JP2013531089A - 芳香族カルボキシレートアニオンを含む重合性イオン液体 - Google Patents

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Abstract

本発明では、カチオン及び芳香族カルボキシレートアニオンを含む重合性イオン液体であって、カチオン、アニオン、又はカチオンとアニオンのいずれもがフリーラジカル重合性基を含む、重合性イオン液体が記載される。このような重合性イオン液体と、少なくとも1種の他のフリーラジカル重合性モノマー、オリゴマー、又はポリマーとを含む硬化性組成物も記載される。
【選択図】なし

Description

イオン液体(IL)は、カチオン及びアニオンが不均衡な塩である。イオン成分のうちの少なくとも1つの成分は有機イオンであり、このイオンは電荷が非局在化している。電荷が局在していないことから安定な結晶格子の形成が妨げられ、多くの場合室温で、定義によれば少なくとも100℃未満で液体として存在するこのような材料が生じることになる。例えば、典型的なイオン塩である塩化ナトリウムの融点が約800℃である一方、イオン液体のN−メチルイミダゾリウムクロリドの融点は約75℃である。
イオン液体は、典型的には、置換アンモニウム、又は無機アニオンと共役している置換イミダゾリウムなどの、窒素含有複素環などの有機カチオンを含む。しかしながら、カチオン及びアニオンが有機である種もまた記載されてきた。イオン液体が重合性基を少なくとも1つ含む場合には、このようなイオン液体は重合性イオン液体(「PIL」)である。
本発明では、カチオン及び芳香族カルボキシレートアニオンを含む重合性イオン液体であって、カチオン、アニオン、又はカチオンとアニオンのいずれもがフリーラジカル重合性基を含む、重合性イオン液体が記載される。
一部の実施形態では、カチオンはフリーラジカル重合性基を含み、アニオンはフリーラジカル重合性基を含まない。
他の実施形態では、アニオンはフリーラジカル重合性基を含み、カチオンはフリーラジカル重合性基を含まない。
更に他の実施形態では、アニオン及びカチオンはそれぞれフリーラジカル重合性基を少なくとも1つ含む。
一部の望ましい実施形態では、カチオンは置換アンモニウム、ホスホニウム又はイミダゾリウムカチオンである。
本明細書で使用するとき、
「硬化性」は、重合及び/若しくは架橋を誘導するために加熱すること、重合及び/若しくは架橋を誘導するために化学線照射すること、並びに/又は、重合及び/若しくは架橋を誘導するために1つ以上の成分を混合することによって、硬化(例えば、重合又は架橋)させることができる物質又は組成物を説明するものである。「混合」は、例えば、2つ以上の成分を組み合わせ、混合して、均質な組成物を形成することにより実施され得る。あるいは、2つ以上の成分を、接触面で(例えば、自然発生的に又は剪断応力の適用により)相互混合する、個別の層として提供し、重合を開始させることができる。
「硬化済み」は、硬化(例えば、重合又は架橋)した物質又は組成物を指す。
用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート又はこれらの組み合わせを指す省略形であり、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの組み合わせを指す省略形であり、「(メタ)アクリル」は、アクリル、メタクリル又はこれらの組み合わせを指す省略形である。
「アルキル」は、直鎖、分枝鎖、及び環状アルキル基を含み、非置換及び置換アルキル基の両方を含む。別段の指定がない限り、アルキル基は、典型的には、炭素原子を1〜20個含有する。本明細書で使用するとき、「アルキル」の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソブチル、t−ブチル、イソプロピル、n−オクチル、n−ヘプチル、エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、及びノルボルニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。特に注記がない限り、アルキル基は、一価又は多価であり得る。
「ヘテロアルキル」は、未置換及び置換アルキル基の両方と共にS、O及びNから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を有する直鎖、分枝鎖及び環状アルキル基の両方を含む。別段の指定がない限り、ヘテロアルキル基は、典型的には、炭素原子を1〜20個含有する。「ヘテロアルキル」は、以下に記載の「1個以上のS、N、O、P又はSi原子を含有するヒドロカルビル」の部分集合である。本明細書で使用するとき、「ヘテロアルキル」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、3,6−ジオキサへプチル、3−(トリメチルシリル)−プロピル、4−ジメチルアミノブチル及びこれらに類するものが挙げられるが、これらに限定されない。特に注記がない限り、ヘテロアルキル基は、一価又は多価であり得る。
「芳香族基」又は「芳香族部分」は6〜18員の環原子を含み、飽和又は不飽和であり得る任意の縮合環を包含することができる。芳香族基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントリル及びアントラシルが挙げられる。芳香族基は、場合により、窒素、酸素又はイオウなどの1〜3個のヘテロ原子を含有してもよく、縮合環を含有することができる。ヘテロ原子を有する芳香族基の例としては、ピリジル、フラニル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル及びベンゾチアゾリルが挙げられる。特に注記がない限り、芳香族基は、一価又は多価であり得る。
