JPH07110736A - 手書き入力ペン及び手書き入力ペン装置 - Google Patents

手書き入力ペン及び手書き入力ペン装置

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JPH07110736A
JPH07110736A JP5255623A JP25562393A JPH07110736A JP H07110736 A JPH07110736 A JP H07110736A JP 5255623 A JP5255623 A JP 5255623A JP 25562393 A JP25562393 A JP 25562393A JP H07110736 A JPH07110736 A JP H07110736A
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pen
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JP5255623A
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English (en)
Inventor
Mutsuhiro Sekido
睦弘 関戸
Katsuzo Uenishi
勝三 上西
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 筆記板に位置検出構成を設けることなく、筆
記入力座標を得ることができるようにする。 【構成】 大きな圧力で筆記した場合、筆記速度とペン
先部材1及び筆記面7の摩擦による振動周波数との間に
は線形関係があり、筆記方向によってペン先部材の各部
曲げ応力が異なる。そこで、手書き入力ペンは、筆記時
に筆記面上を摩擦移動するペン先部材と、筆記時におけ
るペン先部材の振動及び曲げ応力を電気的特性変化に変
換する、周方向に等分割で設けられた複数の歪みゲージ
G1〜G3と、その電気的特性変化を電気的に検出する
振動検出回路6を備える。距離算出手段は、検出信号に
おける振動周波数成分から一旦移動速度を得た後に移動
距離を得、方向算出手段は、検出信号における曲げ応力
成分から移動方向を得、座標算出手段は、これら移動距
離及び移動方向から筆記座標を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手書きされた文字や記
号等の情報を文字情報処理装置等に入力させるための手
書き入力ペン及び手書き入力ペン装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】手書きされた文字や記号等(以下、単に
文字と呼ぶ)の情報を文字情報処理装置に入力させるた
めの装置としては、いわゆるデジタイザがあり、このデ
ジタイザにおいては、手書きされた文字の各点の座標を
順次出力することで文字の軌跡情報を出力する。従来、
座標検出方式としては、抵抗膜方式、電磁誘導方式、静
電結合方式等があり、原理は、筆記板側に、X−Y軸座
標検出用電気的構成が設けられており、手書き入力ペン
が筆記板に接した点の電気的特性の変化を読取り、座標
を計算して検出するものであった。
【0003】図2は、この内の従来における抵抗膜方式
の構造を示すものであり、図2(a)はその部分断面
図、図2(b)は平面図である。
【0004】図2において、ITO膜等からなる下部透
明電極12は、透明な例えばガラス板からなる矩形状基
板11の全面に単位面積当りの抵抗値が均一になるよう
に設けられており、ITO膜等からなる上部透明電極1
4は、透明な例えば高分子材料等からなるフレキシブル
な矩形状フィルム15の全面に単位面積当りの抵抗値が
均一になるように設けられており、これら下部透明電極
12及び上部透明電極14は、適度な密度に散在された
スペーサ13によって外力が加わらない状態で僅かな間
隙を保って対向するようになされている。
【0005】下部透明電極12は、例えば、Y方向の両
辺、すなわち図2(b)における上辺及び底辺に電極端
子12a及び12bを有し、一方、上部透明電極14
は、例えば、X方向の両辺、すなわち図2(b)におけ
る右辺及び左辺に電極端子14a及び14bを有する。
【0006】なお、抵抗膜方式の手書き入力ペン装置に
おける透明電極12、14の抵抗値は、液晶ディスプレ
