JP6356990B2 - 工業製品の製造方法、スポット溶接システム - Google Patents

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本発明は、工業製品の製造方法と、スポット溶接システムと、に関する。
従来から、アークスポット溶接が知られている(たとえば特許文献1参照)。同文献に開示の方法においては、ワイヤ状の溶接電極を溶融させつつ、各板材の溶接を行う。従来の方法では、溶け込みの深さが限定される。そのため、板材の厚さが厚い場合に溶接を行うことが困難である。
特許第3682549号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、母材が厚い場合であっても溶接することが可能である工業製品の製造方法を提供することをその主たる課題とする。
本発明の第1の側面によると、非消耗電極および母材の間に発生したプラズマアークによって、前記母材における第1主面から凹む穴を形成する工程と、消耗電極および前記母材の間に発生した溶接アークによって形成された、前記消耗電極に由来する溶融金属を、前記穴に充填し、溶接部を形成する工程と、を備える、工業製品の製造方法が提供される。
好ましくは、前記溶接部を形成する工程の前に、前記消耗電極および前記母材の間に前記溶接アークを発生させる工程を更に備え、前記溶接アークを発生させる工程においては、前記穴の深さが前記母材全体の厚さの80%以上となっている時点で、前記溶接アークを発生させる。
好ましくは、前記溶接アークを発生させる工程においては、前記穴が前記母材全体を貫通している状態で、前記溶接アークを発生させる。
好ましくは、前記穴を形成する工程においては、前記母材における、前記第1主面とは反対側の第2主面に、前記穴に通じる開口を形成し、前記溶接アークを発生させる工程においては、前記開口の直径が前記消耗電極の直径よりも小さい状態で、前記溶接アークを発生させる。
好ましくは、前記溶接アークを発生させる工程は、前記消耗電極を前記母材に接触させることにより、開始する。
好ましくは、前記溶接部を形成する工程においては、前記プラズマアークを消弧させておく。
好ましくは、前記穴を形成する工程が終了した後に、前記消耗電極の先端を、前記穴の深さ方向視において前記穴と重なる位置に位置させる工程を更に備える。
好ましくは、アークスポット溶接として行われる。
好ましくは、前記消耗電極および前記母材の間に前記溶接アークを発生させる工程を更に備え、前記溶接アークを発生させる工程は、前記プラズマアークを介して、前記消耗電極および前記母材の間に溶接アーク電流を流し始めることにより、開始する。
好ましくは、前記溶接アークを発生させる工程は、前記消耗電極および前記母材の間に無負荷電圧を印加しつつ、前記消耗電極を前記プラズマアークに接触させる工程を含む。
好ましくは、前記溶接アークを発生させる工程の前に、前記非消耗電極および前記母材の間に流れるプラズマアーク電流の電流値を、前記穴を形成する工程における値よりも小さいプラズマアーク維持電流値に減少させる工程を更に備える。
好ましくは、前記プラズマアーク維持電流値は、20〜50Aである。
好ましくは、前記溶接アークを発生させる工程は、前記母材から前記非消耗電極を離間させる工程を含む。
好ましくは、前記母材から前記非消耗電極を離間させる工程を終えた時点において、第1仮想線と第2仮想線との交点が、前記第1主面に対して、前記第1主面の向く方向とは反対側に位置しており、前記第1仮想線は、前記非消耗電極の軸線に沿って延びる線であり、前記第2仮想線は、前記消耗電極の軸線に沿って延びる線である。
好ましくは、前記溶接アークを発生させる工程は、前記非消耗電極を離間させる工程と並行して、前記母材から、前記消耗電極を保持する保持部材を離間させる工程を含む。
好ましくは、前記溶接アークを発生させる工程の後に、前記プラズマアークを消弧させる工程を更に備える。
好ましくは、前記プラズマアークを消弧させる工程においては、前記溶接アークが発生した時刻よりも、0.1〜0.3Sec後の時刻にて、前記プラズマアークを消弧させる。
好ましくは、前記溶接アークを発生させる工程の後に、前記母材に対し、前記消耗電極を保持する保持部材を接近させる工程を更に備える。
好ましくは、アークスポット溶接として行われる。
本発明の第2の側面によると、本発明の第1の側面によって提供される工業製品の製造方法に用いるスポット溶接システムであって、非消耗電極および母材の間にプラズマアーク電流を流すプラズマアーク電源回路と、消耗電極および前記母材の間に溶接アーク電流を流す溶接アーク電源回路と、を備え、前記溶接アーク電源回路は、前記プラズマアーク電流の通電を開始した後に、前記溶接アーク電流の通電を開始する、スポット溶接システムが提供される。
好ましくは、トーチを更に備え、前記トーチは、前記非消耗電極を囲むプラズマノズルと、前記消耗電極を保持する保持部材と、を含む。
好ましくは、前記トーチは、前記プラズマノズルと前記保持部材とを囲む外側ノズルを含む。
好ましくは、前記トーチを前記母材に対して移動させるマニピュレータを更に備える。
本発明の第3の側面によると、本発明の第1の側面によって提供される工業製品の製造方法において、母材情報に基づき溶接部形成情報を算出する工程を更に備え、溶接部を形成する工程においては、前記消耗電極および前記母材の間に溶接アーク電流を流し、前記母材情報は、前記母材に関する情報であり、前記溶接部形成情報は、前記溶接部を形成する工程において流す前記溶接アーク電流に関する情報であり、前記溶接部を形成する工程においては、前記溶接部形成情報に基づいて前記溶接アーク電流を流す。
好ましくは、前記溶接部形成情報は、前記溶接部を形成する工程において、前記溶接アーク電流を流す通電時間の情報を含む。
好ましくは、前記非消耗電極および前記母材の間の電圧値に基づき、前記母材情報を算出する工程を更に備え、前記溶接部形成情報を算出する工程においては、前記母材情報を算出する工程にて算出された母材情報に基づき、前記溶接部形成情報を算出する。
好ましくは、前記母材情報は、前記穴が前記母材を貫通するのに要した時間の情報を含む。
好ましくは、前記溶接部形成情報を算出する工程においては、前記母材全体の厚さと前記通電時間とが正の相関を有するように、前記通電時間の情報を算出する。
好ましくは、前記溶接部形成情報は、前記溶接部を形成する工程における、前記溶接アーク電流の電流値の情報を含む。
本発明の第4の側面によると、本発明の第1の側面によって提供される工業製品の製造方法に用いるスポット溶接システムであって、非消耗電極および母材の間にプラズマアーク電流を流すプラズマアーク電源回路と、消耗電極および前記母材の間に溶接アーク電流を流す溶接アーク電源回路と、母材情報に基づき溶接部形成情報を算出する溶接部形成情報算出回路と、を備え、前記母材情報は、前記母材に関する情報であり、前記溶接部形成情報は、前記溶接部を形成する工程において流す前記溶接アーク電流に関する情報であり、前記溶接アーク電源回路は、前記溶接部形成情報に基づいて前記溶接アーク電流を流す、スポット溶接システムが提供される。
好ましくは、前記溶接部形成情報は、前記溶接部を形成する工程において、前記溶接アーク電流を流す通電時間の情報を含む。
好ましくは、前記非消耗電極および前記母材の間の電圧値に基づき、前記母材情報を算出する母材情報算出回路を更に備え、前記溶接部形成情報算出回路は、前記母材情報算出回路に算出された母材情報に基づき、前記溶接部形成情報を算出する。
好ましくは、前記母材情報は、前記穴が前記母材を貫通するのに要した時間の情報を含む。
好ましくは、前記溶接部形成情報算出回路は、前記母材全体の厚さと前記通電時間とが正の相関を有するように、前記通電時間の情報を算出する。
