JP2010523704A - ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素化合物の塩化水素処理中の蒸気相精製の方法および装置 - Google Patents

ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素化合物の塩化水素処理中の蒸気相精製の方法および装置 Download PDF

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Abstract

ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素化合物および/またはそのエステルをクロロヒドリンおよび/またはそのエステルに転化する方法を開示する。この方法においては、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素化合物および/またはそのエステルおよび/またはモノクロロヒドリンおよび/またはそのエステルの1種以上を、少なくとも1種の塩素化剤および塩化水素処理条件下で最も低い沸点を有するクロロヒドリン生成物の沸点より低い沸点を有する少なくとも1種の不純物を含む少なくとも1種の塩素化剤供給原料流れと、所望により、水、1種以上の触媒および/または1種以上の重質副生成物の存在下に、反応容器の中で、塩化水素処理条件下で接触させる。液相反応混合物は塩化水素処理条件下で最も低い沸点を有するクロロヒドリン生成物の沸点より低くかつ前記少なくとも1種の不純物の沸点より高い温度に維持され、そして前記少なくとも1種の不純物を含む蒸気相ガス抜き流れが液相反応混合物から除去される。開示した方法を行なうのに適した装置は図1に示される。その方法および装置は転化率を改善しおよび/またはより少ない運転経費での塩素化剤の回収を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリヒドロキシ(multihydroxylated)脂肪族炭化水素化合物および/またはそのエステルをクロロヒドリンおよび/またはそのエステルに転化する方法および装置に関する。
ジクロロヒドリンはエピクロロヒドリンのようなエポキシドを作るのに有用である。エピクロロヒドリンは広く用いられているエポキシ樹脂の前駆体である。エピクロロヒドリンは、パラ−ビスフェノールAのアルキル化に一般に用いられる単量体である。結果として生じるジエポキシドは、遊離の単量体またはオリゴマーのジエポキシドのいずれかとして、たとえば電気用積層板、缶塗装、自動車のトップコートおよびクリアコートに用いられる高分子量樹脂の原料となり得る。
グリセリンは、燃料を作るバイオディーゼルプロセスの副生成物である、廉価な再生可能な(renewable)原料であると考えられている。果糖、ブドウ糖およびソルビトールのような他の再生可能な原料は、水素化分解して、グリセリン、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールなどのような、隣接ジオールおよびトリオールの混合物を生成することができることが知られている。豊富かつ低価格なグリセリンまたは混合グリコールを用い、そのような原料からジクロロヒドリンを作るための経済的に魅力的な方法が要望される。
下記スキーム1に示されるように、グリセロール(ここでは「グリセリン」ともいう。)をジクロロプロパノール(化合物IおよびII)の混合物に転化するプロセスが知られている。反応は、無水塩酸および酢酸(HOAc)触媒の存在下に水を除去した状態で行なわれる。化合物IおよびIIは、その後、カセイアルカリまたは石灰で処理することによってエピクロロヒドリンに転化することができる。
Figure 2010523704
上記のスキーム1の化学反応を用いた種々のプロセスが先行技術において報告されている。たとえば、エピクロロヒドリンは、2,3−ジクロロ−1−プロパノールまたは1,3−ジクロロ−2−プロパノールのようなジクロロプロパノールを塩基と反応させることによって調製することができる。ジクロロプロパノールは、次に、グリセロール、無水塩化水素および酸触媒から大気圧において調製することができる。反応の間に形成される水の共沸除去を促進するために、大過剰の塩化水素(HCl)が推奨される。
国際公開第2006/020234号には、有機酸触媒の存在下に、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素化合物、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素のエステルまたはそれらの混合物を、超大気圧分圧の塩化水素源と接触させてクロロヒドリン、クロロヒドリンのエステルまたはそれらの混合物を生成する工程を含む、グリセロールまたはそのエステルまたはそれらの混合物をクロロヒドリンに転化するプロセスが記載されている。大過剰の塩化水素による水の共沸除去は、高いクロロヒドリン収率を得るためには必要ではない。
さらに、国際公開第2005/021476号には、大気圧で水を連続除去しながらガス状の塩化水素を使用したグリセリンのジクロロプロパノール(ジクロロヒドリン)への転化が記載されている。しかしながら、国際公開第2005/021476号には、開示された工程におけるガス状のHCl中の不純物の影響、または不純物とともに反応器を離れたHClの量については記載されていない。
欧州特許出願公開第1752435号明細書は、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素および/またはそのエステルと塩素化剤との間の反応によってクロロヒドリンを生産する別のプロセスを開示しており、そのプロセスにおいては、気相流出物流れは、気相からジクロロヒドリンを回収するためのさらなる処理のために、反応器から取り出される。欧州特許出願公開第1752435号明細書は、水/HCl/DCHの混合物が気相流れとして反応器を出て、その後、その流れを精留器で精留し、HClおよびDCHを反応器に戻すプロセスを開示している。水は凝縮物として回収されるが、欧州特許出願公開第1752435号明細書には、その精留器の性能への非凝縮性気体不純物の影響、またはその非凝縮性物質のサイズの影響については記載されていない。
中国特許出願公開第101007751号明細書には、グリセリンからジクロロヒドリンの生産する別のプロセスが記載されている。中国特許出願公開第101007751号明細書には、開示された反応器内の反応混合物から水を取り除く効率を改善するために、HClに加えられる不活性な不純物の使用が記載されている。しかしながら、中国特許出願公開第101007751号明細書には、このプロセス配置から生じる反応混合物からのHClの損失量の増加、または高濃度の不活性物質が凝縮器を通過することによって生じる、排ガス中のHClの損失量の増加については記載していない。
国際公開第2006/020234号 国際公開第2005/021476号 欧州特許出願公開第1752435号明細書 中国特許出願公開第101007751号明細書
先行技術に開示された方法においてHCl収率をさらに改善する機会が残されている。
本発明の1つの態様は、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素化合物および/またはそのエステルおよび/またはモノクロロヒドリンおよび/またはそのエステルの1種以上を含む液相反応混合物を、少なくとも1種の塩素化剤および塩化水素処理条件下で最も低い沸点を有するクロロヒドリン生成物の沸点よりも低い沸点を有する少なくとも1種の不純物を含む少なくとも1つの塩素化剤供給原料流れと、所望により、水、1種以上の触媒および/または1種以上の重質副生成物の存在下に、反応容器の中で、塩化水素処理条件下で接触させる工程を含むクロロヒドリンを製造する方法であって、
(a)液相反応混合物は、塩化水素処理条件下で最も低い沸点を有するクロロヒドリン生成物の沸点より低くかつ前記少なくとも1種の不純物の沸点より高い温度に維持され、そして
(b)前記少なくとも1種の不純物を含む蒸気相ガス抜き流れが、液相反応混合物から取り除かれることを特徴とする方法。
本発明の別の態様は、
(1)少なくともポリヒドロキシ脂肪族炭化水素化合物および/またはそのエステルおよび/またはモノクロロヒドリンおよび/またはそのエステルを含む液体反応混合物の中に、少なくとも1種の塩素化剤を含む塩素化剤供給原料流れを導入するのに適した少なくとも1つの反応器、および
(2)少なくとも1つの反応器へ再循環するために塩素化剤を回収するための少なくとも1つの気液接触装置
を含むクロロヒドリンを製造するための装置であって、
少なくとも1つの反応器(1)は、反応器(1)内の蒸気相から不純物を取り除くための少なくとも1つのガス抜きを有し、
前記少なくとも1つの接触装置(2)は、塩素化剤と結合したまたは反応した液体の気体洗浄剤を含む流れを前記少なくとも1つの反応器へ導くことために、少なくとも1つの反応器に接続され、そして
少なくとも1つのガス抜きは、前記少なくとも1つの反応器(1)から、蒸気相ガス抜き流れから塩素化剤を取り除くために蒸気相ガス抜き流れを気体洗浄剤と接触するための少なくとも1つの接触装置(2)に、蒸気相ガス抜き流れを導くために、少なくとも1つの接触装置(2)に接続され、および/または
少なくとも1つの反応器(1)は、塩素化された液体の気体洗浄剤流出液を反応混合物の中に導入するために、少なくとも1つの接触装置(2)から少なくとも1つの反応器(1)に塩素化された液体の気体洗浄剤流出液を導くことために、少なくとも1つの接触装置(2)に接続されている
ことを特徴とする装置。
図1は、本発明の方法と装置を説明する概略図である。 図2は、本発明の方法の第1の実施態様を説明する工程ブロック図である。 図3は、本発明の方法の第2の実施態様を説明する工程ブロック図である。 図4は、本発明の方法の第3の実施態様を説明する工程ブロック図である。 図5は、本発明の1つの好ましい装置の実施態様を説明する概略図である。 図6は、異なる供給原料不純物濃度での、反応器の上部の空間およびガス抜きにおける不純物質量分率に対するガス抜き/供給原料流量比をグラフで表したものである。
定義
ここで用いるときは、用語「ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素化合物(multihydroxylated-aliphatic hydrocarbon compound)」(以下「MAHC」と略す。)とは、2個の別個の隣接炭素原子に共有結合で結合した少なくとも2個のヒドロキシル基を含有し、エーテル結合基を含有しない化合物をいう。それらは、各々OH基を有する少なくとも2個のsp3混成炭素を含有する。MAHCとしては、任意の隣接ジオール(1,2−ジオール)またはトリオール(1,2,3−トリオール)含有炭化水素が挙げられるが、より多くの近接または隣接反復単位を含むものでもよい。MAHCの定義は、また、たとえば1種以上の1,3−、1,4−、1,5−および1,6−ジオール官能基をも含む。たとえば、ジェミナルジオールはこのMAHCの分類から除かれる。
