JP2014000602A - プラズマアーク溶接システムおよびプラズマアーク溶接方法 - Google Patents

プラズマアーク溶接システムおよびプラズマアーク溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】メインアークにおける高エネルギ部分の占める領域を調整するのに適するプラズマアーク溶接システムを提供する。
【解決手段】パイロットアーク電源回路31は、非消耗電極121および外側ノズル123の間にパイロットアーク電流を流す外側ノズル通電期間を生成し、メインアーク電源回路41は、外側ノズル通電期間の間に、非消耗電極121および母材Wの間にメインアーク電流Imを流し、非消耗電極121は、第1方向X1側に位置する先端121aを含み、且つ、第1方向X1に沿って延びる形状であり、非消耗電極121の先端121aは、第1位置L1と、第1位置L1よりも第1方向X1側にある第2位置L2と、に位置し、内側ノズル122には、内側ノズル開口122aが形成され、内側ノズル開口122aは、第1方向X1において、第1位置L1と第2位置L2との間に位置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマアーク溶接システムおよびプラズマアーク溶接方法に関する。
従来から、プラズマアーク溶接方法が知られている(特許文献1参照)。同文献に開示のトーチ(プラズマアークトーチ)は、陰極棒と、第1のノズルと、第2のノズルと、を備える。第1のノズルは陰極棒を囲んでおり、第2のノズルは第1のノズルを囲んでいる。陰極棒と被加工物との間にメインアークを発生させつつ、被加工物の加工を行う。
メインアークには、エネルギの比較的高い高エネルギ部分が存在する。メインアークにおける高エネルギ部分は、被加工物への伝熱に大きく寄与する。また、同文献に開示のトーチでは、陰極棒と第1のノズルと第2のノズルとは、互いに固定されていることが、前提とされている。このようなトーチでは、高エネルギ部分の占める領域を調整するのに適していない。
特許第3066993号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、メインアークにおける高エネルギ部分の占める領域を調整するのに適するプラズマアーク溶接システムを提供することをその主たる課題とする。
本発明の第1の側面によると、非消耗電極と、前記非消耗電極を囲む内側ノズルと、前記内側ノズルを囲む外側ノズルと、を含むトーチ、パイロットアーク電源回路、並びに、メインアーク電源回路、を備え、前記パイロットアーク電源回路は、前記非消耗電極および前記外側ノズルの間にパイロットアーク電流を流す外側ノズル通電期間を生成し、前記メインアーク電源回路は、前記外側ノズル通電期間の間に、前記非消耗電極および母材の間にメインアーク電流を流し、前記非消耗電極は、第1方向側に位置する先端を含み、且つ、前記第1方向に沿って延びる形状であり、前記非消耗電極の前記先端は、第1位置と、前記第1位置よりも前記第1方向側にある第2位置と、に位置し、前記内側ノズルには、内側ノズル開口が形成され、前記内側ノズル開口は、前記第1方向において、前記第1位置と前記第2位置との間に位置する、プラズマアーク溶接システムが提供される。
好ましくは、前記外側ノズルには、外側ノズル開口が形成され、前記第2位置は、前記外側ノズル開口よりも前記第1方向とは反対の第2方向側に位置する。
好ましくは、前記パイロットアーク電源回路は、高周波電圧を発生する高周波発生部を含み、前記パイロットアーク電源回路は、外側ノズル高周波期間を生成し、前記パイロットアーク電源回路は、前記外側ノズル高周波期間にて、前記高周波発生部にて発生した高周波電圧を、前記非消耗電極および前記外側ノズルの間に印加する。
好ましくは、前記メインアーク電源回路は、前記外側ノズル通電期間中に、前記メインアーク電流を流し始める。
好ましくは、前記パイロットアーク電源回路は、内側ノズル高周波期間を生成し、前記パイロットアーク電源回路は、内側ノズル高周波期間にて、前記高周波発生部にて発生した高周波電圧を、前記非消耗電極および前記内側ノズルの間に印加する。
好ましくは、前記パイロットアーク電源回路は、第1モードと、第2モードと、をとり、前記パイロットアーク電源回路は、前記非消耗電極および前記内側ノズルの間にパイロットアーク電流を流す内側ノズル通電期間を生成し、前記パイロットアーク電源回路は、前記第1モードの場合、前記内側ノズル高周波期間、前記内側ノズル高周波期間の後に前記内側ノズル通電期間、および、前記内側ノズル通電期間の後に前記外側ノズル通電期間を、順番に生成し、前記第2モードの場合、前記外側ノズル高周波期間、および、前記外側ノズル高周波期間の後に前記外側ノズル通電期間を、順番に生成する。
好ましくは、前記非消耗電極の前記先端は、前記パイロットアーク電源回路が前記第1モードの場合、前記第1位置に位置し、前記パイロットアーク電源回路が前記第2モードの場合、前記第2位置に位置する。
本発明の第2の側面によると、パイロットアーク電源回路、並びに、メインアーク電源回路、を備え、前記パイロットアーク電源回路は、前記非消耗電極および外側ノズルの間にパイロットアーク電流を流す外側ノズル通電期間を生成し、前記メインアーク電源回路は、前記非消耗電極および母材の間にメインアーク電流を流し、前記パイロットアーク電源回路は、高周波電圧を発生する高周波発生部を含み、前記パイロットアーク電源回路は、前記高周波発生部にて発生した高周波電圧を、前記非消耗電極および前記内側ノズルの間に印加する内側ノズル高周波期間と、前記高周波発生部にて発生した高周波電圧を、前記非消耗電極および前記外側ノズルの間に印加する外側ノズル高周波期間と、を生成する、プラズマアークシステムが提供される。
