JP2013536801A - エチレンオキシドからのコハク酸無水物 - Google Patents

エチレンオキシドからのコハク酸無水物 Download PDF

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Abstract

連続フローシステムおよび方法は、一酸化炭素および少なくとも1つの触媒でのエチレンオキシドの二重カルボニル化によりコハク酸無水物を生成する。一部の実施形態において、二重カルボニル化は、単一触媒を使用して行われる。他の実施形態において、第一の触媒は、第一のカルボニル化を促進するために使用され、第一の触媒と異なる第二の触媒は、第二のカルボニル化を促進するために使用される。コハク酸無水物は、結晶化により生成物ストリームから単離され、触媒は、反応物ストリームへリサイクルされる。

Description

関連出願の引用
本願は、2010年8月28日に出願された米国仮特許出願第61/377,917号に対する優先権を主張する。米国仮特許出願第61/377,917号の内容は、本明細書中に参考として援用される。
発明の背景
酸無水物、特に、コハク酸無水物は、様々な適用において一般的に使用される価値のある反応性中間体である。例えば、酸無水物は、生分解性ポリエステルを製造するためのコポリマーにおいて使用される。加えて、酸無水物は、それらが容易に開環して二酸または他の誘導体を形成するため、有機合成における有用な中間体である。コハク酸無水物は、テトラヒドロフラン、γブチロラクトンおよび1,4−ブタンジオールなどの4炭素汎用化学製品への前駆体として特に有用である。
コハク酸無水物を包含する酸無水物のための以前の製造方法は、対応する酸の脱水またはマレイン酸無水物の水素化を含んでいた。追加の製造方法は、アルキン、アルケン酸およびラクトンの触媒カルボニル化を含む。方法の多くは、低い収率、多くの副成物の生成または一般性の欠如に悩んだ。より費用効果の高い出発材料を使用する新規な方法が求められる。
特許文献1は、歪んだヘテロ環の環拡大カルボニル化のための一般タイプ[ルイス酸][M(CO)の定義が明確な二金属触媒の一種を開示している。関連触媒は、立体化学的純度を保ちながら高収率で、得られるβ−ラクトンをコハク酸無水物へカルボニル化することができる。エナンチオマー的に純粋なエポキシドの多くの合成およびβ−ラクトンへのエポキシドカルボニル化における最近の進歩を考えると、これらのβ−ラクトンのその後のカルボニル化は、コハク酸無水物の立体選択的合成のための多目的な二段階方法を構成する(スキーム1)。
Figure 2013536801
米国特許第6,852,865号明細書
様々な態様において、本発明は、コハク酸無水物を合成する方法であって、連続フロープロセスで、エチレンオキシド、少なくとも1つの触媒、少なくとも1つの溶媒、および一酸化炭素を含む反応物ストリームを、エチレンオキシドの二重カルボニル化を促進する反応条件下で反応容器へフィードし、反応物ストリーム中にコハク酸無水物を形成するステップと;b)反応物ストリームが、結晶化したコハク酸無水物ならびに触媒および溶媒を含む液相を含むするようにコハク酸無水物を結晶化させる条件へコハク酸無水物を含有する反応物ストリームを処理するステップと;c)結晶化したコハク酸無水物を液相から分離するステップと;d)触媒および溶媒を、エチレンオキシドを含むする反応物ストリームへリサイクルするステップとを包含する方法を包含する。
一部の実施形態において、溶媒は、ジオキサンを含む。一部の実施形態において、ステップb)は、断熱蒸発冷却晶析装置中で行われる。一部の実施形態において、ステップc)は、回転式ドラム濾過器中で行われる。一部の実施形態において、ステップd)は、触媒および溶媒を含む溶液を回収フラッシュドラムへフィードし、溶液を反応物ストリームへ戻すのに先立って揮発物を分離するサブステップを包含する。一部の実施形態において、方法は、溶液を乾燥するステップ;溶液を加熱または冷却するステップ;使用済み触媒を除去するステップ;溶媒を添加するステップ;およびこれらのうちの2つ以上のステップの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つのステップを実施することにより溶液を処理することをさらに包含する。
一部の実施形態において、第一のカルボニル化反応は、約50psiから約5000psiまでの圧力において実施される。一部の実施形態において、第一のカルボニル化反応は、約50psiから約2000psiまでの圧力において実施される。一部の実施形態において、第一のカルボニル化反応は、約200psiから約1000psiまでの圧力において実施される。一部の実施形態において、第一のカルボニル化反応は、約200psiから約600psiまでの圧力において実施される。
一部の実施形態において、第一のカルボニル化反応は、約0℃から約125℃までの温度において実施される。一部の実施形態において、第一のカルボニル化反応は、約30℃から約100℃までの温度において実施される。一部の実施形態において、第一のカルボニル化反応は、約40℃から約80℃までの温度において実施される。
一部の実施形態において、少なくとも1つの触媒は、単一触媒である。一部の実施形態において、単一触媒は、[(ClTPP)Al(THF)[Co(CO)であり、ここで、ClTPPは、meso−テトラ(4−クロロフェニル)ポルフィリナトであり、THFは、テトラヒドロフランである。一部の実施形態において、少なくとも1つの触媒は、二重カルボニル化の第一のカルボニル化を促進するために選択される第一の触媒および二重カルボニル化の第二のカルボニル化を促進するために選択される第一の触媒と異なる第二の触媒を含む。
一部の実施形態において、触媒は、金属カルボニル化合物を含む。一部の実施形態において、金属カルボニル化合物は、式[QM(CO)を有し、ここで、Qは、任意の配位子であって、存在する必要はなく;Mは、金属原子であり;yは、1以上6以下の整数であり;wは、安定な金属カルボニルを提供するような数であり;xは、−3以上+3以下の整数である。
一部の実施形態において、Mは、Ti、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Cu、Zn、Al、Ga、およびInからなる群から選択される。一部の実施形態において、Mは、Coである。
一部の実施形態において、カルボニル化触媒は、ルイス酸性共触媒をさらに含む。一部の実施形態において、金属カルボニル化合物は、アニオン性であり、ルイス酸性共触媒は、カチオン性である。一部の実施形態において、金属カルボニル錯体は、カルボニルコバルテートを含み、ルイス酸性共触媒は、金属中心ルイス酸を含む。
一部の実施形態において、金属中心ルイス酸は、式[M’(L)c+の金属錯体であり、ここで、M’は、金属であり;各Lは、配位子であり;bは、1以上6以下の整数であり;cは、1、2または3であり;1つより多くのLが存在する場合、各Lは、同じでっても異なっていてもよいる。一部の実施形態において、M’は、遷移金属、13または14族金属、およびランタニドからなる群から選択される。一部の実施形態において、M’は、遷移金属または13族金属である。一部の実施形態において、M’は、アルミニウム、クロム、インジウムおよびガリウムからなる群から選択される。一部の実施形態において、M’は、アルミニウムである。一部の実施形態において、M’は、クロムである。
一部の実施形態において、ルイス酸は、ジアニオン性四座配位子を含む。一部の実施形態において、ジアニオン性四座配位子は、ポルフィリン誘導体;サレン誘導体;ジベンゾテトラメチルテトラアザ[14]アヌレン(tmtaa)誘導体;フタロシアニネート誘導体;およびトロスト配位子の誘導体からなる群から選択される。一部の実施形態において、ステップc)は、反応物ストリームを濾過するサブステップを包含する。
様々な態様において、本発明は、一酸化炭素源;エチレンオキシド源;溶媒源;触媒源;一酸化炭素源、エチレンオキシド源、溶媒源、および触媒源により反応物ストリームがフィードされる少なくとも1つの反応容器(反応物ストリームは、一酸化炭素、エチレンオキシド、溶媒、および触媒を含む);少なくとも1つの反応容器からフィードされる断熱蒸発冷却晶析装置;断熱蒸発冷却晶析装置によりフィードされる回転式ドラム濾過器;回転式ドラム濾過器によりフィードされる固体乾燥機;ならびに断熱蒸発冷却晶析装置、回転式ドラム濾過器、および固体乾燥機によりフィードされる回収フラッシュドラム(回収フラッシュドラムは、リサイクルされる触媒および溶媒を反応物ストリームへフィードする)を含むコハク酸無水物合成システムを提供する。
一部の実施形態において、反応容器は、管状反応器を含む。一部の実施形態において、反応容器は、シェルアンドチューブ断熱反応器を含む。一部の実施形態において、断熱蒸発冷却晶析装置は、フィード冷却器および晶析装置フラッシュドラムを含む。
一部の実施形態において、一酸化炭素源は、メタン源;メタン源によりフィードされる水蒸気改質(steam reforming)ユニット;水蒸気改質ユニットによりフィードされる水素圧力スイング吸着ユニット;水素圧力スイング吸着ユニットによりフィードされる一酸化炭素圧力スイング吸着ユニット;一酸化炭素圧力スイング吸着ユニットによりフィードされる一酸化炭素圧縮機;ならびに一酸化炭素圧縮機によりフィードされる一酸化炭素乾燥機を含む。
一部の実施形態において、溶媒源は、溶媒オフローディングポンプ;溶媒オフローディングポンプによりフィードされる溶媒乾燥機;および溶媒乾燥機によりフィードされる溶媒貯蔵タンク;ならびに溶媒貯蔵タンクによりフィードされる溶媒装入ポンプを含む。
一部の実施形態において、触媒源は、触媒ミックスタンクおよび触媒ミックスタンクによりフィードされる触媒装入ポンプを含み、溶媒装入ポンプは、溶媒を触媒ミックスタンクへフィードする。
図1は、本発明の一実施形態におけるエチレンオキシドからコハク酸無水物を製造するためのプロセスフローシステムを示す。
本発明の種々の実施形態の詳細な説明
定義
具体的な官能基および化学用語の定義は、以下でより詳細に記載される。本発明の目的のため、化学元素は、the Periodic Table of the Elements、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、内表紙に従って特定され、具体的な官能基は、一般的に、その中に記載されているように定義される。加えて、有機化学の一般的原理、ならびに具体的な官能性部分および反応性は、
Figure 2013536801
に記載されており、それらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
本明細書に記載されているようなある種の化合物は、他に指示がない限り、Z異性体かまたはE異性体として存在することができる1つまたはそれより多くの二重結合を有していてよい。本発明は、加えて、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体としての、および、代替方法として、様々な異性体の混合物、例えば、エナンチオマーのラセミ混合物としての化合物を包含する。上述の化合物自体に加えて、本発明は、1つまたはそれより多くの化合物を含む組成物も包含する。
