JP5872330B2 - インライン検査方法およびプラズマ−mig溶接による貫通溶接方法 - Google Patents

インライン検査方法およびプラズマ−mig溶接による貫通溶接方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶接品質を検査するためのインライン検査方法に関し、特に貫通溶接における貫通孔を検査するためのインライン検査方法およびプラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法に関する。
従来、上下2枚の鋼板を重ね合わせて貫通溶接する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された貫通溶接の手順は次の通りである。すなわち、まず、溶接を行う位置でプラズマアークを着火し、続いて、比較的に大きいパワーのプラズマアークを用いて、穴を貫通させる。穴が貫通すると、直ちにプラズマアークのパワーを溶接に適した値まで低減させて、上下の鋼板を適正に溶融させて溶接する。このとき、フィラーをプラズマアーク内に送り込む。すると、アーク熱で溶融したフィラーが溶接スポットへ供給されて、最終的に穴が埋め戻され、かつ、上下の鋼板間の隙間も埋まって、2枚の鋼板間の溶接が確立する。この段階で、フィラーをプラズマアーク外へ引出しその送給を停止させ、続いて、プラズマアークを消す。これで、1回の溶接が終了する。
特許第3379965号公報
しかしながら、貫通溶接において、溶接姿勢の変化やワーク間の隙間などに起因して貫通孔径は変わってしまう。また、貫通孔を形成した後に穴を即座に埋めてしまうため、貫通孔径を直接的に観測することは困難であった。また、既存の電圧モニタにより、貫通孔の有無を間接的に観測すれば貫通したこと自体を検出することはできるが、従来の方法では、所望の強度を実現できるような貫通孔が形成されているかインラインで検査することはできなかった。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、所望の強度を実現できるような貫通孔が形成されているかインラインで検査することのできるインライン検査方法およびプラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本願発明者らは、貫通溶接において形成した貫通孔のサイズと強度との関係について種々検討を行った。その結果、貫通孔に充填されたナゲットの径の大きさと継手強度との間に相関があることと、貫通孔の下孔の径の大きさと継手強度との間にも同様な相関があることとを見出した。
そこで、本発明に係るインライン検査方法は、重ね合わせた複数のワークを貫通溶接する際、貫通孔をインラインで検査するインライン検査装置におけるインライン検査方法であって、前記インライン検査装置が、ワークの板厚ごと及びプラズマガス流量を含む溶接条件ごとに予め求められた、ワークに形成された貫通孔の下孔径と、プラズマアーク溶接のアーク電圧との関係を示す検量線データを記憶する記憶手段と、処理手段とを備え、前記処理手段が、プラズマアーク溶接中のアーク電圧を監視し、アーク電圧に基づいて前記重ね合わせた複数のワークが貫通したことを検出する貫通検出工程と、貫通検出後にアーク電圧を測定すると共に、その後、プラズマガス流量を低下させたときのアーク電圧値を測定する電圧測定工程と、前記ガス流量低下前後に測定されたアーク電圧を前記検量線データと照合することで、形成された貫通孔の下孔径を検出する貫通孔径検出工程とを実行することを特徴とする。
かかる手順によれば、インライン検査方法では、プラズマアーク溶接により貫通孔を形成するときのアーク電圧を監視し、貫通検出後においてプラズマガス流量を低下させる前後にそれぞれ測定されたアーク電圧値を検量線データと照合することで、貫通孔の下孔径を検出する。したがって、本発明のインライン検査方法は、強度を支配する下板の孔径を保証することができる。
また、本発明に係るインライン検査方法は、前記インライン検査装置の前記記憶手段が、ワークの板厚及び溶接条件ごとに予め求められた検量線データとして、前記重ね合わせた複数のワークに既に形成された所望サイズの貫通孔にプラズマアーク溶接によりアークを再点弧したときの電圧立上り時のアークが安定する前の時刻であって予め定められた絶縁破壊時間内のアーク電圧と前記下孔径との対応関係を示す再点弧データをさらに記憶し、前記電圧測定工程が、プラズマガス量を低下させた状態で、プラズマアークを一旦消弧して再点弧した後のアーク電圧値を検出し、前記貫通孔径検出工程が、ガス流量低下後のアーク電圧値として前記再点弧した後に検出されたアーク電圧値を検量線データである前記再点弧データと照合することで、形成された貫通孔の下孔径を検出することが好ましい。
かかる手順によれば、インライン検査方法は、形成された貫通孔に対してアークを再点弧したときに測定されたアーク電圧の立上り電圧を検量線データと照合することで所望の貫通孔が確実に形成されていることを判定できる。これによれば、アーク点弧時の立上り電圧はアークが安定したときの安定電圧よりも大きいので、下孔径を高精度で検出することができる。
また、前記課題を解決するために、本発明に係るプラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法は、プラズマアーク溶接とMIG溶接とを組み合わせたプラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法であって、プラズマトーチがプラズマアークにより重ね合わせた複数のワークに貫通孔を形成する工程と、前記インライン検査方法により前記インライン検査装置が前記貫通孔をインラインで検査する工程と、MIGトーチがMIG溶接により前記貫通孔を埋めて前記重ね合わせた複数のワークを溶接する工程と、を有することを特徴とする。
かかる手順によれば、プラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法は、重ね合わせた複数のワークにプラズマアークにより貫通孔を形成してこの貫通孔をMIG溶接により埋めて溶接する貫通溶接の一連の手順において、貫通孔を形成する工程にて測定されたアーク電圧値を、ワークの板厚ごと及びプラズマガス流量を含む溶接条件ごとに予め求められた検量線データと照合する。これにより、プラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法は、貫通溶接と同時に、所望の強度を実現できるような良好な貫通孔が形成されているか否かを全数検査で確かめることができる。したがって、本発明のプラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法は、強度を支配する下板の孔径を保証することができる。
本発明によれば、強度を支配するナゲット径や下板の孔径をインラインで検査することができるので、品質保証精度が向上する。
