JP2014006751A - 入力装置、入力操作解析方法、および、入力操作解析プログラム - Google Patents

入力装置、入力操作解析方法、および、入力操作解析プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】穂先を有する入力装置の該穂先の撓り状態を検出することができる入力装置、入力操作解析方法、および、入力操作解析プログラムを提供する。
【解決手段】電子絵筆200は、その穂先230が実際の絵筆と同様に、複数の筆毛が束ね合わされ、穂先230の内部に複数の柔軟な圧電センサー201が所定の位置関係および相対角度を有して配置された構成を有している。入力操作時に穂先230が撓ることにより圧電センサー201が変形して当該撓り状態に応じた検出電圧が出力される。この検出電圧に基づいて、電子絵筆200の運筆方向やフットプリントの形状変化、筆圧分布が推定される。
【選択図】図4

Description

本発明は、タッチパネルを備えた入力装置、入力操作解析方法、および、入力操作解析プログラムに関する。
近年、スマートフォン(高機能携帯電話機)やタブレット型の情報端末のような、いわゆるタッチパネル方式の入力装置を備えた電子機器が急速に普及している。このような入力装置を備えた電子機器は従来から知られており、例えば金融機関の現金自動預け払い機(ATM)や、自動券売機、カーナビゲーションシステム、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータの周辺機器として使用されるペンタブレット等、広範な製品分野において使用されている。
タッチパネル方式の入力装置は、概略、液晶や有機EL等の表示装置と、その前面(視野側)に配置された、または、表示装置と一体的に形成されたタッチセンサーと、を有し、ユーザが表示装置に表示された文字情報や画像を認識して、任意の表示領域にスタイラスペンや指を接触させることにより、所望の入力操作を行うことができる。
ここで、タッチパネルへの入力方法は大別して指先等を使用する方式と、入力ペンを使用する方式が知られている。前者においては、タッチパネルの背面に表示された画像等を認識し、所望の機能を実現するためのアイコン画像等を直感的に選択して入力する場合に適している。一方、後者においては、文字入力や描画入力等、細かな入力作業を行う場合に適している。さらに、入力ペンを用いてタッチパネルに入力を行う場合、入力の強さ(いわゆる筆圧)を検出することができる入力装置も知られている。
なお、入力ペンを用いてタッチパネルに入力操作を行う技術については、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている。これらの特許文献には、硬質のペン先を備えたスタイラスペン(入力ペン)において、ペン本体の内部に筆圧を検出するための圧電素子を備えた構成が開示されている。
特開平5−2447号公報 特開平7−325658号公報
上述したような入力ペンを使用した入力方式において、硬質のペン先を備えた入力ペンでの操作感は、実際に紙やキャンバス等に絵筆や毛筆等を使って絵や図形、文字等を描く際の操作感とは異なっている。このような操作感の差異は、主に、入力ペンのタッチパネル表面における反力や摩擦力の相違に起因するものである。そのため、タッチパネルを備えた電子機器に対して、上述したような入力ペンを用いて絵や図形、文字等を手書きで入力する際に、ユーザは違和感を覚えることが多いという問題を有している。
また、上述したような入力ペンによる操作においては、ペン先の1点での圧力のみを検出するものであるため、例えば、実際に絵筆を使って絵を描く際に、絵筆の穂先が接触することにより描画対象に残る絵具の跡(本明細書では「フットプリント」と表記する)の形状を忠実に再現することは難しいという問題も有している。
すなわち、入力ペンを備えた入力装置を用いて、電子描画装置(いわゆる電子スケッチブック)を実現しようとした場合、実際の絵筆と同等の穂先形状を有し、その穂先の撓り量に応じてフットプリントの形状が変化し、筆使いや筆運びに応じた筆の特徴(線の太さや擦れ具合、筆圧分布等)が描線や彩色に再現されることが要望される。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、穂先を有する入力装置の該穂先の撓り状態を検出することができる入力装置、入力操作解析方法、および、入力操作解析プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る入力装置は、
所定の軸に沿って延在した形状を有する柄軸と、
前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられた穂先と、
一端部および他端部をそれぞれが有する平板状の複数の圧電センサーであって、前記複数の圧電センサーのそれぞれは、前記一端部が前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記平板状の面が前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられ、かつ、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置されていて、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる前記第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置された前記複数の圧電センサーと、
前記穂先の撓りに応じて前記複数の圧電センサーから出力される検出電圧に基づいて、前記穂先の撓り状態を検出する撓り状態検出部と、
を備えることを特徴とする。
本発明に係る入力装置は、
所定の軸に沿って延在した形状を有する柄軸と、
前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられた穂先と、
一端部および他端部をそれぞれが有する平板状の複数の圧電センサーであって、前記複数の圧電センサーのそれぞれは、前記一端部が前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記平板状の面が前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられ、かつ、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置されていて、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる前記第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置された前記複数の圧電センサーと、
前記複数の圧電センサーの検出電圧を外部に送信する第1の通信機能部と、を有する電圧検出装置と、
前記電圧検出装置からの前記検出電圧を受信する第2の通信機能部と、
前記穂先の撓りに応じて前記複数の圧電センサーから出力される検出電圧に基づいて、前記穂先の撓り状態を検出する撓り状態検出部と、を有する撓り状態検出装置と、
を備えることを特徴とする。
本発明に係る入力操作解析方法は、
所定の軸に沿って延在した形状を有する柄軸の一端側の端部に前記柄軸の軸に沿って延在するように穂先が固定され、一端部および他端部をそれぞれが有する平板状の複数の圧電センサーの各前記一端部が前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記複数の圧電センサーの前記平板状の面が前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられ、かつ、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置されていて、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる前記第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置された入力装置の、前記穂先に物体が接触したときに前記穂先の他端側に生じた撓りに応じて前記複数の圧電センサーから出力される検出電圧を個別に検出し、
前記検出電圧に基づいて、前記複数の圧電センサーの撓り量および撓り方向を検出し、
前記複数の圧電センサーの撓り量および撓り方向に基づくベクトルを合成処理することにより、前記穂先の他端側の前記物体への接触領域の形状、および、前記穂先の前記入力面への接触圧力の分布を判別する、
ことを特徴とする。
本発明に係る入力操作解析プログラムは、
コンピュータに、
所定の軸に沿って延在した形状を有する柄軸の一端側の端部に前記柄軸の軸に沿って延在するように穂先が固定され、一端部および他端部をそれぞれが有する平板状の複数の圧電センサーの各前記一端部が前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記複数の圧電センサーの前記平板状の面が前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられ、かつ、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置されていて、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる前記第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置された入力装置の、前記穂先に物体が接触したときに前記穂先の他端側に生じた撓りに応じて発生する検出電圧を、前記複数の圧電センサーにより個別に検出させて、
前記検出電圧に基づいて、前記複数の圧電センサーの撓り量および撓り方向を検出させて、
前記複数の圧電センサーの撓り量および撓り方向に基づくベクトルを合成処理させることにより、前記穂先の他端側の前記物体への接触領域の形状、および、前記穂先の前記入力面への接触圧力の分布を判別させる、
