JP2014006242A - 薄膜の膜形状測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明膜で覆われた測定対象物の表面形状、透明膜の表面形状および透明膜の膜厚を容易に測定する薄膜の膜形状測定方法を提供する。
【解決手段】透明膜31で覆われた測定対象物30の測定対象物表面30Aと参照面15とに照明光を照射しながら、測定対象物表面30Aと参照面15との距離を変動させ、測定対象物表面30Aと参照面15からの反射光による干渉縞に基づいて測定対象物面30Aの特定箇所の透明膜表面31Aの高さ、測定対象物表面30Aの高さ、および透明膜31の膜厚の少なくともいずれか一つを求める薄膜の膜形状測定方法において、照明光は3波長以上の複数の単波長からなり、透明膜31を有する測定対象物表面30Aと参照面15との両面からの反射光による干渉画像を撮像し、得られた干渉輝度信号に、モデル関数を適合して、透明膜表面31Aの高さ、測定対象物表面30Aの高さおよび透明膜31の膜厚を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明膜で覆われた測定対象物の表面形状および透明膜の厚みを測定する薄膜の膜形状測定方法に係り、特に、3波長以上の複数の単色光を用いて非接触で透明膜表面の高さ、測定対象面の高さ及び透明膜の膜厚を測定する薄膜の膜形状測定方法に関する。
従来のこの種の装置として、半導体ウエハや液晶表示器用ガラス基板などの精密加工品の凹凸形状を白色光の干渉を用いて測定する方法を利用した表面形状測定装置が広く知られている。従来の表面形状測定装置は、図10に示すように、白色光源90からの白色光を第1レンズ91を通してハーフミラー92まで導き、ハーフミラー92で反射された白色光を第2レンズ93によって集束して、その白色光をビームスプリッタ95を介して測定対象面96上に照射するように構成された干渉計を備えている。
干渉計のビームスプリッタ95では、測定対象面96に照射する白色光と、参照面94に照射する白色光とに分ける。参照面94に照射される白色光は、参照面94の反射部94aで反射して、ビームスプリッタ95に再び達する。一方、ビームスプリッタ95を通過した白色光は、測定対象面96上で反射してビームスプリッタ95に再び達する。ビームスプリッタ95は、参照面94の反射部94aで反射した白色光と、測定対象面96で反射した白色光とを再び同一の経路にまとめる。このとき、参照面94からビームスプリッタ95までの距離L1と、ビームスプリッタ95から測定対象面96までの距離L2との距離の差に応じた干渉現象が発生する。その干渉現象が発生した白色光は、ハーフミラー92を通過してCCDカメラ98に入射する。
CCDカメラ98は、その干渉現象が発生した白色光とともに、測定対象面96を撮像する。ここで、図示しない変動手段によって、ビームスプリッタ95側のユニットを上下に変動させて、距離L1と距離L2との差を変化させることで、CCDカメラ98に入射する白色光の波長が強め合ったり、弱め合ったりする。例えば、CCDカメラ98で撮像される領域内の測定対象面96上の特定箇所に着目した場合に、距離L2<距離L1から距離L2>距離L1になるまで、ビームスプリッタ95の位置を変動させる。これにより、特定箇所における干渉した白色光(以下、単に「干渉光」と呼ぶ)の強度を測定すると、理論的には図11に示すような結果が得られる。このときの干渉光の強度値変化の振幅が最大になる位置を求めることで、測定対象面の特定箇所の高さを求めることができる。同様にして、複数の特定箇所の高さを求めることで、測定対象面の凹凸形状を測定している。
具体的には、所定間隔で干渉光の強度値を測定して取得した離散的な干渉光の強度値のデータ群から干渉光の強度値変化の振幅が最大になる位置を求める必要がある。そこで、その振幅が最大になる位置を求める方法として、離散的なデータ群の平均値を算出し、算出された平均値を各強度値から減算し、算出されたそれぞれの値を、さらに2乗することによって、プラス側の強度値を強調したデータ群に変換して、このデータ群を平滑化した曲線(包絡線)を求める。この平滑化した曲線の最大値になる位置を求めることにより、特定箇所の表面高さを求めている。
特開平11−023229号公報 特開2004−361218号公報 特開2010−060420号公報
しかしながら、従来の方法では、次のような問題がある。すなわち、測定対象物の表面が透明膜で覆われている場合に、透明膜を透過して透明膜の裏面と接触している測定対象物との界面(以下、適宜「測定対象物表面」という)から反射した反射光に、当該透明膜表面で反射する反射光が重畳される。つまり、重畳された両反射光を干渉信号に変換すると、個別に得なければならない各干渉信号が重畳されてしまう。その結果、透明膜表面の反射光が外乱となり、測定対象物表面の高さを正確に測定することができず、ひいては、測定対象物の表面形状をも正確に測定することができないという問題がある。
これら2カ所での干渉現象は、透明膜の厚みよって、その現れ方が異なる。例えば、図12の左側のように、透明膜が厚い場合には2カ所の干渉現象それぞれが個別に現れ、透明膜表面の高さと測定対象物表面の高さ、さらに膜厚を求めることができる。(特許文献1) しかし、図12の右側のように透明膜が薄い場合には、透明膜表面と測定対象物表面からの反射光の干渉現象が略重畳した状態となり、それぞれの振幅最大値が波形上に重なった状態で現れる。このような場合には、従来の振幅最大値の位置情報を求める方法では、2カ所の干渉を分離することはできない。したがって、透明膜表面の高さ情報を得ることもできないし、透明膜の下にある測定対象物表面の高さ情報をも得ることができないといった問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、透明膜に覆われた測定対象物の特定箇所の透明膜表面の高さ、測定対象物表面の高さ、および透明膜の膜厚を精度よく求めることのできる薄膜の膜形状測定方法を提供することを主たる目的とする。
また、すでに、白色光や単色光からなる光源を用いて、表面形状を求める公知例は存在するが、特許文献2、3の方法では、モデルが複雑であり装置パラメータを事前に求めておく必要がある。しかし、本発明による方法では、測定対象物表面がサブミクロンオーダーの透明薄膜で覆われた場合においても、比較的容易に透明膜表面の高さ、測定対象物表面の高さおよび透明膜の膜厚が測定できる薄膜の膜形状測定方法を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、透明膜で覆われた測定対象物の測定対象物表面と参照面とに照明光を照射しながら、前記測定対象物表面と参照面との距離を変動させることにより、測定対象物表面と参照面から反射して同一光路を戻る反射光によって干渉縞の変化を生じさせ、このときの干渉光の強度値に基づいて測定対象物の特定箇所の透明膜表面の高さ、測定対象物表面の高さ、および透明膜の膜厚の少なくともいずれか一つを求める薄膜の膜形状測定方法において、照明光は3波長以上の複数の単波長からなり、透明膜を有する測定対象物表面と参照面との光路差を変化させて、両面からの反射光による干渉画像を撮像し、得られた干渉輝度信号に、モデル関数を適合して、前記透明膜表面の高さ、測定対象物表面の高さおよび透明膜の膜厚を求めることを特徴とする。
この方法によれば、各単波長毎の干渉光観測輝度値を干渉縞の物理モデルに適合させることにより、測定対象物の測定対象物表面の高さ、透明膜表面の高さおよび透明膜の膜厚を容易に求める事ができる。特に、白色光を用いた測定では困難な,透明膜の膜厚が1ミクロン以下の場合においても、測定対象物表面の高さと透明膜表面の高さを分離し、高精度に求めることが可能になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の薄膜の膜形状測定方法において、前記モデル関数が、参照面での反射と透明膜表面での反射による干渉信号と、参照面での反射と測定対象物表面での反射による干渉信号モデルとの和、

