JP2014002305A - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電部材表面へのトナーの外添剤付着に起因する画像形成時のスジ画像の発生を抑制し、かつ表面の摩耗も少ない帯電部材の提供をする。また、高品位な電子写真画像を安定して提供可能なプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】表面が粗面化されている帯電部材であって、導電性基体と、表面層としての導電性樹脂層とを有し、該導電性樹脂層には、タンパク質からなる繊維集合体粒子が固定化されており、該繊維集合体粒子は、該導電性樹脂層から露出して、該導電性樹脂層の表面に凸部を形成していることを特徴とする帯電部材。前記帯電部材が電子写真感光体と少なくとも一体化され、電子写真装置本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジ。前記帯電部材と、該帯電部材によって帯電される電子写真感光体とを有する電子写真装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯電部材、それを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真装置においては、電子写真感光体の表面に接触又は近接配置させた帯電部材により電子写真感光体の表面を帯電する、接触帯電方式が多く採用されている。接触帯電に用いる帯電部材においては、一般に電子写真感光体との当接を安定させるために低硬度の導電性樹脂層が設けられている。このような帯電部材は長期に亘って使用すると表面が摩耗し、帯電性能が低下することがある。また、帯電部材を長期に亘って使用した場合、トナーの外添剤等が電子写真感光体を介して帯電部材の表面に徐々に固着し、電子写真感光体に帯電ムラを生じさせることがある。
このような帯電部材に起因する不具合を改善するものとして、特許文献1には、表面に多孔質の粉体を付着させ、表面の摩耗を低減させた帯電ローラが提案されている。また、特許文献2には、表面に高硬度の無機粒子を有する導電ローラが提案されている。
特開平11−311890号公報 特開2010−76205号公報
近年、電子写真装置に対しては、より一層の高速化、および、高画質化が要求されている。かかる要求に応えるためには、より一層の耐摩耗性を備え、また、長期の使用によっても外添材等が固着し難い表面性状を有する帯電部材が必要である。
そこで、本発明の目的は、表面へのトナーの外添剤等の付着の抑制と、表面の耐摩耗性とを極めて高いレベルで両立した帯電部材を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像を安定して提供可能なプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明によれば、表面が粗面化されている帯電部材であって、導電性基体と、表面層としての導電性樹脂層とを有し、該導電性樹脂層には、タンパク質からなる繊維集合体粒子が固定されており、該繊維集合体粒子は、該導電性樹脂層から露出して、該導電性樹脂層の表面に凸部を形成している帯電部材が提供される。
また本発明によれば、前記帯電部材が電子写真感光体と少なくとも一体化されたプロセスカートリッジであって、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジが提供される。
さらに本発明によれば、前記帯電部材と、該帯電部材によって帯電される電子写真感光体とを有する電子写真装置が提供される。
本発明によれば、帯電部材の表面へのトナーの外添剤の付着に起因する電子写真画像におけるスジ画像の発生を抑制することができ、かつ表面の摩耗も少ない帯電部材を得ることができる。また、高品位な電子写真画像を安定して提供することができる電子写真装置およびプロセスカートリッジを得ることができる。
本発明に係る帯電部材の一例を示す模式断面図である。 本発明に係る帯電部材の導電性樹脂層の一例を示す模式断面図である。 本発明に係る帯電部材(帯電ローラ)の電気抵抗値の測定に用いる機器の概略図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略断面図である。 本発明に係る電子写真装置の一例を示す概略断面図である。
本発明に係る帯電部材は、導電性基体上に導電性樹脂層を有し、電子写真感光体を接触帯電するのに用いられるものであって、粗面化された表面を有する。該導電性樹脂層には、タンパク質からなる繊維集合体粒子が固定化されている。そして、該繊維集合体粒子は、該導電性樹脂層から露出して、該導電性樹脂層の表面に凸部を形成し、該帯電部材の表面を粗面化させている。
導電性樹脂層の表面が凸部を有することにより、電子写真感光体と帯電部材の接触面積が減少し、さらに凸部を形成する繊維集合体が緩衝性を有することにより帯電ローラの摩耗が抑制される効果が発揮される。また、繊維集合体を構成するタンパク質は疎水性と親水性の両方の性質を兼ね備えた材料であり、トナーの外添剤として広く使用されている親水性・疎水性のシリカ、酸化チタン等に対し親和性を有する。さらに、タンパク質からなる繊維集合体粒子は、粒子内部の繊維間に隙間(空隙)を有しているため、化学的相互作用及び帯電部材の回転などに伴う振動の作用によりトナーの外添剤を粒子内部に取り込み、保持する機能を有する。この機能により、本発明の帯電部材は、その表面への外添剤の付着を抑制することが可能となり、外添剤の付着に起因するスジ画像が発生しにくいという効果を奏する。
<帯電部材>
