JP2014003833A - インバータ制御装置と電動圧縮機および電気機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘起電圧波形のゼロクロス点の検出が不可能、すなわちロータの相対位置が認識できないような運転状態となった場合における同期運転では、電圧低下に対して脱調停止するという課題を有していた。
【解決手段】ブラシレスDCモータの目標回転数に応じて所定の周波数で通電角180度未満の波形を出力する同期転流中に、電圧低下を検出した場合、電圧の変動幅に合わせてモータへ通電する間隔を遅くする事により、強制的に回転数を下げることで、ロータの相対位置が認識できないような運転状態となった場合であっても、電圧低下に対して脱調することを防ぎ、運転持続可能なモータの運転制御を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシレスDCモータのインバータ制御装置における通電制御方式に関するものであり、またインバータ制御装置を用いた電動圧縮機および該インバータ制御装置によって駆動されるブラシレスDCモータを具備した家庭用冷蔵庫等の電気機器における制御方式に関するものである。
従来、この種のインバータ制御装置は、ブラシレスDCモータのロータ磁極位置に応じて、ステータの三相巻線の通電相の切換え、すなわち転流動作を行なうことで回転磁界を発生させ、ロータが出力トルクを得るように制御される。したがって、ブラシレスDCモータの運転においては、ステータ巻線電流により発生する磁束に対してロータ磁束の相対関係を得ることが必要である。
ホール素子等のセンサを用いたモータでは、センサによりロータ磁極位置を正確に認識することができるため、間接的な誘起電圧によるロータ磁極位置を検知などの必要がなく、センサから直接ロータ磁極位置が判断できるので、容易にモータ制御を行なうことができる。
しかしながら、密閉型圧縮機においては、ホール素子等のセンサを埋め込むこと自体が、使用環境によるセンサ故障、冷媒漏れなどの信頼性、センサ一体型による故障時のモータのメンテナンスの観点から採用が容易ではなく、一般的にはホール素子等のセンサを用いずにステータ巻線に生じる誘起電圧によりロータ磁極位置を検知するセンサレス方式のインバータ制御装置が用いられている。
一般に、センサレス方式のインバータ制御装置の波形制御としては、120度通電波形が採用されているものが多く、ブラシレスDCモータを駆動するシステムにおいては、電気角120度の期間インバータの各相スイッチを導通させ、残りの電気角60度の区間を無制御としている。この場合、無制御期間中の電気角60度を用い、上下アームのスイッチのオフ期間中にモータ端子に現れる誘起電圧を観測することにより、ロータ磁極位置を得ている。
また近年、モータの高効率化を図るためロータ内部に永久磁石を埋め込み、磁石に起因するトルクのみならずリラクタンスに起因するトルクを発生させることにより、モータ電流を増加させることなく全体として発生トルクを大きくすることができる埋込磁石構造のブラシレスDCモータが多く用いられてきている。
以下、図面を参照しながら、上記従来のインバータ制御装置について説明する。
図6は、上記特許文献1に記載された従来のインバータ制御装置の構成を示す図である。図7は、インバータ制御装置の各部の信号波形および処理内容を示すタイムチャートである。
図6において、直流電源001の端子間に3対のスイッチングトランジスタTru、Trx、TrV、Try、Trw、Trzをそれぞれ直列接続してインバータ回路部140を構成している。ブラシレスDCモータ105は、4極の分布巻き構造のステータ105bと、ロータ105aで構成されている。ロータ105aは、内部に永久磁石105α、105βを埋め込んだ磁石埋込型構造である。
各対のスイッチングトランジスタ同士の接続点は、ブラシレスDCモータ105のY接続された各相のステータ巻線105u、105V、105wの端子にそれぞれ接続されている。
尚、スイッチングトランジスタTru、Trx、TrV、Try、Trw、Trzのコレクタ−エミッタ端子間には、それぞれ保護用の還流ダイオードDu、Dx、DV、Dy、Dw、Dzが接続されている。
抵抗101、102は、母線103、104間に直列に接続されており、その共通接続点である検出端子ONは、ブラシレスDCモータ105のステータ巻線105u、105V、105wの中性点の電圧に相当する直流電源001の電圧の1/2である仮想中性点の電圧VNを出力するようになっている。
コンパレータ106a、106b、106cは、これらの各非反転入力端子(+)が、抵抗107、108、109を介して出力端子OU、OV、OWにそれぞれ接続され、各反転入力端子(−)が、検出端子ONに接続されている。
そして、これらのコンパレータ106a、106b、106cの出力端子は、論理手段であるマイクロプロセッサ110の入力端子I1、I2、I3にそれぞれ接続されている。またその出力端子O1からO6は、ドライブ回路120を介してトランジスタTru、Trx、TrV、Try、Trw、Trzを駆動する。
ブラシレスDCモータ105は、4極分布巻き構造で、ロータ105aがロータ表面に永久磁石105α、105βを配置した表面磁石構造となっている。
次に図7を用いて制御動作について説明する。
(A)、(B)、(C)は定常動作時におけるステータ巻線105u、105V、105wの端子電圧Vu、VV、Vwを示すものである。