本発明に係るインライン検査方法の概要を模式的に示すワーク断面図であって、(a)はトーチ高さ検出ステップ、(b)はアーク長検出ステップ、(c)は貫通検出ステップ、(d)は孔径拡大ステップ、(e)は貫通孔径検出ステップを示している。 本発明に係るインライン検査方法にて監視される電圧の時間変化の一例を模式的に示すグラフである。 本発明に係るインライン検査方法の説明図であって、(a)は溶接前のテストピースの平面図、(b)は3φの孔が穿設されたテストピース、(c)は6φの孔が穿設されたテストピース、(d)は貫通を実際に検出したときの孔の形状、(e)は下孔径を実際に検出したときの孔の形状を示している。 本発明に係るプラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法の模式図およびそのための溶接システムの構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係るインライン検査装置の構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係るインライン検査装置が検量線データとして記憶した下孔径−電圧データの一例を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係るインライン検査装置が検量線データとして記憶した下孔径ごとに取得したガス量−電圧データの一例を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係るインライン検査方法においてアークが安定するまで測定した電圧の測定データの一例を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係るインライン検査装置が検量線データとして記憶した下孔径−電圧データから求めたアーク長−電圧データの一例を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係るインライン検査装置による処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るインライン検査装置の構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るインライン検査装置が検量線データとして記憶した再点弧データの一例を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係るインライン検査方法においてアークが安定するよりも前までに測定した電圧の測定データの一例を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係るインライン検査装置による処理の流れを示すフローチャートである。
図面を参照して本発明を実施するための形態(実施形態という)について詳細に説明する。
<第1実施形態>
以下では、説明の都合上、1.インライン検査方法の概要、2.溶接システムの構成、3.インライン検査装置の構成、4.インライン検査装置による処理の流れの各章について説明する。
[1.インライン検査方法の概要]
インライン検査方法は、図1に示すように、重ね合わせた複数のワークWを貫通溶接する際、貫通孔をインラインで検査する方法である。なお、インライン検査とは、抜き取り検査(引張試験や断面観察のような破壊検査)ではなく、破壊することなく、全数検査を行うことをいう。
ここで、貫通溶接方法は、平坦なワークに穴を掘り、貫通させて孔となして、即座に埋めることが前提なので、埋め始めると、孔がすぐに穴に変わる。よって、以下では次のように孔と穴とを区別した。貫通後、埋める前の状態を貫通孔(いわゆるキーホール)と呼ぶ。貫通前にワークを掘っているときの状態や、貫通後にキーホールを埋めているときの状態を穴と呼ぶ。貫通溶接によってワークに形成される貫通孔は、通常、孔の上端および下端の口の部分や両端の途中の孔径が異なっている。そこで、孔の上口の径を上孔径、孔の下口の径を下孔径と呼んで区別する。
本実施形態のインライン検査方法において、ワークWの用途、形状、材質、サイズは特に限定されないが、例えば亜鉛メッキ鋼板等であるものとして説明する。図1では、一例として2枚のワークWを重ね合わせた場合のワーク断面を図示した。また、ここでは、上板と下板との隙間はないものとして説明する。このインライン検査方法では、プラズマトーチ8を用いてプラズマアーク溶接で貫通孔を形成する。また、インライン検査方法は、ワークに形成された貫通孔の下孔径と、プラズマアーク溶接のアーク電圧との関係を示す検量線データがワークの板厚および溶接条件ごとに予め求められていることを前提としている。
インライン検査方法は、大別して、図1(a)〜図1(c)に示す貫通前電圧測定工程S1と、図1(c)〜図1(e)に示す貫通後電圧測定工程S2と、を有する。これら貫通前電圧測定工程S1および貫通後電圧測定工程S2と、測定されたアーク電圧の時間変化との対応関係の一例を図2に示す。図2に示すグラフの横軸は時間を示し、縦軸はアーク電圧を示す。ここでは、図1および図2を参照して説明する。
貫通前電圧測定工程S1は、プラズマアーク溶接中のアーク電圧を監視し、アーク電圧に基づいて重ね合わせた複数のワークWが貫通したことを検出する工程である。この貫通前電圧測定工程S1は、例えば、トーチ高さ検出ステップ、アーク長検出ステップ、および貫通検出ステップのように形式的に分けることができる。
トーチ高さ検出ステップは、図1(a)に示すように、測定されたアーク電圧の初期値と検量線データに基づいて、プラズマトーチ8から上板(ワークW)の表面までの長さと等しいときのアーク長(以下、トーチ高さという)を検出するステップである。図2に示す例では、初期のアーク点弧時に絶縁破壊のためアーク電圧が一旦急上昇するが、その後に電圧が安定し、これが初期電圧である。この安定した電圧にてトーチ高さが検出される。なお、トーチ高さは、板厚変動の影響を受けて変化したり、溶接条件を変更したりすれば、それに応じて変化するので、前記したように検量線データは重ね合わせた複数のワークの板厚および溶接条件ごとに求められている。
アーク長検出ステップは、図1(b)に示すように、ワークWを堀り進むときにリアルタイムにモニタされるアーク電圧と検量線データとに基づいて、堀り進められた穴の長さとしてアーク長を検出するステップである。図2に示す例では、測定されたアーク電圧は、初期電圧から上昇する。このように初期電圧から電圧が上昇していくときにアーク長が検出される。
貫通検出ステップは、図1(c)に示すように、測定されたアーク電圧と検量線データとに基づいて、下板まで貫通したことを検出するステップである。堀り進められた穴が下板に到達した状態は、ワークの裏面側に孔が見えるが所望の径の孔とはなっていない状態である。このときアーク長がプラズマトーチ8からワーク裏面までの長さと等しくなる。なお、貫通したか否かについては、電圧の増分や増加率を演算することで検出することができる。測定されたアーク電圧は、ある時点で急激に上昇する。この時点(変極点)の電圧増加率やアーク電圧の初期値からの電圧の増分によって、下板まで貫通したことが検出される。