本明細書で使用されているように、「異性体」という用語は、ありとあらゆる幾何異性体および立体異性体を包含する。例えば、「異性体」は、本発明の範囲の中にあるように、シス−およびトランス−異性体、E−およびZ−異性体、R−およびS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、およびそれらの他の混合物を包含する。例えば、化合物は、一部の実施形態において、1つまたはそれより多くの対応する立体異性体を実質的に含まず提供されてよく、「立体化学的に富化された」と呼ばれてもよい。
本明細書で使用されているような「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、およびヨウ素(ヨード、−I)から選択される原子を指す。本明細書で使用されているような「ハロゲンの(halogenic)」という用語は、1つまたはそれより多くのハロゲン原子で置換されている化合物を指す。
「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、本明細書で使用されているように、直鎖(すなわち、非分岐)、分岐、または環式(縮合、架橋、およびスピロ−縮合多環式を包含する)であってよく、完全に飽和されていてよいか不飽和の1つまたはそれより多くの単位を含有していてよいが、芳香族ではない炭化水素部分を示す。他に規定がない限り、脂肪族基は、1〜30個の炭素原子を含有する。ある種の実施形態において、脂肪族基は、1〜12個の炭素原子を含有する。ある種の実施形態において、脂肪族基は、1〜8個の炭素原子を含有する。ある種の実施形態において、脂肪族基は、1〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態において、脂肪族基は、1〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態において、脂肪族基は、1〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態において、脂肪族基は、1〜3個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態において、脂肪族基は、1〜2個の炭素原子を含有する。適切な脂肪族基は、直鎖または分岐の、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、および(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルなどのそれらのハイブリッドを包含するが、それらに限定されるものではない。
「ヘテロ脂肪族」という用語は、本明細書で使用されているように、1つまたはそれより多くの炭素原子が、酸素、硫黄、窒素、リン、またはホウ素からなる群より選択される1つまたはそれより多くの原子により独立して置き換えられている脂肪族基を指す。ある種の実施形態において、1または2個の炭素原子は、酸素、硫黄、窒素、またはリンのうちの1つまたは複数により独立して置き換えられている。ヘテロ脂肪族基は、置換か非置換、分岐か非分岐、環式か非環式であってよく、「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ脂環式」、または「ヘテロ環式」基を包含する。
「エポキシド」という用語は、本明細書で使用されているように、置換または非置換のオキシランを指す。置換オキシランは、一置換オキシラン、二置換オキシラン、三置換オキシラン、および四置換オキシランを包含する。そのようなエポキシドは、さらに場合により、本明細書で定義されているように置換されていてよい。ある種の実施形態において、エポキシドは、単一のオキシラン部分を含む。ある種の実施形態において、エポキシドは、2つ以上のオキシラン部分を含む。
本明細書で使用されているような「アクリレート(acrylate)」または「アクリレート(acrylates)」という用語は、アシルカルボニルに隣接するビニル基を有する任意のアシル基を指す。用語は、一置換、二置換および三置換のビニル基を包含する。アクリレートの例は、アクリレート、メタクリレート、エタクリレート、シンナメート(3−フェニルアクリレート)、クロトネート、チグレート、およびセネシオエートを包含するが、それらに限定されるものではない。シクロプロパン(cylcopropane)基は、ある種の場合に、二重結合によく似た挙動をすることができることが公知であるため、シクロプロパンエステルは、本明細書におけるアクリレートの定義内に具体的に包含される。
「ポリマー」という用語は、本明細書で使用されているように、高い相対分子量の分子を指し、その構造は、低い相対分子量の分子から、実際にまたは概念的に誘導される単位の多重反復を含む。ある種の実施形態において、ポリマーは、唯一のモノマー種からなる(例えば、ポリエチレンオキシド)。ある種の実施形態において、本発明のポリマーは、1つまたはそれより多くのエポキシドのコポリマー、ターポリマー、ヘテロポリマー、ブロックコポリマー、またはテイパード(tapered)ヘテロポリマーである。
「不飽和の」という用語は、本明細書で使用されているように、部分が、1つまたはそれより多くの二重結合または三重結合を有することを意味する。
「アルキル」という用語は、本明細書で使用されているように、単一の水素原子の除去による1と6個の間の炭素原子を含有する脂肪族部分から誘導される飽和の、直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルを指す。他に規定がない限り、アルキル基は、1〜12個の炭素原子を含有する。ある種の実施形態において、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を含有する。ある種の実施形態において、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態において、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態において、アルキル基は1〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態において、アルキル基は1〜3個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態において、アルキル基は1〜2個の炭素原子を含有する。アルキルラジカルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、iso−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシルなどを包含するが、それらに限定されるものではない。
本明細書で使用されているような「炭素環」および「炭素環式環」という用語は、環が、炭素原子のみを含有する単環式および多環式の部分を指す。他に規定のない限り、炭素環は、飽和、部分的不飽和または芳香族であってよく、3〜20個の炭素原子を含有する。「炭素環」または「炭素環式」という用語は、デカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチルなどの、1つまたはそれより多くの芳香族または非芳香族環と縮合している脂肪族環も包含し、ラジカルまたは接続点は、脂肪族環上にある。一部の実施形態において、炭素環式基は、二環式である。一部の実施形態において、炭素環式基は、三環式である。一部の実施形態において、炭素環式基は、多環式である。ある種の実施形態において、「3〜14員の炭素環」および「C3〜14炭素環」という用語は、3〜8員の飽和もしくは部分的不飽和の単環式炭素環式環、または7〜14員の飽和もしくは部分的不飽和の多環式炭素環式環を指す。
代表的な炭素環(carbocyles)は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、ノルボルネン、フェニル、シクロヘキセン、ナフタレン、スピロ[4.5]デカンを包含する。
単独でまたは「アラルキル」、「アラルコキシ」、もしくは「アリールオキシアルキル」におけるようなより大きな部分の一部として使用される「アリール」という用語は、系における少なくとも1つの環が芳香族であり、系における各環が、3〜12の環員を含有する、合計5〜20の環員を有する単環式および多環式の環系を指す。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に使用されてよい。本発明のある種の実施形態において、「アリール」とは、1つまたはそれより多くの置換基を保有していてよい、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシル(anthracyl)などを包含するがそれらに限定されない芳香族環系を指す。ベンゾフラニル、インダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル(naphthimidyl)、フェナントリイジニル(phenantriidinyl)、またはテトラヒドロナフチルなどの、芳香族環が、1つまたはそれより多くの追加の環と縮合している基も、それが本明細書で使用されているように、「アリール」という用語の範囲内に包含される。ある種の実施形態において、「6〜10員のアリール」および「C6〜10アリール」という用語は、フェニルまたは8〜10員の多環式アリール環を指す。
単独でまたはより大きな部分、例えば、「ヘテロアラルキル」、もしくは「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用される「ヘテロアリール」および「ヘテロアル−(heteroar-)」という用語は、5〜14個の環原子、好ましくは、5、6、または9個の環原子を有し;環状配列で共有される6、10、または14個の電子を有し;炭素原子に加えて、1から5個までのヘテロ原子を有する基を指す。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、または硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化形態、および塩基性窒素の任意の四級化形態を包含する。ヘテロアリール基は、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニルおよびプテリジニルを包含するが、それらに限定されるものではない。「ヘテロアリール」および「ヘテロアル−」という用語は、本明細書で使用されているように、ヘテロ芳香族環が、1つまたはそれより多くのアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環と縮合している基も包含し、ラジカルまたは接続点は、ヘテロ芳香族環上にある。非限定的な例は、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル(benzthiazolyl)、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンを包含する。ヘテロアリール基は、単環式か二環式であってよい。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「ヘテロ芳香族」という用語と互換的に使用されてよく、それらの用語のいずれも、場合により置換されている環を包含する。「ヘテロアラルキル」という用語は、アルキル部およびヘテロアリール部が、独立して、場合により置換されている、ヘテロアリールにより置換されているアルキル基を指す。ある種の実施形態において、「5〜14員のヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜14員の多環式ヘテロアリール環を指す。
