JP2013531635A - 多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の塩化水素化方法 - Google Patents

多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の塩化水素化方法 Download PDF

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Abstract

塩化水素化反応器内で、疎水性の又は抽出可能なカルボン酸触媒の存在下、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素エステル又はそれらの混合物を塩化水素の供給源と接触させる工程を含む、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル又はそれらの混合物を製造する方法が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素のクロロヒドリンへの塩化水素化において形成されたクロロヒドリンを回収するために相分離を利用する方法に関する。より詳しくは、本発明は、相分離により水から生成物を分離できる方法において多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素又は天然に由来する多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の混合物の転化を改善し生成物の回収を容易にするための方法に関する。
エピクロロヒドリンは、エポキシ樹脂への広く使用されている前駆体である。エピクロロヒドリンは、パラ−ビスフェノールAのアルキル化に一般的に使用されているモノマーであり、フリーモノマー又はオリゴマージエポキシドとして得られるジエポキシドは、例えば電気用積層板、缶コーティング、自動車トップコート及びクリアコートにおいて使用される高分子量樹脂に発展させることができる。
エポキシ類の製造における反応性中間体としてクロロヒドリンを製造するための1つの公知の方法は米国特許第2,144,612号明細書に記載されている。この方法では、グリセロール(1,2,3−プロパントリオール、グリセリンとしても知られている)を触媒量の酢酸(AcOH)の存在下での無水塩酸(HCl)との反応によりα−クロロヒドリンに転化させる米国特許第2,144,612号明細書には、グリセロールジクロロヒドリンを生成する塩酸及び酢酸とのグリセロールの反応を経てエピクロロヒドリンを製造するための、以下の反応シーケンス(下記スキーム1で示される)で示されている方法が記載されている。スキーム1に示されているように、エピクロロヒドリンは、苛性アルカリの存在下での閉環によりグリセロールジクロロヒドリンから製造される。
Figure 2013531635
グリセロールは、低コストの再生可能な原料であると考えられており、燃料添加剤を製造するためのバイオディーゼル法の共生成物である。他の再生可能な原料、例えばフルクトース、グルコース及びソルビトールなどを水素化分解してジオール及びトリオール、例えばグリセロール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールなどの混合物を生成させることができる。
大量の低コストのグリセロール又は混合グリコールを使用する、グリセロール又は混合グリコールの塩化水素化の経済的で魅力的な方法が望ましいであろう。HClを使用する多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の塩化水素化は、平衡により制限される反応であり、水が生成する。生成物中の水の濃度が増加するにつれて、反応速度は低下し、転化は最終的に止まる。
蒸発、共沸蒸留、反応蒸留又は分子篩中への吸収による水の除去は、所望のクロロヒドリン生成物への塩化水素化反応を更に駆動するために使用される公知の方法である。これらの水除去技術にかかるかなりの資本費及び処理費にもかかわらず、完全な塩化水素化のために反応時間は、これらの公知の水除去方法の効率の悪さのために約8時間を超える。
係属中の米国特許出願公開第20080015369号明細書は、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル又はそれらの混合物を製造する方法であって、粗製グリセロール、粗製グリセロールのエステル又はそれらの混合物を、触媒の存在下で、塩化水素の超大気圧の分圧の塩化水素の供給源に接触させてクロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル又はそれらの混合物を生成させる工程を含み、当該接触工程が水の実質的な除去なしに行われ、前記粗製グリセロール、前記粗製グリセロールのエステル、又はそれらの混合物が、再生可能な原料から誘導されたものである方法を提供する。ここで、「超大気圧(superatmospheric pressure)」は、塩化水素(HCl)の分圧が超大気圧、すなわち15psia以上であることを意味する。
米国特許第2,144,612号明細書 米国特許出願公開第2008/0015369号明細書
超大気圧条件及び水除去の両方の利用によって、所望のクロロヒドリン生成物への塩化水素化反応をさらに促進することにより全反応時間を短縮することが都合よいであろう。しかしながら、超大気圧条件下での蒸発による水の除去は容易に達成されず、また、吸収媒体の使用は工業的規模で実現することが困難である。
従って、塩化水素化プロセスの間にクロロヒドリンエステルの相分離により水の除去を達成する多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素を超大気圧条件下でクロロヒドリンに転化(好ましくは完全又は実質的に完全なハロゲン化)する単純で費用効果の高い方法を見いだすことは塩化水素化化学の技術分野での進歩となるであろう。
本発明の一態様は、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル又はそれらの混合物を製造する方法であって、塩化水素化反応器内で、疎水性カルボン酸触媒の存在下、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素エステル又はそれらの混合物を塩化水素の供給源と接触させて疎水性モノクロロヒドリン、疎水性ジクロロヒドリン又はそれらの混合物を含む第1の生成物流れを生成させること;第1の生成物流れを回収し、疎水性流れと非疎水性流れに相分離すること、ここで、非疎水性流れは水及び塩化水素を含み、場合に応じて、未反応の多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、未エステル化モノクロロヒドリン及び未エステル化ジクロロヒドリンを含み、疎水性流れは疎水性モノクロロヒドリンエステルもしくはジエステル、疎水性ジクロロヒドリンエステル又はそれらの混合物と疎水性カルボン酸触媒を含む;及び、疎水性流れをデカントしてクロロヒドリン/触媒流れを生成させることを含む、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル又はそれらの混合物を製造する方法である。
本発明の方法の特定の実施形態は、さらに、クロロヒドリン/触媒流れに1又は2種以上の強塩基、例えば、限定するわけではないが、石灰、苛性カリ及び苛性ソーダ又はそれらの混合物から成る群から選ばれる強塩基などを加えてエポキシドと水と疎水性カルボン酸及びその塩とを含む第2の生成物流れを形成すること;第2の生成物流れを、エポキシドを含む流れと疎水性カルボン酸及びその塩を含む流れに分離すること;疎水性カルボン酸塩を含む流れに鉱酸を加えて1つの相が疎水性カルボン酸を含み、第2の相が水及び塩を含む二相混合物を形成することを含む。疎水性カルボン酸相をデカントし、塩化水素化反応器に再循環させる。
本発明の別の態様は、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル又はそれらの混合物を製造する方法であって、塩化水素化反応器内で、疎水性カルボン酸触媒の存在下、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素エステル又はそれらの混合物を塩化水素の供給源と接触させて疎水性モノクロロヒドリンエステルもしくはジエステル、疎水性ジクロロヒドリンエステル又はそれらの混合物を含む第1の生成物流れを生成させること;第1の生成物流れを回収し、疎水性流れと非疎水性流れに相分離すること、ここで、非疎水性流れは水及び塩化水素を含み、疎水性流れは疎水性モノクロロヒドリンエステルもしくはジエステル、疎水性ジクロロヒドリンエステル又はそれらの混合物と疎水性カルボン酸触媒を含む;クロロヒドリン/触媒流れに苛性アルカリを加えてエポキシドと水と疎水性カルボン酸及びその塩とを含む第2の生成物流れを生成させること;蒸発を使用して第2の生成物流れを、エポキシドを含む流れとカルボン酸及びその塩を含む流れに分離すること;疎水性成分に鉱酸を加えて、疎水性カルボン酸と水とナトリウム塩とを含む第1の回収流れを形成すること;第1の回収流れを相分離して疎水性カルボン酸触媒を含む疎水性層を形成すること;及び疎水性カルボン酸触媒を塩化水素化反応器に再循環させることから実質的に成る、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル又はそれらの混合物を製造する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、疎水性カルボン酸は、安息香酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、オレイン酸、ステアリン酸、テレフタル酸及びフェニル酢酸から成る群から選択される1又は2種以上の酸である。別の実施形態において、疎水性カルボン酸は、ステアリン酸、安息香酸、ヘプタン酸又はオクタン酸である。