好ましくは、前記パイロットアーク電源回路は、第1モードと、第2モードと、をとり、前記パイロットアーク電源回路は、前記非消耗電極および前記内側ノズルの間にパイロットアーク電流を流す内側ノズル通電期間を生成し、前記パイロットアーク電源回路は、前記第1モードの場合、前記内側ノズル高周波期間、前記内側ノズル高周波期間の後に前記内側ノズル通電期間、および、前記内側ノズル通電期間の後に前記外側ノズル通電期間を、順番に生成し、前記第2モードの場合、前記外側ノズル高周波期間、および、前記外側ノズル高周波期間の後に前記外側ノズル通電期間を、順番に生成する。
本発明の第3の側面によると、非消耗電極と、前記非消耗電極を囲む内側ノズルと、前記内側ノズルを囲む外側ノズルと、を含むトーチを用いるアーク溶接方法であって、前記非消耗電極は、第1方向側に位置する先端を含み、且つ、前記第1方向に沿って延びる形状であり、前記非消耗電極の前記先端を第1位置に位置させた状態で、前記非消耗電極および母材の間にメインアーク電流を流す工程と、前記非消耗電極の前記先端を第2位置に位置させた状態で、前記非消耗電極および母材の間にメインアーク電流を流す工程と、を備え、前記第2位置は、前記第1位置よりも前記第1方向側にあり、前記内側ノズルには、内側ノズル開口が形成され、前記内側ノズル開口は、前記第1方向において、前記第1位置と前記第2位置との間に位置する、プラズマアーク溶接方法が提供される。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1実施形態にかかるプラズマアーク溶接システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態にかかるプラズマアーク溶接システムにおけるトーチを主に示す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態にかかるプラズマアーク溶接システムにおけるトーチを主に示す拡大断面図である。 図1に示したプラズマアーク溶接システムにおけるパイロットアーク電源回路の内部構成を示すブロック図である。 図1のプラズマアーク溶接システムを用いたプラズマアーク溶接方法における各信号等のタイミングチャートである。 図1のプラズマアーク溶接システムを用いたプラズマアーク溶接方法における各信号等のタイミングチャートである。 非消耗電極の先端が第1位置に位置している場合の、メインアークの高エネルギ部分を模式的に示す図である。 非消耗電極の先端が第2位置に位置している場合の、メインアークの高エネルギ部分を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1〜図8を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかるプラズマアーク溶接システムの構成を示すブロック図である。
同図に示すプラズマアーク溶接システムA1は、溶接ロボット1と、動作制御回路2と、パイロットアーク電源回路31と、パイロットアーク電流検出回路33と、パイロットアーク電流通電検出回路35と、メインアーク電源回路41と、を備える。
溶接ロボット1は、母材Wに対してプラズマアーク溶接を自動で行うものである。本実施形態の母材Wは薄板であり、母材Wの厚さは、たとえば、0.1〜0.5mmである。溶接ロボット1は、マニピュレータ11と、トーチ12と、保持機構14と、を含む。
マニピュレータ11は、たとえば多関節ロボットである。トーチ12は、マニピュレータ11の駆動により、上下前後左右に自在に移動できる。図1、図2に示すように、トーチ12は、非消耗電極121と、内側ノズル122と、外側ノズル123と、シールドガスノズル124とを有する。本実施形態のトーチ12は、内側ノズル122および外側ノズル123とを有する2重構造のものである。トーチ12にシールドガスノズル124は必須の構成ではない。
非消耗電極121は、たとえばタングステンからなる金属棒である。この金属棒は、たとえば、直径2.4〜3.2mm程度の円柱状である。図2に示すように、非消耗電極121の先端121aから母材Wに向かう方向を、第1方向X1とする。第1方向X1は、非消耗電極121の延びる方向に一致する。一方、第1方向X1とは反対方向を、第2方向X2とする。非消耗電極121は、第1方向X1側に位置する先端121aを含む。
内側ノズル122は筒状の部材である。内側ノズル122は非消耗電極121を囲んでいる。内側ノズル122内をセンターガスCGが流れる。センターガスCGを媒体として、内側ノズル122と非消耗電極121との間にパイロットアークPa1が発生する。センターガスCGは、たとえばArである。内側ノズル122と非消耗電極121との間にパイロットアークPa1が発生している際、内側ノズル122と非消耗電極121との間には、パイロットアーク電流Ip1が流れる。内側ノズル122には内側ノズル開口122aが形成されている。内側ノズル122の内側ノズル開口122aは、第1方向X1に開放している。すなわち、図2では、内側ノズル122の内側ノズル開口122aは下方に開放している。内側ノズル開口122aは、たとえば直径が2.5〜4mmの円形状である。内側ノズル開口122aの形状は円形に限定されず、矩形等の他の形状であってもよい。