ここで、g(i,j)はデータ番号iで波長番号jのモデル関数値、a(j)は波長番号jの直流成分(=平均値)、b(j)は波長番号jの透明膜表面輝度交流成分の振幅、b(j)は波長番号jの測定対象物表面輝度交流成分の振幅、λ(j)は波長番号jの波長、z(i)はデータ番号iの高さ、zは透明膜表面高さ、zは測定対象物表面の高さ、として表すことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の薄膜の膜形状測定方法において、透明膜表面輝度交流成分の振幅と、測定対象物表面輝度交流成分の振幅、の振幅比が、測定に使用する各波長で共通な定数と仮定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか一つの請求項に記載の薄膜の膜形状測定方法において、前記適合するときの手法として、評価関数(標本点における実測値とモデル関数値の二乗誤差)をFとして、


ここで、g(i,j)およびgi,jは、データ番号iで波長番号jの、モデル関数値および観測輝度値、Mは使用した波長の数、Nは観測データ数、
このFを最小にする最小二乗法を用いることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の薄膜の膜形状測定方法において、測定対象物表面の高さが少なくとも1方向で均一であって、透明膜の表面高さが少なくとも前記1方向で均一であるとき、測定対象物表面と参照面との距離を、前記1方向で空間的に変動させるように参照面を傾けて、測定対象物表面と参照面から反射して同一光路を戻る反射光によって前記1方向に干渉縞を生じさせ、この干渉縞の、前記1方向と直交する方向における変化を、干渉画像として撮像し、得られた干渉輝度信号にモデル関数を適合して、前記透明膜表面の高さ、測定対象物表面の高さおよび透明膜の膜厚の、前記1方向と直交する方向での分布を求めることを特徴とする。
この方法によれば、測定対象が、測定対象物表面の高さが少なくとも1方向で均一であって、透明膜の表面高さが少なくとも前記1方向で均一であれば、一括撮像により、前記1方向と直交する方向における測定対象物表面の高さと透明膜表面の高さを分離し、その分布を高精度に求めることが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の薄膜の膜形状測定方法において、前記モデル関数が、参照面での反射と透明膜表面での反射による干渉信号と、参照面での反射と測定対象物表面での反射による干渉信号モデルとの和、

