発明の詳細な説明
本発明は、試料中の分析物についての近接プローブベースの検出アッセイ(「近接アッセイ」)に関し、特に、複雑な生物学的試料において生じる非特異的な「バックグラウンド」シグナルを低下させるための方法における改善に関する。この改善は、そのようなアッセイにおける使用のための新しい遮断試薬の提供を含む。遮断試薬は、近接プローブの構造に厳密に類似する(「模倣する」)ように設計される。遮断試薬は、近接プローブに非特異的に結合することができる、試料中の結合部位のすべて又はほぼすべてをふさぐように、試料に過剰に追加される。したがって、本発明において、遮断試薬の観察可能な効果は、試料中に存在する分析物の濃度又は量を著しく低下させることなく、試料の複雑性の低下に相当するものを達成し、それによってアッセイの特異性及び感度の両方を増加させることである。本発明はまた、遮断試薬、該遮断試薬を含むキット、及び該遮断試薬を製造するための方法も提供する。
近接アッセイは、「近接プロービング」の原理に依存し、分析物は複数の(すなわち2又は3以上の、一般に2又は3の)プローブの結合によって検出され、プローブは、結合によって分析物に近接すると(よって「近接プローブ」)シグナルを生成させる。典型的には、近接プローブの少なくとも1つは、プローブの分析物結合ドメイン(又は部分(moiety))に連結された核酸ドメイン(又は部分)を含み、シグナルの生成は、核酸部分及び/又は他のプローブによって運搬されるさらなる機能性部分の間の相互作用を要する。したがって、シグナル生成は、プローブ間の(特に、プローブによって運搬される核酸又は他の機能性部分/ドメインによる)相互作用に依存性であり、よって、両方の必要な(又はさらに多くの)プローブが分析物に結合した場合にのみ生じ、それによって特異性の改善を検出系に与える。近接プロービングの概念は近年発展してきており、この原理に基づく多くのアッセイは今や当技術分野においてよく知られている。例えば、近接ライゲーションアッセイ(PLA)は、近接アッセイの核酸ドメインを用いる又はそれによって媒介される(例えば、その間で及び/又は核酸ドメインによって鋳型にされる)ライゲーション反応からシグナルを生成するのに、近接プローブの分析物への近接的な結合に依存する。
したがって、近接アッセイでは近接プローブが使用され得、近接プローブは分析物に結合し、核酸ドメイン又は部分を有し、核酸ドメイン又は部分は、分析物の結合の際に、近接依存性の方法で一般にライゲーションを介して相互作用し、検出可能な、好ましくは増幅可能な核酸検出産物を形成し、この手段によって分析物は検出され得る。
近接プローブベースの検出アッセイ、特に近接ライゲーションアッセイは、そのような分析物の存在を、容易に検出可能な又は定量化できる核酸ベースのシグナルに変換することによって、試料中の1つ又は複数の分析物の感度のよい、迅速で好都合な検出又は定量化を可能にし、同種又は異種の形式で実施することができる。
当技術分野の近接プローブは、一般に、対で使用され、各々、標的分析物に対する特異性を有する分析物結合ドメイン及び機能性ドメイン、例えば分析物結合ドメインに連結された核酸ドメインから成る。分析物結合ドメインは、例えば、核酸「アプタマー」とすることができる(Fredriksson et al (2002) Nat Biotech 20:473−477)又はモノクローナル抗体若しくはポリクローナル抗体などのようなタンパク質性のものとすることができる(Gullberg et al (2004) Proc Natl Acad Sci USA 101:8420−8424)。各近接プローブ対のそれぞれの分析物結合ドメインは、分析物(分析物は単一の分子から成っても、相互作用している分子の複合体から成ってもよい)上の異なる結合部位に対する特異性を有してもよく、又は例えば標的分析物が多量体として存在する場合、同一の特異性を有してもよい。近接プローブ対が互いに極めて近接する(これは、両者が同じ分析物分子上のそれぞれの部位に結合する場合に主として生じるであろう。)と、機能性ドメイン(例えば核酸ドメイン)は相互作用することができる。例えば、核酸ドメインは、一般にライゲーション反応によって、新しい核酸配列を形成するように連結されてもよい。ライゲーション反応は、反応に追加されるスプリントオリゴヌクレオチド(splint oligonucleotide)(スプリントオリゴヌクレオチドは、近接プローブ対のそれぞれの核酸ドメインの末端に対して相補性の領域を含有する。)を鋳型としてもよい。生成される新しい核酸配列は、試料中の分析物の存在又は量を報告する役目をし、例えばリアルタイム定量的PCR(q−PCR)によって、定性的又は定量的に検出することができる。
あるいは、互いにライゲーションされるのではなく、近接プローブの核酸ドメインは、近接すると、例えばいわゆるパドロックプローブ(padlock probe)の原理に基づいて、追加された直線状オリゴヌクレオチドを環状化する分子内ライゲーションを含む、1つ又は複数の追加されたオリゴヌクレオチドの相互のライゲーションの鋳型となってもよく、パドロックプローブと同様に、追加された直線状オリゴヌクレオチドの両末端は、鋳型、ここでは近接プローブの核酸ドメイン(パドロックプローブの場合には、プローブに対する標的核酸)にハイブリダイズすることによってライゲーションに向けて近位になる。様々なそのようなアッセイ形式は国際公開第01/61037号パンフレットに記載されている。
国際公開第97/00446号パンフレット及び米国特許第6,511,809号は、近接ライゲーションアッセイのための異種の形式を開示する。そこでは、分析物は、特異的分析物結合試薬の手段によって固体基質に最初に固定される。
同種の近接ライゲーションアッセイ(すなわち溶液中のアッセイ)は、国際公開第01/61037号パンフレット、国際公開第03/044231号パンフレット、国際公開第2005/123963号パンフレット、Fredriksson et al (2002) Nat Biotech 20:473−477、及びGullberg et al (2004) Proc Natl Acad Sci USA 101:8420−8424に開示されている。
対の近接プローブが一般に使用されるが、近接プローブ検出アッセイの改良版は、例えば国際公開第01/61037号パンフレット及び国際公開第2005/123963号パンフレットに記載されており、3つの近接プローブが、単一の分析物分子を検出するために使用され、第3のプローブの核酸ドメインは、第1及び第2のプローブの核酸ドメインのそれぞれの遊離末端に連結することができる(ライゲーション可能な)2つの遊離末端を有し、第3のプローブの核酸ドメインは、第1及び第2のプローブの核酸ドメインの間にはさまれるようになる。本実施形態では、2種のスプリントオリゴヌクレオチドが、第1及び第2のプローブの核酸ドメインのそれぞれの第3のプローブの核酸ドメインへのライゲーションの鋳型となるために必要とされる。
国際公開第2007/107743号パンフレットに記載のさらなる改良版では、2つの近接プローブの核酸ドメインのライゲーションの鋳型となるためのスプリントオリゴヌクレオチドが第3の近接プローブ上で運搬される。
すべての近接アッセイがライゲーションに基づくものとは限らない。国際公開第2007/044903号パンフレットは、放出された核酸切断産物の形成及び検出に依存する、分析物を検出するための近接プローブベースのアッセイを開示する。記載される実施形態のいくつかは、分析物結合部分及び付加された酵素から構成されるプローブを含み、この酵素は、第2のプローブの分析物結合部分に付加された核酸部分に対して作用し、検出可能な核酸切断産物の放出がもたらされる。
一方のプローブの分析物結合部分に付加されたポリメラーゼ酵素が、第2のプローブの分析物結合部分に付加された核酸部分に対して作用する分析物検出アッセイ(いくつかの実施形態において近接プローブ様試薬を含む。)は、国際公開第2009/012220号パンフレットに記載されている。これらのアッセイでは、プローブ対のプローブのうちの一方の一部である「つなぎ留められた」ポリメラーゼの作用は、追加されたポリメラーゼによる増幅に対して感受性である、溶液中に遊離する鋳型の生成をもたらす。つなぎ留められたポリメラーゼと異なり、追加されたポリメラーゼは、つなぎ留められたポリメラーゼによって生成された鋳型に対してのみ作用することができ、プローブ対の非ポリメラーゼ含有プローブの核酸部分に対して直接作用しない。追加されたポリメラーゼの作用は生成された鋳型の増幅をもたらし、増幅されたコピーは検出可能であり、近接プロービングの原理に従って試料における分析物の存在を示す。
近接プローブ検出アッセイの改良版に加えて、近接プローブ自体の構造の改良版が例えば国際公開第03/044231号パンフレット(多価近接プローブを使用)に記載されている。そのような多価近接プローブは、少なくとも1、好ましくは1を超える核酸にコンジュゲートされた少なくとも2(多いと100)の分析物結合ドメインを含む。
近接プローブベースの検出アッセイ(特に近接ライゲーションアッセイ)は、多数の異なる用途におけるタンパク質の特異的で感度のよい検出、例えば、発現が弱い又は存在量が低いタンパク質の検出において非常に有用であることが証明されている。しかしながら、そのようなアッセイに感度及び特異性の問題がないわけではなく、アッセイの感度及び特異性の両方に関して改善の余地が存在する。
上述の通常の近接アッセイ、例えば近接ライゲーションアッセイの感度は、2つの主な因子:(i)標的分析物に対する分析物結合ドメインの親和性、及び(ii)非結合プローブ、特にプローブ対のランダムな近接から生じる非特異的なバックグラウンドシグナルによって制限される。分析物に対する高度な親和性を有する結合ドメインを有するプローブを使用すると、感度はおよそ6000分子の検出に制限される。従来から、低レベルのバックグラウンドを達成するために非常に低濃度の近接プローブが使用されなければならなかった。これは、より高濃度のプローブを使用することによって、低親和性分析物結合ドメインを含むプローブを補うあらゆる試みを妨げる。そのため、これは、アッセイの感度及び定量的結果が得られ得る範囲を制限し得ることが分かってきている。
第3の近接プローブにスプリントオリゴヌクレオチドを連結する及び/又はスプリントオリゴヌクレオチドによって置き換えられるまで、近接プローブ上の核酸ドメインの遊離末端に結合する遮断オリゴヌクレオチドを使用する、などのような、非特異的なバックグラウンドシグナルを低下させるための他の方法が提唱されている。置き換えは、近接プローブが標的分析物に結合する場合のみ、容易に生じる(国際公開第2007/107743号パンフレット)。バックグラウンドシグナルを低下させるためのさらなる方法は、ライゲーションされる核酸の検出の改善に重点を置いてきた。
しかしながら、バックグラウンドシグナルのレベルを改善する余地がなおあり、当技術分野で知られている上述の近接アッセイ(特に近接ライゲーションアッセイ)の制限を克服するために、近接プローブの構造に類似する遮断試薬の使用がアッセイの感度及び特異性を顕著に改善することがこれまでに分かっている。好ましくは、本発明の遮断試薬は、近接プローブの追加前に試料と接触させる。近接プローブ、分析物、又はアッセイにおいて使用される他の構成成分に非特異的に結合することができる、試料における部位のいくつか又はすべてをふさぐことによって、アッセイ中に存在する非特異的なバックグラウンドシグナルを低下させることが可能である。
試料中の分析物の検出に使用される方法における、非特異的な結合部位をふさぐための試薬の使用はよく知られているが、本発明における遮断試薬の性質は、従来知られていた遮断試薬と比較して特有の予想外の長所を提供する。
一般に、遮断試薬は、当のアッセイの検出メカニズムに干渉しないが、そうでなければ分析物又はプローブに結合し得るアッセイ試料内の部位に非特異的かつ均一に結合する、比較的不活性で安定した分子であることを基準に選択される。イムノアッセイにおいて使用される遮断試薬などのような標準的な遮断試薬は、豊富で一般的なタンパク質、例えばBSA、粉ミルク、カゼイン、ゼラチン、及び中性洗剤(例えば、CHAPS、Triton X−100、Tween−20)から中性ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール)にまで及ぶ。核酸を含むアッセイでは、断片化された核酸(例えば、超音波処理されたサケ精子DNA、ポリA RNA)により非特異的な結合部位を遮断することは一般的である。さらに、アッセイにおいて非特異的なバックグラウンドシグナルを低下させるためにこれらの分子の組合せが使用されてもよいことが知られている。
しかしながら、本発明の遮断試薬は、遮断タンパク質が核酸にコンジュゲートされる又は連結される場合に見られる優れた遮断効果に依存する。特に、遮断試薬のタンパク質成分は、分析物に対する特異的な結合親和性が非常に低い、好ましくはそれがないタンパク質、すなわち非分析物特異的結合タンパク質又は非分析物特異的タンパク質である。本発明の好ましい態様において、遮断試薬のタンパク質成分は、近接プローブのタンパク質性分析物結合ドメインを模倣する又はそれに類似するように選択される。あるいは又はさらに、遮断タンパク質は、核酸ドメインへのプローブの分析物結合ドメインの結合を達成するために、近接プローブ中に存在する他のタンパク質又はタンパク質性部分、例えばストレプトアビジン又は近接プローブにおいて使用される類似のタンパク質に類似してもよい。したがって、遮断試薬がタンパク質−核酸コンジュゲートであり、遮断試薬は、それ自体、タンパク質(又はタンパク質性分子)(例えば分析物結合ドメイン)及び核酸のコンジュゲートである近接プローブを模倣する又はそれに類似することが分かる。近接プローブベースのアッセイにおいて非特異的なバックグラウンドシグナルの低下の改善をもたらすのは、これらの2つの試薬の連結である。実施例においてより詳細に示されるように、本発明は、当技術分野で知られている他の遮断試薬の使用と比較して著しい進歩を示す。特に、遮断試薬の非分析物特異的結合タンパク質成分又は遮断試薬の核酸成分の個別の使用では、近接プローブベースの検出アッセイにおいて非特異的なバックグラウンドシグナルを低下させるのに効果的でないことが示される。驚くべきことに、非分析物特異的結合タンパク質成分及び核酸成分がコンジュゲートされた形態において組み合わせて使用される場合に限り、遮断効果における劇的な改善が見られる。個々の非コンジュゲート構成成分を組み合わせて使用しても、コンジュゲートされた遮断試薬の効果は再現しない。したがって、非特異的なバックグラウンドシグナルの顕著で全く予想外の低下をもたらすのは、単一の遮断試薬を形成するためのこれらの2つの構成成分のコンジュゲーションである。さらに、本発明の遮断試薬は、近接プローブベースの検出アッセイにおいて使用されていた従来の遮断試薬より優れている。バックグラウンドシグナルにおけるそのような低下は、近接プローブ検出アッセイの特異性及び感度の両方の増加をもたらす。さらに、本発明の遮断試薬は、非特異的なバックグラウンドシグナルをさらに低下させるために他のステップと組み合わせて使用されてもよい。
したがって、本発明は、核酸ドメインに連結されたタンパク質性分析物結合パートナーを含む近接プローブを用いて試料中の分析物を検出する近接プローブベースの検出アッセイにおける、核酸に連結された非分析物特異的結合タンパク質のコンジュゲートの、遮断試薬としての使用を提供するものと考えることができる。
別の見方をすると、本発明のこの態様は、核酸ドメインに連結されたタンパク質性分析物結合パートナーを含む近接プローブの使用を含む、試料中の分析物を検出する方法であって、核酸に連結された非分析物特異的結合タンパク質のコンジュゲートが遮断試薬として使用される方法を提供する。
さらに他の態様から見ると、本発明は、試料中の分析物に対する近接プローブベースの検出アッセイにおいて、核酸ドメインに連結されたタンパク質性分析物結合パートナーを含む近接プローブの非特異的な結合を低下させる方法であって、核酸に連結された非分析物特異的結合タンパク質のコンジュゲートを含む遮断試薬を試料に追加するステップを含む方法を提供する。
しかしながら、本発明の遮断試薬の使用は、近接プローブを使用する方法にのみ制限される必要はない。近接プローブアッセイにおいて得られた好都合な結果を考慮すると(実施例を参照されたい)、遮断試薬は、単一の試薬として含む類似のプローブ(すなわち、タンパク質性分析物結合ドメイン及び核酸ドメインを含むプローブ)を使用する任意のアッセイ、例えば、イムノPCR及びイムノRCAなどのようなイムノアッセイにおいて同様に作用するであろうということが考えられる。
したがって、最も広義において、本発明は、核酸ドメインに連結されたタンパク質性分析物結合パートナーを含むプローブを用いて試料中の分析物を検出するプローブベースの検出アッセイにおける、核酸に連結された非分析物特異的結合タンパク質のコンジュゲートの、遮断試薬としての使用を提供するものと考えることができる。
別の見方をすると、本発明のこの態様は、核酸ドメインに連結されたタンパク質性分析物結合パートナーを含むプローブの使用を含む、試料中の分析物を検出する方法であって、核酸に連結された非分析物特異的結合タンパク質のコンジュゲートが遮断試薬として使用される、方法を提供する。
さらに他の態様から見ると、本発明は、試料中の分析物に対するプローブベースの検出アッセイにおいて、核酸ドメインに連結されたタンパク質性分析物結合パートナーを含むプローブの非特異的な結合を低下させる方法であって、核酸に連結された非分析物特異的結合タンパク質のコンジュゲートを含む遮断試薬を試料に追加するステップを含む方法を提供する。
本発明の一態様において、本発明の方法は、また、遮断試薬は、イムノアッセイにおける使用のためのものであり、好ましくは、イムノアッセイはイムノPCRである。イムノアッセイは、分析物の検出のために核酸ドメインに連結されたタンパク質性分析物結合パートナーを含むプローブを利用する、当技術分野で知られているアッセイのいずれかであってもよい。本発明の遮断試薬は、固定されている分析物を検出するために上述の単一のプローブを使用するイムノPCRアッセイ(例えば、米国特許第5,665,539号に記載のイムノPCRアッセイ)において特に有用であり得る。プローブは分析物との相互作用を介して固相上に捕捉され、プローブの核酸ドメインは増幅反応によって検出することができる。
本発明の代替の態様において、本発明の方法は、また、遮断試薬は、近接プローブベースのアッセイにおける使用のためのものであり、プローブは、近接プローブである。近接プローブベースの検出アッセイ(近接アッセイ)は、近接プローブを用いて試料中の分析物を検出する、当技術分野で知られているアッセイ(例えば上述のもの)のいずれかであってもよい。有利には、本発明は、アッセイにおける少なくとも2つの(又はすべての)近接プローブがタンパク質−核酸コンジュゲート(すなわち、核酸ドメインに連結されたタンパク質性分析物結合ドメインを含むコンジュゲート)に基づくアッセイとの関連において使用されてもよい。特に、そのようなアッセイは近接ライゲーションアッセイとなるであろうが、本発明は、ライゲーションに基づく近接プローブの核酸ドメイン間の相互作用の検出に限定されない(例えば、核酸ドメイン間の相互作用は、例えば国際公開第97/00446号パンフレット又は国際公開第01/61037号パンフレットに開示されるように、ハイブリダイゼーション又はハイブリダイゼーション及び伸長に基づくものであってもよい)。
したがって、1つの好ましい態様において、本発明は、試料中の分析物を検出するための方法であって、
(a)試料を、核酸に連結された非分析物特異的結合タンパク質を含む遮断試薬と接触させるステップと、
(b)試料を、少なくとも第1及び第2の近接プローブの少なくとも1つのセットとさらに接触させるステップであって、これらのプローブが各々、タンパク質性分析物結合ドメイン及び核酸ドメインを含み、分析物に同時に結合することができる、ステップと、
(c)近接プローブの分析物への結合の際に近接プローブの核酸ドメインが相互作用できるようにするステップであって、該相互作用がライゲーション反応を含む、ステップと、
(d)ライゲーションを検出するステップと、
を含む方法を提供する。
理論によって束縛されることを望むものではないが、本発明の方法は、そうでなければアッセイのプローブ又は他の構成成分に結合し、それによって分析物の検出に干渉するであろう、試料内の部位をふさぐ遮断試薬に依存すると考えられる。
したがって、本発明の遮断試薬及び本発明の方法における使用のための遮断試薬は、典型的に、それぞれのプローブより過剰に、好ましくはモル濃度過剰量で、例えば2〜100000倍、例えば20〜50000、50〜30000、100〜50000、100〜30000、1000〜20000、5000〜10000倍、例えば5、10、100、200、500、1500、3000、6000又は12500倍の過剰量で使用される。
