JP2013533738A - 生体分子の精製に使用されるポリマーの残存量を検出する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、例えば、タンパク質、ポリペプチド、抗体、ワクチンなどのバイオラオレキュール(bioraolecule)を精製する工程で使用される、刺激応答性ポリマーを含むポリマーの残存量を検出する方法に関する。
Description
本出願は、2010年6月8日に出願された米国仮特許出願第61/397,186号の優先権の利益を主張するものであり、その全内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、例えば、タンパク質、ポリペプチド、抗体、ワクチンなどの生体分子を精製する工程で使用されるポリマーの残存量を検出する方法に関する。
例えば、抗体を含む治療的タンパク質などの生体分子の効率的および経済的大規模精製は、バイオテクノロジーおよび製薬産業のますます重要な検討事項になっている。一般に、精製工程は非常に複雑および高額であり、多くの種々のステップを含む。例えば、典型的には、タンパク質の場合、タンパク質は細胞培養方法を用いて、例えば、目的とするタンパク質をコードする遺伝子を含有する組換えプラスミドの挿入によりこのタンパク質を産生するように工学的に作製された哺乳動物細胞系または細菌細胞系のどちらかを用いて産生される。一般に、標的タンパク質の発現後、例えば、宿主細胞タンパク質、媒体副産物(media by−product)およびDNAを含む1つまたは複数の望ましくない成分からこれを分離することは、大きな課題を有する。このような分離は、治療的タンパク質がヒトで使用するつもりであり、食品医薬品局(FDA)により承認されなければならない場合、特に重要である。
一般に、タンパク質に対して現在使用されている分離および/または精製工程は、少なくとも以下のステップ、すなわち、細胞内タンパク質を回収するための細胞溶解、または分泌タンパク質の場合は培地からのタンパク質の回収;目的とするタンパク質を含有する清澄化試料を得るための、種々の遠心分離または濾過を用いた細胞および細胞残屑の除去;および試料中の様々な不純物から、目的とするタンパク質を分離するための多段階工程における様々なクロマトグラフィー媒体の使用を含む。
特定のポリマーは、試料中の1つまたは複数の不純物から生体分子を精製するのに特に有用であることが実証されている。例えば、タンパク質を精製するための、凝結における高分子電解質ポリマーの使用は十分に確立されている(例えば、国際PCT特許出願第WO2008/091740号参照)。これは広範囲のポリマーを用いて達成することができ、唯一必要とされる一般的特徴は、ポリマーが目的とする種(例えば、標的分子または不純物)とある程度の相互作用を有さなければならないことである。さらに、各々が全体として参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第20080255027号、第20090036651号、第20090232737号および第20110020327号は、スマートポリマーと呼ばれる特定のポリマーの使用を論じている。該ポリマーは、pH、温度および/または塩濃度などの特定の工程条件下で水性溶媒中に可溶性であり、1つまたは複数のこのような条件が変化すると不溶性になり、この後沈殿する。
スマートポリマーの場合、これらのポリマーは、1つまたは複数の可溶性および/または不溶性不純物を結合できる、または対象生体分子(例えば、単離される標的タンパク質)を結合できることが見出されている。一般に、このようなポリマーは、全体として参照により本明細書に組み込まれる1つまたは複数の20080255027、20090036651、20090232737および20110020327に記載されている刺激(例えば、pH、温度、塩など)に曝露した後、溶液から沈殿することができる。
ポリマーは、溶液から沈殿することができるが、沈殿ステップは、試料または生物学的材料含有流中に存在するポリマーの全てを必ずしも除去するとは限らず、そのため、対象生体分子を含有する試料中のポリマーの残存量の存在をもたらす。ポリマーの残存量の検出は、対象生体分子が治療的タンパク質である場合、例えば、タンパク質がヒトで使用するつもりであり、食品医薬品局(FDA)による承認を必要とする場合、特に不可欠である。
(発明の要旨)
本発明は、試料中の対象生体分子を濃縮するのに使用されるポリマーの残存量を検出する、従来技術方法に比べて新規のより感度の高い方法を提供する。さらに、本発明の方法は、試料処理を必要とせず、実験室で通常見出される設備、例えば、本明細書に記載されたオリゴヌクレオチドタグベースの方法の場合、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)サーモサイクラー機を用いて実施することができる。
本発明は、試料中の対象生体分子を濃縮するのに使用されるポリマーの残存量を検出する、従来技術方法に比べて新規のより感度の高い方法を提供する。さらに、本発明の方法は、試料処理を必要とせず、実験室で通常見出される設備、例えば、本明細書に記載されたオリゴヌクレオチドタグベースの方法の場合、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)サーモサイクラー機を用いて実施することができる。
本発明による1つの態様において、対象生体分子を含む試料中のポリマーの残存量を検出する方法が提供され、ポリマーは、1つまたは複数の不純物から対象生体分子を分離するのに使用される。ポリマーは、1つまたは複数の不純物を結合することができ、または対象生体分子を結合することができ、これによって1つまたは複数の不純物から対象生体分子を分離する。幾つかの実施形態において、ポリマーは、対象生体分子および1つまたは複数の不純物の両方を結合することができ、対象生体分子がこの後選択的に溶出されるのに対し、1つまたは複数の不純物はポリマーに結合したままである。
幾つかの実施形態において、特許請求された本発明によるポリマーの残存量を検出する方法は、(1)タグと結合しているポリマーと対象生体分子および1つまたは複数の不純物を含有する試料を接触させるステップ、ならびに(2)タグを検出するステップを含み、検出されたタグの量は、対象生体分子を含む試料中の残存ポリマーの量を示す。
幾つかの実施形態において、タグはオリゴヌクレオチド分子である。他の実施形態において、タグは非オリゴヌクレオチド、分子、例えば、ハプテン分子、蛍光分子または放射性分子である。分子が検出可能な部分である例において、用語「タグ」および「分子」は、本明細書では互換的に使用され得る。
タグは検出されるポリマーに付着することができ、またはタグはオリゴヌクレオチド分子に付着することができ、オリゴヌクレオチド分子は、検出されるポリマーに付着している。あるいは、タグは、検出されるポリマーに付着しているオリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズするプローブに付着することができる。
オリゴヌクレオチド分子の場合、分子は、増幅手段(例えば、PCR)または増幅以外の手段(例えば、オリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズするプローブ、またはオリゴヌクレオチド分子に付着した、もしくはオリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズするプローブに付着した蛍光分子、ハプテン分子もしくは放射性分子の使用)を用いて検出することができる。
幾つかの実施形態において、ポリマーは刺激応答性ポリマーである。幾つかの実施形態において、該ポリマーは、清澄化(すなわち、対象生体分子および1つまたは複数の不純物を含有する試料中の1つまたは複数の不純物に結合すること)に使用される。他の実施形態において、該ポリマーは、捕捉(すなわち、対象生体分子に結合すること)に使用される。さらに他の実施形態において、ポリマーは、対象生体分子および1つまたは複数の不純物の両方に結合し、対象生体分子がこの後ポリマーから選択的に溶出されるのに対し、1つまたは複数の不純物はポリマーに結合したままである。
したがって、幾つかの実施形態において、刺激応答性ポリマーの残存量を検出する方法が提供され、該方法は、(1)(ポリマーおよび1つまたは複数の不純物の複合体を形成するようにタグと結合している)刺激応答性ポリマーと対象生体分子およびもう1つの不純物を含有する溶液を接触させるステップ、(2)刺激を溶液に適用し、これによって複合体を沈殿させるステップ、(3)溶液から沈殿物を除去するステップ、ならびに(4)対象生体分子を含有する溶液中のタグを検出するステップを含み、検出されたタグの量は、対象生体分子を含む溶液中の残存ポリマーの量を示す。
別の実施形態において、刺激応答性ポリマーの残存量を検出する方法は、(1)(タグと結合しており、第1の条件下で対象生体分子および1つまたは複数の不純物の両方と複合体を形成する)刺激応答性ポリマーと対象生体分子および1つまたは複数の不純物を含有する溶液を接触させるステップ、(2)刺激を溶液に添加し、これによって複合体を沈殿させるステップ、(3)沈殿物を第2の条件に供し、これによって対象生体分子を複合体から選択的に溶出するステップ、ならびに(4)対象生体分子を含有する溶出液中のタグを検出するステップを含み、検出されたタグの量は、溶出液中の残存ポリマーの量を示す。
幾つかの実施形態において、ステップ(2)と(3)の間に洗浄ステップがある。
幾つかの実施形態において、刺激応答性ポリマーは、塩刺激またはpH刺激に応答する。特定の実施形態において、ポリマーは多価アニオン刺激に応答する。
例示的な刺激応答性ポリマーには、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジンおよび疎水基で修飾されたポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
様々な実施形態において、タグ(例えば、オリゴヌクレオチド分子、またはハプテン分子、蛍光分子もしくは放射性分子などの非オリゴヌクレオチド分子)はポリマーに共有結合し、またはタグ(例えば、ハプテン分子、蛍光分子または放射性分子)はオリゴヌクレオチドに共有結合し、オリゴヌクレオチドはポリマーに付着している。幾つかの実施形態において、タグは、オリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズするプローブに付着し、オリゴヌクレオチド分子はポリマーに付着している。
使用されるタグがオリゴヌクレオチド分子である幾つかの実施形態において、検出ステップは増幅反応を含む。幾つかの実施形態において、増幅反応は、オリゴヌクレオチド分子の5’および3’末端にハイブリダイズする一連のプライマーの使用を含む。特定の実施形態において、増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用を含む。
使用されるタグがオリゴヌクレオチド分子である幾つかの実施形態において、検出ステップは非増幅反応を含む。例示的な実施形態において、非増幅反応は、オリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズする標識プローブの使用を含む。特定の実施形態において、標識プローブは、検出可能色素を含む。別の例示的な実施形態において、非増幅反応は、オリゴヌクレオチド分子に付着しているハプテンタグの使用を含む。さらに別の例示的な実施形態において、非増幅反応は、オリゴヌクレオチド分子に付着した放射性タグまたは蛍光タグの使用を含む。さらに他の実施形態において、ハプテン、蛍光または放射性タグは、検出されるポリマーに付着したオリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズするプローブに付着している。
幾つかの実施形態において、本発明の方法で使用されるオリゴヌクレオチド分子は、60ヌクレオチドまたはより短い長さを含む。幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドタグの長さは、10ヌクレオチド、15、ヌクレオチド、20ヌクレオチド、25ヌクレオチド、30ヌクレオチド、35ヌクレオチド、40ヌクレオチド、45ヌクレオチド、50ヌクレオチド、55ヌクレオチドおよび60ヌクレオチドからなる群から選択される。
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチド分子は、タグの3’末端に反応基を含む。反応基は、水酸基、アミノ基、ハロゲン基、エポキシ基、カルボキシル基、およびスルフヒドリル基から選択されてもよい。幾つかの実施形態において、反応基は、例えば、ポリマー上の反応基と相互作用するさらに別の反応基を作製するためにさらに修飾されてもよい。
幾つかの実施形態において、ポリマーは反応基を含む。反応基は、アルデヒド基、エポキシ基、カルボン酸基、水酸基、アミノ基(ピリジンを含む、第1、第2、または第3)、スルフヒドリル基、および芳香族基から選択されてもよい。
さらに他の実施形態において、オリゴヌクレオチド分子は第1反応基を含み、ポリマーは第2反応基を含み、第1および第2反応基は互いに共有結合している。反応基は、上に記載されたものから選択されてもよく、直接またはリンカーを介して結合していてもよい。特定の実施形態において、反応性アミノ基を含有するオリゴヌクレオチド分子は、1,1’−カルボニルジイミダゾールにより活性化され、次いでポリマーポリ(4−ビニルピリジン)のピリジン反応基にコンジュゲートしたヨードアセトアミドと反応する。
幾つかの実施形態において、ポリマーと結合していないタグ(オリゴヌクレオチドまたは非オリゴヌクレオチド)は精製により除去される。例示的な精製方法には、沈殿、アニオン交換膜を通じた濾過、限外濾過、透析濾過、およびゲル浸透クロマトグラフィーが含まれるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態において、対象生体分子は、タンパク質(例えば、組換えタンパク質)、抗体およびワクチンからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、抗体はモノクローナル抗体である。
