JP2013536820A - 植物病原性菌類を防除するためのジチイン−テトラ(チオ)カルボキシイミド類 - Google Patents

植物病原性菌類を防除するためのジチイン−テトラ(チオ)カルボキシイミド類 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規ジチインテトラ(チオ)カルボキシイミド類、それらの化合物を調製する方法、それらの化合物を含んでいる作用剤、並びに、生物学的に活性な化合物としての、特に、植物保護及び材料物質の保護において有害な微生物を防除するための生物学的に活性な化合物としてのそれらの使用及び植物成長調節剤としてのそれらの使用に関する。

Description

本発明は、新規ジチインテトラ(チオ)カルボキシイミド類、それらの化合物を調製する方法、それらの化合物を含んでいる組成物、並びに、生物学的に活性な化合物としての、特に、作物保護及び材料物質の保護において有害な微生物を防除するための生物学的に活性な化合物としてのそれらの使用及び植物成長調節剤としてのそれらの使用に関する。
ジチインテトラカルボキシイミド類は既に知られている。これらのジチインテトラカルボキシイミド類が、動物体内の内部寄生虫(特に、線虫類)に対抗するための駆虫薬として使用し得ること及び殺虫作用を有していることも、知られている(cf. US 3,364,229)。特定のジチインテトラカルボキシイミド類が、抗細菌作用を有していること及びヒト真菌症を引き起こす微生物に対して特定の効果を有していることも知られている(cf. Il Farmaco 2005, 60, 944−947)。さらに、ジチインテトラカルボキシイミドが、電子写真光受容体中の顔料として又は塗料及びポリマーの中の染料として使用し得ることも知られている(cf. JP−A 10−251265、PL−B 143804)。
米国特許第3,364,229号 特開平第10−251265号 ポーランド特許出願公告第143804号
Il Farmaco 2005, 60, 944−947
現代の活性成分(例えば、殺菌剤)に求められる生態学的及び経済学的な要求、例えば、活性スペクトル、毒性、選択性、施用量、残留物の形成及び望ましい製造方法などに関する要求は、継続的に増大しており、また、例えば抵抗性に関する問題も存在し得るので、少なくとも一部の領域において既知組成物よりも有利な新規殺菌剤組成物を開発することが絶えず求められている。
式(I)
Figure 2013536820
〔式中、
は、O又はSであり;
は、O又はSであり;
は、O又はSであり;
及びRは、同一であるか又は異なっており、そして、それぞれ、水素であるか、ハロゲン、OR若しくはCORで1置換若しくは多置換されていてもよいC−C−アルキルであるか、ハロゲン、C−C−アルキル若しくはC−C−ハロアルキルで1置換若しくは多置換されていてもよいC−C−シクロアルキルであるか、いずれの場合にもハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、COR若しくはスルホニルアミノで1置換若しくは多置換されていてもよいアリール若しくはアリール−(C−C−アルキル)であり;
は、水素、C−C−アルキル若しくはC−C−アルキルカルボニルであるか、又は、ハロゲン、C−C−アルキル若しくはC−C−ハロアルキルで1置換若しくは多置換されていてもよいアリールであり;
は、ヒドロキシル、C−C−アルキル又はC−C−アルコキシである〕
で表される新規ジチインテトラ(チオ)カルボキシイミド及びその農薬的に活性な塩が見いだされた。
このようにして得ることができる塩も、殺菌特性及び/又は植物成長調節特性を有している。
本発明のジチインテトラ(チオ)カルボキシイミド類は、種々の可能な異性体形態の混合物として、特に、立体異性体(例えば、E異性体及びZ異性体、トレオ異性体及びエリトロ異性体)の混合物として、及び、光学異性体の混合物として存在することができ、さらに、適切な場合には、互変異性体の混合物としても存在することができる。E異性体とZ異性体の両方及びトレオ異性体とエリトロ異性体の両方が特許請求されており、並びに、光学異性体、これら異性体の望ましい全ての混合物、及び、さらに、可能な互変異性体も特許請求されている。
本発明のジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドの一亜群は、式(I−a)
Figure 2013536820
〔式中、R及びRは、それぞれ、上記で定義されているとおりである〕
によって特徴付けられる。
本発明のジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドの一亜群は、式(I−b)
Figure 2013536820
〔式中、R及びRは、それぞれ、上記で定義されているとおりである〕
によって特徴付けられる。
本発明のジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドの一亜群は、式(I−c)
Figure 2013536820
〔式中、R及びRは、それぞれ、上記で定義されているとおりである〕
によって特徴付けられる。
本発明のジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドの一亜群は、式(I−d)
Figure 2013536820
〔式中、R及びRは、それぞれ、上記で定義されているとおりである〕
によって特徴付けられる。
本発明のジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドの一亜群は、式(I−e)
Figure 2013536820
〔式中、R及びRは、それぞれ、上記で定義されているとおりである〕
によって特徴付けられる。
本発明のジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドの一亜群は、式(I−f)
Figure 2013536820
〔式中、R及びRは、それぞれ、上記で定義されているとおりである〕
によって特徴付けられる。
本発明のジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドの一亜群は、式(I−g)
Figure 2013536820
〔式中、R及びRは、それぞれ、上記で定義されているとおりである〕
によって特徴付けられる。
本発明のジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドの一亜群は、式(I−h)
Figure 2013536820
〔式中、R及びRは、それぞれ、上記で定義されているとおりである〕
によって特徴付けられる。
本発明のジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドは、一般的に、式(I)によって、又は、式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)、式(I−d)、式(I−e)、式(I−f)、式(I−g)及び式(I−h)によって、定義される。上記及び下記において特定されている式に関するラジカルの好ましい定義について、以下に記載する。そのような定義は、式(I)で表される最終生成物及び全ての中間体に等しく適用される(「調製方法及び中間体についての説明」の下における下記記載も参照されたい)。
及びRは、好ましくは、同一であるか又は異なっており、そして、好ましくは、それぞれ、水素であるか、フッ素、塩素、臭素、OR若しくはCORで1置換若しくは多置換されていてもよいC−C−アルキルであるか、塩素、メチル若しくはトリフルオロメチルで1置換若しくは多置換されていてもよいC−C−シクロアルキルであるか、いずれの場合にもフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、COR若しくはスルホニルアミノで1置換若しくは多置換されていてもよいフェニル若しくはフェニル−(C−C−アルキル)である。
及びRは、さらに好ましくは、同一であるか又は異なっており、そして、さらに好ましくは、それぞれ、水素であるか、フッ素、塩素、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、メチルカルボニルオキシ若しくはカルボキシルで1置換若しくは多置換されていてもよいC−C−アルキルであるか、塩素、メチル若しくはトリフルオロメチルで1置換若しくは多置換されていてもよいC−C−シクロアルキルであるか、いずれの場合にもフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、COR若しくはスルホニルアミノで1〜3置換されていてもよいフェニル、ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル若しくは2−メチル−2−フェネチルである。
及びRは、一層さらに好ましくは、同一であるか又は異なっており、そして、一層さらに好ましくは、それぞれ、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2,2−ジフルオロエチル若しくは2,2,2−トリフルオロエチルであるか、いずれの場合にも塩素、メチル若しくはトリフルオロメチルで置換されていてもよいシクロプロピル若しくはシクロヘキシルである。
及びRは、特に好ましくは、両方とも、メチルである。
は、好ましくは、水素、メチル、エチル、メチルカルボニル若しくはエチルカルボニルであるか、又は、フッ素、塩素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル若しくはトリフルオロメチルで1置換若しくは多置換されていてもよいフェニルである。
は、さらに好ましくは、水素、メチル、メチルカルボニル又はフェニルである。
は、好ましくは、ヒドロキシル、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシである。
は、さらに好ましくは、ヒドロキシル又はメトキシである。
本発明のさらなる実施形態は、式(I)又は式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)、式(I−d)、式(I−e)、式(I−f)、式(I−g)及び式(I−h)〔式中、R及びRは、それぞれ、メチルである〕で表される化合物に関する。
本発明のさらなる実施形態は、式(I)又は式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)、式(I−d)、式(I−e)、式(I−f)、式(I−g)及び式(I−h)〔式中、R及びRは、それぞれ、エチルである〕で表される化合物に関する。
本発明のさらなる実施形態は、式(I)又は式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)、式(I−d)、式(I−e)、式(I−f)、式(I−g)及び式(I−h)〔式中、R及びRは、それぞれ、n−プロピルである〕で表される化合物に関する。
本発明のさらなる実施形態は、式(I)又は式(I−a)、式(I−b)、式(I−c)、式(I−d)、式(I−e)、式(I−f)、式(I−g)及び式(I−h)〔式中、R及びRは、それぞれ、イソプロピルである〕で表される化合物に関する。
これらの中で、式(I−a)〔式中、R及びRは、それぞれ、メチルである〕で表される化合物は重要である。
これらの中で、式(I−b)〔式中、R及びRは、それぞれ、メチルである〕で表される化合物は重要である。
これらの中で、式(I−c)〔式中、R及びRは、それぞれ、メチルである〕で表される化合物は重要である。
しかしながら、上記で一般的に与えられている又は好ましい範囲内において示されているラジカルの定義及び説明は、必用に応じて互いに組み合わせることも可能である。即ち、特定の範囲と好ましい範囲の間で組合せることも包含される。それらは、最終生成物とそれに対応する前駆物質及び中間体の両方に適用される。さらに、個々の定義は適合しないこともあり得る。
好ましいのは、式(I)〔式中、ラジカルは、それぞれ、上記で記載されている好ましい定義を有する〕で表される化合物である。
特に好ましいのは、式(I)〔式中、ラジカルは、それぞれ、上記で記載されているさらに好ましい定義を有する〕で表される化合物である。
調製方法及び中間体についての説明
調製方法A
式(I)で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドは、
第1段階において、式(VI)
Figure 2013536820
〔式中、Rは、R又はRであり、ここで、R及びRは、それぞれ、上記で定義されているとおりである〕
で表されるコハク酸モノアミドを、場合により希釈剤の存在下において、過剰量の塩化チオニルと反応させ、次いで、第2段階において、過剰な塩化チオニルを除去し、そのようにして得られた生成物の混合物を、有機溶媒又は有機溶媒と水の混合物の中で、場合により相間移動触媒の存在下において、変換し、及び、最後に、クロマトグラフィープロセスによって、式(I)で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドを単離することによって、調製することができる。
出発物質として使用される式(VI)で表されるコハク酸モノアミドは、既知であるか、又は、既知方法で得ることができる。
本発明による調製方法の第1段階における塩化チオニルの量は、式(VI)で表されるコハク酸モノアミドの1モル当たり、2〜100molである。式(VI)で表されるコハク酸モノアミドの1モル当たり、4〜50molを使用するのが好ましく、10〜40molの量を使用するのが特に好ましくい。
本発明による調製方法の第1段階における反応温度は、広い範囲内で変えることが可能であり、そして、その反応温度は、0℃〜150℃である。満足できる空時収量を達成するためには、作業温度は、好ましくは、20℃〜120℃であり、さらに好ましくは、30℃〜100℃である。
本発明による調製方法の第1段階における反応時間は、10分間〜24時間である。好ましくは、30分間〜6時間実施し、さらに好ましくは、1時間〜4時間実施する。
本発明による調製方法の第1段階は、当該反応条件下において極めて実質的に不活性である希釈剤の存在下で実施することができる。そのような希釈剤の例としては、以下のものを挙げることができる:脂肪族炭化水素、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、塩素化炭化水素、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、アニソール、塩素化芳香族炭化水素、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、エステル類、例えば、酢酸メチル及び酢酸エチル。好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン若しくは1,2−ジクロロベンゼンの中で実施するか、又は、希釈剤無しで実施する。
上記塩化チオニルは、原則として、水を用いた加水分解によって除去することができる。好ましくは、減圧下における蒸留除去によって、上記塩化チオニルを除去する。
存在している全ての希釈剤は、同様に、減圧下で留去することが可能であり、そして、必用に応じて、別の溶媒で置き換えることができる。
本発明による調製方法の第2段階において、過剰の上記塩化チオニルを除去した後で、及び、適切な場合には、希釈剤を除去した後で、得られた残渣は、新しい希釈剤に溶解させ、そして、その溶媒の中で加熱することによって、式(I)で表されるジチインテトラカルボキシイミドに変換する。その反応混合物は、好ましくは、当該時間の間、撹拌する。
本発明による調製方法の第2段階においては、有機溶媒又は溶媒混合物を使用する。これらの溶媒は、いずれも、少なくとも部分的には水と混和性であるか、又は、併せて、相間移動触媒を使用する。
本発明による調製方法の第2段階に適している希釈剤は、特に、以下のものである:水、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、炭化水素類、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、エステル類、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アミド類、例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エーテル類、例えば、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ピナコロン、カルボン酸類、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、又は、これらの希釈剤の混合物。
使用される少なくとも部分的に水混和性である希釈剤は、好ましくは、以下のものである:ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、酢酸メチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸、又は、これらの希釈剤の混合物。
水とメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、酢酸メチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、アセトン又は酢酸との混合物を使用するのが、一層さらに好ましい。
本発明による調製方法の第2段階に適している水との混和性が極めて僅かしかないか又は全くない希釈剤は、特に、以下のものである:炭化水素類、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、水、又は、これら希釈剤の混合物。
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、水又はこれらの希釈剤の混合物を使用するのが、好ましい。
水とトルエン、キシレン又はクロロベンゼンとの混合物を使用するのが、一層さらに好ましい。
水と有機溶媒の混合比は、広い範囲内で、例えば、9:1から1:9までの範囲内で、変えることができる。
上記相間移動触媒(PTC)は、原則として、PTCとして有効であることが知られている任意の化合物であり得る。そのような化合物は、例えば、第4級アンモニウム塩又は第4級ホスホニウム塩の群から選択される相間移動触媒であり得る。
この相間移動触媒は、好ましくは、一般式(X)
Figure 2013536820
〔式中、
、R、R及びRは、同一であるか又は異なっており、そして、それぞれ独立して、直鎖若しくは分子鎖のC−C28−アルキル、C−C10−アリール又はベンジルであり;
Xは、ハロゲン、硫酸水素アニオン、硫酸アニオン、リン酸二水素アニオン、リン酸水素アニオン、リン酸アニオン又は酢酸アニオン(好ましくは、臭素、塩素、フッ素、硫酸水素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン及び酢酸アニオン)であり;