帯電部材の形状としては、ローラ、ブレード、ブラシ、ベルト、フィルム、シート、チップ型などが挙げられるが、特にローラ型の帯電部材は長期に亘って安定した帯電を行なうことが可能である。以下、帯電部材の代表例である帯電ローラによって本発明の帯電部材を説明する。
図1は、導電性基体1と導電性樹脂層3とを有する帯電ローラ5である。本発明の帯電ローラは、電子写真感光体と接触して用いられるので、弾性層2を有していることがより好ましい。弾性層2は単層でも複数の層が順次積層された構成でもよく、ソリッド層でも発泡層であってもよい。特に耐久性が要求される場合、導電性基体1及び弾性層2、あるいは、導電性基体1上に順次積層される層は、接着剤を介して接着されていることが好ましい。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。導電性にするための接着剤には、公知の導電剤を用いることができる。
接着剤のバインダーとしては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられるが、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系のような公知のものを用いることができる。接着剤に導電性を付与するための導電剤としては、後に詳述する導電剤から適宜選択し、単独でまた2種類以上組み合わせて用いることができる。
本発明の帯電ローラは、電子写真感光体の帯電を良好なものとするため、通常、電気抵抗値が、常温、常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境中において、1×102Ω以上1×1010Ω以下であることがより好ましい。
一例として、図3に帯電ローラ5の電気抵抗値の測定法(「帯電ローラの評価方法1」と称す)を示す。帯電ローラ5を、電子写真感光体と同じ曲率の円柱形金属15と図のように配置し、導電性基体1の両端に荷重のかかった軸受け16を作用させて円柱形金属に対して平行になるように当接させる。この状態で、モータ(不図示)により円柱形金属を回転させて、当接した帯電ローラを従動回転させながら安定化電源17から帯電ローラに直流電圧−200Vを印加する。このときに流れる電流を電流計18で測定し、帯電ローラの電気抵抗値を計算する。尚、導電性基体の一端にかかる荷重は各4.9Nとし、金属製の円柱形金属の直径はφ30mm、回転速度は周速45mm/secとする。
本発明の帯電ローラは、電子写真感光体に対して、長手のニップ幅を均一にするという観点から、長手方向中央部の外径が一番太く、長手方向両端部の方向に沿って外径が細くなる形状、いわゆるクラウン形状が好ましい。クラウン量は、長手方向の中央部の外径と、中央部から左右各90mm離れた位置の外径の平均値との差が30μm以上200μm以下であることが好ましい。クラウン量をこの範囲内とすることにより、帯電ローラと電子写真感光体との接触状態をより安定にすることができる。
本発明に係る帯電ローラの表面の粗面化の程度としては、十点平均粗さRzjis(μm)が3μm以上30μm以下であり、凹凸平均間隔Sm(μm)が15μm以上150μm以下であることが好ましい。帯電ローラの表面の十点平均粗さRzjis、及び凹凸平均間隔Smをこの範囲内とすることにより、帯電ローラと電子写真感光体との接触状態をより安定にすることができ、帯電ローラは電子写真感光体を均一に帯電することが容易になる。そして、本発明に係る帯電ローラの表面の粗面化は、表面層としての導電性樹脂層から露出した状態で該導電性樹脂層に固定されてなる繊維集合体粒子が、該導電性樹脂層の表面に形成している凸部によって達成されていることが好ましい。帯電ローラの表面の十点平均粗さRzjis及び表面の凹凸平均間隔Smの測定は、JIS B0601−1994による表面粗さの規格に準じて、表面粗さ測定器SE−3500(商品名、(株)小坂研究所製)を用いて行われる。
帯電部材表面の硬度は、マイクロ硬度(MD−1型)で90°以下が好ましく、より好ましくは、40°以上80°以下である。本範囲内とすることにより、電子写真感光体との当接を安定させることが容易となり、より安定したニップ内放電を行うことができる。なお、マイクロ硬度(MD−1型)とは、アスカー マイクロゴム硬度計MD−1型(商品名、高分子計器(株)製)を用いて測定した帯電部材の硬度である。具体的には、常温、常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境中において12時間以上放置した帯電部材に対して硬度計を10Nのピークホールドモードで測定した値とする。
〔導電性樹脂層〕
導電性樹脂層は、バインダー樹脂、および、タンパク質からなる繊維集合体粒子を必須成分として含み、樹脂粒子及びその他の添加剤(導電性微粒子、絶縁性粒子等)を任意成分として含む。導電性樹脂層の厚みは、1μm以上50μm以下、特には、5μm以上30μm以下が好ましい。
[バインダー樹脂]
バインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いることができる。具体的には、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂を挙げることができる。
[繊維集合体粒子]
