以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
(第1の実施の形態)
図1乃至図4を用いて、本実施の形態によるガラスフィルム積層体について説明する。
まず、ガラスフィルム積層体のガラスフィルムを基板とするカラーフィルタについて説明する。図1に示すように、本実施の形態におけるカラーフィルタ1は、ガラスフィルム12と、このガラスフィルム12上に設けられた赤色画素2、緑色画素3および青色画素4、とを備えている。
通常、ガラスフィルム12上には、マトリックス形状にパターニングされたブラックマトリックス5が設けられており、各画素2、3、4は、ガラスフィルム12上のブラックマトリックス5により画定される各開口内に形成されている。すなわち、ブラックマトリックス5の各開口内に、赤色(R)画素用感光性材料、緑色(G)画素用感光性材料、および青色(B)画素用感光性材料により、赤色画素2、緑色画素3および青色画素4が形成されている。各画素2、3、4の配列は、図示しないが、ストライプ配列、デルタ配列(トライアングル配列)、正方配列(四画素配列)等の公知の配列とすることができる。このように異なる色を有した三つの隣り合う画素によって、画面上における一つの表示画素が形成されるようになっている。なお、黄色画素(図示せず)等を追加して4色以上の画素が形成されるようにしても良い。また、各画素2、3、4を形成する感光性材料としては、各色の顔料と溶剤と接合性樹脂(バインダー)とを含む顔料分散型の感光性樹脂組成物を用いることができ、ブラックマトリックス5を形成する感光性材料としては、遮光性を有する黒色の顔料を分散させた感光性樹脂組成物を用いることができる。
これらの画素2、3、4は、図1に示すように、保護層6で覆われている。この保護層6上に、インジウム錫酸化物(ITO(Indium Tin Oxide))からなる透明電極膜7が形成されている。
このようなカラーフィルタ1は、例えば、各画素2、3、4に対応して配列されたTFT等のスイッチング素子と液晶層とを含む液晶素子、および面光源と組み合わされて、液晶ディスプレイ(LCD)または電子ペーパー等に用いられる。この構成において、液晶はスイッチング素子によって制御されてシャッターとして機能し、面光源からの光を所望の色の画素のみを介して出射させる。このようにして、画面上にカラー映像が表示されるようになっている。なお、図1の構成は一例であり、ディスプレイの種類や表示素子の動作原理によって適宜変更され、例えば、ブラックマトリックス5が設けられていない構成や、透明電極膜7が設けられていない構成などがある。
上述したガラスフィルム12を有するカラーフィルタ1は、当該ガラスフィルム12を有するガラスフィルム積層体10(図2参照)を用いて製造可能になっている。
続いて、図2を用いて、本実施の形態におけるガラスフィルム積層体10について説明する。ガラスフィルム積層体10は、ガラスフィルム12と、ガラスフィルム12の一方の面(以下、便宜上、下面と記す)に設けられた支持基材11と、ガラスフィルム12の他方の面(以下、便宜上、上面と記す)に設けられた2つの側部フィルム15と、を備えている。支持基材11とガラスフィルム12との間には、支持粘着層13が介在されており、支持基材11は支持粘着層13を介してガラスフィルム12に剥離可能に貼り付けられている。
支持基材11は、ガラスフィルム12の幅に対応する幅、すなわち、ガラスフィルム12と略同一の幅を有している。言い換えると、支持基材11の幅方向両側の側面11aは、ガラスフィルム12の対応する側面12aと同一平面上に、すなわち、ガラスフィルム積層体10の積層方向(より具体的には図2における上方または下方)から見た平面視で略一致する位置に配置されている。この場合、支持基材11は、ガラスフィルム12の幅方向両側にはみ出すことがなく、支持基材11の全体が、ガラスフィルム12の下面に設けられている。また、支持粘着層13は、支持基材11の幅に対応する幅、すなわち、支持基材11と略同一の幅を有しており、支持粘着層13は、ガラスフィルム12の幅方向両側にはみ出していない。ここで、幅とは、図2における左右方向の寸法であって、図4における帯状の支持基材11および帯状のガラスフィルム12の搬送方向に直交する横方向の寸法を意味している。また、同一平面とは、2つの側面(ここでは、支持基材11の側面11aとガラスフィルム12の側面12a)が厳密に同一平面上に配置されているという意味に限られることはなく、同一平面とみなすことができる程度に製造誤差等によって2つの側面がずれている場合をも含む意味として用いている。
本実施の形態においては、支持基材11は、後述するように柔軟性を有するプラスチックフィルムにより形成されており、ガラスフィルム12への衝撃や局所的な加圧、歪みに対する脆弱性を補ってガラスフィルム12を補強するためのものとなっている。すなわち、単体のガラスフィルム12を、異物を巻き込んで巻き取った場合には、局所的な衝撃、加圧、傷等により、ガラスフィルム12が容易に破損する可能性がある。これに対して、本実施の形態のように、ガラスフィルム12に支持基材11を貼り付けることにより、ガラスフィルム12を補強し、ガラスフィルム12の破損を防止している。また、ガラスフィルム12が割れた場合であっても、ガラスフィルム12に支持基材11が貼り付けられていることにより、ガラスの破片等の飛散を防止している。
