JP2014000585A - 取鍋ノズルの使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】取鍋ノズルを構成する耐火物間への溶鋼の浸入防止及び耐火物の亀裂の発生防止を確実に行いつつ、容易に溶鋼の流量を調整する。
【解決手段】取鍋2の下部に設けられた溶鋼を通す取鍋側溶鋼孔19を、少なくとも2枚の耐火物をスライドさせて開閉する取鍋ノズル3を用いるに際し、耐火物の厚みtを30〜50mmとし、耐火物のスライド方向の長さLを500〜550mmとし、耐火物の幅Wを200〜300mmとし、耐火物側溶鋼孔30の孔径を75〜90mmとし、耐火物の組成をAlが72〜80質量%、Zrが8〜15質量%、Cが5〜20質量%とする。また、耐火物側溶鋼孔30の周辺の温度を、500℃〜1600℃として、耐火物側溶鋼孔30に取鍋2内の溶鋼を通す。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば、取鍋の下部に設けられた溶鋼を通す孔(取鍋側溶鋼孔)を、少なくとも2枚の耐火物をスライドさせて開閉する取鍋ノズルの使用方法に関する。
従来より、取鍋の下部には、スライドして開閉することにより当該取鍋内の溶鋼を出湯する取鍋ノズル(スライディングノズル)が設けられている。この取鍋ノズルは、取鍋に固定された上プレートと、この上プレートの下部に設けられて油圧シリンダ等の駆動により水平方向にスライドする下プレートとから主構成されている。下プレートをスライドしてスライドバルブを開状態にすることにより溶鋼を出湯することができる。取鍋ノズルの構造や取鍋ノズルの使用に関する技術として特許文献1〜4に示すものがある。
特許文献1では、プレート煉瓦の装置本体側に対する位置決め用突起を、プレート煉瓦のノズル中心部の円筒部のプレート煉瓦セット時と使用初期との温度差によりノズル中心に対するずれ量が少くとも0.5mm以下となる位置に設けている。
特許文献2では、溶融金属容器の底部に固定され、固定プレートを保持する固定金枠、及び/又は、固定金枠に対して開閉可能に設けられた開閉金枠に振動計を設置し、摺動プレートが開方向に摺動する際の振動波形を前記振動計により測定し、測定された振動波形の波形面積を求め、該波形面積を予め設定した判定基準値と比較し、該波形面積が前記判定基準値を超えた場合に、前記スライディングノズル用プレートを不良品と判定している。
特許文献3では、タンディッシュ内の溶鋼をその底部に設けられた溶鋼流出口から上プレート、スライディングノズルおよび浸漬ノズルを介して鋳型に供給して連続的に鋳造を行う連続鋳造方法であって、上プレートの内部にヒーターを設け、そのヒーターにより上プレートを800℃以上に加熱し、スライディングノズルを閉じた状態でタンディッシュ内に溶鋼を注ぎ上げ、その後スライディングノズルを開いて鋳造を開始している。
特許文献4では、溶鋼の流出孔がそれぞれ形成された固定プレートと摺動プレートとを有するスライディングノズルを溶鋼容器の底部に配置して、該摺動プレートの摺動操作により前記溶鋼の流出量を制御する溶鋼鋳造用スライディングノズルのシール方法において、固定プレート又は摺動プレートの摺動面に流出孔を囲む溝状のガスシール部を設け、該ガスシール部にスライディングノズルの使用温度において溶融するシール材を充填している。
特開平09−220653号公報 特開2009−208083号公報 特開2000−210761号公報 特開平10−235457号公報
上述した如く、取鍋ノズル(スライディングノズル)は、少なくとも2つのプレートが摺動し溶鋼孔を開閉する構成となっているため、プレート間に溶鋼が浸入し漏鋼する危険性を孕むものとなっている。加えて、取鍋ノズルを通過する溶鋼は高温となっており、取鍋ノズルの使用方法が不適切であれば、プレートを構成する耐火物に亀裂が発生する虞もある。
