JP6047950B2 - ガラスフィルム積層体 - Google Patents

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本発明は、支持基材にガラスフィルムが積層されたガラスフィルム積層体に係り、とりわけ、ガラスフィルムの破損を防止するとともに取り扱い性を向上させることができるガラスフィルム積層体に関する。
一般的に、電子ディスプレイ、建築、家具装飾、電子デバイス、半導体デバイス、車体部材等には、従来から、ガラス板が多く用いられている。このうち、液晶ディスプレイ、電子ペーパー、有機ELディスプレイ等の電子ディスプレイに使用されるカラーフィルタには、一般的に、枚葉状のガラス板が基板として用いられており、このガラス板に、複数色の画素がパターン状に形成されて、カラーフィルタが製造されている。また、カラーフィルタの対向基板であるTFT基板若しくは電極基板、有機EL用表示素子基板、または太陽電池等にも、枚葉状のガラス板が用いられている。
ところで、最近のガラス製造技術の進歩により、厚さが100μm程度のガラスフィルムが製造されるようになっている。このような厚さのガラスフィルムは、可撓性を有している。このため、ガラスフィルムは、ロール状に巻き取り可能になり、ロールtoロールプロセスに用いることができる。例えば、このようなガラスフィルムをカラーフィルタの基板に用いる場合には、ガラスフィルムが巻き取られたロールからガラスフィルムを繰り出して連続的にカラーフィルタを製造することができる。この場合、枚葉状のガラス板を用いる場合に比べて、生産効率を向上させることができる。しかしながら、ガラスフィルムはその厚さが薄いことから、耐衝撃性が低下し、製造工程中に破損しやすいという問題がある。
このような問題の対策として、ガラスフィルムを保護するために、ガラスフィルムにプラスチックフィルムを積層したガラスフィルム積層体が知られている(例えば、特許文献1乃至4参照)。
特許第4326635号公報 特開2011−107240号公報 特許第4384356号公報 特開2011−121320号公報
このうち、特許文献1においては、ガラスフィルムの一方の面に、全体にわたって、プラスチックフィルムが設けられている。しかしながら、この場合、ガラスフィルムの他方の面は、全体にわたって剥き出しになっている。このため、ガラスフィルムの耐衝撃性が問題になり、ガラスフィルムが破損する場合が考えられる。
また、特許文献2においては、フィルム状の無機ガラスの両方の面に、全体にわたって、熱可塑性樹脂層がそれぞれ設けられている。しかしながら、この場合、熱可塑性樹脂層が設けられた状態で、無機ガラス上に、カラーフィルタ用の画素などの新たな層を形成することは困難であり、取り扱い性に問題がある。
また、特許文献3においては、ガラスシートの一方の面の縁部を覆うように樹脂層が形成され、ガラスシートの当該一方の面の中央部が剥き出しになっている。しかしながら、ここでは、ガラスシートの他方の面は、全体にわたって、剥き出しになっている。このため、ガラスシートの耐衝撃性が問題になり、ガラスシートが破損する場合が考えられる。
さらに、特許文献4には、ガラスフィルムの一方の面に、ガラスフィルムからはみ出して支持シートが固着され、ガラスフィルムの他方の面に、ガラスフィルムの縁部を覆うように保護シートが積層されたガラスフィルム積層体が記載されている。しかしながら、ここでは、保護シートはガラスフィルムに付着されていない。このことにより、ガラスフィルム積層体を巻き取る時若しくは巻き出す時、または、カラーフィルタの製造工程中に、保護シートが剥がれる可能性が考えられる。保護シートが剥がれると、塗工工程、露光工程、現像工程等の際、各工程の処理の障害となる可能性があり、ガラスフィルム積層体の取り扱い性が困難になるという問題が考えられる。また、保護シートとガラスフィルムとは付着されていないため、保護シートのガラスフィルムに重なっている部分がめくれやすくなっている。そして、保護シートの当該部分がめくれると、保護シート全体が剥がれやすくなる。保護シート全体が剥がれた場合には、ガラスフィルムが破損するおそれがある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、ガラスフィルムの破損を防止するとともに取り扱い性を向上させることができるガラスフィルム積層体を提供することを目的とする。
本発明は、支持基材と、前記支持基材に積層されたガラスフィルムと、を備え、前記ガラスフィルムは、前記支持基材の幅より小さい幅を有し、前記ガラスフィルムの両側から前記支持基材がはみ出して、前記ガラスフィルムの両側に、前記支持基材の側部領域が形成され、前記ガラスフィルムの両側の側端部および前記支持基材の前記側部領域に、当該側端部および当該側部領域を覆う側部フィルムが付着していることを特徴とするガラスフィルム積層体を提供する。
なお、上述したガラスフィルム積層体において、前記支持基材は、支持粘着層を介して、前記ガラスフィルムに剥離可能に貼り付けられている、ことが好ましい。
また、上述したガラスフィルム積層体において、前記支持粘着層は、前記支持基材の幅に対応する幅を有している、ことが好ましい。
また、上述したガラスフィルム積層体において、前記支持粘着層は、前記ガラスフィルムの幅に対応する幅を有している、ことが好ましい。
また、上述したガラスフィルム積層体において、前記側部フィルムは、側部粘着層を介して、前記ガラスフィルムの前記側端部および前記支持基材の前記側部領域に剥離可能に貼り付けられている、ことが好ましい。
また、上述したガラスフィルム積層体において、前記側部フィルムは、前記ガラスフィルムの前記側端部および前記支持基材の前記側部領域に接している、ことが好ましい。