ここで、g(i,j)はデータ番号iで波長番号jのモデル関数値、a(j)は波長番号jの直流成分(=平均値)、b(j)は波長番号jの透明膜表面輝度交流成分の振幅、b(j)は波長番号jの測定対象物表面輝度交流成分の振幅、f(j)は波長番号jの縞の空間周波数、x(i)はデータ番号iの位置、xは透明膜表面ピーク位置、xは測定対象物表面ピーク位置、として表すことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の薄膜の膜形状測定方法において、透明膜表面輝度交流成分の振幅と、測定対象物表面輝度交流成分の振幅、の振幅比が、測定に使用する各波長で共通な定数と仮定することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5ないし請求項7のいずれか一つの請求項に記載の薄膜の膜形状測定方法において、前記適合するときの手法として、評価関数(標本点における実測値とモデル関数値の二乗誤差)をFとして、


ここで、g(i,j)およびgi,jは、データ番号iで波長番号jの、モデル関数値および観測輝度値、Mは使用した波長の数、Nは観測データ数、
このFを最小にする最小二乗法を用いることを特徴とする。
本発明では、複数の単波長の光源を用いて測定対象物の表面の透明薄膜の形状測定を干渉輝度データにモデル関数を適合させる手法を用いて、未知パラメータである透明膜表面の高さ、測定対象物表面の高さおよび透明膜の膜厚を求めることができる。
特に、従来測定では困難であった、透明膜の膜厚が1ミクロンメートル以下の薄膜の場合での、透明膜表面と測定対象物表面それぞれの高さ及び膜厚を高精度に求めることを可能にしている。
また、薄膜測定をおこなうにあたり、装置としては、干渉顕微鏡、3波長照明装置、カラーカメラ、記載していない垂直走査機構、パソコンがあれば、実施可能であり、容易に実施できる発明である。
本願に係る実施例1の表面形状測定装置の概略構成を示す図である。 実施例1における理論インタフェログラム(干渉図)を示す図である。 実施例1における透明膜表面輝度信号を示す図である。 実施例1に於ける測定対象物表面輝度信号を示す図である。 実施例2の表面形状測定装置の概略構成を示す図である。 実施例2の測定対象の形状を示す図である。 実施例2で撮像した画像を示す図である。 実施例2における公称膜厚200nm部分の透明膜表面輝度信号を示す図である。 実施例2における公称膜厚300nm部分の透明膜表面輝度信号を示す図である。 従来例に係る表面形状測定装置の概略構成を示す図である。 特定関数のピーク位置を求める処理を説明する図である。 従来法の透明膜対応測定原理を示す図である。
以下、本発明の特徴部分である表面形状測定装置全体で行われる処理を具体的に説明する。まず、図面を参照して本発明の実施の形態1について具体的に説明をする。図1は、本発明の実施の形態1に係る表面形状測定装置の概略構成を示す図である。
この表面形状測定装置は、半導体ウエハ、ガラス基板や金属基板などの測定対象物30の表面を覆った透明膜31および透明膜31の裏面側と接合している測定対象物30に形成された微細なパターンに光を照射する光学系ユニット1と、光学系ユニット1を制御する制御系ユニット2とを備えて構成されている。
光学系ユニット1は、測定対象物30の表面である測定対象物表面30A、透明膜31の表面である透明膜表面31Aおよび参照面15に照射する白色光を発生させる白色光源10と、白色光源10から白色光を平行光にするコリメートレンズ11と、特定周波数帯域の単色光だけを通過させるバンドパスフィルタ12と、バンドパスフィルタ12を通過してきた単色光を測定対象物30の方向に反射する一方、測定対象物30の方向からの白色光を通過させるハーフミラー13と、ハーフミラー13で反射されてきた単色光を集光する対物レンズ14と、対物レンズ14を通過してきた単色光を、参照面15へ反射させる参照光と、測定対象物表面30A、透明膜表面31Aへ通過させる測定光とに分けるとともに、参照面15で反射してきた参照光と測定対象物表面30A、透明膜表面31Aで反射してきた測定光とを再びまとめて、干渉縞を発生させるビームスプリッタ16と、参照光と測定光とがまとめられた単色光を結像する結像レンズ17と、干渉縞とともに測定対象物表面30Aを撮像する撮像装置18とを備えて構成されている。撮像装置18としては、波長の異なる複数の単色光の2次元の輝度画像を個々に画像データ化できる構成であれば良く、例えば、CCD固体撮像素子、MOSイメージセンサおよびCMOSイメージセンサなどが用いられる。
白色光源10は、例えば白色光ランプなどであり、比較的広い周波数帯域の白色光を発生させる。この白色光源10から発生された白色光は、コリメートレンズ11によって平行光とされ、バンドパスフィルタ12に入射する。
バンドパスフィルタ12は、特定周波数帯域の単色光だけを通過させるためのフィルタであり、白色光源10から撮像装置18までの光路に取り付けられる。好ましくは、白色光源10からの白色光が参照面15への参照光と測定対象物表面30Aの測定光に分かれる位置までの間の光路に取り付けられる。この実施例では、例えばコリメートレンズ11と、ハーフミラー13との間の光路に取り付けられている。バンドパスフィルタ12としては、例えば中心波長が480nm、560nm、600nmの帯域通過型光学干渉フィルタなどを利用する。このバンドパスフィルタ12を通過した各単色光は、その周波数帯域が狭められ、特定周波数帯域の各単色光だけがバンドパスフィルタ12を通過する。
ハーフミラー13は、バンドパスフィルタ12を通過してきた特定周波数帯域の各単色光を測定対象物30の方向に向けて反射する一方、測定対象物30の方向から戻ってきた各単色光を通過させるものである。このハーフミラー13で反射された特定周波数帯域の各単色光は、対物レンズ14に入射する。
