JP2014007942A - 双方向電力伝送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トランスの第1コイルおよび第2コイルの一方から他方と、他方から一方への双方向の電力の伝送を行なうべく、第2コイル側に昇降圧チョッパ回路を備える場合には、回路規模が大きくなったり、スイッチング制御対象が増大したりすること。
【解決手段】トランスTの第1コイルw1には、第1フルブリッジ回路FB1を介して第1コンデンサCiが接続されており、第2コイルw2には、第2フルブリッジ回路FB2を介して第2コンデンサCoが接続されている。トランスTの漏れインダクタによって、第1フルブリッジ回路FB1と第2フルブリッジ回路FB2との間にインダクタ12が設けられたのと等価となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】トランスTの第1コイルw1には、第1フルブリッジ回路FB1を介して第1コンデンサCiが接続されており、第2コイルw2には、第2フルブリッジ回路FB2を介して第2コンデンサCoが接続されている。トランスTの漏れインダクタによって、第1フルブリッジ回路FB1と第2フルブリッジ回路FB2との間にインダクタ12が設けられたのと等価となっている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、トランスのコイルの一方から他方、および他方から一方の双方向に電力を伝送する双方向電力伝送装置に関する。
この種の電力伝送装置としては、たとえば下記特許文献1に記載されているように、トランスの一対のコイルのそれぞれにフルブリッジ回路が接続され、車載バッテリと系統電源との間の電力の授受を仲介するものも提案されている。詳しくは、これらフルブリッジ回路は、いずれも直流電圧を交流電圧に変換してトランスに印加するためのものであり、車載バッテリとフルブリッジ回路との間には昇降圧チョッパ回路が接続されている。これにより、系統電源側から車載バッテリ側への電力の入力と、車載バッテリ側から系統電源側への電力の出力との双方を行なうことができるとしている。
ただし、上記装置の場合、系統電源側の電圧と車載バッテリ側の電圧との相対的な大小関係にかかわらず双方向の電力の授受を可能とする観点から昇降圧チョッパ回路を備えることとしており、回路規模が大きくなったり、電子操作対象とするスイッチング素子が多くなったりするという問題がある。
本発明は、上記課題を解決する過程でなされたものであり、その目的は、トランスのコイルの一方から他方、および他方から一方の双方向に電力を伝送する新たな双方向電力伝送装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、およびその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、第1コイル(w1)と、前記第1コイルに接続される第1ブリッジ回路(FB1)と、前記第1コイルと磁気結合した第2コイル(w2)と、前記第2コイルに接続される第2ブリッジ回路(FB2)と、を備え、前記第1ブリッジ回路は、前記第1コイルの一方の端子および他方の端子のそれぞれを、そのレッグによって、前記第1ブリッジ回路の正極側端子(Tip1)および負極側端子(Tin1)のそれぞれに接続して且つ、電子操作可能な回路であり、前記第2ブリッジ回路は、そのレッグによって、前記第2コイルの一方の端子および他方の端子のそれぞれを、前記第2ブリッジ回路の正極側端子(Tip2)および負極側端子(Tin2)のそれぞれに接続して且つ、電子操作可能な回路であり、前記第1ブリッジ回路および前記第2ブリッジ回路の少なくとも一方を電子操作することで、前記第1コイル側から前記第2コイル側への電力の伝送と、前記第2コイル側から前記第1コイル側への電力の伝送とが可能であり、前記第1ブリッジ回路および前記第2ブリッジ回路間の電気経路には、該電気経路に電流が流れている状態で該電流を流すための電圧の印加を停止した場合に、該停止前の電流を継続して流すことが可能なインダクタンス設定(12)がなされていることを特徴とする。
上記発明では、第1ブリッジ回路および第2ブリッジ回路間の電気経路のインダクタンス設定のために、この電気経路にエネルギを蓄えることができる。このため、第1コイルおよび第2コイルの一方から他方、および他方から一方のいずれの電力の伝送に際しても、この電気経路を電流の平滑手段として利用することができる。また、電気経路にエネルギを蓄えることで、昇圧処理を行うこともできる。さらに、第1フルブリッジ回路や第2フルブリッジ回路に接続されるコイルに電圧を印加しない状況下においても、それら回路に電流を流すことが可能となり、ひいてはフェーズシフト処理を行なうことが容易となる。
なお、本発明にかかる以下の代表的な実施形態に関する概念の拡張については、代表的な実施形態の後の「その他の実施形態」の欄に記載してある。
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる電力伝送装置を車載電力伝送装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明にかかる電力伝送装置を車載電力伝送装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示されるコンバータCNVは、車載電力伝送装置に搭載されるものである。コンバータCNVは、車両の外部の商用電源からの電力を所定の直流電圧とする装置(図示略)の出力部となる第1コンデンサCiについて、その電力を第2コンデンサCoに供給する機能を有する。また、コンバータCNVは、第2コンデンサCoの電力を第1コンデンサCiに伝送する機能をも有する。詳しくは、コンバータCNVは、絶縁型コンバータであり、トランスTを備えて構成されている。
トランスTの第1コイルw1には、第1フルブリッジ回路FB1が接続されている。第1フルブリッジ回路FB1は、第1コンデンサCiの両電極間に並列接続(短絡接続)されたスイッチング素子S1およびスイッチング素子S2の直列接続体(レッグ)と、スイッチング素子S3およびスイッチング素子S4の直列接続体(レッグ)とを備えている。そして、上記スイッチング素子S1およびスイッチング素子S2の接続点と、スイッチング素子S3およびスイッチング素子S4の接続点との間に、トランスTの第1コイルw1が接続されている。ここで、第1フルブリッジ回路FB1の正極側端子Tip1は、スイッチング素子S1,S3の接続点であり、負極側端子Tin1は、スイッチング素子S2,S4の接続点である。
なお、本実施形態では、スイッチング素子S1〜S4として、NチャネルMOS電界効果トランジスタを例示している。また、図中、ダイオードD1〜D4のそれぞれは、スイッチング素子S1〜S4のそれぞれのボディダイオードである。
トランスTの第2コイルw2には、第2フルブリッジ回路FB2が接続されている。第2フルブリッジ回路FB2は、第2コンデンサCoの両電極間に並列接続(短絡接続)されたスイッチング素子Saおよびスイッチング素子Sbの直列接続体(レッグ)と、スイッチング素子Scおよびスイッチング素子Sdの直列接続体(レッグ)とを備えている。そして、上記スイッチング素子Saおよびスイッチング素子Sbの接続点と、スイッチング素子Scおよびスイッチング素子Sdの接続点との間に、トランスTの第2コイルw2が接続されている。ここで、第2フルブリッジ回路FB2の正極側端子Tip2は、スイッチング素子Sa,Scの接続点であり、負極側端子Tin2は、スイッチング素子Sb,Sdの接続点である。
なお、本実施形態では、スイッチング素子Sa〜Sdとして、NチャネルMOS電界効果トランジスタを例示している。また、図中、ダイオードDa〜Ddのそれぞれは、スイッチング素子Sa〜Sdのそれぞれのボディダイオードである。
上記第2コンデンサCoには、負荷14が並列接続されている。この負荷14には、車載主機としての回転機のエネルギ貯蔵手段(バッテリ)が含まれる。なお、本実施形態では、負荷14側の電圧(端子電圧)の方が、第1コンデンサCi側の電圧Viよりも低いことを想定している。特に本実施形態では、第1コイルw1および第2コイルw2のターン数N1,N2を用いた場合、「Vi/N1>Vo/N2」の関係が成立することを想定している。
