JP2013544768A - ビカルタミドの調製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
【解決手段】N−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド又はビカルタミドの調製方法が提供される。工程由来の不純物A、B、C及びDを実質的に含まない生成物が得られる酢酸エチル溶媒を用いたビカルタミドの精製方法、及びビカルタミドの結晶形態も開示される。
【選択図】なし

Description

本出願の特定の態様は、ビカルタミドの調製方法に関する。
ビカルタミドは、化合物N−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミドの一般名であり、式(I)で表される。
ビカルタミド及び関連する種々のアクリルアミドは、前立腺癌の治療に有用な抗アンドロゲン活性を有する医薬活性化合物として米国特許第4,636,505号に開示されている。ビカルタミドから誘導される医薬製品は、カソデックス(Casodex)の商標名で世界的に認可されている。
ビカルタミドの調製方法は、ICIに対して発行された米国特許第4636505号及びTuckerらのJ.med.Chem,31,9−954−959(1988)で、式(IV)の3−トリフルオロ−メチル−4−シアノアニリンを式(III)の塩化メタクリロイルと反応させた後、生成した式(V)のN−(3−トリフルオロメチル−4−シアノフェニル)メタクリルアミドをエポキシ化する方法が報告されている。エポキシド環は、4−フルオロチオフェノールで開環され、続くスルホンへの変換で、式(I)のビカルタミドが得られる。
ビカルタミドは抗アンドロゲン特性を有する非ステロイド性医薬活性剤で、一般的に前立腺癌の治療、すなわちアンドロゲン欠乏治療に使用されるが、他のアンドロゲン依存性の症状も治療できる。ビカルタミドは、ラセミ化合物としてカソデックス(Casodex)(アストラゼネカ)の商標名で市販の医薬組成物中に存在する。ビカルタミドの立体異性体は、ラセミ化合物よりも有益であるとして米国特許第5985868号で提案されている。様々なその他のビカルタミド調製方法は、国際公開第0224638号、米国特許第6,479,692号、国際公開第02100339号、米国特許出願第20030073742号及び米国特許出願第20030045742号に開示されている。
N−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド、すなわちビカルタミドをその前駆体(VII)、すなわちN−[4−シアノ−3−(トリメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)チオ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(VII)から酸化によって調製する方法は、当該技術分野において数種類が既知であるが、種々の過酸を含む複数の酸化剤の使用を必要とする。
国際公開第0224638号は、無水トリフルオロ酢酸の存在下、25℃〜30℃にて塩化メチレン(CHCl)中30%Hを用いる上記酸化を開示している。
国際公開第0353920号は、H/タングステン酸ナトリウム/フェニルリン酸/TBAB/酢酸エチルを用いたN−[4−シアノ−3−(トリメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)チオ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(VII)の酸化を特許請求している。
欧州特許第0100172号、国際公開第0134563号、国際公開第02100339号及びJ.Med.Chem.954−959のTuckerらは、m−クロロ過安息香酸(m−CPBA)を塩素化溶媒中で用いるN−[4−シアノ−3−(トリメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)チオ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(VII)の酸化を開示しており、該酸化は長い反応時間を必要とする。したがって、先行技術で開示されている方法は、高額な試薬及び塩素化溶媒を必要とするだけでなく、商業規模でそれらを扱う際の取扱い及びリスクの懸念もある。塩素化溶媒は特に人体に対して有害であることが既知であり、発癌の可能性が示唆されていることに加え、廃棄の際にダイオキシンを発生する。さらに、CHClのような溶媒は焼却中に腐食を生じるために廃棄コストが高くなる。
さらに、化学物質のリスク削減政策である「グリーンケミストリー」が注目を集めつつあり、工業的に実現可能な環境に優しい化学反応(有害化学物質の使用をできるだけ避け、その排出を出来るだけ減らす反応を開発すること)が研究に不可欠な特徴となりつつある。有機溶媒としてCHClを使用する上記の反応は、この観点から望ましいビカルタミドの調製方法に適さない。
MCPBAは、高額な試薬であるうえに、爆発性の高い物質であり、そのため工業レベルでの生産に適さない。
m−CPBAを使用しないビカルタミドのこうした合成の1つは国際公開第0100608号に開示されており、これはHの水溶液を使用し、化合物を酢酸又はギ酸中で酸化する方法で、式(VII)を式(I)に変換する環境面及び経済面で非常に優れた工業的方法とみなされる。ただし、この方法では、精製によって低減されない極性及び非極性の両方の不純物が生成する。さらにこの方法には(VI)の合成にハロゲン化有機溶媒(例えば、1,1,1−トリクロロエタン)の使用を伴う工程もあることから、環境に優しいとみなすことはできない。