外側ノズル123は筒状の部材である。外側ノズル123は内側ノズル122を囲んでいる。外側ノズル123と内側ノズル122との間をプラズマガスPGが流れる。プラズマガスPGを媒体として、外側ノズル123と非消耗電極121との間にパイロットアークPa2が発生する。プラズマガスPGは、たとえばArである。外側ノズル123と非消耗電極121との間にパイロットアークPa2が発生している際、外側ノズル123と非消耗電極121との間には、パイロットアーク電流Ip2が流れる。外側ノズル123には外側ノズル開口123aが形成されている。外側ノズル開口123aは、内側ノズル開口122aよりも第1方向X1側に位置している。外側ノズル123の外側ノズル開口123aは、第1方向X1に開放している。すなわち、図2では、外側ノズル123の外側ノズル開口123aは下方に開放している。外側ノズル開口123aは、たとえば直径が2.5〜3mmの円形状である。外側ノズル開口123aの形状は円形に限定されず、矩形等の他の形状であってもよい。外側ノズル123は、内側ノズル122に対し固定されている。
シールドガスノズル124は筒状の部材である。シールドガスノズル124は外側ノズル123を囲んでいる。シールドガスノズル124と外側ノズル123との間をシールドガスSGが流れる。シールドガスSGは、たとえば、Ar+H2の混合ガス、あるいは、Ar等である。非消耗電極121と母材Wとの間には、メインアークMaが発生する。メインアークMaが発生している際、非消耗電極121と母材Wとの間には、メインアーク電流Imが流れる。メインアーク電流Imは、母材Wの材質に応じて、直流もしくは交流いずれかが選択される。メインアーク電流Imは、直流のパルス電流である場合もあるし、交流のパルス電流である場合もある。シールドガスノズル124は、外側ノズル123および内側ノズル122に対し固定されている。
保持機構14は、非消耗電極121を保持している。具体的には、保持機構14は、非消耗電極121を、内側ノズル122および外側ノズル123に対し固定している。
トーチ12において、非消耗電極121の先端121aは、第1位置L1と、第2位置L2と、に位置する。図2に、非消耗電極121の先端121aが第1位置L1に位置している状態を示している。図3に、非消耗電極121の先端121aが第2位置L2に位置している状態を示している。第1位置L1は、内側ノズル122内にある。第2位置L2は、第1位置L1よりも第1方向X1側にある。本実施形態においては、第1方向X1において、第1位置L1と第2位置L2との間に、内側ノズル開口122aが位置している。好ましくは、第2位置L2は、外側ノズル開口123aよりも、第2方向X2側に位置している。本実施形態とは異なり、第2位置L2が外側ノズル開口123aよりも第1方向X1側に位置していてもよい。本実施形態では、プラズマアーク溶接システムA1のユーザが、自身の手によって、非消耗電極121の位置を決定する。
動作制御回路2は、マイクロコンピュータおよびメモリ(ともに図示略)を有している。このメモリには、溶接ロボット1の各種の動作が設定された作業プログラムが記憶されている。動作制御回路2はロボット移動速度Vrを制御する。ロボット移動速度Vrは、母材Wに沿った溶接進行方向Drにおける、母材Wに対する非消耗電極121の速度である。動作制御回路2は、上記作業プログラム、溶接ロボット1におけるエンコーダからの座標情報、およびロボット移動速度Vr等に基づき、溶接ロボット1に対して動作制御信号Msを送る。溶接ロボット1は動作制御信号Msを受け、マニピュレータ11を駆動させ、トーチ12が、母材Wにおける所定の溶接開始位置に移動したり、母材Wの面内方向に沿って移動したりする。動作制御回路2は、溶接開始信号Stを送る。一方、動作制御回路2はパイロットアーク電流通電検出信号Dipを受ける。
パイロットアーク電源回路31は、非消耗電極121および内側ノズル122の間に、パイロットアーク電流Ip1を流す。また、パイロットアーク電源回路31は、非消耗電極121および外側ノズル123の間に、パイロットアーク電流Ip2を流す。
図4は、図1に示したプラズマアーク溶接システムA1におけるパイロットアーク電源回路31の内部構成を示すブロック図である。
図4(a)に示すように、パイロットアーク電源回路31は、電力発生部Pwと、高周波発生部HFと、高周波スイッチSw2と、ノズルスイッチSw3と、ノズルスイッチSw4と、を有する。
電力発生部Pwは、たとえば3相200V等の商用電源を入力として、インバータ制御、サイリスタ位相制御等の出力制御を行う。
高周波発生部HFは、高周波電圧を発生させるためのものである。高周波発生部HFによって発生される電圧の周波数は、たとえば、1〜10MHzである。また、高周波発生部HFによって発生される電圧の電圧値は、1〜10kVであり、非常に大きい。
高周波スイッチSw2は、電力発生部Pwが高周波発生部HFに接続している状態と、電力発生部Pwが高周波発生部HFに接続していない状態と、を切り替える。
ノズルスイッチSw3は、高周波スイッチSw2が端子311に接続している場合において、電力発生部Pwおよび高周波発生部HFのいずれもが内側ノズル122に接続している状態と、電力発生部Pwおよび高周波発生部HFのいずれもが外側ノズル123に接続している状態と、を切り替える。
ノズルスイッチSw4は、高周波スイッチSw2が端子312に接続している場合において、電力発生部Pwが内側ノズル122に接続している状態と、電力発生部Pwが外側ノズル123に接続している状態と、を切り替える。
パイロットアーク電源回路31は、高周波スイッチSw2と、ノズルスイッチSw3と、ノズルスイッチSw4と、の切替態様により、以下の4つの期間(内側ノズル高周波期間T71、内側ノズル通電期間T72、外側ノズル高周波期間T81、および外側ノズル通電期間T82)を生成する。