ところが、上記した特許文献1には、地金差しや溶鋼の漏鋼の発生を防止することが開示されているものの、取鍋ノズルの構造や取鍋ノズルの使用方法について詳細に述べられておらず、この技術を適用しても確実に溶鋼の漏鋼等を防止することができないのが実情である。
また、特許文献2〜4には、取鍋ノズルの構造や取鍋ノズルの使用について開示されているものの、これらの文献は溶鋼の漏鋼等を防止する技術を開示しておらず、これらの技
術を採用したとしても、取鍋ノズルを構成する耐火物間への溶鋼の浸入、耐火物の亀裂の発生などを防止することが難しい技術である。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、取鍋ノズルを構成する耐火物間への溶鋼の浸入防止及び耐火物の亀裂の発生防止をしながら容易に溶鋼の流量を調整することができる取鍋ノズルの使用方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、取鍋の下部に設けられた溶鋼を通す取鍋側溶鋼孔を、少なくとも2枚の耐火物をスライドさせて開閉する取鍋ノズルを用いるに際し、前記耐火物の厚みを30〜50mmとし、耐火物のスライド方向の長さを500〜550mmとし、耐火物の幅を200〜300mmとし、前記耐火物に設けた耐火物側溶鋼孔の孔径を75〜90mmとし、且つ、耐火物の組成をAlが72〜80質量%、Zrが8〜15質量%、Cが5〜20質量%としておき、前記耐火物側溶鋼孔の周辺の温度を、500℃〜1600℃として前記耐火物側溶鋼孔に取鍋内の溶鋼を通すことを特徴とする。
本発明によれば、耐火物間への溶鋼の浸入防止及び耐火物の亀裂の発生防止をしながら容易に溶鋼の流量を調整することができる。
取鍋を設置した連続鋳造装置の全体図である。 取鍋及び取鍋に取り付けた取鍋ノズルを示した図である。 取鍋ノズルの拡大図である。 上プレート及び下プレートの詳細図である。 耐火物側溶鋼孔に溶鋼を通過させたときの耐火物側溶鋼孔の縁端からの距離と温度(内部温度)との関係図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
製鉄所における製鋼工程では、まず、転炉や電気炉等にて一次精錬処理が終了した溶鋼を取鍋に出鋼し、溶鋼が装入された取鍋は二次精錬設備に搬送される。二次精錬設備では、取鍋内の溶鋼の介在物の除去や成分調整等の二次精錬処理が行われる。そして、二次精錬処理後は、取鍋は連続鋳造装置に搬送されて当該連続鋳造装置に設置される。
図1に示すように、連続鋳造装置1では、まず、取鍋2の下部に設けた取鍋ノズル3を開閉して、連続鋳造装置1のタンディッシュ4内に取鍋2内の溶鋼を注入する。タンディッシュ4に注入された溶鋼は、浸漬ノズル5を介してタンディッシュ4の下部に設置した鋳型6に注ぎ込まれ、鋳型6により冷却されて鋳片となり、連続的に溶鋼が鋳造される。
本発明は、転炉から連続鋳造装置1に亘って使用される取鍋2において、当該取鍋2の下部に設けられた取鍋ノズル3の使用方法を規定したものである。特に、取鍋ノズル3が有する上下2枚のプレート状とされた耐火物の構造、使用時における耐火物の温度等を規定することによって、上下2枚のプレート状の耐火物間への溶鋼の浸入防止、耐火物の亀裂の発生防止、溶鋼の流量制御を可能としている。
まず、図2、3を用いて取鍋及び取鍋ノズルについて詳しく説明する。
なお、図2、3は取鍋2を正置させた状態で取鍋ノズル3を取り付けた状態であり、説明の便宜上、図を見て上下を上下方向とする。ただし、取鍋2及び取鍋ノズル3の形状等は、図2、3の示すものに限定されない。
