JP2013531104A - 指紋除去を容易にするためのリパーゼ含有ポリマーコーティング - Google Patents

指紋除去を容易にするためのリパーゼ含有ポリマーコーティング Download PDF

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Abstract

指紋の成分に対して酸素活性を有するリパーゼを含む基材又はコーティングが提供される。また、本発明に係るリパーゼを含む基材又はコーティングによって指紋の1つ又は複数の成分を酵素分解して、基材又は前記コーティングからの指紋の除去を容易にすることができる指紋の除去を容易にするための方法が提供される。基材又はコーティングに熱を加えることにより指紋の除去速度が速くなる。

Description

[関連出願の相互参照]
本願は、その参照により本明細書に含められる2010年6月21日付け出願の米国特許出願第12/820,063号の優先権を主張するものである。
本発明は、一般に生物活性物質を含むコーティング組成物、及び指紋の除去を容易にするためのその使用方法に関する。具体的実施形態においては、本発明は、指紋の成分を分解するようにポリマー複合材料内又はその上にリパーゼを取込むことによって指紋を除去するための方法に関する。
多くの消費財、例えば携帯電話、タッチスクリーンディスプレー、自動車ドアハンドルなどが、手及び指との頻繁な接触にさらされている。その結果、指紋の残渣が表面上に不快な跡を残し、製品のうわべの外観を劣化させることが多い。
先行技術のアプローチは、表面上の指紋の汚染の被着を削減しその除去を容易にすることを目的とし、適切なナノ複合材料を含むポリマーコーティングにより疎水性、疎油性及び超両疎媒性という特性が表面に付与される「ロータス効果」を充分に活用している。例示的なコーティングは、優れたロールオフ特性及び非常に高い水及び油接触角を有するフッ素及びケイ素のナノ複合材料を含む。サンドブラストされたガラスなどの粗い表面上に使用された場合、ナノコーティングは、充填剤として作用して指紋に対する耐性を提供するかもしれない。これらの「受動的」技術の欠点は、最終的に表面から指紋を除去するのに水洗いを必要とするという点にある。さらに、これらの材料は、ロータス効果が表面粗度に基づくものであることを理由として、高光沢表面における使用に適していない。
光触媒TiO2は、米国特許公開第2009/104086号中で指紋汚染の積極的な指紋分解を促進するために使用された。この技術の主要な欠点は、TiO2によるポリマーコーティングの酸化的損傷に起因して無機表面上での使用に限定されるという点にある。
したがって、有機表面上又は有機コーティング内の指紋の除去を活発に促進しかつメンテナンス清浄の必要条件を最小限におさえることのできる新しい材料又はコーティングに対する必要性が存在する。
基材表面から指紋を除去するための組成物及び方法が提供されている。この方法には、リパーゼを基材又はコーティングと結合させて、リパーゼが指紋の成分を酵素分解できるようにする工程が含まれる。
方法には、任意選択で、基材を加熱するか又は基材の表面に熱を加える工程が含まれる。一部の実施形態においては、加熱工程は、周囲温度よりも少なくとも摂氏5度高いものである。基材又は基材上の表面は任意には摂氏40〜125度まで加熱される。加熱は、任意には少なくとも30分間、例えば30分〜6時間続行される。
組成物は、リパーゼを含む基材又はコーティングを含む。組成物は任意には、有機架橋性又は非架橋性ポリマー樹脂を含む。樹脂は任意には、アセトアセテート、酸、アミン、カルボキシル、エポキシ、ヒドロキシル、イソシアネート、シラン、ビニル又はそれらの組み合わせという官能基を有する。樹脂の具体例としては、アミノプラスト、メラミンホルムアルデヒド、カルバメート、ポリウレタン、ポリアクリレート、エポキシ、ポリカルボネート、アルキド、ビニル、ポリアミド、ポリオレフィン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリシロキサン又はその組み合わせがある。詳細には、樹脂は任意には、ヒドロキシル官能化アクリレート樹脂である。
基材又はコーティングは1つ又は複数の結合されたリパーゼ酵素を有する。任意にはリパーゼは、リポタンパク質リパーゼ、アシルグリセロールリパーゼ、ホルモン感受性リパーゼ、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼD、ホスホイノシチドホスホリパーゼC、リソホスホリパーゼ又はガラクトリパーゼである。特定の実施形態において、リパーゼはトリアシルグリセロールリパーゼである。
リパーゼ含有コーティングでコーティングされた基材上での指紋除去を表す。 リパーゼ含有コーティングでコーティングされたプレート上の指紋除去速度を表す。 多数の由来源からの指紋の類似の除去速度を表す。 本発明の方法の概略図を表す。
本発明の実施形態(単複)についての以下の説明は、事実上単に例示的なものにすぎず、本発明の範囲、その利用分野又は用途をいかなる形であれ限定することを意図されたものではなく、それらは当然のことながら多様であってよい。本発明は、本明細書中に含まれている非限定的な定義及び用語に関連して記述されている。これらの定義及び用語は、本発明の範囲又は実践に対する制限として機能するように意図されておらず、例示及び説明を目的としてのみ提示されたものである。
本発明は、指紋の成分を選択的に分解し揮発させ、こうして積極的な指紋除去を促進するリパーゼ酵素の触媒活性に基づいている。指紋汚染には典型的に、汗腺分泌物の成分並びに脂質、ロウ及び細胞残渣を含む皮脂が含まれる。皮脂物質のいくつかは、親油性であり、スクアラン及びロウエステルなどのように低い揮発性を有する。
コーティング又は基材のいずれかの中に固定化されているリパーゼは、トリアシルグリセロール、コレステロールエステル及び他の指紋の成分を含めた脂質の、より小さい分子への加水分解、エステル化又はエステル交換の触媒として作用する。より小さい分子は、その前駆体に比べ高い揮発性を有し、周囲温度又は高温でより容易に気化し、こうして完全な汚染除去を可能にする。1つの特定の理論に制限されることは望まないが、結果として得られる分解生成物は、より低い沸点又は削減された接着力を有し加熱時点か又は周囲温度でのインキュベーションの時点のいずれかにおいて増大した気化を促進する可能性があると考えられている。したがって、本発明は、表面から指紋を積極的に除去するための組成物及び方法として有用である。