抽出を伴ういくつかの実施形態において、疎水性カルボン酸は、4−アミノフェニル酢酸、4−アミノ酪酸、4−ジメチルアミノ酪酸、6−アミノカプロン酸、4−アミノフェニル酢酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、グリコール酸、4−ジメチルアミノ酪酸、4−トリメチルアンモニウム酪酸、パラヒドロキシ安息香酸、メトキシ酢酸、メトキシ(エトキシ)酢酸及びメトキシ(エトキシエトキシ)酢酸からなる群から選択される1又は2種以上の酸である。
いくつかの実施形態において、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素は、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1−クロロ−2,3−プロパンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2,3−プロパントリオール及びこれらの混合物からなる群から選択される1又は2種以上である。別の実施形態において、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素は、グリセロール、又は1もしくは2種以上のグリコール類、あるいは、それらの混合物である。多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素は、1又は2種以上の再生可能な原料から得ることができる。
本発明の方法は、塩化水素水溶液、有機溶剤中の塩化水素、超大気圧の塩化水素ガス、又は無水塩化水素であることができる塩化水素の供給源を使用する。無水塩化水素に加えて、この方法は、塩化水素水溶液を使用することにより高いクロロヒドリン収率が得られるという予想外の利点も有する。塩酸水溶液は、容易に輸送され、塩化水素の無水供給源よりも経済的に有利な商品である。
本発明の方法の特定の態様において、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素エステル又はそれらの混合物は、必要に応じて極性溶媒中で、糖の水素化分解から得られ、疎水性カルボン酸触媒は、1又は2種以上のC−C30カルボン酸である。
本発明の別の態様は、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル、又はそれらの混合物を製造する方法であって、塩化水素化反応器内で、抽出可能なカルボン酸触媒の存在下、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素エステル又はそれらの混合物を塩化水素の供給源と接触させてクロロヒドリンエステル及びジクロロヒドリンエステルと場合に応じてモノクロロヒドリン及びジクロロヒドリンとを含む抽出可能な生成物流れを生成させること;抽出可能な生成物流れに抽出媒体を加えること;抽出媒体中に、モノクロロヒドリン、ジクロロヒドリン、クロロヒドリンエステル又はそれらの混合物を抽出すること;及びものクロロヒドリン及びジクロロヒドリンエステルと場合に応じてクロロヒドリン及びジクロロヒドリン又はそれらの混合物を含む抽出媒体をデカントすることを含む、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル、又はそれらの混合物を製造する方法である。いくつかの実施形態は、さらに、デカントした抽出媒体を、塩基を加えてエポキシドを形成させること、加水分解してクロロヒドリンを与えること、1種のアルコール又は複数種のアルコールの混合物を加えてエステル交換生成物を形成すること、又はそれらの組み合わせを含む。
本発明のさらに別の態様は、エチレンクロロヒドリン(2−クロロエタノール)、プロピレンクロロヒドリン(1−クロロプロパン−2−オール、2−クロロプロパン−1−オール、又はそれらの混合物)と、場合に応じて、ジクロロヒドリン(1,3−ジクロロプロパン−2−オール、2,3−ジクロロプロパン−1−オール、又はそれらの混合物)の疎水性エステルの混合物を含む本発明の方法の生成物である。ここで、当該混合物は10〜40質量%のエチレンクロロヒドリンの疎水性エステルと、20〜80質量%のプロピレンクロロヒドリンの疎水性エステルと、20〜60質量%のジクロロヒドリンの疎水性エステルを含む。
図1は、本発明の方法の一実施形態を示すプロセスフロー図である。
用語「多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素」は、別々の飽和炭素原子に結合した少なくとも2個のヒドロキシル基を含む炭化水素を意味する。多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素は2〜約60個の炭素原子を含んでよいが、2〜約60個の炭素原子を含むものに限定されない。本明細書で用いられる用語「多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素」は、糖から製造された化合物を包含する。
用語「糖」は、任意の炭水化物又は炭水化物から製造された化合物、例えば水和物、脱水生成物、加水分解生成物、水素化分解生成物、加水分解生成物、酸化生成物、エステル類、エーテル類、ヘミアセタール類、アセタール類、ヘミケタール類、ケタール類、あるいは、加水分解、水素化又は水素化分解条件下で糖又は誘導体に転化する材料など及びそれらの混合物を包含する。糖類の例としては、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖類及び多糖類、澱粉、糖蜜、セルロース、ヘミセルロース、キチン、デキストラン、スクロース、ラクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、フルクトース、キシロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、チリトール(thyritol)、グリセロール、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において、用語「疎水性」は、水又は他の極性化合物をはじくこと、水又は他の極性化合物と組み合わさる傾向がないこと、あるいは、水又は他の極性化合物中に溶解することができないことを意味する。
本明細書において、用語「疎水性カルボン酸触媒」は、疎水性置換基を有するカルボン酸又は塩化水素化反応条件下で疎水性置換基を有するカルボン酸に転化することができる化合物(「疎水性カルボン酸前駆体」)を意味する。かかる転化可能な化合物としては、例えば、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、カルボン酸塩、ニトリル、及びそれらの混合物が挙げられる。
本明細書において、用語「相分離」は、実質的に非極性の液相からの実質的に極性の液相の分離、及び実質的に非水性の液相からの実質的に水性の液相の分離などの、2又は3種以上の液相の分離を意味する。
本発明の一つの広い態様は、疎水性カルボン酸触媒の存在下で、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素を超大気圧の分圧の塩化水素の供給源と接触させ、同時に、相分離により実質的な水の除去をもたらす工程を含む、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素をクロロヒドリンに転化させる方法を提供する。
本発明の別の広い態様は、触媒としての疎水性カルボン酸の存在下で、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素を塩化水素の供給源と接触させて疎水性クロロヒドリンエステルを形成する工程を含む、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素をクロロヒドリンに転化させる方法を提供する。疎水性クロロヒドリンエステルは水性流れから相分離する。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明で使用される水の除去方法は、反応蒸留、凝固点降下除去、共沸蒸留、吸収又は蒸発法を必要としない。別の実施形態では、水の除去は、反応蒸留、凝固点降下除去、共沸蒸留、吸収又は蒸発法のうちの1又は2つ以上とともに相分離により起こる。