対物レンズ14は、入射してきた各単色光を焦点に向けて集光するレンズである。この対物レンズ14によって集光される各単色光は、参照面15を通過し、ビームスプリッタ16に到達する。
ビームスプリッタ16は、対物レンズ14で集光される各単色光を、ビームスプリッタ16の例えば上面で反射させる参照光と、測定対象物表面30A、透明膜表面31Aで反射させるために、ビームスプリッタ16を通過させる測定光とに分けるとともに、参照面15で反射した参照光と、測定光とを再びまとめることによって、干渉縞を発生させるものである。ビームスプリッタ16に達した各単色光は、ビームスプリッタ16の上面で反射された参照光と、ビームスプリッタ16を通過する測定光とに分けられ、その参照光は参照面15に達し、その測定光は透明膜31で覆われた測定対象物30の透明膜表面31A、および透明膜31の裏面と接合した測定対象物表面30Aである測定対象面に達する。
参照面15には、参照光をビームスプリッタ16の方向に反射させるための反射部15aが取り付けられており、この反射部15によって反射された参照光は、ビームスプリッタ16に達し、さらに、この参照光はビームスプリッタ16によって反射される。
ビームスプリッタ16を通過した測定光は、焦点P0およびP1に向けて集光され、測定対象物表面30A,透明膜表面31A上で反射する。この反射した2つの測定光は、ビームスプリッタ16に達して、そのビームスプリッタ16を通過する。
ビームスプリッタ16は、参照光と測定光とを再びまとめる。このとき、参照面15とビームスプリッタ16との間の距離L1と、ビームスプリッタ16と透明膜表面31Aとの間の距離L2との、距離の違いによって光路差が生じる。この光路差に応じて、参照光と測定光とは干渉し合うことで、干渉縞が生じる。この干渉縞が生じた状態の単色光は、ハーフミラー13を通過し、結像レンズ17によって結像されて、撮像装置18に入射する。
撮像装置18は、干渉縞が生じた状態の単色光毎に、測定光によって映し出される測定対象物表面30Aの焦点P0,及び透明膜表面31Aの焦点P1それぞれの付近の画像を撮像する。この撮像した画像データは、制御系ユニット2によって収集される。また、後述で明らかになるが、本願発明の変動手段に相当する制御系ユニット2の駆動部24によって、例えば光学系ユニット1が上下に駆動される。特に、光学系ユニット1が上下方向に駆動されることによって、距離L1と距離L2との差が変化する。これにより、距離L1と距離L2との差に応じて、干渉縞が徐々に変化する。CCDカメラ18によって、後述する所定のサンプリング間隔ごとに、干渉縞の変化とともに測定対象物表面30A、透明膜表面31Aの画像が撮像され、その画像データが制御系ユニット2によって収集される。CCDカメラ18は、本発明における撮像手段に相当する。
制御系ユニット2は、表面形状測定装置の全体を統括的に制御や、所定の演算処理を行うためのCPU20と、CPU20によって逐次収集された画像データやCPU20での演算結果などの各種のデータを記憶するメモリ21と、サンプリング間隔やその他の設定情報を入力するマウスやキーボードなどの入力部22と、測定対象物表面30Aの画像などを表示するモニタ23と、CPU20の指示に応じて光学系ユニット1を上下左右に駆動する。例えば3軸駆動型のサーボモータなどの駆動機構で構成される駆動部24とを備えるコンピュータシステムで構成されている。なお、CPU20は、本発明におけるサンプリング手段および演算手段に、メモリ21は本発明における記憶手段に、駆動部24は本発明における変動手段にそれぞれ相当する。
CPU20は、いわゆる中央処理装置であって、撮像装置18、メモリ21及び駆動部24を制御するとともに、撮像装置18で撮像した干渉縞を含む測定対象物表面30Aの画像データに基づいて、測定対象物30の特定箇所の透明膜表面31Aの高さ、測定対象物表面30Aの高さ、および透明膜31の膜厚Dとを求める演算処理を行う。さらに、CPU20には、モニタ23と、キーボードやマウスなどの入力部22とが接続されており、操作者は、モニタ23に表示される操作画面を観察しながら、入力部22から各種の設定情報の入力を行う。また、モニタ23には、測定終了後に、測定対象物表面30Aの高さ、透明膜表面31Aの高さ、透明膜31の膜厚D、および測定対象面の凹凸形状などが数値や画像として表示される。
駆動部24は、光学系ユニット1内の参照面15とビームスプリッタ16との間の固定された距離L1と、ビームスプリッタ16と測定対象物表面30Aとの間の可変の距離L2との距離の差を変化させるために、光学系ユニット1を直交3軸方向に変動させる装置であり、CPU20からの指示によって光学系ユニット1をX,Y,Z軸方向に駆動する例えば3軸駆動型のサーボモータを備える駆動機構で構成されている。なお、駆動部24は、本発明における変動手段に相当し、本発明における相対的距離とは、参照面15とビームスプリッタ16との間の距離L1と、ビームスプリッタ16と透明膜表面31Aとの間の距離L2との差を示す。本実施例では、光学系ユニット1を動作させるが、例えば測定対象物30が載置される図示していないテーブルを直交3軸方向に変動させるようにしてもよい。
次に、本実施例1において用いるモデル関数について説明する。
まず、iを実測データ番号、jを波長番号とした場合のモデル関数式g(i,j)は、2光束の場合の干渉輝度信号の基本式は、次式で表される。
ここで、a(j)は波長番号jの輝度直流成分(=平均値)、b(j)は波長番号jの輝度交流成分の振幅、λ(j)は波長番号jの波長、zは反射面の高さ。
このを基に、透明膜表面での反射による干渉輝度g(i,j)、測定対象物表面での反射による干渉輝度g(i,j)、およびこれらの合算値をg(i,j)を式で表すと以下のようになる。