特定の実施形態において、本発明による方法は、配列番号1に記載された配列を含むオリゴヌクレオチド分子を使用する。
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチド分子は、2次構造がないことが予測されるヌクレオチド配列を含む。
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチド分子は、長さが4塩基以上のホモポリマーがないヌクレオチド配列を含む。
幾つかの実施形態において、ポリマーはポリ(4−ビニルピリジン)である。他の実施形態において、ポリマーはポリビニルアミンである。さらに他の実施形態において、ポリマーはポリアリルアミンである。さらなる実施形態において、ポリマーは、疎水基で修飾されたポリアリルアミンまたはポリビニルアミンポリマーである。特定の実施形態において、ポリアリルアミンは150kDaの分子量を有し、このアミン基の30%が、塩化ベンジルとの反応を通じて共有結合的に修飾されている。
幾つかの実施形態においてポリマーは、多価アニオン、例えば、リン酸またはクエン酸イオンの添加に応答する。
幾つかの実施形態において、検出に使用されるタグは、ポリマーまたはポリマーを結合するオリゴヌクレオチド分子に付着することができる蛍光タグまたはフルオロフォアである。あるいは、該タグは、オリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズするプローブに付着することができる。
例示的な蛍光タグには、N−(4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−イル)ヨードアセトアミド(BODIPY(登録商標)507/545 IA(INVITROGEN社)としても知られる)および7−ヒドロキシクマリン−3−カルボン酸、スクシンイミジルエステル(INVITROGEN社)が含まれるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態において、共有結合した蛍光分子またはフルオロフォアを有するポリマーが検出され、蛍光分光光度法を介して定量化される。
幾つかの実施形態において、検出に使用されるタグは、ポリマーまたはポリマーを結合するオリゴヌクレオチド分子に付着することができる放射性分子である。あるいは、該タグは、オリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズするプローブに付着することができる。
放射性タグの例示には、ヨウ化メチル[3H]およびヨウ化メチル[14C](MP BIOMEDICALS社)が含まれるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態において、共有結合した放射性基を有するポリマーが検出され、シンチレーションカウンターを用いて定量化される。
幾つかの実施形態において、検出に使用されるタグは、ポリマーまたはポリマーを結合するオリゴヌクレオチド分子に付着することができるハプテン分子である。あるいは、該タグは、オリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズするプローブに付着することができる。例示的なハプテンタグには、フルオレセイン、ビオチン、およびジニトロフェノールが含まれるが、これらに限定されない。反応基を含むハプテンタグの例には、DNP−X,SE,6−(2,4−ジニトロフェニル)アミノヘキサン酸、スクシンイミジルエステル(INVITROGEN社)、DSB−X(商標)ビオチンC2−ヨードアセトアミド(デスチオビオチン−X C2−ヨードアセトアミド)(INVITROGEN社)、および5(6)−フルオレセインイソチオシアネート混合異性体(THERMO SCIENTIFIC社)が含まれる。
幾つかの実施形態において、検出に使用されるタグは、ポリマーまたはポリマーを結合するオリゴヌクレオチド分子に付着することができるハプテン分子である。あるいは、該タグは、オリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズするプローブに付着することができる。例示的なハプテンタグには、フルオレセイン、ビオチン、およびジニトロフェノールが含まれるが、これらに限定されない。反応基を含むハプテンタグの例には、DNP−X,SE,6−(2,4−ジニトロフェニル)アミノヘキサン酸、スクシンイミジルエステル(INVITROGEN社)、DSB−X(商標)ビオチンC2−ヨードアセトアミド(デスチオビオチン−X C2−ヨードアセトアミド)(INVITROGEN社)、および5(6)−フルオレセインイソチオシアネート混合異性体(THERMO SCIENTIFIC社)が含まれる。
幾つかの実施形態において、付着したハプテンを含有するポリマーが検出され、ELISAなどの免疫アッセイを用いて定量化される。ELISAの例示的な例は、ビオチンELISAキット(ALPCO DIAGNOSTICS社)である。
幾つかの実施形態において、共有結合したハプテンを含有するポリマーが検出され、当技術分野で既知のアビジン/ストレプトアビジン検出方法、または酵素レポーターおよび増幅技術(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)、チラミドシグナル増幅もしくは蛍光プローブの使用を用いて定量化される。
本発明の方法による幾つかの実施形態において、1つまたは複数の不純物は、細胞全体、細胞断片、脂質、DNA、RNA、宿主細胞タンパク質、エンドトキシンおよびウイルスからなる群から選択される。
本発明は、試料中のポリマーの残存量を検出する方法を提供するものであり、該ポリマーは、1つまたは複数の不純物から対象生体分子を分離するのに使用される。幾つかの実施形態において、このようなポリマーは、「刺激応答性ポリマー」または「スマートポリマー」である。幾つかの実施形態において、スマートポリマーは対象生体分子を結合する。他の実施形態において、スマートポリマーは1つまたは複数の不純物を結合する。さらに他の実施形態において、スマートポリマーは、対象生体分子および1つまたは複数の不純物の両方を結合し、対象生体分子は、この後ポリマーから溶出され、1つまたは複数の不純物はポリマーに結合したままである。
本開示がより容易に理解され得るように、特定の用語が最初に定義される。追加の定義は、詳細な説明全体にわたって記載される。
I.定義
本明細書で使用されるとき、用語「対象生体分子」または「所望の対象生体分子」とは、ポリマー、例えば、刺激応答性ポリマーを用いて1つまたは複数の不純物から分離される生物学的材料(例えば、標的生体分子または目的とする生成物)を指す。例示的な対象生体分子には、例えば、タンパク質(例えば、組換えタンパク質)、抗体およびワクチンが含まれる。特定の実施形態において、対象生体分子はモノクローナル抗体である。幾つかの実施形態において、本発明による方法は、対象生体分子を結合および沈殿(必ずしもこの順ではない)させた後に残っている可能性があるポリマーの残存量を検出し、これによって1つまたは複数の不純物から対象生体分子を分離する。他の実施形態において、本発明による方法は、1つまたは複数の不純物を結合および沈殿(必ずしもこの順ではない)させた後に試料中に残っている可能性があるポリマーの残存量を検出し、これによって1つまたは複数の不純物から対象生体分子を分離する。
本明細書で使用されるとき、用語「対象生体分子」または「所望の対象生体分子」とは、ポリマー、例えば、刺激応答性ポリマーを用いて1つまたは複数の不純物から分離される生物学的材料(例えば、標的生体分子または目的とする生成物)を指す。例示的な対象生体分子には、例えば、タンパク質(例えば、組換えタンパク質)、抗体およびワクチンが含まれる。特定の実施形態において、対象生体分子はモノクローナル抗体である。幾つかの実施形態において、本発明による方法は、対象生体分子を結合および沈殿(必ずしもこの順ではない)させた後に残っている可能性があるポリマーの残存量を検出し、これによって1つまたは複数の不純物から対象生体分子を分離する。他の実施形態において、本発明による方法は、1つまたは複数の不純物を結合および沈殿(必ずしもこの順ではない)させた後に試料中に残っている可能性があるポリマーの残存量を検出し、これによって1つまたは複数の不純物から対象生体分子を分離する。
本明細書で使用されるとき、本明細書で使用されている用語「1つまたは複数の不純物」とは、細胞全体、細胞断片またはDNA、RNAなどの生物学的マクロ分子、1つまたは複数の宿主細胞タンパク質、エンドトキシン、脂質、および異質のまたは好ましくない分子から分離される対象生体分子を含有する試料中に存在し得る1つまたは複数の添加物を含む、任意の異質のまたは好ましくない分子を指す。本発明による幾つかの実施形態において、1つまたは複数の不純物が、ポリマーを用いて対象生体分子および1つまたは複数の不純物を含有する試料から除去される。本発明による方法は、対象生体分子から1つまたは複数の不純物を分離するのに使用することができるポリマーの残存量の検出を可能にする。
本明細書で使用されている用語「ポリマー」とは、2つ以上のモノマー単位の共有結合により形成された分子を指す。これらのモノマー単位は合成であり得、または天然に生じ得る。反復単位により形成されたポリマーは、直鎖または分枝であり得る。ポリマーの例には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン、ポリアリルアミン、ポリビニルアルコール、ポリスチレンおよびコポリマー(例えばポリスチレン−co−ポリピリジン、ポリアクリル酸−co−メタクリル酸メチル、プルロニック、PF68など)が含まれるが、これらに限定されない。本発明による幾つかの実施形態において、ポリマーは、ポリテレクトロライト(polytelectrolyte)骨格を含む。また、本明細書に記載されているのは、本発明による方法において使用することができるコポリマーであり、該コポリマーは刺激に応答する。一般に、ポリマーの場合、モノマー単位は同じタイプであるのに対し、コポリマーは通常、異なるタイプのモノマー単位を有することが理解される。
用語「刺激応答性ポリマー」は、本明細書で使用されるとき、刺激の添加後に物理的および/または化学的特性の変化を示すポリマーまたはコポリマーである。典型的な刺激応答は、ポリマーの可溶性の変化である。
幾つかの実施形態において、刺激応答性ポリマーは、pH、塩濃度または温度などの特定の工程条件下で可溶性であり、条件(温度、塩濃度またはpH)が変化すると、例えば、1つまたは複数の条件の変化に対する応答として、不溶性になり溶液から沈殿する。例えば、ポリマーポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)は、約35℃より下の温度で水溶性であるが、約35℃の温度で水に不溶性になる。スマートポリマーは、1つまたは複数の不純物を結合するのに使用することができ、またはこれらは、対象生体分子および1つまたは複数の不純物を含有する試料中の対象生体分子を結合するのに使用することができる。したがって、幾つかの実施形態において、本発明による方法は、スマートポリマーによる対象生体分子の結合および/または沈殿後に残っている可能性があるスマートポリマーの残存量の検出に使用することができる。幾つかの実施形態において、スマートポリマーの残存量は、ポリマーからの対象生体分子の溶出後に検出される。他の実施形態において、スマートポリマーの残存量は、スマートポリマーによる1つまたは複数の不純物の結合および/または沈殿後に検出される。
本明細書で互換的に使用されるとき、用語「刺激(stimulus)」または「刺激(stimuli)」とは、本発明による刺激応答性ポリマーによる応答をもたらす環境の物理的または化学的変化を指すことを意味する。したがって、本発明は、ポリマーの可溶性の変化をもたらす刺激に応答するポリマーの残存量を検出する方法を提供する。ポリマーが応答し得る刺激の例には、例えば、温度の変化、伝導率の変化、電場および/もしくは磁場の変化ならびに/またはpHの変化が含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、刺激は、試料への錯化剤または錯体形成塩の添加を含む。様々な実施形態において、刺激は一般に、試料へのポリマーの添加後に添加される。しかし、刺激は、試料へのポリマーの添加中または添加前に添加することもできる。
特定の実施形態において、刺激は塩である。例示的な塩には、例えば、クエン酸塩、リン酸塩、硫酸塩およびEDTAなどの多価イオン、ならびに過塩素酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼン硫酸塩、Fe(II)−4−クロロ−2−ニトロフェノールアニオン、テトラフェニルホウ酸ナトリウム塩およびヘキサニトロジフェノールアミン(hexanitrodiphenol amine)(例えば、ANALYTICAL SCIENCES、1987年12月、3巻、479頁参照)などのイオン会合塩(ion−association salts)が含まれるが、これらに限定されない。一般に、当業者は、当技術分野で既知であり、明細書に記載されたポリマーによる刺激として使用することができる多数の塩に精通しているであろう。
本明細書に記載された様々な実施形態において、例えば、塩などの刺激は、対象生体分子および/または1つまたは複数の不純物の1つまたは両方を結合するポリマーの添加後に、対象生体分子および1つまたは複数の不純物を含有する試料に添加される。刺激、例えば、塩の添加は、遊離ポリマーの沈殿のほか、ポリマーと、対象生体分子および/または1つまたは複数の不純物の1つまたは両方の可溶性および不溶性複合体の両方の沈殿をもたらす。