図中、第2コイルw2と第2フルブリッジ回路FB2との間には、インダクタl2が記載されている。これは、図2に示すように、トランスTの磁心11と第1コイルw1および第2コイルw2との間の間隙を大きくすることで生成される漏れインダクタの等価回路表現である。なお、等価回路表現としては、第1コイルw1と第1フルブリッジ回路FB1との間にインダクタ12を記載してもよい。
制御装置20は、電圧センサ16によって検出された第2コンデンサCoの電圧Voと、電流センサ18によって検出されたコンバータCNVの出力電流Ioと、に基づいて、スイッチング素子S1〜S4のそれぞれや、スイッチング素子Sa〜Sdのそれぞれに、操作信号ms1〜ms4や操作信号msa〜msdのそれぞれを出力することで、第1コイルw1および第2コイルw2の一方から他方、および他方から一方への電力の伝送処理を行なう。以下では、「外部の商用電源から車載バッテリ側への充電処理」について説明した後、「車載バッテリ側から外部の商用電源への電力の出力処理」について説明する。
「外部の商用電源から車載バッテリ側への充電処理」
これは、第1コイルw1側から第2コイルw2側への電力の伝送処理である。詳しくは、図3に示すように、操作信号m1,m4と操作信号m2,m3とのそれぞれを互いに同一の信号として且つ、操作信号m1,m4と操作信号m2,m3とで、オン操作指令期間の位相をπだけずらす設定がなされている。図3に示す操作信号ms1〜ms4によるスイッチング素子S1〜S4の操作によれば、第1フルブリッジ回路FB1を、直流電圧(第1コンデンサCiの電圧)を交流電圧に変換する直流交流変換手段とすることができる。この際、第2フルブリッジ回路FB2については、そのダイオードDa〜Dbが全波整流回路として機能する。
これは、第1コイルw1側から第2コイルw2側への電力の伝送処理である。詳しくは、図3に示すように、操作信号m1,m4と操作信号m2,m3とのそれぞれを互いに同一の信号として且つ、操作信号m1,m4と操作信号m2,m3とで、オン操作指令期間の位相をπだけずらす設定がなされている。図3に示す操作信号ms1〜ms4によるスイッチング素子S1〜S4の操作によれば、第1フルブリッジ回路FB1を、直流電圧(第1コンデンサCiの電圧)を交流電圧に変換する直流交流変換手段とすることができる。この際、第2フルブリッジ回路FB2については、そのダイオードDa〜Dbが全波整流回路として機能する。
以下、図4を用いて、第1コイルw1側から第2コイルw2側への電力の伝送処理について定性的な説明を与える。
図4(a)は、スイッチング素子S1〜S4の全てがオフの状態から、スイッチング素子S1およびスイッチング素子S4をオン状態に切り替えた場合を示している。図示されるように、この場合、第1コイルw1の印加電圧Vw1は、絶対値が第1コンデンサCiの電圧Viであって且つ負となる。そして、第1コンデンサCi、スイッチング素子S1、第1コイルw1、およびスイッチング素子S4を備える閉ループ経路に電流が流れる。一方、第2コイルw2の印加電圧Vw2は、第1コイルw1のターン数N1と第2コイルw2のターン数N2との比(巻数比n)に応じた大きさの電圧「−n・Vi」となる。これにより、第2コイルw2、ダイオードDc、第2コンデンサCo、およびダイオードDbを備える経路に電流が流れる。
図4(b)は、スイッチング素子S1,S4をオフ状態に切り替えた場合を示している。この場合、インダクタ12に蓄えられたエネルギを放出すべく、インダクタ12、第2コイルw2、ダイオードDc、第2コンデンサCoおよびダイオードDbを備える閉ループ経路に電流が流れる。第2コイルw2に電流が流れるために、第1コイルw1にも、第1コイルw1,ダイオードD3、第1コンデンサCi、およびダイオードD2を備える閉ループ経路に電流が流れる。上記経路に電流が流れることで、第1コイルw1の印加電圧Vw1は、先の図4(a)とは逆極性の「Vi」となる。そしてこれにより、第2コイルw2の印加電圧Vw2は、先の図4(a)とは逆極性の「n・Vi」となる。このため、インダクタ12に印加される電圧VLは、「−n・Vi−Vo」となり、これをインダクタ12のインダクタンスで除算した値の絶対値に応じて、インダクタ12に流れる電流が漸減する。
図4(c)は、第1コイルw1、第2コイルw2およびインダクタ12に流れる電流が漸減してゼロとなった状態を示す。
なお、図4(c)の状態の後、図4にスイッチング素子S1,S4について例示した要領で、スイッチング素子S2,S3のオン・オフ操作を行なう。
このように、本実施形態では、第2フルブリッジ回路FB2のダイオードDb,Dc(Da,Dd)に順方向電流が流れている期間においてこれに逆バイアスが印加されないため、リカバリ電流が流れる事態を回避することができる。これにより、スイッチング素子S1〜S4のスイッチング状態の切り替えに際してサージ電圧を好適に低減することができる。これは、次の2つの設定により可能となったものである。第1の設定は、第1フルブリッジ回路FB1および第2フルブリッジ回路FB2間にインダクタ12を設けて且つ、インダクタ12を流れる電流を漸増させる電圧の印加が停止される場合に、漸減させる電圧を印加する閉ループ経路(図4(b))が構成されるものである。第2の設定は、第2フルブリッジ回路FB2の正極側端子Tip2および負極側端子Tin2と第2コンデンサCoとを接続する電気経路に分岐路がないというものである。
すなわち、この場合、ダイオードDb,Dc(Da,Dd)を流れる順方向電流が漸減してゼロとなるまで、ダイオードDa,Dd(Db,Dc)がオン状態となることはない。このため、リカバリ電流が流れる事態を回避することができ、ひいては、スイッチング素子S1,S4(S2,S3)をオン状態に切り替える際にサージ電圧が生じることを回避することができる。
また、インダクタ12を備えることで、スイッチング素子S1,S4(S2,S3)をオン状態に切り替えた際に、それらを流れる電流の増加速度を制限することができるため、オン状態への切り替えに際してのスイッチング損失を低減することもできる。
先の図1に示すように、本実施形態では、スイッチング素子S1,S4(S2,S3)のオン・オフの周期Tに対するオン時間の時比率Dを、コンバータCNVの出力電圧(電圧Vo)の第1の操作量とする。ここで、時比率Dは、第1コンデンサCiの充電電圧(電圧Vi)と、第2コンデンサCoの電圧Voとに加えて、コンバータCNVの出力電流Ioに応じて可変設定される。詳しくは、電圧Viおよび電圧Voが同一であったとしても、電流Ioが大きいほど時比率Dを大きい値に設定する。このように電圧Viおよび電圧Voが同一である場合に時比率Dが出力電流Ioに依存することは、本実施形態にかかるコンバータCNVの特徴の1つである。さらに、本実施形態では、スイッチング周波数fを、電圧Voの第2の操作量とする。
「車載バッテリ側から外部の商用電源への電力の出力処理」
これは、第2コイルw2側から第1コイルw1側への電力の伝送処理である。ここでは、図5に示すように、操作信号msa,msdと操作信号msb,mscとのそれぞれを互いに同一の信号として且つ、操作信号msa,msdと操作信号msb,mscとで、オン操作指令期間の位相をπだけずらす設定がなされている。これにより、第2フルブリッジ回路FB2を、直流電圧(第2コンデンサCoの電圧)を交流電圧に変換する直流交流変換手段とすることができる。
これは、第2コイルw2側から第1コイルw1側への電力の伝送処理である。ここでは、図5に示すように、操作信号msa,msdと操作信号msb,mscとのそれぞれを互いに同一の信号として且つ、操作信号msa,msdと操作信号msb,mscとで、オン操作指令期間の位相をπだけずらす設定がなされている。これにより、第2フルブリッジ回路FB2を、直流電圧(第2コンデンサCoの電圧)を交流電圧に変換する直流交流変換手段とすることができる。