ことを特徴とする。
本発明によれば、穂先を有する入力装置の該穂先の撓り状態を検出することができる。
本発明が適用される描画システムの一実施形態を示す概略構成図である。 一実施形態に係る描画システムに適用されるタブレット端末の一構成例を示す機能ブロック図である。 一実施形態に係る描画システムに適用される電子絵筆の一構成例を示す要部構成図である。 一実施形態に係る描画システムに適用される電子絵筆を示す要部分解図である。 一実施形態に係る描画システムに適用される電子絵筆の一構成例を示す機能ブロック図である。 一実施形態に係る描画システムに適用される電子絵筆を用いた入力操作の一例を示す概念図である。 一実施形態に適用される電子絵筆を特定方向に移動させた場合の穂先の撓り状態を解析するための説明図である。 一実施形態に適用される圧電センサーの一構成例を示す概略図である。 圧電センサーの検出原理(撓り量と先端荷重との関係)を説明するための図である。 一実施形態に係る入力操作解析方法により推定される電子絵筆の運筆状態を説明するための図である。 一実施形態に係る描画システムにおける描画制御方法の一例を示すフローチャートである。 本発明が適用される描画システムを構成する電子絵筆に適用される圧電センサーの他の構成例を示す概略構成図である。 本発明が適用される描画システムに適用される電子絵筆の他の構成例を示す要部構成図である。 他の構成例に係る電子絵筆を示す要部分解図である。
以下、本発明に係る入力装置、入力操作解析方法、および、入力操作解析プログラムについて、実施形態を示して詳しく説明する。
<描画システム>
まず、本発明に係る入力装置を備えた描画システムについて説明する。ここでは、描画システムに適用されるタッチパネル型の入力装置を備えた電子機器として、タブレット型の情報端末(タブレット端末)を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、タッチパネル型の表示装置を備えたノート型やデスクトップ型のパーソナルコンピュータに適用するものであってもよいし、ペンタブレット等の入力装置が接続されたパーソナルコンピュータに適用するものであってもよい。また、以下に示す実施形態においては、電子絵筆を用いて絵を描く(絵画を制作する)場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、毛筆を用いて文字等を描いたり記入したりする場合であっても良好に適用することができる。
図1は、本発明が適用される描画システムの一実施形態を示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係る描画システムに適用されるタブレット端末の一構成例を示す機能ブロック図である。
本発明が適用される描画システムは、例えば図1に示すように、大別して、タッチパネル型の表示部101を備えたタブレット端末100と、一般的な絵画の制作に用いられる絵筆と同等の外観を有する電子絵筆200と、を有している。
(タブレット端末)
タブレット端末100は、図2に示すように、概略、表示部101と、タッチパネル102と、地磁気センサー103と、記憶部104と、通信機能部105と、CPU106と、電源供給部107と、電源スイッチ108と、を有している。
表示部101は、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置であって、図1に示すように、矩形状を有する表示領域に、少なくともタッチパネル102への電子絵筆200による入力操作に応じた描線や彩色等が表示される。また、表示部101には、タッチパネル102への電子絵筆200による入力操作に関連する種々の設定メニューや情報が画像や文字の形態で表示される。
タッチパネル102は、上記表示部101の表示領域の前面(視野側)に配置され、または、当該表示部101と一体的に設けられ、電子絵筆200によるタッチパネル102への入力操作に伴う接触位置(すなわち入力位置)の座標情報が検出される。この入力位置の座標情報は、時間に関連付けられて収集され、後述するように、入力位置の変化に要した時間に基づいて、電子絵筆200の移動速度や加速度が算出される。この移動速度や加速度は、電子絵筆200の筆使いや筆運びに関連した情報として取得される。ここで、タッチパネル102は、少なくとも電子絵筆200の入力位置を検出できるものであればよく、抵抗膜方式や静電容量方式、光学方式等、種々の方式を適用することができる。
地磁気センサー103は、地球の磁場の向きを計測することにより、タブレット端末100の回転方向や傾斜方向に関する情報(端末姿勢情報)を取得する。この端末姿勢情報は、後述する電子絵筆200から送信される電子絵筆200の回転方向や傾斜方向に関する情報(絵筆姿勢情報)とともに、タブレット端末100に対する電子絵筆200の相対的な回転角度や傾斜角度を算出する際に用いられる。
記憶部104は、タッチパネル102により検出された入力位置の座標情報や、地磁気センサー103により取得された端末姿勢情報、後述する電子絵筆200から送信される各種データ、表示部101に表示する画像情報等を一時保存するランダムアクセスメモリ(RAM)を有する。また、記憶部104は、表示部101やタッチパネル102、地磁気センサー103、記憶部104、通信機能部105における各種機能を実行するための制御プログラムや、後述する描画制御動作を実行するための制御プログラムを格納する読み出し専用メモリ(ROM)を含むものであってもよい。CPU106は、これらの制御プログラムに従って処理を実行することにより、タブレット端末100に対する電子絵筆200の相対的な位置関係や傾斜状態等を常時把握するとともに、入力操作時における電子絵筆200の運筆状態(運筆方向やフットプリントの形状、筆圧分布)を随時判別して、当該運筆状態に応じた描線や彩色を表示部101に表示させる制御を行う。なお、これらの制御プログラムは、CPU106に予め組み込まれているものであってもよい。また、記憶部104は、例えば一部の構成が、メモリカード等のリムーバブル記憶媒体としての形態を有し、タブレット端末100に対して着脱可能に構成されているものであってもよい。
通信機能部105は、少なくとも後述する電子絵筆200から送信される、電子絵筆200の運筆状態に関連するデータ(圧電センサーの検出電圧)や、電子絵筆200の絵筆姿勢情報(地磁気センサーの検出信号)を受信する。また、通信機能部105は、電子絵筆200に対して、上記の各種データの受信に必要な通信制御に関連する情報を送受信する。ここで、通信機能部105を介して、電子絵筆200との間で運筆状態や絵筆姿勢情報に関連するデータ等を送受信する手法としては、例えば各種の無線通信方式や、通信ケーブルを介した有線による通信方式等を適用することができる。無線通信方式により上記データを送受信する場合には、例えば近距離無線規格であるブルートゥース(Bluetooth(登録商標))の仕様を良好に適用することができる。
電源供給部107は、一般的なタブレット端末に適用されるリチウムイオン電池等の二次電池や、市販の乾電池等の一次電池、あるいは、商用電源等からなる動作電源を備え、電源スイッチ108をオンまたはオフ操作することにより、表示部101やタッチパネル102、地磁気センサー103、記憶部104、通信機能部105、CPU106等の各構成に対して、電源電圧が供給、または、その供給が遮断される。
(電子絵筆)
図3は、本実施形態に係る描画システムに適用される電子絵筆の一構成例を示す要部構成図である。図3(a)は、本実施形態に係る電子絵筆の筆先部分を示す概略斜視図であり、図3(b)は、図3(a)に示したIIIB−IIIB線(本明細書では、図中に示したローマ数字の「3」に対応する符号として便宜的に「III」を用いる)に沿った穂先の断面を示す図である。図4は、本実施形態に係る描画システムに適用される電子絵筆を示す要部分解図である。図4(a)は、本実施形態に係る電子絵筆に適用される穂先の構造を説明するための分解斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示したIVB−IVB線(本明細書では、図中に示したローマ数字の「4」に対応する符号として便宜的に「IV」を用いる)から見た矢視図である。
本実施形態に係る電子絵筆200は、例えば図3(a)に示すように、概略、軸に沿って延在した形状を有する棒状の柄軸210と、柄軸210の一端側の端部である固定用基部210aに取り付けられた穂先230と、を有している。ここで、本実施形態においては、電子絵筆200は、一般の絵画の制作に用いられる平筆と同等の外観および構成を有している。
穂先230は、図3(a)および図4(a)に示すように、柄軸210の延在方向と同方向(図面上下方向)に複数の筆毛が配向されて束ねられている。穂先230の一端側は、固定用基部210aに挿入されて柄軸210に固定された固定端を構成し、他端側は、タッチパネル102に接触することにより所望の撓りを生じるように自由端(または可動端)を構成している。ここで、穂先230を構成する各筆毛は、一般的な絵筆等に使用される動物の体毛や樹脂繊維等を適用することができ、筆毛を束ねた穂先230の状態で、適度な可撓性を有するように、筆毛の材質や寸法(細さや長さ等)、本数、束ね方等が設定されている。
本実施形態に係る平筆型の電子絵筆200においては、図3(a)、(b)に示すように、穂先230の断面が略長方形または略矩形を有している。また、穂先230中には、図3(b)および図4(a)、(b)に示すように、6個の圧電センサー201−1〜201−6(全ての圧電センサー201−1〜201−6を指す場合には「圧電センサー201」と表記する)が柄軸210または筆毛と同方向に配向され、かつ、各圧電センサー201−1〜201−6が所定の位置関係および相対角度を有した状態で束ねられている。