一実施形態において、糖の水素化分解から得られた多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の混合物(必要に応じて極性溶媒中にある)は、C−C30カルボン酸触媒を使用する塩化水素化にかけられ、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素クロロヒドリンエステルの得られた混合物の少なくとも一部は、冷却の前又は後で、反応溶液から相分離し、デカンテーション又は必要に応じて抽出により回収される。後の工程において、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素クロロヒドリンエステルの混合物を塩基により処理して、エポキシドとカルボン酸及びその塩を含む混合物を生成させることができる。エポキシドは、吸収、蒸発、抽出又はデカンテーションなどの任意の適切な方法によって、プロセス流れから回収される。カルボン酸塩は、好ましくは、任意の好適な手段、例えば結晶化による、吸着による、イオン交換による、又はカルボン酸に酸性化した後に同等の手段によるなどの、任意の適切な手段(相分離後のデカンテーションを含む)によって回収し、塩化水素化工程に再循環させることができる。
別の実施形態において、水中での糖の水素化分解から得られた多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の混合物は、C−C30カルボン酸触媒を使用する塩化水素化にかけられる。塩化水素化中又は後、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素クロロヒドリンエステルの混合物を、極性相から相分離し、デカンテーションにより回収する。次に、この混合物を、糖の水素化分解から得られた多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の混合物により処理し、遊離したクロロヒドリンを蒸発により回収する。生成物流れの残りを塩化水素化反応器に再循環させることができる。
さらに別の実施形態において、必要に応じて極性溶媒中の、糖の水素化分解から得られた多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の混合物を、塩化水素化後の生成物流れから相分離するのに不十分に疎水性であるが、抽出により不混和性相中に抽出することが可能なカルボン酸触媒(「抽出可能なカルボン酸触媒」)を使用して塩化水素化にかけ、抽出媒体中の多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素クロロヒドリンエステルの混合物を反応溶液から相分離し、デカンテーションにより回収する。この生成物は、塩基による処理によりエポキシドに転化させることができ、加水分解してクロロヒドリンの混合物を与えることができ、あるいは、1種のアルコール又は複数種のアルコールの混合物、例えば糖の水素化分解により得られた多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の混合物によりエステル交換することができる。
別の実施形態において、糖の水素化分解の生成物の塩化水素化から誘導された多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素クロロヒドリンエステルの混合物の組成物は、水とは別の液相を形成し、この液相は、エチレンクロロヒドリン(2−クロロエタノール)、プロピレンクロロヒドリン(例えば、1−クロロプロパン−2−オール、2−クロロプロパン−1−オール又はそれらの混合物)、及び場合に応じてジクロロヒドリン(例えば1,3−ジクロロプロパン−2−オール、2,3−ジクロロプロパン−1−オール又はそれらの混合物)又はそれらの混合物の疎水性エステルを含む。
ヒドロキシル(OH)官能基を有する多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の任意の1個の炭素は1個以下のOH基を有していなければならず、sp3混成していなければならない。OH基を有する炭素原子は、第一級、第二級又は第三級のものであることができる。本発明において使用される多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素は、それぞれOH基を有する少なくとも2つのsp3混成炭素を含む必要がある。多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素としては、高次の隣接する又はビシナルの反復単位を含む炭化水素を含む任意のビシナル−ジオール(1,2−ジオール)又はトリオール(1,2,3−トリオール)が挙げられる。多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の定義は、例えば、1,3−、1,4−、1,5−及び1,6−ジオール官能基も含む。多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素は、例えばポリビニルアルコールなどのポリマーであってもよい。例えば、ジェミナル−ジオールは、この部類の多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素化合物から除かれるであろう。
多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素は、芳香族部分又はヘテロ原子、例えばハロゲン化物、硫黄、リン、窒素、酸素、ケイ素及びホウ素のヘテロ原子など及びそれらの混合物を含んでいてよいことが理解されるべきである。
本発明に係る方法において、使用される多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素は、粗製の多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素生成物又は精製された多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素生成物であることができる。「粗製」の多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素生成物は、その製造後にいかなる処理にもかけられていない多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素である。「精製された」多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素生成物は、その製造後に少なくとも1つの処理にかけられた多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素である。多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素が再生可能な原料から得られた粗生成物である場合には、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素は、例えば、金属塩に加えて水を含むことがある。金属塩は、好ましくは、NaCl及びKClから選択される特定の金属塩化物である。金属塩は、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム又はそれらの混合物などの金属硫酸塩から選択することもできる。本発明の方法のいくつかの実施形態において使用される多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム又はそれらの混合物から好ましくは選択される少なくとも1種の固体又は溶解した金属塩を含む。同じ事項が、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素のエステル、又は多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素と多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素のエステルの混合物に適用される。
本発明の方法の一実施形態において、粗製多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素生成物は、1又は2種以上の有機化合物、例えばカルボニル化合物、例えばアルデヒド、脂肪酸、脂肪酸の塩又は脂肪酸のエステルなど、例えば特に脂肪酸との多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素のモノ−又はポリエステルを、必要に応じて水との組み合わせで含むことがある。多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素が粗製グリセロールである場合には、粗製グリセロールは脂肪酸を含んでよく、当該脂肪酸は、いくつかの実施態様において、12個を超える炭素原子を含む飽和及び不飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸であることができる。ステアリン(C18飽和)酸及びパルミチン酸などの酸も、相分離したハロヒドリンの形成を促進することができる疎水性酸の好ましい例である。これらの酸は、一般的に、鹸化反応、エステル交換反応及び加水分解反応によって、コルザ油(colza oil)、パーム油、パーム核油、コプラ油、ババスーヤシ油、菜種油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、綿実油、ピーナッツ油、大豆油、亜麻仁油、ハマナ油、及び、例えば、遺伝子修飾又は交雑により得られた任意のヒマワリ又はアブラナ科植物に由来する全ての油、及びそれらの組み合わせの転化中に生成する。