好ましくは、前記溶接部形成情報は、前記溶接部を形成する工程における、前記溶接アーク電流の電流値の情報を含む。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1実施形態にかかるスポット溶接システムを示すブロック図である。 本発明の第1実施形態にかかるスポット溶接システムにおけるトーチを示す拡大断面図である。 図1のスポット溶接システムを用いたスポット溶接方法における各信号等のタイミングチャートである。 図1のスポット溶接システムを用いたアークスポット溶接方法の一工程を示す断面図である。 図4に続く一工程を示す断面図である。 図5に続く一工程を示す断面図である。 溶接された母材を示す断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるスポット溶接システムを示すブロック図である。 本発明の第2実施形態にかかるスポット溶接システムにおけるプラズマノズルおよび保持部材等を示す拡大断面図である。 図8のスポット溶接システムを用いたスポット溶接方法における各信号等のタイミングチャートである。 図8のスポット溶接システムを用いたスポット溶接方法における各信号等のタイミングチャートである。 図8のスポット溶接システムを用いたアークスポット溶接方法の一工程を示す断面図である。 図12に続く一工程を示す断面図である。 図13に続く一工程を示す断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるスポット溶接システムを示すブロック図である。 穴が母材を貫通するのに要した時間と、溶接アーク電流の通電時間との関係を示すグラフである。 穴が母材を貫通するのに要した時間と、溶接アーク電流の通電時間との関係を示すグラフである。 穴が母材を貫通するのに要した時間と、溶接アーク電流の電流値との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1〜図7を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかるスポット溶接システムを示すブロック図である。
同図に示すスポット溶接システムA1は、ロボット1と、動作制御回路2と、パイロットアーク電源回路31と、プラズマアーク電源回路41と、貫通検出回路46と、制御部5と、溶接アーク電源回路61と、送給制御回路68と、を備える。
ロボット1は、母材Wに対してスポット溶接を自動で行うものである。ロボット1は、マニピュレータ11と、トーチ12と、送給装置16と、を含む。
マニピュレータ11は、たとえば多関節ロボットである。トーチ12は、マニピュレータ11の駆動により、上下前後左右に自在に移動できる。
図2は、本発明の第1実施形態にかかるスポット溶接システムにおけるトーチを示す拡大断面図である。
図2によく表れているように、トーチ12は、非消耗電極121と、プラズマノズル122と、保持部材126と、外側ノズル129とを有する。
非消耗電極121は、たとえばタングステンからなる金属棒である。
プラズマノズル122は筒状の部材である。プラズマノズル122は導電材料よりなる。プラズマノズル122は非消耗電極121を囲んでいる。プラズマノズル122は、非消耗電極121の先端の位置する側とは反対側に開放している。プラズマノズル122内をプラズマガスPGが流れる。プラズマガスPGを媒体として、プラズマノズル122と非消耗電極121との間にパイロットアークa1が発生する。パイロットアークa1が発生している際、プラズマノズル122と非消耗電極121との間には、パイロットアーク電流Ipが流れる。なお、パイロットアーク電流Ipの電流値とは、特に断りのない限り、パイロットアーク電流Ipの電流値の絶対値の時間平均値のことを意味する。非消耗電極121とプラズマノズル122との間には、パイロットアーク電圧Vpが印加される。
非消耗電極121と母材Wとの間には、プラズマアークa2が発生する。プラズマアークa2は、プラズマノズル122のノズル開口に拘束される。プラズマアークa2が発生している際、非消耗電極121と母材Wとの間には、プラズマアーク電流Imが流れる。プラズマアーク電流Imは、母材Wの材質に応じて、直流もしくは交流いずれかが選択される。プラズマアーク電流Imは、直流のパルス電流である場合もあるし、交流のパルス電流である場合もある。なお、プラズマアーク電流Imの電流値とは、特に断りのない限り、プラズマアーク電流Imの電流値の絶対値の時間平均値のことを意味する。非消耗電極121と母材Wとの間には、プラズマアーク電圧Vmが印加される。
保持部材126は、消耗電極15を保持するためのものである。保持部材126は導電材料よりなる。消耗電極15は導電性のワイヤである。保持部材126は、消耗電極15に接触することにより、溶接アーク電源回路61からの電力を消耗電極15に供給する。保持部材126は、たとえば溶接チップである。
消耗電極15と母材Wとの間には、溶接アークa3が発生する。溶接アークa3が発生している際、消耗電極15と母材Wとの間には、溶接アーク電流Iaが流れる。溶接アーク電流Iaは、母材Wの材質に応じて、直流もしくは交流いずれかが選択される。溶接アーク電流Iaは、直流のパルス電流である場合もあるし、交流のパルス電流である場合もある。なお、溶接アーク電流Iaの電流値とは、特に断りのない限り、溶接アーク電流Iaの電流値の絶対値の時間平均値のことを意味する。消耗電極15と母材Wとの間には、溶接アーク電圧Vaが印加される。
外側ノズル129は筒状の部材である。外側ノズル129は、プラズマノズル122と保持部材126とを囲んでいる。外側ノズル129とプラズマノズル122との間を、シールドガスSGが流れる。
送給装置16は、トーチ12(本実施形態では保持部材126)に消耗電極15を送り出すためのものである。送給装置16は、モータを駆動源として、ワイヤリールに巻かれた消耗電極15をトーチ12へと送り出す。
動作制御回路2は、マイクロコンピュータおよびメモリ(ともに図示略)を有している。このメモリには、ロボット1の各種の動作が設定された作業プログラムが記憶されている。動作制御回路2はロボット移動速度Vrを制御する。ロボット移動速度Vrは、母材Wの面内方向における、母材Wに対するトーチ12の速度である。動作制御回路2は、上記作業プログラム、ロボット1におけるエンコーダからの座標情報、およびロボット移動速度Vr等に基づき、ロボット1に対して動作制御信号Msを送る。ロボット1は動作制御信号Msを受け、マニピュレータ11を駆動させ、トーチ12が、母材Wにおける所定の溶接開始位置に移動したり、母材Wの面内方向に沿って移動したりする。
パイロットアーク電源回路31は、たとえば200V等の商用電源を整流し抵抗器を直列に挿入した回路である。パイロットアーク電源回路31は、非消耗電極121とプラズマノズル122との間にパイロットアーク電流Ipを流す。本実施形態では、パイロットアーク電源回路31は、パイロットアーク電流Ipの電流値を、設定された値となるように制御する。すなわち、パイロットアーク電源回路31は、定電流制御を行う。本実施形態とは異なり、パイロットアーク電源回路31は、定電圧制御を行なってもよい。パイロットアーク電源回路31が定電圧制御を行う場合、パイロットアーク電源回路31は、パイロットアーク電圧Vpの電圧値を設定された値となるように制御する。
プラズマアーク電源回路41は、たとえば3相200V等の商用電源を入力として、インバータ制御、サイリスタ位相制御等の出力制御を行う。プラズマアーク電源回路41は、非消耗電極121および母材Wの間にプラズマアーク電流Imを流す。プラズマアーク電源回路41は、プラズマアーク電流Imの電流値を、設定された値となるように制御する。
貫通検出回路46は、穴71(図5〜図7参照)が母材Wを貫通したことを検出するためのものである。本実施形態では、非消耗電極121と母材Wとの間のプラズマアーク電圧Vmの電圧値に基づき、母材Wを穴71が貫通したことを検出する。貫通検出回路46は、穴71が母材Wを貫通したことを検出すると、制御部5およびプラズマアーク電源回路41に貫通検出信号Stを送る。
制御部5は、動作制御回路2と、パイロットアーク電源回路31と、プラズマアーク電源回路41と、溶接アーク電源回路61と、送給制御回路68の作動状態を制御する。制御部5は、貫通検出回路46から、貫通検出信号Stを受ける。また、制御部5は、プラズマアーク電源回路41に第1工程指示信号Ss1を送り、動作制御回路2に第1移動指示信号Sm1および第2移動指示信号Sm2を送る。制御部5は、溶接アーク電源回路61および送給制御回路68に第2工程指示信号Ss2を送る。