具体的には、穂先230は、例えば図3(b)および図4(a)、(b)に示すように、断面形状が長方形状になるように筆毛が角柱状に束ねられ、その長辺と短辺(または、隣接する2辺)が略直角をなす中心毛束231と、断面形状が長方形状になるように筆毛が角柱状に束ねられ、中心毛束231の各辺に沿って配置される外周毛束232a〜232dと、を有している。そして、これらの中心毛束231と各外周毛束232a〜232dとの境界には、圧電センサー201−1〜201−6が挟持されるように配置されている。すなわち、図3(b)および図4(b)に示すように、長方形状の断面を有する中心毛束231において、対向する一対の長辺(図面下辺および上辺)の各々に沿って、各2箇所に圧電センサー201−1、201−2および201−4、201−5が配置され、また、対向する一対の短辺(図面右辺および左辺)の各々に沿って、各1箇所に圧電センサー201−3および201−6が配置されている。ここで、各圧電センサー201−1〜201−6は、後述するように、短冊状の平面を有する平板状のフィルム部材からなり、それぞれの平面が上記の境界面に沿って延在するように配置されている。これにより、圧電センサー201−1、201−2および201−4、201−5と、圧電センサー201−3および201−6とは、それぞれの平面が相対的に直交する方向を向くように配置される。そして、図4(a)、(b)に示すように、各長辺側に配置された各2個の圧電センサー201−1、201−2および201−4、201−5は、それぞれ外周毛束232aおよび232cにより被覆された状態で中心毛束231に束ねられ、また、各短辺側に配置された各1個の圧電センサー201−3および201−6は、それぞれ外周毛束232bおよび232dにより被覆された状態で中心毛束231に束ねられている。これにより、図3(b)および図4(a)に示すように、断面が長方形または矩形を有する穂先230が形成される。
なお、本実施形態においては、穂先230中に6個の圧電センサー201−1〜201−6が配置され、かつ、圧電センサー201−1、201−2および201−4、201−5と、圧電センサー201−3および201−6とが、相対的に直交する方向を向くように配置された構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上述した描画システムに適用される電子絵筆は、少なくとも穂先230中に複数の圧電センサーが配置され、それらの圧電センサーのうちの、任意の一対の圧電センサーの平面が相対的に異なる2方向を向くように配置されているものであれば、圧電センサーの個数や配置を任意に設定することができる。ここで、本発明に適用される描画制御方法においては、後述するように、複数の圧電センサーの平面を相対的に異なる2方向に向けて配置することにより、穂先230の撓り状態に応じて入力操作時の電子絵筆200の運筆状態をベクトル合成処理により判別する手法を用いている。したがって、CPU106におけるベクトル合成処理の処理負担を軽減するためには、複数の圧電センサーの平面が相対的に直交する方向を向くように配置された構成を適用することがより好ましい。しかしながら、後述する手法によれば、複数の圧電センサーの複数の平面が互いに交差する向きに配置されていれば、電子絵筆200の運筆状態を検出することができる。
次いで、上述したような電子絵筆200の機能構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る描画システムに適用される電子絵筆の一構成例を示す機能ブロック図である。
電子絵筆200は、図5に示すように、概略、圧電センサー201と、チャージアンプ202と、フィルタ/ADC203と、地磁気センサー204と、記憶部205と、通信機能部206と、CPU207と、電源供給部208と、電源スイッチ209と、を有している。
圧電センサー201(201−1〜201−6)は、上述したように、穂先230中に複数個配置され、電子絵筆200の穂先230をタブレット端末100に接触させる入力操作において、当該穂先230の撓りに応じて同様に撓ることにより、圧電効果により生じる電荷が取り出される。チャージアンプ202は、圧電センサー201から取り出された電荷を積分処理することにより、所定の電圧レベルを有する検出電圧として出力する。圧電センサー201(201−1〜201−6)は、適度な可撓性を有するように、材料や厚さ等が設定されていて、例えば、薄い平板状に形成されている。
フィルタ/ADC203は、ハイパスフィルタおよびローパスフィルタからなるフィルタ回路と、アナログ−デジタル変換回路(ADC)とを有している。フィルタ回路は、上記チャージアンプ202から出力される圧電センサー201の検出電圧からノイズ成分を除去し、ADCは、ノイズ除去された検出電圧をアナログ信号からデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された検出電圧は、CPU207に取り込まれる。
なお、本実施形態においては、フィルタ/ADC203に設けられたハードウェアとしてのADCにより、アナログ−デジタル変換処理を行う場合について説明したが、この構成に限定されるものではなく、CPU207に内蔵されたソフトウェアとしてのADC機能を使用してアナログ−デジタル変換処理を行うものであってもよい。さらに、上述したチャージアンプ202や、フィルタ/ADC203に設けられたフィルタ回路についても、ハードウェアとしての構成を用いることなく、CPU207に内蔵されたソフトウェアとしての機能を用いるものであってもよい。すなわち、圧電センサー201の薄膜電極(図8参照)22aおよび22bに生じた電圧の測定値を、CPU207に内蔵されたソフトウェアによりデジタルフィルタ処理を行ってノイズ成分を除去した後、それを数値積分する処理を行うことによっても、上述したチャージアンプ202およびフィルタ/ADC203を用いた場合と同等の数値(検出電圧)を得ることができる。これによれば、電子絵筆200に内蔵されるハードウェア構成を削減することができ、電子絵筆200の小型化やコストの削減を図ることができる。
地磁気センサー204は、上述したタブレット端末100と同様に、地球の磁場の向きを計測することにより、電子絵筆200の回転方向や傾斜方向に関する情報(絵筆姿勢情報)を取得する。この絵筆姿勢情報は、後述する通信機能部206を介して、上述したタブレット端末100に送信されて、端末姿勢情報とともに、タブレット端末100に対する電子絵筆200の相対的な回転角度や傾斜角度を算出する際に用いられる。
記憶部205は、圧電センサー201により取得された検出電圧や、地磁気センサー204により取得された絵筆姿勢情報、電子絵筆200の穂先230の形状(平筆型)に関する情報等を一時保存するランダムアクセスメモリ(RAM)を有する。また、記憶部205は、圧電センサー201やチャージアンプ202、フィルタ/ADC203、地磁気センサー204、記憶部205、通信機能部206における各種機能を実行するための制御プログラムや、後述する描画制御動作を実行するための制御プログラムを格納する読み出し専用メモリ(ROM)を含むものであってもよい。CPU207は、これらの制御プログラムに従って処理を実行することにより、電子絵筆200の絵筆姿勢情報を常時把握するとともに、タブレット端末100への入力操作時における電子絵筆200の運筆状態に関する情報を収集して、タブレット端末100に所定のタイミング(随時、あるいは、任意のタイミング)で送信する制御を行う。なお、これらの制御プログラムは、CPU207に予め組み込まれているものであってもよい。
通信機能部206は、少なくとも上述した電子絵筆200の穂先230に混在するように配置された圧電センサー201により得られた検出電圧や、地磁気センサー204により得られた検出信号を、上述したタブレット端末100に送信する。圧電センサー201により得られた検出電圧は、上述したタブレット端末100において、電子絵筆200の運筆状態を判別するための各種データ(穂先230の撓り量やその撓り方向、その先端荷重)を算出するために使用される。また、地磁気センサー204により得られた検出信号は、タブレット端末100に対する電子絵筆200の絵筆姿勢情報(相対的な位置関係や傾斜状態等)を把握するために使用される。また、通信機能部206は、タブレット端末100に対して、上記の各種データの送信に必要な通信制御に関連する情報を送受信する。
電源供給部208は、電子絵筆200を用いた入力操作において支障とならないように、軽量大容量のリチウムイオン電池等の二次電池や、市販のボタン電池等の一次電池等からなる動作電源を備え、電源スイッチ209をオンまたはオフ操作することにより、圧電センサー201やチャージアンプ202、フィルタ/ADC203、地磁気センサー204、記憶部205、通信機能部206、CPU207等の各構成に対して、電源電圧が供給、または、その供給が遮断される。なお、タブレット端末100との間で各種データ等を送受信する手法として、電子絵筆200とタブレット端末100が通信ケーブル(例えばUSBケーブル等)を介して接続されている場合には、動作電源として、タブレット端末100の電源供給部107から電力が供給されるものであってもよい。また、この場合には、動作電源として、商用電源を適用することもできる。
次に、上述した構成を有する描画システムにおける入力操作解析方法および描画制御方法について説明する。
<入力操作解析方法>
まず、本実施形態に係る電子絵筆を適用した入力操作解析方法について説明する。
図6は、本実施形態に係る描画システムに適用される電子絵筆を用いた入力操作の一例を示す概念図である。図6(a)は、電子絵筆の穂先の先端部分を平面視した場合の概略図であり、図6(b)は、入力操作時の穂先の撓り状態を示す概略斜視図である。ここで、図6(b)においては、図示を簡明にするために、穂先を構成する筆毛を省略し、圧電センサーの撓り状態のみを示した。図7は、本実施形態に適用される電子絵筆を特定方向に移動させた場合の穂先の撓り状態を解析するための説明図である。ここで、図7においては、図示を簡明にするために、穂先を構成する外周毛束を省略し、圧電センサーの撓り状態も示した。