本明細書で使用されているように、「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ環式ラジカル」、および「ヘテロ環式環」という用語は、互換的に使用され、飽和、部分的不飽和、または芳香族のいずれかであり、炭素原子に加えて、上で定義されているように、1つまたは複数、好ましくは、1〜4個のヘテロ原子を有する安定な5〜7員の単環式または7〜14員の二環式のヘテロ環式部分を指す。ヘテロ環の環原子に関して使用される場合、「窒素」という用語は、置換されている窒素を包含する。一例として、酸素、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和または部分的不飽和の環において、窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおけるように)、NH(ピロリジニルにおけるように)、またはNR(N−置換ピロリジニルにおけるように)であってよい。一部の実施形態において、「3〜14員のヘテロ環」という用語は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和もしくは部分的不飽和の単環式ヘテロ環式環、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する7〜14員の飽和もしくは部分的不飽和の多環式ヘテロ環式環を指す。
ヘテロ環式環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子におけるそのペンダント基と接続していてよく、環原子のいずれも、場合により置換されていてよい。そのような飽和または部分的不飽和のヘテロ環式ラジカルの例は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルを包含するが、それらに限定されるものではない。「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「ヘテロ環式基」、「ヘテロ環式部分」、および「ヘテロ環式ラジカル」という用語は、本明細書において互換的に使用され、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニルなどの、ヘテロシクリル環が、1つまたはそれより多くのアリール、ヘテロアリール、または脂環式環と縮合している基も包含し、ラジカルまたは接続点は、ヘテロシクリル環上にある。ヘテロシクリル基は、単環式か二環式であってよい。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、アルキルおよびヘテロシクリル部が、独立して、場合により置換されている、ヘテロシクリルにより置換されているアルキル基を指す。
本明細書で使用されているように、「部分的不飽和の」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む環部分を指す。「部分的不飽和の」という用語は、複数の不飽和部位を有する環を包含することが意図されているが、本明細書で定義されているように、アリールまたはヘテロアリール部分を包含することは意図されていない。
本明細書に記載されているように、本発明の化合物は、「場合により置換されている」部分を含有していてよい。一般に、「置換されている」という用語は、「場合により」という用語により先行されているか否かにかかわらず、指定された部分の1つまたはそれより多くの水素が、適切な置換基で置き換えられていることを意味する。他に指示がない限り、「場合により置換されている」基は、基の各々の置換可能な位置において適切な置換基を有していてよく、任意の所与の構造における1つより多くの位置が、特定の基から選択される1つより多くの置換基で置換されていてよい場合、置換基は、あらゆる位置において同じか異なっていてよい。本発明により想定される置換基の組合せは、好ましくは、安定なまたは化学的に可能な化合物の形成をもたらすものである。「安定な」という用語は、本明細書で使用されているように、それらの製造、検出、および、ある種の実施形態において、それらの回収、精製、および本明細書で開示されている目的のうちの1つまたはそれより多くのための使用を可能にする条件に供された場合に実質的に変化しない化合物を指す。
「場合により置換されている」基の置換可能な炭素原子上の適切な一価置換基は、独立して、
Figure 2013536801
であり、ここで、各Rは、以下で定義されているように置換されていてよく、独立して、水素、C1〜8脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリール環であるか、上の定義にもかかわらず、Rの2つの独立した出現は、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、以下で定義されているように置換されていてよい、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員の飽和、部分的不飽和、またはアリールの単環式もしくは多環式の環を形成する。
(または、Rの2つの独立した出現がそれらの介在原子と一緒になることにより形成される環)上の適切な一価置換基は、独立して、ハロゲン、
Figure 2013536801
であり、ここで、各Rは、非置換であるか、「ハロ」により先行されている場合、1つまたはそれより多くのハロゲンでのみ置換されており、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分的不飽和、またはアリールの環から独立して選択される。Rの飽和炭素原子上の適切な二価置換基は、=Oおよび=Sを包含する。
「場合により置換されている」基の飽和した炭素原子上の適切な二価置換基は、下記の:
Figure 2013536801
を包含し、ここで、Rの各々の独立した出現は、水素、以下で定義されているように置換されていてよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリールの環から選択される。「場合により置換されている」基の近接する置換可能な炭素と結合している適切な二価置換基は、−O(CR 2〜3O−を包含し、ここで、Rの各々の独立した出現は、水素、以下で定義されているように置換されていてよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和、部分的不飽和もしくはアリールの環から選択される。
の脂肪族基上の適切な置換基は、ハロゲン、
Figure 2013536801
を包含し、ここで、各Rは、非置換であるか、「ハロ」により先行されている場合、1つまたはそれより多くのハロゲンでのみ置換されており、独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリールの環である。
「場合により置換されている」基の置換可能な窒素上の適切な置換基は、
Figure 2013536801
を包含し、ここで、各Rは、独立して、水素、以下で定義されているように置換されていてよいC1〜6脂肪族、非置換の−OPh、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和、部分的不飽和、またはアリールの環であるか、上の定義にもかかわらず、Rの2つの独立した出現は、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の3〜12員の飽和、部分的不飽和、またはアリールの単環式もしくは二環式の環を形成する。
の脂肪族基上の適切な置換基は、独立して、ハロゲン、
Figure 2013536801
であり、ここで、各Rは、非置換であるか、「ハロ」により先行されている場合、1つまたはそれより多くのハロゲンでのみ置換されており、独立してC1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分的不飽和、もしくはアリールの環である。
本明細書で使用されているように、「触媒」という用語は、その存在が、化学反応の速度を高め、一方、それ自体が消費されることも永久的な化学変化を受けることもない物質を指す。
二重カルボニル化
本発明の方法は、各エポキシド分子が、2分子の一酸化炭素と反応し、酸無水物(例えば、環状無水物)を生成することにより、エポキシドの二重カルボニル化を達成する。二重カルボニル化は、本発明の触媒および条件により促進される。二重カルボニル化は、好ましくは、その下で、両カルボニル化反応が、第一のカルボニル化の生成物を単離することも精製することも必要なく行われる反応条件を使用する単一プロセスで達成される。
Figure 2013536801
公知の触媒および条件で、スキーム2による有用なプロセスがこれまで達成可能でなかったのは、2つのステップ(エポキシドからのラクトン形成およびラクトンからの無水物形成)が、異なりかつ相互排他的であることが多い反応要件を有することが判明していたからである。本発明の一実施形態は、このプロセスが単一ポット反応フォーマットで成功することを可能にする触媒/溶媒の組合せを包含する。本発明は、エポキシドの二重カルボニル化が酸無水物生成物を提供することを可能にする触媒および方法を提供する。一部の実施形態において、プロセスは、連続プロセスである。一部の実施形態において、酸無水物生成物は、触媒(catalyst)または触媒(catalysts)からそれを分離するために結晶性である。一実施形態において、エポキシドは、エチレンオキシドであり、生成物は、コハク酸無水物であるが、エポキシドは、結晶性である酸無水物誘導体を形成する任意のエポキシドであってよい。例えば、エポキシドは、プロピレンオキシドであってよく、この場合、生成物は、メチルコハク酸無水物である。