イ等に用いられている透明電極の抵抗値より高抵抗にな
っている。
【0007】このような構成の手書き入力ペン装置にお
いて、手書き入力ペン16によってある点Pが押圧され
ると、下部透明電極12と上部透明電極14とは容易に
密接して電気的に接続される。なお、スペーサ13は、
手書き入力ペン16による押圧時に下部透明電極12及
び上部透明電極14間の点接触を許容する程度の間隙を
与えるように適度な密度に散在されている。
【0008】このような点Pと、上部透明電極14の各
電極端子14a、14bとの距離はそれぞれ、点Pと、
上部透明電極14の各電極端子14a、14bとの間の
抵抗値R2、R1に応じており、これら抵抗値R2、R
1の関係を電流値や電圧値で取り出すことにより、X方
向の位置を求めることができ、同様に、下部透明電極1
2について同様な処理を行なうことでY方向の位置を求
めることができる。具体的な位置算出方法についての説
明は省略するが、例えば、特願平1−204728号明
細書及び図面にかかる方法が記述されている。
【0009】以上のような座標検出動作を多数回繰返し
て、多数点のX−Y座標を検出し、手書き入力ペン16
の筆記動作の軌跡(筆跡:文字情報)が得られる。この
ような筆跡情報は、ディスプレイ装置に表示されたり、
文字認識に供したりする。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
手書きペン入力装置を、パーソナルコンピュータや電子
手帳等の液晶ディスプレイ面上に設置し、手書き入力し
た文字、図形をリアルタイムでディスプレイ装置に表示
する場合、ディスプレイ装置の前面に当該手書きペン入
力装置の筆記板が設置されるため、そのガラス基板によ
り視差が生じて表示内容が見にくくなるという欠点があ
った。
【0011】さらに、上述のように、筆記板側に電気的
特性を取り出すために透明電極を設けたり、小さなスペ
ーサを散在させて設けたりしているため、装置が高価に
なっていた。また、手書き入力ペン16により電極の抵
抗を2分割する接点をつくり、分割された抵抗の差を計
測して座標検出しているので、検出分解能を小さくする
と抵抗の差も小さくなってS/N比が大きく取れず、そ
の結果、検出分解能を小さくできないという欠点があっ
た。
【0012】電磁誘導方式や静電結合方式等でも、上述
のような視差が生じるという問題がある。また、位置検
出のために、抵抗膜方式より多い、数百本の電極をパタ
ーニングする微細加工等が必要となり、装置はさらに複
雑、高価となる。なお、多くの検出用電極を有するの
で、抵抗膜方式より検出分解能を小さくし易い。
【0013】上述したような種々の課題は、言い換える
と、筆記板側に位置検出用の構成を設けていることによ
り生じているということができる。
【0014】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、筆記面や筆記板に対する位置検出のための構
成を不要にできる、装置全体として見ても安価に、しか
も、高精度に位置情報を検出できる手書き入力ペン及び
手書き入力ペン装置を提供しようとしたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明の手書き入力ペンは、筆記時に筆記面上を摩
擦移動するペン先部材と、筆記時におけるペン先部材の
振動及び曲げ応力を電気的特性変化に変換する、周方向
に等分割で設けられた複数の歪みゲージと、各歪みゲー
ジの電気的特性変化を電気的に検出する振動検出回路と
を備えてなる。
【0016】ここで、各歪みゲージがそれぞれ、ペン先
部材に密接している対応する櫛歯板バネに設けられてい
ることが好ましい。
【0017】また、ペン先部材による筆記圧が所定以上
であることを検出する筆記圧検出手段と、この筆記圧検
出手段が所定以上の筆記圧を検出したときに、そのこと
を筆記者に報知するランプとをさらに備えることが好ま
しい。
【0018】本発明の手書き入力ペン装置は、上記構成
の手書き入力ペンと、その振動検出回路からの検出信号
における、ペン先部材の振動周波数成分から前回のサン
プリング時点からの移動距離を得る移動距離算出手段
と、振動検出回路からの検出信号における、ペン先部材
の曲げ応力成分から前回のサンプリング時点からの移動
