JP2013544991A - サンドイッチパネル - Google Patents

Abstract

本発明は、第１のカバー層（１２）と、第１のカバー層（１２）に対して略平行な第２のカバー層（１４）と、両カバー層（１２，１４）間に設けられたサンドイッチコア（１６）とを備え、長辺に２つの対向する端面（２０）を有するサンドイッチパネルに関する。本発明は、端面が、（イ）同じ向きで端面において接合され当接する２つのサンドイッチパネルが互いに９０°の角度をなして配置されているように、かつ（ロ）逆向きで端面において接合され当接する２つのサンドイッチパネルが同じ平面内に位置し、つまり１８０°の結合部が実現されているように、斜面又は段部を有して形成されていることを特徴とする。

Description

本発明は、請求項１の前提部に記載のサンドイッチパネルに関する。

相応のサンドイッチパネルは、既に、本願の出願時には未公開のＤＥ１０２００９０３６５８２号及びＤＥ１０２００９０３６５８３号の両刊行物に記載されている。

特にサンドイッチパネルは、安く建てたい建物あるいは家屋のためのプレハブ要素として使用されている。

従来、このようなサンドイッチパネルは、面構造、例えば壁構造を形成する際に、結合用異形材を介して端面において互いに連結される。特に、角隅結合時、つまり例えば９０°の角度を有する壁角隅の形成時、このような結合用異形材（本例では角隅結合用異形材）が使用される。

しかし、このような結合用異形材を使用した場合の欠点は、壁を形成するために必要な構造要素の増加にあり、このことは、コストを上昇させ、物流等の複雑性を高める。

本発明の課題は、面状の構造物、例えば壁又は天井を、前述のサンドイッチパネルから、１８０°の角度でも９０°の角度でも、付加的な結合用異形材なしに形成し、かつ組み立てることができるようにすることである。特に、このサンドイッチパネルから建物のための壁を形成することができ、その際、可及的少数の種々異なる構成部材を使用し、サンドイッチパネルが懸装されるか、又は取り付けられるフレームシステムを省略することができることが望ましい。

上記課題は、請求項１に記載の特徴により解決される。

これに応じて、冒頭で述べた形態のサンドイッチパネルにおいて、対向する互いに平行な２つの長辺における端面は、（イ）互いに９０°の角度をなすように回転された２つのサンドイッチパネルが端面において形状結合（ｆｏｒｍｓｃｈｌｕｅｓｓｉｇ：形状による束縛）式に接合可能であり、９０°の角隅をなすように、かつ（ロ）１８０°回転されたサンドイッチパネルが、回転されていない他のサンドイッチパネルに形状結合式に互いに接続可能であり、１８０°の結合部を実現するように、斜面又は段部を有して形成されている。こうして、付加的な異形材、フレーム又はその他の結合要素なしに、壁と、９０°の角度をなした角隅結合部とを形成することができる。その際、端面は、一段の段付けに限らず、多段に段付けされていても、別の適当な形態で形成されていてもよい。

端面が一段段付けされている場合、好ましくは段部のすべての面は、同じ幅に選択されている。それというのも、このように形成することで、２つの接合すべきサンドイッチパネルの隣接する端面の対面し合う面の全面的な当接に至るからである。

端面は、付加的な異形材をサンドイッチパネルに装入することにより形成されてもよい。

端面に斜面を付す態様においても、段部を付す態様においても、結合部が１８０°の結合部であるか、９０°の結合部であるかにかかわらず、２つの隣接するサンドイッチパネルをねじ結合、接着、リベット止め等によって互いに固定することも可能である。

特に好ましい態様において、端面の面には、単数又は複数のシール装置、例えば端面の全長にわたって延在するシールビード（Ｄｉｃｈｔｒａｕｐｅ）が設けられている。その結果、隣接する２つのサンドイッチパネルの湿気及び風に対して密な連結が形成可能である。これらのシール装置は、少なくとも部分的に溝内に収容されていてもよいし、端面が例えば押し出し成形された異形材からなる場合には、端面に既に組み込まれていてもよい。

