JP2927596B2 - 非移行式プラズマジェット揺動方法およびプラズマジェット装置 - Google Patents

非移行式プラズマジェット揺動方法およびプラズマジェット装置

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JP2927596B2
JP2927596B2 JP4031886A JP3188692A JP2927596B2 JP 2927596 B2 JP2927596 B2 JP 2927596B2 JP 4031886 A JP4031886 A JP 4031886A JP 3188692 A JP3188692 A JP 3188692A JP 2927596 B2 JP2927596 B2 JP 2927596B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気アーク放電により
プラズマ化した高温ガス噴射すなわちプラズマジェット
の揺動方法およびこれを実現するプラズマジェット装置
に関する。
【0002】
【従来技術】この種のトーチは、物体の高温処理又は加
工に使用され、例えば金属の加熱,溶融等に用いられ
る。
【0003】例えば特開昭54−24249号公報に
は、鋳造金属材又は圧延金属材の表面の欠陥を、金属材
表面を移行式のプラズマジェットトーチで溶融させるこ
とにより除去する、欠陥除去方法が提示されている。幅
広い欠陥除去を行うために、プラズマジェットトーチと
金属材との間に、電磁石コアが配置され、これがトーチ
から金属材に移行するアークすなわちプラズマアーク電
流に対して直交する磁界を及ぼし、プラズマアーク電流
を偏向させる。電磁石の通電方向を交互に反転すること
により、プラズマアーク電流が往復動して金属材表面を
走査する。これにより幅広い面積の欠陥除去が行われ
る。特開昭54−24249号公報には、移行式のプラ
ズマアーク電流と金属材との間に、電気コイルを介挿し
これによりプラズマアーク電流を往復動させる態様も開
示されている。
【0004】一方、非移行式のプラズマアークは、高温
局部加熱が特徴であるが、鋼板のミクロンオーダでの表
面処理では均一で広範囲な熱源が必要となる。しかしな
がら非移行式のプラズマジェットトーチにおけるプラズ
マジェット揺動装置はなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本出願人は内
ノズル部材と外電極部材の間に断熱カラーを介挿してプ
ラズマノズルからプラズマ出射開口に進むプラズマ流路
を囲み、断熱カラーを横切る磁束を発生させる電気コイ
ルを備える非移行式のプラズマジェットトーチを提示し
た(特願平3−40273号)。
【0006】これによれば、磁束をかける位置をトーチ
内のアーク電流を狭窄している部位として作用させてい
る、すなわちプラズマアーク電流は元部で磁界の作用を
受けて偏向するので、比較的に小さい電気コイルで比較
的に大きな偏向量を得ることができ、プラズマジェット
フレームはコイルに流れる電流の方向及び大きさに対応
して揺動できる。
【0007】しかし、アーク電流路が電極先端と外電極
部材のノズル内側面の間に形成され該ノズル内側面に陽
極点が形成されるが、プラズマアーク電流の元部に磁界
を強制的に作用させるため、プラズマアーク電流の陽極
点が影響を受け、陽極点が一点に留まろうとするのに対
して磁界(の方向)の変化によるアーク電流に作用する
力の方向の変化により、アーク電流路が大きく湾曲し延
べ長が過大になったときに切れて陽極点が一気に別の位
置に移動する(アークの引張り切り現象)。このような
アーク電流路の伸張と陽極点の間欠的な移動が繰返えさ
れる。このような陽極点の挙動により、陽極点一点に瞬
時にエネルギーが過度に集中しそこの金属が蒸発する。
これによりノズル表面は凸凹の面となり蒸発が更に多く
なる。その結果、蒸発金属がプラズマジェットに乗って