これらの端子電圧は、インバータ回路部140による供給電圧Vua、VVa、Vwaと、ステータ巻線105u、105V、105wに発生する誘起電圧Vub、VVb、Vwbと、転流切り換え時にインバータ回路部140のダイオードDu、Dx、DV、Dy、Dw、Dzの内のいずれかが導通することにより生じるパルス状のスパイク電圧Vuc、VVc、Vwcとの合成波形となる。これらの端子電圧Vu、VV、Vwと直流電源001の1/2の電圧である仮想中性点電圧VNとコンパレータ106a、106b、106cにより比較した出力信号PSu、PSV、PSwを(D)、(E)、(F)に示す。
この場合、コンパレータの出力信号PSu、PSV、PSwは、前述の誘起電圧Vub、VVb、Vwbの正および負ならびに位相を表わす信号PSua、PSVa、PSwaと、前述のパルス状電圧のVuc、VVc、Vwcに対応する信号PSub、PSVb、PSwbとからなる。
また、パルス状電圧のVuc、VVc、Vwcは、ウェイトタイマにより無視しているので、コンパレータの出力信号PSu、PSV、PSwは、結果として誘起電圧Vub、VVb、Vwbの正および負ならびに位相を示すものとなる。
マイクロプロセッサ110は、各コンパレータの出力信号PSu、PSV、PSwの状態に基づいて(G)に示す6つのモードA〜Fを認識し、出力信号PSu、PSV、PS
wのレベルが変化した時点から電気角で30度だけ遅らせて、ドライブ信号DSu(J)からDSz(O)を出力する。
モードA〜Fの各時間T(H)は、電気角60度を示すものであり、A〜Fの1/2の時間(I)すなわちT/2は、電気角で30度に相当する遅延時間を示すものである。
このように、ブラシレスDCモータ105のロータ105aの回転に応じて、ステータ巻線105u、105V、105wに生ずる誘起電圧からロータ105aの位置状態を検出するとともに、その誘起電圧の変化時間(T)を検出してステータ巻線105u、105V、105wへの通電モードおよびタイミングにより各相ステータ巻線105u、105V、105wの通電のための駆動信号を決定して実行させるようにしている。
特開平1−8890号公報
しかしながら、上記特許文献に記載された、誘起電圧により位置検出をおこなっている従来の制御方法では、誘起電圧波形のゼロクロス点の検出が不可能、すなわちロータの相対位置が認識できないような運転状態となった場合においては、制御不能であり、電圧低下に対して脱調停止するという課題を有していた。
本発明は、それを解決するもので、目標回転数およびその時点の運転回転数に基づいて、所定の周波数の駆動波形によって強制的に転流を継続する制御を行ない、電圧低下時には電圧の変動幅に合わせてモータへ通電する間隔を遅くする事により、強制的に回転数を下げることでモータの運転状態を維持する事により、同期運転でより安定したモータ動作を実現する信頼性の高いインバータ制御装置を提供するものである。
上記従来の課題を解決するために本発明のインバータ制御装置は、永久磁石を設けたロータと三相巻線を設けたステータからなるブラシレスDCモータと、前記ブラシレスDCモータを駆動するインバータ回路部と、前記インバータ回路部に加わる電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータ回路部の三相出力電圧を制御する出力電圧制御手段と、前記ブラシレスDCモータの誘起電圧と前記インバータ回路部の出力電圧により生成した基準電圧を比較検出する位置検出回路部と、前記位置検出回路部の信号に基づき誘起電圧ゼロクロス点からロータ位置検出信号を出力する位置検出判定手段と、前記位置検出判定手段からの出力信号に基づき前記インバータ回路部の転流波形を出力する位置検知転流制御手段と、前記ブラシレスDCモータの目標回転数に応じて所定の周波数で通電角180度未満の波形を出力する同期転流制御手段を備え、同期転流中に前記電圧検出手段により電圧低下を検出した場合、電圧の変動幅に合わせてモータへ通電する間隔を遅くする事により、強制的に回転数を下げるようにしたものである。
また、前記位置検出回路部の信号に基づき前記インバータ回路部の出力電圧位相に対する誘起電圧位相の位相差を検出するとともに位相状態に応じて前記出力電圧制御手段による三相出力電圧を変化させ、インバータ回路部の出力電圧に対するロータ誘起電圧位相を所定の位相に保つ位相差判定手段を備え、同期転流による動作において、ロータ位相の変化状態に応じて出力電圧を変化させモータの運転状態を追従させるようにしたものである。
そして、目標回転数およびその時点の運転回転数に基づいて、所定の周波数の駆動波形による同期転流中に、電圧低下を検出した場合、電圧の変動幅に合わせてモータへ通電する間隔を遅くする事により、強制的に回転数を下げて運転を持続するようにしたものである。
したがって、誘起電圧波形のゼロクロス点の検出が不可能、すなわちロータの相対位置が認識できないような運転状態となった場合に、電圧低下がした場合においても運転を継続できるので、より安定したモータ動作を実現することができる。
本発明のインバータ制御装置は、ブラシレスDCモータのセンサレス駆動において、目標回転数の増加、負荷トルク変動などの要因により、ロータの磁極位置検知が困難な運転状態で行なう同期運転中に電圧低下が発生した際でも、安定した運転動作の継続を可能とすることができる。
本発明の実施の形態1におけるインバータ制御装置のブロック図 同実施の形態1におけるインバータ制御装置の各部の信号波形と処理内容を示すタイムチャート 同実施の形態1における制御動作を示すフローチャート 同実施の形態1における電圧低下制御を示すフローチャート 同実施の形態1における電圧低下制御のタイムチャート 従来のインバータ制御装置の構成を示す図 従来のインバータ制御装置の各部の信号波形および処理内容を示す図