別の好ましい態様において、サンドイッチパネルは、標準化されて、所定の数の長さ、例えば３つの長さで形成されており、これらのサンドイッチパネルにより、戸及び窓の開口部を有する壁並びにこれらの開口部を有しない壁が、多様性の低い要素のみを用いて形成される。

カバー層は、一態様において、鋼、アルミニウム、プラスチック又はプラスチックコンパウンド又は木材からなるか、又はこれらの材料を含んでいてよい。サンドイッチコアは、例えば構造の剛性に寄与する絶縁材料、例えばポリウレタン、ポリスチレン又は鉱物ウールからなっていてよい。

特に好ましい態様において、サンドイッチパネルの一方又は両方の端面は、一方又は両方のカバー層の適当な変形加工によって形成されている。その結果、各々の端面は、カバー層と一体的に形成されている。

カバー層は、種々異なる形式で互いに結合可能である。一方では、サンドイッチコアにより互いに結合、例えば接着されていてもよい。他方では、カバー層を直接互いに結合、例えば適当な折り畳み、リベット止め又はクリップ係止によって結合されていてもよい。結合は、直接行われても、別体の要素を介して行われてもよい。

以下に、本発明について、具体的な実施の形態に基づいて、添付図面を参照しながら詳説する。

本発明に係るサンドイッチパネルの概略断面図である。 ９０°の角度で互いに接合される、９０°の角隅結合部を形成するサンドイッチパネルの概略断面図である。 中央のサンドイッチパネルが１８０°向きを変えて配向されている、平らな壁面を形成する３つのサンドイッチパネルの概略断面図である。 固定をねじ結合によって実現している図３と同様の概略断面図である。 隣接する両サンドイッチパネルの固定をねじ結合によって実現している図４と同様の概略断面図である。 サンドイッチパネルの端面に設けられたシール装置の概略図である。 本発明に係るサンドイッチパネルによって画成された空間の断面図である。 標準化されたサンドイッチパネルによって形成された標準化された壁構造の概略図である。

図１に断面図で概略的に示すサンドイッチパネルは、主として第１のカバー層１２と、第２のカバー層１４と、サンドイッチコア（芯材）１６とからなる。第１のカバー層１２は、両端面領域２０にわたって延在しており、適当に変形加工されて、一体的に端面領域２０を形成している。第２のカバー層１４は、第１のカバー層１２に対して略平行に配置されており、その長辺に折り畳み部を有している。折り畳み部によって、両カバー層１２，１４は、この折り畳み領域において互いに結合されており、１つの統一的な、内室を閉鎖する外皮あるいは表皮を形成する。こうして形成された内室は、サンドイッチコアとして機能するポリウレタン材料からなる発泡材料１６の発泡により充填されている。もちろん、常に別のコア材料が使用されても構わない。

もちろん、カバー層１２，１４は、別の形式で互いに結合、例えば金属薄板、プラスチック又は木からなる別体の要素を介して結合されてもよい。

製造時、特に、このようなサンドイッチパネルをダブルベルトコンベヤ式設備（Ｄｏｐｐｅｌｂａｎｄａｎｌａｇｅ）において製造することが可能である。この場合、カバー層１２，１４の材料は、変形加工されるか、又は棒材としてダブルベルトコンベヤ式設備に供給され、コア材料は、ダブルベルトコンベヤ式設備への進入前に導入される。

サンドイッチパネル１０の両端面２０は、図１に示した実施の形態では、一段段付けした形状で形成されている。この場合、サンドイッチパネル１０の厚さの半分ｈ_３の高さにおいてノーズが突出している。その際、突出部の幅ｈ_２も、突出部の高さｈ_３も、ノーズから後退した部分の残りの高さｈ_１に等しい。その結果、図１の断面図で見て、階段形状が生じる。

このように形成された段部は、２つのサンドイッチパネル１０を、長辺にわたって延在する端面において形状結合式に、厳密に言えば二通りの方法で接合するために適している。図２に示すように、９０°回転させて向きを変えた２つのサンドイッチパネルを接合すると、９０°の角隅結合部（符号２２参照）が生じる。この場合、あるサンドイッチパネルの面ｈ_１は、隣接するサンドイッチパネルの面ｈ_２上に載置され、同様に、前者のサンドイッチパネルの面ｈ_２は、後者のサンドイッチパネルの面ｈ_３上に載置されることになる。