検出はそれ自体、試料中の分析物の存在及びそのようなプローブが分析物に結合する場合、2つの(又はそれ以上の)近接プローブ間の相互作用の検出に依存する。それ故、プローブ間(より具体的には、核酸(又は他の機能性)ドメイン間)相互作用(例えば核酸ドメインと酵素ドメインとの間の相互作用)は近接依存性であり、近接プローブが分析物に結合することにより、それらが近接し、それら(特に核酸ドメイン)は相互作用し得る。したがって、相互作用(例えばライゲーション反応)の検出によって(例えば、相互作用産物(例えばライゲーション反応の産物)の検出によって)分析物が検出されてもよい。したがって、大まかに言えば、近接プローブの核酸/機能性ドメイン間(例えば、近接プローブの核酸ドメイン間又は核酸ドメインと近接プローブ上の他の機能性ドメインとの間)の相互作用は産物(典型的には核酸産物)の生成に至り得、この産物は、分析物を検出するために検出されてもよい。したがって、上記方法のステップ(d)において、ライゲーションを検出することによって(例えば、ライゲーション反応の産物を検出することによって)分析物が検出されてもよい。
上述のように、ライゲーションに基づく近接依存性のアッセイは本発明の好ましい実施形態に相当する(すなわち、検出方法において使用される少なくとも第1及び第2の近接プローブは核酸ドメインを含み、それらの間の相互作用はライゲーション反応を伴う)。全般的に見ると、プローブの核酸ドメインは媒介してもよい(例えば、ライゲーション反応に直接的又は間接的に参加してもよい)。そのようなライゲーション反応は近接プローブの核酸ドメインのライゲーションを含んでもよく、及び/又は核酸ドメインはライゲーション反応の鋳型になってもよい。
より具体的には、本発明の方法の一実施形態では、近接プローブは、互いに連結されることによって、例えばライゲーションによって相互作用してもよい。相互作用は、連結された産物(相互作用産物;ライゲーション産物)を検出することによって検出されてもよい。この方法のある形式では、核酸ドメインの相互作用は、1つ又は複数のスプリントオリゴヌクレオチドがドメインに結合し、かつそれらの相互作用を媒介するのを必要とし(特にライゲーションの場合には、ドメインにハイブリダイズし、かつライゲーション反応のための鋳型として作用するスプリントオリゴヌクレオチド)、スプリントは、この相互作用を支援する又は媒介する。上述の様々な近接アッセイの記載から十分に理解されるように、他の形式/実施形態では、スプリントは、第3の近接プローブの核酸ドメインとして提供されてもよい及び/又は核酸ドメインのライゲーションは直接的なものであっても(すなわち、核酸ドメインは互いに直接ライゲーションされても)間接的なものであってもよい、すなわち、それらは、例えばギャップオリゴヌクレオチドの仲介を介して間接的にライゲーションされてもよく、そのような一実施形態では、核酸ドメインは、それぞれの末端の間でギャップを残してスプリントオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしてもよく、このギャップは、ギャップオリゴヌクレオチドによって又はポリメラーゼ酵素を用いて、核酸ドメインのうちの一方の末端(遊離3’末端)を伸長することによって充填されてもよい。近接ライゲーションアッセイのそのような「ギャップ充填」の実施形態は、文献、例えば国際公開第01/61037号パンフレット又は国際公開第2007/107743号パンフレットに十分に記載されている。
さらなる特定の実施例では、近接プローブの1つ又は複数の核酸ドメインは、1つ又は複数の追加されたオリゴヌクレオチドのライゲーションの鋳型となるように作用してもよい。そのような一実施形態では、第1の追加されたオリゴヌクレオチドは、両方の核酸ドメインにハイブリダイズしてもよく、ドメインの一方のみ、例えば、核酸ドメインのそれぞれに1つずつハイブリダイズし、それぞれ、第1のオリゴヌクレオチドのそれぞれの末端に隣接し、核酸ドメインによって鋳型にされる反応において第1のオリゴヌクレオチドにライゲーションされてもよい、1つ又は複数のさらなるオリゴヌクレオチドが追加されてもよい。
代替の実施形態では、追加されるオリゴヌクレオチドはライゲーション反応によって環状化されてもよい(すなわち、上記パドロックプローブに類似する)。したがって、例えば、それぞれのプローブの分析物特異的結合部分に付加される、対の近接プローブの核酸ドメインは、それぞれ、追加された直線状オリゴヌクレオチド(「パドロックプローブ」に類似する)の(i)5’及び3’末端並びに(ii)該末端間の領域に対して相補性を有してもよい。近接プローブ対の両方のプローブが、同じ分析物への結合により近接すると、それぞれのプローブの核酸ドメインは、追加されたオリゴヌクレオチドのそれぞれの部分にハイブリダイズすることができる。追加されたオリゴヌクレオチドの5’及び3’末端に対して相補性を有する核酸ドメインは、該末端の近位のハイブリダイゼーション及びライゲーション(適切なリガーゼの追加と同時に)の鋳型となり、追加されたオリゴヌクレオチドの環状化をもたらす。次いで、この環状化されたオリゴヌクレオチドは、プライマーとして他の核酸ドメインを用いて、ローリングサークル増幅(RCA)によって検出され、ライゲーションされた末端の間の、追加されたオリゴヌクレオチドの領域にハイブリダイズする、対の他方のプローブの核酸ドメインは、遊離3’末端を有する。適切なポリメラーゼの追加に際して、試料中の分析物の存在は、環状化されたオリゴヌクレオチドのローリングサークル増幅(RCA)によって検出されてもよい。近接プローブが近接して結合する場合のみ形成され得るコンカテマーRCA産物は、分析物の検出のための「代理」マーカーを提供する。
単一の追加されたオリゴヌクレオチドは、ライゲーションされて環を形成し得る2つのオリゴヌクレオチドによって置き換えられ得ることは十分に理解されるであろう(そのようなライゲーションの鋳型には一方又は両方の核酸ドメインがなり得るが、ドメインのうちの一方は、プライマーとして作用するために遊離3’末端を有するであろう)。
近接プロービング反応はまた、例えば米国特許第7,306,904号及び第6,511,809号に記載のように、弱い相補性を有する近接プローブのそれぞれに1つずつ、2つの遊離3’末端を利用することによって実施することができ、近接すると、DNAポリメラーゼは、dNTPを追加することによってこれらの末端を伸長させ、したがって、検出可能なDNA鋳型を形成することができる。他のハイブリダイゼーション及び伸長形式もまた可能である。例えば、一方の核酸ドメインは遊離3’末端を有し、他方は遊離5’末端を有し、核酸ドメイン(又は特に核酸ドメインの一部分)は互いに又は一般的なハイブリダイゼーション鋳型にハイブリダイズしてもよい。あるいは、遊離3’末端を有する2つの核酸ドメイン(特にその一部分)は一般的なハイブリダイゼーション鋳型にハイブリダイズし、各場合において、ハイブリダイゼーションの後に利用可能な少なくとも1つの遊離3’末端があり、これは、検出可能な伸長産物を形成するように伸長されてもよい。近接伸長アッセイの様々な例はGB1101621.9に記載されている。
本発明の遮断試薬及び本発明の方法における使用のための遮断試薬は、その最も広い実施形態において、核酸ドメインに連結された非分析物特異的結合タンパク質成分を含む。
遮断試薬の非分析物特異的結合タンパク質成分は、近接プローブベースのアッセイの標的分析物に対する特異的な結合親和性が、非常に低い若しくは低い、すなわち、無視できる、検出不可能である若しくは軽微である、又はそれがないタンパク質として広く定義することができる。言い換えれば、それは、必ずしも独占的にではないが、特異的に分析物に結合することができ、非分析物構成成分も含む環境において分析物に優先的に結合するであろうタンパク質として定義することができる分析物特異的結合タンパク質の反対のものと見なすことができる。したがって、非分析物特異的結合タンパク質は、分析物に特異的に結合することができず、他の構成成分を含む環境において分析物に優先的に結合しないであろう。しかしながら、非分析物特異的結合タンパク質は、他の分子、例えば非分析物(近接プローブアッセイにおいて存在しない分子であってもよい)に特異的に結合することができてもよいが、遮断試薬の非分析物特異的結合タンパク質成分は、近接プローブベースのアッセイにおける任意の1つ又は複数の構成成分に対して特異的な結合親和性がないことが好ましい。すなわち、それは、そうでなければ分析物又はプローブに結合し得る分析試料内の部位に非特異的に又は均一にのみ結合することができることが好ましい。
したがって、遮断試薬、特に遮断試薬のタンパク質成分は、標的分析物に特異的に結合することができてはならない。よって、遮断試薬のタンパク質成分は、試料中の他の構成成分に対してよりも高い親和性及び/又は特異性で標的(例えば分析物)に結合してはならない。すなわち、標的分析物に対するあらゆる結合は、非標的分析物に対する結合と区別されなくてもよく、遮断試薬のタンパク質成分は、標的分析物に結合しない又は無視してよいほどに若しくは検出不能に結合するので、あらゆるそのような非特異的な結合は、それが生じる場合、他の非標的分析物への結合と区別されなくてもよい。遮断試薬及び試料中の任意の標的又は非標的分析物の間の結合は、典型的に、非共有結合である。
特に、遮断試薬のタンパク質成分が標的分析物に対して結合することができる場合、そのような結合は一時的なものでなければならず、結合親和性は、標的分析物に対する近接プローブの結合親和性未満でなければならない。したがって、標的分析物に対する遮断試薬のタンパク質成分の結合親和性は、近接プローブの分析物標的結合部位よりも少なくとも1オーダー低くなるべきである。好ましくは、遮断試薬のタンパク質成分の結合親和性は、近接プローブの分析物標的結合部位よりも少なくとも2、3、4、5又は6オーダー低くなるべきである。
したがって、分析物に対する特異的な結合親和性が非常に低い、低い、又はそれがないというのは、分析物に対する遮断試薬のタンパク質成分の解離定数が少なくとも10−2Mである場合である。「少なくとも」によって、分析物によってふさがれているタンパク質成分の50%の「結合部位」をもたらすために、遮断試薬のタンパク質成分の濃度がより高くなければならないことを意味する。本発明のアッセイとの関連において、上記範囲のKdは、遮断試薬に結合している低い割合の分析物のみをもたらすであろう。例えば、遮断試薬が10−4Mの濃度で存在し、分析物が10−9Mの濃度で存在し、分析物に対する遮断試薬のKdが10−2Mである場合、いつでも、遮断試薬:分析物複合体の濃度は10−11Mであると予想することができる、すなわち、全分析物のわずか1%が遮断試薬に結合するであろう。好ましい実施形態では、分析物に対する遮断試薬のタンパク質成分の解離定数は、少なくとも10−2M、10−1M、0.1M、1M、2M、5M、又は10Mである。したがって、特異的結合親和性なしというのは、遮断試薬のタンパク質成分の解離定数が、近接プローブ反応において使用される濃度で、非特異的な一時的な相互作用のみが分析物及び非分析物特異的結合タンパク質の間で生じるようなものであることを意味する。
別の言い方をすると、本発明の方法において使用される場合、10%未満の分析物が遮断試薬のタンパク質成分に結合するであろう。より好ましくは、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満又は1%未満の分析物が結合するであろう。最も好ましくは、0.5%未満、0.1%未満、0.01%未満又は0.001%未満の分析物が遮断試薬のタンパク質成分に結合するであろう。
非分析物特異的結合タンパク質は単一の種若しくはタイプのタンパク質であってもよく、又は異なるタンパク質、例えば、異なるタンパク質のタイプ若しくは同じタイプの異なる種の混合物であってもよい(この文脈において使用される用語「種」は、分類学の意味を有しておらず、むしろ、特定の特異的なタイプのタンパク質を示すように意図される)。例えば、タンパク質が特定の(非分析物)標的に対して結合特異性を有する場合、異なる特異性のタンパク質の混合物が使用されてもよい。そのような場合、タンパク質の混合物が、標的分析物に対して特異性を有するタンパク質を含まない、あるいは混合物中のいかなるタンパク質も標的分析物に対する特異的結合活性を有しない、あるいは標的分析物に対するあらゆる結合活性が、上述のように、非常に低い、例えば無視できる若しくは軽微である若しくは検出不可能であることが好ましい。
遮断試薬の非分析物特異的結合タンパク質成分は、好ましくは、血清タンパク質又はストレプトアビジン若しくはストレプトアビジン様タンパク質又はその修飾体、誘導体若しくは変異体又はそれらの組合せである。遮断試薬の非分析物特異的結合タンパク質成分が、以下でさらに定義される1つ又は複数の好ましいタンパク質を含む場合、これらのタンパク質は標的分析物に対するいかなる特異的結合親和性もおそらく有しないであろうということは理解されるであろう。
血清タンパク質成分は単一の特異的タイプの血清タンパク質であってもよく、又は異なるタイプ及び構造の複数のタンパク質を含んでもよい。特に、血清タンパク質成分はグロブリン及び/又はアルブミンタンパク質であってもよい。
ストレプトアビジン又はストレプトアビジン様タンパク質成分は、単一の特異的なタイプのストレプトアビジン若しくはストレプトアビジン様タンパク質又はその修飾体、誘導体若しくは変異体であってもよく、又はそれらのタンパク質の複数を含んでもよい。ストレプトアビジン様タンパク質は、ストレプトアビジン又はその修飾体、誘導体若しくは変異体に類似する構造的及び/又は機能的特性を有するタンパク質として定義することができる。例えば、鳥、爬虫類動物、及び両生動物由来の卵白中に見つけられるアビジンは、ストレプトアビジンに対してわずか30%の配列同一性しか示さないが、ストレプトアビジンに対してほとんど同一の二次、三次、及び四次構造を有し、ストレプトアビジン様タンパク質であると考えられる。アビジンはまた、それが、高度な親和性又は特異性によりビオチンに結合することができるという点でストレプトアビジンと機能的特性を共有する。
したがって、ストレプトアビジン又はストレプトアビジン様タンパク質の修飾体、誘導体又は変異体、例えば、断片又は切断型タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質又はポリペプチド、又は遺伝子工学によって得られた変異体、例えば天然に存在するストレプトアビジン又はアビジンタンパク質のアミノ酸配列に基づくが、1つ又は複数のアミノ酸置換、追加及び/又は欠失を含むポリペプチド、などもまた、本発明によって企図される。必ずしも天然に存在しなくてもよいが、構造的又は機能的に等価である、等価な又は対応するタンパク質もまた、含まれる。好ましくは、そのような修飾体は、アビジンの脱グリコシル化及び/又は中性形態を含む。本発明のストレプトアビジン又はストレプトアビジン様タンパク質は、単一の供給源又は複数の供給源由来、すなわち、単一のタイプの生物(例えば細菌又は動物)由来又は複数のタイプの生物(例えば細菌の異なる株又は動物の異なる種)由来のものであってもよい。合成して誘導された又は得られた、例えば、ストレプトアビジン及びストレプトアビジン様タンパク質の組換え形態もまた、企図される。好ましくは、本発明のストレプトアビジン又はストレプトアビジン様タンパク質は、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン(NeutrAvidin)(登録商標)、エクストラアビジン(Extravidin)(登録商標)及びニュートラライト(NeutraLite)(登録商標)からなるリストから選択される。本発明の特に好ましい実施形態では、遮断試薬のタンパク質成分はストレプトアビジンを含む。
血清タンパク質はグロブリン及びアルブミンタンパク質の両方を含み、血漿に由来し、細胞及び血小板が除去された場合に残る血液の画分として定義されてもよい。特に、血清は、細胞、フィブリノゲン、又は任意の他の血液凝固因子を含有しない血漿の画分として定義されてもよい。したがって、血清タンパク質は、血清から得られてもよい(若しくは得られるものであってもよい)又は血清中に存在してもよい任意のタンパク質であってもよい。血清タンパク質は、血清中に存在してもよい若しくは血清から得られてもよい単一のタンパク質又はそのようなタンパク質の混合物であってもよく、又は血清由来のタンパク質画分若しくはタンパク質成分であってもよい。本発明の遮断試薬のタンパク質成分は、一般に血清タンパク質を含んでもよい、すなわち、血清タンパク質は、特定のタンパク質成分の分離を伴うことなく、一般に血清の血清タンパク質成分によって示されてもよい。言い換えれば、血清タンパク質は、血清中に存在し、分離されてもよいタンパク質の混合物であってもよい。したがって、本発明の遮断試薬における血清タンパク質は、グロブリン及びアルブミン、好ましくはγ−グロブリン(免疫グロブリン)及び/又は血清アルブミンの両方を含んでもよい。該血清タンパク質は、単一の血液供給源又は複数の血液供給源由来、すなわち、異なる動物個体由来及び/又は異なるタイプの動物由来のものであってもよい。したがって、異なる種の又は異なる種由来(例えば、任意の哺乳動物の種由来)の血清タンパク質が使用されてもよい。血清タンパク質の天然供給源は好適であるが、血清タンパク質は、例えば組換え発現によって又は天然に存在するタンパク質の誘導体化によって合成的に得られてもよい。したがって、血清中に天然に存在してもよい任意のタンパク質だけではなく、その変異体及び誘導体、例えば、断片又は切断型タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質又はポリペプチド、又は遺伝子工学によって得られた変異体、例えば天然に存在する血清タンパク質のアミノ酸配列に基づくが、1つ又は複数のアミノ酸置換、追加及び/又は欠失を含むポリペプチド、などもまた、用語「血清タンパク質」の範囲内に含まれる。必ずしも血清中に存在しなくてもよいが、構造的又は機能的に等価である、等価な又は対応するタンパク質もまた含まれる。
グロブリンタンパク質、偽性グロブリン及び真性グロブリンは動植物界の至る所で広く見出され、溶解性及び電気泳動移動度などのようなそれらの物理的性質によって特徴づけられる。例えば、偽性グロブリンは水及び希釈食塩水の両方において可溶性であるが、真性グロブリンは水において不溶性であり、希釈食塩水において可溶性である。両方のサブクラスのグロブリンは熱によって凝固性である。任意のそのようなグロブリンタンパク質が本発明において使用されてもよい。したがって、概して、本発明の遮断試薬は任意のグロブリンタンパク質を含んでもよい。以下でより詳細に記載されるように、アルブミンタンパク質が使用されてもよく、したがって、本発明の遮断試薬は任意のアルブミンタンパク質を含んでもよい。
グロブリンタンパク質の有力な供給源は、血漿及び血清、ミルク、筋肉、並びに植物種子である。特に、用語「グロブリン」は、高分子量並びにアルブミンよりも低い溶解性及び電気泳動移動速度の両方を有するとして分類される、血清中に見つけられる、異種のグループのタンパク質、血清の主成分を構成する他のクラスのタンパク質を包含する。
したがって、本発明の遮断試薬のための好ましい血清タンパク質は、血清グロブリンであり、血清グロブリンは、4つの主なクラスのタンパク質、すなわちα−1グロブリン、α−2グロブリン、β−グロブリン、及びγ−グロブリンを含んでもよい。しかしながら、血清がフィブリノゲン及び他の凝固因子を除去するために処理された場合、血清タンパク質は、グロブリンのサブセットのみ、主にγ−グロブリンを含むことが当業者によって理解されるであろう。遮断試薬の好ましい血清タンパク質は、血清タンパク質のグロブリン画分が少なくとも70%のγ−グロブリン、好ましくは80%、最も好ましくは少なくとも90%のγ−グロブリンを含む、血清タンパク質である。
α−グロブリンは、アルカリ性又は電気的に荷電した溶液中で高度に移動性となるそれらの能力によって特徴づけられ、α−1抗トリプシン及び血清アミロイドA(α−1グロブリン)並びにハプトグロビン及びセルロプラスミン(α−2グロブリン)を含む。β−グロブリンは、α−グロブリンほどアルカリ性又は電気的に荷電した溶液中で移動性でもないことによって特徴づけられるが、γ−グロブリンよりも移動性であり、プラスミノーゲン及びトランスフェリンを含む。したがって、γ−グロブリンは、α−及びβ−グロブリンの両方ほどアルカリ性又は電気的に荷電した溶液中で移動性でもなく、主なタイプのタンパク質として、免疫グロブリン(抗体)を含む。抗体は、当技術分野において十分に記載されており、様々なグループ、一般に、IgG、IgE、IgD(すべて単量体)、IgA(二量体)、及びIgM(五量体)に分類されてもよい。