貫通後電圧測定工程S2は、アーク電圧を監視し、複数のワークWの貫通から所定時間経過した後に測定されたアーク電圧を検量線データと照合することで、形成された貫通孔の下孔径を検出する工程である。この貫通後電圧測定工程S2は、孔径拡大ステップおよび貫通孔径検出ステップのように形式的に分けることができる。
孔径拡大ステップは、図1(d)に示すように、下板まで貫通した後に、その貫通孔の孔径を拡大するステップである。ここで、プラズマトーチ8からのアークはワーク裏面の孔の部分では導通をとれないため、アークは孔を迂回する。よって、時間経過に伴ってアークは孔の周囲に広がることでアーク長が徐々に増加し、併せて下孔径も増加していく。
図2に示す例では、測定されたアーク電圧が変極点から緩やかに上昇していく過程で孔径が拡大される。
貫通孔径検出ステップは、図1(e)に示すように、ガス流量を低下する前後に測定されたアーク電圧と検量線データとに基づいて、下孔径が所望の径となったことを検出するステップである。貫通孔径検出ステップでは、ガス流量低下前の状態で測定されたアーク電圧が、所望の下孔径が形成されるときの閾値電圧となったときに、ガス流量が低下される。そして、ガス流量低下後の状態で測定されたアーク電圧が、所望の下孔径が形成されるときの閾値電圧となったときに所望の孔径が確保されたと判定され、プラズマアークが消される。
インライン検査方法において用いる検量線データとしては、様々な種類のデータを用いることができる。例えば、図2に示すような電圧の時間変化のデータであってもよい。この場合、図2に示すような折れ線全体のデータである必要はなく、その一部でもよい。
また、検量線データとして、例えば図6、図7、図9に示すように、下孔径、アーク長さ、ガス流量およびアーク電圧との関係を示すデータを用いてもよい。これら図6、図7、図9に示す検量線データを構築するために用いたテストピースの溶接前の平面図を図3(a)〜図3(c)に示す。図3(a)に示すテストピースには孔が穿設されていない(以下、孔なしと表記する)。図3(b)に示すテストピースは直径3mmの孔が穿設されている(以下、3φと表記する)。図3(c)に示すテストピースは直径6mmの孔が穿設されている(以下、6φと表記する)。これら図6、図7、図9に示す検量線データについての説明は後記する。
図3(d)に、孔が穿設されていない2枚重ねのワークの貫通を実際に検出したときのワーク表面側からみた孔の形状の一例を示し、図3(e)に下孔径を実際に検出したときのワーク表面側からみた孔の形状の一例を示す。
なお、本願発明者らが、所定の溶接条件でワークを3枚重ねて貫通溶接した際に、形成した貫通孔のサイズと継手強度との関係について実測したところ、下から1枚目のワークと2枚目のワークとの界面の高さにおける孔径(以下、ナゲット径という)の大きさが大きいほど継手強度が大きいという相関があった。このとき、下から1枚目のワークの裏面における孔径(下孔径)の大きさが大きいほど継手強度が大きいという同様の相関があった。つまり、ナゲット径や下孔径が強度を支配する要因となっていることを確かめた。したがって、下孔径を所望の大きさとすることで、所望の強度を保証することができると結論付けられる。
[2.溶接システムの構成]
ここでは、本発明に係るプラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法を実施するための溶接システムの構成について図4を参照して説明する。溶接システム1は、重ね合わせた複数のワークWを貫通溶接するためのロボットアーク溶接システムであって、図4に示すように、主として、溶接トーチ2と、ロボット3と、ロボット制御装置4と、溶接電源5と、フィラー供給装置6と、溶接制御装置7と、インライン検査装置10と、を備えている。また、図示を省略するが、溶接システム1は、動作ガスボンベ、シールドガスボンベ、ガス流量調整器、遠隔制御器などを備えている。図4では、一例として3枚のワークWを重ね合わせた場合のワーク断面を図示した。また、ここでは、上板と下板との隙間はないものとして説明する。
なお、ロボット制御装置4と、溶接制御装置7と、インライン検査装置10とは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力インタフェース等を備えている。
溶接トーチ2は、プラズマトーチ8と、MIGトーチ9とを備える。
プラズマトーチ8は、貫通溶接においてフィラーを充填する前の段階(以下、貫通溶接のフェーズP1と称する)にて先行して使用される先行トーチであって、重ね合わされた複数のワークWを貫通する貫通孔を形成するためのトーチである。プラズマトーチ8には、プラズマアーク溶接を行うための電極やノズルが形成されており、アルゴン等の動作ガス及びシールドガスが供給される。プラズマトーチ8は、タングステン電極と水冷された拘束ノズルとの間にパイロットアークを発生させ、このパイロットアークの熱により動作ガスをプラズマ化して噴出させ、ワークWとの間にプラズマアークを発生させる。シールドガスとしては、一般的に用いられるMAGガス(Ar+CO2混合ガス)などが供給される。
MIGトーチ9は、貫通溶接のフェーズP1の後であってフィラーを充填する段階(以下、貫通溶接のフェーズP2と称する)にて使用される後行トーチであって、貫通孔を埋めて重ね合わされた複数のワークWを融合するためのトーチである。MIGトーチ9は、貫通孔にフィラーを充填するためのMIG溶接(metal inert gas welding)を行うためのトーチである。MIGトーチ9には、その中心に消耗電極としてのフィラー61がフィラー供給装置6から送り込まれ、フィラー61の周囲にはシールドガス(Ar+CO2)が供給される。
ロボット3は、例えば、多軸多関節型の溶接ロボットであり、先端側のアーム3aには溶接トーチ2が取り付けられている。ロボット3は、モータで各関節を動かすことにより溶接トーチ2を移動させることができる。
ロボット制御装置4は、ロボット3に接続されており、溶接経路等の入力コマンドまたは予め記憶されたコマンドに基づいてロボット3の動作や姿勢を制御するものである。
溶接電源5は、アーク溶接のための電力を溶接トーチ2に供給するものである。ここでは、溶接電源5は、図4に示すように、主として、プラズマ電源51と、MIG電源52と、ガス供給装置53と、電圧検出器54とを備える。なお、図示を省略するが、溶接電源5は、電流検出器やMIG溶接に必要な制御回路などを備えている。
プラズマ電源51は、商用3相交流電源を図示しないトランスにより直流電源に変換するものであり、貫通溶接のフェーズP1(プラズマアーク溶接中)にてプラズマトーチ8に電力を供給する。このプラズマ電源51の負極は、プラズマトーチ8のタングステン電極に電気的に接続され、プラズマ電源51の陽極は、ワークWに電気的に接続される。プラズマ電源51の出力特性は、一般的に定電流特性であり、これによりアーク安定後のアーク電流を一定値に保持する。この定電流制御により、測定されたアーク電圧からアーク長を推定することができる。
MIG電源52は、商用3相交流電源を図示しないトランスにより直流電源に変換するものであり、貫通溶接のフェーズP2(MIG溶接中)にてMIGトーチ9に電力を供給する。このMIG電源52の陽極は、MIGトーチ9のフィラー61(消耗電極)に電気的に接続され、MIG電源52の負極は、ワークWに電気的に接続される。MIG電源52の出力特性は、定電圧特性であり、これにより、アーク安定後のアーク長を一定値に保持する。