図2に示すように、取鍋2は、本体を構成する上部が開放となった円柱状の鉄皮10を備えている。この鉄皮10の稼働面側(溶鋼が入る側)には、定形の耐火物で構成された第1パーマ煉瓦11が施工されている。鉄皮10内において、鉄皮10の胴部12に対応する部分には、第1パーマ煉瓦11に続き、さらに当該第1パーマ煉瓦11の内側に2層目となる第2パーマ煉瓦13が施工されている。また、鉄皮10内において、鉄皮10の敷部14及び鉄皮10の胴部12に対応する部分には、不定形耐火物であるキャスタブル
(アルミナマグネシア材質)15が施工されている。キャスタブル15の上側であって、スラグライン部16に対応する部分には、定形耐火物であるマグカーボン(MgO−C耐火物)17が施工されている。このような取鍋2の敷部14において、鉄皮10、第1パーマ煉瓦11(定形耐火物)及びキャスタブル15は上下に貫通していて、その貫通部分に円筒状のノズル18が取り付けられている。ノズル18の内部(孔)は、取鍋2と連通していて、取鍋2内の溶鋼(溶鋼という)を外部へ排出する取鍋側溶鋼孔19とされている。
図2、図3に示すように、取鍋ノズル3は、溶鋼を通す取鍋側溶鋼孔19を、少なくとも2枚の板状の耐火物(定形耐火物)をスライドさせて開閉し、溶鋼の遮断や流量制御を行うものである。
具体的には、取鍋ノズル3は、定形耐火物で構成された板状(矩形状)の1枚の上プレート20と、定形耐火物で構成された板状(矩形状)の1枚の下プレート21と、下プレート21が嵌り込んで当該下プレート21をスライドさせるスライド部材22と、上プレート20、下プレート21及びスライド部材22を収容して支持するハウジング23とを有している。
ハウジング23は、取鍋2の下部の鉄皮10に固定された上枠体24と、この上枠体24の下側に設けられた枢支軸25に揺動自在に枢支された下枠体29とを有している。上枠体24の内壁側には下に凹状の嵌合部26が形成されている。上枠体24と下枠体29との間には、上枠体24と下枠体29とを締結する締結具(ボルト等)27が設けられている。また、下枠体29には、支持部28が設置できるようになっている。
上プレート20は、上枠体24の嵌合部26に嵌合されることで移動不能に固定されている。下プレート21は、上プレート20の下側に配置されてスライド部材22に取り付けられている。下プレート21がスライド部材22に取り付けられた状態では、上プレート20の下面と下プレート21の上面とは面接触していて、後述するように、スライド部材22をスライドさせると、当該下プレート21の上面は、上プレート20の下面を水平方向に摺動するようになっている。
上プレート20及び下プレート21には、上下に貫通していて取鍋2(取鍋側溶鋼孔19)から排出された溶鋼を通す耐火物側溶鋼孔30が設けられている。詳しくは、上プレート20の上面には、取鍋側(上方)に突出する円形状の上ダボ部31が設けられ、下プレート21の下面は取鍋側とは反対側(下側)に突出する円形状の下ダボ部32が設けられ、上ダボ部31及び下ダボ部32には、上下に貫通する貫通孔が設けられ、この貫通孔が耐火物側溶鋼孔30とされている。
スライド部材22は、上枠体24と支持部28との間に設けられ、支持部28の上面を水平方向にスライドするようになっている。スライド部材22の一端に設けられた油圧シリンダ33を伸縮させることで、スライド部材22は支持部28の上面を摺動しながら水平方向にスライドすると共に、スライド部材22のスライドに伴って下プレート21は上プレート20に摺動しながら水平方向にスライドする。
これにより、上プレート20の耐火物側溶鋼孔30と、下プレート21の耐火物側溶鋼孔30との重なり度合いが変化し、当該耐火物側溶鋼孔30を通過する溶鋼の流量を調整することができるようになっている。なお、下プレート21の下側には、筒状のホルダ34が取り付けられており、ホルダ34の内部には耐火物側溶鋼孔30に連通する連通孔が形成されている。ホルダ34は下プレート21のスライドに伴って移動する。