本発明の好ましい実施形態では、遮断試薬のタンパク質成分はγ−グロブリン、特に免疫グロブリンを含む。遮断試薬の好ましいクラスの免疫グロブリンはIgGである。特に好ましい実施形態では、遮断試薬のタンパク質成分はバルクIgG、すなわち、様々な結合特異性及び親和性を有する複数の免疫グロブリン(IgG)タンパク質を含む血清から精製された免疫グロブリンである。バルクIgGは、したがって、異なる特異性を有する異なるIgGタンパク質、すなわち、異なる特異性を有するIgGタンパク質の混合物を含む。好ましくは、異なる特異性は非標的分析物特異的結合特異性である。遮断試薬のタンパク質成分は、特異的構造、すなわち結合の特徴を有する免疫グロブリンタンパク質(又は後述のアルブミンタンパク質)を含んでもよいものとするが、この特徴は、その免疫グロブリンの結合特性が分析物の検出に干渉しない場合のみ役に立つ、すなわち、上述のように、また、以下で詳細に説明されるように、遮断試薬のタンパク質成分は分析物に対する特異性及び親和性により結合することができてはならない。そのため、好ましくは、遮断剤のIgG成分、特にバルクIgGは標的分析物に対する特異的結合活性がない、あるいは生じる標的分析物への結合は上述のように低い(例えば、軽微である、無視できる又は検出不可能である)。重要なポイントは、標的分析物に対する遮断試薬のいかなる結合もアッセイの性能に干渉するようなものでないということである。したがって、免疫グロブリン成分(例えば、IgG又はバルクIgG)は標的分析物への結合活性がないか、又は低い(若しくは非常に低い)結合活性を有する。
遮断試薬の血清タンパク質成分として特に興味深いのは、抗体、好ましくはIgG抗体並びにその結合断片及び誘導体又はミメティックである。そのため、遮断試薬のタンパク質成分は、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体であってもよい。さらに他の実施形態では、遮断試薬のタンパク質成分は、抗体結合断片又はその誘導体若しくはミメティックであり、これらの断片、誘導体、及びミメティックは、標的分析物に対する結合親和性を持たない。例えば、Fv、F(ab)2、及びFabなどのような抗体断片は、インタクトなタンパク質の切断によって、例えばプロテアーゼ又は化学的な切断によって、調製されてもよい。さらに、興味深いのは、単鎖抗体若しくはscFv又はキメラ抗体若しくはCDR移植抗体などのような他の抗体誘導体などのような組換えで又は合成して生成される抗体断片又は誘導体であり、そのような組換えで又は合成して生成される抗体断片は上記抗体の結合の特徴を保持する。すなわち、それらは、標的分析物に対して特異的に結合することができない。そのような抗体断片又は誘導体は、一般に、本発明の抗体の結合の特徴を保持するために本発明の抗体のVH及びVLのドメインを少なくとも含む。遮断試薬のタンパク質成分の場合には、結合の特徴は、それらが標的分析物に結合しないようなものである。本発明のそのような抗体断片、誘導体又はミメティックは、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,851,829号及び第5,965,371号に記載の方法などのような任意の適当な方法を用いて容易に調製されてもよい。
上記抗体、その断片、誘導体及びミメティックは市販の供給源から得られてもよく、及び/又は任意の適当な技術を用いて調製されてもよい。その組換え誘導体を含むポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、その断片、誘導体、及びミメティックを生成するための方法は当業者らに知られている。
アルブミンは、上述のように、血漿及び血清の他の主成分を形成し、このクラスのタンパク質は、水中でのそれらの溶解性及び熱処理に対して凝結する傾向において注目すべきである。したがって、代替の実施形態では、遮断試薬のタンパク質成分は血清アルブミンタンパク質を含んでもよい。血清アルブミンが免疫グロブリン(γ−グロブリン)と著しい構造的類似性を示すことは注目すべきである。本発明の遮断試薬のための血清アルブミンは、単一の供給源、例えばウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)などに由来していてもよく、又は異なる血清アルブミンタンパク質の組合せであってもよい。
好ましい実施形態では、遮断試薬のタンパク質成分は、上記血清タンパク質に由来する場合、血清タンパク質は近接プローブのタンパク質性標的分析物結合ドメインと同じ種に由来する。したがって、例えば、近接プローブの分析物結合ドメインが免疫グロブリン、例えばIgGを含む又はそれに基づく場合、遮断試薬のタンパク質成分は同じ種由来のIgG、好ましくはバルクIgGから成る。
遮断試薬の核酸ドメインは、同種のドメイン、すなわち、遮断試薬のタンパク質成分に連結された単一の配列又は異種のドメイン、すなわち、遮断試薬のタンパク質成分のタンパク質上に存在する異なる配列を有する複数の異なる配列を含んでもよい。
遮断試薬の核酸ドメインは、それが本発明の方法における分析物の検出に干渉しないということに基づいて選択される。言い換えれば、遮断試薬の核酸ドメインは、アッセイにおいて使用される近接プローブの核酸ドメインに対してかなりの配列同一性を有してはならない。さらに、任意の他の核酸分子(例えばオリゴヌクレオチド)がアッセイ方法に追加される又はアッセイ方法において使用される場合、例えば、1つ又は複数のスプリントオリゴヌクレオチド及び/又はギャップ/カセットオリゴヌクレオチド(例えば後述のもの)及び/又はライゲーションのための追加されるオリゴヌクレオチド(「ライゲーション可能なオリゴヌクレオチド」又は「ライゲーション基質」)及び/又は遮断オリゴヌクレオチド(後述)が、近接プローブの核酸ドメイン間の相互作用を媒介する(又は支援する)ように使用される場合、遮断試薬の核酸ドメインは、それらのオリゴヌクレオチドに対してかなりの配列同一性を有してはならない。さらに、遮断試薬の核酸ドメインは、分析物にハイブリダイズしてはならない又は第1及び第2の近接プローブの核酸の相互作用を検出するための方法に干渉してはならない、すなわち、増幅、例えばPCRなどにおいて使用されるプライマーに対して配列同一性を有してはならない。
したがって、遮断試薬の核酸ドメインの配列は、それが、アッセイにおいて使用される近接プローブの核酸ドメイン若しくは任意の他のオリゴヌクレオチド(例えば、反応混合物に追加される、すなわち、もとの試料中に存在しないスプリントオリゴヌクレオチド及び/又はライゲーション基質(すなわちライゲーション可能なオリゴヌクレオチド))又は特に標的分析物が核酸である場合、分析物とハイブリダイズしない限り重要ではない。一般に、遮断試薬の核酸の配列は、試料中に存在し、方法の標的分析物でない核酸どうしの間以外のハイブリダイゼーション事象の発生を回避するように選ばれるべきである。一旦配列が選択されたら又は同定されたら、核酸ドメインは任意の適当な方法を用いて合成されてもよい。
かなりの配列同一性がないというのは、遮断試薬の核酸ドメインが、アッセイにおいて使用される近接プローブの核酸ドメイン、スプリント若しくは他のオリゴヌクレオチド(例えば、近接プローブの核酸間の相互作用を媒介する若しくは支援するオリゴヌクレオチド)又は近接プローブ間の相互作用を検出する際に使用される核酸に対して80%未満の配列同一性を有しなければならないことを意味する。好ましくは、遮断試薬の核酸ドメインは、当の核酸の実質的な部分にわたって70%未満、60%未満、50%未満又は40%未満の配列同一性を有しなければならない。本発明の特に好ましい実施形態では、遮断試薬の核酸ドメインは、1つ又は複数のランダムに生成された核酸配列を含む。配列同一性は、例えばBLASTアライメントアルゴリズムを使用する公知の任意の適切な方法によって決定されてもよい。
したがって、遮断試薬の核酸は、一本鎖核酸分子(例えばオリゴヌクレオチド)、部分的に二本鎖で部分的に一本鎖の分子、又は二本鎖領域及び2つの核酸鎖が相補的ではなく、そのため一本鎖である領域を含む二本鎖分子であってもよい。そのため、ある実施形態では、核酸ドメインは、一本鎖核酸から構成される。他の実施形態では、核酸ドメインは、2つの部分的に相補的な核酸鎖から構成されてもよく、2つの鎖は、ハイブリダイズした領域及びハイブリダイズしていない領域を含む。
遮断試薬の核酸ドメインは、通常約8〜約1000ヌクレオチド長の範囲にあり、ある実施形態では、それらは約8〜約500ヌクレオチド長(例えば、約8〜約250ヌクレオチド長、約8〜約160ヌクレオチド長、約12〜約150ヌクレオチド長、約14〜約130ヌクレオチド長、約16〜約110ヌクレオチド長、約8〜約90ヌクレオチド長、約12〜約80ヌクレオチド長、約14〜約75ヌクレオチド長、約16〜約70ヌクレオチド長、約16〜約60ヌクレオチド長)の範囲にあってもよい。ある代表的な実施形態では、核酸ドメインは、約10〜約80ヌクレオチド長、約12〜約75ヌクレオチド長、約14〜約70ヌクレオチド長、約34〜約60ヌクレオチド長、及び明示される範囲内の任意の長さであってもよい。いくつかの実施形態では、核酸ドメインは、通常、約28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、44、46、50、55、60、65又は70ヌクレオチド長より大きくない。
遮断試薬の核酸ドメインは、リボヌクレオチド及び/又はデオキシリボヌクレオチド並びにワトソンクリックタイプ又は類似の塩基対相互作用に参加することができる合成ヌクレオチド残基から構成されてもよい。したがって、核酸ドメインは、DNA又はRNA又はその任意の修飾体、例えばPNA又は非ヌクレオチド主鎖を含有する他の誘導体であってもよい。
したがって、極端には、本発明の遮断試薬は、複数の核酸に連結された複数のタンパク質又はすべて同じ配列から成る核酸に連結された、先に定義される単一のタイプのタンパク質又はその任意の組合せを含んでもよい。
本発明の特に好ましい実施形態では、遮断試薬は、ランダムなオリゴヌクレオチドに連結されたバルクIgGを含み、該オリゴヌクレオチドは一本鎖DNAである。さらに、好ましくは、オリゴヌクレオチドは少なくとも40ヌクレオチド長である。
核酸ドメインは、遮断試薬のタンパク質成分に連結され、この「連結」又は結合は、当技術分野で知られている任意の手段によるものであってもよく、これは、所望の又は好都合なものであってもよく、直接的又は例えば連結基を介しての間接的なものであってもよい。例えば、ドメインは、共有結合(例えば化学的架橋)によって又は非共有結合性会合によって(例えば、ストレプトアビジン−ビオチンベースの連結(一方のドメイン上に提供されるビオチン及び他方に提供されるストレプトアビジン)を介して)互いに結合されてもよい。遮断試薬のタンパク質成分がストレプトアビジン若しくはストレプトアビジン様タンパク質又はその修飾体、誘導体若しくは変異体である場合、ビオチン分子は、オリゴヌクレオチド分子上に提供される。しかしながら、ストレプトアビジン若しくはストレプトアビジン様タンパク質又はその修飾体、誘導体若しくは変異体は、直接、すなわち共有結合によってかつビオチンの不存在下で遮断試薬のオリゴヌクレオチドに連結されてもよいものとする。上述のように、構成成分が連結されていない、単独で又は組み合わせて使用される構成成分と比較して、遮断試薬の優れた効果をもたらすのは、遮断試薬の2つの構成成分を連結するこの態様である。
遮断試薬の2つの構成成分は、結合を通して直接的に又は連結基を通して間接的に連結される。連結基が使用される場合、そのような基は、連結基を通して核酸ドメイン及びタンパク質成分の共有結合をもたらすように選ばれてもよい。興味深い連結基は、タンパク質成分の性質に依存して広く変動してもよい。連結基は多くの実施形態において生物学的に不活性である。様々な連結基は当業者らに知られており、本発明の遮断試薬において使用可能である。代表的な実施形態では、連結基は、一般に、少なくとも約50ダルトン、通常、少なくとも約100ダルトンであり、1000ダルトン又はそれ以上であってもよく、連結基がスペーサーを含有する場合、例えば1000000ダルトンまでであるが、一般に、約500ダルトンを超えないであろう、また、通常、約300ダルトンを超えないであろう。一般に、そのようなリンカーは、核酸ドメイン又はタンパク質成分に共有結合することができる、反応性官能基を有する両端で終了するスペーサー基を含むであろう。興味深いスペーサー基は、脂肪族鎖及び不飽和炭化水素鎖、酸素(ポリエチレングリコールなどのようなエーテル)若しくは窒素(ポリアミン)などのような、ヘテロ原子を含有するスペーサー、ペプチド、炭水化物、おそらくヘテロ原子を含有してもよい環式、又は非環式系を含んでもよい。スペーサー基はまた、金属イオンの存在が2つ以上のリガンドを配位結合して複合体を形成するように、金属に結合するリガンドから構成されてもよい。特定のスペーサーエレメントは、1,4−ジアミノヘキサン、キシリレンジアミン、テレフタル酸、3,6−ジオキサオクタン二酸、エチレンジアミン−N,N−ジ酢酸、1,1’−エチレンビス(5−オキソ−3−ピロリジンカルボン酸)、4,4’−エチレンジピペリジンを含む。反応性官能基になり得るものとしては、例えば、求核性の官能基(アミン、アルコール、チオール、ヒドラジド)、求電子性の官能基(アルデヒド、エステル、ビニルケトン、エポキシド、イソシアネート、マレイミド)、付加環化反応、ジスルフィド結合の形成、又は金属への結合が可能な官能基が挙げられる。より具体的には、第一級及び第二級アミン、ヒドロキサム酸、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミジルカルボネート、オキシカルボニルイミダゾール、ニトロフェニルエステル、トリフルオロエチルエステル、グリシジルエーテル、ビニルスルホン、及びマレイミドを含む。本発明の遮断試薬において使用可能な特定のリンカー基は、ヘテロ官能性(heterofunctional)化合物、例えばアジドベンゾイルヒドラジド、N−[4−(p−アジドサリチルアミノ)ブチル]−3’−[2’−ピリジルジチオ]プロピオンアミド)、ビス−スルホスクシンイミジルスベレート、ジメチルアジピミデート、ジスクシンイミジルタルトレート、N−マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、N−スクシンイミジル[4−アジドフェニル]−1,3’−ジチオプロピオネート、N−スクシンイミジル[4−ヨードアセチル]アミノ安息香酸、グルタルアルデヒド、及びスクシンイミジル−4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SPDP)、4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SMCC)、並びにその他同種のものを含む。
本発明の好ましい実施形態では、遮断試薬の非分析物特異的結合タンパク質成分と核酸ドメインを連結するために使用されるリンカーは、近接プローブの核酸ドメインをタンパク質性分析物結合ドメインに連結するリンカーと同じである。
本発明の方法において使用される遮断試薬は、任意の適当な方法を用いて調製されてもよい。しかしながら、一態様において、本発明はまた、遮断試薬を製造するための方法であって、
(a)血液から血清タンパク質を抽出するステップと、
(b)核酸を調製するステップと、
(c)(a)のタンパク質を(b)の核酸と連結するステップと、
を含む方法を提供する。
血清タンパク質、核酸及び連結は上述のものであってもよい。本発明の好ましい態様において、血清タンパク質はバルクIgGである。
したがって、好ましい態様において、本発明は、核酸ドメインに連結されたバルクIgGを含む遮断試薬を提供する。より一般に見ると、本発明のこの態様は、核酸分子(又は別の言い方をすると核酸ドメイン)に連結されたバルクIgGを含むコンジュゲートを提供するものと考えることができる。
さらに好ましい態様において、本発明は、核酸ドメインに連結されたアルブミンタンパク質を含む遮断試薬を提供する。より一般に見ると、本発明のこの態様は、核酸分子(又は別の言い方をすると核酸ドメイン)に連結されたアルブミンタンパク質を含むコンジュゲートを提供するものと考えることができる。好ましくは、アルブミンタンパク質は血清アルブミンタンパク質(例えばBSA又はHSA)である。
本発明のこれらの態様において、核酸ドメイン/分子は上述のものであってもよい。
好ましい実施形態(特に上述の本発明の態様のものを含む)では、核酸は、ランダムな配列の1つ又は複数のオリゴヌクレオチド、すなわち、単一のランダムに生成されたオリゴヌクレオチド又は各々異なるランダムな配列を有する複数のオリゴヌクレオチドを含む。
したがって、本発明はまた、上記方法によって得られる又は入手可能な遮断試薬及び本発明の遮断試薬を含む試料中の分析物を検出するためのキットも提供する。該キットは、1つ又は複数の近接プローブ、方法における使用のための1つ又は複数のさらなるオリゴヌクレオチド(例えばスプリントオリゴヌクレオチド、ギャップオリゴヌクレオチド、及び/又はライゲーション可能なオリゴヌクレオチド)、並びに近接プローブの相互作用を達成する及び/又は検出するための手段をさらに含んでもよい(以下で詳細に説明される)。
用語「検出すること」は、分析物の存在(すなわち、それが存在するかどうか)を決定するための任意の手段又は分析物の測定の任意の形態を含むように広く本明細書において使用される。したがって、「検出すること」は、形はどうあれ、分析物の存在又は不在又は量又は位置を決定する、測定する、評価する、又はアッセイすることを含んでもよい。半定量的を含む、定量的及び質的決定、測定、又は評価が含まれる。そのような決定、測定、又は評価は、例えば、試料中の2つ以上の異なる分析物が検出されている場合、相対的であっても絶対的であってもよい。そのため、試料中の標的分析物を定量化することとの関連において使用される用語「定量化する」は、絶対的な又は相対的な定量化を指すことができる。絶対的な定量化は、既知濃度の1つ若しくは複数の対照分析物の包含及び/又は知られている対照分析物に伴う標的分析物の検出レベルを参照すること(例えば標準曲線の生成を通して)によって達成されてもよい。あるいは、相対的な定量化は、2つ以上の異なる分析物の各々の、すなわち互いに比べた相対的な定量化を提供するために、2つ以上の異なる標的分析物の間の検出レベル又は量の比較によって達成することができる。
「分析物」は、本発明の方法によって検出することが所望される任意の物質(例えば分子)又は要素でよい。分析物は、本発明のアッセイ方法の「標的」である。分析物は、したがって、検出することが所望され得る任意の生体分子又は化学化合物でよく、例えばペプチド又はタンパク質又は核酸分子又は有機分子及び無機分子を含む小分子であってもよい。分析物は、細胞又はウイルスを含む微生物又はその断片若しくは産物であってもよい。そのため、分析物は、それに対して特異的な結合パートナー(例えば親和性結合パートナー)を開発することができる任意の物質又は要素とすることができることが分かるであろう。近接プローブベースのアッセイの場合には、必要であるのは、分析物が少なくとも2つの結合パートナー(特に、少なくとも2つの近接プローブの分析物結合ドメイン)に同時に結合することができることだけである。他のプローブベースの検出アッセイ、例えばイムノPCR、イムノRCAなどの場合には、分析物が少なくとも1つの結合パートナーに結合することができることで十分である。プローブベースの検出アッセイ、例えば本発明のアッセイなどのような近接プローブベースのアッセイは、タンパク質又はポリペプチドの検出において特に有用であることが分かってきた。特に興味深い分析物は、したがって、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質若しくはプリオン、又はタンパク質若しくはポリペプチド成分などを含む任意の分子、又はその断片などのようなタンパク質性分子を含んでもよい。分析物は、単一の分子又は互いに共有結合されてもよい若しくはされなくてもよい、また、同じであってもよい若しくは異なっていてもよい2つ以上の分子サブユニットを含有する複合体であってもよい。したがって、細胞又は微生物に加えて、そのような複合体分析物はまた、タンパク質複合体又はタンパク質相互作用であってもよい。そのような複合体又は相互作用は、したがって、ホモ又はヘテロ多量体であってもよい。分子の集合体、例えば、タンパク質はまた、標的分析物、例えば同じタンパク質又は異なるタンパク質の集合体であってもよい。分析物はまた、タンパク質又はペプチド及びDNA又はRNAなどのような核酸分子の間の複合体であってもよい。特に興味深いのは、タンパク質と核酸、例えば、転写因子などのような調節因子とDNA又はRNAの間の相互作用であってもよい。
すべての生物学的及び臨床的試料、例えば、生物の任意の細胞若しくは組織試料又はそれに由来する任意の体液若しくは調製物及び細胞培養物、細胞製剤、細胞溶解物などのような試料が含まれる。環境試料、例えば土壌及び水試料又は食品試料もまた、含まれる。試料は新たに調製されてもよく、又は例えば保存のために任意の適当な方法で前処理されてもよい。