本明細書で使用するとき、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上」は交換可能に使用される。
また、本明細書における端点による数の範囲の記載には、その範囲に含まれるすべての数が含まれる(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、などが含まれる)。
カチオンとアニオンとを不均衡に含む重合性イオン液体を含む様々な硬化性組成物が本明細書に記載される。このような重合性イオン性液体は、約100℃未満の融点(T)を有する。これらの化合物の融点は、組成物中の溶媒キャリアによる補助を用い、又は用いずに、化合物を本明細書に記載のような様々な重合性組成物に容易に使用するためにも、より好ましくは約60℃、50℃、40℃又は30℃よりも低く、最も好ましくは約25℃よりも低いものである。25℃よりも低い融点を有する重合性イオン液体は、室温で液体である。重合性イオン液体の分子量が増加するにつれて、粘度は増加し得る。一部の実施形態では、重合性イオン液体の分子量は、1000g/モルである。
好適なカチオン性基は、オニウム塩としても知られ、これらの塩としては、置換アンモニウム塩、置換ホスホニウム塩、置換ピリジニウム塩及び置換イミダゾリウム塩が挙げられる。このようなオニウム塩のカチオンの構造は、以下のように表される:
Figure 2013531089
他のカチオン性基としては、ピラゾリウム、ピロリジニウム及びコリニウムが挙げられる。
本発明は、カチオン及び芳香族カルボキシレートアニオンを含むイオン液体を記載する。「芳香族カルボキシレートアニオン」は、直接的に、又は連結基(L)を介して間接的に、芳香族部分(Ar)と結合しているカルボキシレートアニオンを指す。アニオンは、有機アニオンであり、及び典型的には一価のアニオンであり、すなわち−1の電荷をもつ。芳香族カルボキシレートアニオンは、次の式により示される:O(CO)Ar又はO(CO)−L−Ar。
カチオン、アニオン、又はそれらの組み合わせは、更に重合性基を含有する。重合性基は、典型的にはエチレン性不飽和(例えば末端)基である。好ましくは、エチレン性不飽和基はフリーラジカル重合性基である。このようなフリーラジカル重合性基としては、(メタ)アクリルアミド(HC=CHCON−及びHC=CH(CH)CON−)並びに(メタ)アクリレート(CHCHCOO−及びCHC(CH)COO−)などの(メタ)アクリル基が挙げられる。他のフリーラジカル重合性基としては、ビニルエーテル(HC=CHOCH−)などのビニル(HC=C−)が挙げられる。
メタクリレート官能性オニウム塩は、よりゆっくりとした硬化を示すことから、典型的には硬化性歯科用組成物などの用途において、アクリレートオニウム塩よりも好ましい。しかしながら、より迅速な硬化が望まれる他の用途では、(メタ)アクリレート基よりもアクリレート基の方が望ましい。
一部の実施形態では、カチオンは重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)(P)を含み、アニオンは重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を含まず、すなわち、アニオンは非重合性アニオンである。
他の実施形態では、有機アニオンは重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)(P)を含み、カチオンは重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を含まず、すなわち、カチオンは非重合性カチオンである。アニオンが重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を含む場合、アニオンは、次式:O(CO)ArP又はO(CO)−L−ArP、O(CO)Ar−L−P、又はO(CO)−L−Ar−L−Pとして示される;式中、Lは連結基(例えば、二価の連結基)である。採用される合成法に応じて、このような連結基には、エステル結合、アミド結合、尿素結合、ウレタン結合、エーテル結合又はカーボネート結合が含まれ得る。
更に他の望ましい実施形態では、アニオン及びカチオンのいずれもが、それぞれ重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を含む。したがって、重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は、多官能性又は二官能性重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体として記載され得る。望ましい実施形態では、フリーラジカル重合性イオン液体は、多(メタ)アクリル酸又はジ(メタ)アクリルレート重合性イオン液体として記載され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載の重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は、置換アンモニウムカチオンを含む。
このような重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は、次の一般式を有し得る:
Figure 2013531089