本発明におけるタンパク質からなる繊維集合体粒子は、タンパク質を主体とする成分が短繊維、長繊維、極細繊維、束状繊維、多孔繊維などのいずれかの繊維の集合体となっており、さらに粒子状を形成しているものである。タンパク質は、天然由来のもの、合成されたもの、いずれも適用可能であるが、繊維集合体形状を有する天然由来のものが入手しやすく好適である。天然由来のタンパク質としては、特に限定されないが、例えば、魚類由来、哺乳動物由来および植物由来のタンパク質などが挙げられる。さらには、繊維集合体粒子の形状を保持するために、構造タンパク質からなるものが好ましい。構造タンパク質は細胞や固体の構造に寄与するタンパク質である。その中でも特にケラチン、コラーゲン及びフィブロインの群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
繊維集合体粒子の平均粒径は、5μm以上100μm以下、特には、10μm以上50μm以下が好ましい。平均粒径が上記数値範囲内にある繊維集合体粒子を用いることで、帯電部材の表面において、該繊維集合体に由来する凸部による粗面化を、より効率的に行うことができる。その結果として、より多くの外添剤が該繊維集合体に取り込まれることになり、本発明に係る帯電部材の経時的な帯電性をより一層安定化することができる。
繊維集合体粒子の形状としては、球状、偏平状、針状、異形形状等の種々の形状に繊維が集合した状態が挙げられる。繊維集合体粒子の平均粒径は以下の方法(「帯電ローラの評価方法2」と称す)によって算出される。任意の100個の繊維集合体粒子について測定される、最も長い径あるいは軸長(すなわち長軸の長さDL)と、最も短い径あるいは軸長(すなわち短軸の長さDS)を測定し、その単純平均値を平均粒径とする。
繊維集合体粒子は、分級して上記平均粒径を有するものとすることができる。分級方法としては、ふるい分け機、重力分級機、遠心分級機、慣性分級機等の分級装置を用いる方法を挙げることができる。これらの分級装置のうち、生産性が良好で分級点の変更が容易にできることから、重力分級機、遠心分級機、慣性分級機の風力分級機を好ましく用いることができる。
さらに、繊維集合体粒子のDBP(フタル酸ジブチル)吸収量は100ml/100g以上2000ml/100g以下、特には、500ml/100g以上1000ml/100g以下が好ましい。DBP吸収量が上記数値範囲内にある繊維集合体粒子は、外添剤の取り込み能力、および、取り込んだ外添剤の保持能力がより高いものとなる。
導電性樹脂層の表面の単位面積(1.0cm×1.0cm)当りの、該導電性樹脂層の表面から露出している繊維集合体粒子の量は、0.1mg/cm2以上1.0mg/cm2以下、特には、0.3mg/cm2以上0.7mg/cm2以下が好ましい。この量が0.1mg/cm2以上であることで、外添剤の付着の抑制をより確実に達成することが可能となる。また、1.0mg/cm2以下であることで、帯電ムラをより生じさせ難い帯電ローラとすることができる。
本発明においては、該繊維集合体粒子は該導電性樹脂層に露出した状態で固定化されており、繊維集合体粒子の量が前記の規定範囲内にあり、帯電部材の表面の十点平均粗さRzjis(μm)が3μm以上30μm以下、及び表面の凹凸平均間隔Sm(μm)が15μm以上150μm以下となるように、繊維集合体粒子からなる凸部を形成することで表面層と電子写真感光体との接触面積が減少し摩耗が抑制される効果が発揮できる。
本発明における繊維集合体粒子の導電性樹脂層への固定化量は以下の方法(「帯電ローラの評価方法3」と称す)によって算出できる。帯電部材の表面から縦1cm、横1cmの導電性樹脂層の全体を切り出し、取り出した導電性樹脂層を100mlのトルエン中に72時間浸漬し、膨潤させた後、繊維集合体粒子を分離させる。分離後、繊維集合体粒子を80℃のオーブンにて8時間乾燥させた後にその質量(mg)を測定する。この測定を任意の場所10点について行い、その相加平均値を採用して、導電性樹脂層への繊維集合体粒子の固定化量(mg/cm2)を算出する。
[繊維集合体粒子の製造方法]
繊維集合体粒子の製造方法としては特に制限されず、公知の方法が適用可能である。具体的には、天然タンパク質で、繊維集合体形状である場合は、天然タンパク質をアルカリ水溶液などで処理し精製した後に、ボールミルなどの粉砕装置を使用して、粉砕して繊維集合体粒子とする方法、あるいはタンパク質を溶液化して溶液紡糸し繊維状とした後に粉砕して繊維集合体粒子とする方法、などが挙げられる。
[樹脂粒子]
本発明の導電性樹脂層には、公知の樹脂粒子を含有させることができる。具体的には、以下の樹脂からなる粒子が挙げられる。ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、および、これらの共重合体や変性物、誘導体など;エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)など;ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマーなど。
[導電性微粒子]
本発明の導電性樹脂層には、公知の導電性微粒子を含有させることができる。導電性微粒子として具体的には以下のものが挙げられる。アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属系の微粒子や繊維;酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;前記の金属系微粒子、繊維及び金属酸化物の表面に、電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより表面処理した複合粒子;カーボンブラック、及び、カーボン系微粒子。