本明細書に記載されている触媒を使用し、連続フロープロセスでエポキシドを酸無水物へ成功裏に変換することができる。一部の実施形態において、変換は、単一反応で(すなわち、一組の反応条件下で単一の反応容器中で)行われる。反応容器は、連続フロー反応容器であってよい。他の実施形態において、変換は、1つより多くの反応容器を使用する連続フロー下で行われるが、中間体ラクトン生成物の単離はない。一部の実施形態において、二重カルボニル化は、単一触媒を使用して行われる。
一部の実施形態において、二重カルボニル化は、両カルボニル化ステップのために単一触媒を使用する。一部の実施形態において、2つの触媒が使用され、一方の触媒は、第一のカルボニル化ステップにおける改善された性能のために選択され、他方は、第二のカルボニル化ステップにおける改善された性能のために選択される。他の実施形態において、第一の触媒は、第一のカルボニル化を促進するために使用され、第一の触媒と異なる第二の触媒は、第二のカルボニル化を促進するために使用される。これらの実施形態において、触媒および溶媒は、好ましくは、特定のカルボニル化ステップの反応速度を最適化するために選ばれる。
本発明の一部の実施形態において、変換は、反応容器中か反応容器の長さに沿って制御された反応条件で単一の連続フロー反応容器中で行われる。一部の実施形態において、反応物ストリームが反応容器に入る時の反応条件が、第一のカルボニル化を促進し、生成物ストリームが反応容器を出る時の反応条件が、第二のカルボニル化を促進するように、反応物ストリームが反応容器に入る時の反応条件は、生成物ストリームが反応容器を出る時の反応条件と異なる。反応条件のいくつかの態様は、反応溶媒の存在、基質の濃度、存在する触媒の量、ならびに反応が実施される圧力および温度を包含するがそれらに限定されないこれらのプロセスの結果に影響することが判明している。
図1は、本発明の好ましい実施形態におけるエチレンオキシドからコハク酸無水物を製造するためのプロセスフローシステムを示している。この実施形態において、エポキシドは、それが、必要とされるまで貯蔵される貯蔵タンクへ、オフローディングポンプにより、エポキシド源(例えば、レールカー)から移される。エポキシドは、好ましくは、この実施形態においてエチレンオキシド(EO)である。溶媒、(例えば、ジオキサン)は、貯蔵タンク中に貯蔵される前に乾燥機へ、オフローディングポンプにより、溶媒源(例えば、トラック)から移される。触媒は、ミックスタンク中に貯蔵される。一酸化炭素源からの一酸化炭素(CO)は、圧縮機中で圧縮され、乾燥機中で乾燥される。ある種の実施形態において、一酸化炭素は、水素と一緒に、メタン源(例えば、パイプライン)からの水蒸気改質メタンにより製造される。水素は、例えば、圧力スイング吸着(PSA)により分離され、他の目的、例えば、ブタンジオール製造のために使用されてよい。COは、圧縮に先立ってさらなるPSAにより精製され、二酸化炭素およびメタンは、さらなる水蒸気改質のためにリサイクルされる。溶媒は、溶媒の一部を触媒ミックスタンクへ送り、スラリーまたは溶液を形成する装入ポンプにより供給される。スラリーが製造される場合、スラリーは、装入ポンプにより供給され、追加の溶媒と混ぜ合わせ、触媒−溶媒溶液を形成してよい。EOは、装入ポンプにより供給され、COは、反応物ストリームを形成するために触媒−溶媒溶液と混ぜるのに先立ってEOへ適用される。反応物ストリームは、温度制御付きの管状またはシェルアンドチューブ断熱反応器へフィードされる。
次いで、反応器を出る生成物ストリームを、分離プロセスへ送り、溶媒、触媒、副成物および未反応の反応剤(reactant)から酸無水物生成物を単離することができる。分離は、1つのステップまたはステップの組合せであってよい。さらに、分離は、固−液、液−液または液−気分離であってよい。一実施形態において、反応器を出る生成物ストリームは、晶析装置フィード冷却器と、続く、晶析装置フラッシュドラムを包含する断熱蒸発冷却無水物晶析装置へフィードされる。これは、溶媒中の触媒と一緒に、揮発物ストリームおよび固体コハク酸無水物のスラリーを生成する。触媒は、好ましくは、触媒がスラリーに溶けたままでいるように、溶媒に高度に可溶性である。一実施形態において、スラリーは、溶媒/触媒回収回転式ドラム濾過器へフィードされ、液体溶液は、固体コハク酸無水物から分離される。固体コハク酸無水物ストリームは、好ましくは、回転窯であるコハク酸無水物固体乾燥機へ送られ、そこから生成物として出る。晶析装置フラッシュドラムからの揮発物ストリームは冷却され、残った気相は、固体乾燥機ガス加熱器へ送られ、コハク酸無水物を乾燥するためにコハク酸無水物固体乾燥機へ送られるのに先立って乾燥および加熱される。コハク酸無水物固体乾燥機を出るガスストリームは、冷却された揮発物ストリームの液体構成成分およびジオキサン/触媒回収回転式ドラム濾過器を出る液体溶液と一緒に、溶媒/触媒回収フラッシュドラムへフィードされるのに先立ってガス冷却器へ送られる。回収フラッシュドラムを出る溶媒/触媒液体は、反応器へ入る前に反応物ストリームへ回収ポンプにより送られる。回収フラッシュドラムを出るガスストリームは、部分的にベントされ、圧縮機中で部分的に圧縮され、COフィードストリーム中に戻されてリサイクルされる。
エポキシドおよび反応剤
方法は、一般的に適用可能であり、広範囲のエポキシド出発材料を使用することができる。エポキシド基質(および、拡大解釈すればラクトン中間体および無水物生成物)は、非置換(すなわち、エチレンオキシド)であってよいか、一置換、近接する二置換(シスかまたはトランス)であってよい。方法は、ジェミナルの二置換、三置換または四置換のエポキシドへも適用することができるが、これらの基質は、よりゆっくりと反応し、より低収率の無水物を与える傾向がある。エポキシド上の置換基(複数可)は、本明細書に記載されている反応条件に適合しているいずれであってもよい。
ある種の実施形態において、エポキシドは、式Iを有する:
Figure 2013536801
本明細書に記載されているスキームおよび構造に現れるR基および任意の他の化学変数は、それらの化学変数を持つ分子の構造および機能に適合していると有機化学分野の当業者に認識されるであろうそれらの化学部分および官能基を包含する。例示的な官能基は、置換および非置換の環式および非環式の炭化水素部分、置換および非置換の環式および非環式のヘテロ原子含有部分、ならびに、ヘテロ原子、ハロゲン、およびメタロイド元素を含む一般的官能基を包含する。適切な基の範囲をさらに定義するため、ある種の定義が、以下に提供される。とはいえ、これらの定義は、代表的であることを意味し、以下の定義における具体的な基または部分の非存在は、必ずしも、そのような基を排除するか、そのような基が本発明により包含されないことを暗示することを意味しないことが理解されるべきである。
化学変数が、環の結合と交差する結合と接続していると示されている(例えば、上のR、以下のある種の配位子中のRなどについて示されているような)いずれの場合にも、このことは、1つまたはそれより多くのそのような変数が、交差した結合を有する環と場合により接続していることを意味する。そのような環上の各R基は、任意の適切な位置において接続していてよく、このことは、一般的に、基が、親環上の水素原子の代わりに接続していることを意味すると理解される。このことは、2つのR基が、同じ環原子と接続していてよい可能性を包含する。さらに、1つより多くのR基が、環上に存在する場合、各々は、それと接続している他のR基と同じか異なってよく、各基は、たとえそれらが、同じ識別子により表されていても、同じ分子上の他の場所に接続していてよい他の基とは無関係に定義される。
式Iのエポキシドの一実施形態において、各R基は、独立して、(a)C〜C20アルキル;(b)C〜C20アルケニル;(c)C〜C20アルキニル;(d)最大でC12までの炭素環;(e)最大でC12までのヘテロ環;(f)−C(R13(3−z);および(g)ポリマー鎖からなる群から選択することができる。2つ以上のR基は、それらが接続している炭素原子と一緒になって、1つまたはそれより多くの環を形成してよく、(a)から(e)((a)と(e)を含む)のいずれも、1つまたはそれより多くのF基で場合によりさらに置換されていてよい。
各出現におけるFは、ハロゲン;
Figure 2013536801
からなる群から独立して選択することができる。
各出現におけるR10は、−C(R13(3−z);C〜C12アルキル;C〜C12アルケニル;C〜C12アルキニル;最大でC12までの炭素環;最大でC12までのヘテロ環;−S(O)13;−Si(R15;−H;およびヒドロキシル保護基からなる群から独立して選択することができる。
各出現におけるR11およびR12は、−H;C〜C12アルキル;C〜C12アルケニル;C〜C12アルキニル;および−C(R13(3−z)からなる群から独立して選択することができる。R11およびR12は、共に存在する場合、場合により、それらが接続している原子と一緒になって、3〜10員の環を形成することができる。
各出現におけるR13は、−H;C〜C12アルキル;C〜C12アルケニル;C〜C12アルキニル;最大でC12までの炭素環;および最大でC12までのヘテロ環からなる群から独立して選択することができる。
各出現におけるR14は、ハロゲン;
Figure 2013536801
;最大でC12までのヘテロ環;および最大でC12までの炭素環からなる群から独立して選択することができる。
各出現におけるR15は、C〜Cアルキル;C〜Cアルケニル;C〜Cアルキニル;および最大でC12までの置換または非置換の炭素環からなる群から独立して選択することができる。
各出現におけるR16は、C〜C12アルキル;C〜C12アルケニル;C〜C12アルキニル;最大でC12までのヘテロ環;最大でC12までの炭素環;および−C(R13(3−z)からなる群から独立して選択することができる。
Zは、二価のリンカーであり、
Figure 2013536801
;ポリエーテル、およびポリアミンからなる群から選択することができる。
aは、1、2、3、または4であってよい。
kは、1以上8以下の整数であってよい。
mは、1以上8以下の整数であってよい。
xは、0、1、または2であってよい。
zは、1、2、または3であってよい。
本発明は、これらの変数定義の任意の組合せを含むエポキシドの使用を包含すると理解されるべきである。例えば、以下で議論されるように、本発明者らは、下記の代表的な非置換および一置換エポキシドに方法を適用した:エチレンオキシド(4)、プロピレンオキシド(6)、1,2−エポキシブタン(8);1,2−エポキシヘキサン(10);1,2−エポキシドデカン(12);シクロヘキシルオキシラン(14);n−ブチルグリシジルエーテル(16);tert−ブチルジメチルシリルグリシジルエーテル(18);ベンジルグリシジルエーテル(20);10,11−エポキシウンデカン−1−オール(22);4,5−エポキシペンチルブチレート(24);5,6−エポキシヘキサンニトリル(26);N,N−ジメチル−10,11−ウンデシルアミド(28);1,2−エポキシ−5−ヘキセン(30);1,2−エポキシ−7−オクテン(32);(2,3−エポキシプロピル)ベンゼン(34);スチレンオキシド(36);および1,2,7,8−ジエポキシオクタン(38)。エチレンオキシド(4)およびプロピレンオキシド(6)は、特に商業的に興味深い。