本発明によれば、ガラスフィルムの破損を防止するとともに取り扱い性を向上させることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態において、カラーフィルタの断面構成の一例を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態において、ガラスフィルム積層体の断面構成を示す図である。 図3は、カラーフィルタ用の画素付ガラスフィルム積層体の断面構成の一例を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態において、ガラスフィルム積層体の製造装置の一例を示す図である。 図5は、本発明の第2の実施の形態において、ガラスフィルム積層体の断面構成を示す図である。 図6は、本発明の第3の実施の形態において、ガラスフィルム積層体の断面構成を示す図である。 図7は、本発明の第3の実施の形態において、ガラスフィルム積層体の製造装置の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
(第1の実施の形態)
図1乃至図4を用いて、本実施の形態によるガラスフィルム積層体について説明する。
まず、ガラスフィルム積層体のガラスフィルムを基板とするカラーフィルタについて説明する。図1に示すように、本実施の形態におけるカラーフィルタ1は、ガラスフィルム12と、このガラスフィルム12上に設けられた赤色画素2、緑色画素3および青色画素4、とを備えている。
通常、ガラスフィルム12上には、マトリックス形状にパターニングされたブラックマトリックス5が設けられており、各画素2、3、4は、ガラスフィルム12上のブラックマトリックス5により画定される各開口内に形成されている。すなわち、ブラックマトリックス5の各開口内に、赤色(R)画素用感光性材料、緑色(G)画素用感光性材料、および青色(B)画素用感光性材料により、赤色画素2、緑色画素3および青色画素4が形成されている。各画素2、3、4の配列は、図示しないが、ストライプ配列、デルタ配列(トライアングル配列)、正方配列(四画素配列)等の公知の配列とすることができる。このように異なる色を有した三つの隣り合う画素によって、画面上における一つの表示画素が形成されるようになっている。なお、黄色画素(図示せず)等を追加して4色以上の画素が形成されるようにしても良い。また、各画素2、3、4を形成する感光性材料としては、各色の顔料と溶剤と接合性樹脂(バインダー)とを含む顔料分散型の感光性樹脂組成物を用いることができ、ブラックマトリックス5を形成する感光性材料としては、遮光性を有する黒色の顔料を分散させた感光性樹脂組成物を用いることができる。
これらの画素2、3、4は、図1に示すように、保護層6で覆われている。この保護層6上に、インジウム錫酸化物(ITO(Indium Tin Oxide))からなる透明電極膜7が形成されている。
このようなカラーフィルタ1は、例えば、各画素2、3、4に対応して配列されたTFT等のスイッチング素子と液晶層とを含む液晶素子、および面光源と組み合わされて、液晶ディスプレイ(LCD)または電子ペーパー等に用いられる。この構成において、液晶はスイッチング素子によって制御されてシャッターとして機能し、面光源からの光を所望の色の画素のみを介して出射させる。このようにして、画面上にカラー映像が表示されるようになっている。なお、図1の構成は一例であり、ディスプレイの種類や表示素子の動作原理によって適宜変更され、例えば、ブラックマトリックス5が設けられていない構成や、透明電極膜7が設けられていない構成などがある。
上述したガラスフィルム12を有するカラーフィルタ1は、当該ガラスフィルム12を有するガラスフィルム積層体10(図2参照)を用いて製造可能になっている。
続いて、図2を用いて、本実施の形態におけるガラスフィルム積層体10について説明する。ガラスフィルム積層体10は、支持基材11と、支持基材11に積層されたガラスフィルム12と、を備えている。支持基材11とガラスフィルム12との間には、支持粘着層13が介在されており、支持基材11は支持粘着層13を介してガラスフィルム12に剥離可能に貼り付けられている。支持粘着層13は、支持基材11の幅に対応する幅、すなわち、支持基材11と略同一の幅を有している。
本実施の形態においては、支持基材11は、後述するように柔軟性を有するプラスチックフィルムにより形成されており、ガラスフィルム12への衝撃や局所的な加圧、歪みに対する脆弱性を補ってガラスフィルム12を補強するためのものとなっている。すなわち、単体のガラスフィルム12を、異物を巻き込んで巻き取った場合には、局所的な衝撃、加圧、傷等により、ガラスフィルム12が容易に破損する可能性がある。これに対して、本実施の形態のように、ガラスフィルム12に支持基材11を貼り付けることにより、ガラスフィルム12を補強し、ガラスフィルム12の破損を防止している。また、ガラスフィルム12が割れた場合であっても、ガラスフィルム12に支持基材11が貼り付けられていることにより、ガラスの破片等の飛散を防止している。
ガラスフィルム12は、支持基材11の幅より小さい幅を有している。そして、ガラスフィルム12の両側から支持基材11がはみ出すように配置されている。図2に示すように、本実施の形態においては、ガラスフィルム12は、支持基材11の幅方向の中央部に配置されている。このようにして、ガラスフィルム12の両側に支持基材11の側部領域14が形成されている。ここで、幅とは、図2における左右方向の寸法であって、図4における帯状の支持基材11および帯状のガラスフィルム12の搬送方向に直交する横方向の寸法を意味している。また、支持基材11と略同一の幅を有する支持粘着層13も、支持基材11と同様に、ガラスフィルム12の両側からはみ出している。なお、ガラスフィルム12は、上述したように、支持基材11の幅方向の中央部に配置されて、各側部領域14の幅が略均等になっているが、このことに限られることはなく、各側部領域14の幅は異なっていても良い。すなわち、ガラスフィルム12の両側に支持基材11がはみ出して側部領域14が形成されていれば、ガラスフィルム12の配置は任意とすることができる。
