JP2013532700A - 癌を治療するための、レチノール、その前駆体または反応性生物および少なくとも1つのカモミール植物からの植物抽出液を含む組成物 - Google Patents

癌を治療するための、レチノール、その前駆体または反応性生物および少なくとも1つのカモミール植物からの植物抽出液を含む組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、好ましくは癌の治療における使用のための、(i)ビタミンA、その反応生成物、代謝物または前駆体および(ii)カモミールの植物抽出液またはその有効成分に関する。本発明組成物は、医薬または医薬組成物として提供することができる。典型的に本発明組成物に含まれる少なくとも1つのカモミール植物は、カモミール(Matricaria recutita)、より好ましくはカモミールのフローレス・テュビフォルミス(flores tubiformis)(カモミールの花)を含むのが好ましい。本発明組成物に典型的に含まれるレチノールのエステルは、たとえば、酢酸レチニルおよびカモミールからの植物抽出液を含む。

Description

本発明は、好ましくは癌の治療における使用のための、(i)ビタミンA、その反応生成物、代謝物または前駆体および(ii)カモミールの植物抽出液またはその有効成分に関する。本発明組成物は、医薬または医薬組成物として提供することができる。典型的に本発明組成物に含まれる少なくとも1つのカモミール植物は、カモミール(Matricaria recutita)、より好ましくはカモミールのフローレス・テュビフォルミス(flores tubiformis)(カモミールの花)を含むのが好ましい。本発明組成物に典型的に含まれるレチノールのエステルは、たとえば、酢酸レチニルおよびカモミールからの植物抽出液を含む。
近年、たとえば、治療用途などの様々な目的のために植物抽出液を利用する多くの従来技術文献が発行されているが、効果的な治療を有効にサポートするか、または可能にするように見えるのはこれらのうちのいくつかのみである。
これに関連して、WO 03/101479は、様々な成分、特に、(i)抗酸化剤またはビタミン;(ii)金属イオン;および(iii)細胞外成分を取り込む細胞の能力を増強する作用剤;を含む、様々な治療および化粧用途を有する組成物を開示している。抗酸化剤またはビタミンは、たとえば、ビタミンC、AおよびEのいずれかなどであってよく、金属イオンは、典型的に、たとえば、Na、Kなどの一価イオンまたはFE、Mo、Mg、Mn、Ca、Zn、CuまたはCoなどの多価イオンなどから、典型的には塩の形態で選ばれる。細胞外成分を取り込む細胞の能力を増強する作用剤は、たとえば、インスリンまたは成長ホルモンなどであってよく、あるいは抗ヒスタミン剤を含んでもよい。WO 03/101479 A1の組成物は、たとえば、遺伝性疾患、皮膚疾患、癌およびウイルス感染症などの様々な疾患の治療に有用であると考えられている。組成物は、典型的に、筋肉内注射によって投与される。に記載の組成物に加えて、治療される患者に、さらなる活性物質を投与してもよい。このような活性物質は、エストラジオール、ナンドロロンまたはエストリオールなどのステロイド、あるいはビタミンA、Dおよび/またはEなどのビタミンを含んでもよい。WO 03/101479 A1によれば、ビタミンAの機能は、上皮組織の整合性を保存すること、たんぱく質合成の役割を演じること、ならびに細胞膜およびオルガネラ膜も安定化させることである。WO 03/101479 A1の治療実施例に示されるように、これらの活性物質は、別々に与えられ、組成物の一部を形成しない。たとえば、ビタミンAは、毎週別々に与えられた。さらに、エストリオールは、毎日別々に与えられた。最後に、ナンドロロンは、20日毎に別々に与えられた。WO 03/101479 A1に記載の組成物は、遺伝性疾患、皮膚疾患、癌およびウイルス感染症などの治療においていくらかの有利な特性を提供するように見えるが、WO 03/101479 A1に記載の組成物は、細胞におけるグルコース摂取の利用者(utilizer)として働くばかりでなく、成長ホルモンとしても働くが、特定のタイプの癌の増殖を増進する場合があるインスリンの存在を組成物中に必ず必要とする。糖尿病でないヒトにとって、たとえば、癌療法中の継続的インスリン摂取は、低血糖さえもたらしうる。さらに、該組成物中に存在する抗ヒスタミン剤は、鎮静副作用を有している。その他に、医薬の製造は、成分の数の多さゆえに、相対的にコスト集約的である。
さらに、WO 2008/146009 A1は、増殖および/または炎症性疾患の治療のためのカモミールの花の水性抽出液を含む組成物を開示する。さらに、カモミール抽出液に加えて、該組成物は、ブラッククミン種子油を含んでもよい。WO 2008/146009 A1によれば、該抽出液は、ヒト癌細胞におけるDNA合成を抑制し、ロイコトリエンおよびIL- 6(インターロイキン6)の生成を阻害することができる。揮発油のロイコトリエン合成の阻害が、ブラッククミン(Nigella sativa)の種子油の存在下で相乗的に増強されることも主張されている。より正確には、本発明は、好ましくは蒸気蒸留によって得られるカモミールの頭状花の水性抽出液を用いて得られたデータに基づき、ここで、水性抽出液は、当業者にはPhEur 5.1に記載されたMatricariae aetheroleumとしても知られる、Matricana recutita L.の頭状花の揮発成分で構成される。本発明は、さらに、ブラッククミン種子油とカモミールの頭状花の揮発油との組み合わせを使用して得られたデータに基づいている。WO 2008/146009 A1からの抽出液は、治療のための良好な基礎を提供する。
植物抽出液を利用するもう1つの組成物が、WO 2009/138860 A1に記載されている。それは、異常増殖および/またはウイルス性状態の治療のための、少なくとも1つのカモミール植物および/または少なくとも1つのノコギリソウ植物の水性および/または有機抽出液を含む組成物を開示するが、ただし、セイヨウノコギリソウ(L.)の単一抽出液は、該異常増殖状態の治療から除外され、さらに、カモミール(L.)の単一抽出液は、ウイルス性状態の治療から除外される。
しかしながら、これらの従来技術文献のいずれもが、補足療法または単一療法のいずれかとしての、癌を有効に治療することができる組成物を提供も示唆もしない。これに関連して、特に、神経原性、間葉または上皮起源の固形腫瘍およびその転移が、重大な障害を表す。
したがって、本発明の目的は、癌、好ましくは神経原性、間葉または上皮起源の固形腫瘍およびその転移の治療用の組成物を提供することである。本発明のさらなる目的は、癌の治療用組成物を含む医薬を提供することである。好ましくは、組成物は、所望の活性プロフィールに必須の化合物のみからなるべきである。組成物は、相乗的に作用し、腫瘍細胞増殖を阻害し、癌細胞の少なくとも細胞死を誘発すべきである。
記載した目的は、本発明によって、好ましくは請求の範囲に記載した主題によって解決される。より好ましくは、本発明は、好ましくは癌または腫瘍性疾患の予防、治療または改善における使用のための(i)ビタミンA、その反応生成物、代謝物または前駆体および(ii)カモミールの植物抽出液またはその有効成分を含むか、またはそれらからなる組成物による第一の実施態様にしたがって解決される。本発明のいくつかの実施態様において、本発明組成物は、カモミールの植物抽出液に加えて、さらなる植物抽出液を含まない、および/または、有効成分としての植物油を含まない。もっとも好ましくは、本発明組成物は、本発明組成物の唯一の(医薬的)有効成分として、成分(i)および(ii)からなるか、または成分(i)および(ii)を含む。
本発明は、(i)レチノールおよびその誘導体ならびにカモミールの植物抽出液を含む組成物が、単独で投与される場合に腫瘍細胞増殖を阻害し、細胞死を誘導するのに有効であることが示されていない用量で、多くの腫瘍細胞株において、腫瘍細胞増殖を効率的に阻害し、細胞死を誘導するという本発明者らの驚くべき発見に基づく。さらに驚くべきことに、レチノールおよびレチノイン酸は、生理的濃度で投与された場合、カモミールの植物抽出液とともに、神経原性および上皮性腫瘍由来の腫瘍細胞において細胞死を誘導することが本発明者らによって見出された。本発明は、カモミールの水蒸気蒸留物を含むカモミールの水性抽出液を用いて得られたデータ、およびカモミールL.の管状花(フローレス・テュビフォルミス)の有機抽出液、特にアルコール性抽出液と、レチノールのエステル(酢酸レチニル)またはレチノイン酸とを組み合わせて用いるデータに基づいている。実験は、ヒト膠芽細胞腫細胞株A172およびU87ならびにヒト大細胞肺癌細胞株H460を用いて行った。カモミールの抽出液とともにインキュベートした場合、腫瘍細胞は、に記載の研究と同様の影響を及ぼされたが、本発明組成物とともにインキュベートした場合、WO 2009/138860に記載の実施例には観察されなかった、腫瘍細胞増殖の阻害および細胞死の誘導における強い増加が起こった。したがって、レチノイドを含むカモミール抽出液による癌の治療は、一般的に、および特定のサブタイプの癌に役立つ。
本発明組成物は、好ましくは(i)ビタミンA、その反応生成物、代謝物または前駆体および(ii)カモミールの植物抽出液またはその有効成分を含むか、またはそれらからなる本発明組成物の成分を混合することによって製造することができる。これに関連して、本発明組成物は、好ましくは、約50mg〜約1500mg、好ましくは約50mg〜約1000mgの上述のカモミール抽出液、および/または典型的に約3mg〜約90mg、好ましくは約3mg〜約90mgの前述のビタミンAもしくはビタミンAの反応生成物、代謝物または前駆体のいずれかを含む。