Aは、N又はPである〕
で表される。
そのような相間移動触媒の例としては、以下のものを挙げることができる:フッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、塩化メチルトリブチルアンモニウム、臭化メチルトリブチルアンモニウム、ヨウ化メチルトリブチルアンモニウム、酢酸メチルトリブチルアンモニウム、硫酸水素メチルトリブチルアンモニウム、塩化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム、臭化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、塩化メチルトリデシルアンモニウム、臭化テトラオクチルアンモニウム、塩化テトラオクチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化テトラフェニルホスホニウム、臭化エチルトリフェニルホスホニウム、ヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム、及び、酢酸エチルトリフェニルホスホニウム。
さらに、4−ジアルキルアミノピリジニウム塩又はヘキサアルキルグアニジニウム塩のような相間移動触媒を使用することも可能である。
好ましくは、相間移動触媒として、塩化メチルトリオクチルアンモニウム(商品名「Aliquat(登録商標)336」;これは、塩化メチルトリデシルアンモニウムとの混合物の中に存在している)、塩化メチルトリデシルアンモニウム、臭化メチルトリデシルアンモニウム、臭化テトラオクチルアンモニウム、塩化テトラオクチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム又は臭化ベンジルドデシルジメチルアンモニウムを使用する。
本発明による調製方法における相間移動触媒の量は、広い範囲内で変えることができる。該量は、好ましくは、式(VI)で表されるスクシンアミドの1モル当たり、0.5〜25gであり、さらに好ましくは、式(VI)で表されるスクシンアミドの1モル当たり、1〜10gである。
本発明による調製方法の第2段階における反応温度は、広い範囲内で変えることが可能であり、そして、その反応温度は、0℃〜200℃である。好ましくは、20℃〜150℃の温度で実施し、さらに好ましくは、30℃〜130℃の温度で実施する。
本発明による調製方法の第2段階における反応時間は、5分間〜24時間である。好ましくは、30分間〜12時間実施し、さらに好ましくは、1時間〜8時間実施する。
該ジチインテトラ(チオ)カルボキシイミド類を単離するために、上記で記載した調製方法によって調製された物質を適切な溶媒(例えば、アセトニトリル、ブチロニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、又は、1,4−ジオキサン)に加熱しながら溶解させ、そして、水又は1%ギ酸とアセトニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンからなる水性溶離液を用いる分取逆相HPLCカラムで分離させる。好ましくは、1%ギ酸とアセトニトリルを、カラムの寸法に応じて、10〜100mL/分の流速で使用する。検出は、紫外線吸収によって実施する。単離された成分のフラクションを、標題化合物のフラクションを確認するために、HPLCで分析する。割り当てが完了したら、固相抽出を用いて目的物質を単離する。
上記で記載した調製方法によって調製された物質は、好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンに加熱しながら溶解させ、そして、1%ギ酸とアセトニトリルからなる水性溶離液をカラム寸法に応じて10〜100mL/分の流速で用いる分取逆相HPLCで分離させる。検出は、紫外線吸収によって実施する。単離された成分のフラクションを、標題化合物のフラクションを確認するために、HPLCで分析する。割り当てが完了したら、固相抽出を用いて目的物質を単離する。
標題化合物は、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって単離することも可能である。上記で記載した調製方法によって調製された物質を適切な溶媒(好ましくは、1,4−ジオキサン)に溶解させ、そして、COとメタノール、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンの混合物(好ましくは、COと1,4−ジオキサンの混合物)を用いる分取SFCカラムで分離させる。検出は、紫外線吸収によって実施する。目的化合物のフラクションを、減圧下で濃縮するか、又は、凍結乾燥させる。
標題化合物は、好ましくは、上記で記載した調製方法によって調製された物質を1,4−ジオキサンに溶解させ、そして、COと1,4−ジオキサンの混合物を用いる分取SFCカラムで分離させることにより、SFCを用いて単離する。検出は、紫外線吸収によって実施する。目的化合物のフラクションを、減圧下で濃縮するか、又は、凍結乾燥させる。
調製方法B
式(I)で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドは、式(VII)
Figure 2013536820
〔式中、R及びXは、それぞれ、上記で定義されているとおりである〕
で表されるジクロロマレイミドを、溶媒又は溶媒混合物の中で、式(VIII)
Figure 2013536820
〔式中、R、X及びXは、それぞれ、上記で定義されているとおりである〕
で表されるジクロロマレイミド及び無機チオスルフェートと反応させることによって、調製することも可能である。
出発物質として必要とされる式(VII)及び式(VIII)で表されるジクロロマレイミドの一部は、知られている。それらは、例えば、N−置換マレイミドを希釈剤(例えば、トルエン)の存在下でチオン化試薬(thionating reagent)(例えば、ローソン試薬)と反応させ、次いで、そのようにして得られたチオイミドを塩基(例えば、ピリジン)の存在下及び希釈剤(例えば、塩化メチレン)の存在下で塩素化剤(例えば、塩化チオニル)と反応させることによって得ることができる(cf. 実施例3)。
使用されるチオスルフェートは、原則として、任意の可溶性無機チオ硫酸塩、例えば、チオ硫酸リチウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸セシウム、チオ硫酸マグネシウム又はチオ硫酸アンモニウムなどであり得る。好ましくは、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム又はチオ硫酸アンモニウムを使用し、さらに好ましくは、チオ硫酸ナトリウム又はチオ硫酸塩アンモニウムを使用する。これらの塩の混合物を使用することも可能であるということは、理解されるであろう。用語「チオスルフェート(thiosulphate)」及び「チオ硫酸塩(thiosulphate salt)」には、存在する限り、それら塩の水和物も包含される。
上記チオスルフェートは、式(VII)及び式(VIII)で表されるジクロロマレイミドの1モル(総量)当たり、1.1〜1.8molの量で使用される。好ましい量は、1.2〜1.7molのチオスルフェートであり、さらに好ましくは、1.3〜1.6molのチオスルフェートである。
上記チオスルフェートは、固体形態で、又は、溶液(例えば、水溶液)として、当該反応混合物に添加することができる。適切な場合には、該チオスルフェートは、溶融物としての液体形態で添加することも可能である。例えば、チオ硫酸ナトリウム五水和物は、45℃〜50℃で溶融する。該チオスルフェートは、水溶液として添加するのが好ましい。
本発明による調製方法の反応温度は、広い範囲内で変えることが可能であり、そして、その反応温度は、0℃〜200℃である。満足できる空時収量を達成するためには、作業温度は、好ましくは、20℃〜180℃であり、さらに好ましくは、30℃〜150℃である。
本発明による調製方法の反応時間は、10分間〜24時間である。好ましくは、30分間〜12時間実施し、さらに好ましくは、1時間〜6時間実施する。
本発明による調製方法に適している溶媒は、以下のものである:水、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エステル類、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アミド類、例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エーテル類、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ピナコロン、又は、これら希釈剤の混合物。
水、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、酢酸メチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はこれら希釈剤の混合物を使用するのが好ましい。
水とメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、酢酸メチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル又はアセトンとの混合物を使用するのが、一層さらに好ましい。
本発明による調製方法で得ることができる一般式(I)で表される化合物は、酸付加塩又は金属塩錯体に変換することができる。一般式(I)で表される化合物の生理学的に許容される酸付加塩を調製するためには、以下の酸が好ましい選択肢である:ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸及び臭化水素酸(特に、塩酸)、並びに、さらに、リン酸、硝酸、硫酸、単官能性カルボン酸及び二官能性カルボン酸及びヒドロキシカルボン酸、例えば、酢酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、ソルビン酸、乳酸、並びに、スルホン酸、例えば、p−トルエンスルホン酸及び1,5−ナフタレンスルホン酸。一般式(I)で表される化合物の酸付加塩は、塩を形成させるための慣習的な方法によって、例えば、一般式(I)で表される化合物を適切な不活性溶媒に溶解させ、当該酸(例えば、塩酸)を添加することによって、容易に得ることが可能であり、そして、既知方法で、例えば、それらを濾過することによって、単離することが可能であり、そして、場合により、不活性有機溶媒で洗浄することによって精製することが可能である。一般式(I)で表される化合物の金属塩錯体を調製するためには、好ましい選択肢は、周期表の第II〜第IV主族、並びに、第I及び第II及び第IV〜第VIII遷移族の金属の塩、例えば、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム、スズ、鉄及びニッケルなどの塩である。上記塩の有用なアニオンとしては、好ましくは以下の酸から誘導されるアニオンなどを挙げることができる:ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸及び臭化水素酸、並びに、さらに、リン酸、硝酸及び硫酸。一般式(I)で表される化合物の金属塩錯体は、慣習的な方法によって、例えば、当該金属塩をアルコール(例えば、エタノール)に溶解させ、その溶液を一般式(I)で表される化合物に添加することによって、容易に得ることが可能である。金属塩錯体は、既知方法で、例えば、それらを濾過することによって、単離することが可能であり、そして、場合により、再結晶によって精製することが可能である。
本発明は、さらに、本発明による活性成分を含んでいる、望ましくない微生物を防除するための組成物にも関する。当該組成物は、好ましくは、農業において適切な補助剤、溶媒、担体、界面活性剤又は増量剤を含んでいる殺菌剤組成物である。
本発明は、さらに、望ましくない微生物を防除する方法にも関し、ここで、該方法は、本発明による活性成分を当該植物病原性菌類及び/又はそれらの生息環境に施用することを特徴とする。
本発明によれば、担体は、特に植物又は植物の部分又は種子への施用に関して、適用性を良好にするために、当該活性成分と混合させるか又は合する天然又は合成の有機物質又は無機物質である。このような担体は、固体又は液体であり得るが、一般に、不活性であり、そして、農業において使用するのに適しているべきである。
有用な固体又は液体の担体としては、以下のものなどがある:例えば、アンモニウム塩、並びに、天然岩粉、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、並びに、合成岩粉、例えば、微粉化シリカ、アルミナ及び天然又は合成のシリケート、樹脂、蝋、固形肥料、水、アルコール、特に、ブタノール、有機溶媒、鉱油及び植物油、並びに、それらの誘導体。そのような担体の混合物も使用し得る。粒剤に有用な固体担体としては、以下のものなどがある:例えば、粉砕して分別した天然石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、苦灰岩、並びに、無機及び有機の粗挽き粉からなる合成顆粒、並びに、さらに、有機材料、例えば、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などからなる顆粒。
有用な液化ガス増量剤又は担体は、標準温度及び標準圧力下では気体である液体、例えば、エーロゾル噴射剤、例えば、ハロ炭化水素類、さらに、ブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素などである。
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、並びに、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然ポリマー及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、及び、合成リン脂質などを使用することができる。さらなる添加剤は、鉱油及び植物油であり得る。
使用する増量剤が水である場合、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。有用な液体溶媒は、本質的に、以下のものである:芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物及び塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又はジクロロメタン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、鉱油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコールとそれらのエーテル及びエステル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、及び、さらに、水。
本発明の組成物には、付加的に、さらなる成分(例えば、界面活性剤など)も含有させることができる。有用な界面活性剤は、イオン特性若しくは非イオン特性を有する乳化剤及び/若しくは泡形成剤、分散剤又は湿潤剤であるか、又は、そのような界面活性剤の混合物である。これらの例は、以下のものである:ポリアクリル酸の塩、リグノスルホン酸の塩、フェノールスルホン酸若しくはナフタレンスルホン酸の塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールの重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪酸の重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪アミンの重縮合物、置換されているフェノール(好ましくは、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(好ましくは、アルキルタウレート)、ポリエトキシル化アルコールのリン酸エステル若しくはポリエトキシル化フェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、並びに、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン及びリン酸アニオンを含んでいる該化合物の誘導体、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類、タンパク質加水分解物、リグノスルファイト廃液及びメチルセルロースなど。該活性成分のうちの1種類及び/又は該不活性担体のうちの1種類が水不溶性であり且つ施用が水で行われる場合は、界面活性剤を存在させることが必要である。界面活性剤の割合は、本発明組成物の5重量%〜40重量%である。
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian Blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
適切な場合には、付加的な別の成分、例えば、保護コロイド、結合剤、粘着剤、増粘剤、揺変性物質、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤、錯化剤なども存在させることができる。一般的に、該活性成分は、製剤目的で一般的に使用される固体又は液体の任意の添加剤と組み合わせることが可能である。
本発明による組成物及び製剤は、一般に、0.05〜99重量%、0.01〜98%重量%、好ましくは、0.1〜95重量%、さらに好ましくは、0.5〜90重量%の活性成分を含有し、一層さらに好ましくは、10〜70重量%の活性成分を含有する。
本発明による活性成分又は組成物は、そのままで使用することが可能であるか、又は、それらの特定の物理的及び/若しくは化学的特性に応じて、以下のようなそれらの製剤の形態若しくはその製剤から調製される使用形態で使用することが可能である:エーロゾル、カプセル懸濁液剤、冷煙霧濃厚剤(cold−fogging concentrate)、温煙霧濃厚剤(warm−fogging concentrate)、カプセル化粒剤、細粒剤、種子処理用フロアブル剤、即時使用可能な溶液剤(ready−to−use solution)、散粉性粉剤、乳剤、水中油型エマルション剤、油中水型エマルション剤、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液剤、泡剤(foam)、ペースト剤、農薬粉衣種子、懸濁製剤(suspension concentrate)、サスポエマルション製剤、可溶性濃厚剤(soluble concentrate)、懸濁液剤(suspension)、水和剤、可溶性粉剤(soluble powder)、粉剤及び粒剤、水溶性顆粒剤又は錠剤、種子処理用水溶性粉剤、水和剤、活性成分が含浸されている天然物質及び合成物質、並びに、さらに、ポリマー物質中にマイクロカプセル化されているもの及び種子用のコーティング物質中にマイクロカプセル化されているもの、並びに、さらに、ULV冷煙霧製剤(ULV cold−fogging formulation)及びULV温煙霧製剤(ULV warm−fogging formulation)。