可溶性または不溶性複合体の沈殿を誘導するのに必要とされる塩の量は、例えば、pH、ポリマー濃度、およびポリマーが結合する対象生体分子または1つまたは複数の不純物の濃度などの要因に依存する。例えば、ポリアリルアミンなどの幾つかの高分子電解質は、pHにより異なる電荷密度(アミンプロトン化のレベル)を有する。pHが増加するにつれて、沈殿を誘導するのに必要とされる刺激の程度が、より低いpHまたはより高い電荷密度状態での刺激の程度とは異なるほど、電荷密度のレベルは低下する。
本明細書で使用されるとき、用語「濃縮」、「分離」、「単離」および「精製」とは、試料または生物学的材料含有流から1つまたは複数の所望の生体分子を精製するのにポリマーを使用する方法を指す。様々な実施形態において、対象生体分子を濃縮、分離、単離または精製することは、対象生体分子を含有する試料中に存在する1つまたは複数の不純物の除去を含む。対象生体分子は、1つまたは複数の不純物を結合するポリマーを使用して、または対象生体分子を結合するポリマーを使用して、1つまたは複数の不純物から分離することができる。幾つかの実施形態において、ポリマーは、対象生体分子および1つまたは複数の不純物の両方を結合し、対象生体分子がこの後ポリマーから選択的に溶出されるのに対し、1つまたは複数の不純物は結合したままである。
本明細書で使用されるとき、用語「残存量(residual amount)」または「残存量(residual amounts)」とは、生物学的材料の精製に使用されるポリマー、例えば、刺激応答性ポリマーまたは凝結に使用されるポリマーの量を指し、該ポリマーの量は、ポリマーが、1つまたは複数の不純物を結合および沈殿させた後、または所望の対象生体分子を結合および沈殿させた後、試料または生物学的材料含有流中に溶解および分散されたままである量に等しいまたはそれより少ない。残存量とはまた、ポリマーが、1つまたは複数の不純物または所望の対象生体分子を結合および沈殿、あるいは沈殿および結合するように刺激が適用された後、量が、試料または生物学的材料含有流中に溶解および/または分散されたままである量に等しいまたはそれより少ない、ポリマー、例えば、刺激応答性ポリマーの量も指す。
本明細書で使用されるとき、用語「組成物」、「溶液」または「試料」とは、生物学的材料含有流を指す。典型的には生物学的材料含有流とは、1つまたは複数の望ましくない実体または不純物と一緒に精製される、対象生体分子または所望の生成物の混合物を指す。幾つかの実施形態において、試料は、1つまたは複数の不純物(例えば、宿主細胞タンパク質、DNA、RNA、脂質、細胞培養添加物、細胞および細胞残屑)と一緒に、対象生体分子(例えば、治療的タンパク質または抗体)を含む。一般に、生物学的材料含有流は、図1に示されているように精製スキームに供することができる。幾つかの実施形態において、試料は、対象生体分子または所望の生成物が分泌される供給原料または細胞培養培地を含む。幾つかの実施形態において、生体分子が、本明細書に記載された1つまたは複数の刺激応答性ポリマーを用いて精製される試料は、試料を刺激応答性ポリマーと接触させる前に「部分的に精製」される。部分的精製は、例えば、図2に示されているような、例えば、1つまたは複数の非親和性クロマトグラフィーステップなどの1つまたは複数の精製ステップに試料を例えば供することによって達成することができる。生体分子は、1つまたは複数の不純物を沈殿し、または対象生体分子を沈殿することによって、1つまたは複数の望ましくない実体または不純物から分離することができる。
幾つかの実施形態において、刺激応答性ポリマーは、第1の条件下で対象生体分子に選択的および可逆的に結合し、例えば、試料に刺激を添加すると、第2の条件下で対象生体分子を沈殿させる。他の実施形態において、刺激応答性ポリマーは、第1の条件下で1つまたは複数の不純物に選択的に結合し、第2の条件下で1つまたは複数の不純物を沈殿させる。幾つかの実施形態において、刺激応答性ポリマーは、刺激を添加すると、宿主細胞タンパク質、DNA、細胞全体、細胞残屑、ウイルスおよび/または細胞培養添加物の1つまたは複数を選択的に結合および沈殿させる。さらに他の実施形態において、刺激応答性ポリマーは、第1の条件下で対象生体分子および1つまたは複数の不純物の両方を結合し、対象生体分子が第2の条件下でポリマーから選択的に溶出されるのに対し、1つまたは複数の不純物は結合したままである。
用語「沈殿する」、「沈殿している」、または「沈殿」とは、本明細書で使用されるとき、結合(例えば、対象生体分子または1つまたは複数の不純物との複合体での)または非結合ポリマーが水性および/または可溶性状態から非水性および/または不溶性状態に変化することを指す。
本明細書で使用されている用語「タグ」とは、本明細書で使用されているポリマーに結合することができる任意の分子を指し、適切な手段を用いて検出することができる。1つの実施形態において、特許請求された本発明による検出方法において使用されるタグは、増幅手段または非増幅手段を用いて検出することができるオリゴヌクレオチド分子である。別の実施形態において、特許請求された本発明による検出方法において使用されるタグは、ポリマーに直接付着し、当技術分野で周知の適切な手段、および本明細書に記載された適切な手段を用いて容易に検出することができる、ハプテン分子、蛍光分子または放射性分子である。さらに、特定の実施形態において、ハプテン分子(例えば、ビオチン)、放射性分子または蛍光分子がポリマーに付着している代わりに、これらはオリゴヌクレオチド分子に付着し、オリゴヌクレオチド分子はポリマーに付着している。さらなる実施形態において、ハプテン分子、蛍光分子または放射性分子は、ポリマーに付着したオリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズするプローブに付着し、この後検出することができる。
本明細書で使用されるとき、用語「オリゴヌクレオチドタグ」または「オリゴヌクレオチド分子」とは、ポリマーに結合することができ、このポリマーの検出に使用される核酸分子を指す。特定の実施形態において、本発明による方法において使用されるオリゴヌクレオチドタグは、配列番号1に記載された配列を含む。本発明の方法において使用されるオリゴヌクレオチドタグまたは分子の配列は、生物学的材料含有流の様々な成分において他には現れないことが望ましい。当業者であれば、例えば、当技術分野で周知の計算(例えば、宿主細胞DNA配列に対するBLAST)または実験方法(例えば、ハイブリダイゼーション技術)を用いて、オリゴヌクレオチドタグの配列の有無を容易に検証することができる。幾つかの実施形態において、ポリマーとオリゴヌクレオチド分子の間の結合は、共有結合を含む。幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチド分子は増幅反応を用いて検出される。他の実施形態において、例えば、オリゴヌクレオチド分子自体が、例えば、ハプテン分子(例えば、ビオチン)、蛍光分子または放射性分子などの検出可能な部分により標識される場合、オリゴヌクレオチド分子は非増幅反応を用いて検出される。さらに、例えばプローブを用いるハイブリダイゼーション方法が、オリゴヌクレオチド分子の検出に使用されてもよい。幾つかの実施形態において、プローブは、ハプテン分子、蛍光分子または放射性分子で標識される。
本明細書で使用されるとき、用語「プライマー」とは、オリゴヌクレオチド分子またはこの逆相補体にハイブリダイズすることができ、適当な条件下で増幅反応(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応)に関与することができる一本鎖核酸分子を指す。幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチド分子は、オリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズすることができ、オリゴヌクレオチド分子の検出に使用することができる一連の5’および3’プライマーを用いて検出される。検出されたオリゴヌクレオチド分子の量は、試料中に存在する残存ポリマーの量を示す。
本明細書で使用されるとき、用語「プローブ」とは、例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、オリゴヌクレオチド分子にハイブリダイズすることができる一本鎖核酸分子を指す。幾つかの実施形態において、プローブがこれに付着した検出可能なシグナルを有するという点で、プローブは標識プローブである。幾つかの実施形態において、検出可能なシグナルは標識、例えば、色素である。幾つかの実施形態において、検出されたプローブの量は、試料中に存在する残存ポリマーの量を示す。幾つかの実施形態において、プローブには、検出することができるハプテン分子、放射性分子または蛍光分子が含まれる。
本明細書で使用されるとき、用語「ハイブリダイズすることができる」は、ワトソン−クリック型水素結合が、所与の条件、例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で核酸鎖の二本鎖状態を支持する逆平行核酸鎖間に形成され得ることを意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「タグを検出すること(detecting)」とは、本明細書で使用されているタグの測定および定量を可能にする方法を指す。タグがオリゴヌクレオチド分子である幾つかの実施形態において、検出は、増幅反応(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を用いた)の使用を含む。タグがオリゴヌクレオチド分子である他の実施形態において、検出は、非増幅反応(例えば、標識プローブ、またはオリゴヌクレオチド分子もしくはプローブに付着したハプテン分子、蛍光分子もしくは放射性分子などの検出可能な部分の使用を用いた)の使用を含む。さらに他の実施形態において、タグは、オリゴヌクレオチドの代わりにポリマーに付着し、ポリマーはこの後検出され得る。したがって、例えば、ハプテン分子、蛍光分子または放射性分子を含むが、これらに限定されない検出可能な部分は、ポリマーに付着していてもよい。
本明細書で使用されるとき、用語「増幅反応」とは、初期数の分子が、より多数の分子に増加される方法論を指す。幾つかの実施形態において、増幅反応はポリメラーゼ連鎖反応を使用する。
本明細書で使用されるとき、用語「反応基」とは、所与の条件下で分子の残部中の原子より、別の分子と優先的に反応する分子中の一連の原子を指す。
本明細書で使用されるとき、用語、本明細書で使用されているオリゴヌクレオチド分子の「2次構造」とは、単一の核酸分子内で塩基対合相互作用により生成される三次元形態を指す。一般に、核酸分子の場合、2次構造は、窒素性塩基間の水素結合により生成される。本発明による様々な実施形態において、本発明による方法において使用されるオリゴヌクレオチド分子は、2次構造がないことが望ましい。核酸分子における2次構造は、当業者に周知の1つまたは複数のソフトウェアツール、および本明細書に記載されたソフトウェアツールを用いて容易に予測することができる。
II.ポリマーを利用して対象生体分子を精製する例示的な工程
一般に、例えば、タンパク質(例えば、組換えタンパク質または抗体)などの対象生体分子は、(例えば、タンパク質をコードする核酸分子を含む宿主細胞を用いることによって)宿主細胞におけるタンパク質の発現と、これに続くタンパク質の精製を使用する方法を用いて精製することができる。
一般に、例えば、タンパク質(例えば、組換えタンパク質または抗体)などの対象生体分子は、(例えば、タンパク質をコードする核酸分子を含む宿主細胞を用いることによって)宿主細胞におけるタンパク質の発現と、これに続くタンパク質の精製を使用する方法を用いて精製することができる。
幾つかの場合において、所望の宿主細胞系は、所望のレベルでタンパク質を発現するようにバイオリアクターで増殖される。例示的な宿主細胞系には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、骨髄腫(NSO)細胞、エシェリキア・コリ(E.coli)などの細菌細胞および昆虫細胞が含まれる。タンパク質がひとたび所望のレベルで発現されれば、タンパク質は宿主細胞から除去され、回収される。細胞、細胞断片、脂質および他の不溶物などの浮遊微粒子は、典型的には、濾過または遠心分離によりタンパク質含有液から除去され、溶液中の目的とするタンパク質および他の可溶性不純物を含有する清澄化された液体をもたらす。
第2のステップは、典型的には、本工程に特有の1つまたは複数の不純物を除去するための回収されたタンパク質の精製を含む。このような不純物の例には、例えば、宿主細胞タンパク質(HCP、所望のまたは標的化タンパク質以外のタンパク質である)、核酸、エンドトキシン、ウイルス、およびタンパク質凝集物が含まれる。この精製工程は、典型的には、多孔性アガロース、ポリマーまたはガラスなどの固体マトリックスでの親和性、イオン交換疎水性相互作用などを含み得る、幾つかのクロマトグラフィーステップを含む。例示的な精製工程は、図2に示されている。
タンパク質を精製する他の代替方法が、近年において研究されている。1つのこのような方法は、凝結技術(例えば、WO2008/091740参照)を含む。このような技術では、可溶性高分子電解質が、清澄化または非清澄化細胞培養ブロスに添加されて不純物を捕捉し、これによって凝結物を形成し、凝結物は沈降するままにされ、この後タンパク質溶液から除去され得る。
全体として参照により本明細書に組み込まれる同時係属米国特許公開第20090036651号において、温度またはpHなどの特定の条件下で可溶性のポリマーは、可溶性状態の間に1つまたは複数の不純物を選択的に結合するのに使用され、次いで条件(pHまたは温度など)が変化すると、1つまたは複数の不純物をポリマーと共に除去しながら沈殿される。対象生体分子は、伝統的なクロマトグラフィーまたは膜吸収体などにさらに供することができる。