MAHCは、少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、約60個以下、好ましくは20個以下、より好ましくは10個以下、さらに好ましくは4個以下、さらに好ましくは3個以下の炭素原子を含有し、そして脂肪族炭化水素に加えて、芳香族部分またはヘテロ原子を含有することができ、ヘテロ原子としては、たとえば、ハロゲン(halide)、硫黄、リン、窒素、酸素、ケイ素およびホウ素、ならびにそれらの混合物が挙げられる。MAHCは、また、ポリビニルアルコールのようなポリマーであってもよい。
本発明によれば、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素のエステル、またはその混合物は、未精製のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素、未精製のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素のエステル、またはその混合物であってもよいし、再生可能な原料またはバイオマスから得ることもできる。
「未精製の」ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素生成物とは、製造後にいかなる処理もされていないポリヒドロキシ脂肪族炭化水素である。
「精製された」ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素生成物とは、製造後に少なくとも1度は処理されたポリヒドロキシ脂肪族炭化水素である。
ここで言う「再生可能な原料」とは、再生可能な天然資源の処理により生じるとされる物質を意味する。このような物質の中では、「天然の」エチレングリコール、「天然の」プロピレングリコール、および「天然の」グリセロールが好ましい。エチレングリコール、プロピレングリコールおよび「天然の」グリセロールは、たとえば、知られているまたは知られていない方法により、糖の転化によって得られる。これらの糖は、「有機化学、第3版(モリソン(Morrison)およびボイド(Boyd)、アリン・アンド・ベーコン出版(Allyn & Bacon Publishers)、1973年、p.1070−1128)(引用によってここに組み入れられる。)に記載されているように、たとえば、サトウキビやサトウダイコンなどの作物から供給されるショ糖、デンプンから供給されるアミロース、ブドウ糖もしくは麦芽糖、またはセルロースから供給されるセロビオースから得ることができる。「工業用バイオ製品の今日と明日(Industrial Bioproducts; Today and Tomorrow)、米国エネルギー省のエネルギー効率および再生可能エネルギー局バイオマス計画部のためのエナージェティックス社(Energetics, Incorporated for the U.S. Department of Energy, Office of Energy Efficiency and Renewable Energy, Office of the Biomass Program)、2003年7月、p.49,52−56」(引用によってここに組み入れられる。)に記載されているように、これらの糖はバイオマスからも得ることができる。
用語「グリセリン(glycerin)」、「グリセロール」および「グリセリン(glycerine)」ならびにそれらのエステルは、化合物1,2,3−トリヒドロキシプロパンおよびそのエステルの同義語として用いることができる。
ここで用いるときは、用語「クロロヒドリン」は、2個の別個の隣接する脂肪族炭素原子に共有結合した少なくとも1個のヒドロキシル基および少なくとも1個の塩素原子を含有し、エーテル結合基を含有しない化合物を意味する。クロロヒドリンは、塩化水素処理によってMAHCの1個以上のヒドロキシル基を共有結合塩素原子に置換することによって得ることができる。クロロヒドリンは、少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、約60個以下、好ましくは20個以下、より好ましくは10個以下、さらに好ましくは4個以下、さらに好ましくは3個以下の炭素原子を含有し、そして、脂肪族炭化水素に加えて、芳香族部分またはヘテロ原子を含有することができ、ヘテロ原子としては、たとえば、ハロゲン、硫黄、リン、窒素、酸素、ケイ素およびホウ素、ならびにそれらの混合物が挙げられる。少なくとも2個のヒドロキシル基を含有するクロロヒドリンもまたMAHCである。
ここで用いるときは、用語「モノクロロヒドリン」とは、1個の塩素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を有するクロロヒドリンであって、塩素原子および少なくとも1個のヒドロキシル基が2個の別個の隣接脂肪族炭素原子に共有結合したものを意味する(以下「MCH」と略す。)。グリセリンまたはグリセリンエステルの塩化水素処理によって生成されるMCHとしては、たとえば、3−クロロ−1,2−プロパンジオールおよび2−クロロ−1,3−プロパンジオールが挙げられる。
ここで用いるときは、用語「ジクロロヒドリン」とは、2個の塩素原子および少なくとも1個のヒドロキシル基を有するクロロヒドリンであって、少なくとも1個の塩素原子および少なくとも1個のヒドロキシル基が2個の別個の隣接脂肪族炭素原子に共有結合したものを意味する(以下「DCH」と略す。)。グリセリンまたはグリセリンエステルの塩化水素処理によって生成されるジクロロヒドリンとしては、1,3−ジクロロ−2−プロパノールおよび2,3−ジクロロ−1−プロパノールが挙げられる。
ここで用いるときは、表現「気体洗浄剤」とは、たとえば塩素原子と反応する、塩素原子を吸収する、または塩素原子を吸着することによって、可逆的または不可逆的に塩素原子と結合することができる物質をいう。
ここで用いるときは、表現「塩素化された気体洗浄剤」とは、塩素原子と結合した気体洗浄剤のことをいう。塩素原子は気体洗浄剤と反応しまたは気体洗浄剤によって吸収もしくは吸着されてもよいし、共有結合、イオン引力、またはファンデルワールス力によって気体洗浄剤に結合してもよい。塩素原子が気体洗浄剤と不可逆的に結合するまたは共有結合する場合は、塩素化された気体洗浄剤は好ましくはクロロヒドリンである。
ここで用いるときは、表現「塩化水素処理条件下で」とは、混合物および/または供給原料流れ中に存在するMAHC、MCH、ならびにMAHCおよびMCHのエステルの少なくとも1質量%、好ましくは少なくとも5質量%、より好ましくは少なくとも10質量%をDCHおよび/またはそのエステルに転化することができる条件を意味する。
表現「重質副生成物」とは、混合物(a)成分のオリゴマーをいい、たとえば、MAHCおよび/またはそのエステルのオリゴマー、およびクロロヒドリンおよび/またはそのエステルのオリゴマー、ならびにそのようなオリゴマーの誘導体、たとえば、塩素化オリゴマーのようにオリゴマーの数平均分子量以上の数平均分子量を有する、それらのエステル、塩素化オリゴマー、および/またはその塩素化エステルをいう。クロロヒドリン、MCHおよびDCH、およびそれらのエステルという用語は、重質副生成物に含まれるものとは解されない。
用語「エポキシド」とは、炭素−炭素結合の上に少なくとも1個の酸素橋を含有する化合物を意味する。一般に、炭素−炭素結合の炭素原子は近接しており(contiguous)、その化合物は、炭素および酸素原子以外の原子、たとえば水素およびハロゲンを含むことができる。好ましいエポキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、グリシドールおよびエピクロロヒドリンである。
ここで用いるときは、表現「液相」とは、気相と固相の間の連続的な中間相をいい、所望により少量の気体および/または固体の不連続相を含んでもよい。液相は、1つ以上の混ざらない液相からなっていてもよいし、1種以上の酸、塩基または塩のような1種以上の溶解した固体を含有してもよい。
ここで用いるときは、表現「蒸気相」とは、連続的な気体の相をいい、それは所望により少量の液体および/または固体の不連続相(たとえばエーロゾル)を含んでもよい。蒸気相は、単一の気体であってもよいし、または2種以上の気体、2つ以上の液体の不連続相および/または2つ以上の固体の不連続相の混合物のような混合物であってもよい。
表現「低沸点留分」とは、工程(a)において用意される混合物に由来する留分であって、低沸点留分の成分の全量の半分超が、工程(a)において用意される同じ混合物に由来する同じ単位操作における高沸点留分の成分よりも単位操作の条件下でより揮発性である、混合物の成分または混合物に由来する成分をいう。
表現「高沸点留分」とは、工程(a)において用意される混合物に由来する留分であって、高沸点留分の成分の全量の半分超が、工程(a)において用意される同じ混合物に由来する同じ単位操作における低沸点留分の成分よりも揮発性が低い、混合物の成分または混合物に由来する成分をいう。
ここで用いるときは、表現「気液接触装置」とは、装置の中の液体と蒸気の間の少なくとも1つの界面の接触および発達を提供する役目をする装置をいう。気液接触装置の例としては、段塔、充填塔、ぬれ壁(流下膜)塔、噴霧室、熱交換器またはそれらの任意の組合わせが挙げられる。段塔および充填塔を含む装置の例としては、蒸留塔、分留塔およびストリッピング塔が挙げられる。
ここで用いるときは、用語「凝縮器」とは、プロセス流体から物理的に分離された第二の流体によってプロセス流体から熱を除去するための非断熱システムを意味する。プロセス流体および第二の流体は各々、蒸気であってもよいし、液体であってもよいし、液体と蒸気の組合わせであってもよい。凝縮器は、一般に、蒸留または分留塔の部分と関係している。それは蒸留塔の外部の単位操作であってもよいし、蒸留塔の内部の単位操作であってもよい。物理的分離は、管の形をしていてもよく、そして凝縮は管の内部または外部で行なうことができる。凝縮器は、蒸留塔分留トレーのデッキの上の冷却要素の形をとるかまたは蒸留塔充填床の間の冷却要素としての形をとることができる。
ここで用いるときは、表現「栓流反応器」とは、反応器内の流れ方式が栓流滞留時間特性を示す反応器または反応器系をいい、所望により、たとえば熱交換器、配管、離脱する容器等のような関連装置を含む。
ここで用いるときは、表現「栓流滞留時間特性」とは、容器または容器系内の流体成分の大部分がほぼ同一の滞留時間を有し、流体中の反応物の濃度が系の入り口から系の出口に向かって減少し、生成物の濃度が栓流系の入り口から栓流系の出口に向かって増加するような流路に沿った組成分布が存在するような、流体成分の滞留時間分布をいう。
栓流滞留時間特性を有する反応器は、反応器または反応器および/または容器の系への入口に対する成分濃度の階段状変化が、観測される変化の5%は平均滞留時間の少なくとも0.05倍後に起こり、観測される変化の少なくとも87%は平均滞留時間の2倍後に起こるような、反応器または反応器および/または容器の系の平均滞留時間の何倍かで、反応器の出口で観測される、反応器または反応器および/または容器の系である。
オー・レベンスピール(O. Levenspiel)、「化学反応器オムニブック(The Chemical Reactor Omnibook)」、(オレゴン州立大学出版(Oregon State University Press)、1993年)、p.64.12は、栓流反応器における栓流滞留時間および平均滞留時間についてのさらなる情報を提供している。
MAHCの塩化水素処理