図4(a)は、パイロットアーク電源回路31が内側ノズル高周波期間T71を生成している状態を示している。パイロットアーク電源回路31が内側ノズル高周波期間T71を生成している状態のとき、高周波スイッチSw2が端子311に接続し且つノズルスイッチSw3が端子313に接続している。この場合、非消耗電極121と内側ノズル122との間に、パイロットアーク電流Ip1が流れる。また、高周波発生部HFによって、非消耗電極121と内側ノズル122との間に、高周波電圧が印加される。
図4(b)は、パイロットアーク電源回路31が内側ノズル通電期間T72を生成している状態を示している。パイロットアーク電源回路31が内側ノズル通電期間T72を生成している状態のとき、高周波スイッチSw2が端子312に接続し且つノズルスイッチSw4が端子315に接続している。この場合、非消耗電極121と内側ノズル122との間に、パイロットアーク電流Ip1が流れる。また、非消耗電極121と内側ノズル122との間には、高周波電圧が印加されない。
図4(c)は、パイロットアーク電源回路31が外側ノズル高周波期間T81を生成している状態を示している。パイロットアーク電源回路31が外側ノズル高周波期間T81を生成している状態のとき、高周波スイッチSw2が端子311に接続し且つノズルスイッチSw3が端子314に接続している。この場合、非消耗電極121と外側ノズル123との間に、パイロットアーク電流Ip2が流れる。また、高周波発生部HFによって、非消耗電極121と外側ノズル123との間に、高周波電圧が印加される。
図4(d)は、パイロットアーク電源回路31が外側ノズル通電期間T82を生成している状態を示している。パイロットアーク電源回路31が外側ノズル通電期間T82を生成している状態のとき、高周波スイッチSw2が端子312に接続し且つノズルスイッチSw4が端子316に接続している。この場合、非消耗電極121と外側ノズル123との間に、パイロットアーク電流Ip2が流れる。また、非消耗電極121と外側ノズル123との間には、高周波電圧が印加されない。
このようなパイロットアーク電源回路31は、第1モードと、第2モードと、をとる。パイロットアーク電源回路31は、第1モードの場合、内側ノズル高周波期間T71、内側ノズル高周波期間T71の後に内側ノズル通電期間T72、および、内側ノズル通電期間T72の後に外側ノズル通電期間T82を、順番に生成する。一方、パイロットアーク電源回路31は、第2モードの場合、外側ノズル高周波期間T81、および、外側ノズル高周波期間T81の後に外側ノズル通電期間T82を、順番に生成する。
図1に示すパイロットアーク電流検出回路33は、非消耗電極121と外側ノズル123との間に流れるパイロットアーク電流Ip2の電流値を検出するためのものである。パイロットアーク電流検出回路33は、パイロットアーク電流Ip2の電流値に対応するパイロットアーク電流検出信号Idpを送る。
パイロットアーク電流通電検出回路35は、パイロットアーク電流Ip2の通電の開始を検出するためのものである。パイロットアーク電流通電検出回路35は、パイロットアーク電流Ip2の通電を検出すると、パイロットアーク電流通電検出信号Dipを送る。パイロットアーク電流通電検出回路35は、パイロットアーク電流Ip2の通電の開始を、たとえば、パイロットアーク電流Ip2の電流値とあるしきい値とを比較することにより、検出する。
メインアーク電源回路41は、たとえば3相200V等の商用電源を入力として、インバータ制御、サイリスタ位相制御等の出力制御を行う。これにより、メインアーク電源回路41は、非消耗電極121および母材Wの間にメインアーク電流Imを流す。メインアーク電源回路41は、メインアーク電流Imの電流値を、設定された値となるように制御する。
メインアーク電源回路41は、動作制御回路2から溶接開始信号Stを、受ける。メインアーク電源回路41は、溶接開始信号Stを受けると、メインアーク電流Imの通電を開始する。
次に、図5、図6を更に用いて、プラズマアーク溶接システムA1を用いたアーク溶接方法について説明する。
図5は、図1のプラズマアーク溶接システムA1を用いたプラズマアーク溶接方法における各信号等のタイミングチャートである。同図では、(a)はパイロットアーク電流Ip1の電流値、(b)はパイロットアーク電流Ip2の電流値、(c)は溶接開始信号St、(d)はメインアーク電流Im、(e)はパイロットアーク電流通電検出信号Dip、(f)はロボット移動速度Vr、(g)は高周波電圧の印加の有無、のそれぞれの変化状態を示す。同図の最下部に、パイロットアーク電源回路31の生成している期間を記載している。
図5を参照しつつ説明する溶接方法では、パイロットアーク電源回路31が上述の第1モードとなっている。そして、本溶接方法は、非消耗電極121の先端121aを第1位置L1に位置させた状態で行う(図2参照)。図5を参照しつつ説明する溶接方法を開始する前に、プラズマアーク溶接システムA1のユーザは、自身の手で、非消耗電極121の先端121aが第1位置L1に位置するように、非消耗電極121を移動させておく。
<内側ノズル高周波期間T71(時刻t11〜時刻t13)>