式中、
Xは窒素又はリンであり、
R3及びR4は、独立して、アルキル又はヘテロアルキルであり、R3又はR4のうち少なくともいずれか1つはフリーラジカル重合性基を含み、
Dは芳香族部分を含み、場合により、カルボン酸塩末端部分と芳香族部分との間に結合基を含み、及び/又は場合により、芳香族部分とR4との間に結合基を含み、並びに
bは0〜2である。
フリーラジカル重合性基は、好ましくは(メタ)アクリレート基である。Dの芳香族部分は、典型的には、フタル酸塩の場合又はビフェニル若しくはトリフェニル化合物から誘導される芳香族環の場合のように、場合により縮合した芳香族環を1、2又は3個含む。
一部の実施形態では、置換アンモニウムカチオンは(メタ)アクリレート基などの重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を含まない。アンモニウムカチオンは、ヘテロアルキル置換基、及びより一般的にはアルキル置換基、例えば、炭素原子を少なくとも1個有し、典型的には炭素原子数が8個以下、又は6個以下、又は4個以下であるアルキル基(例えば、メチル)を含み得る。本実施形態では、アニオンは、(メタ)アクリレート基などの重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を含む。一部の実施形態では、Dは、芳香族基(例えば、フェニル基)と末端(メタ)アクリレート基との間に二価連結基(例えば、エステル基)を含み得る。
このようなフリーラジカル重合性イオン液体の例としては:
Figure 2013531089

及び
が挙げられる。
他の実施形態では、置換アンモニウムカチオンは、(メタ)アクリレート基などの重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を少なくとも1つ含む。連結基は、典型的には、末端重合性(例えば、フリーラジカル重合性)(メタ)アクリレート基とカチオン(X)(例えば、アンモニウムカチオン)との間に存在する。採用される合成法に応じて、このような連結基には、エステル結合、アミド結合、尿素結合、ウレタン結合、エーテル結合又はカーボネート結合が含まれ得る。一部の実施形態では、2個のR3はアルキル基であり、1個のR3基は(メタ)アクリレート基を含む。R3のアルキル基は、典型的には、少なくとも1個の炭素原子(例えば、メチル)〜8個以下又は6個以下又は4個以下の炭素原子を含む。カチオンが、フリーラジカル重合性基を1つ以上含む場合、アニオンは重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を含まなくてもよい。この実施形態では、R4は、ヘテロアルキル置換基、及びより一般的にはアルキル置換基、例えば、炭素原子を少なくとも1個有し、典型的には炭素原子数が8個以下、又は6個以下、又は4個以下であるアルキル基(例えば、メチル)を含み得る。
このようなフリーラジカル重合性イオン液体の例としては:
Figure 2013531089