さて、上プレート20及び下プレート21を取鍋ノズル3内に取り付けるには、まず、下枠体29の先端部を下側に下降させることにより下枠体29を開状態とする。そして、上枠体24の嵌合部26に上プレート20を嵌めこむと共に、下プレート21の上面を上プレート20の下面に合わせ、さらにスライド部材22を下プレート21の下面に設置する。そして、下枠体29の内壁側に支持部28を設置すると共に下枠体29の先端部を上枠体24に近づける(下枠体29を閉鎖する)ことにより、支持部28の上面をスライド部材22に押しつけ、上枠体24と下枠体29との間で、上プレート20、下プレート21、スライド部材22を重ね合わせた後、下枠体29と上枠体24とを締結具27によっ
て締め付ける。このように、上プレート20と下プレート21とは、下枠体29と上枠体24とによる上下の圧力により、取り付けられるようになっている。なお、上プレート20と下プレート21は、上下方向の他に、左右、前後の4面方向からも圧力を加えられて締め付けられている。
ここで、締結具27による上下の締め付け力が弱いと、取鍋ノズル3を使用中に上プレート20と下プレート21との間に隙間が生じ、この隙間に溶鋼が流入することがあることから、締結具27による上下の締め付け力は、0.9〜1.6Mpaとしている。このように締め付けることによって、取鍋ノズル3の使用中に上プレート20や下プレート21とに発生する亀裂を抑制すると共に、上プレート20と下プレート21との間の隙間を小さくし、使用中での隙間へ溶鋼の流入を抑制している。
さて、取鍋ノズル3を使用中に、上プレート20と下プレート21との間の隙間に溶鋼が差し込んでしまうと溶鋼が外部に漏れる可能性がある。また、上プレート20と下プレート21の強度が弱いと、取鍋ノズル3の使用中に、上プレート20や下プレート21に亀裂が発生して亀裂を介して溶鋼が差し込む可能性がある。このようなことを確実に防止するために、本発明では、上プレート20及び下プレート21の構造を下記に示すものとしている。
以下、上プレート20及び下プレート21についてさらに詳しく説明する。
図4に示すように、上プレート20及び下プレート21の厚み、即ち、耐火物の厚みtは30〜50mmとしている。耐火物の厚みtが30mmよりも薄いと強度が低下し、取鍋ノズル3の使用中に亀裂が発生す可能性がある。また、耐火物の厚みtが50mmよりも大きいと、溶鋼が耐火物側溶鋼孔30を通過する距離が長くなるため、耐火物側溶鋼孔30を構成する孔壁(壁部)に溶鋼中の介在物が付着して、耐火物側溶鋼孔30を閉塞させる可能性がある。また、耐火物の厚みtが50mmよりも大きいと、上プレート20及び下プレート21の重量が大きくなり、構造上可動性が低下する可能性がある。なお、上プレート20及び下プレート21の厚み(耐火物)は、上ダボ部31や下ダボ部32を除く平坦部分の厚みのことである。
上プレート20及び下プレート21の長さ(スライド方向の長さ)Lは、500〜550mmとしている。また、上プレート20及び下プレート21の幅W(スライド方向と直交する方向の長さ)は、200〜300mmとしている。上プレート20の長さL及び幅W、或いは、下プレート21の長さL及び幅Wが下限値よりも小さい場合は、締結具27にて締め付けた場合に、その圧力によって亀裂が発生する可能性がある。一方、上プレート20の長さL及び幅W、或いは、下プレート21の長さL及び幅Wが上限値よりも大きい場合は、溶鋼が通過する耐火物側溶鋼孔30の周辺と、外周部との温度差が大きくなり、この温度差によって生じる耐火物の内部応力よって亀裂が発生する可能性がある。
上プレート20及び下プレート21に設けた耐火物側溶鋼孔30の内径(孔径)は、75〜90mmとしている。耐火物側溶鋼孔30の孔径が75mmよりも小さいと、耐火物側溶鋼孔30を通過する溶鋼の介在物が孔の周辺に付着した場合や取鍋2内の溶鋼量が少なくなった場合には、通過する溶鋼の流量制御ができなくなる。一方、耐火物側溶鋼孔30の孔径が90mmよりも大きい場合は、耐火物全体の強度が低下し、締結具27の締め付け力により、耐火物側溶鋼孔30の孔周辺部に亀裂が発生する可能性がある。なお、耐火物の厚みt、耐火物のスライド方向の長さL、耐火物の幅W、耐火物側溶鋼孔30の孔径は、上プレート20や下プレート21を取鍋ノズル3に新しく取り付ける前、若しくは、新しく取り付けた後、当該取鍋ノズル3を使用する前の寸法である。