カーボンブラックとしては、ブラックファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックを例示することができる。ファーネスブラックとしては、以下のものが挙げられる。SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、I−ISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、T−HS、T−NS、MAF、FEF、GPF、SRF−HS−HM、SRF−LM、ECF、FEF−HS。サーマルブラックとしては、FT、MTを例示することができる。カーボン系微粒子としては、PAN(ポリアクリロニトリル)系カーボン粒子、ピッチ系カーボン粒子を例示することができる。
また、これらの導電性微粒子を、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。導電性微粒子は、その表面を表面処理してもよい。表面処理剤としては以下のものが挙げられる。アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の如き有機ケイ素化合物;シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤;オリゴマー又は高分子化合物。これらは一種で使用しても、二種以上を用いても良い。好ましくは、アルコキシシラン、ポリシロキサン等の如き有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系又はジルコネート系の各種カップリング剤であり、更に好ましくは、有機ケイ素化合物である。
導電性微粒子の平均粒径は、0.01μm以上0.9μm以下がより好ましく、0.01μm以上0.5μm以下であることが更に好ましい。
[絶縁性粒子]
本発明の導電性樹脂層には、公知の絶縁性粒子を含有させることができる。絶縁性粒子としては以下のものが挙げられる。酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン(二酸化チタン、一酸化チタン等)、酸化鉄、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、タルク、カオリンクレー、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライト、ウオラストナイト、けいそう土、ガラスビーズ、ベントナイト、モンモリナイト、中空ガラス球、有機金属化合物及び有機金属塩の粒子。また、フェライト、マグネタイト、ヘマタイトの如き酸化鉄類や活性炭も使用することができる。更には、以下の高分子化合物からなる粒子が挙げられる。ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、これらの共重合体や変性物、誘導体等の樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、クロロプレンゴム(CR)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー。
[導電性樹脂層の製造方法]
導電性樹脂層の形成方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。上記導電性樹脂層を構成する樹脂粒子、バインダー樹脂材料、その他の材料を、サンドミル、ペイントシェーカー、パールミルビーズなどを利用した分散装置を用いて分散し、必要に応じて媒体と混合して導電性樹脂層用の塗料を作製する。得られた導電性樹脂層用の塗料を、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、又はリングコート法により導電性基体または弾性層の上に塗工し、乾燥、硬化して成形することができる。
導電性樹脂層の厚さは、導電性樹脂層用の塗料中の樹脂の固形分濃度によって調整することができる。また、浸漬塗工の場合は、引き上げ速度を調整して導電性樹脂層の厚さを調整することができる。導電性樹脂層用の塗料中の樹脂の固形分濃度を増加させると導電性樹脂層の膜厚を厚くすることができ、固形分濃度を低下させると膜厚を薄くすることができる。膜厚1μm以上50μm以下の導電性樹脂層を作製するためには、具体的には、揮発する分散媒に対する樹脂の固形分を10質量%以上40質量%以下に調整することが好ましい。また、浸漬した塗料からの引き上げ速度を速くすると膜厚が厚くなり、低速にすると膜厚が薄くなるので、上記膜厚の導電性樹脂層を作製するためには、具体的には、塗工引き上げ速度を20mm/min以上5000mm/minに調整することが好ましい。
[繊維集合体粒子の固定化方法]
繊維集合体粒子の固定化方法としては、特に制限されるものではない。例えば、導電性基体または弾性層の外周部に導電性樹脂層用の塗料を塗工した後、塗料の硬化前に繊維集合体粒子をスプレーなどで吹き付ける方法が挙げられる。あるいは、導電性基体または弾性層の外周部に導電性樹脂層用の塗料を塗工した後に、溶剤中に繊維集合体粒子を分散含有した塗料を浸漬法やスプレー法により塗布、乾燥する方法が挙げられる。
〔導電性基体〕
本発明の帯電部材に用いられる導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる導電性樹脂層等を支持する機能を有するものである。材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルの如き金属やその合金を挙げることができる。
〔弾性層〕
