JP2014001954A - 熱式流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、熱式流量計の計測精度を向上させることを目的とする。
【解決手段】本発明の熱式流量計は、副通路の壁面501に、絞り面503と戻り面505とを有する突起部356が設けられ、絞り面503と壁面501との交線506が、回路パッケージ400の上流側端部401よりも上流側に配置され、戻り面505と壁面501との交線507が、回路パッケージ400の下流側端部402よりも下流側に配置され、突起部356の頂点504が、流量検出部602の熱伝達面よりも下流側かつ回路パッケージ400の下流側端部402よりも上流側に配置されている。
【選択図】図7

Description

本発明は熱式流量計に関する。
気体の流量を計測する熱式流量計は流量を計測するための流量検出部を備え、前記流量検出部と計測対象である前記気体との間で熱伝達を行うことにより、前記気体の流量を計測するように構成されている。熱式流量計が計測する流量は色々な装置の重要な制御パラメータとして広く使用されている。熱式流量計の特徴は、他の方式の流量計に比べ相対的に高い精度で気体の流量、例えば質量流量を計測できることである。
しかし、更なる気体流量の計測精度の向上が望まれている。例えば、内燃機関を搭載した車両では、省燃費の要望や排気ガス浄化の要望が非常に高い。これらの要望に応えるには、内燃機関の主要パラメータである吸入空気量を高い精度で計測することが求められている。内燃機関に導かれる吸入空気量を計測する熱式流量計は、吸入空気量の一部を取り込む副通路と前記副通路に配置された流量検出部とを備え、前記流量検出部が被計測気体との間で熱伝達を行うことにより、前記副通路を流れる被計測気体の状態を計測して、前記内燃機関に導かれる吸入空気量を表す電気信号を出力する。このような技術は、例えば特開2011−252796号公報(特許文献1)に開示されている。
ところで、内燃機関を搭載した車両の吸気管には、雰囲気中に含まれるダスト(たとえば砂)やオイル等の汚損物質が混入することが知られている。そのため、内燃機関の吸気管にはエアクリーナが配設され、汚損物質の大部分(たとえば砂などの比較的粒径の大きな粒子)が前記エアクリーナによって除去されるものの、例えば15μm以下の微小粒子がエアクリーナを通過して流量検出部へ到達したり、エアクリーナの経年変化によりエアクリーナに堆積した汚損物質が流量検出部へ到達して計測精度が低下するといった問題があった。
また、近年、排気ガスの規制強化や燃費向上等の観点から、内燃機関において吸気脈動が発生する状態や脈動が大きくなって内燃機関から吸気管のエアクリーナの方向へ向かう空気流(逆流)が発生する状態においても、高い精度で空気流量を計測することが求められている。このような吸気脈動等の内燃機関の状態においても高い精度で空気流量を計測するため、吸気脈動に追従可能な応答速度や方向検知機能を備えた熱式流量計の開発が当該分野における希求の課題となっている。
このような問題に対し、たとえば特開2003−262144号公報(特許文献2)や特開2006−258675号公報(特許文献3)には、副通路内の壁面に絞りを形成し、当該副通路を流れる被計測流体を整流して計測精度を高めながら、上記問題を解決しようとする技術が開示されている。
特許文献2に開示されている装置は、副通路内を流れる被計測気体の流れに対してセンシング部を隠す方向に台座を傾斜して配設すると共に、前記副通路内の前記台座の近傍の側壁に、被計測気体の流れを絞る絞り部を形成し、この絞り部と台座との間隔が副通路の上流側で大きく下流側で小さくなるように構成した装置である。
また、特許文献3に開示されている装置は、上流に除々に径が小さくなるような曲部を有する副通路に流入した順流および逆流を流量検出素子の方向へ向かわせるように、副通路の流量検出素子付近に絞り形状を構成し、その絞り部の頂点を順流に対して流量検出素子の下流側に配置した装置である。
特開2011−252796号公報 特開2003−262144号公報 特開2006−258675号公報
特許文献2に開示されている装置によれば、副通路内を流れる被計測気体の流れに対してセンシング部を隠す方向に台座を傾斜して配設することによってセンシング部への粒子や汚染物質の付着を抑制できると共に、副通路内の台座の近傍の側壁に被計測気体の流れを絞る絞り部を形成することによって、副通路を流れる被計測流体を整流して当該被計測気体を高い精度で計測しながら、絞り部で反射した粒子や汚染物質がセンシング部と衝突する角度を小さくし、前記粒子や汚染物質によるセンシング部への衝撃力を緩和することができる。
また、特許文献3に開示されている装置によれば、副通路の流量検出素子付近に絞り形状を構成することによって、流路断面が流量検出素子の上流から徐々に小さくなり、被計測気体が斜め方向から流量検出素子の熱伝達面に当たるようになるものの、上流に径が徐々に小さくなるような曲部を有する副通路を形成することで、被計測気体が渦状の副通路を通過して流量検出部に到達するまでの間に、ダストや水滴等の汚損物質を慣性効果で外周面へ誘導し、当該汚損物質が流量検出素子へ到達することを抑制することができる。また、絞り部の頂点は流量検出素子上に存在するとばらつきの要因となるため、順流と逆流の発生頻度を考慮して熱伝達面の下流側に絞り部の頂点を配置することによって、逆流を含む脈動時の流量誤差を抑制しながら、順流時における計測精度を高めることができる。
しかしながら、特許文献2に開示されている装置においては、脈動や逆流が発生した状態では副通路内を流れる被計測気体の流れに対してセンシング部が対向するため、センシング部へ粒子や汚染物質が付着して計測精度が低下するといった問題がある。
また、特許文献3に開示されている装置においては、被計測気体の順流方向に対して下流側の絞り部の形状が上流側と比較して相対的に小さいため、脈動や逆流が発生する状態では副通路内を流れる被計測気体を十分に整流することができず、様々な状況下で精度良く空気流量を計測することが困難であるといった問題がある。
本発明の目的は、計測精度の高い熱式流量計を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の熱式流量計は、主通路から取り込まれた被計測気体を流すための副通路と、該副通路を流れる被計測気体との間で熱伝達面を介して熱伝達を行うことにより熱量を計測する流量検出部と、少なくとも熱伝達面を露出させるように流量検出部を副通路内に支持する支持体と、を備える熱式流量計であって、前記副通路の壁面のうち前記支持体の流量検出部の熱伝達面を露出させた計測用流路面と対向する壁面には、被計測気体の流れ方向へ向かうに従って前記壁面から前記支持体へ近づく絞り面と該絞り面の下流側端部から前記壁面へ戻る戻り面とを有する突起部が設けられており、前記絞り面と前記壁面との交線が、被計測気体の流れ方向で前記支持体の上流側端部よりも上流側に配置され、前記戻り面と前記壁面との交線が、被計測気体の流れ方向で前記支持体の下流側端部よりも下流側に配置され、前記突起部のうち前記壁面から最も離間している部分が、被計測気体の流れ方向で前記流量検出部の熱伝達面よりも下流側かつ前記支持体の下流側端部よりも上流側に配置されている。
本発明によれば、高い計測精度の熱式流量計を得ることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
内燃機関制御システムに本発明に係る熱式流量計を使用した一実施例を示すシステム図である。 熱式流量計の外観を示す図であり、図2(A)は左側面図、図2(B)は正面図である。 熱式流量計の外観を示す図であり、図3(A)は右側面図、図3(B)は背面図である。 熱式流量計の外観を示す図であり、図4(A)は平面図、図4(B)は下面図である。 熱式流量計のハウジングを示す図であり、図5(A)はハウジングの左側面図であり、図5(B)はハウジングの正面図である。 熱式流量計のハウジングを示す図であり、図6(A)はハウジングの右側面図であり、図6(B)はハウジングの背面図である。 副通路に配置された流路面の状態を示す部分拡大図である。 図7に示す実施例の他の実施例を示す部分拡大図である。 図7に示す実施例の更なる他の実施例を示す部分拡大図である。 図7に示す実施例の更なる他の実施例を示す部分拡大図である。 図7に示す実施例の更なる他の実施例を示す部分拡大図である。 図7に示す実施例の更なる他の実施例を示す部分拡大図である。 図7に示す実施例の更なる他の実施例を示す部分拡大図である。 図7に示す実施例の更なる他の実施例を示す部分拡大図である。 図7に示す実施例の更なる他の実施例を示す部分拡大図である。 熱式流量計の副通路に配置された回路パッケージの状態を説明する説明図である。 表カバーの外観を示す図であり、図17(A)は左側面図、図17(B)は正面図、図17(C)は平面図である。 裏カバー304の外観を示す図であり、図18(A)は左側面図、図18(B)は正面図、図18(C)は平面図である。 回路パッケージの外観図であり、図19(A)は左側面図、図19(B)は正面図、図19(C)は背面図である。 ダイヤフラムおよびダイヤフラム内部の空隙と開口とを繋ぐ連通孔を説明する説明図である。 熱式流量計の製造工程の概要を示す図であり、回路パッケージの生産工程を示す図である。 熱式流量計の製造工程の概要を示す図であり、熱式流量計の生産工程を示す図である。 熱式流量計の流量検出回路を示す回路図である。 流量検出回路の流量検出部を説明する説明図である。
以下に説明する、発明を実施するための形態(以下実施例と記す)は、実際の製品として要望されている色々な課題を解決しており、特に車両の吸入空気量を計測する計測装置として使用するために望ましい色々な課題を解決し、色々な効果を奏している。下記実施例が解決している色々な課題の内の一つが、上述した発明が解決しようとする課題の欄に記載した内容であり、また下記実施例が奏する色々な効果の内の一つが、発明の効果の欄に記載された効果である。下記実施例が解決している色々な課題について、さらに下記実施例により奏される色々な効果について、下記実施例の説明の中で、述べる。従って下記実施例の中で述べる、実施例が解決している課題や効果は、発明が解決しようとする課題の欄や発明の効果の欄の内容以外の内容についても記載されている。
以下の実施例で、同一の参照符号は、図番が異なっていても同一の構成を示しており、同じ作用効果を成す。既に説明済みの構成について、図に参照符号のみを付し、説明を省略する場合がある。
1. 内燃機関制御システムに本発明に係る熱式流量計を使用した一実施例
図1は、電子燃料噴射方式の内燃機関制御システムに、本発明に係る熱式流量計を使用した一実施例を示す、システム図である。エンジンシリンダ112とエンジンピストン114を備える内燃機関110の動作に基づき、吸入空気が被計測気体30としてエアクリーナ122から吸入され、主通路124である例えば吸気ボディ、スロットルボディ126、吸気マニホールド128を介してエンジンシリンダ112の燃焼室に導かれる。前記燃焼室に導かれる吸入空気である被計測気体30の流量は本発明に係る熱式流量計300で計測され、計測された流量に基づいて燃料噴射弁152より燃料が供給され、吸入空気である被計測気体30と共に混合気の状態で燃焼室に導かれる。なお、本実施例では、燃料噴射弁152は内燃機関の吸気ポートに設けられ、吸気ポートに噴射された燃料が吸入空気である被計測気体30と共に混合気を成形し、吸気弁116を介して燃焼室に導かれ、燃焼して機械エネルギを発生する。
近年、多くの車では排気浄化や燃費向上に優れた方式として、内燃機関のシリンダヘッドに燃料噴射弁152を取り付け、燃料噴射弁152から各燃焼室に燃料を直接噴射する方式が採用されている。熱式流量計300は、図1に示す内燃機関の吸気ポートに燃料を噴射する方式だけでなく、各燃焼室に燃料を直接噴射する方式にも同様に使用できる。両方式とも熱式流量計300の使用方法を含めた制御パラメータの計測方法および燃料供給量や点火時期を含めた内燃機関の制御方法の基本概念は略同じであり、両方式の代表例として吸気ポートに燃料を噴射する方式を図1に示す。
燃焼室に導かれた燃料および空気は、燃料と空気の混合状態を成しており、点火プラグ154の火花着火により、爆発的に燃焼し、機械エネルギを発生する。燃焼後の気体は排気弁118から排気管に導かれ、排気24として排気管から車外に排出される。前記燃焼室に導かれる吸入空気である被計測気体30の流量は、アクセルペダルの操作に基づいてその開度が変化するスロットルバルブ132により制御される。前記燃焼室に導かれる吸入空気の流量に基づいて燃料供給量が制御され、運転者はスロットルバルブ132の開度を制御して前記燃焼室に導かれる吸入空気の流量を制御することにより、内燃機関が発生する機械エネルギを制御することができる。
1.1 内燃機関制御システムの制御の概要
エアクリーナ122から取り込まれ主通路124を流れる吸入空気である被計測気体30の流量および温度が、熱式流量計300により計測され、熱式流量計300から吸入空気の流量および温度を表す電気信号が制御装置200に入力される。また、スロットルバルブ132の開度を計測するスロットル角度センサ144の出力が制御装置200に入力され、さらに内燃機関のエンジンピストン114や吸気弁116や排気弁118の位置や状態、さらに内燃機関の回転速度を計測するために、回転角度センサ146の出力が、制御装置200に入力される。排気24の状態から燃料量と空気量との混合比の状態を計測するために、酸素センサ148の出力が制御装置200に入力される。
制御装置200は、熱式流量計300の出力である吸入空気の流量、および回転角度センサ146の出力に基づき計測された内燃機関の回転速度、に基づいて燃料噴射量や点火時期を演算する。これら演算結果に基づいて、燃料噴射弁152から供給される燃料量、また点火プラグ154により点火される点火時期が制御される。燃料供給量や点火時期は、実際にはさらに熱式流量計300で計測される吸気温度やスロットル角度の変化状態、エンジン回転速度の変化状態、酸素センサ148で計測された空燃比の状態に基づいて、きめ細かく制御されている。制御装置200はさらに内燃機関のアイドル運転状態において、スロットルバルブ132をバイパスする空気量をアイドルエアコントロールバルブ156により制御し、アイドル運転状態での内燃機関の回転速度を制御する。
1.2 熱式流量計の計測精度向上の重要性と熱式流量計の搭載環境
内燃機関の主要な制御量である燃料供給量や点火時期はいずれも熱式流量計300の出力を主パラメータとして演算される。従って熱式流量計300の計測精度の向上や経時変化の抑制、信頼性の向上が、車両の制御精度の向上や信頼性の確保に関して重要である。特に近年、車両の省燃費に関する要望が非常に高く、また排気ガス浄化に関する要望が非常に高い。これらの要望に応えるには熱式流量計300により計測される吸入空気である被計測気体30の流量の計測精度の向上が極めて重要である。また熱式流量計300が高い信頼性を維持していることも大切である。
熱式流量計300が搭載される車両は温度変化の大きい環境で使用され、また風雨や雪の中で使用される。雪道を車が走行する場合には、凍結防止剤が散布された道路を走行することとなる。熱式流量計300は、その使用環境における温度変化への対応や、塵埃や汚染物質などへの対応も、考慮されていることが望ましい。さらに熱式流量計300は内燃機関の振動を受ける環境に設置される。振動に対しても高い信頼性の維持が求められる。
また熱式流量計300は内燃機関からの発熱の影響を受ける吸気管に装着される。このため内燃機関の発熱が主通路124である吸気管を介して、熱式流量計300に伝わる。熱式流量計300は、被計測気体と熱伝達を行うことにより被計測気体の流量を計測するので、外部からの熱の影響をできるだけ抑制することが重要である。