上プレート20及び下プレート21を構成する耐火物は、溶鋼が長時間通過する耐火物側溶鋼孔30を有すると共に、さらに、溶鋼の流量の制御を直接行うものであるため、溶鋼の通過初期の熱衝撃に対する耐熱衝撃性、通過する溶鋼による磨耗及び化学的侵食に対する耐食が要求される。このようなことから、上プレート20及び下プレート21の組成、即ち、耐火物の組成は、Alが72〜80質量%、Zrが8〜15質量%、Cが5〜20質量%としている。このようにAlを72〜80質量%とし、Cを5〜20質量%とすることによって、耐火物の耐食性と耐熱衝撃性を向上させている。Z
を8〜15質量%とすることによって、更に耐食性と耐熱衝撃性を向上させている。
以上、取鍋ノズル3についてまとめると、上プレート20及び下プレート21を構成する耐火物について、本発明では、耐火物の厚みtを30〜50mmとし、耐火物のスライド方向の長さを500〜550mmとし、耐火物の幅を200〜300mmとし、耐火物側溶鋼孔30の孔径を75〜90mmとし、且つ、耐火物の組成をAlが72〜80質量%、Zrが8〜15質量%、Cが5〜20質量%としている。
さて、上述したように、締結具27によって締め付けを行うことで、上プレート20と下プレート21との間に隙間が発生しないようにし溶鋼の差し込みを防止することとしているが、取鍋ノズル3を使用する際には(溶鋼を耐火物側溶鋼孔30を通過させるとき)、耐火物側溶鋼孔30の周辺の温度を500℃〜1600℃としている。
耐火物側溶鋼孔30の周辺の温度を500℃以上にすると、上プレート20及び下プレート21(耐火物)が膨張するため、上プレート20と下プレート21との間(上下面の隙間)がさらに狭くなり密着度が高くなる。耐火物側溶鋼孔30の周辺の温度は、500℃以上とすることが好ましいが、周辺の温度が1600℃を超えてしまうと、耐火物の溶損速度が早くなって寿命が極端に短くなったり、急激に孔径が拡大してしまうと、溶鋼の流量制御を行うのが難しくなる。
図5は、耐火物側溶鋼孔に溶鋼を通過させたときの耐火物側溶鋼孔端(孔を構成する孔壁)からの水平距離と、温度(内部温度)の関係を示したものである。
図5に示すように、溶鋼が通過したとき、耐火物側溶鋼孔30の直近の耐火物の内部温度は高く、スライド方向(水平方向)にいくにしたがって温度は低くなる。ダボ部(上ダボ部31)を超えて外側となる位置では、耐火物の内部温度は急激に下がることから、上プレート20と下プレート21との間の隙間に影響する温度は、ダボ部(上ダボ部31)までの温度であると考えられる。
このようなことから本発明では、上プレート20の上ダボ部31の端部(上方に突出する部分と平坦部との境界)の直下で、且つ、上プレート20と下プレート21との合わせ面(ポイントP)を、耐火物側溶鋼孔30の周辺の温度として、この温度が500℃以上1600℃以下となるようにすることにより、上プレート20と下プレート21との間の隙間を小さくしている。
耐火物側溶鋼孔30の周辺の温度を500℃〜1600℃にするにあたっては、耐火物側溶鋼孔30に溶鋼を通す前(取鍋ノズル3を使用する前)に、耐火物側溶鋼孔30に木炭又はチャコールブリケットを挿入して、これらを燃料させることにより、温度を上昇させることとしている。なお、耐火物側溶鋼孔30の周辺の温度を、ガス等を用いて上昇させてもよいし、取鍋2内の予熱を用いて温度を上昇させてもよい。