ガス供給装置53は、図示しないガスボンベから溶接トーチ2(プラズマトーチ8、MIGトーチ9)に溶接用のシールドガスを供給する。また、ガス供給装置53は、図示しないガスボンベから、プラズマを形成するための動作ガスを溶接トーチ2に供給する。
ガス供給装置53は、貫通溶接のフェーズP1(プラズマアーク溶接中)にて、溶接制御装置7からの指令信号により、所定圧力で流入する動作ガスの流量を図示しない開閉弁を絞ることで調節する。
電圧検出器54は、プラズマ溶接電源51による溶接電圧であるアーク電圧を検出するものである。電圧検出器54は、貫通溶接のフェーズP1(プラズマアーク溶接中)にて検出されたアーク電圧をインライン検査装置10に出力する。電圧検出器54は、貫通溶接のフェーズP2(MIG溶接中)にて検出されたアーク電圧を溶接制御装置7に出力する。
フィラー供給装置6は、MIG電源52と接続されている。フィラー供給装置6は、貫通溶接のフェーズP2(MIG溶接中)において、図示しないフィラー収納器から送出路を介して送出されるワイヤ状のフィラーを、MIGトーチ9に送り出す。
溶接制御装置7は、貫通溶接のフェーズP1(プラズマアーク溶接中)にて溶接電源5およびインライン検査装置10を駆動することで、プラズマアーク溶接により、重ね合わされた複数のワークWを貫通する貫通孔を形成する。
溶接制御装置7は、貫通溶接のフェーズP2(MIG溶接中)にて溶接電源5を駆動することで、MIG溶接により、貫通孔にワイヤを充填する。すなわち、溶接制御装置7は、MIG電源52、ガス供給装置53およびMIGトーチ9を駆動する。
[3.インライン検査装置の構成]
ここでは、本発明の第1実施形態に係るインライン検査方法を実施するためのインライン検査装置の構成について図5を参照(適宜図4参照)して説明する。
インライン検査装置10は、重ね合わせた複数のワークWを貫通溶接する際、貫通孔をインラインで検査するものであって、電圧監視手段11と、記憶手段12と、処理手段13と、を備える。
電圧監視手段11は、プラズマアーク溶接中のアーク電圧を監視し、アーク電圧を所定の頻度で測定するものである。
記憶手段12は、ワークWの板厚および溶接条件ごとに予め求められた検量線データとして、例えば、下孔径−電圧データ21と、溶接条件−電圧データ22とを記憶するものである。記憶手段12は、例えば、一般的なハードディスクやメモリ等から構成される。
(下孔径−電圧データ21)
下孔径−電圧データ21は、ワークWの板厚ごと及びプラズマガス流量を含む溶接条件ごとに予め求められた検量線データであって、ワークWに形成された貫通孔の孔径と、プラズマアーク溶接のアーク電圧との関係を示す検量線データである。本実施形態では、下孔径−電圧データ21は、重ね合わせた複数のワークWの板厚および溶接条件ごとに求められ、重ね合わせた複数のワークに所望サイズの貫通孔が形成されたときの裏面側の孔の内径を示す下孔径と、当該貫通孔に点弧されたアークが安定したときのアーク電圧を示す安定電圧と、の対応関係を示す。下孔径−電圧データ21の一例を、図6にプロットした12点のデータで示す。
(溶接条件−電圧データ22)
溶接条件−電圧データ22は、検量線データである重ね合わせた複数のワークWの板厚および溶接条件ごとに求められた、複数の下孔径−電圧データ21から得られる。
ここで、溶接条件ごとに下孔径−電圧データを求めるとは、具体的には、図6にプロットした12点のデータをそれぞれ求めることを意味する。つまり、以下に示すように、溶接条件の中の複数種類の条件のうち1種類を除いてすべての条件を所定値に固定し、下孔径を決めた上で、除いた1種類の条件の数量を変化させたときに、それぞれのアーク電圧値を求めることを意味する。
例えば、下孔径を0mmに決めて図3(a)に示す孔なしのテストピースを用いて、溶接条件の種類「ガス量」を除くすべての条件を所定値(例えばトーチ高さ5mm等)に固定する。この場合に、溶接条件の種類「ガス量」を流量毎分2リットル(2L/min)、3リットル(3L/min)、4リットル(4L/min)、6リットル(6L/min)に変化させたときに、測定されたそれぞれのアーク電圧値の一例を図7のグラフにおいて三角形で示す。また、下孔径を3mmに決めて図3(b)に示す3φのテストピースを用いたときに同様に測定されたアーク電圧値の一例を図7のグラフにおいて丸で示す。さらに、下孔径を6mmに決めて図3(c)に示す6φのテストピースを用いたときに同様に測定されたアーク電圧値の一例を図7のグラフにおいて四角形で示す。なお、図7のグラフを求めるときの他の溶接条件の一例としては、重ね合わせた複数のワークWの板厚の合計を2.3mm、プラズマ溶接の電流を100Aとした。以下、図7のグラフのように、横軸を溶接条件としてのガス量、縦軸をアーク電圧としたグラフのことをガス量−電圧データと呼ぶ。このガス量−電圧データは、記憶手段12に記憶された溶接条件−電圧データ22のうちの1つである。図7のグラフ上にプロットした12点のデータは、図6のグラフ上の12点のデータに対応している。
図6に例示した下孔径−電圧データ21は、図8に示す検量線データ等を用いることで作成することができる。ここで、図8に示す検量線データについて説明する。図8に示すグラフの横軸は時間、縦軸はアーク電圧を示している。図8に示す電圧ライン101は、図3(b)に示す3φのテストピースを用いて、ガス量を例えば流量毎分2リットル(2L/min)とした所定の溶接条件のときに、既に穿設されている直径3mmの孔に向かってプラズマアーク溶接によりアークを点弧したときのアーク電圧の時間変化をおよそ1秒間に亘って測定した結果を示す。
また、図8に示す電圧ライン102〜104は、溶接条件の種類「ガス量」の数量を変化させたときに求められたアーク電圧値の時系列データである。具体的には、電圧ライン102は、ガス量を例えば流量毎分3リットル(3L/min)に変更したときに同様に求めたアーク電圧の時間変化の測定結果を示す。また、電圧ライン103は、ガス量を例えば流量毎分4リットル(4L/min)に変更したときに同様に求めたアーク電圧の時間変化の測定結果を示す。さらに、電圧ライン104は、ガス量を例えば流量毎分6リットル(6L/min)に変更したときに同様に求めたアーク電圧の時間変化の測定結果を示す。これら電圧ライン101〜104は、どれも時刻0秒直後すなわちアーク点弧時にはアーク電圧の急上昇が認められるものの、およそ0.2秒以降はアークが安定した電圧(以下、安定電圧という)を示している。また、図示を省略するが、図3(c)に示す6φのテストピースを用いて、ガス量を流量毎分2,3,4、6リットルとした同様のアーク電圧の測定結果を得た。さらに、図示を省略するが、図3(a)に示す孔なしのテストピースを用いて、ガス量を流量毎分2,3,4、6リットルとした同様のアーク電圧の測定結果を得た。各テストピースを用いた計12回の測定結果において時間が0.2秒のときのアーク電圧を抽出したものが図6に示すグラフ(下孔径−電圧データ21)である。