図1は、1つまたは複数の不純物を結合することができるポリ(4−ビニルピリジン)などのpH依存性ポリマーに適用される、非限定的な精製工程の概略図を示す。最初のステップにおいて、混合物は、溶液中で最適なポリマーを維持するように正しいパラメーターに対して調整される。あるいは、混合物の条件が、既に、ポリマーが混合物中で可溶性になるようなものであれば、さらなる調整は必要とされなくてもよい。また、ポリマーは、未調整混合物に固体として添加されてもよく、次いで(固体ポリマーを含有する)混合物は、混合物中のポリマーを溶解するように正しいパラメーターに対して調整されてもよい。第2のステップにおいて、ポリマーは混合物に添加され、混合物の様々な成分に接触するように溶液への進入が引き起こされる。第2のステップは、バイオリアクター(例えば、バイオリアクターが使い捨て品である場合)、または所望される別々の貯蔵タンク中で生じ得ることが企図される。第3のステップにおいて、混合物条件は、混合物の1つまたは複数の実体をポリマーと共に保持しながら、ポリマーを溶液から沈殿させるように変更される。混合物および沈殿されたポリマーは、次いで、第4のステップにおいて互いから分離される。沈殿物および残留混合物は、遠心分離または濾過により分離することができる。
幾つかの実施形態において、細胞培養液がひとたび清澄化されれば、対象生体分子は、イオン交換、疎水性相互作用もしくは荷電UF膜を用いてまたは用いずに、親和性性能接線流濾過(affinity performance tangential flow filtration)(HPTFF)、ウイルス除去/不活化ステップ、最終濾過ステップなどを含むが、これらに限定されないクロマトグラフィーステップなどの1つまたは複数の既知の追加の工程ステップに供することができる。
生物学的含有流(biological containing stream)からの対象生体分子の精製にポリマーを使用することの1つの望ましくない結果は、不確定量のポリマーが該流に残り得る可能性である。所望であれば、イオン交換樹脂、活性炭、アルミナ、珪藻土など、混合物から任意の残存ポリマーを除去する材料を含有するステップに混合物を供することにより、全てのポリマーが混合物から除去されたことを確実にする1つまたは複数の追加のステップを実施することができる。しかし、残存ポリマー量を定量化し、任意の残存ポリマーの除去における上に記載されたステップの効率を追跡する高感度アッセイを有することが望ましい。本発明による方法は、ポリマーの残存量を検出および定量化するための改善された高感度のアッセイを提供する。
理論に拘束されることを望むものではないが、特許請求された本発明による検出方法は、対象生体分子および/または1つまたは複数の不純物の1つまたは両方を沈殿させるポリマーを使用する任意の精製工程と併用して使用することができ、本明細書に記載されている検出可能なオリゴヌクレオチドまたは非オリゴヌクレオチドタグがポリマーに付着し得ることが理解される。
III.対象生体分子の精製方法において使用する例示的なポリマー
各々が本明細書に全体として参照により組み込まれる米国特許公開第20080255027号、第20090036651号、第20090232737号および第20110020327号、ならびに米国特許出願第13/108576号に記載されたものを含むポリマーが、本明細書に記載された方法において使用され得る。
各々が本明細書に全体として参照により組み込まれる米国特許公開第20080255027号、第20090036651号、第20090232737号および第20110020327号、ならびに米国特許出願第13/108576号に記載されたものを含むポリマーが、本明細書に記載された方法において使用され得る。
例示的なポリマーには、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、アガロース、デキストラン、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシアルキルセルロース、カチオン性高分子電解質(キトサン、ポリビニルピリジン、ビニルピリジンのコポリマー、第一級アミン含有ポリマー、第二級アミン含有ポリマー、第三級アミン含有ポリマーを含有する群から選択される)、およびアニオン性高分子電解質(アクリル酸およびメタクリル酸メチルのコポリマー、ならびにメタクリル酸およびメタクリル酸メチルのコポリマーを含有する群から選択される)が含まれるが、これらに限定されない。
対象生体分子または1つまたは複数の不純物に選択的および可逆的に結合し、これによって試料、例えば、生物学的材料含有流中の1つまたは複数の不純物から対象生体分子を分離するために、例えば、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−アクリロイルピペリジン)、ポリ(N−ビニルイソブチルアミド)、ポリ(N−置換アクリルアミド)(例えば、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、ならびにポリ(N−アクリロイル−N−アルキルピペラジン)、ヒドロキシアルキルセルロース、アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、2もしくは4−ビニルピリジンおよびキトサンのポリマーおよびコポリマーなどの1つまたは複数のポリマーが、ポリマーに付着したリガンドまたは官能基ありまたはなしで、本明細書に記載された方法において使用されてもよい。
特定の実施形態において、特許請求された本発明による方法において使用されるポリマーは、ポリビニルアミンポリマーである。別の実施形態において、特許請求された本発明による方法において使用されるポリマーは、ポリアリルアミンポリマーである。さらに別の実施形態において、特許請求された本発明による方法において使用されるポリマーは、例えば、2011年5月16日に出願され、その全内容が全体として参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/108576号に記載されている、疎水基で修飾されたポリアリルアミンポリマーである。
IV.ポリマーに付着するオリゴヌクレオチド分子を同定する方法
本明細書に記載された残存ポリマーを検出する幾つかの方法において、オリゴヌクレオチド分子が使用されてもよい。ほぼ等しいヌクレオチド塩基分布(すなわち、A:C:G:T約1:1:1:1)を有し、4つ以上の隣接するCまたはG塩基がない、可能性のあるオリゴヌクレオチド分子配列40ヌクレオチド長のライブラリーは、例えばソフトウェアプログラムを用いてインシリコで生成することができる。可能性のあるオリゴヌクレオチド配列がひとたび同定されれば、該配列は、生物学的材料含有流中に現れないことが望ましい。したがって、配列の有無が、計算(例えば、宿主細胞DNAのゲノム配列に対するBLAST検索を行って)および/または実験(例えば、生物学的材料含有流に対するハイブリダイゼーションにより)技術を用いて検証され得る。
本明細書に記載された残存ポリマーを検出する幾つかの方法において、オリゴヌクレオチド分子が使用されてもよい。ほぼ等しいヌクレオチド塩基分布(すなわち、A:C:G:T約1:1:1:1)を有し、4つ以上の隣接するCまたはG塩基がない、可能性のあるオリゴヌクレオチド分子配列40ヌクレオチド長のライブラリーは、例えばソフトウェアプログラムを用いてインシリコで生成することができる。可能性のあるオリゴヌクレオチド配列がひとたび同定されれば、該配列は、生物学的材料含有流中に現れないことが望ましい。したがって、配列の有無が、計算(例えば、宿主細胞DNAのゲノム配列に対するBLAST検索を行って)および/または実験(例えば、生物学的材料含有流に対するハイブリダイゼーションにより)技術を用いて検証され得る。
V.オリゴヌクレオチド分子でポリマーをタグ付けする方法
オリゴヌクレオチドは、ハロゲン、エポキシ、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸またはスルフヒドリルなどの内部または末端反応基を用いて合成することができ、この後ポリマーに付着する。さらに、内部または末端反応基を有するオリゴヌクレオチドは、ポリマーへの付着を促進するために、例えば、臭化シアン、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、1,1’−カルボニルジイミダゾール、カルボジイミドEDC、グリシジル、有機スルホニルクロリド、アズラクトン、塩化シアヌル、およびマレイミドなどの様々な結合化学を用いてさらに活性化することができる。例えば、Immobilized affinity ligand techniques. Hermanson、Mallia and Smith 1992年参照。
オリゴヌクレオチドは、ハロゲン、エポキシ、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸またはスルフヒドリルなどの内部または末端反応基を用いて合成することができ、この後ポリマーに付着する。さらに、内部または末端反応基を有するオリゴヌクレオチドは、ポリマーへの付着を促進するために、例えば、臭化シアン、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、1,1’−カルボニルジイミダゾール、カルボジイミドEDC、グリシジル、有機スルホニルクロリド、アズラクトン、塩化シアヌル、およびマレイミドなどの様々な結合化学を用いてさらに活性化することができる。例えば、Immobilized affinity ligand techniques. Hermanson、Mallia and Smith 1992年参照。
幾つかの実施形態において、3’末端アミノ基を含有するオリゴヌクレオチドに関し、1,1’−カルボニルジイミダゾールで活性化されたヨードアセトアミドが、末端ヨード基を付着させるのに使用されてもよく、末端ヨード基は、この後ポリビニルピリジン中のピリジンと反応し、ポリマーへのオリゴヌクレオチドの共有結合をもたらす。エピクロロヒドリンもまた、3’末端アミノ基を含有するオリゴヌクレオチドに末端グリシジル基を付着させるのに使用することができ、3’末端アミノ基は、この後ポリビニルピリジン中のピリジンと反応し、ポリマーへのオリゴヌクレオチドの共有結合をもたらす。本明細書に記載された特定の実施形態は、決して限定を意味するものではない。
VI.非オリゴヌクレオチド分子でポリマーをタグ付けする方法
幾つかの実施形態において、ポリマーは、例えば、放射性分子、蛍光分子またはハプテン分子などの非オリゴヌクレオチド分子でタグ付けされる。幾つかの実施形態において、分子は、ポリマーと直接反応することができ、共有結合をもたらす末端または内部反応基を有する。1つの実施形態において、分子の末端基または内部基は、これが酸アミドの形成を有するポリマーのアミノまたはピリジン機能と反応するように、既知のタンパク質化学方法、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHSエステル)、酸フッ化物、テトラフルオロフェニルエステル(TFPエステル)、またはSTPエステルの形成により活性化することができる(例えば、Immobilized affinity ligand techniques. Hermanson、Mallia and Smith 1992年参照)。結合反応は、メタノール、ジメチルホルムアミド(DMF)もしくはジメチルスルホキシド(DMSO)またはpH5からpH12の間のpHでの水溶液などの有機溶液中で実施されてもよい。1つの実施形態において、結合反応は、室温(約20℃から約60℃)で実施されてもよい。
幾つかの実施形態において、ポリマーは、例えば、放射性分子、蛍光分子またはハプテン分子などの非オリゴヌクレオチド分子でタグ付けされる。幾つかの実施形態において、分子は、ポリマーと直接反応することができ、共有結合をもたらす末端または内部反応基を有する。1つの実施形態において、分子の末端基または内部基は、これが酸アミドの形成を有するポリマーのアミノまたはピリジン機能と反応するように、既知のタンパク質化学方法、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHSエステル)、酸フッ化物、テトラフルオロフェニルエステル(TFPエステル)、またはSTPエステルの形成により活性化することができる(例えば、Immobilized affinity ligand techniques. Hermanson、Mallia and Smith 1992年参照)。結合反応は、メタノール、ジメチルホルムアミド(DMF)もしくはジメチルスルホキシド(DMSO)またはpH5からpH12の間のpHでの水溶液などの有機溶液中で実施されてもよい。1つの実施形態において、結合反応は、室温(約20℃から約60℃)で実施されてもよい。