上記製剤は、自体公知の方法で、例えば、当該活性成分を少なくとも1種類の慣習的な増量剤、溶媒又は希釈剤、乳化剤、分散剤及び/又は結合剤又は固着剤、湿潤剤、撥水剤、適切な場合には、乾燥剤及び紫外線安定剤、並びに、適切な場合には、染料及び顔料、消泡剤、防腐剤、第2の増粘剤、粘着剤、ジベレリン類、並びに、さらに、さらなる加工助剤と混合させることによって、調製することができる。
本発明による組成物には、既に使用し得る状態にあって適切な装置を用いて植物又は種子に対して施用可能な製剤のみではなく、使用前に水で希釈することが必要な商業的な濃厚物も包含される。
本発明による活性成分は、それだけで存在し得るか、又は、その(商業用)製剤中に、及び、そのような製剤から調製された使用形態中に、殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節剤、除草剤、肥料、薬害軽減剤及び/又は情報化学物質などの別の(既知)活性成分との混合物として、存在し得る
上記活性成分又は組成物を用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法によって、例えば、浸漬、散布、噴霧、灌漑、気化、散粉、煙霧、ばらまき、泡状化、塗布、拡散(spreading−on)、灌水(灌注(drenching))、点滴潅漑などによって、直接的に行うか、又は、該活性成分又は組成物を植物及び植物の部分の周囲、生息環境若しくは貯蔵空間に作用させることにより行い、また、繁殖器官(propagation material)の場合、特に種子の場合には、さらに、乾式種子処理、湿式種子処理、スラリー種子処理、外被化(incrustation)、1層以上の被膜のコーティングによっても行う。さらに、該活性成分を微量散布法(ultra−low volume method)によって施用する(deploy)ことも可能であり、又は、該活性成分調製物若しくは該活性成分自体を土壌中に注入することも可能である。
本発明は、さらに、種子を処理する方法も包含する。
本発明は、さらに、前の段落において記述されている方法のうちの1つによって処理された種子にも関する。本発明による種子は、望ましくない微生物から種子を保護するための方法において使用される。これらの方法においては、本発明による少なくとの1種類の活性成分で処理された種子を使用する。
本発明による活性成分又は組成物は、種子を処理するのにも適している。有害な生物に起因する作物植物に対する被害の大部分は、貯蔵中に、又は、播種後、並びに、さらに、植物が発芽している最中及び発芽の後に、種子が感染することによって引き起こされる。このフェーズは特に危険である。それは、生長している植物の根及び苗条は特に感受性が高く、ささいな損傷であってもその植物が死に至り得るからである。従って、適切な組成物を用いて種子及び発芽中の植物を保護することに、大きな関心が持たれている。
植物の種子を処理することによる植物病原性菌類の防除は、長い間知られており、継続的に改良が加えられている。しかしながら、種子の処理には、必ずしも満足のいくように解決することができるわけではない一連の問題に伴っている。例えば、播種後又は植物の出芽後に作物保護組成物を追加で施用(deployment)することを不要とするか又は少なくとも著しく低減させるような、種子及び発芽中の植物を保護する方法を開発することは望ましい。さらに、使用する活性成分によって植物自体に損傷を与えることなく、植物病原性菌類による攻撃から種子及び発芽中の植物が最適に保護され得るように、使用する活性成分の量を最適化することも望ましい。特に、種子を処理する方法では、最少量の作物保護組成物を使用して種子及び発芽中の植物の最適な保護を達成するために、トランスジェニック植物の内因性の殺菌特性も考慮に入れるべきである。
従って、本発明は、植物病原性菌類による攻撃から種子及び発芽中の植物を保護する方法にも関し、ここで、該方法は、当該種子を本発明の組成物で処理することによる。本発明は、さらに、種子及び発芽中の植物を植物病原性菌類から保護するために種子を処理するための本発明の組成物の使用にも関する。本発明は、さらに、植物病原性菌類から保護されるように、本発明の組成物で処理された種子にも関する。
出芽後の植物に損傷を与える植物病原性菌類の防除は、主として、土壌及び植物の地上部を作物保護組成物で処理することによって行われる。作物保護組成物は、環境並びにヒト及び動物の健康に対して影響を及ぼし得ることに関して懸念があるので、施用する活性成分の量を低減する努力が成されている。
本発明の有利な点の1つは、本発明の活性成分及び組成物が有している際立った浸透移行特性によって、その活性成分及び組成物で種子を処理することにより、植物病原性菌類から、その種子自体が保護されるのみではなく、出芽後に生じる植物も保護されるということである。このようにして、播種時又は播種後間もなくの作物の即時的な処理を省くことができる。
さらにまた、本発明による活性成分又は組成物が、特に、トランスジェニック種子(トランスジェニック種子の場合、その種子から成長した植物は、有害生物に対して作用するタンパク質を発現することができる)と一緒に使用することが可能であるということも、有利な点として見なされる。そのような種子を本発明の活性成分又は組成物で処理することで、単にタンパク質(例えば、殺虫性タンパク質)が発現することによって、特定の有害生物は防除可能である。驚くべきことに、この場合、さらなる相乗効果が観察されることがあり得る。そのような相乗効果は、有害生物による攻撃に対する保護の有効性をさらに改善する。
本発明による組成物は、農業において、温室内で、森林で又は園芸及びブドウ栽培において使用される全ての植物品種の種子を保護するのに適している。特に、これは、禾穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、ソルガム/アワ、及び、エンバク)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、インゲンマメ、コーヒー、ビート(例えば、テンサイ、及び、飼料用ビート)、ラッカセイ、ナタネ、ケシ、オリーブ、ココナッツ、カカオ、サトウキビ、タバコ、野菜(例えば、トマト、キュウリ、タマネギ、及び、レタス)、芝生及び観賞植物の種子である(下記も参照されたい)。禾穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、及び、エンバク)、トウモロコシ及びイネの種子を処理することは、特に重要である。
以下でも記載されているように、本発明の活性成分又は組成物によるトランスジェニック種子の処理は、特に重要である。このことは、殺虫特性を有するポリペプチド又はタンパク質の発現を可能にする少なくとも1種類の異種遺伝子を含んでいる植物の種子に関連する。トランスジェニック種子内の異種遺伝子は、例えば、バシルス(Bacillus)種、リゾビウム(Rhizobium)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、セラチア(Serratia)種、トリコデルマ(Trichoderma)種、クラビバクテル(Clavibacter)種、グロムス(Glomus)種又はグリオクラジウム(Gliocladium)種の微生物に由来し得る。この異種遺伝子は、好ましくは、その遺伝子産物がアワノメイガ(European corn borer)及び/又はウェスタンコーンルートワーム(Western corn rootworm)に対して有効であるバシルス属種(Bacillus sp.)に由来する。該異種遺伝子は、さらに好ましくは、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する。
本発明に関連して、本発明による組成物は、種子に対して、単独で施用するか、又は、適切な製剤中に含ませて施用する。好ましくは、種子は、処理の過程で損傷が起こらないように、充分に安定な状態で処理する。一般に、種子は、収穫と播種の間の任意の時点で処理することができる。慣習的には、植物から分離されていて、穂軸、殻、葉柄、外皮、被毛又は果肉を伴っていない種子を使用する。例えば、収穫され、不純物が取り除かれ、含水量が15重量%未満となるまで乾燥された種子を使用することができる。あるいは、乾燥後に例えば水で処理され、その後再度乾燥された種子を使用することもできる。
種子を処理する場合、種子の発芽が損なわれないように、又は、種子から生じた植物が損傷を受けないように、種子に施用する本発明組成物の量及び/又はさらなる添加剤の量を選択することに関して一般に注意しなくてはならない。このことは、とりわけ、特定の施用量で薬害作用を示し得る活性成分の場合には、留意しなくてはならない。
本発明の組成物は、直接的に施用することが、即ち、別の成分を含ませることなく、また、希釈することなく、施用することが可能である。一般に、該組成物は、適切な製剤の形態で種子に施用するのが好ましい。種子を処理するための適切な製剤及び方法は、当業者には知られており、例えば、以下の文献に記載されている:US 4,272,417、US 4,245,432、US 4,808,430、US 5,876,739、US 2003/0176428A1、WO 2002/080675、WO 2002/028186。
本発明に従って使用することが可能な活性成分は、慣習的な種子粉衣製剤、例えば、溶液剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末剤、泡剤、スラリー剤又は種子用の別のコーティング組成物や、及び、さらに、ULV製剤などに変換することができる。
これらの製剤は、既知方法で、活性成分を、慣習的な添加剤、例えば、慣習的な増量剤、及び、さらに、溶媒又は希釈剤、着色剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、防腐剤、第2の増粘剤、粘着剤、ジベレリン類などと混合させ、及び、さらに、水と混合させることによって、調製する。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる有用な着色剤は、そのような目的に関して慣習的な全ての着色剤がである。水中であまり溶解しない顔料と水中で溶解する染料のいずれも使用することができる。その例としては、「Rhodamin B」、「C.I.Pigment Red 112」及び「C.I.Solvent Red 1」の名称で知られている着色剤などを挙げることができる。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる有用な湿潤剤は、農薬活性成分の製剤に関して慣習的に使用される、湿潤を促進する全ての物質である。好ましくは、アルキルナフタレンスルホネート類、例えば、ジイソプロピルナフタレンスルホネート又はジイソブチルナフタレンスルホネートなどを使用する。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる有用な分散剤及び/又は乳化剤は、農薬活性成分の製剤に関して慣習的に使用される非イオン性、アニオン性及びカチオン性の全ての分散剤である。好ましくは、非イオン性若しくはアニオン性の分散剤又は非イオン性若しくはアニオン性の分散剤の混合物を使用する。適している非イオン性分散剤としては、特に、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー類、アルキルフェノールポリグリコールエーテル類及びトリスチリルフェノールポリグリコールエーテル類、並びに、それらのリン酸化誘導体又は硫酸化誘導体などを挙げることができる。適しているアニオン性分散剤は、特に、リグノスルホネート類、ポリアクリル酸塩類及びアリールスルホネート/ホルムアルデヒド縮合物である。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる消泡剤は、農薬活性成分の製剤中に関して慣習的に使用される全ての泡抑制物質である。好ましくは、シリコーン消泡剤及びステアリン酸マグネシウムを使用することができる。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる防腐剤は、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質がである。例として、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマールなどを挙げることができる。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる第2の増粘剤は、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質である。好ましい例としては、セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、変性クレー及び微粉砕シリカなどを挙げることができる。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる粘着剤は、種子粉衣製品中で使用可能な全ての慣習的な結合剤である。好ましい例としては、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びチロースなどを挙げることができる。。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができるジベレリンは、好ましくは、ジベレリンA1、ジベレリンA3(=ジベレリン酸)、ジベレリンA4及びジベレリンA7であり得る。特に好ましくは、ジベレリン酸を使用する。ジベレリン類は知られている(cf. R.Wegler “Chemie der Pflanzenschutz− und Schadlingsbekampfungsmittel”, vol.2, Springer Verlag, 1970, p.401−412)。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤は、広い範囲の異なった種子(これは、トランスジェニック植物の種子を包含する)を処理するために、直接的に使用することができるか、又は、予め水で希釈したあとで使用することができる。この場合、発現により形成された物質との相互作用において、付加的な相乗効果が生じることもあり得る。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤又は水を添加することによってその種子粉衣製剤から調製された調製物で種子を処理するために、種子粉衣に関して慣習的に使用可能な全ての混合装置が有用である。具体的には、種子粉衣における手順は、種子を混合機の中に入れること、所望される特定量の種子粉衣製剤を、そのままで添加するか又は予め水で希釈したあとで添加すること、及び、該製剤が当該種子の表面に均質に分配されるまで全てを混合させることである。適切な場合には、続いて乾燥工程を行う。
本発明の活性成分又は組成物は、強力な殺微生物活性(microbicidal activity)を有しており、作物保護と材料物質(materials)の保護において、菌類及び細菌類などの望ましくない微生物を防除するために使用することができる。
殺菌剤は、作物保護において、ネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)を防除するために、使用することができる。
殺細菌剤(bactericide)は、作物保護において、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)及びストレプトミセス科(Streptomycetaceae)を防除するために、使用することができる。
本発明による殺菌剤組成物は、植物病原性菌類を治療的又は保護的に防除するために使用することができる。従って、本発明は、本発明による活性成分又は組成物を使用して植物病原性菌類を防除するための治療的方法又は保護的方法にも関し、ここで、該活性成分又は組成物は、種子、植物若しくは植物の部分、果実又は植物がそこで生育している土壌に施用される。
作物保護において植物病原性菌類を防除するための本発明による組成物は、有効で且つ植物に対して毒性を示さない量の本発明による活性成分を含んでいる。「有効で且つ植物に対して毒性を示さない量(effective but non−phytotoxic amount)」は、植物の菌類病を満足のいくように防除するか又は植物の菌類病を完全に根絶するのに充分でありながら、同時に、植物毒性の重大などのような症状も引き起こすことのない、本発明組成物の量を意味する。一般に、そのような施用量は、比較的広い範囲内で変動し得る。それは、複数の要因に依存し、例えば、防除対象の菌類、植物、気候条件及び本発明の組成物の成分などに依存する。
植物病害を防除するために必要とされる濃度の該活性成分に対して植物が充分な耐性を示すという事実により、植物の地上部の処理、栄養繁殖器官及び種子の処理、並びに、土壌の処理が可能である。
本発明に従って、全ての植物及び植物の部分を処理することができる。ここで、植物というのは、望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(自然発生した作物植物を包含する)のような全ての植物及び植物群を意味するものと理解される。作物植物は、慣習的な育種法及び最適化法により、又は、生物工学的方法及び遺伝子工学的方法により、又は、それら方法を組み合わせたものにより得ることが可能な植物であることができる。そのような作物植物には、トランスジェニック植物も包含され、また、植物育種家の権利によって保護され得るか又は保護され得ない植物品種も包含される。植物の部分は、植物の地上及び地下の全ての部分及び全ての器官、例えば、枝条、葉、花及び根などを意味するものと理解され、その例としては、葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実、種子、根、塊茎及び根茎などを挙げることができる。植物の部分には、さらに、収穫されたもの、並びに、栄養繁殖器官及び生殖繁殖器官(vegetative and generative propagation material)、例えば、挿木(cutting)、塊茎、根茎、掻き苗(slip)及び種子なども包含される。
本発明による活性成分は、植物が良好な耐性を示し、恒温動物に対する毒性が望ましい程度であり且つ環境によって充分に許容される場合、植物及び植物の器官を保護するのに適しており、収穫高を増大させるのに適しており、収穫物の質を向上させるのに適している。それらは、好ましくは、作物保護組成物として使用することができる。それらは、通常の感受性種及び抵抗性種に対して活性を示し、また、全ての発育段階又は一部の発育段階に対して活性を示す。