塩化水素処理は、当技術分野においてよく知られた任意の塩化水素処理プロセスによって行うことができる。たとえば、独国特許発明第197308号明細書は、無水塩化水素によるグリセリンの触媒塩化水素処理によってクロロヒドリンを調製するプロセスを教示している。国際公開第2005/021476号は、カルボン酸の触媒作用により気体の塩化水素でグリセリンおよび/またはモノクロロプロパンジオールを塩化水素処理することによってジクロロプロパノールを調製するための連続プロセスを開示している。国際公開第2006/020234号は、実質的に水を除去せずに、有機酸触媒の存在下において、MAHC、MAHCのエステルまたはそれらの混合物を超大気圧分圧の塩化水素源と接触させて、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステルまたはそれらの混合物を生成する工程を含む、グリセロールまたはそのエステルまたはそれらの混合物をクロロヒドリンに転化するプロセスについて記載している。上記の文献は、上記開示に関して引用によってここに組み込まれる。
例示の塩化水素処理プロセスにおいては、MAHCおよび塩化水素処理触媒が塩化水素処理反応器に仕込まれる。その後、塩化水素のような塩素化剤が反応器に加えられる。反応器圧力は所望の圧力に調節され、そして反応器内容物は所望の時間、所望の温度に加熱される。塩化水素処理反応の完了後にまたは塩化水素処理反応を行なっている間に、反応器内容物は反応流出液流れとして反応器から放出され、直接、または別の反応器または他の介在工程を経由して間接的に、本発明のDCH回収システムを含む、そして所望によりフラッシュ室および/またはリボイラーのような他の分離システムまたは装置を含む、分離システムに供給される。
上記の塩化水素処理反応は、単一または多段連続撹拌槽型反応器(以下「CSTR」と略す。)、単一または多段の管型反応器、円筒型反応器、気泡塔反応器、棚段式蒸留塔反応器、栓流反応器(以下「PFR」と略す。)、噴霧塔、ベンチュリ抽出器(venturi eductor)、熱交換器、流下薄膜接触装置またはそれらの組合わせのような1つ以上の塩化水素処理反応容器において行なうことができる。塩化水素処理反応器は、たとえば、1つの反応器であってもよいし、またはたとえば1つ以上のCSTR、1つ以上の管型反応器、1つ以上のPFR、1つ以上の気泡塔反応器およびそれらの組合わせを含む、お互いに直列または並列に連結された多数の反応器であってもよい。
塩化水素処理反応を行うのに有用な装置は、当技術分野においてよく知られたいかなる装置であってもよいが、塩化水素処理条件において反応混合物を含有することができるものであるべきである。適切な装置は、プロセス成分による腐食に耐えられる材料で製作されることができ、そしてたとえば、タンタルのような金属、適切な金属合金(特にHastalloy C(著作権)のようなニッケル・モリブデン合金)、またはガラスで内張りした装置を挙げることができる。
DCHに加えて、未反応MAHCおよび/または塩素化薬剤、MCH、MCHエステルおよび/またはDCHエステルのような反応中間体、触媒、触媒のエステル、水、および/または重質副生成物の1つ以上が、混合物(a)の中に存在してもよい。未反応MAHC、MAHCのエステルおよび/または塩素化剤、MCH、MCHエステルおよびDCHエステルのような反応中間体、ならびに触媒、触媒のエステルおよび水のような他の物質の1つ以上が、好ましくは、さらなる塩化水素処理のために、下流の単位操作から、工程に再循環される、再循環プロセスが好ましい。そのような再循環プロセスは好ましくは連続的である。このように、原料効率は最大限にされ、および/または触媒は再使用される。
触媒がそのようなプロセススキームにおいて再使用される場合は、それらがワンパスプロセスにおいて用いられるよりも高い濃度で触媒を用いることが望ましい。その結果、反応をより速くし、またはプロセス機器をより小さくすることができ、用いる装置の資本費用をより少なくすることができる。
連続的な再循環プロセスにおいて、望ましくない不純物および/または反応副生成物がプロセスの中に蓄積するかもしれない。したがって、プロセスからそのような不純物を除去するための手段、たとえば1つ以上のガス抜き出口を経由して、または分離工程によって、除去するための手段を提供することが望ましい。さらに、パージされた流れは、パージされた流れの有用な部分を回収するためにさらに処理されてもよい。
本発明に従って処理された混合物中に所望により存在してもよい塩素化剤は、好ましくは、塩化水素または塩化水素源であり、気体でもよいし、液体でもよいし、溶液中でもよいし、またはそれらの混合物でもよい。塩化水素は好ましくは気体状態で導入され、そして、塩化水素処理反応混合物が液相中にある場合は、塩化水素ガスの少なくともいくらかは液体の反応混合物の中に溶解していることが好ましい。しかしながら、塩化水素は、必要に応じて、アルコール(たとえばメタノール)または塩素化炭化水素のような溶媒で希釈されてもよいし、または窒素のようなキャリヤーガスで希釈されてもよい。
塩化水素処理は、超大気圧条件下で行なわれることが好ましい。「超大気圧」とは、ここでは、塩化水素(HCl)分圧が大気圧より高い、すなわち15psia(103kPa)以上であることを意味する。一般に、塩化水素処理プロセスにおいて用いられる塩化水素分圧は、少なくとも約15psia(103kPa)以上である。好ましくは、塩化水素処理プロセスにおいて用いられる塩化水素分圧は、約25psia(172kPa)以上、より好ましくは約35psia(241kPa)以上、最も好ましくは約55psia(379kPa)以上であり、そして好ましくは約1000psia(6.9MPa)以下、より好ましくは約600psia(4.1MPa)以下、最も好ましくは約150psia(1.0MPa)以下である。
本発明の超大気圧方法の反応は、有利に、迅速であり、約12時間未満、好ましくは約5時間未満、より好ましくは約3時間未満、最も好ましくは約2時間未満の時間で行なうことができる。約12時間超のような、より長い反応時間では、その方法はRClやその他の過度に塩素化された副生成物を形成し始める。
高いワンパス(per-pass)収率および高い選択率は、本発明の超大気圧方法を使用して達成することができる。たとえば、約80%より高い、好ましくは約85%より高い、より好ましくは約90%より高い、最も好ましくは約93%より高い、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素を基準としたクロロヒドリンのワンパス収率が、本発明によって達成され得る。たとえば、クロロヒドリンの約80%より高い、好ましくは約85%より高い、より好ましくは約90%より高い、最も好ましくは約93%より高い高選択率が、本発明の方法によって達成され得る。もちろん、収率は反応中間体の再循環によって増加させることができる。
本発明のさらに別の実施態様は、グリセリンのジクロロヒドリンを調製するための回分、半回分、連続または半連続方法に関し、その方法は、HClの超大気圧分圧で(たとえば約20psia〜約1000psiaの範囲内で)、および十分な温度で(たとえば約25℃〜約300℃の範囲内で)、(a)ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素のエステル(たとえばグリセリンモノアセテート)と(b)塩化水素源(たとえば塩化水素)とを一緒に接触させる工程を含み、その該方法は接触工程または反応工程中に実質的に水を除去せずに行なわれる。
MAHCをクロロヒドリンに転化する方法については、塩化水素処理反応が起こるのに十分な反応活性を提供する状態の塩化水素が必要とされる。塩化水素源としては、メチレンジ(フェニルイソシアナート)(MDI)、トルエンジイソシアナート(TDI)、塩化ビニル(VCM)、二塩化エチレン、ペルクロロエチレン、塩素化されたメタン、塩素化されたプロペン、塩素化されたプロパン脂肪族イソシアナート、およびカルボニル化のためにホスゲンを使用する他のプロセス、塩素化されたエタン、1,3−ジクロロプロペンおよび塩化アリルの製造が挙げられる。これらの源は、典型的には無水気体として、それらのプロセスの副生成物として塩化水素を供給する。供給される気体の中の不純物としては、限定するものではないが、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、ホスゲン、塩素化されたベンゼン、その他の塩素化された有機化合物(クロロプロペン、塩化アリル、クロロプロパン、クロロメタン、塩素化されたエタン、クロロブタン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、モノクロロプロペン、ペルクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロブタジエン、クロロベンゼンおよびそれらの混合物)、メタノール、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブチレンならびにその他の脂肪族およびオレフィン化合物を挙げることができる。塩素化剤の起源となるプロセスはしばしばそのプロセスに関係している。塩化アリルおよびエピクロロヒドリンの合成の重質副生成物は、価値のある商業物質を製造するために高温での塩素化分解において原料源として有利に使用される。しかしながら、これらの設備は、他の原料源を有していてもよい。800℃以上の温度での酸化が、塩素化されたまたは酸素化された有機廃棄物をすべて除去するために使用される。
塩素化剤の起源となるプロセスは、副生成物として塩化水素または塩化水素水溶液を発生させる。これらの酸は、一般に、微量の有機物質を含む二流の品質である。それらは、そのままでまたは処理後に、前述のクロロヒドリンの製造のための方法において有利に使用される。これらの酸の流れは、同様に、微量の有機物質とともに、窒素(N)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、アルゴン(Ar)、酸素(O)、またはその他の微量の気体のような不活性な化合物を含む場合がある。
驚くべきことに、これらの不純物は、MAHC塩化水素処理反応機構にあまり影響されず、液相には大いに不溶性で、塩素化に使用された反応器の上部の空間にまたは反応器の気相中に集まる。結果的に、高純度塩化水素流れ用でさえ、上部の空間の不十分なガス抜きは、蒸気相の全圧の一部である塩化水素の蒸気相分圧をもたらすことができる。これは、塩化水素処理反応に利用できる塩化水素液相濃度に有害な影響を及ぼし、反応速度を著しく遅くする場合がある。
逆に、分圧の影響を認識することは、反応を推進するために望まれる塩化水素分圧をはるかに超える圧力定格を有する容器設計を必要とすることに帰着する場合がある。
上部の空間中の不純物の量を減らすために大量の塩化水素をガス抜きすることは、カセイアルカリまたはその他のアルカリまたはアルカリ土類金属源でガス抜き流れを洗浄する必要があるために著しい経済的損失に帰着する場合がある。カセイアルカリで塩化水素を除くことは、高価な中和剤(カセイアルカリまたはその他)源を必要とすることに加えて、それを塩化水素処理に使用できなくする。
本発明の1つの態様は、反応物の最小の損失で塩化水素供給原料中の未凝縮、未溶解、不活性または未反応成分が工程から放出されることを可能にしながら、反応、吸収および/または吸着によってガス抜きすることによって失われる塩化水素を、反応器に戻すことができる別の工程流れの中に回収することによって、塩化水素処理工程の塩化水素損失を減らすことである。