本発明の方法及び組成物は一般に、本明細書中では、単なる例示を目的として基材と結合されたリパーゼとして言及されている。当業者であれば記述が基材上のコーティング又は基材への塗布前のコーティングにもあてはまるということを認識する。
本発明の方法には、リパーゼ又はその類似体が酵素活性を有しかつ指紋の1つ又は複数の成分を分解できるように、リパーゼ又はその類似体を伴う基材又はコーティングを用意する工程が含まれている。特定の実施形態において、指紋は、対象の皮膚に由来するものなどの生物有機物質をベースとしている。
本明細書において定義されている指紋とは、生体が基材又はコーティングに触れた後に残される生物有機汚染、痕跡又は残渣のことである。指紋は、基材に指が触れた後に残される痕跡又は残渣に限定されない。他の生物汚染源は、例示として、手掌、足趾、足、顔面、他のあらゆる皮膚表面部域、頭髪、調理で使用される油脂由来の汚染、例えばシス−脂肪酸、又は他の任意の由来源からの脂肪酸に由来する汚染である。
リパーゼは、任意にはリポタンパク質リパーゼ、アシルグリセロールリパーゼ、例えばトリアシルグリセロールリパーゼ、ホルモン感受性リパーゼ、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼD、ホスホイノシチドホスホリパーゼC、リソホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、その組み合わせ又は類似体である。リパーゼの一類似体は任意には、リパーゼのフラグメントである。リパーゼの一類似体は、リパーゼの天然又は合成基材に対して一定レベルの活性を有するポリペプチドである。類似体は、野生型リパーゼの0.1%〜200%の活性を有する。
リパーゼの具体例としては、リパーゼAP4、リパーゼAP6、リパーゼAP12、リパーゼM−AP5、リパーゼM−AP10及びリパーゼM−AP20(天野製薬株式会社製)、リパーゼサイケン(大阪細菌研究所製)、リパーゼMY(名糖産業製)、又はリパーゼB(Candida antarctica又はCandida rugosa)が含まれる。リパーゼ活性を有する多数の酵素調製物を使用することも同様に可能である。例えば、混合型消化酵素調製物、例えばビオジアスターゼ500、ビオジアスターゼ700、ビオジアスターゼ1000、ビオジアスターゼ2000、パンクレアチン、膵臓性消化酵素TA及び膵臓性消化酵素8AP (天野製薬株式会社製)、ビオタミラーゼ、ビオタミオラーゼS、ビオタラーゼA−1000、ビオタラーゼP−1000及びデナプシン10(ナガセ生化学工業製)、セルロシンAP及びプロリシン(上田化学製)、タカジアスターゼ(三共製)、スミチーム(新日本化学工業製)及びビオタミラーゼ(長瀬産業製)が使用可能である。
リパーゼは、任意にはAcinetobacter、Aedes aegypti、Anguilla japonica、Antrodia cinnamomea、Arabidopsis rosette、Arabidopsis thaliana、Arxula adeninivorans、Aspergillus niger、Aspergillus oryzae、Aspergillus tamarii、Aureobasidium pullulans、Avena sativa、Bacillus licheniformis、Bacillus sphaericus、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、Bacillus thermocatenulatus、Bacillus thermoleovorans、Bombyx mandarina、Bombyx mori、Bos Taurus、Brassica napus、Brassica rapa、Burkholderia cepacia、Caenorhabditis elegans、Candida albicans、Candida antarctica、Candida deformans、Candida parapsilosis、Candida rugosa、Candida thermophila、Canis domesticus、Chenopodium rubrum、Clostridium beijerinckii、Clostridium botulinum、Clostridium novyi、Danio rerio、Galactomyces geotrichum、Gallus gallus、Geobacillus、Gibberella zeae、Gossypium hirsutum、Homo sapiens、Kurtzmanomyces sp.、Leishmania infantum、Lycopersicon esculentum L、Malassezia furfur、Methanosarcina acetivorans、Mus musculus、Mus spretus、Mycobacterium tuberculosis、Mycoplasma hyopneumoniae、Myxococcus xanthus、Neosartorya fischeri、Oryctolagus cuniculus、Oryza sativa、Penicillium cye/opium、Phlebotomus papatasi、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas fragi、Pseudomonas sp、Rattus norvegicus、Rhizomucor miehei、Rhizopus oryzae、Rhizopus stolonifer、Ricinus communis、Samia Cynthia ricini、Schizosaccharomyces pombe、Serratia marcescens、Spermophilus tridecemlineatus、Staphylococcus simulans、Staphylococcus xylosus、Sulfolobus solfataricus、Sus scrofa、Thermomyces lanuginosus、Trichomonas vaginalis、Vibrio harveyi、Xenopus laevis、Yarrowia lipolytica、その組み合わせ又はその誘導体から誘導される。他の生体から誘導されたリパーゼも同様に使用可能であり、本発明の範囲内に入るということが認識される。