本発明の第1の実施態様によれば、本発明組成物は、第1成分として、(i)ビタミンA、その反応生成物、代謝物または前駆体を含む。これに関連して、ビタミンAは、正常な視力、遺伝子発現、生殖、胚発生、成長および免疫機能にとって重要であることが知られている。それは、ヒトおよびその他の脊椎動物にとって必須の脂溶性ビタミンである。ビタミンAは、メチル置換シクロヘキセニル環(β-イオノン環)および15位の炭素にヒドロキシル基(レチノール)、アルデヒド基(レチナール)、カルボン酸基(レチノイン酸)またはエステル基(レチニルエステル)を有するテトラエン側鎖を有する20個の炭素からなる構造を含む分子のファミリーを含む。動物由来の食品において、ビタミンAの主な形態は、小腸でアルコール(レチノール)に変換されるエステル、主にパルミチン酸レチニルである。レチノール形は、ビタミンの貯蔵形態として機能し、その視覚的に活性なアルデヒド形であるレチナールに変換される。ビタミンAから不可逆的に合成されうる代謝物である関連する酸(レチノイン酸)は、部分的なビタミンA活性のみを有し、網膜あるいは生殖器系のいくつかの不可欠な部分において機能しない。用語ビタミンAは、レチナールの食事性前駆体(dietary precursors)であるプロビタミンAカロテノイドなどのビタミンAの前駆体も包含する。用語レチノイドは、レチノール、その代謝物および同様の構造を有する合成類縁体を意味する。肝臓、肺、脂肪およびその他の組織は、カロテン15,15'-ジオキシゲナーゼ活性を有し、カロテンが組織にデリバリーされると、ビタミンAに変換されうることが推定される。酵素の活性の主な最終産物は、レチノールおよびレチノイン酸である。ビタミンA欠乏は、リンパ球数、ナチュラルキラー細胞および抗原特異的な免疫応答の減少を伴う。不適切なビタミンA摂取による、白血球およびリンパ系臓器重量の減少、T細胞機能障害および免疫学的腫瘍への耐性の低下が観察されている。液性および細胞性免疫の一般的な機能不全は、実験動物では一般的であり、ヒトには存在する可能性がある(たとえば、“Reference Intakes for Vitamin A. Food and Nutrition Board、Institute of Medicine、2001”を参照)。したがって、本発明との関連で、ビタミンA、その反応性生物、前駆体または代謝物は、ビタミンAまたはその誘導体として、好ましくはレチノイン酸、全トランスレチノイン酸、13-cis-レチノイン酸、レチニルパルミテートなどのビタミンAのエステル、またはレチノール、その視覚的活性アルデヒド形であるレチナール、酢酸レチニル、アリトレチノインなど、ビタミンAの前駆体として、好ましくはβ-カロテン、α-カロテン、γ-カロテンまたはβ-クリプトキサンチンなど、およびビタミンAの代謝物として、好ましくは関連する酸(レチノイン酸)、ビタミンAから不可逆的に合成され、部分的ビタミンA活性のみを有する代謝物などを典型的に含む。
従来技術もまた、急性前骨髄球性白血病(APL)における癌治療において超生理学的濃度でのレチノイドの使用の例を開示していることに留意すべきである(Wang、Z. Y.、and Chen、Z。(2008)Blood 111、2505-2515参照)。急性前骨髄球性白血病(APL)は、全トランスレチノイン酸(ATRA)に例外的によく応答するので、急性骨髄性白血病(AML)の異なるサブタイプであり、他の形態のAMLとは異なって独特である。APL患者において、前骨髄球の分化プログラムは、変異したレチノイン酸受容体α(RAR-アルファ)により、停止される。変異は、融合たんぱく質PML-RARをもたらす、15番染色体上の前骨髄球性白血病の遺伝子(PML)と17番染色体上のRAR-アルファ遺伝子との間の染色体転座によって起こる。このハイブリッドたんぱく質は、一組のコリプレッサー(CoR)および応答エレメント(RAREs)に結合することによる顆粒球への細胞分化に不可欠である標的遺伝子の発現を抑制する。ATRAの治療効果の大部分は、まず、CoRsとRAREsの解離をもたらし、次いで、分化に必要な遺伝子の転写をもう一度可能にする、コアクチベーター複合体への親和性の増加をもたらす、融合たんぱく質の立体配置変化を引き起こすその能力から誘導されるように見える。さらに、ATRAは、APLにおいて分化への遮断を解放することをもたらす、PML-RAR融合たんぱく質のユビキチン化およびプロテアソームによる分解を誘導するとも考えられている。
本発明組成物は、第1の態様にしたがって、さらに、(ii)カモミールの植物抽出液またはその有効成分を含んでもよい。
このようなカモミールの植物抽出液またはその有効成分は、典型的に、少なくとも1つのカモミール植物から、好ましくはカモミールまたはカモミール(Matricaria recutita)から誘導される。カモミールの植物抽出液またはその有効成分は、典型的に、全植物、より好ましくは該植物の頭状花、さらに好ましくは該植物の管状花、そしておそらくさらに好ましくはMatricaria recutita L.の管状花、および最も好ましくはMatricaria recutita L.の花序からの管状花から誘導される。これに関連して、カモミール(chamomile)とも記される、カモミール(Matricaria recutita)またはジャーマンカモミールは、キク科Asteraceaeの一年生植物である。同義語は、以下のとおりである:Chamomilla chamomilla、Chamomilla recutita(Flora Europaeaによって定義されるか、またはEuropean Pharmacopeiaに記載される(Matricariae aetheroleum) PhEur 5、改訂.5.1)、Matricaria chamomilla、およびMatricaria suaveolens。特に、カモミール植物の頭状花(capitulum)は、通常、2つの部分、すなわち、黄色い円盤状または勘定花もしくは小花(フローレス・テュビフォルミスまたはテュビフロルム)および白い放射状花または小花(flores ligutatea)を含む。Matricaria recutita L.の花の管状花(フローレス・テュビフォルミス)の有機抽出液が、異常増殖哺乳動物細胞、特に癌細胞の同期化およびS期停止に適していることが見出されている。この同期化は、オルニチンデカルボキシラーゼの誘導(G0期からG1期への移行)およびトポイソメラーゼIIの阻害(早期S期における蓄積と停止)ゆえに起こる。有機抽出液によるトポイソメラーゼIlの阻害が、水性抽出液による阻害よりも100倍強いことも見出された(該酵素の完全阻害のための濃度に関して)。トポイソメラーゼIlの阻害が、細胞同期化の有効性にとって重要であるという事実により、本発明のMatricaria recutita L.の花の管状花(フローレス・テュビフォルミス)の有機抽出液とともにビタミンA、その反応生成物、代謝物または前駆体を含む本発明組成物は、対応する水性抽出液よりもはるかに強力である。
少なくとも1つのカモミール植物を、本発明組成物に含まれるカモミール植物抽出液のための基礎として用いることができるが、カモミール(Matricaria recutita)またはジャーマンカモミール以外の植物抽出液が、排除の目的で本発明の範囲から除外されるのが好ましい。
カモミールの植物エキスまたはその有効成分は、水性および/または有機抽出液であってよく、当業者に公知のいずれかの適当な手順または方法によって得ることができる。該抽出液は、たとえば、水性または有機媒体;およびろ過、クロマトグラフィー、超臨界流体抽出、蒸気上流など、好ましくは当業者に公知の方法または手順による他の成分からの抽出液の分離;を用いることなどによって得ることができる。水性抽出液の製造のための好ましい手順は、その具体的な開示が、その全体が本明細書中に包含されている、WO 2007/057651 A1に記載されている。このような抽出液が、水溶性成分の多成分混合物を含むのが好ましい。
典型的に、カモミールからの植物抽出液は、適当な植物部位に水を加えて懸濁液を得ることによって得ることができる。次いで、通常、たとえば、90〜94℃などの水の沸点より下の温度まで懸濁液を加熱し、次いで室温に冷却する。次いで、好ましくは本明細書に記載するように、水性抽出液を1回または2回のろ過ステップに付すのが好ましい。
カモミールの植物抽出液またはその有効成分または本発明組成物は、エタノール抽出液または無水エタノール抽出液として製造することができる。エタノール抽出液には、カモミールまたはその部分、好ましくはカモミールの管状花、最も好ましくはMatricaria recutita L.の花序からの管状花を、エタノール、好ましくは無水エタノールで、好ましくは攪拌下で抽出する。次いで、得られた混合物を、たとえば、約1/2〜2時間、好ましくは約1時間、約30℃〜50℃の温度、たとえば、約40℃にて攪拌するのが好ましい。次いで、調製物をろ過して、典型的には2%未満の固体含量で、抽出液を得る。次いで、たとえば、エタノール抽出液に、Span(登録商標)20(Sigma(登録商標))(ソルビタン(モノ)ラウレート)およびTranscutol(登録商標)HP(Gattefosse(登録商標))(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)を、1/2/0.2比で加え、次いで、減圧下(たとえば、100〜25 mbar)および30℃〜50℃、たとえば、40℃の浴温で、エタノールを蒸発させることなどの、有機エタノール含有溶液中の水分含量を減少させるための当業者に公知の方法によって、無水エタノール抽出液を製造することができる。さらに、必要ならば、たとえば、セルロースフィルター(たとえば、TS 4 Filtrox(登録商標))などで抽出液をろ過してもよい。Lutrol L44(BASF)を用いることもできる。