また、操作信号msa,msdのオン操作指令への切り替えに同期して操作信号ms4をオン操作指令に切り替え、操作信号msb,mscのオン操作指令への切り替えに同期して操作信号ms2をオン操作指令に切り替える。これは、インダクタ12に電気エネルギを蓄えるための処理である。
以下、図6を用いて、第2コイルw2側から第1コイルw1側への電力の伝送処理について定性的な説明を与える。
図6(a)には、スイッチング素子Sa,Sd,S4をオン状態に切り替えた状態を示している。この場合、第2コイルw2側では、第2コンデンサCo、スイッチング素子Sa,インダクタ12、第2コイルw2、およびスイッチング素子Sdを備えるループ経路に電流が流れる。
一方、第1コイルw1側では、スイッチング素子S4,ダイオードD2および第1コイルw1を備えるループ経路に電流が流れる。このループ経路は、フルブリッジ回路FB1の正極側端子Tip1および負極側端子Tin1のうち負極側端子Tin側の経路のみを介して第1コイルw1の両端を接続する経路である。この経路は、第1コンデンサCiを迂回して第1コイルw1の両端を低電圧で接続する迂回経路である。
ここで、第1コイルw1の電圧Vw1は、ゼロである(厳密には、ダイオードD2やスイッチング素子S4の電圧降下量程度である)。このため、第2コイルw2の電圧Vw2についてもゼロとみなせる。したがって、インダクタ12に印加される電圧VLsを、第2コンデンサCoの電圧Voとみなすことができ、インダクタ12に流れる電流は、電圧VLsに比例して漸増する。これにより、インダクタ12に蓄えられる磁気エネルギも漸増する。
図6(b)は、スイッチング素子S4をオフ状態に切り替えた状態を示している。この場合、インダクタ12に蓄えられた磁気エネルギがゼロとなるまでは、インダクタ12に電流が流れ、ひいては第2コイルw2にも電流が流れる。第2コイルw2に電流が流れると、第2コイルw2と磁気結合している第1コイルw1にもアンペールの法則に従って電流が流れる。この電流は、第1コイルw1、ダイオードD3、第1コンデンサCi、ダイオードD2を備えるループ経路を流れる。この処理は、第2コンデンサCoの電気エネルギが、第2コンデンサCoよりも充電電圧の高い第1コンデンサCiに充電される処理であり、昇圧処理となる。なお、この際、第2コイルw2の電圧Vw2が「n・Vi」となるため、インダクタ12の電圧VLsは、「Vo−n・Vi<0」となり、インダクタ12を流れる電流は漸減する。
図6(c)は、インダクタ12を流れる電流がゼロとなった状態である。図6(c)の状態となると、図6(a)に示した処理の要領で、スイッチング素子Sb,Sc,S2をオン状態に切り替える。
このように、インダクタ12を流れる電流がゼロとなった後にスイッチング素子Sb,Sc,S2(Sa,Sd,S4)をオン状態に切り替えるため、スイッチング状態の切り替えに伴う損失を低減することができる。
図7に、第2コイルw2側から第1コイルw1側への電力の伝送処理に伴う各種状態量の推移を示す。
以下、本実施形態にかかる効果のいくつかを記載する。
(1)第1フルブリッジ回路FB1と第2フルブリッジ回路FB2との間にインダクタ12を備えた。これにより、電力伝送に際して、インダクタ12を平滑コイルとして利用することができる。また、第2コイルw2側から第1コイルw1側への電力の伝送に際して、インダクタ12に磁気エネルギを一旦蓄えることで、昇圧処理を行なうこともできる。
(2)第1フルブリッジ回路FB1を、インダクタ12を流れる電流が漸増する状態(図6(a))において、漸増させるための電圧の印加を停止した場合(図6(b))に、インダクタ12の電流を漸減させる電圧をインダクタ12に印加するための経路(D3,Ci,D2)が閉ループとなるように構成した。これにより、昇圧処理(図6)を行なうことができる。
(3)第1フルブリッジ回路FB1と第2フルブリッジ回路FB2との間の電気経路のインダクタンス設定を、トランスTの漏れインダクタによって構成した。これにより、インダクタンス設定に伴う回路規模の増大を好適に抑制することができる。
(4)第1フルブリッジ回路FB1の正極側端子Tip1および負極側端子Tin1間に第1コンデンサCiを短絡接続するとともに、第2フルブリッジ回路FB2の正極側端子Tip2および負極側端子Tin2間に第2コンデンサCoを短絡接続した。これにより、電力伝送装置の回路構成を簡素化することができる。また、第2フルブリッジ回路FB2と第2コンデンサCoとの間のインダクタンスを極力小さくすることができるため(理想的にはゼロ)、第1コンデンサCoの電圧Voや第2コンデンサCiの電圧Viの値にかかわらず、先の図4(b)の状態において、第2フルブリッジ回路FB2の正極側端子Tip2の電位が負極側端子Tin2の電位より低くなることがない。このため、ダイオードDb,Dc(Da,Dd)に順方向電流が流れている期間において、これに逆バイアスが印加されることを簡易な設定にて回避することができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図8に、本実施形態のシステム構成を示す。なお、図8において、先の図1に示した部材に対応するものについては、便宜上同一の符号を付している。
本実施形態では、第2フルブリッジ回路FB2と第2コンデンサCoとの間に、スナバ回路を設けている点が相違する。スナバ回路は、以下の構成となっている。
すなわち、第2フルブリッジ回路FB2の正極側端子Tip2と第2コンデンサCoとは、平滑コイル30を介して接続されている。また、第2フルブリッジ回路FB2の正極側端子Tip2および負極側端子Tin2間には、スナバコンデンサCsおよび第1スナバダイオードDs1の直列接続体が接続されている。そして、平滑コイル30に並列に、スナバコンデンサCsおよび第2スナバダイオードDs2が接続されている。
以下では、「外部の商用電源から車載バッテリ側への充電処理」について説明した後、「車載バッテリ側から外部の商用電源への電力の出力処理」について説明する。
「外部の商用電源から車載バッテリ側への充電処理」
本実施形態では、図9に示すように、スイッチング素子Q1(Q2)とスイッチング素子Q4(Q3)とでオン状態への切り替えタイミングとオフ状態への切り替えタイミングとを互いにずらすことでフェーズシフト処理を行う。
本実施形態では、図9に示すように、スイッチング素子Q1(Q2)とスイッチング素子Q4(Q3)とでオン状態への切り替えタイミングとオフ状態への切り替えタイミングとを互いにずらすことでフェーズシフト処理を行う。
以下、図10を用いて、第1コイルw1側から第2コイルw2側への電力の伝送処理について定性的な説明を与える。
図10(a)は、スイッチング素子S1,S4の双方がオンとなる状態を示している。この場合、第1コイルw1側では、第1コンデンサCi,スイッチング素子S1、第1コイルw1、およびスイッチング素子S4を備えるループ経路に電流が流れる。一方、第2コイルw2側では、第2コイルw2、インダクタ12、ダイオードDa、平滑コイル30、第2コンデンサCo,およびダイオードDdを備える経路に電流が流れるとともに、平滑コイル30を迂回してスナバコンデンサCsおよび第2スナバダイオードDs2にも電流が流れる。ここで、インダクタ12や、平滑コイル30を流れる電流は漸増する。
この際、平滑コイル30の両端の電圧は、スナバコンデンサCsの充電電圧でクランプされる。このため、スナバコンデンサCsが存在しない場合と比較して、平滑コイル30に印加される電圧の絶対値が小さくなる。
図10(b)は、スイッチング素子S1がオフ状態に切り替えられた状態を示す。この状態では、インダクタ12に蓄えられた磁気エネルギのために、第1コイルw1側では、第1コイルw1、スイッチング素子S4、およびダイオードD2を備えるループ経路に電流が流れる。一方、第2コイルw2側では、インダクタ12、ダイオードDa、平滑コイル30、第2コンデンサCo、およびダイオードDdを備える経路に電流が流れる。この際、インダクタ12の電圧VLsと平滑コイル30の電圧VLoとの合計電圧は、第2コンデンサCoの電圧Voとなる。ここで、平滑コイル30の電圧VLoが正となるため、スナバコンデンサCsには、第2コンデンサCoの電圧Voに対して平滑コイル30の電圧VLoだけ低下した電圧が印加されることとなる。本実施形態では、インダクタ12のインダクタンスLsと平滑コイル30のインダクタンスLoとを用いて、スナバコンデンサCsの電圧Vsが、「Ls・Vo/(Lo+Ls)」よりも大きくなるように設定されている。この場合、平滑コイル30の電圧VLoは、第2コンデンサCoの電圧VoとスナバコンデンサCsの電圧Vcsとの差圧にクランプされ、スナバコンデンサCsの放電が開始される。