ガラスフィルム12の両側の側端部12aおよび支持基材11の側部領域14を覆う側部フィルム15が設けられている。すなわち、側部フィルム15は、支持基材11の側部領域14の上面から、ガラスフィルム12の側端部12aの上面に延びるように形成されている。側部フィルム15は、支持基材11とは別体に構成されており、ガラスフィルム12の側端部12aおよび支持基材11の側部領域14に付着している。ここで、ガラスフィルム12の側端部12aとは、ガラスフィルム積層体10を図2における上方から見たときにガラスフィルム12の幅方向の両側に位置する、所定の幅を持った端部の領域であって、断面で見たときにガラスフィルム12の幅方向の両側に位置する側面12bに近接する領域を示すものである。これら2つの側端部12aの間の領域には、カラーフィルタ用の各画素2、3、4等が形成されるようになっている(図3参照)。すなわち、側端部12aは、カラーフィルタ用の各画素2、3、4等が形成される領域(後述する露出領域17に相当)よりも幅方向外側に位置する領域ということができる。なお、上述した所定の幅とは、例えば、最小の場合でもガラスフィルム12の側面12bから1mmの幅寸法に相当し、また、最大の場合でも、ガラスフィルム12の幅寸法をLとしたときにL/4として表せる幅寸法に相当する。また、側部領域14を覆うとは、図2に示すような厳密に側部領域14の全領域を覆うという意味に限られることはなく、側部領域14の一部を覆うとともに一部が露出されている場合をも含む意味、すなわち、側部領域14の少なくとも一部を覆うという意味として用いている。例えば、支持基材11の側部領域14が、側部フィルム15よりもガラスフィルム12の幅方向外側にはみ出している場合も、本発明に包含されるものであり、この場合であってもガラスフィルム12の側端部12aを効果的に保護することができる。
側部フィルム15は、側部粘着層16を介して、ガラスフィルム12の側端部12aおよび支持基材11の側部領域14に剥離可能に貼り付けられている。すなわち、側部フィルム15のガラスフィルム12および支持基材11の側の面に、側部粘着層16が設けられており、側部フィルム15とガラスフィルム12の側端部12aとの間、および、側部フィルム15と支持基材11の側部領域14との間に側部粘着層16が介在されている。なお、図2では、側部フィルム15は側部粘着層16を介してガラスフィルム12の側面12bにも剥離可能に貼り付けられている形態を示している。しかしながら、これに限られることはなく、側部粘着層16は、ガラスフィルム12の側面12bに付着されずに、側部粘着層16とガラスフィルム12の側面12bとが離間していても良い。
図2に示すように、2つの側部フィルム15は互いに離間しており、ガラスフィルム12の支持基材11の側とは反対側の面のうち2つの側部フィルム15の間に、外方に露出された露出領域17が形成されている。この露出領域17に、図3に示すように、カラーフィルタ用の各画素2、3、4等が形成されるようになっている。
次に、図3を用いて、カラーフィルタ用の画素付ガラスフィルム積層体1aについて説明する。カラーフィルタ用の画素付ガラスフィルム積層体1aは、ガラスフィルム積層体10を用いてカラーフィルタ1を製造する場合の中間生成物に相当するものであって、上述したガラスフィルム積層体10と、このガラスフィルム積層体10のガラスフィルム12上に設けられた、カラーフィルタ用の複数色の画素2、3、4およびブラックマトリックス5と、を有している。このうち、各画素2、3、4は、保護層6で覆われ、保護層6上に透明電極膜7が形成されている。このカラーフィルタ用の画素付ガラスフィルム積層体1aにおいて、側部フィルム15を、側部粘着層16を伴ってガラスフィルム12および支持基材11から剥離するとともに、支持基材11を、支持粘着層13を伴ってガラスフィルム12から剥離することにより、図1に示すカラーフィルタ1が得られるようになっている。なお、液晶ディスプレイ用途のカラーフィルタ1において位相差の小さい支持基材11および側部フィルム15を用いる場合には、必ずしも支持基材11および側部フィルム15を剥離する必要はなく、支持基材11および側部フィルム15が貼り付けられた状態でカラーフィルタ1を構成してもよい。さらに、ELディスプレイ、電子ペーパーなどの偏光を表示原理としないディスプレイにおいては、位相差量に関わらず支持基材11および側部フィルム15が貼り付けられた状態でカラーフィルタ1を構成してもよい。この場合には、支持基材11および支持粘着層13の側部領域14の部分を、側部フィルム15および側部粘着層16を伴って切断などにより除去すればよい。
次に、各構成部材の材料について説明する。
支持基材11に用いる材料としては、プラスチック材料、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、セルローストリアセテート(CTA)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアミドイミド(PAI)、ノボルネン系樹脂、アリルエステル樹脂等の合成樹脂を挙げることができる。また、支持基材11の厚さは、3〜200μm、好ましくは、5μm〜200μmであることが好ましい。このことにより、支持基材11を安定的に製造可能にして、ガラスフィルム12の補強のための強度を増大させることができると共に、支持基材11の剛性が増して支持基材11を有するガラスフィルム積層体10の巻き取りが困難になることを防止できる。