時刻t11において、パイロットアーク電源回路31にパイロットアーク電流通電開始信号(図示略)が送られる。これにより、パイロットアーク電源回路31は内側ノズル高周波期間T71を開始する。すると、図5(g)に示すように、時刻t11から、パイロットアーク電源回路31は、非消耗電極121と内側ノズル122との間に、高周波電圧を印加する。これにより、非消耗電極121と内側ノズル122との間にパイロットアークPa1が発生する。パイロットアークPa1が発生すると、同図(a)に示すように、時刻t12において、パイロットアーク電流Ip1の通電が開始する。パイロットアーク電流Ip1の電流値は、たとえば、たとえば3〜20Aである。なお、パイロットアーク電流Ip1が流れている間、センターガスCGが内側ノズル122内を流れている。
<内側ノズル通電期間T72(時刻t13〜時刻t14)>
時刻t13から、パイロットアーク電源回路31は、内側ノズル通電期間T72を開始する。すると、図5(g)に示すように、時刻t13において、パイロットアーク電源回路31は高周波電圧の印加を停止する。同図(a)に示すように、時刻t13以降、パイロットアーク電源回路31はパイロットアーク電流Ip1の通電を継続する。時刻t12〜時刻t14の長さは、たとえば、4〜5秒である。
<外側ノズル通電期間T82(時刻t14以降)>
時刻t14から、パイロットアーク電源回路31は、外側ノズル通電期間T82を開始する。パイロットアーク電源回路31が外側ノズル通電期間T82を開始すると、非消耗電極121と内側ノズル122との間に発生しているパイロットアークPa1が、非消耗電極121と外側ノズル123との間のパイロットアークPa2へと移行する。これにより、図5(a)に示すように、非消耗電極121と内側ノズル122との間のパイロットアーク電流Ip1の通電が停止する。そして、同図(b)に示すように、非消耗電極121と外側ノズル123との間に、パイロットアーク電流Ip2の通電が開始する。パイロットアーク電流Ip2の電流値は、たとえば、たとえば3〜20Aである。パイロットアーク電流Ip2が流れている間、プラズマガスPGが、内側ノズル122と外側ノズル123との間を流れている。
図5(e)に示すように、パイロットアーク電流Ip2の通電が開始すると、パイロットアーク電流通電検出回路35は、パイロットアーク電流通電検出信号Dipを動作制御回路2に送る。
時刻t14において、動作制御回路2は、パイロットアーク電流通電検出信号Dipを受けると、図5(c)に示すように、パイロットアーク電流通電検出信号Dipを受けた時刻からある程度の時間が経過した時刻t15に、溶接開始信号Stを生成する。そして、動作制御回路2からメインアーク電源回路41に溶接開始信号Stが送られる。メインアーク電源回路41は、溶接開始信号Stを受けると、非消耗電極121と母材Wとの間に電圧を印加する。非消耗電極121の先端121a近傍の空間には、パイロットアークPa2によってプラズマ雰囲気が形成されている。そのため、パイロットアークPa2に誘発されて、メインアークMaが非消耗電極121と母材Wとの間に発生する。これにより、同図(d)に示すように、時刻t15において、メインアーク電流Imの通電が開始する。メインアーク電流Imの電流値は、たとえば、5〜7Aである。時刻t14〜時刻t15の長さは、たとえば、1〜2秒である。
本実施形態では、時刻t15以降、パイロットアーク電流Ip2の通電は継続する。本実施形態とは異なり、メインアーク電流Imの通電が開始した後に、パイロットアーク電流Ip2の通電を停止してもよい。
図5(f)に示すように、時刻t15において、動作制御回路2は、ロボット移動速度Vrを予め定められた速度とするための動作制御信号Msを溶接ロボット1に送る。これにより、時刻t15において、溶接進行方向Drにおける、非消耗電極121の母材Wに対する移動が開始する。このように、時刻t15から、プラズマアーク溶接システムA1は、非消耗電極121および母材Wの間にメインアーク電流Imを通電させつつ、定常溶接を行う。なお、溶接進行方向Drにおける、非消耗電極121の母材Wに対する移動が開始するのは、メインアーク電流Imの通電の開始と同時である必要はない。たとえば、メインアーク電流Imの通電後(時刻t15後)、もしくは通電前(時刻t15前)に、溶接進行方向Drにおける、非消耗電極121の母材Wに対する移動を開始してもよい。
メインアーク電流Imが流れている間、プラズマガスPGが内側ノズル122と外側ノズル123との間を、シールドガスSGが、外側ノズル123とシールドガスノズル124との間を、流れている。一方、メインアーク電流Imが流れている間、内側ノズル122内をセンターガスCGは流れていない。そのため、非消耗電極121の先端121aの周囲は、無気流状態となっている。非消耗電極121の先端121aの周囲が無気流状態となっていることにより、非消耗電極121の酸化等による消耗が防止される。これにより、非消耗電極121の寿命は長くなる。
図7は、非消耗電極121の先端121aが第1位置L1に位置している場合の、メインアークMaの高エネルギ部分を模式的に示す図である。同図では、高エネルギ部分をハッチングを付して示している。同図に示すように、非消耗電極121の先端121aが第1位置L1に位置している場合、メインアークMaは内側ノズル122および外側ノズル123に拘束される(図2参照)。メインアークMaが内側ノズル122および外側ノズル123に拘束された状態で行う溶接を、2重ノズル式の溶接と呼ぶ。2重ノズル式の溶接では、メインアークMaにおける高エネルギ部分の占める領域の、第1方向X1に垂直な平面による断面は、先端121aからの距離に依らず、ほぼ一定である。そのため、先端121aと母材Wとの距離が多少変化(すなわち、外側ノズル開口123aと母材Wとの距離が多少変化)したとしても、母材Wへの入熱面積はあまり変化しない。よって、先端121aと母材Wとの距離が多少変化したとしても、適切な溶接を行うことができる。