方向を得る移動方向算出手段と、移動距離算出手段によ
る移動距離、及び、移動方向算出手段による移動方向か
ら今回のサンプリング時点での筆記座標を得る座標算出
手段とを備えてなる。
【0019】
【作用】本発明の手書き入力ペン及び手書き入力ペン装
置は、筆記位置の検出構成を筆記面側に不要とすること
で上記目的を達成しようとしたものである。
【0020】本発明の手書き入力ペン及び手書き入力ペ
ン装置は、所定圧力以上の筆記圧で筆記した場合、筆記
速度と、ペン先部材及び筆記面の摩擦による振動周波数
との間には線形な関係があること、及び、筆記方向によ
ってペン先部材の各部における曲げ応力が異なることに
基づいてなされたものである。
【0021】そこで、本発明の手書き入力ペンは、振動
周波数及び曲げ応力の情報を取り出すことができるよう
に、筆記時に筆記面上を摩擦移動するペン先部材と、筆
記時におけるペン先部材の振動及び曲げ応力を電気的特
性変化に変換する、周方向に等分割で設けられた複数の
歪みゲージと、各歪みゲージの電気的特性変化を電気的
に検出する振動検出回路とで構成された。
【0022】ここで、振動周波数や曲げ応力の情報を精
度良く取り出すことができるように、各歪みゲージをそ
れぞれ、ペン先部材に密接している対応する櫛歯板バネ
に設けることは好ましい。
【0023】また、筆記速度と、ペン先部材及び筆記面
の摩擦による振動周波数との間の線形な関係を確保すべ
く、ペン先部材による筆記圧が所定以上であることを検
出する筆記圧検出手段と、この筆記圧検出手段が所定以
上の筆記圧を検出したときに、そのことを筆記者に報知
するランプとをさらに備えることが好ましい。
【0024】本発明の手書き入力ペン装置においては、
移動距離算出手段は、振動検出回路からの検出信号にお
ける、ペン先部材の振動周波数成分から一旦移動速度を
得た後に前回のサンプリング時点からの移動距離を得、
一方、移動方向算出手段は、振動検出回路からの検出信
号における、ペン先部材の曲げ応力成分から前回のサン
プリング時点からの移動方向を得、そして、座標算出手
段は、これら移動距離及び移動方向から今回のサンプリ
ング時点での筆記座標を得る。
【0025】
【実施例】以下、本発明による手書き入力ペン及び手書
き入力ペン装置の一実施例を図面を参照しながら詳述す
る。ここで、図1は、この実施例の入力ペンを、そのケ
ースだけを破断して内部を示す斜視図である。
【0026】図1において、先端が縮径していると共に
開口している円筒形のケース4内の所定位置には、各種
部品を固定する円環状の固定板5が固定されて設けられ
ている。この固定板5の中央部には、ペン先部材1及び
板バネ2の基端が、ペン先部材1及び板バネ2が一体的
に上下動可能に取り付けられている。また、この固定板
5の上部には、マイクロスイッチ8が設けられている。
【0027】マイクロスイッチ8は、ペン先部材1及び
板バネ2が一体的に上動して所定圧以上で押圧されたと
きにオン動作して、図示しないリード線で電気的に接続
している、ケース4の外周面に設けられているランプ9
を点灯させるものである。ペン先部材1及び板バネ2の
下動は、これらの自重又はマイクロスイッチ8の操作子
の弾性力によってなされる。従って、筆記時における筆
記圧が所定圧以上でランプ9を点灯し、筆記されていな
いとき、及び、筆記時での筆記圧が所定圧未満のとき、
ランプ9を消灯させ、これにより、筆記圧を所定圧以上
にすることを促すようにしている。
【0028】なお、ペン先部材1だけが上下動するよう
にしても良い。また、マイクロスイッチ8のリード線
は、例えば固定板5の周囲に切欠きを設けて引き回せば
良い。さらに、ランプ9は、筆記者によって把持される
部分より下側又は上側に設けられていれば良い。
【0029】ペン先部材1は、プラスチック、鉄鋼等の
比較的摩耗量の少ない材料からなり、先端部が楕円体又
は放物面体形状を有し、それ以外がほぼ円筒形状を有す
るものである。このペン先部材1の先端部は、ケース1
先端の開口より外部に突出しており、筆記時に筆記板7
と接触移動するものである。ペン先部材1のケース4内
部に位置する大半の部分は、おおむね円筒形状の板バネ
2によって囲繞されている。
【0030】板バネ2は、鉄鋼等の弾性体材料からな
り、基端部側が上述のように固定板5に上下動可能に取
り付けられている。板バネ2は、先端から当該入力ペン