また、記憶手段12に記憶された溶接条件−電圧データ22の他の例を挙げる。
例えば、下孔径を0mmに決めて図3(a)に示す孔なしのテストピースを用いて、溶接条件の種類「トーチ高さ」を除くすべての条件を所定値(例えばガス量3L/min等)に固定する。この場合に、溶接条件の種類「トーチ高さ」を5mm、10mm、13mmに変化させたときに、測定されたそれぞれのアーク電圧値の一例を図9のグラフにおいて三角形で示す。また、下孔径を3mmに決めて図3(b)に示す3φのテストピースを用いたときに同様に測定されたアーク電圧値の一例を図9のグラフにおいて丸で示す。さらに、下孔径を6mmに決めて図3(c)に示す6φのテストピースを用いたときに同様に測定されたアーク電圧値の一例を図9のグラフにおいて四角形で示す。以下、図9のグラフのように、横軸を溶接条件としてのアーク長、縦軸をアーク電圧としたグラフのことをアーク長−電圧データと呼ぶ。このアーク長−電圧データは、記憶手段12に記憶された溶接条件−電圧データ22のうちの1つである。
処理手段13は、図5に示すように、貫通検出手段31と、貫通孔径検出手段32とを備える。ここで、処理手段13は、貫通検出手段31を、インライン検査方法として図1(a)〜図1(c)に示す貫通前電圧測定工程S1を実行するための構成として備えると共に、貫通孔径検出手段32を、インライン検査方法として図1(c)〜図1(e)に示す貫通後電圧測定工程S2を実行するための構成として備えることとした。
貫通検出手段31は、測定されたアーク電圧に基づいて重ね合わせた複数のワークWが貫通したことを検出するものである。ワークWが貫通したこと自体を検出する方法は特に限定されないが、例えば、測定されたアーク電圧の増分や増加率を用いて検出することできる。本実施形態では、一例として、測定されたアーク電圧の増分により貫通を検出する構成と、増加率により貫通を検出する構成と、を備え、所定の切り替え指示操作または事前設定によって、いずれか一方の構成による処理が実行可能となるように構成した。このため、貫通検出手段31は、図5に示すように、トーチ高さ算出手段311と、増分演算手段312と、増分判別手段313と、増加率演算手段314と、増加率判別手段315とを備えることとした。
トーチ高さ算出手段311は、アーク長−電圧データ(図9)と、測定されたアーク電圧についての初期電圧とに基づいて、初期電圧からアーク長−電圧データ(図9)により換算されるアーク長さをトーチ高さとして算出するものである。このトーチ高さ算出手段311は、孔なしのテストピースを用いて測定された検量線(図9のグラフにおいて三角形で示す)から、トーチ高さを算出する。例えば、図9のグラフにおいて、アーク長さが5mmのときに三角形で示す電圧値(約30.3V)がリアルタイムモニタにて測定されたときには、トーチ高さ算出手段311は、トーチ高さが5mmであることを検出する。
増分演算手段312は、初期電圧測定以後に測定されたアーク電圧について初期電圧からの増分を演算すると共に、アーク長−電圧データ(図9)においてアーク長さが、トーチ高さからワークの板厚の合計の長さだけ増加するまでの電圧の増分を算出するものである。
増分判別手段313は、初期電圧からの増分がアーク長−電圧データ(図9)における電圧の増分に一致したか否かを判別し、電圧の増分が一致した場合、重ね合わせた複数のワークWが貫通したと判定する。これら増分演算手段312および増分判別手段313は、電圧の増分により貫通を検出する構成である。
アーク長−電圧データ(図9)を用いると、次のように、電圧の増分により貫通を検出することができる。例えば、図9のグラフにて、アーク長さが5mmのときを起点としたときに(トーチ高さが5mmのとき)、ワーク間の隙間のないときに合計の板厚3mm分だけ掘り進むのに必要なアーク長さが8mm(=5+3)であることから、孔なし検量線によれば、所定の電圧値(約33.7V)が検出されたときには、貫通することになる。よって、この場合に、三角形で示す初期電圧値(約30.3V)が検出された後、電圧が約3.4V(=33.7−30.3)増加したときに、増分判別手段313は貫通したことを検出できる。
増加率演算手段314は、初期電圧測定以後に測定されたアーク電圧について単位時間当たりの増加率を演算するものである。増加率演算手段314は、予め定められたサンプリング周期で測定されたアーク電圧の時間変化率を算出する。この測定電圧の時間変化率(時間微分)は、プラス符号の場合(増加率の場合)と、マイナス符号の場合(減少率の場合)とがある。
増加率判別手段315は、アーク電圧の増加率に基づいて、アーク電圧の変極点となったか否かを判別し、変極点となった場合、重ね合わせた複数のワークWが貫通したと判定する(貫通検出ステップ:図2参照)。この増加率判別手段315は、アーク電圧値の時間微分が所定の閾値を超えたときに変極点となったと判別することとした。例えば、1秒当たりの電圧変化が、比較的小さい値で推移しているときにある時刻で急激に大きくなって所定の閾値を越え、その後小さくなるような時間変化をする場合、所定の閾値を越えた瞬間が変極点を示す。これら増加率演算手段314および増加率判別手段315は、電圧の増加率により貫通を検出する構成である。
貫通孔径検出手段32は、複数のワークWの貫通検出後のガス流量低下前後に測定されたアーク電圧を下孔径−電圧データ(検量線データ)21と照合することで、形成された貫通孔の下孔径を検出するものである。ここで、貫通孔径検出手段32が、溶接条件ごとに求められた下孔径−電圧データ(検量線データ)21を利用するに際して、記憶手段12から必要な検量線を抽出するための基準となる下孔径の値や条件の種類については、手動または自動で入力される。手動の場合、インライン検査装置10のユーザ(オペレータ)が、その都度、図示しない入力装置や遠隔制御器を用いて、所望の下孔径の値や条件の種類を選択する操作を実行する。自動の場合、予め決められた下孔径の値や条件の種類のパラメータを記憶手段12に格納しておき、貫通孔径検出手段32が記憶手段12から前記パラメータを選択してパラメータに応じた検量線を抽出できるようにプログラムしておき、ユーザは、これらの検査処理を含む貫通溶接の開始を指示するコマンドを入力する。
本実施形態では、貫通孔径検出手段32は、図5に示すように、第1孔径照合手段321と、ガス流量低下指示手段322と、第2孔径照合手段323とを備え、溶接条件として例えばトーチ高さが同じでガス量が異なる2つの検量線データを用いて2回に分けて照合を行うこととした。
第1孔径照合手段321は、複数のワークWの貫通検出後の所定のガス流量(低下前のガス流量)にて測定されたアーク電圧を下孔径−電圧データ(検量線データ)21と照合することで、ガス流量低下前に形成された貫通孔の下孔径を検出する。
ガス流量低下指示手段322は、ガス流量低下前の下孔径を検出したことを溶接制御装置7に通知する。この通知を受けた溶接制御装置7は溶接電源5に対してガス流量低下の指令を出す。なお、ガス流量低下指示手段322は、ガス流量低下の指令を溶接電源5に直接出してもよい。