側部フィルム15は、ガラスフィルム12の上面のうち幅方向両側の側端部12b上に設けられており、支持基材11と離間している。ここで、ガラスフィルム12の側端部12bとは、ガラスフィルム積層体10を図2における上方から見たときにガラスフィルム12の幅方向の両側に位置する、所定の幅を持った端部の領域であって、断面で見たときにガラスフィルム12の幅方向の両側に位置する側面12aに近接する領域を示すものである。これら2つの側端部12bの間の領域には、カラーフィルタ用の各画素2、3、4等が形成されるようになっている(図3参照)。すなわち、側端部12bは、カラーフィルタ用の各画素2、3、4等が形成される領域(後述する露出領域17に相当)よりも幅方向外側に位置する領域ということができる。なお、上述した所定の幅とは、例えば、最小の場合でもガラスフィルム12の側面12aから1mmの幅寸法に相当し、また、最大の場合でも、ガラスフィルム12の幅寸法をLとしたときにL/4として表せる幅寸法に相当する。
側部フィルム15は、支持基材11とは別体に構成されており、支持基材11と重なり合っておらず、支持基材11に接してもいない。具体的には、側部フィルム15の幅方向両側の側面15a、15bのうちガラスフィルム12の幅方向外側に位置する側面15aは、ガラスフィルム12の対応する側面12aと同一平面上に、すなわち、ガラスフィルム積層体10の積層方向(より具体的には図2における上方または下方)から見た平面視で略一致する位置に配置されている。この場合、側部フィルム15は、ガラスフィルム12の側端部12bから幅方向外側にはみ出すことがなく、側部フィルム15の全体は、ガラスフィルム12の上面に設けられている。このようにして、ガラスフィルム12の側面12aの全体が、外方に露出されている。ここで、「側部フィルム15が支持基材11と離間している」とは、側部フィルム15が支持基材11に直接的に接していない状態を意味しており、これにより、ガラスフィルム12の側面12aの少なくとも一部が露出されている状態を意味するものとして用いている。すなわち、図2に示す形態では、側部フィルム15がガラスフィルム12の側端部12bから幅方向外側にはみ出していないことから、ガラスフィルム12の側面12aの全体が外方に露出されている形態を示している。しかしながら、この形態だけではなく、側部フィルム15がガラスフィルム12の側端部12bから幅方向外側にはみ出して(図6参照)、このはみ出した部分が折れ曲がってガラスフィルム12の側面12aの一部に貼り付けられ、ガラスフィルム12の側面12aの一部が外方に露出される形態も「側部フィルム15が支持基材11と離間している」という文言の意味に含まれるものである。
また、側部フィルム15は、側部粘着層16を介して、ガラスフィルム12の側端部12bに剥離可能に貼り付けられている。側部粘着層16は、側部フィルム15の幅に対応する幅、すなわち、側部フィルム15と略同一の幅を有しており、側部粘着層16は、ガラスフィルム12の側端部12bから幅方向外側にはみ出していない。
図2に示すように、2つの側部フィルム15は互いに離間しており、ガラスフィルム12の上面のうち2つの側部フィルム15の間に、外方に露出された露出領域17が形成されている。この露出領域17に、図3に示すように、カラーフィルタ用の各画素2、3、4等が形成されるようになっている。
次に、図3を用いて、カラーフィルタ用の画素付ガラスフィルム積層体1aについて説明する。カラーフィルタ用の画素付ガラスフィルム積層体1aは、ガラスフィルム積層体10を用いてカラーフィルタ1を製造する場合の中間生成物に相当するものであって、上述したガラスフィルム積層体10と、このガラスフィルム積層体10のガラスフィルム12上に設けられた、カラーフィルタ用の複数色の画素2、3、4およびブラックマトリックス5と、を有している。このうち、各画素2、3、4は、保護層6で覆われ、保護層6上に透明電極膜7が形成されている。このカラーフィルタ用の画素付ガラスフィルム積層体1aにおいて、側部フィルム15を、側部粘着層16を伴ってガラスフィルム12から剥離するとともに、支持基材11を、支持粘着層13を伴ってガラスフィルム12から剥離することにより、図1に示すカラーフィルタ1が得られるようになっている。なお、液晶ディスプレイ用途のカラーフィルタ1において位相差の小さい支持基材11および側部フィルム15を用いる場合には、必ずしも支持基材11および側部フィルム15を剥離する必要はなく、支持基材11および側部フィルム15が貼り付けられた状態でカラーフィルタ1を構成してもよい。さらに、ELディスプレイ、電子ペーパーなどの偏光を表示原理としないディスプレイにおいては、位相差量に関わらず支持基材11および側部フィルム15が貼り付けられた状態でカラーフィルタ1を構成してもよい。
次に、各構成部材の材料について説明する。
支持基材11に用いる材料としては、プラスチック材料、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、セルローストリアセテート(CTA)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアミドイミド(PAI)、ノボルネン系樹脂、アリルエステル樹脂等の合成樹脂を挙げることができる。また、支持基材11の厚さは、3〜200μm、好ましくは、5μm〜200μmであることが好ましい。このことにより、支持基材11を安定的に製造可能にして、ガラスフィルム12の補強のための強度を増大させることができると共に、支持基材11の剛性が増して支持基材11を有するガラスフィルム積層体10の巻き取りが困難になることを防止できる。
