたときに、前記キーによって前記長溝を拡げるようにしたことを特徴とするものである。
前記アウターチューブは前記インナーチューブに対して大径であり、互いに摺動可能に支持できるようにアウターチューブの内周に被摺動面を設けるとともにインナーチューブの外周に摺動面を設け、前記アウターチューブに長溝を前記軸方向に延びかつ外径方向に幅が狭くならないように貫通して形成し、前記アウターチューブの外周側より前記長溝に挿入して前記インナーチューブにキーを固定し、前記長溝の幅を、前記キーの幅よりも小さくし、前記インナーチューブに対し前記アウターチューブを前記軸方向に摺動させたときに、前記キーによって前記長溝を拡げるようにしたことを特徴とするものである。
この構成によれば、アウターチューブのインナーチューブに対する案内支持と、2次衝撃吸収を別々に設け、アウターチューブに長溝を外径方向に幅が狭くならないように貫通して形成したので、アウターチューブの外周側より長溝に挿入してインナーチューブにキーを固定することができ、キーをインナーチューブに容易に取付けることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記アウターチューブに、前記長溝を挟んで両側に前記軸方向に補助溝を形成し、前記アウターチューブの前記長溝および前記補助溝間を、前記キーによって前記長溝を拡げたときに変形する変形部としたことを特徴とするものである。
この構成によれば、変形部の曲げにより長溝を拡げることが容易となり、長溝の幅の精度をラフにできる。
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記変形部の前記長溝および前記補助溝間の幅を、前記キーから離れるに従って大きくし、前記キーから離れるに従って前記変形部を変形しにくくしたことを特徴とするものである。
この構成によれば、変形部の曲げにより長溝を拡げることが容易となり、長溝の幅の精度をよりラフにできる。長溝に対するキーの位置に応じて吸収できる荷重を自由に変えることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3において、前記アウターチューブに、前記長溝および前記補助溝を前記インナーチューブ側の端で連通する連通溝を形成し、前記変形部をインナーチューブと反対側の端で前記アウターチューブと一体化する片持ち支持にしたことを特徴とするものである。
この構成によれば、インナーチューブに対しアウターチューブが軸方向へ移動するにつれて、吸収できる荷重を上げることができる。また、長溝に対するキーの位置に応じて吸収できる荷重をより自由に変えることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記ブラケットは、前記アウターチューブを前記車体に取付けるアッパーブラケットと、前記インナーチューブを前記車体に取付けるロアーブラケットとを有し、前記アッパーブラケットおよび前記車体間に、前記インナーチューブに対し前記アウターチューブを前記軸方向に摺動させたときのみ、前記車体に対し前記アッパーブラケットを離脱させる離脱装置を設け、この離脱装置に前記アウターチューブにかかる2次衝撃荷重を吸収する機能を有することを特徴とするものである。
この構成によれば、2次衝突時にアウターチューブをインナーチューブ側へ移動させて運転手の居住空間を確保できる。
本発明によれば、アウターチューブのインナーチューブに対する案内支持と、2次衝撃吸収を別々に設け、アウターチューブに長溝を外径方向に幅が狭くならないように貫通して形成したので、アウターチューブの外周側より長溝に挿入してインナーチューブにキーを固定することができ、キーをインナーチューブに容易に取付けることができる。
本発明の実施形態を、図1乃至図5にもとづいて説明する。図1は、車両用ステアリング装置の側面図、図2は、車両用ステアリング装置の側面断面図、図3は、図1のA−A線断面図、図4は、図1のB矢視図、図5は、図1のC矢視図、図6は、ステアリングチューブの一部拡大斜視図である。
図1乃至図3に示すように、車両用ステアリング装置10は、ステアリングチューブ20と、ステアリングチューブ20に挿通されるステアリングシャフト30と、ステアリングチューブ20およびステアリングシャフト30間に設けられステアリングチューブ20に対しステアリングシャフト30を回転可能に支持する転がり軸受24と、ステアリングチューブ20を車体90に取付けるブラケット40、95とを有する。