上述したように、本実施形態に適用される電子絵筆200は、穂先230の中に、複数個の柔軟な構造の圧電センサー201−1〜201−6が配置されている。そして、図6(a)、(b)に示すように、電子絵筆200の穂先230をタブレット端末100のタッチパネル102の表面(入力面)に接触させて移動させる入力操作時に、電子絵筆200の筆使いや筆運びに応じた穂先230の撓り状態に追従して、各圧電センサー201−1〜201−6も変形するように構成されている。
なお、以下の説明においては、図6(a)に示すように、タッチパネル102を視野側から平面視してx−y座標を規定した場合に、電子絵筆200の穂先230の先端部分を、例えば図中矢印の運筆方向に移動させた場合について説明する。具体的には、タッチパネル102の長辺をx軸、短辺をy軸とする。ここでは、説明を簡明にするために、便宜的に、電子絵筆200の穂先230の断面形状である長方形状の長辺をy軸方向に平行に設定し、短辺をx軸方向に平行に設定し、かつ、電子絵筆200の柄軸210をタッチパネル102の表面に対して垂直になるように保持した状態で、穂先230をタッチパネル102にやや押し付け気味にして、図6(a)、(b)中の矢印方向に平行移動させた場合を例にして説明する。なお、実際の入力操作においては、タッチパネル102に対する電子絵筆200の傾斜角度や穂先230の回転角度、穂先230の押し付け具合等、複数のパラメータを考慮して入力操作の解析が行われる。
上述した電子絵筆200の穂先230をタッチパネル102に接触させた初期状態においては、穂先230の先端部分(すなわち、タッチパネル102との接触領域)の形状は、図6(a)に示すように、穂先230の断面形状と略同一の長方形状(または矩形形状)を有している。この初期状態から、電子絵筆200を図6(a)、(b)中の矢印方向に移動させた(運筆した)場合の、穂先230の先端部分の変位について解析する。ここで、本実施形態においては、穂先230の先端部分の形状が長方形状(矩形形状)を有しているので、その四隅の頂点について変位方向と変位量が判明すれば、穂先230の先端部分全体の変位を推定することができる。
すなわち、本実施形態においては、電子絵筆200の穂先230の内部に、短冊状の平面が相対的に直交するように短冊状の平面が配置された各圧電センサー201−1〜201−6の出力電圧を個別に検出することにより、x方向およびy方向の穂先230の撓り方向と撓り量が独立して検出される。そして、これらの変位成分をベクトル合成することにより、穂先230の先端部分の形状を規定する四隅の頂点の変位方向と変位量を推定して、穂先230の先端部分全体の変位状態、すなわち電子絵筆200の運筆状態を判別する。
具体的には、例えば図6(a)に示した運筆方向に電子絵筆200を移動させた場合、図7(a)〜(d)に示すように、圧電センサー201−1、201−2、201−4、201−5は、それぞれ−x方向に所定の撓りを生じ、また、圧電センサー201−3、201−6は、それぞれ+y方向に所定の撓りを生じる。これらの圧電センサー201−1〜201−6の撓りは、穂先230全体の撓り状態に対応している。
これにより、図7(a)に示すように、穂先230の先端部分の長方形状(矩形形状)について、図中左上の頂点ULの変位方向と変位量は、当該頂点ULを構成する図面上側の短辺に対して平行になるように平面が配置された圧電センサー201−6と、当該頂点ULを構成する図面左側の長辺に対して平行になるように平面が配置された圧電センサー201−1とにおいて独立して検出された穂先230の撓り方向と撓り量からなる変位成分(ベクトルV6、V1)を、ベクトル合成することによりベクトルV16として表すことができる。すなわち、穂先230の先端部分の頂点ULの筆毛はベクトルV16のように撓っているものと推定することができる。
他の頂点についても同様に、図7(b)に示すように、図中左下の頂点LLの変位方向と変位量は、当該頂点LLを構成する短辺に対して平行になるように配置された圧電センサー201−3と、同長辺に対して平行になるように配置された圧電センサー201−2とにおいて独立して検出された穂先230の撓り方向と撓り量からなる変位成分(ベクトルV3、V2)を、ベクトル合成することによりベクトルV23として表すことができる。また、図7(c)に示すように、図中右上の頂点URの変位方向と変位量は、当該頂点URを構成する短辺に対して平行になるように配置された圧電センサー201−6と、同長辺に対して平行になるように配置された圧電センサー201−5とにおいて独立して検出された穂先230の撓り方向と撓り量からなる変位成分(ベクトルV6、V5)を、ベクトル合成することによりベクトルV56として表すことができる。また、図7(d)に示すように、図中右下の頂点LRの変位方向と変位量は、当該頂点LRを構成する短辺に対して平行になるように配置された圧電センサー201−3と、同長辺に対して平行になるように配置された圧電センサー201−4とにおいて独立して検出された穂先230の撓り方向と撓り量からなる変位成分(ベクトルV3、V4)を、ベクトル合成することによりベクトルV34として表すことができる。すなわち、穂先230の先端部分の各頂点LL、UR、LRの筆毛は、各々ベクトルV23、V56、V34のように撓っているものと推定することができる。
よって、これらのベクトルV16、V23、V34、V56を用いることにより、穂先230の先端部分の長方形状の四隅の変位が推定される。また、この長方形状の四隅や圧電センサー201−1〜201−6の配置位置以外の位置(例えば長方形状の内部)における穂先230の撓り方向と撓り量は、上述した圧電センサー201−1〜201−6の配置位置における撓り方向と撓り量を、当該圧電センサー201−1〜201−6間で線形補間を行うことにより推定することができる。
次に、本実施形態に係る電子絵筆に適用される圧電センサーについて説明する。
図8は、本実施形態に適用される圧電センサーの一構成例を示す概略図である。図8(a)は、圧電センサーの概略構造を示す断面図であり、図8(b)は、その斜視図であり、図8(c)は、圧電センサーの撓り方向と発生電荷の極性との関係を示す概略図である。なお、図8(c)においては、図示の都合上、ハッチングの一部を省略して示す。図9は、圧電センサーの検出原理(撓り量と先端荷重との関係)を説明するための図である。
本実施形態に適用される圧電センサー201(201−1〜201−6)は、例えば図8(a)、(b)に示すように、所定の方向(図面左右方向)に延在する短冊状の圧電フィルム21の両面(図面上面および下面)に薄膜電極22aおよび22bが形成された圧電体20と、当該圧電体20が一面側(図面上面側)に形成された絶縁性の弾性基材23と、を有している。圧電フィルム21は、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子樹脂材料を適用することができる。ポリフッ化ビニリデンは、延伸加工することにより圧電性が発現するので、高分子圧電フィルムとして適用することができる。このような圧電フィルム21は厚み方向に分極する特性を有しているので、圧電フィルム21の両面に金属膜からなる薄膜電極22aおよび22bを蒸着形成することにより圧電体20を形成し、さらに、この圧電体20を弾性基材23に接合することにより積層構造を有する圧電センサー201が形成される。この弾性基材23は、設計上のその必要がなければ、用いなくてもよい。そして、図8(a)、(b)に示すように、圧電センサー201の延在方向(短冊の長手方向)の一端側(図面左方側)を、上述した固定用基部210aを介して柄軸210に固定することにより、本実施形態と等価の構造を有する、柔軟な片持ち梁構造の圧電センサー201が形成される。このような圧電センサー201において、薄膜電極22b側を接地し、薄膜電極22a側を電圧検出器(上述したチャージアンプ202およびフィルタ/ADC203に相当する)に接続することにより、圧電センサー201の撓り量に応じて圧電フィルム21において発生した電荷を電圧成分として検出することができる。また、このような構造を有する圧電センサー201においては、図8(c)に示すように、圧電センサー201の延在方向の他端側(図面右方側)が図面上方に変位するか、図面下方に変位するかによって、薄膜電極22aおよび22bに発生する電荷の極性が異なるという特性を有しているので、薄膜電極22aに接続された電圧検出器により検出された、電荷または出力電圧の極性に基づいて、圧電センサー201の撓り方向を判別することもできる。
具体的には、圧電センサーの撓り量の検出原理は、次のように説明される。
まず、圧電センサー201に電圧検出器として接続されたチャージアンプ202により、圧電センサー201の撓り量に応じて発生した電荷に基づく電圧値Vを測定する。これにより、上記電圧値Vとチャージアンプ202に搭載されたコンデンサ容量Cに基づいて、圧電センサー201で発生した電荷量Qは、次式(11)のように表すことができる。
Q=C・V ・・・(11)
一方、この発生電荷量Qは、圧電体内部の応力σに比例するので、次式(12)のように表すことができる。ここで、d31は圧電定数であり、Sは圧電体の面積である。
Q=d31・σ・S ・・・(12)
また、本実施形態に適用される圧電センサー201は、上述したように、圧電フィルム
21と弾性基材23を積層して接着した「組合せ梁構造」と見なすことができるので、圧
電体内部に発生する応力σは、片持ち梁構造の圧電センサー201の先端に加重される力
に比例する。ここで、組合せ梁の理論により、圧電体内部に発生する応力σは、次式(1
3)のように表される。
Figure 2014006751
ここで、Eは圧電センサー201全体のヤング率(縦弾性係数)であり、yは圧電セン
サー201全体の中立軸(圧電センサー201が変形した場合であっても、固定端である
基部側からの長さが変化しない軸線)からの距離である。また、Ejは圧電センサー201各層のヤング率(縦弾性係数)であり、Ijは圧電センサー201各層の断面2次モーメントである。また、Mは図9(a)に示すように、長さLの片持ち梁構造の圧電センサー201の先端に力Fが加重された場合の曲げモーメントであって、次式(14)のように表される。