ガラスフィルム12に用いる材料としては、フィルム状に形成できるものであれば特に制限されないが、一般にディスプレイ用途に用いられるソーダライムガラス、無アルカリガラスが好ましい。このうち、無色で透明度が高く、線熱膨張係数が小さくて変形しにくい無アルカリガラスが好適である。また、ガラスフィルム12の厚さは、5〜300μmであることが好ましい。ガラスフィルム12の厚さを5μm以上とすることにより、ガラスフィルム12を安定的に製造可能にして、ガラスフィルム12の強度を増大させることができる。また、ガラスフィルム12の厚さを300μm以下とすることにより、ガラスフィルム12の剛性が増して、ガラスフィルム12を有するガラスフィルム積層体10の巻き取りが困難になることを防止できる。
側部フィルム15に用いる材料としては、後述する厚さで側部フィルム15を有するガラスフィルム積層体10をロール状に巻き取ることができれば特に限定されないが、支持基材11と同様の材料を用いることが好ましい。側部フィルム15の厚さは、使用するガラスフィルム12の厚さに応じて、3〜250μmとすることが好ましい。側部フィルム15の厚さを3μm以上とすることにより、側部フィルム15を安定的に製造可能にして、ガラスフィルム12の補強のための強度を増大させることができる。また、側部フィルム15の厚さを250μm以下とすることにより、側部フィルム15の剛性が増して側部フィルム15を有するガラスフィルム積層体10の巻き取りが困難になることを防止できる。
支持粘着層13および側部粘着層16に用いる材料としては、柔軟性を有しているものであれば、特に限定されないが、アクリル系、スチレン系等の樹脂材料が好ましい。また、支持粘着層13および側部粘着層16の厚さは、5〜200μmであることが好ましい。各粘着層13、16の厚さを5μm以上とすることにより、支持基材11または側部フィルム15をガラスフィルム12に貼り付けるために十分な粘着力を確保できる。また、各粘着層13、16の厚さを200μm以下とすることにより、ガラスフィルム積層体10としての光学特性の低下を防止できる。例えば、透過率の低下、着色、位相差の増加を防止できる。さらに、支持粘着層13および側部粘着層16は、ガラスフィルム12から剥離する際にガラスフィルム12が破損することを防止可能な剥離力で、ガラスフィルム12に剥離可能に粘着されていることが好ましい。このことにより、支持粘着層13および側部粘着層16を、それぞれガラスフィルム12から容易に剥離することが可能となる。なお、この場合の剥離可能な剥離力は、JIS Z 0237に従って、温度24℃、湿度40%の環境下で、200mm/minの剥離速度で90度剥離試験を行った場合に、5N/25mm以下であることが好ましく、とりわけ1N/25mm以下であることが好ましい。
次に、図4を用いて、本実施の形態におけるガラスフィルム積層体の製造装置20について説明する。ここでは、一方の面に支持粘着層13が予め貼り付けられた支持粘着層13付き支持基材11と、一方の面に側部粘着層16が予め貼り付けられた側部粘着層16付き側部フィルム15と、を用いてガラスフィルム積層体10を製造する場合について説明する。
図4に示すように、ガラスフィルム積層体の製造装置20は、帯状の連続した支持基材11が巻き付けられた支持基材11のロールが取り付けられる支持基材供給部21と、帯状の連続したガラスフィルム12が巻き付けられたガラスフィルム12のロールが取り付けられるガラスフィルム供給部22と、を有している。支持基材供給部21およびガラスフィルム供給部22は、後述する第1積層押圧部25においてガラスフィルム12の幅方向両側に支持基材11がはみ出さないような位置関係で配置されている。なお、支持基材11の一方の面に設けられた支持粘着層13上に、カバーシート(離型紙)18が剥離自在に貼り付けられており、支持基材11のロールにおいて、互いに隣接する支持基材11の部分同士が支持粘着層13によって貼り付くことを防止している。このため、支持基材供給部21の近傍には、支持基材供給部21から繰り出された支持基材11からカバーシート18を剥離するための剥離部23と、剥離されたカバーシート18を巻き取って回収する回収部24とが設けられている。
支持基材供給部21およびガラスフィルム供給部22の搬送方向下流側に、支持基材11およびガラスフィルム12を貼り付ける第1積層押圧部25が設けられている。この第1積層押圧部25において、支持基材11に支持粘着層13を介してガラスフィルム12が積層されて貼り付けられ、支持基材11と支持粘着層13とガラスフィルム12とが積層された積層中間体40が得られるようになっている。
第1積層押圧部25の搬送方向下流側に、積層中間体40に側部フィルム15を貼り付ける第2積層押圧部29が設けられている。この第2積層押圧部29において、側部フィルム15は、ガラスフィルム12の側端部12bに貼り付けられるようになっている。このようにして、図2に示すガラスフィルム積層体10が得られる。
第2積層押圧部29には、2つの側部フィルム供給部26から側部フィルム15が搬送されるようになっている。2つの側部フィルム供給部26は、側部フィルム15の幅方向(図4の紙面に垂直な方向)に互いに離間するように設けられている。なお、図4では、一方の側部フィルム供給部26のみを示している。