こうした設定によれば、インダクタ12の電圧VLsが大きくなることから、インダクタ12を流れる電流の減少速度が増大する。これにより、図10(c)に示すように、インダクタ12を流れる電流がゼロとなった時点において、平滑コイル30の電流がスナバコンデンサCsの放電電流に等しくなる。
こうした状態が実現した後には、図10(a)に示した要領で、スイッチング素子S2,S3をオン状態に切り替える。
このように、本実施形態では、スイッチング素子S1,S4(S2,S3)のオン操作に先立って、第2フルブリッジ回路FB2の出力電流を漸減させてゼロとすることができるため、ダイオードDa〜Ddのリカバリ電流に伴うサージ電圧を好適に回避することができる。
なお、図10(c)においては、スイッチング素子S2をオンとした状態が示されているが、スイッチング素子S2のオン状態への切り替えに際して第1コイルw1に電流が流れていたとしても、この切り替えはゼロボルトスイッチングとなる。これは、ダイオードD2に電流が流れている状態でスイッチング状態を切り替えるからである。このフェーズシフト処理は、インダクタ12に蓄えられた磁気エネルギの放電期間において第1コイルw1に電流が流れることを利用して実行されるものである。
「車載バッテリ側から外部の商用電源への電力の出力処理」
本実施形態では、図11に示すように、操作信号msa,msdと操作信号msb,mscとのそれぞれを互いに同一の信号として且つ、操作信号msa,msdと操作信号msb,mscとで、オン操作指令期間の位相をπだけずらす設定がなされている。これにより、第2フルブリッジ回路FB2を、直流電圧(第2コンデンサCoの電圧)を交流電圧に変換する直流交流変換手段とすることができる。
本実施形態では、図11に示すように、操作信号msa,msdと操作信号msb,mscとのそれぞれを互いに同一の信号として且つ、操作信号msa,msdと操作信号msb,mscとで、オン操作指令期間の位相をπだけずらす設定がなされている。これにより、第2フルブリッジ回路FB2を、直流電圧(第2コンデンサCoの電圧)を交流電圧に変換する直流交流変換手段とすることができる。
また、操作信号msa,msdのオン操作指令への切り替えに同期して操作信号ms4をオン操作指令に切り替え、操作信号msb,mscのオン操作指令への切り替えに同期して操作信号ms2をオン操作指令に切り替える。これは、インダクタ12に電気エネルギを蓄えるための処理である。
以下、図12を用いて、第2コイルw2側から第1コイルw1側への電力の伝送処理について定性的な説明を与える。
図12(a)は、第2フルブリッジ回路FB2のスイッチング素子Sb,Scと第1フルブリッジ回路FB1のスイッチング素子S2とが、オン状態に切り替えられた状態を示している。この状態への移行は、インダクタ12の磁気エネルギがゼロとなる以前に行なわれるため、この状態への移行直後においては、インダクタ12にそれ以前に流れていた電流が流れる。そしてこれにより、第1コイルw1側では、第1コイルw1、ダイオードD1、第1コンデンサCi,およびダイオードD4を備えるループ経路に電流が流れる。一方、第2コイルw2側では、第2コイルw2、ダイオードDc、スナバコンデンサCs,第2スナバダイオードDs2、第2コンデンサCo、ダイオードDbおよびインダクタ12を備えるループ経路に電流が流れる。この際、平滑コイル30を流れる電流は、スナバコンデンサCsの充電電圧と平滑コイル30のインダクタンスLoとの比に応じて漸減する。また、インダクタ12を流れる電流は、第2コイルw2の電圧からスナバコンデンサCsの電圧と第2コンデンサCoの電圧との和を減算した値に比例して漸減する。
図12(b)は、インダクタ12を流れる電流がゼロとなった後、逆方向に電流が流れ始めた状態を示す。この状態では、第1コイルw1側において、第1コイルw1、スイッチング素子S2、ダイオードD4を備えるループ経路に電流が流れる。すなわち、第1フルブリッジ回路FB1の正極側端子Tip1と負極側端子Tin1とのうち、負極側端子Tin1に接続される側のみに接続される電気経路によって、第1コンデンサCiを迂回する迂回経路が形成される。
この場合、第1コイルw1および第2コイルw2に印加される電圧をゼロとみなすことができる。このため、第2コンデンサCo、平滑コイル30、スイッチング素子Sc、第2コイルw2、インダクタ12、およびスイッチング素子Sbを備えるループ経路を流れる電流が漸増する。ここで、図12(b)に示す状態では、スナバコンデンサCsが充電されている。これは、インダクタ12を流れる電流が平滑コイル30を流れる電流まで増加する間の期間において、平滑コイル30の電流の一部がスナバコンデンサCsに流入するために生じる。
図12(c)は、スナバコンデンサCsの充電電流がゼロとなった状態を示す。その後、スナバコンデンサCsの電圧Vsが、第2コンデンサCoの電圧Voから「Lo・Vo/(Lo+Ls)」を引いた値よりも大きいために、スナバコンデンサCsが放電を開始する。そしてこれに伴い、平滑コイル30の電圧VLoの絶対値は、第2コンデンサCoの電圧Voを「Lo:Ls」に分圧したものよりも小さくなる。
図13(a)は、スイッチング素子S2をオフとした状態を示す。この場合、第1コイルw1側では、第1コイルw1、ダイオードD1、第1コンデンサCi,ダイオードD4を備えるループ経路に電流が流れる。これは、インダクタ12に蓄えられた磁気エネルギが放出されることで生じる現象である。これにより、第2コイルw2の電圧Vw2は、「−n・Vi」となり、これが、第2コンデンサCoの電圧Voよりも高いために、インダクタ12を流れる電流は漸減する。
ただし、スイッチング素子S2をオフ操作する直前において、スナバコンデンサCsに放電電流が流れていたため、オフ操作した時点においては、インダクタ12を流れる電流と平滑コイル30を流れる電流とが一致しない。このため、インダクタ12を流れる電流が減少してその絶対値が平滑コイル30を流れる電流の絶対値に一致するまでは、スナバコンデンサCsが放電を継続する。そして、この場合、平滑コイル30に印加される電圧VLoは、平滑コイル30に流れる電流を漸増させるものとなる。
その後、インダクタ12を流れる電流と平滑コイル30を流れる電流とが一致することで、図13(b)に示すように、スナバコンデンサCsの放電が終了する。
図13(c)は、スイッチング素子Sb、Scをオフ操作して且つ、スイッチング素子Sa,Sd,S4をオン操作した状態であり、先の図12(a)に示した状態に対応する。
図14に、上記処理における各種電気的な状態量の推移を示す。なお、図中、「Sc−Sd間電圧」は、スイッチング素子Sc,Sdの直列接続体の両端電圧である。
以下、上記実施形態の効果について、先の第1の実施形態の効果(1)、(3)以外のいくつかを記載する。
(6)スナバコンデンサCsの静電容量等の設定によって、インダクタ12の電流の漸減速度を平滑コイル30のそれよりも十分に上昇させた(図10)。これにより、平滑コイル30を流れる電流を連続モードとしつつも、第2コイルw2に印加される電圧の極性反転に先立って第2フルブリッジ回路FB2の出力電流をゼロとすることができ、ひいてはリカバリ電流に起因したサージを好適に回避することができる。
(7)インダクタ12を利用することで、フェーズシフト処理を行った。これにより、フェーズシフト処理を行なうに際して、別途インダクタを備える必要が生じない。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、第2コイルW2に第2コンデンサCoの電圧Voを印加することで第1コイルW1に誘起される電圧Vw1が、第1コンデンサCiの電圧Viよりも大きくなるように設定する。