加工対象材に付着し、メッキした様な金属被膜が形成さ
れる。すなわち、意図しない、外電極部材の材料金属
(例えば銅)の被膜を生ずるという問題がある。
【0008】本発明は、この種の問題点を改善すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、プラズマト
ーチのプラズマノズルより噴射するプラズマジェット
に、プラズマノズルの中心軸線と交差する方向で揺動ガ
スを当て、該方向の揺動ガス流量の増,減を交互に繰返
してプラズマジェットを前記方向に揺動させる。
【0010】
【作用】例えば1個の揺動ガス噴出口(OUT1)から、プラ
ズマジェットにノズル(6n,8n)の中心軸線と交差する方
向(左方向)に揺動ガスを当て、該方向の揺動ガス流量の
増,減を交互に繰返すと、揺動ガス流量が増大したとき
プラズマジェットが、該中心軸線から該方向(左方向)に
ある角度振れ、揺動ガス流量が減少したとき中心軸線近
くに戻り、揺動ガス流量の増,減の交互繰返しにより、
プラズマジェットが中心軸線から左方向に繰返し往復動
する。これにより、プラズマジェットをこのように揺動
させない場合よりも、広い幅で加工対象材表面がプラズ
マジェットにさらされる。揺動ガス噴出口を複数とする
ことにより、種々の揺動幅,揺動パターン等を実現しう
る。
【0011】プラズマジェットのこのような偏向すなわ
ち揺動は、ノズル穴先端部に発生している陽極点より前
方のノズル穴より放出されたプラズマジェットに対し
て、揺動ガス流によりもたらされるので、陽極点および
プラズマアーク電流路は磁界を作用させる場合のような
挙動を示さない。すなわち、陽極点は自然挙動を行な
い、外力による強制移動をすることがなくなり、アーク
の引張り切り現象での、局部過熱による金属蒸発をする
ことがない。したがって上述の従来の問題点が改善され
る。
【0012】本願の各発明の他の目的および特徴は、図
面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0013】
【実施例】
(第1実施例)図1に本発明の第1実施例の縦断面を示
し、図2に、図1に示すプラズマジェットトーチの下面
を示す。なお、図1は図2のI−I線断面図である。ト
ーチ基幹5の上端部には電極台4が装着されており、こ
の電極台4に電極キャップ3が結合されている。電極キ
ャップ3は、電極1が通ったチャック2を締め付けてお
り、これにより電極1を、円筒状基幹5の中心軸位置
に、位置決めしている。
【0014】基幹5の下端部には内ノズル部材6が装着
されており、内ノズル部材6と電極1の間にセンタリン
グストーン7が介挿され、このセンタリングストーン7
が、基幹5の下端部において、内ノズル部材6の中心軸
に電極1の中心軸を合わすように、電極1を位置決めし
ている。内ノズル部材6の下底の中心位置には内ノズル
(プラズマノズル)6nが開けられている。電極1と内
ノズル部材6の間の空間には、電極ガス(本実施例では
アルゴンガスArを使用)が供給される。
【0015】基幹5の下端には外ノズル部材8が装着さ
れており、その中心軸に、電極1の中心軸および内ノズ
ル6nの中心軸に合せて、内ノズル6nよりもやや大径
の外ノズル8nが開けられている。内ノズル部材6の下
底外表面と外ノズル8の上面の間には、半径方向にガス
通口を開けたリング状の絶縁カラー14が介挿されてい
る。内ノズル部材6と外ノズル部材8の間の空間には強
旋回流の加熱ガスが供給される。なお、加熱ガスとして
還元性ガス,不活性ガスあるい活性ガスを使用すること
もできる。外ノズル部材8にはトーチ冷却水が供給さ
れ、この冷却水は外ノズル部材8から出て基幹5の水路
を通って内ノズル部材6の水路に入り、そして内ノズル
部材6を出て更に基幹5を通ってトーチ外部に排出され
る。
【0016】電極1(負極)と内ノズル部材6(正極)
の間にアーク電圧を印加して電極1と内ノズル6nの間
にアークを生起し次に外ノズル部材8に正極電圧を印加