各々の隣接するサンドイッチパネルが１８０°回転しているように、サンドイッチパネルを配置すると、図３に示すように、壁状の形状をなした、全体として平らな面状の構造体を実現することができる。換言すれば、２つの隣接するサンドイッチパネル間に、それぞれ１つの１８０°の結合部が生じる。その際、段部のノーズは、それぞれ、接続されるそれぞれのサンドイッチパネルの、後退部により欠けた部分（欠截部）内に位置する。

図４及び図５には、図２あるいは図３と同様の図が示してある。しかし、これらの実施の形態では、ねじ締結部２６によって、角隅結合部（図４）も、１８０°の結合部（図５）も実現可能である。ねじ締結の代わりに、もちろん、接着、リベット止め又はその他の結合法を選択することも可能である。隣接するサンドイッチパネルを適当に互いに固定することが必要であるにすぎない。

図６は、種々異なるシールビードの配置を示している。本実施の形態では、サンドイッチパネル１０の各々の端面に設けられた接触面の領域に、接合時に補完し合う、それぞれ２つのシールビードが設けられている。９０°又は１８０°の角度で配置された隣接するサンドイッチパネルを接合する際、このシールアッセンブリ、例えばシールビードは、隣接する面間に位置することで、湿気及び空気に対して密な封止を実現する。図示はしていないが、これらのシールビードは、欠截部（例えば溝）内に部分的に収容されていてもよい。

図７からは、上図に示したサンドイッチパネル１０を用いて如何に空間が形成可能であるかが看取可能である。例えば図７に示す空間は、対向する２つの長手方向壁と、対向する２つの横方向壁とからなっている。長手方向壁は、それぞれ、逆向きの配向で隣接配置された５つのパネル３０．１あるいは３０．３からなり、横方向壁も、それぞれ、互いに逆向きの配向で配置された３つの縦パネル３０．２あるいは３０．４からなっている。それぞれの外側のパネル、つまりパネル３０．１とパネル３０．２、パネル３０．２とパネル３０．３、パネル３０．３とパネル３０．４及びパネル３０．４とパネル３０．１だけは、９０°の角隅結合部をなしている。こうして１つの建物がパターン状に組み立て可能であることは明らかである。

例えば３種の長さを有する標準化あるいは規格化されたサンドイッチパネルを使用すると、これにより最も簡単な形式で、事後的な加工を必要とすることなく、又は廃棄物が発生することなく、窓及び戸の開口部を有するか、又はこれらの開口部を有しない壁を形成することができる。このことは図８に示してある。例えば図８に示す壁構造体の場合、第１の長さＬ１を有する標準パネル（符号３２）、長さＬ２を有する標準パネル（符号３４）及び長さＬ３を有する標準パネル（符号３６）が使用される。長さＬ１を有する２つのサンドイッチパネルが接合されると、１つの閉じた壁が形成される。長さＬ１を有する２つのパネル間に長さＬ３を有するパネルが一枚だけ装入され、上部に配置されると、図８に看取可能であるような戸の開口部が形成される。長さＬ１を有する２つのサンドイッチパネル間の上部に、長さＬ３を有するパネルを導入し、下部に、長さＬ２を有するパネルを導入すると、やはり図８に看取可能であるような窓の開口部が形成される。

こうして、ローコストハウスを建てる急速施工システムが生じる。その際、個々のサンドイッチパネルの連続的な、それゆえに安価な製造が可能である。また、同じ設計で種々異なる材料がパネルのために使用される。例えばカバー層は、鋼、アルミニウム、プラスチック又は木からなっていてよい。コア層は、絶縁層、例えばポリウレタン、固体及び／若しくはリサイクル材料が充填されたポリウレタン又はポリスチレンからなる絶縁層として形成されていてよい。もちろん、鉱物ウール等の材料が使用されてもよい。全体として、この設計により、結合要素なしの１８０°又は９０°の可能な構造が得られる。