図15に、この場合の車載バッテリ側から外部の商用電源への電力の出力処理のスイッチング操作等を示す。図示されるように、この場合、第1フルブリッジ回路FB1を構成するスイッチング素子S1〜S4のオン操作を停止する。なお、この処理において、インダクタ12は、第1コイルw1、第1フルブリッジ回路FB1および第1コンデンサCiを備えるループ経路を流れる電流を平滑化する機能を有する。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図16に、本実施形態のシステム構成を示す。なお、図16において、先の図1に示した部材に対応するものについては、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、第1フルブリッジ回路FB1および第2フルブリッジ回路FB2に代えて、第1ハーフブリッジ回路HB1および第2ハーフブリッジ回路HB2を備える。これら第1ハーフブリッジ回路HB1および第2ハーフブリッジ回路HB2は、いずれも一対のスイッチング素子の直列接続体と、一対のコンデンサの直列接続体との並列接続体である。
すなわち、第1ハーフブリッジ回路HB1は、スイッチング素子S1、S2の直列接続体と、コンデンサC1,C2の直列接続体との並列接続体である。また、第2ハーフブリッジ回路HB2は、スイッチング素子Sa,Sbの直列接続体と、コンデンサCa,Cbの直列接続体との並列接続体である。
図17(a)に、「外部の商用電源から車載バッテリ側への充電処理」におけるスイッチング制御手法を示す。図示されるように、この場合、スイッチング素子S1,S2を、互いにπだけ位相をずらしつつ交互にオン操作する。
図17(b)に、「車載バッテリ側から外部の商用電源への電力の出力処理」におけるスイッチング制御手法を示す。図示されるように、この場合、スイッチング素子Sa,Sbを交互にオン操作して且つ、スイッチング素子Sa(Sb)がオン操作されるのに同期してスイッチング素子S2(S1)をオン操作する。
ここで、スイッチング素子Sa,S2がオン操作されることで、第1コイルw1側では、第1コイルw1、スイッチング素子S2、コンデンサC2を備えるループ経路に電流が流れる。この電気経路は、第1コンデンサCiを迂回する迂回経路である。この迂回経路に電流が流れることで、インダクタ12に磁気エネルギを蓄えることができる。
<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図18に、本実施形態のシステム構成を示す。なお、図18において、先の図1に示した部材に対応するものについては、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、第1フルブリッジ回路FB1および第2フルブリッジ回路FB2に代えて、第1整流ブリッジ回路RB1および第2整流ブリッジ回路RB2を備える。
第1整流ブリッジ回路RB1は、高電位側のスイッチング素子S1および低電位側のダイオードD2の直列接続体と、高電位側のダイオードD3および低電位側のスイッチング素子S4の直列接続体との並列接続体である。第2整流ブリッジ回路RB2は、高電位側のスイッチング素子Scおよび低電位側のダイオードDdの直列接続体と、高電位側のダイオードDaおよび低電位側のスイッチング素子Sbの直列接続体との並列接続体である。
図19(a)に、「外部の商用電源から車載バッテリ側への充電処理」におけるスイッチング制御手法を示す。図示されるように、この場合、スイッチング素子S1,S4の双方がオン状態となる期間と、オフ状態となる期間とを交互に生成する。
図19(b)に、「車載バッテリ側から外部の商用電源への電力の出力処理」におけるスイッチング制御手法を示す。図示されるように、この場合、スイッチング素子Sb,Scの双方をオン状態とする期間と、オフ状態とする期間とを交互に実現して且つ、スイッチング素子Sb,Scがオン操作されるのに同期してスイッチング素子S4をオン操作する。ここで、スイッチング素子S4がオン操作される期間において、インダクタ12に磁気エネルギを蓄えるべく、本実施形態では、この期間に第1コイルw1に誘起される電圧の極性が、第1コイルw1、スイッチング素子S4およびダイオードD2を備えるループ経路においてダイオードD2の順方向に電流を流すことができるものとなるようにする。
<第6の実施形態>
以下、第6の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第6の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図20に、本実施形態のシステム構成を示す。なお、図20において、先の図8に示した部材に対応するものについては、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、第1スナバダイオードDs1に、スイッチング素子Ssを並列接続する。これにより、スイッチング素子Ssをオン操作する場合には、スナバコンデンサCsを平滑コンデンサとすることができる。この場合、スナバコンデンサCsと平滑コイル30とは、LCフィルタを構成するため、「車載バッテリ側から外部の商用電源への電力の出力処理」において、第2コイルw2に印加可能な電圧を大きくすることができる。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「第1ブリッジ回路について」
たとえば、上記第2の実施形態(図8)において、第1フルブリッジ回路FB1に代えて、上記第4の実施形態(図16)に例示したように、第1ハーフブリッジ回路HB1を用いてもよく、またたとえば、上記第5の実施形態(図18)に例示した第1整流ブリッジ回路RB1を用いてもよい。
たとえば、上記第2の実施形態(図8)において、第1フルブリッジ回路FB1に代えて、上記第4の実施形態(図16)に例示したように、第1ハーフブリッジ回路HB1を用いてもよく、またたとえば、上記第5の実施形態(図18)に例示した第1整流ブリッジ回路RB1を用いてもよい。
「第2ブリッジ回路について」
たとえば、上記第2の実施形態(図8)において、第2フルブリッジ回路FB2に代えて、上記第4の実施形態(図16)に例示したように、第2ハーフブリッジ回路HB2を用いてもよく、またたとえば、上記第5の実施形態(図18)に例示した第2整流ブリッジ回路RB2を用いてもよい。
たとえば、上記第2の実施形態(図8)において、第2フルブリッジ回路FB2に代えて、上記第4の実施形態(図16)に例示したように、第2ハーフブリッジ回路HB2を用いてもよく、またたとえば、上記第5の実施形態(図18)に例示した第2整流ブリッジ回路RB2を用いてもよい。
「インダクタンス設定について」
上記各実施形態では、インダクタ12を、トランスTの漏れインダクタとして構成したがこれに限らず、インダクタンス素子を用いてもよい。この際、インダクタンス素子の配置箇所は、第2コイルw2および第2フルブリッジ回路FB2間と、第1フルブリッジ回路FB1および第1コイルw1間との少なくとも一方とすればよい。
上記各実施形態では、インダクタ12を、トランスTの漏れインダクタとして構成したがこれに限らず、インダクタンス素子を用いてもよい。この際、インダクタンス素子の配置箇所は、第2コイルw2および第2フルブリッジ回路FB2間と、第1フルブリッジ回路FB1および第1コイルw1間との少なくとも一方とすればよい。
「スナバコンデンサCsの静電容量の設定について」
先の図10に例示したように、インダクタ12を流れる電流がゼロとなった後にもスナバコンデンサCsの放電電流が平滑コイル30に供給される設定に限らない。こうした設定としなくても、スナバ回路によって、サージを吸収することなどはできる。
先の図10に例示したように、インダクタ12を流れる電流がゼロとなった後にもスナバコンデンサCsの放電電流が平滑コイル30に供給される設定に限らない。こうした設定としなくても、スナバ回路によって、サージを吸収することなどはできる。
「スナバ回路について」
第1スナバ用流通規制要素としては、第1スナバダイオードDs1に限らず、第1スナバダイオードDs1に順方向電流が流れる期間にわたってオン状態に制御されるスイッチング素子であってもよい。