が挙げられる。
更に他の実施形態では、置換アンモニウムカチオンと芳香族カルボン酸アニオンの両方がそれぞれ、(メタ)アクリレート基などのフリーラジカル重合性基を少なくとも1個含む。一部の実施形態では、2個のR3はアルキル基であり、1個のR3基は(メタ)アクリレート基を含む。別の実施形態では、2個のR3はアルキル基であり、1個のR3基は芳香族(例えば、フェニル)(メタ)アクリレート基を含む。R3のアルキル基は、典型的には、少なくとも1個の炭素原子(例えば、メチル)〜8個以下又は6個以下又は4個以下の炭素原子を含む。結合基は、典型的には、前述のように、末端重合性(例えば、フリーラジカル重合性)(メタ)アクリレート基と(例えば、アンモニウム)カチオン(X)との間に存在する。Dは芳香族基(例えば、フェニル基)と末端(メタ)アクリレート基との間に二価(例えば、エステル)結合基を含んでもよい。
このようなフリーラジカル重合性イオン液体の例としては:
Figure 2013531089

が挙げられる。
他の実施形態では、本明細書に記載の重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は、置換イミダゾリウムカチオンを含む。
重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は、次の一般式を有し得る:
Figure 2013531089

式中、
R3及びR4は独立して、アルキル又はヘテロアルキルであり、少なくとも1個のR3又はR4は、フリーラジカル重合性基を含み、
Dは芳香族部分を含み、場合により、カルボン酸塩末端部分と芳香族部分との間に結合基を含み、及び/又は場合により、芳香族部分とR4との間に結合基を含み、
cは0〜3であり、並びに
bは0〜2である。
フリーラジカル重合性基は、好ましくは(メタ)アクリレート基である。Dの芳香族部分は、典型的には、フタレートの場合又はビフェニル若しくはトリフェニル化合物から誘導される芳香族環の場合のように、場合により縮合した芳香族環を1、2又は3個含む。
一部の実施形態では、置換イミダゾリウムカチオンは、(メタ)アクリレート基などの重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を含まない。イミダゾリウムは、ヘテロアルキルを、及び炭素原子を1〜4、5、6、7、又は8個有するものなどのよりアルキルに一般的な置換基を含み得る。本実施形態では、アニオンは、(メタ)アクリレート基などの重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を含む。一実施形態では、R4は、二価連結基(例えば、エステル基)を芳香族基(例えば、フェニル又はビフェニル基)と末端(メタ)アクリレート基との間に含む。
例示的な種としては:
Figure 2013531089

が挙げられる。
他の実施形態では、置換イミダゾリウムカチオンは、(メタ)アクリレート基などの重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を少なくとも1つ含み得る。カチオンが(メタ)アクリレート基などのフリーラジカル重合性基を少なくとも1つ含む場合、アニオンはフリーラジカル重合性基を含まなくてもよい。連結基は、典型的には、末端重合性(例えば、フリーラジカル重合性)(メタ)アクリレート基とイミダゾリウムカチオンとの間に存在する。採用される合成法に応じて、このような連結基には、エステル結合、アミド結合、尿素結合、ウレタン結合、エーテル結合又はカーボネート結合が含まれ得る。
更に他の実施形態では、置換イミダゾリウムカチオン及び芳香族カルボキシレートアニオンは、いずれも(メタ)アクリレート基などのフリーラジカル重合性基を少なくとも1つ含む。連結基は、記載のように、典型的には、末端重合性(例えば、フリーラジカル重合性)(メタ)アクリレート基とイミダゾリウムカチオンとの間に存在する。
このようなフリーラジカル重合性イオン液体の例としては:
Figure 2013531089