溶接アーク電源回路61は、たとえば3相200V等の商用電源を入力として、インバータ制御、サイリスタ位相制御等の出力制御を行う。これにより、溶接アーク電源回路61は、消耗電極15と母材Wとの間に溶接アーク電流Iaを流す。本実施形態では、溶接アーク電源回路61は、溶接アーク電圧Vaの電圧値を設定された値となるように制御する。溶接アーク電源回路61は、定電圧制御を行う。
送給制御回路68は、保持部材126から消耗電極15を送り出す速度(送給速度Fw)を制御するためのものである。送給制御回路68は、送給速度Fwを指示するための送給速度制御信号Fcを送給装置16に送る。これにより送給装置16は、指示された速度で消耗電極15を送給する。
次に、図3を更に用いて、スポット溶接システムA1を用いたアークスポット溶接方法(工業製品の製造方法)について説明する。
図3は、スポット溶接システムA1を用いたアークスポット溶接方法における各信号等のタイミングチャートである。同図では、(a)はパイロットアーク電流Ipの電流値、(b)はプラズマアーク電流Imの電流値、(c)は第1工程指示信号Ss1、(d)は貫通検出信号St、(e)は溶接アーク電圧Vaの電圧値、(f)は溶接アーク電流Iaの電流値、(g)は第2工程指示信号Ss2、(h)は第1移動指示信号Sm1、(i)は第2移動指示信号Sm2、(j)はロボット移動速度Vr、(k)は送給速度Fwのそれぞれの変化状態を示す。
<時刻t1以前(図4)>
まず、図4に示す母材Wを用意する。本実施形態では母材Wは、第1部材W1および第2部材W2を含む。第1部材W1および第2部材W2は、互いに重ねられている。本実施形態では、第1部材W1の厚さおよび第2部材W2の厚さは、それぞれ、たとえば、1.0〜4.0mmである。なお、本実施形態とは異なり、第1部材W1および第2部材W2の厚さは、1.0mm以下であってもよい。第1部材W1は、トーチ12の位置する側を向く第1主面W11を有する。第2部材W2は、第1主面W11の向く側とは反対側を向く第2主面W21を有する。また、プラズマノズル122の開口を、母材Wの平面視において、スポット溶接すべき箇所と重なる位置に位置させておく。
<時刻t1〜時刻t2(図4)>
時刻t1において、パイロットアーク電源回路31にパイロットアーク電流通電開始信号(図示略)が送られることにより、非消耗電極121とプラズマノズル122との間に、パイロットアークa1が発生する。これにより、同図(a)に示すように、パイロットアーク電流Ipの通電が開始する。時刻t1から流れるパイロットアーク電流Ipの電流値は、たとえば1〜20Aであり、好ましくは5〜20Aである。なお、パイロットアークa1の発生(すなわちパイロットアーク電流Ipの通電の開始)は、非消耗電極121とプラズマノズル122との間に、高周波であり且つ非常に高い電圧を印加することにより行う。パイロットアークa1を発生させるための当該電圧の周波数は、たとえば1〜10MHzである。パイロットアークa1を発生させるための当該電圧の電圧値は、たとえば1〜10kVである。また、図3には示していないが、時刻t1において、プラズマガスPGが流れ始める。本実施形態とは異なり、時刻t1以前に、プラズマガスPGが流れ始めてもよい。
<時刻t2〜時刻t3(図5)>
図3(c)に示すように、時刻t2において、制御部5は、第1工程指示信号Ss1をプラズマアーク電源回路41に送る。第1工程指示信号Ss1を受けると、プラズマアーク電源回路41は、非消耗電極121と母材Wとの間にプラズマアーク電圧Vmを印加する。このプラズマアーク電圧Vmの電圧値は、たとえば、20〜40Vである。非消耗電極121の先端近傍の空間には、パイロットアークa1によってプラズマ雰囲気が形成されている。そのため、図5に示すように、パイロットアークa1に誘発されて、プラズマアークa2が非消耗電極121と母材Wとの間に発生する。これにより、図3(b)に示すように、時刻t2において、プラズマアーク電流Imの通電が開始する。プラズマアーク電流Imの電流値は、たとえば、150〜250Aである。プラズマアークa2の熱により母材Wが溶融し、母材Wには、第1主面W11から凹む穴71が形成される。穴71の深さD1は徐々に深くなる。このように、時刻t2〜時刻t3においては、プラズマアークa2によって、母材Wにおける第1主面W11から凹む穴71(本実施形態ではキーホール)が形成される。時刻t2〜時刻t3は、たとえば、0.3〜5Secである。
<時刻t3〜時刻t4>
時刻t3において、穴71が母材Wを貫通する。これにより、母材Wにおける第2主面W21に、穴71に通じる開口712が形成される。穴71が母材Wを貫通したことは、貫通検出回路46が検出する。貫通検出回路46は、たとえば、プラズマアーク電圧Vmの電圧値が急激に上昇した場合に、穴71が母材Wを貫通したと判断する。貫通検出回路46が穴71の貫通を検出すると、図3(d)に示すように、貫通検出信号Stをプラズマアーク電源回路41と制御部5とに送る。なお、時刻t2〜時刻t3は、穴71が母材Wを貫通するのに要する時間T11である。
プラズマアーク電源回路41は貫通検出信号Stを受けると、プラズマアーク電源回路41は出力を停止する。これにより、図3(b)に示すようにプラズマアーク電流Imの通電を停止し、プラズマアーク電圧Vmが0となる。その結果、プラズマアークa2が消弧する。
制御部5は、貫通検出信号Stを受けると、動作制御回路2に第1移動指示信号Sm1を送る。動作制御回路2は、第1移動指示信号Sm1を受けると、トーチ12を移動させるための動作制御信号Msをロボット1に送る。これにより、図3(j)に示すように、時刻t3〜時刻t4の間、トーチ12が母材Wに対して移動する。そして、時刻t4においては、消耗電極15の先端が、穴71の深さD1方向視(母材Wの平面視)において穴71と重なる位置に位置している。
<時刻t4〜時刻t5(図6)>
図3(g)に示すように、時刻t4において、制御部5は第2工程指示信号Ss2を、溶接アーク電源回路61と、送給制御回路68と、に送る。
溶接アーク電源回路61は、第2工程指示信号Ss2を受けると、同図(e)に示すように、消耗電極15と母材Wとの間に溶接アーク電圧Vaの印加を開始する。一方、送給制御回路68は第2工程指示信号Ss2を受けると、消耗電極15を送給するための送給速度制御信号Fcを送給装置16に送る。これにより、同図(k)に示すように、消耗電極15が、送給速度Fwで送給され始める。送給速度Fwは、トーチ12から母材Wに向かう方向が正である。
<時刻t5〜時刻t6(図6)>
時刻t5において、消耗電極15の先端が母材Wに接触した後、消耗電極15をリトラクトすることによって(図3(k)では図示は省略)、消耗電極15と母材Wとの間に溶接アークa3が発生する。消耗電極15と母材Wとの間に溶接アークa3が発生すると、同図(f)に示すように、消耗電極15と母材Wとの間に、溶接アーク電流Iaが流れ始める。これにより、消耗電極15および母材Wの間に発生した溶接アークa3によって形成された、消耗電極15に由来する溶融金属869が、穴71に充填される。時刻t6まで溶接アークa3が発生している状態を継続することにより、図7に示す溶接部86が形成される。本実施形態では、時刻t3にてプラズマアークa2を消弧している。そのため、溶接部86を形成する期間(時刻t5〜時刻t6)においては、プラズマアークa2を消弧させている。時刻t5〜時刻t6は、たとえば、0.3〜5Secである。
溶接アークa3を発生させる工程においては、穴71の深さD1が母材W全体の厚さT1の80%以上となっている時点で、溶接アークa3を発生させることが好ましい。更に好ましくは、穴71の深さD1が母材W全体の厚さT1の90%以上となっている時点で、溶接アークa3を発生させる。更に好ましくは、穴71の深さD1が母材W全体の厚さT1の95%以上となっている時点で、溶接アークa3を発生させる。本実施形態では、上述のように穴71が母材Wを貫通した後に、溶接アークa3を発生させている。よって、穴71が母材W全体を貫通している状態(すなわち、穴71の深さD1が、母材W全体の厚さT1の100%となっている状態)で、溶接アークa3を発生させている。また、開口712の直径D2が消耗電極15の直径D5よりも小さい状態で、溶接アークa3を発生させるとよい。