本明細書に記載された方法においてタグとして使用することができる蛍光分子の例には、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’ジスルホン酸;アクリジンおよび誘導体:アクリジン、アクリジンイソチオシアネート;5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸(EDANS);4−アミノ−N−[3−ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド−3,5ジスルホネート;N−(4−アニリノ−1−ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;BODIPY;アレクサ;フルオレセイン;コンジュゲート多重色素;ブリリアントイエロー;クマリンおよび誘導体;クマリン、7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクルアリン(couluarin)(クマリン151);シアニン色素;シアノシン;4’,6−ジアミニジノ−2−フェニルインドール(DAPI);5’5’’−ジブロモピロガロール−スルホナタレイン(ブロモピロガロールレッド);7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアナトフェニル)−4−メチルクマリン;ジエチレントリアミンペンタアセテート;4,4’−ジイソチオシアナトジヒドロ−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸;4,4’−ジイソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸;5−[ジメチルアミノ]ナフタレン−1−スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド);4−ジメチルアミノフェニルアゾフェニル−4’−イソチオシアネート(DABITC);エオシンおよび誘導体;エオシン、エオシンイソチオシアネート、エリスロシンおよび誘導体;エリスロシンB、エリスロシン、イソチオシアネート;エチジウム;フルオレセインおよび誘導体;5−カルボキシフルオレセイン(FAM)、5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’,7’−ジメトキシ−4’5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、QFITC、(XRITC);フルオレスカミン;IR144;IR1446;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4−メチルウンベリフェロンオルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラローズアニリン;フェノールレッド;B−フィコエリトリン;o−フタルジアルデヒド;ピレンおよび誘導体:ピレン、ピレンブチレート、スクシンイミジル1−ピレン;ブチレート量子ドット(butyrate quantum dot);リアクティブレッド4(Cibacron(商標)Brilliant Red 3B−A)ローダミンおよび誘導体:6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、6−カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロリドローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(テキサスレッド);N,N,N',N'テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA);テトラメチルローダミン;テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC);リボフラビン;ロゾール酸;テルビウムキレート誘導体;Atto色素、Cy3;Cy5;Cy5.5;Cy7;IRD 700;IRD 800;ラホーヤブルー(La Jolla Blue);フタロシアニン;およびナフタロシアニンが含まれるが、これらに限定されない。さらに、光学的に検出可能な部分も本発明の方法においてタグとして使用することができる。
タグとして使用することができる放射性分子の例は、14C、3H、45Ca、51Cr、57Co、36Cl、125I、32P、33P、および35Sを含むが、これらに限定されないアイソトープ含有分子である。
タグとして使用することができるハプテン分子の例には、DNP−X,SE,6−(2,4−ジニトロフェニル)アミノヘキサン酸、スクシンイミジルエステル(INVITROGEN社)、DSB−X(商標)ビオチンC2−ヨードアセトアミド(デスチオビオチン−X C2−ヨードアセトアミド)(INVITROGEN社)、および5(6)−フルオレセインイソチオシアネート混合異性体(THERMO SCIENTIFIC社)が含まれる。
VII.未結合タグを除去する方法
ポリマーをタグとタグ付けした後、試料からいずれの未結合タグも除去することが望ましい。例えば、DNAタグ付けPVP溶液が、DMFおよび水(50:50容積比)の溶液とプレ平衡後、非コンジュゲートDNAタグをアニオン交換膜、例えば、Chromasorb(登録商標)(MILLIPORE社、ビレリカ、マサチューセッツ)を通じた濾過による除去のために精製されてもよい。
ポリマーをタグとタグ付けした後、試料からいずれの未結合タグも除去することが望ましい。例えば、DNAタグ付けPVP溶液が、DMFおよび水(50:50容積比)の溶液とプレ平衡後、非コンジュゲートDNAタグをアニオン交換膜、例えば、Chromasorb(登録商標)(MILLIPORE社、ビレリカ、マサチューセッツ)を通じた濾過による除去のために精製されてもよい。
溶液からの非コンジュゲートタグ(オリゴヌクレオチドまたは非オリゴヌクレオチド)の除去は、沈殿を介して達成することができる。例えば、溶媒は、タグ付けポリマーが沈殿する間、上清中に非コンジュゲートタグを保持するように、特定の比でタグ付けポリマー含有溶液と混合される。あるいは、非コンジュゲートタグを沈殿させている間にタグ付けポリマーの保持を促進する適切な条件が選択されてもよい。当業者は、通常の実験と併せて当技術分野における知識に基づき、沈殿のための適切な条件を容易に同定することができる。
限外濾過/透析濾過膜は、未結合タグなどの低分子量材料が濾液へ移れるようにしながら保持液中に目的とする生成物を保持するように、公称分子量カットオフ(「NMWCO」)に基づき選択することができる。当業者は、通常の実験と併せて、目的とする生成物のサイズおよび性質に基づきこのような膜を選択することができる。タグがオリゴヌクレオチド10−60塩基サイズであり、ポリマーがポリ(4−ビニルピリジン)200,000Daサイズである特定の実施形態において、限外濾過/透析濾過は、NMWCO30を有するMillipore Centricon Plus−70(登録商標)ユニットを用いて実施することができる。ゲル濾過クロマトグラフィーカラムは、例えばポリマーなどの高分子量材料が固定相の多孔構造に費やす時間を少なくし、多孔構造に費やす時間がより多く、より後で溶出するより低い分子量材料(例えば、未結合オリゴヌクレオチドなどの)よりも速く溶出されるように、排除分子量に基づき選択することができる。当業者は、単なる通常の実験と併せて、目的とする材料のサイズおよび性質に基づきこのようなカラムを容易に選択することができる。
タグがオリゴヌクレオチド10−60塩基サイズであり、ポリマーがポリ(4−ビニルピリジン)200,000kDaサイズである特定の実施形態において、ゲル浸透クロマトグラフィーは、400,000Daの排除分子量を有するSHOWA DENKO K.K GPC KF−804Lカラムを用いて実施することができる。
VIII.ポリマーに結合したオリゴヌクレオチド分子を検出する方法
ポリマーへのオリゴヌクレオチド分子の付着と、この後の、本明細書に記載されている任意の未結合分子の除去後、結合分子は、増幅反応または非増幅反応を用いて検出され得る。増幅反応の場合、分子の5’および3’部分にハイブリダイズするプライマーが選択される。例えば、遊離形態またはポリマーコンジュゲート形態での分子配列が、増幅反応、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅および検出されるようにするプライマーが選択され得る。幾つかの実施形態において、増幅生成物は、交差閾値(Ct)を得るために分子に基づく蛍光の直接測定により可視化されてもよい。測定されたCt値は、分子の既知濃度から生成された校正曲線を用いて、試料中に存在する分子の濃度を判定するのに使用することができる。
ポリマーへのオリゴヌクレオチド分子の付着と、この後の、本明細書に記載されている任意の未結合分子の除去後、結合分子は、増幅反応または非増幅反応を用いて検出され得る。増幅反応の場合、分子の5’および3’部分にハイブリダイズするプライマーが選択される。例えば、遊離形態またはポリマーコンジュゲート形態での分子配列が、増幅反応、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅および検出されるようにするプライマーが選択され得る。幾つかの実施形態において、増幅生成物は、交差閾値(Ct)を得るために分子に基づく蛍光の直接測定により可視化されてもよい。測定されたCt値は、分子の既知濃度から生成された校正曲線を用いて、試料中に存在する分子の濃度を判定するのに使用することができる。
非増幅反応の場合、標識プローブがオリゴヌクレオチド分子の検出に使用され得る。あるいは、オリゴヌクレオチド分子自体が、例えば、ハプテンタグ、蛍光タグまたは放射性タグなどの検出可能な部分により標識されてもよい。幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチド分子とハイブリダイズするプローブが検出可能な部分により標識される。
VIII.ポリマーに結合した非オリゴヌクレオチド分子を検出する方法
例えば、蛍光タグ、放射性タグまたはハプテンタグなどの、ポリマーへの非オリゴヌクレオチド分子の付着と、この後の任意の未結合分子の除去後、結合分子は、タグとして使用される分子に応じて様々な技術のいずれかを用いて検出され得る。例示的な検出方法には、放射性検出、光吸収検出(例えば、UV可視吸収検出)、光学発光検出(例えば、蛍光または化学発光)、免疫アッセイ(例えば、ELISA)、およびアビジン/ストレプトアビジン検出方法が含まれる。単一分子からの蛍光を感知することができるデバイスには、走査トンネル顕微鏡(siM)および原子間力顕微鏡(AFM)が含まれる。放射性シグナルについては、ホスフォイメージャーデバイスが使用されてもよい。撮像装置の他の商業的供給者には、General Scanning Inc.社(ウォータータウン、マサチューセッツ)、Genix Technologies社(ウォータールー、オンタリオ、カナダ)およびApplied Precision Inc.社が含まれる。
例えば、蛍光タグ、放射性タグまたはハプテンタグなどの、ポリマーへの非オリゴヌクレオチド分子の付着と、この後の任意の未結合分子の除去後、結合分子は、タグとして使用される分子に応じて様々な技術のいずれかを用いて検出され得る。例示的な検出方法には、放射性検出、光吸収検出(例えば、UV可視吸収検出)、光学発光検出(例えば、蛍光または化学発光)、免疫アッセイ(例えば、ELISA)、およびアビジン/ストレプトアビジン検出方法が含まれる。単一分子からの蛍光を感知することができるデバイスには、走査トンネル顕微鏡(siM)および原子間力顕微鏡(AFM)が含まれる。放射性シグナルについては、ホスフォイメージャーデバイスが使用されてもよい。撮像装置の他の商業的供給者には、General Scanning Inc.社(ウォータータウン、マサチューセッツ)、Genix Technologies社(ウォータールー、オンタリオ、カナダ)およびApplied Precision Inc.社が含まれる。
本発明は、制限するものとして解釈されるべきではない以下の例によりさらに例証される。本出願全体にわたって引用されている全ての参考文献、特許および公開された特許出願の内容、ならびに図面は、参照により本明細書に組み込まれる。
[実施例1]
ポリマーへのコンジュゲーションのためのオリゴヌクレオチド配列の選択
ほぼ等しいヌクレオチド塩基分布(A:C:G:T約1:1:1:1)を有し、4つ以上の隣接するCまたはG塩基がない、50個以上の、可能性のある40塩基長のオリゴヌクレオチドタグ配列のライブラリーを、例えば、ソフトウェアを用いてインシリコで生成した。
ポリマーへのコンジュゲーションのためのオリゴヌクレオチド配列の選択
ほぼ等しいヌクレオチド塩基分布(A:C:G:T約1:1:1:1)を有し、4つ以上の隣接するCまたはG塩基がない、50個以上の、可能性のある40塩基長のオリゴヌクレオチドタグ配列のライブラリーを、例えば、ソフトウェアを用いてインシリコで生成した。
オリゴヌクレオチドタグライブラリーのメンバーを、37℃、1mM MgCl2、および50mM NaClでの直鎖DNAの予測を選択するプログラムM−fold(Zuker M. 2003年. Mfold web server for nucleic acid folding and hybridization prediction. Nucleic Acids Res. 31: 3406)を用いて、2次構造についてスクリーニングし、下の表Iに示されているように、予測された構造の融点(より低いものがより良い。)により優先順位をつけた。
選択されたオリゴヌクレオチドタグ配列を、この後、ポリマーへのコンジュゲーションのため様々な内部または末端反応基を用いて化学的に合成する。
PCR増幅(Tm 約55℃)にマッチするプライマーを設計し、可能性のあるタグオリゴヌクレオチドアンプリコンを、タグ標的を含有する反応と含有しない反応間のサイクル交差(Ct)の差を用いてランク付けする。標的を有する反応と標的がない反応間の最大差を生成するオリゴヌクレオチドタグを、ポリマーへのコンジュゲーションのために選択する。
選択したオリゴヌクレオチドタグ配列を、ポリマーへのコンジュゲーションのための選択的反応基として3’アミノ修飾因子を付着させた、1μモル以上のスケールでのIntegrated DNA Technologies(IDT)により合成する。
[実施例2]
対象生体分子を精製するために使用されるポリ(4−ビニルピリジン)ポリマーからの残存モノマーの除去
代表的な実験において、残存4−ビニルピリジンモノマーを、本明細書に記載された方法において使用する前にポリ(4−ビニルピリジン)から除去した。SCIENTIFIC POLYMER PRODUCTS,INC.社から入手した分子量200,000を有する直鎖ポリ(4−ビニルピリジン)(PVP)をガラス皿に均等に広げ、真空オーブンに入れた。いずれの酸素も除去するため、オーブン内部の空気をアルゴンで5分間、数回一掃した。オーブン中の圧力を、機械的真空ポンプを用いて水銀中0.1に低下させ、この後温度を約120℃に上昇させた。ポリマーは、合計24時間これらの条件に供した。この間、オーブン内部の空気を、アルゴンで5分間、数回一掃した。加熱時間の終わりに、オーブン温度を室温に低下させ、ドアを開ける前にオーブンをアルゴンで数回一掃した。得られたポリマーは顕著な匂いがなかったのに対し、未処理ポリマーは4−ビニルピリジンモノマーの独特な匂いを有する。処理ポリマー中に存在する残存4−ビニルピリジンモノマーの量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより検出できなかったのに対し、未処理ポリマーは、約0.05(w/w)%残存4−ビニルピリジンモノマーを有した。