M=F・L ・・・(14)
上記の(12)、(13)、(14)式により、圧電センサー201の先端に加重された力(先端荷重)Fは、次式(15)のように表される。
Figure 2014006751
一方、組合せ梁の理論により、図9(b)に示すように、圧電センサー201の先端に力Fが加重された場合に生じる撓り量δは、次式(16)のように表される。
Figure 2014006751
このような検出原理を用いて、穂先230の撓りに伴って、圧電センサー201の薄膜電極22aおよび22b間に生じる電圧を検出することにより、圧電センサー201の他端側(図8、図9の右方側)の変位に基づく撓り量およびその撓り方向、並びに、先端荷重を算出(推定)することができる。
次いで、上記の原理により得られた圧電センサー201の撓り量δおよびその撓り方向、並びに、先端荷重Fに基づいて、電子絵筆200を任意の方向に移動(運筆)させた場合のフットプリント(ここでは、穂先230の先端部分をタッチパネルに接触させた際に、穂先230の先端部分の頂点UL、LL、UR、LRにより形成される矩形状の領域に対応する)の形状と、当該フットプリントの領域内における筆圧分布を推定する手法について説明する。
図10は、本実施形態に係る入力操作解析方法により推定される電子絵筆の運筆状態を説明するための図である。図10(a)〜(c)の各上図は、電子絵筆の運筆状態とフットプリントの形状を示す概略斜視図であり、同各下図は、上図に示したフットプリントを平面視した場合の概略図である。また、図10(d)は、図10(a)〜(c)に示した運筆状態におけるフットプリントの形状と筆圧分布の関係を示す概略図である。なお、ここでは、図6および図7において説明を簡明にするために電子絵筆200を平行移動させた場合の運筆状態とは異なり、電子絵筆200を任意の傾斜角度で、かつ、穂先230を任意の回転角度で押し付けながら移動させた場合を例にして説明する。この例においては、電子絵筆を用いた実際の入力操作時における運筆状態に近似するものとなる。
具体的には、図10(a)に示すように、タッチパネル102の表面に電子絵筆200の穂先230の先端部分を接触させ、次いで、例えば図10(b)に示すように、電子絵筆200を任意の回転角度および傾斜角度で、例えば図10(c)に示すように、任意の運筆方向に移動させた場合、上述した圧電センサー201により検出された撓り量δと撓り方向に基づいて、フットプリントの形状が推定される。すなわち、図10(a)に示した状態では、フットプリント10の形状は、電子絵筆200の穂先230がタブレット端末100に接触していない状態の、穂先230の先端部分の形状と略同一の長方形状を有し、図10(b)に示した状態では、フットプリント11の形状を規定する四隅の頂点UL、LL、UR、LRのうち、頂点ULを除く3つの頂点LL、UR、LRが、図中矢印で示すように、それぞれ所定の位置に変位して、不等辺の矩形形状に変形する。そして、図10(c)に示した状態では、フットプリント11の形状を規定する四隅の頂点UL、LL、UR、LRのすべてがそれぞれ所定の位置に変位して、図10(b)に示した矩形形状を有するフットプリント11が、図中矢印で示すように、任意の方向(運筆方向)に平行移動される。ここで、フットプリント11の形状を規定する四隅の頂点UL、LL、UR、LRは、図7に示したように、電子絵筆200の穂先230の先端部分の形状を規定する四隅の頂点に対応する。したがって、当該穂先230中に配置された各圧電センサー201の撓り量δとその方向からなるベクトルを合成することにより、フットプリント10、11の形状を規定する四隅の頂点UL、LL、UR、LRの位置が推定されるので、これらの頂点間を結線することにより得られる矩形形状がフットプリント10、11の形状として規定される。
また、電子絵筆200の穂先230がタブレット端末100に接触した際の圧力(接触圧)は、穂先230中に配置された各圧電センサー201により検出された先端荷重Fに基づいて算出される。すなわち、上述したようにして形状が設定されたフットプリント11において、当該形状を規定する四隅の頂点UL、LL、UR、LRにおける接触圧は、各圧電センサー201により検出された先端荷重Fを、図7に示した場合と同様にベクトル合成して、合成ベクトルの大きさに基づいて算出(推定)される。そして、各頂点UL、LL、UR、LRにおける接触圧の値に基づいて、上記の矩形形状を有するフットプリント11の領域内において、2次元的に線形補間を行うことにより、図10(d)に示すように、当該領域内における接触圧の分布(すなわち、筆圧分布)が得られる。なお、図10(d)は、図10(b)に示したように、電子絵筆200を任意の方向に、任意の角度で傾斜させた場合のフットプリント11の形状(上図)と、その場合の筆圧分布(下図)を示すものであって、便宜的に、電子絵筆200の傾斜により接触圧が高くなった頂点LR付近を濃色で示し、一方、電子絵筆200の傾斜によっても接触圧がほとんど変わらない、あるいは、接触圧が低くなった頂点UL付近を淡色で示した。すなわち、フットプリント11の領域内において、接触圧が高い頂点LR付近から接触圧が低い頂点UL付近に向かって接触圧の値が順次低くなるように傾斜分布している。
ここで、本実施形態においては、図4、図6に示したように、穂先230中に6個の圧電センサー201を配置した場合について説明したが、この圧電センサーの数を増やすことにより、フットプリントの形状や筆圧分布をより正確に把握することができ、後述する描画制御方法において、電子絵筆の筆使いや筆運びに応じた筆の特徴を描線や彩色等の表示により反映させることができる。
<描画制御方法>
次に、本実施形態に係る描画システムにおいて、上述した入力操作解析方法を用いた描画制御方法について説明する。
図11は、本実施形態に係る描画システムにおける描画制御方法の一例を示すフローチャートである。
本実施形態に係る入力操作解析方法を用いた描画制御動作は、図11に示すように、概略、入力操作ステップ(S11)と、接触位置情報取得ステップ(S12)と、姿勢情報取得ステップ(S13)と、運筆情報取得ステップ(S14)と、運筆状態判別ステップ(S15)と、画像処理ステップ(S16)と、表示情報制御ステップ(S17)と、を有している。
入力操作ステップ(S11)においては、まず、タブレット端末100の電源スイッチ108をオン操作して電源供給部107から各部に電源電圧を供給して、タブレット端末100における描画制御動作が可能な状態に設定する。また、電子絵筆200の電源スイッチ209をオン操作して電源供給部208から各部に電源電圧を供給して、電子絵筆200における描画制御動作が可能な状態に設定する。次いで、ユーザが使用する電子絵筆200の穂先形状を含む筆種別情報がタブレット端末100に登録される。この筆種別情報の登録は、ユーザがタブレット端末100の設定画面から直接入力設定するものであってもよいし、タブレット端末100および電子絵筆200における電源オン操作後に、電子絵筆200のCPU207が通信機能部206、105を介して当該情報を自動的に送信して、タブレット端末100のCPU106に通知して設定するものであってもよい。ここで、筆種別情報は、少なくとも、上述した平筆型や丸筆型(詳しくは後述する)等の電子絵筆200の穂先230の種類や形状(長さや筆毛の太さ等)、穂先230中に配置される圧電センサー201の個数や配置等に関する情報を含んでいる。次いで、タブレット端末100のタッチパネル102に、ユーザが当該電子絵筆200を用いて、任意の位置に任意の強さで穂先230を接触させる入力操作を行う。
接触位置情報取得ステップ(S12)においては、タブレット端末100のCPU106が、タッチパネル102に接触している電子絵筆200の穂先230の位置を検出して、記憶部104の所定の記憶領域に接触位置情報として格納する。ここで、接触位置情報は、電子絵筆200の穂先230の接触領域の形状を規定する複数の基準点(すなわち、上述した矩形状の接触領域の場合には四隅の頂点UL、LL、UR、LRに相当する)を含むように検出される。これらの基準点は、同時に検出されるものであってもよいし、順次検出されるものであってもよい。なお、上記の接触位置情報は、タブレット端末100に適用されるタッチパネル102の位置検出方式(抵抗膜方式や静電容量方式等)に応じた手法で検出される。
姿勢情報取得ステップ(S13)においては、タブレット端末100のCPU106が、地磁気センサー103によりタブレット端末100の回転方向や傾斜方向を検出して、記憶部104の所定の記憶領域に端末姿勢情報として格納する。また、電子絵筆200のCPU207が、地磁気センサー204により電子絵筆200の回転方向や傾斜方向を検出して、記憶部205の所定の記憶領域に絵筆姿勢情報として格納する。ここで、絵筆姿勢情報は、所定のタイミング(随時、あるいは、任意のタイミング)で通信機能部206を介してタブレット端末100に伝送されて、タブレット端末100において検出された接触位置情報および端末姿勢情報に関連付けて、記憶部104の所定の記憶領域に格納される。そして、CPU106により当該端末姿勢情報および絵筆姿勢情報に基づいて、当該接触位置におけるタブレット端末100に対する電子絵筆200の相対的な回転角度や傾斜角度が把握される。
運筆情報取得ステップ(S14)においては、電子絵筆200のCPU207が、穂先230中に配置された複数の圧電センサー201によりタブレット端末100のタッチパネル102に穂先230を接触させた際の、当該穂先230または圧電センサー201−1〜201−6の撓り状態(すなわち、撓り量および撓り方向)を検出して、記憶部205の所定の記憶領域に運筆情報として格納する。すなわち、電子絵筆200のCPU207が、撓り状態検出部として機能する。ここで、運筆情報は、所定のタイミング(随時、あるいは、任意のタイミング)で通信機能部206を介してタブレット端末100に伝送されて、タブレット端末100において検出された接触位置情報および端末姿勢情報に関連付けて、記憶部104の所定の記憶領域に格納される。そして、後述する運筆状態判別ステップにおいて、CPU106により当該運筆情報および接触位置情報、端末姿勢情報、絵筆姿勢情報に基づいて、電子絵筆200の運筆状態が把握される。