側部フィルム供給部26には、帯状の連続した側部フィルム15が巻き付けられた側部フィルム15のロールが取り付けられている。2つの側部フィルム供給部26は、第2積層押圧部29において、側部フィルム15がガラスフィルム12の側端部12bに貼り付けられるような位置に配置されている。なお、側部フィルム15の一方の面に設けられた側部粘着層16上に、カバーシート(離型紙)19が剥離自在に貼り付けられており、側部フィルム15のロールにおいて、互いに隣接する側部フィルム15の部分同士が側部粘着層16によって貼り付くことを防止している。このため、側部フィルム供給部26の近傍には、側部フィルム供給部26から繰り出された側部フィルム15からカバーシート19を剥離するための剥離部27と、剥離されたカバーシート19を巻き取って回収する回収部28とが設けられている。
第2積層押圧部29の下流側には、ガラスフィルム積層体10をロール状に巻き取る積層体巻取部30が設けられている。この積層体巻取部30において、ガラスフィルム積層体10が円筒状のコア45aに巻き取られたガラスフィルム積層体ロール45が形成される。
次に、このような構成からなる本実施の形態のガラスフィルム積層体の製造方法について、図4を用いて説明する。
まず、支持粘着層13付きの帯状の連続した支持基材11と、帯状の連続したガラスフィルム12と、側部粘着層16付きの帯状の連続した側部フィルム15と、を準備する。すなわち、ガラスフィルム積層体の製造装置20において、支持基材11のロールが支持基材供給部21に取り付けられ、ガラスフィルム12のロールがガラスフィルム供給部22に取り付けられ、側部フィルム15のロールが側部フィルム供給部26に取り付けられる。
続いて、支持基材供給部21から支持粘着層13付きの支持基材11が繰り出され、ガラスフィルム供給部22からガラスフィルム12が繰り出されて、第1積層押圧部25にそれぞれ搬送される。この際、支持基材供給部21から繰り出された支持粘着層13上のカバーシート18は、剥離部23によって支持粘着層13から剥離されて、回収部24に巻き取られて回収される。このようにして、第1積層押圧部25には、カバーシート18が剥離された支持粘着層13付きの支持基材11が搬送される。
次に、第1積層押圧部25において、支持基材11に支持粘着層13を介してガラスフィルム12が積層されて貼り付けられ、支持基材11と支持粘着層13とガラスフィルム12とが積層された積層中間体40が得られる。得られた積層中間体40は、第2積層押圧部29に搬送される。
一方、側部フィルム供給部26から側部粘着層16付きの側部フィルム15が繰り出され、第2積層押圧部29に搬送される。この際、側部フィルム供給部26から繰り出された側部粘着層16上のカバーシート19は、剥離部27によって側部粘着層16から剥離されて、回収部28に巻き取られて回収される。このようにして、第2積層押圧部29には、カバーシート19が剥離された側部粘着層16付きの側部フィルム15が搬送される。
次に、第2積層押圧部29において、積層中間体40に側部粘着層16を介して側部フィルム15が貼り付けられる。すなわち、側部フィルム15が、側部粘着層16を介して、ガラスフィルム12の側端部12bに貼り付けられる。このようにして、図2に示すガラスフィルム積層体10が得られる。
その後、得られたガラスフィルム積層体10は、積層体巻取部30に搬送されて、コア45aに巻き取られる。このようにしてガラスフィルム積層体ロール45が形成される。
このようにして得られたガラスフィルム積層体10を用いてカラーフィルタ1を製造する場合には、まず、ガラスフィルム積層体ロール45からガラスフィルム積層体10が繰り出され、ガラスフィルム12上の露出領域17(図2および図3参照)に画素用感光性材料が塗布されて、乾燥(プリベーク)、露光、現像および硬化(ポストベーク)という一連の工程を繰り返すことで、ガラスフィルム12上に各色の画素2、3、4およびブラックマトリックス5が形成される。続いて、各画素2、3、4を覆う保護層6が形成され、保護層6上に透明電極膜7が形成されて、図3に示すカラーフィルタ用の画素付ガラスフィルム積層体1aが得られる。その後、側部フィルム15が、側部粘着層16を伴ってガラスフィルム12から剥離され、そして、支持基材11が、支持粘着層13を伴ってガラスフィルム12から剥離される。このようにして、図1に示すカラーフィルタ1が得られる。
このように本実施の形態によれば、ガラスフィルム12の側端部12b上に側部フィルム15が設けられて、当該側部フィルム15が、ガラスフィルム12に側部粘着層16を介して貼り付けられている。このことにより、側部フィルム15によってガラスフィルム12の側端部12bを保護することができる。同様に、ガラスフィルム12に支持粘着層13を介して支持基材11が貼り付けられていることにより、支持基材11によってもガラスフィルム12を保護することができる。この結果、ガラスフィルム積層体10の耐衝撃性を向上させることができ、ガラスフィルム12の破損を防止することができる。例えば、カラーフィルタ製造工程中にガラスフィルム積層体12が搬送されている間、ガラスフィルム12と搬送用の金属ロール(図示せず)との間に、支持基材11または側部フィルム15を介在させることができる。