が挙げられる。
本明細書に記載の重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は、幾つかの手法により調製することができる。
最も単純な方法は、等モル量の(例えば、市販の)第三級アミンとカルボン酸とを混合するものである。この場合、少なくとも1つの成分は重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を含有し、カルボン酸は芳香族基を含有する。フリーラジカル重合性基は、イオン液体の調製時に反応しないことから、形成された化合物上に存在する。
有用な第三級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン(dimethyl cylochexylamine)、1−メチルピロリジン、1−メチルピペリジン、4−メチルモルホリン、ジメチルアニリン、トリフェニルアミン、ジメチルベンジルアミン、及びN−メチルジフェニルアミンなどのアルキル又はアリールアミンが挙げられる。他の有用なアミンとしては、1−メチルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−メチルピロール、1−メチルインドール、9−メチルカルバゾール、及びピリジンなどの複素環式アミンが挙げられる。更に、有用なアミンとしては、1−ビニルイミダゾールなどの重合性第三級アミン、並びにN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びN,N−ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのN,N−ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
フリーラジカル重合性基を含まない有用なカルボン酸としては、安息香酸、アルキル安息香酸、例えば、トルイル酸、エチル安息香酸、ブチル安息香酸及びジメチル安息香酸など;ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸、アルキルオキシ安息香酸、例えば、アニシン酸;モノフタル酸エステル、例えば、モノブチルフタル酸;ビフェニル安息香酸、フェノキシ安息香酸、ナフトエ酸、フッ素カルボン酸、及びフルオレノンカルボン酸が挙げられる。他の有用な重合性でない酸としては、フェニル酢酸、トリフェニル酢酸、2−フェニルプロピオン酸、ヒドロケイ皮酸、α−メチルヒドロケイ皮酸、3,3−ジフェニルプロピオン酸、4−フェニル酪酸、5−フェニル吉草酸、6−フェニルヘキサン酸、フェノキシ酢酸、3−フェノキシプロピオン酸、トリル酢酸、4−メトキシフェニル酢酸、4−ビフェニル酢酸、トランスケイ皮酸、及び4−メチルケイ皮酸が挙げられる。このようなカルボン酸は、フリーラジカル重合性基を含まないアニオンを提供する。
フリーラジカル重合性基を含む有用なカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェン酸、ビフェニルジカルボン酸、及びナフタレンジカルボン酸の(メタ)アクリル官能性モノエステルが挙げられる。これらの化合物の具体例としては、フタル酸モノ2−(メタクリルオキシ)エチル、フタル酸モノ2−(アクリルオキシ)ブチル、及びビフェニル−2,2’−ジカルボン酸2−[2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル]エステルが挙げられる。このようなカルボン酸は、フリーラジカル重合性基を含むアニオンを提供する。
他の方法としては、次の反応スキームにより記載されるように、アミン又はヒドロキシル官能性第三級アミン前駆体を重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イソシアナート(又はメタクリル酸無水物などの重合性の酸若しくは無水物)と反応させ、続いてカルボン酸により中和する方法が挙げられる:
Figure 2013531089
市販の出発物質としては、アミノプロピルイミダゾール、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−エチルエチレンジアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、1−メチルピペリジン、3−アミノプロピルモルホリン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−(ジイソプロピルアミノ)エタノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−ピペリジンエタノール(1-piperdine ethanol)、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]−2−プロパノール、トリイソプロパノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−(ジエチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−(ジプロピルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−(ジイソプロピルアミノ)1,2,−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3,−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3,−プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロトリエタノール、N,N’ビス(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、N−N−N’−N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)−メチルアミノ]プロパン、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、及び1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジンが挙げられる。
有用なカルボン酸としては、単純混合法に関し記載された化合物と同様のものが挙げられる。
アミン化合物とアクリレート化合物を反応させて重合性(例えば、フリーラジカル重合性)アミン前駆体をもたらし、次いで中和する他の反応としては、次のスキームが挙げられる:
Figure 2013531089