別法として、カモミールの植物抽出液またはその有効成分または本発明組成物は、水性抽出液として製造することができる。水性抽出液には、カモミールまたはその部分、好ましくはカモミールの管状花、最も好ましくはMatricaria recutita L.の花序からの管状花を、蒸留水または精製水で、好ましくは攪拌下、抽出する。典型的には、混合物を、約70℃〜100℃、より好ましくは約90℃〜95℃の温度に、たとえば、15分間〜約2時間、たとえば、約30分間〜約35分間加熱する。次いで、混合物を、約20〜約40℃、たとえば、約30℃〜約35℃に冷却してもよく、たとえば、深層セルロースフィルターを用いて1回または2回以上ろ過してもよい。必要であれば、抽出液を、1% m/mのミグリトール 812 Nで、好ましくは、添加後抽出液を攪拌しながら処理してもよい。さらに、混合物のpHを、約6〜7、たとえば、約6.3〜約6.7に、たとえば、水酸化ナトリウムなどの塩基で調節し、必要に応じて0.1 μm膜フィルターおよび必要に応じて連続して1000kDaウルトラフィルターなどでマイクロろ過してもよい。
本発明組成物ならびに使用されるカモミールの植物抽出液は、たとえば、経口用途、注射用途などの投与にとって安定であるべきである。この目的のために、(当業者に公知のいずれかの適当な手段によって)エンドトキシン、ポリフェノール、クマリンおよび大きい分子量成分、たとえば、1,000〜10,000Da以上の分子量を有するものなどを除去するのが望ましい。
上述したように、調製後の水性抽出液を、好ましくは本明細書に記載するように、1回または2回のろ過ステップに付してもよい。このようなろ過ステップは、それぞれマイクロろ過および/またはウルトラろ過など(例示のためのみである)のろ過技術から選ぶことができる。新油性バリアの使用などの他の技術もまた適している。各ろ過ステップは、必要に応じて、同一または異なるろ過技術を組み合わせて、1、2または2以上の段階で行うことができる。これに関して、除去しなければウルトラろ過ステップの有効性を損なうことになる物質を除去するために、マイクロろ過が典型的に適用される。
さらに、本発明組成物および/または本発明組成物を製造する前のカモミールの植物抽出液を精製してもよい。好ましい手順は、最初に得られた植物抽出液、たとえば、揮発油、水性または有機抽出液を、好ましくは本発明組成物を製造する前および/または本発明組成物の製造後に、クロスポビドン(架橋ポビドン)と硫酸ナトリウムによって精製することである。架橋ポビドンは、フェノール性化合物およびクマリンと複合することが当業者に知られている。硫酸ナトリウムは、残留水に結合することが知られている。精製剤による分離は、クマリン、フェノールおよび残留水を含まないか、ほとんど含まない植物抽出液または組成物をもたらす。精製後、好ましくは1:10.000の希釈率を用いて、Cambrex PyroGeneアッセイにより、得られたサンプルの細菌エンドトキシンの分析を行ってもよい。
さらなる実施態様にしたがって、本発明は、好ましくは癌の治療における使用のための、本明細書に定義する本発明組成物を含む医薬組成物、好ましくは(i)ビタミンA、その反応生成物、代謝物または前駆体および(ii)カモミールの植物抽出液またはその有効成分を含むか、またはそれからなる医薬組成物であって、任意に医薬的に許容しうる担体および/またはビヒクルを含む医薬組成物を提供する。
本発明医薬組成物は、典型的に、「安全および有効量」の本発明医薬組成物の有効成分、特に(i)ビタミンA、その反応生成物、代謝物または前駆体および(ii)カモミールの植物抽出液またはその有効成分を含む。本明細書で用いる「安全および有効量」は、本明細書で定義する疾患または障害の好ましい変更を有意に誘導するのに十分な本明細書で定義する有効成分の量を意味する。しかしながら、同時に、「安全および有効量」は、重篤な副作用を回避し、利点とリスクの間の賢明な関係を許容するのに十分少ない量である。これらの限界の決定は、典型的に、賢明な医学的判断の範囲内である。本発明医薬組成物の有効成分、特に本明細書で定義する本発明核酸の「安全および有効量」は、治療される特定の状態や治療される患者の年齢および身体状態、体重、全体的な健康、性別、食生活、投与時間、排出速度、薬物の組み合わせ、本明細書に定義する本発明核酸の活性、身体状態の重篤度、治療期間、付随する療法の性質、使用する特定の医薬的に許容しうる担体の性質、および担当医の知識および経験の範囲にある同様のファクターにも関連してさらに変化する。本発明医薬組成物は、ヒトおよび動物の医療目的に用いることができるが、ヒトの医療目的が好ましい。
したがって、好ましくは本明細書に記載する適当な投与財形に組み込んだ本発明医薬組成物の有効用量は、典型的に、癌のタイプおよび患者のビタミンA状態によって変わる。しかしながら、本発明医薬組成物の有効用量の典型的な含有量は、たとえば、カプセル剤の形態において、典型的に、約50mg〜約1500mg、好ましくは約50mg〜約1000mgのカモミール抽出液および/または典型的に約3mg〜約90mg、好ましくは約3mg〜約90mgのビタミンA、たとえば、レチノイン酸または本明細書に記載するビタミンA前駆体、誘導体もしくは代謝物のいずれかを含む。本明細書に記載する形態での有効用量を、週1回;1日、2日、3日、4日、5日または6日毎に1回;1日1回、2回、3回もしくは4回などで投与することができる。
本明細書に定義する医薬組成物は、典型的に、当業者に公知の方法によって、好ましくは医薬的に許容しうる成分を用いて製剤することができる。用語「医薬的に許容しうる」は、製剤、安定性、患者受容性およびバイオアベイラビリティのなどのファクターに関する薬理学的/毒物学的観点から患者に受け入れられる特性および/または物質を意味する。
これに関連して、医薬的に許容しうる担体および/またはビヒクルは、典型的に、本発明医薬組成物に基づく液体または非液体を包含する。もし本発明医薬組成物が液体で提供されるべきならば、担体は、典型的に、パイロジェンフリー水;等張食塩水またはリン酸塩溶液、クエン酸溶液などの緩衝(水性)溶液、緩衝溶液である。注射緩衝液は、特定の参照媒体に関して、高張、等張もしくは低張であってよい、すなわち、緩衝液は、特定の参照媒体に関して、より高い、同等またはより低い塩含量であってよく、浸透圧もしくはその他の濃度効果による細胞の損傷をもたらすことのない、このような濃度の上述した塩を用いることができる。参照培体は、たとえば、血液、リンパ液またはその他の体液といったような「インビボ」法で生じる液体、あるいは通例の緩衝液または液体などの「インビトロ」法において参照媒体として用いることができる液体などである。このような通例の緩衝液または液体は、当業者に知られている。液体ベースとして、乳酸リンゲル液が特に好ましい。
しかしながら、一種以上の適合性(compatible)固体または液体充填剤もしくは希釈剤もしくはカプセル化化合物もまた、本発明医薬組成物のために用いることができ、治療される患者への投与に適している。本明細書で用いる用語「適合性」は、本発明医薬組成物のこれらの成分が、典型的な使用条件下で本発明医薬組成物の医薬的有効性を実質的に低下させる相互作用を起こさずに本明細書に定義する本発明核酸と混合されることが可能であることを意味する。医薬的に許容しうる担体、賦形剤および溶媒はもちろん、治療される個人への投与適するようにするために十分に高純度であり、十分に低毒性である。医薬的に許容しうる担体、充填剤またはその成分として用いることができるいくつかの例は、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;コーンスターチまたはポテトスターチなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロース;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;などのセルロースおよびその誘導体;獣脂;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムなどの固体グリダント;硫酸カルシウム;落花生油、綿実油、ごま油、オリーブ油、コーン油およびカカオからの油などの植物油;ポリプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール;アルギン酸;である。
本発明医薬組成物の投与は、気道を経るか、経口投与によるのが好ましく、注射、典型的には非経口注射、好ましくは皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内注射、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内、頭蓋内、皮膚パッチといったような経皮治療デリバリーシステムなどの経皮、皮内、肺内、腹腔内、心臓内、動脈内および舌下注射あるいは輸液技術であってもよい。より好ましくは、本発明医薬組成物の投与は、静脈内、より好ましくは筋肉内注射、さらに好ましくは気道を介するエアロゾルおよび/またはマイクロ/ナノエマルションとしての吸入あるいは経口投与によって行う。本発明組成物は、座薬といったような直腸投与など消化器系を介して投与してもよい。
医薬組成物は、滅菌注射剤、経口投与財形、フィルム錠剤などの錠剤、または軟ゼラチンカプセルもしくはヒドロキシメチルセルロースカプセルといったような硬カプセルなどのカプセル剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液もしくは溶液剤、分散性粉末または顆粒剤、エマルション、シロップ剤もしくはエリキシル剤など、好ましくは適当な医薬的に許容しうる担体および/または補助剤/賦形剤と一緒のこれらのいずれかに製剤してもよい。必要に応じて、医薬組成物を、たとえば、徐放性錠剤、あるいは医薬組成物の最適バイオアベイラビリティ、溶解度および安定性を示すのに適したいずれかの投与剤形などの徐放性製剤に配合してもよい。