本発明の帯電部材には、導電性基体と導電性樹脂層との間に、弾性層を形成してもよい。弾性層に使用するバインダーとしては、公知のゴムまたは樹脂を使用することができる。帯電部材と電子写真感光体との間で十分なニップを確保するという観点から、比較的低い弾性を有することが好ましく、ゴムを使用することがより好ましい。ゴムとしては、例えば、天然ゴムやこれを加硫、架橋処理したもの、合成ゴムを挙げることができる。合成ゴムとしては以下のものが挙げられる。エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム及びフッ素ゴム。
弾性層は、その電気抵抗値が、常温、常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境中において102Ω以上1010Ω以下の導電性を有することが好ましい。弾性層の電気抵抗値は、バインダー中に、前述した導電性微粒子、イオン導電剤を適宜添加して、調整することができる。イオン導電剤としては以下のものが挙げられる。過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウムの如き無機イオン物質;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルプロピルアンモニウムブロミド、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェートの如き陽イオン性界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ジメチルアルキルラウリルベタインの如き両性イオン界面活性剤;過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸トリメチルオクタデシルアンモニウムの如き第四級アンモニウム塩、及び、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等の有機酸リチウム塩。これらを単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
バインダーが極性ゴムである場合は、特に、アンモニウム塩を用いることが好ましい。また、弾性層には、導電性微粒子の他に硬度等を調整するために、軟化油、可塑剤等の添加剤や、上述の絶縁性粒子を含有させてもよい。弾性層は、導電性基体と導電性樹脂層との間に接着剤により接着して設けることもできる。接着剤としては導電性のものを用いることが好ましい。
弾性層の材料を混練する方法としては、本発明による弾性層を作製できるものであれば特に限定されず、従来から使用されている公知の手法が適用可能である。具体的にはスタティックミキサー、二本ロール混合機、三本ロール混合機や、ニーダー、バンバリー混合機、2軸押出機などの混合機を単一で、または組合せて用いることにより混合することができる。
また、弾性層の構成は単層でも複数の層を有してもよく、さらにソリッド層でも発泡層を有してもよい。弾性層の製法としては押出成形、射出成型、リングコート方法など公知の方法が適用可能である。
<プロセスカートリッジ>
本発明の帯電部材を備えるプロセスカートリッジの一例の概略構成を図4に示す。すなわち、帯電部材が電子写真感光体と少なくとも一体化され、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであり、該帯電部材が上記の帯電部材である。
帯電装置は、電子写真感光体6に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電部材(帯電ローラ)5を有する。現像装置は、電子写真感光体6に近接又は接触して配設される現像スリーブ又は現像ローラ7を有する。クリーニング装置は、ブレード型のクリーニング部材8、回収容器9を有する。
<電子写真装置>
本発明に係る電子写真装置は、本発明の帯電部材と、該帯電部材によって帯電される電子写真感光体とを有する電子写真装置である。該電子写真装置は、プロセスカートリッジ、露光装置及び現像装置を有する構成であって、該プロセスカートリッジにおいては本発明の帯電部材が電子写真感光体と少なくとも一体化され、該プロセスカートリッジが電子写真装置の本体に着脱可能に構成されていることが好ましい。
本発明の帯電部材を備える電子写真装置の一例の概略構成を図5に示す。電子写真装置は、電子写真感光体、電子写真感光体を帯電する帯電装置、露光を行う潜像形成装置、トナー像に現像する現像装置、転写材に転写する転写装置、電子写真感光体上の転写トナーを回収するクリーニング装置、トナー像を定着する定着装置等から構成されている。
電子写真感光体6は、導電性基体上に感光層を有する回転ドラム型である。電子写真感光体6は矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。帯電装置は、電子写真感光体6に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ5を有する。帯電ローラ5は、電子写真感光体6の回転に従い回転する従動回転であり、帯電用電源13から所定の直流電圧を印加することにより、電子写真感光体6を所定の電位に帯電する。
電子写真感光体6に静電潜像を形成する潜像形成装置12は、例えばレーザービームスキャナーの如き露光装置が用いられる。一様に帯電された電子写真感光体6に画像情報に対応した露光を行うことにより、静電潜像が形成される。現像装置は、電子写真感光体6に近接又は接触して配設される現像スリーブ又は現像ローラ7を有する。電子写真感光体6の帯電極性と同極性に静電的処理されたトナーを反転現像により、静電潜像を現像してトナー像を形成する。