第1の発明は、永久磁石を設けたロータと三相巻線を設けたステータからなるブラシレスDCモータと、前記ブラシレスDCモータを駆動するインバータ回路部と、前記インバータ回路部に加わる電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータ回路部の三相出力電圧を制御する出力電圧制御手段と、前記ブラシレスDCモータの誘起電圧と前記インバータ回路部の出力電圧により生成した基準電圧を比較検出する位置検出回路部と、前記位置検出回路部の信号に基づき誘起電圧ゼロクロス点からロータ位置検出信号を出力する位置検出判定手段と、前記位置検出判定手段からの出力信号に基づき前記インバータ回路部の転流波形を出力する位置検知転流制御手段と、前記ブラシレスDCモータの目標回転数に応じて所定の周波数で通電角180度未満の波形を出力する同期転流制御手段を備え、同期転流制御手段は、前記電圧検出手段により電圧低下を検出した場合、前記同期転流制御手段は、電圧の変動幅に合わせてモータの通電相への切換間隔を遅くし、強制的に前記ブラシレスDCモータの回転数を下げるようにしたものである。
前記同期転流制御手段は、インバータ回路部出力電流の周波数を強制的に同期周波数で出力するので、負荷トルクの増加により電流位相に対するロータ位相、すなわち誘起電圧位相が遅れた場合、相対的に誘起電圧位相に対する電流位相は進み位相となり、ステータ磁束を低減させるため誘起電圧が減少し、その結果モータ電流が増加し出力トルクを増加させるため、運転範囲を拡大することができるものである。
したがって、同期転流中に電圧低下が発生した場合、モータの通電相への切換間隔を遅くすることで、回転数を下げられることによる脱調防止、回転数低下により消費トルクを下がることにより、容量が定められている電源の電圧低下量の軽減を行なうことができるので、より安定した同期運転を実現することができる。
第2の発明は、前記同期転流制御手段は、前記電圧検出手段により電圧低下を検出して、電圧の変動幅に合わせてモータへ通電する間隔を遅くしたとき、所定の時間は、前回以上の電圧低下を検出した場合のみ電圧の変動幅に合わせてモータの通電相への切換間隔を遅くしたものである。
したがって、連続的に電圧低下が繰り返されている場合は、電圧の下がり幅により、回転数を維持し続けることが可能な電圧範囲では回転数を下げることなく運転でき、電圧の変動に追従して、常に回転数が不安定になるということを防止することができる。
第3の発明は、前記同期転流制御手段は、前記電圧検出手段により電圧低下を検出して、電圧の変動幅に合わせてモータへ通電する間隔を遅くしたとき、電圧低下が許容される電圧値以上でなければ、電圧低下によるモータの通電相への切換間隔を遅くする制御を解除しないようにしたものである。
したがって、通常電圧に戻らないままに電圧低下が繰り返されている場合において、電圧低下による制限を解除した時に、再度低下処理を行なうことによる消費トルクの発生と回転数変動を抑える事ができる。
第4の発明は、前記ブラシレスDCモータのロータを、内部に永久磁石が埋め込まれ突極性を有する構成としたものである。
したがって、センサレス駆動による運転限界領域において、同期転流により電流位相を進み位相とすることでリラクタンストルクを増加することが可能であり、出力電圧上限においてもさらに運転範囲を拡大することができる。
第5の発明は、前記ブラシレスDCモータを具備し、インバータ制御装置によって駆動される電動圧縮機である。
したがって、ブラシレスDCモータの低回転数領域は高効率、高回転数領域は高トルクでの運転が可能となり、また冷凍サイクルの負荷変動に追従する信頼性の高い電動圧縮機を提供することができる。
請求項6に記載の発明は、前記ブラシレスDCモータを具備し、請求項1から5のいずれか一項に記載のインバータ制御装置によって前記ブラシレスDCモータを駆動する電気機器である。
したがって、高効率で運転範囲が広く、信頼性の高い駆動制御を行う家庭用冷蔵庫等の電気機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるインバータ制御装置のブロック図である。図2は、同実施の形態1におけるインバータ制御装置の各部の信号波形と処理内容を示すタイムチャートである。図3は、同実施の形態1における制御動作を示すフローチャートである。
図1において、インバータ制御装置200は、商用交流電源201と、周知の構成からなる圧縮機構220aとブラシレスDCモータ203を具備した電動圧縮機220に接続
されており、商用交流電源201を直流電源に変換する整流部202と、電動圧縮機220のブラシレスDCモータ203を駆動するインバータ回路部204を備えている。
さらにインバータ回路部204を駆動するドライブ回路205と、ブラシレスDCモータ203の端子電圧を検出する位置検出回路部206と、インバータ回路部204を制御するマイクロプロセッサ207を備えている。
マイクロプロセッサ207は、位置検出回路部206からの出力信号に対してブラシレスDCモータ203の磁極位置を検出する位置検出判定手段208と、位置検出信号に基づいて転流信号を生成する位置検知転流制御手段209とを備えている。
また、マイクロプロセッサ207は、位置検出回路部206からの出力信号により、インバータ回路部204の出力電圧位相に対するブラシレスDCモータ203の誘起電圧位相の位相差を検出する位相判定手段210と、位相差検出信号に基づいて転流信号を生成する同期転流制御手段211を備えている。
さらに、位置検出判定手段208からの出力に基づいて回転速度を算出する回転速度検出手段212と、回転速度と回転速度指令、または位相差に応じて出力電圧にPWM変調を行うための出力電圧制御手段213と、位置検知転流制御手段209または同期転流制御手段211の出力により、ドライブ回路205を駆動するためのドライブ制御手段214を備えている。
さらに、インバータ回路部204の電圧値を検出する電圧検出手段215を備えている。
ブラシレスDCモータ203は、3相巻線のステータ203aとロータ203bとで構成されている。
