JP2014002047A - グラジエント機能とリサイクル分離機能を備えた液体クロマトグラフ - Google Patents
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Abstract
【課題】グラジエントモードによる分離が可能であり、かつ試料の逆流によって流路の汚染が起こらないリサイクル液体クロマトグラフを提供すること。
【解決手段】溶媒の供給流路に溶媒切替バルブを配置し、かつ導入したサンプルを循環可能にするバルブを配置しており、バルブがリサイクル流路を形成した際に、溶媒供給流路の試料による汚染を防止し、かつ全流路を洗浄するために、排出口と同一の流路にダンパーを設け、溶媒供給流路に前記ダンパーへ溶媒を常時供給する為のバルブを設ける。
【選択図】図1
【解決手段】溶媒の供給流路に溶媒切替バルブを配置し、かつ導入したサンプルを循環可能にするバルブを配置しており、バルブがリサイクル流路を形成した際に、溶媒供給流路の試料による汚染を防止し、かつ全流路を洗浄するために、排出口と同一の流路にダンパーを設け、溶媒供給流路に前記ダンパーへ溶媒を常時供給する為のバルブを設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、グラジエント機能とリサイクル分離機能を備えた液体クロマトグラフに関する。
リサイクル液体クロマトグラフにおいて、例えば溶媒タンクと溶媒を吸引するポンプと試料注入装置と検出器と流路切替バルブと循環流路を備えた装置が知られている。
従来のリサイクル液体クロマトグラフにおいて、例えば通常送液時に溶媒は溶媒タンクより吸引されポンプによって送液される。試料注入装置より注入された試料は、カラムを通り分離され、検出器を通り排出口より排出される。
リサイクル時は流路切替バルブが切り替わり、検出器から出てきた溶媒がポンプへ供給される。試料は再度カラムを通り、さらに分離が進み、試料の高分離が達成される。
従来のリサイクル液体クロマトグラフにおいて、例えば通常送液時に溶媒は溶媒タンクより吸引されポンプによって送液される。試料注入装置より注入された試料は、カラムを通り分離され、検出器を通り排出口より排出される。
リサイクル時は流路切替バルブが切り替わり、検出器から出てきた溶媒がポンプへ供給される。試料は再度カラムを通り、さらに分離が進み、試料の高分離が達成される。
上記のリサイクル液体クロマトグラフはリサイクル流路形成時にリサイクル流路が閉鎖されておらず、注入された試料がリサイクル流路から溶媒瓶へ逆流する現象が起きる。このとき逆流した試料により溶媒タンク内の溶媒および装置流路が試料により汚染され、かつ、貴重な試料が無駄になってしまうことがある。この問題を解決する為に、リサイクル液体クロマトグラフの中には、リサイクル流路から溶媒タンクへの溶媒の逆流防止を目的に、リサイクル流路を閉鎖する構造を設けているものがある(例えば、特許文献1)。
しかし、リサイクル時に流路を閉鎖したことに起因して、ポンプの脈動ノイズが検出器の測定値に影響を与えることがある。そこで、検出器への脈動ノイズを排除するために、リサイクル流路用バッファ流路を設けたものがある(例えば、特許文献2)。バッファ流路には液面センサーとオーバーフロー流路を設けており、バッファ流路の液面を一定に保つことができる。
しかし、従来のリサイクル液体クロマトグラフは送液ポンプを1台しか搭載しておらず、2台のポンプを用いてカラムへ導入される溶媒組成を変更しつつ分離を行う、グラジエントモードの実施ができなかった。したがって、通常送液時は単純な分離しか行えず、試料によっては最適な分離が得られないことがあった。
また、前記のリサイクル液体クロマトグラフにおいて、リサイクル流路用バッファ流路に逆流した試料を含む溶媒は液面センサーで規定された液面を越えた量の溶媒しか排出されず、バッファ流路内に逆流した試料を完全に除去するのは困難であった。
本発明は上記を解決する為に考案されたものであり、グラジエント機能を有し、かつ装置流路への試料の逆流による流路汚染をなくしたリサイクル液体クロマトグラフを提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に、本発明の液体クロマトグラフは、溶媒瓶と、前記溶媒瓶から溶媒を吸引するポンプと、導入した試料を循環可能にする流路切替バルブと、分離する試料を注入する試料注入用バルブおよび試料注入用装置と、試料の分離が行われるカラムと、前記カラムでの分離の結果を電気信号として取り出す検出器とからなる液体クロマトグラフであって、前記ポンプに対し、前記溶媒瓶を選択的に接続する溶媒切替バルブを備え、グラジエントモードでの分離を可能にしていることを特徴とする。
また、本発明は前記流路切替バルブを操作し、リサイクル流路が形成された際、溶媒瓶側への試料溶液の混入をなくし、かつポンプの脈動ノイズによる検出器への影響を排除するためのリサイクルダンパーを、溶液の排出口と同一の流路上に設けたことを特徴とする。
また、本発明はリサイクル液体クロマトグラフにおいて、前記リサイクルダンパーに前記溶媒瓶内の溶媒を常時供給可能とするバルブを設け、かつ前記リサイクルダンパーとバルブの接続部を大気開放していることを特徴とする。