リパーゼは、本明細書中で同義語として使用され、野生型リパーゼの天然又は合成の基材に対する一定レベルの活性を有する2つ以上のアミノ酸を含む天然又は合成化合物を意味するように意図された「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「タンパク質」である。野生型リパーゼは、天然に生体内に発見されるものと同一のアミノ酸配列を有するリパーゼである。野生型リパーゼの例としては、GenBank登録番号ACL68189及び配列番号1で見られるものである。野生型リパーゼをコードする例示的ヌクレオチド配列は、登録番号FJ536288で見られる。当業者は、タンパク質配列を改変するか又は創出するためにヌクレオチド配列をいかに修飾するかを認識するものである。
例として、リパーゼ活性はユニット/グラムで定義づけされる。例として、1ユニットは、基材トリアセチン(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO、Product No.90240)を用いてpH7.4及び40℃で1分あたり1μmolの酢酸を加水分解する酵素の加水分解活性度に対応する。配列番号1のリパーゼは、およそ200ユニット/グラムの活性を有する。
リパーゼ活性についてのスクリーニング方法は、当該技術分野において公知であり標準的なものである。例として、リパーゼタンパク質又はその類似体中のリパーゼ活性についてのスクリーニングは、例として、リパーゼの天然又は合成基材とリパーゼ又はその類似体とを接触させる工程と基材の酵素的分割を測定する工程を含む。この目的のための例としての基材にはトリブチリン及びトリアセチンが含まれ、これらは両方共トリアシルグリセロールリパーゼにより分割されて酪酸又は酢酸をそれぞれ遊離させる。これらの酸は、当該技術分野において公知の技術により容易に測定される。
リパーゼ又はその類似体中に存在するアミノ酸は、例として、一般的なアミノ酸、アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン及びチロシン;並びにさほど一般的ではない天然に発生するアミノ酸、修飾されたアミノ酸又は合成化合物、例えばアルファ−アスパラギン、2−アミノブタン酸又は2−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、2−アミノカプリン酸(2−アミノデカノイン酸)、6−アミノカプロン酸、アルファ−グルタミン、2−アミノヘプタン酸、6−アミノヘキサン酸、アルファ−アミノイソ酪酸(2−アミノアラニン)、3−アミノイソ酪酸、ベータ−アラニン、allo−ヒドロキシリシン、allo−イソロイシン、4−アミノ−7−メチルヘプタン酸、4−アミノ−5−フェニルペンタン酸、2−アミノピメリン酸、ガンマ−アミノ−ベータ−ヒドロキシベンゼンペンタン酸、2−アミノスベリン酸、2−カルボキシアゼチジン、ベータ−アラニン、ベータ−アスパラギン酸、ビフェニルアラニン、3,6−ジアミノヘキサン酸、ブタン酸、シクロブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、シクロヘキシルグリシン、N5−アミノカルボニルオルニチン、シクロペンチルアラニン、シクロプロピルアラニン、3−スルホアラニン、2,4−ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸、2,4−ジアミノ酪酸、ジフェニルアラニン、N,N−ジメチルグリシン、ジアミノピメリン酸、2,3−ジアミノプロパン酸、S−エチルチオシステイン、N−エチルアスパラギン、N−エチルグリシン、4−アザ−フェニルアラニン、4−フルオロ−フェニルアラニン、ガンマ−グルタミン酸、ガンマ−カルボキシグルタミン酸、ヒドロキシ酢酸、ピログルタミン酸、ホモアルギニン、ホモシステイン酸、ホモシステイン、ホモヒスチジン、2−ヒドロキシイソ吉草酸、ホモフェニルアラニン、ホモロイシン、ホモプロリン、ホモセリン、ホモセリン、2−ヒドロキシペンタン酸、5−ヒドロキシリシン、4−ヒドロキシプロリン、2−カルボキシオクタヒドロインドール、3−カルボキシイソキノリン、イソバリン、2−ヒドロキシプロパン酸(乳酸)、メルカプト酢酸、メルカプトブタン酸、サルコシン、4−メチル−3−ヒドロキシプロリン、メルカプトプロパン酸、ノルロイシン、ニペコチン酸、ノルチロシン、ノルバリン、オメガ−アミノ酸、オルニチン、ペニシラミン(3−メルカプトバリン)、2−フェニルグリシン、2−カルボキシピペリシン、サルコシン(N−メチルグリシン)、2−アミノ−3−(4−スルホフェニル)プロピオン酸、1−アミノ−1−カルボキシシクロペンタン、3−チエニルアラニン、イプシロン−N−トリメチルリシン、3−チアゾリルアラニン、チアゾリジン4−カルボン酸、アルファ−アミノ−2,4−ジオキソピリミジンプロパン酸及び2−ナフチルアラニンを含む。リパーゼは、2〜約1,000個のアミノ酸を有するか又は約150〜350,000ダルトンの範囲内の分子量を有するペプチドを含む。
リパーゼは、例として細胞又は生体からの単離、化学的合成、核酸配列の発現及びタンパク質の部分的加水分解を含めた、当該技術分野において公知のさまざまな方法のいずれかによって得られる。ペプチド合成の化学的方法が、当該技術分野において公知であり、これには、固相ペプチド合成、溶液相ペプチド合成又は、その内容が参照により本明細書中に含められるHackeng、TMら、Proc Natl Acad Sci USA、1997;94(15):7845−50の方法が含まれる。本発明の組成物中に含まれるリパーゼは、天然又は非天然タンパク質であってよい。「天然」という用語は、細胞、組織又は生体に内因性のタンパク質を意味し、対立遺伝子変異を含む。非天然ペプチドは合成であるか又は、それが天然に結合している生体から分離して生成されるか、あるいは修飾されるペプチドであり、未修飾の細胞、組織又は生体内では見い出されない。
リパーゼの構造中に修飾及び変化を加えることができ、それでもなおリパーゼと類似の特徴を有する分子を得ることができる(例えば保存的アミノ酸置換)。例えば、活性の著しい損失なくあるいは任意には未修飾のリパーゼの活性を減少又は増大させるために一部のアミノ酸を配列中の他のアミノ酸に置換することができる。1つのポリペプチドの生物学的な機能的活性を規定するのはそのポリペプチドの相互作用的能力及び性質であることから、一部のアミノ酸配列の置換をポリペプチド配列内で行い、それでもなお類似の又は他の所望の特性をもつポリペプチドを得ることが可能である。