さらに、揚げ油を本発明において使用でき、さらに、様々な動物油、例えば魚油、獣脂、ラード油、及びクォーターリング(quartering)により得られた油など、及びそれらの組合せを使用できる。
上記の油のうち、本発明において有用なものは、例えば、亜麻仁油、ヒマワリ油及び植物油;並びにそれらの混合物の、例えば、「スタンド油」の場合のように、重合又はオリゴマー化により部分的に変性された油である。
本発明において有用な特に好適なグリセロールは、動物油脂の変換中に得ることができる。本発明において使用することができる別の特に好適なグリセロールは、油脂化学製品又はバイオディーゼルの製造時に得ることができる。本発明における使用に好適なさらに別のグリセロールは、それぞれ引用により本明細書に援用するフランス国特許第2752242号、第2869612号及び第2869613号に記載されているように、不均一触媒の存在下でのエステル交換による動物又は植物の脂肪又は油の変換中に得られる。かかる方法において、アルミニウムと亜鉛の混合酸化物、亜鉛とチタンの混合酸化物、亜鉛とチタンとアルミニウムの混合酸化物、及びビスマスとアルミニウムの混合酸化物、及びそれらの混合物を含む不均一触媒を使用することが都合よいであろう。上記不均一触媒は、固定床で作用させることができる。この後者の方法は、例えば、バイオディーゼル製造方法であることができる。
油脂化学製品又はバイオディーゼルの製造に由来するグリセロールは、粗製グリセロールとして採用される場合に、又は未中和の粗製グリセロールとして採用される場合に、そのコストの低さのために、本発明で有利に使用できる。引用により本明細書に援用する「Process Economics Program Report 251, Biodiesel Production (October 2004), (R. G. Bray, SRI Consulting, pp. 7-10〜7-14)」に記載されているように、アルコールによる油又は脂肪のアルキルエステル及びグリセロールへのアルカリ触媒エステル交換は、アルカリ含有グリセロール及びアルキルエステルの二相混合物をもたらす。本発明の多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の粗製混合物は、任意の望ましい非限定的な濃度で使用することができる。一般的に、より高い濃度が経済的な理由のために好ましい。本発明の多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素について有用な濃度としては、例えば、約0.01モル%〜約99.99モル%、好ましくは約1モル%〜約99.5モル%、より好ましくは約5モル%〜約99モル%、最も好ましくは約10モル%〜約95モル%が挙げられる。
同様に、本発明の未中和の粗製グリセロールは、任意の望ましい非制限的な濃度で使用できる。一般的に、より高い濃度が経済的な理由のために好ましい。本発明の未中和の粗製グリセロールについて有用な濃度としては、例えば、約0.01モル%〜約99.99モル%、好ましくは約1モル%〜約99.5モル%、より好ましくは約5モル%〜約99モル%、最も好ましくは約10モル%〜約95モル%である。この未中和の粗製グリセロールの組成は、例えば、最大10モル%のアルカリ金属、最大30モル%のアルキルエステル、最大20%の脂肪酸又は脂肪酸のアルカリ塩、最大50モル%のメタノール、最大50モル%の水も含む。
本発明に係る方法の一実施形態において、粗製多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素生成物は、一般的に、塩化水素化反応への多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素原料の全体の40質量%以上を構成することができる。いくつかの場合において、粗製生成物は、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素供給原料の全体の少なくとも48質量%又はそれ以上を構成し、あるいは、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の73質量%以上を構成する。
本発明において有用な多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素としては、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、3−クロロ−1,2−プロパンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2,3−プロパントリオール(グリセロール)、及びそれらの混合物が挙げられる。本発明において使用される多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素としては、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1−クロロ−2,3−プロパンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、及び1,2,3−プロパントリオールが挙げられ、1,2,3−プロパントリオールが最も好ましい。
多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素のエステルは、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素中に存在することができ、及び/又はクロロヒドリン製造方法の間に製造中に生成することがあり、及び/又はクロロヒドリン製造方法に先立って生成することができる。本発明において有用な多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素のエステルの例としては、例えばモノオクタン酸エチレングリコール、モノオクタン酸プロパンジオール、モノオクタン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、ジオクタン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール及びそれらの混合物が挙げられる。一実施形態において、かかるエステルは、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素と徹底的にエステル化された多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素との混合物、例えばトリオクタン酸グリセロールとグリセロールの混合物から製造することができる。
本発明に係る多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素のエステル、又はそれらの混合物は、粗製多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、粗製多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素のエステル、又はそれらの混合物であってもよく、再生可能な原料又はバイオマスから得ることができる。
本明細書において、「再生可能な原料」は、引用によりその開示内容を本明細書に援用する米国特許出願公開第20080015370に記載の材料を意味し、再生可能な天然の供給源から誘導された本発明の方法のための出発物質を包含する。
本明細書において、用語「クロロヒドリン」は、少なくとも1つのヒドロキシル基と、別々の飽和炭素原子に結合した少なくとも1つの塩素原子とを含む化合物を意味する。少なくとも2つのヒドロキシル基を含むクロロヒドリンも多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素である。従って、本発明の出発原料及び生成物は、それぞれクロロヒドリンであることができ、その場合は、生成物クロロヒドリンは、出発クロロヒドリンよりも高度に塩素化される、すなわち出発クロロヒドリンよりも多く塩素原子と少ないヒドロキシル基を有する。いくつかの好ましいクロロヒドリンは、例えば出発原料として使用されるクロロヒドリンであるか、又は中間体として生成され、例えば、3−クロロプロパン−1,2−ジオール、2−クロロ−プロパン−1,3−ジオール、及びこれらの組み合わせである。ジクロロヒドリンのようなより好ましい高度に塩素化されたクロロヒドリンは、2−クロロエタノール、1−クロロプロパン−2−オール、2−クロロプロパン−1−オール、3−クロロプロパン−1,2−ジオール、2−クロロプロパン−1,3−ジオール、1,3−ジクロロプロパン−2−オール、2,3−ジクロロプロパン−1−オール、及びこれらの化合物のうちの少なくとも2種又は3種以上などの、本発明の方法の生成物であることができる。
用語「エポキシド」は、炭素−炭素結合上に1個の酸素原子を含む化合物を記述するために使用し、ここで、炭素−炭素結合の炭素原子は隣接しており、当該化合物は炭素原子と酸素原子以外の原子、例えば水素及びハロゲンなどを含んでいてもよい。好ましいエポキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、グリシドール及びエピクロロヒドリンである。