上記に関して、本発明医薬組成物の滅菌注射剤型/製剤は、たとえば、(水性または油性の)懸濁液などであってよい。これらの懸濁液は、適当な分散もしくは湿潤剤および懸濁化剤を用い、当業界に公知の技術にしたがって製剤することができる。滅菌注射剤型/製剤は、たとえば、1,3-ブタンジオール中の溶液などの非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液であってもよい。使用できる医薬的に許容しうる担体は、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌、固定油が、溶媒または懸濁媒体として通常用いられる。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドなどのいずれかの無刺激性の固定油を用いることができる。注射剤の製造において、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸が有用であり、オリーブ油またはヒマシ油、特にそのポリオキシエチル化体などの天然の医薬的に許容しうる油が有用である。これらの油溶液または懸濁液は、カルボキシメチルセルロース、またはエマルションおよび懸濁液などの医薬的に許容しうる剤形の製造において通例用いられる同様の分散剤などの長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含んでもよい。本発明医薬組成物の製造のために、医薬的に許容しうる塩、液体またはその他の投与剤形の製造において通例用いられる、Tween、Spanおよびその他の乳化剤などの他の通例用いられる界面活性剤はもしくはバイオアベイラビリティ強化剤を用いてもよい。
有効成分を含む本発明医薬組成物は、たとえば、カプセル剤、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液もしくは溶液、分散性粉末剤または顆粒剤、エマルション、硬もしくは軟カプセル剤、あるいはシロップ剤もしくはエリキシル剤などの経口投与に適した経口投与剤形であるのも好ましい。医薬的にエレ癌トで口当たりのよい製剤を提供するために、このような組成物は、甘味料、風味料、着色料および保存剤から選ばれる1種以上の作用剤を含んでもよい。経口用錠剤の場合、使用される担体は、通例、ラクトースおよびコーンスターチを包含する。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤もまた典型的に用いられる。カプセル剤形での経口投与のために、有用な希釈剤として、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。経口使用のために水性懸濁液が必要である場合、有効成分、すなわち、本明細書に定義する本発明核酸を乳化剤および懸濁化剤とあわせる。必要に応じて、甘味料、風味料または着色料を加えてもよい。錠剤は、典型的に、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムもしくはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;コーンスターチまたはアルギン酸などの顆粒化剤および崩壊剤;デンプン、ゼラチンもしくはアカシアなどの結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸もしくはタルクなどの滑沢剤などの非毒性の医薬的に許容しうる賦形剤と組み合わせて、有効成分を含む。錠剤は、コーティングされなくてもよく、あるいは、消化管における崩壊および吸収を遅らせることによって長期間にわたる持続性作用を提供するために、公知の技術によってコーティングされてもよい。たとえば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を用いることができる。それらは、コーティングされて、制御放出のための浸透圧治療錠剤としてもよい。経口用途のための製剤は、有効成分が炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンなどの不活性固体希釈剤と混合される硬ゼラチンカプセル剤として、あるいは有効成分が水または落花生油、液体パラフィンまたはオリーブ油などの油性媒体と混合される軟ゼラチンカプセル剤として提供されてもよい。
本発明医薬組成物を含む、好ましくは経口投与用、呼吸器または消化管投与用、もしくは注射剤用の上記に関連する水性懸濁液は、適当な賦形剤と混合した有効成分を含んでもよい。このような賦形剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴムなどの懸濁化剤;レシチンなどの天然リン脂質、またはステアリン酸ポリオキシエチレンなどの酸化アルキレンと脂肪酸の縮合生成物、またはヘプタデカエチレンオキシセタノールなどの長鎖脂肪族アルコールと酸化エチレンの縮合生成物、またはポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどの、酸化エチレンと、脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物などの分散剤または湿潤剤である。水性懸濁液は、p-ヒドロキシ安息香酸エチルもしくはn-プロピルなどの1種以上の保存剤、1種以上の着色料、1種以上の風味料およびスクロースまたはサッカリンなどの1種以上の甘味料を含んでもよい。
本発明医薬組成物を含む、好ましくは呼吸器または消化管投与用の上記に関連する油性懸濁液、落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはココナツ油などの植物油、あるいは液体パラフィンなどの鉱物油に有効成分を懸濁させることによって製剤してもよい。油性懸濁液は、蜜ロウ、固形パラフィンまたはセチルアルコールなどの増粘剤を含んでもよい。甘味料(前述のものなど)および風味料を加えて、口当たりのよい経口製剤を提供してもよい。これらの組成物を、アスコルビン酸などの抗酸化剤を加えることによって保存してもよい。
さらに、本発明医薬組成物を含む、好ましくは呼吸器または消化管投与用の、水を添加することによる水性懸濁液の製造に適した分散性粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種以上の保存剤と混合した有効成分を提供する。適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、上記で例示されている。甘味料、風味料および着色料が存在してもよい。本発明に用いる医薬組成物は、水中油型エマルションの形態であってもよい。油相は、オリーブ油または落花生油などの植物油、あるいは液体パラフィンなどの鉱物油、もしくはこれらの混合物であってよい。適当な乳化剤は、アカシアゴムまたはトラガカントゴムなどの天然ゴム、大豆レシチンなどの天然リン脂質、およびモノステアリン酸ソルビタンなどの脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル、およびポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどの該部分エステルと酸化エチレンの縮合生成物であってよい。エマルションは、甘味料および風味料を含んでもよい。グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースなどの甘味料とともにシロップ剤およびエリキシル剤を製剤してもよい。このような製剤は、粘滑薬、保存剤および風味料ならびに着色料を含んでもよい。医薬組成物は、滅菌注射用水性または油性懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、上述したような適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて製剤してもよい。滅菌注射用製剤は、1,3-ブタンジオール中の溶液などの非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液であってもよい。使用することができる許容しうるビヒクルおよび溶媒として、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、滅菌、固定油が、溶媒または懸濁媒体として一般的に用いられる。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドなどのいずれかの無刺激性の固定油を用いることができる。さらに、注射剤の製造において、オレイン酸などの脂肪酸が有用である。組成物は、薬物の経腸投与用の座薬の形態で投与されてもよい。このような組成物は、常温で固体であるが、腸の温度で液体であり、したがって腸内で融けて薬物を放出する適当な非刺激性賦形剤と薬物を混合することによって製造することができる。このような物質は、ココアバターおよびポリエチレングリコールである。