このため、ガラスフィルム12が、支持基材11および側部フィルム15によって保護されて、搬送用の金属ロールからの衝撃に耐えることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、側部フィルム15がガラスフィルム12に貼り付けられていることにより、例えばカラーフィルタ製造工程中に、側部フィルム15がガラスフィルム12から剥がれることを防止することができる。このため、側部フィルム15が、塗工工程、露光工程、現像工程等の際に、各工程の処理の障害となることを防止することができる。また、ガラスフィルム12と側部フィルム15との間に、塗工液や現像液などの処理液が入り込むことを防止することができる。この結果、ガラスフィルム積層体10の取り扱い性を向上させることができる。とりわけ、支持基材11がガラスフィルム12から幅方向両側にはみ出していないことにより、支持基材11がガラスフィルム12から剥がれることをより一層防止することができる。同様に、側部フィルム15が、ガラスフィルム12の側端部12bから幅方向外側にはみ出していないことにより、側部フィルム15がガラスフィルム12から剥がれることをより一層防止することができる。
また、本実施の形態によれば、上述したように、支持基材11がガラスフィルム12の幅方向両側にはみ出していないことにより、ガラスフィルム12と支持基材11との間に介在される支持粘着層13がガラスフィルム12の幅方向両側にはみ出すことを防止できる。同様に、側部フィルム15がガラスフィルム12の側端部12bから幅方向外側にはみ出していないことにより、ガラスフィルム12と側部フィルム15との間に介在される側部粘着層16がガラスフィルム12の側端部12bから幅方向外側にはみ出すことを防止できる。このため、ガラスフィルム積層体ロール36において、互いに隣接するガラスフィルム積層体10の部分同士が、支持粘着層13または側部粘着層16によって貼り付くことを防止できる。この結果、ガラスフィルム積層体10をロール状に巻き取る際、互いに隣接するガラスフィルム積層体10の部分同士が貼り付くことを防止するための離型紙などの部材が不要となり、ガラスフィルム積層体10の取り扱い性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、側部フィルム15は、ガラスフィルム12に剥離可能に貼り付けられている。また、支持基材11は、ガラスフィルム12に剥離可能に貼り付けられている。このことにより、ガラスフィルム12上にカラーフィルタ用の画素2、3、4等を形成した後、側部フィルム15および支持基材11をガラスフィルム12から容易に剥離することができる。このため、側部フィルム15および支持基材11の剥離時に、ガラスフィルム12が破損することを防止できる。とりわけ、側部フィルム15は支持基材11から離間している。このことにより、側部フィルム15をガラスフィルム12から容易に剥離することができ、ガラスフィルム12が破損することをより一層防止できる。
また、本実施の形態によれば、ガラスフィルム12の両側の側端部12b上に側部フィルム15がそれぞれ設けられて、ガラスフィルム12の上面のうち2つの側部フィルム15の間に、外方に露出された露出領域17が形成されている。このことにより、ガラスフィルム12に支持基材11および側部フィルム15が貼り付けられた状態で、ガラスフィルム12上に、カラーフィルタ用の画素2、3、4等を形成することができる。すなわち、カラーフィルタ用の画素2、3、4等が形成されたガラスフィルム12の破損を防止するとともに、ガラスフィルム積層体10の取り扱い性を向上させることができる。この結果、ガラスフィルム積層体10を用いたカラーフィルタ1の製造効率を向上させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、第1積層押圧部25において支持基材11がガラスフィルム12に貼り付けられて積層中間体40が形成され、形成された積層中間体40が巻き取られることなく第2積層押圧部29に搬送されて、側部フィルム15がガラスフィルム12に貼り付けられる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1積層押圧部25において得られた積層中間体40をロール状に一旦巻き取って、その後、積層中間体40を繰り出して、側部フィルム15がガラスフィルム12に貼り付けられるようにしても良い。この場合においても、図2に示すガラスフィルム積層体10を好適に製造することができる。
また、上述した本実施の形態においては、支持基材11が、プラスチックフィルムにより形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、支持基材11は、金属材料により形成されていても良い。金属材料としては、例えば、ステンレス、銅、ニッケル、チタン、鉄などを挙げることができる。この中でも、入手性、耐食性に優れたステンレスを用いることが好ましい。また、この場合の支持基材11の厚さは、1〜200μmであることが好ましい。支持基材の厚さを1μm以上とすることにより、ガラスフィルム12の補強のための強度を増大させるとともに、支持基材11が破断することを防止して取り扱い性を向上させることができる。また、支持基材11の厚さを200μm以下とすることにより、支持基材11の剛性が増してガラスフィルム積層体10の巻き取りが困難になることを防止できる。また、この場合の支持基材11は、箔状または薄膜状の金属箔として形成されていることが好適であるが、金属メッシュのように網状に形成されていても良い。