カルボン酸RCOOHは、クロロヒドリンへの多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の塩化水素化を触媒する。特定の実施の形態に対して選択される特定のカルボン酸触媒は、カルボン酸が十分に疎水性であり、水性流れから相分離する又は抽出することができるクロロヒドリンエステルを形成する限り、例えば、触媒としてのその有効性、そのコスト、反応条件に対する安定性、及びその物理的特性を含む多くの因子に基づくことができる。触媒を使用しようとする特定のプロセス及びプロセススキームも、本発明の方法に対して特定の触媒を選択する際の因子であることがある。ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐状又は環状であってもよく、置換されていても又は置換されていなくてもよく、あるいは、それらの混合物でもよい。許容可能な置換基としては、触媒の性能を有害に妨げない官能基が挙げられ、ヘテロ原子を含んでいてもよい。許容可能な官能基の非限定的な例としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ヒドロキシル、フェノール、エーテル、アミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、スルホネート、スルホン酸、ホスホネート、及びホスホン酸、又はそれらの混合物が挙げられるが、ただし、置換基が、生成したクロロヒドリン生成物を水相から相分離すること及び/又は水相から抽出されることを妨げないことを条件とする。
本発明の実施形態における塩化水素化反応のための触媒(疎水性カルボン酸触媒、先に定義したとおり)は、疎水性カルボン酸と塩化水素化反応条件下で疎水性カルボン酸に転化する化合物である。本発明において有用な疎水性カルボン酸としては、例として、安息香酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、オレイン酸、ステアリン酸、テレフタル酸、フェニル酢酸、又はそれらの混合物が挙げられる。さらに、塩化水素化反応条件下で疎水性カルボン酸に転化することができる材料(疎水性カルボン酸前駆体)、例えばカルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、カルボン酸塩及びニトリルなどを、本発明の実施形態における塩化水素化触媒として使用してもよく、それらの混合物であってもよい。本発明の実施形態において有用な疎水性カルボン酸前駆体としては、例えば、安息香酸無水物、ヘキサン酸塩化物、ヘプタン酸無水物、オクタン酸無水物、オレイン酸無水物、ステアリン酸無水物、安息香酸塩化物、ヘキサン酸塩化物、ヘプタン酸塩化物、オクタン酸塩化物、酢酸フェニル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、又はそれらの混合物が挙げられる。カルボン酸の混合物も本発明において使用できる。
別の実施形態は、第2の部類の疎水性カルボン酸、すなわち1.1以上の分配係数を有するエステルを与える疎水性カルボン酸を使用する。ここで、分配係数は、非極性相における濃度/極性相における濃度として定義される。かかる第2の部類の疎水性カルボン酸は、抽出が使用される場合に最適に使用でき、かかる第2の部類の疎水性カルボン酸としては、例えば、4−アミノフェニル酢酸、4−アミノ酪酸、4−ジメチルアミノ酪酸、6−アミノカプロン酸、4−アミノフェニル酢酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、グリコール酸、4−ジメチルアミノ酪酸、4−トリメチルアンモニウム酪酸、パラヒドロキシ安息香酸、メトキシ酢酸、メトキシ(エトキシ)酢酸、及びメトキシ(エトキシエトキシ)酢酸が挙げられる。
本発明の実施形態において使用するのに好ましい疎水性カルボン酸は、C−C18ヒドロカルビル基又はそれらの混合物(この部分はカルボン酸基を立体的に妨害しない)を有する酸である。本発明の方法において使用するのに好ましい酸は、ヘキサン酸、安息香酸、オクタン酸及びそれらの混合物である。
本発明において使用される塩化水素の供給源は、塩化水素の必要な分圧が本発明の方法に対して提供される限り、気体として、液体として、又は溶液もしくは混合物中にあるものとして、あるいはそれらの混在したものとして、例えば塩化水素と窒素ガスの混合物などのように導入されることが好ましい。
別の塩化水素の供給源としては、塩化水素ガス、水性HCl、無水HCl、及び有機溶媒中に可溶化された任意の形態の塩化水素が挙げられる。一般的な塩化水素溶媒としては、ジエチルエーテル、ジオキサン、メタノール及びエタノール並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。超大気圧条件下で実施される本発明のこれらの態様において、塩化物の供給源は、必要な分圧の塩化水素を生成する必要がある。特に塩化物は、任意の数の陽イオン、相間移動剤に関連するものなど、例えば第四級アンモニウム及びホスホニウム塩(例えばテトラブチルホスホニウムクロリド)又はそれらの混合物などとともに導入することができる。代わりに、イオン性液体、例えばn−ブチル−2−メチルイミダゾリウムクロリドを、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素からのOHの酸触媒転位を促進するための相乗剤として使用できる。
また、これらの他のハロゲン化物の供給源はアルコールの塩化水素化のための共触媒として作用することも知られている。この点について、これらの反応を促進するために触媒量のヨウ化物又は臭化物を使用できる。これらの試薬は、気体として、液体として、又は相間移動もしくはイオン性液体の形態を使用して対イオン塩として導入することができる。これらの試薬は、アルカリ又は遷移金属対イオンが多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の酸化を促進しない金属塩として導入することもできる。望ましくない塩素化化合物の形成の可能性が高くなる恐れがあるため、制御された塩化水素化プロセスでこれらの共触媒を使用する際には注意を要する。ハロゲン化物の異なる供給源の混合物、例えば塩化水素ガスとイオン性ハロゲン化物、例えばテトラアルキルアンモニウムクロリド又は金属ハロゲン化物などを使用することができる。例えば、金属ハロゲン化物は、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウムなど又はそれらの混合物であることができる。
超大気圧の分圧のHCl条件を使用する本発明のいくつかの実施形態において、本発明において使用される好ましい疎水性カルボン酸触媒としては、例えば、安息香酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、オレイン酸、ステアリン酸、6−クロロヘキサン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
本発明の別の実施形態において、上記の超大気圧プロセスにおいて機能する本発明のいくつかの触媒も、驚くべきことに、相分離による水の除去を伴って、大気圧及び超大気圧条件で十分に機能することができる。従って、本発明の一実施形態は、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル又はそれらの混合物を製造する方法であって、触媒の存在下で、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素のエステル又はそれらの混合物を、超大気圧、大気圧又は大気圧未満の分圧の塩化水素の供給源と接触させてクロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル又はそれらの混合物を生成させる工程を含み、触媒(i)が6個以上の炭素原子を有する疎水性カルボキシレート誘導体である、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル又はそれらの混合物を製造する方法である。本発明のこの実施形態によれば、特定の触媒は、超大気圧、大気圧又は大気圧未満の圧力で、特に反応混合物から水相を連続的又は定期的に相分離により除去するような状況で使用することができる。例えば、グリセロール反応の塩化水素化は、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素及び疎水性カルボン酸触媒の混合物に塩化水素ガスを吹き込むことにより実施することができる。
塩化水素化工程における好ましい疎水性カルボン酸触媒濃度は、例えば、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素のモル数に基づいて少なくとも約20モル%、より好ましくは約50モル%〜約200モル%、より好ましくは約80モル%〜約120モル%、最も好ましくは約90モル%〜約110モル%である。使用される疎水性カルボン酸触媒の具体的な濃度は、使用される特定の触媒及びかかる触媒が使用されるプロセススキームに依存することがある。