このようなサンドイッチパネルによって、可及的少数の種々異なる構造要素により、安価な建物を、別個のフレームシステムを可能な限り省略しつつ建築することが可能である。建造物の静力学は、サンドイッチパネルのデザイン、カバー層とサンドイッチコアとの接着及びサンドイッチパネル相互の結合に依存すると考えられる。必要な場合、床に異形材（Ｕ字形又はＴ字形の異形材）を配置し、この異形材の中にサンドイッチパネルを差し込んで壁を形成することもできる。この態様は良好な保持を保証する。同様に、上側の壁端部における環状の桁（Ｒｉｎｇａｎｋｅｒ）あるいは水平補強材も、異形材によって実現することができる。もちろん、本発明に係るサンドイッチパネルによって、建物の壁だけでなく、天井を形成することも可能である。

１０ サンドイッチパネル
１２ 第１のカバー層
１４ 第２のカバー層
１６ 発泡コア
１８ 折り畳み領域
２０ 端面（段付け）
２２ ９０°の角隅結合部
２４ １８０°の結合部
２６ ねじ締結部
２８ シール装置／種々異なるシールビード
３０．１ 第１の壁のためのサンドイッチパネル要素
３０．２ 第２の壁のためのサンドイッチパネル要素
３０．３ 第３の壁のためのサンドイッチパネル要素
３０．４ 第４の壁のためのサンドイッチパネル要素
３２ 長さＬ１を有する標準サンドイッチパネル
３４ 長さＬ２を有する標準サンドイッチパネル
３６ 長さＬ３を有する標準サンドイッチパネル
ｈ_１ 後退した端面の高さ
ｈ_２ ノーズ状の突出部の奥行き
ｈ_３ ノーズ状の突出部の高さ

Claims (11)

1. 第１のカバー層（１２）と、
   前記第１のカバー層（１２）に対して略平行な第２のカバー層（１４）と、
   両カバー層間に設けられたサンドイッチコア（１６）と、
   を備え、対向する互いに平行な２つの長辺に端面（２０）を有するサンドイッチパネル、特にプレハブ建物で使用するサンドイッチパネルであって、
   前記端面（２０）は、
   （イ）互いに９０°の角度をなすように回転された２つのサンドイッチパネルが端面において形状結合式に接合可能であり、９０°の角隅をなすように、かつ
   （ロ）１８０°回転されたサンドイッチパネルが、回転されていない他のサンドイッチパネルに形状結合式に互いに接続可能であり、１８０°の結合部を実現するように、
   斜面又は段部を有して形成されていることを特徴とする、サンドイッチパネル。
2. 前記端面（２０）は一段又は複数段段付けされている、請求項１記載のサンドイッチパネル。
3. 前記端面（２０）は一段段付けされており、段部のすべての面は同じ幅を有している、請求項１又は２記載のサンドイッチパネル。
4. 前記サンドイッチパネルは、該サンドイッチパネルの中心線に関して鏡面対称に形成されている、請求項１から３までのいずれか１項記載のサンドイッチパネル。
5. 前記端面又は前記段部の単数又は複数の面に、単数又は複数のシール装置（２８）、特にシールビードが設けられている、請求項１から３までのいずれか１項記載のサンドイッチパネル。
6. 前記シール装置が少なくとも部分的に収容されている溝又は欠截部が設けられている、請求項５記載のサンドイッチパネル。
7. ３つの標準化されたパネルサイズが設けられており、該３つの標準化されたパネルサイズのみを用いて、戸及び窓の開口部を有する壁並びに開口部を有しない壁が形成される、請求項１から６までのいずれか１項記載のサンドイッチパネル。
8. 単数又は複数の前記カバー層は、鋼、アルミニウム、プラスチック、プラスチックコンパウンド又は木材からなる、請求項１から７までのいずれか１項記載のサンドイッチパネル。
9. 前記サンドイッチコアは、ポリウレタン、ポリスチレン又は別の絶縁材、例えば鉱物ウールを含む、請求項１から８までのいずれか１項記載のサンドイッチパネル。
10. 前記端面（２０）は、前記単数又は複数のカバー層の変形加工により形成されている、請求項１から９までのいずれか１項記載のサンドイッチパネル。
11. 前記カバー層の結合は、直接形成されるか、又は別体の要素を介して形成される、請求項１から１０までのいずれか１項記載のサンドイッチパネル。

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