さらに国際公開第0224638号では、H水溶液が式(VII)の化合物に添加され、該混合物を−55℃まで冷却した後、無水トリフルオロ酢酸(TFA)を該混合物に添加して、ビカルタミドを得る。しかし、この方法は、爆発性のTFAを試薬として使用すること、及びTFAの添加中に冷却の必要があることから、経済的ではない。さらに、無水TFAは腐食性で吸湿性である。
国際公開第03053920号は、H/タングステン酸ナトリウム/フェニルリン酸/TBAB/酢酸エチルを用いた高収率の酸化方法を特許請求している。この方法は、式(VII)の化合物のモル当量当たり大過剰のH(3〜6当量)と化合物量の0.5〜5%という大量のタングステン酸ナトリウム又はフェニルリン酸とを使用する。さらに、反応混合物からのタングステン酸ナトリウム及びフェニルリン酸の除去が面倒である。種々の方法を記載した上記の様々な開示にもかかわらず、新たな経済的に存続可能及び工業的スケールアップに適応可能な方法が依然として必要とされている。
米国特許第4,636,505号 米国特許第5985868号 国際公開第0224638号 米国特許第6,479,692号 国際公開第02100339号 米国特許出願第20030073742号 米国特許出願第20030045742号 国際公開第0353920号 欧州特許第0100172号 国際公開第0134563号
TuckerらのJ.med.Chem,31,9−954−959(1988)
したがって、本明細書は高い収率及び純度でビカルタミドを合成する改善された方法を提供することを目的とし、該方法は安価、無害で容易に入手できる酸化剤の使用を伴う。
本明細書の特定の態様は、ビカルタミドの調製方法に関する。
1つの態様において、本発明は、N−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロ−フェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド(I)又はビカルタミドの調製方法であって
以下の工程を含む方法を提供する。
a.式(III)のN−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロフェニル)チオ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミドを、
C1〜C3有機アルコール溶媒、1%オルトタングステン酸水溶液及び過酸化水素水溶液の存在下で選択的に酸化する工程。
b.約50℃又はそれ以上まで温度を上げ、式(III)の化合物の含有量が約1%未満になるまで攪拌しながら前記温度を維持する工程。
c.反応混合物を冷却し、固体を単離する工程。
d.水と水不混和性エステル溶媒とを約1:2v/vの比で添加する工程。
e.有機エステル溶媒層を分離する工程。
f.任意で、水不混和性エステル溶媒による水層のさらなる抽出を繰り返す工程。
g.任意で、活性炭を添加した後、抽出した有機層を濾過する工程。
h.水不混和性エステル溶媒を蒸発させる工程。
i.式(I)の化合物を単離する工程。
別の態様において、本発明は、N−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロ−フェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド(I)又はビカルタミドの調製方法であって、
以下の工程を含む方法を提供する。
a.式(III)のN−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロフェニル)チオ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミドを、
非ハロゲン化有機酸溶媒の存在下において過酸化水素水溶液で選択的に酸化する工程。
b.工程a)の反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液と混合した後、少なくとも30分間攪拌する工程。
c.前記反応混合物を水不混和性エステル溶媒で抽出する工程。
d.任意で、活性炭を添加した後、抽出した有機層を濾過する工程。
e.水不混和性エステル溶媒を蒸発させる工程。
f.式(I)の化合物を単離する工程。
さらに別の態様において、本発明は、ビカルタミド(I)を酢酸エチルと混合する工程と、当該ビカルタミド含有溶液を少なくとも約50℃まで加熱した後、酢酸エチルを回収する工程と、図1に示すX線回折パターンと実質的に類似したX線回折パターンを有する生成物を単離する工程とを含む精製方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、不純物A、B、C及びDを実質的に含まないN−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロ−フェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド(I)又はビカルタミドを提供し、
ここで不純物を実質的に含まないとは、少なくとも3種類の不純物のいずれもが個々に検出不可であるか、存在する場合にはその個々の含有量が0.05%w/w未満であり、4種類の不純物の総合計が0.1%w/wを超えないことを意味する。