車に搭載される熱式流量計300は、以下で説明するように、単に発明が解決しようとする課題の欄に記載された課題を解決し、発明の効果の欄に記載された効果を奏するのみでなく、以下で説明するように、上述した色々な課題を十分に考慮し、製品として求められている色々な課題を解決し、色々な効果を奏している。熱式流量計300が解決する具体的な課題や奏する具体的な効果は、以下の実施例の記載の中で説明する。
2. 熱式流量計300の構成
2.1 熱式流量計300の外観構造
図2および図3、図4は、熱式流量計300の外観を示す図であり、図2(A)は熱式流量計300の左側面図、図2(B)は正面図、図3(A)は右側面図、図3(B)は背面図、図4(A)は平面図、図4(B)は下面図である。熱式流量計300はハウジング302と表カバー303と裏カバー304とを備えている。ハウジング302は、熱式流量計300を主通路124である吸気ボディに固定するためのフランジ312と、外部機器との電気的な接続を行うための外部端子306を有する外部接続部305と、流量等を計測するための計測部310を備えている。計測部310の内部には、副通路を作るための副通路溝が設けられており、さらに計測部310の内部には、主通路124を流れる被計測気体30の流量を計測するための流量検出部602(図23参照)や主通路124を流れる被計測気体30の温度を計測するための温度検出部452を備える回路パッケージ400が設けられている。
2.2 熱式流量計300の外観構造に基づく効果
熱式流量計300の入口350が、フランジ312から主通路124の中心方向に向かって延びる計測部310の先端側に設けられているので、主通路124の内壁面近傍ではなく、内壁面から離れた中央部に近い部分の気体を副通路に取り込むことができる。このため熱式流量計300は主通路124の内壁面から離れた部分の気体の流量や温度を測定することができ、熱などの影響による計測精度の低下を抑制できる。主通路124の内壁面近傍では、主通路124の温度の影響を受け易く、気体の本来の温度に対して被計測気体30の温度が異なる状態となり、主通路124内の主気体の平均的な状態と異なることになる。特に主通路124がエンジンの吸気ボディである場合は、エンジンからの熱の影響を受け、高温に維持されていることが多い。このため主通路124の内壁面近傍の気体は、主通路124の本来の気温に対して高いことが多く、計測精度を低下させる要因となる。
主通路124の内壁面近傍では流体抵抗が大きく、主通路124の平均的な流速に比べ、流速が低くなる。このため主通路124の内壁面近傍の気体を被計測気体30として副通路に取り込むと、主通路124の平均的な流速に対する流速の低下が計測誤差につながる恐れがある。図2乃至図4に示す熱式流量計300では、フランジ312から主通路124の中央に向かって延びる薄くて長い計測部310の先端部に入口350が設けられているので、内壁面近傍の流速低下に関係する計測誤差を低減できる。また、図2乃至図4に示す熱式流量計300では、フランジ312から主通路124の中央に向かって延びる計測部310の先端部に入口350が設けられているだけでなく、副通路の出口も計測部310の先端部に設けられているので、さらに計測誤差を低減することができる。
熱式流量計300の計測部310はフランジ312から主通路124の中心方向に向かって長く延びる形状を成し、その先端部には吸入空気などの被計測気体30の一部を副通路に取り込むための入口350と副通路から被計測気体30を主通路124に戻すための出口352が設けられている。計測部310は主通路124の外壁から中央に向かう軸に沿って長く延びる形状を成しているが、幅は、図2(A)および図3(A)に記載の如く、狭い形状を成している。即ち熱式流量計300の計測部310は、側面の幅が薄く正面が略長方形の形状を成している。これにより、熱式流量計300は十分な長さの副通路を備えることができ、被計測気体30に対しては流体抵抗を小さい値に抑えることができる。このため、熱式流量計300は、流体抵抗を小さい値に抑えられると共に高い精度で被計測気体30の流量を計測することが可能である。
2.3 温度検出部452の構造
計測部310の先端側に設けられた副通路よりもフランジ312側の方に位置して、図2および図3に示すように、被計測気体30の流れの上流側に向かって開口する入口343が成形されており、入口343の内部には被計測気体30の温度を計測するための温度検出部452が配置されている。入口343が設けられている計測部310の中央部では、ハウジング302を構成する計測部310内の上流側外壁が下流側に向かって窪んでおり、前記窪み形状の上流側外壁から温度検出部452が上流側に向かって突出する形状を成している。また前記窪み形状の外壁の両側部には表カバー303と裏カバー304が設けられており、前記表カバー303と裏カバー304の上流側端部が、前記窪み形状の外壁より上流側に向かって突出した形状を成している。このため前記窪み形状の外壁とその両側の表カバー303と裏カバー304とにより、被計測気体30を取り込むための入口343が成形される。入口343から取り込まれた被計測気体30は入口343の内部に設けられた温度検出部452に接触することで、温度検出部452によって温度が計測される。さらに窪み形状を成すハウジング302の外壁から上流側に突出した温度検出部452を支える部分に沿って被計測気体30が流れ、表カバー303と裏カバー304に設けられた表側出口344および裏側出口345から主通路124に排出される。
2.4 温度検出部452に関係する効果
被計測気体30の流れに沿う方向の上流側から入口343に流入する気体の温度が温度検出部452により計測され、さらにその気体が温度検出部452を支える部分である温度検出部452の根元部分に向かって流れることにより、温度検出部452を支える部分の温度を被計測気体30の温度に近づく方向に冷却する作用を為す。主通路124である吸気管の温度が通常高くなり、フランジ312あるいは熱絶縁部315から計測部310内の上流側外壁を通って、温度検出部452を支える部分に熱が伝わり、温度の計測精度に影響を与える恐れがある。上述のように、被計測気体30が温度検出部452により計測された後、温度検出部452の支える部分に沿って流れることにより、前記支える部分が冷却される。従ってフランジ312あるいは熱絶縁部315から計測部310内の上流側外壁を通って温度検出部452を支える部分に熱が伝わるのを抑制できる。
特に、温度検出部452の支え部分では、計測部310内の上流側外壁が下流側に向かって凹む形状(図5および図6を用いて以下で説明する)を成しているので、計測部310内の上流側外壁と温度検出部452との間の距離を長くできる。熱伝導距離が長くなるとともに、被計測気体30による冷却部分の距離が長くなる。従ってフランジ312あるいは熱絶縁部315からもたらされる熱の影響を低減できる。これらのことから計測精度が向上する。上記上流側外壁が下流側に向かって凹む形状(図5および図6を用いて以下で説明する)を成しているので、以下で説明する回路パッケージ400(図5と図6参照)の固定が容易となる。
2.5 計測部310の上流側側面と下流側側面の構造と効果
熱式流量計300を構成する計測部310の上流側側面と下流側側面にそれぞれ上流側突起317と下流側突起318とが設けられている。上流側突起317と下流側突起318は根元に対して先端に行くに従い細くなる形状を成しており、主通路124内を流れる吸入空気30の流体抵抗を低減できる。熱絶縁部315と入口343との間に上流側突起317が設けられている。上流側突起317は断面積が大きく、フランジ312あるいは熱絶縁部315からの熱伝導が大きいが、入口343の手前で上流側突起317が途切れており、さらに上流側突起317の温度検出部452側から温度検出部452への距離が、後述するようにハウジング302の上流側外壁の窪みにより、長くなる形状を成している。このため温度検出部452の支え部分への熱絶縁部315からの熱伝導が抑制される。
またフランジ312あるいは熱絶縁部315と温度検出部452との間に、後述する端子接続部320および端子接続部320を含む空隙が作られている。このためフランジ312あるいは熱絶縁部315と温度検出部452との間が長くなっており、この長い部分に表カバー303や裏カバー304が設けられ、この部分が冷却面として作用している。従って主通路124の壁面の温度が温度検出部452に及ぼす影響を低減できる。またフランジ312あるいは熱絶縁部315と温度検出部452との間が長くなることにより、副通路に導く被計測気体30の取り込み部分を主通路124の中央に近づけることができる。主通路124壁面からの伝熱による計測精度の低下を抑制できる。
図2(B)や図3(B)に示すように、主通路124内に挿入される計測部310は、その両側面が大変狭く、さらに下流側突起318や上流側突起317が空気抵抗を低減する根元に対して先端が狭い形状を成している。このため、熱式流量計300を主通路124に挿入したことによる流体抵抗の増大を抑制できる。また下流側突起318や上流側突起317が設けられている部分では、表カバー303や裏カバー304の両側部より、上流側突起317や下流側突起318が両サイドに突出する形状をしている。上流側突起317や下流側突起318は樹脂モールドで作られるので、空気抵抗の少ない形状に成形し易く、一方表カバー303や裏カバー304は広い冷却面を備える形状を成している。このため熱式流量計300は、空気抵抗が低減され、さらに主通路124を流れる被計測空気により冷却されやすい効果を有している。
2.6 フランジ312の構造と効果
フランジ312には、その下面である主通路124と対向する部分に、窪み314が複数個設けられており、主通路124との間の熱伝達面を低減し、熱式流量計300が熱の影響を受け難くしている。フランジ312のねじ孔313は熱式流量計300を主通路124に固定するためのもので、これらのねじ孔313の周囲の主通路124に対向する面が主通路124から遠ざけられるように、各ねじ孔313の周囲の主通路124に対向する面と主通路124との間に空間が成形されている。このようにすることで、熱式流量計300に対する主通路124からの熱伝達を低減し、熱による測定精度の低下を防止できる構造をしている。さらにまた前記窪み314は、熱伝導の低減効果だけでなく、ハウジング302の成形時にフランジ312を構成する樹脂の収縮の影響を低減する作用をしている。
フランジ312の計測部310側に熱絶縁部315が設けられている。熱式流量計300の計測部310は、主通路124に設けられた取り付け孔から内部に挿入され、熱絶縁部315は主通路124の前記取り付け孔の内面に対向する。主通路124は例えば吸気ボディであり、主通路124が高温に維持されていることが多い。逆に寒冷地での始動時には、主通路124が極めて低い温度であることが考えられる。このような主通路124の高温あるいは低温の状態が温度検出部452や後述する流量計測に影響を及ぼすと、計測精度が低下する。このため、主通路124の孔内面と近接する熱絶縁部315には、窪み316が複数個並べて設けられており、隣接する窪み316間の前記孔内面と近接する熱絶縁部315の幅は極めて薄く、窪み316の流体の流れ方向の幅の3分の1以下である。これにより温度の影響を低減できる。また熱絶縁部315の部分は樹脂が厚くなる。ハウジング302の樹脂モールド時に、樹脂が高温状態から低温に冷えて硬化する際に体積収縮が生じ、応力の発生による歪が生じる。熱絶縁部315に窪み316を成形することで体積収縮をより均一化でき、応力集中を低減できる。
熱式流量計300の計測部310は、主通路124に設けられた取り付け孔から内部に挿入され、熱式流量計300のフランジ312によりねじで主通路124に固定される。主通路124に設けられた取り付け孔に対して所定の位置関係で熱式流量計300が固定されることが望ましい。フランジ312に設けた窪み314を、主通路124と熱式流量計300との位置決めに使用できる。主通路124に凸部を成形することで、前記凸部と窪み314とが嵌め込みの関係を有する形状とすることが可能となり、熱式流量計300を正確な位置で主通路124に固定できる。
2.7 外部接続部305およびフランジ312の構造と効果
図4(A)は熱式流量計300の平面図である。外部接続部305の内部に4本の外部端子306と補正用端子307が設けられている。外部端子306は熱式流量計300の計測結果である流量と温度を出力するための端子および熱式流量計300が動作するための直流電力を供給するための電源端子である。補正用端子307は生産された熱式流量計300の計測を行い、それぞれの熱式流量計300に関する補正値を求めて、熱式流量計300内部のメモリに補正値を記憶するのに使用する端子であり、その後の熱式流量計300の計測動作では上述のメモリに記憶された補正値を表す補正データが使用され、この補正用端子307は使用されない。従って外部端子306が他の外部機器との接続において、補正用端子307が邪魔にならないように、補正用端子307は外部端子306とは異なる形状をしている。この実施例では外部端子306より補正用端子307が短い形状をしており、外部端子306に接続される外部機器への接続端子が外部接続部305に挿入されても、接続の障害にならないようになっている。また外部接続部305の内部には外部端子306に沿って複数個の窪み308が設けられており、これら窪み308は、フランジ312の材料である樹脂が冷えて固まる時の樹脂の収縮による応力集中を低減するためのものである。
熱式流量計300の計測動作中に使用する外部端子306に加えて、補正用端子307を設けることで、熱式流量計300の出荷前にそれぞれについて特性を計測し、製品のばらつきを計測し、ばらつきを低減するための補正値を熱式流量計300内部のメモリに記憶することが可能となる。上記補正値の設定工程の後、補正用端子307が外部端子306と外部機器との接続の邪魔にならないように、補正用端子307は外部端子306とは異なる形状に作られている。このようにして熱式流量計300はその出荷前にそれぞれについてのばらつきを低減でき、計測精度の向上を図ることができる。
3. ハウジング302の全体構造とその効果
3.1 副通路と流量検出部の構造と効果
熱式流量計300から表カバー303および裏カバー304を取り外したハウジング302の状態を図5および図6に示す。図5(A)はハウジング302の左側面図であり、図5(B)はハウジング302の正面図であり、図6(A)はハウジング302の右側面図であり、図6(B)はハウジング302の背面図である。
ハウジング302はフランジ312から計測部310が主通路124の中心方向に延びる構造を成しており、その先端側に副通路を成形するための副通路溝が設けられている。この実施例ではハウジング302の表裏両面に副通路溝が設けられており、図5(B)に表側副通路溝332を示し、図6(B)に裏側副通路溝334を示す。副通路の入口350を成形するための入口溝351と出口352を成形するための出口溝353が、ハウジング302の先端部に設けられているので、主通路124の内壁面から離れた部分の気体を、言い換えると主通路124の中央部分に近い部分を流れている気体を被計測気体30として入口350から取り込むことができる。主通路124の内壁面近傍を流れる気体は、主通路124の壁面温度の影響を受け、吸入空気などの主通路124を流れる気体の平均温度と異なる温度を有することが多い。また主通路124の内壁面近傍を流れる気体は、主通路124を流れる気体の平均流速より遅い流速を示すことが多い。実施例の熱式流量計300ではこのような影響を受けづらいので、計測精度の低下を抑制できる。
上述した表側副通路溝332や裏側副通路溝334で作られる副通路は外壁窪み部366や上流側外壁335や下流側外壁336により熱絶縁部315に繋がっている。また上流側外壁335には上流側突起317が設けられ、下流側外壁336には下流側突起318が設けられている。このような構造により、フランジ312で熱式流量計300が主通路124に固定されることにより、回路パッケージ400を有する計測部310が高い信頼性を持って主通路124に固定される。