ステータ203aは、ステータ巻線203u、203V、203wにより構成され、ロータ203bは、内部に永久磁石203α、203β、203γ、203δ、203ε、203ζを配置し、リラクタンストルクを発生する磁石埋込型構造である。
インバータ回路部204は、6つの三相ブリッジ接続されたスイッチングトランジスタTru、Trx、TrV、Try、Trw、Trzと、それぞれに並列に接続された環流ダイオードDu、Dx、DV、Dy、Dw、Dzより構成されている。
位置検出回路部206は、コンパレータ(図示せず)等から構成されており、ブラシレスDCモータ203の誘起電圧に基づく端子電圧信号と基準電圧とをコンパレータにより比較して位置検出信号を得ている。
位置検出判定手段208は、位置検出回路部206の出力信号から、ロータ203bの位置信号を得て位置検出信号を生成し、位置検知転流制御手段209は、位置検知転流制御手段209の位置検出信号によって転流のタイミングを計算し、スイッチングトランジスタTru、Trx、TrV、Try、Trw、Trzの転流信号を生成する。
また、位置検知転流制御手段209は、電圧検出手段215の電圧値が変動した時、電圧低下を検出した場合は、スイッチングトランジスタTru、Trx、TrV、Try、Trw、Trzの転流信号をドライブ制御手段214へ伝達するタイミングを遅くする。
位相差判定手段210は、位置検出回路部206の出力信号から、インバータ回路部2
04の出力電圧位相とステータ巻線203u、203V、203wに発生する誘起電圧位相の位相差信号を生成し、同期転流制御手段211は、回転速度指令によって転流のタイミングを計算し、スイッチングトランジスタTru、Trx、TrV、Try、Trw、Trzの転流信号を生成する。
回転速度検出手段212は、位置検出判定手段208からの位置信号によってブラシレスDCモータ203の回転速度を算出し、回転速度検出手段212から得られた回転速度と指令回転速度との偏差を出力する。
出力電圧制御手段213は、回転速度検出手段212の偏差信号、または位相差判定手段210の位相差信号の状態に応じて、インバータ出力電圧のPWM変調信号を出力する。
ドライブ制御手段214は出力電圧制御手段213のPWM変調デューティ値、回転速度検出手段212の回転数偏差信号に応じて、位置検知転流制御手段209と同期転流制御手段211のいずれかの転流信号によってドライブ回路205を駆動する。
出力電圧制御手段213のPWM変調デューティ値が上限で、回転数偏差が所定の値以上が継続した場合、位置検知転流から強制同期転流へ切り換える。
そして、ドライブ制御手段214は、位置検出転流手段209、または同期転流制御手段211の転流信号と出力電圧制御手段213のPWM変調信号を合成し、スイッチングトランジスタTru、Trx、TrV、Try、Trw、TrzをON/OFFするドライブ信号を生成し、ドライブ回路205へ出力する。
ドライブ回路205では、ドライブ信号に基づき、スイッチングトランジスタTru、Trx、TrV、Try、Trw、TrzのON/OFFスイッチングを行い、ブラシレスDCモータ203を駆動する。
次に、図2に示すインバータ制御装置の各種波形について説明する。
(A)、(B)、(C)は、ブラシレスDCモータ203のU相、V相、W相の端子電圧Vu、VV、Vwであり、それぞれの位相が120度ずつずれた状態で変化する。
これらの端子電圧は、インバータ回路部204による供給電圧Vua、VVa、Vwaと、ステータ巻線203u、203V、203wに発生する誘起電圧Vub、VVb、Vwbと、転流切り換え時にインバータ回路部204の還流ダイオードDu、Dx、DV、Dy、Dw、Dzの内のいずれかが導通することにより生じるパルス状のスパイク電圧Vuc、VVc、Vwcとの合成波形となる。
また、各相端子電圧(値)Vu、VV、Vwと直流電源電圧1の1/2の電圧である仮想中性点電圧(値)VNとを比較し、各コンパレータ(図示せず)より出力する出力信号がPSu、PSV、PSwである。
この出力信号は、供給電圧Vua、VVa、Vwaに対応する出力信号PSua、PSVa、PSwaと、スパイク電圧Vuc、VVc、Vwcに対応する出力信号PSuc、PSVc、PSwcと、誘起電圧Vub、VVb、Vwbと仮想中性点電圧VNの比較中の期間に相当する出力信号PSub、PSVb、PSwbとの合成信号となる。
ここで、誘起電圧位相が中間位相の場合のPSu、PSV、PSwは、(D)、(E)
、(F)であり、その時の位相差判定手段の出力信号の状態が(G)となる。
また、誘起電圧位相が遅れ位相の場合のPSu、PSV、PSwは、(H)、(I)、(J)であり、その時の位相差判定手段の出力信号の状態が(K)となる。
同様に、誘起電圧位相が進み位相の場合のPSu、PSV、PSwは(L)、(M)、(N)であり、その時の位相差判定手段の出力信号の状態は(O)である。
マイクロプロセッサ207は、目標回転数に応じて基準タイマカウント値(P)のカウント動作を行ない、強制同期基準信号(Q)を発生する。
さらに、強制同期基準信号を基準として、一定間隔で転流信号(R)、およびサンプリング開始信号(S)を発生し、転流信号の状態に応じて、ドライブ信号DSu(T)からDSz(Y)を出力する。
続いて、図3のフローチャートにより、インバータ制御装置200の詳細な動作について説明する。
図3において、各ステップは位相差判定手段210、同期転流制御手段211、出力電圧制御手段213の動作を示す。
まず、ステップ101において、基準タイマによって目標周波数に対する電気角120度に相当する基準時間のタイマカウントを開始する。
ここで、ステップ101は強制同期基準信号(Q)の発生時点であり、後述する位相進み判定期間に相当する。