ここで、a(j)は波長番号jの輝度直流成分(=平均値)、b(j)は波長番号jの透明膜表面輝度交流成分の振幅、b(j)は波長番号jの測定対象物表面輝度交流成分の振幅、αは振幅比[=b(j)/b(j)](注:波長に依存しない定数と仮定)、λ(j)は波長番号jの波長、zは透明膜表面の高さ(透明膜表面輝度信号の0次ピーク位置)、zは測定対象物表面の高さ(測定対象物表面輝度信号の0次ピーク位置)
一方、実測干渉輝度値をgijとすると、以下の評価関数式における実測値とモデル関数値の自乗誤差を最小にするパラメータを求めることができれば、妥当なモデル関数を得ることが出来る。

ここで、Mは測定に用いる波長数、Nは観測データ数である。
ところで、cos波のモデルは、直流成分を除くと、Bcos(x+φ)で示され。そこで、1波長について、観測波形からはBとφの2つのパラメータが求まるが、これを2つの波形に分解しようとするとパラメータはB、B、φ、φと4つ変数となり、このままでは解けない。ところが、以下の2つのの前提条件を設けた場合
前提1:各波長のゼロ位相は同一(位相φ、φが各波長で共通)
前提2:各波長の振幅比が一定(上記(4)式に記載のとおりαが波長に依存しない)
波長数をmとしたら、前提1では本来2mとなるべき位相に関する未知パラメータ数が2となり、前提2では2mとなるべき振幅に関する未知パラメータ数がm+1となる。
この前提の基では、波長数mに対して観測パラメータ数は2m、未知パラメータ数はm+3となり、mが3以上であれば、2m≧m+3となり、未知パラメータの値を求めることが可能となる。
そこで、以下は、3波長の単色光を用いた場合を例にして述べる。
まず、評価関数は、Mを3として、式(4)を式(5)に代入すると以下の式が得られる。
・・・(6)
次に、最適値探索のための初期値を以下の方法を用いて決定する。
a(j): 直流成分;=観測輝度平均値
(j):振幅;=観測輝度レンジ(max−min)の1/(1+α)倍
α:振幅比;膜と基板の屈折率から推定
:透明膜表面の高さ,Z:測定対象物表面の高さ
さらに、ここで、
,Zの初期値計算は、観測輝度値から求めた0次縞高さをz0として、以下による。
α>1の場合:Z=Z (透明膜表面がゼロ次縞位置と仮定) ;Z=Z−nt
α<1の場合:Z=Z (測定対象物表面がゼロ次縞位置と仮定);Z=Z+nt
ここで、nは透明膜の屈折率を表す。
最後に、上記に基づき、透明膜表面および測定対象面の高さと膜厚を計算する。
すなわち、透明膜表面ピークの位置Zと測定対象物表面ピーク位置Zを高さに換算すると、
(1)透明膜表面の高さ S=Z
(2)膜厚 t=(Z−Z)/n
(3)測定対象物表面の高さ b=S−t
が、それぞれ求まる。
以下,垂直走査法による算出方法を用いて求めた実験事例を実施例1として示す。
(実施例1)
1−1.実験方法:
(1)対象信号:以下の条件で、理論インターフェログラム(干渉図)を作成した。
・用いた波長: 470nm,560nm,600nm
・透明膜表面干渉信号:
(1)=a(2)=a(3)=1;
(1)=b(2)=b(3)=1
・測定対象物表面干渉信号:
(1)=a(2)=a(3)=0.5;
(1)=b(2)=b(3)=0.5
・z1=0nm, z2=−200nm
・観測データ間隔: 5nm
・観測データレンジ: ±500nm
(2)推定方法:
・使用ソフト:MSExcelの最適化ツールであるSOLVER
・初期値: z1=50nm, z2=−250nm, α=2.5
・その他の初期値: 前記載のとおりで、
a(j):直流成分;=観測輝度平均値
(j):測定対象物表面輝度交流成分の振幅;
=観測輝度レンジ(max−min)の1/(1+α)倍
α:振幅比;膜と基板の屈折率から推定
:透明膜表面の高さ,z:測定対象物表面の高さ
さらに、
,zの初期値計算は、観測輝度値から求めた0次縞高さをz0として、以下による。
α>1の場合:z=z (透明膜表がゼロ次縞位置と仮定) ;z=z−nt
α<1の場合:z=z (測定対象物表面がゼロ次縞位置と仮定);z=z+nt