転写装置は、接触式の転写ローラ10を有する。電子写真感光体6からトナー像を普通紙の如き転写材14に転写する。転写材は、搬送部材を有する給紙システムにより搬送される。クリーニング装置は、ブレード型のクリーニング部材8、回収容器9を有し、転写した後、電子写真感光体6上に残留する転写残トナーを機械的に掻き落とし回収する。ここで、現像装置にて転写残トナーを回収する現像同時クリーニング方式を採用することにより、クリーニング装置を省くことも可能である。
定着装置11は、加熱されたロール等で構成され、転写されたトナー像を転写材14に定着し、機外に排出することで一連の電子写真プロセスが完成する。
以下に、具体例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。天然由来の材料など、特に記載のないものは市販の原材料を用いた。参考例1〜24は繊維集合体粒子1〜24の製造例である。繊維集合体粒子の平均粒径は、前述した「帯電ローラの評価方法2」によって算出した。繊維集合体粒子のDBP吸収量は、ASTM D2414−88に準拠して求めた。
〔合成例1〕繊維集合体粒子1の作製
容量が500mlで材質が窒化ケイ素のポット中に、原材料としての乾燥卵殻膜を30g投入した。次いでこのポット中に、直径10.0mmの鋼球を120g投入した。ボールミルの駆動条件は、温度23℃、相対湿度50%の環境にて、60rpm/minにて8時間回転とした。その後粉末とボールとを分別し、得られた粉末を水洗し、100℃に設定した乾燥機で20時間乾燥した。
得られた繊維集合体粒子を風力分級機EJ−L−3型(商品名、日鉄鉱業(株)製)で分級し、フィールドエミッション型走査型電子顕微鏡であるFE−SEM S−800(商品名、(株)日立製作所製)を用いて撮影した写真から測定し、平均粒径28μmのケラチンを主体とする「繊維集合体粒子1」を得た。得られた繊維集合体粒子1の物性(平均粒径及びDBP吸収量)を表1に示す。
Figure 2014002305
〔合成例2〜14〕繊維集合体粒子2〜14の作製
タンパク質の種類、原材料の種類、ボール(剛球)の直径、ボールミルの回転数、及びボールミルの回転時間を表1または表2に示す条件にしたこと以外は合成例1と同様にして、繊維集合体粒子2〜14を得た。各繊維集合体粒子の物性を表1または表2に示す。
Figure 2014002305
〔合成例15〕繊維集合体粒子15の作製
石灰によりアルカリ処理後、水洗、乾燥された鶏皮100質量部を、下記の表3に示す組成の処理液に漬けた。この様にして得られた混合物を撹拌機にて室温下で12時間かき混ぜて夾雑物を除去し、水洗後、乳酸により浸酸して精製コラーゲン組織を得た。得られた精製コラーゲン組織を叩解機内で下記の表3に示す架橋剤を加えて、架橋処理をしてコラーゲンを主体とする繊維集合体を得た。
Figure 2014002305
この様にして得られた繊維集合体を、脱水機を用いて水分率が50質量%になるまで脱水した後、60℃のオーブン中で24時間乾燥した。合成例1と同様にしてポット中に鋼球120gと前記繊維集合体30gを投入して、合成例1と同条件にてコラーゲンからなる繊維集合体粒子15を得た。この粒子の物性を表4に示す。
〔合成例16〜19〕繊維集合体粒子16〜19の作製
原材料の種類、ボール(剛球)の直径、及びボールミルの回転時間を表4に示す条件にしたこと以外は合成例1と同様にして、繊維集合体粒子16〜19を得た。各粒子の物性を表4に示す。
Figure 2014002305
〔合成例20〕繊維集合体粒子20の作製
原料として繊維長を約5mmに切断した絹糸100gを秤量し、50℃、200mLの1.5%濃度の水酸化カリウム水溶液中で15時間処理した後、水洗しフィブロインを主体とする繊維集合体を得た。得られた繊維集合体30gを合成例1と同様のボールミル中に投入し、合成例1と同様にして8時間回転駆動した。その後粉末とボールとを分別し、粉末を水洗し、更に100℃に設定した乾燥機で20時間乾燥し、フィブロインからなる繊維集合体粒子20を得た。この粒子の物性を表5に示す。
Figure 2014002305
〔合成例21〜24〕繊維集合体粒子21〜24の作製
水酸化カリウム水溶液の濃度及びボールミルの回転時間を表5に示す条件にしたこと以外は合成例1と同様にして、繊維集合体粒子21〜24を得た。各粒子の物性を表5に示す。
〔実施例1〕
[1.弾性ローラの作製]
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス鋼製の基体の外周に、カーボンブラックを10質量%含有させた熱硬化性接着剤メタロックU20(商品名、(株)東洋化学研究所製)を塗布し、乾燥したものを導電性基体1とした。一方、下記の表6に示す8種類の材料からなる原料(1)を、50℃に調節した6リットルニーダーのTD6−15MDX(商品名、(株)トーシン製)にて10分間混練した。得られた混練物に、表6に示す加硫剤及び2種類の加硫促進剤を添加し、更に20℃に冷却した12インチの二本ロール機(関西ロール(株)製)にて10分間混練し、「導電性ゴム組成物1」を作製した。
Figure 2014002305
この様にして得られた導電性ゴム組成物および前記導電性基体を、クロスヘッドを具備した押出成形装置に供給して、導電性基体の外周部に導電性ゴム組成物を円筒状に被覆したローラを得た。尚、被覆層の厚みは、1.5mmに調整した。得られたローラを、熱風炉にて170℃で1時間加熱したのち、弾性層(硬化した被覆層)の端部を除去して、長さを228mmとし、更に、160℃で1時間、2次加熱を行った。
得られたローラの外周面を、GC80の砥石を使用して回転研磨機LEO−600−F4L−BME(商品名、(株)水口製作所製)にて研磨し、中央部の外径が8.5mmの「弾性ローラ1」を作製した。尚、この弾性ローラのクラウン量(中央部の外径と中央部から左右各90mm離れた位置の外径の差)は120μmとなるように調整した。