そして、耐火物側溶鋼孔30の周辺の温度が500℃〜1600℃になると、取鍋2に溶鋼を装入して、スライド部材22をスライドさせることにより、耐火物側溶鋼孔30に取鍋2内の溶鋼を通して、例えば、上述したように、タンディッシュ4に溶鋼を注入する。
さて、取鍋ノズル3の使用方法を実施するに際しては、下記に示す実施条件で行うとよい。本発明を適用する実施条件について説明する。
取鍋2は、円筒状のものを用いることとし、鉄皮10の外形としては、底部の直径が約4.0m、上部の直径が約4.3m、高さが約4.3mのサイズのものを使用する。取鍋2の敷部14に施工したキャスタブル15の厚みは、310〜450mm、胴部に施工したキャスタブル15の厚みは、120〜210mmとする。キャスタブル15は、アルミナとマグネシア系の不定形耐火物で、Alが93質量%、MgOが7質量%含有するものを用いる。取鍋2の胴部12中で、溶鋼とスラグとが接する部位(スラグラインであって、鍋底からの距離で約2.3m〜3.5mの場所)の定形耐火物は、マグネシアカーボン系のものを用い、MgOが7質量%、Cが15質量%、その他が6質量%のものを用いる。
取鍋2の設けた取鍋側溶鋼孔19の周辺の耐火物は、円筒形をしたプレキャスト製の耐
火物を使用しており、Alが75質量%、MgOが10質量%、Cが10質量%、その他が10質量%のものを用いる。
上プレート20、下プレート21を構成する耐火物の形状は、厚みが30〜50mm、移動方向長さが500〜550mm、幅が200〜300mmとする。ダボ部の厚みは、平坦部の厚みよりも約20mm大きくする。上プレート20及び下プレート21の材質は、Al、Zr、Cを主体としたものであり、Alを72〜80質量%、Zrを8〜15質量%、Cを5〜20質量%とする。溶鋼成分は、C、Mg、Si、Alを主に含有する普通鋼を対象とした。溶鋼成分は、サンプラーを用いて取鍋2内の溶鋼から採取し、凝固させた鋼を化学分析して求めた。溶鋼温度は、取鍋2中の溶鋼に熱電対を用いた温度計を浸漬させることで測定する。取鍋2内の溶鋼湯面から約30cm、胴部12(側壁)から約100cmの位置で測定した。取鍋2からタンディッシュ4に注入する溶鋼の流速(溶鋼通過量)は、2.5〜5.5ton/minとする。耐火物側溶鋼孔30を構成する孔壁から上ダボ部31の端部までの水平距離は、例えば、38〜42mmとしたうえで、この水平距離となるポイントPでの温度(耐火物側溶鋼孔の周辺の温度)が500℃〜1600℃となるように加熱する。
表1に示した実施例1〜10は、上述した実施条件(本発明に規定した条件)で操業を行った一例を示したものであり、表1に示した比較例1〜8は、本発明に規定した条件とは異なる条件で創業を行った一例を示したものである。
Figure 2014000585
実施例及び比較例では、耐火物間への溶鋼の浸入の有無、耐火物の亀裂の有無、溶鋼の流量制御の容易性(連鋳引抜速度低下の有無)について評価した。
耐火物間への溶鋼の浸入の有無は、取鍋ノズル3の使用前に新しく設置した上プレート20及び下プレート21の耐火物側溶鋼孔30の孔径(初期の孔径)に対して、約1.3倍まで孔径が大きくなるまで取鍋ノズル3を使用し、その後、上プレート20及び下プ
レート21を取り外して、上プレート20及び下プレート21を交換するときに、耐火物間を確認することにより判断した。上プレート20及び下プレート21の交換時、耐火物側溶鋼孔30を通過していた溶鋼が耐火物間に浸入して地金となっている場合がある。この地金は、ダボ部に発生した隙間が大きい場合に発生し易く、使用中は溶鋼が隙間に浸入しており、溶鋼が隙間を経由して取鍋ノズル3の外側に漏れる可能性がある。即ち、耐火物間への溶鋼の浸入の有無は、上プレート20及び下プレート21の交換時において、上プレート20及び下プレート21に差し込んだ地金の状況を見ることによって判断した。
耐火物の亀裂の有無は、上プレート20及び下プレート21の交換時に、耐火物側溶鋼孔30の周辺部の損傷状態(亀裂の有無)を確認することによって判断した。