本発明の1つの態様において、塩化水素処理反応器を出た蒸気流れは、グリセリンのような1種以上のMAHCと接触させられ、それは、塩化水素がそれと結合した後、塩化水素処理反応器または次の塩化水素処理反応器または別個の塩化水素処理反応器に供給される。そのグリセリンは、精製されたグリセリンでもよいし、未精製のグリセリンでもよいし、グリセリンを含む工程流れでもよい。
本発明の第2の態様において、塩化水素処理反応器を出た蒸気流れは、特に、1種以上のMAHC(たとえばグリセリン)および所望により1種以上の触媒またはそれらの混合物を含む流れと接触させられ、それは、塩化水素がそれと反応しまたはその中に吸収もしくは吸着された後、それは、ガス抜き流れの源である塩化水素処理反応器に、またはガス抜き流れの源である塩化水素処理反応器の上流または下流の別の塩化水素処理反応器に供給される。そのグリセリンは、精製されたグリセリンでもよいし、未精製のグリセリンでもよいし、グリセリンを含む工程流れでもよい。
本発明の第3の態様において、塩化水素処理工程は、1つ以上の塩化水素処理反応器、それに続く分離装置を含み、その分離装置は、塩素化が不十分なもしくは未反応のMAHCもしくはグリセリン、有機酸触媒またはそれらの混合物から、クロロヒドリン生成物を分離する。塩素化が不十分なもしくは未反応MAHCもしくはグリセリン、有機酸触媒またはそれらの混合物を含む再循環流れは、塩化水素と反応する、塩化水素を吸収するおよび/または塩化水素を吸着する反応物、吸収剤および/または吸着剤として使用され、そしてその後、それがガス抜きされた反応器へ戻される。
本発明の方法の実施に有用な温度は、経済的な反応速度を与えるのに十分な温度であるが、出発原料、製品または触媒の安定性が危険にさらされるほど高い温度ではない。さらに、高温は、非選択的な過剰塩素化のような望ましくない非触媒反応の速度を増加させ、そして装置腐食の速度の増加をもたらす場合がある。本発明に有用な温度は、一般に、好ましくは少なくとも約25℃、より好ましくは少なくとも約60℃、さらに好ましくは少なくとも約80℃、最も好ましくは少なくとも約100℃であることができる。温度を約300℃未満に、好ましくは約200℃未満に、より好ましくは約160℃に、さらに好ましくは約150℃に、最も好ましくは約120℃に保つことが好ましい。
工程(b)および(c)における回収のために、塩化水素処理の間に生成され転化されたクロロヒドリンを反応混合物の液相の中に保持するために、塩化水素処理工程の間に所与の圧力条件について最低の沸点を有する反応混合物の中のクロロヒドリンの沸点より低くかつ塩化水素処理のために十分な温度で塩化水素処理工程を行うことも好ましい。この好ましい温度範囲の上限は、圧力条件の調節によって調節することができる。塩化水素処理中のより高い圧力は反応混合物中のクロロヒドリンの沸点温度を増加させるために選択することができ、その結果、液相中にDCHを保持するための好ましい温度範囲は、圧力条件を増加させることによって増加させることができる。
反応混合物に供給されるMAHCとしては、たとえば1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、3−クロロ−1,2−プロパンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2,3−プロパントリオール(「グリセリン(glycerin)」、「グリセリン(glycerine)」、または「グリセロール」としても知られており、そしてここではそれらの用語が交換可能に使用される。)、およびそれらの混合物を挙げることができる。好ましくは、本発明によって処理された流出液中のMAHCとしては、たとえば1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、および1,2,3−プロパントリオールが挙げられ、なかでも1,2,3−プロパントリオールが最も好ましい。
本発明によって処理された流出液中に見いだされるMAHCのエステルの例としては、たとえば、エチレングリコールモノアセテート、プロパンジオールモノアセテート、グリセリンモノアセテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジアセテート、およびそれらの混合物が挙げられる。1つの実施態様において、そのようなエステルは、MAHCと完全にエステル化されたMAHCの混合物から、たとえばグリセロールトリアセテートとグリセロールの混合物から、作ることができる。
本発明に有用な特に適切なグリセロールは、動物脂肪の転換中に得ることができる。本発明において使用することができる別の特に適切なグリセロールは、油脂化学薬品またはバイオディーゼル燃料の製造中に得ることができる。本発明で用いられるさらに別の適切なグリセロールは、仏国特許発明第2752242号明細書、仏国特許発明第2869612号明細書および仏国特許発明第2869613号明細書(各々引用によってここに組み入れられる。)に記載されているように、不均一触媒の存在下においてエステル交換反応による(動物または植物の)脂肪または油の転換中に得ることができる。そのような方法においては、混合されたアルミニウムと亜鉛の酸化物、混合された亜鉛とチタンの酸化物、混合された亜鉛、チタンおよびアルミニウムの酸化物、および混合されたビスマスとアルミニウムの酸化物、ならびにそれらの混合物を含む不均一触媒を使用することが有利である。不均一触媒は固定床で操作することができる。この後者の方法は、たとえば、バイオディーゼル燃料製造方法であってもよい。
油脂化学薬品またはバイオディーゼル燃料の製造から調達されたグリセロールは、未精製グリセロールとして採用されるとき、または中和されていない未精製のグリセロールとして採用されるときは、それがより低費用であるために、本発明で有利に使用することができる。「プロセス経済学計画報告書(Process Economics Program Report)251、バイオディーゼル燃料製造(Biodiesel Production)(2004年10月)、アール・ジー・ブレイ(R.G. Bray)、SRIコンサルティング(SRI Consulting)、p.7−10〜7−14)」(引用によってここに組み入れられる。)に記載されているように、油または脂肪のアルコールとのアルキルエステルおよびグリセロールへのアルカリ触媒エステル交換反応は、アルカリを含むグリセロールとアルキルエステルの二相混合物を生じる。本発明のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素の未精製の混合物は、いかなる望ましい非限定的な濃度でも使用することができる。一般に、より高い濃度が、経済的理由から、好ましい。本発明のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素の有用な濃度としては、たとえば、約0.01モル%〜約99.99モル%、好ましくは約1モル%〜約99.5モル%、より好ましくは約5モル%〜約99モル%、最も好ましくは約10モル%〜約95モル%を挙げることができる。
本発明の方法の1つの実施態様においては、未精製のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素生成物は、一般に、少なくとも40質量%のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素を含むことができる。多くの場合、未精製の生成物は、少なくとも50質量%のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素を含む。好ましくは、それは、少なくとも70質量%のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素を含む。多くの場合、未精製の生成物は、99質量%以下のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素を含む。典型的には、それは、95質量%以下のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素を含む。
本発明の別の実施態様においては、未精製のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素生成物は、89質量%以下のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素を含む。その実施態様においては、未精製のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素生成物は、85質量%以下のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素を含む。その実施態様においては、未精製のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素生成物は、一般に、少なくとも10質量%の水を含み、多くの場合、少なくとも14質量%の水を含む。
MCHは、一般に、2個の別個の隣接する炭素原子に共有結合した1対のヒドロキシル基の1つが、共有結合した塩素原子で置換された、塩化水素処理されたMAHCに相当する。たとえば、MCHのエステルは、MAHCエステルの塩化水素処理または酸触媒との反応の結果であってもよい。
DCHは、一般に、2個の別個の炭素原子(ただしそれらの少なくとも1個はヒドロキシル基を有する第三の炭素原子に隣接している。)に共有結合した2個のヒドロキシル基が各々、共有結合した塩素原子で置換されている、塩化水素処理されたMAHCに相当する。たとえば、DCHのエステルは、MAHCエステル、MCHエステルの塩化水素処理または酸触媒との反応の結果であってもよい。
本発明の実施態様において、出発原料としてMAHCのエステルまたはMAHCとそのエステルの混合物とは対照的に、MAHCがプロセスに供給される出発原料である場合は、一般に、1種以上の触媒および/またはそのエステルの存在によってクロロヒドリンの形成が促進されることが好ましい。さらに塩化水素処理反応を加速するために、MAHCのエステルまたはMAHCとそのエステルの混合物が出発原料である場合は、触媒および/またはそれのエステルもまた存在してもよい。
カルボン酸RCOOHは、MAHCのクロロヒドリンへの塩化水素処理を触媒する。特定のカルボン酸触媒は、たとえば、触媒としてのその有効性、その費用、反応条件に対するその安定性およびその物性を含む多くの要因に基づいて選ぶことができる。特定のプロセスおよび触媒が用いられる予定のプロセススキームもまた特定の触媒を選択する際の要因となり得る。カルボン酸の「R」基は、水素、またはヒドロカルビル基、たとえばアルキル、アリール、アラルキルおよびアルカリール、から独立に選ぶことができる。ヒドロカルビル基は、直鎖であってもよいし、分岐であってもよいし、環状であってもよく、そして置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。許容できる置換基は、触媒の性能を妨害しないいかなる官能基であってもよく、そしてヘテロ原子であってもよい。許容できる官能基の非限定的な例としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ヒドロキシル、フェノール、エーテル、アミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、スルホン酸塩、スルホン酸、ホスホン酸塩およびホスホン酸が挙げられる。