この実施例ではハウジング302に副通路を成形するための副通路溝を設けており、カバーをハウジング302の表面及び裏面にかぶせることにより、副通路溝とカバーとにより副通路が完成する構成としている。このような構造とすることで、ハウジング302の樹脂モールド工程でハウジング302の一部としてすべての副通路溝を成形することができる。またハウジング302の成形時にハウジング302の両面に金型が設けられるので、この両方の金型を使用することにより、表側副通路溝332と裏側副通路溝334の両方をハウジング302の一部として全て成形することが可能となる。ハウジング302の両面に表カバー303と裏カバー304を設けることでハウジング302の両面の副通路を完成させることができる。金型を利用してハウジング302の両面に表側副通路溝332と裏側副通路溝334を成形することで高い精度で副通路を成形できる。また高い生産性が得られる。
図6(B)において主通路124を流れる被計測気体30の一部が入口350を成形する入口溝351から裏側副通路溝334内に取り込まれ、裏側副通路溝334内を流れる。裏側副通路溝334は進むにつれて深くなる形状をしており、溝に沿って流れるにつれ表側の方向に被計測気体30は徐々に移動する。特に裏側副通路溝334は回路パッケージ400の上流部342で急激に深くなる急傾斜部347が設けられていて、質量の小さい空気の一部は急傾斜部347に沿って移動し、回路パッケージ400の上流部342で図5(B)に記載の計測用流路面430の方を流れる。一方質量の大きい異物は慣性力によって急激な進路変更が困難なため、図6(B)に示す計測用流路面裏面431の方を移動する。その後回路パッケージ400の下流部341を通り、図5(B)に記載の計測用流路面430の方を流れる。
熱伝達面露出部436近傍の被計測気体30の流れについて図7を用いて説明する。図5(B)に記載の表側副通路溝332において、上述の回路パッケージ400の上流部342から表側副通路溝332側に移動した被計測気体30である空気は、計測用流路面430に沿って流れ、計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436を介して流量を計測するための流量検出部602との間で熱伝達が行われ、流量の計測が行われる。計測用流路面430を通過した被計測気体30や回路パッケージ400の下流部341から表側副通路溝332に流れてきた空気は共に表側副通路溝332に沿って流れ、出口352を成形するための出口溝353から主通路124に排出される。
被計測気体30に混入しているごみなどの質量の大きい物質は慣性力が大きく、溝の深さが急激に深まる図6(B)に示す、急傾斜部347の部分の表面に沿って、溝の深い方向に急激に進路を変えることが困難である。このため質量の大きい異物は計測用流路面裏面431の方を移動し、異物が熱伝達面露出部436の近くを通るのを抑制できる。この実施例では気体以外の質量の大きい異物の多くが、計測用流路面430の背面である計測用流路面裏面431を通過するように構成しているので、油分やカーボン、ごみなどの異物による汚れの影響を低減でき、計測精度の低下を抑制できる。すなわち主通路124の流れの軸を横切る軸に沿って被計測気体30の進路を急に変化させる形状を有しているので、被計測気体30に混入する異物の影響を低減できる。
この実施例では、裏側副通路溝334で構成される流路は曲線を描きながらハウジング302の先端部からフランジ方向に向かい、最もフランジ側の位置では副通路を流れる気体は主通路124の流れに対して逆方向の流れとなり、この逆方向の流れの部分で一方側である裏面側の副通路が、他方側である表面側に成形された副通路につながる。このようにすることで、回路パッケージ400の熱伝達面露出部436の副通路への固定が容易となり、さらに被計測気体30を主通路124の中央部に近い位置で取り込むことが容易となる。
この実施例では、流量を計測するための計測用流路面430の流れ方向における前後に裏側副通路溝334と表側副通路溝332とに貫通する構成から成り、かつ回路パッケージ400の先端側はハウジング302で支持した構成ではなく空洞部382を有し、回路パッケージ400の上流部342の空間と回路パッケージ400の下流部341の空間が繋がった構成である。この回路パッケージ400の上流部342と回路パッケージ400の下流部341を貫通する構成として、ハウジング302の一方面に成形した裏側副通路溝334からハウジング302の他方の面に成形した表側副通路溝332へ被計測気体30が移動する形状で副通路を成形している。このような構成とすることで、1回の樹脂モールド工程でハウジング302の両面に副通路溝を成形でき、また両面の副通路溝を繋ぐ構造を合わせて成形することが可能となる。
ハウジング302の成形時には、回路パッケージ400に形成された計測用流路面430の両側を成型金型でクランプすることで回路パッケージ400の上流部342と回路パッケージ400の下流部341を貫通する構成を形成することができると共に、ハウジング302の樹脂モールド成形と同時に、回路パッケージ400をハウジング302に実装することができる。このようにハウジング302の成形金型に回路パッケージ400をインサートして成形することにより、副通路に対して回路パッケージ400及び熱伝達面露出部436を高精度に実装することが可能となる。
この実施例では、この回路パッケージ400の上流部342と回路パッケージ400の下流部341を貫通する構成としている。しかし、回路パッケージ400の上流部342と下流部341どちらか一方を貫通した構成とすることで、裏側副通路溝334と表側副通路溝332とをつなぐ副通路形状を1回の樹脂モールド工程で成形することも可能である。
なお、裏側副通路溝334の両側には裏側副通路内周壁391と裏側副通路外周壁392が設けられ、これら裏側副通路内周壁391と裏側副通路外周壁392のそれぞれの高さ方向の先端部と裏カバー304の内側面とが密着することで、ハウジング302の裏側副通路が成形される。また表側副通路溝332の両側には表側副通路内周壁393と表側副通路外周壁394が設けられ、これら表側副通路内周壁393と表側副通路外周壁394の高さ方向の先端部と表カバー303の内側面とが密着することで、ハウジング302の表側副通路が成形される。
この実施例では、計測用流路面430とその背面の両方に分かれて被計測気体30が流れ、一方側に流量を計測する熱伝達面露出部436を設けているが、被計測気体30を二つの通路に分けるのではなく、計測用流路面430の表面側のみを通過するようにしても良い。主通路124の流れ方向の第1軸に対してこれを横切る方向の第2軸に沿うように副通路を曲げることにより、被計測気体30に混入する異物を、第2軸の曲りの小さい片側に寄せることができ、第2軸の曲りの大きい方に計測用流路面430および熱伝達面露出部436を設けることにより、異物の影響を低減できる。
またこの実施例では表側副通路溝332と裏側副通路溝334の繋ぎの部分に計測用流路面430および熱伝達面露出部436を設けている。しかし表側副通路溝332と裏側副通路溝334の繋ぎの部分ではなく、表側副通路溝332にあるいは、裏側副通路溝334に設けても良い。
計測用流路面430に設けられた流量を計測するための熱伝達面露出部436の部分に絞り形状が成形されており(図7を用いて以下で説明する)、この絞り効果により流速が速くなり、計測精度が向上する。また仮に熱伝達面露出部436の上流側で気体の流れに渦が発生していたとしても上記絞りにより渦を消滅あるいは低減でき、計測精度が向上する。
図5および図6で、上流側外壁335が温度検出部452の根元部で下流側に窪む形状を成す、外壁窪み部366を備えている。この外壁窪み部366により、温度検出部452と外壁窪み部366との間の距離が長くなり、上流側外壁335を介して伝わってくる熱の影響を低減できる。
また、回路パッケージ400を固定部372で包むことにより、回路パッケージ400を固定しているが、外壁窪み部366によりさらに回路パッケージ400を固定することにより、回路パッケージ400を固定する力を増大することができる。固定部372は被計測気体30の流れ軸に沿う方向に回路パッケージ400を包含している。一方外壁窪み部366は被計測気体30の流れ軸を横切る方向に回路パッケージ400を包含している。すなわち固定部372に対して包含する方向が異なるようにして回路パッケージ400を包含している。二つの異なる方向で回路パッケージ400を包含しているので、固定する力が増大している。外壁窪み部366は上流側外壁335の一部であるが、固定する力を増大するためであれば、上流側外壁335の代わりに下流側外壁336で、固定部372と異なる方向に回路パッケージ400を包含しても良い。例えば、下流側外壁336で回路パッケージ400の板部を包含するとか、あるいは下流側外壁336に上流方向に窪む窪み、あるいは上流方向に突出する突出部を設けて回路パッケージ400を包含しても良い。上流側外壁335に外壁窪み部366を設けて回路パッケージ400を包含したのは、回路パッケージ400の固定に加えて、温度検出部452と上流側外壁335との間の熱抵抗を増大する作用を持たせたためである。
温度検出部452の根元部に外壁窪み部366が設けられ、これによりフランジ312あるいは熱絶縁部315から上流側外壁335を介して伝わってくる熱の影響を低減できる。さらに上流側突起317と温度検出部452との間の切欠きにより成形された測温用窪み368が設けられている。この測温用窪み368により上流側突起317を介して温度検出部452にもたらされる熱の伝わりを低減できる。これにより温度検出部452の検出精度が向上する。特に上流側突起317はその断面積が大きいので熱が伝わり易く、熱の伝わりを阻止する測温用窪み368の働きは重要である。
3.2 副通路の流量検出部の構造と効果
図7は、回路パッケージ400の計測用流路面430が副通路溝の内部に配置されている状態を示す部分拡大図であり、図6のA−A断面図である。なお、この図は概念図であり、図5や図6に示す詳細形状に対して、図7では細部の省略および単純化を行っており、細部に関して少し変形している。図7の左部分が裏側副通路溝334の終端部であり、右側部分が表側副通路溝332の始端部分である。図7では明確に記載していないが、計測用流路面430を有する回路パッケージ400の左右両側には、貫通部が設けられていて、計測用流路面430を有する回路パッケージ400の左右両側で裏側副通路溝334と表側副通路溝332とが繋がっている。
入口350から取り込まれ、裏側副通路溝334により構成される裏側副通路を流れた被計測気体30は、図7の左側から導かれ、被計測気体30の一部は、回路パッケージ400の上流部342の貫通部を介して、回路パッケージ400の計測用流路面430の表面と表カバー303に設けられた突起部356で作られる流路386の方を流れ、他の被計測気体30は計測用流路面裏面431と裏カバー304で作られる流路387の方を流れる。その後、流路387を流れた被計測気体30は、回路パッケージ400の下流部341の貫通部を介して表側副通路溝332の方に移り、流路386を流れている被計測気体30と合流し、表側副通路溝332を流れ、出口352から主通路124に排出される。なお、図8に示すように、流路387には裏カバー304に設けられた突起部358が計測用流路面裏面431に向かって突出していてもよい。
裏側副通路溝334から回路パッケージ400の上流部342の貫通部を介して流路386に導かれる被計測気体30の方が、流路387に導かれる流路よりも曲りが大きくなるように、副通路溝が成形されているので、被計測気体30に含まれるごみなどの質量の大きい物質は、曲りの少ない流路387の方に集まる。このため流路386への異物の流入はほとんど無い。
流路386では、表側副通路溝332の最先端部に連続して、表カバー303に設けられ突起部356が計測用流路面430の方に徐々に突出することにより、絞りが成形される構造を成している。流路386の絞り部の一方側に計測用流路面430が配置され、計測用流路面430には流量検出部602が被計測気体30との間で熱伝達を行うための熱伝達面露出部436が設けられている。流量検出部602の計測が高精度で行われるためには、熱伝達面露出部436の部分で被計測気体30が渦の少ない層流であることが望ましい。また流速が速い方が計測精度が向上する。このために計測用流路面430に対向して表カバー303に設けられた突起部356が計測用流路面430に向かって滑らかに突出することにより絞りが成形される。この絞りは、被計測気体30の渦を減少させて層流に近づけている作用をする。さらに絞り部分では流速が速くなり、この絞り部分に流量を計測するための熱伝達面露出部436が配置されているので、流量の計測精度が向上している。
より具体的には、図7に示すように、前記突起部356は、副通路の壁面のうち回路パッケージ(支持体)400の流量検出部602の熱伝達面露出部436が設けられた計測用流路面430と対向する壁面501に、被計測気体30の流れ方向に向かうに従って壁面501から回路パッケージ400へ近づく平面状の傾斜面から成る絞り面503とこの絞り面503の下流側端部(図中、突起部356の頂点に相当)504から壁面501へ戻る戻り面505とを有している。前記絞り面503と前記壁面501との交線(絞り開始位置)506が、被計測気体30の流れ方向で回路パッケージ400の上流側端部401よりも上流側に配置され、前記戻り面505と前記壁面501との交線(絞り終了位置)507が、被計測気体30の流れ方向で回路パッケージ400の下流側端部402よりも下流側に配置されている。すなわち、前記突起部356の被計測気体30の流れ方向の長さL356は、回路パッケージ400の被計測気体30の流れ方向の長さL430よりも相対的に長くなっている。さらに、突起部356のうち壁面501から最も離間している部分(図中、突起部356の頂点)504は、回路パッケージ400の被計測気体30の流れ方向の長さL430の範囲内、すなわち、回路パッケージ400の上流側端部401よりも下流側で下流側端部402よりも上流側に配置されている。このような構成とすることで、被計測気体30の順流とともに脈動や逆流(脈動が大きくなって内燃機関から吸気管のエアクリーナの方向へ向かう空気流が発生する状態)に対しても、回路パッケージ400の計測用流路面430側の流路356を流れる被計測気体30を回路パッケージ400の被計測気体30の流れ方向の長さL430の外側の領域から徐々に縮流させることができるため、順流や脈動や逆流における被計測気体30を円滑に且つ効果的に縮流させてその流速を速めることができ、順流とともに脈動や逆流が発生した状態においても、副通路内を流れる被計測気体30の流量を高精度に計測することができる。
ところで、上記するように、裏側副通路溝334から回路パッケージ400の上流部342の貫通部を介して流路386に導かれる被計測気体30の方が、流路387に導かれる流路よりも曲りが大きくなるように副通路溝が成形されているため、被計測気体30に含まれるごみなどの質量の大きい物質は、曲りの少ない流路387の方に集まり、流路386への異物の流入はほとんど無いようになっている。しかしながら、流路386にも僅かながら粒子や汚染物質、水やオイル等が含まれる可能性はある。
したがって、図示するように、突起部356のうち壁面501から最も離間している部分(図中、突起部356の頂点)504は、被計測気体30の流れ方向で流量検出部602の熱伝達面露出部436の位置から離間して配置する。また、脈動や逆流が発生する頻度と順流が発生する頻度を比較すると、順流の発生頻度が多いため、壁面501から最も離間している部分(図中、突起部356の頂点)504は、特に順流の被計測気体30に含まれる粒子や汚損物質が流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達しないように、流量検出部602の熱伝達面露出部436よりも下流側に配置する。このような構成とすることで、流路386に粒子や汚損物質が混入した場合であっても、突起部356の頂点504と回路パッケージ400との距離に関わらず、突起部356の絞り面503等で反射した粒子や汚損物質が流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達することを確実に回避することができる。