また、支持基材11は、ガラスクロスを有するガラス含有プラスチックフィルムにより構成されていても良い。ここで、ガラスクロスとは、微細な多数のガラス繊維により形成された織布である。このガラス繊維に用いる材料としては、特に限定されるものではなく、ガラスフィルム12と同様の材料とすることができる。また、ガラス繊維の繊維径は、3〜24μmであることが好ましい。このことにより、ガラスフィルム12の補強のための強度を増大させると共に、ガラスクロスを有するガラスフィルム積層体10の巻き取りが困難になることを防止できる。なお、ガラス繊維の繊維径の測定方法としては、JIS L 1095に準拠して測定することが好適である。また、この場合の支持基材11は、ガラスクロスにプラスチック材料を含浸させたものであって、ここで用いるプラスチック材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂を挙げることができる。また、この場合の支持基材11の厚さは、10〜300μmであることが好ましい。支持基材11の厚さを10μm以上とすることにより、ガラスフィルム12の補強のための強度を増大させることができる。また、支持基材11の厚さを300μm以下とすることにより、支持基材11の剛性が増してガラスフィルム積層体10の巻き取りが困難になることを防止できる。なお、支持基材11は、プラスチック材料に含浸させることなく、ガラスクロスのみにより構成されていても良い。
また、上述した本実施の形態においては、側部フィルム15のうちガラスフィルム12の幅方向外側に位置する側面15aが、ガラスフィルム12の対応する側面12aと同一平面上に配置されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、側部フィルム15が、ガラスフィルム12の側端部12bの少なくとも一部分上に設けられていれば、側部フィルム15の当該側面15aが、ガラスフィルム12の対応する側面12aより幅方向内側に配置されていてもよい。この場合、側部フィルム15が、ガラスフィルム12の側面12aより内側に引き込まれた形態となるが、この場合であっても、側部フィルム15によってガラスフィルム12の側端部12bを保護することが可能である。
(第2の実施の形態)
次に、図5により、本発明の第2の実施の形態におけるガラスフィルム積層体について説明する。
図5に示す第2の実施の形態においては、ガラスフィルムの幅方向両側に支持基材がはみ出すように配置されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図5において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図5に示すように、支持基材11は、ガラスフィルム12の幅より大きい幅を有しており、ガラスフィルム12の幅方向両側にはみ出すように配置されている。すなわち、支持基材11の幅方向両側の側面11aは、ガラスフィルム12の対応する側面12aよりも、幅方向外側に位置している。そして、本実施の形態においては、ガラスフィルム12は、支持基材11の幅方向の中央部に配置されている。このようにして、ガラスフィルム12の幅方向両側に支持基材11の側部領域11bが形成されている。また、支持基材11と略同一の幅を有する支持粘着層13も、支持基材11と同様に、ガラスフィルム12の幅方向両側にはみ出している。なお、ガラスフィルム12は、上述したように、支持基材11の幅方向の中央部に配置されて、各側部領域11bの幅が略均等になっているが、このことに限られることはなく、各側部領域11bの幅は異なっていても良い。すなわち、ガラスフィルム12の幅方向両側に支持基材11がはみ出して側部領域11bが形成されていれば、ガラスフィルム12の配置は任意とすることができる。また、本実施の形態におけるガラスフィルム積層体10をロール状に巻き取る場合には、互いに隣接するガラスフィルム積層体10の部分同士が、支持粘着層13のはみ出した部分によって互いに貼り付くことを防止するための離型紙などの部材を用いることが好適である。
このように本実施の形態によれば、ガラスフィルム12の幅方向両側に支持基材11がはみ出すように配置されている。この場合、斜め外側からの衝撃に対してもガラスフィルム12を保護することができ、ガラスフィルム12の側端部12bをより確実に保護することができる。このため、ガラスフィルム積層体10の耐衝撃性をより一層向上させることができ、ガラスフィルム12の破損をより一層防止することができる。
(第3の実施の形態)
次に、図6により、本発明の第3の実施の形態におけるガラスフィルム積層体について説明する。