第2孔径照合手段323は、複数のワークWの貫通検出後、かつ、ガス流量低下後に、測定されたアーク電圧を下孔径−電圧データ(検量線データ)21と照合することで、ガス流量低下後に形成された貫通孔の下孔径を検出する。つまり、第1孔径照合手段323および第2孔径照合手段323は、貫通孔の下孔径をダブルチェックする役割を果たしている。
本実施形態では、貫通孔径検出手段32は、トーチ高さ算出手段311で検出されたトーチ高さと、手動入力または予め記憶された下孔径の値とに基づいて検量線データを抽出することとした。具体的には、貫通孔径検出手段32は、検出されたトーチ高さが例えば5mmの場合、測定されたアーク電圧を、次のようにしてトーチ高さが5mmの場合の下孔径−電圧データ21(図6に示すグラフ)と照合する。図6に示すグラフの横軸はテストピースの孔径を示し、縦軸はアーク点弧後0.2秒のときのアーク電圧を示している。ここで、下孔径=0mmのデータは、図3(a)に示す孔なしのテストピースによる測定結果である。グラフにおいて、流量毎分2リットル(2L/min)の条件のアーク電圧を黒丸で示す。同様に、グラフにおいて、流量毎分3リットル(3L/min)の条件のアーク電圧を三角形で示し、流量毎分4リットル(4L/min)の条件のアーク電圧を白丸で示し、流量毎分6リットル(6L/min)の条件のアーク電圧を四角形で示す。
例えば検出されたトーチ高さが5mmの場合、図6のグラフに示す12点の下孔径−電圧データが候補となり、さらに、下孔径の値が3mmであれば、図6のグラフにおいて12点のうちの4点の下孔径−電圧データに候補が絞られる。このときに第1孔径照合手段321が抽出する検量線データは、図7のグラフ(ガス量−電圧データ)に示すようにテストピースを用いてトーチ高さを固定した状態で所定ガス量における溶接条件の下で予め測定された下孔径とアーク電圧値との関係を示す。
図6のグラフによれば、下孔径の値が3mmであれば、ガス流量が例えば流量毎分6リットル(6L/min)であった場合、電圧値が約36.9Vである。また、下孔径の値が3mmであれば、ガス流量が例えば流量毎分3リットル(3L/min)であった場合、電圧値が約31.4Vである。したがって、貫通溶接のフェーズP1の仕上がりに3mmの下孔径が必要であれば、複数のワークWの貫通を検出したときに、ガス流量が例えば流量毎分6リットル(6L/min)であった場合、測定されたアーク電圧が約36.9Vに達していると判定したとき、第1孔径照合手段321は、ガス流量低下前の貫通孔の下孔径を検出したことになる(1回目のチェック完了)。そして、この場合、ガス流量を例えば、これまでの半分である流量毎分3リットル(6L/min)に低下した後に測定されたアーク電圧が約31.4Vに低下したと判定したとき、第2孔径照合手段323は、ガス流量低下後の貫通孔の下孔径を検出したことになる(2回目のチェック完了)。なお、この検量線は一例であり、これに限定されるものではない。
[4.インライン検査装置による処理の流れ]
インライン検査装置10による処理の流れについて図10を参照(適宜、図1,図4および図5参照)して説明する。図10は、本発明の第1実施形態に係るインライン検査装置による処理の流れの概略を示すフローチャートである。ここで、溶接電源5は、電圧検出器54によって、アーク電圧を検出し、インライン検査装置10に出力している。これにより、インライン検査装置10の電圧監視手段11は、リアルタイムでアーク電圧をモニタリングしている(ステップS11)。このステップS11は、図1に示す貫通前電圧測定工程S1および貫通後電圧測定工程S2に亘って実行される。
重ね合わせた複数のワークWに対してプラズマトーチ8からのプラズマアークを着火すると、インライン検査装置10の貫通検出手段31は、トーチ高さ算出手段311によって、初期電圧のアーク長をトーチの高さH0として検出する(ステップS11)。そして、プラズマトーチ8からのプラズマアークによりワークWを掘削することで、やがて、インライン検査装置10の貫通検出手段31は、リアルタイムに測定されたアーク電圧の増分または増加率を用いて複数のワークWの貫通を検出する(ステップS13)。そして、貫通検出手段31は処理を貫通孔径検出手段32に渡す。
貫通後、時間経過に伴って、プラズマトーチ8からのアークは孔の周囲に広がり、下孔径も増加していく。やがて、貫通孔径検出手段32の第1孔径照合手段321は、リアルタイムに測定されたアーク電圧値と、現在のトーチ高さやガス流量の溶接条件に対応した下孔径−電圧データ(検量線データ)21とに基づいて、下孔径を検出する(ステップS14)。下孔径を検出すると、貫通孔径検出手段32のガス流量低下指示手段322は、溶接制御装置7にガス量低減を指示する(ステップS15)。そして、溶接制御装置7が溶接電源5に対してガス流量低下の指令を出すと、プラズマトーチ8に供給される動作ガスの流量が低下する。
ガス流量が低下した状態において、貫通孔径検出手段32の第2孔径照合手段323は、リアルタイムに測定されたアーク電圧値が検量線の電圧値に達しているか否かを判別する。すなわち、第2孔径照合手段323は、ガス流量が低下した状態において、下孔径を検出できたか否かを判別する(ステップS16)。測定されたアーク電圧値が検量線の電圧値に達して下孔径を検出できた場合(ステップS16:Yes)。貫通孔の良否判定を「良」とし(ステップS17)、処理を終了する。
一方、ガス流量が低下した状態において下孔径を検出できず(ステップS16:No)、所定のタイムリミットになっていなければ(ステップS18:No)、第2孔径照合手段323は、ステップS16に戻って判別を繰り返す。また、タイムリミットになった場合(ステップS18:Yes)、第2孔径照合手段323は、貫通孔の良否判定を「否」とし(ステップS19)、処理を終了する。
なお、貫通孔の良否判定結果により、例えば、「良」を、貫通溶接のフェーズP2に移行できるワーク、「否」をフェーズP2に移行できないワークとして分類することができる。また、「否」と判定された場合、加修などの工程に移行させる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係るインライン検査方法は、プラズマアーク溶接により貫通孔を形成するときのアーク電圧を監視し、貫通検出後のガス流量低下前後に測定されたアーク電圧を検量線データと照合することで、貫通孔の下孔径を検出する。また、プラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法にこのインライン検査方法を用いることにより、この貫通溶接方法を実施するための溶接システムに新たな装置を用いることなく、インラインで貫通孔長および孔径の検出が可能となり、品質保証精度が向上する。さらに、本実施形態のインライン検査方法を実現するインライン検査装置10は、簡易な構成で、インライン検査を迅速に行うことができ、製造コストを低減することができる。
<第2実施形態>
ここでは、本発明の第2実施形態に係るインライン検査方法について説明する。第2実施形態に係るインライン検査方法において、このインライン検査方法の概要および溶接システムの構成は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