1−2.実験結果:
実験結果を表1に示した。結果としては、膜厚200nmを含め、9個の未知変数が正しく推定されたことを示している。また、適合された透明膜表面輝度信号を図3に、測定対象物表面輝度信号を図4に示した。

引き続き、測定対象物表面の高さが少なくとも1方向で均一であって、透明膜の表面高さが少なくとも前記1方向で均一であるときの、前記1方向と直交する方向における前記透明膜表面の高さ、測定対象物表面の高さおよび透明膜の膜厚の分布を一括で求める算出方法について、実施の形態2として記載する。
[実施の形態2(一括撮像法による算出方法)]
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2を説明する。
図5は、本発明の実施の形態2に係る表面形状測定装置の概略構成を示す図であり、図1に示した実施の形態1に係る表面形状測定装置とほぼ同じであるが、距離L1と距離L2の差がx方向で変動するように参照面15Aが傾いていること、また、測定時の距離L2は可変ではなく固定であり、撮像は一括で行うことが異なる。
また、実施の形態2では測定対象となる測定対象物30および透明膜31の形状は、図6に例を示すように、測定対象物表面30Aの高さが少なくとも1方向で均一であって、透明膜表面31Aの高さが少なくとも前記1方向で均一である必要があり、前記1方向が図5におけるx方向となるように配置される。
以上のように配置した測定対象は、x方向で測定対象物表面30Aの高さおよび透明膜表面31Aの高さがともに一定であるのに対して、x方向で距離L1が変動することから、距離L1と距離L2の差が変動、すなわち実施の形態1における特定点の測定で距離L2を変化させたのと同様にて干渉縞を生じさせることが出来る。
この干渉縞は撮像装置18により画像として取得でき、x方向と直行するy方向における測定対象物表面30Aの高さおよび透明膜表面31Aの高さに応じた干渉縞がx方向に現れる。
以下、図5に示す表面形状測定装置の構成で、一括撮像法を用いて、各ラインで、輝度データとモデル関数とを最小自乗法でフィッティングおこない、表面および裏面の高さと膜厚を算出する手順を説明する。
まず、ここで用いるモデル関数について説明する。
iを実測データ番号、jを波長番号とした場合のモデル関数式g(i,j)は、2光束の場合の干渉輝度信号の基本式は、次式で表される。
ここで、a(j)は波長番号jの輝度直流成分(=平均値)、b(j)は波長番号jの輝度交流成分の振幅、λ(j)は波長番号jの波長、xは反射面の位置。
これを基に、透明膜表面での反射による干渉輝度g1(i,j)、測定対象物表面での反射による干渉輝度g2(i,j)、およびこれらの合算値をg(i,j)を式で表すと以下のようになる。
ここで、a(j)は波長番号jの輝度直流成分(=平均値)、b(j)は波長番号jの透明膜表面輝度交流成分の振幅、b(j)は波長番号jの測定対象物表面輝度交流成分の振幅、αは振幅比[=b(j)/b(j)](注:波長に依存しない定数と仮定)f(j)は波長番号jの空間周波数、xは透明膜表面ピーク位置(透明膜表面輝度信号の0次ピーク位置)、xは測定対象物表面ピーク位置(測定対象物表面輝度信号の0次ピーク位置)
一方、実測干渉輝度値をgi,jとすると、実施の形態1の説明と同様、以下の評価関数式における実測値とモデル関数値の自乗誤差を最小にするパラメータを求めることができれば、妥当なモデル関数を得ることが出来る。、
ここで、Mは測定に用いる波長数、Nは観測データ数である。
したがって、式(10)を式(5)に代入して、3波長を用いることからMを3とすると、
となる。
次に当該方法による場合のパラメータは、3種の波長の単波長を用いると、変数jを含むパラメータがそれぞれ3種類になるので、未知パラメータは、a(j),b2(j),f(3),x,x,α の10個で、
換算パラメータ:f(2)=f(3)×λ/λ
f(1)=f(3)×λ/λ
となる。
また、以下の方法で、初期値を設定する。
・直流成分a(j)=輝度平均値
・振幅b(j)=輝度レンジの1/{2(1+α)}倍
・振幅比α=透明膜屈折率と測定対象物屈折率からの推定値
・周波数f(3)=縞本数からの目視推定値
・他の周波数f(2)=f(3)×λ/λ
f(1)=f(3)×λ/λ
・画素−高さ換算係数:Δ=(λ/2)×f (単位:nm/画素)
・透明膜表面ピーク位置x,測定対象物表面ピーク位置xはαと表面傾斜方向により、以下にように推定する。