塩化水素処理触媒として有用なカルボン酸は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ヘキサン酸、4−メチル吉草酸、ヘプタン酸、オレイン酸またはステアリン酸のような一塩基酸であってもよいし、またはコハク酸、アジピン酸またはテレフタル酸のような多塩基酸であってもよい。アラルキルカルボン酸の例としては、フェニル酢酸および4−アミノフェニル酢酸が挙げられる。置換カルボン酸の例としては、4−アミノ酪酸、4−ジメチルアミノ酪酸、6−アミノカプロン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、6−クロロヘキサン酸、6−アミノヘキサン酸、4−アミノフェニル酢酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、乳酸、グリコール酸、4−ジメチルアミノ酪酸、および4−トリメチルアンモニウム酪酸が挙げられる。さらに反応条件下でカルボン酸に転化することができる物質、たとえば、塩化アセチル、塩化6−クロロヘキサノイル、塩化6−ヒドロキシヘキサノイル、6−ヒドロキシヘキサン酸、および4−トリメチルアンモニウム酪酸塩化物のようなカルボン酸ハロゲン化物;無水酢酸および無水マレイン酸のようなカルボン酸無水物;酢酸メチル、プロピオン酸メチル、ピバル酸メチル、酪酸メチル、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロパンジオールモノアセテート、プロパンジオールジアセテート、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテート、およびカルボン酸のグリセリンエステル(グリセリンモノ、ジ、およびトリエステルを含む。)のようなカルボン酸エステル;グリセロール1,2−ジアセテートのようなMAHCアセテート;ε−カプロラクタムおよびγ−ブチロラクタムのようなカルボン酸アミド;ならびにγ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトンおよびε−カプロラクトンのようなカルボン酸ラクトンもまた、本発明において用いることができる。酢酸亜鉛は金属有機化合物の例である。前述の触媒および触媒前駆体の混合物もまた用いることができる。
触媒が超大気圧プロセスにおいて用いられる場合は、触媒はたとえばカルボン酸、酸無水物、酸塩化物、エステル、ラクトン、ラクタム、アミド、酢酸ナトリウムのような金属有機化合物、またはそれらの組合わせであってもよい。塩化水素処理反応条件下で、カルボン酸または官能基を有するカルボン酸に転化し得るいかなる化合物も用いることができる。超大気圧プロセスに好ましいカルボン酸は、ハロゲン、アミン、アルコール、アルキル化アミン、スルフヒドリル、アリール基またはアルキル基からなる官能基またはそれらの組合わせを有する酸(ただしこの基はカルボン酸基に対し立体障害を与えないものである。)である。
ある種の触媒は、超大気圧で、大気圧でまたは大気圧以下で有利に用いることができ、特に本発明によってDCHを回収するときに、場合によっては、望ましくはより高い水準に転化率を上げるために、反応混合物から水が連続的にまたは周期的に除去される状況において有利に用いることができる。たとえば、MAHCの塩化水素処理反応は、たとえば液相反応混合物の中に塩化水素ガスをまき散らすことによって、塩化水素ガスをMAHCと触媒の混合物に接触するように導入することによって実行することができる。そのようなプロセスにおいては、より低揮発性の触媒、たとえば、6−ヒドロキシヘキサン酸、4−アミノ酪酸;ジメチル4−アミノ酪酸;6−クロロヘキサン酸;カプロラクトン;ε−カプロラクタムおよびγ−ブチロラクタムのようなカルボン酸アミド;γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトンおよびε−カプロラクトンのようなカルボン酸ラクトン;カプロラクタム;4−ヒドロキシフェニル酢酸;6−アミノカプロン酸;4−アミノフェニル酢酸;乳酸;グリコール酸;4−ジメチルアミノ酪酸;4−トリメチルアンモニウム酪酸;ならびにそれらの組合わせなどの使用が好ましい場合がある。これらの大気圧または大気圧以下の条件下では、生成され回収されるDCHより揮発性が低い触媒を用いることが最も望ましい。
本発明において用いられる好ましい触媒としては、カルボン酸、カルボン酸のエステルおよびそれの組合わせが挙げられ、特に、触媒を除去せずにDCHを取り除くことができるように、反応混合物中に形成される所望の最も高い沸点のDCHより高い沸点を有するエステルおよび酸(すなわち触媒は好ましくは混合物中のDCHより揮発性が低い。)が挙げられる。この定義に合致しそして本発明に有用な触媒としては、たとえば、ポリアクリル酸、カルボン酸のグリセリンエステル(グリセリンモノ、ジおよびトリエステルを含む。)、アクリル酸をグラフトしたポリエチレン、ジビニルベンゼン/メタクリル酸コポリマー、6−クロロヘキサン酸、4−クロロブタン酸、カプロラクトン、ヘプタン酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、4−アミノフェニル酢酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、4−アミノ酪酸、4−ジメチルアミノ酪酸、4−トリメチルアンモニウム酪酸塩化物、ステアリン酸、5−クロロ吉草酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、4−アミノフェニル酢酸、およびそれらの混合物が挙げられる。カルボン酸基のまわりに立体障害がないカルボン酸が一般に好ましい。
さらに、触媒は、好ましくは、使用するMAHCと混和性である。この理由で、触媒は、ヒドロキシル、アミノもしくは置換されたアミノ、またはハロゲン化物基のような極性のヘテロ原子置換基を含有してもよく、それは触媒をグリセロールのような反応混合物中のMAHCと混和させる。
存在させることができる触媒の1つの態様は、下記の式(a)によって一般に表わされる。
Figure 2010523704
式中、官能基「R′」としては、アミン、アルコール、ハロゲン、スルフヒドリル、エーテル;または該官能基を含有する炭素原子が1〜約20個のアルキル、アリールまたはアルカリール基;またはそれらの組合わせを含む官能基が挙げられ、そして官能基「R」としては、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属もしくは遷移金属または炭化水素官能基を挙げることができる。
触媒が再循環され繰り返し使用される場合は、そのような再循環された触媒は、存在するMAHCのモル量を基準として、約0.1モル%以上、好ましくは約1モル%以上、より好ましくは約5モル%以上、約99.9モル%以下、好ましくは70モル%以下、より好ましくは50モル%以下の量で存在することができる。反応時間を減らし、プロセス機器の寸法を最小限にするために、望ましくは、より高濃度の触媒を用いることができる。
好ましい実施態様においては、混合物(a)は、塩化水素処理反応の副生成物として生成する水、塩化水素処理反応のための出発原料中に存在する水、および/または下流の単位操作から再循環される水のような水を含む。混合物(a)は、少なくとも1質量%、より好ましくは少なくとも5質量%の水、90質量%以下、より好ましくは50質量%以下の水を含有することができる。
上記の方法は、連続的に行なってもよいし、不連続的に行なってもよい。上記の方法は、好ましくは、少なくとも1時間の間、連続的に(すなわち中断なしで)行なわれる。
ガス抜き流れからの塩素化剤の回収
反応容器に導入される塩素化剤の供給流量は、蒸気相ガス抜き流れ中の塩素化剤の流量よりも好ましくは1%以上多く、より好ましくは少なくとも4倍、さらに好ましくは少なくとも10倍である。
好ましい実施態様において、当該方法は、さらに次の工程を含む。
(c)蒸気相ガス抜き流れを、塩素化剤を吸着するまたは塩素化剤と反応することができる液体の気体洗浄剤と接触させて、蒸気相ガス抜き流れから塩素化剤を除去する工程、または
(c′)塩素化剤供給原料流れを、塩素化剤を吸着するまたは塩素化剤と反応することができる液体の気体洗浄剤と接触させて、塩素化剤供給原料流れから塩素化剤を除去する工程、および所望により
(d)気体洗浄剤の少なくとも一部を、工程(c)または(c′)の後に、塩化水素処理反応に導入する工程。
1つの実施態様において、工程(c)の気体洗浄剤は溶媒を含む。好ましい溶媒としては、アルコール、ハロゲン化された液体、エーテル、飽和炭化水素およびそれらの混合物が挙げられる。ハロゲン化された液体としては、DCHおよびそのエステルを挙げることができる。
同一または代替の実施態様において、気体洗浄剤は、蒸気相ガス抜き流れからの塩素化剤と反応して、クロロヒドリンを形成することができる。この実施態様による好ましい気体洗浄剤としては、クロロヒドリンおよび/またはそのエステルを作るための反応混合物において使用するのに適したものとして前記したMAHC、MCHおよび/またはMAHCおよびMCHのエステルのいずれもが挙げられる。MAHCおよび/またはMCHは、好ましくは、反応混合物に含まれるものと同じものである。
1つの好ましい実施態様において、反応混合物は反応容器から取り出され、反応混合物中の塩素化剤およびジクロロヒドリンの少なくともいくらかが1つ以上の単位操作で反応混合物から取り除かれ、そして塩素化剤およびジクロロヒドリンが取り除かれた反応混合物の残りが気体洗浄剤として使用される。
液体の気体洗浄剤は、さらに、触媒またはそのエステルを含んでもよい。触媒は、好ましくは、気体洗浄剤がMAHC、MCHまたはMAHCもしくはMCHのエステルを含むときに、特にMAHCおよび/またはMCHの非エステルが液体の気体洗浄剤中に存在するときに、存在する。触媒および/またはそのエステルは、反応混合物用に適したものとして前記したものから選択することができる。液体の気体洗浄剤中の触媒および/またはそのエステルは、好ましくは、反応混合物中に存在する1種以上の触媒またはそのエステルと同じものである。
気体洗浄剤は、好ましくは、蒸気相ガス抜き流れまたは塩素化剤供給原料流れに対して向流方向に流れる供給原料流れとして導入される。
1つの実施態様においては、その接触は反応蒸留によって行なわれる。
反応容器は、連続撹拌槽型反応器、管型反応器、円筒状反応器、気泡塔反応器、充填塔、棚段塔、噴霧塔、ベンチュリ抽出器、熱交換器、流下薄膜接触装置またはそれらのいかなる組み合わせであってもよい。
反応容器は好ましくは蒸気相ガス抜き流れの源であり、そして気液接触装置からの塩素化された液体の気体洗浄剤流出液の少なくとも一部が、好ましくは、工程(c)の気液接触装置のための蒸気相ガス抜き流れの源である反応容器に導入される。蒸気相ガス抜き流れの源は、たとえば、連続撹拌槽型反応器、気泡塔反応器または棚段式蒸留塔反応器であってもよい。
蒸気相ガス抜き流れの源は、同時にまたは代替的に、少なくとも1つの反応器の下流のフラッシュ室であってもよい。気体洗浄剤は、蒸気相ガス抜き流れの源である反応容器に接続された、少なくとも1つの下流の反応容器の中に導入されてもよい。その少なくとも1つの下流の反応容器は、栓流滞留時間特性を有する少なくとも1つの反応器を含んでもよい。