さらに、本発明医薬組成物は、適用可能な場所に局所投与されてもよい。たとえば、皮膚疾患またはいずれかの他のアクセス可能な上皮組織などの治療の標的が局所適用によって容易にアクセス可能である領域または臓器を含む場合、局所投与が特に好ましい。適当な局所用製剤は、これらの領域または臓器それぞれ用に、容易に製造される。局所投与として、本発明医薬組成物は、典型的に、クリーム剤、難航、ゼリー剤、溶液剤または懸濁液剤などの形態で提供され、1種以上の担体に懸濁または溶解した本明細書に定義する有効成分を含むのが好ましい。局所投与のための担体として、鉱物油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。別法として、本発明医薬組成物は、適当なローション剤またはクリーム剤として製剤することもできる。本発明に関して、適当な担体として、鉱物油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明医薬組成物は、さらに、浸透促進剤を含んでもよい。このような浸透促進剤は、当業者に公知の新党促進剤(吸収促進剤(sorption promotersまたはaccelerants)とも呼ばれる)などの本発明の目的に適したいずれかの化合物から選ばれ、皮膚を貫通してバリア抵抗性を可逆的に減少させる化合物が好ましい。スルホキシド(ジメチルスルホキシド、DMSOなど)、Azones(ラウロカプラムなど)、ピロリドン(2-ピロリドン、2Pなど)、アルコールおよびアルカノール(エタノールまたはデカノール)、グリコール(プロピレングリコール、PG、局所適用投与剤形における通例の賦形剤、ジエチレングルコールモノエチルエステル(Transcutol(登録商標))など)、界面活性剤(各種投与剤形において一般的である)およびテルペンなど、浸透促進活性について数多くの化合物が評価されている。皮膚浸透促進剤のために、多くの可能性のある部位および作用のモードが同定されている;促進剤がパッキングモチーフ、細胞内ケラチンドメインを崩壊させる細胞間脂質マトリックス、または膜内での浸透のための溶媒として作用することによって組織への薬物パーティショニングを増加させることを介すること。さらに、角質細胞間のデスモソーム接続上で作用するか、または皮膚内で代謝活性を変更するか、あるいはそのビヒクル中での薬物の熱力学的活性/溶解度における影響を発揮させる、促進剤による作用の潜在的メカニズムもまた可能であり、本発明の開示の一部を形成する。インスリンが浸透促進剤として含まれるとしても、排除の目的で本発明の範囲から除外されるのが好ましい。
本発明組成物または医薬組成物は、補足療法または単一療法のいずれかとして、本明細書に定義する疾患、好ましくは癌または腫瘍疾患を予防、治療または改善するのに用いることができる。この目的のために、いずれかの上記投与剤形を用いるいずれかの上記経路を介して、本発明組成物を投与することができる。さらに、本発明組成物または医薬組成物は、たとえば、化学療法、外科手術、免疫療法などの(従来の)癌療法の前、同時および/または後に投与することができる。
これに関連して、好ましい癌または腫瘍疾患として、神経原性、間葉または上皮起源の固形腫瘍とその転移癌、結腸癌、黒色腫、腎癌、リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、消化管腫瘍、肺癌、神経膠腫、甲状腺腫瘍、乳癌、前立腺癌、肝癌;パピローマウイルス誘発癌(子宮頸癌など)、腺癌、ヘルペスウイルス誘発腫瘍(バーキットリンパ腫、EBV誘発B細胞リンパ腫など)、B型肝炎誘発腫瘍(肝細胞癌)、HTLV-1およびHTLV-2誘発リンパ腫、聴神経腫/聴神経鞘腫、子宮頸がん、肺癌、咽頭癌、肛門癌、神経膠芽腫、リンパ腫、直腸癌、星状細胞腫、脳腫瘍、胃癌、網膜芽細胞腫、基底細胞腫、脳転移癌、髄芽腫、膣癌、膵臓癌、精巣癌、黒色腫、甲状腺癌、膀胱癌、ホジキン症候群、髄膜腫、シュネーベルガー疾患、気管支癌、下垂体腫瘍、菌状息肉腫、食道癌、乳癌、カルチノイド、神経鞘腫棘細胞癌、バーキットリンパ腫、喉頭癌、腎癌、胸腺腫、コーパス癌、骨癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫、尿道癌、CUP症候群、頭部/頚部腫瘍、乏突起膠腫、外陰部癌、腸癌、結腸癌、食道癌、いぼ類、小腸の腫瘍、頭蓋咽頭腫、卵巣癌、軟組織腫瘍/肉腫、卵巣癌、肝臓癌、膵臓癌、子宮頸癌、子宮体癌、肝転移癌、陰茎癌、舌癌、胆嚢癌、白血病、形質細胞腫、子宮癌、蓋腫瘍、前立腺癌などの様々なウイルス誘発腫瘍、特に神経原性、間葉または上皮起源の固形腫瘍とその転移癌などが挙げられる。
本発明のさらなる好ましい実施態様において、好ましくは、(i)ビタミンA、その反応生成物、代謝物または前駆体および(ii)カモミールの植物抽出液またはその有効成分を含むか、またはからなる、上記で定義した本発明組成物は、キットまたは部品のキットなどの形態で、上記で定義した医薬組成物として提供される。このようなキットまたは部品のキットは、たとえば、ビタミンA、その反応生成物、代謝物または前駆体を含む、キットの1つの部品、カモミールの植物抽出液またはその有効成分を含む、キットの1つの別の部品、および、を含む、キットの少なくとも1つの別の部品などの、キットの1つの部品またはキットの1つ以上の部品のいずれかに、本発明組成物または本発明医薬組成物を含む。もし、キットが部品のキットとして製造されるならば、キットまたは部品のキットはさらに、本発明組成物またはその成分、または本発明医薬組成物またはその成分または部分のいずれかの投与および用量に関する情報を記載した技術的説明書を含んでもよい。
本発明において、他に特記しない限り、別法および実施態様の異なる特徴は、互いに組み合わせることができる。さらに、用語「含む」は、特に言及しない限り、「からなる」を意味するものと解釈されるべきではない。しかしながら、本発明に関連して、用語「含む」は、該当する場合には、用語「からなる」と置換されてもよい。
図面
以下の図面は、本発明をさらに説明することを意図している。それらは、本発明の主題をそれらに限定することを意図するものではない。
A172(A)およびU87MG(B)細胞株の両方で観察された、酢酸レチニル(1μg/ml)、MR15E7(エタノール抽出液)(30μg/ml)および30μg/mlの該抽出液と酢酸レチニル(1μg/ml)の組み合わせの潜在的増殖阻害効果を示す。各ウエルの溶媒コントロールおよび最終エタノール濃度は、2%であった。 結果:図1Aおよび1Bに示されるように、1μg/mlの酢酸レチニルは、A172およびU87MG神経膠芽腫細胞において細胞の増殖に影響を及ぼさないように見えた。しかしながら、実施例10に記載の実験から誘導されたデータは、MR15E7が、溶媒コントロール(100%)と比較して、30%〜70%でA172の細胞数を減少させることを示した。1μg/mlの酢酸レチニルの添加は、細胞増殖をさらに14%減少させ、化合物単独と比較して、組み合わせが明らかに有効性を増強させることを実証した(図1A)。U87MGにおいても同様な効果が見られるが(図1B)、A172で観察された効果ほど強力ではない。 H460細胞で観察された、レチノイン酸(1μg/ml)、MR15E14(エタノール抽出液)(21μg/ml)、CHARE(水性抽出液)(21μg/ml)および抽出液とレチノイン酸(1μg/ml)の組み合わせの効果を示す。各ウエルの溶媒コントロールおよび最終エタノール濃度は、2%であった。 結果:図に見られるように、1μg/mlのレチノイン酸、21μg/mlのMR15E14および21μg/mlのCHAREは、H460が個々で処理された場合、H460の細胞増殖をわずかに減少させた。しかしながら、同じ濃度のレチノイン酸は、21μg/mlのMR15E14またはCHAREと同時に投与した場合、抗増殖効果は強く増強された。 以下を示す: (A)レチノイン酸(1μg/ml)またはビヒクルコントロール(1%エタノール)と組み合わせてのMR15E14(エタノール抽出液)(21μg/ml)、1% AMT(M)および1% AMT(UPW)によるH460の処理; (B)レチノイン酸(1μg/ml)またはビヒクルコントロール(1%エタノール)と組み合わせてのCHARE(水性抽出液)(21μg/ml)、1% AMT(CHARE)および1% AMT(UPW)によるH460の処理。H460細胞を、1回の投与および培地交換を伴って合計6日間、サンプルペアとともにインキュベートした; 結果:先の図2に見られるように、レチノイン酸自体は、H460大細胞肺癌細胞においてわずかな増殖遅延効果を示し、結果から、H460の細胞増殖抑制におけるカモミール抽出液とレチノイン酸間の相乗効果が示される。カモミール抽出液へのAMT成分の添加は、この効果を増強せず(図3A)、さらに悪いことに、AMT成分の添加は、いくつかの場合、細胞増殖を促進した(図3B)。AMTの成分を単独(カモミール抽出液なし)で試験した場合、それらは、50%以上まで、細胞数を著しく増加させた(図3Aおよび3B)。実施例4の水性抽出液を含むAMT(CHARE)もまた細胞増殖の増加を引き起こした。これは、実施例2のエタノール抽出液(MR15E14)では見られず、おそらく、その抗増殖活性が、水性抽出液で見られるよりも単独でやや強いからであると思われる。レチノイン酸の添加は、 AMT(UPW)の増殖促進効果を無効にし、薬理学的実施例10および11にも見られたように、両方のカモミール抽出液の抗増殖効果を増強した。結果から、カモミールおよびレチノイン酸のみからなる組み合わせの使用の利点およびAMTにおいて見出された化合物の複合混合物の不利点が示される。 レチノイン酸(1μg/ml)またはビヒクルコントロール(1% エタノール)と組み合わせたブルーカモミール油(異なる濃度)によるH69細胞の処理およびコントロール実験を示す。細胞を、溶媒、1μg/ml レチノイン酸、ブルーカモミール油1μg/ml+1% EtOH、ブルーカモミール油1μg/ml+1μg/ml レチノイン酸、ブルーカモミール油3μg/ml+1% EtOH、ブルーカモミール油3μg/ml+1μg/ml レチノイン酸、ブルーカモミール油10μg/ml+1% EtOH、ブルーカモミール油10μg/ml+1μg/ml レチノイン酸とともにインキュベートした(左から右)。図からわかるように、ブルーカモミール油10μg/ml+1μg/ml レチノイン酸の組み合わせが、H69細胞において最高の阻害効果を示した。 Pan02腫瘍細胞の注射およびビヒクル(Span20)、MR31E25C1、レチノイン酸またはMR31E25C1とレチノイン酸の組み合わせによる処理後の雌性C57BL/6マウスの平均腫瘍体積を示す。21日後、MR31E25C1で処理したグループおよびレチノイン酸と組み合わせて処理したグループは、担癌非処理動物と比較して、腫瘍体積が減少した。しかしながら、効果は、レチノイン酸のみえお投与したグループでは観察されなかった。実際のところ、レチノイン酸単独による処理は、ビヒクル単独の投与と比較して、状況を悪化しさえした。 Pan02腫瘍細胞の注射およびビヒクル(Span20)、MR31E25C1、レチノイン酸またはMR31E25C1とレチノイン酸の組み合わせによる処理後の腎領域、卵巣領域、腹膜領域、横隔膜領域および脾臓領域についての雌性マC57BL/6ウスの平均総転移領域を示す。積み重ね表示棒グラフは、グループごとに様々な臓器で測定された累積転移領域を反映する。MR31E25C1のみまたはレチノイン酸のみで処理された動物は、非処理PAN02腫瘍グループと比較して、すべての転移進展のわずかな減少しかもたらさなかった。驚くべきことに、レチノイン酸処理と組み合わせたMR31E25C1は、グループ6において転移の目覚しい退行をもたらした。