このような変化を加えるにあたっては、アミノ酸のハイドロパシー指標を考慮することができる。ポリペプチドに対し相互作用的生物学的機能を付与する上でのアミノ酸のハイドロパシー指標の重要性は、当該技術分野において一般的に理解されている。一部のアミノ酸を類似のハイドロパシー指標又は評点を有する他のアミノ酸に置換し、それでもなお類似の生物活性を有するポリペプチドを結果として得ることができるということがわかっている。各々のアミノ酸には、その疎水性及び電荷特性に基づいて、ハイドロパシー指標が割当てられている。これらの指標は、以下の通りである:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/システイン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);トレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタメート(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパルテート(−3.5);アスパラギン(−3.5);リシン(−3.9);及びアルギニン(−4.5)。
アミノ酸の相対的なハイドロパシー性が、結果として得られるポリペプチドの二次構造を決定し、これが今度は酵素、基材レセプタ、抗体、抗原、などの他の分子とポリペプチドとの相互作用を画定すると考えられている。当該技術分野においては、アミノ酸を類似のハイドロパシー指標を有する別のアミノ酸に置換し、それでもなお機能的に等価のポリペプチドを得ることができるということがわかっている。このような変化においては、±2以内のハイドロパシー指標を有するアミノ酸、±1以内のもの及び±0.5以内のものを用いた置換が、任意に使用される。
同様のアミノ酸の置換は、親水性に基づいて行うこともできる。アミノ酸残基に対して以下の親水性値が割当てられている:アルギニン(+3.0);リシン(+3.0);アスパルテート(+3.0±1);グルタメート(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);プロリン(−0.5±1);トレオニン(−0.4);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);トリプトファン(−3.4)。アミノ酸を類似の親水性をもつ別のアミノ酸に置換し、それでもなお酵素的に等価のポリペプチドを得ることができるということが理解される。このような変化においては、±2以内の親水性値を有するアミノ酸、±1以内のもの及び±0.5以内のものの置換が、任意に使用される。
アミノ酸置換は任意には、アミノ酸側鎖の相対的類似性、例えばそれらの疎水性、親水性、電荷、サイズなどに基づいている。以上の特徴のうちのさまざまなものを考慮に入れる例示的置換は、当業者にとって周知であり、以下のものを含む(原残基:例示的置換):(Ala:Gly、Ser)、(Arg:Lys)、(Asn:Gln、His)、(Asp:Glu、Cys、Ser)、(Gln:Asn)、(Glu:Asp)、(Gly:Ala)、(His:Asn、Gln)、(Ile:Leu、Val)、(Leu:Ile、Val)、(Lys:Arg)、(Met:Leu、Tyr)、(Ser:Thr)、(Thr:Ser)、(Tip:Tyr)、(Tyr:Trp、Phe)及び(Val:Ile、Leu)。本開示の実施形態は、こうして、以上に記されているポリペプチドの機能的又は生物学的等価物を企図している。詳細には、ポリペプチドの実施形態は、野生型リパーゼに対する約50%、60%、70%、80%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する類似体を含むことができる。
上述の特徴は任意には、酵素活性が減少した又は増加したリパーゼを生産する場合に、考慮される、ということがさらに認識される。例として、基材結合部位、エキソサイト、補因子結合部位、触媒部位又はリパーゼタンパク質内の他の部位における置換は、基材対する酵素の活性を改変し得る。このような置換を考慮するにあたっては、他の公知の天然に発生するリパーゼ又は非天然的に発生するリパーゼの配列を考慮に入れてよい。例として、リポタンパク質リパーゼ内のN291S置換は、その酵素活性を30〜50パーセント削減する。その内容が参照により本明細書に含められるBusca、R.ら、FEBS Lett、1995;367:257−262。例として、Rhizomucor micheiリパーゼ中のアミノ酸95における置換は、特定の基材に対する活性を2〜3倍増加させることができる。同様にして、アミノ酸94における置換は、野生型の6倍も活性を生成できる。その内容が参照により本明細書に含められるOh、S.ら、Biotech.Lett.、2001;23:563−568。この部位又はその他の部位における他の置換は、酵素活性に同様の影響を及ぼし得る。
例として、リパーゼタンパク質は組換え型である。リパーゼをコードする核酸配列をクローニング、合成又はその他の形で獲得する方法は、当該技術分野において公知かつ標準的であり、これらは、リパーゼにも同様に応用可能である。同様にして、細胞トランスフェクション及びタンパク質発現方法も同様に、当該技術分野において公知であり、本明細書中で適用可能である。このような方法は、その参照により本明細書に含められるMolecular Cloning:A Laboratory Manual、3rd ed.、vol.1−3、ed.Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、2001;Current Protocols in Molecular Biology、ed.Ausubelら、Greene Publishing and Wiley−Interscience、New York、1992(定期的改訂を含む);及びShort Protocols in Molecular Biology、ed.Ausubelら、52ed.、Wiley−Interscience、New York、2002において、例として開示されている。
リパーゼは、付随するタグ、修飾、他のタンパク質、例えば融合ペプチド又は当該技術分野において認知されている他の修飾又は組み合わせと共に同時発現されてよい。例としてのタグには、6XHis、FLAG、ビオチン、ユビキチン、SUMO、又は当該技術分野において公知の他のタグが含まれる。タグは、例として、第Xa因子、トロンビン、LiFecensors、Inc.、Malvern、PAから得られるようなSUMOstarタンパク質、又はトリプシンを含めた、当該技術分野において公知の酵素によって分割可能である酵素分割配列を介してリパーゼ又は付随するタンパク質に連鎖することなどによって、分割可能である。化学的分割は適切な分割可能なリンカーを用いても類似の要領で実施可能であることがさらに認識される。