当該方法の複数の工程は、好ましくは、少なくとも1時間は、同時にかつ連続的に行なわれる。
装置は、好ましくは、少なくとも1つの反応器(1)からの液体反応混合物流出液流れを少なくとも1つの分離容器(3)に導くために少なくとも1つの反応器(1)に接続された、未反応のおよび部分的に反応した反応物から塩素化剤およびジクロロヒドリンの少なくともいくらかを分離するための少なくとも1つの分離容器(3)を含む。
少なくとも1つの分離容器(3)は、好ましくは、蒸気相ガス抜き流れから塩素化剤を取り除くための液体の気体洗浄剤として使用するために、少なくとも1つの分離容器(3)から塩素化剤およびジクロロヒドリンの分離した後の液体の残りの少なくとも一部を含む流れを少なくとも1つの接触装置(2)に導くために、接触装置(2)に接続される。
接触装置(2)は、好ましくは、気体洗浄塔、流下薄膜吸収装置またはそれらの任意の組み合わせを含む。
接触装置(2)は、好ましくは、液体の気体洗浄剤をガス抜きからの蒸気相ガス抜き流れと向流方式で接触させるように構成され、および/または接触装置(2)から熱を取り除くように構成される。
1つの実施態様においては、少なくとも1つの反応器(1)は、第1の反応器から第2の反応器に反応器流出液を導くために第2の反応器に接続された第1の反応器を含む。第1の反応器のガス抜きは、第1の反応器からの蒸気相ガス抜き流れを少なくとも1つの接触装置(2)に導くために、接触装置(2)に接続されてもよく、そして、接触装置(2)は、塩素化剤および/または塩素化された化合物と結合したまたは反応した気体洗浄剤を含む流れを第2の反応器へ導くために、第2の反応器に接続されてもよい。
1つの実施態様においては、第1の反応器は連続撹拌槽型反応器であり、そして、同じ実施態様において、または代替の実施態様において、第2の反応器は栓流滞留時間特性を有する反応器である。
接触装置(2)は、液体の気体洗浄剤を冷却するように、および/またはガス抜きのための蒸気相ガス抜き流れを冷却するように構成された冷却装置を含んでもよい。
1つの実施態様においては、気液接触装置は、液体の気体洗浄剤を塩素化するための不純物を含む塩素化剤供給原料流れに接続され、そして、少なくとも1つの反応器(1)は、塩素化された液体の気体洗浄剤流出液を反応混合物の中に導入するために、少なくとも1つの接触装置(2)からの塩素化された液体の気体洗浄剤流出液を少なくとも1つの反応器(1)に導くために、少なくとも1つの接触装置(2)に接続される。
上記の方法は本発明の装置を使用して行なうことができる。その装置について、以下、図1〜5を参照して、より詳しく説明する。
図1は、使用することができる例証となる装置の主要な特徴およびそれぞれの供給原料流れを示す概略図である。
塩化水素処理反応器系(12)に、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素を含む混合物(13)とともに、不純なHClの気体供給原料(11)が供給される。この反応器系(14)からの液体流出液は、それが出てくる塩化水素処理反応器の条件においてHClで飽和している。ガス抜き(15)は、HCl供給原料の一部、および液相に溶けずかつ(14)とともに出ないすべての不純物とともに、反応器(12)を出る。
図2は、本発明の第1の実施態様の主要な特徴を示すブロック図である。
塩化水素処理反応器系(12)に、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素を含む混合物(13)とともに、不純なHClの気体供給原料(11)が供給される。好ましくは、HCl気体供給原料は、液体界面より下の、より好ましくは反応器の底の近くの、撹拌機の高さの近くの、または充填塔もしくは棚段塔の場合には、充填物もしくは棚支持分配板の近くもしくはそれより下の点で、反応器系に入る。この反応器系(14)からの液体流出液は、それが出てくる塩化水素処理反応器の条件においてHClで飽和している。ガス抜き(15)は、HCl供給原料の一部、および液相に溶けずかつ(14)とともに出ないすべての不純物とともに、反応器(12)を出る。吸着装置(16)において、ガス抜き気体流れ(15)は、流れ(15)中のHClの大部分が吸着性液体に吸着され、そして流れ(17)経由で塩化水素処理反応系に戻されるように、吸着性液体(19)と接触させられる。同様に、流れ(18)中のHCl含有量は、流れ(15)中の含有量より実質的に減少している。
図3は、使用することができる例証となる装置の第2の実施態様の主要な特徴およびそれぞれの供給原料流れを示すブロック図である。
塩化水素処理反応器系(12)に、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素を含む混合物(13)とともに、不純なHClの気体供給原料(11)が供給される。好ましくは、HCl気体供給原料は、液体界面より下の、より好ましくは反応器の底の近くの、撹拌機の高さの近くの、または充填塔もしくは棚段塔の場合には、充填物もしくは棚支持分配板の近くもしくはそれより下の点で、反応器系に入る。この反応器系(14)からの液体流出液は、それが出てくる塩化水素処理反応器の条件においてHClで飽和している。ガス抜き(15)は、HCl供給原料の一部、および液相に溶けずかつ(14)とともに出ないすべての不純物とともに、反応器(12)を出る。吸着装置(16)において、ガス抜き気体流れ(15)は、流れ(15)中のHClの大部分が吸着性液体に吸着され、そして流れ(17)経由で塩化水素処理反応系に戻されるように、吸着性液体(19、20)と接触させられる。同様に、流れ(18)中のHCl含有量は、流れ(15)中の含有量より実質的に減少している。さらに、吸着性液体がポリヒドロキシ脂肪族炭化水素またはHClと有益な方法で反応することができる他の化合物を含む場合は、新しい吸着性液体(21)の一部は後の反応器(22)へ方向転換されてもよく、後の反応器(22)において、流れ(14)中の溶解したHClがMAHCまたは他の化合物と反応して、流れ(23)中のHClの量を減らすことができる。さらに、流れ(17)は、所望により、反応器(12)に戻る代わりに、反応器(22)へ方向転換されてもよい。
図4は、使用することができる例証となる装置の第3の実施態様の主要な特徴およびそれぞれの供給原料流れを示すブロック図である。
塩化水素処理反応器系(12)に、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素を含む混合物(13)とともに、不純なHClの気体供給原料(11)が供給される。好ましくは、HCl気体供給原料は、液体界面より下の、より好ましくは反応器の底の近くの、撹拌機の高さの近くの、または充填塔もしくは棚段塔の場合には、充填物もしくは棚支持分配板の近くもしくはそれより下の点で、反応器系に入る。この反応器系(14)からの液体流出液は、それが出てくる塩化水素処理反応器の条件においてHClで飽和している。ガス抜き(15)は、HCl供給原料の一部、および液相に溶けずかつ(14)とともに出ないすべての不純物とともに、反応器(12)を出る。吸着装置(16)において、ガス抜き気体流れ(15)は、流れ(15)中のHClの大部分が吸着性液体に吸着され、そして流れ(17)経由で塩化水素処理反応系に戻されるように、吸着性液体(19、20)と接触させられる。同様に、流れ(18)中のHCl含有量は、流れ(15)中の含有量より実質的に減少している。さらに吸着性液体がポリヒドロキシ脂肪族炭化水素またはHClと有益な方法で反応することができる他の化合物を含む場合は、新しい吸着性液体(21)の一部は後の反応器(22)へ方向転換されてもよく、後の反応器(22)において、流れ(14)中の溶解したHClがMAHCまたは他の化合物と反応して、流れ(23)中のHClの量を減らすことができる。さらに、流れ(17)は、所望により、反応器(12)に戻る代わりに、反応器(22)へ方向転換されてもよい。流れ(23)は、分離装置(24)において、クロロヒドリン生成物を含む流れ(25)と再循環流れに分離される。その再循環流れは、流れ(27)経由で塩化水素処理反応器(12)へ戻されてもよいし、流れ(15)からHClを回収するための吸着性液体として流れ(26)経由で吸着装置(16)へ戻されてもよい。流れ(26)が吸着性液体の主要な供給源である場合には、流れ(17)は反応器(12)へ戻され、そして、流れ20中の新しいMAHCは、少なくとも部分的に流れ(21)へ方向転換されてもよい。流れ(28)は、塩化水素処理工程内で生成された、またはMAHC供給原料とともに不純物として供給された、望まれない重質成分の望まれない蓄積を防ぐための再循環からのパージである。
図5は、気液接触装置(2)が反応器(1)の上に取り付けられた、本発明の特定の実施態様の概略図である。
塩化水素処理反応器系(12/16)に、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素および触媒(15)を含む混合物(13)とともに、不純なHClの気体供給原料(11)が供給される。同様に、触媒は流れ(13)の一部として供給されてもよい。好ましくは、HCl気体供給原料は、液体界面より下の、より好ましくは反応器の底の近くの、撹拌機の高さの近くの、または充填塔もしくは棚段塔の場合には、充填物もしくは棚支持分配板の近くのもしくはそれより下の点で、反応器系に入る。この反応器系(14)からの液体流出液は、それが出てくる塩化水素処理反応器の条件においてHClで飽和している。反応器(12)中の液体の反応媒体の撹拌は、外部モーターによって駆動される撹拌機によって、または噴射撹拌またはエアリフト型反応器でのように、反応器の中に気体流れ(11)を噴射することによって、撹拌することによって遂行することができる。気体供給原料が反応器の中を上昇するときに、それは(反応器セクション16において)反応物を含む液体の向流流れに出会い、その液体は蒸気流れと接触し、その平衡含有量まで反応物HClを吸着する。それが上昇するにつれて、蒸気流れは次第により少なく飽和した吸着剤反応性液体媒体に出会い、そして反応の吸着セクションの一番上では、流れ(18)中のHCl含有量は、反応器セクション12からセクション16に上昇したときの含有量から実質的に減らされている。吸着性液体(19)は、新しい吸着性液体、たとえば溶媒、生成物クロロヒドリン、または新しいMAHC、または新しいMAHCと触媒の混合物、または他の化合物とともにMAHCおよび触媒を含む再循環流れのいずれであってもよい。
上記の装置の構成要素が腐蝕性物質にさらされる範囲において、そのような構成要素は、好ましくは、プロセス成分による腐食に耐性の材料で製作される。カーク=オスマー化学技術百科事典(Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology)、第2版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、1966年、第11巻、p.323−327は、塩酸および塩化水素の設備に使用することができる金属および非金属の耐食性について広範囲な詳解を提供している。適した材料の特定の例は国際公開第2006/020234号に開示されている。特定の例としては、タンタルのような金属、適した金属合金(特にHastalloy C(著作権)のようなニッケル・モリブデン合金)またはガラスで内張りされた装置が挙げられる。