の軸線に平行に伸びる複数の切り込みがなされて、複数
の櫛歯板バネ部3−1、3−2、3−3、…が形成され
ている。複数の櫛歯板バネ部3−1、3−2、3−3、
…は、周方向を例えば4等分又は8等分しており、各櫛
歯板バネ部3−1、3−2、3−3、…の少なくとも先
端は、ペン先部材1に密接し、ペン先部材1の振動を受
振できるようになされている。
【0031】各櫛歯板バネ部3−1、3−2、3−3、
…にはそれぞれ、少なくとも1枚の歪みゲージG1、G
2、G3…が固着されている。各歪みゲージG1、G
2、G3…は、例えば、単結晶シリコンに見られるピエ
ゾ効果(ピエゾ抵抗効果又は圧電効果)を応用して機械
的歪みを受けると抵抗値が変化するなど電気的特性の変
化に変換するものであり、機械的応力の測定に広く用い
られているものと同様である。図1では断線して示して
いるが、各歪みゲージG1、G2、G3…からのリード
線L1、L2、L3、…は、振動検出回路部6に電気的
に接続されている。リード線L1、L2、L3、…は、
例えば固定板5の周囲に切欠きや開口を設けて引き回せ
ば良い。
【0032】振動検出回路部6は、例えば剛性を有する
プリント配線基板やフレキシブルプリント配線基板でな
り、ケース4内部に固定的に設けられている。振動検出
回路部6は、機械的歪みを受けた歪みゲージG1、G
2、G3…の電気的特性変化を検出するために設けられ
たホイートストンブリッジ回路及び増幅回路等を搭載し
ており、その検出信号をケーブル10を介して外部の座
標算出装置に与えるものである。
【0033】なお、上述した筆記板7は、ガラス板から
なるディスプレイ面でも良く、ディスプレイ面と無関係
な平面が比較的平滑な平板でも良い。この筆記板7には
特殊な機能をもたせる必要はないけれども、ペン先部材
1との摩擦係数が大きい材料を用いれば、後述するびび
り振動の振幅を大きくでき、検出信号におけるS/N比
を大きく取れて好ましい。
【0034】また、上述したマイクロスイッチ8のオン
・オフ信号も、ケーブル10を介して外部の座標算出装
置に与えられる。
【0035】図3は、ペン先部材11の位置変化(筆
跡)を検出する座標算出装置の構成を示す機能ブロック
図である。この座標算出装置は、パーソナルコンピュー
タ等によってソフトウェア的に実現されていても良く、
ハードウェアによる専用回路で実現されていても良い。
【0036】なお、図1に示した手書き入力ペンと、図
3に示した座標算出装置とによって、手書きペン入力装
置が構成される。
【0037】図3において、クロック発振器30は、筆
記時における位置更新周期を規定する第1のクロック信
号やアナログ/デジタル変換のサンプリング周期を規定
する第2のクロック信号を発生するものである。他の構
成要素の処理速度とも関係するが、第1のクロック信号
の周期が短いほど、位置検出の分解能は向上する。
【0038】第1のクロック信号は、ケーブル10を介
して信号検出回路部6に与えられる。このとき、振動検
出回路部6は、歪みゲージG1、G2、G3…の出力で
ある電気的特性変化を計測し、ペン先部材1の振動情報
(電位差のアナログ信号)を、ケーブル10を介して座
標算出装置に返送する。
【0039】このような振動情報には、ペン先部材11
と筆記板7との間で発生する摩擦振動(以下、びびり振
動と呼ぶ)に係る交流成分と、ペン先部材11の進行方
向(筆記方向)に係る直流成分とが含まれている。
【0040】座標算出回路は、各歪みゲージG1、G
2、G3…に対応したアナログ/デジタル変換部31−
1、31−2、31−3、…を備える。アナログ/デジ
タル変換部31−1、31−2、31−3、…はそれぞ
れ、振動検出回路部6からの各歪みゲージG1、G2、
G3…に対応した振動情報を、第2のクロック信号に基
づいてデジタル信号に変換して、対応する周波数解析部
32−1、32−2、32−3、…に与えるものであ
る。
【0041】周波数解析部32−1、32−2、32−
3、…はそれぞれ、フーリエ変換法等により振動の周波
数を解析し、びびり振動の周波数(以下、びびり振動数
と呼ぶ)を表す交流成分を距離算出部33に与え、その
直流成分を方向検出部34に与えるものである。
【0042】距離算出部33は、後に詳述するように、
びびり振動数は筆記速度に比例することに基づき、ま