なお、入力操作に伴って取得される、接触位置情報および姿勢情報、運筆情報は、上述したステップS12〜S14の順序に限定されるものではなく、これらのステップが任意の順番で実行されるものであってもよいし、これらのステップのうちの複数のステップが同時並行的に実行されるものであってもよい。なお、運筆状態を算出(推定)する際に、端末姿勢情報および絵筆姿勢情報を用いない場合には、姿勢情報取得ステップ(S13)を省略してよい。
運筆状態判別ステップ(S15)においては、タブレット端末100のCPU106が、上述した入力操作解析方法を用いて、電子絵筆200において検出された運筆情報および絵筆姿勢情報、並びに、タブレット端末100において検出された接触位置情報および端末姿勢情報に基づいて、タブレット端末100に対する電子絵筆200による入力操作時における筆使いや筆運びに応じた筆の特徴に関する情報、すなわち、運筆状態(運筆方向やフットプリントの形状、筆圧分布)を判別する。なお、前述したように、運筆状態を算出(推定)する際に、端末姿勢情報および絵筆姿勢情報を用いなくてもよい。また、端末姿勢情報および絵筆姿勢情報を用いることによって、より多様なパラメータに基づいて運筆状態を算出(推定)することができる。
画像処理ステップ(S16)においては、タブレット端末100のCPU106が、上記の運筆状態に基づいて、表示部101に電子絵筆200の入力操作に応じた描線や彩色等を画像として表示する際の、当該描線の位置や方向、太さ、彩色の種類や濃さ、擦れ具合等の各種のパラメータを設定する画像処理を行う。
表示情報制御ステップ(S17)においては、タブレット端末100のCPU106が、上記の画像処理により設定されたパラメータに基づく描線や彩色等を表示部101に表示させる制御を行う。これにより、図1に示すように、タブレット端末100のタッチパネル102の表面に、ユーザが電子絵筆200を用いて任意の位置に任意の強さで穂先230を接触させると、表示部101の対応する位置に当該電子絵筆200の筆使いや筆運びに応じた筆の特徴を有する描線や彩色等が画像として表示される。
このように、本実施形態に係る描画システムにおいては、電子絵筆の穂先が、絵画の制作のために用いられる実際の絵筆と同様に、複数の筆毛が束ね合わされた構成を有している。これにより、描画対象であるタブレット端末等のタッチパネルに電子絵筆の穂先を接触させて入力操作を行った場合であっても、実際の絵筆の穂先と同等の挙動(撓り)が再現されるので、実際の絵筆と同等の操作性や操作感で直感的に入力操作を行うことができる電子描画システムを実現することができる。
また、本実施形態に係る描画システムにおいては、電子絵筆の穂先の内部に複数の柔軟な圧電センサーが配置され、これらの圧電センサーの圧電効果により、穂先の撓り状態(撓り量や撓り方向)が正確に検出される。これにより、穂先の撓り状態に応じてフットプリントの形状や、その際の筆圧分布を正確に把握することができるので、入力操作時における電子絵筆の筆使いや筆運びに応じた筆の特徴(線の太さや擦れ具合、筆圧分布等)を描線や彩色等の表示に反映させることができる電子描画システムを実現することができる。
特に、本実施形態に係る描画システムにおいては、タッチパネルや地磁気センサー、周辺機器との通信機能等を標準的に備えた、汎用のタブレット端末やスマートフォン等の電子機器をそのまま使用することができる。そして、当該電子機器に上述した一連の入力操作解析動作や描画制御動作を実行するための制御プログラムをインストールするとともに、上述した構成を有する電子絵筆を用意することにより、本発明が適用される描画システムを簡易かつ安価に実現することができる。
(圧電センサーの他の構成例)
次に、本発明が適用される描画システムを構成する電子絵筆に適用される圧電センサーの他の構成例について説明する。
図12は、本発明が適用される描画システムを構成する電子絵筆に適用される圧電センサーの他の構成例を示す概略構成図である。ここで、上述した実施形態に示した圧電センサーと同等の構成については同一の符号を付してその説明を簡略化する。
上述した実施形態においては、図8に示したように、短冊状の圧電フィルム21の両面に薄膜電極22aおよび22bが形成された圧電体20が、弾性基材23の一面側に積層形成された圧電センサー201を、電子絵筆200の穂先230中に配置した構成を示した。上述した電子絵筆に適用される圧電センサーは、他の構成例として、弾性基材23の両面側にそれぞれ圧電体が積層形成された、いわゆるバイモルフ型の構造を有する圧電センサーを適用するものであってもよい。
本発明に適用可能な圧電センサーの他の構成例は、図12に示すように、絶縁性の弾性基材23の一面側(図面上面側)に圧電体20aが形成され、他面側(図面下面側)に圧電体20bが形成されている。ここで、圧電体20aは、短冊状の圧電フィルム21aの両面(図面上面および下面)に薄膜電極22aおよび22bが形成された構成を有し、圧電体20bは、短冊状の圧電フィルム21bの両面(図面下面および上面)に薄膜電極22cおよび22dが形成された構成を有している。そして、圧電体20aの薄膜電極22b側と圧電体20bの薄膜電極22d側とが共通に接地され、圧電体20aの薄膜電極22a側と圧電体20bの薄膜電極22c側とが共通に電圧検出器(上述したチャージアンプ202およびフィルタ/ADC203に相当する)に接続されている。すなわち、本構成例に係る圧電センサー201においては、弾性基板23の両面に圧電体20a、20bが圧電フィルム21a、21bの極性を合わせて接着された組合せ梁の構造を有している。
このような構成を有する圧電センサー201によれば、電圧検出器により圧電センサー201の撓り量に応じて、圧電フィルム21a、21bの各々において発生した電荷が合算された状態で検出されるので、上述した実施形態(図8参照)に示した圧電センサーに比較して、実質的に2倍の電荷量を検出することができる。したがって、本構成例に係る圧電センサー201を上述した実施形態に示した電子絵筆200の穂先230中に配置することにより、穂先230の撓り量に応じた電圧をより高感度に検出することができ、電子絵筆200の筆使いや筆運びに応じた筆の特徴を、より忠実に表示に反映させることができる。
なお、本構成例に係る圧電センサー201においては、弾性基材23の両面に圧電体20a、20bをそれぞれ接着した積層構造を有する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明に適用可能な圧電センサーは、例えば図8、図12に示した弾性基材23と圧電体20(または20a、20b)の層を、複数層交互に接着して積層した構造を有するものであってもよい。ここで、圧電体は、圧電センサー201全体の中立軸上に位置しないように積層されていることが好ましい。このような構成を有する圧電センサーにおいても、穂先の撓り量をより高感度に検出することができる。
(電子絵筆の他の構成例)
次に、本発明が適用される描画システムに適用される電子絵筆の他の構成例について説明する。
図13は、本発明が適用される描画システムに適用される電子絵筆の他の構成例を示す要部構成図である。図13(a)は、本構成例に係る電子絵筆の筆先部分を示す概略斜視図であり、図13(b)は、図13(a)に示したXIIIB−XIIIB線(本明細書では、図中に示したローマ数字の「13」に対応する符号として便宜的に「XIII」を用いる)に沿った穂先の断面を示す図である。図14は、本構成例に係る電子絵筆を示す要部分解図である。図14(a)は、本構成例に係る電子絵筆に適用される穂先の構造を説明するための分解斜視図であり、図14(b)は、図14(a)に示したXIVB−XIVB線(本明細書では、図中に示したローマ数字の「14」に対応する符号として便宜的に「XIV」を用いる)から見た矢視図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、その説明を簡略化する。
上述した実施形態においては、図3、図4に示したように、平筆型の穂先230を有する電子絵筆200における運筆状態を把握して、タブレット端末100の表示部101に表示される描線や彩色に反映させる場合について説明した。本発明に適用される電子絵筆は、他の構成例として、平筆以外の任意の形状の穂先を有するものであってもよい。本構成例においては、電子絵筆200が丸筆型の穂先230を有する場合について説明する。
本発明に適用可能な電子絵筆の他の構成例は、上述した実施形態と同様に、例えば図13(a)に示すように、棒状の柄軸210と、柄軸210の一端側の端部に取り付けられた穂先230と、穂先230を柄軸210に固定するための固定用基部210aと、を有している。ここで、本構成例においては、電子絵筆200は、一般の絵画の制作に用いられる丸筆と同等の外観および構成を有している。
穂先230は、図13(a)および図14(a)に示すように、複数の筆毛が束ねられた構成を有し、その一端側が固定用基部210aに挿入されて柄軸210に固定されている。ここで、電子絵筆200は、図13(a)、(b)に示すように、穂先230の断面が円形または楕円形を有している。また、穂先230中には、図13(b)および図14(a)、(b)に示すように、4個の圧電センサー201−11〜201−14(全ての圧電センサー201−11〜201−14を指す場合には「圧電センサー201」と表記する)が筆毛と同方向に配向され、かつ、各圧電センサー201−11〜201−14が所定の位置関係および相対角度を有した状態で束ねられている。