すなわち、前記絞り面503と前記壁面501との交線506が、被計測気体30の流れ方向で回路パッケージ400の上流側端部401よりも上流側に配置され、前記戻り面505と前記壁面501との交線507が、被計測気体30の流れ方向で回路パッケージ400の下流側端部402よりも下流側に配置され、突起部356のうち壁面501から最も離間している部分504が、被計測気体30の流れ方向で流量検出部602の熱伝達面露出部436よりも下流側かつ回路パッケージ400の下流側端部402よりも上流側に配置されることによって、計測気体30に含まれる粒子や汚損物質、水やオイル等が流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達することを効果的に回避し、被計測気体30の流量の計測精度を格段に高めることができる。
なお、前記絞り面503と前記壁面501との交線506、突起部356の頂点504、前記戻り面505と前記壁面501との交線507等の位置を調整することによって、前記も絞り面503や戻り面505の傾き、流量検出部602の熱伝達面露出部436の中心を通る平面C436における熱伝達面露出部436の中心と前記絞り面503との距離L436等を変化させることができ、回路パッケージ400の計測用流路面430側を流れる被計測気体30の流速や突起部356で反射して回路パッケージ400へ到達する粒子や汚損物質の位置等を変化させることができる。
また、図7で示すように、突起部356の前記戻り面505は、壁面501に対して垂直な平面509を有している。このような構成とすることで、突起部356の頂点504を通過した後の順流の被計測気体30における流路386の流路断面を迅速に回復し、被計測気体30の絞り部での流速をより速めることができ、被計測気体30の流量の計測精度をより高めることができる。なお、この効果は、突起部356の戻り面505を、回路パッケージ400に向かって凹となる形状に構成しても同様に得ることができる。
また、壁面501に対して垂直な平面509を設けることによって、脈動や逆流が発生した状態において被計測気体30に含まれる粒子や汚損物質を当該垂直な平面509で反射させることができ、回路パッケージ400へ到達する粒子や汚損物質の量を抑制することができ、被計測気体30の計測精度を高めることができるといった効果もある。
さらに、前記平面509は、図示するように、被計測気体30の流れ方向で回路パッケージ400の下流側端部402よりも下流側に配置されており、脈動や逆流が発生した状態において被計測気体30を回路パッケージ400上で円滑に縮流させることができる。また、前記平面509は、前記戻り面505の下流側端部(交線507部分)に設けられているため、流路386の流路断面の変化を少なくすることができ、流路386における被計測気体30の流れを円滑にして被計測気体30の流量の計測精度をより高めることができる。
計測用流路面430に設けた熱伝達面露出部436に対向するようにして突起部356を副通路溝内に突出させることで絞りを成形して、計測精度を向上することができる。絞りを成形するための突起部356は、計測用流路面430に設けた熱伝達面露出部436に対向する方のカバーに設けることになる。図7では計測用流路面430に設けた熱伝達面露出部436に対向する方のカバーが表カバー303であるので表カバー303に突起部356を設けているが、表カバー303あるいは裏カバー304の内の計測用流路面430に設けた熱伝達面露出部436に対向する方のカバーに設ければ良い。回路パッケージ400における計測用流路面430および熱伝達面露出部436を設ける面がどちらになるかにより、熱伝達面露出部436に対向する方のカバーがどちらになるかが変わる。
3.3 図7に示す実施例の他の実施例
図8は、図7に示す実施例の他の実施例を示す部分拡大図であり、裏カバー304に突起部358を設けた形態を示したものである。
副通路の流路386と流路387との被計測気体30の配分なども高精度の計測にとって関係があり、図8に示すように、裏カバー304に設けられた突起部358を流路387に突出させることにより、流路386と流路387との被計測気体30の配分などの調整を行ってもよい。また流路387に絞り部を設けることで流速を速くし、ごみなどの異物を流路387に引き込む作用も成している。
副通路の壁面のうち回路パッケージ400の計測用流路面裏面431と対向する裏面側壁面502に設けられた突起部358は、被計測気体30の流れ方向に向かうに従って回路パッケージ400へ近づく裏面側絞り面513とこの裏面側絞り面513の下流側端部から壁面502へ戻る裏面側戻り面515を有している。この突起部358は、順流と脈動や逆流を考慮しつつその形状を簡素化するために、被計測気体30の流れ方向に直交する平面のうち流量検出部602の熱伝達面露出部436の中心を通る平面C436に対して対称であってもよいし、脈動や逆流が発生する頻度と順流が発生する頻度、脈動や逆流の際の流量と順流の際の流量などを考慮して、被計測気体30の流れ方向に直交する平面に対して非対称であってもよい。また、回路パッケージ400の計測用流路面430側の流路386における被計測気体30の順流や逆流の流れに対する影響を低減するために、裏側絞り面513と前記壁面502との交線(絞り開始位置)516を、被計測気体30の流れ方向で回路パッケージ400の上流側端部401よりも下流側に配置し、裏側戻り面515と前記壁面502との交線(絞り終了位置)517を、被計測気体30の流れ方向で回路パッケージ400の下流側端部402よりも上流側に配置してもよい。
なお、図8に示す実施例では、流路386と流路387の色々な調整の手段の一つとして突起部358による絞りを利用しているが、計測用流路面裏面431と裏カバー304の間の幅などの調整により、上述した流路386と流路387との流量の配分等の調整を行っても良い。この場合は図7に示すように、裏カバー304に設けられた突起部358は不要となる。
3.4 図7に示す実施例の更なる他の実施例
次に、図9〜図14は、図7に示す実施例の更なる他の実施例を示す部分拡大図であり、表カバー303に設けられた突起部356の変形形態を示したものである。
図7で示す突起部356の前記絞り面503や前記戻り面505は、回路パッケージ400の計測用流路面430側を流れる被計測気体30の流速や回路パッケージ400へ到達する粒子や汚損物質の位置等に応じて、平面と曲面のいずれかもしくはそれらの組合せから構成することができる。また、前記絞り面503や前記戻り面505はそれぞれ、傾斜角度(傾き)の異なる複数の平面を組合せて構成してもよいし、曲率の異なる複数の曲面を組み合わせて構成してもよい。また、前記絞り面503や前記戻り面505は、回路パッケージ400に向かって凸となる形状を呈していてもよいし、回路パッケージ400に向かって凹となる形状を呈していてもよい。
さらに、前記絞り面503や前記戻り面505は、脈動や逆流が発生する頻度と順流が発生する頻度、脈動や逆流の際の流量と順流の際の流量などを考慮して被計測気体30の流れ方向に直交する平面に対して非対称であってもよいし、突起部356の形状を簡素化するために被計測気体30の流れ方向に直交する平面に対して対称であってもよい。
たとえば、図9や図10で示すように、突起部356の頂点504の位置が図7で示す実施例と同等であり、前記絞り面503が回路パッケージ400に向かって凸となる形状を呈している場合には、図7に示す実施例と比較して、前記も絞り面503の傾きが大きくなり、流量検出部602の熱伝達面露出部436の中心を通る平面C436における熱伝達面露出部436の中心と前記絞り面503との距離L436が小さくなる。このような構成とすることで、回路パッケージ400の計測用流路面430側を流れる被計測気体30をより一層縮流させることができ、流量検出部602の熱伝達面露出部436における被計測気体30の流速を高めることができる。
一方で、前記も絞り面503の傾きが大きくなると、突起部356で反射して回路パッケージ400の流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達する粒子や汚損物質の量が増加する可能性がある。
このような問題に対し、突起部356の頂点504を回路パッケージ400から離間させ、流量検出部602の熱伝達面露出部436の中心を通る平面C436における熱伝達面露出部436の中心と前記絞り面503との距離L436を大きくすることによって、流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達する粒子や汚損物質の増加を抑制することができる。なお、このように、流量検出部602の熱伝達面露出部436の中心を通る平面C436における熱伝達面露出部436の中心と前記絞り面503との距離L436を大きくしたとしても、前記絞り面503が回路パッケージ400に向かって凸となる形状を呈しているため、たとえば図7に示す実施例と比較して、相対的に熱伝達面露出部436の中心と前記絞り面503との距離L436を小さくすることができ、流量検出部602の熱伝達面露出部436における被計測気体30の流速を高めることが可能となる。
また、図9で示すように、絞り面503を傾きの異なる複数の平面512、518から構成し、特に絞り開始位置506から続く絞り面503の平面512の傾きを小さくすることによって、流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達する粒子や汚損物質の増加を抑制することもできる。このような場合には、複数の平面512、518同士の交線514を、被計測気体30の流れ方向で流量検出部602の熱伝達面露出部436に対向する位置に配置することによって、平面512よりも相対的に傾きの小さい平面518を流量検出部602の熱伝達面露出部436に対向する位置に配置することができるため、流量検出部602の熱伝達面露出部436付近における被計測気体30の急激な縮流を抑制することができ、流量検出部602の熱伝達面露出部436における被計測気体30の振動に起因する計測ノイズを抑制することができる。特に、図示するように、隣接する平面512、518同士の交線514が被計測気体30の流れ方向で流量検出部602の熱伝達面露出部436の中心を通る平面C436よりも上流側に配置されている場合には、流量検出部602の熱伝達面露出部436に対向する位置の大部分に相対的に傾きの小さい平面518を配置することができるようになり、流量検出部602の熱伝達面露出部436付近における被計測気体30の急激な縮流をより効果的に抑制することができる。すなわち、本実施例によれば、流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達する粒子や汚損物質の増加を抑制しながら、流量検出部602の熱伝達面露出部436を流れる被計測気体30の流量を高精度に計測することが可能となる。
また、図10で示すように、突起部356の絞り面503が曲面から構成される場合には、絞り面503における屈曲部が低減されるため、絞り開始位置506から流量検出部602の熱伝達面露出部436付近まで被計測気体30を滑らかに縮流させることができ、流量検出部602の熱伝達面露出部436における被計測気体30の振動に起因する計測ノイズを抑制して、被計測気体30の流量の計測精度を効果的に高めることができるといった効果もある。
一方、図11や図12で示すように、突起部356の頂点504の位置が図7で示す実施例と同等であり、前記絞り面503が回路パッケージ400に向かって凹となる形状を呈している場合には、図7に示す実施例と比較して、絞り開始位置506から続く絞り面503の傾きが小さくなり、順流の被計測気体30に含まれる粒子や汚損物質を流量検出部602の熱伝達面露出部436よりも下流側に誘導することができる。このような構成とすることで、突起部356の絞り面503で反射して流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達する粒子や汚損物質の量を低減することができる。また、流量検出部602の熱伝達面露出部436付近では、計測用流路面430側の流路356を流れる被計測気体30を徐々に縮流させることができるため、流量検出部602の熱伝達面露出部436における被計測気体30の流速を効果的に高めることができる。
なお、図11で示すように、絞り面503を傾きの異なる複数の平面512、518から構成した場合には、たとえば図12で示すように、絞り面503を曲面から構成した場合と比較して、突起部356の頂点504近傍における絞り面503の傾きの変化を抑制することができ、突起部356の頂点504近傍における被計測気体30の流速の急激な変化による計測ノイズの発生を抑制することができる。一方で、図12で示すように、絞り面503を曲面から構成した場合には、絞り面503における屈曲部が低減されるため、絞り開始位置506から流量検出部602の熱伝達面露出部436付近まで被計測気体30を滑らかに縮流させることができ、流量検出部602の熱伝達面露出部436における被計測気体30の振動に起因する計測ノイズを抑制して、被計測気体30の流量の計測精度を効果的に高めることができる。
なお、突起部356の絞り面503は、たとえば図13で示すように、回路パッケージ400の計測用流路面430(流量検出部602の熱伝達面露出部436)と略平行な平面519を有したとしても、少なくとも被計測気体30の流れ方向に向かうに従って壁面501から回路パッケージ400へ次第に近づく面であり、突起部356の絞り面503の下流側端部に突起部503の頂点504が形成される。また、突起部356の戻り面510は、回路パッケージ400の計測用流路面430(流量検出部602の熱伝達面露出部436)と略平行な平面510を有したとしてもよい。
ここで、前記平面519は突起部356の絞り面503の任意の位置に配置することができるものの、図示するように、流量検出部602の熱伝達面露出部436に対向する位置、より具体的には、前記平面519の上流側端部522が被計測気体30の流れ方向で熱伝達面露出部436よりも上流側、前記平面519の下流側端部523が熱伝達面露出部436よりも下流側に配置されるような位置に絞り面503の平面519が配置されることが好ましい。このような構成とすることで、回路パッケージ400に対して表カバー303に形成された突起部356を配置した際、被計測気体30の流れ方向で回路パッケージ400に対して突起部356の位置ずれが発生した場合であっても、流量検出部602の熱伝達面露出部436に対向する位置における絞り面503の形状の変化を抑制することができるため、組み付け精度に起因する被計測気体30の流量の計測精度の低下を抑制することができ、被計測気体30の流量の計測精度を維持することができる。
また、突起部356の戻り面505は、たとえば図14で示すように、突起部503の頂点504の下流側に回路パッケージ400に向かって凸となる曲面511を有していてもよい。
上記するように、脈動や逆流が発生する頻度と順流が発生する頻度を比較すると、順流の発生頻度が多いため、壁面501から最も離間している部分(図中、突起部356の頂点)504は、特に順流の被計測気体30に含まれる粒子や汚損物質が流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達しないように、流量検出部602の熱伝達面露出部436よりも下流側に配置している。