なお、穴71の深さD1が母材W全体の厚さT1の80%や、90%や、95%となっている時点で、溶接アークa3を発生させる場合、穴71が母材Wを貫通していない時点で、溶接アークa3を発生させていることとなる。この場合、時刻t2から所定の時間が経過した場合に、プラズマアークa2を消弧し、トーチ12の移動を開始するとよい。
そして、図7に示すように、時刻t5〜時刻t6にて、溶接部86を形成することにより、第1主面W11から盛り上がるビード861と、第2主面W21から盛り上がるビード862が形成される。なお、時刻t5〜時刻t6は、溶接アーク電流Iaを流す通電時間T12である。
<時刻t6〜時刻t7>
時刻t6において、溶接アーク電源回路61は出力を停止する。これにより、図3(e),(f)に示すように、溶接アーク電流Iaの通電は停止し、溶接アーク電圧Vaは0となる。その結果、溶接アークa3が消弧する。また、図3(k)に示すように、時刻t6において送給速度Fwは0となる。
時刻t6において、制御部5は、動作制御回路2に第2移動指示信号Sm2を送る。動作制御回路2は、第2移動指示信号Sm2を受けると、トーチ12を移動させるための動作制御信号Msをロボット1に送る。これにより、図3(j)に示すように、時刻t6〜時刻t7の間、トーチ12が母材Wに対して移動する。そして、時刻t7においては、プラズマノズル122の開口が、母材Wの平面視において、次のスポット溶接すべき箇所と重なる位置に位置している。
<時刻t7以降>
時刻t7以降は、時刻t2〜時刻t7にて行った工程と同様の工程を1または複数回繰り返す。以上のように、母材Wにおける複数の箇所に対し、スポット溶接を行う。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態においては、消耗電極15および母材Wの間に発生した溶接アークa3によって形成された、消耗電極15に由来する溶融金属869を、穴71に充填し、溶接部86を形成する。このような構成によると、溶接部86を、より第2主面W21側に形成することが可能である。このことにより、母材Wが厚い場合であっても、適切に溶接を行うことができる。
本実施形態においては、穴71の深さD1が母材W全体の厚さT1の80%以上となっている時点で、溶接アークa3を発生させる。このような構成によると、溶融金属869を、より第2主面W21側に至らせることが可能である。このことにより、更に適切に溶接を行うことができる。
本実施形態においては、開口712の直径が消耗電極15の直径よりも小さい状態で、溶接アークa3を発生させる。このような構成によると、消耗電極15が開口712から突出することを防止できる。これにより、溶け落ちの発生を防止できる。また、溶接アークa3を発生させる際に、消耗電極15と母材Wとを確実に接触させることが可能である。よって、より確実に溶接アークa3を発生させることができる。
なお、穴71の深さD1が母材W全体の厚さT1の80%や、90%や、95%となっている時点で、溶接アークa3を発生させる場合であっても、溶け落ちの発生を防止できる。また、溶接アークa3を発生させる際に、消耗電極15と母材Wとを確実に接触させることが可能である。よって、より確実に溶接アークa3を発生させることができる。
また、本実施形態においては、溶接部86を形成する工程においては、プラズマアークa2を消弧させておく。このような構成によると、プラズマアークa2によって消耗電極15を溶融させる場合と比べて、効率的に消耗電極15を溶融させることができる。これは、スポット溶接システムA1の消費電力の削減に寄与する。
上述の第1実施形態とは異なり、非消耗電極121と消耗電極15とが同一のノズル(外側ノズル129)に囲まれている必要はない。また、たとえば非消耗電極121および消耗電極15が別のアームに保持されていてもよい。
<第2実施形態>
図8〜図14を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態にかかるスポット溶接システムを示すブロック図である。図9は、本発明の第2実施形態にかかるスポット溶接システムにおけるプラズマノズルおよび保持部材等を示す拡大断面図である。
図8に示すスポット溶接システムA2は、ロボット1と、動作制御回路2と、パイロットアーク電源回路31と、プラズマアーク電源回路41と、貫通検出回路46と、制御部5と、溶接アーク電源回路61と、送給制御回路68と、に加え、溶接アーク点弧検出回路56を備える。
ロボット1は、以下の点を除き、第1実施形態にて述べたのと略同様である。
本実施形態では、外側ノズル129が設けられていない。プラズマノズル122および保持部材126は各々、別個のマニピュレータ11におけるアームによって移動させられる。保持部材126は溶接ノズル(図示略)に包囲されている。そして当該溶接ノズル内を不活性ガスが流れる。
なお、本実施形態とは異なり、第1実施形態のように、外側ノズル129を含むトーチ12を用いても構わない。
動作制御回路2、パイロットアーク電源回路31、プラズマアーク電源回路41、貫通検出回路46、溶接アーク電源回路61、および、送給制御回路68は、第1実施形態の説明を適用できるから、本実施形態では説明を省略する。
溶接アーク点弧検出回路56は、溶接アークa3が点弧したことを検出するためのものである。本実施形態では、消耗電極15と母材Wとの間の溶接アーク電流Iaの電流値に基づき、溶接アークa3が点弧したことを検出する。溶接アーク点弧検出回路56は、溶接アークa3が点弧したことを検出すると、制御部5およびプラズマアーク電源回路41に溶接アーク点弧検出信号Saを送る。
制御部5は、動作制御回路2と、パイロットアーク電源回路31と、プラズマアーク電源回路41と、溶接アーク電源回路61と、送給制御回路68の作動状態を制御する。制御部5は、貫通検出回路46から貫通検出信号Stを受け、溶接アーク点弧検出回路56から溶接アーク点弧検出信号Saを受ける。また、制御部5は、プラズマアーク電源回路41に第1工程指示信号Ss1を送り、動作制御回路2に動作指示信号Sm11および移動指示信号Sm12を送る。制御部5は、溶接アーク電源回路61および送給制御回路68に、第2工程指示信号Ss2を送る。
次に、図10、図11を更に用いて、スポット溶接システムA2を用いたアークスポット溶接方法(工業製品の製造方法)について説明する。
図10、図11は、スポット溶接システムA2を用いたアークスポット溶接方法における各信号等のタイミングチャートである。
図10では、(a)はパイロットアーク電流Ipの電流値、(b)はプラズマアーク電流Imの電流値、(c)は第1工程指示信号Ss1、(d)は貫通検出信号St、(e)は溶接アーク電圧Vaの電圧値、(f)は溶接アーク電流Iaの電流値、(g)は第2工程指示信号Ss2、(h)は動作指示信号Sm11、(i)は移動指示信号Sm12、(k)は送給速度Fwのそれぞれの変化状態を示す。図10は、図3に対応する。図10では、図3とは異なり、(j)ロボット移動速度Vrの図示はしていない。また、図10では、図3とは異なり、(h)では、第1移動指示信号Sm1ではなく動作指示信号Sm11の変化状態を示しており、(i)では、第2移動指示信号Sm2ではなく移動指示信号Sm12の変化状態を示している。
図11(a)は、母材Wの厚さ方向における、非消耗電極121の先端の位置、(b)は、母材Wの厚さ方向における、保持部材126の先端の位置、(c)は、溶接アーク点弧検出信号Saのそれぞれの変化状態を示す。非消耗電極121の先端の位置および保持部材126の先端の位置は、図9の上方向を正としている。
<時刻t11以前(図9)>