本発明に従って処理することが可能な植物としては、以下の主要な作物植物などを挙げることができる:トウモロコシ、ダイズ、ワタ、アブラナ属油料種子(Brassica oil seeds)、例えば、セイヨウアブラナ(Brassica napus)(例えば、カノラ)、カブ(Brassica rapa)、カラシナ(B.juncea)(例えば、(フィールド)マスタード)及びアビシニアガラシ(Brassica carinata)、イネ、コムギ、テンサイ、サトウキビ、エンバク、ライムギ、オオムギ、アワ及びソルガム、ライコムギ、アマ、ブドウの木、並びに、種々の植物学的分類群に属するさまざまな果実及び野菜、例えば、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、仁果類、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、核果類、例えば、アンズ、サクラ、アーモンド及びモモ、並びに、液果類、例えば、イチゴ)、リベシオイダエ科各種(Ribesioidae sp.)、クルミ科各種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科各種(Betulaceae sp.)、ウルシ科各種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科各種(Fagaceae sp.)、クワ科各種(Moraceae sp.)、モクセイ科各種(Oleaceae sp.)、マタタビ科各種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科各種(Lauraceae sp.)、バショウ科各種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びプランテーション)、アカネ科各種(Rubiaceae sp.)(例えば、コーヒー)、ツバキ科各種(Theaceae sp.)、アオギリ科各種(Sterculiceae sp.)、ミカン科各種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ);ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト、ジャガイモ、トウガラシ、ナス)、ユリ科各種(Liliaceae sp.)、キク科各種(Compositae sp.)(例えば、レタス、チョウセンアザミ及びチコリー(これは、ルートチコリー(root chicory)、エンダイブ又はキクニガナ(common chicory)を包含する))、セリ科各種(Umbelliferae sp.)(例えば、ニンジン、パセリ、セロリ及びセルリアック)、ウリ科各種(Cucurbitaceae sp.)(例えば、キュウリ(これは、ガーキンを包含する)、カボチャ、スイカ、ヒョウタン及びメロン)、ネギ科各種(Alliaceae sp.)(例えば、リーキ及びタマネギ)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)(例えば、白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、タイサイ、コールラビ、ラディッシュ、セイヨウワサビ、コショウソウ及びハクサイ)、マメ科各種(Leguminosae sp.)(例えば、ラッカセイ、エンドウ及びインゲンマメ(例えば、インゲンマメ(common bean)及びソラマメ))、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、フダンソウ、飼料用ビート、ホウレンソウ、ビートルート)、アオイ科(Malvaceae)(例えば、オクラ)、クサスギカズラ科(Asparagaceae)(例えば、アスパラガス);庭園及び森林における有用な植物及び観賞植物;及び、いずれの場合にも、これら植物の遺伝子組み換えが行われたタイプのもの。
上記で既に述べたように、本発明に従って、全ての植物及びそれらの部分を処理することができる。好ましい実施形態では、野生の植物種及び植物品種、又は、交雑若しくはプロトプラスト融合のような慣習的な生物学的育種法により得られた植物種及び植物品種、並びに、それらの部分を処理する。好ましいさらなる実施形態では、適切な場合には慣習的な方法と組み合わせた遺伝子工学的方法により得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物)及びそれらの部分を処理する。用語「部分(parts)」又は「植物の部分(parts of plants)」又は「植物の部分(plant parts)」については、既に上記で説明した。さらに好ましくは、市販されているか又は使用されている植物品種の植物を、本発明に従って処理する。植物品種は、慣習的な育種又は突然変異誘発又は組換えDNA技術によって得られた、新しい特性(「形質」)を有する植物を意味するものと理解される。これらは、品種、変種、生物型又は遺伝子型であることができる。
本発明による処理方法は、遺伝子組換え生物(GMO)、例えば、植物又は種子などを処理するのにも使用することができる。遺伝子組換え植物(又は、トランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。表現「異種遺伝子」は、本質的に、供給されたか又は当該植物の外部で構築された遺伝子であって、核のゲノム、葉緑体のゲノム又はミトコンドリアのゲノムの中に導入されたときに、興味深いタンパク質若しくはポリペプチドを発現することにより、又は、その植物体内に存在している別の1つ若しくは複数の遺伝子をダウンレギュレート若しくはサイレンシングすることにより、当該形質転換された植物に新しい又は改善された作物学的特性又は別の特性を付与する遺伝子を意味する〔例えば、アンチセンス技術、コサプレッション技術又はRNAi技術[RNA干渉]などを使用する〕。ゲノム内に存在している異種遺伝子は、導入遺伝子とも称される。植物ゲノム内におけるその特異的な存在によって定義される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子導入イベントと称される。
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分(diet))に応じて、本発明の処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)も生じ得る。例えば、実際に予期される効果を超える以下の効果などが可能である:本発明により使用し得る活性成分及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、促進された成熟、収穫量の増加、果実の大きさの増大、植物の高さの増大、葉の緑色の向上、より早い開花、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、果実内の糖度の上昇、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上。
特定の施用量において、本発明による活性成分組合せは、植物に対して強化効果(fortifying effect)も示し得る。従って、それらは、望ましくない植物病原性の菌類及び/又は微生物類及び/又はウイルス類による攻撃に対して植物の防御システムを動員させるのに適している。これは、本発明による組合せの例えば菌類に対する強化された活性の理由のうちの1つであり得る。植物を強化する(抵抗性を誘導する)物質は、本発明に関連して、処理された植物が、その後で望ましくない植物病原性菌類を接種されたときに、それらの望ましくない植物病原性菌類に対して実質的な程度の抵抗性を示すように、植物の防御システムを刺激することができる物質又は物質の組合せも意味するものと理解されるべきである。従って、処理後ある一定の期間、上記病原体による攻撃から植物を保護するために、本発明の物質を用いることができる。保護が達成される期間は、植物が該活性成分で処理されてから、一般に、1〜10日間、好ましくは、1〜7日間に及ぶ。
本発明に従って処理するのが好ましい植物及び植物品種には、特に有利で有用な形質を植物に付与する遺伝物質を有している全ての植物(育種によって得られたものであろうと、及び/又は、生物工学的手段によって得られたものであろうと)が包含される。
本発明に従って処理するのが同様に好ましい植物及び植物品種は、1以上の生物的ストレス因子に対して抵抗性を示す。即ち、そのような植物は、害虫及び有害微生物に対して、例えば、線虫類、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類、ウイルス類及び/又はウイロイド類などに対して、良好な防御を示す。
線虫抵抗性植物の例は、例えば、以下の米国特許出願に記載されている:11/765,491、11/765,494、10/926,819、10/782,020、12/032,479、10/783,417、10/782,096、11/657,964、12/192,904、11/396,808、12/166,253、12/166,239、12/166,124、12/166,209、11/762,886、12/364,335、11/763,947、12/252,453、12/209,354、12/491,396、及び、12/497,221。
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、1以上の非生物的ストレス因子に対して抵抗性を示す植物である。非生物的なストレス状態としては、例えば、渇水、低温に晒されること、熱に晒されること、浸透ストレス、湛水、土壌中の増大した塩分、鉱物により多くの晒されること、オゾンに晒されること、強い光に晒されること、利用可能な窒素養分が限られていること、利用可能なリン養分が限られていること、日陰回避などを挙げることができる。
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、増大した収量特性を特徴とする植物である。そのような植物における増大した収量は、例えば、植物の改善された生理機能、植物の改善された生長及び発育、例えば、水の利用効率、水の保持効率、改善された窒素の利用性、強化された炭素同化作用、改善された光合成、上昇した発芽効率及び促進された成熟などの結果であり得る。収量は、さらに、改善された植物の構成(architecture)によっても影響され得る(ストレス条件下及び非ストレス条件下)。そのような改善された植物の構成としては、早咲き、ハイブリッド種子産生のための開花制御、実生の活力、植物の寸法、節間の数及び距離、根の成長、種子の寸法、果実の寸法、莢の寸法、莢又は穂の数、1つの莢又は穂当たりの種子の数、種子の体積、強化された種子充填、低減された種子分散、低減された莢の裂開及び耐倒伏性などがある。収量についてのさらなる形質としては、種子の組成、例えば、炭水化物含有量、タンパク質含有量、油含有量及び油の組成、栄養価、抗栄養化合物の低減、改善された加工性並びに向上した貯蔵安定性などがある。
本発明に従って処理し得る植物は、雑種強勢又は雑種効果(これは、結果として、一般に、増加した収量、向上した活力、向上した健康状態並びに生物的及び非生物的ストレス因子に対する向上した抵抗性をもたらす)の特性を既に呈しているハイブリッド植物である。そのような植物は、典型的には、雄性不稔交配母体近交系(inbred male sterile parent line)(雌性親)を別の雄性稔性交配母体近交系(inbred male fertile parent line)(雄性親)と交雑させることによって作られる。ハイブリッド種子は、典型的には、雄性不稔植物から収穫され、そして、栽培者に販売される。雄性不稔植物は、場合により(例えば、トウモロコシにおいて)、雄穂を除去することによって〔即ち、雄性繁殖器官又は雄花を機械的に除去することによって〕、作ることができる。しかしながら、より典型的には、雄性不稔性は、植物ゲノム内の遺伝的決定基の結果である。その場合、及び、特に種子がハイブリッド植物から収穫される所望の生産物である場合、典型的には、雄性不稔性に関与する遺伝的決定基を含んでいる該ハイブリッド植物において雄性稔性を確実に完全に回復させることは有益である。これは、雄性不稔性に関与する遺伝的決定基を含んでいるハイブリッド植物において雄性稔性を回復させることが可能な適切な稔性回復遺伝子を雄性親が有していることを確実なものとすることによって達成することができる。雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、細胞質内に存在し得る。細胞質雄性不稔(CMS)の例は、例えば、アブラナ属各種(Brassica species)に関して記述された。しかしながら、雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、核ゲノム内にも存在し得る。雄性不稔性植物は、遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によっても得ることができる。雄性不稔性植物を得る特に有用な方法は、WO 89/10396に記載されており、ここでは、例えば、バルナーゼなどのリボヌクレアーゼを雄ずい内のタペータム細胞において選択的に発現させる。次いで、タペータム細胞内においてバルスターなどのリボヌクレアーゼインヒビターを発現させることによって、稔性を回復させることができる。
本発明に従って処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、除草剤耐性植物、即ち、1種類以上の所与の除草剤に対して耐性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、当該除草剤耐性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
除草剤耐性植物は、例えば、グリホセート耐性植物、即ち、除草剤グリホセート又はその塩に対して耐性にされた植物である。植物は、種々の方法によって、グリホセートに対して耐性にすることができる。例えば、グリホセート耐性植物は、酵素5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換させることによって得ることができる。そのようなEPSPS遺伝子の例は、以下のものである:細菌サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(突然変異CT7)(Comai et al., 1983, Science 221, 370−371)、細菌アグロバクテリウム属各種(Agrobacterium sp.)のCP4遺伝子(Barry et al., 1992, Curr. Topics Plant Physiol. 7, 139−145)、ペチュニアのEPSPSをコードする遺伝子(Shah et al., 1986, Science 233, 478−481)、トマトのEPSPSをコードする遺伝子(Gasser et al., 1988, J. Biol. Chem. 263, 4280−4289)又はオヒシバ属(Eleusine)のEPSPSをコードする遺伝子(WO 01/66704)。それは、突然変異EPSPSであることも可能である。グリホセート耐性植物は、さらにまた、グリホセートオキシドレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、グリホセートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、上記遺伝子の自然発生突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることもできる。グリホセート耐性を付与するEPSPS遺伝子を発現する植物は、既に記述されている。グリホセート耐性を付与する別の遺伝子(例えば、デカルボキシラーゼ遺伝子)を発現する植物は、既に記述されている。
別の除草剤抵抗性植物は、例えば、酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤(例えば、ビアラホス、ホスフィノトリシン又はグルホシネート)に対して耐性にされている植物である。そのような植物は、当該除草剤を解毒する酵素を発現させるか、又は、阻害に対して抵抗性を示す突然変異グルタミンシンターゼ酵素を発現させることによって、得ることができる。そのような有効な一解毒酵素は、例えば、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする酵素である(例えば、ストレプトマイセス属各種(Streptomyces species)に由来するbarタンパク質又はpatタンパク質)。外因性のホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する植物は、記述されている。
さらなる除草剤耐性植物は、さらにまた、酵素ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性にされている植物である。ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ類は、パラ−ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)がホモゲンチセートに変換される反応を触媒する酵素である。HPPD阻害薬に対して耐性を示す植物は、WO 96/38567、WO 99/24585、WO 99/24586、WO 2009/144079、WO 2002/046387又はUS 6,768,044に記述されているように、自然発生抵抗性HPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、又は、突然変異HPPD酵素若しくはキメラHPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、形質転換させることができる。HPPD阻害薬に対する耐性は、さらにまた、HPPD阻害薬による天然HPPD酵素の阻害にもかかわらずホモゲンチセートを形成させることが可能な特定の酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによっても得ることができる。そのような植物は、WO 99/34008及びWO 02/36787に記述されている。HPPD阻害薬に対する植物の耐性は、さらにまた、WO 2004/024928に記述されているように、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えて酵素プレフェナートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによって改善することもできる。さらに、植物は、そのゲノムの中にHPPD阻害薬を代謝又は分解する酵素(例えば、CYP450酵素)をコードする遺伝子を挿入することによって、HPPD阻害薬に対してさらに耐性にすることができる(WO 2007/103567、及び、WO 2008/150473)。