具体的には、穂先230は、例えば図13(b)および図14(a)、(b)に示すように、断面形状が扇形状を有するように筆毛が柱状に束ねられ、その延在方向に隣接する2平面が略直角をなす毛束232e〜232hと、当該毛束232e〜232h相互の境界に挟持されるように配置された圧電センサー201−11〜201−14と、を有している。すなわち、図13(b)および図14(b)に示すように、扇形状の断面を有する毛束232eと232fにおいて、境界面となる対向する2平面(図面上下方向の辺)の間には圧電センサー201−11が配置されている。また同様に、毛束232fと232gの対向する2平面(図面左右方向の辺)の間には圧電センサー201−12が配置され、同毛束232gと232hの対向する2平面(図面上下方向の辺)の間には圧電センサー201−13が配置され、同毛束232hと232eの対向する2平面(図面左右方向の辺)の間には圧電センサー201−14が配置されている。ここで、各圧電センサー201−11〜201−14は、上述した実施形態と同様に、短冊状の平面を有するフィルム部材からなり、それぞれの平面が上記の境界面に沿って延在するように配置されている。これにより、圧電センサー201−11および201−13と、圧電センサー201−12および201−14とは、それぞれの平面が相対的に直交するように配置される。そして、図14(a)、(b)に示すように、各境界に配置された圧電センサー201−11〜201−4は、隣接する毛束232e〜232hにより被覆された状態で束ねられている。これにより、図13(b)および図14(a)に示すように、断面が円形または楕円形を有する穂先230が形成される。
このような構成を有する電子絵筆においても、上述した実施形態と同様の入力操作解析方法を適用することができる。ここで、穂先230の先端部分(すなわち、タッチパネル102との接触領域)の形状が円形または楕円形を有する場合、当該形状の外周上の任意の複数の点を基準点として、その変位方向と変位量が判明すれば、穂先230の先端部分全体の変位を推定することができる。すなわち、電子絵筆200の穂先230中に、直交する2方向に平面が向くように配置された各圧電センサー201−11〜201−14の出力電圧を検出することにより、穂先230の撓り方向と撓り量を独立して検出することができる。そして、これらの変位成分をベクトル合成することにより、穂先230の先端部分の形状の、外周上の任意の点の変位方向と変位量を推定して、穂先230の先端部分全体の変位状態、すなわち電子絵筆200の運筆状態を判別することができる。
このように、本構成例に係る電子絵筆を適用した描画システムにおいても、上述した実施形態と同様に、実際の絵筆と同等の操作性や操作感で直感的に入力操作を行うことができる電子描画システムを実現することができる。また、入力操作時における電子絵筆の筆使いや筆運びに応じた筆の特徴(線の太さや擦れ具合、筆圧分布等)を有する描線や彩色等を表示に反映させることができる電子描画システムを実現することができる。
さらに、上述した実施形態および本構成例に係る電子絵筆を適用した描画システムにおいては、入力装置に適用される電子絵筆として、穂先230の種類や形状等が異なる複数の筆を備え、実際の絵画の制作の際と同様に、描画する部位や風合い等に応じて任意の絵筆を持ち替えて使用することができる。これにより、タブレット端末等の表示部において、当該電子絵筆の穂先の形状や、筆使いや筆運びに応じた筆の特徴を有する描線や彩色等を表示に反映させることができ、より現実に近似した操作性や操作感で直感的に絵画制作を行うことができる。
なお、上述した実施形態においては、圧電センサーを6つまたは4つ含む場合を例示して説明したが、圧電センサーを3つ以上含むものであってよい。圧電センサーを3つ以上含む場合は、複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の平面が互いに交差する向きに配置されていて、複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の平面が互いに交差する向きに配置されていれば、上述した手法によって、電子絵筆200の運筆状態を検出することができる。また、上述した実施形態においては、圧電センサーを穂先の内側に配置する場合を例示して説明したが、圧電センサーを穂先の外側に配置してもよい。圧電センサーを穂先の内側に配置した場合は、電子絵筆の外観を通常の絵筆とほぼ同様にすることができる。圧電センサーを穂先の外側に配置した場合は、例えば、穂先の外形に沿って複数の圧電センサーを配置することで、穂先の撓り状態をより正確に検出することができる。圧電センサーを穂先の内側と外側の両方に配置してもよい。
さらに、上述した実施形態においては、複数の筆毛を束ねたものを穂先とする場合を例示して説明したが、全体が一体的に形成されたものを穂先として、この穂先の内部に複数の圧電センサーを埋め込んだり、またはこの穂先の外側に複数の圧電センサーを配置するようにしてもよい。また、さらに、上述した実施形態においては、電子絵筆200のCPU207が撓り状態検出部として機能する場合を例示して説明したが、圧電センサー201の検出電圧を電子絵筆200の記憶部205に順次一時的に記憶しながら、これらの検出電圧を、電子絵筆200の通信機能部206およびタブレット端末100の通信機能部105を介して、タブレット端末100の記憶部104またはCPU106に随時送信し、検出電圧が記憶部104に送信された場合はタブレット端末100のCPU106が記憶部104から読み出した圧電センサー201の検出電圧に基づいて、また、検出電圧がCPU106に直接送信された場合はその検出電圧に基づいて、CPU106が、電子絵筆200の穂先230または各圧電センサー201の撓り状態を検出するようにしてもよい。この場合、電子絵筆200が電圧検出装置として機能し、タブレット端末100のCPU106が撓り状態検出装置として機能し、これらの装置全体が入力装置として機能する。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
[1]
所定の軸に沿って延在した形状を有する柄軸と、
前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられた穂先と、
一端部および他端部をそれぞれが有する平板状の複数の圧電センサーであって、前記複数の圧電センサーのそれぞれは、前記一端部が前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記平板状の面が前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられ、かつ、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置されていて、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる前記第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置された前記複数の圧電センサーと、
前記穂先の撓りに応じて前記複数の圧電センサーから出力される検出電圧に基づいて、前記穂先の撓り状態を検出する撓り状態検出部と、
を備えることを特徴とする入力装置である。
[2]
前記撓り状態検出部により検出された前記穂先の撓り状態に関するデータを外部に送信する通信機能部を、さらに備えていることを特徴とする[1]に記載の入力装置である。
[3]
所定の軸に沿って延在した形状を有する柄軸と、
前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられた穂先と、
一端部および他端部をそれぞれが有する平板状の複数の圧電センサーであって、前記複数の圧電センサーのそれぞれは、前記一端部が前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記平板状の面が前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられ、かつ、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置されていて、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる前記第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置された前記複数の圧電センサーと、
前記複数の圧電センサーの検出電圧を外部に送信する第1の通信機能部と、を有する電圧検出装置と、
前記電圧検出装置からの前記検出電圧を受信する第2の通信機能部と、
前記穂先の撓りに応じて前記複数の圧電センサーから出力される検出電圧に基づいて、前記穂先の撓り状態を検出する撓り状態検出部と、を有する撓り状態検出装置と、
を備えることを特徴とする入力装置である。
[4]
前記撓り状態検出部は、前記穂先の他端側の撓り量および撓り方向を、前記撓り状態として検出することを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の入力装置である。
[5]
前記穂先の前記他端側が接触される入力面を有し、前記穂先の接触位置を検出するタッチセンサーと、
前記穂先の接触位置と前記穂先の撓り状態とに基づいて、前記穂先の運筆状態を判別する運筆状態判別部と、
をさらに備えることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の入力装置である。
[6]
前記運筆状態判別部は、前記穂先の移動方向、前記穂先の前記入力面への接触領域の形状、および、前記穂先の前記入力面への接触圧力の分布を、前記運筆状態として判別することを特徴とする[5]に記載の入力装置である。
[7]
前記穂先の運筆状態に応じた画像を表示する表示部を、さらに備えることを特徴とする[5]または[6]に記載の入力装置である。
[8]