実施例の段階B1に従って調製したビカルタミドの粉末X線回折(XRPD)パターンの一例である。 実施例の段階B1に従って調製したビカルタミドの示差走査熱量計(「DSC」)曲線の一例である。 実施例の段階B1に従って調製したビカルタミドのFT−IRの一例である。 実施例の段階Cに従って調製したビカルタミドの示差走査熱量計(「DSC」)曲線の一例である。 実施例の段階Cに従って調製したビカルタミドのFT−IRの一例である。 IRスペクトルを示す。
本明細書に記載のように、本発明はビカルタミドの調製方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、N−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロ−フェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド(I)又はビカルタミドの調製方法であって、
以下の工程を含む方法を提供する。
a.式(III)のN−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロフェニル)チオ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミドを
C1〜C3有機アルコール溶媒、1%オルトタングステン酸水溶液及び過酸化水素水溶液の存在下で選択的に酸化する工程。
b.約50℃又はそれ以上まで温度を上げ、式(III)の化合物の含有量が約1%未満になるまで攪拌しながら前記温度を維持する工程。
c.反応混合物を冷却し、固体を単離する工程。
d.水と水不混和性エステル溶媒とを約1:2v/vの比で添加する工程。
e.有機エステル溶媒層を分離する工程。
f.任意で、水不混和性エステル溶媒による水層のさらなる抽出を繰り返す工程。
g.任意で、活性炭を添加した後、抽出した有機層を濾過する工程。
h.水不混和性エステル溶媒を蒸発させる工程。
i.式(I)の化合物を単離する工程。
式IIIの化合物に存在する硫黄原子の選択的酸化のみを含む本発明の方法における選択的酸化は、−CN、−CH3、−CH−OH基のような他の酸化されやすい部位は影響を受けないと同時に、特定の選択された容易に入手できる酸化剤を用いて酸化を実行し、高収率を得るだけでなく該方法を工業的に実現可能とする大規模で十分に制御されたユーザー及び環境に優しい方法を実施する。
本発明の方法で使用されるC1〜C3有機アルコール溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノール又はそれらの混合物から選択されるアルコールを包含する。1%オルトタングステン酸水溶液の使用は、本方法の特別の要件であるが、前記溶液は0.5%〜2%の範囲の可変強度を有してもよく、前記方法の範囲内であると解釈される。オルトタングステン酸水溶液の添加は室温で実施されるが、該添加温度は10〜30℃の範囲を含む。
20〜35%の範囲を含む強度の過酸化水素溶液の添加が通常は好ましく、過酸化水素は低速添加が好ましく、それは約5〜15℃の範囲の温度にて反応混合物に1分当たり1〜3gの過酸化水素水溶液であってもよい。例えば、約40gの過酸化物溶液を添加する場合、十分に制御された反応速度を達成するためには40分〜120分の範囲の時間を要してもよい。より短時間での添加は反応に有害となる場合があり、同様にきわめて低温の反応混合物は凍結及び反応の異常な低速化を起こす場合がある。
過酸化物溶液が完全に添加された後、約50℃又はそれ以上までの制御された昇温及び式(III)の化合物の含有量が約1%未満になるまで攪拌しながら前記温度を維持することも、本出願による発明の主要件の1つである。
好ましい実施形態の1つにおいて、前記温度は約60〜65℃までゆっくりと上昇され、連続攪拌下で約3〜4時間維持された。この工程で、選択的酸化を確実とするために選択的酸化反応の観測をHPLCによって実施し、未反応原料すなわち式(III)の化合物は約0.5%w/w(HPLCによる)未満でなければならない。
この選択的酸化の達成後、反応混合物は好ましくは0〜5℃まで冷却され、この温度を約1時間保持する。これは、反応混合物からの最大可能算出量を確実とするためである。
固体物質の単離は、当業者に既知の手法によって実施されてもよい。
水溶性不純物の除去を確実とするため、水と水不混和性エステル溶媒とを約1:2v/vの比で固体に添加するというさらなる工程を実施してもよい。水と水不混和性エステル溶媒との約1:2v/vという比は、十分な所望の精製という観点から好ましいが、取扱い及び容量に必要なユーザーフレンドリー性を付与し、得られる生成物が許容可能である限り、この比を1:2〜5倍量のエステル溶媒まで拡大してもよい。
好ましい実施形態の1つにおいて、好ましいエステル溶媒は酢酸エチルであり、酢酸エチルと水との比は約2:1に維持された。
水を固体物質に添加した後、層分離を達成するために30分〜120分の範囲であってもよい好適な時間にわたって攪拌した。攪拌を停止した後、エステル溶媒層を分離した。残った水層を同じエステル溶媒を用いて抽出した。生成物分が水層になお存在する場合には、水溶性不純物を損なうことなく前記抽出を再度繰り返してもよい。
エステル溶媒層を溜めて、適量の無水硫酸ナトリウムの添加によってエステル溶媒層中に存在する水分を除去してもよい。
エステル溶媒層に存在する着色不純物を除去するために任意選択で活性炭の添加も実施してもよく、該層は15分〜約60分にわたって攪拌され、ハイフロー床で濾過される。