一方で、図示するように、戻り面505に回路パッケージ400に向かって凸となる曲面511を形成したり、戻り面505を傾きの異なる複数の平面から構成して絞り終了位置507へ続く平面の傾きを大きくすることによって、脈動や逆流の被計測気体30に含まれる粒子や汚損物質を流量検出部602の熱伝達面露出部436の(被計測気体30の順流に対して)下流側、すなわち、回路パッケージ400の下流側端部402の近傍へ誘導することができる。そのため、脈動や逆流が発生した状態においても計測気体30に含まれる粒子や汚損物質、水やオイル等が流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達することを回避することができ、被計測気体30の流量の計測精度を格段に高めることができる。
3.5 図7に示す実施例の更なる他の実施例
次に、図15は、図7に示す流量計測部分の他の実施例を示す拡大図であり、図6(B)のA−A断面に相当する部分の他の実施例である。図7と同様、図示しない入口溝から取り込まれた被計測気体30は、図15に示されない計測部310の先端側に設けられた副通路を破線の矢印で示すように流れ、図の左側に位置する裏側副通路溝の終端側に位置する溝から通路386に導かれる。この通路386において、計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436により流量が計測される。その後表側副通路溝に導かれ、再び図15に示されない計測部310の先端側に設けられた副通路を破線の矢印で示すように流れ、図2(B)に示す出口352から主通路124へ排出される。
回路パッケージ400に設けられた計測用流路面430の裏側は、副通路を成形するための樹脂部359に埋設されている。回路パッケージ400の計測用流路面430の裏側が副通路を成形するための樹脂部359に埋め込まれることにより、裏側副通路溝334の溝の内面に沿って、回路パッケージ400に成形された計測用流路面430が連続するように配置され、被計測気体30は裏側副通路溝334の内面および計測用流路面430に沿って流れ、計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436により流量が計測される。なお図示していないが計測部310の裏面に成形された副通路溝は裏カバー304により覆われて、副通路が作られる。
計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436に対向する位置の表カバー303には、流路386の内部に突出する突起部356が設けられており、突起部356と計測用流路面430とにより、絞りが成形される。図7に示す流路386と同様、流路386に絞りが成形されることで、流路386を流れる被計測気体30の渦が減少し、被計測気体30は層流に近づく。従って流量検出部602による計測される流量の計測精度が向上する。また通路流路386に設けられた絞りにより、流量計測部分の流速が増加し、流量計測の精度の向上につながる。
図7に記載の構造との大きな相違点は、図7では回路パッケージ400に成形された計測用流路面430とその背面の計測用流路面裏面431との両方の側に副通路が成形されるのに対し、図15では、計測用流路面430の方にのみ副通路が成形される点である。図15に示す構造の方が計測用流路面430に沿って流れる流量が多くなり、計測される被計測気体30の流速を増大できる効果がある。
図15では裏側副通路溝に、計測用流路面430が連続するように、ハウジング302に回路パッケージ400を固定した。従って突起部356を表カバー303に設けた。このため裏カバー304には突起が不要である。しかし、表側副通路溝に計測用流路面430が連続するように、ハウジング302に回路パッケージ400を固定してもよい。この場合は、突起部356は裏カバー304に設けることとなり、表カバー303には突起が不要である。
3.6 副通路内の回路パッケージの構造と効果
上記においては、主として副通路の壁面に設けられた突起部356によって、被計測気体30に含まれる粒子や汚損物質が流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達することを回避し、被計測気体30の流量の計測精度を高める構成について説明した。一方で、回路パッケージ400に設けられた熱伝達面露出部436付近で被計測気体30の淀み点や渦が存在すると、被計測気体30の流速が低下したり、被計測気体30に含まれる粒子や汚損物質が熱伝達面露出部436に堆積して流量の計測精度が低下する可能性がある。
そこで、本実施例では、後述する図20で示すように、回路パッケージ400のうち流量検出部602の熱伝達面露出部436の周囲に、計測用流路面430と対向する前記壁面501へ向かって拡幅する傾斜面434、435を形成している。ここで、流量検出部602の熱伝達面露出部436は略正方形を呈しており、図16で示すように、傾斜面434は、副通路を流れる被計測気体30の流れ方向に直交する方向に設けられており、傾斜面435は、副通路を流れる被計測気体30の流れ方向に沿う方向に設けられている。このような構成とすることで、流量検出部602の熱伝達面露出部436の周縁部433、特に略正方形の熱伝達面露出部436の角部での被計測気体30の淀み点や渦の発生が抑制され、熱伝達面露出部436での被計測気体30が渦等の少ない流れとなり、被計測気体30の流速が速くなり、被計測気体30に含まれる粒子や汚損物質が流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達することをより一層回避し、被計測気体30の流量の計測精度を効果的に高めることができる。
また、前記傾斜面435における熱伝達面露出部436と回路パッケージ400の表面との段差は、傾斜面434における熱伝達面露出部436と回路パッケージ400の表面との段差よりも大きくなっており、前記傾斜面435は、図16で示すように、回路パッケージ400の上流側端部401から下流側端部402に亘って被計測気体30の流れ方向に沿って延設されている。このような構成とすることで、副通路を流れる被計測気体30の流れ方向に沿う方向に長く延びる溝形状が形成され、被計測気体30が回路パッケージ400の計測用流路面430上を円滑に流れるようになり、被計測気体30に含まれる粒子や汚損物質が流量検出部602の熱伝達面露出部436へ到達することをより一層回避し、被計測気体30の流量の計測精度を効果的に高めることができる。
なお、図5および図6において、計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436の裏面である計測用流路面裏面431に、回路パッケージ400の樹脂モールド工程で使用された金型の押さえ跡442が残っている。押さえ跡442は特に流量の計測の障害となるものではなく、そのまま押さえ跡442が残っていても問題ない。また後述するが、回路パッケージ400を樹脂モールドで成形する際に、流量検出部602が有する半導体ダイヤフラムの保護が重要となる。このために熱伝達面露出部436の裏面の押さえが重要である。また熱伝達面露出部436に回路パッケージ400を覆う樹脂が流れ込まないようにすることが大切である。このような観点から、熱伝達面露出部436を含む計測用流路面430を金型で囲い、また熱伝達面露出部436の背面を他の金型で押さえつけ、樹脂の流入を阻止する。回路パッケージ400はトランスファモールドで作られるので、樹脂の圧力が高く、熱伝達面露出部436の背面からの押さえが重要である。また流量検出部602には半導体ダイヤフラムが使用されており、半導体ダイヤフラムにより作られる空隙の通気用通路を成形することが望まれる。通気用通路を成形するためのプレートなどを保持固定するために、熱伝達面露出部436の裏面からの押さえは重要である。
3.7 表カバー303と裏カバー304の形状と効果
図17は表カバー303の外観を示す図であり、図17(A)は左側面図、図17(B)は正面図、図17(C)は平面図である。図18は裏カバー304の外観を示す図であり、図18(A)は左側面図、図18(B)は正面図、図18(C)は平面図である。
図17および図18において、表カバー303や裏カバー304はハウジング302の副通路溝の一部を塞ぐことにより、副通路を作るのに使用することができる。また、図17に示すように、突起部356を備え、流路に絞りを設けるために使用される。このため成形精度が高いことが望ましい。表カバー303や裏カバー304は金型に熱可塑性樹脂を注入する樹脂モールド工程により、作られるので、高い成形精度で作ることができる。また、表カバー303と裏カバー304には、突起部380と突起部381が形成されており、ハウジング302に嵌合した際に、図5(B)及び図6(B)に表記した回路パッケージ400の先端側の空洞部382の隙間を埋めると同時に回路パッケージ400の先端部を覆う構成となる。
図17や図18に示す表カバー303や裏カバー304には、表保護部322や裏保護部325が成形されている。図2や図3に示すように入口343の表側側面に表カバー303に設けられた表保護部322が配置され、また入口343の裏側側面に、裏カバー304に設けられた裏保護部325が配置されている。入口343内部に配置されている温度検出部452が表保護部322と裏保護部325で保護され、生産中および車への搭載時に温度検出部452が何かとぶつかることなどによる温度検出部452の機械的な損傷を防止できる。
表カバー303の内側面には突起部356が設けられ、図7の例に示す如く、突起部356は計測用流路面430に対向して配置され、副通路の流路の軸に沿う方向に長く延びた形状をしている。突起部356の断面形状は、図17(C)に示したように突起部の頂点を境に下流側に向かって傾斜になっており、その下流側端部で表カバー303の内側面に垂直な形状を呈している。計測用流路面430と突起部356とにより上述した流路386に絞りが成形され、被計測気体30に生じている渦を減少させ、層流に生じさせる作用をする。この実施例では、絞り部分を有する副通路を、溝の部分と溝を塞いで絞りを備えた流路を完成する蓋の部分とにわけ、溝の部分を、ハウジング302を成形するための第2樹脂モールド工程で作り、次に突起部356を有する表カバー303を他の樹脂モールド工程で成形し、表カバー303を溝の蓋として溝を覆うことにより、副通路を作っている。ハウジング302を成形する第2樹脂モールド工程で、計測用流路面430を有する回路パッケージ400のハウジング302への固定も行っている。このように形状の複雑な溝の成形を樹脂モールド工程で行い、絞りのための突起部356を表カバー303に設けることで、高い精度で図7に示す流路386を成形することができる。また溝と計測用流路面430や熱伝達面露出部436の配置関係を高い精度で維持できるので、量産品においてのばらつきを小さくでき、結果として高い計測結果が得られる。また生産性も向上する。
裏カバー304と計測用流路面裏面431による流路387の成形も同様である。流路387の溝部分と蓋部分とに分け、溝部分をハウジング302を成形する第2樹脂モールド工程で作り、裏カバー304で溝を覆うことにより、流路387を成形している。流路387をこのようにして作ることにより、流路387を高精度で作ることができ、生産性も向上する。なおこの実施例では流路386に絞りを設けているが、図8に示すように、突起部358を設けて、絞りを有した流路387を使用することも可能である。
3.8 回路パッケージ400のハウジング302による固定構造と効果
次に再び図5および図6を参照して、回路パッケージ400のハウジング302への樹脂モールド工程による固定について説明する。副通路を成形する副通路溝の所定の場所、例えば図5および図6に示す実施例では、表側副通路溝332と裏側副通路溝334のつながりの部分に、回路パッケージ400の表面に成形された計測用流路面430が配置されるように、回路パッケージ400がハウジング302に配置されて固定されている。回路パッケージ400をハウジング302に樹脂モールドにより埋設して固定する部分が、副通路溝より少しフランジ312側に、回路パッケージ400をハウジング302に埋設固定するための固定部372として設けられている。固定部372は第1樹脂モールド工程により成形された回路パッケージ400の外周を覆うようにして埋設している。
図5(B)に示す如く、回路パッケージ400は固定部372により固定されている。固定部372は表カバー303に接する高さの面と薄肉部376により回路パッケージ400を包含している。376の箇所を覆う樹脂の厚みを薄肉にすることで、固定部372の成形時に樹脂の温度が冷える時の収縮を緩和することができると共に、回路パッケージ400に加わる応力の集中を低減できる効果がある。図6(B)に示すとおり、回路パッケージ400の裏側も上述のような形状とすると、より効果が得られる。
また、回路パッケージ400の全面を、ハウジング302を成形する樹脂で覆うのではなく、固定部372のフランジ312側に、回路パッケージ400の外壁が露出する部分を設けている。この図5および図6の実施例では、回路パッケージ400の外周面の内のハウジング302の樹脂に包含される部分の面積より、ハウジング302の樹脂に包含されないでハウジング302の樹脂から露出している面積の方が広くなっている。また回路パッケージ400の計測用流路面430の部分も、ハウジング302を形成している樹脂から露出している。
回路パッケージ400の外壁を帯状に全周にわたって覆っている固定部372の一部を薄肉とすることで、ハウジング302を成形するための第2樹脂モールド工程において、回路パッケージ400の周囲を包含するようにして固定部372を硬化させる過程での体積収縮による過度な応力の集中を低減している。過度な応力の集中は回路パッケージ400に対しても悪影響を及ぼす可能性がある。
また、回路パッケージ400の外周面の内のハウジング302の樹脂に包含される部分の面積を少なくして、少ない面積で、より強固に回路パッケージ400を固定するには、固定部372における回路パッケージ400の外壁との密着性を高めることが望ましい。ハウジング302を成形する趣旨として熱可塑性樹脂を使用する場合には、熱可塑性樹脂の粘性が低い状態で回路パッケージ400の外壁の細かい凹凸に入り込み、前記外壁の細かい凹凸に入り込んだ状態で、熱可塑性樹脂が硬化することが望ましい。ハウジング302を成形する樹脂モールド工程において、熱可塑性樹脂の入口を固定部372にあるいはその近傍に設けることが望ましい。熱可塑性樹脂は温度の低下に基づいて粘性が増大し、硬化する。従って高温状態の熱可塑性樹脂を固定部372にあるいはその近傍から流し込むことで、粘性の低い状態の熱可塑性樹脂を回路パッケージ400の外壁に密着させ、硬化させることができる。このことにより、熱可塑性樹脂の温度低下が抑えられ、低粘性状態を長引かせ、回路パッケージ400と固定部372との密着性が向上する。
回路パッケージ400の外壁面を粗くすることにより回路パッケージ400と固定部372との密着性を向上することができる。回路パッケージ400の外壁面を粗くする方法として、回路パッケージ400を第1樹脂モールド工程で成形後に、例えば梨地処理といわれる処理方法のように、回路パッケージ400の表面に細かい凹凸を成形する粗化方法がある。回路パッケージ400の表面に細かい凹凸加工を施す粗化方法として、例えばサンドブラストにより粗化することができる。さらにレーザ加工により粗化することができる。
また、他の粗化方法としては、第1樹脂モールド工程に使用する金型の内面に凹凸の付いたシートを張り付け、シートを表面に設けた金型に樹脂を圧入する。このようにしても回路パッケージ400の表面に細かい凹凸を成形して粗化することができる。さらに回路パッケージ400を成形する金型の内部に凹凸をつけておき、回路パッケージ400の表面を粗化することができる。このような粗化を行う回路パッケージ400の表面部分は、少なくとも固定部372が設けられる部分である。さらに加えて外壁窪み部366が設けられる回路パッケージ400の表面部分を粗化することでさらに密着度が強くなる。