ガラスフィルム12に用いる材料としては、フィルム状に形成できるものであれば特に制限されないが、一般にディスプレイ用途に用いられるソーダライムガラス、無アルカリガラスが好ましい。このうち、無色で透明度が高く、線熱膨張係数が小さくて変形しにくい無アルカリガラスが好適である。また、ガラスフィルム12の厚さは、5〜300μmであることが好ましい。ガラスフィルム12の厚さを5μm以上とすることにより、ガラスフィルム12を安定的に製造可能にして、ガラスフィルム12の強度を増大させることができる。また、ガラスフィルム12の厚さを300μm以下とすることにより、ガラスフィルム12の剛性が増して、ガラスフィルム12を有するガラスフィルム積層体10の巻き取りが困難になることを防止できる。
側部フィルム15に用いる材料としては、後述する厚さで側部フィルム15を有するガラスフィルム積層体10をロール状に巻き取ることができれば特に限定されないが、支持基材11と同様の材料を用いることが好ましい。側部フィルム15の厚さは、使用するガラスフィルム12の厚さに応じて、3〜250μmとすることが好ましい。側部フィルム15の厚さを3μm以上とすることにより、側部フィルム15を安定的に製造可能にして、ガラスフィルム12の補強のための強度を増大させることができる。また、側部フィルム15の厚さを250μm以下とすることにより、側部フィルム15の剛性が増して側部フィルム15を有するガラスフィルム積層体10の巻き取りが困難になることを防止できる。
支持粘着層13および側部粘着層16に用いる材料としては、柔軟性を有しているものであれば、特に限定されないが、アクリル系、スチレン系等の樹脂材料が好ましい。また、支持粘着層13および側部粘着層16の厚さは、5〜200μmであることが好ましい。各粘着層13、16の厚さを5μm以上とすることにより、支持基材11または側部フィルム15をガラスフィルム12に貼り付けるために十分な粘着力を確保できる。また、各粘着層13、16の厚さを200μm以下とすることにより、ガラスフィルム積層体10としての光学特性の低下を防止できる。例えば、透過率の低下、着色、位相差の増加を防止できる。
支持粘着層13と側部粘着層16は、互いに剥離可能に粘着されている。この場合、例えば、支持粘着層13と側部粘着層16との剥離力は、JIS Z 0237に従って表した場合、0.1N/25mm以上、5N/25mm以下とすることが好適である。このことにより、カラーフィルタ製造工程中、側部フィルム15が支持基材11に貼り付けられた状態を維持することができる。また、側部フィルム15を支持基材11から剥離する場合には、側部フィルム15を支持基材11から容易に剥離することができ、側部フィルム15の剥離によってガラスフィルム12が破損することを防止できる。
また、支持粘着層13とガラスフィルム12との剥離力は、支持粘着層13がガラスフィルム12に接していることから、上述した支持粘着層13と側部粘着層16との剥離力より小さくなる。このことにより、支持粘着層13は、ガラスフィルム12に容易に剥離可能に粘着されている。同様に、側部粘着層16とガラスフィルム12の側端部12aとの剥離力は、側部粘着層16がガラスフィルム12の側端部12aに接していることから、上述した支持粘着層13と側部粘着層16との剥離力より小さくなっている。このことにより、側部粘着層16は、ガラスフィルム12の側端部12aに容易に剥離可能に粘着されている。なお、この場合の剥離可能な剥離力は、JIS Z 0237に従って、温度24℃、湿度40%の環境下で、200mm/minの剥離速度で90度剥離試験を行った場合に、5N/25mm以下であることが好ましく、とりわけ1N/25mm以下であることが好ましい。
次に、図4を用いて、本実施の形態におけるガラスフィルム積層体の製造装置20について説明する。ここでは、一方の面に支持粘着層13が予め貼り付けられた支持粘着層13付き支持基材11と、一方の面に側部粘着層16が予め貼り付けられた側部粘着層16付き側部フィルム15と、を用いてガラスフィルム積層体10を製造する場合について説明する。
図4に示すように、ガラスフィルム積層体の製造装置20は、帯状の連続した支持基材11が巻き付けられた支持基材11のロールが取り付けられる支持基材供給部21と、帯状の連続したガラスフィルム12が巻き付けられたガラスフィルム12のロールが取り付けられるガラスフィルム供給部22と、を有している。支持基材供給部21およびガラスフィルム供給部22は、後述する第1積層押圧部25においてガラスフィルム12の両側に支持基材11の側部領域14が形成されるような位置関係で配置されている。なお、支持基材11の一方の面に設けられた支持粘着層13上に、カバーシート(離型紙)18が剥離自在に貼り付けられており、支持基材11のロールにおいて、互いに隣接する支持基材11の部分同士が支持粘着層13によって貼り付くことを防止している。このため、支持基材供給部21の近傍には、支持基材供給部21から繰り出された支持基材11からカバーシート18を剥離するための剥離部23と、剥離されたカバーシート18を巻き取って回収する回収部24とが設けられている。
支持基材供給部21およびガラスフィルム供給部22の搬送方向下流側に、支持基材11およびガラスフィルム12を貼り付ける第1積層押圧部25が設けられている。この第1積層押圧部25において、支持基材11に支持粘着層13を介してガラスフィルム12が積層されて貼り付けられ、支持基材11と支持粘着層13とガラスフィルム12とが積層された積層中間体40が得られるようになっている。この際、ガラスフィルム12の両側に、支持基材11の側部領域14(図2参照)が形成される。
第1積層押圧部25の搬送方向下流側に、積層中間体40に側部フィルム15を貼り付ける第2積層押圧部29が設けられている。この第2積層押圧部29において、側部フィルム15は、ガラスフィルム12の側端部12aおよび支持基材11の側部領域14に貼り付けられるようになっている。このようにして、図2に示すガラスフィルム積層体10が得られる。