前記ステアリングチューブ20は、ハンドル側のアウターチューブ21と、後述するギヤハウジング11側のインナーチューブ25とからなる。アウターチューブ21の内周に被摺動面21aが形成され、インナーチューブ25の外周に摺動面25aが形成され、被摺動面21aに摺動面25aを嵌合させることによって、アウターチューブ21はインナーチューブ25に対し摺動可能に支持される。
前記ステアリングシャフト30は、ハンドル側のアウターシャフト31と、後述するギヤハウジング11側のインナーシャフト35とからなり、アウターシャフト31の内周およびインナーシャフト35の外周にセレーション32、36が形成され、このセレーション32、36によってアウターシャフト31およびインナーシャフト35が互いに軸方向に伸縮可能にかつ回転伝達可能に連結される。
転がり軸受24は、アウターチューブ21およびアウターシャフト31間に設けられ、アウターチューブ21に対しアウターシャフト31が回転可能に支持される。
ステアリングシャフト30の一端には図略のハンドルが連結され、ステアリングチューブ20のハンドルと反対側の他端にはギヤハウジング11が一体的に形成されている。
前記ギヤハウジング11には、回転軸15、減速機構、トルクセンサが内蔵され、回転軸15は、ギヤハウジング11に図略の転がり軸受を介して回転可能に軸承されている。
回転軸15の一端はインナーシャフト35に連結され、インナーシャフト35は回転軸15および図略の転がり軸受を介してギヤハウジング11に回転可能に軸承される。回転軸の他端は図略のインターミディエイトシャフトに連結されている。インターミディエイトシャフトは、さらに図略のピニオンシャフト、ラックシャフトを介してタイヤに連結されている。
前記減速機構として、ウォームホィールとウォームギヤが使用されており、ギヤハウジング11に取付けられた電動モータ80の回転は、前記ウォームギヤと前記ウォームホィールを介して回転軸15に減速して伝えられ、ハンドルの操舵を電動モータ80でパワーアシストする。
前記ギヤハウジング11には、支持ブラケット18を介してコントロールボックス85が固定され、前記トルクセンサの信号は図略の信号用ケーブルを介してコントロールボックス85に送られるようになっている。コントロールボックス85と電動モータ80は図略のパワーケーブルを介して接続され、トルクに応じた電圧が電動モータ80に供給されるようになっている。すなわち、ハンドルの操舵をトルクセンサで感知し、トルクに応じたパワーアシストが電動モータ80によって得られる。
前記ブラケット40、95は、アウターチューブ21を車体90に取付けるアッパーブラケット40と、インナーチューブ25をギヤハウジング11を介して車体に取付けるロアーブラケット95とを有する。
ロアーブラケット95は、図略の固定ボルトを介して車体に固定され、図略の軸支ボルトを介して旋回連結部13に水平軸線回りに旋回可能に連結されている。旋回連結部13は、ステアリングチューブ20と反対側へ突出するような形でギヤハウジング11に一体形成され、二股形状に形成されている。こうして、ステアリングチューブ20は、車体に対し水平軸線回りに旋回可能に軸支される。ロアーブラケット95、軸支ボルトおよび旋回連結部13により、ステアリングチューブ20を旋回可能に支持する旋回支持機構が構成される。
図3および図4に示すように、アッパーブラケット40は、離脱装置を介して車体90に固定され、ロック機構を介してアウターチューブ21に連結されている。離脱装置によって、2次衝撃荷重がかかるまでは、アッパーブラケット40を車体90に固定でき、ハンドルに2次衝撃荷重がかかると、アッパーブラケット40を車体90から離脱させることができる。ロック機構によって、ステアリングチューブ20は水平軸線回りの任意の旋回位置に固定できる。すなわち、ロック機構は、ハンドルの高さを調整するチルト調整に使用されるものである。
離脱装置は、アッパーブラケット40の後述する取付け溝42に嵌め込まれるカプセル55と、カプセル55および車体90に挿通されこれらを互いに締結するボルト91およびナット92とを有する。ハンドルに2次衝撃荷重がかかると、アッパーブラケット40およびカプセル55の連結が解除され、アッパーブラケット40の取付け溝42からカプセル55が離脱するようになっている。