して電極1/内ノズル6n間のアークを電極1/外ノズ
ル8n間に移行させる。加熱ガスは、高速の旋回流とな
っているためノズル穴の中心部は、ガスの遠心力により
減圧されており、これにより電極からのアークは外ノズ
ル8nの先端部まで誘導されて陽極点が生成される。加
熱ガスは、外ノズル穴8n間でアークにより高温に加熱
され外ノズル穴よりプラズマジェットとなって放出され
る。
【0017】外ノズル部材8の下底外表面部にはプラズ
マジェット流を揺動させる揺動ガス(本実施例では窒素
ガスN2を使用)を供給する揺動ガス供給管91,92
固着されている。なお、揺動ガスとしては窒素ガスN2
の他、還元性ガス,不活性ガスあるい活性ガス等を使用
することもできる。揺動ガス噴出口OUT1,OUT2
は、プラズマジェット流の流れ軸(電極1の中心軸)線
方向に対して所定の角度をなしている。
【0018】揺動ガス供給管91,92にはソレノイドS
OL1,SOL2が装着され、ソレノイドSOL1,S
OL2のオン/オフにより揺動ガスの供給が制御され
る。
【0019】図3にソレノイドSOL1,SOL2のオ
ン/オフ制御を行う電気回路を示し、図4にソレノイド
SOL1,SOL2のオン/オフ、揺動ガス噴出口OU
T1,OUT2からの噴出ガス量,プラズマフレームの
揺動方向およびプラズマアーク電流のタイムチャートを
示す。図3において、接点A1,A2,B1およびC2
はリレーのa接点を示し、接点C1はリレーのb接点を
示す。接点T1aはタイマT1の時限a接点を示し、接
点T2aはタイマT2の時限b接点を示す。
【0020】(1) スタートスイッチPB1が押され
ると、コイルAがオンし接点A1およびA2が閉とな
る。これによりX1−Y1端子間はストップスイッチPB
2により導通が遮断されない限り自己保持回路を形成す
る。また、タイマT1およびコイルBがオンし(最初コ
イルCはオフより接点C1は閉)接点B1が閉となるた
めソレノイドSOL1はオンする。よって、図4に示す
ように揺動ガス噴出口OUT1からガスの噴出が始ま
り、プラズマアークは左に揺動される。
【0021】(2) タイマT1が時間T1をオーバす
ると、時限接点T1aが閉となりタイマT2およびコイ
ルCがオンする。これによりC1が開よりコイルBがオ
フ,接点C2が閉となるためソレノイドSOL1はオ
フ,ソレノイドSOL2はオンする。よって、図4に示
すように揺動ガス噴出口OUT1からガスの噴出はなく
なり同時に揺動ガス噴出口OUT2からガスの噴出が始
まり、プラズマアークは右に揺動される。
【0022】(3) タイマT2が時間T2をオーバす
ると、時限接点T2aが開となりタイマT1がオフし時
限接点T1aが開となる。時限接点T1a開よりタイマ
T2及びコイルCがオフとなり時限接点T2a及び接点
C1閉よりコイルBがオンする。これによりソレノイド
SOL2はオフ,ソレノイドSOL1はオンし(1)と
同様になる。よって、図4に示すように揺動ガス噴出口
OUT2からガスの噴出はなくなり同時に揺動ガス噴出
口OUT1からガスの噴出が再度始まり、プラズマアー
クは左に揺動される。
【0023】(4) 以後、(2)→(3)→(2)→
(3)→・・・の動作を繰り返す。よって、図4に示す
ように揺動ガスの切替えが行われ、プラズマフレームが
左右に揺動する。また、プラズマアーク電流を揺動ガス
の流量の増減に同期させ、プラズマフレームの揺動が小
さいときにはプラズマアークの電流値が低になるように
し、プラズマフレームの揺動が大きいときには電流値が
大となるように変化させている。これはプラズマフレー
ムの中央位置で熱量を下げ、対象鋼体の加熱面の被熱量
を一定とするためである。なお、同様に加熱ガス量を揺
動ガスの流量の増減に同期させ、プラズマフレームの揺
動が小さいときには加熱ガス量を小さくし、プラズマフ
レームの揺動が大きいときには加熱ガス量を大きくして
もよく、プラズマアーク電流および加熱ガス量を揺動ガ