本発明の液体クロマトグラフは2つの溶媒瓶と、分離試料注入用のバルブと、溶媒を吸引するポンプと、試料注入装置と、試料の分離が行われるカラムと、前記カラムでの分離の結果を電気信号として出力する検出器とからなり、
前記溶媒瓶と前記ポンプの間の流路に溶媒切替バルブを設け、通常送液時に2つの溶媒瓶から各溶媒を任意の割合で吸引することで、カラムへ導入される溶離液の溶媒組成を変更可能な、グラジエントモードによる分離が実施できる。
前記溶媒瓶と前記ポンプの間の流路に溶媒切替バルブを設け、通常送液時に2つの溶媒瓶から各溶媒を任意の割合で吸引することで、カラムへ導入される溶離液の溶媒組成を変更可能な、グラジエントモードによる分離が実施できる。
また、本発明では前記検出器に続く回収ポートと、溶媒の排出口の間の流路にリサイクルダンパーを設けたので、リサイクル終了時に前記溶媒切替バルブを操作し、試料を回収ポートに送液する際、リサイクルダンパー内に逆流した試料はすべて排出口へ流れ、流路の洗浄が実施される。従って未分離の試料が流路内および回収溶液に滞在せず、次の試料を速やかに注入することが可能である。
さらに、本発明では前記リサイクルダンパーへ前記溶媒瓶内の溶媒を常時供給するバルブを設けており、前記リサイクルダンパー内の溶液を常に溶媒瓶内の溶媒で置換している。これにより、リサイクル操作時に前記リサイクルダンパーに試料が逆流しても、前記バルブから供給される溶媒により、前記リサイクルダンパー内に溶液が滞在することはない。
また、前記バルブと前記リサイクルダンパーの接続部は大気開放されており、前記リサイクルダンパーから前記バルブへの溶液の逆流は起こらない。したがって前記溶媒瓶と、これに続く流路が試料の逆流によって汚染されることはない。
以下、本発明の一実施形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1、図2は本発明に係るリサイクル液体クロマトグラフの実施例を示す流路図である。ここでリサイクル液体クロマトグラフ1は溶媒瓶2と溶媒瓶3から溶媒を吸引するポンプ8と、リサイクルバルブ7と、分離試料を注入するためのサンプルバルブ6と、試料の分離が行われるカラム10と、前記カラム10での分離の結果を電気信号として出力する検出器11とからなり、前記溶媒瓶2、3と前記ポンプ8の間の流路に溶媒切替バルブ4を有している。
図1、図2は本発明に係るリサイクル液体クロマトグラフの実施例を示す流路図である。ここでリサイクル液体クロマトグラフ1は溶媒瓶2と溶媒瓶3から溶媒を吸引するポンプ8と、リサイクルバルブ7と、分離試料を注入するためのサンプルバルブ6と、試料の分離が行われるカラム10と、前記カラム10での分離の結果を電気信号として出力する検出器11とからなり、前記溶媒瓶2、3と前記ポンプ8の間の流路に溶媒切替バルブ4を有している。
また、図4は本発明におけるリサイクルダンパーの接続方法の一例を示す説明図である。ここで、リサイクルダンパー用バルブ5は溶媒切替バルブ4とサンプルバルブ6の間に配置されており、リサイクルダンパー13と接続されている。リサイクルダンパー13の他端は回収ポート12と排出口14に接続され、さらに回収ポート12の他端はリサイクルバルブ7に接続されている。
以上のように構成したリサイクル液体クロマトグラフ1は、まず、送液したい溶液瓶側、すなわち溶媒瓶2側(図1の流路)もしくは溶媒瓶3側(図2の流路)に溶媒切替バルブ4を操作し、次にリサイクルバルブ7を操作し、通常送液側(図1もしくは図2の流路)に接続した状態でポンプ8を動作させる。これにより溶媒瓶2もしくは3内の溶媒はポンプ8に吸引され、溶媒切替バルブ4、リサイクルダンパー用バルブ5、サンプルバルブ6、リサイクルバルブ7、試料注入装置9、カラム10、検出器11を通り、再び流路切替バルブ7と通った後、回収ポート12、リサイクルダンパー13を通り、排出口14から排出される。
続いて、サンプルバルブ6もしくは試料注入装置9より分離試料を導入し、カラム10で分離された試料を検出器11の出力信号で監視する。カラム10で分離された試料はリサイクルバルブ7を通り、回収ポート12もしくは排出口14から排出される。
また、グラジエントモードによる分離を行いたい場合は、溶媒切替バルブ4を任意のタイミングで操作し、図1と図2の流路を切り替えることにより流路を流れる溶媒を随時切り替える。各溶媒瓶2、3から吸引された溶媒は、流路内で混合され、任意の溶媒組成となりカラム10に導入されることで、グラジエントモードでの分離が達成される。
また、試料の分離が不十分でありリサイクルを要する場合には、リサイクルバルブ7を操作してリサイクル流路(図3)を形成する。分離が不十分な試料は、ポンプ8に導入され、再びカラム10へと送液され再分離される。
このリサイクル状態ではサンプルバルブ6とリサイクルバルブ7の間の流路は閉じている。したがってリサイクルバルブ7から溶媒瓶2、3に試料が逆流することはない。