また、溝の深さは、上述のシートを利用して回路パッケージ400の表面を凹凸加工する場合は前記シートの厚さに依存する。前記シートの厚みを厚くすると第1樹脂モールド工程でのモールドが難しくなるので、前記シートの厚みに限界があり、前記シートの厚みが薄いと前記シートにあらかじめ設けておく凹凸の深さに限界がでる。このため前記シートを使用する場合は、凹凸の底と頂点との間である凹凸の深さが10μm以上20μm以下であることが望ましい。10μmより少ない深さでは、密着の効果が弱い。20μmより大きい深さは、前記シートの厚みから困難である。
前記シート以外の粗化方法の場合には、回路パッケージ400を成形している第1樹脂モールド工程での樹脂の厚さが2mm以下であることが望ましいとの理由から、凹凸の底と頂点との間である凹凸の深さを1mm以上とすることが困難である。概念的には、回路パッケージ400の表面の凹凸の底と頂点との間である凹凸の深さを大きくすると、回路パッケージ400を覆う樹脂とハウジング302を成形する樹脂との間の密着度が増すと考えられるが、前記理由により、凹凸の底と頂点との間である凹凸の深さは1mm以下が良い。すなわち10μm以上で1mm以下の範囲の凹凸を回路パッケージ400の表面に設けることで、回路パッケージ400を覆う樹脂とハウジング302を成形する樹脂との間の密着度を増加させることが望ましい。
回路パッケージ400を成形する熱硬化性樹脂と固定部372を備えるハウジング302を成形する熱可塑性樹脂とでは熱膨張係数に差があり、この熱膨張係数差に基づいて生じる過度な応力が回路パッケージ400に加わらないようにすることが望ましい。
さらに回路パッケージ400の外周を包含する固定部372の形状を帯状とし、帯の幅を狭くすることにより、回路パッケージ400に加わる熱膨張係数差による応力を低減できる。固定部372の帯の幅を10mm以下に、好ましくは8mm以下にすることが望ましい。本実施例では回路パッケージ400を固定部372だけでなく、ハウジング302の上流側外壁335の一部である外壁窪み部366でも回路パッケージ400を包含し回路パッケージ400を固定しているので、固定部372の帯の幅をさらに細くすることができる。例えば3mm以上の幅があれば回路パッケージ400を固定できる。
回路パッケージ400の表面に、熱膨張係数差による応力を低減するなどの目的のため、ハウジング302を成形する樹脂で覆う部分と覆わないで露出させる部分とを設けている。これら回路パッケージ400の表面がハウジング302の樹脂から露出する部分を複数個設け、この内の1つは先に説明した熱伝達面露出部436を有する計測用流路面430であり、また他に、固定部372よりフランジ312側の部分に露出する部分を設けている。さらに外壁窪み部366を成形し、この外壁窪み部366より上流側の部分を露出させ、この露出部を、温度検出部452を支える支持部としている。回路パッケージ400の外表面の固定部372よりフランジ312側の部分は、その外周、特に回路パッケージ400の下流側からフランジ312に対向する側にかけて、さらに回路パッケージ400の端子に近い部分の上流側にかけて、回路パッケージ400を取り巻くように空隙が成形されている。このように回路パッケージ400の表面が露出している部分の周囲に空隙が成形されていることで、主通路124からフランジ312を介して回路パッケージ400に伝わる熱量を低減でき、熱の影響による計測精度の低下を抑制している。
回路パッケージ400とフランジ312との間に空隙が成形され、この空隙部分が端子接続部320として作用している。この端子接続部320で回路パッケージ400の接続端子412と外部端子306のハウジング302側に位置する外部端子内端361とがそれぞれスポット溶接あるいはレーザ溶接などにより電気的に接続される。端子接続部320の空隙は上述したようにハウジング302から回路パッケージ400への熱伝達を抑制する効果を奏すると共に、回路パッケージ400の接続端子412と外部端子306の外部端子内端361との接続作業のために使用可能なスペースとして確保されている。
3.9 第2樹脂モールド工程によるハウジング302成形と効果
上述した図5および図6に示すハウジング302において、流量検出部602や処理部604を備える回路パッケージ400を第1樹脂モールド工程により製造し、次に、被計測気体30を流す副通路を成形する例えば表側副通路溝332や裏側副通路溝334を有するハウジング302を、第2樹脂モールド工程にて製造する。この第2樹脂モールド工程で、前記回路パッケージ400をハウジング302の樹脂内に内蔵して、ハウジング302内に樹脂モールドにより固定する。このようにすることで、流量検出部602が被計測気体30との間で熱伝達を行って流量を計測するための熱伝達面露出部436と副通路、例えば表側副通路溝332や裏側副通路溝334の形状との関係、例えば位置関係や方向の関係を、極めて高い精度で維持することが可能となる。回路パッケージ400毎に生じる誤差やばらつきを非常に小さい値に抑え込むことが可能となる。結果として回路パッケージ400の計測精度を大きく改善できる。例えば従来の接着剤を使用して固定する方式に比べ、2倍以上、計測精度を向上できる。熱式流量計300は量産により生産されることが多く、ここに厳密に計測しながら接着剤で接着する方法には、計測精度の向上に関して限界がある。しかし、本実施例のように第1樹脂モールド工程により回路パッケージ400を製造し、その後被計測気体30を流す副通路を成形する第2樹脂モールド工程にて副通路を成形すると同時に回路パッケージ400と前記副通路とを固定することで、計測精度のばらつきを大幅に低減でき、各熱式流量計300の計測精度を大幅に向上することが可能となる。このことは、図5や図6に示す実施例だけでなく、図7あるいは図15に示す実施例においても同様である。
例えば図5や図6に示す実施例でさらに説明すると、表側副通路溝332と裏側副通路溝334と熱伝達面露出部436との間に関係を、規定の関係となるように高い精度で回路パッケージ400をハウジング302に固定できる。このことにより、量産される熱式流量計300においてそれぞれ、各回路パッケージ400の熱伝達面露出部436と副通路との位置関係や形状などの関係を、非常に高い精度で、定常的に得ることが可能となる。回路パッケージ400の熱伝達面露出部436を固定した副通路溝、例えば表側副通路溝332と裏側副通路溝334とが非常に高い精度で成形できるので、この副通路溝から副通路を成形する作業は、表カバー303や裏カバー304でハウジング302の両面を覆う作業である。この作業は大変シンプルで、計測精度を低下させる要因が少ない作業工程である。また、表カバー303や裏カバー304は成形精度の高い樹脂モールド工程により生産される。従って回路パッケージ400の熱伝達面露出部436と規定の関係で設けられる副通路を高い精度で完成することが可能である。このような方法により、計測精度の向上に加え、高い生産性が得られる。
これに対して、従来は、副通路を製造し、次に副通路に計測部を接着剤で接着することにより、熱式流量計を生産していた。このように接着剤を使用する方法は、接着剤の厚みのばらつきが大きく、また接着位置や接着角度が製品毎にばらつく。このため計測精度を上げることには限界があった。さらにこれらの作業を量産工程で行う場合に、計測精度の向上が大変難しくなる。
本発明に係る実施例では、先ず、流量検出部602を備える回路パッケージ400を第1樹脂モールドにより生産し、次に回路パッケージ400を樹脂モールドにより固定すると共に同時に前記樹脂モールドで副通路を成形するための副通路溝を第2樹脂モールドにより、成形する。このようにすることにより、副通路溝の形状、および前記副通路溝に極めて高い精度で流量検出部602を固定できる。
流量の計測に関係する部分、例えば流量検出部602の熱伝達面露出部436や熱伝達面露出部436が取り付けられる計測用流路面430を、回路パッケージ400の表面に成形する。その後、計測用流路面430と熱伝達面露出部436はハウジング302を成形する樹脂から露出させる。すなわち熱伝達面露出部436および熱伝達面露出部436周辺の計測用流路面430を、ハウジング302を成形する樹脂で覆わないようにする。回路パッケージ400の樹脂モールドで成形した計測用流路面430や熱伝達面露出部436を、あるいは温度検出部452を、そのままハウジング302の樹脂モールド後も利用し、熱式流量計300の流量計測や温度計測に使用する。このようにすることで計測精度が向上する。
本発明に係る実施例では、回路パッケージ400をハウジング302に一体成形することにより、副通路を有するハウジング302に回路パッケージ400を固定しているので、少ない固定面積で回路パッケージ400をハウジング302に固定できる。すなわち、ハウジング302に接触していない回路パッケージ400の表面積を多く取ることができる。前記ハウジング302に接触していない回路パッケージ400の表面は、例えば空隙に露出している。吸気管の熱はハウジング302に伝わり、ハウジング302から回路パッケージ400に伝わる。ハウジング302で回路パッケージ400の全面あるいは大部分を包含するのではなく、ハウジング302と回路パッケージ400との接触面積を小さくしても、高精度でしかも高い信頼性を維持して、回路パッケージ400をハウジング302に固定できる。このためハウジング302から回路パッケージ400への熱伝達を低く抑えることが可能となり、計測精度の低下を抑制できる。
図5や図6に示す実施例では、回路パッケージ400の露出面の面積Aを、ハウジング302の成形用モールド材で覆われている面積Bと同等あるいは、面積Aを面積Bより多くすることが可能である。実施例では面積Aの方が面積Bより多くなっている。このようにすることにより、ハウジング302から回路パッケージ400への熱の伝達を抑制できる。また回路パッケージ400を成形している熱硬化性樹脂の熱膨張係数とハウジング302を成形している熱可塑性樹脂の膨張係数の差による応力を低減できる。
4. 回路パッケージ400の外観
4.1 熱伝達面露出部436を備える計測用流路面430の成形
図19に第1樹脂モールド工程で作られる回路パッケージ400の外観を示す。なお、回路パッケージ400の外観上に記載した斜線部分は、第1樹脂モールド工程で回路パッケージ400を製造した後に、第2樹脂モールド工程でハウジング302を成形する際に、第2樹脂モールド工程で使用される樹脂により回路パッケージ400が覆われる固定面432を示す。図19(A)は回路パッケージ400の左側面図、図19(B)は回路パッケージ400の正面図、図19(C)は回路パッケージ400の背面図である。回路パッケージ400は、後述する流量検出部602や処理部604を内蔵し、熱硬化性樹脂でこれらがモールドされ、一体成形される。なお、流量検出部602を備える部分が副通路内に配置される通路部605となる。
図19(B)に示す回路パッケージ400の表面には、被計測気体30を流すための面として作用する計測用流路面430が被計測気体30の流れ方向に長く伸びる形状で成形されている。この実施例では計測用流路面430は、被計測気体30の流れ方向に長く伸びる長方形を成している。この計測用流路面430は、図19(A)に示す如く、他の部分より薄く作られていて、その一部に熱伝達面露出部436が設けられている。内蔵されている流量検出部602は、熱伝達面露出部436を介して被計測気体30と熱伝達を行い、被計測気体30の状態、例えば被計測気体30の流速を計測し、主通路124を流れる流量を表す電気信号を出力する。
内蔵されている流量検出部602(図23参照)が高精度で被計測気体30の状態を計測するには、熱伝達面露出部436の近傍を流れる気体が層流であり乱れが少ないことが望ましい。このため、熱伝達面露出部436の流路側面と気体を導く計測用流路面430の面との段差はない方が好ましい。このような構成により、流量計測精度を高精度に保ちつつ、流量検出部602に不均等な応力および歪が作用するのを抑制することが可能となる。なお、上記段差は流量計測精度に影響を与えない程度の段差であれば設けてもよい。
熱伝達面露出部436を有する計測用流路面430の裏面には、図19(C)に示す如く、回路パッケージ400の樹脂モールド成形時に内部基板あるいはプレートを支持する金型の押さえの押さえ跡442が残っている。熱伝達面露出部436は被計測気体30との間で熱のやり取りを行うために使用される場所であり、被計測気体30の状態を正確に計測するためには、流量検出部602と被計測気体30との間の熱伝達が良好に行われることが望ましい。このため、熱伝達面露出部436の部分が第1樹脂モールド工程での樹脂で覆われるのを避けなければならない。熱伝達面露出部436とその裏面である計測用流路面裏面431の両面に金型を当て、この金型により熱伝達面露出部436への樹脂の流入を防止する。熱伝達面露出部436の裏面に凹部形状の押さえ跡442が成形されている。この部分は、流量検出部602等を構成する素子が近くに配置されており、これら素子の発熱をできるだけ外部に放熱することが望ましい。成形された凹部は、樹脂の影響が少なく、放熱し易い効果を奏している。
半導体素子で構成される流量検出部(流量検出素子)602には、熱伝達面露出部436に相当する半導体ダイヤフラムが形成されており、半導体ダイヤフラムは、流量検出素子602の裏面に空隙を成形することにより得ることができる。前記空隙を密閉すると温度変化による前記空隙内の圧力の変化により、半導体ダイヤフラムが変形し、計測精度が低下する。このためこの実施例では、半導体ダイヤフラム裏面の空隙と連通する開口438を回路パッケージ400の表面に設け、半導体ダイヤフラム裏面の空隙と開口438とを繋ぐ連通路を回路パッケージ400内部に設けている。なお、前記開口438は、第2樹脂モールド工程で、樹脂により塞がれることがないように、図19に示す斜線が記載されていない部分に設けられている。
第1樹脂モールド工程で前記開口438を成形することが必要であり、開口438の部分とその裏面とに金型を当て、表裏両面を金型で押すことにより、開口438の部分への樹脂の流入を阻止し、開口438を成形する。開口438および半導体ダイヤフラムの裏面の空隙と開口438とを繋ぐ連通路の成形については、後述する。
4.2 温度検出部452および突出部424の成形と効果
回路パッケージ400に設けられた温度検出部452は、温度検出部452を支持するために被計測気体30の上流方向に延びている突出部424の先端も設けられて、被計測気体30の温度を検出する機能を備えている。高精度に被計測気体30の温度を検出するには、被計測気体30以外部分との熱の伝達をできるだけ少なくすることが望ましい。温度検出部452を支持する突出部424は、その根元より、先端部分が細い形状を成し、その先端部分に温度検出部452を設けている。このような形状により、温度検出部452への突出部424の根元部からの熱の影響が低減される。
また、温度検出部452で被計測気体30の温度が検出された後、被計測気体30は突出部424に沿って流れ、突出部424の温度を被計測気体30の温度に近づける作用を為す。このことにより、突出部424の根元部の温度が温度検出部452に及ぼす影響が抑制されている。特にこの実施例では、温度検出部452を備える突出部424の近傍が細く、突出部424の根元に行くに従って太くなっている。このため、被計測気体30がこの突出部424の形状に沿って流れ、突出部424を効率的に冷却する。
突出部424の根元部での斜線部は第2樹脂モールド工程でハウジング302を成形する樹脂により覆われる固定面432である。突出部424の根元部の斜線部に窪みが設けられている。これは、ハウジング302の樹脂に覆われない窪み形状の部分が設けられていることを示している。このように突出部424の根元部のハウジング302の樹脂に覆われない窪み形状の部分を作ることにより、被計測気体30により突出部424がさらに冷却し易くしている。
4.3 回路パッケージ400の端子