次に、第2実施形態に係るインライン検査方法を実施するためのインライン検査装置の構成について図11を参照(適宜図5参照)して説明する。図11に示すインライン検査装置10Aにおいて、図5に示すインライン検査装置10と同じ構成要素には同じ符号を付し説明を適宜省略し、相違点について説明する。インライン検査装置10Aは、記憶手段12に再点弧データ23を記憶している点と、これを用いる処理手段13の貫通孔径検出手段32Aの構成が相違している。
(再点弧データ23)
再点弧データ23は、検量線データである。この再点弧データ23は、重ね合わせた複数のワークWに既に形成された所望サイズの貫通孔にプラズマアーク溶接によりアークを再点弧したときの電圧立上り時のアークが安定する前の時刻であって予め定められた絶縁破壊時間内(例えば5ミリ秒)のアーク電圧と下孔径との対応関係を示す。再点弧データ23の一例を図12に示す。この再点弧データ23(例えば図12に示すグラフ)は、図13に示す検量線データ等を用いることで作成することができる。
ここで、図13に示す検量線データについて説明する。図13は、図8の拡大図である。図13に示すグラフの横軸は時間、縦軸はアーク電圧を示している。図13に示す電圧ライン111は、図8に示す電圧ライン101のデータについてアークを点弧してから0.02秒までのアーク電圧の時間変化を示す。すなわち、図3(b)に示す3φのテストピースを用いて、ガス量を例えば流量毎分2リットル(2L/min)とした所定の溶接条件のときに、既に穿設されている直径3mmの孔に向かってプラズマアーク溶接によりアークを点弧したときのアーク電圧の時間変化をおよそ0.02秒間測定した結果を示す。ここで、図8および図13のグラフは、時間軸だけではなく、縦軸の電圧値の目盛りも異なる。なお、図8のグラフでは振り切れていた電圧値を図13のグラフには収めるようにした。
また、図13に示す電圧ライン112は、図8に示す電圧ライン102のデータについてアークを点弧してから0.02秒までのアーク電圧の時間変化を示す(3φのテストピース、ガス流量毎分3リットル(3L/min))。また、図13に示す電圧ライン113は、図8に示す電圧ライン103のデータについてアークを点弧してから0.02秒までのアーク電圧の時間変化を示す(3φのテストピース、ガス流量毎分4リットル(4L/min))。さらに、図13に示す電圧ライン114は、図8に示す電圧ライン104のデータについてアークを点弧してから0.02秒までのアーク電圧の時間変化を示す(3φのテストピース、ガス流量毎分6リットル(6L/min))。
これら電圧ライン111〜114には、どれもアーク点弧直後の5ミリ秒程度までの間において、図8に示す安定電圧よりも大きなアーク電圧(以下、立上り電圧という)が認められる。また、図示を省略するが、図3(c)に示す6φのテストピースを用いて、ガス量を流量毎分2,3,4,6リットルとした同様の立上り電圧の測定結果を得た。さらに、図示を省略するが、図3(a)に示す孔なしのテストピースを用いて、ガス量を流量毎分2,3,4,6リットルとした同様の立上り電圧の測定結果を得た。各テストピースを用いた計12回の測定結果において時間が5ミリ秒のときのアーク電圧を抽出したものが図12に示すグラフである。
図11に示す貫通孔径検出手段32Aは、第1孔径照合手段321、ガス流量低下指示手段322および第2孔径照合手段323に加えて、アーク点弧制御手段324と、立上り電圧照合手段325と、孔径確認手段326とを備えている。
アーク点弧制御手段324は、第2孔径照合手段323において貫通孔の下孔径を検出した場合、アークを一旦切り、直後にプラズマアーク溶接のアークを再点弧するものである。本実施形態では、アーク点弧制御手段324は、溶接制御装置7を介して溶接電源5にアークオフ/アークオンの指令を出すこととした。なお、アーク点弧制御手段324は、溶接電源5に直接指令を出してもよい。
立上り電圧照合手段325は、ガス量低下状態においてアークを再点弧した後に測定されたアーク電圧を、検量線データと照合することで、形成された貫通孔の下孔径を検出するものである。立上り電圧照合手段325は、前記した第2孔径照合手段323が検量線データと照合することで、形成された貫通孔の下孔径を検出する処理を行い、さらに、アークを再点弧した後に、この立上り電圧照合手段325が、検量線データと照合することで、形成された貫通孔の下孔径を再検出する。つまり、貫通孔の下孔径の3回目のチェックを行う。
本実施形態では、立上り電圧照合手段325は、アーク再点弧時に測定されたアーク電圧を、再点弧データ23における立上り電圧(アーク電圧)と一致するか否か照合することとした。この立上り電圧照合手段325は、測定されたアーク電圧を、次のように再点弧データ23(図12に示すグラフ)と照合する。図12に示すグラフの横軸はテストピースの孔径を示し、縦軸は5ミリ秒のときのアーク電圧を示している。なお、図12のグラフの見方は図6のグラフと同様なので詳細な説明を省略する。また、この立上り電圧照合手段325による検量線を用いた検出方法は、前記第1孔径照合手段321や第2孔径照合手段323による検出方法と同様なので詳細な説明は省略する。
孔径確認手段326は、立上り電圧照合手段325の照合により、測定されたアーク電圧が再点弧データ23における立上り電圧に一致した場合、所望サイズの貫通孔が確実に形成されていると判定するものである。ここで一致とは、所望の下孔径になっているはずの貫通孔にアーク再点弧したときに測定されたアーク電圧の立上り電圧の値が、再点弧データ23における前記所望の下孔径の立上り電圧の値以上になることを意味する。
次に、インライン検査装置10Aによる処理の流れについて図14を参照(適宜、図1,図4および図5参照)して説明する。図14は、本発明の第2実施形態に係るインライン検査装置による処理の流れの概略を示すフローチャートである。
図14に示すステップS11〜S19は、図10のフローチャートの処理ステップと同じなので、説明を省略する。図14のフローチャートは、ステップS21〜S23が追加されている点が図10のフローチャートと異なっている。
インライン検査装置10Aの貫通孔径検出手段32Aは、図14に示すように、ガス流量が低下した状態において、第2孔径照合手段323によって、下孔径を検出できた場合(ステップS16:Yes)、アーク点弧制御手段324によって、アークオフの制御を行う(ステップS21)。これにより、溶接制御装置7が溶接電源5にアークオフの指令を出し、プラズマトーチ8のアークが切れる。直後に、貫通孔径検出手段32Aは、アーク点弧制御手段324によって、アークを再点弧する制御を行う(ステップS22)。これにより、溶接制御装置7が溶接電源5にアーク再点弧の指令を出し、プラズマトーチ8のアークが再点弧される。
そして、貫通孔径検出手段32Aは、立上り電圧照合手段325によって、アーク電圧の立上り電圧が、再点弧データの立上り電圧に一致するか否かを判別する(ステップS23:再検出ステップ)。両者の立上り電圧が一致する場合(ステップS23:Yes)、貫通孔径検出手段32Aは、孔径確認手段326によって、貫通孔の良否判定を「良」とし(ステップS17)、処理を終了する。一方、両者の立上り電圧が一致しない場合(ステップS23:No)、孔径確認手段326は、貫通孔の良否判定を「否」とし(ステップS19)、処理を終了する。