さらなる除草剤抵抗性植物は、アセトラクテートシンターゼ(ALS)阻害薬に対して耐性にされている植物である。既知ALS阻害薬としては、例えば、スルホニル尿素系除草剤、イミダゾリノン系除草剤、トリアゾロピリミジン系除草剤、ピリミジニルオキシ(チオ)ベンゾエート系除草剤、及び/又は、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系除草剤などがある。ALS酵素(「アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)」としても知られている)における種々の突然変異体は、例えば「Tranel and Wright(Weed Science 2002, 50:700−712)」などに記述されているように、種々の除草剤及び除草剤の群に対する耐性を付与することが知られている。スルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物の作製については、既に記述されている。さらなるスルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物についても、既に記述されている。
イミダゾリノン及び/又はスルホニル尿素に対して耐性を示すさらなる植物は、誘導された突然変異誘発によって得ることができるか、当該除草剤の存在下での細胞培養における選抜によって得ることができるか、又は、突然変異育種によって得ることができる(cf. 例えば、ダイズに関しては、米国特許第5,084,082号、イネに関しては、WO 97/41218、テンサイに関しては、米国特許第5,773,702号及びWO 99/057965、レタスに関しては米国特許第5,198,599号、又は、ヒマワリに関してはWO 01/065922)。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、昆虫抵抗性トランスジェニック植物、即ち、特定の標的昆虫による攻撃に対して抵抗性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような昆虫抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
本明細に関連して、用語「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」には、以下のものをコードするコード配列を含んでいる少なくとも1の導入遺伝子を含んでいる任意の植物が包含される:
(1) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、クリックモアら「Crickmore et al. (Microbiology and Molecular Biology Reviews 1998, 62, 807−813)」によって編集され、クリックモアら「Crickmore et al. (2005)」によって、オンライン「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/」上で「バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)毒素命名法」において更新された殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、Cryタンパク質類(Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1B、Cry1C、Cry1D、Cry1F、Cry2Ab、Cry3Aa、又は、Cry3Bb)のタンパク質若しくはその殺虫活性を示す一部分(例えば、EP−A 1999141、及び、WO 2007/107302)、又は、例えば米国特許出願第12/249,016号に記載されている合成遺伝子によってコードされているタンパク質;又は、
(2) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)とは異なる第2の結晶タンパク質又はその一部分の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質又はその一部分、例えば、Cry34結晶タンパク質とCry35結晶タンパク質で構成されているバイナリートキシン(Nat. Biotechnol. 2001, 19, 668−72; Applied Environm. Microbiol. 2006, 71, 1765−1774)、又は、Cry1A若しくはCry1Fタンパク質とCry2Aa若しくはCry2Ab若しくはCry2Aeタンパク質で構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第12/214,022号、及び、EP 08010791.5);又は、
(3) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する2種類の異なった殺虫性結晶タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド、例えば、トウモロコシイベントMON98034で産生されるCry1A.105タンパク質(WO 2007/027777);又は、
(4) 上記項目(1)〜(3)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に誘導された変化に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、トウモロコシイベントMON863若しくはMON88017におけるCry3Bb1タンパク質又はトウモロコシイベントMIR604におけるCry3Aタンパク質;又は、
(5) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する殺虫性分泌タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/home/Neil_Crickmore/Bt/vip.html」において挙げられている栄養生長期殺虫性タンパク質(vegetative insecticidal protein)(VIP)、例えば、VIP3Aaタンパク質類のタンパク質;又は、
(6) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する第2の分泌タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、VIP1aタンパク質とVIP2Aタンパク質で構成されているバイナリートキシン(WO 94/21795);又は、
(7) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する異なった分泌タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド;又は、
(8) 上記項目(5)〜(7)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に誘導された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、ワタイベントCOT102におけるVIP3Aaタンパク質;又は、
(9) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、VIP3とCry1A若しくはCry1Fで構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第61/126083号、及び、米国特許出願第61/195019号)、又は、VIP3タンパク質とCry2Aaタンパク質若しくはCry2Abタンパク質若しくはCry2Aeタンパク質で構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第12/214,022号、及び、EP 08010791.5);又は、
(10) 上記(9)のタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの。
もちろん、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、本明細書中で使用されている場合、上記クラス(1)〜(10)のいずれか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組合せを含んでいる任意の植物も包含する。一実施形態では、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、又は、同一の標的昆虫種に対して殺虫活性を示すが作用機序は異なっている(例えば、当該昆虫体内の異なった受容体結合部位に結合する)異なったタンパク質を用いることによって当該植物に対する昆虫の抵抗性の発達を遅延させるために、昆虫抵抗性植物は、上記クラス(1)〜(10)のいずれか1つのタンパク質をコードする2つ以上の導入遺伝子を含んでいる。
本発明に関連して、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、さらに、食物が害虫によって消費された後で、その害虫の成長を妨げる二本鎖RNAを産生するための配列を含んでいる少なくとも1の導入遺伝子を含んでいる任意の植物も包含する。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、非生物的ストレス因子に対して耐性を示す。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのようなストレス抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。特に有用なストレス耐性植物としては、以下のものなどがある:
(a) 植物細胞内又は植物体内におけるポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能な導入遺伝子を含んでいる植物;
(b) 植物又は植物細胞のPARGコード化遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能なストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物;
(c) ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼ又はニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを包含するニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ生合成経路の植物機能性酵素(plant−functional enzyme)をコードするストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、収穫された生産物の改変された量、品質及び/若しくは貯蔵安定性、並びに/又は、収穫された生産物の特定の成分の改変された特性を示す。例えば:
(1) 野生型の植物細胞又は植物において合成された澱粉と比較して、その物理化学的形質〔特に、アミロース含有量若しくはアミロース/アミロペクチン比、枝分かれ度、平均鎖長、側鎖の分布、粘性挙動、ゲル抵抗(gel resistance)、澱粉粒径及び/又は澱粉の粒子形態〕に関して改変されていて、特定の用途により適した変性澱粉を合成するトランスジェニック植物;
(2) 非澱粉炭水化物ポリマーを合成するか、又は、遺伝子組換えがなされていない野生型植物と比較して改変された特性を有する非澱粉炭水化物ポリマーを合成する、トランスジェニック植物〔その例は、ポリフルクトース(特に、イヌリン型及びレバン型のポリフルクトース)を産生する植物、α−1,4−グルカン類を産生する植物、α−1,6−分枝 α−1,4−グルカン類を産生する植物、及び、アルテルナンを産生する植物である〕;
(3) ヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物;
(4) トランスジェニック植物又はハイブリッド植物、例えば、「可溶性固形物高含有量」、「低辛味」(LP)及び/又は「長期保存」(LS)などの特性を有するタマネギ。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変された繊維特性を有する植物(例えば、ワタ植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された繊維特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) セルロースシンターゼ遺伝子の改変された形態を含んでいる植物(例えば、ワタ植物);
(b) rsw2相同核酸又はrsw3相同核酸の改変された形態を含んでいる植物(例えば、ワタ植物)、例えば、スクロースリン酸シンターゼの発現が増大しているワタ植物;
(c) スクロースシンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物);
(d) 繊維細胞に基づいた原形質連絡のゲーティングのタイミングが(例えば、繊維選択的β−1,3−グルカナーゼのダウンレギュレーションを介して)改変されている植物(例えば、ワタ植物);
(e) 反応性が(例えば、nodCを包含するN−アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子の発現及びキチンシンターゼ遺伝子の発現を介して)改変されている繊維を有する植物(例えば、ワタ植物)。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変されたオイルプロフィール特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変されたオイル特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) オレイン酸含有量が高いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物);
(b) リノレン酸含有量が低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物);
(c) 飽和脂肪酸のレベルが低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、ウイルス抵抗性を示す〔例えば、ジャガイモウイルスYに対してウイルス抵抗性を示す(SY230イベント及びSY233イベント、Tecnoplant,Argentina)〕ジャガイモ又は病害(例えば、ジャガイモ疫病)に対して抵抗性を示すジャガイモ(例えば、RB遺伝子)又は低減された低温誘発甘味を示すジャガイモ(これは、遺伝子Nt−Inh、遺伝子II−INVを有している)又は矮性表現型を示すジャガイモ(A−20オキシダーゼ遺伝子)などの植物である。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変された種子脱粒特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、種子の脱粒が遅延されているか又は低減されている植物(例えば、ナタネ植物)などがある。
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、アメリカ合衆国内における規制除外(non−regulated status)についてのアメリカ合衆国農務省(USDA)の動植物検疫局(APHIS)に対する認可申請又は継続申請の対象である、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる植物である。これに関連する情報は、APHIS(4700 River Road Riverdale, MD 20737,USA)から、例えば、ウェブサイト「http://www.aphis.usda.gov/brs/not_reg.html」を介して、いつ何時でも入手することができる。本出願の出願日において、下記上方を有する申請は、APHISによって許可されたか又はAPHISが審理中である:
− 申請: 当該申請の識別番号。形質転換イベントについての技術的な記述は、APHISからそのウェブサイトにおいて入手可能な特定の申請書類の中に、当該申請番号を介して見いだすことができる。それらの記述は、参照によって本明細書中に開示される。
− 申請の拡張: 範囲又は期間の拡張が請求されている、先の申請についての言及。
− 会社: 当該申請を提出している個人の名称。
− 規制物: 当該植物種。
− トランスジェニック表現型: 形質転換イベントによって植物に付与された形質。
− 形質転換イベント又はライン: 規制除外が請求されている1つ又は複数のイベント(場合により、ラインとも称される)の名称。
− APHIS文書: 申請に関連してAPHISによって刊行されているか、又は、請求することでAPHISから入手することが可能な、種々の文書。
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、1種類以上の毒素をコードする1種類以上の遺伝子を含んでいる植物、及び、以下の商品名で販売されているトランスジェニック植物である:YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、BiteGard(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、BT−Xtra(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)、Nucotn 33B(登録商標)(ワタ)、NatureGard(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Protecta(登録商標)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)。挙げるべき除草剤耐性植物の例は、以下の商品名で入手可能なトウモロコシ品種、ワタ品種及びダイズ品種である:Roundup Ready(登録商標)(グリホセートに対する耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、ナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン系に対する耐性)及びSCS(登録商標)(スルホニル尿素系に対する耐性、例えば、トウモロコシ)。挙げるべき除草剤抵抗性植物(除草剤耐性に関して慣習的な方法で品種改良された植物)としては、Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されている品種などがある。