第2積層押圧部29には、2つの側部フィルム供給部26から側部フィルム15が搬送されるようになっている。2つの側部フィルム供給部26は、側部フィルム15の幅方向(図4の紙面に垂直な方向)に互いに離間するように設けられている。なお、図4では、一方の側部フィルム供給部26のみを示している。
側部フィルム供給部26には、帯状の連続した側部フィルム15が巻き付けられた側部フィルム15のロールが取り付けられている。2つの側部フィルム供給部26は、第2積層押圧部29において、側部フィルム15がガラスフィルム12の側端部12aおよび支持基材11の側部領域14に貼り付けられるような位置に配置されている。なお、側部フィルム15の一方の面に設けられた側部粘着層16上に、カバーシート(離型紙)19が剥離自在に貼り付けられており、側部フィルム15のロールにおいて、互いに隣接する側部フィルム15の部分同士が側部粘着層16によって貼り付くことを防止している。このため、側部フィルム供給部26の近傍には、側部フィルム供給部26から繰り出された側部フィルム15からカバーシート19を剥離するための剥離部27と、剥離されたカバーシート19を巻き取って回収する回収部28とが設けられている。
第2積層押圧部29の下流側には、ガラスフィルム積層体10をロール状に巻き取る積層体巻取部30が設けられている。この積層体巻取部30において、ガラスフィルム積層体10が円筒状のコア45aに巻き取られたガラスフィルム積層体ロール45が形成される。
次に、このような構成からなる本実施の形態のガラスフィルム積層体の製造方法について、図4を用いて説明する。
まず、支持粘着層13付きの帯状の連続した支持基材11と、帯状の連続したガラスフィルム12と、側部粘着層16付きの帯状の連続した側部フィルム15と、を準備する。すなわち、ガラスフィルム積層体の製造装置20において、支持基材11のロールが支持基材供給部21に取り付けられ、ガラスフィルム12のロールがガラスフィルム供給部22に取り付けられ、側部フィルム15のロールが側部フィルム供給部26に取り付けられる。
続いて、支持基材供給部21から支持粘着層13付きの支持基材11が繰り出され、ガラスフィルム供給部22からガラスフィルム12が繰り出されて、第1積層押圧部25にそれぞれ搬送される。この際、支持基材供給部21から繰り出された支持粘着層13上のカバーシート18は、剥離部23によって支持粘着層13から剥離されて、回収部24に巻き取られて回収される。このようにして、第1積層押圧部25には、カバーシート18が剥離された支持粘着層13付きの支持基材11が搬送される。
次に、第1積層押圧部25において、支持基材11に支持粘着層13を介してガラスフィルム12が積層されて貼り付けられ、支持基材11と支持粘着層13とガラスフィルム12とが積層された積層中間体40が得られる。この際、ガラスフィルム12の両側に、支持基材11の側部領域14(図2参照)が形成される。得られた積層中間体40は、第2積層押圧部29に搬送される。
一方、側部フィルム供給部26から側部粘着層16付きの側部フィルム15が繰り出され、第2積層押圧部29に搬送される。この際、側部フィルム供給部26から繰り出された側部粘着層16上のカバーシート19は、剥離部27によって側部粘着層16から剥離されて、回収部28に巻き取られて回収される。このようにして、第2積層押圧部29には、カバーシート19が剥離された側部粘着層16付きの側部フィルム15が搬送される。
次に、第2積層押圧部29において、積層中間体40に側部粘着層16を介して側部フィルム15が貼り付けられる。すなわち、側部フィルム15が、側部粘着層16を介して、ガラスフィルム12の側端部12aおよび支持基材11の側部領域14に貼り付けられる。このようにして、図2に示すガラスフィルム積層体10が得られる。
その後、得られたガラスフィルム積層体10は、積層体巻取部30に搬送されて、コア45aに巻き取られる。このようにしてガラスフィルム積層体ロール45が形成される。この際、図2に示すように、側部フィルム15は、支持基材11の側部領域14の全領域を覆っているため、互いに隣接するガラスフィルム積層体10の部分同士が貼り付くことを防止できる。
このようにして得られたガラスフィルム積層体10を用いてカラーフィルタ1を製造する場合には、まず、ガラスフィルム積層体ロール45からガラスフィルム積層体10が繰り出され、ガラスフィルム12上の露出領域17(図2および図3参照)に画素用感光性材料が塗布されて、乾燥(プリベーク)、露光、現像および硬化(ポストベーク)という一連の工程を繰り返すことで、ガラスフィルム12上に各色の画素2、3、4およびブラックマトリックス5が形成される。続いて、各画素2、3、4を覆う保護層6が形成され、保護層6上に透明電極膜7が形成されて、図3に示すカラーフィルタ用の画素付ガラスフィルム積層体1aが得られる。その後、側部フィルム15が、側部粘着層16を伴ってガラスフィルム12および支持基材11から剥離され、そして、支持基材11が、支持粘着層13を伴ってガラスフィルム12から剥離される。このようにして、図1に示すカラーフィルタ1が得られる。