本発明のいくつかの実施形態では、上記方法は、超大気圧条件下で実施される。本明細書において「超大気圧」とは、塩化水素(HCl)の分圧が大気圧を超える圧力、すなわち15psia以上であることを意味する。一般的に、本発明の方法において使用される塩化水素分圧は少なくとも約15psia HCl又はそれより高い。好ましくは、本発明の方法の圧力は、約25psia 以上、より好ましくは約50psia HCl以上、最も好ましくは約75psia以上であり、より好ましくは約1000psia HCl以下、より好ましくは約600psia以下、最も好ましくは約151psia以下である。
本発明のいくつかの実施形態において使用されるHClは無水である。本発明の別の実施形態において、水性HCl、例えば6M HCl、より好ましくは12M HC1などを使用する。水溶液中のHCl濃度は、塩化水素100質量%未満から約15質量%であることができる。好ましくは、HClの濃度は、HCl約15質量%超、より好ましくはHC1約35質量%超である。
本発明の方法の実施に有用な温度は、経済的な反応速度を与えるのに十分であるが、出発原料、生成物又は触媒の安定性が損なわれるほど高くない。さらに、高い温度は、望ましくない無触媒反応、例えば非選択的な過剰な塩素化などの速度を増加させ、装置の腐食速度の増加をもたらすことがある。本発明の方法において有用な温度は、一般的に、約25℃〜300℃、あるいは約25℃〜約200℃、あるいは約30℃〜約160℃、あるいは約40℃〜約150℃、あるいは約50℃〜約140℃である。
本発明の超大気圧プロセスの反応は有利に速く、約12時間未満、好ましくは約5時間未満、より好ましくは約3時間未満、最も好ましくは2時間未満の時間で実施できる。
また、本発明の超大気圧プロセスにおいて、水、塩又は多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素以外の有機不純物などの汚染物質を含まない出発原料を使用する必要はない。そのため、出発原料は、一般的に、約50質量%以下のかかる汚染物を含んでもよい。例えば、ある種の不純物を含んでいてもよい粗製1,2,3−プロパントリオール(すなわち、粗製グリセロール、中和された又は中和されていない)を、本発明の方法において使用することができる。例えば、本発明において有用な粗製グリセロールは、最大25質量%の水、最大20%の無機塩、及び最大約25質量%のグリセロール以外の有機化合物を含んでよい。別の実施形態において、本発明の方法において、所望の生成物を製造するために、水(約0.05質量%〜約25質量%)、アルカリ(例えば、ナトリウム又はカリウム)又はアルカリ土類(例えば、カルシウム又はマグネシウム)金属塩(約0.01質量%〜約20質量%)、カルボン酸アルカリ金属塩(約0.01質量%〜約5質量%)、及び/又はグリセロール以外の有機化合物(約0.01質量%〜約25質量%)を含み得る粗製グリセロール(中和された又は中和されていない)も有効に使用できる。さらに別の実施形態において、粗製グリセロール(中和された又は中和されていない)は、好ましくは、約25質量%未満の水、約25質量%未満のアルカリ又はアルカリ土類金属塩及び約25%未満のグリセロール以外の有機化合物を含み、全不純物が全体の約50%未満を構成する。より好ましくは、粗製グリセロール(中和された又は中和されていない)は、水を約15質量%未満、アルカリ又はアルカリ土類金属塩を約20質量%未満、グリセロール以外の有機化合物を約5%未満含む。さらにより好ましくは、粗製グリセロール(中和された又は中和されていない)は、水を約10質量%未満、アルカリ又はアルカリ土類金属塩を約0.1質量%未満、及びグリセロール以外の有機化合物を約0.1%未満含む。最も好ましくは、粗製グリセロール(中和された又は中和されていない)は、水を約10質量%未満、アルカリ又はアルカリ土類金属塩を約0.1質量%未満及びグリセロール以外の有機化合物を約0.1質量%未満含むように部分的に精製されたものであってもよい。従って、本発明の方法は、特に経済的な方法である。
本発明は、例えばバッチ式、半バッチ式、又は連続式などの様々なプロセススキームを含むことができる。一実施形態において、例えば、本発明は、疎水性カルボン酸触媒を使用して、塩化水素による多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の塩化水素を含む。多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素は、そのまま使用するか、あるいは、適切な溶媒中に希釈してもよい。かかる溶媒としては、例えば水とアルコールが挙げられる。多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素を塩化水素化反応において使用する前に、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素を精製して水、有機材料や無機材料などの汚染物質を除去することが好ましいであろう。この精製としては、例えば蒸留、抽出、吸収、遠心分離又は他の適切な方法などのよく知られた精製技術が挙げられる。多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素は、一般的に、液体としてプロセスに供給されるが、これは絶対的に必要であるというわけではない。
上記プロセスで使用される塩化水素は、好ましくは気体状である。しかしながら、必要に応じて、塩化水素を、アルコール(又は水)(例えばメタノール)などの溶媒中又は例えば窒素などのキャリアガス中に希釈してもよい。必要に応じて、望ましくない汚染物質を除去するために、塩化水素を、使用前に精製してもよい。塩化水素が、実質的に無水であることが好ましいが、塩化水素中に存在するある量(例えば、約50モル%未満、好ましくは約20モル%未満、より好ましくは約10モル%未満、さらにより好ましくは約5モル%未満、最も好ましくは約3モル%未満)の水は過度に有害でない。塩化水素は、任意の適切な方法でプロセス装置に供給される。プロセス装置が、本発明の方法において使用される塩化水素化反応器全体の塩化水素の良好な分散を確保するように設計されていることが好ましい。そのため、1個又は複数個のスパージャー、バッフル及び効率的な撹拌機構が望ましい。
使用される触媒は、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素もしくは塩化水素フィードと独立に、又は、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素もしくは塩化水素フィードとの混合物として、あるいは多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素もしくは塩化水素フィードのコンポーネントとして、プロセス装置に供給することができる。
塩化水素化反応に有用な装置は、当該技術分野でよく知られている任意の装置であってもよく、塩化水素化の条件下で反応混合物を含むことができるべきである。好適な装置は、プロセス成分による腐食に対して耐性である材料から製造されたものであることができ、例えば、金属、例えばタンタルなど、好適な金属合金、例えばハステロイ(Hastelloy)(登録商標)Cなど、又はガラスライニング装置などを含むことができる。適切な装置は、例えば、1個又は複数個の撹拌タンク、チューブやパイプ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
例示的なバッチプロセスにおいて、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素及び塩化水素化触媒を圧力反応器に装入する。この反応器に塩化水素水溶液を加え、反応器を加熱して所望の圧力を所望の時間達成する。次に、反応器の内容物を反応器から排出し、そして、精製するか、又はさらなる処理のために他の装置に送るか、あるいは、貯蔵器に送る。
例示的な半バッチプロセスにおいて、上記試薬の1又は2種以上が、反応中一定の時間にわたって反応器に供給され、他の試薬は反応の開始時にのみ供給される。かかるプロセスでは、例えば、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素及び触媒は、1つのバッチで塩化水素化反応器に供給され、当該反応器は、次に、反応条件に適切な時間保たれ、塩化水素が反応中に所望の割合で連続的に供給され、この割合は一定流量であっても一定圧力であってもよい。反応後、塩化水素の供給を停止し、反応器の内容物を、貯蔵、精製又はさらなる処理のために排出することができる。
化学物質の大規模生産では、連続プロセスを実施する経済的な利点は通常バッチプロセスの場合よりも上回るために、連続プロセスを使用することが往々にして望ましい。連続プロセスは、例えば、シングルパス又はリサイクルプロセスであることができる。シングルパスプロセスでは、上記試薬の1又は2種以上が、プロセス装置を一回通過した後、反応器から得られた流出液が精製又はさらなる処理のために送られる。かかるスキームでは、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素及び触媒を装置に供給することができ、塩化水素を、連続攪拌槽型反応器、チューブ、パイプ又はそれらの組合せを含むことができるプロセス装置全体における一箇所又は複数の箇所で必要に応じて加えることができる。