抽出液および試験化合物製造の技術的実施例
以下の実施例は、本発明をさらに詳しく説明することを意図するものである。それらは、本発明の主題をそれらに限定することを意図するものではない。
エタノール抽出液MR15E7の製造
200gのMatricaria recutita L.の花序からの管状花を、薬物/溶媒比1/7.5(w/w)に対応する1500gの無水エタノールとともに、ターボミキサー(3×1分、8000rpm、Eberbach(登録商標))中で抽出した。得られた混合物を40℃にて1時間攪拌した。次いで、深層セルロースフィルター(AF 15 Filtrox(登録商標))で調製物を2回ろ過した。
固体含量1.05%(m/m)の1266gの透明な茶色がかった抽出液を得た。
エタノール抽出液MR15E14の製造
200gのMatricaria recutita L.の花序からの管状花を、薬物/溶媒比1/7.5(w/w)に対応する1500gの無水エタノールとともに、ターボミキサー(3×1分、8000rpm、Eberbach(登録商標))中で抽出した。得られた混合物を40℃にて1時間攪拌した。次いで、深層セルロースフィルター(AF15 Filtrox(登録商標))で調製物を2回ろ過した。
固体含量0.99%(m/m)の1262gの透明な茶色がかった抽出液を得た。
無水抽出液MR15E7C1の製造
実施例1と同様にして得られた1266gのエタノール抽出液(13.3gの天然抽出物を含む)に、26.6gのSpan(登録商標)20(Sigma(登録商標))(ソルビタン(モノ)ラウレート)および2.66gのTranscutol(登録商標)HP(Gattefosse(登録商標))(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)を、1/2/0.2の比率で加えた。エタノールを減圧下(100〜25mbar)、40℃の浴温で蒸発させた。沈殿を含む45gの茶色がかった抽出液を得た。
得られた15.5gの天然抽出液を、1/2/0.2の比率の4.72gのSpan(登録商標)20(Sigma(登録商標))および0.47gのTranscutol(登録商標)HP(Gattefosse(登録商標))で調整した。また、この溶液に100 mlの無水エタノールを加えた。エタノールを減圧下(80〜25mbar)、40℃の浴温で蒸発させた。沈殿を含む50gの茶色がかった抽出液を得た。
その後、抽出液を40℃にてセルロースフィルター(TS4 Filtrox(登録商標))でろ過した。29gの自由流動性の茶色がかった抽出液を得た。
水の含有量は、0.64%(w/w)であることがわかった。
水性抽出液CHAREの製造
CHARE(AMT2003 Cam)をAuron Healthcare GmbH(Lot:86118G001)によって提供された。それは、固体含量11.68mg/mlであった。以下のとおり、抽出液を調製した:300.000kgの精製水に、15.800kgのMatricaria recutita L.の花序からの管状花を緩やかに攪拌しながら加えた。混合物を90〜95℃に30〜35分間加熱した。続いて、混合物を30〜35℃に冷却し、次いで、深層セルロースフィルターで2回ろ過した。ろ液に1% m/mのMygliol 812 Nを加え、緩やかに10分間攪拌した。続いて、混合物のpHを水酸化ナトリウムで6.3〜6.7に調節した。次いで、最初にろ液を0.22μm膜フィルターを通してマイクロろ過し、得られるろ液を0.1μm膜フィルターを通してろ過し、次いで、得られるろ液を1000kDaウルトラフィルターを通してろ過した。得られた透明な黄色がかった抽出液および0.7% m/mのフェノール purissを加え、フェノールが完全に溶解するまで液体を混合した。
液体サンプルAMT(M)の製造
AMT(M)は、4つの成分からなる混合物である:
1)AMT2003 Vit(+):1.027mg/mlのデクスパンテノール、6.845mg/mlのニコチンアミド、0.685mg/mlのピリドキシン-HCL、0.937mg/mlのリボフラビンリン酸ナトリウム、1.712mg/mlのチアミン-HCL、41.280mg/mlのアスコルビン酸ナトリウムおよび付加的に1.79mg/mlのマレイン酸クロルフェニラミンからなり、Auron Healthcare GmbHによって提供された(Ch.-B.:84105G005);
2)AMT2003Cal:0.5gのグルコン酸カルシウム一水和物および0.8756gのラクトビオン酸カルシウム二水和物からなり、Auron Healthcare GmbHによって提供された(Ch.-B.:0907000134);
3)AMT2003Ins:100 IE/mlのヒトインスリンを含み、Auron Healthcare GmbHによって提供された(Ch.-B.:0902000117);
4)MR15E14(実施例2参照)。
0.475 mlのAMT2003 Vit(+)+0.320mlのAMT2003Cal+0.025mlのAMT2003Ins+1mlのMR15E14(2.1mg/ml)+8.18 mlの超純水(UPW)を混合して、10% AMTのストック溶液を調製した。組成物は、化合物4)以外は、比較実験のためにWO 03/101479 A1にしたがって調製した。
最終AMT濃度は、MR15E14について1%および21μg/mlであった。
液体サンプルAMT(CHARE)の製造
AMT(CHARE)は、4つの成分からなる混合物である:
1)AMT2003 Vit(+):1.027mg/mlのデクスパンテノール、6.845mg/mlのニコチンアミド、0.685mg/mlのピリドキシン-HCL、0.937mg/mlのリボフラビンリン酸ナトリウム、1.712mg/mlのチアミン-HCL、41.280mg/mlのアスコルビン酸ナトリウムおよび付加的に1.79mg/mlのマレイン酸クロルフェニラミンからなり、Auron Healthcare GmbHによって提供された(Ch.-B.:84105G005);
2)AMT2003Cal:0.5gのグルコン酸カルシウム一水和物および0.8756gのラクトビオン酸カルシウム二水和物からなり、Auron Healthcare GmbHによって提供された(Ch.-B.:0907000134);
3)AMT2003Ins:100 IE/mlのヒトインスリンを含み、Auron Healthcare GmbHによって提供された(Ch.-B.:0902000117);
4)CHARE(実施例4参照)。
0.950mlのAMT2003 Vit(+)+0.640 mlのAMT2003Cal+0.050mlのAMT2003Ins+0.36mlのCHAREを混合して、10% AMTのストック溶液を調製した。AMT組成物は、比較実験のためにWO 03/101479 A1にしたがって調製した。
さらに、100% AMT(CHARE)をUPWで希釈して、10% AMT(CHARE)にした。
液体サンプルAMT(UPW)の製造
AMT(UPW)は、4つの成分からなる混合物である:
1)AMT2003 Vit(+):付加的に1.79mg/mlのマレイン酸クロルフェニラミンを有し、Auron Healthcare GmbHによって提供された(Ch.-B.:84105G005);
2)AMT2003Cal:0.5gのグルコン酸カルシウム一水和物および0.8756gのラクトビオン酸カルシウム二水和物からなり、Auron Healthcare GmbHによって提供された(Ch.-B.:0907000134);
3)AMT2003Ins:100 IE/mlのヒトインスリンを含み、Auron Healthcare GmbHによって提供された(Ch.-B.:0902000117);
4)超純水。
0.950mlのAMT2003 Vit(+)+ 0.640 mlのAMT2003Cal+0.050mlのAMT2003Ins+0.36mlのUPWを混合して、10% AMTのストック溶液を調製した。AMT組成物は、比較実験のためにWO 03/101479 A1にしたがって調製した。化合物4)以外は、比較実験のためにWO 03/101479 A1にしたがって調製した。
さらに、100% AMT(UPW)を超純水UPWで希釈して、10% AMT(UPW)にした。
酢酸レチニルサンプルの製造
酢酸レチニル(R7882、ロット:029K12721)は、Sigma Aldrich(ブーフス、スイス)から購入した。1mg/mlのストック溶液を無水エタノールで調製した。実験に用いた最終濃度は、1%エタノール中1μg/mlであった。