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる植物であり、それらは、例えば、国又は地域のさまざまな規制機関に関するデータベースに記載されている〔例えば、「http://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspx」及び「http://ceragmc.org/index.php?evidcode=&hstIDXCode=&gType=&AbbrCode=&atCode=&stCode=&coIDCode=&action=gm_crop_database&mode=Submit」を参照されたい〕。
本発明による活性成分又は組成物は、さらにまた、材料物質の保護において、望ましくない微生物(例えば、菌類)及び昆虫類による攻撃及び破壊から工業材料を保護するために用いることもできる。
さらに、本発明の化合物は、単独で、又は、別の活性成分と組み合わせて、防汚組成物として用いることもできる。
本発明に関連して、工業材料とは、工業において使用するために調製された非生体材料を意味するものと理解される。例えば、本発明の活性成分で微生物による変性又は破壊から保護されるべき工業材料は、接着剤、サイズ、紙、壁紙及び厚紙、織物、カーペット、皮革、木材、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑油、並びに、微生物によって汚染又は破壊され得る別の材料などであり得る。微生物の増殖により損なわれ得る建築物及び製造プラントの部品、例えば、冷却水循環路、冷却装置及び暖房装置、並びに、換気設備及空調設備なども、保護すべき材料の範囲内に包含される。本発明の範囲内にある工業材料としては、好ましくは、接着剤、サイズ、紙及び厚紙、皮革、木材、塗料、冷却用潤滑油及び熱媒液であり、さらに好ましくは、木材である。本発明による活性成分又は組成物は、腐朽、腐敗、変色、脱色又は黴発生などの悪影響を防止することができる。さらに、本発明による化合物は、海水又は淡海水と接触するもの(特に、船体、障壁(screen)、網、建造物、係船設備及び信号システム)を付着物から保護するために使用することもできる。
望ましくない菌類を防除するための本発明による方法は、貯蔵品を保護するために使用することもできる。貯蔵品は、長期間の保護が望まれる、植物若しくは動物起源の天然物質又は自然起源のそれら天然物質の加工製品を意味するものと理解される。植物起源の貯蔵品、例えば、植物若しくは植物の分部、例えば、茎、葉、塊茎、種子、果実、穀粒などは、新たに収穫されたものを保護することができるか、又は、(予備)乾燥、加湿、粉砕、摩砕、加圧成形又は焙焼によって加工された後で保護することができる。貯蔵品には、さらに、未加工の材木(例えば、建築用材木、電柱及び柵)又は完成品の形態にある材木(例えば、家具)の両方とも包含される。動物起源の貯蔵品は、例えば、皮革、革製品、毛皮及び獣毛などである。本発明による活性成分は、腐朽、腐敗、変色、脱色又は黴発生などの悪影響を防止することができる。
本発明に従って治療することが可能な菌類病の病原体の非限定的な例としては、以下のものを挙げることができる:
・ 例えば以下のような、うどんこ病病原体に起因する病害: ブルメリア属各種(Blumeria species)、例えば、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis); ポドスファエラ属各種(Podosphaera species)、例えば、ポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha); スファエロテカ属各種(Sphaerotheca species)、例えば、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea); ウンシヌラ属各種(Uncinula species)、例えば、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator);
・ 例えば以下のような、さび病病原体に起因する病害: ギムノスポランギウム属各種(Gymnosporangium species)、例えば、ギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae); ヘミレイア属各種(Hemileia species)、例えば、ヘミレイア・バスタトリクス(Hemileia vastatrix); ファコプソラ属各種(Phakopsora species)、例えば、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae); プッシニア属各種(Puccinia species)、例えば、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)又はプッシニア・トリシチナ(Puccinia triticina); ウロミセス属各種(Uromyces species)、例えば、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus);
・ 例えば以下のような、卵菌類(Oomycetes)の群の病原体に起因する病害: ブレミア属各種(Bremia species)、例えば、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae); ペロノスポラ属各種(Peronospora species)、例えば、ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae); フィトフトラ属各種(Phytophthora species)、例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans); プラスモパラ属各種(Plasmopara species)、例えば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola); プセウドペロノスポラ属各種(Pseudoperonospora species)、例えば、プセウドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はプセウドペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis); ピシウム属各種(Pythium species)、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum);
・ 例えば以下のものに起因する、斑点病(leaf blotch disease)及び萎凋病(leaf wilt disease): アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani); セルコスポラ属各種(Cercospora species)、例えば、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola); クラジオスポリウム属各種(Cladiosporium species)、例えば、クラジオスポリウム・ククメリヌム(Cladiosporium cucumerinum); コクリオボルス属各種(Cochliobolus species)、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(分生子形態:Drechslera, 同義語:Helminthosporium); コレトトリクム属各種(Colletotrichum species)、例えば、コレトトリクム・リンデムタニウム(Colletotrichum lindemuthanium); シクロコニウム属各種(Cycloconium species)、例えば、シクロコニウム・オレアギヌム(Cycloconium oleaginum); ジアポルテ属各種(Diaporthe species)、例えば、ジアポルテ・シトリ(Diaporthe citri); エルシノエ属各種(Elsinoe species)、例えば、エルシノエ・ファウセッチイ(Elsinoe fawcettii); グロエオスポリウム属各種(Gloeosporium species)、例えば、グロエオスポリウム・ラエチコロル(Gloeosporium laeticolor); グロメレラ属各種(Glomerella species)、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata); グイグナルジア属各種(Guignardia species)、例えば、グイグナルジア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli); レプトスファエリア属各種(Leptosphaeria species)、例えば、レプトスファエリア・マクランス(Leptosphaeria maculans); マグナポルテ属各種(Magnaporthe species)、例えば、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea); ミクロドキウム属各種(Microdochium species)、例えば、ミクロドキウム・ニバレ(Microdochium nivale); ミコスファエレラ属各種(Mycosphaerella species)、例えば、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)及びミコスファエレラ・フィジエンシス(M. fijiensis); ファエオスファエリア属各種(Phaeosphaeria species)、例えば、ファエオスファエリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum); ピレノホラ属各種(Pyrenophora species)、例えば、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres); ラムラリア属各種(Ramularia species)、例えば、ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo−cygni); リンコスポリウム属各種(Rhynchosporium species)、例えば、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis); セプトリア属各種(Septoria species)、例えば、セプトリア・アピイ(Septoria apii); チフラ属各種(Typhula species)、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata); ベンツリア属各種(Venturia species)、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis);
・ 例えば以下のものに起因する、根及び茎の病害: コルチシウム属各種(Corticium species)、例えば、コルチシウム・グラミネアルム(Corticium graminearum); フサリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum); ガエウマンノミセス属各種(Gaeumannomyces species)、例えば、ガエウマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis); リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani); タペシア属各種(Tapesia species)、例えば、タペシア・アクホルミス(Tapesia acuformis); チエラビオプシス属各種(Thielaviopsis species)、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola);
・ 例えば以下のものに起因する、穂の病害(ear and panicle disease)(トウモロコシの穂軸を包含する): アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria spp.); アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus); クラドスポリウム属各種(Cladosporium species)、例えば、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides); クラビセプス属各種(Claviceps species)、例えば、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea); フサリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum); ジベレラ属各種(Gibberella species)、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae); モノグラフェラ属各種(Monographella species)、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis); セプトリア属各種(Septoria species)、例えば、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum);
・ 例えば以下のものなどの、黒穂病菌類(smut fungi)に起因する病害: スファセロテカ属各種(Sphacelotheca species)、例えば、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana); チレチア属各種(Tilletia species)、例えば、チレチア・カリエス(Tilletia caries)、チレチア・コントロベルサ(T. controversa); ウロシスチス属各種(Urocystis species)、例えば、ウロシスチス・オクルタ(Urocystis occulta); ウスチラゴ属各種(Ustilago species)、例えば、ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)、ウスチラゴ・ヌダ・トリシチ(U. nuda tritici);
・ 例えば以下のものに起因する、果実の腐敗(fruit rot): アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus); ボトリチス属各種(Botrytis species)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea); ペニシリウム属各種(Penicillium species)、例えば、ペニシリウム・エクスパンスム(Penicillium expansum)及びペニシリウム・プルプロゲヌム(P. purpurogenum); スクレロチニア属各種(Sclerotinia species)、例えば、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum); ベルチシリウム属各種(Verticilium species)、例えば、ベルチシリウム・アルボアトルム(Verticilium alboatrum);
・ 例えば以下のものに起因する、種子及び土壌によって媒介される腐敗病及び萎凋病(seed− and soil−borne rot and wilt disease)並びに実生の病害: フサリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum); フィトフトラ属各種(Phytophthora species)、例えば、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum); ピシウム属各種(Pythium species)、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum); リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani); スクレロチウム属各種(Sclerotium species)、例えば、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii);
・ 例えば以下のものに起因する、癌性病害(cancer)、こぶ(gall)及び天狗巣病(witches’ broom): ネクトリア属各種(Nectria species)、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena);
・ 例えば以下のものに起因する、萎凋病(wilt disease): モニリニア属各種(Monilinia species)、例えば、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa);
・ 例えば以下のものに起因する、葉、花及び果実の奇形: タフリナ属各種(Taphrina species)、例えば、タフリナ・デホルマンス(Taphrina deformans);
・ 例えば以下のものに起因する、木本植物の衰退性病害(degenerative disease): エスカ属各種(Esca species)、例えば、ファエモニエラ・クラミドスポラ(Phaemoniella clamydospora)及びファエオアクレモニウム・アレオフィルム(Phaeoacremonium aleophilum)及びフォミチポリア・メジテラネア(Fomitiporia mediterranea;
・ 例えば以下のものに起因する、花及び種子の病害: ボトリチス属各種(Botrytis species)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);
・ 例えば以下のものに起因する、植物塊茎の病害: リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani); ヘルミントスポリウム属各種(Helminthosporium species)、例えば、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani);