以下で議論されるように、本発明者らは、下記の代表的な二置換エポキシドにも方法を適用した:cis−2,3−エポキシブタン(40);trans−2,3−エポキシブタン(42);trans−3,4−エポキシヘキサン(44);およびtrans−2,3−エポキシオクタン(46)。
以下で議論されるように、本発明者らは、下記の代表的なエナンチオマー的に富化されたエポキシドにも方法を適用した:(R)−プロピレンオキシド((R)−6);(S)−1,2−エポキシヘキサン((S)−10);および(R)−ベンジルグリシジルエーテル((R)−20)。
これらの代表的なエポキシドは、方法が、エーテル、アルコール、エステル、アミド、ニトリル、シリルエーテル、アルケンおよび芳香族物質を含有するものを包含する一連の置換エポキシド基質に適用可能であることを証明している。これらのリストは、網羅的ではなく、他の官能基も存在することができることが理解されるべきであり、例えば、ケトンおよびアセタール置換エポキシドが成功裏に用いられている。
追加の反応剤は、一酸化炭素、または一酸化炭素と別のガスの混合物を含むことができる。一部の実施形態において、一酸化炭素は、水素との混合物(例えば、合成ガス)で提供される。一酸化炭素と水素の比は、1:1、1:2、1:4、1:10、10:1、4:1、または2:1を包含するがそれらに限定されない任意の比であってよい。一部の実施形態において、一酸化炭素は、他のガスを含有する混合物で提供される。一酸化炭素源は、とりわけ、木ガス、発生炉ガス、石炭ガス、都市ガス、人造ガス、ハイガス(hygas)、ダウソン(Dowson)ガスまたは水性ガスを包含するが、それらに限定されるものではない。一部の実施形態において、一酸化炭素は、上に記載されているような別の炭化水素(例えば、メタン)から水蒸気改質により提供される。一酸化炭素は、水蒸気改質流出液中の他のガスの量を減らすために圧力スイング吸収により精製することができる。一部の実施形態において、一酸化炭素は、超大気圧力で提供される。一酸化炭素の量は、酸無水物へのエポキシド出発材料の効率的変換を果たすように供給されるべきである。
触媒
本発明は、遷移金属カルボニル錯体との組合せでルイス酸を含むカルボニル化触媒の使用を包含する。本明細書で使用されているようなルイス酸という用語は、電子対を受容する能力があり、ブレンステッド−ローリー酸ではない任意の求電子種を指す。
ある種の実施形態において、触媒は、式[ルイス酸]u+{[QT(CO)s−の錯体を含み、ここで、Qは、任意の配位子であって、存在する必要はなく;Tは、遷移金属であり;uは、1以上6以下の整数であり;sは、1以上4以下の整数であり;tは、sを乗じたtが、uに等しいような数であり;vは、1以上9以下の整数である。例えば、一実施形態において、uおよびsは、共に1である。別の実施形態において、uおよびsは、共に2である。ある種の実施形態において、vは、1以上4以下の整数である。一実施形態において、vは、4である。
ルイス酸
ある種の実施形態において、触媒のルイス酸部は、周期表の3族から14族(3族と14族を含む)の元素を包含するか、ランタニド金属を含有する。有用なルイス酸は、中性(例えば、AlCl、CrCl、CrCl、ZnCl、BF、BCl、Yb(OTf)、FeCl、FeCl、CoClなどの化合物)かまたはカチオン性(例えば、式[M(L)c+の金属錯体であってもよく、ここで、Mは、金属であり、各Lは、配位子であり、bは、1以上6以下の整数であり、cは、1、2、または3であり、1つより多くのLが存在する場合、各Lは、同じであっても異なっていてもよい。多岐にわたる金属ルイス酸が、本発明に適用可能であることが判明している。ある種の実施形態において、Mは、遷移金属、13または14族金属、またはランタニドである。遷移金属および13族金属は、特に興味深い。例えば、ある種の実施形態において、Mは、アルミニウム、クロム、インジウムまたはガリウムである。一部の実施形態において、Mは、アルミニウムまたはクロムである。
同様に、一連の配位子(L)は、触媒の金属ルイス酸構成成分中に存在してよい。ある種の実施形態において、配位子は、ジアニオン性四座配位子であってよい。
適切な配位子は、ポルフィリン誘導体1、サレン誘導体2、ジベンゾテトラメチルテトラアザ[14]アヌレン(tmtaa)誘導体3、フタロシアニネート誘導体4、およびトロスト配位子の誘導体5を包含するが、それらに限定されるものではない。ある種の実施形態において、ポルフィリン、サレンおよびtmtaa誘導体は、特に有用である。一部の場合に、1つより多くのルイス酸構成成分の混合物が触媒中に存在してよい。構造1から5に現れるR基についての例示的定義は、以下でより完全に記載される。
ある種の実施形態において、金属錯体は、金属Mおよび式1:
Figure 2013536801
(ここで、各出現におけるRは、−H;C〜C12アルキル;C〜C12アルケニル;C〜C12アルキニル;ハロゲン;
Figure 2013536801
からなる群から独立して選択され、
10、R11、R12、R13、R14、R16、Z、k、m、x、およびzは、上で定義されている通りである)の配位子Lを含む。
ある種の実施形態において、金属錯体は、金属Mおよび式2:
Figure 2013536801
(ここで、RおよびR1’は、−H;C〜C12アルキル;C〜C12アルケニル;C〜C12アルキニル;−C(R13(3−z);−(CH14;および−(CH−Z−R14からなる群から独立して選択され、
、R2’、R、およびR3’は、(i)C〜C12アルキル;(ii)C〜C12アルケニル;(iii)C〜C12アルキニル;(iv)最大でC12までの炭素環;(v)最大でC12までのヘテロ環;(vi)−(CH14;(vii)R20;および(viii)−C(R13(3−z)からなる群から独立して選択され、
(i)から(v)まで((i)と(v)を含む)の各々は、場合により、1つまたはそれより多くのR20基でさらに置換されていてよく、RおよびR、ならびにR2’およびR3’は、場合により、それらが接続している炭素原子と一緒になって、1つまたはそれより多くのR20基で置換されていてよい1つまたはそれより多くの環を形成してよく、
は、
Figure 2013536801
からなる群から選択され、
Xは、−N(R11)−;−O−;−S(O)−;−(CH−;−C(O)−;−C(=NOR10)−;−C(R−;ポリエーテル;C〜Cの置換または非置換の炭素環;およびC〜Cの置換または非置換のヘテロ環からなる群から選択される二価のリンカーであり、
は、上で定義されている通りであり、
各出現におけるRは、(a)C〜C12アルキル;(b)C〜C12アルケニル;(c)C〜C12アルキニル;(e)最大でC12までの炭素環;(f)最大でC12までのヘテロ環;(g)R20;(h)−C(R13(3−z);および(i)−Hからなる群から独立して選択され、
2つ以上のR基は、それらが接続している炭素原子と一緒になって、1つまたはそれより多くの環を形成してよく、
2つのR基が、同じ炭素原子に接続している場合、それらは、一緒になって、3〜8員のスピロ環式環;カルボニル(C=O)、オキシム(C=NOR10);ヒドラゾン(C=NNR1112);イミン(C=NR11);およびアルケニル基(C=CR1112)からなる群から選択される部分を形成してよく、
(a)から(f)まで((a)と(f)を含む)のいずれも、場合により、1つまたはそれより多くのR20基でさらに置換されていてよく、
各出現におけるR20は、−H;ハロゲン;
Figure 2013536801
からなる群から独立して選択され、
10、R11、R12、R13、R14、R16、Z、k、m、x、およびzは、上で定義されている通りである)の配位子Lを含む。
ある種の実施形態において、金属錯体は、金属Mおよび式3の配位子Lを含む:
Figure 2013536801
(ここで、Rは、上で定義されている通りであり、
各出現におけるRは、−H;C〜C12アルキル;C〜C12アルケニル;C〜C12アルキニル;−C(R13(3−z);−(CH14;および−(CH−Z−R14からなる群から独立して選択され、
13、R14、Z、k、およびzは、上で定義されている通りである)。
ある種の実施形態において、金属錯体は、金属Mおよび式4の配位子Lを含む:
Figure 2013536801
(式中、Rは、上で定義されている通りである)。
ある種の実施形態において、金属錯体は、金属Mおよび式5の配位子Lを含む:
Figure 2013536801
(ここで、RおよびRは、上で定義されている通りである)。
遷移金属カルボニル錯体
触媒に含まれる遷移金属カルボニル錯体は、中性かアニオン性であってよい。ある種の実施形態において、金属カルボニル錯体は、アニオン性の、例えば、周期表の5、7もしくは9族からの金属のモノアニオン性カルボニル錯体または周期表の4もしくは8族からの金属のジアニオン性カルボニル錯体である。ある種の実施形態において、金属カルボニル錯体は、周期表の7または9族からの金属、例えば、コバルト、マンガンまたはロジウムを含有する。適切なアニオン性金属カルボニル錯体の例は、[Co(CO)および[Mn(CO)を包含するが、それらに限定されるものではない。ある種の実施形態において、[Co(CO)が使用されてよい。一部の場合に、2つ以上の遷移金属カルボニル錯体の混合物が、触媒中に存在していてよい。
本明細書に開示されている金属カルボニル錯体は、一般的に、二成分金属カルボニル錯体である(すなわち、それらは、式M(CO)を有し、金属およびカルボニル配位子のみからなる)ものの、このことは、本発明の制限的要件ではなく、混合配位子金属カルボニル錯体の使用も企図されている。例えば、二座ホスフィン配位子が、カルボニル配位子と一緒に存在してよい。一部の反応条件下で、混合配位子カルボニル錯体が、反応中に二成分錯体からインサイチュで形成されてよいことも予測される。インサイチュで添加されるか形成されるかにかかわらず、混合配位子カルボニル錯体を含有する触媒は、本発明により包含される。
本発明により包含される触媒のルイス酸および金属カルボニル錯体構成成分の化学量論は、変えることができる。典型的には、2つの構成成分は、2つの種の電荷を平衡化する比で存在する。例えば、ルイス酸が、モノカチオンであり、金属カルボニル錯体が、ジアニオンであれば、それらは、2:1の電荷平衡比(すなわち、2[ルイス酸]+[M(CO)2−)で存在してよい。一部の場合に、カルボニル錯体の電荷が、ルイス酸構成成分のそれを超えていれば−化学量論的過剰の前者が存在するかまたはルイス酸が中性種であるために−カルボニル錯体の過剰な負電荷は、1または2族金属カチオンの存在により、またはアンモニウム、ホスホニウム、またはアルソニウムカチオンなどの非金属カチオンにより平衡化することができる。