図6は、図1のプラズマアーク溶接システムA1を用いたプラズマアーク溶接方法における各信号等のタイミングチャートである。図6(a)〜(g)は、図5(a)〜(g)とそれぞれ同様の信号等を示す。
図6を参照しつつ説明する溶接方法では、パイロットアーク電源回路31が上述の第2モードとなっている。そして、本溶接方法は、非消耗電極121の先端121aを第2位置L2に位置させた状態で行う(図3参照)。図6を参照しつつ説明する溶接方法を開始する前に、プラズマアーク溶接システムA1のユーザは、自身の手で、非消耗電極121の先端121aが第2位置L2に位置するように、非消耗電極121を移動させておく。
<外側ノズル高周波期間T81(時刻t21〜時刻t23)>
時刻t21において、パイロットアーク電源回路31にパイロットアーク電流通電開始信号(図示略)が送られる。これにより、パイロットアーク電源回路31は外側ノズル高周波期間T81を開始する。すると、図6(g)に示すように、時刻t21から、パイロットアーク電源回路31は、非消耗電極121と外側ノズル123との間に、高周波電圧を印加する。これにより、時刻t22において、非消耗電極121と外側ノズル123との間にパイロットアークPa2が発生する。パイロットアークPa2が発生すると、同図(b)に示すように、パイロットアーク電流Ip2の通電が開始する。パイロットアーク電流Ip2の電流値は、たとえば、たとえば3〜20Aである。なお、パイロットアーク電流Ip2が流れている間、内側ノズル122と外側ノズル123との間には、プラズマガスPGが流れている。
図6(e)に示すように、パイロットアーク電流Ip2の通電が開始すると、パイロットアーク電流通電検出回路35は、パイロットアーク電流通電検出信号Dipを動作制御回路2に送る。
<外側ノズル通電期間T82(時刻t23以降)>
時刻t23から、パイロットアーク電源回路31は、外側ノズル通電期間T82を開始する。すると、図6(g)に示すように、時刻t23において、パイロットアーク電源回路31は高周波電圧の印加を停止する。同図(a)に示すように、時刻t23以降、パイロットアーク電源回路31はパイロットアーク電流Ip2の通電を継続する。
時刻t22において、動作制御回路2は、パイロットアーク電流通電検出信号Dipを受けると、図6(c)に示すように、パイロットアーク電流通電検出信号Dipを受けた時刻からある程度の時間が経過した時刻t24に、溶接開始信号Stを生成する。そして、動作制御回路2からメインアーク電源回路41に溶接開始信号Stが送られる。メインアーク電源回路41は、溶接開始信号Stを受けると、非消耗電極121と母材Wとの間に電圧を印加する。非消耗電極121の先端121a近傍の空間には、パイロットアークPa2によってプラズマ雰囲気が形成されている。そのため、パイロットアークPa2に誘発されて、メインアークMaが非消耗電極121と母材Wとの間に発生する。これにより、同図(d)に示すように、時刻t24において、メインアーク電流Imの通電が開始する。メインアーク電流Imの電流値は、たとえば、5〜7Aである。
本実施形態では、時刻t24以降、パイロットアーク電流Ip2の通電は継続する。本実施形態とは異なり、メインアーク電流Imの通電が開始した後に、パイロットアーク電流Ip2の通電を停止してもよい。
図6(f)に示すように、時刻t24において、動作制御回路2は、ロボット移動速度Vrを予め定められた速度とするための動作制御信号Msを溶接ロボット1に送る。これにより、時刻t24において、溶接進行方向Drにおける、非消耗電極121の母材Wに対する移動が開始する。このように、時刻t24から、プラズマアーク溶接システムA1は、非消耗電極121および母材Wの間にメインアーク電流Imを通電させつつ、定常溶接を行う。なお、溶接進行方向Drにおける、非消耗電極121の母材Wに対する移動が開始するのは、メインアーク電流Imの通電の開始と同時である必要はない。たとえば、メインアーク電流Imの通電後(時刻t24後)、もしくは通電前(時刻t24前)に、溶接進行方向Drにおける、非消耗電極121の母材Wに対する移動を開始してもよい。
メインアーク電流Imが流れている間、プラズマガスPGが内側ノズル122と外側ノズル123との間を、シールドガスSGが、外側ノズル123とシールドガスノズル124との間を、流れている。一方、図6を参照しつつ説明するアーク溶接方法においては、常に、内側ノズル122内をセンターガスCGが流れない。
図8は、非消耗電極121の先端121aが第2位置L2に位置している場合の、メインアークMaの高エネルギ部分を模式的に示す図である。同図では、高エネルギ部分をハッチングを付して示している。同図に示すように、非消耗電極121の先端121aが第2位置L2に位置している場合、メインアークMaは、内側ノズル122には拘束されず、外側ノズル123には拘束される(図3参照)。メインアークMaが内側ノズル122に拘束されず、外側ノズル123に拘束された状態で行う溶接を、1重ノズル式の溶接と呼ぶ。1重ノズル式の溶接では、メインアークMaにおける高エネルギ部分の占める領域の、第1方向X1に垂直な平面による断面は、先端121aからの距離に大きく依存する。特に、図8の部分891では、エネルギが集中している。部分891が母材Wに重なった状態で溶接を行うことにより、母材Wにおけるより狭い領域に、集中して熱を与えることができる。このような1重ノズル式の溶接は、たとえば、T隅肉溶接に適する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態においては、非消耗電極121の先端121aは、第1位置L1と、第1位置L1よりも第1方向X1側にある第2位置L2と、に位置する。内側ノズル122には、内側ノズル開口122aが形成され、内側ノズル開口122aは、第1方向X1において、第1位置L1と第2位置L2との間に位置する。このような構成によると、先端121aが第1位置L1に位置する場合、メインアークMaは、内側ノズル122に拘束される。一方、先端121aが第2位置L2に位置する場合、メインアークMaは、内側ノズル122に拘束されない。このように、本実施形態によると、内側ノズル122によるメインアークMaの拘束状態を異ならせることができる。したがって、プラズマアーク溶接システムA1は、メインアークMaにおける高エネルギ部分の占める領域を調整するのに適する。