溶鋼の流量制御では、取鍋2からタンディッシュ4に排出する溶鋼の流速と、連続鋳造装置1における鋳片の鋳造速度と同調して制御しなければならないが、下プレート21をスライドさせて溶鋼の流速を変化させても、鋳造速度に同調できない場合、連続鋳造装置1の鋳造速度を低下させなければならない。このようなことから、溶鋼の流量制御の評価では、取鍋ノズル3が原因で連続鋳造装置1における鋳造速度を低下させた場合を、不良「×」とした。
実施例1〜10では、上プレート20及び下プレート21を構成する「耐火物の厚みt」、「耐火物のスライド方向の長さL」、「耐火物の幅W」、「耐火物側溶鋼孔30の孔径」、「耐火物の組成」のいずれも、本発明に規定した範囲内である。しかも、取鍋ノズル3を使用するとき(開始時)の「耐火物側溶鋼孔30の周辺の温度」も、本発明に規定した範囲内であることから、「耐火物間への地金(溶鋼)浸入の欄」に示すように、耐火物間への溶鋼の浸入もなく、「耐火物の損傷(亀裂発生)の欄」に示すように、耐火物の亀裂の発生もなかった。加えて、「溶鋼の流量制御(連鋳引抜速度低下)の欄」に示すように、鋳造速度の低下もなく容易に溶鋼の流量を調整することができた。
一方、比較例1〜8は、上述した条件とは異なる条件で操業を例を示したものである。比較例1〜8では、「耐火物の厚みt」、「耐火物のスライド方向の長さL」、「耐火物の幅W」、「耐火物側溶鋼孔30の孔径」、「耐火物の組成」、「耐火物側溶鋼孔30の周辺の温度」のいずれかが、本発明に規定した範囲から外れているため、「耐火物間への溶鋼の浸入」、「耐火物の亀裂の発生」、「連鋳引抜速度低下」のいずれかが発生した。
以上、本発明によれば、上プレート20及び下プレート21を構成する耐火物において、耐火物の厚みtを30〜50mmとし、耐火物のスライド方向の長さを500〜550mmとし、耐火物の幅を200〜300mmとし、耐火物側溶鋼孔30の孔径を75〜90mmとしており、さらに、耐火物の組成をAlが72〜80質量%、Zrが8〜15質量%、Cが5〜20質量%としている。そのうえで、取鍋ノズル3を使用する際には、耐火物側溶鋼孔30の周辺の温度を、500℃〜1600℃として耐火物側溶鋼孔30に取鍋2内の溶鋼を通しているため、耐火物間への溶鋼の浸入防止及び耐火物の亀裂の発生防止をしながら容易に溶鋼の流量を調整することができる。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 連続鋳造装置
2 取鍋
3 取鍋ノズル
4 タンディッシュ
5 浸漬ノズル
6 鋳型
10 鉄皮
11 第1パーマ煉瓦
12 胴部
13 第2パーマ煉瓦
14 敷部
15 キャスタブル
16 スラグライン部
17 マグカーボン
18 ノズル
19 取鍋側溶鋼孔
20 上プレート
21 下プレート
22 スライド部材
23 ハウジング
24 上枠体
25 枢支軸
26 嵌合部
27 締結具
28 支持部
29 下枠体
30 耐火物側溶鋼孔
31 上ダボ部
32 下ダボ部
33 油圧シリンダ
34 ホルダ

Claims (1)

  1. 取鍋の下部に設けられた溶鋼を通す取鍋側溶鋼孔を、少なくとも2枚の耐火物をスライドさせて開閉する取鍋ノズルを用いるに際し、
    前記耐火物の厚みを30〜50mmとし、耐火物のスライド方向の長さを500〜550mmとし、耐火物の幅を200〜300mmとし、前記耐火物に設けた耐火物側溶鋼孔の孔径を75〜90mmとし、且つ、耐火物の組成をAlが72〜80質量%、Zrが8〜15質量%、Cが5〜20質量%としておき、
    前記耐火物側溶鋼孔の周辺の温度を、500℃〜1600℃として前記耐火物側溶鋼孔に取鍋内の溶鋼を通すことを特徴とする取鍋ノズルの使用方法。
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