一部の場合に、金属ルイス酸の金属原子は、1つまたはそれより多くの追加の中性配位性配位子へ配位していてよく(例えば、金属原子の配位原子価を満たすために)、特に好ましい1つのそのような配位子は、テトラヒドロフラン(THF)であり、しかしながら、多くの他の溶媒および当技術分野において周知であるような他の配位子も、本発明を逸脱することなくこの役割を満たしてよいことが理解されるであろう。反応条件下で、配位性配位子を、存在してよい試薬、生成物、中間体または溶媒により置き換えることができることも理解されるであろう。そのようなインサイチュで生成される種も、本発明により包含される。多くの触媒プロセスと同様に、反応に添加される具体的触媒の構造は、必ずしも活性種であるとは限らないであろう。
関連した問題で、本発明のプロセスに適している触媒は、個々の構成成分からインサイチュで形成することができる。例えば、ルイス酸および金属カルボニル錯体を、反応が実施される反応容器へ別々に添加することができる。これの1つの具体的実施例において、触媒としてアルミニウムテトラキス−(4−クロロフェニル)−ポルフィンビス−テトラヒドロフランテトラカルボニルコバルテート(1c)を添加する代わりに、アルミニウムテトラキス−(4−クロロフェニル)−ポルフィンクロライドおよびナトリウムテトラカルボニルコバルテートを別々に添加することができる。類似の手順で、アルミニウムポルフィリンテトラフルオロボレート化合物(TPP(Al)BF )を、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムテトラカルボニルコバルテート(PPNCo(CO) )とインサイチュで混ぜ合わせると、活性触媒が得られた。したがって、インサイチュでルイス酸/金属カルボニル対を生成するであろう試薬のそのような組合せは、本発明の範囲内にあることが理解されるべきである。
任意の理論により束縛されるか、それによって、本発明の範囲を制限することを望むものではないが、カチオン性であるルイス酸構成成分およびアニオン性である金属カルボニル錯体を混ぜ合わせる触媒は、本発明のカルボニル化プロセスに特に適していることが考えられる。さらに、非イオン性会合を形成する傾向を有するルイス酸/金属カルボニルの組合せは、あまり有効でない(例えば、共有結合または配位共有結合が、2つの構成成分の金属間で形成しやすければ)ことがあると考えられる。そのような場合に、この会合を防ぐために追加の構成成分を添加することが有利であることがある。1つの例として、ルイス酸構成成分が、インジウムポルフィリン錯体をベースとしており、金属カルボニル構成成分が、テトラカルボニルコバルテートである場合、カルボニル化反応は、トリフェニルホスフィンの添加により改善される。この場合も、理論により束縛されるか、それによって本発明の範囲を制限するものではないが、ホスフィンは、インジウムと配位し、それによって、触媒のコバルテート構成成分と結合するその傾向を妨げると考えられる。
一部の場合に、反応混合物中に存在する触媒の過剰な遷移金属カルボニル構成成分を有することが有利であると判明している。例えば、金属カルボニル錯体は、約2倍から約10倍までの範囲である過剰に存在してよい。ルイス酸に対して過剰のアニオン性金属カルボニル錯体があれば、負電荷は、上に記載されているように平衡化することができ、過剰の負電荷は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の存在により平衡化される。
溶媒
溶媒(すなわち、反応溶媒)に関して、本発明の方法は、溶媒の存在により改善されることが判明している。一部の実施形態において、溶媒は、低極性〜中極性である。一部の実施形態において、溶媒は、エポキシド基質を完全に溶かし、用いられる触媒が、少なくとも部分的に溶けている反応混合物を提供する。加えて、一部の態様において、溶媒は、反応性官能基を欠く。
一部の実施形態において、溶媒は、ルイス塩基を包含する。本明細書で使用されているようなルイス塩基という用語は、電子対を供与する能力がある任意の求核種を指す。一部の実施形態において、適切な溶媒の存在は、ポリマー副生成物の形成を抑え、一部の場合に、反応の速度および/または収率を高めることができる。
ある種の実施形態において、ルイス塩基は、エポキシドと区別される。他の実施形態において、ルイス塩基は、エポキシドである(すなわち、反応は、ニートのエポキシド中で実施される)。実際、非エポキシド溶媒の使用は、より高い収率につながることがあるものの、本発明者らは、ある種の触媒が、二重カルボニルがニートのエポキシド中で達成されることを可能にすることを見いだした。
ある種の実施形態において、使用される溶媒は、エポキシドを完全に溶かし、用いられる触媒が、少なくとも部分的に溶けている反応混合物を提供するであろう。適切な溶媒は、エーテル、ケトン、芳香族炭化水素、ハロカーボン、エステル、ニトリル、および一部のアルコールを包含してよい。例えば、それらに限定されるものではないが、適切な溶媒は、1,4−ジオキサン;1,3−ジオキサン;テトラヒドロフラン;テトラヒドロピラン;ジメトキシエタン;グリム;ジエチルエーテル;t−ブチルメチルエーテル;2,5−ジメチルテトラヒドロフラン;酢酸エチル;酢酸プロピル;酢酸ブチル;アセトン;2−ブタノン;シクロヘキサノン;トルエン;アセトニトリル;およびジフルオロベンゼンを包含してよい。一部の実施形態において、溶媒は、1,4−ジオキサン、トルエン、および/またはジメトキシエタンを包含する。一実施形態において、溶媒は、1,4−ジオキサンを包含する。上の溶媒のうちの2つ以上の混合物も有用であり、一部の場合に、単一溶媒より好ましいことがある。例えば、トルエンと1,4−ジオキサンの混合物は、有用である。
ある種の実施形態において、本発明者らは、低極性〜中極性のルイス塩基が、極性溶媒を上回って反応の性能を改善することを見いだした。したがって、ある種の実施形態において、溶媒は、1,3−ジオキサン(ε=20Cにおける誘電定数=13.6)よりも極性の低いルイス塩基を包含してよい。ある種の実施形態において、溶媒は、オルト−ジフルオロベンゼン(ε=13)よりも極性の低いルイス塩基を包含する。ある種の実施形態において、溶媒は、メタ−ジフルオロベンゼン(ε=5)よりも極性の低いルイス塩基を包含する。ある種の実施形態において、溶媒は、極性が1,4−ジオキサン(ε=2.2)と実質的に同じであるルイス塩基を含む。
ある種の実施形態において、我々は、低〜中等度の電子供与性のルイス塩基が、強い供与性ルイス塩基を上回って反応の性能を改善することを見いだした。したがって、ある種の実施形態において、溶媒は、電子供与性がテトラヒドロフランよりも低いルイス塩基を含んでよい。ある種の実施形態において、溶媒は、電子供与性が2−メチルテトラヒドロフランよりも低いルイス塩基を含んでよい。ある種の実施形態において、溶媒は、電子供与性が2,5−ジメチルテトラヒドロフランよりも低いルイス塩基を含んでよい。ある種の実施形態において、溶媒は、電子供与性がジフルオロベンゼンよりも高いルイス塩基を含んでよい。ある種の実施形態において、溶媒は、電子供与性がトルエンよりも高いルイス塩基を含んでよい。ある種の実施形態において、溶媒は、電子供与性が1,4−ジオキサンと実質的に同じであるルイス塩基を含んでよい。
1,4−ジオキサンは、実施例に記載されている様々な触媒との組合せで使用される場合に特に高い収率の無水物を生成するように見えるものの、他の溶媒および溶媒の混合物(明示的に開示されていない溶媒および混合物を含む)は、これらの触媒と共に使用されてよいことが理解されるであろう。これらの組合せの一部は、より低い収率を生じることがあるものの、それらは、本発明の範囲内に留まる。本発明は、決して、本出願中に例示されている代表的な触媒に制限されないことも理解されるであろう。特に、今や、我々は、高収率二重カルボニル化が、触媒および溶媒の適切な選択を通じて可能であることを証明したのであるから、当業者は、本発明者らの教示を、他の触媒/溶媒の組合せへ一般化することができることを認識するであろう。
一般に、高度に極性の反応性またはプロトン性の溶媒は、一般的に、本発明のプロセスにとって劣っているか不適切である。劣った溶媒は、イオン性液体、塩素化炭化水素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、ピリジンなどを包含する。
溶媒は、好ましくは、約0.1Mから約20Mまで、例えば、約0.1Mから約5Mまでまたは約0.5Mから約2Mまでのエポキシド濃度を達成するのに十分な量で添加される。
反応条件
カルボニル化反応のための条件は、エポキシドの酸無水物への変換を果たすための多くの因子に基づいて選択される。温度、圧力、および反応時間は、反応速度および効率に影響を及ぼす。加えて、お互いに対するおよび触媒に対する反応剤の比は、反応速度および効率を果たす。
一部の実施形態において、反応温度は、約−20℃から約600℃までの範囲であってよい。一部の実施形態において、反応温度は、約−20℃、約0℃、約20℃、約40℃、約60℃、約80℃、約100℃、約200℃、約300℃、約400℃、約500℃または約600℃である。一部の実施形態において、反応剤、触媒および溶媒は、標準温度において反応器へ供給され、次いで、反応器中で加熱される。一部の実施形態において、反応剤は、反応器へ入る前に予熱される。一部の実施形態において、反応剤は、反応器へ入る前に冷却される。
次に、温度の効果のことを考えると、ある種の実施形態において、反応温度は、本発明のプロセスの速度および結果に影響することが判明した。より高い温度において、反応は、より低い温度におけるよりも速く進行するが、反応副成物を形成する傾向が高まることがある。
一部の実施形態において、反応圧力は、約50psigから約5000psigまでの範囲であってよい。一部の実施形態において、反応圧力は、約100psig、約200psig、約300psig、約400psig、約500psig、約600psig、約700psig、約800psig、約900psig、または約1000psigである。一部の実施形態において、圧力は、約50psigから約2000psigまでの範囲である。一部の実施形態において、圧力は、約100psigから1000psigまでの範囲である。一部の実施形態において、圧力は、約200psigから約800psigまでの範囲である。一部の実施形態において、反応圧力は、全体的に一酸化炭素により供給される。例えば、反応剤、触媒および溶媒は、大気圧において、または真空下で反応器へ装入され、一酸化炭素は、圧力を反応圧力まで高めるために反応器へ添加される。一部の実施形態において、すべての反応剤、溶媒および触媒は、反応圧力において反応器へ供給される。