その後、ステップ102において、位置検出回路部206からの出力信号PSu、PSV、PSwの状態の検出を行ない、スイッチングトランジスタTru、Trx、TrV、Try、Trw、Trzの出力状態、すなわち図2における動作モードの状態に応じた出力信号PSu、PSV、PSwの状態によって位相検出判定を行う。
ここで、誘起電圧の立上り期間においては、該当通電相は電気角60度に相当する期間、無通電状態となる。U相、V相、W相の無通電期間の開始前後において、それぞれ下側ドライブ信号DSx、DSy、DSzが、上側ドライブ信号DSu、DSV、DSwへと切り換えが行なわれる。
インバータ回路部204の出力電圧が立上り波形の場合において、誘起電圧が進み位相の場合、位相進み検出期間の期間中、端子電圧が仮想中性点電圧値VNを下回ることがなく位置検出回路部出力が‘L’信号となることはない。すなわち位置検出回路部出力の‘L’信号を検出した場合、ステップ103で誘起電圧位相が進み位相状態ではないと判断し進み位相状態をセットする。
そして、ステップ104において基準タイマカウント値(P)が転流時間、例えば電気角30度に相当する時間を経過するまでステップ102に戻り、進み位相検知判定を継続する。転流時間を経過した場合、ステップ105に進む。
ステップ105は、転流信号(R)を発生させて、U相、V相、またはW相の状態に応じて、それぞれ上側ドライブ信号DSu、DSV、またはDSwをONとして転流動作を行なう。
その後、ステップ106において、基準タイマカウント値(P)が遅れ位相検知開始時間が経過するまで待機する。
ステップ106は、基準タイマカウント値(P)が遅れ位相検知開始時間、例えば電気角90度に相当する時間の直前100μs手前の時間を経過した場合、位置検出回路部206からの出力信号PSu、PSV、PSwの状態の検出を行ない、スイッチングトランジスタTru、Trx、TrV、Try、Trw、Trzの出力状態、すなわち図2における動作モードの状態に応じた出力信号PSu、PSV、PSwの状態によって位相検出判定を行う。
インバータ回路部204の出力電圧が立下り波形の場合において、誘起電圧が遅れ位相の場合、位相遅れ検出期間の期間中、端子電圧が仮想中性点電圧値VNを上回るため、位置検出回路部出力が‘H’信号となる。すなわち位置検出回路部出力の‘H’信号を検出した場合、ステップ103で誘起電圧位相が遅れ位相状態であると判断し遅れ位相状態をセットする。
そして、ステップ109において基準タイマカウント値(P)が転流時間を経過するまでステップ107に戻り遅れ位相検知を継続し、転流時間を経過した場合、ステップ110に進む。
ステップ110は、転流信号(R)を発生させて、U相、V相、またはW相の状態に応じて、それぞれ下側ドライブ信号DSx、DSy、またはDSzをONとして転流動作を行なう。
その後、ステップ111において、基準タイマカウント値(P)が進み位相検知開始時間が経過するまで待機する。
続いて、ステップ112は、基準タイマカウント値(P)が進み位相検知開始時間、例えば電気角90度に相当する時間の直後100μsの時間を経過した場合、位置検出回路部206からの出力信号PSu、PSV、PSwの状態の検出を行ない、スイッチングトランジスタTru、Trx、TrV、Try、Trw、Trzの出力状態、すなわち図2における動作モードの状態に応じた出力信号PSu、PSV、PSwの状態によって位相検出判定を行う。
以後ステップ112およびステップ113は、進み位相判定期間であり前述のステップ102およびステップ103と同様に誘起電圧の進み位相検知を行なう。
そして、ステップ113において、基準タイマカウント値(P)が基準時間、例えば電気角120度に相当する時間を経過するまで、ステップ112に戻り進み位相検知を継続し、基準時間を経過した場合、ステップ115に進む。
ステップ113で基準タイマカウント値(P)が基準時間を経過した場合は、ステップ114に進む。
ステップ114は、遅れ位相状態の判定を行ない、下側ドライブ信号出力直前まで該当相のコンパレータ出力が‘H’状態を継続した状態となり、誘起電圧の位相が極端な遅れ位相状態となっていた場合、ステップ115で、出力電圧制御手段 は電圧PWM制御信号の出力デューティを一定値だけ増加させる。ステップ115の後は、ステップ101に戻り、以下同様の動作を繰り返す。
一方、ステップ114で誘起電圧の状態が遅れ位相状態でない場合、ステップ116に進む。
ステップ116は、進み位相状態の判定を行ない、上側ドライブ信号出力直前まで該当相のコンパレータ出力が‘H’状態を継続した状態となり、誘起電圧の位相が極端な進み位相状態となっていた場合、ステップ117で、出力電圧制御手段 は電圧PWM制御信号の出力デューティを一定値だけ減少させる。ステップ117の後は、ステップ101に戻り、以下同様の動作を繰り返す。
すなわち、本制御は、ブラシレスDCモータの各相端子電圧(値)Vu、VV、Vwと直流電源電圧1の1/2の電圧である仮想中性点電圧(値)VNとの比較によって、インバータ回路部の転流動作による各相出力電圧位相と、ロータ磁束変化によりステータ巻線に発生する誘起電圧の位相差を判定し、インバータ出力電圧位相に対して誘起電圧位相が遅れている場合に、インバータ回路出力電圧を増加し、逆にインバータ出力電圧位相に対して誘起電圧位相が進んでいる場合に、インバータ回路出力電圧を減少するものである。
したがって、負荷トルク変動、または目標回転数の変化等の原因によってブラシレスDCモータの運転状態が変化した場合においても、インバータ出力電圧に対する誘起電圧位相の状態に応じてインバータ出力電圧が変化することで、ブラシレスDCモータの強制転流による同期運転時において、モータ出力トルクが過剰トルクまたは不足トルクとなることで脱調停止することを防止し、安定したモータ動作を実現することができる。