まず、図9に示す母材Wを用意する。そして、プラズマノズル122の開口を、母材Wの平面視において、スポット溶接すべき箇所と重なる位置に位置させておく。母材Wについては、第1実施形態の説明を適用できるため、本実施形態では説明を省略する。図9に示す場合、プラズマノズル122の開口と第1主面W11との距離は、たとえば、3〜5mmである。
図9に示すように、非消耗電極121の軸線に沿って延びる線を、第1仮想線L1としている。消耗電極15の軸線に沿って延びる線を、第2仮想線L2としている。第1仮想線L1および第2仮想線L2は互いに交差している。本実施形態では、第1仮想線L1が第1主面W11に直交しており、すなわち、非消耗電極121が第1主面W11に直交している。一方、第2仮想線L2は、第1主面W11に直交する方向に対し傾斜している。第2仮想線L2の、第1主面W11に直交する方向に対する傾斜角は、たとえば30度である。第2仮想線L2と第1主面W11とが交差する点C2と、第1仮想線L1および第2仮想線L2の交点C1と、の母材Wの面内方向における距離は、たとえば、4mm以上である。
<時刻t11〜時刻t13(図12)>
時刻t11〜時刻t13における工程は、第1実施形態の時刻t1〜時刻t3における工程と同様であるから、説明を省略する。本実施形態においても、図12に示すように、プラズマアークa2の熱により母材Wが溶融し、母材Wには、第1主面W11から凹む穴71が形成される。穴71の深さD1は徐々に深くなる。このように、時刻t12〜時刻t13において、プラズマアークa2によって、母材Wにおける第1主面W11から凹む穴71(本実施形態ではキーホール)が形成される。
<時刻t13〜時刻t14(図12)>
時刻t13において、穴71が母材Wを貫通する。これにより、母材Wにおける第2主面W21に、穴71に通じる開口712が形成される。穴71が母材Wを貫通したことは、貫通検出回路46が検出する。貫通検出回路46は、たとえば、プラズマアーク電圧Vmの電圧値が急激に上昇した場合に、穴71が母材Wを貫通したと判断する。貫通検出回路46が穴71の貫通を検出すると、図10(d)に示すように、貫通検出信号Stをプラズマアーク電源回路41と制御部5とに送る。なお、時刻t12〜時刻t13は、穴71が母材Wを貫通するのに要する時間T11である。
図10(b)に示すように、時刻t13において、プラズマアーク電源回路41は貫通検出信号Stを受けると、プラズマアーク電源回路41は、プラズマアーク電流Imの電流値を、穴71を形成する工程における値(時刻t12〜時刻t13における値)よりも小さいプラズマアーク維持電流値im1に減少させる。プラズマアーク維持電流値im1は、たとえば、20〜50Aである。なお、時刻t13において、プラズマガスPGの流量を減少させてもよい。
制御部5は、時刻t14において貫通検出信号Stを受けると、図10(g)に示すように、第2工程指示信号Ss2を、溶接アーク電源回路61と、送給制御回路68と、に送る。溶接アーク電源回路61は、第2工程指示信号Ss2を受けると、同図(e)に示すように、消耗電極15と母材Wとの間に溶接アーク電圧Va(無負荷電圧)の印加を開始する。一方、送給制御回路68は第2工程指示信号Ss2を受けると、消耗電極15を送給するための送給速度制御信号Fcを送給装置16に送る。これにより、同図(k)に示すように、消耗電極15が、送給速度Fwで送給され始める。送給速度Fwは、トーチ12から母材Wに向かう方向が正である。
制御部5は、貫通検出信号Stを受けると、動作制御回路2に動作指示信号Sm11を送る。動作制御回路2は、動作指示信号Sm11を受けると、プラズマノズル122および保持部材126を移動させるための動作制御信号Msをロボット1に送る。これにより、図11(a)に示すように、非消耗電極121(およびプラズマノズル122)が、母材Wから徐々に離間する。同様に、同図(b)に示すように、消耗電極15を保持する保持部材126が、母材Wから徐々に離間する。
<時刻t14〜時刻t15(図13)>
消耗電極15の送給が開始した後、消耗電極15の先端がプラズマアークa2に接触する。プラズマアークa2の電気抵抗は空気よりも小さい。そのため、図10(f)、図13に示すように、時刻t14において、プラズマアークa2を介して、消耗電極15および母材Wの間に溶接アーク電流Iaが流れ始める。これにより、消耗電極15および母材Wの間に溶接アークa3が発生する。
本実施形態においても、穴71の深さD1が母材W全体の厚さT1の80%以上となっている時点で、溶接アークa3を発生させることが好ましい。更に好ましくは、穴71の深さD1が母材W全体の厚さT1の90%以上となっている時点で、溶接アークa3を発生させる。更に好ましくは、穴71の深さD1が母材W全体の厚さT1の95%以上となっている時点で、溶接アークa3を発生させる。本実施形態では、上述のように穴71が母材Wを貫通した後に、溶接アークa3を発生させている。よって、穴71が母材W全体を貫通している状態(すなわち、穴71の深さD1が、母材W全体の厚さT1の100%となっている状態)で、溶接アークa3を発生させている。
なお、穴71の深さD1が母材W全体の厚さT1の80%や、90%や、95%となっている時点で、溶接アークa3を発生させる場合、穴71が母材Wを貫通していない時点で、溶接アークa3を発生させていることとなる。この場合、時刻t12から所定の時間が経過した場合に、溶接アークa3を発生させる工程を開始するとよい。
溶接アークa3が発生したことは、溶接アーク点弧検出回路56が検出する。溶接アーク点弧検出回路56は、たとえば、溶接アーク電流Iaの電流値があるしきい値を超えた場合に、溶接アークa3が発生したと判断する。溶接アーク点弧検出回路56が溶接アークa3の発生を検出すると、図11(c)に示すように、溶接アーク点弧検出信号Saを制御部5およびプラズマアーク電源回路41に送る。
図11(a)、(b)に示すように、時刻t14〜時刻t15の間にて、母材Wに対する、非消耗電極121および保持部材126の離間移動が停止する。本実施形態では、母材Wから非消耗電極121を離間させる工程を終えた時点において、第1仮想線L1と第2仮想線L2との交点C1が、第1主面W11に対して、第1主面W11の向く方向とは反対側(すなわち図13等では、第1主面W11の下側)に位置している。
<時刻t15〜時刻t16(図14)>
時刻t15において、プラズマアーク電源回路41は、出力を停止する。これにより、図10(b)に示すようにプラズマアーク電流Imの通電が停止し、プラズマアーク電圧Vmが0となる。その結果、プラズマアークa2が消弧する。時刻t14〜時刻t15は、たとえば、0.1〜0.3Secである。時刻t14〜時刻t15は、溶接アークa3を安定させるための時間である。なお、プラズマアーク電源回路41は、溶接アーク点弧検出信号Saを受けた時刻に基づき、プラズマアーク電流Imの通電を停止する時刻を決定するとよい。
時刻t15にてプラズマアークa2が消弧すると、プラズマノズル122を図14の左方へ移動させ、図11(b)に示すように、保持部材126(および図示しない溶接ノズル)を、母材Wに対し接近させる。
本実施形態では、時刻t14以降、消耗電極15および母材Wの間に発生した溶接アークa3によって形成された、消耗電極15に由来する溶融金属869が、穴71に充填される。時刻t16まで溶接アークa3が発生している状態を継続することにより、図7に示した溶接部86が形成される。本実施形態では、時刻t15にてプラズマアークa2を消弧している。そのため、溶接部86を形成する期間(時刻t14〜時刻t16)のうち、時刻t15〜時刻t16においては、プラズマアークa2を消弧させている。時刻t15〜時刻t16は、たとえば、0.3〜5Secである。なお、時刻t14〜時刻t16は、溶接アーク電流Iaを流す通電時間T12である。
<時刻t16〜時刻t17(図14)>
時刻t16において、溶接アーク電源回路61は出力を停止する。これにより、図10(e)、(f)に示すように、溶接アーク電流Iaの通電は停止し、溶接アーク電圧Vaは0となる。その結果、溶接アークa3が消弧する。また、図10(k)に示すように、時刻t16において送給速度Fwは0となる。