[2.導電性樹脂層の形成]
導電性酸化スズ粉体「SN−100P」(商品名、石原産業(株)製)50質量部に、トリフルオロプロピルトリメトキシシランの1質量%イソプロピルアルコール溶液を500質量部と平均粒径0.8mmのガラスビーズ300質量部を加えた。これらを、ペイントシェーカー中で70時間分散後、分散液を500メッシュの網で濾過した。得られた濾液をナウターミキサーで攪拌しながら100℃の湯浴で暖めてアルコールを揮発させて乾燥させ、表面にシランカップリング剤を結合させた表面処理導電性酸化スズ粉体を得た。
ラクトン変性アクリルポリオール「プラクセルDC2009」(商品名、(株)ダイセル製)288質量部を、972質量部のMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、固形分16質量%の溶液とした。このアクリルポリオール溶液200質量部に対して前記表面処理導電性酸化スズ粉体を57質量部、シリコーンオイル「SH−28PA」(商品名、東レ・ダウコーニング(株)製)を0.05質量部、フッ素樹脂粉末「ルブロンL2」(商品名、ダイキン工業(株)製)16質量部を配合した。これに直径0.8mmのガラスビーズ200質量部を加えて、450mlのマヨネーズビンに入れてペイントシェーカーを使い5時間分散した。
この分散液370質量部にイソホロンジイソシアネートのブロックタイプのイソシアヌレート型3量体の「ベスタナートB1370」(商品名、デグサ・ヒュルス社製)25.6質量部とヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体の「デュラネートTPA−B80E」(商品名、旭化成(株)製)16.4質量部を混合した。次いで、これをボールミルで1時間攪拌し、最後に200メッシュの網で溶液を濾過してポリウレタンからなる導電性樹脂層用の塗料を得た。塗料の粘度は常温、常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境中において7.8mPa・sであった。
この導電性樹脂層用の塗料をディッピンク法により前記弾性ローラの表面に塗工し、30分間風乾した。その後、イソプロピルアルコール(IPA)中に合成例1で得られた繊維集合体粒子1を1.0g/mlの濃度で分散した塗工液中に、弾性ローラを浸漬してディッピンク法により塗工した。しかる後に80℃のオーブンで30分間乾燥し、更に160℃で60分間加熱して、「帯電ローラ1」を得た。導電性樹脂層の膜厚は25μmであった。
〔3.帯電ローラの評価〕
帯電ローラ1について、以下の各測定および評価を実施した。尚、後記する実施例2〜44および比較例1〜3においても、得られた各帯電ローラについて、同様の測定および評価を実施した。評価結果を表9〜表13に示す。
[3−1.帯電ローラの電気抵抗値の測定]
得られた帯電ローラを常温、常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境中において24時間放置後、前述した「帯電ローラの評価方法1」により電気抵抗値を測定した。帯電ローラの電気抵抗値は2.5×105Ωであった。
[3−2.繊維集合体粒子の固定化量の測定]
前述した「帯電ローラの評価方法3」によって、導電性樹脂層への繊維集合体粒子の固定化量を測定した。固定化量は0.5mg/cm2であった。
[3−3.汚れの評価]
図5に示す構成を有する電子写真装置として、LBP5400(商品名、キヤノン(株)製)を記録メディアのスピードが200mm/sec(A4縦出力)に改造した装置を用いた。画像の解像度は600dpi、一次帯電の出力は直流電流−1100vとした。また、図4に示す構成を有するプロセスカートリッジとして、上記LBP5400用のプロセスカートリッジ(ブラック)を用いた。上記プロセスカートリッジから、付属の帯電ローラを取り外し、本発明の帯電ローラ1をセットした。
次いで、常温、常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境中において単色ブラックのべた画像を100枚連続で出力し、その後、べた白画像1枚を出力した。この操作を6回繰り返し、合計600枚のべた画像を出力し、帯電ローラの表面に強制的に外添剤を付着させた。帯電ローラを目視で観察し、表面の汚れを以下の基準に従い評価した。
A:極めて軽微に汚れている程度である。
B:均一に汚れが付着しているが、画像には汚れによる不良画像の発生はない。
C:表面の汚れが目立つ。
[3−4.スジ画像の評価]
常温、常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境中において印字濃度2%の画像を連続して複数枚印刷した。そして、6000枚印字後に画像評価のために40%濃度のハーフトーン画像を出力した。得られたハーフトーン画像を以下の基準にて評価した。
A:スジ状の濃度ムラ(スジ画像)が認められない。
B:軽微なスジ画像が認められる。
C:スジ画像が多く認められる。
[3−5.摩耗による濃度ムラの評価]
常温、常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境中において印字濃度2%の画像を連続して複数枚印刷した。そして、6000枚印字後に画像評価のために単色ブラックのべた画像を出力した。得られたべた画像をマクベス濃度計を用いて画像1枚について、任意の9ヶ所の濃度測定を行い、その最大値と最小値から、以下の基準にて評価した。
A:最大値と最小値の差が0.1以下で、濃度ムラが見られない。