対象生体分子を精製するために使用されるポリ(4−ビニルピリジン)ポリマーからの残存モノマーの除去
代表的な実験において、残存4−ビニルピリジンモノマーを、本明細書に記載された方法において使用する前にポリ(4−ビニルピリジン)から除去した。SCIENTIFIC POLYMER PRODUCTS,INC.社から入手した分子量200,000を有する直鎖ポリ(4−ビニルピリジン)(PVP)をガラス皿に均等に広げ、真空オーブンに入れた。いずれの酸素も除去するため、オーブン内部の空気をアルゴンで5分間、数回一掃した。オーブン中の圧力を、機械的真空ポンプを用いて水銀中0.1に低下させ、この後温度を約120℃に上昇させた。ポリマーは、合計24時間これらの条件に供した。この間、オーブン内部の空気を、アルゴンで5分間、数回一掃した。加熱時間の終わりに、オーブン温度を室温に低下させ、ドアを開ける前にオーブンをアルゴンで数回一掃した。得られたポリマーは顕著な匂いがなかったのに対し、未処理ポリマーは4−ビニルピリジンモノマーの独特な匂いを有する。処理ポリマー中に存在する残存4−ビニルピリジンモノマーの量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより検出できなかったのに対し、未処理ポリマーは、約0.05(w/w)%残存4−ビニルピリジンモノマーを有した。
[実施例3]
ヨードアセトアミド化学を用いたDNAタグによるポリ(4−ビニルピリジン)ポリマーの修飾
ポリ(4−ビニルピリジン)からの残存モノマーの除去後、ポリマーをDNAタグでタグ付けした。代表的な実験において、表IにID 36としても示されている以下の配列:5’−GTT ATC GGA TTC TTA ATA GGA ACA CAC TCT ATC TCA CCC G/3AmM/−3’(配列番号1)を有する、第一級アミン基で修飾された、40ヌクレオチドを含むDNAタグを使用した。
ヨードアセトアミド化学を用いたDNAタグによるポリ(4−ビニルピリジン)ポリマーの修飾
ポリ(4−ビニルピリジン)からの残存モノマーの除去後、ポリマーをDNAタグでタグ付けした。代表的な実験において、表IにID 36としても示されている以下の配列:5’−GTT ATC GGA TTC TTA ATA GGA ACA CAC TCT ATC TCA CCC G/3AmM/−3’(配列番号1)を有する、第一級アミン基で修飾された、40ヌクレオチドを含むDNAタグを使用した。
ヨードアセトアミド(Ultragrade)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(≧97%)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミデム(dimethylformamidem)(DMF)、およびジメチルスルホキシド(DMSO、無水、≧99.9%)は、SIGMA社から入手した。約5.56mgのヨードアセトアミドを、0.5mlの無水DMSO中に溶解した4.48mgの1,1’−カルボニルジイミダゾールで活性化した。反応は光から保護し、室温で約1時間行った。上に記載されたDNAタグ約3.71mgを100μl脱イオン化(DI)水中に溶解し、この後0.4ml DMSOを滴下添加した。約0.5mlのDNAタグ溶液を、0.5mlの活性化ヨードアセトアミド溶液と混合し、室温で24時間反応させた。生成物、ヨウ素末端DNAタグを、0.5mlアセトニトリルを用いて沈殿させ、2500rpm、2分間の遠心分離によりペレットとして回収した。上清および溶液中に残っている余分な未反応ヨードアセトアミドは廃棄した。ペレットを1mlアセトニトリルで洗浄し、1.0mlのDI水中に再溶解した。後者を、2ml DMF中に溶解した、実施例2からの50mg PVPの溶液に滴下添加した。混合物を、約60℃の温度で24時間反応させた。
[実施例4]
エピクロロヒドリンを用いたDNAタグによるポリ(4−ビニルピリジン)ポリマーの修飾
ポリ(4−ビニルピリジン)からの残存モノマーの除去後、ポリマーをオリゴヌクレオチドDNAタグでタグ付けした。代表的な実験において、以下の配列:5’−GTT ATC GGA TTC TTA ATA GGA ACA CAC TCT ATC TCA CCC G/3AmM/−3’(配列番号1)を有する、第一級アミン基で修飾された、40ヌクレオチドを含むDNAタグを使用した。
エピクロロヒドリンを用いたDNAタグによるポリ(4−ビニルピリジン)ポリマーの修飾
ポリ(4−ビニルピリジン)からの残存モノマーの除去後、ポリマーをオリゴヌクレオチドDNAタグでタグ付けした。代表的な実験において、以下の配列:5’−GTT ATC GGA TTC TTA ATA GGA ACA CAC TCT ATC TCA CCC G/3AmM/−3’(配列番号1)を有する、第一級アミン基で修飾された、40ヌクレオチドを含むDNAタグを使用した。
エピクロロヒドリン(99%)、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミデム(DMF)、酢酸エチル(ACS試薬グレード)、メタノール(ACS試薬グレード)、テトラホウ酸ナトリウム(99%)および水酸化ナトリウム(0.1N)は、SIGMA社から入手した。上に記載されたDNAタグ約2.97mgを1mlテトラホウ酸ナトリウム溶液(20mM、pH9.2)中に溶解し、この後3μlのエピクロロヒドリンを含有する0.2ml DMFを添加した。反応は、室温で約1時間行った。溶液を次いで、2mlジエチルエーテルの3部分により抽出して余分な未反応エピクロロヒドリンを除去した。精製溶液を、実施例2からの3gのPVPを含有する30ml DMFの溶液に滴下添加した。混合物を、約50℃の温度で24時間反応させた。
[実施例5]
DNAタグ付けポリ(4−ビニルピリジン)ポリマーからの余分なDNAタグの除去
実施例4からのDNAタグ付けPVPは、等容量の酢酸エチル溶液を用いて沈殿させ、等容量のメタノール中に再溶解し、等容量の0.1M NaOHを用いて最終的に沈殿させて非コンジュゲートDNAタグを除去した。沈殿物を次いで、6wt%の最終濃度までDMFおよび水(50:50容積比)の混合物中に溶解した。
DNAタグ付けポリ(4−ビニルピリジン)ポリマーからの余分なDNAタグの除去
実施例4からのDNAタグ付けPVPは、等容量の酢酸エチル溶液を用いて沈殿させ、等容量のメタノール中に再溶解し、等容量の0.1M NaOHを用いて最終的に沈殿させて非コンジュゲートDNAタグを除去した。沈殿物を次いで、6wt%の最終濃度までDMFおよび水(50:50容積比)の混合物中に溶解した。
[実施例6]
ポリ(4−ビニルピリジン)ポリマーにコンジュゲートしたDNAタグの定量
余分なDNAタグの除去後、PVPにコンジュゲートしたタグの量を定量した。非コンジュゲートDNAタグの連続希釈標準を、増幅条件:95℃、60秒間の1変性サイクル;95℃、2秒間の50サイクル;および50℃、30秒間と、これに続く50℃、30秒間の最終伸長を用いて、25μlの最終容量中2μlの試料により、12.5μl Fast SYBR Green Master Mix(APPLIED BIOSYSTEMS社)、0.9μMの各プライマーを用いて増幅した。増幅生成物を、蛍光の直接測定により可視化して交差閾値(Ct)を得た。
ポリ(4−ビニルピリジン)ポリマーにコンジュゲートしたDNAタグの定量
余分なDNAタグの除去後、PVPにコンジュゲートしたタグの量を定量した。非コンジュゲートDNAタグの連続希釈標準を、増幅条件:95℃、60秒間の1変性サイクル;95℃、2秒間の50サイクル;および50℃、30秒間と、これに続く50℃、30秒間の最終伸長を用いて、25μlの最終容量中2μlの試料により、12.5μl Fast SYBR Green Master Mix(APPLIED BIOSYSTEMS社)、0.9μMの各プライマーを用いて増幅した。増幅生成物を、蛍光の直接測定により可視化して交差閾値(Ct)を得た。
既知のポリマー濃度の既知容量を、1:100以上の希釈後に増幅し、得られたCtを、非コンジュゲートポリマーを用いて生成した標準曲線からのCtと比較し、コンジュゲートポリマーの試料中コピー数を得た。これは、ポリ(4−ビニルピリジン)ポリマーの1分子当たりのDNAタグコピー数の計算を可能にした。パイロットバッチに関して、コンジュゲーション比は、200ポリマー分子当たりおよそ1DNAタグであると判定した。
[実施例7]
非清澄化細胞培養液のpH調整
非発現チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系由来の細胞を、バイオリアクター(NEW BRUNSWICK SCIENTIFIC社)で10Lの培養培地中10×106細胞/mlの密度まで増殖させ、64%生存率で回収した。IgGを1.0g/Lの濃度までスパイクし、宿主細胞タンパク質(HCP)の濃度は385669ng/mlであると判定した。液体のpHは7.2であった。非清澄化細胞培養液のpHを、精製工程の開始前に0.17mlの3.0M酢酸を用いて4.5に調整した。
非清澄化細胞培養液のpH調整
非発現チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系由来の細胞を、バイオリアクター(NEW BRUNSWICK SCIENTIFIC社)で10Lの培養培地中10×106細胞/mlの密度まで増殖させ、64%生存率で回収した。IgGを1.0g/Lの濃度までスパイクし、宿主細胞タンパク質(HCP)の濃度は385669ng/mlであると判定した。液体のpHは7.2であった。非清澄化細胞培養液のpHを、精製工程の開始前に0.17mlの3.0M酢酸を用いて4.5に調整した。
[実施例8]
酢酸中での精製DNAタグ付けPVP溶液の調製
実施例5からの溶液を、60℃の温度で24時間作動させた真空オーブン中で乾燥させた。残っている固体を、室温で1時間の連続撹拌により、15wt%の最終濃度に3M酢酸中で再構築した。
酢酸中での精製DNAタグ付けPVP溶液の調製
実施例5からの溶液を、60℃の温度で24時間作動させた真空オーブン中で乾燥させた。残っている固体を、室温で1時間の連続撹拌により、15wt%の最終濃度に3M酢酸中で再構築した。
[実施例9]
下流工程モニタリングのためのオリゴヌクレオチドタグコンジュゲートポリマーの使用
細胞および細胞残屑などの不溶性不純物、ならびに宿主細胞タンパク質、核酸などの可溶性不純物の結合を可能にするために、実施例8からの0.5mlのPVP溶液および0.56g硫酸アンモニウムを、実施例7からの10mlの非清澄化細胞培養液に添加し、室温で5分間混合した。ポリマー−不純物複合体は、次いで、0.08g硫酸アンモニウムを含有する1.45mlの2Mトリスを用いて、混合物のpHを8.5に調整して沈殿させた。これは、所望の生成物(IgG)を複合体に結合できるようにする。分散固体懸濁液の形態での沈殿物を、10分間、液体中で連続的に混合した。IgG複合体を含有する沈殿物を、この後、遠心分離(1分間4000rpm)により回収し、1M硫酸アンモニウム(10mMトリス、pH8.5)で洗浄してゆるく結合した不純物を除去した。細胞、細胞残屑および他の可溶性不純物が沈殿物に結合したままであったのに対し、IgGは、20分間の混合と、これに続く0.2μm Durapore(登録商標)フィルターを通じた濾過の間に、沈殿物からpH5.3(100mM 酢酸ナトリウム)で選択的に溶出された。これらの条件下、最初の試料中に存在するIgGの93%がポリマーに結合し、溶出後に回収したIgGのパーセンテージは80wt%であった。
下流工程モニタリングのためのオリゴヌクレオチドタグコンジュゲートポリマーの使用
細胞および細胞残屑などの不溶性不純物、ならびに宿主細胞タンパク質、核酸などの可溶性不純物の結合を可能にするために、実施例8からの0.5mlのPVP溶液および0.56g硫酸アンモニウムを、実施例7からの10mlの非清澄化細胞培養液に添加し、室温で5分間混合した。ポリマー−不純物複合体は、次いで、0.08g硫酸アンモニウムを含有する1.45mlの2Mトリスを用いて、混合物のpHを8.5に調整して沈殿させた。これは、所望の生成物(IgG)を複合体に結合できるようにする。分散固体懸濁液の形態での沈殿物を、10分間、液体中で連続的に混合した。IgG複合体を含有する沈殿物を、この後、遠心分離(1分間4000rpm)により回収し、1M硫酸アンモニウム(10mMトリス、pH8.5)で洗浄してゆるく結合した不純物を除去した。細胞、細胞残屑および他の可溶性不純物が沈殿物に結合したままであったのに対し、IgGは、20分間の混合と、これに続く0.2μm Durapore(登録商標)フィルターを通じた濾過の間に、沈殿物からpH5.3(100mM 酢酸ナトリウム)で選択的に溶出された。これらの条件下、最初の試料中に存在するIgGの93%がポリマーに結合し、溶出後に回収したIgGのパーセンテージは80wt%であった。
精製工程の種々のステップにおける残存PVPは、実施例6および図6に記載されているように定量化した。分画が精製工程を進むにつれて、曲線は、タグなし対照に類似して、全ての希釈物について48前後の交差閾値(Ct)で平らになりはじめる。
[実施例10]
非清澄化非発現細胞培養液の調製(CCF)