スの流量の増減に同期させてもよい。
【0024】図5に揺動ガス噴出口OUT1からのガス
噴出によりプラズマアーク電流が左に揺動した状態を示
す。鋼体15は紙面手前方向に移動している。
【0025】ここで、プラズマジェット電流を端部で2
00〜500A,中央部で100〜400Aとし、加熱
ガス(水素ガス使用)を50〜250NL(リットル)
/min,電極ガス(アルゴンガス使用)を20〜50
NL(リットル)/min,揺動ガス(窒素ガス使用)
を30〜200NL(リットル)/minでそれぞれ供
給し、鋼体15をプラズマジェットを照射させながら移
動させた場合に、鋼体15の酸化表面を広範囲に還元で
きた。そのときの還元領域の幅は揺動させたときは揺動
させないときの5倍以上の幅を得ることができた。
【0026】なお、本実施例では揺動ガスの切替えによ
りプラズマアークを左右に揺動させたが、揺動ガス噴出
口OUT1,OUT2から同時に噴出させてもよい。こ
れによればプラズマジェット流の軸方向の流速を阻害
し、噴出口OUT1と噴出口OUT2を結ぶ線に対して
垂直な方向(図5の紙面に垂直方向)に分散させること
により鋼体15の加熱面の被熱量を一定にすることがで
きる。
【0027】また、本実施例では揺動ガスの噴出口は、
ノズル中心軸線を間に置いて180度相対向している
が、180度以下あるいは180度以上の対向角度で対
向してもよい。
【0028】(第2実施例)図6に本発明の第2実施例
の縦断面を示す。第1実施例では揺動ガスの切替えをソ
レノイドSOL1,SOL2で行ったが、第2実施例で
はこれにかえて回転カム式ガス分配装置20を装着した
ものである。その他の構造は、上述の第1実施例の構造
と同様である。
【0029】図7に回転カム式ガス分配装置20の構成
概要を示し、図8に図7のW−W線断面図を、図9に図
7のV−V線断面図を示す。回転カム式ガス分配装置2
0は、分配本体21,偏心部22aを有するガス分配カ
ムロータ22およびガス分配カムロータ22に結合され
た回転軸24を有するギア23を介してガス分配カムロ
ータ22を回転させるモータ25等から構成されてい
る。
【0030】分配本体21には、ガス流路が設けられ、
そのガス流路に揺動ガス供給管91,92および図示しな
いガス供給源から流量設定された揺動ガスを回転カム式
ガス分配装置20に供給するガス管26が挿入されてい
る。図7に示すように、ガス分配カムロータ22の内部
には円筒形の空洞27が形成されており空洞27に細管
28a,28bの一端が挿入されている。図8に示すよ
うに、ガス管26の挿入部ではガス分配カムロータ22
の周りを覆う空間部29が設けられ、空間部29に細管
28aの他端が挿入されているので、モータ25により
ガス分配カムロータ22が回転してもガス管26から空
洞27に揺動ガスが常に供給される。また、図9に示す
ように、揺動ガス供給管91,92の挿入部ではガス分配
カムロータ22に偏心部22aが設けられ、偏心部22
aにより形成される空間部30に細管28bの他端が挿
入されているので、モータ25によりガス分配カムロー
タ22が回転し偏心部22aが揺動ガス供給管91に対
向する位置にくると揺動ガスが揺動ガス供給管91を介
して揺動ガス噴出口OUT1に供給される。更に、ガス
分配カムロータ22が180度回転すると偏心部22a
は揺動ガス供給管92に対向する位置にくるので、揺動
ガスが揺動ガス供給管92を介して揺動ガス噴出口OU
T2に供給される。なお、符号31はベアリングであ
り、32はOリングである。
【0031】図10にガス分配カムロータ22の回転位
置(偏心部22aの位置を基準点Pとする)に対する噴
出口OUT1,OUT2から噴出されるガス流量および
プラズマフレームの揺動方向を示すタイムチャートを示
す。これによれば第1実施例で示すように(図4)揺動
ガスをパルス状に噴出させるのではなく滑らかに揺動ガ
スを噴出口OUT1および噴出口OUT2に供給できる