場合により、その下で反応が行われる雰囲気は、他のガスを含むことができる。そのような他のガスは、例えば、水素、メタン、窒素、二酸化炭素、空気、および痕跡量の水蒸気を含むことができる。本発明は、具体的に、他の一酸化炭素含有ガスストリームが、上に記載されているように、その下で反応が行われる雰囲気を提供するプロセスも包含する。望ましくない副生成物は、比較的高い一酸化炭素圧力において反応を実施することにより、より高い反応温度において最小限に抑えることができる。したがって、一部の場合に、最適温度は、反応が行われる圧力に依存するであろう。例えば、約400psiを超える高い一酸化炭素圧力において、高温は、反応にとって有利であることが判明した(例えば、最高で約120℃まで)。一部の場合に、反応は、約40℃から約80℃までの範囲の温度において行われてよい。副成物形成を避けるために、反応混合物は、低温(例えば、<0℃)においてCOで加圧されてよく、加熱は、COが、反応混合物と接触させられた後にのみ導入される。副成物の最小化が望まれれば、CO圧力は、混合物を加熱するのに先立って一定時間(例えば、加熱するのに先立って少なくとも5分)にわたって印加されてよい。
一部の実施形態において、エポキシドに対する触媒の比は、反応が、経済的で時間的に好都合な様式で進行するように、他の反応条件に基づいて選択される。一部の実施形態において、エポキシドに対する触媒の比は、モルベースで約1:10000である。一部の実施形態において、エポキシドに対する触媒のモル比は、約1:5000であり、約1:2500であり、約1:2000であり、約1:1500であり、約1:1000であり、約1:750であり、約1:500であり、約1:250であり、約1:200であり、約1:150であり、または約1:100である。一部の実施形態において、エポキシドの濃度は、約0.1Mと約5.0Mの間の範囲である。一部の実施形態において、エポキシドの濃度は、約0.5Mと約3.0Mの間の範囲である。
第一のカルボニル化を促進するための第一の触媒および第二のカルボニル化を促進するための第一の触媒と異なる第二の触媒を使用する実施形態において、触媒は、反応容器(reaction vessel)または反応容器(reaction vessels)中で一定の比および一定の濃度において存在してよいか、触媒の濃度または比は、二重カルボニル化中に変化してよい。反応物ストリームは、それが反応容器へ入る時には第一の触媒のみを主に含んでよく、第二の触媒は、プロセスにおける後の時点において導入される。第一の触媒は、ラクトンへの第二の触媒の導入に先立って中間体ラクトンから大部分が分離されてよく、または、代替方法として、第二の触媒は、ラクトンから第一の触媒を分離せずに反応物ストリームへ導入されてよい。代替方法として、第一の触媒と第二の触媒は共に、プロセスを通して反応物ストリーム中に存在してよい。
一部の実施形態において、触媒は、好ましくは、反応プロセスを好都合な時間間隔(例えば、約24時間未満、例えば、約3時間未満)で終了させるのに十分な量で存在する。実質で、このことは、エポキシド基質を基準として約0.0001モルパーセントから約20モルパーセントまでの範囲である触媒ローディングを必要とすることがある。ある種の実施形態において、触媒ローディングは、約0.0001モルパーセントから約1モルパーセントまで、例えば、約0.0001モルパーセントから約0.1モルパーセントまでまたは約0.0001モルパーセントから約0.01モルパーセントまでの範囲であってよい。ある種の実施形態において、触媒ローディングは、約0.001モルパーセントから約20モルパーセントまで、例えば、約0.1モルパーセントから約1モルパーセントまでまたは約0.067モルパーセントから約5モルパーセントまでの範囲であってよい。一部の実施形態において、触媒ローディングは、エポキシド基質を基準として約0.154モルパーセント未満である。1つのそのような実施形態において、エポキシドは、エチレンオキシドである。
一部の実施形態において、カルボニル化反応は、酸無水物へのエポキシドの完全な、ほぼ完全な反応を可能にするか、反応速度論およびまたは反応条件を基準にしてできる限り完全に可能にするのに十分な時間にわたって維持される。一部の実施形態において、反応時間は、約24時間、約12時間、約8時間、約6時間、約3時間、約2時間または約1時間にわたって維持される。一部の実施形態において、反応時間は、反応器内の滞留時間として設定される。反応は、反応器の温度もしくは圧力を下げること、特定の反応剤を取り去ることまたはクエンチング化合物を導入することにより停止することができる。反応は、酸無水物へのエポキシドの任意のポイントまたは変換率において停止されてよい。
触媒(catalyst)または触媒(catalysts)は、好ましくは、生成物ストリームからリサイクルされ、酸無水物生成物から実質的に分離された後に反応物ストリームへ戻される。一部の実施形態において、触媒は、分離およびリサイクリングを通して溶媒中に実質的に溶けたままである。一部の実施形態において、反応生成物は、結晶化および濾過により分離される。一部の実施形態において、触媒リサイクリングストリームは、生成物の分離後にさらに処理される。2つ以上の触媒が存在する場合、一部の実施形態において、触媒リサイクリングストリームは、2つ以上の触媒リサイクリングストリームに異なる触媒を分離するためにさらに処理される。異なる触媒の分離は、触媒の比が異なる触媒リサイクリングストリームを生成するに過ぎなくてよいか、分離は、異なる触媒を実質的に完全に分離してよい。さらなる処理ステップは、揮発物を分離するためにリサイクリングストリームをフラッシュドラムへフィードすること、リサイクリングストリームを乾燥すること、リサイクリングストリームを加熱または冷却すること、使用済み触媒を除去すること、および溶媒を添加することを包含するが、それらに限定されるものではない。
分離
分離は、固−液、気−液、および液−液分離技法を包含するがそれらに限定されない、様々な分離手段により達成されてよい。一部の実施形態において、分離される酸無水物生成物ストリームの部は、反応生成物の約0%と約100%の間である。分離は、溶媒および触媒を含むリサイクルストリームおよび酸無水物ストリームをもたらすことができる。一部の実施形態において、分離は、リサイクルストリーム中に保持されている反応触媒のすべてまたはほぼすべてをもたらす。
一部の実施形態において、第二の反応生成物ストリーム300の温度降下は、反応温度からの1%と約99%の間の温度の減少である(絶対目盛で)。一部の実施形態において、第二の反応生成物ストリーム300の温度は、分離ステップ3において約1℃と約600℃の間、低下させられる。一部の実施形態において、第二の反応生成物ストリーム300の一酸化炭素の圧力または分圧は、分離ステップ3において約1psigと約5000psigの間、低下させられる。
一部の実施形態において、分離は、反応生成物ストリームへ構成成分を添加することを包含する。この構成成分は、ストリームにおける酸無水物の溶解度の低下を引き起こし、酸無水物の沈殿をもたらす。一部の実施形態において、反応生成物ストリームは、特定の反応条件および反応器出口条件において酸無水物の飽和点付近または飽和点超である。一部の実施形態において、分離方法は、結晶化、濾過または沈降である。分離は、蒸発冷却結晶化、冷却結晶化、フラッシュドラム、乾燥、濾過およびこれらの技法の組合せを包含するがそれらに限定されない様々な技法で達成されてよい。
一部の実施形態において、分離は、蒸気相において酸無水物を分離すること(例えば、蒸留、フラッシングなど)を含む。一部の実施形態において、酸無水物の分離は、液−液抽出を通じて達成される。抽出プロセスは、反応生成物ストリームを2つの不混和性溶媒に分配するものである。抽出において、酸無水物の部は、一方の溶媒に分配され、他方の溶媒は、少なくとも反応触媒を含有するであろう。一部の実施形態において、抽出後、酸無水物生成物を含有する溶媒は、酸無水物生成物になり、触媒を含有するストリームは、リサイクルされるであろう。
カルボニル化反応生成物
一部の実施形態において、カルボニル化反応において、未反応エポキシドは、酸無水物の形成を妨げることがある。特定の理論により束縛されるものではないが、β−ラクトンを酸無水物へ変換する第二のカルボニル化反応は、エポキシドのすべてが消費されない限り進行しないことが推測される。
上に記載されているように、二重カルボニル化反応の反応生成物は、酸無水物である。一部の実施形態において、生成物は、環状無水物である。一部の実施形態において、生成物は、コハク酸無水物、メチルコハク酸無水物、クロロメチルコハク酸無水物、エチルコハク酸無水物、またはC5〜30酸無水物である。加えて、反応は、副成物を生成することがあり、反応器の出口は、未反応反応剤、ならびに触媒および溶媒を含有することがある。一部の実施形態において、未反応反応剤は、β−ラクトン、エポキシドまたは一酸化炭素を含む。したがって、反応は、終了まで進行しなくてよく、部分反応と見なされてもよい。
図1に記載されているプロセスのプロセスパラメーターは、無水物生成の効率を最適化するために修正されてよい。図1の実施形態は、本発明の一実施形態に適している例証的かつ非限定的なプロセスパラメーターを記載している。この図において、使用される溶媒は、ジオキサンであり、選択されたパラメーターは、エポキシドの効率的変換、無水物の分離、およびこの溶媒を使用する触媒のリサイクリングに基づいている。生成物ストリームは、約99.9wt%コハク酸無水物である。第二のPSAユニットを出るガスストリームは、約98.5wt%CO、約0.7wt%メタン、および約0.5wt%二酸化炭素である。EO、ジオキサン、およびジオキサン−触媒スラリーは、約225psiaの圧力および約30℃の温度においてフィードされて混ぜ合わせられる。COは、約210psiaの圧力および約100℃の温度において印加される。反応物ストリームは、約215psiaの圧力および約50℃の温度において反応器へ入り、生成物ストリームは、約200psiaの圧力および約90℃の温度において反応器を出る。スラリーは、約160psiaの圧力および約35℃の温度において約25wt%コハク酸無水物を含有する蒸発冷却再晶析装置を出る。回収フラッシュドラムのガスストリームからベントされる軽質留分(lights)は、約3wt%ジオキサン、約21wt%CO、約34wt%メタン、および約42wt%二酸化炭素を含有する。
カルボニル化触媒および他の関連する実験詳細は、J. Am. Chem. Soc. 2007年(129巻)4948〜4960頁およびそれとともに公表されている支援情報ならびに米国特許第6,852,865号および米国特許出願公開第2005/0014977号および第2007/0213524号に記載されており、それらのすべては、全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
本明細書に記載されている本発明の実施形態は、単に、本発明の原理の適用を例証していることが理解されるべきである。例証されている実施形態の詳細への本明細書における言及は、それら自体が、本発明に不可欠と見なされる特徴を列挙している特許請求の範囲を制限することは意図されていない。

Claims (51)

  1. 酸無水物を合成する方法であって、
    a)連続フロープロセスで、エポキシド、少なくとも1つの触媒、少なくとも1つの溶媒、および一酸化炭素を含む反応物ストリームを、エチレンオキシドの二重カルボニル化を促進する反応条件下で反応容器へフィードし、該反応物ストリーム中に酸無水物を形成するステップと;