代表的な実験において、モノクローナルIgG1を発現しているチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系由来の細胞を、10Lバイオリアクター(NEW BRUNSWICK SCIENTIFIC社)で13×106細胞/mLの密度まで増殖させ、<50%生存率で回収した。抗体力価は、プロテインA HPLCにより0.7mg/mLであると判定した。宿主細胞タンパク質(HCP)のレベルは、ELISA(CYGNUS #F550)を用いて141800ng/mLであることを見出し、DNA濃度は、PicoGreen(登録商標)アッセイにより11.9ug/mLであると判定した。非清澄化細胞培養液のpHはpH7.2であった。
非清澄化非発現細胞培養液の調製(CCF)
代表的な実験において、モノクローナルIgG1を発現しているチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系由来の細胞を、10Lバイオリアクター(NEW BRUNSWICK SCIENTIFIC社)で13×106細胞/mLの密度まで増殖させ、<50%生存率で回収した。抗体力価は、プロテインA HPLCにより0.7mg/mLであると判定した。宿主細胞タンパク質(HCP)のレベルは、ELISA(CYGNUS #F550)を用いて141800ng/mLであることを見出し、DNA濃度は、PicoGreen(登録商標)アッセイにより11.9ug/mLであると判定した。非清澄化細胞培養液のpHはpH7.2であった。
[実施例11]
疎水性修飾されたポリアリルアミンベースの刺激応答性ポリマーの調製
本明細書に記載された代表的な実験において、本明細書に記載されたポリマーは大規模に容易に製造され得ることが実証された。
疎水性修飾されたポリアリルアミンベースの刺激応答性ポリマーの調製
本明細書に記載された代表的な実験において、本明細書に記載されたポリマーは大規模に容易に製造され得ることが実証された。
ポリアリルアミン(PAA、NITTOBO社、150kD;40%(wt/wt))の溶液を用いて、疎水性修飾された刺激応答性ポリマーは次のように生成した。
500gのポリアリルアミン(PAA、NITTOBO社、150kD;40%(wt/wt))(ポリアリルアミン約200g)を、4リットルガラスジャーに添加した。次に、80gのNaOHペレットおよび1000mLの脱イオン化水を溶解し、ジャーに添加した。この後、共溶媒として1000mL 1,2−ジメトキシエタン(SIGMA社)を添加し、溶液を均質になるまで強く撹拌した。次に、114gの塩化ベンジル(ACROS ORGANICS社、99%)を反応ジャーに添加した。溶液を、磁気撹拌しながら60℃で16時間加熱した。溶液を室温まで冷却させ、10リットルビーカーに移した。
次に、1000mLの脱イオン化水を撹拌しながら添加し、粘着性の固体の塊を溶液から沈殿させた。生成物を、200mLの2Mリン酸ナトリウムをゆっくり添加しながらさらに沈殿させ、固体を回収し、脱イオン化水で洗浄した。ポリマーを、以下の方法によりさらに精製した。
固体を、撹拌しながら3リットルの1M酢酸中に溶解した。総容量を、脱イオン化水を含む10リットルにし、pHは50%NaOHの滴下添加により7に調整した。800gの2Mリン酸ナトリウムを添加して生成物を沈殿させ、固体を回収し、脱イオン化水で洗浄した。ポリマーは、以下の方法によってもさらに精製した。固体を、撹拌しながら3リットルの1M酢酸中に溶解した。総容量を、脱イオン化水を含む10リットルにし、pHは50%NaOHの滴下添加により7.0に調整した。800gの2Mリン酸ナトリウムを添加して生成物を沈殿させ、固体を回収し、脱イオン化水で洗浄した。
得られた固体の塊を、65℃で3日間、真空オーブン中で乾燥させた。乾燥ポリマーを液体窒素で凍結し、微粉に粉砕し、さらに1日間乾燥させた。得られた乾燥粉末の塊は250gであった。少量試料を1M CD3COOD/D2O酸中に溶解し、1H−NMRスペクトルを得た。1H−NMRピークを積分し、ベンジル修飾の量は33%であると判定した。
得られた粉末を溶解して1M酢酸中10w/w%溶液を作製した。得られた溶液は、2Mリン酸ナトリウムまたは0.2Mクエン酸ナトリウムを0.5%ポリマー溶液の5mL試料に滴下添加して、多価イオン刺激に対する感度についてテストした。リン酸またはクエン酸イオンを添加すると、白い沈殿物が観測され、これによってポリマーが多価アニオン刺激に応答したことを示している。
[実施例12]
疎水性修飾されたポリアリルアミン刺激応答性ポリマーの蛍光タグによる標識
実施例11から得られたポリマーを、以下の方法により蛍光タグで標識した。2gの固体ポリマーを10mLの1M酢酸に添加し、固体が溶解するまで撹拌した。得られた溶液容量は、脱イオン化水の添加により100mLに増加させた。溶液のpHは4M NaOHの添加により8.5に調整した。反応性色素溶液は、12mgのN−(4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−イル)ヨードアセトアミド(BODIPY(登録商標)507/545 IA)(INVITROGEN社)を6mL DMFに添加して調製する。調製後直ちに、反応性色素溶液を、強く撹拌しながらポリマー溶液に添加した。反応溶液を50℃で1時間回転させた。次に、溶液を遠心分離し、上清をデカントし廃棄した。赤い色をしたペレットを、50mMリン酸カリウム中、pH7に再懸濁し、撹拌した。溶液をこの後遠心分離し、上清をデカントし廃棄した。
疎水性修飾されたポリアリルアミン刺激応答性ポリマーの蛍光タグによる標識
実施例11から得られたポリマーを、以下の方法により蛍光タグで標識した。2gの固体ポリマーを10mLの1M酢酸に添加し、固体が溶解するまで撹拌した。得られた溶液容量は、脱イオン化水の添加により100mLに増加させた。溶液のpHは4M NaOHの添加により8.5に調整した。反応性色素溶液は、12mgのN−(4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−イル)ヨードアセトアミド(BODIPY(登録商標)507/545 IA)(INVITROGEN社)を6mL DMFに添加して調製する。調製後直ちに、反応性色素溶液を、強く撹拌しながらポリマー溶液に添加した。反応溶液を50℃で1時間回転させた。次に、溶液を遠心分離し、上清をデカントし廃棄した。赤い色をしたペレットを、50mMリン酸カリウム中、pH7に再懸濁し、撹拌した。溶液をこの後遠心分離し、上清をデカントし廃棄した。
赤い色をした固体ポリマーを、10mLの1M酢酸中に溶解してさらに精製した。得られたオレンジ色/赤色溶液容量は、脱イオン化水の添加により500mLに増加させた。pHは7に調整し、溶液を、2Mリン酸カリウムを滴下添加して50mMリン酸カリウムの濃度にし、赤色沈殿物を観察した。精製をもう1回繰り返し、鮮やかな赤色固体ポリマーを回収し、脱イオン化水で洗浄した。赤色固体を真空下で50℃、2日間乾燥させた。最後に、1.27gの乾燥赤色ポリマーを微粉に粉砕し、1M酢酸中に溶解して5w/w%溶液を作製した。
[実施例13]
蛍光タグによる刺激応答性ポリマーの残存量の検出
実施例12からの、BODIPY 507/545タグ付け疎水性修飾ポリアリルアミンの5%溶液を用いて、1000、100、10、1、および0.1ppm固体の標準溶液濃度を脱イオン化水中で調製した。蛍光分光光度計を、507nmの励起および545nmの発光に設定した。試料ごとに545nmでの強度を記録し、標準曲線を図7に示されているようにプロットした。
蛍光タグによる刺激応答性ポリマーの残存量の検出
実施例12からの、BODIPY 507/545タグ付け疎水性修飾ポリアリルアミンの5%溶液を用いて、1000、100、10、1、および0.1ppm固体の標準溶液濃度を脱イオン化水中で調製した。蛍光分光光度計を、507nmの励起および545nmの発光に設定した。試料ごとに545nmでの強度を記録し、標準曲線を図7に示されているようにプロットした。
多価アニオン刺激を用いたポリマー沈殿の効率および残存ポリマーの濃度を判定するため、以下の実験を実施した。
5mL脱イオン化水中において、4000ppmのタグ付けポリマーをスパイクした。pHは7に調整し、リン酸カリウムの濃度を50mMにした。このとき、赤色沈殿物が分離し、バイアルを3000rpmで2分間遠心分離した。得られた上清の濁度は46NTUであると判定し、上清中の残存ポリマーは、蛍光分光測定により44ppmであると判定した。上清を0.22ミクロンDurapore Millex(MILLIPORE社、33mm)を通じて濾過し、濾液中の残存ポリマーは、蛍光分光測定により30ppmであると判定した。特に、この実験は、刺激、遠心分離、および濾過の単純な添加により、水中の高レベルの残存ポリマーの99.25%除去をもたらした。
これらの結果は、蛍光タグを含む刺激応答性ポリマーは水に添加することができ、刺激の添加により不溶性になること、固体は分離できること、残存ポリマーは蛍光分光測定により検出できることを実証するものである。
[実施例14]
凝結CHO細胞培養液中での蛍光タグによる刺激応答性ポリマーの残存量の判定
実施例12からの、BODIPY 507/545タグ付け疎水性修飾ポリアリルアミンの5%溶液を用いて、1000、100、10、1、および0.1ppm固体の標準溶液濃度を脱イオン化水中で調製した。蛍光分光光度計を、507nmでの励起および545nmでの発光で設定した。試料ごとに545nmでの強度を記録し、標準曲線を実施例13に従ってプロットした。
凝結CHO細胞培養液中での蛍光タグによる刺激応答性ポリマーの残存量の判定
実施例12からの、BODIPY 507/545タグ付け疎水性修飾ポリアリルアミンの5%溶液を用いて、1000、100、10、1、および0.1ppm固体の標準溶液濃度を脱イオン化水中で調製した。蛍光分光光度計を、507nmでの励起および545nmでの発光で設定した。試料ごとに545nmでの強度を記録し、標準曲線を実施例13に従ってプロットした。
CHO細胞培養液は、実施例10に類似した方法を用いて調製した。刺激に供されるカトニック(catonic)スマートポリマーを用いた細胞培養液の凝結および沈殿からの残存ポリマーを、刺激なしのカトニックスマートポリマーを用いることと比較した。0.1、0.4または0.6w/vの用量のタグ付けポリマーを、15mL円錐管で5mLの非清澄化CHO細胞培養液に二通り添加した。
3つのポリマー濃度シリーズの1つを、2Mトリス塩基でpH7.2に調整し、リン酸カリウム濃度を2Mリン酸カリウムの滴下添加により50mMに増加させ、溶液を撹拌した。リン酸ナトリウムおよびpH調整は、細胞、細胞残屑、不純物、残存ポリマーの複合体と一緒に刺激応答性ポリマーを沈殿させ、固体を凝結させ、粒子サイズを増加させるために実施した。3つのポリマー濃度の第2シリーズは、単純に撹拌し、刺激は適用しなかった。バイアルを3000rpmで2分間遠心分離した。得られた上清の濁度を記録し、上清を0.22ミクロンDurapore Millex(MILLIPORE社、33mm)を通じて濾過した。濾液中の残存ポリマーは、蛍光分光測定により判定した。CHO細胞培養液を対照として使用し、ブランクとして取り除いた。結果を表IIにまとめ、図8に示す。
表IIおよび図8に示されているように、これらの結果は、蛍光タグを含む刺激応答性ポリマーは水に添加することができ、刺激の添加により不溶性になること、固体は分離できること、残存ポリマーは蛍光分光測定により検出できることを実証するものである。結果はまた、細胞培養液中の刺激応答性フロキュレント(flocculent)または沈殿剤に刺激を適用することにより、残存ポリマーに比べて対照の優位性も実証するものである。
[実施例15]
清澄化細胞培養液からのモノクローナル抗体のプロテインA捕捉による使用後の蛍光タグでタグ付けされた刺激応答性ポリマーの検出
実施例12からの、BODIPY 507/545タグ付け疎水性修飾ポリアリルアミンの5%溶液を用いて、1000、100、10、1、および0.1ppm固体の標準溶液濃度を脱イオン化水中で調製する。蛍光分光光度計を、507の励起および545の発光で設定した。試料ごとに545nmでの強度を記録し、標準曲線を実施例13に従ってプロットした。
清澄化細胞培養液からのモノクローナル抗体のプロテインA捕捉による使用後の蛍光タグでタグ付けされた刺激応答性ポリマーの検出
実施例12からの、BODIPY 507/545タグ付け疎水性修飾ポリアリルアミンの5%溶液を用いて、1000、100、10、1、および0.1ppm固体の標準溶液濃度を脱イオン化水中で調製する。蛍光分光光度計を、507の励起および545の発光で設定した。試料ごとに545nmでの強度を記録し、標準曲線を実施例13に従ってプロットした。
CHO細胞培養液は、実施例10に類似した方法を用いて調製した。細胞培養液を、実施例12からの、0.4w/w% BODIPY 507/545タグ付け疎水性修飾ポリアリルアミンの用量を用いて、凝結により清澄化した。細胞培養液のpHは、2Mトリス塩基の滴下添加により7.0に調整した。次に、2Mリン酸カリウムを、最終リン酸カリウム濃度が50mMになるように添加した。この時点で、溶液中に固体の凝集があった。溶液を遠心分離し、ペレットを廃棄した。上清を0.22ミクロンDurapore フィルター(MILLIPORE社)を通じて濾過し、濾液を回収し、プールした。
1mLのプロテインA親和性クロマトグラフィー樹脂(ProSep Ultra Plus(登録商標))を、0.66cm内径を有するOmnifitクロマトグラフィーカラム(DIBA INDUSTRIES社)に2.9cmの最終ベッド高まで充填した。プロテインAカラムを、3分滞留時間で35mg/mL IgGの密度まで充填し、フロースルーを回収した。カラムをこの後、50mMトリス、pH7.2で洗浄し、洗浄プールを回収した。次に、IgGを、50mM酢酸を含む5カラム容量で溶出し、溶出プールを回収した。280nmでの吸光度を溶出プールについて記録し、この吸光度から、収量は、マスバランスにより97パーセントであると判定した。最後に、カラムを0.15Mリン酸で再生し、プールを回収した。試料を2Mトリス塩基でpH7.0に中和した。