ので、第1実施例のプラズマフレームの揺動(図4)と
比較して滑らかにプラズマフレームを揺動させられ、プ
ラズマジェットフレームの揺動ガスによる瞬時変化によ
る乱れが少ない。
【0032】(第3実施例)図11に本発明の第3実施
例の縦断面を示し、図12に、図11に示すプラズマジ
ェットトーチの下面を示す。なお、図11は図12のI
X−IX線断面図である。第3実施例は、第2実施例に
示す揺動ガス噴出口OUT1とOUT2を結ぶ線に対し
て垂直方向(図11の紙面に垂直方向)に揺動ガス噴出
口OUT3,OUT4を、更に2個設けたものであり、
揺動ガスの噴出を所定時間ラップさせながら切替えを行
う。すなわち、揺動ガス噴出口OUT1→OUT3→O
UT2→OUT4→OUT1→・・・と順次円を描くよ
うにして揺動ガスを噴出する。揺動ガスの分配には第2
実施例で示したと同様の回転カム式ガス分配装置(図7
に揺動ガス噴出口OUT3,OUT4への分配機構を設
けたもの)を使用した。図13に第2実施例の図10に
かわるV−V線断面図を示し、図14に、図13に示す
ガス分配カムロータ22の回転位置(基準をP点)に対
する噴出口OUT1,OUT2,OUT3およびOUT
4から噴出されるガス流量およびプラズマフレームの揺
動方向を示すタイムチャートを示す。なお、揺動方向は
図12に示すa,b,c〜gに対応させたものである。
この結果、プラズマフレームは円錐状の運動となるの
で、直線状を往復運動する第2実施例と比較してプラズ
マフレームの動きは円滑となり、先端部フレームのゆら
ぎも少ない。
【0033】(第4実施例)図15に本発明の第4実施
例の縦断面を示し、図16に、図15に示すプラズマジ
ェットトーチの下面を示す。なお、図15は図16のI
I−II線断面図である。
【0034】第4実施例は、第1実施例で示した揺動ガ
ス供給管91,92に、プラズマジェット流の軸線方向に
対し、重ねて揺動ガス供給管101,102を設けたもの
である。また、揺動ガス供給管91,92,101,102
にはそれぞれ揺動ガスの量を加減する液量調整弁16が
装着されている。ガス噴射口OUT1a,1b(又はO
UT2a,2b)から同時に揺動ガスを噴射することが
できる。これによれば、第1実施例の一段の揺動ガス供
給管に比較してプラズマジェット流の1ヶ所からの大流
量揺動ガスによる拡散を低く抑えられる。
【0035】(第5実施例)図17に本発明の第5実施
例の縦断面を示し、図18に、図17に示すプラズマジ
ェットトーチの下面を示す。なお、図17は図18のX
−X線断面図である。
【0036】第5実施例は、第1実施例で示した揺動ガ
ス供給管91,92を外ノズル部材8に挿入して、揺動ガ
ス供給通路を外ノズル部材8の内部に収納したものであ
る。これによれば、外ノズル部材8に供給されるトーチ
冷却水によって揺動ガス供給通路も冷却されるので、溶
損等が防止される。
【0037】以上述べた実施例(実施例1〜5)におい
て、プラズマトーチの加熱ガスとして還元性ガスを,揺
動ガスに還元性ガス又は不活性ガスを使用してプラズマ
ジェット流を揺動させることにより金属板表面,パイプ
材表面又は線材表面上の酸化被膜を還元作用により広範
囲に除去しうる。また、加熱ガスおよび揺動ガスに不活
性ガス又は活性ガスを使用してプラズマジェット流を揺
動させることにより広範囲に高温の熱照射を行え、広範
囲な金属,非金属等の溶解,焼入れ,焼もどし等が可能
となる。
【0038】また、プラズマジェットトーチを加工材料
に対してある角度に傾けてセットしプラズマジェット流
を加工材料に斜めに照射することにより、より均一で広
範囲な熱照射が可能となり、またプラズマジェットトー
チを照射面に対し平行に近い角度にして揺動するプラズ
マジェット流により照射すればより均一な熱源が可能と
なる。
【0039】
【効果】以上の通り本発明によれば、プラズマジェット
を中心軸線に対して揺動させるので、揺動させない場合