時刻t16において、制御部5は、動作制御回路2に移動指示信号Sm12を送る。動作制御回路2は、移動指示信号Sm12を受けると、非消耗電極121および保持部材126を移動させるための動作制御信号Msをロボット1に送る。これにより、非消耗電極121および保持部材126が母材Wに対して移動する。そして、時刻t17においては、プラズマノズル122の開口が、母材Wの平面視において、次のスポット溶接すべき箇所と重なる位置に位置している。
<時刻t17以降>
時刻t17以降は、時刻t12〜時刻t17にて行った工程と同様の工程を1または複数回繰り返す。以上のように、母材Wにおける複数の箇所に対し、スポット溶接を行う。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態においては、消耗電極15および母材Wの間に発生した溶接アークa3によって形成された、消耗電極15に由来する溶融金属869を、穴71に充填し、溶接部86を形成する。このような構成によると、溶接部86を、より第2主面W21側に形成することが可能である。このことにより、母材Wが厚い場合であっても、適切に溶接を行うことができる。
本実施形態においては、穴71の深さD1が母材W全体の厚さT1の80%以上となっている時点で、溶接アークa3を発生させる。このような構成によると、溶融金属869を、より第2主面W21側に至らせることが可能である。このことにより、更に適切に溶接を行うことができる。
本実施形態においては、溶接アークa3を発生させる工程は、プラズマアークa2を介して、消耗電極15および母材Wの間に溶接アーク電流Iaを流し始めることにより、開始する。このような構成によると、溶接アークa3を発生させる際に、消耗電極15を母材Wに接触させる必要がない。そのため、消耗電極15と母材Wとを接触させて溶接アークa3を発生させる方法に起因するスパッタの発生を、防止できる。これにより、より綺麗なスポット溶接を行うことができる。
本実施形態においては、溶接アークa3を発生させる工程は、消耗電極15および母材Wの間に無負荷電圧を印加しつつ、消耗電極15をプラズマアークa2に接触させる工程を含む。この方法は、消耗電極15がプラズマアークa2に接触した後に、消耗電極15および母材Wの間に無負荷電圧を印加するのではない。このことは、より早く、溶接アークa3を発生するのに適する。
本実施形態においては、溶接アークa3を発生させる工程の前に、非消耗電極121および母材Wの間に流れるプラズマアーク電流Imの電流値を、穴71を形成する工程における値よりも小さいプラズマアーク維持電流値im1に減少させる。このような構成によると、溶接アークa3を発生させる工程において、母材Wが過度に溶融することにより穴71が大きくなることを、防止できる。これにより、溶け落ちの発生を防止できる。
本実施形態においては、溶接アークa3を発生させる工程は、母材Wから非消耗電極121を離間させる工程を含む。このような構成によると、プラズマアークa2の長さを長くすることが可能である。これにより、消耗電極15をプラズマアークa2に接触させやすくなる。その結果、プラズマアークa2を好適に発生させることができる。
本実施形態においては、溶接アークa3を発生させる工程の後に、母材Wに対し、消耗電極15を保持する保持部材126を接近させる。このような構成によると、ワイヤ突き出し長さを、標準の長さ(たとえば15mm)に戻すことができる。これにより、スパッタの発生を抑制でき、溶け込み深さも確保できる。
また、本実施形態においては、溶接部86を形成する工程においては、プラズマアークa2を消弧させておく。このような構成によると、プラズマアークa2によって消耗電極15を溶融させる場合と比べて、効率的に消耗電極15を溶融させることができる。これは、スポット溶接システムA2の消費電力の削減に寄与する。
<第3実施形態>
図15、図16を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。
図15は、本発明の第3実施形態にかかるスポット溶接システムを示すブロック図である。
図15に示すスポット溶接システムA3は、ロボット1と、動作制御回路2と、パイロットアーク電源回路31と、プラズマアーク電源回路41と、貫通検出回路46と、制御部5と、溶接アーク電源回路61と、送給制御回路68と、に加え、電圧検出回路44と、母材情報算出回路52と、溶接部形成情報算出回路54と、を備える。
貫通検出回路46を除き、ロボット1と、動作制御回路2と、パイロットアーク電源回路31と、プラズマアーク電源回路41と、制御部5と、溶接アーク電源回路61と、送給制御回路68と、については、第1実施形態における説明を適用できるから、本実施形態では説明を省略する。
電圧検出回路44は、消耗電極15と母材Wとの間に印加されるプラズマアーク電圧Vmの値を検出するためのものである。電圧検出回路44は、貫通検出回路46および母材情報算出回路52に、プラズマアーク電圧Vmに対応する電圧検出信号Vdを送る。
本実施形態においても、貫通検出回路46は、非消耗電極121と母材Wとの間のプラズマアーク電圧Vmの電圧値に基づき、母材Wを穴71が貫通したことを検出する。具体的には、電圧検出回路44からの電圧検出信号Vdに基づき、母材Wを穴71が貫通したことを検出する。その他の点については、第1実施形態における説明を適用できるから、本実施形態では説明を省略する。
母材情報算出回路52は、非消耗電極121および母材Wの間のプラズマアーク電圧Vmに基づき、母材情報Inf1を算出する。具体的には、母材情報算出回路52は、電圧検出回路44からの電圧検出信号Vdに基づき母材情報Inf1を算出する。母材情報Inf1は、母材Wに関する情報である。本実施形態では、母材情報Inf1は母材Wの厚さT1に関する情報を含む。母材Wの厚さT1に関する情報としては、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11(図3参照)の情報が挙げられる。母材情報算出回路52は、算出した母材情報Inf1を、溶接部形成情報算出回路54に送る。
穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11は、たとえば、母材Wに穴71が形成され始めた時刻から母材Wに穴71が貫通した時刻までの時間であってもよいし、あるいは、プラズマアーク電流Imの通電開始時刻から母材Wに穴71が貫通した時刻までの時間であってもよい。
母材Wに穴71が形成され始めた時刻をより正確に求めるために、電圧検出信号Vdの微分値を求める微分回路を、母材情報算出回路52が備えていてもよい。この場合、電圧検出信号Vdの微分値が所定のしきい値よりも小さくなった場合に、母材Wに穴71が形成され始めた時刻と判断するとよい。また、プラズマアーク電圧Vmが交流である場合には、電圧検出信号Vdの絶対値を求める絶対値回路を、母材情報算出回路52が備えていてもよい。また、プラズマアーク電圧Vmがパルス波形を示す場合には、電圧検出信号Vdの高周波成分を除去するローパスフィルタを、母材情報算出回路52が備えていてもよい。
溶接部形成情報算出回路54は、母材情報Inf1に基づき溶接部形成情報Inf2を算出する。溶接部形成情報Inf2は、溶接部86を形成する工程において流す溶接アーク電流Iaに関する情報である。本実施形態においては、溶接部形成情報算出回路54は、母材情報算出回路52に算出された母材情報Inf1に基づき、溶接部形成情報Inf2を算出する。一例としては、溶接部形成情報算出回路54は、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11に基づいて、溶接部形成情報Inf2を算出するとよい。溶接部形成情報Inf2としては、溶接部86を形成する工程において、溶接アーク電流Iaを流す通電時間T12(図3参照)の情報が挙げられる。溶接部形成情報算出回路54は、溶接部形成情報Inf2を算出するために、たとえば、母材情報Inf1と溶接部形成情報Inf2との関係を示すテーブルを用いるとよい。