回路パッケージ400には、内蔵する流量検出部602や処理部604を動作させるための電力の供給、および流量の計測値や温度の計測値を出力するために、接続端子412が設けられている。さらに、回路パッケージ400が正しく動作するかどうか、回路部品やその接続に異常が生じていないかの検査を行うために、端子414が設けられている。この実施例では、第1樹脂モールド工程で流量検出部602や処理部604を、熱硬化性樹脂を用いてトランスファモールドすることにより回路パッケージ400が作られる。トランスファモールド成形を行うことにより、回路パッケージ400の寸法精度を向上することができるが、トランスファモールド工程では、流量検出部602や処理部604を内蔵する密閉した金型の内部に加圧した高温の樹脂が圧入されるので、出来上がった回路パッケージ400について、流量検出部602や処理部604およびこれらの配線関係に損傷が無いかを検査することが望ましい。この実施例では、検査のための端子414を設け、生産された各回路パッケージ400についてそれぞれ検査を実施する。検査用の端子414は計測用には使用されないので、上述したように、端子414は外部端子内端361には接続されない。なお各接続端子412には、機械的弾性力を増すために、湾曲部416が設けられている。各接続端子412に機械的弾性力を持たせることで、第1樹脂モールド工程による樹脂と第2樹脂モールド工程による樹脂の熱膨張係数の相違に起因して発生する応力を吸収することができる。すなわち、各接続端子412は第1樹脂モールド工程による熱膨張の影響を受け、さらに各接続端子412に接続される外部端子内端361は第2樹脂モールド工程による樹脂の影響を受ける。これら樹脂の違いに起因する応力の発生を吸収することができる。
4.4 第2樹脂モールド工程による回路パッケージ400の固定とその効果
図19で示す斜線の部分は、第2樹脂モールド工程において、ハウジング302に回路パッケージ400を固定するために、第2樹脂モールド工程で使用する熱可塑性樹脂で回路パッケージ400を覆うための、固定面432を示している。図5や図6を用いて説明したとおり、計測用流路面430および計測用流路面430に設けられている熱伝達面露出部436と副通路の形状との関係が、規定された関係となるように、高い精度で維持されることが重要である。第2樹脂モールド工程において、副通路を成形すると共に同時に副通路を成形するハウジング302に回路パッケージ400を固定するので、前記副通路と計測用流路面430および熱伝達面露出部436との関係を極めて高い精度で維持できる。すなわち、第2樹脂モールド工程において回路パッケージ400をハウジング302に固定するので、副通路を備えたハウジング302を成形するための金型内に、回路パッケージ400を高い精度で位置決めして固定することが可能となる。この金型内に高温の熱可塑性樹脂を注入することで、副通路が高い精度で成形されると共に、回路パッケージ400が高い精度で固定される。
この実施例では、回路パッケージ400の全面を、ハウジング302を成形する樹脂で覆う固定面432とするのではなく、回路パッケージ400の接続端子412側に表面が露出する、すなわちハウジング302用樹脂で覆われない部分を設けている。図19に示す実施例では、回路パッケージ400の表面の内、ハウジング302用樹脂に包含される固定面432の面積より、ハウジング302の樹脂に包含されないでハウジング302用樹脂から露出している面積の方が広くなっている。
回路パッケージ400を成形する熱硬化性樹脂と固定部372を備えるハウジング302を成形する熱可塑性樹脂とでは熱膨張係数に差があり、この熱膨張係数差に基づく応力が回路パッケージ400にできるだけ加わらないようにすることが望ましい。回路パッケージ400の表面の固定面432を少なくすることで、熱膨張係数の差に基づく影響を低減できる。例えば幅Lの帯状とすることにより、回路パッケージ400の表面の固定面432を少なくすることができる。
また突出部424の根元に固定面432を設けることで、突出部424の機械的強度を増すことができる。回路パッケージ400の表面において、被計測気体30が流れる軸に沿う方向に帯状の固定面を設け、さらに被計測気体30が流れる軸と交差する方向の固定面を設けることで、より強固に回路パッケージ400とハウジング302とを互いに固定することができる。固定面432において、計測用流路面430に沿って幅Lで帯状に回路パッケージ400を取り巻いている部分が上述した被計測気体30の流れ軸に沿う方向の固定面であり、突出部424の根元を覆う部分が、被計測気体30の流れ軸を横切る方向の固定面である。
5. 回路パッケージへの回路部品の搭載
図20は、ダイヤフラム672および流量検出部(流量検出素子)602の内部に設けられた空隙674と孔520とを繋ぐ連通孔676を説明する説明図である。
後述するように被計測気体30の流量を計測する流量検出部602にはダイヤフラム672が設けられており、ダイヤフラム672の背面には空隙674が設けられている。ダイヤフラム672には図示していないが被計測気体30と熱のやり取りを行い、これによって流量を計測するための素子が設けられている。ダイヤフラム672に成形させている素子間に、被計測気体30との熱のやり取りとは別に、ダイヤフラム672を介して素子間に熱が伝わると、正確に流量を計測することが困難となる。このためダイヤフラム672は熱抵抗を大きくする必要があり、ダイヤフラム672ができるだけ薄く作られている。
流量検出部(流量検出素子)602は、ダイヤフラム672の熱伝達面437が露出するように、第1樹脂モールド工程により成形された回路パッケージ400の第1樹脂に埋設されて固定されている。ダイヤフラム672の表面は図示しない前記素子(図24に示す発熱体608、上流測温抵抗体である抵抗652、抵抗654と下流測温抵抗体である抵抗656、抵抗658など)が設けられている。前記素子は、ダイヤフラム672に相当する熱伝達面露出部436において素子表面の熱伝達面437を介して図示していない被計測気体30と互いに熱の伝達を行う。熱伝達面437は各素子の表面で構成しても良いし、その上に薄い保護膜を設けても良い。素子と被計測気体30との熱伝達がスムーズに行われ、一方で素子間の直接的な熱伝達ができるだけ少ない方が望ましい。
流量検出部(流量検出素子)602の前記素子が設けられている部分は、計測用流路面430の熱伝達面露出部436に配置されていて、熱伝達面437が計測用流路面430を成形している樹脂から露出している。流量検出素子602の外周部は計測用流路面430を成形している第1樹脂モールド工程で使用された熱硬化性樹脂で覆われている。仮に流量検出素子602の側面のみが前記熱硬化性樹脂で覆われ、流量検出素子602の外周部の表面側(すなわちダイヤフラム672の周りの領域)に熱硬化性樹脂で覆われていないとすると、計測用流路面430を成形している樹脂に生じる応力を流量検出素子602の側面のみで受けることとなり、ダイヤフラム672に歪が生じ、特性が劣化する恐れがある。図20に示すように流量検出素子602の表側外周部も前記熱硬化性樹脂で覆われる状態とすることにより、ダイヤフラム672の歪が低減される。一方熱伝達面437と被計測気体30が流れる計測用流路面430との段差が大きいと、被計測気体30の流れが乱れ、計測精度が低下する。従って熱伝達面437と被計測気体30が流れる計測用流路面430との段差Wが小さいことが望ましい。
ダイヤフラム672は各素子間の熱伝達を抑制するために非常に薄く作られていて、流量検出素子602の裏面に空隙674を成形することにより薄肉化が図られている。この空隙674を密閉すると温度変化により、ダイヤフラム672の裏面に形成されている空隙674の圧力が温度に基づき変化する。空隙674とダイヤフラム672の表面との圧力差が大きくなると、ダイヤフラム672が圧力を受けて歪を生じ、高精度の計測が困難となる。このため、プレート532には外部に開口する開口438に繋がる孔520が設けられ、この孔520と空隙674とを繋ぐ連通孔676が設けられている。この連通孔676は例えば第1プレート532と第2プレート536の2枚のプレートで作られる。第1プレート532には孔520と孔521が設けられ、さらに連通孔676を作るための溝が設けられている。第2プレート536で溝および孔520と孔521を塞ぐことで、連通孔676が作られる。この連通孔676と孔520とにより、ダイヤフラム672の表面および裏面に作用する気圧が略等しくなり、計測精度が向上する。
上述のとおり、第2プレート536で溝および孔520と孔521を塞ぐことにより、連通孔676を作ることができるが、他の方法として、リードフレームを第2プレート536として使用することができる。図15に記載のように、プレート532の上にはダイヤフラム672および処理部604として動作するLSIが設けられている。これらの下側には、ダイヤフラム672および処理部604を搭載したプレート532を支えるためのリードフレームが設けられている。従ってこのリードフレームを利用することにより、構造がよりシンプルとなる。また前記リードフレームをグランド電極として使用することができる。このように第2プレート536の役割を前記リードフレームに持たせ、このリードフレームを用いて、第1プレート532に成形された孔520と孔521を塞ぐと共に第1プレート532に成形された溝を前記リードフレームで覆うようにして塞ぐことにより連通孔676を形成することで、全体構造がシンプルとなるのに加え、リードフレームのグランド電極としての作用により、ダイヤフラム672および処理部604に対する外部からのノイズの影響を低減できる。
回路パッケージ400において、熱伝達面露出部436が形成されている回路パッケージ400の裏面に、押さえ跡442が残っている。第1樹脂モールド工程において、熱伝達面露出部436への樹脂の流入を防止するために熱伝達面露出部436の部分に金型、例えば入れ駒を当て、さらにその反対面の押さえ跡442の部分に金型を当て、両金型により熱伝達面露出部436への樹脂の流入を阻止する。このようにして熱伝達面露出部436の部分を成形することにより、極めて高い精度で、被計測気体30の流量を計測できる。
なお、計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436の周囲には傾斜面434、435が設けられており、熱伝達面露出部436は、被計測気体30が流れる計測用流路面430よりも回路パッケージ400の内部に埋設されて配置されている。
6. 熱式流量計300の生産工程
6.1 回路パッケージ400の生産工程
図21及び図22は熱式流量計300の生産工程を示し、図21は回路パッケージ400の生産工程を示し、図22は熱式流量計の生産工程の実施例を示す。図21において、ステップ1はフレーム枠を生産する工程を示す。このフレーム枠は例えばプレス加工によって作られる。
ステップ2は、ステップ1で作られたフレーム枠に、まずプレート532を搭載し、さらにプレート532に流量検出部602や処理部604を搭載し、さらに温度検出素子、チップコンデンサなどの回路部品を搭載する。またステップ2では、回路部品間や回路部品とリード間、リード同士の電気的な配線を行う。ステップ2では、回路部品がフレーム枠に搭載され、さらに電気的な接続がなされた電気回路が作られる。
次にステップ3で、第1樹脂モールド工程により、熱硬化性樹脂でモールドされる。また、ステップ3で、接続されているリードをそれぞれフレーム枠から切り離し、さらにリード間も切り離し、図19に示す回路パッケージ400を完成する。この回路パッケージ400には、図19に示す通り、計測用流路面430や熱伝達面露出部436が成形されている。
ステップ4で、出来上がった回路パッケージ400の外観検査や動作の検査を行う。ステップ3の第1樹脂モールド工程では、ステップ2で作られた電気回路を金型内に固定し、金型に高温の樹脂を高い圧力で注入するので、電気部品や電気配線の異常が生じていないかを検査することが望ましい。この検査のために図19に示す接続端子412に加えて端子414が使用される。なお、端子414はその後使用されないので、この検査の後、根元から切断しても良い。
6.2 熱式流量計300の生産工程と特性の補正
図22に示す工程では、図21により生産された回路パッケージ400と外部端子306とが使用され、ステップ5で第2樹脂モールド工程によりハウジング302がつくられる。このハウジング302は樹脂製の副通路溝やフランジ312や外部接続部305が作られると共に、図19に示す回路パッケージ400の斜線部分が第2樹脂モールド工程の樹脂で覆われ、回路パッケージ400がハウジング302に固定される。前記第1樹脂モールド工程による回路パッケージ400の生産(ステップ3)と第2樹脂モールド工程による熱式流量計300のハウジング302の成形との組み合わせにより、流量検出精度が大幅に改善される。ステップ6で図5、6に示す各外部端子内端361の切り離しが行われ、接続端子412と外部端子内端361との接続がステップ7で行われる。
ステップ7によりハウジング302が完成すると次にステップ8で、表カバー303と裏カバー304がハウジング302に取り付けられ、ハウジング302の内部が表カバー303と裏カバー304で密閉されるとともに、被計測気体30を流すための副通路が完成する。さらに、図7〜図15で説明した絞り構造が表カバー303あるいは裏カバー304に設けられた突起部356、358により作られ、回路パッケージ400に対して規定の位置に配置される。なお、この表カバー303はステップ10でモールド成形により作られ、裏カバー304はステップ11でモールド成形によって作られる。また、これら表カバー303と裏カバー304はそれぞれ別工程で作られ、それぞれ異なる金型により成形されて作られる。
ステップ9で、実際に副通路に気体が導かれ、特性の試験が行われる。上述したように副通路と流量検出部の関係が高い精度で維持されているので、特性の試験による特性補正を行うことで、非常に高い計測精度が得られる。また、第1樹脂モールド工程と第2樹脂モールド工程で副通路と流量検出部の関係を左右する位置決めや形状関係の成形が行われるので、長期間使用しても特性の変化が少なく、高精度に加え高信頼性が確保される。
7. 熱式流量計300の回路構成
7.1 熱式流量計300の回路構成の全体
図23は熱式流量計300の流量検出回路601を示す回路図である。なお、先に実施例で説明した温度検出部452に関する計測回路も熱式流量計300に設けられているが、図23では省略している。
熱式流量計300の流量検出回路601は、発熱体608を有する流量検出部602と処理部604とを備えている。処理部604は、流量検出部602の発熱体608の発熱量を制御すると共に、流量検出部602の出力に基づいて流量を表す信号を、端子662を介して出力する。前記処理を行うために、処理部604は、Central Processing Unit(以下CPUと記す)612と入力回路614、出力回路616、補正値や計測値と流量との関係を表すデータを保持するメモリ618、一定電圧をそれぞれ必要な回路に供給する電源回路622を備えている。電源回路622には車載バッテリなどの外部電源から、端子664と図示していないグランド端子を介して直流電力が供給される。
流量検出部602には被計測気体30を熱するための発熱体608が設けられている。電源回路622から、発熱体608の電流供給回路を構成するトランジスタ606のコレクタに電圧V1が供給され、CPU612から出力回路616を介して前記トランジスタ606のベースに制御信号が加えられ、この制御信号に基づいて前記トランジスタ606から端子624を介して発熱体608に電流が供給される。発熱体608に供給される電流量は前記CPU612から出力回路616を介して発熱体608の電流供給回路を構成するトランジスタ606に加えられる制御信号により制御される。処理部604は、発熱体608で熱せられることにより被計測気体30の温度が当初の温度より所定温度、例えば100℃、だけ高くなるように発熱体608の発熱量を制御する。