エステル溶媒が1.0〜2.0ml/g反応混合物という比を維持している場合はエステル溶媒の回収をある程度まで実施でき、該比は最初に採取された粗生成ビカルタミドと回収溶媒量に基づいて測定できる。例えば、50gの粗ビカルタミドが最初に採取され、そこに550mlのエステル溶媒が添加され、回収エステル溶媒量が約450〜500mlであった場合、概算で溶媒は1.0〜2.0ml/g反応混合物、すなわち粗ビカルタミドの投入量50gにつき50ml〜100mlという比を維持する。
前記エステル溶媒の回収は、本発明の特異な発明的態様の1つであり、30〜50℃の範囲の温度を維持するために減圧下で実施される。
所望量のエステル溶媒が回収された後、反応混合物を0〜5℃の範囲の温度まで冷却し、この温度を約1〜2時間維持した。固体物質を濾過し、最後に冷却酢酸エチルで洗浄し、その後乾燥した。
好ましい実施形態において、物質の乾燥は約45〜65℃の範囲の温度で真空下にて8〜10時間実施したが、水分が約0.20%w/w未満までに達した場合にはそれ以前に乾燥を停止してもよい。
本実施形態による方法の詳細はスキーム1及び実施例B1に記述されており、実施例で実証されるその詳細は本発明の範囲を制限するとみなしてはならない。
本発明の方法から得られる生成物はビカルタミドを提供し、不純物A、B、C及びDを実質的に含まない。
明瞭性のため、不純物を実質的に含まないとは、少なくとも3種類の不純物のいずれもが個々に検出不可であるか、存在する場合にはその個々の含有量が0.05%w/w未満であり、4種類の不純物の総合計が0.1%w/wを超えないことを意味する。
別の実施形態では、本発明はN−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロ−フェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド(I)又はビカルタミドの調製方法であって、
以下の工程を含む方法を提供する。
a.式(III)のN−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロフェニル)チオ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミドを
非ハロゲン化有機酸溶媒の存在下において過酸化水素水溶液で選択的に酸化する工程。
b.工程a)の反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液と混合した後、少なくとも30分間攪拌する工程。
c.前記反応混合物を水不混和性エステル溶媒で抽出する工程。
d.任意で、活性炭を添加した後、抽出した有機層を濾過する工程。
e.水不混和性エステル溶媒を蒸発させる工程。
f.式(I)の化合物を単離する工程。
本実施形態による方法の詳細はスキーム1及び実施例B2に記述されており、実施例で実証されるその詳細は本発明の範囲を制限するとみなしてはならない。
スキームI:本発明によるビカルタミドの調製
本発明のいずれのプロセス(スキームIのプロセスB1及びB2)によって得られる結晶ビカルタミドも特徴的な多形相のXRPDパターンを与え、これを「形態S(Form S)」と呼ぶ。多形相は、パターン、スペクトル、又は「実質的に」1つの図に表示又は描写されたその他の図表データを参照することによって又は1つ若しくはそれ以上のデータポイントによって記述されてもよい。パターン、スペクトル、及びその他の図表データは当業者に既知の種々の要因によってその位置、相対強度、又はその他の値がわずかにシフトる場合があることは理解されるであろう。例えば、結晶及び粉末X線回折科学においては、パターンの1つ以上のピークのピーク位置又は相対強度のシフトが、使用する装置、試料調製手順、優先される充填及び配向、放射線源、オペレータの微小な操作上の誤り、データ収集の方法及び長さ等によって発生しうる。しかし、当業者は、本明細書の図を未知の形態の(この場合には)ビカルタミドについて得られたパターン等と比較し、本明細書に開示する「形態S」との同一性を確認することができるであろう。本明細書で報告されるその他の手法についても同じことが言える。
本出願の方法によって得られるビカルタミド「形態S」は、その粉末X線回折(「XRPD」)パターン、示差走査熱量計(「DSC」)曲線、及びFT−IRスペクトルデータによって特徴づけられる。
さらに、図を参照する場合、同定の目的で、結晶形態を一意的に定義する図に表示されたいずれの数のデータポイントの選択も、いかなる付随又は列挙される許容誤差の範囲内で許可され、該選択は本書に包含され熟考される。
本明細書で使用されるすべてのパーセンテージ及び比は、別途指定されない限り、全組成物の重量によるものであり、測定はすべて約25℃にてほぼ標準圧力で実施される。特記のない限り、温度はすべて摂氏単位である。本明細書で使用されるとき、「含む」(非限定)は、列挙された要素、又はその構造若しくは機能面での同等物に加えて、列挙されていないいかなるその他の要素も意味する。用語「有する」及び「含む」も非限定であるとみなされる。本明細書で使用されるとき「から実質的になる」は、本発明が請求項で引用された成分以外の成分を含んでもよく、ただしそれは追加成分が請求された発明の基本的及び新規的特徴を著しく改変しない場合に限られることを意味する。本明細書に列挙されるすべての範囲は、2つの値の「間の」範囲を列挙したものを含め、終点を包含する。そのように指示されているか否かにかかわらず、本明細書に列挙されるすべての値は、値の測定に利用される所与の技術に関して予想される程度の実験誤差、技術的誤差、装置誤差を包含し、状況によって決定される概値である。