ず、びびり振動数を筆記速度に変換し、この筆記速度を
次の第1のクロック信号が与えられるまで積分して距離
に直すものである。ここで、各歪みゲージG1、G2、
G3…には同一のびびり振動が伝わるので、周波数解析
部32−1、32−2、32−3、…からの交流成分の
周波数は等しい。そこで、距離算出部33は、周波数解
析部32−1、32−2、32−3、…からの交流成分
からそれぞれ距離を求めてその平均距離を出力しても良
く、また、レベル最大の交流成分を選択して距離を求め
るようにしても良い。
【0043】方向検出部34は、原理は後述するが、対
向する位置にある2個の歪みゲージについての直流成分
の正負の現われ方に基づき、それら2個の歪みゲージに
共通する垂直方向上のいずれの方向に移動しているかを
決定するものである。これら2個1組で得られた方向ベ
クトルを合成して入力ペンの移動方向を決定するもので
ある。
【0044】座標変換部35は、距離算出部33からの
移動距離情報と、方向検出部34からの方向情報とに基
づいて、前回の第1のクロック信号が生じた時点からの
移動ベクトルを求め、今回の第1のクロック信号が生じ
た時点でのペン先部材11の座標を求めて出力するもの
である。なお、この座標変換部35には、マイクロスイ
ッチ8のオン・オフ情報も入力されており、この情報が
オフのときには出力は無効を表すものとする。
【0045】また、上述のように、この実施例では、2
個の第1のクロック信号間の移動情報で次々と位置を検
出するものである。そこで、筆記板(例えばディスプレ
イ表面)7に筆記開始位置を規定するマークを付与する
ようにしても良い。
【0046】次に、びびり振動数によって2個の第1の
クロック信号間隔での移動距離が得られることについて
詳述する。
【0047】手書き入力ペンで文字又は図形をディスプ
レイ面等の筆記板7に筆記すると、ペン先部材11でデ
ィスプレイ面等の筆記板7を摩擦することになり、両者
間に必ずびびり振動が発生する。このびびり振動のびび
り振動数は、ペン先部材11や筆記板7の材料、及び、
筆記板7表面の凹凸等の表面状態から決定される摩擦係
数と、押付け圧力(筆記圧)と、筆記速度とにより決ま
る。
【0048】材料や表面状態から決定される摩擦係数
は、筆記板7を一定とした場合(例えばディスプレイ表
面に選定した場合)には、材料及び表面状態は固定され
ているので、びびり振動数に影響を与えない定数と考え
ることができる。従って、摩擦係数によるびびり振動の
変動は無視できる。
【0049】次に、ペン先部材1の筆記圧とびびり振動
数との関係を考える。筆記板7として、ディスプレイ面
を用いられているガラス板を考える。人間が高速度で文
字又は直線、曲線等の図形を筆記したときの筆記速度
は、実験の結果10m/s以下であった。そこで、筆記
速度を10m/sあるいは5m/sの等速度で筆記した
ときの筆記圧とびびり振動数との関係を求める実験を行
なった。図4は、この実験結果を示すものである。
【0050】図4に示すように、筆記速度10m/sの
場合においては、筆記圧に比例して振動数も増加する
が、筆記圧が約200グラム重以上になると振動数は飽
和して一定値を取る。また、筆記速度5m/sの場合に
おいても、筆記圧が約180グラム重以下では、びびり
振動数は筆記圧に比例するが、これ以上ではびびり振動
数は飽和して一定値を取る。同様なことは、筆記板7が
ガラス板より柔らかな紙の場合についても言え、この場
合には、筆記圧が約100グラム重でびびり振動数は飽
和する。
【0051】従って、ある筆記板7を対象とした場合
に、どの筆記速度でも飽和領域にある筆記圧で筆記させ
た場合、びびり振動数は筆記圧に無関係となる。例え
ば、筆記板7がガラスの場合に、筆記圧を例えば250
グラム重にすると、びびり振動数は筆記圧に無関係とな
る。上述したマイクロスイッチ8及びランプ9は、びび
り振動数が筆記圧に無関係となる筆記圧で筆記させるこ
とを確保させるために設けられたものである。
【0052】図5は、びびり振動数と筆記圧とを無関係
にした状態におけるびびり振動数と筆記速度との関係を
示したものである。具体的には、筆記板7がガラスであ
って、筆記圧を250グラム重に設定したときのびびり
振動数と筆記速度との関係を実験的に求めた結果を示し
たものである。
【0053】この図5から、びびり振動数は筆記速度に