    b)該反応物ストリームが、結晶化した酸無水物ならびに触媒および溶媒を含む液相を含むように該酸無水物を結晶化させる条件へ酸無水物を含有する該反応物ストリームを処理するステップと;
    c)該結晶化した酸無水物を該液相から分離するステップと;
    d)該触媒および該溶媒を、該エポキシドを含む該反応物ストリームへリサイクルするステップとを含む方法。
  2. ステップb)が、断熱蒸発冷却晶析装置中で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. ステップc)が、回転式ドラム濾過器中で行われる、請求項1に記載の方法。
  4. ステップd)が、前記触媒および前記溶媒を含む溶液を、該溶液を前記反応物ストリームへ戻すのに先立って回収フラッシュドラムへフィードし、揮発物を分離するサブステップを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記溶液を乾燥するステップ;前記溶液を加熱または冷却するステップ;使用済み触媒を除去するステップ;溶媒を添加するステップ;およびこれらのステップのうちの2つ以上のステップの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つのステップを実施することにより前記溶液を処理することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記エポキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、1,2−ブチレンオキシド、2,4 ブチレンオキシド、およびC5〜30αオレフィンのオキシドからなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記エポキシドが、エチレンエポキシドである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記酸無水物が、コハク酸無水物、メチルコハク酸無水物、クロロメチルコハク酸無水物、エチルコハク酸無水物、またはC5〜30酸無水物からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記酸無水物が、コハク酸無水物である、請求項8に記載の方法。
  10. 第一のカルボニル化反応が、約50psiから約5000psiまでの圧力において実施される、請求項1に記載の方法。
  11. 第一のカルボニル化反応が、約50psiから約2000psiまでの圧力において実施される、請求項1に記載の方法。
  12. 第一のカルボニル化反応が、約200psiから約1000psiまでの圧力において実施される、請求項1に記載の方法。
  13. 第一のカルボニル化反応が、約200psiから約600psiまでの圧力において実施される、請求項1に記載の方法。
  14. 第一のカルボニル化反応が、約0℃から約125℃までの温度において実施される、請求項1に記載の方法。
  15. 第一のカルボニル化反応が、約30℃から約100℃までの温度において実施される、請求項1に記載の方法。
  16. 第一のカルボニル化反応が、約40℃から約80℃までの温度において実施される、請求項1に記載の方法。
  17. 前記反応が、定常状態反応条件下で操作される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記反応が、定常状態反応条件下で操作される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記二重カルボニル化が、1つまたはそれより多くの連続撹拌タンク反応器中で実施される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記二重カルボニル化が、1つまたはそれより多くのプラグフロー反応器中で実施される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記二重カルボニル化反応が、断熱反応器中で実施される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記断熱反応器が、管状反応器である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記断熱反応器が、シェルアンドチューブ反応器である、請求項21に記載の方法。
  24. 前記溶媒が、1,4−ジオキサン;1,3−ジオキサン;テトラヒドロフラン;テトラヒドロピラン;ジメトキシエタン;グリム;ジエチルエーテル;t−ブチルメチルエーテル;2,5−ジメチルテトラヒドロフラン;酢酸エチル;酢酸プロピル;酢酸ブチル;アセトン;2−ブタノン;シクロヘキサノン;トルエン;アセトニトリル;ジフルオロベンゼンおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  25. 前記溶媒が、1,4−ジオキサンを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記少なくとも1つの触媒が、単一触媒である、請求項1に記載の方法。
  27. 前記単一触媒が、[(ClTPP)Al(THF)[Co(CO)であり、ここで、ClTPPは、meso−テトラ(4−クロロフェニル)ポルフィリナトであり、THFは、テトラヒドロフランである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記少なくとも1つの触媒が、前記二重カルボニル化の第一のカルボニル化を促進するために選択される第一の触媒および前記二重カルボニル化の第二のカルボニル化を促進するために選択される前記第一の触媒と異なる第二の触媒を含む、請求項1に記載の方法。
  29. 前記触媒が、金属カルボニル化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  30. 前記金属カルボニル化合物が、式[QM(CO)x−を有し、ここで、
    Qは、任意の配位子であって、存在する必要はなく;
    Mは、金属原子であり;
    yは、1以上6以下の整数であり;
    wは、安定な金属カルボニルを提供するような数であり;そして
    xは、−3以上+3以下の整数である、請求項29に記載の方法。
  31. Mが、Ti、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Cu、Zn、Al、Ga、およびInからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
  32. Mが、Coである、請求項30に記載の方法。
  33. 前記カルボニル化触媒が、ルイス酸性共触媒をさらに含む、請求項30に記載の方法。
  34. 前記金属カルボニル化合物が、アニオン性であり、そして前記ルイス酸性共触媒が、カチオン性である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記金属カルボニル錯体が、カルボニルコバルテートを含み、前記ルイス酸性共触媒が、金属中心ルイス酸を含む、請求項34に記載の方法。
  36. 前記金属中心ルイス酸が、式[M’(L)c+の金属錯体であり、ここで、
    M’は、金属であり;
    各Lは、配位子であり;
    bは、1以上6以下の整数であり;
    cは、1、2または3であり;そして
    1より多くのLが存在すれる場合、各Lは、同じであっても異なっていてもよい、請求項35に記載の方法。
  37. M’が、遷移金属、13または14族金属、およびランタニドからなる群から選択される、請求項36に記載の方法。
  38. M’が、遷移金属または13族金属である、請求項36に記載の方法。
  39. M’が、アルミニウム、クロム、インジウムおよびガリウムからなる群から選択される、請求項36に記載の方法。
  40. M’が、アルミニウムである、請求項36に記載の方法。
  41. M’が、クロムである、請求項36に記載の方法。
  42. 前記ルイス酸が、ジアニオン性四座配位子を含む、請求項36に記載の方法。
  43. 前記ジアニオン性四座配位子が、ポルフィリン誘導体;サレン誘導体;ジベンゾテトラメチルテトラアザ[14]アヌレン(tmtaa)誘導体;フタロシアニネート誘導体;およびトロスト配位子の誘導体からなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
  44. ステップc)が、前記反応物ストリームを濾過するサブステップを含む、請求項1に記載の方法。
  45. コハク酸無水物合成システムであって、
    一酸化炭素源;
    エチレンオキシド源;
    溶媒源;
    触媒源;
    該一酸化炭素源、該エチレンオキシド源、該溶媒源、および該触媒源により反応物ストリームがフィードされる少なくとも1つの反応容器であって、該反応物ストリームは、一酸化炭素、エチレンオキシド、溶媒、および触媒を含む、反応容器;
    該少なくとも1つの反応容器からフィードされる断熱蒸発冷却晶析装置;
    該断熱蒸発冷却晶析装置によりフィードされる回転式ドラム濾過器;および
    該回転式ドラム濾過器によりフィードされる固体乾燥機
    を備える合成システム。
  46. 前記反応容器が、管状反応器を含む、請求項45に記載の合成システム。
  47. 前記反応容器が、シェルアンドチューブ断熱反応器を含む、請求項45に記載の合成システム。
  48. 前記断熱蒸発冷却晶析装置が、フィード冷却器および晶析装置フラッシュドラムを含む、請求項45に記載の合成システム。
  49. 前記一酸化炭素源が、
    メタン源;
    該メタン源によりフィードされる水蒸気改質ユニット;
    該水蒸気改質ユニットによりフィードされる水素圧力スイング吸着ユニット;
    該水素圧力スイング吸着ユニットによりフィードされる一酸化炭素圧力スイング吸着ユニット;
    該一酸化炭素圧力スイング吸着ユニットによりフィードされる一酸化炭素圧縮機;
    該一酸化炭素圧縮機によりフィードされる一酸化炭素乾燥機
    を含む、請求項45に記載の合成システム。
  50. 前記溶媒源が、
    溶媒オフローディングポンプ;
    該溶媒オフローディングポンプによりフィードされる溶媒乾燥機;および
    該溶媒乾燥機によりフィードされる溶媒貯蔵タンク;および
    該溶媒貯蔵タンクによりフィードされる溶媒装入ポンプ
    を含む、請求項45に記載の合成システム。
  51. 前記触媒源が、触媒ミックスタンクおよび該触媒ミックスタンクによりフィードされる触媒装入ポンプを含み、該溶媒装入ポンプが、溶媒を該触媒ミックスタンクへフィードする、請求項45に記載の合成システム。
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