蛍光分光光度計を、507nmでの励起および545nmでの発光で設定した。試料ごとに545nmでの強度を記録する。残存ポリマーを、表IIIに示されているように、細胞培養上清およびプロテインAクロマトグラフィーカラムから回収した各プールについて定量化した。アッセイの定量化の限界は、1.0ppmであると判定した。
結果は、蛍光タグ付けスマートポリマーは、細胞培養上清中に検出できること、残存ポリマー除去は、標的分子の下流精製中に追跡できることを実証するものである。
[実施例16]
刺激応答性ポリマーのビオチン化
疎水性修飾されたポリアリルアミンに基づく刺激応答性ポリマーは、実施例11と同様に合成した。得られたポリマーを、以下の方法を用いてビオチンタグで標識した。
刺激応答性ポリマーのビオチン化
疎水性修飾されたポリアリルアミンに基づく刺激応答性ポリマーは、実施例11と同様に合成した。得られたポリマーを、以下の方法を用いてビオチンタグで標識した。
150,000Daの分子量を有する33%ベンジル化ポリアリルアミンの5w/w%溶液20gを、磁気撹拌棒を備えた1000mLガラスビーカーに添加した。容量を脱イオン化水の添加により200mLに増加させ、pHは4M NaOHの滴下添加により9.5に調整した。
反応性ビオチン溶液は、15mgのDSB−X(商標)ビオチンC2−ヨードアセトアミド(デスチオビオチン−X C2−ヨードアセトアミド)(INVITROGEN社)を6mLのジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解して調製した。反応性ビオチン溶液を、pH調整33%ベンジル化ポリアリルアミン溶液を含有するガラスビーカーに直ちに添加した。得られた混合物を強く撹拌し、70℃に加熱し、これらの条件で1時間維持した。次に、混合物を室温まで冷却させ、脱イオン化水で1000mLに希釈した。ビオチン化ポリマーを、さらなる沈殿物が観察されなくなるまで2Mリン酸ナトリウムの滴下添加による沈殿により単離した。溶液は不織フィルター材料を通じて真空濾過し、濾液を廃棄しながら固体を回収した。固体ポリマー生成物を100mLの脱イオン化水で洗浄した。
ビオチン化生成物は、固体の塊を50mlの1M酢酸中に一晩溶解してさらに精製した。溶液を2リットルの容量にし、pHは4M NaOHの滴下添加により7.0に調整した。ビオチン化生成物を、さらなる沈殿物が観察されなくなるまで2Mリン酸ナトリウムの滴下添加による沈殿により単離した。溶液は不織フィルター材料を通じて真空濾過し、濾液を廃棄しながら固体を回収した。固体を100mLの脱イオン化水で洗浄し、60℃で一晩真空オーブンに入れた。
得られた乾燥ビオチン化生成物を粉末に粉砕し、最終濃度5w/w%まで1M酢酸および0.05モルHCl中に溶解した。
得られたビオチン化スマートポリマーは、細胞培養液またはタンパク質含有フィードから標的分子を凝結または精製するのに使用できることが理解される。ポリマーがひとたび細胞培養液またはタンパク質含有フィードに添加され、刺激が適用されれば、固体の塊は、遠心分離、濾過、沈降、固体液体分離のいずれか他の方法、またはこれらの方法のいずれかの組み合わせにより、上清から分離することができよう。さらに、清澄化液体は、定量化の前後に残存ポリマーを除去するのに特異的に設計されたフィルターを通過することができよう。
最後に、いずれの残存ビオチン化スマートポリマーも、ビオチン化分子を検出および定量化する既存の方法により検出および定量化することができよう。検出および定量化方法には、酵素レポーター(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)または蛍光プローブを伴う戦略を含む、アビジン/ストレプトアビジン−タグ付け検出戦略が含まれ得る。検出および定量化は、例えばELISAなどの免疫アッセイにより実施することもできよう。
検出キットの例には、THERMO SCIENTIFIC社から入手可能な蛍光ビオチン定量キットが含まれる。使用され得る検出キットのさらに別の例は、ALPCO DIAGNOSTICS社製のビオチンELISAキットである。
本明細書は、参照により本明細書に組み込まれる、本明細書内に引用されている参考文献の教示を踏まえて最も十分に理解される。本明細書内の実施形態は、本発明における実施形態の例証を提供するものであり、本明細書の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。当業者は、多くの他の実施形態が本発明により包含されることを容易に理解する。全ての刊行物および発明は、全体として参照により組み込まれる。参照により組み込まれる材料が、本明細書と矛盾する、またはくい違う場合は、そのようないかなる材料に対し本明細書が優先する。本明細書でのいかなる参考文献の引用も、そのような参考文献が本発明の先行技術であることを認めるものではない。
特に指摘がない限り、特許請求の範囲を含む、本明細書で使用されている成分、細胞培養、処理条件などの量を表す全ての数字は、用語「約」により全ての例において変更されると理解されるべきである。したがって、特に反対の指摘がない限り、数値パラメーターは近似値であり、本発明により得ようとする所望の特性に応じて変わり得る。特に指摘がない限り、一連の要素に先立つ用語「少なくとも」は、一連の全ての要素を指すと理解されるべきである。当業者は、単なる通常の実験を用いて、本明細書に記載された本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識し、または確認することができる。このような均等物は、以下の特許請求の範囲により包含されることが意図される。
当業者には明白であるように、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく本発明の多くの変更および変形形態が可能である。本明細書に記載された特定の実施形態は、例としてのみ提供され、決して限定を意味するものではない。本明細書および例は、例示としてのみ見なされることが意図され、本発明の真の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲により示される。
Claims (47)
- 対象生体分子を含む試料中のポリマーの残存量を検出する方法であって、前記ポリマーは、対象生体分子を1つまたは複数の不純物から分離するのに使用され、
(1)試料をタグと結合しているポリマーと接触させるステップ、および
(2)タグを検出するステップ
を含み、検出されたタグの量は、対象生体分子を含む溶液中の残存ポリマーの量を示す、前記方法。 - ポリマーがオリゴヌクレオチドタグと結合している、請求項1に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドタグが増幅反応を用いて検出される、請求項2に記載の方法。
- 増幅反応が、オリゴヌクレオチドタグの5’および3’末端にハイブリダイズすることができる一連のプライマーの添加を含む、請求項3に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドタグがハプテン分子、蛍光分子または放射性分子と結合している、請求項2に記載の方法。
- 検出ステップが非増幅反応を含む、請求項2に記載の方法。
- 非増幅反応が標識プローブの使用を含む、請求項6に記載の方法。
- 標識プローブが検出可能色素を含む、請求項7に記載の方法。
- ポリマーが共有結合を用いてオリゴヌクレオチドタグと結合している、請求項1に記載の方法。
- 増幅反応がポリメラーゼ連鎖反応を含む、請求項3に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドタグが、10ヌクレオチド、15、ヌクレオチド、20ヌクレオチド、25ヌクレオチド、30ヌクレオチド、35ヌクレオチド、40ヌクレオチド、45ヌクレオチド、50ヌクレオチド、55ヌクレオチドおよび60ヌクレオチドからなる群から選択される長さを含む、請求項2に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドタグが、60ヌクレオチドまたは60ヌクレオチド未満の長さを含む、請求項2に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドタグがタグの3’末端に反応基を含む、請求項11に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドタグがタグの3’末端に反応基を含む、請求項12に記載の方法。
- 反応基が、ハロゲン基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、スルフヒドリル基およびカルボキシル基からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
- 反応基が、ハロゲン基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、スルフヒドリル基およびカルボキシル基からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
- 反応基がさらに修飾される、請求項15に記載の方法。
- 反応基がさらに修飾される、請求項16に記載の方法。
- ポリマーが反応基を含む、請求項1に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドタグが第1反応基を含み、ポリマーが第2反応基を含み、第1および第2反応基が互いに共有結合している、請求項1に記載の方法。
- ポリマーと結合していないオリゴヌクレオチドタグが精製により除去される、請求項1に記載の方法。
- 生体分子がタンパク質、抗体およびワクチンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 抗体がモノクローナル抗体である、請求項22に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドタグが配列番号1に記載された配列を含む、請求項1に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドタグが、2次構造がないことが予測されるヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドタグが、長さが4塩基以上のホモポリマーがないヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
- ポリマーがポリ(4−ビニルピリジン)である、請求項1に記載の方法。
- ポリマーがポリアリルアミンである、請求項1に記載の方法。
- ポリマーがポリビニルアミンである、請求項1に記載の方法。
- ポリマーが刺激応答性ポリマーである、請求項1に記載の方法。
- 刺激応答性ポリマーが塩刺激に応答する、請求項30に記載の方法。
- 刺激応答性ポリマーがpH刺激に応答する、請求項30に記載の方法。
- ポリマーが第一級アミンおよび疎水性部分を含有する、請求項1に記載の方法。
- ポリマーが、アミンの1−80%が芳香族基で共有結合的に修飾されているポリビニルアミンである、請求項1に記載の方法。
- ポリマーが多価アニオン刺激に応答する、請求項30に記載の方法。
- 検出ステップが免疫アッセイまたはELISAを含む、請求項1に記載の方法。
- ポリマーが、対象生体分子および1つまたは複数の不純物を含む試料中の1つまたは複数の不純物を結合および沈殿させることによって、対象生体分子を1つまたは複数の不純物から分離する、請求項1に記載の方法。
- ポリマーが、対象生体分子および1つまたは複数の不純物を含有する試料中の対象生体分子を結合および沈殿させることによって、対象生体分子を1つまたは複数の不純物から分離する、請求項1に記載の方法。
- ポリマーが、蛍光タグまたは放射性タグまたはハプテンタグと結合している、請求項1に記載の方法。
- 対象生体分子を1つまたは複数の不純物から分離するのに使用される刺激応答性ポリマーの残存量を検出する方法であって、
(1)対象生体分子およびもう1つの不純物を含有する溶液を、ポリマーおよび1つまたは複数の不純物の複合体を形成するようにタグと結合している刺激応答性ポリマーと接触させるステップ、
(2)刺激を溶液に適用し、これによって複合体を沈殿させるステップ、
(3)溶液から沈殿物を除去するステップ、および
(4)対象生体分子を含有する溶液中のタグを検出するステップ
を含み、検出されたタグの量は、対象生体分子を含む溶液中の残存ポリマーの量を示す、前記方法。 - 刺激応答性ポリマーが第一級アミンおよび疎水性部分を含有する、請求項40に記載の方法。
- 刺激応答性ポリマーが、蛍光タグまたは放射性タグまたはハプテンタグと結合している、請求項40に記載の方法。
- 刺激応答性ポリマーが多価アニオン刺激に応答する、請求項40に記載の方法。
- ハプテンタグがビオチンを含む、請求項42に記載の方法。
- 検出ステップがELISAアッセイの使用を含む、請求項40に記載の方法。
- 対象生体分子を溶液中の1つまたは複数の不純物から分離するのに使用される刺激応答性ポリマーの残存量を検出する方法であって、
(1)対象生体分子および1つまたは複数の不純物を含有する溶液を、タグと結合した、第1の条件下で対象生体分子および1つまたは複数の不純物の両方との複合体を形成する刺激応答性ポリマーと接触させるステップ、
(2)刺激を溶液に添加し、これによって複合体を沈殿させるステップ、
(3)沈殿物を第2の条件に供し、これによって対象生体分子を複合体から選択的に溶出するステップ、および
(4)対象生体分子を含有する溶出液中のタグを検出するステップ
を含み、検出されたタグの量は、溶出液中の残存ポリマーの量を示す、前記方法。 - ステップ(2)と(3)の間に洗浄ステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
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