流量検出部602は、発熱体608の発熱量を制御するための発熱制御ブリッジ640と、流量を計測するための流量検知ブリッジ650と、を有している。発熱制御ブリッジ640の一端には、電源回路622から一定電圧V3が端子626を介して供給され、発熱制御ブリッジ640の他端はグランド端子630に接続されている。また流量検知ブリッジ650の一端には、電源回路622から一定電圧V2が端子625を介して供給され、流量検知ブリッジ650の他端はグランド端子630に接続されている。
発熱制御ブリッジ640は、熱せられた被計測気体30の温度に基づいて抵抗値が変化する測温抵抗体である抵抗642を有しており、抵抗642と抵抗644、抵抗646、抵抗648はブリッジ回路を構成している。抵抗642と抵抗646の交点Aおよび抵抗644と抵抗648との交点Bの電位差が端子627および端子628を介して入力回路614に入力され、CPU612は交点Aと交点B間の電位差が所定値、この実施例ではゼロボルト、になるようにトランジスタ606から供給される電流を制御して発熱体608の発熱量を制御する。図23に記載の流量検出回路601は、被計測気体30のもとの温度に対して一定温度、例えば常に100℃、高くなるように発熱体608で被計測気体30を加熱する。この加熱制御を高精度に行えるように、発熱体608で温められた被計測気体30の温度が当初の温度に対して一定温度、例えば常に100℃、高くなったときに、前記交点Aと交点B間の電位差がゼロボルトとなるように発熱制御ブリッジ640を構成する各抵抗の抵抗値が設定されている。従って図23に記載の流量検出回路601では、CPU612は交点Aと交点B間の電位差がゼロボルトとなるよう発熱体608への供給電流を制御する。
流量検知ブリッジ650は、抵抗652と抵抗654、抵抗656、抵抗658の4つの測温抵抗体で構成されている。これら4つの測温抵抗体は被計測気体30の流れに沿って配置されており、抵抗652と抵抗654は発熱体608に対して被計測気体30の流路における上流側に配置され、抵抗656と抵抗658は発熱体608に対して被計測気体30の流路における下流側に配置されている。また計測精度を上げるために抵抗652と抵抗654は発熱体608までの距離が互いに略同じくなるように配置されており、抵抗656と抵抗658は発熱体608までの距離が互いに略同じくなるように配置されている。
抵抗652と抵抗656との交点Cと、抵抗654と抵抗658との交点Dとの間の電位差が端子631と端子632を介して入力回路614に入力される。計測精度を高めるために、例えば被計測気体30の流れがゼロの状態で、前記交点Cと交点Dとの間の電位差がゼロとなるように流量検知ブリッジ650の各抵抗が設定されている。従って前記交点Cと交点Dとの間の電位差が、例えばゼロボルトの状態では、CPU612は被計測気体30の流量がゼロとの計測結果に基づき、主通路124の流量がゼロを意味する電気信号を端子662から出力する。
被計測気体30が図23の矢印方向に流れている場合、上流側に配置されている抵抗652や抵抗654は、被計測気体30によって冷却され、被計測気体30の下流側に配置されている抵抗656と抵抗658は、発熱体608により暖められた被計測気体30により暖められ、これら抵抗656と抵抗658の温度が上昇する。このため、流量検知ブリッジ650の交点Cと交点Dとの間に電位差が発生し、この電位差が端子631と端子632を介して、入力回路614に入力される。CPU612は流量検知ブリッジ650の交点Cと交点Dとの間の電位差に基づいて、メモリ618に記憶されている前記電位差と主通路124の流量との関係を表すデータを検索し、主通路124の流量を求める。このようにして求められた主通路124の流量を表す電気信号が端子662を介して出力される。なお、図23に示す端子664および端子662は新たに参照番号を記載しているが、先に説明した図5や図6に示す接続端子412に含まれている。
上記メモリ618には、上記交点Cと交点Dとの電位差と主通路124の流量との関係を表すデータが記憶されており、さらに回路パッケージ400の生産後に、気体の実測値に基づいて求められた、ばらつきなどの測定誤差の低減のための補正データが記憶されている。なお、回路パッケージ400の生産後の気体の実測およびそれに基づく補正値のメモリ618への書き込みは、図4に示す外部端子306や補正用端子307を使用して行われる。本実施例では、被計測気体30を流す副通路と計測用流路面430との配置関係や、被計測気体30を流す副通路と熱伝達面露出部436との配置関係が、高精度に非常にばらつきが少ない状態で、回路パッケージ400が生産されているので、前記補正値による補正で、極めて高い精度の計測結果が得られる。
7.2 流量検出回路601の構成
図24は、上述した図23の流量検出回路601の回路配置を示す回路構成図である。流量検出回路601は矩形形状の半導体チップとして作られており、図24に示す流量検出回路601の左側から右側に向かって、矢印の方向に、被計測気体30が流れる。
半導体チップで構成される流量検出部(流量検出素子)602には、半導体チップの厚さを薄くした矩形形状のダイヤフラム672が成形されて、このダイヤフラム672には、破線で示す薄厚領域(すなわち上述した熱伝達面)603が設けられている。この薄厚領域603の裏面側には、上述した空隙が成形されており、前記空隙が図19や図5に示す開口438に連通し、前記空隙内の気圧は開口438から導かれる気圧に依存する。
ダイヤフラム672の厚さを薄くすることで、熱伝導率が低くなっており、ダイヤフラム672の薄厚領域(熱伝達面)603に設けられた抵抗652や抵抗654、抵抗658、抵抗656へのダイヤフラム672を介しての熱伝達が抑えられ、被計測気体30との熱伝達により、これらの抵抗の温度が略定まる。
ダイヤフラム672の薄厚領域603の中央部には発熱体608が設けられており、この発熱体608の周囲に発熱制御ブリッジ640を構成する抵抗642が設けられている。そして、薄厚領域603の外側に発熱制御ブリッジ640を構成する抵抗644、646、648が設けられている。このように成形された抵抗642、644、646、648によって発熱制御ブリッジ640が構成される。
また、発熱体608を挟むように、上流測温抵抗体である抵抗652、抵抗654と下流測温抵抗体である抵抗656、抵抗658が配置されており、発熱体608に対して被計測気体30が流れる矢印方向の上流側に、上流測温抵抗体である抵抗652、抵抗654が配置され、発熱体608に対して被計測気体30が流れる矢印方向の下流側に下流測温抵抗体である抵抗656、抵抗658が配置されている。このようにして、薄厚領域603に配置されている抵抗652、抵抗654と抵抗656、抵抗658とにより流量検知ブリッジ650が成形される。
また、上記発熱体608の双方の端部は、図24の下側に記載した端子624および629にそれぞれ接続されている。ここで、図23に示すように、端子624にはトランジスタ606から発熱体608に供給される電流が加えられ、端子629はグランドとして接地される。
発熱制御ブリッジ640を構成する抵抗642、抵抗644、抵抗646、抵抗648は、それぞれ接続されて、端子626と630に接続される。図23に示すように、端子626には電源回路622から一定電圧V3が供給され、端子630はグランドとして接地される。また、上記抵抗642と抵抗646との間、抵抗646と抵抗648との間かの接続点は、端子627と端子628に接続される。図24に記載の如く、端子627は抵抗642と抵抗646との交点Aの電位を出力し、端子627は抵抗644と抵抗648との交点Bの電位を出力する。図23に示すように、端子625には、電源回路622から一定電圧V2が供給され、端子630はグランド端子として接地グランドされる。また、上記抵抗654と抵抗658との接続点は端子631に接続され、端子631は図23の点Bの電位を出力する。抵抗652と抵抗656との接続点は端子632に接続され、端子632は図23に示す交点Cの電位を出力する。
図24に示すように、発熱制御ブリッジ640を構成する抵抗642は、発熱体608の近傍に成形されているので、発熱体608からの発熱で暖められた気体の温度を精度良く計測することができる。一方、発熱制御ブリッジ640を構成する抵抗644、646、648は、発熱体608から離れて配置されているので、発熱体608からの発熱の影響を受け難い構成に成っている。抵抗642は発熱体608で暖められた気体の温度に敏感に反応するように構成されており、抵抗644や抵抗646、抵抗648は発熱体608の影響を受けにくい構成となっている。このため、発熱制御ブリッジ640による被計測気体30の検出精度が高く、被計測気体30をその初期温度に対して所定温度だけ高める制御を高精度で行うことができる。
この実施例では、ダイヤフラム672の裏面側に空隙が形成されており、この空隙が図19や図5に記載の開口438に連通しており、ダイヤフラム672の裏面側空隙の圧力とダイヤフラム672の表側の圧力との差が大きくならないようにしている。この圧力差によるダイヤフラム672の歪を抑制できる。このことは流量計測精度の向上に繋がる。
上述したようにダイヤフラム672は薄厚領域603を成形し、薄厚領域603を含む部分の厚さを非常に薄くしており、ダイヤフラム672を介しての熱伝導を極力抑制している。従って流量検知ブリッジ650や発熱制御ブリッジ640は、ダイヤフラム672を介しての熱伝導の影響が抑制され、被計測気体30の温度に依存して動作する傾向がより強まり、計測動作が改善される。このため高い計測精度が得られる。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明は、上述した気体の流量を計測するための計測装置に適用できる。
300…熱式流量計
302…ハウジング
303…表カバー
304…裏カバー
305…外部接続部
306…外部端子
307…補正用端子
310…計測部
320…端子接続部
332…表側副通路溝
334…裏側副通路溝
356…突起部
358…突起部(裏面側突起部)
359…樹脂部
361…外部端子内端
372…固定部
400…回路パッケージ(支持体)
401…回路パッケージの上流側端部
402…回路パッケージの下流側端部
412…接続端子
414…端子
424…突出部
430…計測用流路面
431…計測用流路面裏面
432…固定面
436…熱伝達面露出部
438…開口
452…温度検出部
503…絞り面
505…戻り面
601…流量検出回路
602…流量検出部
604…処理部
608…発熱体
640…発熱制御ブリッジ
650…流量検知ブリッジ
672…ダイヤフラム

Claims (18)

  1. 主通路から取り込まれた被計測気体を流すための副通路と、該副通路を流れる被計測気体との間で熱伝達面を介して熱伝達を行うことにより熱量を計測する流量検出部と、少なくとも熱伝達面を露出させるように流量検出部を副通路内に支持する支持体と、を備える熱式流量計であって、
    前記副通路の壁面のうち前記支持体の流量検出部の熱伝達面を露出させた計測用流路面と対向する壁面には、被計測気体の流れ方向へ向かうに従って前記壁面から前記支持体へ近づく絞り面と該絞り面の下流側端部から前記壁面へ戻る戻り面とを有する突起部が設けられており、
    前記絞り面と前記壁面との交線が、被計測気体の流れ方向で前記支持体の上流側端部よりも上流側に配置され、前記戻り面と前記壁面との交線が、被計測気体の流れ方向で前記支持体の下流側端部よりも下流側に配置され、
    前記突起部のうち前記壁面から最も離間している部分が、被計測気体の流れ方向で前記流量検出部の熱伝達面よりも下流側かつ前記支持体の下流側端部よりも上流側に配置されていることを特徴とする熱式流量計。
  2. 前記絞り面及び/又は前記戻り面は、平面および曲面の少なくとも一方から構成されることを特徴とする請求項1に記載の熱式流量計。
  3. 前記絞り面及び/又は前記戻り面は、前記支持体へ向かって凸もしくは前記支持体へ向かって凹となる形状を呈していることを特徴とする請求項1に記載の熱式流量計。
  4. 前記絞り面及び/又は前記戻り面は、傾きの異なる複数の平面もしくは曲率の異なる複数の曲面から構成されることを特徴とする請求項1に記載の熱式流量計。
  5. 前記絞り面は、傾きの異なる複数の平面から構成され、前記支持体へ向かって凸となる形状を呈しており、前記複数の平面のうち隣接する平面同士の交線の少なくとも一つが、被計測気体の流れ方向で前記流量検出部の熱伝達面に対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の熱式流量計。
  6. 前記隣接する平面同士の交線の少なくとも一つは、被計測気体の流れ方向で前記流量検出部の熱伝達面の中心よりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の熱式流量計。
  7. 前記絞り面は、前記流量検出部の熱伝達面と平行な平面を有しており、該平行な平面の上流側端部が、被計測気体の流れ方向で前記流量検出部の熱伝達面よりも上流側に配置され、該平行な平面の下流側端部が、被計測気体の流れ方向で前記流量検出部の熱伝達面よりも下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の熱式流量計。
  8. 前記絞り面と前記戻り面は、被計測気体の流れ方向に直交する平面に対して非対称であることを特徴とする請求項1に記載の熱式流量計。
  9. 前記戻り面は、前記壁面に対して垂直な平面を有していることを特徴とする請求項1に記載の熱式流量計。
  10. 前記垂直な平面は、被計測気体の流れ方向で前記支持体の下流側端部よりも下流側に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の熱式流量計。
  11. 前記垂直な平面は、前記戻り面の下流側端部に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の熱式流量計。
  12. 前記支持体のうち前記流量検出部の熱伝達面の周囲には、前記計測用流路面と対向する前記壁面へ向かって拡幅する傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱式流量計。
  13. 前記傾斜面のうち被計測気体の流れ方向に沿う方向に設けられた傾斜面は、前記支持体の上流側端部から下流側端部に亘って延設されていることを特徴とする請求項12に記載の熱式流量計。
  14. 前記副通路を流れる被計測気体は、前記支持体の前記計測用流路面とは反対側の計測用流路面裏面側にも流れるようになっており、
    前記副通路の壁面のうち前記計測用流路面裏面と対向する裏面側壁面には、被計測気体の流れ方向へ向かうに従って前記支持体へ近づく裏面側絞り面と該裏面側絞り面の下流側端部から前記壁面へ戻る裏面側戻り面を有する裏面側突起部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱式流量計。
  15. 前記裏面側突起部は、被計測気体の流れ方向に直交する平面のうち前記熱伝達面の中心を通る平面に対して対称であることを特徴とする請求項14に記載の熱式流量計。
  16. 前記裏面側突起部は、被計測気体の流れ方向に直交する平面に対して非対称であることを特徴とする請求項14に記載の熱式流量計。
  17. 前記裏面側絞り面と前記裏面側壁面との交線が、被計測気体の流れ方向で前記支持体の上流側端部よりも下流側に配置され、前記裏面側戻り面と前記裏面側壁面との交線が、被計測気体の流れ方向で前記支持体の下流側端部よりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の熱式流量計。
  18. 前記副通路を流れる被計測気体は、前記支持体のうち前記計測用流路面側のみに流れるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の熱式流量計。
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