さらに、ロータ203bの内部に永久磁石203α、203β、203γ、203δ、203ε、203ζを配置した構成とすることで、リラクタンストルクを有効に活用することができ、センサレス駆動による運転限界領域において、同期転流により電流位相を進み位相とすることでリラクタンストルクを増加することが可能であり、出力電圧上限においてもさらに運転範囲を拡大することができる。
次に、同期転流中に電圧低下が発生した時の制御について図4、図5を用いて説明を行なう。
図4は、同実施の形態1における電圧低下制御を示すフローチャート、図5は、同実施の形態1における電圧低下制御のタイムチャートを示している。
まず、図4にて電圧低下制御の概要を説明した後、図5にて電圧低下制御の一例を、タイムチャートを使用して説明する。
ステップ201にて、電圧低下制御開始の処理に入った時、ステップ202にて既に電圧低下制御有効か無効かについて電圧低下制御の初期処理が必要かどうかを判断する。
電圧低下制御が有効であれば、一度はステップ203〜ステップ209を通り、初期処理が行なわれているため、初期処理をスキップして、ステップ210へ移行する。
電圧低下制御が無効であれば、ステップ203へ移行し、電圧低下制御が有効となる条件を満たしているかどうかの処理に移る。
ステップ203は、現在の電圧即値(例えば4ms毎に入力した値そのもの)が電圧低下制御を行なわなければいけない基準電圧V1以下であり、かつ、平均電圧(例えば20ms毎に4ms毎に入力した5つの値を平均化したもの)が、電圧低下制御が有効である時に電圧低下制御に入った電圧以下、つまり、基準電圧V1から電圧が下がり続けている状態であるか、一旦は電圧低下から復帰したが、再度同現象となったかどうかを判断する箇所である。ここでは、立て続けに電圧が変動された時に都度電圧低下制御に入れるので
はなく、本当に入れなければいけない場合を判断している。ステップ203で条件を満たさない場合は、ステップ204へ移行し、条件を満たした場合は、電圧低下制御の初期設定を行なう為にステップ205へ移行する。
また、基準電圧V1との比較には平均値では確定までに時間を要し、適正な箇所で処理ができない可能性があるため、敢えて即値を使用する。
ステップ204は、ステップ203の少なくとも一方の条件を満たしていない状態である。どの負荷を使用するにあたっても、電圧低下制御を入れなければ停止を免れない最低電圧V2が必ず存在する。電圧即値が基準電圧V1未満である場合は、V2以下である可能性があり、V2以下である場合は電圧低下制御に入れるためにステップ205へ移行する。V2以上である場合は電圧低下制御を行なわなくても問題がないため、ステップ210へ移行する。ここでもステップ203同様に素早く処理の判断ができるように電圧即値を比較対象として用いる。
ステップ205は、電圧低下制御を行なう時に使用する電圧偏差を決定する為の基準電圧を決定する処理であり、基準電圧の最大値は電圧低下制御を行なわなければいけない基準電圧V1とするため、電圧平均値が基準電圧V1と比較し、基準電圧V1よりも大きい場合は、ステップ206へ移行して、基準値はV1とし、電圧平均値が基準電圧V1未満である場合は、ステップ207へ移行して基準値は電圧平均値そのものとする。
電圧低下制御の必要性の判断は、即断を要した為に電圧即値を比較対象としたが、ここでは、ノイズが重畳している可能性がある電圧即値は使用せず、信頼性の高い電圧平均値を基準値として使用する。
そして、ステップ206、或いはステップ207で基準値を決定した後、ステップ208で電圧低下制御を有効とし、有効時間をカウントするタイマをステップ209で初期化し、電圧低下制御の初期処理を完了し、ステップ210へ移行する。
ステップ210では、実際に使用する補正値を更新するかどうかの処理であり。電圧平均値が基準値未満であれば、ステップ211へ移行して補正値に基準値と電圧平均値の電圧偏差を格納する。電圧平均値が基準値以上であれば、現在以上の電圧低下制御を行なう必要がないため、ステップ212へ移行し、補正値は0として格納する。
ステップ211、或いは、ステップ212で補正値の格納が終わった時点で、ステップ213へ移行する。
ステップ213からステップ216までは、ステップ203で比較対象とした電圧低下制御に入った電圧値を格納しておく時間のカウント、及び電圧低下制御に入った電圧値のクリア、つまり初期化を行なう。
ステップ213では、電圧低下制御の電圧値を格納しておく時間内かどうかを判断する箇所であり、格納時間内であれば、ステップ214へ移行して時間のカウントを行ない、格納時間が経過した時、ステップ215へ移行する。格納時間経過後でも、電圧が低下状態であれば、処理を継続させる必要があるため、電圧平均値が電圧低下値以上であるまでステップ215で解除させないようにし、電圧平均値が電圧低下値以上となった時にステップ216へ移行し、電圧低下値を初期化する。
いち早く電圧低下制御を行なう為に、本実施の形態では、初期処理、及び補正処理を同時に行なえるよう、ステップ216までで設定を行ない、ステップ217以降で処理を行
なう形式を取り、ステップ217で再度電圧低下制御が有効か無効かを判断している。
仮に、初期処理1サイクル後に電圧低下制御を行なう場合は、図4を用いればステップ217は不要であり、ステップ202で電圧低下制御が有効であれば、ステップ218へ移行し、ステップ204の条件を満たさない場合は、ステップ202へ移行させればよい。
電圧低下制御が有効であれば、ステップ218へ移行する。
ステップ218では、ステップ203で比較対象とした電圧低下制御に入った電圧値の格納を判断する箇所であり、電圧平均値が電圧低下値未満であれば、ステップ219へ移行し、電圧低下値を平均電圧値として格納してステップ220へ移行する。つまり、電圧低下制御中の最低電圧値を電圧低下値として格納する。電圧平均値が電圧低下値以上であれば、格納は行なわずにステップ220へ移行する。