タンパク質発現は、例として、リパーゼ核酸配列の転写、リパーゼ核酸配列から転写されたRNA又はその類似体の翻訳に基づいて達成される。タンパク質発現は任意には、E.coli、Hela細胞又はチャイニーズハムスタ卵巣細胞内などの細胞ベースの系内で実施される。細胞を含まない発現系が類似の形で使用可能であることが認識される。
リパーゼタンパク質配列の機能を向上又は低下させるか又はそれを改変させないアミノ酸置換、改変、修飾又は他のアミノ酸変化を含め、リパーゼの多くの類似体が使用可能であり、本発明の範囲内に入る、ということが認められている。例として非天然アミノ酸の取込み、リン酸化反応、グリコシル化、ペンダント基の追加、例えばビオチニル化、フルオロフォア、ルミフォア、放射性基、抗原又は他の分子を含め、複数の翻訳後修飾が同様に、本発明の範囲内に入るものとして想定される。
本発明の方法は、基材自体の中又は基材上のコーティング中に取込まれる1つ又は複数のリパーゼである本発明の組成物を使用する。リパーゼ酵素は任意には、基材又はコーティング材料に非共有結合的に結合され及び/又はこれに対し共有結合的に付着させられるか、又は例えば表面に結合させること又は製造中に基材/コーティング材料と混合して捕捉されたリパーゼを生成することによってそれと結合されている。一部の実施形態において、リパーゼは、リパーゼと基材又はコーティング材料の1つ又は複数の成分との間の直接的共有結合相互作用によってか、又はその内容が参照により本明細書に含められる米国特許公開第2008/0119381号中に記載されたものなどのリンク部分を介した結合によって、基材又はコーティング材料に共有結合により付着される。
リパーゼを基材又はコーティングと結合する方法はいくつか存在する。そのうちの1つには、共有結合の適用が関与する。具体的には、リパーゼの遊離アミノ酸が、基材の活性基に対して共有結合されてよい。このような活性基としては、アルコール、チオール、アルデヒド、カルボン酸、無水物、エポキシ、エステル又はその任意の組み合わせが含まれる。リパーゼを取込むこの方法は、独特の利点をもたらす。まず第1に、共有結合は、リパーゼを恒久的に基材に連結し、こうして、(全くないとは言えないものの)リパーゼの漏出をはるかに少ないものにしながらこれらを最終的組成物の一部にする。第2に、共有結合は、酵素の寿命を延ばす。経時的に、タンパク質は典型的に、そのポリペプチド鎖のアンフォールディングのために活性を失なう。共有結合などの化学結合は、このようなアンフォールディングを有効に制限し、こうしてタンパク質の寿命を改善させる。タンパク質の寿命は、典型的には、遊離しているか又は物理的に吸着されているタンパク質の活性減少の量を、一定期間にわたり共有結合により固定化されたタンパク質のものと比較することによって決定される。
リパーゼは任意には、基材網状構造全体にわたり均一に分散して、実質的に均質なタンパク質プラットフォームを作り上げる。このようにしながら、リパーゼは最初に、重合性基で修飾され得る。修飾されたリパーゼを、界面活性剤の存在下で有機溶剤中に可溶化し、こうして有機溶液中でメチルメタクリレート(MMA)又はステレンなどのモノマーとの後続する重合を実施することができる。結果として得られる組成物には、網状構造全体にわたり均質に分散したリパーゼ分子が含まれる。
リパーゼは任意には基材の表面に付着させられる。およそ100%の表面被覆率に対応するリパーゼの付着は、100〜1000nmの直径範囲をもつポリスチレン粒子で達成された。
材料に対するリパーゼ付着の化学的方法は、当然、リパーゼ及び材料の構成成分中に存在する官能基に応じて変動する。このような方法は数多く存在する。例えば他の物質にタンパク質(例えば酵素)を付着させる方法は、各々参照により本明細書に含められるO’Sullivanら、Methods in Enzymology、1981;73:147−166及びErlanger、Methods in Enzymology、1980;70:85−104中に記載されている。
リパーゼは、任意には、基材上に層状化されたコーティング中に存在しており、ここでこのリパーゼは、リパーゼと基材材料の間の相互作用について記述された機序と類似して、任意にはコーティング材料中に捕捉され、それと混和され、修飾され、コーティング材料中に組込まれるか又はコーティング上に層状化される。
活性基材又はコーティングを形成する目的でリパーゼと相互作用するために使用可能な材料には、例として、有機ポリマー材料が含まれる。これらの材料とリパーゼの組み合わせは、基材材料又はコーティングとして使用されるタンパク質−ポリマー複合材料を形成する。
タンパク質−ポリマー複合材料の調製方法には、例として、リパーゼと非水性有機溶剤型ポリマーとの水溶液を使用して生物活性有機溶剤型タンパク質−ポリマー複合材料を生成することが含まれる。
タンパク質−ポリマー複合材料の調製方法は、例として、硬化前の溶剤型樹脂中及び複合材料中のリパーゼの分散によって特徴づけされる。リパーゼは任意には、リパーゼが他の生物活性タンパク質と結合解除され及び/又は結合したタンパク質の比較的小さい粒子を形成するような形で、タンパク質−ポリマー複合材料中に分散させられる。例として、タンパク質−ポリマー複合材料中のリパーゼ粒子の平均粒径は、10μm(平均直径)未満、例えば1nm以上10μm以下の範囲内にある。
硬化性タンパク質−ポリマー組成物は、任意には、2成分溶剤型(2K SB)組成物である。任意には、一成分系(1K)も同様に使用可能である。例として、リパーゼは、コーティング材料、例えばラテックス又はエナメル塗料、ワニス、ポリウレタンゲル、又は他のコーティング材料などの中に捕捉される。塗料中への酵素の取込みの例としての例は、その内容が参照により本明細書に含められる米国特許第5,998,200号中で提示されている。
2成分(2K)系では、2つの成分は任意には、例えば生物活性クリアコートなどのリパーゼ含有コーティングを形成するための基材に対する硬化性タンパク質−ポリマー組成物の塗布といった使用の直前に混合される。一般的に説明すると、第1の成分は、架橋性ポリマー樹脂を含み、第2の成分は架橋剤を含む。こうして、エマルジョンは、架橋性樹脂を含む第1の成分であり、架橋剤は、混合されて硬化性タンパク質−ポリマー組成物を生成する第2の成分である。
本発明の方法及び組成物中に含まれるポリマー樹脂は、コーティング又は基材組成物、例としてクリアコート組成物中で有用な任意の塗膜形成ポリマーであり得る。このようなポリマーには、例として、アミノプラスト、メラミンホルムアルデヒド、カルバメート、ポリウレタン、ポリアクリレート、エポキシ、ポリカルボネート、アルキド、ビニル、ポリアミド、ポリオレフィン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリシロキサン及びこれら又はその他のポリマーの組み合わせが含まれる。