図6に示す第3の実施の形態においては、側部フィルムがガラスフィルムの側端部から幅方向外側にはみ出すように配置されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図6において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図6に示すように、側部フィルム15はガラスフィルム12の対応する側端部12bから幅方向外側にはみ出すように配置されている。すなわち、側部フィルム15の幅方向両側の側面15a、15bのうちガラスフィルム12の幅方向外側に位置する側面15aは、ガラスフィルム12の対応する側面12aよりも、幅方向外側に位置している。このようにして、ガラスフィルム12の幅方向両側に側部フィルム15の側部領域15cが形成されている。また、側部フィルム15と略同一の幅を有する側部粘着層16も、側部フィルム15と同様に、ガラスフィルム12の対応する側端部12bから幅方向外側にはみ出している。なお、図6においては、各側部フィルム15の側部領域15cは、略均等になっているが、このことに限られることはなく、各側部領域15cの幅は異なっていても良い。また、本実施の形態におけるガラスフィルム積層体10をロール状に巻き取る場合には、互いに隣接するガラスフィルム積層体10の部分同士が、側部粘着層16のはみ出した部分によって互いに貼り付くことを防止するための離型紙などの部材を用いることが好適である。
このように本実施の形態によれば、側部フィルム15が、ガラスフィルム12の側端部12bから幅方向外側にはみ出すように配置されている。この場合、斜め外側からの衝撃に対してもガラスフィルム12を保護することができ、ガラスフィルム12の側端部12bをより確実に保護することができる。このため、ガラスフィルム積層体10の耐衝撃性をより一層向上させることができ、ガラスフィルム12の破損をより一層防止することができる。
(第4の実施の形態)
次に、図7および図8により、本発明の第4の実施の形態におけるガラスフィルム積層体について説明する。
図7および図8に示す第4の実施の形態においては、支持基材および側部フィルムが、塗工されて形成されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図7および図8において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
支持基材11は、ガラスフィルム12の下面に塗工された樹脂材料により形成されている。この塗工された樹脂材料が、ガラスフィルム12の下面に付着している。すなわち、本実施の形態における支持基材11は、支持粘着層13(図2参照)を介在させることなく、ガラスフィルム12に接して付着している。より具体的には、支持基材11を形成する樹脂材料が、支持基材11を付着するための粘着層等の他の部材を介在させることなく、直接的にガラスフィルム12に付着している。
同様に、側部フィルム15は、ガラスフィルム12の側端部12b上に塗工された樹脂材料により形成されている。この塗工された樹脂材料が、ガラスフィルム12の側端部12bに付着している。すなわち、本実施の形態における側部フィルム15は、側部粘着層16(図2参照)を介在させることなく、ガラスフィルム12の側端部12bに接して付着している。より具体的には、側部フィルム15を形成する樹脂材料が、側部フィルム15を付着するための粘着層等の他の部材を介在させることなく、直接的にガラスフィルム12に付着している。
支持基材11および側部フィルム15を形成する樹脂材料としては、例えば、光硬化性樹脂を用いることが好適である。この場合、塗工された樹脂材料を、光硬化処理することにより硬化することができ、カラーフィルタ製造工程中の種々の環境下においても、硬化した樹脂材料が軟化したり変形したりすることを防止できる。光硬化性樹脂としては、入手性に優れたアクリル樹脂を好適に用いることができる。なお、支持基材11および側部フィルム15をガラスフィルム12から剥離(除去)することが困難な場合には、支持基材11および側部フィルム15を形成する樹脂材料は、光学特性の低下を防止するために、透明性を有していることが好ましい。このことにより、ガラスフィルム12に支持基材11および側部フィルム15が付着した状態でカラーフィルタ1を構成することが可能となる。
次に、図8を用いて、本実施の形態におけるガラスフィルム積層体の製造装置20について説明する。ここでは、図4に示すガラスフィルム積層体の製造装置20と略同一部分の説明は省略する。
図8においては、ガラスフィルム供給部22の搬送方向下流側に、ガラスフィルム供給部22から搬送されたガラスフィルム12に、支持基材11を形成するための第1樹脂材料60を塗工する第1樹脂塗工部50が設けられている。この第1樹脂塗工部50は、ガラスフィルム12の第1の面(一方の面)に第1樹脂材料60を塗工するようになっている。塗工方法としては、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを好適に用いることができる。
第1樹脂塗工部50の下流側には、塗工された第1樹脂材料60に光L好適には、UV光を照射する第1光照射部51が設けられている。第1光照射部51において、ガラスフィルム12上の第1樹脂材料60に光Lが照射されて、当該第1樹脂材料60が硬化し、フィルム状に第1樹脂材料60が固化される。このことにより、本実施の形態による支持基材11とガラスフィルム12とが積層された積層中間体40が得られる。
第1光照射部51の下流側には、積層中間体40の上下を反転させるガイドローラ52、53が設けられている。これにより、ガラスフィルム12の支持基材11が形成された第1の面が下側に配置されるとともに、第2の面(他方の面)が上側に配置される。