第1スナバ用流通規制要素としては、第1スナバダイオードDs1に限らず、第1スナバダイオードDs1に順方向電流が流れる期間にわたってオン状態に制御されるスイッチング素子であってもよい。
第2スナバ用流通規制要素としては、第2スナバダイオードDs2に限らず、第2スナバダイオードDs2に順方向電流が流れる期間にわたってオン状態に制御されるスイッチング素子であってもよい。
上記第2の実施形態(図8)において、第1スナバダイオードDs1と第2スナバダイオードDs2との間に、インダクタを備えてもよい。
「外部の商用電源と車載バッテリとの間の電力伝送処理について」
上記第1の実施形態(図4)において、インダクタ12を流れる電流がゼロとなる以前にスイッチング素子S2,S3(S1,S4)をオン操作してもよい。ただし、スイッチング素子S2、S3のオン期間と、スイッチング素子S1,S4のオン期間との対称性を保つうえでは、スイッチング素子S2,S3(S1,S4)のオン期間の中央のタイミングよりも以前に、インダクタ12を流れる電流が漸減してゼロとなる(ゼロを通過する)ようにすることが望ましい。
上記第1の実施形態(図4)において、インダクタ12を流れる電流がゼロとなる以前にスイッチング素子S2,S3(S1,S4)をオン操作してもよい。ただし、スイッチング素子S2、S3のオン期間と、スイッチング素子S1,S4のオン期間との対称性を保つうえでは、スイッチング素子S2,S3(S1,S4)のオン期間の中央のタイミングよりも以前に、インダクタ12を流れる電流が漸減してゼロとなる(ゼロを通過する)ようにすることが望ましい。
上記第1の実施形態において、フェーズシフト処理を行ってもよい。これは、インダクタ12を利用することで実現できる。
図1に示されている第1の実施形態の回路構成において、ダイオード整流を行う場合、制御装置20の回路構成が複雑になる。一方、同期整流を行った場合には、第1フルブリッジ回路FB1および第2フルブリッジ回路FB2のうちの2次側(電力の伝送を受ける側)にて、電流の逆流が生じたり、出力の低下が生じたりする懸念がある。
この点、図1に示されている第1の実施形態の回路構成を用いて同期整流を行う場合、電流不連続モードにおいては、以下の対策が可能である。すなわち、第1フルブリッジ回路FB1および第2フルブリッジ回路FB2のうちの、1次側(電力の伝送元となる側)における時比率D1と2次側における時比率D2とが、所定の関係に設定される。この場合、第1フルブリッジ回路FB1側の時比率をDB1とし、第2フルブリッジ回路FB2側の時比率をDB2とすると、DB2=k・DB1となるように、DB1およびDB2が設定される(DB1およびDB2のうちの一方がD1となり他方がD2となる)。これにより、電流不連続モードにおける上述の逆流の発生が、良好に抑制される。なお、係数kの値は、入出力電圧等によって決まるものであり、降圧モード(図1の構成における典型例としては外部の商用電源から車載バッテリ側への充電処理すなわち第1コイルw1側から第2コイルw2側への電力の伝送処理)及び昇圧モード(図1の構成における典型例としては車載バッテリ側から外部の商用電源への電力の出力処理すなわち第2コイルw2側から第1コイルw1側への電力の伝送処理)におけるそれぞれの理論式から求められる(詳細については後述する)。
また、電流連続モードにおいては、以下の対策が可能である。すなわち、第2フルブリッジ回路FB2における、1つのスイッチング素子のレッグのSa,Sbと、もう1つのレッグSc,Sdとの間で、作動タイミングが互いにシフトされる。これにより、電流連続モードにおける上述の逆流や出力の低下が良好に抑制される(詳細については後述する)。
以下、図面を用いて、これらの態様について詳述する。なお、上記第1の実施形態の回路構成においては、第2フルブリッジ回路FB2の正極側端子Tip2と第2コンデンサCoとの間には、インダクタ12以外には、平滑コイルが設けられていない。よって、ここにいう「電流連続モード」とは、インダクタ12を流れる電流が、一定周期ごとに交互に向きを変えながら連続的に流れる(但し一瞬ゼロ近辺になることはあり得る)モードをいうものとする。
図21(a)は、図1に示されている第1の実施形態の回路構成により、ダイオード整流を用いて降圧モードを行った場合の、1次側の時比率D1(すなわち第1フルブリッジ回路FB1側の時比率DB1)の変化に伴う、インダクタ12を流れる電流iLs、およびコンバータCNVの出力電流Ioの変化の様子を示すタイムチャートである(2次側すなわち第2フルブリッジ回路FB2側の時比率D2=DB2は100%である)。一方、図21(b)は、同期整流の場合のタイムチャートである。なお、これらのタイムチャートにおいて、横軸は時間経過を示すものとする(他のタイムチャートも同様である)。
図21(a)および図21(b)に示されているように、時比率D1(DB1)が所定値(例えば50%)よりも小さいと電流不連続モード(DCM:図中太い実線参照)となり、所定値よりも大きいと電流連続モード(CCM:図中細い実線参照)となり、所定値にて臨界モード(図中1点鎖線参照)となる。ここで、図21(b)に示されているように、何ら特別な対策を施さないと、電流不連続モードおよび電流連続モードの双方にて、コンバータCNVの出力電流Ioに逆流が生じている(図中2点鎖線で囲まれた部分参照)。そこで、以下の対策を行うことで、かかる逆流の発生が良好に抑制される。
具体的には、電流不連続モードにおいては、1次側の複数のスイッチング素子のうちの対角位置をなす一方の組(例えばS1,S4)のオンからオフへの切り替え後にインダクタ12を流れる電流iLsがゼロクロスした時点から、他方の組(例えばS2,S3)がオンされるまでの間の期間(ダイオード整流においては電流iLsが所定時間ゼロに保持される期間)、実質的に同期整流を停止させてダイオード整流と同様の動作となるように、時比率D1とD2との関係が設定される。図22は、かかる関係を説明するためのタイムチャートである。
図22を参照すると、期間(1)においては、以下の式(1)が成立する。また、期間(2)においては、以下の式(2)が成立する。
n・Vi=Vo+Ls・iLsp/(D1・T1)…(1)
0=Vo−Ls・iLsp/(D2・T1−D1・T1)…(2)
n・Vi=Vo+Ls・iLsp/(D1・T1)…(1)
0=Vo−Ls・iLsp/(D2・T1−D1・T1)…(2)
上記式(1)および式(2)より、D1とD2との関係は、以下の式(3)の通りとなる。
D2=(n・Vi/Vo)・D1…(3)
D2=(n・Vi/Vo)・D1…(3)
すなわち、D1とD2との関係が上記式(3)の関係を満たすように、第1フルブリッジ回路FB1および第2フルブリッジ回路FB2を制御することで、電流不連続モードにおいてコンバータCNVの出力電流Ioの逆流が良好に抑制される。なお、かかる動作にあたっては、上記(3)式にて電流要素が入っていないことから明らかなように、コンバータCNVの出力電流Ioのモニターを行う必要がない。したがって、図1に示されている第1の実施形態の回路構成において、ゼロ電流を検出するための電流センサ18が設けられていなくても、良好な制御が実施可能となる。
一方、電流連続モードにおいては、図23のタイムチャートに示されているように、スイッチング素子Sc,Sdの作動タイミングを、スイッチング素子Sa,Sbの作動タイミングからわずかにシフト(遅角)させる。なお、図23の例では、D1が70%(=0.7)であり、スイッチング素子Sa,Sbにおける時比率D2が100%(=1)であり、スイッチング素子Sc,Sdにおける時比率D2’が80%(=0.8)である。
すると、図中矢印で示されている期間において、インダクタ12を流れる電流iLsは、インダクタ12,第2コイルw2,スイッチング素子Sd,およびスイッチング素子Sbを備える閉ループ経路を流れる。すなわち、インダクタ12の両端が強制的に短絡される。したがって、コンバータCNVの出力電流Ioの逆流の発生が、良好に抑制される。なお、この例ではいわゆるフェイズシフトを行ったが、ハードスイッチングの場合には、上述の処理によって、当該期間にて実質的に同期整流が停止されてダイオード整流的な動作となる。