カプセル55は、後述する取付け41を上下に挟み込む平板部と、上下の平板部をハンドル側で連結する連結部と、上の平板部を連結するとともに取付け溝42に嵌め込まれる円筒部57とからなっている。円筒部57にボルト91の軸部が挿通される。上の平板部には、円筒部57を挟んで左右両側で取付け板41側へ湾曲させた弾性部56が形成されている。固定ボルト91の頭部およびナット92で平板部を介して弾性部56を圧縮することによって、下の平板部および取付け板41間、弾性部56および取付け板41間に静摩擦力が発生し、カプセル55が取付け板41から離脱するのを阻止する。
アッパーブラケット40は、水平方向に延びる取付け板41と、この取付け板41に溶接等により固定された断面コの字形の支持板45と、支持板45の内側に配置される断面コの字形のディスタンスブラケット50とからなっている。ディスタンスブラケット50の両端は、ステアリングチューブ20に溶接等により固定されている。取付け板41には、アウターチューブ21を挟んで左右両側に、ハンドル側を切欠いた取付け溝42が形成されている。
前記ロック機構は、ハンドルの高さを調整するチルト調整時に使用するものであり、支持板45に対しディスタンスブラケット50を任意の位置で固定するものである。ロック機構は、締付けボルト60、ナット65、カム機構、レバー70を有する。
締付けボルト60は、頭部61、規制部、軸部63、ネジ部64が順に形成され、頭部61および規制部が軸部63に対し外径方向へ突出している。規制部には、後述する長穴46に係合する二面取り面62が形成され、ネジ部64にはナット65が螺合されている。頭部61、規制部、軸部63、ネジ部64は、切削等により一体的に形成されている。
ディスタンスブラケット50には締付けボルト60の軸部63を挿通する挿通穴が形成され、支持板45には締付けボルト60および後述するカム機構の回転を規制する長穴46、47が、ロアーブラケット95に対する旋回連結部13の旋回軸線、すなわち水平軸線を中心とする円弧状に形成されている。
カム機構は、規制カム75と、可動カム71を有する。可動カム71は、軸部63に回転可能に軸承されている。可動カム71には、レバー70が嵌合固定され、規制カム75が回転可能に軸承されている。
規制カム75の外周には、規制部の二面取り面62と同様な図略の二面取り面が形成されている。規制カム75の二面取り面が長穴47に摺接することにより、規制カム75の回転が規制され、ステアリングチューブ20の旋回位置が変えられるようになっている。
規制カム75および可動カム71の対向する面には、軸方向に突出したカム面が形成され、規制カム75に対し可動カム71を回転させると、カム面に倣って規制カム75および可動カム71が互いに軸方向に接近離間するようになっている。
チルト機構は、旋回支持機構、ロック機構、挿通穴および長穴46、47からなり、ハンドルの高さを調整することができる。
図3および図6にもとづいて、2次衝撃吸収機能について説明する。アウターチューブ21には、長溝22が軸方向に形成され、長溝22を挟んで両側に補助溝23が軸方向に形成されている。またアウターチューブ21には、長溝22および補助溝23をインナーチューブ25側の端で繋ぐ連通溝23aが円周方向に形成されている。長溝22、補助溝23および連通溝23aは、アウターチューブ21の外径方向に幅が狭くならないように貫通して形成されている。長溝23は、軸方向に同一の幅を有し、補助溝23は、インナーチューブ25側において広い幅を有し、ハンドル側において狭い幅を有し、中間において漸減する幅を有する。長溝22、補助溝23および連通溝23aで囲まれた部分が変形部23bであり、変形部23bは、ハンドル側でアウターチューブ21に片持ち支持され一体化している。
長溝22のインナーチューブ25側の端にキー26が、アウターチューブ21の外周側から挿入され、キー26によって長溝22の幅を拡げるとともに、キー26の一部がインナーチューブ25の穴に圧入固定されている。キー26のハンドル側の端面は、長溝22の幅を拡げやすいように円弧状の面を有する。長溝22は、キー26よりも若干狭い幅を有し、インナーチューブ25に対しアウターチューブ21が軸方向に移動すると、長溝22の幅が拡がる方向に、変形部23bが折れ曲り変形する。長溝23は、外径側に向かって幅が狭くならない形状を有しているので、アウターチューブ21の外周側から長溝23を挿入することができ、キー26の取付け作業が容易に行える。
キー26が長溝22のハンドル側へ移動するにつれて、変形部23bのキー26との接触位置から片持ち支持位置までのモーメント長さが減少するので、曲げ強さが増加する。また、変形部23bの幅が増加するので、さらに曲げ強さが増加する。
次に上述した構成にもとづいて、組付け動作を説明する。