溶接部形成情報算出回路54は、たとえば、次のように、通電時間T12の情報を算出する。図16は、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11と、溶接アーク電流Iaの通電時間T12との関係を示すグラフである。同図では、横軸が穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11を示し、縦軸が通電時間T12を示している。同図に示すように、溶接部形成情報算出回路54は、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11(すなわち、母材W全体の厚さT1に対応する)と通電時間T12とが正の相関を有するように、通電時間T12の情報を算出する。図16では、溶接アーク電流Iaの電流値が電流値ia11の場合と電流値ia12の場合の2つの場合の関係について示している。なお、電流値ia11よりも電流値ia12の方が大きい。
そして、溶接部形成情報算出回路54は、算出した溶接部形成情報Inf2(本実施形態では、通電時間T12の情報)を溶接アーク電源回路61に送る。そして、溶接アーク電源回路61は、溶接部形成情報Inf2に基づいて溶接アーク電流Iaを流す。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態によると、第1実施形態で述べた作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
本実施形態によると、スポット溶接システムA3は、母材情報Inf1に基づき溶接部形成情報Inf2を算出する溶接部形成情報算出回路54を備える。母材情報Inf1は、母材Wに関する情報であり、溶接部形成情報Inf2は、溶接部86を形成する工程において流す溶接アーク電流Iaに関する情報である。溶接アーク電源回路61は、溶接部形成情報Inf2に基づいて溶接アーク電流Iaを流す。このような構成によると、溶接アーク電流Iaに関する設定を、母材Wに応じたより適切なものとすることができる。これにより、溶接アーク電流Iaに関する設定を行う作業者の負担を軽減できるとともに、より適切なスポット溶接を行うことができる。
本実施形態によると、溶接部形成情報Inf2は、溶接部86を形成する工程において、溶接アーク電流Iaを流す通電時間T12に関する情報を含む。このような構成によると、溶接部86を形成する工程において穴71に充填される溶融金属の量を、適切な量とすることができる。これにより、各ビード861の形状を均一にすることができ、また、必要な溶接強度を保つことができる。
本実施形態によると、母材情報Inf1は、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11に関する情報を含む。穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11は、母材W全体の厚さT1を反映している。そのため、本実施形態によると、母材W全体の厚さT1に応じて、溶接アーク電流Iaに関する設定を行うことができる。これにより、更に適切なスポット溶接を行うことが可能となる。
なお、母材情報算出回路52がスポット溶接システムに設けられている必要は、必ずしもない。たとえば、作業者が入力した母材情報Inf1(たとえば母材Wの厚さT1)に基づき、溶接部形成情報算出回路54は溶接部形成情報Inf2を算出してもよい。
また、母材情報算出回路52や溶接部形成情報算出回路54を設ける構成は、第1実施形態にかかるスポット溶接システムA1を基にして説明したが、第2実施形態にかかるスポット溶接システムA2に母材情報算出回路52や溶接部形成情報算出回路54を設けてもよい。
<第3実施形態の第1変形例>
図17、図18を用いて、本発明の第3実施形態の第1変形例について説明する。
本変形例では、溶接部形成情報算出回路54による溶接部形成情報Inf2の算出方法が、上述のものとは異なっている。本変形例では、溶接部形成情報算出回路54は、溶接部形成情報Inf2として、溶接部86を形成する工程における、溶接アーク電流Iaの電流値の情報も算出する。そして、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11に応じて、溶接部86を形成する工程における、溶接アーク電流Iaの電流値を異ならせる。
図17は、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11と、溶接アーク電流Iaの通電時間T12との関係を示すグラフである。図18は、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11と、溶接アーク電流Iaの電流値との関係を示すグラフである。
図17においては、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11を示し、縦軸が通電時間T12を示している。また、図18においては、横軸が穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11を示し、縦軸が溶接部86を形成する工程における溶接アーク電流Iaの電流値を示している。
本変形例においては、溶接部形成情報算出回路54は、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11が、範囲R11にある場合には、図18に示すように、溶接部86を形成する工程における、溶接アーク電流Iaの電流値を、電流値ia21と算出する。そして、図17に示す関係に従って、溶接部形成情報算出回路54は、通電時間T12を算出する。穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11が範囲R11内にある場合、溶接部形成情報算出回路54は、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11(すなわち、母材W全体の厚さT1に対応する)と通電時間T12とが正の相関を有するように、通電時間T12の情報を算出する。
同様に、溶接部形成情報算出回路54は、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11が、範囲R11における値よりも大きい値を包含する範囲R12にある場合には、図18に示すように、溶接部86を形成する工程における、溶接アーク電流Iaの電流値を、電流値ia21より大きい電流値ia22と算出する。そして、図17に示す関係に従って、溶接部形成情報算出回路54は、通電時間T12を算出する。穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11が範囲R12内にある場合、溶接部形成情報算出回路54は、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11(すなわち、母材W全体の厚さT1に対応する)と通電時間T12とが正の相関を有するように、通電時間T12の情報を算出する。
同様に、溶接部形成情報算出回路54は、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11が、範囲R12における値よりも大きい値を包含する範囲R13にある場合には、図18に示すように、溶接部86を形成する工程における、溶接アーク電流Iaの電流値を、電流値ia22より大きい電流値ia23と算出する。そして、図17に示す関係に従って、溶接部形成情報算出回路54は、通電時間T12を算出する。穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11が範囲R13内にある場合、溶接部形成情報算出回路54は、穴71が母材Wを貫通するのに要した時間T11(すなわち、母材W全体の厚さT1に対応する)と通電時間T12とが正の相関を有するように、通電時間T12の情報を算出する。