レチノイン酸サンプルの製造
全トランスレチノイン酸(95152、ロット:1392337)は、Sigma Aldrich(ブーフス、スイス)から購入した。1mg/mlのストック溶液を無水エタノールで調製した。実験に用いた最終濃度は、1%エタノール中1μg/mlであった。
細胞培養における薬理学的実施例
A172およびU87の細胞増殖におけるサンプルおよび酢酸レチニルの効果
ヒト神経膠芽腫細胞株A172およびU87MGを、10% FBSを含む培養培地で培養し、加湿インキュベーター中、37℃および5%CO2で保持した。続く実験において用いた培養物を25回未満継代した。細胞をT25cm2培養フラスコに、100,000細胞を播種した(細胞濃度10,000細胞/ml)。それぞれ実施例1および8にしたがって調製したR15E7および酢酸レチニルを、単独で、あるいは一緒に組み合わせて加えた(A172:図1AおよびU87:図1B)。溶媒コントロールは、2%エタノールであった。
培地は、インキュベーションの3日後に1回、新鮮な培地およびサンプルに交換した。6日後、分析するために、すべての細胞を採取した。セルカウンター(Countess(登録商標)自動セルカウンター、Invitrogen)を用いて、細胞数を決定した。
トリパンブルーを添加することによって、生細胞と死細胞を区別した。該染色剤は生細胞から排泄されるので、生細胞はトリパンブルーに対して陰性である。
実験の最後に得られた生細胞の数を、細胞カウントのパーセントに変換した。溶媒コントロールは、100%で設定した。次いで、各ウエルの生データ(rd)を、
式:細胞カウント%=(rd X /rd 溶媒コントロール)×100
を用いて細胞カウント%に変換した。図1Aおよび図1Bを参照。A172(A)およびU87MG(B)細胞株の両方において、酢酸レチニル(1μg/ml)、MR15E7(30μg/ml)および30μg/mlの抽出液と酢酸レチニル(1μg/ml)の組み合わせの潜在的増殖阻害効果が観察された。溶媒コントロールおよび各ウエルの最終エタノール濃度は、2%であった。
結果:
図1Aおよび図1Bに示すように、1μg/mlの酢酸レチニルは、A172およびU87MG膠芽腫細胞細胞増殖に影響を及ぼさないように見えた。しかしながら、実施例10に記載した実験からのデータは、R15E7が、溶媒コントロール(100%)と比較して、A172の細胞数を30%に減少させることを明らかにした。1μg/mlの酢酸レチニルの添加は、細胞増殖をさらに14%に減少させ、化合物単独と比較して、組み合わせによる明らかな有効性の増強が実証された(図1A)。U87MGにおいても同様の効果が見られる(図1B)が、A172において観察される効果ほど強くはない。
H460の細胞増殖におけるサンプルおよびレチノイン酸の効果
ヒト大細胞肺癌細胞株H460を、アメリカン・タイプカルチャー・コレクションから入手した。10% FBSを含むRPMI-1640培地で細胞を培養し、加湿インキュベーター中、37℃および5%CO2で保持した。続く実験において用いた培養物を25回未満継代した。H460細胞を12ウエルプレートに、14375細胞/ウエル(細胞濃度10,000細胞/ml)で播種し、付着させるために一夜放置した。
それぞれ実施例2、4および9で調製したMR15E14、CHAREおよびレチノイン酸ならびに溶媒コントロール(2%エタノール)を細胞に加えた。培地は、インキュベーションの3日後に1回、新鮮な培地およびサンプルに交換した。6日後、分析するために、すべての細胞を採取した。フローサイトメトリーを用いて、細胞数を決定した。ヨウ化プロピジウム(PI)を添加することによって、生細胞と死細胞を区別した。該染色剤は生細胞から排泄されるので、生細胞はPIに対して陰性である。
手短に言えば、細胞をトリプシン処理し、遠心分離し、500μlの培地に再懸濁させた。2μlのPI(1mg/ml)を、400μlの細胞懸濁液に加えた。10μlの細胞懸濁液中に存在する細胞数を測定したので、各ウエルについて多重測定を要した。
実験の最後に得られた生細胞の数を、細胞カウントのパーセントに変換した。溶媒コントロールは、100%で設定した。次いで、各ウエルの生データ(rd)を、
式:細胞カウント%=(rd X /rd 溶媒コントロール)×100
を用いて細胞カウント%に変換した。
結果を図2に示す。図からわかるように、レチノイン酸(1μg/ml)、MR15E14(21μg/ml)、CHARE(21μg/ml)および抽出液とレチノイン酸(1μg/ml)の組み合わせの効果が、H460細胞において観察された。溶媒コントロールおよび各ウエルの最終エタノール濃度は、2%であった。また、図2に示されるように、1μg/mlのレチノイン酸、21μg/mlのMR15E14および21μg/mlのCHAREは、細胞を個々で処理した場合、H460の細胞増殖をわずかに減少させた。しかし、同じ濃度のレチノイン酸を21μg/mlのMR15E14またはCHAREと同時に投与した場合、抗増殖効果は、強く増強された。
カモミール無し、MR15E14有り、またはCHARE有りでのAMTの効果
本発明組成物とWO 03101479 A1の教示を比較するために次の実験を行った:ヒト大細胞肺癌細胞株H460を、アメリカン・タイプカルチャー・コレクションから入手した。10% FBSを含むRPMI-1640培地で細胞を培養し、加湿インキュベーター中、37℃および5%CO2で保持した。続く実験において用いた培養物を25回未満継代した。H460細胞を播種した。細胞を12ウエルプレートに、14375細胞/ウエル(細胞濃度10,000細胞/ml)で播種し、付着させるために一夜放置した。実験の1つのセットにおいて、次いで、図3Aに示すように、細胞を、レチノイン酸(1μg/ml)またはビヒクルコントロール(1% エタノール)と組み合わせて、実施例2にしたがって調製したMR15E14(21μg/ml)、実施例5にしたがって調製した1% AMT(M)、および実施例7にしたがって調製した1% AMT(UPW)とともにインキュベートした。
実験のもう1つのセットにおいて、図3Bに示すように、細胞を、レチノイン酸(1μg/ml)またはビヒクルコントロール(1% エタノール)と組み合わせて、実施例4にしたがって調製したCHARE(21μg/ml)、実施例6にしたがって調製した1% AMT(CHARE)、および実施例7にしたがって調製した1% AMT(UPW)とともにインキュベートした。
H460細胞を、1回の投与および培地交換を伴って合計6日間、サンプルおよびサンプルペアとともにインキュベートした。6日後、分析するために、すべての細胞を採取した。フローサイトメトリーを用いて、細胞数を決定した。ヨウ化プロピジウム(PI)を添加することによって、生細胞と死細胞を区別した。手短に言えば、細胞をトリプシン処理し、遠心分離し、500μlの培地に再懸濁させた。2μlのPI(1mg/ml)を、400μlの細胞懸濁液に加えた。10μlの細胞懸濁液中に存在する細胞数を測定したので、各ウエルについて多重測定を要した。実験の最後に得られた生細胞の数を、細胞カウントのパーセントに変換した。溶媒コントロールは、100%で設定した。次いで、各ウエルの生データ(rd)を、
式:細胞カウント%=(rd X /rd 溶媒コントロール)×100
を用いて細胞カウント%に変換した。
結果を3Aおよび3Bに示す。先に示した図2からわかるように、レチノイン酸自体は、H460大細胞肺癌細胞において増殖遅延効果を示し、結果から、H460の細胞増殖抑制におけるカモミール抽出液とレチノイン酸間の相乗効果が示される。カモミール抽出液へのAMT成分の添加は、この効果を増強せず(図3A)、さらに悪いことに、AMT成分の添加は、いくつかの場合、細胞増殖を促進した(図3B)。AMTの成分を単独(カモミール抽出液なし)で試験した場合、それらは、50%以上まで、細胞数を著しく増加させた(図3Aおよび3B)。実施例4の水性抽出液を含むAMT(CHARE)もまた細胞増殖の増加を引き起こした。これは、実施例2のエタノール抽出液(MR15E14)では見られず、おそらく、その抗増殖活性が、水性抽出液で見られるよりも単独でやや強いからであると思われる。レチノイン酸の添加は、 AMT(UPW)の増殖促進効果を無効にし、薬理学的実施例10および11にも見られたように、両方のカモミール抽出液の抗増殖効果を増強した。結果から、カモミールおよびレチノイン酸のみからなる組み合わせの使用の利点およびAMTにおいて見出された化合物の複合混合物の不利点が示される。
ブルーカモミール油の効果
この実験において、必要に応じてブルーカモミールの存在下、レチノイン酸(1μg/ml)またはビヒクルコントロール(1%エタノール)と組み合わせたブルーカモミール油(薬局方による:Matricaria aetheroleum)によるH69細胞の処理を行った。この実験のために、ヒト小肺癌細胞ガン細胞株H69を、まず40μmフィルターで篩いにかけて、塊を除去した後、12ウエルプレートに50,000細胞/ウエル/800μl(細胞濃度63,500細胞/ml)を播種した。同日にサンプルを加え、細胞を合計7日間インキュベートした(サンプル:溶媒、1μg/mlのレチノイン酸、ブルーカモミール油1μg/ml+1% EtOH、ブルーカモミール油1μg/ml+1μg/mlのレチノイン酸、ブルーカモミール油3μg/ml+1% EtOH、ブルーカモミール油3μg/ml+1μg/mlのレチノイン酸、ブルーカモミール油10μg/ml+1% EtOH、ブルーカモミール油10μg/ml+1μg/mlのレチノイン酸)。インキュベーション後、細胞をウエルに再懸濁した後、100μlの懸濁液を96ウエルプレートに移した。複製を作成した。次いで、等しい体積のCyQuant検出試薬を加え、37℃にて1時間インキュベートした。生細胞のみが染色される。480/535nmにて蛍光を測定した。実験の最後に得られた生細胞の数を、細胞カウントのパーセントに変換した。溶媒コントロールは、100%で設定した。次いで、各ウエルの生データ(rd)を、