本実施形態においては、外側ノズル123には、外側ノズル開口123aが形成され、第2位置L2は、外側ノズル開口123aよりも第1方向X1とは反対の第2方向X2側に位置する。このような構成によると、先端121aが第1位置L1に位置する場合、メインアークMaは、内側ノズル122および外側ノズル123に拘束される。この場合、上述したように、2重ノズル式の溶接を行うことができる。一方、先端121aが第2位置L2に位置する場合、メインアークMaは内側ノズル122に拘束されないが外側ノズル123に拘束される。この場合、上述したように、1重ノズル式の溶接を行うことができる。したがって、本実施形態によると、2重ノズル式の溶接と、1重ノズル式の溶接と、の複数タイプの溶接を行うことができる。これにより、プラズマアーク溶接システムA1によって、様々な種類の母材Wへの溶接を行うことができる。
本実施形態においては、パイロットアーク電源回路31は、高周波電圧を発生する高周波発生部HFを含む。パイロットアーク電源回路31は、外側ノズル高周波期間T81を生成する。パイロットアーク電源回路31は、外側ノズル高周波期間T81にて、高周波発生部HFにて発生した高周波電圧を、非消耗電極121および外側ノズル123の間に印加する。このような構成によると、先端121aが第2位置L2に位置している場合に、非消耗電極121および外側ノズル123の間にパイロットアークPa2を発生させるのに適する。
本実施形態においては、パイロットアーク電源回路31は、内側ノズル高周波期間T71を生成する。パイロットアーク電源回路31は、内側ノズル高周波期間T71にて、高周波発生部HFにて発生した高周波電圧を、非消耗電極121および内側ノズル122の間に印加する。このような構成によると、先端121aが第1位置L1に位置している場合に、非消耗電極121および内側ノズル122の間にパイロットアークPa1を発生させるのに適する。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
上述の説明では、非消耗電極121の先端121aの位置を、プラズマアーク溶接システムA1のユーザが、自身の手で移動させる例を示したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、非消耗電極121を移動させる移動機構をプラズマアーク溶接システムA1が備えていてもよい。そして、自動で、移動機構が非消耗電極121を移動させてもよい。また、自動で非消耗電極121を移動させる場合、溶接開始前に非消耗電極121を移動させておく必要は必ずしもない。溶接途中に、非消耗電極121の先端121aを、第1位置L1から第2位置L2に移動させてもよい。逆に、溶接途中に非消耗電極121の先端121aを、第2位置L2から第1位置L1に移動させてもよい。
上述の説明では、高周波発生部HFが内側ノズル122および外側ノズル123のいずれにも接続している例を示したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、高周波発生部HFが内側ノズル122のみに接続していてもよい。このとき、非消耗電極121の先端121aを第2位置L2に位置させた状態で溶接を行う場合であっても、まず、非消耗電極121と内側ノズル122との間にパイロットアークPa1を発生させるとよい。もしくは、高周波発生部HFが外側ノズル123のみに接続していてもよい。この場合、非消耗電極121の先端121aを第1位置L1に位置させた状態で溶接を行う場合であっても、まず、非消耗電極121と外側ノズル123との間にパイロットアークPa2を発生させるとよい。
1 溶接ロボット
11 マニピュレータ
12 トーチ
121 非消耗電極
121a 先端
122 内側ノズル
122a 内側ノズル開口
123 外側ノズル
123a 外側ノズル開口
124 シールドガスノズル
14 保持機構
2 動作制御回路
31 パイロットアーク電源回路
311,312,313,314,315,316 端子
33 パイロットアーク電流検出回路
35 パイロットアーク電流通電検出回路
41 メインアーク電源回路
891 部分
A1 プラズマアーク溶接システム
CG センターガス
Dip パイロットアーク電流通電検出信号
Dr 溶接進行方向
HF 高周波発生部
Idp パイロットアーク電流検出信号
Im メインアーク電流
Ip1 パイロットアーク電流
Ip2 パイロットアーク電流
L1 第1位置
L2 第2位置
Ma メインアーク
Ms 動作制御信号
Pa1,Pa2 パイロットアーク
PG プラズマガス
Pw 電力発生部
SG シールドガス
St 溶接開始信号
Sw2 高周波スイッチ
Sw3,Sw4 ノズルスイッチ
T71 内側ノズル高周波期間
T72 内側ノズル通電期間
T81 外側ノズル高周波期間
T82 外側ノズル通電期間
Vr ロボット移動速度