次の実施例は説明の目的のみのためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
この実施例は、図2に示された本発明に従って行なわれた方法を例証する。この実施例は、商業的に利用できるソフトウェアならびに主要な成分の所有権のある物性、熱力学および反応速度論モデルを使用して、本発明を模擬実験することによって作られた。
反応器(12)は、圧力15バールおよび温度105℃でCSTR反応器として模擬実験された。吸収装置(16)は、温度100℃および圧力11バールで作動する流下薄膜吸収装置として模擬実験された。模擬実験の結果を、下記の表1に示す。
Figure 2010523704
実施例2
この実施例は、図3に示されるような本発明に従って行なわれた方法を例証する。この実施例は、商業的に利用できるソフトウェアならびに主要な成分の所有権のある物性、熱力学および反応速度論モデルを使用して、本発明を模擬実験することによって作られた。
反応器(12)は、圧力15バールおよび温度110℃でCSTR反応器として模擬実験された。吸収装置(16)は、3理論段を有する圧力8.5バールで作動する吸収装置として模擬実験された。反応器(22)は、圧力10バールで作動する断熱栓流反応器として模擬実験された。模擬実験の結果を、下記の表2に示す。
Figure 2010523704
実施例3
この実施例は、図4に示されるような本発明に従って行なわれた方法を例証する。この実施例は、商業的に利用できるソフトウェアならびに主要な成分の所有権のある物性、熱力学および反応速度論モデルを使用して、本発明を模擬実験することによって作られた。
反応器(12)は、圧力9バールおよび温度105℃でCSTR反応器として模擬実験された。吸収装置(16)は、3理論段を有する圧力8.5バールで作動する吸収装置として模擬実験された。反応器(22)は、圧力10バールで作動する断熱栓流反応器として模擬実験された。分離装置(24)は、15理論段を有し、第9段に原料供給され、圧力0.07バールで作動する蒸留塔として模擬実験された。留出液:還流の比は15:1に設定された。塔におけるボイルアップ比は1.55に設定された。模擬実験の結果を、下記の表3に示す。
Figure 2010523704
実施例4
この実施例は、図5に示されるような本発明に従って行なわれた方法を例証する。この実施例は、商業的に利用できるソフトウェアならびに主要な成分の所有権のある物性、熱力学および反応速度論モデルを使用して、本発明を模擬実験することによって作られた。
反応器(12)は、圧力11バールおよび温度110℃でCSTR反応器として模擬実験された。吸収装置(16)は、ホールドアップが各々0.3mの3理論接触段を有し、11バールで作動する断熱反応性吸収装置として模擬実験された。模擬実験の結果を、下記の表4に示す。
Figure 2010523704
実施例5
実施例5は、図3、4および5に示されるような本発明に記載されたHCl吸収装置の性能を例証する。
クロロヒドリン、水、グリセリンおよびより重質なクロロエーテルの混合流れを作るために、パイロットプラントCSTR反応器を使用した。この流れはパイロットプラント蒸留塔で蒸留され、塔頂生成物としてジクロロプロパノールの異性体を得た。蒸留塔の塔底生成物は気体流れからHClを吸収するために使用された。蒸留塔の塔底生成物は、40質量%のジクロロプロパノールの異性体、25質量%のクロロプロパンジオールの異性体、21質量%のグリセリンを含んでいた。より重質なクロロエーテルおよび触媒とアルコールのエステルが、その流れの残りを構成した。水はその流れの0.1%未満を構成した。
蒸留塔の塔底生成物は、パイロットプラント吸収装置の塔頂へ1860g/時間の流量で供給された。その流れの温度は90℃であった。80質量%のHClおよび20質量%のNを含む気体流れは、塔底に165g/時間の流量で供給された。気体流れの温度は25℃であった。パイロットプラント吸収装置の塔頂の圧力は100psigに調整された。吸収装置はランダム充填物床を装備していた。ランダム充填物床の高さは1.2mであった。この実施例において、入って来るHClの92%はパイロットプラント吸収装置で吸収された。92℃の温度が充填床において観察された最高温度であった。
実施例6
実施例6は、図3、4および5に示されるような本発明で記載されたHCl吸収装置の性能を例証する。
クロロヒドリン、水、グリセリンおよびより重質なクロロエーテルの混合流れを作るために、パイロットプラントCSTR反応器を使用した。この流れはパイロットプラント蒸留塔で蒸留され、塔頂生成物としてジクロロプロパノールの異性体を得た。蒸留塔の塔底生成物は、気体流れからHClを吸収するために使用された。蒸留塔の塔底生成物は、40質量%のジクロロプロパノールの異性体、25質量%のクロロプロパンジオールの異性体および21質量%のグリセリンを含んでいた。より重質なクロロエーテルおよび触媒とアルコールのエステルは、その流れの残りを構成した。水は、流れの0.1%未満を構成した。
蒸留塔の塔底生成物は、パイロットプラント吸収装置の塔頂へ1899g/時間の流量で供給された。その流れの温度は48℃であった。84質量%のHClおよび16質量%のNを含む気体流れは、塔底に供給された。気体流れの温度は25℃であった。パイロットプラント吸収装置の塔頂の圧力は100psigに調整された。吸収装置はランダム充填物床を装備していた。ランダム充填物床の高さは1.2mであった。この実施例において、入って来るHClの80%はパイロットプラント吸収装置で吸収された。98℃の温度が充填床において観察された最高温度であった。

Claims (60)

  1. ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素化合物および/またはそのエステルおよび/またはモノクロロヒドリンおよび/またはそのエステルの1種以上を含む液相反応混合物を、少なくとも1種の塩素化剤および塩化水素処理条件下で最も低い沸点を有するクロロヒドリン生成物の沸点よりも低い沸点を有する少なくとも1種の不純物を含む少なくとも1つの塩素化剤供給原料流れと、所望により、水、1種以上の触媒および/または1種以上の重質副生成物の存在下に、反応容器の中で、塩化水素処理条件下で接触させる工程を含むクロロヒドリンを製造する方法であって、
    (c)液相反応混合物は、塩化水素処理条件下で最も低い沸点を有するクロロヒドリン生成物の沸点より低くかつ前記少なくとも1種の不純物の沸点より高い温度に維持され、そして
    (d)前記少なくとも1種の不純物を含む蒸気相ガス抜き流れが、液相反応混合物から取り除かれることを特徴とする方法。
  2. 前記少なくとも1種の不純物が、塩化水素処理条件下で反応混合物と反応しない1種以上の蒸気を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 塩素化剤供給原料流れが、クロロヒドリン以外の物質の製造の副生成物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 塩素化剤供給原料流れは、ホスゲンが反応物の1つである化学反応の副生成物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 塩素化剤流れが、トルエンジイソシアナート、メチレンジ(フェニルイソシアナート)および/または重合したメチレンジ(フェニルイソシアナート)の製造の副生成物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 塩素化剤供給原料流れは、エチレンまたはプロピレンが反応物の1つである化学反応または一連の化学反応の副生成物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  7. 塩素化剤供給原料流れが、1,3−ジクロロプロペンと塩化アリルの同時製造の副生成物を含むことを特徴とする請求項1〜3および6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 塩素化剤供給原料流れが、塩化エチレンが反応物の1つである化学反応の副生成物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  9. 塩素化剤供給原料流れが、塩化ビニルの製造の副生成物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  10. 塩素化剤供給原料流れは、塩素化炭化水素と水素の反応生成物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1種の不純物が、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、ホスゲン、塩素化された有機化合物、水素、塩素、水、アミン、アンモニア、メタノール、脂肪族炭化水素化合物、もしくはオレフィン炭化水素化合物、またはそれらの組合わせを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  12. 塩素化源が塩化水素であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 反応工程が、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステルまたはそれらの混合物を生成させるために、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素のエステルまたはそれらの混合物を、超大気圧分圧の塩化水素源と、触媒の存在下に接触させることによって起こり、該接触させる工程が実質的に水を除去しないで行なわれることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 反応工程および吸収工程への供給原料流れの1つ以上は、HClの分圧が大気圧を超えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 塩素化剤供給原料流れが、クロロヒドリンまたは塩化水素処理条件下でクロロヒドリンを生成するために用いられる反応物と反応しない不純物を含有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 塩素化剤供給原料流れが、蒸気相で反応混合物の中に導入されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 塩素化剤が塩化水素を含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 反応容器の中に導入される塩素化剤の分圧が、蒸気相ガス抜き流れ中の塩素化剤の分圧より高いことを特徴とする請求項16または17に記載の方法。
  19. 反応容器の中に導入される塩素化剤の供給流量が、蒸気相ガス抜き流れ中の塩素化剤の流量よりも1%超大きいことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 反応容器の中に導入される塩素化剤の供給流量が、蒸気相ガス抜き流れ中の塩素化剤の流量の4倍を超えることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 反応容器の中に導入される塩素化剤の供給流量が、蒸気相ガス抜き流れ中の塩素化剤の流量の10倍を超えることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. (c)蒸気相ガス抜き流れから塩素化剤を除去するために、蒸気相ガス抜き流れが、塩素化剤を吸着するまたは塩素化剤と反応することができる液体の気体洗浄剤と接触させられる、または