図24は、ダイオード整流の場合と、通常の同期整流の場合と、上記対策を施した同期整流の場合とで、出力電力(シミュレーション結果)を比較したものである。この図から明らかなように、上記の対策によれば、通常の同期整流において見られる電流連続モードでの出力低下が、良好に抑制される。
図25(a)は、図1に示されている第1の実施形態の回路構成により、ダイオード整流を用いて昇圧モードを行った場合の、2次側の時比率D2(すなわち第1フルブリッジ回路FB1側の時比率DB1)の変化に伴う、インダクタ12を流れる電流iLs、および2次側の出力電流iCi(図7における「Ci電流」に相当する)の変化の様子を示すタイムチャートである(1次側すなわち第2フルブリッジ回路FB2側の時比率D1=DB2は100%である)。一方、図25(b)は、同期整流の場合のタイムチャートである。
図25(b)に示されているように、電流不連続モードにおいては、同期整流にて何ら特別な対策を施さないと、出力電流の逆流が生じている(図中2点鎖線で囲まれた部分参照)。また、電流連続モードにおいては、ダイオード整流では図25(a)に示されているようにエネルギ回生分が出力電流側に一部放出されている一方、同期整流では図25(b)に示されているようにエネルギ回生分は出力電流側に放出されない(図中2点鎖線で囲まれた部分参照)。そこで、以下の対策を行うことで、同期整流における上述の不具合が良好に解消される。
基本的には、昇圧モードにおいても、上述の降圧モードと同様に考えることができる。すなわち、図26は、電流不連続モードにおいて対策をとった場合のタイムチャートである。また、図27は、上述の図22と同様の考え方で描かれたものである。
図26および図27を参照すると、期間(I)においては、1次側がオン状態とされ、2次側がオフ状態とされる。すなわち、1次側である第2フルブリッジ回路FB2側では、正極側端子Tip2から、スイッチング素子Sc,第2コイルw2,インダクタ12,およびスイッチング素子Sbを経て負極側端子Tin2に電流が流れる。これに対応して、2次側である第1フルブリッジ回路FB1側では、第1コイルw1,スイッチング素子S2,およびスイッチング素子S4を備える閉ループ経路を流れる。すなわち、第1フルブリッジ回路FB1側では、第1コイルw1の両端が短絡される。
期間(II)においては、2次側がオフ状態からオン状態に切り替えられることで、1次側および2次側の双方がオン状態とされる。すなわち、スイッチング素子S1がオフ状態からオン状態に切り替えられる一方、スイッチング素子S2がオン状態からオフ状態に切り替えられる。すると、2次側である第1フルブリッジ回路FB1側では、負極側端子Tin1から、スイッチング素子S4,第1コイルw1,およびスイッチング素子S1を経て正極側端子Tip1に電流が流れる。
期間(III)においては、1次側および2次側の双方がオフ状態とされる。すなわち、スイッチング素子Scがオン状態からオフ状態に切り替えられ、スイッチング素子Sdがオフ状態からオン状態に切り替えられる。また、スイッチング素子S4がオン状態からオフ状態に切り替えられ、スイッチング素子S3がオフ状態からオン状態に切り替えられる。
図27を参照すると、期間(I)においては、以下の式(4)が成立する。また、期間(II)においては、以下の式(5)が成立する。なお、下記の式において、「Vin」は、入力電圧であって、図1における第2コンデンサCoにおける端子間電圧V(Co)である(図1に示されているVoに相当する)。また、「Vout」は、出力電圧であって、図1における第1コンデンサCiにおける端子間電圧V(Ci)である(図1に示されているViに相当する)。
0=Vin−Ls・iLsp/(D2・T1)…(4)
n・Vout=Vin+Ls・iLsp/(D1・T1−D2・T1)…(5)
0=Vin−Ls・iLsp/(D2・T1)…(4)
n・Vout=Vin+Ls・iLsp/(D1・T1−D2・T1)…(5)
上記式(4)および式(5)より、D1とD2との関係は、以下の式(6)の通りとなる。
D1=D2/(1−(Vin/(n・Vout)))…(6)
D1=D2/(1−(Vin/(n・Vout)))…(6)
すなわち、D1とD2との関係が上記式(6)の関係を満たすように、第1フルブリッジ回路FB1および第2フルブリッジ回路FB2を制御することで、図26に示されているように、電流不連続モードにおいて2次側の出力電流iCiの逆流が良好に抑制される。なお、かかる動作も、ゼロ電流を検出するための電流センサ18が設けられていなくても、良好に実施可能となる。
一方、電流連続モードにおいては、図28のタイムチャートに示されているように、スイッチング素子Sa,Sbの作動タイミングを、スイッチング素子Sc,Sdの作動タイミングからわずかにシフト(遅角)させる。なお、図28の例では、2次側である第1フルブリッジ回路FB1の時比率D2(=DB1)が100%(=1)であり、1次側である第2フルブリッジ回路FB2のうちのスイッチング素子Sc,Sdにおける時比率D1が70%(=0.7)であり、スイッチング素子Sa,Sbにおける時比率D1’が9.2%(=0.0092)である。図29は、かかる対策の効果を、図24と同様に示したものである。この図から明らかなように、上記の対策によれば、通常の同期整流において見られる電流連続モードでの出力低下が、良好に抑制される。
上記第2の実施形態において、フェーズシフト処理を行わず、ハードスイッチング処理としてもよい。
「第2ブリッジ回路FB2と第2コンデンサCoとの接続について」
上記第1の実施形態(図1)において、第2フルブリッジ回路FB2の正極側端子Tip2と第2コンデンサCoとの間に、平滑コイルを設けてもよい。この場合であっても、平滑コイルのインダクタンスの設定によっては、インダクタ12および平滑コイルを流れる電流を同一量として漸減速度を同一とすることができるため、ダイオードDa〜Ddにリカバリ電流が流れる事態を好適に回避することができ、ひいてはサージ電圧を好適に低減することができる(特に第1コンデンサCiが電源側・第2コンデンサCoが負荷側であって降圧モードの場合)。ここで、インダクタンスLoの設定は、「Vo−VLo≧0」を満たすものであればよい。すなわち、第1コンデンサCiの電圧Viや第2コンデンサCoの電圧Voのとり得る値の範囲で「Lo/Ls≦nVi/Vo」を満たすようにするという条件を満たせばよい。もっとも、サージがさほど問題とならない状況においては、上記条件が成立することは必須ではない。
上記第1の実施形態(図1)において、第2フルブリッジ回路FB2の正極側端子Tip2と第2コンデンサCoとの間に、平滑コイルを設けてもよい。この場合であっても、平滑コイルのインダクタンスの設定によっては、インダクタ12および平滑コイルを流れる電流を同一量として漸減速度を同一とすることができるため、ダイオードDa〜Ddにリカバリ電流が流れる事態を好適に回避することができ、ひいてはサージ電圧を好適に低減することができる(特に第1コンデンサCiが電源側・第2コンデンサCoが負荷側であって降圧モードの場合)。ここで、インダクタンスLoの設定は、「Vo−VLo≧0」を満たすものであればよい。すなわち、第1コンデンサCiの電圧Viや第2コンデンサCoの電圧Voのとり得る値の範囲で「Lo/Ls≦nVi/Vo」を満たすようにするという条件を満たせばよい。もっとも、サージがさほど問題とならない状況においては、上記条件が成立することは必須ではない。
「コンバータCNVの用途について」
車両の外部の商用電源の電力を車載高電圧バッテリに充電するための電力変換回路を構成するものに限らない。
車両の外部の商用電源の電力を車載高電圧バッテリに充電するための電力変換回路を構成するものに限らない。
Ci…第1コンデンサ、Co…第2コンデンサ、FB1…第1フルブリッジ回路(第1ブリッジ回路の一実施形態)、FB2…第2フルブリッジ回路(第2ブリッジ回路の一実施形態)。
Claims (15)
- 第1コイル(w1)と、
前記第1コイルに接続される第1ブリッジ回路(FB1)と、
前記第1コイルと磁気結合した第2コイル(w2)と、
前記第2コイルに接続される第2ブリッジ回路(FB2)と、
を備え、