・α>1の場合:x=0、x=−nt/Δ
・α<1の場合:x=0、x=nt/Δ
また、フィッティング(適合)時のデータの範囲としては、設定した測定領域内のデータを用いる。この場合ゼロ次縞位置を座標原点(x=0)とした。
次に、透明膜表面の高さと測定対象物表面の高さおよび透明膜の膜厚計算をおこなう。
この場合、得られた透明膜表面ピーク位置(x),測定対象物表面ピーク位置(x)に,0次縞位置を加算して補正し、高さに換算する。
すなわち、以下の計算をおこなう。
(1)透明膜表面の高さ s=(x+0次縞位置)×Δ
(2)透明膜の膜厚 t=abs(x−x)×Δ/n
(3)測定対象物表面の高さ b=s−t
また、上記「一括撮像法による算出方法」において、さらに下記のように、変形例が行われる場合もある。
一つは、「輝度データの正規化」であり、この目的は、3波長の輝度信号強度にアンバランスがある場合、それを緩和するためにおこなわれる。具体的には、フィッティング前に、輝度値を正規化し、輝度値をほぼ[0〜2]の範囲内に収める。当該正規化方法は、
正規化輝度値=[(輝度値−平均値)/{(最大値−最小値)/2}+1]
とする。
さらに、上記「一括撮像法による算出方法」において、設定した初期値より正しい結果が得られなかった場合の解決方法として「広域探索モード」法を用いて最適値を探索することもできる。これは、膜厚初期値を変えながら、最適値を探索する方法である。例えば、評価関数値が最小値であるものを選択する。
(実施例2)
上記、[一括撮像法による算出方法]を用いて求めた実験事例を実施例2として示す。
2−1.実施方法:
(1)測定対象物の対象信号: 膜厚段差試料を用いた。
・膜厚(公称値):200nm部分と300nm部分が階段状に形成。
・膜の種類: ウエハー上のシリコン酸化膜(屈折率1.46)
(2)撮像方法
・光学系: 干渉顕微鏡
・撮像装置カメラ: 3板式カラーカメラ
・光源: 波長:470nm、560nm、600nmの3波長混合照明。
(3)推定方法
・適合アルゴリズム: 非線形最適化法。
・未知パラメータ: a(j)、b(j)、x、x、f(3)、α
2−2.実施結果。
図7に、膜厚段差試料の一括撮像法による取得画像を示す。図7ではモノクロ表示になっているが、実際はカラー画像を取得しており、3波長の各波長毎の強度が得られる。図8は公称膜厚が200nm部分のX方向における各波長(Bは470nm、Gは560nm、Rは600nm、以下同様)の透明膜表面輝度信号の変化を示しており、図9は公称膜厚が300nmの部分でのX方向における各波長画像を示している。図8および図9にグラフを示すデータを基に、上記未知パラメータの推定を、マイクロソフト社Excelの最適化ツールであるSOLVERを用いて求めたが、その際、前述の方法で初期値を設定した。具体的にa(j)、b2(j)の初期値に関しては図8および図9のデータから、公称膜厚200nmの部分に関しては表2およびα=0.5という仮定から表3のように、公称膜厚が300nmの部分に関しては表4およびα=0.5という仮定から表5のように得ている。
最終的に得られた未知パラメータの推定値は、公称膜厚200nmの部分については表6に示すとおりで、公称膜厚300nmの部分については表7に示すとおりである。


パラメータの推定値を用いて求めた膜厚は、画素−高さ換算計数Δが、Δ=λ(3)/2×f(3)=6.12(nm)と求まり、膜厚t=(x1−x2)の絶対値×Δ/nであり、シリコン酸化膜の屈折率は1.46であることから、公称膜厚200nmの部分で205nm、公称膜厚300nmの部分で293nmと、公称値と近い値が得られた。
本発明を用いれば、透明膜で覆われた測定対象面の凹凸形状および厚みを測定する表面形状および膜厚測定方法に係り、特に、(3波長以上の)複数の単色光を用いて非接触で測定対象物上の透明膜表面の高さ、測定対象物表面の高さおよび透明膜膜厚を測定することができる。特に、特定されていない多くの未知パラメータが存在しても、適宜初期値を設定することにより、効率良くnmレベルで測定を行うことができる。
1 光学系ユニット
2 制御系ユニット
10 白色光源
11 コリメートレンズ
12 バンドパスフィルター
13 ハーフミラー
14 対物レンズ
15、15A 参照面
16 ビームスプリッタ
17 結像レンズ
18 撮像装置
20 CPU
21 メモリ
22 入力部
23 モニタ
24 駆動部
30 測定対象物
30A 測定対象物表面
31 透明膜
31A 透明膜表面