・ 例えば以下のものなどの、細菌性病原体に起因する病害: キサントモナス属各種(Xanthomonas species)、例えば、キサントモナス・カムペストリス pv.オリザエ(Xanthomonas campestris pv. oryzae); シュードモナス属各種(Pseudomonas species)、例えば、シュードモナス・シリンガエ pv.ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv. lachrymans); エルビニア属各種(Erwinia species)、例えば、エルビニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)。
ダイズの以下の病害を好ましくは防除することができる:
・ 例えば以下のものに起因する、葉、茎、鞘及び種子の菌類病:
アルテルナリア斑点病(Alternaria leaf spot)(Alternaria spec. atrans tenuissima)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporoides dematium var. truncatum)、褐紋病(brown spot)(Septoria glycines)、紫斑病(cercospora leaf spot and blight)(Cercospora kikuchii)、コアネホラ葉枯病(choanephora leaf blight)(Choanephora infundibulifera trispora(Syn.))、ダクツリオホラ斑点病(dactuliophora leaf spot)(Dactuliophora glycines)、べと病(Peronospora manshurica)、ドレクスレラ胴枯病(drechslera blight)(Drechslera glycini)、斑点病(frogeye leaf spot)(Cercospora sojina)、そばかす病(leptosphaerulina leaf spot)(Leptosphaerulina trifolii)、灰星病(phyllostica leaf spot)(Phyllosticta sojaecola)、黒点病(pod and stem blight)(Phomopsis sojae)、うどんこ病(Microsphaera diffusa)、ピレノカエタ斑点病(pyrenochaeta leaf spot)(Pyrenochaeta glycines)、葉腐病(rhizoctonia aerial, foliage, and web blight)(Rhizoctonia solani)、さび病(Phakopsora pachyrhizi, Phakopsora meibomiae)、黒とう病(Sphaceloma glycines)、ステムフィリウム葉枯病(stemphylium leaf blight)(Stemphylium botryosum)、褐色輪紋病(Corynespora cassiicola);
・ 例えば以下のものに起因する、根及び茎基部の菌類病:
黒根腐病(Calonectria crotalariae)、炭腐病(Macrophomina phaseolina)、赤かび病(fusarium blight or wilt, root rot, and pod and collar rot)(Fusarium oxysporum、Fusarium orthoceras、Fusarium semitectum、Fusarium equiseti)、ミコレプトジスクス根腐病(mycoleptodiscus root rot)(Mycoleptodiscus terrestris)、根腐病(neocosmospora)(Neocosmopspora vasinfecta)、黒点病(Diaporthe phaseolorum)、茎腐爛病(stem canker)(Diaporthe phaseolorum var. caulivora)、茎疫病(phytophthora rot)(Phytophthora megasperma)、落葉病(brown stem rot)(Phialophora gregata)、根茎腐敗病(pythium rot)(Pythium aphanidermatum、Pythium irregulare、Pythium debaryanum、Pythium myriotylum、Pythium ultimum)、リゾクトニア根腐病(rhizoctonia root rot, stem decay, and damping−off)(Rhizoctonia solani)、菌核病(sclerotinia stem decay)(Sclerotinia sclerotiorum)、スクレロチニアサウザンブライト病(sclerotinia southern blight)(Sclerotinia rolfsii)、チエラビオプシス根腐病(thielaviopsis root rot)(Thielaviopsis basicola)。
工業材料を劣化又は変性させることができる微生物としては、例えば、細菌類、菌類、酵母類、藻類及び粘菌類(slime organisms)などを挙げることができる。本発明の活性成分は、好ましくは、菌類、特に、カビ類、材木を変色させる菌類及び材木を破壊する菌類(担子菌類(Basidiomycetes))、並びに、粘菌類(slime organisms)及び藻類に対して作用する。その例としては、以下の属の微生物を挙げることができる: アルテルナリア(Alternaria)、例えば、アルテルナリア・テヌイス(Alternaria tenuis); アスペルギルス(Aspergillus)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger); カエトミウム(Chaetomium)、例えば、カエトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum); コニオホラ(Coniophora)、例えば、コニオホラ・プエタナ(Coniophora puetana); レンチヌス(Lentinus)、例えば、レンチヌス・チグリヌス(Lentinus tigrinus); ペニシリウム(Penicillium)、例えば、ペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum); ポリポルス(Polyporus)、例えば、ポリポルス・ベルシコロル(Polyporus versicolor); アウレオバシジウム(Aureobasidium)、例えば、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans); スクレロホマ(Sclerophoma)、例えば、スクレロホマ・ピチオフィラ(Sclerophoma pityophila); トリコデルマ(Trichoderma)、例えば、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride); エシェリキア(Escherichia)、例えば、エシェリキア・コリ(Escherichia coli); シュードモナス(Pseudomonas)、例えば、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa); スタフィロコッカス(Staphylococcus)、例えば、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)。
さらに、本発明による活性成分は、極めて優れた抗真菌活性も示す。それらは、極めて広い抗真菌活性スペクトルを有しており、特に、皮膚糸状菌、並びに、酵母菌、カビ及び二相性真菌類に対して〔例えば、カンジダ属各種(Candida species)、例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)に対して〕、並びに、エピデルモフィトン・フロコスム(Epidermophyton floccosum)、アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)及びアスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)、トリコフィトン属各種(Trichophyton species)、例えば、トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、ミクロスポロン属各種(Microsporon species)、例えば、ミクロスポロン・カニス(Microsporon canis)及びミクロスポロン・アウドウイニイ(Microsporon audouinii)などに対して、極めて広い抗真菌活性スペクトルを有している。これら菌類のリストは、包含される真菌スペクトルを決して制限するものではなく、単に例示的な性質のものである。
従って、本発明による活性成分は、医薬用途と非医薬用途の両方で使用することができる。
本発明の活性成分を殺菌剤として使用する場合、その施用量は、施用の種類に応じて、比較的広い範囲内で変えることができる。本発明による活性成分の施用量は、以下のとおりである:
・ 植物の部分、例えば、葉を処理する場合: 0.1〜10000g/ha、好ましくは、10〜1000g/ha、さらに好ましくは、50〜300g/ha(灌水又は滴下によって施用する場合、特に、ロックウール又はパーライトなどの不活性底土を用いる場合には、上記施用量はさらに低減させることができる);
・ 種子を処理する場合: 種子100kg当たり2〜200g、好ましくは、種子100kg当たり3〜150g、さらに好ましくは、種子100kg当たり2.5〜25g、さらに一層好ましくは、種子100kg当たり2.5〜12.5g;
・ 土壌処理の場合: 0.1〜10000g/ha、好ましくは、1〜5000g/ha。
上記施用量は、単に例としてのものであり、本発明の目的に関して限定するものではない。
本発明による活性成分又は組成物は、かくして、処理後ある一定の期間、上記病原体による攻撃から植物を保護するために用いることができる。保護がもたらされる期間は、植物が該活性成分で処理されてから、一般に、1〜28日間、好ましくは、1〜14日間、さらに好ましくは、1〜10日間、一層さらに好ましくは、1〜7日間に及び、又は、種子処理後、最大で200日間に及ぶ。
さらに、本発明の処理によって、収穫物並びにその収穫作物から作られる食料及び飼料におけるマイコトキシンの含有量を低減させることが可能である。マイコトキシンとしては、限定するものではないが、特に、以下のものを挙げることができる:デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール、15−Ac−DON、3−Ac−DON、T2−トキシン、HT2−トキシン、フモニシン類、ゼアラレノン、モニリホルミン、フザリン、ジアセトキシシルペノール(DAS)、ベアウベリシン(beauvericin)、エンニアチン、フサロプロリフェリン(fusaroproliferin)、フサレノール(fusarenol)、オクラトキシン類、パツリン、エルゴットアルカロイド類及びアフラトキシン類〔これらは、例えば、以下の菌類によって産生され得る:とりわけ、フサリウム属各種(Fusarium spec.)、例えば、フサリウム・アクミナツム(Fusarium acuminatum)、フサリウム・アベナセウム(F. avenaceum)、フサリウム・クロオクウェレンセ(F. crookwellense)、フサリウム・クルモルム(F. culmorum)、フサリウム・グラミネアルム(F. graminearum)(ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae))、フサリウム・エクイセチ(F. equiseti)、フサリウム・フジコロイ(F. fujikoroi)、フサリウム・ムサルム(F. musarum)、フサリウム・オキシスポルム(F. oxysporum)、フサリウム・プロリフェラツム(F. proliferatum)、フサリウム・ポアエ(F. poae)、フサリウム・プセウドグラミネアルム(F. pseudograminearum)、フサリウム・サムブシヌム(F. sambucinum)、フサリウム・シルピ(F. scirpi)、フサリウム・セミテクツム(F. semitectum)、フサリウム・ソラニ(F. solani)、フサリウム・スポロトリコイデス(F. sporotrichoides)、フサリウム・ラングセチアエ(F. langsethiae)、フサリウム・スブグルチナンス(F. subglutinans)、フサリウム・トリシンクツム(F. tricinctum)、フサリウム・ベルチシリオイデス(F. verticillioides)など、及び、さらに、とりわけ、アスペルギルス属各種(Aspergillus spec.)、ペニシリウム属各種(Penicillium spec.)、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)、スタキボトリス属各種(Stachybotrys spec.)など〕。
場合によっては、本発明の化合物は、特定の濃度又は特定の施用量において、除草剤、薬害軽減剤、成長調節剤若しくは植物の特性を改善する組成物としても使用し得るか、又は、殺微生物剤(microbicide)として、例えば、殺菌剤(fungicide)、抗真菌剤(antimycotic)、殺細菌剤若しくは殺ウイルス剤(これは、ウイロイドに対する組成物も包含する)としても使用し得るか、又は、MLO(マイコプラズマ様生物)及びRLO(リケッチア様生物)に対する組成物としても使用し得る。適切な場合には、それらは、別の活性成分を合成するための中間体又は前駆物質としても使用することができる。
本発明による活性成分は、植物の代謝に干渉し、従って、成長調節剤として使用することも可能である。
植物成長調節剤は、植物に対してさまざまな効果を及ぼし得る。該物質の効果は、本質的に、植物の成育段階に関連した施用の時期、及び、植物又はそれらの環境に対して施用される活性成分の量、及び、施用のタイプに依存する。何れの場合にも、成長調節剤は、作物植物に対して特定の望ましい効果を有しているべきである。
植物の成長を調節する化合物は、例えば、植物の栄養成長を阻害するために使用することができる。成長に対するそのような阻害は、例えば芝生の場合、観賞用庭園、公園及びスポーツ施設において、路傍において、空港において、又は、果樹作物において、芝生を刈り込む頻度を低減することが可能であるので、経済的に興味深い。さらにまた、路傍において、及び、パイプライン若しくは高架線の周辺において、又は、極めて一般的には、植物の力強い成長が望まれていない区域において、草本植物及び木本植物の成長を抑制することも重要である。
禾穀類の縦成長を阻害するために成長調節剤を使用することも重要である。これにより、収穫前に植物が倒伏するリスクが低減されるか又は完全に排除される。さらに、禾穀類の場合における成長調節剤は、稈を強化すること可能であり、倒伏に対しても対抗する。稈を短くし且つ強化するために成長調節剤を使用することによって、禾穀類作物が倒伏するリスクを伴うことなく、収量を増大させるためにそれまでよりも多い量の肥料を施用することが可能となる。
多くの種類の作物植物において、栄養成長を抑制することによってより密集した植え付けが可能となり、従って、土壌の表面に基づいて、より高い収穫量を達成することが可能である。このようにして得られる矮小な植物の別の有利点は、作物の栽培及び収穫がより容易であるということである。
植物の栄養成長を阻害することにより、栄養素及び同化産物が植物の茎葉部(vegetative part)に対してよりも花及び果実の形成に対して多く利用されるので、収量も増大し得る。
しばしば、成長調節剤は、栄養成長を促進するためにも使用され得る。このことは、植物の茎葉部を収穫する場合、極めて有益である。しかしながら、栄養成長を促進することにより、より多くの同化産物が形成され、その結果、より多くの又はより大きな果実が形成されるので、生殖成長も促進され得る。
場合によっては、収量の増大は、栄養成長における検出可能な変化を伴うことなく、植物の代謝を操作することによって達成され得る。さらに、成長調節剤を使用して植物の組成を変えることが可能であり、植物の組成が変えられると、結果として、収穫された生成物の質が改善され得る。例えば、テンサイ、サトウキビ、パイナップルの糖度を高めることが可能であり、柑橘類果実の糖度を高めることが可能であり、又は、ダイズ若しくは穀類のタンパク質含有量を高めることが可能である。さらに、例えば、成長調節剤を用いて、収穫前又は収穫後に、望ましい成分(例えば、テンサイ又はサトウキビにおける糖分)の劣化を抑制することも可能である。さらに、植物の第2の成分の産生又は排除に対して積極的に影響を及ぼすことも可能である。1つの例は、ゴムの木におけるラテックスの流れに対する刺激である。
成長調節剤の影響下において、単為結果果実が形成され得る。さらに、花の性別に影響を及ぼすことも可能であり得る。不稔花粉を産生することも可能であり、これは、育種において、及び、交雑種子の産生において、極めて重要である。
成長調節剤を使用することにより、植物の分枝を制御することができる。一方では、頂芽優性を乱すことにより、側枝の発育を促進することが可能であり、これは、成長の抑制との組合せにおいても、特に観賞植物の栽培において、極めて望ましいであろう。しかしながら、他方では、側枝の成長を抑制することも可能である。この効果は、例えば、タバコの栽培において、又は、トマトの栽培において、特に興味深い。
成長調節剤の影響下において、望ましい時点において植物の落葉が達成されるように、植物の葉の量を制御することが可能である。そのような落葉は、ワタの機械収穫において重要な役割を果たすが、同様に、別の作物(例えば、ブドウ栽培)における収穫を容易なものとするためにも興味深い。植物の落葉は、植物を移植する前にその植物の蒸散作用を低下させるためにも実施することができる。
成長調節剤は、さらに、果実の裂開を調節するために使用することも可能である。一方では、果実の時期尚早の裂開を防止することが可能である。他方では、果実の裂開を促進することも可能であるか、又は、交互(alternation)を排除するために、望ましい集団(「間引き」)を達成するために花の成育不良(flower abortion)を促進することさえ可能である。交互(alternation)は、内生的な理由で毎年毎年収穫量が大きく変動する、一部の果実種の特徴を意味するものと理解される。最後に、機械収穫を可能とするか、又は、手作業による収穫を容易なものとするために、収穫時に成長調節剤を使用して果実を切り離すのに必要とされる力を低減させることができる。
成長調節剤は、さらに、収穫前又は収穫後に、収穫物の熟成を早めるために又は遅くするために使用することも可能である。このことは、市場の要求に対して最適に適合させることを可能とするので、特に有利である。さらに、成長調節剤は、場合によっては、果実の色合いを改善し得る。さらに、成長調節剤は、特定の期間内に成熟を集中させるために使用することも可能である。これによって、例えば、タバコ、トマト又はコーヒーなどの場合において、機械的な又は手作業による単一操作での完全な収穫のための必要条件が確立される。