特定の実施形態において、ポリマー樹脂は架橋性である。例として、架橋性ポリマーは、架橋性ポリマーの特徴である官能基を有する。このような官能基の例には、例示として、アセトアセテート、酸、アミン、カルボキシル、エポキシ、ヒドロキシル、イソシアネート、シラン、ビニル、他の使用可能な官能基及びその組み合わせが含まれる。
有機架橋性ポリマー樹脂の例としては、アミノプラスト、メラミンホルムアルデヒド、カルバメート、ポリウレタン、ポリアクリレート、エポキシ、ポリカルボネート、アルキド、ビニル、ポリアミド、ポリオレフィン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリシロキサン又はその組み合わせが含まれる。
組成物中には、任意には架橋剤が含まれる。選択される特定の架橋剤は、使用される特定のポリマー樹脂により左右される。架橋剤の非限定的な例としては、イソシアネート官能基、エポキシ官能基、アルデヒド官能基及び酸官能基などの官能基を有する化合物が含まれる。
タンパク質−ポリウレタン複合材料の特定の実施形態において、ポリマー樹脂は、ヒドロキシル官能性アクリルポリマーであり、架橋剤はポリイソシアネートである。
ポリイソシアネート、任意には、ジイソシアネートが、本発明の実施形態に係るヒドロキシル官能性アクリルポリマーと反応させられる架橋剤である。脂肪族ポリイソシアネートが、自動車用クリヤコートの利用分野の場合などのクリヤコートの利用分野向けのタンパク質−ポリマー複合材料の製造プロセスにおいて使用される好ましいポリイソシアネートである。脂肪族ポリイソシアネートの非限定的例としては、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,2−ジイソシアナトプロパン、1,3−ジイソシアナトプロパン、エチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、1,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネートのイソシアヌレート、メチレンビス−4,4’−イソシアナトシクロヘキサン、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、イソホロンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート、p−フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、トリフェニルメタン4,4’,4’’−トリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート及びメタ−キシレンジイソシアネートが含まれる。
硬化方法は、従来の硬化性ポリマー組成物のために典型的に使用されるものである。
本発明の実施形態において使用されるリパーゼ−ポリマー複合材料は、任意には熱硬化性タンパク質−ポリマー複合材料である。例えば、基材又はコーティング材料は、任意には熱硬化によって硬化される。熱重合開始剤が、硬化性組成物中に任意に含み入れられる。例えば、基材又はコーティング材料が任意には熱硬化により硬化される。熱重合開始剤は、例として、有機過酸化物及びアゾ化合物などの遊離ラジカル開始剤を含む。有機過酸化物熱開始剤の例には、例として、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル及び過酸化ラウリルが含まれる。例示的アゾ化合物熱開始剤は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルである。
従来の硬化温度及び硬化時間を、本発明の実施形態に係るプロセス中で使用することができる。例えば、特異的温度で又は特定の硬化条件下での硬化時間は、架橋剤官能基が硬化前に存在する合計の5%未満まで削減されるという基準により決定される。架橋剤官能基は、FT−IR又は他の適切な方法により、定量的に特徴づけされ得る。例えば、本発明のポリウレタンタンパク質−ポリマー複合材料のための特異的温度における又は特定の硬化条件下での硬化時間は、架橋剤官能基NCOが硬化前に存在する合計量の5%未満まで削減されるという基準によって決定することができる。NCO基は、FT−IRにより定量的に特徴づけされ得る。特定の樹脂のための硬化の程度を査定するための追加の方法は、当該技術分野において周知である。例として、硬化には、溶剤の蒸発又は紫外線、電子ビーム、マイクロ波、可視光、赤外線又はガンマ線などの化学線に対する曝露が含まれ得る。
リパーゼ−ポリマー複合材料及び/又は有機溶剤とポリマー樹脂の混和物、リパーゼ水溶液、エマルジョン及び/又は硬化性組成物の特性を修飾するために1つ又は複数の添加剤が任意に含み入れられる。このような添加剤の例としては、UV吸収剤、可塑化剤、湿潤剤、防腐剤、界面活性剤、潤滑剤、顔料、充填剤、そして耐へたり性を向上させるための添加剤などの添加剤が含まれる。
リパーゼを含む基材又はコーティングは、例として、エマルジョンを生成するために混合される、ポリマー樹脂、界面活性剤及び非水性有機溶剤の混和物である。「界面活性剤」という用語は、それが中に溶解している液体の表面張力を削減するか又は2つの液体間又は液体と固体間の界面張力を削減する表面活性剤を意味する。
使用される界面活性剤は、K.R.Lange、Surfactants:A Practical Handbook、Hanser Gardner Publications、1999;及びR.M.Hill、Silicone Surfactants、CRC Press、1999に記載されているもののような両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アニオン、カチオン、又は非イオン界面活性剤を含めた任意の多様なものであり得る。アニオン界面活性剤の例としては、スルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアリール、硫酸アルキル、二スルホン酸アルキル及びアルキルアリール、スルホン化脂肪酸、ヒドロキシアルカノールの硫酸塩、スルホコハク酸エステル、ポリエトキシル化アルカノールの硫酸塩及びスルホン酸塩並びにアルキルフェノールが含まれる。カチオン界面活性剤の例としては、第4級界面活性剤及びアミンオキシドが含まれる。非イオン界面活性剤の例としては、アルコキシレート、アルカノールアミド、ソルビトール又はマンニトールの脂肪酸エステル及びアルキルグルカミドが含まれる。シリコーン系界面活性剤の例としては、シロキサンポリオキシアルキレンコポリマーが含まれる。