本変形例によると、第3実施形態で述べた作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、母材W全体の厚さT1が比較的薄い場合(たとえば時間T11が、範囲R11にある場合)には、溶接部86を形成する工程においては、溶接アーク電流Iaが比較的低い電流値ia21で流される。これにより、母材W全体の厚さT1が薄い場合に溶け落ちが発生することを防止できる。一方、母材W全体の厚さT1が比較的厚い場合(たとえば時間T11が、範囲R13にある場合)には、溶接部86を形成する工程においては、溶接アーク電流Iaが比較的高い電流値ia23で流される。これにより、通電時間T12を短くすることができる。このことは、穴71を充填するのに要する時間の短縮が可能であることを意味する。このように本変形例によると、母材Wの厚さT1に応じて、適切なスポット溶接を効率的に行うことが可能となる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
1 ロボット
11 マニピュレータ
12 トーチ
121 非消耗電極
122 プラズマノズル
126 保持部材
129 外側ノズル
15 消耗電極
16 送給装置
2 動作制御回路
31 パイロットアーク電源回路
41 プラズマアーク電源回路
46 貫通検出回路
5 制御部
56 溶接アーク点弧検出回路
61 溶接アーク電源回路
68 送給制御回路
71 穴
712 開口
86 溶接部
861,862 ビード
869 溶融金属
A1,A2,A3 スポット溶接システム
a1 パイロットアーク
a2 プラズマアーク
a3 溶接アーク
C1 交点
C2 点
D1 深さ
D2,D5 直径
Fc 送給速度制御信号
Fw 送給速度
Ia 溶接アーク電流
Im プラズマアーク電流
im1 プラズマアーク維持電流値
Ip パイロットアーク電流
L1 第1仮想線
L2 第2仮想線
Ms 動作制御信号
PG プラズマガス
Sa 溶接アーク点弧検出信号
SG シールドガス
Sm1 第1移動指示信号
Sm2 第2移動指示信号
Sm11 動作指示信号
Sm12 移動指示信号
Ss1 第1工程指示信号
Ss2 第2工程指示信号
St 貫通検出信号
T1 厚さ
t1,t2,t3,t4,t5,t6,t7,t11,t12,t13,t14,t15,t16,t17 時刻
Va 溶接アーク電圧
Vm プラズマアーク電圧
Vp パイロットアーク電圧
Vr ロボット移動速度
W 母材
W1 第1部材
W11 第1主面
W2 第2部材
W21 第2主面

44 電圧検出回路
52 母材情報算出回路
54 溶接部形成情報算出回路
Inf1 母材情報
Inf2 溶接部形成情報
ia11,ia12,ia21,ia22,ia23 電流値
R11,R12,R13 範囲
T11 時間
T12 通電時間
Vd 電圧検出信号

Claims (10)

  1. 非消耗電極および母材の間に発生したプラズマアークによって、前記母材における第1主面から凹む穴を形成する工程と、
    消耗電極および前記母材の間に発生した溶接アークによって形成された、前記消耗電極に由来する溶融金属を、前記穴に充填し、溶接部を形成する工程と、
    前記溶接部を形成する工程の前に、前記消耗電極および前記母材の間に前記溶接アークを発生させる工程と、を備え
    前記穴を形成する工程においては、前記母材における、前記第1主面とは反対側の第2主面に、前記穴に通じる開口を形成し、
    前記溶接アークを発生させる工程においては、前記穴が前記母材全体を貫通している状態で、前記溶接アークを発生させ、
    前記溶接アークを発生させる工程は、前記開口の直径が前記消耗電極の直径よりも小さい状態で、前記消耗電極を前記母材に接触させることにより、開始する、工業製品の製造方法。
  2. 非消耗電極および母材の間に発生したプラズマアークによって、前記母材における第1主面から凹む穴を形成する工程と、
    消耗電極および前記母材の間に発生した溶接アークによって形成された、前記消耗電極に由来する溶融金属を、前記穴に充填し、溶接部を形成する工程と、
    前記溶接部を形成する工程の前に、前記消耗電極および前記母材の間に前記溶接アークを発生させる工程と、を備え、
    前記溶接アークを発生させる工程は、前記穴からの溶け落ちの発生を抑制するべく、前記母材に前記穴が貫通していない状態で、前記消耗電極を前記母材に接触させることにより、開始する、工業製品の製造方法。
  3. 前記溶接アークを発生させる工程においては、前記穴の深さが前記母材全体の厚さの80%以上となっている時点で、前記溶接アークを発生させる、請求項に記載の工業製品の製造方法。
  4. 前記溶接部を形成する工程においては、前記プラズマアークを消弧させておき、
    前記穴を形成する工程が終了した後に、前記消耗電極の先端を、前記穴の深さ方向視において前記穴と重なる位置に位置させる工程を更に備え
    アークスポット溶接として行われる、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の工業製品の製造方法。
  5. 非消耗電極および母材の間に発生したプラズマアークによって、前記母材における第1主面から凹む穴を形成する工程と、
    消耗電極および前記母材の間に発生した溶接アークによって形成された、前記消耗電極に由来する溶融金属を、前記穴に充填し、溶接部を形成する工程と、
    前記消耗電極および前記母材の間に前記溶接アークを発生させる工程と、を備え、
    前記溶接アークを発生させる工程は、前記プラズマアークを介して、前記消耗電極および前記母材の間に溶接アーク電流を流し始めることにより、開始し、
    前記溶接アークを発生させる工程の前に、前記非消耗電極および前記母材の間に流れるプラズマアーク電流の電流値を、前記穴を形成する工程における値よりも小さいプラズマアーク維持電流値に減少させる工程を更に備える、業製品の製造方法。
  6. 前記溶接アークを発生させる工程は、前記消耗電極および前記母材の間に無負荷電圧を印加しつつ、前記消耗電極を前記プラズマアークに接触させる工程を含む、請求項に記載の工業製品の製造方法。
  7. 非消耗電極および母材の間に発生したプラズマアークによって、前記母材における第1主面から凹む穴を形成する工程と、
    消耗電極および前記母材の間に発生した溶接アークによって形成された、前記消耗電極に由来する溶融金属を、前記穴に充填し、溶接部を形成する工程と、
    前記消耗電極および前記母材の間に前記溶接アークを発生させる工程と、を備え、
    前記溶接アークを発生させる工程は、前記プラズマアークを介して、前記消耗電極および前記母材の間に溶接アーク電流を流し始めることにより、開始し、
    前記溶接アークを発生させる工程は、前記母材から前記非消耗電極を離間させる工程を含む、業製品の製造方法。
  8. 前記母材から前記非消耗電極を離間させる工程を終えた時点において、第1仮想線と第2仮想線との交点が、前記第1主面に対して、前記第1主面の向く方向とは反対側に位置しており、
    前記第1仮想線は、前記非消耗電極の軸線に沿って延びる線であり、前記第2仮想線は、前記消耗電極の軸線に沿って延びる線である、請求項に記載の工業製品の製造方法。
  9. 前記溶接アークを発生させる工程は、前記非消耗電極を離間させる工程と並行して、前記母材から、前記消耗電極を保持する保持部材を離間させる工程を含む、請求項に記載の工業製品の製造方法。
  10. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載の工業製品の製造方法に用いるスポット溶接システムであって、
    非消耗電極および母材の間にプラズマアーク電流を流すプラズマアーク電源回路と、
    消耗電極および前記母材の間に溶接アーク電流を流す溶接アーク電源回路と、を備え、
    前記溶接アーク電源回路は、前記プラズマアーク電流の通電を開始した後に、前記溶接アーク電流の通電を開始する、スポット溶接システム。
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