車体に固定ボルトを介してロアーブラケット95を固定し、ロアーブラケット95に軸支ボルトを介して旋回連結部13を水平軸線回りに旋回可能に連結する。取付け板41の取付け溝42にカプセル55を嵌め込み、車体90およびカプセル55にボルト91を挿通し、ボルト91のネジ部にナット92を螺合させ、車体90およびカプセル55を締結する。こうして、車両用ステアリング装置10は、車体90に取付けられる。
続いて、ハンドルの高さを変えるチルト調整動作について説明する。
レバー70とともに可動カム71を一方向に回すと、カム面によって、規制カム75および可動カム71が互いに軸方向に接近し、頭部61およびナット65によるディスタンスブラケット50を支持板45で締め付けようとする力が弱まり、ステアリングチューブ20を水平軸線回りに旋回することができる。
ステアリングチューブ20を任意の位置で固定するときは、レバー70とともに可動カム71を他方向に回す。この結果、カム面によって、規制カム75および可動カム71が互いに軸方向に離間し、頭部61およびナット65によるディスタンスブラケット50を支持板45で締め付けようとする力が強まり、ディスタンスブラケット50および支持板45間に摩擦力が発生する。
ハンドルに2次衝撃荷重が作用したときの動作を説明する。
運転手がハンドルにぶつかることによる2次衝撃荷重は、アウターチューブ21を介してキー26に作用するとともに、アウターチューブ21、ディスタンスブラケット50、支持板45を介して取付け板41に作用する。キー26に長溝22を押し当てながら、インナーチューブ25に対してアウターチューブ21が軸方向へ移動することにより、キー26により長溝22の幅を広げられ、変形部23bが片持ち支持位置を中心に曲げ変形する。下の平板部59および取付け板41間の静摩擦力、弾性部56aおよび取付け板41間の静摩擦力に打ち勝って、カプセル55が取付け板41から離脱する。
運転手がハンドルにぶつかることによる2次衝撃荷重は、アウターチューブ21を介してキー26に作用するとともに、アウターチューブ21、ディスタンスブラケット50、支持板45を介して取付け板41に作用する。キー26に長溝22を押し当てながら、インナーチューブ25に対してアウターチューブ21が軸方向へ移動することにより、キー26により長溝22の幅を広げられ、変形部23bが片持ち支持位置を中心に曲げ変形する。下の平板部59および取付け板41間の静摩擦力、弾性部56aおよび取付け板41間の静摩擦力に打ち勝って、カプセル55が取付け板41から離脱する。
2次衝撃荷重の吸収が十分でなく継続してかかる場合は、キー26に長溝22を押し当てながら、インナーチューブ25に対してアウターチューブ21がさらに軸方向へ移動することにより、キー26により長溝22の幅を広げられ、変形部23bが片持ち支持位置を中心にさらに曲げ変形する。キー26が長溝22のハンドル側へ移動するにつれて、変形部23bのキー26との接触位置から片持ち支持位置までのモーメント長さが減少するので、曲げ強さが増加する。また、変形部23bの幅が増加するので、さらに曲げ強さが増加する。このように吸収可能な荷重が増加する構造となっており、キー26が長溝22にある範囲内で、2次衝撃荷重を十分に吸収できる。長溝22の全長さにかけて2次衝撃荷重を吸収する構造となっているため、運転手に与えるダメージを和らげることができる。
他の実施形態として、補助溝23および連通溝23aが無い場合は、アウターチューブ21の材料そのものの圧縮によって、長溝22の幅を拡げることとなる。構造が簡単ではあるが、長溝22の幅の精度が要求される。
他の実施形態として、連通溝23aが無い場合は、変形部23bは両持ち支持となる。アウターチューブ21の材料そのものの圧縮、変形部23bの曲げ変形によって、長溝22の幅を拡げることとなる。補助溝23および連通溝23aが無い場合に比べて、構造が少し複雑となるが、長溝22の幅の精度がラフとなる。
上述した実施形態のように、補助溝23および連通溝23aが有る場合は、変形部23bは片持ち支持となる。アウターチューブ21の材料そのものの圧縮、変形部23bの曲げ変形によって、長溝22の幅を拡げることとなる。連通溝23aが無い場合に比べて、構造が少し複雑となるが、長溝22の幅の精度がラフとなる。長溝22に対するキー26の位置に応じて吸収できる荷重を自由に変えられる。
本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