代表的な試料は、したがって、生体分子を含有してもよい任意の物質又は例えば食品及び関連する産物、臨床的及び環境試料を含む任意の他の所望の若しくは標的分析物を含む。試料は、すべての原核又は真核細胞、ウイルス、バクテリオファージ、マイコプラズマ、プロトプラスト、及び細胞小器官を含む任意のウイルス又は細胞性物質を含有してもよい生物学的試料であってもよい。そのような生物学的物質は、したがって、ラン藻類、菌類、細菌、原生動物などを含む、すべてのタイプの哺乳動物及び非哺乳動物細胞、植物細胞、藻類を含んでもよい。代表的な試料は、したがって、全血並びに血漿、血清、及び軟膜などのような血液由来の産物、血球、尿、糞便、脳脊髄液若しくは任意の他の体液(例えば呼吸器系分泌物、唾液、乳汁など)、組織、生検材料、細胞培養物、細胞浮遊液、調整培地、又は細胞培養物構成成分の他の試料、などを含む。試料は、例えば細胞溶解又は精製、分析物の単離などによって、本発明の方法における使用のために調整するために、任意の適当な又は所望の方法であらかじめ処理されてもよい。
本発明の検出方法において使用されるプローブ(例えば近接プローブ)は、タンパク質性分析物結合ドメイン及び好ましくは核酸ドメインである機能性ドメインを含むが、上述のように、近接アッセイにおいて使用される1つ又は複数の近接プローブは、酵素などのような異なる官能基を含んでもよい。近接プローブは、実質上、分析物に結合する(分析物結合ドメインを介して)検出プローブであり、この結合は、そのような結合に際してその機能性(例えば核酸)ドメインの間に生じる相互作用を検出する手段によって検出されてもよい(分析物を検出するために)。他のプローブ(例えばイムノPCR又はイムノRCAプローブ)は検出プローブとして機能してもよく、分析物に対する検出プローブの結合は分析物の存在を検出するために検出される。したがって、機能性ドメインが核酸分子である場合、プローブは分析物に対する核酸タグ親和性リガンド又は結合パートナーとして見られてもよく、分析物結合ドメインは親和性結合パートナーであり、核酸ドメインは核酸タグである。核酸ドメインは分析物結合ドメインに連結され、上述のように、この「連結」又は結合は、当技術分野で知られている任意の手段によるものであってもよく、これは所望の又は好都合なものであってもよく、直接的又は例えば連結基を介しての間接的なものであってもよい。タンパク質が核酸に連結されてもよい方法の例は上述の通りである。好ましくは、プローブ(例えば近接プローブ)の分析物結合ドメイン及び核酸ドメインを連結するために使用されるリンカー又は手段は遮断試薬のリンカー又は手段と同じである。
分析物結合ドメインは、標的分析物に対する任意の結合パートナーであってもよく、分析物結合ドメインは、標的分析物に対する直接的な結合パートナー又は間接的な結合パートナーであってもよい。したがって、分析物結合ドメインは、標的分析物に対して直接的に又は標的分析物に結合する媒介分子若しくは結合パートナーを介して間接的に結合してもよい。間接的に結合する場合、分析物結合ドメインは媒介分子(結合パートナー)に結合する。特に、分析物結合ドメイン又は媒介結合パートナーは、分析物に対して特異的な結合パートナーである。結合パートナーは、その標的、例えば標的分析物に結合することができる任意の分子又は要素であり、特異的結合パートナーは、その標的(例えば標的分析物)に対して特異的に結合することができるパートナーである、すなわち、結合パートナーは、試料中の他の構成成分に対してよりも高い親和性及び/又は特異性で標的(例えば分析物)に結合する。したがって、標的分析物に対する結合は、非標的分析物と区別されてもよく、特異的結合パートナーは、非標的分析物に結合しない又は無視してよいほどに若しくは検出不能に結合する又は任意のそのような非特異的な結合は、それが生じる場合、区別されてもよい。標的分析物及びその結合パートナーの間の結合は、典型的に、非共有結合である。
分析物結合ドメインは、標的分析物に対して高度な結合親和性を有するように選択されてもよい。高度な結合親和性によって、少なくとも約10−4M、通常少なくとも約10−6M以上、例えば10−9M以上の結合親和性を意味する。分析物結合ドメインは、近接プローブの一部として存在する場合に、標的タンパク質に対して必要な結合親和性を示す限り、様々な異なるタイプの分子のいずれかであってもよい。他の実施形態では、分析物結合ドメインは、その標的分析物に対して中程度の又は低い、例えば約10−4M未満の親和性を有するリガンドであってもよい。
本発明の検出方法において、少なくとも1つのプローブ(例えば近接プローブ)の(好ましくは少なくとも2つの又はより好ましくはすべての近接プローブの)分析物結合ドメインはタンパク質性分子である。したがって、分析物結合ドメインは、小さなペプチド分子又はより大きなポリペプチド又はタンパク質であってもよい。ペプチドは、例えば、約5〜約100アミノ酸残基、通常約5〜約50残基、より通常では約10〜約30残基のサイズの範囲にあってもよい。大きなポリペプチド又はタンパク質によって、約100アミノ酸残基以上のサイズの範囲にある分子が意味される。分析物結合ドメインとして特に興味深いのは、抗体並びにその結合断片及び誘導体又はミメティックである。抗体が分析物結合ドメインである場合、それらは、特異性が異なる抗体の異種の集団が同じタグ核酸(核酸ドメイン)によりそれぞれ「タグ付け」されたポリクローナル組成物又は標的分析物に対して同じ特異性を有する同一の抗体の同種の集団が同じ核酸によりそれぞれタグ付けされたモノクローナル組成物に由来していてもよい。そのため、分析物結合ドメインはモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体であってもよい。さらに他の実施形態では、親和性結合ドメインは抗体断片又はその誘導体若しくはミメティックであり、これらの断片、誘導体及びミメティックは標的分析物に対して必要な結合親和性を有する。抗体、その抗体断片、ミメティック及び誘導体の例は上述の通りであり、本発明では、親和性結合ドメインが任意のタイプのこれらの分子であってもよいものとするが、ただし、それらが標的分析物に対する必要な結合親和性を有することを条件とする。
重要なことには、分析物結合ドメインは、その標的分析物に対する分析物結合ドメインの結合親和性を本質的に消滅させることなく核酸ドメインに共有結合することができる部分を含む分析物結合ドメインである。
本発明の方法の一実施形態では、プローブ(例えば近接プローブ)は多価(近接)プローブであってもよい。そのような多価(近接)プローブは、少なくとも1、好ましくは1を超える核酸にコンジュゲートされた少なくとも2、多いと100の分析物結合ドメインを含む。
セット中の近接プローブのそれぞれの分析物結合ドメインに対する分析物上の結合部位は同じであっても異なっていてもよい。したがって、例えば、2つ以上の同一のサブユニット又はタンパク質成分を含むホモマータンパク質複合体又は集合体の場合には、2つ以上のプローブの分析物結合ドメインは、同じであってもよい。分析物が、単一の分子である又は異なるサブユニット若しくは構成成分(例えば異なるタンパク質のヘテロマー複合体又は集合体)を含む場合、分析物結合ドメインは、異なるであろう。
近接プローブの核酸ドメインの長さが、様々な分子の距離に及ぶように構築することができるので、分析物結合ドメインに対する分析物上の結合部位は、同じ分子上にある必要がない。それらは、別々であるが、接近して位置する分子上にあってもよい。例えば、細菌若しくは細胞又はウイルスなどのような生物の又はタンパク質複合体若しくは相互作用の複数の結合ドメインは、本発明の方法によって標的にすることができる。
上述のように、分析物結合ドメインは分析物に直接的又は間接的に結合してもよい。間接的な結合の場合には、標的分析物には、最初に特異的結合パートナー(又は親和性リガンド)が結合し、プローブ(例えば近接プローブ)の分析物結合ドメインが特異的結合パートナーに結合してもよい。これは、一般的な試薬としてのプローブ(例えば近接プローブ)の設計を可能にする。例えば、分析物特異的結合パートナーは抗体であってもよく、一般的なプローブ(例えば近接プローブ)のセットは、様々な異なる分析物特異的抗体のFc領域に結合することによって異なる分析物を検出するために使用されてもよい。
プローブ(例えば近接プローブ)の核酸ドメインは、検出されてもよい核酸「タグ」、あるいは近接プローブの場合には、検出可能な産物(これは、分析物の検出が報告可能なように検出されてもよい。)を形成するように相互作用する核酸「タグ」と見なされてもよい。したがって、核酸ドメインは、それによって分析物が検出されるシグナルを直接若しくは間接的に提供してもよい反応性核酸官能基、又はシグナルを提供するように[例えば、シグナル生成産物(例えば、それらはライゲーション産物を形成するようにライゲーションされてもよく、又は例えば上述のように伸長産物の形成を可能にしてもよい。)を形成するように、あるいは例えば、ライゲーション若しくは伸長の鋳型及び/又はプライマーとして(例えばRCAプライマーとして)シグナル生成産物の形成を媒介若しくは支援するように]相互作用してもよい反応性核酸官能基と見なされてもよい。言い換えれば、核酸ドメインは、検出されてもよい「検出タグ」、又は「検出可能な」タグ若しくは産物を形成するように相互作用してもよい「検出タグ」と見なされてもよい。2つ以上の分析物が同じ試料中に存在する場合、それらは2つ以上のプローブ又は近接プローブのセットを用いて同時に検出されてもよく、近接プローブのそれぞれのセットは、相互作用の結果、ユニークな核酸配列「検出可能タグ」を形成するように設計されている。これらのユニークな「検出可能タグ」は、(任意選択で増幅の後に、)液体クロマトグラフィー、電気泳動、質量分析、DNAアレイ及び多色リアルタイムPCRを含む文献で周知の方法を用いて別々に検出・定量化されてもよい。
上述の近接プローブベースの検出アッセイは、先行技術、例えば参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第97/00446号パンフレット、国際公開第01/61037号パンフレット、国際公開第03/044231号パンフレット、国際公開第2005/123963号パンフレット及び国際公開第2007/107743号パンフレットに十分に記載されている。他の近接アッセイもまた、知られており、当技術分野において、例えば、これらもまた参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2007/044903号パンフレット及び国際公開第2009/012220号パンフレットに記載されている。したがって、それらの方法が、タンパク質性近接プローブを利用する近接プローブベースの検出アッセイに及ぶ限り、当業者が、当技術分野で開示される方法を用いて、本明細書に記載の検出方法を修飾することができるであろうことは明らかである。しかしながら、本発明の検出方法の特に好ましい態様が以下で詳細に説明される。
本発明の検出の1つの好ましい方法では、第1及び第2の近接プローブの核酸ドメインは、例えばライゲーションによって連結されてもよい。この「連結」(又は「コンジュゲーション」)は直接的なものであってもよい。すなわち、各核酸ドメインは互いに直接連結されていてもよい。あるいは、それは間接的なものであってもよい。すなわち、各核酸ドメインは、例えば、さらなる媒介核酸分子(例えば、「カセット」オリゴヌクレオチドとしても当技術分野で知られている「ギャップ」オリゴヌクレオチド)の2つの末端のうちの一方にそれぞれを連結することによって、間接的に連結されてもよい。この「コンジュゲーション」又は「相互作用」(典型的にライゲーション)は、1つ又は複数のスプリントオリゴヌクレオチドによって媒介されてもよい。そのため、スプリント又はギャップ/カセットオリゴヌクレオチドは独立した核酸の形態で試料に追加されてもよく、又は後述のように第3の近接プローブの核酸ドメインとして提供されてもよい。相互作用(ライゲーションによる)は、検出されてもよい新しい核酸分子又は配列の形成をもたらす。
上述のように、また、以下でさらに議論されるように、スプリントオリゴヌクレオチドは、第1及び第2の近接プローブの核酸ドメインにハイブリダイズし、それらのライゲーションを可能にしてもよい。
近接プローブの核酸ドメインは、一本鎖核酸分子(例えばオリゴヌクレオチド)、部分的に二本鎖で部分的に一本鎖の分子、又は二本鎖領域及び2つの核酸鎖が相補的ではなく、そのため一本鎖である領域を含む二本鎖分子であってもよい。そのため、ある実施形態では、核酸ドメインは、一本鎖核酸から構成される。他の実施形態では、核酸ドメインは、2つの部分的に相補的な核酸鎖から構成されてもよく、2つの鎖は、ハイブリダイズした領域及びハイブリダイズしていない領域を含む。
近接プローブの核酸ドメインは、一般に、標的分析物に対して結合した場合に、他の近接プローブの核酸ドメインとのスプリント媒介性の相互作用を可能にするのに十分な長さをしている。核酸ドメインは、通常約8〜約1000ヌクレオチド長の範囲にあり、ある実施形態では、核酸ドメインは、約8〜約500ヌクレオチド長(例えば、約8〜約250ヌクレオチド長、約8〜約160ヌクレオチド長、約12〜約150ヌクレオチド長、約14〜約130ヌクレオチド長、約16〜約110ヌクレオチド長、約8〜約90ヌクレオチド長、約12〜約80ヌクレオチド長、約14〜約75ヌクレオチド長、約16〜約70ヌクレオチド長、約16〜約60ヌクレオチド長)の範囲にあってもよい。ある代表的な実施形態では、核酸ドメインは、約10〜約80ヌクレオチド長、約12〜約75ヌクレオチド長、約14〜約70ヌクレオチド長、約34〜約60ヌクレオチド長、及び明示される範囲内の任意の長さであってもよい。いくつかの実施形態では、核酸ドメインは、通常、約28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、44、46、50、55、60、65又は70ヌクレオチド長より大きくない。
近接プローブの核酸ドメインは、リボヌクレオチド及び/又はデオキシリボヌクレオチド並びにワトソンクリックタイプ又は類似の塩基対相互作用に参加することができる合成ヌクレオチド残基から構成されてもよい。したがって、核酸ドメインは、DNA又はRNA又はその任意の修飾体、例えばPNA又は非ヌクレオチド主鎖を含有する他の誘導体であってもよい。
第1及び第2の近接プローブの核酸ドメイン(すなわち「検出」核酸ドメイン)の配列は、スプリントと比較して選ばれてもよく又は選択されてもよく、スプリントは、第3の近接プローブ上に提供されてもよい。したがって、配列は、第1及び第2のドメインが第3のドメイン(スプリント)にハイブリダイズし得る限り、重要ではない。しかしながら、配列は、スプリントの核酸ドメインとの第1及び第2の近接プローブの核酸ドメインの間以外のハイブリダイゼーション事象の発生を回避するように選ばれるべきである。例えば、近接プローブの核酸は、遮断試薬の核酸ドメイン又は存在する場合、ギャップ/カセットオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができないはずである。一旦、核酸ドメインの配列が選択されたら又は同定されたら、核酸ドメインは任意の適当な方法を用いて合成されてもよい。
プローブ(例えば近接プローブ)の2つの構成成分は、結合を通して直接的に又は連結基を通して間接的に連結される。核酸ドメインは、上述の遮断試薬の核酸ドメイン及びタンパク質成分の連結に関して記載される方法及びリンカーを用いて、プローブ(例えば近接プローブ)に連結されてもよい。本発明の好ましい実施形態では、プローブ(例えば近接プローブ)の核酸ドメインは、遮断試薬と同じリンカーを用いて分析物結合ドメインに連結される。
本発明の方法において使用されるプローブ(例えば近接プローブ)及び遮断試薬は、任意の適当な方法を用いて調製されてもよい。代表的な実施形態では、核酸ドメインは、分析物結合ドメインに直接的に又は連結基を通してコンジュゲートされてもよい。構成成分は、当技術分野で知られている官能基を通して互いに共有結合することができ、そのような官能基は構成成分上に存在してもよく、又は1つ若しくは複数のステップ、例えば酸化反応、還元反応、切断反応及びその他同種のものを用いて構成成分上に導入されてもよい。プローブ(例えば近接プローブ)を生成するために構成成分を共有結合する際に使用されてもよい官能基は、ヒドロキシ、スルフヒドリル、アミノ及びその他同種のものを含む。共有結合を提供するように修飾される異なる構成成分の特定の部分は、標的分析物に対するその構成成分の結合親和性に実質的に不利に干渉しないように選ばれてもよい。言い換えれば、共有結合は、プローブ(例えば近接プローブ)が標的分析物に結合するのを阻害するべきではなく、遮断試薬が標的分析物に結合するのを促進するべきではない。必要である及び/又は所望される場合、構成成分上のいくつかの部分は、当技術分野で知られている遮断基を用いて保護されてもよく、例えば、Green & Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis(John Wiley & Sons)(1991)を参照されたい。核酸/抗体コンジュゲートを生成するための方法は、当業者らによく知られている。例えば、その開示が参照によって本明細書において組み込まれる米国特許第5,733,523号を参照されたい。
他の実施形態では、プローブ(例えば近接プローブ)及び遮断試薬は、核酸−タンパク質コンジュゲート、すなわち、核酸(例えばコード配列)がタンパク質に共有結合された分子を得るin vitroでのプロトコールを用いて生成されてもよい。すなわち、分析物結合ドメイン又はタンパク質成分は、プローブ(例えば近接プローブ)をコードするベクターからin vitroで生成される。興味深いそのようなin vitroでのプロトコールの例は、RepAベースのプロトコール(例えば、Fitzgerald,Drug Discov.Today(2000)5:253−258及び国際公開第98/37186号パンフレットを参照されたい)、リボソームディスプレイベースのプロトコール(例えば、Hanes et al.,Proc.Natl Acad.Sci.USA(1997)94:4937−42;Roberts,Curr Opin Chem Biol(1999)Jun;3:268−73;Schaffitzel et al.,J Immunol Methods(1999)Dec 10;231:119−35;及び国際公開第98/54312号パンフレットを参照されたい)などを含む。
スプリントは、第1及び第2の近接プローブの核酸ドメインを結合させる又は「結びつける」ように作用する「コネクター」オリゴヌクレオチドとして見られてもよく、このように、核酸ドメインは相互作用(例えばライゲーション)されてもよい。
特に、スプリントは、第1及び第2の近接プローブの核酸ドメインとハイブリダイズする。特に、スプリントは、少なくとも第1及び第2の近接プローブの核酸ドメインと同時にハイブリダイズする(アニールする)。スプリントが第3の近接プローブの核酸ドメインの形態をしている場合、近接プローブのセットのすべての核酸ドメインが互いにハイブリダイゼーションすることにより、標的分析物への結合に際してプローブ−標的複合体の結合活性が増加する。この結合活性効果は、シグナルを生成する近接プローブ−標的分析物複合体の形成を支援することによってアッセイの感度に寄与する。
本明細書において使用される用語「ハイブリダイゼーション」又は「ハイブリダイズする」は、ワトソンクリック塩基対形成を介して二重鎖を形成するのに十分に相補的であるヌクレオチド配列の間の二重鎖の形成を指す。それらの分子が塩基対を構成する相同性を共有する場合、2つのヌクレオチド配列は、互いに「相補的である」。「相補的」ヌクレオチド配列は、適切なハイブリダイゼーション条件下で、特異性により組み合わせられ、安定した二重鎖を形成するであろう。例えば、第1の配列のセクションがアンチパラレルセンスで第2の配列のセクションに結合することができる場合、2つの配列は、相補的であり、それぞれの配列の3’末端は、他方の配列の5’末端に結合し、次いで、一方の配列のそれぞれのA、T(U)、G、及びCは、それぞれ、他方の配列の、T(U)、A、C、及びGとアライメントする。RNA配列はまた、相補的なG=U又はU=G塩基対を含むことができる。したがって、2つの配列が、本発明の下で「相補的」となるように完全な相同性を有する必要はない。通常、ヌクレオチドの少なくとも約85%(好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%)は、分子の定められた長さにわたって塩基対構成を共有する場合、2つの配列は、十分に相補的である。第1及び第2の近接プローブの核酸ドメインは、したがって、スプリントオリゴヌクレオチドに対して相補性の領域を含有し、反対に、スプリントオリゴヌクレオチドの核酸ドメインは、第1及び第2の近接プローブの核酸ドメインのそれぞれに対して相補性の領域を含有する。
相補性の領域(すなわちハイブリダイゼーション領域)は、4〜30bp、例えば6〜20、6〜18、7〜15、又は8〜12bpの長さを有してもよい。