またこのとき、溶媒瓶2、3からの流路はリサイクルダンパー用バルブ5によって、リサイクルダンパー13側に開放されている。リサイクルバルブ7に接続されたリサイクルダンパー13およびリサイクルダンパー用バルブ5は図*に示す構造で接続され、その接続部は大気開放されている。このため仮にリサイクルバルブ7から回収ポート12側の流路に試料が逆流した場合でも、この接続部からリサイクルダンパー用バルブ5へ試料が逆流することはなく、排出口から排出される。
さらにリサイクルダンパー13には、溶媒瓶2、3内の溶媒がリサイクルダンパー用バルブ5から供給される。したがってリサイクルダンパー13内の溶液は、溶媒瓶2、3の溶媒によって常時置換されており、リサイクルダンパー13内に逆流した試料が滞在することはない。
リサイクル状態での分離が十分進み、試料を排出する状態になった時点で、リサイクルバルブ7を操作し、通常送液状態(図1もしくは図2の流路)に切り替える。試料が逆流している可能性のある、回収ポート12およびリサイクルダンパー13を含む流路はすべてリサイクルバルブ7から排出口14までの流路に含まれるので、通常送液状態に切り替えた時点で、流路内の溶液は全て排出口に排出され、自動的に流路が洗浄される。その後、分離した試料は回収ポート12もしくは排出口14より排出される。
また、本発明のリサイクル液体クロマトグラフ1において、通常送液状態で溶媒が滞在する部分は存在しないため、リサイクル液体クロマトグラフ1の全ての流路内に試料の滞在は起きない。
1 リサイクル液体クロマトグラフ
2 溶媒瓶A
3 溶媒瓶B
4 溶媒切替バルブ
5 リサイクルダンパー用バルブ
6 サンプルバルブ
7 リサイクルバルブ
8 ポンプ
9 試料注入装置
10 カラム
11 検出器
12 回収ポート
13 リサイクルダンパー
14 排出口
2 溶媒瓶A
3 溶媒瓶B
4 溶媒切替バルブ
5 リサイクルダンパー用バルブ
6 サンプルバルブ
7 リサイクルバルブ
8 ポンプ
9 試料注入装置
10 カラム
11 検出器
12 回収ポート
13 リサイクルダンパー
14 排出口
Claims (3)
- 溶媒を収納する溶媒瓶と、前記溶媒瓶から溶媒を吸引するポンプと、導入した試料を循環可能にする流路切替バルブと、分離する試料を注入する試料注入用バルブおよび試料注入用装置と、試料の分離が行われるカラムと、前記カラムでの分離の結果を電気信号として取り出す検出器とからなる液体クロマトグラフであって、前記ポンプに対し、前記溶媒瓶を選択的に接続する溶媒切替バルブを備え、グラジエントモードでの分離を可能にしていることを特徴とするリサイクル液体クロマトグラフ
- 請求項1に記載のリサイクル液体クロマトグラフにおいて、前記流路切替バルブを操作し、リサイクル流路が形成された際、溶媒瓶側への試料溶液の混入をなくし、かつポンプの脈動ノイズによる検出器への影響を排除するためのリサイクルダンパーを、溶液の排出口と同一の流路上に設けたリサイクル液体クロマトグラフ。
- 請求項1または請求項2に記載のリサイクル液体クロマトグラフにおいて、溶媒供給流路への試料の逆流を防止し、かつ前記リサイクルダンパーに前記溶媒瓶内の溶媒を常時供給することを特徴とするリサイクル液体クロマトグラフ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012137575A JP2014002047A (ja) | 2012-06-19 | 2012-06-19 | グラジエント機能とリサイクル分離機能を備えた液体クロマトグラフ |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014002047A true JP2014002047A (ja) | 2014-01-09 |
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Family Applications (1)
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JP2012137575A Pending JP2014002047A (ja) | 2012-06-19 | 2012-06-19 | グラジエント機能とリサイクル分離機能を備えた液体クロマトグラフ |
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JP (1) | JP2014002047A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109425681A (zh) * | 2017-09-04 | 2019-03-05 | 南京麒麟科学仪器集团有限公司 | 一种液相色谱仪 |
CN111521478A (zh) * | 2020-05-20 | 2020-08-11 | 中国科学院深海科学与工程研究所 | 一种深海原位梯度循环稀释装置 |
-
2012
- 2012-06-19 JP JP2012137575A patent/JP2014002047A/ja active Pending
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