ガイドローラ52、53の下流側には、反転された積層中間体40のガラスフィルム12に、側部フィルム15を形成するための第2樹脂材料61を塗工する第2樹脂塗工部54が設けられている。この第2樹脂塗工部54は、ガラスフィルム12の第2の面のうち側端部12b上に第2樹脂材料61を塗工するようになっている。塗工方法としては、第1樹脂塗工部50と同様の方法を用いることができる。
第2樹脂塗工部54の下流側には、塗工された第2樹脂材料61に光L好適には、UV光を照射する第2光照射部55が設けられている。第2光照射部55において、ガラスフィルム12上の第2樹脂材料61に光Lが照射されて、当該第2樹脂材料61が硬化し、フィルム状に第2樹脂材料61が固化される。このことにより、本実施の形態による側部フィルム15が形成され、図7に示すガラスフィルム積層体10が得られる。
このように本実施の形態によれば、支持基材11および側部フィルム15が、塗工された樹脂材料により形成されて、ガラスフィルム12に接して付着している。このことにより、支持基材11とガラスフィルム12との密着性、および、側部フィルム15とガラスフィルム12との密着性を向上させることができる。このため、支持基材11および側部フィルム15がガラスフィルム12から剥がれることをより一層防止することができ、ガラスフィルム積層体10の取り扱い性をより一層向上させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、第1樹脂材料60および第2樹脂材料61に光硬化性樹脂を用いる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、樹脂材料60、61に熱硬化性樹脂を用いることもできる。この場合、塗工された樹脂材料を、加熱処理することにより硬化することができ、カラーフィルタ製造工程中の種々の環境下においても、硬化した樹脂材料が軟化したり変形したりすることを防止できる。熱硬化性樹脂としては、入手性に優れたエポキシ樹脂を好適に用いることができる。
また、第2の実施の形態における側部フィルム15(図5参照)を、本実施の形態のように塗工して形成することができる。さらに、第3の実施の形態における支持基材11(図6参照)を、本実施の形態のように塗工して形成することもできる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、当然のことながら、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
(実施例1)
本発明の第2の実施の形態によるガラスフィルム積層体10にカラーフィルタ用の画素2、3、4を形成する際におけるガラスフィルム12の破損の有無と、ガラスフィルム積層体10の取り扱い性について確認した。
まず、支持基材11として、厚さ59μm、幅310mm、長さ10mの粘着層付きPETフィルム(日東電工製、RP207)のロールを準備した。ガラスフィルム12として、厚さ70μm、幅300mm、長さ10mの薄板ガラス(日本電気硝子社製OA−10G)のロールを準備した。また、側部フィルム15として、厚さ90μm、幅20mm、長さ10mの粘着層付きPIフィルム(日東電工製、360UL)のロールを2本準備した。
続いて、PETフィルム11の支持粘着層13上に薄板ガラス12を積層して貼り付けた。この際、薄板ガラス12の幅方向両側にPETフィルム11がはみ出すように配置した。その後、PIフィルム15を、側部粘着層16を介して薄板ガラス12の側端部12bに貼り付けた。このようにして、図5に示すガラスフィルム積層体10を得た。
得られたガラスフィルム積層体10を、直径が6インチのコア45aに巻き取り、ガラスフィルム積層体ロール45を形成した。
次に、ガラスフィルム積層体ロール45を塗工装置の巻出部にセットし、ガラスフィルム積層体10を繰り出した。その後、繰り出されたガラスフィルム積層体10の薄板ガラス12の露出領域17に、カラーフィルタ用の画素を形成するインキを塗工した。この際、薄板ガラス12が破損していないことを確認できた。また、PIフィルム15が、薄板ガラス12から剥がれていないことを確認できた。
(比較例1)
PIフィルム15を用いないこと、および、PETフィルム11の幅が小さい(幅302mm)こと以外は、実施例1と同様にしてガラスフィルム積層体を得た。なお、PETフィルム11の幅を小さくした理由は、ガラスフィルム積層体を巻き取った場合に、互いに隣接するPETフィルム11の部分同士が支持粘着層13によって貼り付くことを防止するためである。
薄板ガラス12にPETフィルム11が貼り付けられて、ガラスフィルム積層体を形成し、このガラスフィルム積層体を巻き取ってガラスフィルム積層体ロールを形成した。そして、当該ガラスフィルム積層体ロールを塗工装置の巻出部にセットし、ガラスフィルム積層体を繰り出した。その後、繰り出されたガラスフィルム積層体の薄板ガラス12の露出領域17に、カラーフィルタ用の画素を形成するインキを塗工した。この際、薄板ガラス12に割れが発生したことを確認した。
以上の説明においては、本発明によるガラスフィルム積層体を、カラーフィルタに適用した例を示している。しかしながらこのことに限られることはなく、カラーフィルタの対向基板であるTFT基板若しくは電極基板、有機EL用表示素子基板、または太陽電池等の基板に、本発明によるガラスフィルム積層体を適用することも可能である。さらには、既存のガラス製品の全て、例えば、建築、家具装飾、電子デバイス、半導体デバイス、車体部材などに用いられるガラス製品にも本発明を適用することができる。