ステップ220では、電圧低下制御で補正させる時間をカウントする処理であり、電圧低下制御を終了させる条件を満たしているかどうかを判断する処理である。ここでは永遠と電圧低下処理に陥らないように、タイムアウト時間を設けて処理を行なう。
電圧低下制御で補正時間内であれば、ステップ221へ移行し、タイマをカウントしてステップ222へ移行する。補正時間を過ぎていれば、ステップ224へ移行し、電圧低下制御を終了する。
ステップ222は、電圧低下制御を終了させるもう1つの条件を判断する処理である。電圧平均値と電圧低下値の差が規定値V3以上であるかどうか、言い換えれば、最低電圧まで落ち込んだ後、V3以上電圧が昇圧したかどうかを判断し、電圧平均値が最低電圧からV3以上昇圧されていない場合はステップ224に進み、電圧低下制御を実行する。
最低電圧まで落ち込んだ後、V3以上電圧が昇圧していれば、ステップ224へ移行して、電圧低下制御を終了する。
ここで、ステップ220で定める電圧低下制御の補正時間の設定は、瞬時停電等で電圧低下から電圧が復帰する挙動に対して、余裕のある時間である必要がある。そして通常は、ステップ222で電圧平均値が最低電圧からの電圧上昇幅がV3以上となった場合で解除をかけることを前提に制御を行なう。
ステップ223は、電圧低下制御を実行する処理であり、転流時間を長くする処理を行なう。同期転流では転流時間の設定を外部入力基準ではなく、自身で行なうことを基本としているので、回転数を下げるためには、転流周期を長くする、つまり転流間隔を伸ばす事により回転数を下げる必要がある。ブラシレスDCモータ203を回転させるために必要なモータトルクは電圧の2乗に比例する為、転流時間の補正には現転流周期に補正値と、トルクの2乗に反比例する補正係数を掛け合わせた値を加えて、減速させる。
この補正値は電圧偏差であるから、電圧平均値が基準値からの落ち込みに比例して回転数を減速させる
減速後は、通常の加速度に従って電圧低下制御前の目標回転数に回転数を近づけていく処理を行なう。
電圧低下制御終了時に、ステップ224、ステップ225で終了処理を行なう。
ステップ224ではステップ220で定める電圧低下制御の補正時間のタイマをクリアし、ステップ225では電圧低下制御を無効とする処理(ここではフラグ)を行なう。
その後は、ステップ202へ戻り、以降は同様の処理を繰り返す。
このように、電圧が低下して、ブラシレスDCモータ203を回転させるために必要なモータトルクが不足し、回転数制御を持続できない場合において、電圧低下に応じて減少していくモータトルクに対して、電圧低下による補正により転流周期を電圧値に応じて長くして回転数を落とす事により、ブラシレスDCモータ203の回転に必要なモータトルクにあった回転数とすることにより運転を持続させることができる。
また、瞬時停電の際には、同一回転数で制御を行なった時消費する電荷に対して、電圧低下による補正により転流周期を電圧値に応じて長くして回転数を落とす事による電荷の消費は少なくなるので、インバータ制御装置が必要とする電源容量を通常よりも抑える事ができるため、同仕様の実現に対して、小型化、低コスト化を図る事ができる。
次に電圧低下制御の1例を図5のタイムチャートにて説明を行なう。
まず、各値についての説明を行なう。
回転数について、N[r/s]は現在回転数を、N1〜N4は、電圧低下制御による補正時の回転数を表す。
入力電圧について、V[V]は現在電圧を、V1、V2、V3は図4に対応した電圧値であり、V1は基準電圧、V2は電圧低下制御を入れなければ停止を免れない最低電圧、V3は、電圧低下制御の解除条件の1つとなる基準値からの昇圧電圧値であり、V4〜V6はVが電圧低下した時の電圧で、V2より高くV1未満とする。
ここで、最停電圧V2以下となった場合は、無条件に電圧低下制御を行なう為、記載を行わない。
入力電圧Vに応じて回転数Nが補正されていく各時間Tについて、T1〜T14は、各タイミングを示しており、T15は電圧低下値の初期化時間を、T16は電圧低下制御の有効時間を表している。
ここから、入力電圧Vの軌跡が実線を描いた場合、破線を描いた場合の2パターンについて説明する。
まず、軌跡が実線を描いた場合から説明する。入力電圧V1となる時間T1で電圧低下制御に入る。電圧低下値が最低値V5となる時間T2まで回転数Nは電圧値V5に相当する回転数N3まで減速を行なう。解除電圧V3が昇圧する時間T3まで減速を継続し、電圧低下制御を解除する。
ここで、電圧低下値は最低値V5が格納され、時間T15経過後のT8まで電圧低下値は継続する。
入力電圧Vは、時間T3以降昇圧して再び降圧し、入力電圧がV5以下となる時間T4で再び電圧低下制御に入る。電圧低下値が最低値V6となる時間T5まで回転数Nは電圧値V6に相当する回転数N4まで減速を行なう。電圧低下制御は、時間T16が経過する時間T7となるか、解除電圧V3が昇圧する時間のいずれか早い時間まで継続を行なう。図5では、解除電圧V3が昇圧する時間T6の方が早い為、時間T6まで減速を継続し、電圧低下制御を解除する。
ここで、電圧低下値は最低値V6に更新され、時間T15経過後のT11まで電圧低下
値は継続する。
そして、入力電圧Vは、時間T7以降昇圧して再び降圧する。
しかし、時間T15が経過していない電圧降圧が最低となる時間T10の入力電圧は、入力電圧がV6より高いため、電圧低下制御は行なわず、時間T15経過後に、電圧低下値が初期化された時間T11で再び電圧低下制御に入る。電圧低下値は電圧V4となり、回転数Nは電圧値V4に相当する回転数N1まで減速を行なう。電圧低下制御は、時間T16が経過する時間T13となるか、解除電圧V3が昇圧する時間のいずれか早い時間まで継続を行なう。図5では、時間T16が経過する時間T13の方が早い為、時間T13まで減速を継続し、電圧低下制御を解除して通常の同期転流制御を行なう。