スプリント核酸ドメインは、一般に、第1及び第2のプローブの核酸ドメインの上述の同時の結合を提供するのに十分な長さをしている。代表的な実施形態では、スプリントオリゴヌクレオチドは約6〜約500ヌクレオチド長(例えば、約20〜約40ヌクレオチド、約25〜約30ヌクレオチド)の範囲にある。
上述のように、好ましい代表的な実施形態では、第1及び第2の近接プローブの核酸ドメイン間の相互作用は各ドメインの連結である。この連結は、好ましくは、ライゲーション、特に鋳型特異的ライゲーションであってもよい。そのような場合では、ライゲーション鋳型がスプリントによって提供されるであろうということが明らかに理解されるであろう。そのようなライゲーションはリガーゼ酵素を用いて実施されてもよい。
したがって、本発明の方法の好ましい実施形態では、第1及び第2のプローブの核酸ドメインは、ハイブリダイズしたスプリントによって鋳型にされる反応の手段によってライゲーション可能なものであり、該核酸ドメインはライゲーションし、ライゲーション産物が検出される。そのような一実施形態では、そのため、スプリントは「スプリント鋳型」又は「ライゲーション鋳型」又は「鋳型オリゴヌクレオチド」として見られてもよい。
相互作用又は特にライゲーションが起こるように、第1及び第2の近接プローブの核酸ドメインのうちの一方は、典型的に、その5’末端によってタンパク質性分析物結合ドメインに連結されるが(遊離3’ヒドロキシル末端を残して)、他方のドメインは、その3’末端を介して連結されるであろう(遊離5’ホスフェート末端を残して)。第1及び第2の近接プローブのうちの一方は、したがって、他方の3’プローブの5’ホスフェートと相互作用することができる遊離3’ヒドロキシル基を有する5’プローブとなるであろう。
ライゲーションを可能にするために、第1及び第2の各核酸ドメインは、他方の5’ホスフェートに対して並んだ一方の3’末端によりスプリントにハイブリダイズする。しかしながら、上述のように、また、以下でより詳細に説明されるように、各ドメインのライゲーションは直接的である必要がなく、核酸ドメインは、媒介オリゴヌクレオチドの手段によってライゲーションされてもよい。あるいは、第1又は第2の近接プローブのいずれが遊離3’核酸ドメイン末端を有しても、第1及び第2の核酸ドメインは、ライゲーション反応によって連結できるまで、ギャップを充填するようにポリメラーゼを用いて伸長されてもよい。したがって、3’及び5’各末端を、スプリント(鋳型)上で互いにすぐに隣接してハイブリダイズする必要はないが、それらの間でスペース(又はヌクレオチドのストレッチ)を残してスプリントにハイブリダイズしてもよい。
スプリントが第1及び第2の近接の核酸ドメインの両方に同時にハイブリダイゼーションすることにより、3つの核酸ドメインをすべて含有する安定した二重構造がもたらされる。そのような二重構造は、第1の近接プローブの核酸ドメインの3’ヒドロキシル遊離末端及び第2の近接プローブの核酸ドメインの5’ホスホリル遊離末端を引き合わせる(上述のように、核酸ドメインはすぐに隣接して近位にある必要はない)。
したがって、スプリントは、5’遊離近接プローブの核酸ドメインに対して相補性の第1の3’領域及び3’遊離近接プローブの核酸ドメインに対して相補性の第2の5’領域を含んでもよい。スプリントの第1及び第2の領域は、3〜20、6〜17、6〜15若しくは6〜12、8〜12ヌクレオチド長、例えば、約13〜17、12〜16、11〜15若しくは12〜14ヌクレオチド長、又は約6〜12、7〜11若しくは8〜10ヌクレオチド長であってもよい。
以下でより詳細に説明されるように、相互作用(例えばライゲーション)産物の増幅は、検出プロセスの一部として使用されてもよい。したがって、そのようなステップにおいて起こり得るあらゆる誤った増幅、例えば、増幅において使用されるポリメラーゼに対する鋳型として作用するスプリントのあらゆる可能性を最小限にするようにスプリントを設計することはいくつかの実施形態において望ましくてもよい。したがって、例えば、スプリントは、RNAオリゴヌクレオチド又はDNA/RNAハイブリッドとして提供されてもよく、増幅反応において典型的に使用されるTaqポリメラーゼは、RNA鋳型を使用することができない。あるいは、ハイブリダイゼーションが弱く、2つの短いハイブリダイゼーション領域を有するDNAスプリントがPCRにおいて使用される高温でDNAポリメリゼーションの鋳型にならないので、同様の効果は、そのようなスプリントを用いて達成されてもよい。
上述のように、一実施形態では、第1及び第2のプローブの核酸ドメインは、互いにすぐに隣接せずに、それらの間にギャップを残して、スプリントにハイブリダイズしてもよい。それらのコンジュゲーション(例えばライゲーション)を可能にするために、本明細書において「ギャップ」又は「カセット」オリゴヌクレオチドと呼ばれるさらなるオリゴヌクレオチドは、特にこのギャップに及ぶように、このギャップ中のスプリントにハイブリダイズしてもよい。そのようなギャップ/カセットオリゴヌクレオチドは、それぞれのドメインのそれぞれの末端にすぐに隣接して、その末端のそれぞれでハイブリダイズしてもよく、そのようなドメイン末端はそれぞれ、ギャップ/カセットオリゴヌクレオチドにライゲーションされ、単一の新しい核酸産物を形成してもよい。これは、両方ともスプリントによって鋳型にされる2つのライゲーション事象を必要とする。ギャップ/カセットオリゴヌクレオチドの5’及び3’末端の両方は、必要に応じて、第1及び第2のプローブの核酸ドメインの遊離末端に連結される(ライゲーションされる)。第1及び第2のドメインは、したがって、ギャップ/カセットオリゴヌクレオチドを介して結合される又は連結される。そのような配置により、プローブの核酸ドメインに対して柔軟性が追加されてもよい。ギャップ/カセットオリゴヌクレオチドの長さ(よって、スプリントにハイブリダイズした場合の第1及び第2のドメインの末端の間のギャップ)は、例えば、4〜50、例えば6〜30、6〜25、6〜22、8〜22、10〜22、6〜20、8〜20、10〜20ヌクレオチドで変動してもよい。
第1及び第2の核酸ドメインのライゲーションにおいて媒介オリゴヌクレオチドとして機能するギャップ/カセットオリゴヌクレオチドは、プローブが試料と接触した後に追加されてもよい。あるいは、それは同時に追加されてもよく、又はスプリントオリゴヌクレオチドにあらかじめハイブリダイズされてもよい。
ギャップはまた、ポリメラーゼを用いて、遊離3’末端を運搬する第1又は第2の近接プローブのどちらかの核酸ドメインを伸長させることによって充填されてもよい。一旦ギャップが充填されたら、末端はライゲーションステップによって連結される。
本発明の方法を実施するためには、試料は好ましくは、少なくとも1セットのプローブとの接触に先立って遮断試薬に接触させる。
いくつかの実施形態では、試料は、2つ又はそれよりも多い異なる標的分析物についてアッセイすることができる。そのような実施形態では、試料は、試料に接触させるプローブ又はプローブセットの数が、2つ又はそれよりも多い、例えば、3つ又はそれよりも多い、4つ又はそれよりも多い等になるように、標的分析物ごとに1つ、1セットのプローブに、又はさらに好ましくは標的分析物ごとに1セットの近接プローブに接触させる。そのような方法は、特に多重及びハイスループットの用途において使用可能である。
試料に添加される近接プローブの量は、近接プローブが、少なくともかなりな程度又は実質的な程度、標的分析物に結合することがなく確実に互いに無作為に間近に接近しないようにするのに十分な低濃度の近接プローブを反応混合物中において提供するよう選択することができる。したがって、近接プローブが、近接プローブの分析物結合ドメインと分析物の結合部位の間の結合相互作用を通じて分析物に結合するときだけ、近接プローブは互いに間近に接近することが意図されている。代表的な実施形態では、試料との組合せに続く反応混合物中の近接プローブの濃度は約1fM〜1μM(例えば、約1pM〜約100nM、約1pM〜約1nM)である。
試料、遮断試薬及びプローブのセット、例えば近接プローブの組合せに続いて、反応混合物は、プローブ(例えば近接プローブ)が試料において存在すれば標的分析物に結合するのに十分な期間インキュベートすることができる。好ましくは、試料は、プローブ(例えば近接プローブ)の添加前に遮断試薬に接触させる。代表的な実施形態では、遮断試薬及び試料は、プローブ(例えば近接プローブ)の添加に先立って5分〜約24時間プレインキュベートしてもよい。好ましくは、プレインキュベーションは4〜約50℃の温度で、好ましくは室温(例えば18〜30℃)で、約20分〜12時間である。プレインキュベーションに続いてそのようなステップが含まれている場合は、産物混合物は、約4〜約50℃(例えば約20〜約37℃)の温度で約5分〜約48時間(例えば約30分〜約12時間)インキュベートしてもよい。反応混合物が維持される条件は、非特異的相互作用を抑制しつつ、プローブ(例えば近接プローブ)の分析物への特異的結合を促進するように最適化されるべきである。条件は、上記核酸ドメイン間の効率的で特異的なハイブリダイゼーションも可能にするべきである。
いくつかの実施形態では、標的分析物が試料中に存在する場合、プローブ(例えば近接プローブ)が標的分析物に結合している、インキュベーションステップの少なくとも一部の間、インキュベーション混合物の有効容量を減少させる。これらの実施形態では、インキュベーション混合物の有効容量は、いくつかの異なる理由で減少させることがある。いくつかの実施形態では、インキュベーション混合物の有効容量は、中間及び低親和性分析物結合ドメインの使用を可能にし、及び/又はアッセイの感度を増加させるために、減少させる。例えば、インキュベーション混合物の有効容量を減少させるいくつかの実施形態では、分析物結合ドメインは中間又は低親和性結合剤でもよく、このことは、分析物結合ドメインがその標的分析物に対して約10−4M未満の結合親和性(例えば約1mM Kd)を有してよいことを意味する。いくつかの実施形態では、アッセイの感度は、アッセイが1μl試料中わずか約50又はそれよりも少ない標的分析物を含む、1μl試料中わずか約75又はそれよりも少ない標的分析物を含む、1μl試料中わずか約100又はそれよりも少ない標的分析物を検出することができるように、増加することができる。
いくつかの実施形態では、例えば、近接プローブがその標的分析物に結合する間、インキュベーション混合物の有効容量を減少させるために、「クラウディング剤(crowding agent)」又は「体積排除剤(volume excluder)」が上述のインキュベーションステップ中に混合物に含まれる。典型的には、「クラウディング剤」は水溶性巨大分子物質である。適切な巨大分子物質は、約1500〜数百万の平均分子量を有する生体適合性天然又は合成ポリマーを広く含み、このポリマーは混合物中のその他の試薬又は産物と特異的に相互作用をしない。そのようなポリマーは、その主要な機能がインビトロ反応媒体中で容積を占め、生化学反応のための高度に濃縮された環境、例えば、近似するインビボ条件を提供することであるので、当技術分野では「体積排除剤」として知られている。当然のことながら、体積排除ポリマーは、必要な濃度を与えるのに十分可溶性でなければならない。適切な例となるポリマーには、例えば、約2000を超える平均分子量を有する市販のポリエチレングリコール(PEG)ポリマー、平均分子量約70,000を有するポリマーなどのフィコール(FICOLL)ポリマー、ウシ血漿アルブミン、グリコーゲン、ポリビニルピロリドン、デキストラン等が含まれるが、これらのポリマーに限定されない。さらに高分子量のPEGポリマー、特にそれぞれ約1450、3000〜3700、6000〜7500及び15,000〜20,000の平均分子量を有するPEG1450、PEG3350、PEG6000(PEG8000としても販売されている)及びPEG20000は、代表的な実施形態において用いられる。PEG6000及びPEG8000は代表的な実施形態において用いられる。代表的な実施形態におけるインキュベーション反応での体積排除ポリマーの濃度は、ポリマーの種類及びその分子量に応じて約5%w/v〜約45%w/vの範囲に収まる。一般に、酵素活性への同一効果を達成するためには、分子量がより高い所与の種類のポリマーは分子量がより低い同一種類のポリマーよりも低い濃度で存在する必要があると予測される。
体積排除剤が用いられる実施形態では、上記方法の次のステップに先立って、インキュベーション混合物は、体積排除剤の存在を占めるために、例えば、存在する体積排除剤の量、希釈液の性質等に応じて少なくとも約2倍以上(例えば、少なくとも約10倍以上、少なくとも約5倍以上)希釈することができ、代表的な実施形態では、希釈液は水又は水と1つ若しくは複数の溶質、例えば、塩、緩衝剤等の何か他の適切な液体である。
体積排除剤の使用の代わりに、又は体積排除剤の使用に加えて、インキュベーション混合物は、例えば蒸発により、水の一部をインキュベーション混合物から取り除くことにより、インキュベーション中に容量を減少させることができる。これらの実施形態では、液体の容量は要望通りに、少なくとも約10倍以上を含む、少なくとも約5倍以上などの、少なくとも約2倍以上減少させることができる。重要な点であるが、これらの実施形態では水のすべてがインキュベーション混合物から取り除かれるわけではない。水の選択された一部をインキュベーション混合物から取り除くことによりインキュベーション混合物の容量を減少させるのに好適ないかなるプロトコールでも用いることができる。湿度及び温度をモニターし調整することにより蒸発速度を制御するための機器を用いることができ、いくつかの実施形態では、インキュベーション混合物の容量は、例えばインキュベーション混合物の容量を連続的に測定することによりモニターされ、適切に蒸発が行われた場合には、ライゲーションとPCR混合物を上述のように添加することができる。適宜、加熱ブロックを用いて蒸発を増強することは可能であろう。あるいは、インキュベーション混合物の容量は、水を濾過して取り除くことにより減少させることができる。代表的な実施形態では、サイズ排除フィルターを用いて、カットオフ制限よりも大きなサイズの分子を選択的に含有し、それよりも小さな分子及び水はフィルターを通過することにより取り除かれる。フィルターを通過させるために溶液に加えられる力は、遠心分離又は真空吸引によってでもよい。
近接プローブの結合ドメインが分析物に結合すると、近接プローブの核酸ドメインは互いに間近に近接する。その結果、スプリントオリゴヌクレオチドが使用される場合、スプリントオリゴヌクレオチドは第1及び第2のプローブの核酸ドメインに結合する(ハイブリダイズする)ことができる。
試料と遮断試薬及び近接プローブとの組合せに続いて、ギャップ/カセットオリゴヌクレオチドを添加してハイブリダイズさせることができる。次に、第1及び第2のプローブの核酸ドメインはスプリントにハイブリダイズさせることができるが、第1及び第2の近接プローブの核酸ドメインの遊離3’ヒドロキシル及び5’リン酸末端の核酸ライゲーションにより結合される。次に、反応混合物は相互作用の存在についてアッセイされる。したがって、第1及び第2の核酸ドメインのライゲーションは、一般的にそのライゲーション産物を検出することにより検出される。
一般に、近接依存性相互作用の存在を検出可能ないかなる適当なプロトコールでも用いることができる。検出プロトコールは、分離ステップを必要とすることもあれば必要としないこともある。
これらの代表的な実施形態では、第1及び第2の近接プローブのスプリント安定化された核酸ドメインのライゲーションは、反応混合物を、例えば、適切な核酸リガーゼにより与えられる核酸ライゲーティング活性に接触させ、該混合物を核酸ドメインのライゲーションが起こるのに十分な条件下に維持することにより達成される。
当技術分野では公知であるが、リガーゼは、核酸がアニールされ、又はそれに相補的である第3の核酸配列(すなわち鋳型)にハイブリダイズする際に、2つのすぐそばに隣接する核酸の並置された3’−ヒドロキシルと5’−リン酸末端間のリン酸ジエステル結合の形成を触媒する。いかなる適当なリガーゼも使用することができ、代表的なリガーゼには温度感受性及び熱安定性リガーゼが含まれるが、これらのリガーゼに限定されない。温度感受性リガーゼには、バクテリオファージT4 DNAリガーゼ、バクテリオファージT7リガーゼ、及びイーコリ(E.coli)リガーゼが含まれるが、これらのリガーゼに限定されない。熱安定性リガーゼにはTaqリガーゼ、Tthリガーゼ及びPfuリガーゼが含まれるが、これらのリガーゼに限定されない。熱安定性リガーゼは、原核、真核、又は古細菌生物を含む(これらの生物に限定されない)好熱性又は超好熱性生物から入手することができる。いくつかのRNAリガーゼも本発明の方法において使用することができる。
このライゲーションステップでは、適切なリガーゼ及び必要であり及び/又は望ましいいかなる試薬も反応混合物と組み合わされて、ハイブリダイズされたライゲーションオリゴヌクレオチドのライゲーションが起こるのに十分な条件下で維持される。ライゲーション反応条件は当業者には周知である。ライゲーション中、いくつかの実施形態における反応混合物は、約4℃〜約50℃(例えば約20℃〜約37℃)で約5秒〜約16時間(例えば約1分〜約1時間)維持してもよい。さらに他の実施形態では、反応混合物は、約35℃〜約45℃(例えば約37℃〜約42℃)、例えば約38℃、39℃、40℃又は41℃で約5秒〜約16時間(例えば、約2分〜約8時間、約1分〜約1時間)維持してもよい。代表的な実施形態では、ライゲーション反応混合物は、50mM トリス(Tris) pH7.5、10mM MgCl2、10mM DTT、1mM ATP、25mg/ml BSA、0.25ユニット/mlリボヌクレアーゼ阻害剤、及び0.125ユニット/mlのT4 DNAリガーゼを含む。さらに別の代表的な実施形態では、2.125mMマグネシウムイオン、0.2ユニット/mlリボヌクレアーゼ阻害剤、及び0.125ユニット/ml DNAリガーゼが用いられる。
ライゲーションに続いて、ライゲーション産物(第1及び第2のプローブのライゲートされた核酸ドメイン)は、試料中の分析物の存在の指標として、又は試料中の分析物の量及び任意選択で位置の基準として検出される。これらの実施形態では、ライゲートされた産物は、分析物結合ドメインの各末端で終わる一本鎖核酸分子(これは、第1及び第2のプローブの2つの近接核酸ドメインと任意の中間のギャップ/カセットオリゴヌクレオチド(使用される場合)とのライゲーションの産物である。)を含む。
ライゲーションステップに続く次のステップは、試料中の標的分析物を検出するために反応混合物中のライゲートされた産物の存在を決定することである。言い換えると、アッセイ中の試料における標的分析物の存在を検出するために、反応混合物を、任意の結果としてのライゲーション産物の存在についてスクリーニングする、等である(すなわち、アッセイする、評価(assess、evaluate)する、試験する等)。
上述のように、近接アッセイの代わりの実施形態では、近接プローブの核酸ドメイン相互作用の産物は伸長産物であることもあり、例えば、少なくとも1つの近接プローブの核酸ドメインが伸長されている(例えば、もう一方の核酸ドメインを伸長鋳型として使用して)、又はプローブの核酸ドメインが共通の添加されたオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする(例えば、添加されたハイブリダイゼーション鋳型、これは核酸ドメインの1つにプレハイブリダイズされてもよい)、並びに核酸ドメインの少なくとも1つ及び/又は添加されたオリゴヌクレオチドが、それぞれ添加されたオリゴヌクレオチド又は核酸ドメインを伸長鋳型として使用して伸長されることもある。そのような伸長産物は、本明細書に記載のようにライゲーション産物の検出に類似する形で検出することができる。
相互作用産物、例えば、上記方法により生成されるライゲートされた産物又は伸長産物は、その最も広い意味で、いかなる適当なプロトコールを用いて検出してもよい。特定の検出プロトコールは、所望の感度及びその方法が使用されている用途に応じて変化することがある。いくつかの実施形態では、核酸ライゲーション又は伸長産物は、いかなる増幅もせずに直接検出することができ、他の実施形態では、検出プロトコールは増幅構成要素を含むことがあり、例えば、特定のアッセイの感度を増強するためにライゲートされた又は伸長された産物核酸のコピー数を増加させる。増幅なしの検出が実施可能な場合には、核酸ライゲーション又は伸長産物はいくつかの異なる方法で検出することができる。例えば、近接プローブの1つ又は複数の核酸ドメインは、直接標識する、例えば、蛍光的に、又は他に分光光度的に、又は放射性同位元素的に標識される又はライゲーション産物が直接標識されるように任意のシグナル発生標識を用いて標識することができる。これらの実施形態では、直接標識されたライゲーション産物は、ライゲートされた核酸を検出するために、ライゲートされていない直接標識されたライゲーションオリゴヌクレオチド(すなわち、核酸ドメインオリゴヌクレオチド又はカセットオリゴヌクレオチド)を含む反応混合物の残りからサイズ分離することができる。あるいは、立体構造的選択性プローブ(例えば分子ビーコン(後述))を用いてライゲーション産物の存在を検出することができ、これらのプローブは、ライゲートされた核酸にまたがりライゲーション産物中にのみその全体が存在する配列に向けられる。伸長産物は、例えば、伸長された産物に結合するように設計されているプローブを用いて又は標識されたヌクレオチドを組み込むことにより等で同様に検出することができる。