B:最大値と最小値の差が0.1よりも大きく0.3以下で、濃度ムラは軽微である。
C:最大値と最小値の差が0.3よりも大きく、濃度ムラが見られる。
〔実施例2〜17〕
繊維集合体粒子の種類(番号)及びIPA中の濃度を表9または表10に示す条件としたこと以外は実施例1と同様にして帯電ローラ2〜17を作製した。
〔実施例18〕
下記の表7に示す5種類の材料からなる原料(1)を用い、表7に示す加硫剤及び加硫促進剤を添加し、クラウン量を130μmに調整した。これら以外の条件は実施例1と同様にして、帯電ローラ18を得た。
Figure 2014002305
〔実施例19〕
下記の表8に示す5種類の材料からなる原料(1)を用い、表8に示す加硫剤及び2種類の加硫促進剤を添加し、クラウン量を110μmに調整した。これら以外の条件は実施例1と同様にして、帯電ローラ19を得た。
Figure 2014002305
〔実施例20〕
導電性樹脂層の形成条件を以下の方法としたこと以外は実施例1と同様にして、帯電ローラ20を得た。
[導電性樹脂層の形成]
ポリアミド樹脂のプラタボンドM995F(商品名、エルフ・アトケム・ジャパン社製)100質量部を、メタノール720質量部とトルエン180質量部との混合溶媒に溶解させ、10質量%のポリアミド溶液とした。このポリアミド溶液200質量部に対して実施例1と同様に得られた酸化スズ粉体を57質量部、シリコーンオイル「SH−28PA」(商品名、東レ・ダウコーニング(株)製)を0.05質量部、配合した。これに直径0.8mmのガラスビーズ200質量部を加えて、450mlのマヨネーズビンに入れてペイントシェーカーを使い4時間分散した。次いで200メッシュの網で溶液を濾過して導電性樹脂層用の塗料を得た。塗料の粘度は常温、常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境中において8.5mPa・sであった。
この塗料をディッピンク法により、実施例1で得られたものと同様の弾性ローラの表面に塗工し、30分間風乾した。その後、IPA中に合成例1で得られた繊維集合体粒子1を1.4g/mlの濃度で分散した塗工液中に、弾性ローラを浸漬してディッピンク法により塗工した。しかる後に80℃のオーブンで30分間乾燥し、更に160℃で60分間加熱して「帯電ローラ20」を得た。導電性樹脂層の膜厚は25μm、導電性樹脂層の体積抵抗率は1.3×1014Ω・cmであった。
〔実施例21〜44〕
繊維状タンパク質の種類、並びに、繊維集合体粒子の種類(番号)、IPA中の濃度、及び固定化量を表10、表11または表12に示す条件としたこと以外は実施例1と同様にして帯電ローラ21〜44を作製した。
Figure 2014002305
Figure 2014002305
Figure 2014002305
Figure 2014002305
〔比較例1〕
実施例18において、導電性樹脂層形成時に導電性樹脂層用の塗料を塗工した後、30分風乾後、繊維集合体粒子を塗工せずにそのまま80℃のオーブンで30分間乾燥した後、160℃で60分間加熱した。これ以外の条件は実施例18と同様にして帯電ローラC1を作製した。評価結果を表13に示す。
〔比較例2〕
比較例1で得られた帯電ローラの表面に、繊維集合体粒子1を付着量が0.5mg/m2となるようにスポンジ体にてこすりつけ、固定化されない状態で付着させたのみの帯電ローラC2を作製した。評価結果を表13に示す。
〔比較例3〕
実施例1において調製した導電性樹脂層用の塗料に繊維集合体粒子1を3質量部添加し、撹拌機にて撹拌し、導電性樹脂層用の塗工液を作製した。この塗工液を実施例18で得られた弾性ローラに塗工し、表面に繊維集合体粒子の露出がない帯電ローラC3を作製した。評価結果を表13に示す。
Figure 2014002305
1 導電性基体
2 弾性層
3 導電性樹脂層
4 繊維集合体粒子
5 帯電部材(帯電ローラ)
6 電子写真感光体
7 現像ローラ
8 クリーニング部材
9 回収容器
10 転写ローラ
11 定着装置
12 潜像形成装置
13 帯電用電源
14 転写材
15 円柱形金属
16 軸受け
17 安定化電源
18 電流計

Claims (6)

  1. 表面が粗面化されている帯電部材であって、導電性基体と、表面層としての導電性樹脂層とを有し、該導電性樹脂層には、タンパク質からなる繊維集合体粒子が固定されており、該繊維集合体粒子は、該導電性樹脂層から露出して、該導電性樹脂層の表面に凸部を形成していることを特徴とする帯電部材。
  2. 前記繊維集合体粒子が、ケラチン、フィブロイン及びコラーゲンの繊維集合体粒子の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記帯電部材の表面の十点平均粗さRzjisが、3μm以上30μm以下である請求項1または2に記載の帯電部材。
  4. 前記帯電部材の表面の凹凸の平均間隔Smが、15μm以上150μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の帯電部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の帯電部材が電子写真感光体と少なくとも一体化されたプロセスカートリッジであって、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の帯電部材と、該帯電部材によって帯電される電子写真感光体とを有することを特徴とする電子写真装置。
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