このように本実施の形態によれば、ガラスフィルム12の側端部12aが、側部フィルム15により覆われて、当該側部フィルム15が、ガラスフィルム12に側部粘着層16を介して貼り付けられている。このことにより、側部フィルム15によってガラスフィルム12の側端部12aを保護することができる。同様に、ガラスフィルム12に支持粘着層13を介して支持基材11が貼り付けられていることにより、支持基材11によってもガラスフィルム12を保護することができる。この結果、ガラスフィルム積層体10の耐衝撃性を向上させることができ、ガラスフィルム12の破損を防止することができる。例えば、カラーフィルタ製造工程中にガラスフィルム積層体12が搬送されている間、ガラスフィルム12と搬送用の金属ロール(図示せず)との間に、支持基材11または側部フィルム15を介在させることができる。このため、ガラスフィルム12が、支持基材11および側部フィルム15によって保護されて、搬送用の金属ロールからの衝撃に耐えることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、側部フィルム15がガラスフィルム12および支持基材11に貼り付けられていることにより、例えばカラーフィルタ製造工程中に、側部フィルム15がガラスフィルム12および支持基材11から剥がれることを防止することができる。このため、側部フィルム15が、塗工工程、露光工程、現像工程等の際に、各工程の処理の障害となることを防止することができる。また、ガラスフィルム12と側部フィルム15との間に、塗工液や現像液などの処理液が入り込むことを防止することができる。この結果、ガラスフィルム積層体10の取り扱い性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、側部フィルム15は、ガラスフィルム12および支持基材11に剥離可能に貼り付けられている。また、支持基材11は、ガラスフィルム12に剥離可能に貼り付けられている。このことにより、ガラスフィルム12上にカラーフィルタ用の画素2、3、4等を形成した後、側部フィルム15および支持基材11をガラスフィルム12から容易に剥離することができる。このため、側部フィルム15および支持基材11の剥離時に、ガラスフィルム12が破損することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、支持粘着層13は、支持基材11の幅に対応する幅を有している。このことにより、支持基材11として、市販されている粘着層付きのプラスチックフィルムを使用することができ、ガラスフィルム積層体10を低コストで製造することができる。
また、本実施の形態によれば、ガラスフィルム12の両側の側端部12aが、側部フィルム15によりそれぞれ覆われて、ガラスフィルム12の支持基材11の側とは反対側の面のうち2つの側部フィルム15の間に、外方に露出された露出領域17が形成されている。このことにより、ガラスフィルム12に支持基材11および側部フィルム15が貼り付けられた状態で、ガラスフィルム12上に、カラーフィルタ用の画素2、3、4等を形成することができる。すなわち、カラーフィルタ用の画素2、3、4等が形成されたガラスフィルム12の破損を防止するとともに、ガラスフィルム積層体10の取り扱い性を向上させることができる。この結果、ガラスフィルム積層体10を用いたカラーフィルタ1の製造効率を向上させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、第1積層押圧部25において支持基材11がガラスフィルム12に貼り付けられて積層中間体40が形成され、形成された積層中間体40が巻き取られることなく第2積層押圧部29に搬送されて、側部フィルム15が支持基材11およびガラスフィルム12に貼り付けられる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1積層押圧部25において得られた積層中間体40をロール状に一旦巻き取って、その後、積層中間体40を繰り出して、側部フィルム15が支持基材11およびガラスフィルム12に貼り付けられるようにしても良い。この場合においても、図2に示すガラスフィルム積層体10を好適に製造することができる。
また、上述した本実施の形態においては、支持基材11が、プラスチックフィルムにより形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、支持基材11は、金属材料により形成されていても良い。金属材料としては、例えば、ステンレス、銅、ニッケル、チタン、鉄などを挙げることができる。この中でも、入手性、耐食性に優れたステンレスを用いることが好ましい。また、この場合の支持基材11の厚さは、1〜200μmであることが好ましい。支持基材の厚さを1μm以上とすることにより、ガラスフィルム12の補強のための強度を増大させるとともに、支持基材11が破断することを防止して取り扱い性を向上させることができる。また、支持基材11の厚さを200μm以下とすることにより、支持基材11の剛性が増してガラスフィルム積層体10の巻き取りが困難になることを防止できる。また、この場合の支持基材11は、箔状または薄膜状の金属箔として形成されていることが好適であるが、金属メッシュのように網状に形成されていても良い。
また、支持基材11は、ガラスクロスを有するガラス含有プラスチックフィルムにより構成されていても良い。ここで、ガラスクロスとは、微細な多数のガラス繊維により形成された織布である。このガラス繊維に用いる材料としては、特に限定されるものではなく、ガラスフィルム12と同様の材料とすることができる。また、ガラス繊維の繊維径は、3〜24μmであることが好ましい。このことにより、ガラスフィルム12の補強のための強度を増大させると共に、ガラスクロスを有するガラスフィルム積層体10の巻き取りが困難になることを防止できる。なお、ガラス繊維の繊維径の測定方法としては、JIS L 1095に準拠して測定することが好適である。また、この場合の支持基材11は、ガラスクロスにプラスチック材料を含浸させたものであって、ここで用いるプラスチック材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂を挙げることができる。また、この場合の支持基材11の厚さは、10〜300μmであることが好ましい。支持基材11の厚さを10μm以上とすることにより、ガラスフィルム12の補強のための強度を増大させることができる。また、支持基材11の厚さを300μm以下とすることにより、支持基材11の剛性が増してガラスフィルム積層体10の巻き取りが困難になることを防止できる。なお、支持基材11は、プラスチック材料に含浸させることなく、ガラスクロスのみにより構成されていても良い。