上述のように、本発明の方法のいくつかの実施形態では、検出ステップには増幅ステップが含まれ、例えば、アッセイの感度を増強するためにライゲートされた又は伸長された核酸のコピー数を増加させる。増幅は所望に応じて直線的でも指数関数的でもよく、代表的な増幅プロトコールには、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR);等温増幅等が含まれるが、これらのプロトコールに限定されない。
検出ステップが増幅ステップ(さらに具体的には、コンジュゲートされた産物のインビトロ増幅のステップ)を含む場合、増幅された産物(又は増幅産物)は分析物を検出するために検出することができる。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は当技術分野では周知であり、米国特許第4,683,202号、米国特許第4,683,195号、米国特許第4,800,159号、米国特許第4,965,188号、及び米国特許第5,512,462号に記載されており、これらの特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる。代表的なPCR増幅反応では、上のライゲートされた核酸若しくはライゲーション産物、又は伸長産物(これは増幅反応における鋳型核酸としても見なされ得る)を含む反応混合物は、プライマー伸長反応において用いられる1つ又は複数のプライマー、例えば、PCRプライマー(例えば、幾何級数的(又は指数関数的)増幅において用いられるフォワード及びリバースプライマー又は線形増幅において用いられる単一プライマー)と組み合わされる。鋳型核酸(以下便宜上鋳型DNAと呼ばれる)を接触させるオリゴヌクレオチドプライマーは、アニーリング条件(後述)下での相補的鋳型DNAへのハイブリダイゼーションを提供するのに十分長いことになる。プライマーは一般には少なくとも10bp長であり、通常は少なくとも15bp長であり、さらに通常では少なくとも16bp長であり、30bpもの長さ又はそれよりも長くてもよく、プライマーの長さは一般に18〜50bp長、通常は約20〜35bp長である。鋳型DNAは、プライマー伸長が、鋳型DNAの線形の又は指数関数的な増幅が望まれているかどうかに応じて、単一プライマー又は1セットの2つのプライマー(フォワード及びリバースプライマー)に接触させることができる。
上記構成要素に加えて、本発明の方法において生成される反応混合物は典型的にはポリメラーゼ及びデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む。望ましいポリメラーゼ活性は、1つ又は複数の異なるポリメラーゼ酵素により提供することができる。多くの実施形態では、反応混合物は少なくともファミリーAポリメラーゼを含み、代表的なファミリーAポリメラーゼには、クレンタク(Klentaq)などの天然に存在するポリメラーゼ(Taq)及びその誘導体と相同体を含む、サーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)ポリメラーゼ(Barnesら、Proc.Natl.Acad.Sci USA(1994)91:2216〜2220頁);天然に存在するポリメラーゼ(Tth)及びその誘導体と相同体を含む、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)ポリメラーゼ、並びに同種のものが含まれるが、これらのポリメラーゼに限定されない。実施される増幅反応が高忠実度反応であるいくつかの実施形態では、反応混合物は、例えば、ファミリーBポリメラーゼが与えることができる3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素をさらに含むことができ、ファミリーBポリメラーゼには、Perlerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1992)89:5577〜5581頁に記載されているサーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)DNAポリメラーゼ(Vent);パイロコッカス(Pyrococcus)種GB−D(Deep Vent);Lundbergら、Gene(1991)108:1〜6頁に記載のパイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)DNAポリメラーゼ(Pfu)、パイロコッカス・ヴェッセイ(Pyrococcus woesei)(Pwo)及び同種のものが含まれるが、これらのポリメラーゼに限定されない。反応混合物がファミリーAとファミリーBポリメラーゼの両方を含む場合には、ファミリーAポリメラーゼがファミリーBポリメラーゼよりも多い量で反応混合物中に存在することもあり、その場合、活性の差は通常少なくとも10倍になり、さらに通常では少なくとも約100倍になる。通常、反応混合物は存在する4種の天然に存在する塩基に対応する4つの異なる種類のdNTP、すなわちdATP、dTTP、dCTP及びdGTPを含むことになる。本発明の方法では、各dNTPは典型的には、約10〜5000μM、通常は約20〜1000μMの量で存在することになる。
本発明の方法のこの検出ステップにおいて調製される反応混合物は、一価イオンの供給源、二価陽イオンの供給源及び緩衝剤を含む水性緩衝媒体をさらに含むことができる。KCl、K−アセテート、NH4−アセテート、K−グルタメート、NH4Cl、硫酸アンモニウム及び同種のものなどの一価イオンのいかなる適当な供給源を用いてもよい。二価陽イオンは、マグネシウム、マンガン、亜鉛及び同種のものでもよく、陽イオンは典型的にはマグネシウムになる。MgCl2、Mg−アセテート及び同種のものを含む、マグネシウム陽イオンのいかなる適当な供給源を用いてもよい。バッファー中に存在するMg2+の量は0.5〜10mM、好ましくは約3〜6mM、理想的には約5mMである。バッファー中に存在してもよい代表的な緩衝剤又は塩には、トリス、トリシン、HEPES、MOPS及び同種のものが含まれ、緩衝剤の量は、典型的には約5〜150mM、通常は約10〜100mM、さらに通常は約20〜50mMであり、いくつかの好ましい実施形態では、緩衝剤は、約6.0〜9.5のpHを与えるのに十分な量で存在することになり、72℃でpH7.3が最も好ましい。緩衝媒体中に存在してもよい他の作用物質には、EDTA、EGTA及び同種のものなどのキレート化剤が含まれる。
本発明の方法のこのステップの反応混合物を調製する際に、種々の構成成分はいかなる適当な順番で組み合わせてもよい。例えば、バッファーはプライマー、ポリメラーゼ、次に鋳型DNAと組み合わせてもよく、又は種々の構成成分のすべてを同時に組み合わせて反応混合物を作製してもよい。
増幅反応の増幅された産物は、いかなる適当なプロトコールを用いて検出してもよく、用いられる特定のプロトコールは、以下でさらに詳細に説明されるように非特異的又は特異的に増幅産物を検出することができる。代表的な非特異的検出プロトコールには、例えば、インターカレーションを介して、二本鎖DNA産物を選択的に検出するシグナル発生システムを用いるプロトコールが含まれる。そのような実施形態において使用可能な代表的な検出可能分子には、核酸と複合体を形成すると増強された蛍光を発する、モノマー又はそのホモ若しくはヘテロダイマーを含むフェナントリジニウム色素などの蛍光核酸染色が含まれる。フェナントリジニウム色素の例には、エチジウムホモダイマー、臭化エチジウム、ヨウ化プロピジウム、及び他のアルキル置換されたフェナントリジニウム色素が含まれる。本発明の別の実施形態では、核酸染色は、アクリジンオレンジ、アクリジンホモダイマー、エチジウムアクリジンヘテロダイマー、又は9−アミノ−6−クロロ−2−メトキシアクリジンなどのアクリジン色素、又はそのホモ若しくはヘテロダイマーである又はこれを組み込んでいる。本発明のさらに別の実施形態では、核酸染色は、Hoechst 33258、Hoechst 33342、Hoechst 34580(BIOPROBES 34,Molecular Probes,Inc.Eugene、Oreg.(May 2000))、DAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール)又はDIPI(4’,6−(ジイミダゾリン−2−イル)−2−フェニルインドール)などのインドール又はイミダゾール色素である。他の許容される核酸染色には、7−アミノアクチノマイシンD、ヒドロキシスチルバミジン、LDS 751、選択されたソラレン(フロクマリン)、スチリル色素、ルテニウム複合体及び遷移金属複合体などの金属複合体(例えば、Tb3+及びEu3+を組み込んでいる)が含まれるが、これらの物質に限定されない。本発明のいくつかの実施形態では、核酸染色は、核酸と会合すると増強された蛍光を発するシアニン色素又はシアニン色素のホモ若しくはヘテロダイマーである。Molecular Probes,Inc.Eugene,Oreg.製の商標TOTO、BOBO、POPO、YOYO、TO−PRO、BO−PRO、PO−PRO及びYO−PROのもとで市販されている核酸染色を含む、Lee(1989)の米国特許第4,883,867号、Yueら(1996)の米国特許第5,582,977号、Yueら(1994)の米国特許第5,321,130号、及びYueら(1995)の米国特許第5,410,030号に記載の色素のいずれでも使用することができる(これら4つの特許はすべて参照により組み込まれる)。Molecular Probes,Inc.Eugene,Oreg.製の商標SYBR、SYTO、SYTOX、PICOGREEN、OLIGREEN、及びRIBOGREENのもとで市販されている核酸染色を含む、Hauglandら(1995)の米国特許第5,436,134号、Yueら(1997)の米国特許第5,658,751号、及びHauglandら(1999)の米国特許第5,863,753号に記載の色素のいずれでも使用することができる(これら3つの特許はすべて参照により組み込まれる)。本発明のさらに他の実施形態では、核酸染色は、Molecular Probes,Inc.Eugene,Oreg.製の商標SYTO、SYTOX、JOJO、JO−PRO、LOLO、LO−PROのもとで市販されている核酸染色を含む、核酸と会合すると増強された蛍光を発する、アザベンゾキサゾール、アザベンズイミダゾール、又はアザベンゾチアゾールなどのアザベンズアゾリウム又はポリアザベンズアゾリウム複素環を組み込んでいるモノマー、ホモダイマー又はヘテロダイマーシアニン色素である。
さらに他の実施形態では、一般に二本鎖分子とは対照的に、増幅産物に特有であるシグナル発生システムを用いて増幅を検出することができる。これらの実施形態では、シグナル発生システムには、増幅産物に見出される配列に特異的に結合するプローブ核酸を含んでもよく、プローブ核酸は直接的に又は間接的に検出可能な標識で標識することができる。直接的に検出可能な標識は、追加の試薬を使用せずに直接検出することができる標識である。間接的に検出可能な標識は、1つ又は複数の追加の試薬を用いることにより検出可能な標識であり、例えば、そのような標識は、2つ又はそれよりも多い構成成分からなるシグナル発生システムのメンバーである。多くの実施形態では、標識は直接的に検出可能な標識であり、直接的に検出可能な標識には、蛍光標識、放射性同位元素標識、化学発光標識、及び同種のものが含まれるが、これらの標識に限定されない。多くの実施形態では、標識は蛍光標識であり、そのような実施形態で使用される標識化試薬は、蛍光的にタグを付けたヌクレオチド、例えば、蛍光的にタグを付けたCTP(例えば、Cy3−CTP、Cy5−CTP)等である。標識されたプローブ核酸を生成するためヌクレオチドにタグを付けるのに使用可能な蛍光部分には、フルオレセイン、Cy3、Cy5、Alexa 555、Bodipy 630/650などのシアニン色素及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。他の標識(例えば上述のもの)も、当技術分野で公知の方法で使用することができる。
いくつかの実施形態では、特異的に標識されたプローブ核酸は「エネルギー移動」標識で標識される。本明細書において、「エネルギー移動」とは、蛍光基の蛍光放射が蛍光修飾基により変更されるプロセスのことである。蛍光修飾基が消光基である場合、蛍光基からの蛍光放射は減弱される(消光される)。エネルギー移動は、蛍光共鳴エネルギー移動を通じて、又は直接的エネルギー移動を通じて起こり得る。これら2つの場合の正確なエネルギー移動機構は異なる。本出願におけるエネルギー移動へのいかなる言及もこれらの機構的に異なる現象すべてを包含すると理解されるべきである。本明細書において、「エネルギー移動対」とは、エネルギー移動に関与する任意の2つの分子のことである。典型的には、そのような分子の1つは蛍光基として作用し、もう1つは蛍光修飾基として作用する。「エネルギー移動対」は、エネルギー移動が起こる単一複合体を形成する分子の群を指すのに使用される。そのような複合体は、例えば、互いに異なっていてもよい2つの蛍光基、並びに1つの消光基、2つの消光基及び1つの蛍光基、又は複数の蛍光基及び複数の消光基を含むことができる。複数の蛍光基及び/又は複数の消光基が存在する場合、個々の基は互いに異なっていてもよい。本明細書において、「蛍光共鳴エネルギー移動」又は「FRET」とは、励起した蛍光基により放出される光が蛍光修飾基により少なくとも部分的に吸収されるエネルギー移動現象のことである。蛍光修飾基が消光基である場合、その基は異なる波長の光として吸収された光を放射することができる、又は吸収された光を熱として消散することができる。FRETは、蛍光基の発光スペクトルと消光基の吸収スペクトル間の重複に依存している。FRETは、消光基と蛍光基間の距離にも依存している。一定の臨界距離を超えると、消光基は蛍光基が放射する光を吸収することができない、又は不十分にしか吸収できない。本明細書において、「直接的エネルギー移動」とは、蛍光基と蛍光修飾基間の光子の移行が起こらないエネルギー移動機構のことである。単一の機構に縛られずに、直接的エネルギー移動では、蛍光基と蛍光修飾基は互いの電子構造に干渉すると考えられている。蛍光修飾基が消光基である場合、このために、消光基は蛍光基が光を放射することさえ妨げることになる。
エネルギー移動標識されたプローブ核酸、例えば、オリゴヌクレオチドは、そのプローブ核酸がドナー、アクセプター及び標的核酸結合ドメインを含みさえすれば、種々の異なる方法で構築することができる。したがって、本方法のこれらの実施形態において用いられるエネルギー移動標識されたオリゴヌクレオチドは、蛍光エネルギードナー、すなわち、ドナーが配置されているフルオロフォアドメインと蛍光エネルギーアクセプター、すなわち、アクセプターが配置されているアクセプタードメインを含む核酸ディテクターである。上述のように、ドナードメインはドナーフルオロフォアを含む。ドナーフルオロフォアは核酸ディテクターのどこに配置してもよいが、典型的にはディテクターの5’末端に存在する。アクセプタードメインは蛍光エネルギーアクセプターを含む。アクセプターはアクセプタードメインのどこに配置してもよいが、典型的には核酸ディテクター又はプローブの3’末端に存在する。
フルオロフォアとアクセプタードメインに加えて、エネルギー移動標識されたプローブオリゴヌクレオチドは、例えば、厳密なハイブリダイゼーション条件下(上に定義されているような)で、増幅産物(上述)に見出される標的核酸配列に結合する標的核酸結合ドメインも含む。この標的結合ドメインは典型的には長さが約10〜約60ヌクレオチド、通常は約15〜約30ntである。オリゴヌクレオチドの性質及びアッセイそれ自体に応じて、標的結合ドメインは鋳型核酸の領域に又はプライマー伸長産物の領域にハイブリダイズすることもある。例えば、アッセイが、例えば、タックマン(TaqMan)(登録商標)タイプのオリゴヌクレオチドプローブが用いられる5’ヌクレアーゼアッセイの場合には、標的結合ドメインは、プライマー結合部位の下流又は3’にある鋳型核酸の標的結合部位に厳密な条件下でハイブリダイズする。代わりの実施形態では、例えば、分子ビーコンタイプのアッセイでは、標的結合ドメインはプライマー伸長産物のドメインにハイブリダイズする。これらの実施形態で用いられるエネルギー移動標識されたオリゴヌクレオチドの全長は、上記3つのドメインすべてを含むが、典型的には約10〜約60ヌクレオチド、通常は約15〜約30ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、エネルギー移動標識されたオリゴヌクレオチドは、エネルギー移動標識されたオリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイズされないときには、フルオロフォアが励起されるとフルオロフォアとエネルギー移動標識されたオリゴヌクレオチドプローブのアクセプター間でエネルギー移動が起こるように構築される。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは分子内構造を形成しない一本鎖分子であり、そこではドナーとアクセプターのスペーシングが一本鎖線形フォーマットでエネルギー移動を提供するためにエネルギー移動が起こる。これらの実施形態では、標識されたオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸にハイブリダイズされるときも、フルオロフォアが励起されるとフルオロフォアと標識されたオリゴヌクレオチドプローブのアクセプター間でエネルギー移動が起こる。そのような標識されたオリゴヌクレオチドプローブの特定の例には、米国特許第6,248,526号に記載されているタックマン(登録商標)タイプのプローブが含まれ、この特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる(並びに:Heldら,Genome Res.(1996)6:986〜994頁;Hollandら,Proc.Natl Acad.Sci.USA(1991)88:7276〜7280頁;及びLeeら,Nuc.Acids Res.(1993)21:3761〜3766頁)。これらの実施形態の多くでは、標的核酸結合ドメインは、鋳型核酸の配列にハイブリダイズする、すなわち、相補的であるドメインであり、すなわち、標的核酸結合ドメインの標的核酸は鋳型核酸(すなわち、偽標的又は代替核酸)に存在する配列である。
他の実施形態では、プローブオリゴヌクレオチドは、エネルギー移動標識されたオリゴヌクレオチドプローブが標的核酸にハイブリダイズされるとき、フルオロフォアが励起されてもフルオロフォアとエネルギー移動標識されたオリゴヌクレオチドプローブのアクセプターの間でエネルギー移動が起こらないように構築される。これらのタイプのプローブ構造の例には、スコーピオンプローブ(Whitcombeら,Nature Biotechnology(1999)17:804〜807頁;米国特許第6,326,145号に記載されており、この特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる)、サンライズプローブ(Nazarenkoら,Nuc.Acids Res.(1997)25:2516〜2521頁;米国特許第6,117,635号に記載されており、この特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる)、分子ビーコン(Tyagiら,Nature Biotechnology(1996)14:303〜308頁;米国特許第5,989,823号、この特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる)、及び立体構造的に補助されたプローブ(国際公開第2000/75378号パンフレットに記載されており、この特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる)が含まれる。これらの実施形態の多くでは、標的結合配列又はドメインは増幅反応のプライマー伸長産物の配列に相補的であるが、偽標的核酸中に見出される配列には相補的でないハイブリダイゼーションドメインを含む。