上述した実施形態は、アウターチューブ21の被摺動面21aにインナーチューブ25の摺動面25aを嵌合させることによって、アウターチューブ21をインナーチューブ25に対し摺動可能に支持させた。他の実施形態として、アウターチューブ21の内周に樹脂シートを貼り付け、この樹脂シートを介してアウターチューブ21をインナーチューブ25に対し摺動可能に支持させても良い。
上述した実施形態は、テレスコピック調整を有しなく、チルト調整を有する車両用ステアリング装置に、長溝22およびキー26を適用した。他の実施形態として、テレスコピック調整およびチルト調整を有しない車両用ステアリング装置に長溝22およびキー26を適用しても良い。
20:ステアリングチューブ、21:アウターチューブ、21a:被摺動面、22:長溝、23:補助溝、23a:連通溝、23b:変形部、24:転がり軸受、25:インナーチューブ、25a:摺動面、26:キー、30:ステアリングシャフト、31:アウターシャフト(第1シャフト)、35:インナーシャフト(第2シャフト)、40:アッパーブラケット、55:カプセル(離脱装置)、90:車体、95:ロアーブラケット
Claims (5)
- 一端にハンドルを連結し他端にインターミディエイトシャフトを回転連結したステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを挿通するステアリングチューブと、前記ステアリングシャフトおよび前記ステアリングチューブ間に設けられ前記ステアリングシャフトを回転可能に軸承する軸受と、前記ステアリングチューブを車体に固定するブラケットとを備え、
前記ステアリングシャフトは、互いに軸方向に伸縮可能にかつ回転伝達可能に連結した第1シャフトおよび第2シャフトを有し、前記ステアリングチューブは、互いに軸方向に摺動可能に支持したアウターチューブおよびインナーチューブを有する車両用ステアリング装置において、
前記アウターチューブは前記インナーチューブに対して大径であり、互いに摺動可能に支持できるようにアウターチューブの内周に被摺動面を設けるとともにインナーチューブの外周に摺動面を設け、前記アウターチューブに長溝を前記軸方向に延びかつ外径方向に幅が狭くならないように貫通して形成し、前記アウターチューブの外周側より前記長溝に挿入して前記インナーチューブにキーを固定し、前記長溝の幅を、前記キーの幅よりも小さくし、前記インナーチューブに対し前記アウターチューブを前記軸方向に摺動させたときに、前記キーによって前記長溝を拡げるようにしたことを特徴とする車両用ステアリング装置。 - 前記アウターチューブに、前記長溝を挟んで両側に前記軸方向に補助溝を形成し、前記アウターチューブの前記長溝および前記補助溝間を、前記キーによって前記長溝を拡げたときに変形する変形部としたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ステアリング装置。
- 前記変形部の前記長溝および前記補助溝間の幅を、前記キーから離れるに従って大きくし、前記キーから離れるに従って前記変形部を変形しにくくしたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ステアリング装置。
- 前記アウターチューブに、前記長溝および前記補助溝を前記インナーチューブ側の端で連通する連通溝を形成し、前記変形部をインナーチューブと反対側の端で前記アウターチューブと一体化する片持ち支持にしたことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用ステアリング装置。
- 前記ブラケットは、前記アウターチューブを前記車体に取付けるアッパーブラケットと、前記インナーチューブを前記車体に取付けるロアーブラケットとを有し、前記アッパーブラケットおよび前記車体間に、前記インナーチューブに対し前記アウターチューブを前記軸方向に摺動させたときのみ、前記車体に対し前記アッパーブラケットを離脱させる離脱装置を設け、この離脱装置に前記アウターチューブにかかる2次衝撃荷重を吸収する機能を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車両用ステアリング装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11988264B2 (en) | 2021-10-19 | 2024-05-21 | DRiV Automotive Inc. | Hydraulic damper with a baffle |
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