(第2の実施の形態)
次に、図5により、本発明の第2の実施の形態におけるガラスフィルム積層体について説明する。
図5に示す第2の実施の形態においては、支持粘着層は、ガラスフィルムの幅に対応する幅を有している点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図5において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図5に示すように、支持粘着層13は、ガラスフィルム12の幅に対応する幅、すなわち、ガラスフィルム12と略同一の幅を有している。この場合、側部フィルム15は、支持粘着層13を介在させることなく、側部粘着層16のみを介して、支持基材11に剥離可能に貼り付けられている。
本実施の形態におけるガラスフィルム積層体10を製造する際には、ガラスフィルム12の幅に対応する幅を有する支持粘着層13を、支持基材11とは別体の部材として準備して、支持基材11をガラスフィルム12に貼り付けることが好適である。しかしながら、これに限られることはなく、このような幅を有する支持粘着層13が予め貼り付けられた支持粘着層13付きの支持基材11を準備して、支持基材11をガラスフィルム12に貼り付けるようにしても良い。
このように本実施の形態によれば、支持粘着層13が、ガラスフィルム12の幅に対応する幅を有している。このことにより、側部フィルム15と支持基材11との間には、側部粘着層16のみが介在されることとなり、側部フィルム15を、支持基材11からより一層容易に剥離することができる。このため、側部フィルム15の剥離時に、ガラスフィルム12が破損することをより一層防止できる。
(第3の実施の形態)
次に、図6および図7により、本発明の第3の実施の形態におけるガラスフィルム積層体について説明する。
図6および図7に示す第3の実施の形態においては、側部フィルムが、塗工されて形成されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図6および図7において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
側部フィルム15は、ガラスフィルム12の側端部12aおよび支持基材11の側部領域14に塗工された樹脂材料により形成されている。この塗工された樹脂材料が、ガラスフィルム12の側端部12aおよび支持基材11の側部領域14に付着している。すなわち、本実施の形態における側部フィルム15は、側部粘着層16(図2参照)を介在させることなく、ガラスフィルム12の側端部12aおよび支持基材11の側部領域14に接して付着している。より具体的には、側部フィルム15を形成する樹脂材料が、側部フィルム15を付着するための粘着層等の他の部材を介在させることなく、直接的にガラスフィルム12および支持基材11に付着している。
側部フィルム15を形成する樹脂材料としては、例えば、光硬化性樹脂を用いることが好適である。この場合、塗工された樹脂材料を、光硬化処理することにより硬化することができ、カラーフィルタ製造工程中の種々の環境下においても、硬化した樹脂材料が軟化したり変形したりすることを防止できる。光硬化性樹脂としては、入手性に優れたアクリル樹脂を好適に用いることができる。なお、側部フィルム15をガラスフィルム12および支持基材11から剥離(除去)することが困難な場合には、側部フィルム15を形成する樹脂材料は、光学特性の低下を防止するために、透明性を有していることが好ましい。このことにより、ガラスフィルム12に支持基材11および側部フィルム15が付着された状態でカラーフィルタ1を構成することが可能となる。
次に、図7を用いて、本実施の形態におけるガラスフィルム積層体の製造装置20について説明する。ここでは、図4に示すガラスフィルム積層体の製造装置20と略同一部分の説明は省略する。
図7においては、第1積層押圧部25の搬送方向下流側に、第1積層押圧部25から搬送された積層中間体40に樹脂材料60を塗工する樹脂塗工部50が設けられている。この樹脂塗工部50は、ガラスフィルム12の側端部12aおよび支持基材11の側部領域14に樹脂材料60を塗工するようになっている。塗工方法としては、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを好適に用いることができる。
樹脂塗工部50の下流側には、塗工された樹脂材料60に光L、好適には、UV光を照射する光照射部51が設けられている。光照射部51において、ガラスフィルム12および支持基材11上の樹脂材料60に光Lが照射されて、当該樹脂材料60が硬化し、フィルム状に樹脂材料60が固化される。このことにより、本実施の形態による側部フィルム15が形成され、図6に示すガラスフィルム積層体10が得られる。
このように本実施の形態によれば、側部フィルム15が、塗工された樹脂材料60により形成されて、ガラスフィルム12および支持基材11に接して付着している。このことにより、側部フィルム15とガラスフィルム12および支持基材11との密着性を向上させることができる。このため、側部フィルム15がガラスフィルム12および支持基材11から剥がれることをより一層防止することができ、ガラスフィルム積層体10の取り扱い性をより一層向上させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、樹脂材料60に光硬化性樹脂を用いる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、樹脂材料60に熱硬化性樹脂を用いることもできる。この場合、塗工された樹脂材料60を、加熱処理することにより硬化することができ、カラーフィルタ製造工程中の種々の環境下においても、硬化した樹脂材料60が軟化したり変形したりすることを防止できる。熱硬化性樹脂としては、入手性に優れたエポキシ樹脂を好適に用いることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、当然のことながら、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