別の実施形態において、本発明は、ビカルタミド(I)をエステル溶媒と混合する工程と、ビカルタミドを含有する該溶液を少なくとも約50℃又はそれ以上まで加熱した後エステル溶媒を回収する工程と、図1に与えるものと実質的に類似したX線回折パターンを有する生成物を単離する工程とを含む、N−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(I)の精製方法も提供する。
ビカルタミド(I)とエステル溶媒との混合は、工程中又はその場の反応溶液から直接実施してもよく、単離中に実施されてもよく、その際粗ビカルアミドは、すべて参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許国際公開第0224638、国際公開第0100608、国際公開第03053920及び米国特許第4636505に開示されている方法を包含するいかなる方法によっても得られる。
好ましい実施形態の1つにおいて、透明な溶液を与えるために溶液の加熱は最高60〜65℃で実施される。
本発明の精製方法で使用されるエステル溶媒は、合計でC2〜C6の炭素原子を有する有機エステルを含む。使用できる有機エステルの数例を挙げると、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等又はそれらの混合物である。
エステル溶媒の水分をできるだけ少なく、好ましくは0.5%w/w未満に維持することによって、本発明の所望の結晶形態Sを得ることも好ましい。
エステル溶媒の回収は本発明の特異な発明的態様の1つであり、30〜50℃の範囲の温度を維持するために減圧下で実施される。
溶媒の回収度は、室温で安定な、本発明の「形態S」の結晶形態を得るための決定的要因の1つでもある。溶媒の回収は、エステル溶媒が1.0〜2.0ml/g反応混合物という比を維持する場合、ある程度に達し、これは初期に採取された粗生成ビカルタミドと回収された溶媒量とに基づいて測定できる。例えば、50gの粗ビカルタミドが最初に採取され、そこに550mlのエステル溶媒が添加され、回収エステル溶媒量が約450〜500mlであった場合、概算で溶媒は1.0〜2.0ml/g反応混合物、すなわち粗ビカルタミドの投入量50gにつき50ml〜100mlという比を維持する。
本発明は、ビカルタミドとして知られる式(I)のN−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミドの結晶「形態S」の製造方法について記載する。ただし、発明的結晶形態の「形態S」は、すべて参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許国際公開第0224638、国際公開第0100608、国際公開第03053920及び米国特許第4636505に開示されているものを包含する式(I)の範囲に入るいかなる化合物からも調製できる。
さらなる実施形態において、本発明は、以下に示す不純物A、B、C及びDを実質的に含まないN−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロ−フェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド(I)又はビカルタミドを提供する。
本発明の生成物は、ビカルタミドを提供し、不純物A、B、C及びDを実質的に含まない。明瞭性のため、不純物を実質的に含まないとは、少なくとも3種類の不純物のいずれもが個々に検出不可であるか、存在する場合にはその個々の含有量が0.05%w/w未満であり、4種類の不純物の総合計が0.1%w/wを超えないことを意味する。
結晶固体(「形態S」と呼ばれる)は、実質的に図1に示す粉末X線回折パターンを示す。本発明の形態Sに関して、顕著で特徴的な角度2θ°及び間隔『d』値として、6.1(14.40 d値)、12.2(7.20 d値)、16.9(5.23 d値)、19.0(4.65 d値)、23.8(3.72 d値)、24.9(3.56 d値)、29.5及び31.5±0.2(±0.1 d値)が挙げられる。
本明細書に記載の結晶固体「形態S」は、粉末X線回折パターン(XRPD)、示差走査熱量計(DSC)のような熱的手法及びIRスペクトル分析によって特徴づけられる。粉末X線回折パターンは、ブルカー(Brukar)AXS D8アドバンス回折計にてCu Kα1(波長1.5418Å)放射線(40kV、30mA)、自動XYZステージ、発散、受光スリット及びPSD lynx Eye検出器を用いて収集した。試料は周囲条件下で測定した。
実施例で得られた結晶固体「形態S」の分析データの例を図1〜5に示す。
別の実施形態において、本出願の方法によって得られるビカルタミドの結晶「形態S」は、カプセル、錠剤、ピル、粉末又は顆粒の形態で経口投与用固体組成物として処方されてもよい。これらの組成物において、活性製品が1つ又はそれ以上の医薬的に許容可能な賦形剤と混合される。薬剤物質は、水、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール又は液体パラフィンのような溶媒又はビヒクルを含有する溶液、懸濁液、シロップ、エリキシル剤及び乳液等の経口投与用液体組成物として処方することができる。