W 母材
X1 第1方向
X2 第2方向

Claims (10)

  1. 非消耗電極と、前記非消耗電極を囲む内側ノズルと、前記内側ノズルを囲む外側ノズルと、を含むトーチ、
    パイロットアーク電源回路、並びに、
    メインアーク電源回路、を備え、
    前記パイロットアーク電源回路は、前記非消耗電極および前記外側ノズルの間にパイロットアーク電流を流す外側ノズル通電期間を生成し、
    前記メインアーク電源回路は、前記外側ノズル通電期間の間に、前記非消耗電極および母材の間にメインアーク電流を流し、
    前記非消耗電極は、第1方向側に位置する先端を含み、且つ、前記第1方向に沿って延びる形状であり、
    前記非消耗電極の前記先端は、第1位置と、前記第1位置よりも前記第1方向側にある第2位置と、に位置し、
    前記内側ノズルには、内側ノズル開口が形成され、前記内側ノズル開口は、前記第1方向において、前記第1位置と前記第2位置との間に位置する、プラズマアーク溶接システム。
  2. 前記外側ノズルには、外側ノズル開口が形成され、前記第2位置は、前記外側ノズル開口よりも前記第1方向とは反対の第2方向側に位置する、請求項1に記載のプラズマアーク溶接システム。
  3. 前記パイロットアーク電源回路は、高周波電圧を発生する高周波発生部を含み、
    前記パイロットアーク電源回路は、外側ノズル高周波期間を生成し、前記パイロットアーク電源回路は、前記外側ノズル高周波期間にて、前記高周波発生部にて発生した高周波電圧を、前記非消耗電極および前記外側ノズルの間に印加する、請求項1または請求項2に記載のプラズマアーク溶接システム。
  4. 前記メインアーク電源回路は、前記外側ノズル通電期間中に、前記メインアーク電流を流し始める、請求項3に記載のプラズマアーク溶接システム。
  5. 前記パイロットアーク電源回路は、内側ノズル高周波期間を生成し、前記パイロットアーク電源回路は、内側ノズル高周波期間にて、前記高周波発生部にて発生した高周波電圧を、前記非消耗電極および前記内側ノズルの間に印加する、請求項3または請求項4に記載のプラズマアーク溶接システム。
  6. 前記パイロットアーク電源回路は、第1モードと、第2モードと、をとり、
    前記パイロットアーク電源回路は、前記非消耗電極および前記内側ノズルの間にパイロットアーク電流を流す内側ノズル通電期間を生成し、
    前記パイロットアーク電源回路は、
    前記第1モードの場合、前記内側ノズル高周波期間、前記内側ノズル高周波期間の後に前記内側ノズル通電期間、および、前記内側ノズル通電期間の後に前記外側ノズル通電期間を、順番に生成し、
    前記第2モードの場合、前記外側ノズル高周波期間、および、前記外側ノズル高周波期間の後に前記外側ノズル通電期間を、順番に生成する、請求項5に記載のプラズマアーク溶接システム。
  7. 前記非消耗電極の前記先端は、前記パイロットアーク電源回路が前記第1モードの場合、前記第1位置に位置し、前記パイロットアーク電源回路が前記第2モードの場合、前記第2位置に位置する、請求項6に記載のプラズマアーク溶接システム。
  8. パイロットアーク電源回路、並びに、
    メインアーク電源回路、を備え、
    前記パイロットアーク電源回路は、非消耗電極および外側ノズルの間にパイロットアーク電流を流す外側ノズル通電期間を生成し、
    前記メインアーク電源回路は、前記非消耗電極および母材の間にメインアーク電流を流し、
    前記パイロットアーク電源回路は、高周波電圧を発生する高周波発生部を含み、
    前記パイロットアーク電源回路は、
    前記高周波発生部にて発生した高周波電圧を、前記非消耗電極および内側ノズルの間に印加する内側ノズル高周波期間と、
    前記高周波発生部にて発生した高周波電圧を、前記非消耗電極および前記外側ノズルの間に印加する外側ノズル高周波期間と、を生成する、プラズマアーク溶接システム。
  9. 前記パイロットアーク電源回路は、第1モードと、第2モードと、をとり、
    前記パイロットアーク電源回路は、前記非消耗電極および前記内側ノズルの間にパイロットアーク電流を流す内側ノズル通電期間を生成し、
    前記パイロットアーク電源回路は、
    前記第1モードの場合、前記内側ノズル高周波期間、前記内側ノズル高周波期間の後に前記内側ノズル通電期間、および、前記内側ノズル通電期間の後に前記外側ノズル通電期間を、順番に生成し、
    前記第2モードの場合、前記外側ノズル高周波期間、および、前記外側ノズル高周波期間の後に前記外側ノズル通電期間を、順番に生成する、請求項8に記載のプラズマアーク溶接システム。
  10. 非消耗電極と、前記非消耗電極を囲む内側ノズルと、前記内側ノズルを囲む外側ノズルと、を含むトーチを用いるアーク溶接方法であって、
    前記非消耗電極は、第1方向側に位置する先端を含み、且つ、前記第1方向に沿って延びる形状であり、
    前記非消耗電極の前記先端を第1位置に位置させた状態で、前記非消耗電極および母材の間にメインアーク電流を流す工程と、
    前記非消耗電極の前記先端を第2位置に位置させた状態で、前記非消耗電極および母材の間にメインアーク電流を流す工程と、を備え、
    前記第2位置は、前記第1位置よりも前記第1方向側にあり、
    前記内側ノズルには、内側ノズル開口が形成され、前記内側ノズル開口は、前記第1方向において、前記第1位置と前記第2位置との間に位置する、プラズマアーク溶接方法。
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