比例することが分かる。従って、ペン先部材1のびびり
振動数を測定すると、ペン先部材1の筆記速度が分か
り、筆記速度が分かればその時間積分により筆記距離を
求めることができる。ここで、積分する時間(第1のク
ロック信号周期)を短くすると、その期間での速度変化
が少なく精度良く距離を得ることができると共に、筆跡
でのサンプリング位置も多くなって滑らかな筆跡データ
を得ることができて好ましい。このようなことを考慮し
て第1のクロック信号周期を選定すれば良い。
【0054】次に、方向検出部34によるペン先部材1
の筆記方向の検出方法について説明する。
【0055】ペン先部材1で筆記板7に筆記すると、ペ
ン先部材1には固定板5を中心として曲げ応力が働き、
固定板5を固定点としてたわむ。このとき、ペン先部材
1に密接している各櫛歯板バネ部3−1、3−2、3−
3、…も同時にたわむ。これにより、各櫛歯板バネ部3
−1、3−2、3−3、…には曲げ応力が生じて各歪み
ゲージG1、G2、G3、…の電気特性(ピエゾ抵抗効
果を利用したものであれば抵抗値)が変化する。曲げ応
力による歪みには振動成分はないから、曲げ応力による
歪みゲージG1、G2、G3、…の電気特性(ピエゾ抵
抗効果を利用したものであれば抵抗値)の変化によるホ
イートストンブリッジ回路の出力は直流成分となる。
【0056】例えば、歪みゲージG1、G2、G3、G
4が4個設けられて周方向を4分割するものであれば、
ペン先部材1の筆記方向のX軸、Y軸成分は、例えば、
歪みゲージG1と歪みゲージG2の電気特性(抵抗値)
の変化量(直流成分)の比で決まる。また、櫛歯板バネ
部3−1、3−2、3−3、…は、ペン先部材1の周囲
の90度又は45度の角間隔に配列されており、ペン先
部材1の筆記方向を振動方向とする櫛歯板バネ部3iに
かかる曲げ応力と、筆記方向の180度反対方向を振動
方向とする櫛歯板バネ部3jにかかる曲げ応力との方向
が逆方向であるため、それぞれに設けられた歪みゲージ
Gi,Gjの電気特性(抵抗値)の変化は正と負で出力
される。従って、X軸方向やY軸方向の正方向又は負方
向をも特定することができる。
【0057】なお、手書き入力ペンに対する持ち方によ
って、各歪みゲージG1、G2、G3、…の向きは変化
する。そこで、例えば、外部に露出しているランプ9や
専用の目印を所定方向(X軸方向の正方向)に一致する
ように持つことを予め指示したり、文字入力に先立って
X軸方向の正方向及びY軸方向の正方向に直線を筆記さ
せて各歪みゲージG1、G2、G3、…の向きを予め検
出しておくようにすれば良い。ここで、文字入力に先立
つ直線筆記で筆記距離をも規定しておけば、びびり振動
数と筆記速度との関係を確認することができ、筆記距離
の算出精度をも向上させることができる。
【0058】このような原理に従い、筆記板7上にペン
先部材1で文字又は図形を描くと、振動検出回路部6の
出力波形は曲げ応力による直流成分とびびり振動による
交流成分とが合成された波形となるので、図3について
説明したように、歪みゲージG1、G2、G3、…の出
力のそれぞれについて直流成分と交流成分とを分割し、
各歪みゲージの直流成分の値の比からX−Y座標におけ
るベクトルの向き(筆記方向)が算出でき、また、びび
り振動数から筆記距離を算出でき、これらにより移動距
離ベクトルが得られ、前回の終点位置に加えることで今
回のペン先部材1の筆記動作のX−Y座標を算出でき
る。このような位置検出を繰り返すことで筆跡データが
得られる。
【0059】従って、上記実施例によれば、手書き入力
ペンに設けられた位置検出のための構成だけで筆記され
た筆跡情報を得ることができる。その結果、筆記板には
位置検出のための構成が不要で、装置全体として製造等
を容易にできるようになり、また、安価にできる。ま
た、例えば、ディスプレイ面を筆記板とした場合、専用
の筆記板が不要であるので、表示に視差を生じさせるこ
とがない。
【0060】なお、装置が意図している材質以外の筆記
板で筆記されたとしても、例えば、ガラス板を意図した
場合に、紙面、金属板、プラスチック板等に筆記された
としても筆記速度は異なるが相似形の筆跡は得られ、筆
記動作を正確に追跡できている。従って、筆跡データを
文字認識等の大きさを問題としない処理で利用する場合
には問題とはならない。
【0061】また、上記実施例によれば、線形関係が良