所定の軸に沿って延在した形状を有する柄軸の一端側の端部に前記柄軸の軸に沿って延在するように穂先が固定され、一端部および他端部をそれぞれが有する平板状の複数の圧電センサーの各前記一端部が前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記複数の圧電センサーの前記平板状の面が前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられ、かつ、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置されていて、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる前記第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置された入力装置の、前記穂先に物体が接触したときに前記穂先の他端側に生じた撓りに応じて前記複数の圧電センサーから出力される検出電圧を個別に検出し、
前記検出電圧に基づいて、前記複数の圧電センサーの撓り量および撓り方向を検出し、
前記複数の圧電センサーの撓り量および撓り方向に基づくベクトルを合成処理することにより、前記穂先の他端側の前記物体への接触領域の形状、および、前記穂先の前記入力面への接触圧力の分布を判別する、
ことを特徴とする入力操作解析方法である。
[9]
コンピュータに、
所定の軸に沿って延在した形状を有する柄軸の一端側の端部に前記柄軸の軸に沿って延在するように穂先が固定され、一端部および他端部をそれぞれが有する平板状の複数の圧電センサーの各前記一端部が前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記複数の圧電センサーの前記平板状の面が前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられ、かつ、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置されていて、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる前記第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置された入力装置の、前記穂先に物体が接触したときに前記穂先の他端側に生じた撓りに応じて発生する検出電圧を、前記複数の圧電センサーにより個別に検出させて、
前記検出電圧に基づいて、前記複数の圧電センサーの撓り量および撓り方向を検出させて、
前記複数の圧電センサーの撓り量および撓り方向に基づくベクトルを合成処理させることにより、前記穂先の他端側の前記物体への接触領域の形状、および、前記穂先の前記入力面への接触圧力の分布を判別させる、
ことを特徴とする入力操作解析プログラムである。
10、11 フットプリント
20、20a、20b 圧電体
21、21a、21b 圧電フィルム
22a〜22d 薄膜電極
23 弾性基材
100 タブレット端末
101 表示部
102 タッチパネル(タッチセンサー)
103 地磁気センサー
105 通信機能部
106 CPU(運筆状態判別部)
200 電子絵筆
201 圧電センサー
204 地磁気センサー
206 通信機能部
207 CPU(撓り状態検出部)
210 柄軸
230 穂先

Claims (9)

  1. 所定の軸に沿って延在した形状を有する柄軸と、
    前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられた穂先と、
    一端部および他端部をそれぞれが有する平板状の複数の圧電センサーであって、前記複数の圧電センサーのそれぞれは、前記一端部が前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記平板状の面が前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられ、かつ、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置されていて、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる前記第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置された前記複数の圧電センサーと、
    前記穂先の撓りに応じて前記複数の圧電センサーから出力される検出電圧に基づいて、前記穂先の撓り状態を検出する撓り状態検出部と、
    を備えることを特徴とする入力装置。
  2. 前記撓り状態検出部により検出された前記穂先の撓り状態に関するデータを外部に送信する通信機能部を、さらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
  3. 所定の軸に沿って延在した形状を有する柄軸と、
    前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられた穂先と、
    一端部および他端部をそれぞれが有する平板状の複数の圧電センサーであって、前記複数の圧電センサーのそれぞれは、前記一端部が前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記平板状の面が前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられ、かつ、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置されていて、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる前記第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置された前記複数の圧電センサーと、
    前記複数の圧電センサーの検出電圧を外部に送信する第1の通信機能部と、を有する電圧検出装置と、
    前記電圧検出装置からの前記検出電圧を受信する第2の通信機能部と、
    前記穂先の撓りに応じて前記複数の圧電センサーから出力される検出電圧に基づいて、前記穂先の撓り状態を検出する撓り状態検出部と、を有する撓り状態検出装置と、
    を備えることを特徴とする入力装置。
  4. 前記撓り状態検出部は、前記穂先の他端側の撓り量および撓り方向を、前記撓り状態として検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の入力装置。
  5. 前記穂先の前記他端側が接触される入力面を有し、前記穂先の接触位置を検出するタッチセンサーと、
    前記穂先の接触位置と前記穂先の撓り状態とに基づいて、前記穂先の運筆状態を判別する運筆状態判別部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の入力装置。
  6. 前記運筆状態判別部は、前記穂先の移動方向、前記穂先の前記入力面への接触領域の形状、および、前記穂先の前記入力面への接触圧力の分布を、前記運筆状態として判別することを特徴とする請求項5に記載の入力装置。
  7. 前記穂先の運筆状態に応じた画像を表示する表示部を、さらに備えることを特徴とする請求項5または6に記載の入力装置。
  8. 所定の軸に沿って延在した形状を有する柄軸の一端側の端部に前記柄軸の軸に沿って延在するように穂先が固定され、一端部および他端部をそれぞれが有する平板状の複数の圧電センサーの各前記一端部が前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記複数の圧電センサーの前記平板状の面が前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられ、かつ、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置されていて、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる前記第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置された入力装置の、前記穂先に物体が接触したときに前記穂先の他端側に生じた撓りに応じて前記複数の圧電センサーから出力される検出電圧を個別に検出し、
    前記検出電圧に基づいて、前記複数の圧電センサーの撓り量および撓り方向を検出し、
    前記複数の圧電センサーの撓り量および撓り方向に基づくベクトルを合成処理することにより、前記穂先の他端側の前記物体への接触領域の形状、および、前記穂先の前記入力面への接触圧力の分布を判別する、
    ことを特徴とする入力操作解析方法。
  9. コンピュータに、
    所定の軸に沿って延在した形状を有する柄軸の一端側の端部に前記柄軸の軸に沿って延在するように穂先が固定され、一端部および他端部をそれぞれが有する平板状の複数の圧電センサーの各前記一端部が前記柄軸の一端側の端部に固定され、前記複数の圧電センサーの前記平板状の面が前記柄軸の軸に沿って延在するように設けられ、かつ、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる第1の一対の圧電センサーの第1の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置されていて、前記複数の圧電センサーのうちから選ばれる前記第1の一対の圧電センサーとは異なる第2の一対の圧電センサーの第2の一対の前記平板状の面が互いに交差する向きに配置された入力装置の、前記穂先に物体が接触したときに前記穂先の他端側に生じた撓りに応じて発生する検出電圧を、前記複数の圧電センサーにより個別に検出させて、
    前記検出電圧に基づいて、前記複数の圧電センサーの撓り量および撓り方向を検出させて、
    前記複数の圧電センサーの撓り量および撓り方向に基づくベクトルを合成処理させることにより、前記穂先の他端側の前記物体への接触領域の形状、および、前記穂先の前記入力面への接触圧力の分布を判別させる、
    ことを特徴とする入力操作解析プログラム。

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