非経口投与用組成物は、懸濁液、乳液又は水性若しくは非水性滅菌溶液であることができる。溶媒又はビヒクルとして、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、特にオリーブ油、及び注射用有機エステル、例えばオレイン酸エチルを使用してもよい。これらの組成物は、補助剤、特に湿潤剤、乳化剤及び分散剤を含有することができる。滅菌は複数の方法、例えば細菌フィルタの使用、滅菌剤を組成物に組み込むことによって、放射線によって又は加熱によって、実施されてもよい。組成物は滅菌組成物の形態で調製されてもよく、それを使用時に滅菌水又はその他の注射用滅菌媒体に溶解することができる。
本出願の結晶形態Sのビカルタミドを含む組成物に使用される医薬的に許容可能な賦形剤としては、これらに限定するものではないが、デンプン、アルファ化デンプン、ラクトース、粉末セルロース、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、マンニトール、ソルビトール、糖等の希釈剤;アラビアゴム、グアーガム、トラガカント、ゼラチン、アルファ化デンプン等の結合剤;デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素等の崩壊剤;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等の潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素等の滑剤;アニオン性又はカチオン性又は中性界面活性剤、ろう等のような溶解性又は湿潤性増強剤が挙げられる。使用されるその他の医薬的に許容可能な賦形剤としては、これらに限定するものではないが、被膜形成剤、可塑剤、着色剤、着香料、甘味料、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本出願のビカルタミドの結晶形態Sの組成物に使用される医薬的に許容可能な賦形剤は、固体分散の調製に使用される医薬的に許容可能なキャリアを、所望の剤形製剤に使用される限りはどのようにでも包含するように構成されてもよい
本出願の特定の態様及び実施形態を、以下の実施例を参照してより詳細に説明するが、これは例証のみの目的で提供されるものであり、いかなる形でも本発明の範囲を制限するものとみなしてはならない。
N−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(ビカルタミド)の調製
ビカルタミドの調製方法は、以下の3段階、すなわち段階A、B及びCから成る。個々の段階A、B及びCは本明細書で以下に別々に提供される。
段階A)N−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル−3−[(4−フルオロフェニル)スルファニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(2)の調製
250mlのアセトン及び25gのN−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]2−メチルオキシラン2−カルボキサミド(1)を500mlフラスコに室温にて攪拌下で入れ、透明な溶液を得るまで攪拌した。9.8gの炭酸カリウムを添加し、反応混合物を攪拌下で10〜15℃に冷却した。
15gの4−フルオロチオフェノールを、攪拌下、10〜15℃にて添加タンクを通じて3〜4時間でゆっくりと添加した。冷却を取り除き、攪拌下で反応混合物が室温になるまで待ち、室温にて2〜3時間攪拌し、その間に未反応のN−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]2−メチルオキシラン−2−カルボキサミド(1)の存在について反応をHPLCで観測した(未反応化合物(1)<0.50%]
反応混合物をヌッチェフィルタで濾過し、50mlのアセトンで洗った。アセトンは後に、真空下40〜50℃にて乾燥まで完全に回収された。この乾燥残留物に、250mlの純水を添加し、該溶液を室温にて4〜5時間攪拌した。約125mlのトルエンをこの溶液に添加し、該反応混合物を10〜12時間攪拌した。反応混合物を濾過し、50mlのトルエンで洗った。固体を真空下で6〜7時間乾燥した。34gの固体が得られた;収率−92.5%、水分−0.2%w/w;純度−99.0%(HPLCによる)。
段階B:段階B1又はB2のいずれであってもよいが、いずれの方法も本出願の発明の一部である。段階B1又はB2のいずれも粗ビカルタミド(3)の調製に使用できる。
段階Bl)N−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド又は粗ビカルタミド(3)の調製。
250mlのメタノールを、攪拌下、室温にて反応フラスコに入れ、25gのN−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)スルファニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(2)を添加した。該混合物を室温で30分間攪拌し続け、透明な溶液を得た。続いて攪拌下、室温にて1.0%タングステン酸を添加し、反応混合物を10〜15℃まで冷却した。43gの30%過酸化水素溶液を1〜2時間でゆっくりと添加し始めた。温度を60〜65℃に昇温し、攪拌下でこの温度を3〜4時間維持した。反応混合物を0〜5℃に冷却し、1時間維持した。固体物質を濾過し、10mlのメタノールで洗浄し、物質を吸引乾燥した。330mlの酢酸エチル及び110mlの水を前記固体物質に添加し、30分間攪拌した後、攪拌を停止し、酢酸エチル層を分離した。