好なびびり振動と移動速度との関係を利用して座標を得
ているので、得られた座標精度は高いものである。
【0062】上記実施例においては、筆記圧を検出する
ためにマイクロスイッチを設けたものを示したが、他の
構成によって筆記圧を検出しても良く、また、大きい筆
記圧で筆記することをマニュアル等で指示して筆記圧の
検出構成を省略するようにしても良い。
【0063】また、図3に示した座標算出装置の一部又
はすべてをペン内部に収容するようにしても良い。さら
に、ペンと座標算出装置との信号授受を無線によって行
なうようにしても良い。座標算出装置の詳細構成も図3
のものに限定されず、検出された振動信号の交流成分及
び直流成分から方向及び距離が得られるものであれば良
い。
【0064】さらに、上記実施例においては、歪みゲー
ジG1、G2、G3、…を櫛歯板バネ部31、32、3
3、…に設けたものを示したが、ペン先部材1に直接設
けるようにしても良い。なお、上記実施例のように、櫛
歯板バネ部31、32、33、…に設けた場合には、櫛
歯板バネ部31、32、33、…がびびり振動等の増幅
作用をも行なっており、好ましい実施態様である。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ペン先
部材と筆記板とが接触しているときの振動及びペン先部
材に生じた曲げ応力で座標を得ることができ、筆記板側
に座標位置の検出構成が不要な、装置全体として安価な
しかも十分な精度で座標位置を検出できる手書き入力ペ
ン及び手書き入力ペン装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の手書き入力ペンを示す一部破断斜視図
である。
【図2】従来装置を示す図である。
【図3】実施例の座標算出装置を示すブロック図であ
る。
【図4】筆記圧とびびり振動数との関係を示す説明図で
ある。
【図5】筆記圧一定での筆記速度とびびり振動数との関
係を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ペン先部材、3−1〜3−3…櫛歯板バネ部、G1
〜G3…歪みゲージ、6…振動検出回路部、8…マイク
ロスイッチ、9…ランプ、32−1〜32−3…周波数
解析部、33…距離算出部、34…方向算出部、35…
座標変換部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筆記時に筆記面上を摩擦移動するペン先
    部材と、 筆記時における上記ペン先部材の振動及び曲げ応力を電
    気的特性変化に変換する、周方向に等分割で設けられた
    複数の歪みゲージと、 上記各歪みゲージの電気的特性変化を電気的に検出する
    振動検出回路とを備えたことを特徴とする手書き入力ペ
    ン。
  2. 【請求項2】 上記各歪みゲージがそれぞれ、上記ペン
    先部材に密接している対応する櫛歯板バネに設けられて
    いることを特徴とした請求項1に記載の手書き入力ペ
    ン。
  3. 【請求項3】 上記ペン先部材による筆記圧が所定以上
    であることを検出する筆記圧検出手段と、この筆記圧検
    出手段が所定以上の筆記圧を検出したときに、そのこと
    を筆記者に報知するランプとをさらに備えたことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の手書き入力ペン。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの手書き入力ペ
    ンと、 その振動検出回路からの検出信号における、上記ペン先
    部材の振動周波数成分から前回のサンプリング時点から
    の移動距離を得る移動距離算出手段と、 上記振動検出回路からの検出信号における、上記ペン先
    部材の曲げ応力成分から前回のサンプリング時点からの
    移動方向を得る移動方向算出手段と、 上記移動距離算出手段による移動距離、及び、上記移動
    方向算出手段による移動方向から今回のサンプリング時
    点での筆記座標を得る座標算出手段とからなることを特
    徴とした手書き入力ペン装置。
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