成長調節剤を使用することによって、さらに、植物の種子又は芽の休眠に影響を及ぼすことも可能であり、その結果、植物(例えば、苗畑におけるパイナップル又は観賞植物など)は、例えば、通常であればそのようなことはない時点において、発芽するか、萌芽するか、又は、開花する。霜のリスクがある地域においては、晩霜に起因する損傷を回避するために、成長調節剤を用いて芽生え又は種子の発芽を遅延させることは望ましいであろう。
最後に、成長調節剤は、霜、渇水又は土壌の高塩分に対する植物の抵抗性を誘発し得る。これによって、通常であれば植物の栽培には適さない地域において植物を栽培することが可能となる。
上記で挙げられている植物は、一般式(I)で表される化合物及び/又は本発明による組成物を用いて、本発明に従って特に有利に処理することができる。該活性成分又は組成物に関して上記で示されている好ましい範囲は、これら植物の処理にも当てはまる。特に重要なのは、本明細書中において具体的に挙げられている化合物又は組成物を用いた植物の処理である。
下記実施例によって、本発明について例証する。しかしながら、本発明は、それら実施例に限定されない。
調製実施例
実施例1
Figure 2013536820
26.23g[200mmol]のN−メチルスクシンアミドを最初に装入し、5℃で、119g[1000mmol]の塩化チオニルを滴下して加え、得られた混合物を、溶液が形成されるまで撹拌する。次いで、この溶液を119g[1000mmol]の塩化チオニルに滴下して加え、60℃まで加熱する。次いで、この混合物を80℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌する。その反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮する。その残渣(濃厚な暗褐色の油状物)を150mLのイソブタノール及び50mLの水と混合させ、70℃に6時間加熱する。次いで、その混合物を室温まで冷却し、そして、沈澱した固体を濾過し、水及びメタノールで洗浄する。乾燥させることによって、22.9gの暗緑色の固体が得られる。この固体は、HPLC分析によれば、1.1%の標題化合物を含んでいる。
実施例2
Figure 2013536820
26.23g[200mmol]のN−メチルスクシンアミドを最初に装入し、5℃で、119g[1000mmol]の塩化チオニルを滴下して加え、得られた混合物を、溶液が形成されるまで撹拌する。次いで、その溶液を119g[1000mmol]の塩化チオニルに滴下して加え、60℃まで加熱する。次いで、この混合物を80℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌する。その反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮する。その残渣(濃厚な暗褐色の油状物)を150mLのトルエンに溶解させる。1gのメチルトリオクチルアンモニウムクロリド(Aliquat 336)を添加し、得られた混合物を約70℃まで加熱し、次いで、50mLの水を徐々に添加する。その混合物を還流下に4時間撹拌し、室温まで冷却する。固体を吸引濾過し、50mLの水で洗浄し、それぞれ50mLのエタノールで2回洗浄する。乾燥させることによって、19.43gの殆ど黒色に近い固体が得られる。この固体は、HPLC分析によれば、0.56%の標題化合物を含んでいる。
実施例3
段階A:
Figure 2013536820
100gのN−メチルマレイミド(0.9mol)及び218gのローソン試薬(0.54mol)を1000mLの無水トルエンの中で加熱して30分間沸騰させる。赤色の懸濁液が得られる。その懸濁液をシリカゲルを通して吸引濾過し、その母液を注意深く濃縮する。当該生成物は共沸混合物として受け器の中に入っていき、色を紫色に変化させる。その紫色の溶液を210mbarで徐々に濃縮し、薄層クロマトグラフィーによって、不純物を含んでいない1g(0.77%)のN−メチル−2−チオ−5−オキソピロリジン生成物を得る。
段階B:
Figure 2013536820
100mLの無水塩化メチレンの中に、最初に、2.7gのN−メチル−2−チオ−5−オキソピロリジン(21mmol)及び3.8gのピリジン(48mmol)を装入する。室温で、12.6gの塩化チオニル(106mmol)を添加し、得られた混合物を加熱して12時間沸騰させる。冷却後、緑がかった褐色の溶液を氷−水の上に注ぎ、塩化メチレンで抽出する。その有機相を脱水し、濃縮する。生じた緑がかった油状物をカラムクロマトグラフィーで精製する。これにより、75%のN−メチル−2−チオ−3,4−ジクロロ−5−オキソピロリジンと25%のN−メチル−3,4−ジクロロマレイミドの混合物3.0g(72%)が得られる。
段階C:
Figure 2013536820
10mLのエタノールの中に、最初に、75%のN−メチル−2−チオ−3,4−ジクロロ−5−オキソピロリジンと25%のN−メチル−3,4−ジクロロマレイミドの混合物0.91g(4.6mmol)を装入する。70℃で、黄色がかった溶液が形成される。1.03g(6.5mmol)のチオ硫酸ナトリウム(10mLの水に溶解させたもの)を70℃で滴下して加え、得られた混合物を同温度でさらに1時間撹拌し、次いで、室温で吸引濾過する。その暗褐色の残渣を10mLの水で洗浄する;黄色の結晶が母液の中で沈澱する。これにより、種々の生成物の混合物0.56g(16%)が得られ、この混合物の中には、モノチオ生成物が約40%程度で存在しており、及び、ジチオ生成物は合わせて約5%程度(1:1の混合物)で存在している。
クロマトグラフィーによる単離及び構造の解明
分析HPLC条件
Figure 2013536820
分取HPLC条件
Figure 2013536820
フラクションの後処理
単離されたフラクションを水で1+2に希釈し、45分間以内に、Strata X33 Polymeric Sorbent 60mg固相抽出カートリッジに吸い込ませる。そのカートリッジを、アルゴンを用いて1時間乾燥させ、1mLの重水素−THFで溶離させる。
分光分析データ
Figure 2013536820
13C NMR(600MHz,d8−THF):δ=24.2(C−17),27.5(C−14),127.5(C−12),130.3(C−8),132.4(C−2),135.8(C−6),165.2(C−9+C−11),167.0(C−5),194.0(C−3)ppm。
Figure 2013536820
13C NMR(600MHz,d8−THF):δ=27.6(C−14+C−17),128.2(C−2+C−12),135.0(C−6+C−8),167.2(C−5+C−9),194.2(C−3+C−11)ppm。
Figure 2013536820
13C NMR(600MHz,d8−THF):δ=27.6(C−32+C−35),126.3(C−20+C−26),136.5(C−24+C−30),167,2(C−23+C−29),194,4(C−21+C−27)ppm。
使用実施例
実施例A: フィトフトラ(Phytophthora)試験(トマト)/保護
溶媒: 24.5重量部のアセトン
24.5重量部のジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性成分の適切な製剤を調製するために、1重量部の活性成分を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。保護活性について試験するために、幼植物に、活性成分の該製剤を記載されている施用量で噴霧する。その噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)の胞子の水性懸濁液を用いて接種する。次いで、その植物を、約20℃で相対空気湿度100%のインキュベーション室の中に置く。評価は、上記接種の3日後に実施する。0%は、対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、感染が観察されないことを意味する。この試験において、以下の本発明化合物は、250ppmの活性成分濃度で、70%以上の効力を示す。
表A: フィトフトラ(Phytophthora)試験(トマト)/保護
Figure 2013536820
実施例B: プラスモパラ(Plasmopara)試験(ブドウの木)/保護
溶媒: 24.5重量部のアセトン
24.5重量部のジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性成分の適切な製剤を調製するために、1重量部の活性成分を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。保護活性について試験するために、幼植物に、活性成分の該製剤を記載されている施用量で噴霧する。その噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)の胞子の水性懸濁液を用いて接種し、次いで、その植物を、約20℃で相対空気湿度100%のインキュベーション室の中に1日間置く。次いで、その植物を、約21℃で空気湿度約90%の温室の中に4日間置く。次いで、その植物を湿らせ、インキュベーション室内に1日間置く。評価は、上記接種の6日後に実施する。0%は、対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、感染が観察されないことを意味する。この試験において、以下の本発明化合物は、250ppmの活性成分濃度で、70%以上の効力を示す。
表B: プラスモパラ(Plasmopara)試験(ブドウの木)/保護
Figure 2013536820
実施例C: ベンツリア(Venturia)試験(リンゴ)/保護
溶媒: 24.5重量部のアセトン
24.5重量部のジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性成分の適切な製剤を調製するために、1重量部の活性成分を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。保護活性について試験するために、幼植物に、活性成分の該製剤を記載されている施用量で噴霧する。その噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、リンゴ黒星病の病原であるベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)の分生子の水性懸濁液を用いて接種し、次いで、その植物を、約20℃で相対空気湿度100%のインキュベーション室の中に1日間置く。次いで、その植物を、約21℃で相対空気湿度約90%の温室の中に置く。評価は、上記接種の10日後に実施する。0%は、対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、感染が観察されないことを意味する。この試験において、以下の本発明化合物は、250ppmの活性成分濃度で、70%以上の効力を示す。
表C: ベンツリア(Venturia)試験(リンゴ)/保護
Figure 2013536820
実施例D: アルテルナリア(Alternaria)試験(トマト)/保護
溶媒: 24.5重量部のアセトン
24.5重量部のジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性成分の適切な製剤を調製するために、1重量部の活性成分を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。保護活性について試験するために、幼植物に、活性成分の該製剤を記載されている施用量で噴霧する。その噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)の胞子の水性懸濁液を用いて接種する。次いで、その植物を、約20℃で相対空気湿度100%のインキュベーション室の中に置く。評価は、上記接種の3日後に実施する。0%は、対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、感染が観察されないことを意味する。この試験において、以下の本発明化合物は、250ppmの活性成分濃度で、70%以上の効力を示す。
表D: アルテルナリア(Alternaria)試験(トマト)/保護
Figure 2013536820

Claims (11)

  1. 式(I)
    Figure 2013536820
    〔式中、
    は、O又はSであり;
    は、O又はSであり;
    は、O又はSであり;
    及びRは、同一であるか又は異なっており、そして、それぞれ、水素であるか、ハロゲン、OR若しくはCORで1置換若しくは多置換されていてもよいC−C−アルキルであるか、ハロゲン、C−C−アルキル若しくはC−C−ハロアルキルで1置換若しくは多置換されていてもよいC−C−シクロアルキルであるか、いずれの場合にもハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、COR若しくはスルホニルアミノで1置換若しくは多置換されていてもよいアリール若しくはアリール−(C−C−アルキル)であり;
    は、水素、C−C−アルキル若しくはC−C−アルキルカルボニルであるか、又は、ハロゲン、C−C−アルキル若しくはC−C−ハロアルキルで1置換若しくは多置換されていてもよいアリールであり;
    は、ヒドロキシル、C−C−アルキル又はC−C−アルコキシである〕
    で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミド及びその農薬的に活性な塩。
  2. 及びRが、同一であるか又は異なっており、そして、それぞれ、水素であるか、フッ素、塩素、臭素、OR若しくはCORで1置換若しくは多置換されていてもよいC−C−アルキルであるか、塩素、メチル若しくはトリフルオロメチルで1置換若しくは多置換されていてもよいC−C−シクロアルキルであるか、いずれの場合にもフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、COR若しくはスルホニルアミノで1置換若しくは多置換されていてもよいフェニル若しくはフェニル−(C−C−アルキル)であり;
    が、水素、メチル、エチル、メチルカルボニル若しくはエチルカルボニルであるか、又は、フッ素、塩素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル若しくはトリフルオロメチルで1置換若しくは多置換されていてもよいフェニルであり;
    が、ヒドロキシル、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシである;
    請求項1に記載の式(I)で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミド。
  3. 及びRが、それぞれ、メチルである;
    請求項1に記載の式(I)で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミド。
  4. 式(I−a)
    Figure 2013536820
    〔式中、R及びRは、それぞれ、請求項1、2又は3において定義されているとおりである〕
    で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミド。
  5. 式(I−b)
    Figure 2013536820
    〔式中、R及びRは、それぞれ、請求項1、2又は3において定義されているとおりである〕
    で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミド。
  6. 式(I−a)
    Figure 2013536820
    〔式中、R及びRは、それぞれ、請求項1、2又は3において定義されているとおりである〕
    で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミド。
  7. 有害な植物病原性菌類を防除する方法であって、請求項1、2、3、4、5又は6に記載の式(I)で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドを有害な植物病原性菌類及び/又はそれらの生息環境に施用することを特徴とする、前記方法。
  8. 有害な植物病原性菌類を防除するための組成物であって、増量剤及び/又は界面活性剤に加えて請求項1、2、3、4、5又は6に記載の式(I)で表される少なくとも1種類のジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドを含んでいることを特徴とする、前記組成物。
  9. 有害な植物病原性菌類を防除するための、請求項1、2、3、4、5又は6に記載の式(I)で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドの組成物の使用。
  10. 有害な植物病原性菌類を防除するための組成物を製造する方法であって、請求項1、2、3、4、5又は6に記載の式(I)で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドを増量剤及び/又は界面活性剤と混合させることを特徴とする、前記方法。
  11. 請求項1、2、3、4、5又は6に記載の式(I)で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドを調製する方法であって、
    (A) 第1段階において、式(VI)
    Figure 2013536820
    〔式中、Rは、R又はRであり、ここで、R及びRは、それぞれ、請求項1、2又は3で定義されているとおりである〕
    で表されるコハク酸モノアミドを、場合により希釈剤の存在下において、過剰量の塩化チオニルと反応させ、次いで、第2段階において、過剰な塩化チオニルを除去し、そのようにして得られた生成物の混合物を、有機溶媒と水の混合物の中で、場合により相間移動触媒の存在下において、変換し、及び、最後に、クロマトグラフィープロセスによって、式(I)で表されるジチインテトラ(チオ)カルボキシイミドを単離すること;
    又は、
    (B) 式(VII)
    Figure 2013536820
    〔式中、R及びXは、それぞれ、請求項1、2又は3で定義されているとおりである〕
    で表されるジクロロマレイミドを、溶媒又は溶媒混合物の中で、式(VIII)
    Figure 2013536820
    〔式中、R、X及びXは、それぞれ、請求項1、2又は3で定義されているとおりである〕
    で表されるジクロロマレイミド及び無機チオスルフェートと反応させること;
    を特徴とする、前記方法。
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