よりも、広い幅で加工対象材表面がプラズマジェットに
さらされる。揺動ガス噴出口を複数とすることにより、
種々の揺動幅,揺動パターン等を実現しうる。
【0040】プラズマジェットのこのような偏向すなわ
ち揺動は、陽極点及びアーク電流路より前方側の外ノズ
ルより放出されたプラズマジェットに対して、揺動ガス
流によりもたらされるので、陽極点およびプラズマアー
ク電流路は磁界を作用させる場合のような挙動を示さな
い。すなわち、陽極点は自然挙動を行ない、外からの強
制移動による局部入熱過大がなくしかもプラズマアーク
電流路は大きく湾曲することがない。
【0041】したがって、意図しない、外ノズル部材の
材料金属(例えば銅)の被膜を加工材料表面に生じたり
することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の縦断面図であり、図2
のI−I線断面図である。
【図2】 図1に示すプラズマジェットトーチの下面を
示す平面図である。
【図3】 図1に示すソレノイドSOL1,SOL2の
オン/オフ制御を示す電気回路である。
【図4】 図1に示すソレノイドSOL1,SOL2の
オン/オフ、揺動ガス噴出口OUT1,OUT2からの
噴出ガス量,プラズマフレームの揺動方向およびプラズ
マアーク電流を示すタイムチャートである。
【図5】 図1に示すプラズマジェットトーチの縦断面
図であり、プラズマアーク電流の揺動状態を示す。
【図6】 本発明の第4実施例の縦断面図である。
【図7】 図6に示す回転カム式ガス分配装置20の構
成概要を示す断面図である。
【図8】 図7のW−W線断面図である。
【図9】 図7のV−V線断面図である。
【図10】 図7に示すガス分配カムロータ22の回転
位置(基準をP点)に対する噴出口OUT1,OUT2
から噴出されるガス流量およびプラズマフレームの揺動
方向を示すタイムチャートである。
【図11】 本発明の第3実施例の縦断面図であり、図
12のIX−IX線断面図である。
【図12】 図11に示すプラズマジェットトーチの下
面を示す平面図である。
【図13】 第3実施例の、図10にかわるV−V線断
面図である。
【図14】 図13に示すガス分配カムロータ22の回
転位置(基準をP点)に対する噴出口OUT1,OUT
2,OUT3およびOUT4から噴出されるガス流量お
よびプラズマフレームの揺動方向を示すタイムチャート
である。
【図15】 本発明の第4実施例の縦断面図であり、図
16のII−II線断面図である。
【図16】 図15に示すプラズマジェットトーチの下
面を示す平面図である。
【図17】 本発明の第5実施例の縦断面図であり、図
18のX−X線断面図である。
【図18】 図17に示すプラズマジェットトーチの下
面を示す平面図である。
【符号の説明】
1:電極 2:チャック
3:キャップ 4:電極台 5:基幹
6:内ノズル部材 6n:内ノズル 7:センタリングストーン
8:外ノズル部材 8n:外ノズル 91,92,93,94,101,102:揺動ガス供給管
14:絶縁カラー 15:鋼体 16:液量調整弁 20:回転カム式ガス分配装置
21:分配本体 22:ガス分配カムロータ 22a:偏心部
25:モータ 26:ガス管 SOL1,SOL2:ソレ
ノイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05H 1/26 H05H 1/34 B23K 10/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非移行式プラズマトーチのプラズマノズル
    より噴射するプラズマジェットに、プラズマノズルの中
    心軸線と交差する方向でプラズマジェットを揺動させる
    ための揺動ガスを当て、該方向の揺動ガス流量の増,減
    を交互に繰返してプラズマジェットを前記方向に揺動さ
    せる、非移行式プラズマジェット揺動方法。
  2. 【請求項2】非移行式プラズマトーチのプラズマノズル