Claims (8)

  1. 透明膜で覆われた測定対象物の測定対象物表面と参照面とに照明光を照射しながら、前記測定対象物表面と参照面との距離を変動させることにより、測定対象物表面と参照面から反射して同一光路を戻る反射光によって干渉縞の変化を生じさせ、このときの干渉光の強度値に基づいて測定対象物の特定箇所の透明膜表面の高さ、測定対象物表面の高さ、および透明膜の膜厚の少なくともいずれか一つを求める薄膜の膜形状測定方法において、照明光は3波長以上の複数の単波長からなり、透明膜を有する測定対象物表面と参照面との光路差を変化させて、両面からの反射光による干渉画像を撮像し、得られた干渉輝度信号に、モデル関数を適合して、前記透明膜表面の高さ、測定対象物表面の高さおよび透明膜の膜厚を求めることを特徴とする薄膜の膜形状測定方法。
  2. 請求項1に記載の薄膜の膜形状測定方法において、前記モデル関数が、参照面での反射と透明膜表面での反射による干渉信号と、参照面での反射と測定対象物表面での反射による干渉信号モデルとの和、

    ここで、g(i,j)はデータ番号iで波長番号jのモデル関数値、a(j)は波長番号jの直流成分(=平均値)、b(j)は波長番号jの透明膜表面輝度交流成分の振幅、b(j)は波長番号jの測定対象物表面輝度交流成分の振幅、λ(j)は波長番号jの波長、z(i)はデータ番号iの高さ、zは透明膜表面高さ、zは測定対象物表面の高さ、として表すことを特徴とする薄膜の膜形状測定方法。
  3. 請求項2に記載の薄膜の膜形状測定方法において、透明膜表面輝度交流成分の振幅と、
    測定対象物表面輝度交流成分の振幅、の振幅比が、測定に使用する各波長で共通な定数と仮定することを特徴とする、薄膜の膜形状測定方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一つの請求項に記載の薄膜の膜形状測定方法において、前記適合するときの手法として、評価関数(標本点における実測値とモデル関数値の二乗誤差)をFとして、


    ここで、g(i,j)およびgi,jは、データ番号iで波長番号jの、モデル関数値および観測輝度値、Mは使用した波長の数、Nは観測データ数、
    このFを最小にする最小二乗法を用いることを特徴とする薄膜の膜形状測定方法。
  5. 請求項1に記載の薄膜の測定方法において、測定対象物表面の高さが少なくとも1方向で均一であって、透明膜の表面高さが少なくとも前記1方向で均一であるとき、測定対象物表面と参照面との距離を、前記1方向で空間的に変動させるように参照面を傾けて、測定対象物表面と参照面から反射して同一光路を戻る反射光によって前記1方向に干渉縞を生じさせ、この干渉縞の、前記1方向と直交する方向における変化を、干渉画像として撮像し、得られた干渉輝度信号にモデル関数を適合して、前記透明膜表面の高さ、測定対象物表面の高さおよび透明膜の膜厚の、前記1方向と直交する方向での分布を求めることを特徴とする薄膜の膜形状測定方法。
  6. 請求項5に記載の薄膜の膜形状測定方法において、前記モデル関数が、参照面での反射と透明膜表面での反射による干渉信号と、参照面での反射と測定対象物表面での反射による干渉信号モデルとの和、

    ここで、g(i,j)はデータ番号iで波長番号jのモデル関数値、a(j)は波長番号jの直流成分(=平均値)、b(j)は波長番号jの透明膜表面輝度交流成分の振幅、b(j)は波長番号jの測定対象物表面輝度交流成分の振幅、f(j)は波長番号jの縞の空間周波数、x(i)はデータ番号iの位置、xは透明膜表面ピーク位置、xは測定対象物表面ピーク位置、として表すことを特徴とする薄膜の膜形状測定方法。
  7. 請求項6に記載の薄膜の膜形状測定方法において、透明膜表面輝度交流成分の振幅と、
    測定対象物表面輝度交流成分の振幅、の振幅比が、測定に使用する各波長で共通な定数と仮定することを特徴とする、薄膜の膜形状測定方法。
  8. 請求項5ないし請求項7のいずれか一つの請求項に記載の薄膜の膜形状測定方法において、前記適合するときの手法として、評価関数(標本点における実測値とモデル関数値の二乗誤差)をFとして、


    ここで、g(i,j)およびgi,jは、データ番号iで波長番号jの、モデル関数値および観測輝度値、Mは使用した波長の数、Nは観測データ数、
    このFを最小にする最小二乗法を用いることを特徴とする薄膜の膜形状測定方法。
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