    (c′)塩素化剤供給原料流れから塩素化剤を除去するために、塩素化剤供給原料流れが、塩素化剤を吸着するまたは塩素化剤と反応することができる液体の気体洗浄剤と接触させられる
    ことを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 工程(c)の気体洗浄剤が溶媒を含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 溶媒が、少なくとも1種のアルコール、ハロゲン化液体、エーテル、もしくは飽和炭化水素、またはそれらの混合物を含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 気体洗浄剤が、蒸気相ガス抜き流れからの塩素化剤と反応して、クロロヒドリンを形成することができることを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 気体洗浄剤が少なくとも1種のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素化合物および/またはそのエステルを含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. 気体洗浄剤が少なくとも1種のモノクロロヒドリンまたはそのエステルを含むことを特徴とする請求項25または26に記載の方法。
  28. 気体洗浄剤が、反応混合物に含有された、少なくとも1種のポリヒドロキシ脂肪族炭化水素および/またはモノクロロヒドリン、および/またはそれらのエステルを含むことを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 反応混合物が反応容器から取り出され、反応混合物中の塩素化剤およびジクロロヒドリンの少なくともいくらかが1つ以上の単位操作で反応混合物から取り除かれ、反応混合物中の塩素化剤およびジクロロヒドリンの少なくともいくらかが1つ以上の単位操作で反応混合物から取り除かれ、そして塩素化剤およびジクロロヒドリンの一部が取り除かれた反応混合物の残りが気体洗浄剤として使用されることを特徴とする請求項22〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 液体の気体洗浄剤が少なくとも1種の触媒またはそのエステルを含むことを特徴とする請求項22〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 気体洗浄剤が、蒸気相ガス抜き流れまたは塩素化剤供給原料流れに対して向流方向に流れる供給原料流れとして導入されることを特徴とする請求項22〜30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記接触が反応蒸留によって行なわれることを特徴とする請求項22〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 反応容器が、連続撹拌槽型反応器、管型反応器、円筒型反応器、気泡塔反応器、充填塔、段塔、噴霧塔、ベンチュリー抽出器、熱交換器、流下薄膜接触装置またはそれらの任意の組合わせであることを特徴とする請求項1〜32のいずれか1項に記載の方法。
  34. (d)気体洗浄剤の少なくとも一部が、工程(c)または(c′)の後に、塩化水素処理反応の中に導入される
    ことを特徴とする請求項22〜33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 反応容器が蒸気相ガス抜き流れの源であり、そして気液接触装置からの塩素化された液体の気体洗浄剤流出液の少なくとも一部が、工程(c)の気液接触装置のための蒸気相ガス抜き流れの源である反応容器の中に導入されることを特徴とする請求項34に記載の方法。
  36. 蒸気相ガス抜き流れの源が連続撹拌槽型反応器であることを特徴とする請求項34または35に記載の方法。
  37. 蒸気相ガス抜き流れの源が気泡塔反応器であることを特徴とする請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 蒸気相ガス抜き流れの源が棚段式蒸留塔反応器であることを特徴とする請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 蒸気相ガス抜き流れの源が、前記少なくとも1つの反応器の下流にあるフラッシュ室であることを特徴とする請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 気体洗浄剤が、蒸気相ガス抜き流れの源である反応容器に接続された少なくとも1つの下流の反応容器の中に導入されることを特徴とする請求項22〜39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記少なくとも1つの下流の反応容器が、栓流滞留時間特性を有する少なくとも1つの反応器を含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
  42. ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素化合物がグリセリンを含み、モノクロロヒドリンが3−クロロ−1,2−プロパンジオールおよび/または2−クロロ−1,3−プロパンジオールを含み、そしてジクロロヒドリンが1,3−ジクロロ−2−プロパノールおよび/または2,3−ジクロロ−1−プロパノールを含むことを特徴とする請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
  43. 該方法の複数の工程が少なくとも1時間同時にかつ連続的に行なわれることを特徴とする請求項1〜42のいずれか1項に記載の方法。
  44. (1)少なくともポリヒドロキシ脂肪族炭化水素化合物および/またはそのエステルおよび/またはクロロヒドリンおよび/またはそのエステルを含む液体反応混合物の中に、少なくとも1種の塩素化剤を含む塩素化剤供給原料流れを導入するのに適した少なくとも1つの反応器、および
    (2)少なくとも1つの反応器へ再循環するために塩素化剤を回収するための少なくとも1つの気液接触装置
    を含むクロロヒドリンを製造する装置であって、
    少なくとも1つの反応器(1)は、反応器(1)内の蒸気相から不純物を取り除くための少なくとも1つのガス抜きを有し、
    前記少なくとも1つの接触装置(2)は、塩素化剤と結合したまたは反応した液体の気体洗浄剤を含む流れを前記少なくとも1つの反応器へ導くために、少なくとも1つの反応器に接続され、そして
    少なくとも1つのガス抜きは、前記少なくとも1つの反応器(1)から、蒸気相ガス抜き流れから塩素化剤を取り除くために蒸気相ガス抜き流れを気体洗浄剤と接触するための少なくとも1つの接触装置(2)に、蒸気相ガス抜き流れを導くために、少なくとも1つの接触装置(2)に接続され、および/または
    少なくとも1つの反応器(1)は、塩素化された液体の気体洗浄剤流出液を反応混合物の中に導入するために、少なくとも1つの接触装置(2)から少なくとも1つの反応器(1)に塩素化された液体の気体洗浄剤流出液を導くために、少なくとも1つの接触装置(2)に接続されている
    ことを特徴とする装置。
  45. 少なくとも1つの反応器(1)からの液体反応混合物流出液流れを少なくとも1つの分離容器(3)に導くために少なくとも1つの反応器(1)に接続された、未反応のおよび部分的に反応した反応物から塩素化剤およびジクロロヒドリンの少なくともいくらかを分離するための少なくとも1つの分離容器(3)をさらに含む、請求項44に記載の装置。
  46. 少なくとも1つの分離容器(3)は、蒸気相ガス抜き流れから塩素化剤を取り除くための液体の気体洗浄剤として使用するために、少なくとも1つの分離容器(3)から塩素化剤およびジクロロヒドリンを分離した後の液体の残りの少なくとも一部を含む流れを少なくとも1つの接触装置(2)に導くために、接触装置(2)に接続されていることを特徴とする請求項45に記載の装置。
  47. 接触装置(2)が気体洗浄塔を含むことを特徴とする請求項44〜46のいずれか1項に記載の装置。
  48. 接触装置が流下薄膜吸収装置を含むことを特徴とする請求項44〜47のいずれか1項に記載の装置。
  49. 接触装置が、流下薄膜吸収装置、熱交換器もしくは気体洗浄塔、またはそれらの任意の組合わせを含むことを特徴とする請求項44〜48のいずれか1項に記載の装置。
  50. 接触装置(2)が、液体の気体洗浄剤をガス抜きからの蒸気相ガス抜き流れと向流方式で接触させるように構成されていることを特徴とする請求項44〜49のいずれか1項に記載の装置。
  51. 接触装置(2)が接触装置(2)から熱を取り除くように構成されていることを特徴とする請求項44〜50のいずれか1項に記載の装置。
  52. 少なくとも1つの反応器(1)が連続撹拌槽型反応器を含むことを特徴とする請求項44〜51のいずれか1項に記載の装置。
  53. 少なくとも1つの反応器(1)が気泡塔反応器を含むことを特徴とする請求項44〜52のいずれか1項に記載の装置。
  54. 少なくとも1つの反応器(1)が棚段式蒸留塔反応器を含むことを特徴とする請求項44〜53のいずれか1項に記載の装置。
  55. 少なくとも1つの反応器(1)は、第1の反応器から第2の反応器に反応器流出液を導くために第2の反応器に接続された第1の反応器を含むことを特徴とする請求項44〜54のいずれか1項に記載の装置。
  56. 第1の反応器のガス抜きは、第1の反応器からの蒸気相ガス抜き流れを少なくとも1つの接触装置(2)に導くために、接触装置(2)に接続され、そして接触装置(2)は、塩素化剤および/または塩素化された化合物と結合したまたは反応した気体洗浄剤を含む流れを第2の反応器へ導くために、第2の反応器に接続されていることを特徴とする請求項55に記載の装置。
  57. 第1の反応器が連続撹拌槽型反応器であることを特徴とする請求項55または56に記載の装置。
  58. 第2の反応器が栓流滞留時間特性を有する反応器であることを特徴とする請求項55〜57のいずれか1項に記載の装置。
  59. 接触装置(2)が、液体の気体洗浄剤を冷却するように、および/またはガス抜きからの蒸気相ガス抜き流れを冷却するように構成された冷却装置を含むことを特徴とする請求項44〜58のいずれか1項に記載の装置。
  60. 気液接触装置は液体の気体洗浄剤を塩素化するための不純物を含む塩素化剤供給原料流れに接続され、そして少なくとも1つの反応器(1)は、塩素化された液体の気体洗浄剤流出液を反応混合物の中に導入するために、少なくとも1つの接触装置(2)からの塩素化された液体の気体洗浄剤流出液を少なくとも1つの反応器(1)に導くために、少なくとも1つの接触装置(2)に接続されていることを特徴とする請求項44〜59のいずれか1項に記載の装置。
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