次に、軌跡が破線を描いた場合を説明する。時間T3までは実線を描いた場合と同様である。時間T3以降、実線を描いた場合同様に電圧低下値は最低値V5が格納され、時間T15経過後のT8まで電圧低下値は継続する。
時間T8までの入力電圧は、時間T3以降昇圧して再び降圧する時間T5の時の電圧値V4が最低値であるが、格納されている電圧低下値V5より高いため、電圧低下制御は行なわない。
その後、電圧は昇圧され、再び降圧され、時間T8で電圧低下値が初期化され、基準電圧V1以下となる時間T9にて電圧低下制御に入る。電圧低下値が最低値V4となる時間T10まで回転数Nは電圧値V4に相当する回転数N2まで減速を行なう。電圧低下制御は、時間T16が経過する時間T12となるか、解除電圧V3が昇圧する時間のいずれか早い時間まで継続を行なう。図5では、電圧低下制御を解除する時間と、解除電圧V3が昇圧する時間が共に時間12であるので、時間T12まで減速を継続し、電圧低下制御を解除する。
このように、電圧変動が仕切りに生じた状況においても、必要以上に回転数を補正するのではなく、電圧低下により停止に影響を及ぼす範囲での回転数を下げた制御を行なう事により、極力回転数変動を抑えた制御を行なうことで、ブラシレスDCモータ203の回転制御の安定性を高める事ができる。
以上のように、ブラシレスDCモータ203の回転制御に信頼性が得られるため、ブラシレスDCモータ203を具備した電動圧縮機220に、本実施の形態1におけるインバータ制御装置200を用いても、良好な運転が可能となる。
また、電動圧縮機220、凝縮器、減圧装置、蒸発器を配管によって環状に連結した冷凍サイクル(いずれも図示せず)を具備した冷蔵庫等の物品貯蔵装置において、電動圧縮機220を、本実施の形態1のインバータ制御装置200を用いて駆動制御することにより、良好なシステム運転を得ることができ、物品貯蔵装置の物品保存温度を安定させ、物品貯蔵の信頼性を高めることができる。
以上のように、本発明にかかるインバータ制御装置は、ブラシレスDCモータのセンサレス駆動において、目標回転数の増加、負荷トルク変動などの要因により、運転ロータの磁極位置検知が困難な運転状態、さらにセンサレス駆動によるインバータ出力電圧上限となった場合においても、強制同期駆動によるモータの運転状態の継続、さらに弱め磁束効果による出力トルク増加により運転範囲を拡大するとともに、モータ運転状態の変化による脱調停止を防止し、安定した運転動作の継続を可能とすることができるので、負荷変動
、電圧変動の生じるエアコン、冷蔵庫、洗濯機等の家庭用電気機器や、電気自動車等に有用である。
200 インバータ制御装置
203 ブラシレスDCモータ
203b ロータ
203α,203β,203γ,203δ,203ε,203ζ,永久磁石
203u,203V,203w ステータ巻線
204 インバータ回路部
206 位置検出回路部
208 位置検出判定手段
209 位置検知転流制御手段
210 位相差判定手段
211 同期転流制御手段
213 出力電圧制御手段
215 電圧検出手段
220 電動圧縮機

Claims (6)

  1. 永久磁石を設けたロータと三相巻線を設けたステータからなるブラシレスDCモータと、前記ブラシレスDCモータを駆動するインバータ回路部と、前記インバータ回路部に加わる電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータ回路部の三相出力電圧を制御する出力電圧制御手段と、前記ブラシレスDCモータの誘起電圧と前記インバータ回路部の出力電圧により生成した基準電圧を比較検出する位置検出回路部と、前記位置検出回路部の信号に基づき誘起電圧ゼロクロス点からロータ位置検出信号を出力する位置検出判定手段と、前記位置検出判定手段からの出力信号に基づき前記インバータ回路部の転流波形を出力する位置検知転流制御手段と、前記ブラシレスDCモータの目標回転数に応じて所定の周波数で通電角180度未満の波形を出力する同期転流制御手段を備え、前記同期転流制御手段は、前記電圧検出手段により電圧低下を検出した場合、電圧の変動幅に合わせてモータの通電相への切換間隔を遅くし、前記ブラシレスDCモータの回転数を下げることを特徴としたインバータ制御装置。
  2. 前記同期転流制御手段は、前記電圧検出手段により電圧低下を検出して、電圧の変動幅に合わせてモータへ通電する間隔を遅くしたとき、所定の時間は、前回以上の電圧低下を検出した場合のみ、電圧の変動幅に合わせてモータの通電相への切換間隔を遅くすることを特徴とした請求項1に記載のインバータ制御装置。
  3. 前記同期転流制御手段は、前記電圧検出手段により電圧低下を検出して、電圧の変動幅に合わせてモータへ通電する間隔を遅くしたとき、電圧低下が許容される電圧値以上でなければ、電圧低下によるモータの通電相への切換間隔を遅くする制御を解除しないことを特徴とする請求項1、2に記載のインバータ制御装置。
  4. 前記ブラシレスDCモータのロータを、内部に永久磁石が埋め込まれ突極性を有する構成とした請求項1から3のいずれかに記載のインバータ制御装置。
  5. 前記ブラシレスDCモータを具備し、請求項1から4のいずれか一項に記載のインバータ制御装置によって駆動される電動圧縮機。
  6. 前記ブラシレスDCモータを具備し、請求項1から5のいずれか一項に記載のインバータ制御装置によって前記ブラシレスDCモータを駆動する電気機器。
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