式:細胞カウント%=(rd X /rd 溶媒コントロール)×100
を用いて細胞カウント%に変換した。結果は、レチノイン酸(1μg/ml)またはビヒクルコントロール(1% Ethanol)と組み合わせたブルーカモミール油によるH69細胞の処理を示す図4に見ることができる。図からわかるように、ブルーカモミール油10μg/ml+1μg/mlのレチノイン酸の組み合わせが、H69細胞において最高の阻害効果を示した。
結論
薬理学的実施例10〜12に示されるように、実施例1〜4にしたがって調製されたカモミール抽出液は、様々な起源の癌細胞増殖を阻害するのに効果的である。実施例10〜12にさらに示されるように、レチノイン酸または酢酸レチニルと合せたカモミール抽出液と腫瘍細胞のインキュベーションは、この抗腫瘍活性を目覚しく増強し、少なくとも腫瘍細胞死をもたらした。実施例10〜12では、ビタミンA誘導体単独で投与される場合に、緩やかで比較的弱い抗増殖効果しかもたらさないが(該効果は、主にビタミンの分化作用を介して媒介されるように見える)、カモミール抽出液とレチノールまたは誘導体の組み合わせが、事実、相乗的に作用しており、抗腫瘍活性の著しい増加を導くと言うことができる。さらに、AMTに見出される成分などのさらなる成分を含むビタミンA/カモミールペアの組み合わせは、むしろ逆効果であり、不利であると推定することができる。
無水抽出液MR15E7C1の製造
実施例1と同様にして得られた350ga エタノール抽出液に、108.26gのルトロールL44(BASF、Art. No.50143751、バッチNo.WPYF580B)を1/2.2の比率で加えた。エタノールを減圧(100から25mbar)下および浴温40℃にて蒸発させて、茶色がかった抽出液を得た。水の含有量は、0.4%(w/w)であるのがわかった。このように、本願の実施例3で用いたSpan 20の代わりに、本実施例においてはルトロールL44を用いる。
雌性C57BL/6マウスの同系Pan02腫瘍モデルにおける有効性研究
本研究の目的は、同系同所PAN02腫瘍マウスモデルにおけるカモミール抽出液(MR31E25C1)およびレチノイン酸(RetAcid)の経口併用の有効性についての情報を得ることであった。
幼若(7週齢)雌性C57BL/6マウスを、国立がん研究所(フレデリック、メリーランド)から入手し、Aurigon Life Science GmbHの動物飼育設備で、水とマウス飼料(ssniff(登録商標) R/M-H)を自由に摂取させて飼育した。動物を10匹ずつのグループに分けた。
非接種コントロールグループ動物以外のすべての動物に、それぞれ2.5 x 105のPan02腫瘍細胞の膵内注入を行った。Pan02は、C57BL/6種と同系のマウス膵臓腺癌細胞株である。最初の処理は、合計21日間の接種後15日間経口で行った。
生存している期間の最後あるいは、死亡または殺生が発見された直後に、解剖を行った。脳、全膵臓、膵腫瘍、脾臓、および肝臓の重量を決定し、脾臓と肝臓、腹膜、腎臓、卵巣、横隔膜の表面における転移の数/大きさ、およびリンパ節の転移(該当する場合)の数/大きさを記録した。さらに、動物の膵臓主張の大きさを測定した。
グループは、以下のとおりである:
グループ 1:非接種、非処理コントロールグループ。
グループ 2:接種、非処理コントロールグループ。
グループ 3:接種、ビヒクルSpan(登録商標)20;1日3回。
グループ 4:接種、MR31E25C1;484.5mg/kg、1日3回。
グループ 5:接種、レチノイン酸;25mg/kg 1日2回 最初の2日間;10mg/kg 1日1回 処理機関の残り。
グループ 6:接種、レチノイン酸;25mg/kg 1日2回 最初の2日間;10mg/kg 1日1回 処理機関の残り;およびMR31E25C1;484.5mg/kg、1日3回。
21日後、MR31E25C1で処理したグループおよびレチノイン酸と組み合わせて処理したグループは、担癌費処理動物と比較して、腫瘍体積を減少させた。しかしながら、レチノイン酸のみを投与されたグループにおいては、効果は観察されなかった。実際のところ、レチノイン酸単独による処理は、ビヒクル単独の投与と比較して、状況を悪化さえした。グループごとに様々な臓器で測定された累積転移領域に関し、MR31E25C1のみまたはレチノイン酸のみで処理した動物は、全体的な転移の発達のわずかな減少しかもたらさなかった。驚くべきことに、レチノイン酸処理と組み合わせたMR31E25C1は、グループ6において、転移の著しい退行をもたらした。

Claims (13)

  1. 癌または腫瘍疾患の予防、治療またはにおける使用のための、(i)ビタミンA、その反応生成物、代謝物または前駆体;および
    (ii)カモミールの植物抽出液またはその有効成分;
    を含む組成物。
  2. 成分(i)および(ii)が、有効成分のみを表す請求項1に記載の組成物。
  3. 該ビタミンAまたは誘導体が、ビタミンA、レチノイン酸、全トランスレチノイン酸、13-cis-レチノイン酸、レチニルパルミテートなどのビタミンAのエステル、レチノール、レチナール、酢酸レチニル、アリトレチノイン、ビタミンAの前駆体として、β-カロテン、α-カロテン、γ-カロテンまたはβ-クリプトキサンチン、およびビタミンAの代謝産物として、レチノイン酸から選ばれる請求項1または2に記載の組成物。
  4. 植物抽出液が、好ましくはカモミールの揮発油、好ましくはMatricaria recutitaである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 植物抽出液が、Matricaria recutita L.の管状花、好ましくはMatricaria recutita L.の花序からの管状花から製造されるカモミール抽出液である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 組成物が、約50mg〜約1500mg、好ましくは約50mg〜約1000mgのMatricaria recutita L.の管状花からのカモミール抽出液、および/または典型的に約3mg〜約90mg、好ましくは約3mg〜約90mgのビタミンAの反応生成物、代謝物または前駆体のいずれかを含む請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 組成物または組成物の製造前の植物抽出液が、クロスポビドン(架橋ポビドン)と硫酸ナトリウムに接触させることよって精製されている請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. 癌疾患が、
    神経原性、間葉または上皮起源の固形腫瘍とその転移癌、結腸癌、黒色腫、腎癌、リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、消化管腫瘍、肺癌、神経膠腫、甲状腺腫瘍、乳癌、前立腺癌、肝癌;パピローマウイルス誘発癌(子宮頸癌など)、腺癌、ヘルペスウイルス誘発腫瘍(バーキットリンパ腫、EBV誘発B細胞リンパ腫など)、B型肝炎誘発腫瘍(肝細胞癌)、HTLV-1およびHTLV-2誘発リンパ腫、聴神経腫/聴神経鞘腫、子宮頸がん、肺癌、咽頭癌、肛門癌、神経膠芽腫、リンパ腫、直腸癌、星状細胞腫、脳腫瘍、胃癌、網膜芽細胞腫、基底細胞腫、脳転移癌、髄芽腫、膣癌、膵臓癌、精巣癌、黒色腫、甲状腺癌、膀胱癌、ホジキン症候群、髄膜腫、シュネーベルガー疾患、気管支癌、下垂体腫瘍、菌状息肉腫、食道癌、乳癌、カルチノイド、神経鞘腫棘細胞癌、バーキットリンパ腫、喉頭癌、腎癌、胸腺腫、コーパス癌、骨癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫、尿道癌、CUP症候群、頭部/頚部腫瘍、乏突起膠腫、外陰部癌、腸癌、結腸癌、食道癌、いぼ類、小腸の腫瘍、頭蓋咽頭腫、卵巣癌、軟組織腫瘍/肉腫、卵巣癌、肝臓癌、膵臓癌、子宮頸癌、子宮体癌、肝転移癌、陰茎癌、舌癌、胆嚢癌、白血病、形質細胞腫、子宮癌、蓋腫瘍、前立腺癌などの様々なウイルス誘発腫瘍、特に神経原性、間葉または上皮起源の固形腫瘍とその転移癌から選ばれる癌または腫瘍疾患から選ばれる請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の、(i)ビタミンA、その反応生成物、代謝物または前駆体;および
    (ii)カモミールの植物抽出液またはその有効成分;ならびに
    さらに医薬的に許容しうる担体を含む医薬組成物。
  10. 医薬組成物が、約50mg〜約1500mg、好ましくは約50mg〜約1000mgのMatricaria recutita L.の管状花からのカモミール抽出液、および/または典型的に約3mg〜約90mg、好ましくは約3mg〜約90mgのビタミンAの反応生成物、代謝物または前駆体のいずれかを含む請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 医薬組成物がさらに、ジメチルスルホキシド(DMSO)および/またはジエチレングリコールモノエチルエーテルなどの浸透促進剤を含む請求項9または10に記載の医薬組成物。
  12. 医薬組成物が、気道を介して、経口投与で、注射で、非経口注入で、好ましくは経口的、経直腸的、局所的もしくは非経口的に投与される請求項9〜11のいずれかに記載の医薬組成物。
  13. 医薬組成物が、(従来の)癌療法の前、同時および/または後に投与される請求項9〜12のいずれかに記載の医薬組成物。
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