本発明の方法の次のステップは、標識された増幅産物からのシグナル検出であり、シグナル検出は用いられる特定のシグナル発生システムに応じて変わることがある。いくつかの実施形態では、例えば、偽標的核酸及び/又はその増幅産物の検出を介して標的核酸の存在又は不存在を決定又は同定するために、検出可能なシグナル(例えば蛍光)の存在又は不存在のみが決定され、本発明のアッセイにおいて使用される。使用される標識に応じて、シグナルの検出は標的核酸の存在又は不存在を示すことができる。
シグナル発生システムが蛍光シグナル発生システムである実施形態では、シグナル検出は典型的には、アッセイ結果を得るために反応混合物からの蛍光シグナルの変化を検出することを含む。言い換えると、反応混合物により生じる蛍光シグナルのいかなる変調も評価される。そのような変化は、用いられる標識の性質に応じて蛍光の増加又は減少でもよいが、いくつかの実施形態では蛍光の増加である。試料はいかなる適当な手段でも、例えば、熱安定性キュベット又はプレートリーダー蛍光光度計などの適切な蛍光光度計を用いて、蛍光の増加についてスクリーニングしてもよい。蛍光は公知の蛍光光度計を用いて適宜モニターされる。これらの装置からのシグナルは、例えば、光電子増倍管電圧の形で、データ処理ボードに送られ、各試料管に関連するスペクトルに変換される。多重電子管(例えば96管)は同時に評価することができる。
検出プロトコールが、例えば、リアルタイムPCR反応プロトコールにおいて用いられるようなリアルタイムプロトコールである場合、データは、反応中ずっとこのようにして頻繁な間隔で、例えば、3分ごとに1回収集することができる。各サイクル中試料からの反応分子の蛍光をモニターすることにより、増幅反応の進行は種々の方法でモニターすることが可能である。例えば、溶融ピークにより与えられるデータは、例えば、溶融ピークの下の面積を計算することにより解析することができ、これらのデータがサイクル数に対してプロットされる。
このようにして生じたスペクトルは、例えば、各シグナル伝達部分(すなわち、フルオロフォア)を代表するピークを形成するために、色素などのあらかじめ選択された蛍光部分の「フィット」を用いて分解することができる。シグナルごとの強度値を表すピーク下の面積を決定し、必要であれば、互いの商として表すことが可能である。シグナル強度及び/又は比の差異は、反応を通じて又は温度などの異なる反応条件で記録される標識されたプローブの変化を与えることになる。そのような変化は、オリゴヌクレオチドプローブと標的配列間の結合現象又は標的配列に結合しているオリゴヌクレオチドプローブの分解と関係がある。差異のあるピーク下の面積の積分により、計算される標識効果を表す強度値が与えられることになる。
蛍光の変化について混合物をスクリーニングすると、試料がプライマー伸長反応の終了時に1回、それとも、例えば、増幅反応の各サイクル後に複数回スクリーニングされる(例えば、リアルタイムPCRモニタリングにおいて行われるように)のかどうかに応じて、1つ又は複数のアッセイ結果を与える。
上述のように生じるデータは、種々の方法で解釈することが可能である。その最も単純な形では、増幅反応中の又は終了時の試料からの蛍光の増加又は減少は、例えば、反応混合物において検出される増幅産物の量に相関している試料中に存在する標的分析物の量の増加を示していて、増幅反応が進行しており、したがって標的分析物が最初の試料中に実際に存在したという事実を示唆している。増幅過程全体を通じて増幅反応をモニターすることにより定量化も可能である。定量化は、上述の反応混合物中の1つ又は複数の核酸対照についてアッセイすることを含んでもよい。
このように、反応混合物は、標的分析物の存在について容易にスクリーニングする(又は評価する又はアッセイする、等)ことができる。上記方法は、単一標的分析物の検出並びに2つ又はそれよりも多い異なる標的分析物が試料においてアッセイされる多重解析に適している。これらの後者の多重状況では、用いることができるプローブの異なるセットの数は、典型的には約2〜約20又はそれよりも多い(例えば、最大100又はそれよりも多い、1000又はそれよりも多い)。
いくつかの異なる近接プローブセットを使用する多くの分析物の同時及び単一反応(多重化)での解析は、本発明の遮断試薬を使用する場合に得られる増加した特異性及び感度により増強され、結合スプリント法を用いてさらに増強することができる。各プローブセットは、該プローブセットにより調べられている分析物の存否、量及び/又は位置を決定するのに使用することができる独自の相互作用(例えばライゲーション)産物を生成するように設計することが可能である。相互作用産物は、液体クロマトグラフィー、電気泳動法、質量分析法、顕微鏡法、リアルタイムPCR、蛍光プローブ等を含む、文献から公知の核酸分子の解析のための確立した方法のいずれを用いても、直接に又は増幅後に検出することができる。特に興味深いのが、結合スプリント法と「DNAアレイ」読出しフォーマットの組合せである。多重化された近接アッセイからのいくつかの独自の相互作用産物は、ライゲーション産物配列に相補的ないくつかのオリゴヌクレオチド配列(タグ)を担持している規格化されたDNAアレイにハイブリダイズすることができる。アレイにハイブリダイズされる各相互作用産物はDNAアレイ上のその位置により同定することができ、所与のハイブリダイゼーションスポットにおいて検出される強度は、その特異的な相互作用産物の量を、したがってその相互作用産物を生じる分析物の量も示すことになる。相互作用産物の検出は、分光法、蛍光、放射性同位元素等により実現することができる。蛍光部分は、増幅反応(PCR)において蛍光的に標識されたプライマー又は蛍光的に標識されたヌクレオチドを用いて相互作用産物中に都合よく導入してもよい。DNAアレイは、少数のスポットを含有する膜上の単純なドットブロットアレイ、又は数十万のスポットを担持する高密度アレイでもよい。
本発明の方法の検出ステップは、非特異的核酸ハイブリダイゼーション事象に付随するバックグラウンドをさらに減少させるために変更することができる。そのような変更には、いかなる非特異的核酸ハイブリダイゼーション事象も減少させることになる方法への調整が含まれる。いくつかの実施形態では、弱く非特異的なDNAハイブリダイゼーション事象を減少させるために、タンパク質を試料と近接プローブを含有する混合物に添加してもよい。例えば、イーコリ一本鎖DNA結合タンパク質は、プライマー伸長反応とPCR反応の収量及び特異性を増加させるのに使用されてきた(米国特許第5,449,603号及び米国特許第5,534,407号)。ファージT4の遺伝子32タンパク質(一本鎖DNA結合タンパク質)は、比較的大きなDNA断片を増幅する能力を明らかに改善し(Schwartzら,Nucl.Acids Res.18:1079頁(1990))、DNAポリメラーゼ忠実度を増強する(Huang,DNA Cell.Biol.15:589〜594頁(1996))。そのようなタンパク質は、使用される場合は、約0.01ng/μL〜約1μg/μL(例えば、約0.1ng/μL〜約100ng/μL、約1ng/μL〜約10ng/μL)の反応混合物中の濃度を達成するのに使用されることになる。
他の実施形態では、弱く非特異的なDNAハイブリダイゼーション事象を減少させるために、二本鎖核酸を第1及び第2の近接プローブの核酸ドメインとして使用することができる。
上述のように、本発明の方法は、第1と第2のプローブの核酸ドメイン間の相互作用(例えばライゲーション)が、近接プローブが分析物に結合している場合にのみ起こるように設計されている。しかし、この種のあらゆるアッセイと同様に、そのことは必ずしも保証はできず、プローブが溶液中で無作為に近接する場合には、あるバックグラウンド相互作用、例えば、核酸ドメインのライゲーションが存在することもある(そのような相互作用が起こるように、スプリントを用いてすべてのプローブの核酸ドメインが互いにハイブリダイズするように求めることによりこの可能性は減少する)。したがって、未反応(すなわち非結合)プローブに起因するバックグラウンドの可能性をさらに減少させる又は最小限に抑えるために、上記遮断試薬に加えて遮断オリゴヌクレオチドを使用してもよい。
遮断オリゴヌクレオチドは、第1及び第2の近接プローブの核酸ドメインの遊離末端に結合する(すなわちハイブリダイズ又はアニールする)。したがって、遮断オリゴヌクレオチドは、5’近接プローブの核酸ドメインの遊離3’OH末端に、及び3’近接プローブの核酸ドメインの遊離5’リン酸末端に結合することができる。遮断オリゴヌクレオチドの結合は、分析物上ですべてのプローブが結合しているときに起こるなどの、高局所的濃度のスプリントの存在下では競合に負けることがある。このように、遮断オリゴヌクレオチドは、分析物結合がないときに、第1及び第2のドメインがスプリントにハイブリダイズするのを妨げることができる。したがって、5’及び3’プローブの遊離末端は、分析物への結合がないときには相互作用を妨げられることがある。プローブがすべて分析物に結合している場合、スプリントの局所的濃度は、特にスプリントが第3の近接プローブの核酸ドメインを形成する場合は、遮断オリゴヌクレオチドに競合で打ち勝つ、すなわち、第1及び第2のドメインがスプリントにハイブリダイズして遮断オリゴヌクレオチドが置き換えられるのに十分である。
したがって、遮断オリゴヌクレオチドは、競合ベースの戦略の使用を可能にしてバックグラウンドを減少させ、したがってアッセイの感度をさらに増加させる。
遮断オリゴヌクレオチドは、長さが約4〜100ヌクレオチド、例えば、6〜75又は10〜50の範囲にわたってもよい。遮断オリゴヌクレオチドは、第1又は第2のプローブの核酸ドメインの遊離末端の又はその近くの領域にハイブリダイズすることができる(「近く」とは、遊離の3’又は5’末端から1〜20又は1〜10、例えば、1〜6ヌクレオチド内を意味する)。ハイブリダイゼーションの領域は、3〜15ヌクレオチド長、例えば、3〜12、3〜10、3〜8、4〜8、3〜6、4〜6でもよい。
遮断オリゴヌクレオチドが、スプリントにハイブリダイズすることができなかった近接プローブの末端に連結され得るように、遮断オリゴヌクレオチドはヘアピン構造を有するように都合よく設計することができる。
遮断オリゴヌクレオチドは、典型的には、それぞれのプローブよりも過剰に、例えば、2〜1000倍(例えば、20〜500、50〜300、100〜500)、又は100〜300倍(例えば、20、200又は300倍)過剰に使用される。
低親和性及び遅い結合動態の近接プローブを用いて分析物を検出する場合には、近接プローブを試料に接触させ、近接プローブの分析物への結合を促進するのに十分な高濃度でインキュベートしてもよい。このインキュベーションステップは、大量の冷却バッファー(例えば、分析物又は近接プローブを含まないバッファー)で急速に希釈し、それに続いてこの希釈物の一部をライゲーション反応混合物に添加することができる。このライゲーション反応混合物は、カセットオリゴヌクレオチド(使用される場合)、ATP及びリガーゼ酵素を含有することができる。低温、例えば約0℃〜約20℃(例えば約4℃〜約10℃)の温度は、既存の近接プローブ分析物複合体の解離を最小限に抑え、著しい希釈により非結合近接プローブの濃度が減少し、それによって非結合近接プローブの反応性を低下させてバックグラウンドシグナルを最小限に抑える。
そのような実施形態では、約1μl〜約20μl(例えば、約1μl、約2μl、約3μl、約4μl、約5μl又は約6μl)の小インキュベーション容量の試料、遮断試薬及び近接プローブを使用し、次に、約8μl〜約1.5ml(例えば、約20μl〜約1.3ml、約50μl〜約1ml、約75μl〜約800μl、約100μl〜約500μl、約200μl〜約300μl)又はそれよりも多い比較的大きなインキュベーション容量でカセットを添加することによってアッセイは実施される。最終インキュベーション容量中の近接プローブの有効濃度はこのように希釈され、プローブと分析物間の結合は第1と第2の核酸ドメインがライゲートされて、又はハイブリダイズされて伸長される前に解離する時間がないためにシグナルを維持しつつバックグラウンドを減少させる。ライゲーション又は伸長産物が、100μlを超える又はそれよりも多いなどの比較的大きな容量から濃縮することができる限り、このアプローチにより極めて高い感度が可能になり、したがって近接依存性相互作用を検出する。そのような実施形態では、プローブ−プローブ相互作用は、一本鎖結合タンパク質を使用することにより減少させることが可能である。
複雑な試料に付随する問題は、解析に先立って複雑な試料を希釈することによりさらに対処することができる。しかし、本発明の検出方法の1つの利点は、遮断試薬が、潜在的非標的特異的結合部位を占めることにより、試料の複雑さを効果的に減少させることである。それにもかかわらず、複雑な試料を希釈すると、本発明の遮断試薬と組み合わせて、バックグラウンドシグナルをさらに減少させることができる。基本的に、試料を希釈するステップは、プローブが非特異的に結合することがあるタンパク質の量を大幅に減少させ、それにより必要なプローブの濃度を低下させることになる。分析物も希釈されることになるが、近接プローブの高感受性により良好な検出と定量化が得られることになる。
本発明の方法は、上述のように均一に(すなわち溶液中で)使用してもよく、又は例えば分析物が固相に固定化されて洗浄ステップの使用を可能にする固相を用いて、不均一に使用してもよい。固相アッセイを使用するのは特に困難な試料の検出に有利であり、洗浄ステップは阻害成分の除去に役立ち、分析物は望ましくないほど大きな試料容量から濃縮することが可能になる。洗浄することにより未結合分析物とプローブを取り除くことができるので、より高い濃度及びより多くの量の近接プローブを使用することが可能である。洗浄することにより未結合プローブ又は相互作用していないプローブを取り除く能力により、固相アッセイが均一アッセイと比べてより低い純度の近接プローブを許容することも意味する。
分析物の固相上への固定化は種々の方法で達成することができる。したがって、固相アッセイ、例えば、固相結合スプリントアッセイのいくつかの実施形態が企図されている。1つのそのような実施形態では、1つの(又は複数の)第1又は第2の(又は使用される場合は第3の)近接プローブを固相(又は固体支持体)上に固定化してもよい(又は固定化することができることもある)。分析物は先ず1つ(又は複数の)固定化された(又は固定化可能な)プローブにより捕獲され、次にそれに続いて添加されるプローブが結合することができる。そのような計画では、前述の結合活性効果は結合ステップ中には存在しないこともあるが、洗浄ステップに関連性がある。好ましくは、分析物を含有する試料は、固相結合(すなわち固定化された又は固定化可能な)プローブとの接触に先立って、好ましくは、結合活性効果が検出(結合)ステップにも貢献するように、非固定化された/非固定化可能なプローブが反応混合物に添加されるのと同時に遮断試薬に接触させる。
固定化された近接プローブは、いかなる適当な方法で固定化されても、すなわち支持体に結合させてもよい。したがって、固定化の様式又は手段及び固体支持体は、当技術分野で広く知られており文献記載のあらゆる固定化手段及び固体支持体から、好みによって選択してもよい。したがって、プローブは、例えば、分析物結合ドメインを介して支持体に直接結合させてもよく(例えば、化学的に架橋される)、プローブはリンカー基によって又は中間結合基により(例えば、ビオチン−ストレプトアビジン相互作用により)間接的に結合させてもよい。したがって、近接プローブには、支持体上に提供される固定化のための手段(例えば、親和性結合パートナー、例えば、その結合パートナー、すなわち、同族結合パートナー、例えば、ストレプトアビジン又は抗体に結合することができるビオチン又はハプテン)を提供することができる。プローブは分析物に結合する前に又は後で固定化してもよい。さらに、そのような「固定化可能な」プローブは、支持体と一緒に試料に接触させてもよい。
固体支持体は、固定化、分離等のために現在広く使用されている又は提唱されている周知の支持体又はマトリックスのうちのいずれでもよい。これらの支持体は、粒子(例えば、磁性又は非磁性でもよいビーズ)、シート、ゲル、フィルター、膜、繊維、毛細管、又はマイクロタイター条片、チューブ、プレート若しくはウェル等の形態をしていてもよい。
支持体は、ガラス、シリカ、ラテックス又はポリマー材料で作られていてもよい。分析物の結合のために高表面積を呈する材料が適している。そのような支持体は不規則な表面を有することがあり、例えば、多孔性又は粒状、例えば、粒子、繊維、クモの巣状のもの、シンター又は篩であってもよい。粒状材料、例えば、ビーズ、特にポリマービーズは、その比較的大きな結合力のために有用である。
好都合なことに、本発明で使用される粒状固体支持体は球状ビーズを含む。ビーズのサイズは決定的なものではないが、例えば、少なくとも1μm、好ましくは少なくとも2μmの直径のオーダーであり、好ましくは10μm以下(例えば6μm以下)の最大直径を有してもよい。
単分散粒子、すなわちサイズが実質的に均一である粒子(例えば、5%未満の直径標準偏差を有するサイズ)は、反応の極めて均一な再現性を与えるという利点を有する。代表的な単分散ポリマー粒子は、US−A−4336173に記載される技法により作製することができる。
しかし、操作及び分離を支援するためには磁気ビーズが有利である。本明細書で使用される用語「磁気の」は、支持体が、磁場に置かれた場合は磁気モーメントを与えられることができ、したがってその磁場の作用下では置換可能であることを意味する。言い換えると、磁気粒子を含む支持体は、分析物結合ステップに続く迅速で簡単で効率的な粒子の分離法を提供する磁気凝集により容易に取り除くことができる。
別の実施形態では、結合ドメインのみを含む固定化された(又は固定化可能な)分析物特異的プローブ(すなわち、分析物捕獲プローブ)は、均一結合スプリントアッセイの非固定化近接プローブに加えて使用することができる。したがって、そのような実施形態では、分析物は先ず、分析物を固相上に固定化するだけの働きをする固定化された又は固定化可能な捕獲プローブにより捕獲され、それに続いて固定化された分析物は遮断試薬及び近接プローブと一緒にインキュベートされる。そのような実施形態では、捕獲プローブは、直接的でも間接的でも分析物に結合することができるいかなる結合パートナーでもよい(例えば、近接プローブの分析物結合ドメインに関連して上述)。さらに具体的には、そのような捕獲プローブは分析物に特異的に結合する。本方法のこの実施形態は、分析物又は分析物複合体への少なくとも3つのプローブ(結合ドメイン)の同時結合を必要とするために、潜在的に少なくとも3つの異なるエピトープを調べることができ、アッセイに高特異性を与えることができる。
さらなる実施形態では、分析物それ自体は、例えば、非特異的吸収により固相上に固定化することができる(又は固定化可能である)。特定のそのような実施形態では、分析物は、任意選択で固定される及び/又は透過処理されて、固体支持体に付着している(付着することができる)細胞内に存在してもよい。
上記方法により、反応混合物中に存在する近接依存性相互作用が検出され、今度は、混合物はアッセイされている試料中の標的分析物の量の基準を与える。基準は定性的でも定量的でもよい。
上記実施形態は、近接プローブライゲーションアッセイに関するが、このアッセイに限定されないことは明らかであろう。したがって、上記特長は、本明細書に記載される遮断試薬を利用する他のプローブベースの及び近接プローブベースのアッセイに適用することができる。
したがって、複雑な試料中の1つ又は複数の標的分析物の存在を検出する上記方法は、種々の異なる用途において使用可能である。
本発明の方法を使用して、試料中の1つ又は複数の標的分析物の存在又は不存在について試料をスクリーニングすることができる。上述のように、本発明は、試料中の1つ又は複数の標的分析物の存在を検出する又はその量を定量化する方法を提供する。
本発明の方法を用いて、大量の非標的実体を有する複雑な試料を含む種々の異なる種類の試料中の1つ又は複数の標的分析物の存在を検出することができ、本発明の方法の遮断試薬のために、本発明の遮断試薬を利用しない相当する方法よりも標的分析物の優れた検出が可能になる。したがって、本発明の方法は、単純な又は複雑な試料中の1つ又は複数の標的分析物を検出する高感度な方法である。上述のように、本発明の方法でアッセイされる試料は多くの実施形態において生理的供給源由来である。
多種多様な分析物を検出することに加えて、本発明の方法を使用して、近接プローブの分析物結合ドメインと分析物の結合領域間の相互作用、すなわち、分析物結合ドメインの分析物への結合を調節する化合物についてスクリーニングすることもできる。用語「調節する」には、2つの分子間の相互作用を減少させる(例えば阻害する)ことも増強することも含まれる。スクリーニング法はインビトロ又はインビボフォーマットでもよく、両フォーマットは当業者により容易に開発される。