任意には基材又はコーティングされた基材である表面を指紋と接触させた場合、リパーゼ酵素又は酵素の組み合わせは、指紋又はその成分と接触する。接触により、基材又はコーティングの酵素活性が指紋の成分と相互作用し酵素的にこれを改変して、基材又はコーティングからのその除去を改善することが可能になる。
指紋除去を容易にする本発明の方法は、リパーゼが活性である任意の温度で機能することが認識される。任意には、本発明の方法は、4℃で実施される。任意には、本発明の方法は、25℃で実施される。任意には、本発明のプロセスは、周囲温度で実施される。一部の実施形態は、40℃と120℃の間で実施される。
本発明の方法は、任意には基材自体を加熱する工程又は基材の表面に熱を加える工程を含む。加熱は、基材/コーティングの表面温度を周囲温度よりも高いレベルまで上昇させることとして定義される。一部の実施形態において、加熱は、表面温度を少なくとも5℃だけ上昇させることである。加熱は、任意には、太陽光又は他の熱源に対する曝露によって上昇させられる。表面温度は、任意には、24時間以内に基材上に目に見える材料が一切残留しない状態に崩壊物質が揮発するようなレベルまで上昇させられる。任意には、温度は、0.5時間以上3時間以下の時間内に目に見える材料が基材上に一切残留しない状態に崩壊産物が除去されるようなレベルまで上昇させられる。任意には、基材表面温度は、40℃以上125℃以下の温度まで上昇させられる。
任意には、熱は、連続的に又は間欠的に適用される。熱は、任意には、基材上に目に見える材料が一切残留しない状態に崩壊物質が揮発するまで加えられる。任意には、熱は少なくとも30分間加えられる。一部の実施形態において、熱は30分以上6時間以下の時間、加えられる。
基材又は基材上のコーティングの材料と組合わされたリパーゼの存在は、任意には加えられた熱と共に、指紋の汚染を崩壊して、指紋除去を容易にする。
以下の限定的でない例により、本発明の種々の態様が説明される。これらの例は、例示を目的とするものであり、本発明のいかなる実施も制限するものではない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、変更及び改良できることが理解されるよう。
[例1]
[基材をコーティングするために使用可能なリパーゼ含有材料の生産]
材料:ポリアクリレート樹脂Desmophen A870 BA、及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系多官能脂肪族ポリイソシアネート樹脂Resmodur N3600、ポリエステル樹脂Bayhydrol XP7093及びBayhydur 302は、Bayer Corp.(Pittsburgh,PA)から入手される。界面活性剤BYK−333は、BYK−Chemic(Wallingrord,CT)から入手される。Bacillus subtilis由来のα−アミラーゼ KLEISTASE SD80(EC3.2.1.1)、Burkholderia cepacia由来のリパーゼPS及びAspergillus niger由来のリパーゼAPI2は、天野エンザイム株式会社(名古屋、日本)から入手される。酢酸ブチル、ブラッドフォード試薬、ウシ血清由来のウシ血清アルブミン(BSA)、ポテト由来のデンプン、小麦由来のデンプン、マルトース、酒石酸ナトリウムカリウム、3,5−ジニトロサリチル酸、Na2(PO4)、NaCl、K2(PO4)、カゼイン、トリクロロ酢酸、フォーリン及びチオカルトのフェノール試薬、Na2(CO3)、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、チロシン、パルミチン酸p−ニトロフェニル、エタノール、イオジン、グルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトヘキソース、分子量が異なる(10kDa、40kDa)デキストリンは、Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO、U.S.A.から入手した。アルミニウムパネル及び8パス・湿潤フィルムアプリケータは、Paul N.Gardner Company、Inc.(Pompano Beach、FL)から入手される。
[酵素の調製]
約5mg/mLのタンパク質濃度(ブラッドフォード法により決定される)で、脱イオン水中に7.5gの粗製リパーゼ粉末を含む150mL溶液からリパーゼAP12を精製する。全ての溶液を氷上に保つ。30kDaの遮断膜を用いて55psiの圧力で、150mL容量のAmiconセル(Millipore,Billerica,MA)を使用して限外濾過を実施する。各ラン後150mLの体積になるまで残った濃縮溶液にDI(脱イオン)水を添加することによって、限外濾過を3回反復する。最終的に残った精製済み溶液を用いて、典型的に200mg/mLのリパーゼ濃度でコーティングを調製する。
タンパク質−ポリマーコーティングを形成するためのリパーゼの取込み:Desmophen A870BAとDesmodur N3600を、Desmophen A870BA対Desmodur N3600の重量比で2.6:1の割合で重合することによって、溶剤型2成分ポリウレタン(PU)を形成する。典型的には、20mL入りバイアル中で、2.1gのDesmophen A870BA(70wt%の固形分)、100μlのn−ブタノール中に溶解した0.0167gのBYK−333及び0.5mLの酢酸ブチルを混合する。200mg/mLの精製リパーゼ酵素溶液600μlを添加し、1分間混合して白色エマルジョンを形成する。その後、0.8gのDesmodur N3600を添加し、1分間手作業で混合する。結果として得た硬化性タンパク質−ポリマー溶液を次に、8パスアプリケータを用いたドローダウンを介してアルミニウムの試験用パネルに塗布する。結果として得たコーティングを80℃で24時間硬化させる。
[例2]
[指紋除去]
例1のリパーゼ含有コーティング済みパネルに、顔又は前腕の皮膚に触れてヒトの指紋を付着させる。指紋のついたパネルを室温で少なくとも24時間インキュベートする。対照のパネルを、酵素を含まない例1のコーティングで被覆する。この第1のインキュベーション期間の後、コーティングされた基材を65℃以上の温度のオーブン内で1〜6時間インキュベートする。