酢酸エチル層を再度入れて110mlの純水で洗浄し、酢酸エチル層を分離した。酢酸エチル層から水分をなくすため、10.0gの無水リン酸ナトリウムを添加した後、約2.1gの活性炭を添加し、1時間攪拌した後、ハイフロー床(10g)で濾過した。50℃にて酢酸エチル溶媒を回収し、溶媒を約1ml/gの濃度にした。
反応混合物を0〜5℃に冷却し、この温度を1〜2時間維持した。固体物質を濾過し、最後に約5mlの冷却酢酸エチルで洗浄した。
前記物質を、真空下、45〜65℃にて8〜10時間乾燥した。
17gの固体が得られた;収率68.75%、水分<0.2%w/w;純度−99.94%(HPLCによる)。
工程由来の不純物A−ゼロ%;B−0.01%;C−ゼロ%及びD−ゼロ%
XRPDパターン 図1による
DSCサーモグラム 図2による
IRスペクトル 図3による
別の方法として、本発明の方法は他の工業的に実現可能なプロセスアプローチを包含し、それを段階B2として与える。
段階B2)N−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド又は粗ビカルタミド(3)の調製
50Lのアセトン及び5kgのN−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]2−メチルオキシラン−2−カルボキサミド(1)を攪拌下、室温にてSS反応器に入れ、透明な溶液が得られるまで攪拌した。1.96kgの炭酸カリウムを攪拌下で添加し、該反応混合物を攪拌下で10〜15℃に冷却した。
3.0kgの4−フルオロチオフェノールを攪拌下、10〜15℃にて添加タンクを通じて3〜4時間でゆっくりと添加した。冷却を取り除き、攪拌下で反応混合物が室温になるまで待ち、室温にて5〜6時間攪拌し、その間に未反応のN−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]2−メチルオキシラン−2−カルボキサミド(1)の存在について反応をHPLCで観測した(未反応化合物(1)<0.50%]
反応混合物をヌッチェフィルタで濾過し、10Lのアセトンで洗った。アセトンは後に、真空下40〜50℃にて乾燥まで完全に回収された。この乾燥残留物に、50Lの純水を添加し、該溶液を室温にて4〜5時間攪拌した。約25Lのトルエンをこの溶液に添加し、該反応混合物を10〜12時間攪拌した(固体は自由流動性になる)。反応混合物を濾過し、10Lのトルエンで洗った。固体を真空下、40〜50℃にて6〜7時間乾燥した。7.0kgの固体が得られた;収率−95.2%、水分<0.5%w/w;純度>99.0%(HPLCによる)。
50Lの酢酸を攪拌下でGLRに入れ、室温にて5kgのN−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4−フルオロフェニル)スルファニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(2)を添加し、約20分間攪拌して、透明な溶液を得た。攪拌下で温度を40〜45℃に昇温し、18リットルの30%過酸化水素溶液を、添加タンクを通じて約5〜6時間でゆっくりと添加し始め、攪拌下で同温度を11〜12時間維持した。反応混合物を室温に冷却した。
別のGLRに、重炭酸ナトリウム溶液(250リットルの純水中に35kg)を調製し、上述の反応フラスコの反応混合をこの炭酸水素ナトリウム溶液に室温にて5〜6時間で添加し、約30分間攪拌を続けた。75リットルの酢酸エチルを添加し、さらに30分間攪拌した。攪拌を停止し、層が沈殿するまで約30分間放置し、分離した有機酢酸エチル層と水層とを別々に回収した。
回収した水層を再度入れて50リットルの酢酸エチルで2回抽出し、酢酸エチル層を分離した。すべての酢酸エチル層を1つにまとめた。続いて水で3回洗浄し(50リットル)、無水リン酸ナトリウムを添加することによって有機酢酸エチル層から水分をなくした。前記層を再び入れて活性炭を添加して1〜2時間攪拌した。ハイフロー床(10g)で濾過した後、溶媒が約1ml/gの濃度に達するまで真空下40〜45℃にて酢酸エチルを回収した。その後、反応混合物を0〜5℃に冷却し、この温度を2〜3時間維持した。固体物質を遠心分離し、最後に冷却酢酸エチル(約1.0L)で洗浄した。前記物質を真空下60〜70℃にて8〜10時間乾燥した。
4.2kgの固体が得られた;収率−84%w/w、水分0.07%w/w及び純度−99.81%(HPLCによる)。
段階C)粗ビカルタミドの精製
濾過した酢酸エチル(2.75L)を清浄な反応フラスコに入れ、攪拌下、室温にてビカルタミド粗製物(250グラム;段階B2から得たもの)を添加した。透明な溶液を得るため、混合物の温度を60〜65℃に上げた。
残った溶媒がほぼ1.0〜1.5ml/gになるまで真空下40〜50℃にて酢酸エチルを回収する。反応混合物を攪拌下で0〜5℃に冷却し、2〜3時間維持する。
ヌッチェで濾過し、冷却酢酸エチル(150mL)で洗浄する。該物質を真空下70〜75℃にて12時間乾燥する。
純ビカルタミドの重量 約230グラム;収率 約92.0%;水分 約0.12%w/w
HPLC純度 約99.8%;
工程由来の不純物A−ゼロ%;B−ゼロ%;Cゼロ%及びD−ゼロ%
XRD 図4による
DSCサーモグラム 図5による
IRスペクトル 図6による。

Claims (11)

  1. 以下の工程:
    a.式(III)のN−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロフェニル)チオ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミドを、
    C1〜C3有機アルコール溶媒、1%オルトタングステン酸水溶液及び過酸化水素水溶液の存在下で選択的に酸化する工程。
    b.約50℃又はそれ以上に温度を上げ、式(III)の化合物の含有量が約1%未満になるまで攪拌しながら前記温度を維持する工程。
    c.反応混合物を冷却し、固体を単離する工程。
    d.水と水不混和性エステル溶媒(約1:2)との混合物を添加する工程。
    e.有機エステル溶媒層を分離する工程。
    f.任意で、水不混和性エステル溶媒による水層のさらなる抽出を繰り返す工程。
    g.任意で、活性炭を添加した後、抽出した有機層を濾過する工程。
    h.水不混和性エステル溶媒を蒸発させる工程。
    i.式(I)の化合物を単離する工程
    を含むN−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロ−フェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド(I)
    の調製方法。
  2. 以下の工程:
    a.式(III)のN−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロフェニル)チオ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミドを、
    非ハロゲン化有機酸溶媒の存在下において過酸化水素水溶液で選択的酸化する工程。
    b.工程a)の反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液と混合した後、少なくとも30分間攪拌する工程。
    c.前記反応混合物を水不混和性エステル溶媒で抽出する工程。
    d.任意で、活性炭を添加した後、抽出した有機層を濾過する工程。
    e.水不混和性エステル溶媒を蒸発させる工程。
    f.式(I)の化合物を単離する工程
    を含むN−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロ−フェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド(I)の調製方法。
  3. 前記非ハロゲン化有機酸溶媒がC1〜C4カルボン酸である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記工程c)の水不混和性エステル溶媒がC2〜C5カルボン酸エステルである、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記酸化がタングステン酸の存在下で約10℃〜30℃にて実施される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記任意の精製が酢酸エチル溶媒中で実施される、請求項1に記載の方法。
  7. 請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の方法で調製され、工程由来の不純物A、B及びCを実質的に含まない、N−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロ−フェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド(l)又はビカルタミド。
  8. 不純物A、B、C及びDを実質的に含まない、N−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロ−フェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド(I)又はビカルタミド。
  9. N−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロ−フェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド(I)又はビカルタミドの精製方法であって、ビカルタミドを酢酸エチルと混合する工程と、当該ビカルタミド含有溶液を少なくとも約50℃まで加熱した後、酢酸エチルを回収する工程と、不純物A、B、C及びDを実質的に含まない生成物を単離する工程とを含む精製方法。
  10. 図1によるX線回折パターンを有する請求項1、6〜9のいずれか一項に記載のN−[4’−シアノ−3’−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−[(4”−フルオロ−フェニル)スルホニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド(I)又はビカルタミド。
  11. 以下の特徴的な角度2θ°及び間隔『d』値:6.1(14.40 d値)、12.2(7.20 d値)、16.9(5.23 d値)、19.0(4.65 d値)、23.8(3.72 d値)、24.9(3.56 d値)、29.5及び31.5±0.2(±0.1 d値)
    を有するX線回折パターンを含むビカルタミド結晶「形態S」。
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