種々の異なる候補作用物質を上記方法によりスクリーニングしてもよい。候補作用物質は多数の化学物質クラスを包含しているが、典型的には有機分子、好ましくは50より大きく約2500ダルトン未満の分子量を有する小有機化合物である。候補作用物質はタンパク質との構造的相互作用、特に水素結合に必要な官能基を含み、典型的には、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのアミン、カルボニル、ヒドロキシル又はカルボキシル基を含む。候補作用物質は、1つ又は複数の上記官能基で置換されている環状炭素若しくは複素環構造及び/又は芳香族若しくはポリ芳香族構造を含むことが多い。候補作用物質は、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、その誘導体、構造類似体又は組合せを含む生体分子中にも見出される。
候補作用物質は、合成又は天然化合物のライブラリーを含む多種多様な供給源から得られる。例えば、ランダム化されたオリゴヌクレオチド及びオリゴペプチドの発現を含む、多種多様な有機化合物及び生体分子のランダム及び指向性合成には、多数の手段が利用可能である。あるいは、細菌、真菌、植物及び動物抽出物の形態の天然化合物のライブラリーが利用可能であり又は容易に生成される。さらに、天然又は合成的に生成されるライブラリー及び化合物は、従来の化学的、物理的及び生化学的手段を通じて容易に変更され、コンビナトリアルライブラリーを作製するのに使用してもよい。公知の薬物を、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化等などの指向性又はランダム化学修飾に供して、構造類似体を作製してもよい。
上記スクリーニングアッセイにおいて同定される作用物質は、標的分析物の活性を調節する方法や標的分析物の存在及び/又は活性に関連する条件を含む種々の方法において使用可能である。
上述の本発明の方法を実施するのに使用可能なキットも提供される。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の方法を実施するためのキットは、上記核酸成分に連結された非分析物特異的結合タンパク質を含む遮断試薬を含む。キットは、少なくとも1セットの近接プローブをさらに含んでもよく、セット中の少なくとも1つの近接プローブ、しかし好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは各近接プローブが、上記タンパク質様分析物結合ドメイン及び核酸ドメインを含む。上述のように、いくつかのプロトコールは、試料中の2つ又はそれよりも多い標的分析物を、例えば、多重及び/又はハイスループットフォーマットで同時に検出するために2つ又はそれよりも多い異なるセットのそのようなプローブを用いることになる。したがって、いくつかの実施形態では、キットは2つ又はそれよりも多い異なるセットの近接プローブを含むことになる。さらに、キット構成要素を用いて実施されるプロトコールにおいて必要な又は所望の追加の試薬が存在してもよく、その追加の試薬には、リガーゼ、ギャップ/カセットオリゴヌクレオチド、ライゲート可能なオリゴヌクレオチド、ポリメラーゼ、共通ハイブリダイゼーション鋳型(又は「伸長鋳型」)、遮断オリゴヌクレオチド、プローブ、結合ドメイン又は分析物の固定化のための固体支持体、プローブ、結合ドメイン又は分析物の固定化のための手段、検出手段、例えば、蛍光標識されたヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド、補助的核酸の対、一本鎖結合タンパク質及びPCR増幅試薬(例えば、ヌクレオチド、バッファー、陽イオン)、並びに同種のもののうちの1つ又は複数が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、キットは、上述のように、インキュベーション混合物の有効容量を減少させるのに使用される要素(例えば体積排除剤)を含んでもよい。キット構成要素は別々の容器に存在してもよく、又は構成要素の1つ又は複数は同一容器に存在してもよく、容器は、貯蔵容器及び/又はキットが設計される目的のアッセイ中に用いられる容器であってもよい。
上記構成要素に加えて、本発明のキットは、本発明の方法を実施するための使用説明書をさらに含むことができる。これらの使用説明書は本発明のキット中に種々の形態で存在してもよく、1つ又は複数の使用説明書がキット中に存在してもよい。これらの使用説明書が存在し得る1つの形態は、適切な媒体又は基材上、例えば、情報が印刷される1枚の又は複数枚の紙上に、キットの包装に、添付文書に、等に印刷された情報としてである。さらに別の手段には、コンピュータで読み取り可能な媒体、例えば、情報が記録されているディスケット、CD等が考えられる。存在し得るさらに別の手段は、遠隔サイトの情報にアクセスするためにインターネットを介して使用することができるウェブサイトのアドレスである。いかなる適当な手段でもキット中に存在することができる。
したがって、さらなる態様において、本発明は、試料中の分析物を検出するための方法において使用するためのキットであって、
(a)核酸に連結された非分析物特異的結合タンパク質を含む遮断試薬と、
(b)プローブの少なくとも1つのセットであって、セット中の各プローブがタンパク質性分析物結合ドメイン及び核酸ドメインを含む、セットと、
を含むキットを提供する。
特に好ましい実施形態では、本発明は、試料中の分析物を検出するための方法において使用するためのキットであって、
(a)核酸に連結された非分析物特異的結合タンパク質を含む遮断試薬と、
(b)少なくとも第1及び第2の近接プローブの少なくとも1つのセットであって、各セットにおける少なくとも1つのプローブ、より好ましくは各プローブがタンパク質様分析物結合ドメイン及び核酸ドメインを含み、各プローブセットにおける各プローブが分析物に同時に結合することができる、セットと、
(c)任意選択で、前記第1及び第2の近接プローブの核酸間の相互作用を媒介するための手段(例えば、スプリントオリゴヌクレオチド及び/又はリガーゼ酵素、又はポリメラーゼ酵素及び/又は共通ハイブリダイゼーション鋳型)と、
(d)任意選択で、前記相互作用を検出するための手段と、
を含むキットを提供する。
上述のように、核酸間の相互作用を媒介するための手段は、1つ又は複数のスプリントオリゴヌクレオチド及び/又はリガーゼ酵素を含んでもよく、そのような手段は任意選択で、リガーゼ反応に必要な他の試薬をさらに含んでもよい。あるいは、アッセイが近接伸長アッセイである場合、相互作用を媒介する手段はポリメラーゼ酵素及び/又は共通ハイブリダイゼーション鋳型、並びに任意選択で伸長反応において使用される追加の試薬を含んでもよい。相互作用を検出するための手段は、アッセイ方法に関して上述した手段のうちのいずれでもよく、例えば、第1及び第2のプローブの核酸ドメインに与えられる標識でもよく、又は該手段は増幅手段並びにその増幅産物を検出するための手段、例えば、PCR反応のための試薬(例えば、増幅プライマー、及び任意選択でポリメラーゼ及び/又はヌクレオチド等)及びPCRアンプリコンの検出等のための試薬(例えば、タックマン(登録商標)プローブ等)でもよい。代わりの実施形態では、本発明は、試料中の分析物を検出するための方法において使用するためのキットであって、
(a)核酸に連結された非分析物特異的結合タンパク質を含む遮断試薬と、
(b)セットにおけるそれぞれのプローブがタンパク質様分析物結合ドメイン及び核酸ドメインを含む、少なくとも1セットのプローブと、
(c)任意選択で、前記プローブの核酸ドメインと相互作用して、検出可能なシグナルを生成するための手段であって(例えば、前記プローブの核酸ドメインにハイブリダイズすることができる環状又は環状化可能な核酸分子並びにリガーゼ及び/又はポリメラーゼ酵素)、好ましくは、前記検出可能なシグナルが核酸分子である、手段と、
(d)任意選択で、前記検出可能なシグナルを検出するための手段と、
を含むキットを提供する。
プローブの核酸間で相互作用をして検出可能なシグナルを発生させるための手段は、核酸ドメインと特異的に相互作用をして検出可能な核酸分子を生成することができるいかなる核酸分子を含んでもよい。例えば、該手段は核酸プライマー、例えば、プライマー対、及び、例えばPCRにおいて、プローブの核酸ドメインの少なくとも一部を増幅することができるポリメラーゼ酵素でもよい。特に好ましい実施形態では、該手段は、プローブの核酸ドメインにハイブリダイズすることができる環状又は環状化可能な核酸分子(パドロックプローブに類似している)を含む。核酸ドメインは、環状化可能な核酸分子をライゲートする鋳型として及び/又はローリングサークル増幅(RCA)のためのプライマーとして作用することができる。したがって、該手段はリガーゼ及び/又はポリメラーゼ酵素を含んでもよく、そのような手段は、任意選択でリガーゼ及び/又はポリメラーゼ反応に必要な他の試薬、例えば、プローブの核酸ドメインがプライマーとして作用しないRCAのためのプライマーをさらに含んでもよい。相互作用を検出するための手段は、アッセイ方法に関して上述した手段のうちのいずれでもよく、例えば、プローブの核酸ドメイン若しくは相互作用している核酸に与えられる標識でもよく、又は該手段は増幅手段並びにその増幅産物を検出するための手段、例えば、PCR反応のための試薬(例えば、増幅プライマー、及び任意選択でポリメラーゼ及び/又はヌクレオチド等)及びPCRアンプリコンの検出のための試薬等(例えば、タックマン(登録商標)プローブ等)でもよい。
キットは、第1及び存在すれば第2のプローブのためのギャップ/カセットオリゴヌクレオチド及び/又は遮断オリゴヌクレオチドをさらに任意選択で含んでもよい。
キットは、分析物に対する固定化された捕獲プローブ、又は固定化のための手段を与えられた捕獲プローブをさらに任意選択で含んでもよい。あるいは、キットは、分析物の捕獲若しくは分析物に結合するための固相を含んでもよく、又は1つ若しくは複数の第1、第2若しくは第3の近接プローブは固定化される若しくは固定化のための手段を与えられていてもよい。
本発明は、以下の図を参照し以下の非限定的実施例を参照してさらに説明されることになる。
図1は、ヒト血漿試料及び純粋なバッファー試料に対してミスマッチドPLAプローブ対(NGFとIL−2)を用いた近接ライゲーションアッセイ反応における非特異的バックグラウンドシグナルの減少を示している。「GP」はヤギ遮断プローブであり、「P.D.」は血漿希釈液である。
図2は、ヒト血漿又は血清試料、希釈されたヒト血漿又は血清試料(50/50)及び純粋なバッファー試料に対してミスマッチドPLAプローブ対(NGFとIL−2)を用いたPLA反応における非特異的バックグラウンドシグナルに対する個々の構成成分の効果を示している。「N40」は40ヌクレオチド長のランダム化されたオリゴヌクレオチドの試料であり、「IgG」はヤギ由来のバルクIgGである。遮断試薬はバルクIgGにコンジュゲートされたN40オリゴヌクレオチドである。
図3は、ヤギから作製された遮断試薬(ヤギプローブ)の存在又は不存在下、ウサギ+ウサギ(A)、マウス+ウサギ(B)及びヒツジ+マウス(C)由来のミスマッチド標的特異的抗体を用いて、3つのヒト血漿試料(7P、8P、11P)及びバッファー中のPLA反応における非特異的バックグラウンドシグナルの評価を示している。
図4は、遮断プローブ(「4ステップイノバ」)とは異なる標的プローブ(「1ステップイノバ」)にコンジュゲーション化学を使用する場合の5つのヒト血漿試料(3P、4P、7P、8P、11P)及びバッファーにおける遮断試薬(ヤギプローブ)の効果を示している。PLA反応はミスマッチドプローブ対51_7(A)及び7_51(B)を使用しており、配列番号51はICAMに一致し配列番号7はTIMP−1に一致している。
[実施例1]
材料及び方法:
抗体のコンジュゲーション:
抗体の共有結合性SMCCコンジュゲーション:
標的特異的プローブについて、ポリクローナル又はモノクローナル抗体は、製造業者のプロトコール(Pierce Biotechnology,Rockford,IL,USA)に従って3’及び5’オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされたスルホ−SMCC(スルホサクシニミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシラート)であった。遮断プローブを作製するために、ランダム化されたN40オリゴヌクレオチドは、同一のコンジュゲーションプロトコールを用いてヤギから作られたポリクローナルIgG抗体にコンジュゲートされた。
抗体の共有結合性イノバコンジュゲーション:
10μg(1mg/mL)の抗体は、製造業者のプロトコール(Innova Biosciences,Cambridge,United Kingdom)に従って3’及び5’オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされた。遮断プローブを作製するために、ランダム化されたN40オリゴヌクレオチドは、同一の手順でヤギから作られたポリクローナルIgG抗体にコンジュゲートされた。
試料:
ヒトEDTA血漿及び血清試料は、Olink Bioscienceから8名の健康なボランティアにより快く提供された。K3−EDTA抗凝固性チューブ(Hettich Labinstrument,Sollentuna,Sweden)は血漿試料に使用され、血餅活性化因子を含有するチューブ(Hettich Labinstrument,Sollentuna,Sweden)は血清試料に使用された。試料はすべて室温で1〜2時間インキュベートされ、一定分量化に先立って3000rpmで10分間さらに遠心分離され、−20℃で保存された。
試料調製:
血漿及び血清試料並びにバッファーは、Olink血漿希釈バッファー、PBS pH7.4、5mM EDTA、0.13mg/mLサケ精子DNA、0.1%BSA、0.25mg/mL IgG、0.02%アジ化ナトリウム、2.5μMの遮断試薬のあり又はなしに1対2で希釈され、室温で20分間インキュベートされた。
プローブインキュベーション:
プローブ混合物は、FBB(PBS pH7.4、25mM トリス pH8、0.1%フィッシュゼラチン、4mM EDTA、1mMビオチン、0.016mg/mLサケ精子DNA、0.02%アジ化ナトリウム)、0.1%トリトン(Triton)X−100/1%BSA中に3’及び5’プローブを50〜200pM間の濃度まで希釈することにより調製された。各ポリプロピレンキャップ(Sarstedt,Numbrecht,Germany)に2μLのプローブ混合物が移され、続いて2μLの適切に希釈された試料が移された。キャップがポリプロピレンチューブ上に置かれ、短時間遠心処理され、+4℃で一晩インキュベートされた。
ライゲーション及びリアルタイムPCR:
25mM KCl、2.5mM MgCl2、20mM トリス−HCl(pH8)、0.004ワイス単位のT4 DNAリガーゼ(Fermentas,St.Leon−Rot,Germany)、100nMコネクターオリゴヌクレオチド、2mM DTT及び80μM ATPを含有する100μLのライゲーション混合物は、各4μLインキュベーション試料に添加され、37℃で10分間インキュベートされ、65℃で10分間熱失活させた。リアルタイムPCRのための全反応容量は20μlであり、11μlの200nM タックマンプローブ、500nMユニバーサルプライマー、1×TE pH8.0、2×Fast Taqman Universal Master Mix(Applied Biosystems,Foster City,CA)及び9μlのライゲートされた産物を含有していた。試料は4通りに使用され、サイクリング条件は95℃で2分、続いて95℃で15秒及び60℃で60秒を45サイクルであった。増幅及び検出は、ABI PRISM 7900HT(Applied Biosystems,Foster City,CA)を用いて実施された。
データ解析:
q−PCR機器からの生データ(SDSファイル)の計算及び解析にはエクセルを使用した。
実験の原理:
以下の実験は、NGFとIL−2などの、相互作用をしない2つの異なるタンパク質分析物に特異的な2つのPLAプローブを用いて実施された。血清又は血漿試料がそのような検出反応に添加されると、プローブを接近させそれによって偽の陽性シグナルを生じるPLAプローブによる非特異的結合事象が存在しなければ、「バッファー」バックグラウンドを超えるシグナルは検出可能ではないはずである。近接ライゲーションアッセイはタンパク質分析物を、次の実験でリアルタイムPCRによって読み取られるDNAアンプリコンに変換する。平均Ctは標準偏差と一緒に報告される。
[実施例2]
遮断試薬の存在又は不存在下のPLAの特異性:
非特異的シグナルは、非マッチドプローブ対を用いてヒト血漿試料において近接ライゲーションアッセイを実施することにより実験的にモニターされた。そのような非マッチド又はミスマッチドプローブ対は(純粋なバッファー由来の)ノイズを超える(血漿由来の)シグナルを生じないはずである。第1のプローブはNGFを標的にし、もう一方のプローブはIL−2を標的にした。血漿シグナルはそのようなミスマッチド検出に由来しており、遮断試薬の使用及びその使用をアッセイに含むことによって顕著に減少した(図1)。
アッセイは、コンジュゲートされていないバルクIgG及びコンジュゲートされていないランダム化されたオリゴヌクレオチドの存在下でも別々に及び同時に実施された。これらの反応はアッセイ特異性を著しく改善することはなかった、すなわち、これらの試薬は、非特異的バックグラウンドシグナルの減少を得るためにはコンジュゲートしなければならない。
[実施例3]
特異性増強効果(遮断効果)は、特異的遮断試薬(ランダム化されたオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされた抗体)に由来し、試薬の個々の構成成分に由来するのではないことを実証するためのアッセイ:
遮断効果は、ランダム化されたN40オリゴヌクレオチドがバルクIgG抗体に連結していたときだけ得られることを検証するために、個々の構成成分の効果が別々に調べられ遮断試薬の効果と比較された。室温で20分間、N40オリゴヌクレオチド(血漿又は血清、血漿又は血清の希釈液(50対50、血漿若しくは血清とバッファー)のプレインキュベーション中7.5μM)のみ又はバッファーのみを添加しても、添加物が全くなしの場合と比べて非特異的シグナルにいかなる変化も生じなかった。IgG抗体(2.5μM)を添加すると非特異的シグナルはわずかに減少したが、それでも血漿及び血清試料には著しい交差反応性が存在した。しかし、遮断プローブ(2.5μMの抗体と3倍コンジュゲーション過剰のN40オリゴヌクレオチド)を添加すると交差反応性は完全に取り除かれた(図2)。
[実施例4]
標的抗体の入手源の種とは異なる種由来のIgGから作製される遮断試薬の遮断効果:
遮断試薬の効果をさらに評価するために、発明者は、ヤギIgGで作製されたプローブを使用する効果がヤギ以外の種から作製されたミスマッチドプローブに対して同じ遮断効果を有することができるかどうかを調べた。発明者は、ミスマッチドプローブ対の3つの異なる組合せ[ウサギ+ウサギ(図3A)、マウス+ウサギ(図3B)及びヒツジ+マウス(図3C)]を試験し、3つの異なるヒト血漿試料(7P、8P、11P)において交差反応性を調べた。血漿希釈液又はバッファー中に遮断試薬が存在しない、ウサギ+ウサギ(図3A)及びヒツジ+マウス(図3C)の組合せを使用した場合に、ミスマッチドプローブ間でいくらかでも交差反応性を示す唯一の試料は11Pであった。この交差反応性は、いくつかの特定の試料に現れることがあり得る非特異的シグナルを取り除くためには遮断試薬が必要であることを例証している。したがって、遮断試薬が血漿希釈液又はバッファー中でインキュベートされると、非特異的シグナルの交差反応性は取り除かれた。この実験は、遮断試薬のタンパク質成分は、標的特異的分析物結合ドメインが由来する種と同一の種に由来する必要はないことを実証している。
[実施例5]
遮断試薬に1つのコンジュゲーション化学を標的特異的プローブに異なるコンジュゲーション化学を使用する遮断試薬の遮断効果:
次の実験では、1つの連鎖タイプ(「4ステップイノバ」)が遮断試薬に対して使用され、別の連鎖タイプ(「1ステップイノバ」)が標的特異的プローブに対して使用された。5つの異なる血漿試料(3P、4P、7P、8P、11P)が実験に含まれ、2つのミスマッチドプローブの組合せ(51_7及び7_51;配列番号51は抗ICAM抗体に、配列番号7はTIMP−1に一致)が使用された。プローブの両方の組合せに対して遮断試薬(ヤギプローブ)を使用した場合は、血漿試料における非特異的結合は顕著に減少した(図4A〜B)。したがって、遮断試薬の核酸ドメインをコンジュゲート/連結するのに使用される方法及びリンカーは、近接プローブの核酸ドメインと分析物結合ドメインをコンジュゲートするのに使用されるリンカーと同一である必要はない。
この実験は、血漿試料の一部のみが非特異的シグナルを示したが、遮断試薬を使用すればすべての非特異的シグナルを取り除くことができたことも実証している。