図1は、65℃で2時間酵素コーティングを施したパネルをインキュベートすることで、指紋の完全な除去が容易になることを実証している(B:対照;L:リパーゼ;LA:コーティング中で組合されたリパーゼとアミラーゼ)。
[例3]
指紋除去速度は、対照に比べ、酵素含有基材の場合の方が速い。図2は、例2で記述されているように2つのコーティングの間の界面に指紋が付着された例1に記載の酵素含有タンパク質−ポリマーコーティング又は対照でコーティングされたアルミニウムプレートを明示している。図2Aは、周囲温度で3日間のインキュベーションの後に残留している指紋を明示している。プレートをその後65℃で2.5時間インキュベートし、図2Bに示されているようにさまざまな間隔で写真を撮影する。図3は、指紋除去の速度上昇が、指紋の由来源によって左右されることを実証している。
本明細書中で示され記述されたものに加えて、以上の記述の技術分野の当業者には、本発明のさまざまな修正が明らかになるものである。このような修正もまた、添付クレームの範囲内に入るよう意図されている。
別段の規定のないかぎり、全ての試薬は、当該技術分野において公知の供給源から入手可能であることが認識される。ヌクレオチド増幅、細胞トランスフェクション及びタンパク質の発現と精製の方法は、同様に当該技術分野の技術レベル内に入るものである。
明細書で言及された特許及び刊行物は、本発明が関係する当業者のレベルを示すものである。これらの特許及び刊行物は、個別の出願又は刊行物が各々具体的かつ個別的に参照により本明細書に含められている場合と同じ程度で、その参照により本明細書に含められる。
以上の記述は、本発明の特定の実施形態を例示するものであり、その実践を限定するように意図されたものではない。その全ての等価物を含め、以下のクレームは本発明の範囲を画定するように意図されている。

Claims (18)

  1. 基材又はコーティング上の指紋の除去を容易にする方法であって、
    基材又はコーティングを用意する工程、及び
    リパーゼ又はその類似体を前記基材又は前記コーティングと結合させて、前記リパーゼ又はその類似体が指紋の成分を酵素分解できるようにする工程
    を含む、方法。
  2. 前記リパーゼ又はその類似体が前記基材又は前記コーティングに共有結合により付着される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記リパーゼ又はその類似体が前記基材又は前記コーティングに非共有結合的に接着されるか又はその中に混合される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記基材を加熱するか又は前記基材の表面に熱を加える工程を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記加熱が少なくとも30分間行われる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記基材又は前記コーティングが有機架橋性ポリマー樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記有機架橋性ポリマー樹脂が、アセトアセテート、酸、アミン、カルボキシル、エポキシ、ヒドロキシル、イソシアネート、シラン、ビニル、又はそれらの組み合わせの官能基を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記有機架橋性ポリマー樹脂が、アミノプラスト、メラミンホルムアルデヒド、カルバメート、ポリウレタン、ポリアクリレート、エポキシ、ポリカルボネート、アルキド、ビニル、ポリアミド、ポリオレフィン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリシロキサン、又はそれらの組み合わせである、請求項6に記載の方法。
  9. 前記有機架橋性ポリマー樹脂がヒドロキシル官能化アクリレート樹脂である、請求項6に記載の方法。
  10. 前記リパーゼが、リポタンパク質リパーゼ、アシルグリセロールリパーゼ、ホルモン感受性リパーゼ、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼD、ホスホイノシチドホスホリパーゼC、リソホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、又はそれらの類似体である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記リパーゼがトリアシルグリセロールリパーゼである、請求項1に記載の方法。
  12. 指紋除去を容易にするための組成物であって、
    基材又はコーティング、及び
    指紋の成分を分解させることができるリパーゼ又はその類似体であって、前記基材又は前記コーティングと結合されるリパーゼ又はその類似体、
    を含む、組成物。
  13. 前記基材又は前記コーティングが、アセトアセテート、酸、アミン、カルボキシル、エポキシ、ヒドロキシル、イソシアネート、シラン、ビニル、又はそれらの組み合わせの官能基を有する有機架橋性ポリマー樹脂を含む、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記有機架橋性ポリマー樹脂が、アミノプラスト、メラミンホルムアルデヒド、カルバメート、ポリウレタン、ポリアクリレート、エポキシ、ポリカルボネート、アルキド、ビニル、ポリアミド、ポリオレフィン、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリシロキサン、又はそれらの組み合わせである、請求項12に記載の組成物。
  15. 前記有機架橋性ポリマー樹脂がヒドロキシル官能化アクリレート樹脂である、請求項12に記載の組成物。
  16. 前記リパーゼが、リポタンパク質リパーゼ、アシルグリセロールリパーゼ、ホルモン感受性リパーゼ、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼD、ホスホイノシチドホスホリパーゼC、リソホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、又はそれらの類似体である、請求項12に記載の組成物。
  17. 前記リパーゼがトリアシルグリセロールリパーゼである、請求項12に記載の組成物。
  18. 前記リパーゼ又はその類似体が前記樹脂に共有結合により結合されている、請求項12に記載の組成物。
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