(実施例1)
本発明の第1の実施の形態によるガラスフィルム積層体10にカラーフィルタ用の画素2、3、4を形成する際におけるガラスフィルム12の破損の有無と、ガラスフィルム積層体10の取り扱い性について確認した。
まず、支持基材11として、厚さ59μm、幅310mm、長さ10mの粘着層付きPETフィルム(日東電工製、RP207)のロールを準備した。ガラスフィルム12として、厚さ70μm、幅300mm、長さ10mの薄板ガラス(日本電気硝子社製OA−10G)のロールを準備した。また、側部フィルム15として、厚さ90μm、幅20mm、長さ10mの粘着層付きPIフィルム(日東電工製、360UL)のロールを2本準備した。
続いて、PETフィルム11の支持粘着層13上に薄板ガラス12を積層して貼り付け、その後、PIフィルム15を、側部粘着層16を介して薄板ガラス12の側端部12aおよびPETフィルム11の側部領域14に貼り付けた。このようにして、図2に示すガラスフィルム積層体10を得た。
得られたガラスフィルム積層体10を、直径が6インチのコア45aに巻き取り、ガラスフィルム積層体ロール45を形成した。
次に、ガラスフィルム積層体ロール45を塗工装置の巻出部にセットし、ガラスフィルム積層体10を繰り出した。その後、繰り出されたガラスフィルム積層体10の薄板ガラス12の露出領域17に、カラーフィルタ用の画素を形成するインキを塗工した。この際、薄板ガラス12が破損していないことを確認できた。また、PIフィルム15が、薄板ガラス12およびPETフィルム11から剥がれていないことを確認できた。
(比較例1)
PIフィルム15を用いないこと、および、PETフィルム11の幅が小さい(幅302mm)こと以外は、実施例1と同様にしてガラスフィルム積層体を得た。なお、PETフィルム11の幅を小さくした理由は、ガラスフィルム積層体を巻き取った場合に、互いに隣接するPETフィルム11の部分同士が支持粘着層13によって貼り付くことを防止するためである。
薄板ガラス12にPETフィルム11が貼り付けられて、ガラスフィルム積層体を形成し、このガラスフィルム積層体を巻き取ってガラスフィルム積層体ロールを形成した。そして、当該ガラスフィルム積層体ロールを塗工装置の巻出部にセットし、ガラスフィルム積層体を繰り出した。その後、繰り出されたガラスフィルム積層体の薄板ガラス12の露出領域17に、カラーフィルタ用の画素を形成するインキを塗工した。この際、薄板ガラス12に割れが発生したことを確認した。
(比較例2)
側部粘着層16付きのPIフィルム15の代わりに、側部粘着層16が無いPPフィルム15(東洋紡製、P2161、幅20mm、厚さ30μm、長さ10m)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてガラスフィルム積層体を得た。
薄板ガラス12にPETフィルム11およびPPフィルム15が貼り付けられて、ガラスフィルム積層体を形成し、このガラスフィルム積層体を巻き取ってガラスフィルム積層体ロールを形成した。そして、当該ガラスフィルム積層体ロールを塗工装置の巻出部にセットし、ガラスフィルム積層体を繰り出した。その後、繰り出されたガラスフィルム積層体の薄板ガラス12の露出領域17に、カラーフィルタ用の画素を形成するインキを塗工した。この際、PPフィルム15が薄板ガラス12から剥がれて、インキの塗工ムラが発生したことを確認した。
以上の説明においては、本発明によるガラスフィルム積層体を、カラーフィルタに適用した例を示している。しかしながらこのことに限られることはなく、カラーフィルタの対向基板であるTFT基板若しくは電極基板、有機EL用表示素子基板、または太陽電池等の基板に、本発明によるガラスフィルム積層体を適用することも可能である。さらには、既存のガラス製品の全て、例えば、建築、家具装飾、電子デバイス、半導体デバイス、車体部材などに用いられるガラス製品にも本発明を適用することができる。
1 カラーフィルタ
10 ガラスフィルム積層体
11 支持基材
12 ガラスフィルム
12a 側端部
13 支持粘着層
14 側部領域
15 側部フィルム
16 側部粘着層

Claims (4)

  1. 支持基材と、
    前記支持基材に積層されたガラスフィルムと、を備え、
    前記ガラスフィルムは、前記支持基材の幅より小さい幅を有し、
    前記ガラスフィルムの両側から前記支持基材がはみ出して、前記ガラスフィルムの両側に、前記支持基材の側部領域が形成され、
    前記ガラスフィルムの両側の側端部および前記支持基材の前記側部領域に、当該側端部および当該側部領域を覆う側部フィルムが付着し
    前記側部フィルムは、側部粘着層を介して、前記ガラスフィルムの前記側端部および前記支持基材の前記側部領域に剥離可能に貼り付けられていることを特徴とするガラスフィルム積層体。
  2. 前記支持基材は、支持粘着層を介して、前記ガラスフィルムに剥離可能に貼り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のガラスフィルム積層体。
  3. 前記支持粘着層は、前記支持基材の幅に対応する幅を有していることを特徴とする請求項2に記載のガラスフィルム積層体。
  4. 前記支持粘着層は、前記ガラスフィルムの幅に対応する幅を有していることを特徴とする請求項2に記載のガラスフィルム積層体。
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