    より噴射するプラズマジェットに、プラズマノズルの中
    心軸線を間にして相対向する1対の揺動ガス噴出口のそ
    れぞれから該中心軸線と交差する方向に揺動ガスを当
    て、それぞれの揺動ガス噴出口の揺動ガス流量の増,減
    を繰返し、この繰返しを1対の揺動ガス噴出口につき同
    一位相として、プラズマジェットを、前記1対の揺動ガ
    ス噴出口を結ぶ線と前記中心軸線に対し所定角度の方向
    に揺動させる、非移行式プラズマジェット揺動方法。
  3. 【請求項3】揺動ガス流量の増,減に同期して、プラズ
    マアーク電流およびプラズマガス流量の少くとも一方を
    増,減して、プラズマジェットの振れが小さいとき少く
    とも一方を減らし振れが大きいとき増やす、請求項1又
    は2記載の非移行式プラズマジェット揺動方法。
  4. 【請求項4】非移行式プラズマトーチのプラズマガスは
    還元性ガス、揺動ガスは還元性ガス又は不活性ガスであ
    り、揺動するプラズマジェットにより金属表面の酸化被
    膜を広範囲に還元する、請求項1,2又は3記載の非移
    行式プラズマジェット揺動方法。
  5. 【請求項5】非移行式プラズマトーチのプラズマガスは
    不活性ガス又は活性ガスであり、揺動するプラズマジェ
    ットにより熱処理対象材を広範囲に加熱する、請求項
    1,2,3又は4記載の非移行式プラズマジェット揺動
    方法。
  6. 【請求項6】電極,該電極の先端に対向する位置にプラ
    ズマノズルを有するノズル部材,および、該ノズル部材
    と前記電極の間の空間にガスを供給するためのガス流路
    を有する非移行式プラズマジェットトーチ;前記プラズ
    マノズルの先端部出口に設けられ、プラズマノズルから
    噴射するプラズマジェットの流れ軸方向に対して所定の
    角度でプラズマ流路と交差する揺動ガスを噴射するため
    の揺動ガス噴出口;該揺動ガス噴出口に揺動ガスを供給
    するための揺動ガス供給手段;および、 前記揺動ガス噴出口と揺動ガス供給手段の間の揺動ガス
    流路に介挿され、前記揺動ガス噴出口より噴射する揺動
    ガス流量の増,減を交互に繰返す流量制御手段;を備え
    ることを特徴とする非移行式プラズマジェット装置。
  7. 【請求項7】揺動ガス噴出口はプラズマノズルの中心軸
    線に対向する複数個であり、流量制御手段は、1つの揺
    動ガス噴射口より噴射する揺動ガス流量を増加するとき
    他の1つの揺動ガス噴射口より噴射する揺動ガス流量を
    減らす、請求項6記載の非移行式プラズマジェット装
    置。
  8. 【請求項8】揺動ガス噴出口はプラズマノズルの中心軸
    線に対向し、該中心軸線を中心とする回転方向に所定角
    度を置いて配置された3箇以上であり、流量制御手段
    は、1つの揺動ガス噴出口の揺動ガス流量の増,減に対
    して所定のそれぞれ異った位相差で他の揺動ガス噴出口
    の揺動ガス流量を増,減する請求項7記載の非移行式プ
    ラズマジェット装置。
  9. 【請求項9】揺動ガス噴出口はプラズマノズルの中心軸
    線に対向し該中心軸線が延びる方向に分布する複数個で
    あり、流量制御手段は、該複数個の揺動ガス噴射口より
    噴射する揺動ガス流量を、実質上同一位相で増,減す
    る、請求項6記載の非移行式プラズマジェット装置。
  10. 【請求項10】非移行式プラズマジェットトーチは、電
    極に近い内ノズル部材および該内ノズル部材の外側にあ
    る外ノズル部材を有し、揺動ガス噴出口をこの外ノズル
    部材に設けた、請求項6,7,8又は9記載の非移行式
    プラズマジェット装置。
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