試薬及び触媒は、プロセス装置内の滞留時間が生成物への多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の所望の転化を達成するのに適切であるような速度で供給される。必要に応じて、プロセス装置から出る物質は、貯蔵器に送られるか、又は精製又はさらなる処理に送られる。かかるプロセスでは、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素をできる限り所望の生成物に転化させることが一般的に望ましい。
連続的なリサイクルプロセスでは、プロセス装置から出る未反応の多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、反応中間体、塩化水素又は触媒のうちの1又は2つ以上が、当該プロセスにおけるより前のポイントにリサイクルされる。この方式では、原料効率が最大化され、又は、触媒が再利用される。従って、プロセスから不純物を除去するための手段を用意することが望ましい。
水性プロセス成分からの所望の疎水性クロロヒドリン生成物の除去は、様々な方法で達成できる。しかし、クロロヒドリン生成物と触媒の疎水性のために、疎水性のクロロヒドリン及び触媒の回収は、単純な相分離とデカントにより達成できる。
クロロヒドリンのその後のエポキシ化は、当該技術分野で知られているように例えば蒸留、蒸発、デカンテーション、抽出又はその組み合わせなどの任意の公知又は未知の手段により疎水性カルボン酸触媒からエポキシド(例えば、エピクロロヒドリン)を分離することができる反応生成物を生じる。触媒及び苛性ソーダを含む水性流れを、次に、酸処理して、水性ナトリウム塩層と有機触媒含有層を形成することができる。触媒は、次に、好ましくは、塩化水素化反応器に再循環される。
使用される特定のプロセススキームは、例えば、塩化水素化される多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の素性、コスト及び純度、使用される特定のプロセス条件、生成物を精製するために必要とされる分離、及び他の要因などの、多くの因子に依存することがある。本明細書に記載した方法の例は本発明を限定するものと見なされるべきでない。
図1は、本発明の非限定的な実施形態を示す。例えば、図1は、本発明の方法を示し、当該方法において、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、例えばグリセロール供給流れ11は、塩化水素化容器15内に導入される。塩化水素化容器15は、例えば、1つ以上の連続攪拌槽型反応器(CSTR)もしくは管型反応器又はそれらの組み合わせなどの任意の公知の好適なタイプのものであってもよい。塩化水素化容器15には、塩化水素供給流れ12及び疎水性カルボン酸触媒13も導入される。流れ11と13とは、塩化水素化容器15に別々に又は一緒に供給できる。流れ11と12とは、塩化水素化容器15に別々に又は一緒に供給できる。流れ12と13とは、塩化水素化容器15に別々にまたは一緒に供給できる。さらに、必要に応じて、流れ11、12及び13の全てを組み合わせて1つの供給流れにしてもよい。流れ11、12又は13のいずれも、塩化水素化容器15の一箇所又は複数の箇所で導入されることができる。
塩化水素化容器15において、グリセロールは、疎水性カルボン酸触媒により、そのエステル、モノクロロヒドリン及びジクロロヒドリン並びにそれらのエステルに部分的又は完全に変換される。流れ11、12又は13のいずれも、必要に応じて、リサイクルされた材料を含んでもよい。例えばジクロロヒドリン、モノクロロヒドリン、未反応のグリセロール、及びそれらのエステル、水、未反応の塩化水素及び触媒を含む流れ14は、塩化水素化容器15を出て容器16に入り、容器16において、非疎水性流れ18と疎水性流れ17に分離する。非疎水性流れ18は、水、未反応の多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、非疎水性モノクロロヒドリン及び塩化水素を含み、ライン29を通じて容器16を出ることができる。疎水性流れ17は、疎水性カルボン酸と、疎水性ジクロロヒドリン及び疎水性モノクロロヒドリンを含む疎水性クロロヒドリンエステルを含む。疎水性流れ17は、容器16からライン19を通じて容器21内に送られる。強塩基、例えば苛性アルカリなど20を、容器21(図1に示す)にライン19を通じて同時に供給(図1に示すように)しても、又は別々に容器21に添加(図示せず)することができる。
容器21内で、強塩基とクロロヒドリンエステルとが反応して、例えばエピクロロヒドリンなどのエポキシドを形成する。エポキシド、例えばエピクロロヒドリンと、水との混合物22は、例えば当技術分野で知られているように蒸留、蒸発、デカンテーション、抽出又はそれらの組み合わせを含む任意の公知又は未知の手段により他のエポキシド化副生成物及び未反応の試薬から分離できる。分離に続いて、エポキシド、例えばエピクロロヒドリンなどと水との混合物22は、容器21から取り除かれ、その後、貯蔵器に送られるか又は分離のために送られる。図1には、分離容器23が示されている。エポキシド30は多くの公知の方法のいずれかによって容器23内の水31から分離できる。疎水性触媒及び水と水溶性又は重い不純物を含む流れ24を容器21から取り外すことができる。流れ24を、必要に応じて、図1に流れ25として示されている強酸、例えば塩化水素水溶液により処理して、水性塩流れ27を形成させ、この流れを容器28内で疎水性触媒26から分離することができる。疎水性触媒流れ26を、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素の塩化水素化のために、容器15に直接再循環させるか、又は、必要に応じて、流れ13(図1に示す)と組み合わせることができる。代わりに、流れ24を強酸により処理せずに、塩化水素化容器15に直接加えてもよい。
塩化水素化容器15は、例えば、1又は2つ以上の撹拌槽型反応器、管型反応器、気泡塔型反応器及び/又はトリクルベッド反応器などの任意の公知の好適な反応容器を構成していてもよい。
容器16及び28は、例えば、1又は2つ以上のデカンター、遠心分離器、及び/又はKarrカラムなどの任意のよく知られている好適な分離容器を構成していてもよい。
容器21は、1又は2つ以上の撹拌槽型反応器、管型反応器、気泡塔型反応器、トリクルベッド反応器及び/又は反応蒸留塔反応器などの任意の公知の好適な反応と分離の容器又は容器を構成していてもよい。
以下の実施例は、たんに説明を目的としており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
実施例1−グリセロールからのクロロヒドリンの製造
グリセロール(15g,0.163mol,Sigma−Aldrich Chemical Corporation)から入手)及び安息香酸(19.9g,0.163mol,Sigma−Aldrich Co.から入手)を、磁気駆動撹拌器、内部冷却コイル及び熱電対を備えた100mLのハステロイ(登録商標)C Parr反応器(パール・インストゥルメント・カンパニー(Parr Instrument Company)から入手可能)に加えた。反応器を密封し、100psigに加圧し、100℃に加熱した。無水塩化水素ガス(BOC Gases製)を、100psigの圧力を維持するために反応器に連続的に供給した。2時間後、反応器を約25℃まで冷却し、反応器をベントして苛性アルカリスクラバーに排気し、反応器内容物を排出した。反応器の内容物(44.7g)を収集した。2つの液層と固形物は、回収した内容物中に存在していた。上方の液体層(10g)を30メートルのレステック(Restek)−35キャピラリーGCカラムと炎イオン化検出器(FID)を用いてガスクロマトグラフィー(GC)により分析し、主に水で、微量のグリセロールを含むことが判った。下方の液体層(28.3グラム)をサンプリングし、重水素化メタノール(MeOD)[Sigma−Aldrich Co.から入手]中に溶解させた。次に、サンプルを、Varian 300MHz NMR装置を使用してH−NMRにより分析した。下方の液体層は、微量の安息香酸を含む1,3−ジクロロヒドリン安息香酸であった。固形物(濾過により単離された1.96g)を、Varian 300MHz装置とMeOD溶媒を使用して分析し、安息香酸であることが判った。
実施例2−グリコールからクロロヒドリンの調製
エチレングリコール(EG)(5g,0.081mol,Aldrichから入手)、プロピレングリコール(PG)(5g,0.066mol,Aldrichから入手)、水(10g,0.555mol)及びオクタン酸(21.1g,0.1464mol,Aldrichから入手)を、HCl供給システム、メカニカルスターラ、及び温度と圧力の制御システムを備えた100mLのハステロイ(登録商標)C Parr反応器に加えた。反応器を密閉し、内容物を100℃に加熱し、次に、無水HClガス(BOC Gasesから入手)を反応器に加えて100psigの反応器圧力を達成し維持した。3時間後、HClの供給を停止し、反応器を約25℃に冷却した。反応器の内容物を排出する前に、残留HCl圧力を苛性アルカリスクラビングシステムを通じてベントした。反応器から2つの液相を回収した。各相を、比較のために30メートルのレステック−35キャピラリーGCカラム及びFID検出器を使用してGCでにより分析した。分析の結果を表1に示す。