前記第1ブリッジ回路は、そのレッグによって、前記第1コイルの一方の端子および他方の端子のそれぞれを、前記第1ブリッジ回路の正極側端子(Tip1)および負極側端子(Tin1)のそれぞれに接続して且つ、電子操作可能な回路であり、
前記第2ブリッジ回路は、そのレッグによって、前記第2コイルの一方の端子および他方の端子のそれぞれを、前記第2ブリッジ回路の正極側端子(Tip2)および負極側端子(Tin2)のそれぞれに接続して且つ、電子操作可能な回路であり、
前記第1ブリッジ回路および前記第2ブリッジ回路の少なくとも一方を電子操作することで、前記第1コイル側から前記第2コイル側への電力の伝送と、前記第2コイル側から前記第1コイル側への電力の伝送とが可能であり、
前記第1ブリッジ回路および前記第2ブリッジ回路間の電気経路には、該電気経路に電流が流れている状態で該電流を流すための電圧の印加を停止した場合に、該停止前の電流を継続して流すことが可能なインダクタンス設定(12)がなされていることを特徴とする双方向電力伝送装置。 - 前記第1ブリッジ回路および前記第2ブリッジ回路は、前記第1ブリッジ回路および前記第2ブリッジ回路間の電気経路に流れる電流が漸増する状態で該電流を漸増させる電圧の印加を停止した場合に、該電流を漸減させる電圧を前記電気経路に印加するための経路が閉ループとなるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の双方向電力伝送装置。
- 前記インダクタンス設定は、前記第1コイルおよび前記第2コイル間の磁気結合に関する漏れインダクタによって構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の双方向電力伝送装置。
- 前記第1ブリッジ回路は、前記第1コイルの一方の端子を前記第1ブリッジ回路の前記正極側端子および負極側端子のそれぞれに接続するスイッチング素子(S1,S2)と、前記第1コイルの他方の端子を前記第1ブリッジ回路の前記正極側端子および前記負極側端子のそれぞれに接続するスイッチング素子(S3,S4)と、を備え、
前記第2ブリッジ回路は、前記第2コイルの一方の端子を前記第2ブリッジ回路の前記正極側端子および負極側端子のそれぞれに接続するスイッチング素子(Sa,Sb)と、前記第2コイルの他方の端子を前記第2ブリッジ回路の前記正極側端子および前記負極側端子のそれぞれに接続するスイッチング素子(Sc,Sd)と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の双方向電力伝送装置。 - 前記第1ブリッジ回路の前記正極側端子および前記負極側端子間に接続される第1コンデンサ(Ci)と、
前記第2ブリッジ回路の前記正極側端子および前記負極側端子間に接続される第2コンデンサ(Co)とを備え、
前記第1コンデンサは、前記第1ブリッジ回路の前記正極側端子に接続される電気経路および前記負極側端子に接続される電気経路の一対の電気経路を介して前記第1ブリッジ回路に接続されて且つ、該一対の電気経路には、分岐路が設けられておらず、
前記第2コンデンサは、前記第2ブリッジ回路の前記正極側端子に接続される電気経路および前記負極側端子に接続される電気経路の一対の電気経路を介して前記第2ブリッジ回路に接続されて且つ、該一対の電気経路には、分岐路が設けられていない
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の双方向電力伝送装置。 - 前記第2ブリッジ回路および前記第2コンデンサ間の電気経路のインダクタンスを、前記第1ブリッジ回路および前記第2ブリッジ回路間の電気経路のインダクタンスで除算した値が、前記第2コイルの誘起電圧で前記第2コンデンサの電圧を除算した値以下となることを特徴とする請求項5記載の双方向電力伝送装置。
- 前記第2ブリッジ回路の前記正極側端子および前記負極側端子間には、平滑コイル(30)および平滑コンデンサ(Co)の直列接続体が並列接続されており、
前記直列接続体には、スナバコンデンサ(Cs)および第1スナバ用流通規制要素(Ds1)が並列接続されており、
前記平滑コンデンサには、前記スナバコンデンサおよび第2スナバ用流通規制要素(Ds2)が並列接続されており、
第1スナバ用流通規制要素は、前記負極側端子側から前記スナバコンデンサ側への電流の流通を許容して且つ逆方向の流れを阻止する機能を有し、
第2スナバ用流通規制要素は、前記正極側端子側から前記平滑コンデンサ側への電流の流れを許容して且つ逆方向の電流の流れを阻止する機能を有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の双方向電力伝送装置。 - 前記第1スナバ用流通規制要素は、整流手段であり、
前記第1スナバ用流通規制要素を迂回するスイッチング素子(Ss)を備える
ことを特徴とする請求項7記載の双方向電力伝送装置。 - 前記第1コイルおよび前記第2コイルに流れる電流が漸増する状態から漸減する状態に移行してから該電流がゼロとなった後まで前記スナバコンデンサを継続的に放電させ、前記平滑コイルに流通させることを可能としたことを特徴とする請求項7または8記載の双方向電力伝送装置。
- 前記第1ブリッジ回路は、前記第1コイルの一方の端子を前記正極側端子および前記負極側端子のそれぞれに接続するコンデンサ(C1,C2)と、前記第1コイルの他方の端子を前記正極側端子および前記負極側端子のそれぞれに接続するスイッチング素子(S1,S2)とを備える
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の双方向電力伝送装置。 - 前記第2ブリッジ回路は、前記第2コイルの一方の端子を前記正極側端子および前記負極側端子のそれぞれに接続するコンデンサ(Ca,Cb)と、前記第2コイルの他方の端子を前記正極側端子および前記負極側端子のそれぞれに接続するスイッチング素子(Sa,Sb)とを備える
ことを特徴とする請求項1〜3,10のいずれか1項に記載の双方向電力伝送装置。 - 前記第1ブリッジ回路は、前記第1コイルの一方の端子を前記正極側端子に接続するスイッチング素子(S1)と、前記一方の端子を前記負極側端子に接続するダイオード(D2)と、前記第1コイルの他方の端子を前記正極側端子に接続するダイオード(D3)と、前記他方の端子を前記負極側端子に接続するスイッチング素子(S4)とを備える
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の双方向電力伝送装置。 - 前記第2ブリッジ回路は、前記第2コイルの一方の端子を前記正極側端子に接続するスイッチング素子(Sc)と、前記一方の端子を前記負極側端子に接続するダイオード(Dd)と、前記第2コイルの他方の端子を前記正極側端子に接続するダイオード(Da)と、前記他方の端子を前記負極側端子に接続するスイッチング素子(Sb)とを備える
ことを特徴とする請求項1〜3,12のいずれか1項に記載の双方向電力伝送装置。 - 前記インダクタンス設定を流れる電流が不連続モードとなるように前記第1ブリッジ回路および前記第2ブリッジ回路を電子操作した場合に、前記第1ブリッジ回路の電子操作にあたって当該第1ブリッジ回路に設けられたスイッチング素子に印加される操作信号の時比率をDB1とし、前記第2ブリッジ回路の電子操作にあたって当該第2ブリッジ回路に設けられた前記スイッチング素子に印加される操作信号の時比率をDB2とすると、
DB2=k・DB1
となるように、DB1およびDB2を設定する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の双方向電力伝送装置。 - 前記インダクタンス設定を流れる電流が連続モードとなるように前記第1ブリッジ回路および前記第2ブリッジ回路を電子操作した場合に、前記第2ブリッジ回路に設けられた複数のスイッチング素子のうちの、1つの前記レッグを構成する組(Sa,Sb)と、もう1つの前記レッグを構成する組(Sc,Sd)との間で、作動タイミングを互いにシフトする
ことを特徴とする請求項4または5に記載の双方向電力伝送装置。
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