以上説明したように、本発明の第2実施形態に係るインライン検査方法は、ワークの貫通検出後のガス流量低下後に、アークを一旦消弧して再点弧をしてから、絶縁破壊時間内に測定されたアーク電圧を検量線データと照合する。このようにアークを着火して絶縁破壊時間に達する前に測定される電圧は、通電経路が何も確保されていない状態で絶縁破壊してアーク放電するときの電圧なので、アークが安定してから検出される電圧に比べて大きな値となる。つまり、絶縁破壊時間内に測定されたアーク電圧に基づいて貫通孔の下孔径を検出する場合、インライン検査を高精度に行うことができる。
ここで、アーク再点弧をする場合、ガス流量低下後の下孔径を高精度に検出できる理由は、図6および図12のグラフから自明である。図6および図12のグラフは、横軸が同じであるが、縦軸の電圧値の目盛りが異なる。具体的には、図6のグラフにおいて、例えばガス量を流量毎分3リットル(3L/min)の場合、3φのテストピースを用いたときのアーク電圧値と、6φのテストピースを用いたときのアーク電圧値との間の電圧変化幅701はおよそ3V程度であった。一方、図12のグラフにおいて例えばガス量を流量毎分4リットル(4L/min)の場合、3φのテストピースを用いたときのアーク電圧値と、6φのテストピースを用いたときのアーク電圧値との間の電圧変化幅801はおよそ50V程度である。したがって、貫通孔径検出手段32Aの立上り電圧照合手段325は、ガス流量低下後の下孔径を第2孔径照合手段323よりも高精度に検出することができる。
また、プラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法に対して本発明の第2実施形態に係るインライン検査方法を用いることにより、この貫通溶接方法を実施するための溶接システムにおいて第1実施形態と同様に品質保証精度が向上する。さらに、本実施形態のインライン検査方法を実現するインライン検査装置10Aは、簡易な構成で、インライン検査を迅速に行うことができ、製造コストを低減することができる。
以上、本発明のインライン検査方法の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、前記した各実施形態に限定されるものではない。例えば、各実施形態では、インライン検査装置10,10Aを溶接電源5や溶接制御装置7とは別に設けたが、これに限定されず、溶接電源5または溶接制御装置7の中に組み込んでもよい。あるいはそれらを1つのユニットに組み込む構成としてもよいことは勿論である。
また、前記実施形態では、重ね合わせた複数のワークにおいて上板と下板との隙間はないものとして説明したが、本発明のインライン検査方法において、予めワーク間に隙間のあるケースで検量線データを取得しておけば、ワーク間に隙間があっても同様な効果を奏することができる。
また、第2実施形態では、ガス量低下状態において、第2孔径照合手段323によって照合を行ってから、アークを一旦消弧して再点弧をしてから立上り電圧照合手段325によって検量線と照合することとしたが、第2孔径照合手段323による照合をスキップしても同様の効果を奏することができる。この場合、貫通検出後に図14のステップS18と同じタイムリミットまでの間の所定時間内にアークオフする。これにより、図14のステップS16の判別でなかなかYesにならずにタイムリミットになってしまって否判定になるようなケースを低減することができる。
1 溶接システム
2 溶接トーチ
3 ロボット
4 ロボット制御装置
5 溶接電源
6 フィラー供給装置
7 溶接制御装置
8 プラズマトーチ
9 MIGトーチ
10,10A インライン検査装置
11 電圧監視手段
12 記憶手段
13 処理手段
21 下孔径−電圧データ(検量線データ)
22 ガス量−電圧データ(検量線データ)
23 再点弧データ(検量線データ)
31 貫通検出手段
311 トーチ高さ算出手段
312 増分演算手段
313 増分判別手段
314 増加率演算手段
315 増加率判別手段
32,32A 貫通孔径検出手段
321 第1孔径照合手段
322 ガス流量低下指示手段
323 第2孔径照合手段
324 アーク点弧制御手段
325 立上り電圧照合手段
326 孔径確認手段
51 プラズマ電源
52 MIG電源
53 ガス供給装置
54 電圧検出器
W ワーク

Claims (3)

  1. 重ね合わせた複数のワークを貫通溶接する際、貫通孔をインラインで検査するインライン検査装置におけるインライン検査方法であって、
    前記インライン検査装置は、
    ワークの板厚ごと及びプラズマガス流量を含む溶接条件ごとに予め求められた、ワークに形成された貫通孔の下孔径と、プラズマアーク溶接のアーク電圧との関係を示す検量線データを記憶する記憶手段と、処理手段とを備え、
    前記処理手段は、
    プラズマアーク溶接中のアーク電圧を監視し、アーク電圧に基づいて前記重ね合わせた複数のワークが貫通したことを検出する貫通検出工程と、
    貫通検出後にアーク電圧値を測定すると共に、その後、プラズマガス流量を低下させたときのアーク電圧を測定する電圧測定工程と、
    前記測定されたガス流量低下前後のアーク電圧を前記検量線データと照合することで、形成された貫通孔の下孔径を検出する貫通孔径検出工程とを実行することを特徴とするインライン検査方法。
  2. 前記インライン検査装置の前記記憶手段は、ワークの板厚及び溶接条件ごとに予め求められた検量線データとして、前記重ね合わせた複数のワークに既に形成された所望サイズの貫通孔にプラズマアーク溶接によりアークを再点弧したときの電圧立上り時のアークが安定する前の時刻であって予め定められた絶縁破壊時間内のアーク電圧と前記下孔径との対応関係を示す再点弧データをさらに記憶し、
    前記電圧測定工程は、プラズマガス量を低下させた状態で、プラズマアークを一旦消弧して再点弧した後のアーク電圧値を検出し、
    前記貫通孔径検出工程は、ガス流量低下後のアーク電圧値として前記再点弧した後に検出されたアーク電圧を検量線データである前記再点弧データと照合することで、形成された貫通孔の下孔径を検出することを特徴とする請求項1に記載のインライン検査方法。
  3. プラズマアーク溶接とMIG溶接とを組み合わせたプラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法であって、
    プラズマトーチが、プラズマアークにより、重ね合わせた複数のワークに貫通孔を形成する工程と、
    請求項1または請求項2に記載のインライン検査方法により前記インライン検査装置が前記貫通孔をインラインで検査する工程と、
    MIGトーチがMIG溶接により前記貫通孔を埋めて前記重ね合わせた複数のワークを溶接する工程と、を有することを特徴とするプラズマ-MIG溶接による貫通溶接方法。
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