Figure 2013531635
反応器内容物の上層をデカントし、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液により2回洗浄し、水により2回洗浄すると、中性pHの有機層が得られた。この有機層を、磁気テフロン(Teflon)(登録商標)(テフロンはE.I. du Pont de Nemours and Company Corporationの登録商標である)撹拌棒、インプロセス温度計、窒素ガス導入口、及び窒素ガス出口を有するドライアイス/アセトン冷却受けフラスコへのガラス製移送ラインを備えた3つ口丸底フラスコに入れた。この反応フラスコを、油浴を使用して50℃に加熱し、5%のNaOH水溶液(クロロヒドリンエステルに対して2モル当量)を徐々に加えて50℃の反応温度を維持した。反応混合物を、この温度に2.5時間維持し、この時間、反応フラスコ内に単層が観察された。冷たい受けフラスコ内に集められた生成物は、MeOD中に溶解させ、Varian 300MHz装置を使用してH NMRにより分析することによって、主にエチレンオキシド及びプロピレンオキシドであり、微量の水を含むと同定された。2つの相で酸性pHが得られるまで、濃HClを反応フラスコに加えた。レステック−35カラムとFID検出器を使用して下方の水性層をGC分析することにより、0.2質量%のエチレングリコール、0.3質量%のプロピレングリコール及び0.08質量%のオクタン酸を含む組成が示された。レステック−35カラムとFID検出器を使用するGC分析により上層中にオクタン酸だけが検出されたので、オクタン酸のほとんどは上層に分配された。
実施例3−グリコール類の塩化水素化
エチレングリコール(2g,0.032モル)、プロピレングリコール(2g,0.026モル)及びオクタン酸(8.35g,0.058モル)の混合物を、100mlハステロイ(登録商標)C Parr反応器内の30mlの12M水性HClに加えた。反応器を密封し、さらにHClを加えずに加熱した。4時間後、反応器を冷却し、ベントし、内容物を排出した。2つの液層を回収した。上層(9.1g)と下層(36.47グラム)を。GC分析を、それぞれの層について実施し、結果を表2に示す。
Figure 2013531635
エチレングリコールの場合に得られた物質収支は、入力32mmolで、出力28.5mmolであり、プロピレングリコールの場合には、入力26mmolで、出力22mmolであった。
実施例4
分配係数の測定
酢酸、安息香酸及びヘキサン酸の1,3−ジクロロヒドリンエステルを合成した。これらのエステルの各々を、別々に、1−クロロプロパン−2,3−ジオール及びグリセロールと混合した。激しく混合した後、試料を所定の温度で少なくとも30分間放置した。2つの相が分離することが認められた場合には、それらの相をガスクロマトグラフィーにより分析した。相の組成を表3に示す。
Figure 2013531635
表3からわかるように、各場合に、純粋なエステルは、グリセロールから相分離するが、より疎水性の高いヘキサン酸エステルのみが、純粋なMCH(モノクロロヒドリン)から相分離する。

Claims (15)

  1. 塩化水素化反応器内で、疎水性カルボン酸触媒の存在下、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素エステル又はそれらの混合物を塩化水素の供給源と接触させてクロロヒドリン、疎水性クロロヒドリンエステル又はそれらの混合物を含む第1の生成物流れを生成させること;
    第1の生成物流れを疎水性流れと非疎水性流れに相分離すること、ここで、非疎水性流れは水及び塩化水素を含み、疎水性流れは疎水性クロロヒドリンエステル及び疎水性カルボン酸触媒を含む;及び
    疎水性流れをデカントにより回収すること、
    を含む、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル又はそれらの混合物を製造する方法。
  2. さらに、前記疎水性流れに強塩基を加えてエポキシドと水と疎水性カルボン酸触媒及びその塩とを含む第2の生成物流れを形成すること;
    第2の生成物流れを、第1のエポキシド流れと、疎水性カルボン酸及びその塩を含む第1のカルボン酸/塩流れに分離すること、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. さらに、第1のカルボン酸/塩流れに鉱酸を加えて疎水性カルボン酸を含む第1の回収流れと水及び塩を含む第1の廃棄流れを形成すること;
    第1の回収流れを疎水性カルボン酸触媒成分と水性塩成分に分離すること;及び
    疎水性カルボン酸触媒成分を塩化水素化反応器に再循環させること;
    を含む、請求項2に記載の方法。
  4. さらに、第1のカルボン酸/塩流れを塩化水素化反応器に再循環させることを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記疎水性カルボン酸が、安息香酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、オレイン酸、ステアリン酸、テレフタル酸及びフェニル酢酸から成る群から選択される1又は2種以上の酸である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記疎水性カルボン酸が、安息香酸、ヘプタン酸又はオクタン酸である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素が、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1−クロロ−2,3−プロパンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2,3−プロパントリオール及びこれらの混合物からなる群から選択される1又は2種以上である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素が、グリセロール、又は1もしくは2種以上のグリコール、あるいはそれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素が、1又は2種以上の再生可能な原料から得られたものである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記塩化水素が水性塩化水素であるか、前記塩化水素が超大気圧の塩化水素ガスであるか、又は前記塩化水素が無水塩化水素である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素エステル又はそれらの混合物が、必要に応じて極性溶媒中での、糖の水素化分解から得られ、前記疎水性カルボン酸触媒がC−C30置換基を有する1又は2種以上のカルボン酸である、請求項1に記載の方法。
  12. さらに、前記疎水性流れに糖の水素化分解から得られた1又は2種以上の多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素を加えて疎水性クロロヒドリンエステルから疎水性基を選択的に除去してクロロヒドリンを形成すること;
    前記クロロヒドリンを蒸発させて第2の回収流れを残すこと;及び
    第2の回収流れの少なくとも一部を塩化水素化反応器に加えること;
    を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 塩化水素化反応器内で、抽出可能なカルボン酸触媒の存在下、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素、多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素エステル又はそれらの混合物を塩化水素の供給源と接触させてクロロヒドリン、クロロヒドリンエステル又はそれらの混合物を含む抽出可能な生成物流れを生成させること;
    前記抽出可能な生成物流れに抽出媒体を加えること;
    前記抽出媒体中に、クロロヒドリン、クロロヒドリンエステル又はそれらの混合物を抽出すること;及び
    クロロヒドリン、クロロヒドリンエステル又はそれらの混合物を含む前記抽出媒体をデカントすること;
    を含む、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル、又はそれらの混合物を製造する方法。
  14. さらに、デカントした前記抽出媒体を、エポキシドを形成するために塩基の添加により、クロロヒドリンを遊離させるために加水分解により、エステル交換物を形成するために1種のアルコール又は複数種のアルコールの混合物の添加により、又はそれらの組み合わせにより処理することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 10質量%〜40質量%のエチレンクロロヒドリンの疎水性エステルと、20質量%〜80質量%のプロピレンクロロヒドリンの疎水性エステルと、20質量%〜60質量%のジクロロヒドリンの疎水性エステルを含む、請求項1に記載の方法の生成物。
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