市販の出発物質としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、1−メチルブチルアミン、1−エチプロピルアミン、2−メチルブチルアミン、イソアミルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、2−アミノヘプタン、3−アミノヘプタン、1−メチルヘプチルアミン(1-methylheptyamine)、2−エチルヘキシルアミン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミン、2−アミノノルボルナン、1−アダマンタンアミン、アリルアミン、テトラヒドロフルフリルアミン、エタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、ベンジルアミン、フェネチルアミン、3−フェニル−1−プロピルアミン、1−アミノインダン、エチレンジアミン、ジアミノプロパン、及びヘキサメチレンジアミンなどのアミンが挙げられる。
他の方法としては、次の反応スキームにより記載されるような、第三級アミンの存在下で、芳香族無水物前駆体とヒドロキシル官能性(メタ)アクリレート前駆体を反応させて、重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体を一工程反応で形成する方法が挙げられる:
Figure 2013531089
有用な芳香族無水物としては、フタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、ジフェン酸無水物、1,8−ナフタル酸無水物、2−フェニルグルタル酸無水物、ホモフタル酸無水物、フェニルコハク酸無水物、フェニルマレイン酸無水物、2,3−ジフェニルマレイン酸無水物、及びベンゼンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
有用なヒドロキシル官能性(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
有用な第三級アミンとしては、前述のアミンが挙げられる。
更に他の方法では、イミダゾール化合物は、参照により本案件に組み込まれる米国仮出願特許第61/345,624号(2010年5月18日出願)、表題「重合性イオン液体組成物(POLYMERIZABLE IONIC LIQUID COMPOSITIONS)」に記載されるように、ポリ(メタ)アクリロイル化合物に対するイミダゾール化合物のマイケル付加反応により調製することもできる。
重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は反応性モノマーとして機能し、硬化性組成物が基材に適用される際、又は歯科用クラウンなどの物品(例えば、歯科用物品)に成形される際には、実質的に、硬化性組成物中で重合されない。したがって、硬化性組成物は、(例えば、多官能性)重合性イオン液体の(例えば、フリーラジカル重合性)エチレン性不飽和基の重合を介した硬化時に、硬化する。このような硬化は、一般的に、永続型の結合を生じる。
一部の好ましい実施形態では、重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は、反応性希釈剤として機能させるのに十分な程度に粘度が低い。このような実施形態では、組成物は、有利なことに、溶媒、特に有機溶媒を実質的に不含であってもよい。有機溶媒を不含であることで、結果として、硬化前の組成物の乾燥を抑制し又は省くことから、製造時間並びにエネルギー消費に関して効率性を向上することができる。これはまた、組成物の揮発性有機成分(VOC)の放出を低減させることができる。
一部の実施形態では、重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は、一官能性であり、重合性(例えば、フリーラジカル重合性)エチル不飽和基を有する。一官能性重合性イオン液体に、一般的な多官能性エチレン性不飽和(例えば、(メタ)アクリレート)モノマーを組み合わせ、硬化性組成物の硬化を酸素が阻害することにより生じると推測される表面残留物の形成を最低限にすることで、硬化を高めることができる。
他の実施形態では、重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は多官能性であり、典型的には、重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を2つ又は3つ含む。例えば、一部の実施形態では、重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は、重合性(例えば、フリーラジカル重合性)カチオン及び重合性(例えば、フリーラジカル重合性)アニオンを含み得る。他の実施形態では、本明細書に記載の多官能性重合性イオン液体は、カチオン性基に結合した2つ又は3つ以上の重合性基(例えば、フリーラジカル重合性基)を有する多官能性(例えば、置換アンモニウム)カチオンを有するものとして特徴付けることができる。
一部の実施形態では、重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は、多官能性重合性イオン液体を少なくとも1種と、一官能性重合性イオン液体を少なくとも1種含む混合物である。
重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は、典型的には、他の一般的なフリーラジカル重合性(例えば、(メタ)アクリレート)モノマー、オリゴマー、又はポリマーと併用される。「他の」とは、エチレン性不飽和モノマーが重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体ではないことを意味する。従来のモノマーは重合性であり、多くは25℃にて液体であるが、典型的には非イオン性であり、カチオン及びアニオンを欠く。
重合性(例えば、フリーラジカル重合性)イオン液体は、硬化性(例えば、歯科用)組成物中で通常使用されるような2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)及び2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(BisGMA)などの従来の硬化性(メタ)アクリレートモノマーの代わりに使用できることが判明した。このような実施形態により、ビスフェノールA(BisGMA)から誘導されるモノマーを含まない重合性組成物(例えば、歯科用組成物)を提供することができる。
好ましい(例えば、多官能性)重合性イオン液体は、実施例に記載の試験方法に従って光DSCにより測定され得るように、空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱の比が高い。空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱の比は典型的には少なくとも0.70又は0.75である。好ましい実施形態では、空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱の比は、典型的には、少なくとも0.80、0.85、0.90又は0.95である。重合性イオン液体の、空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱の比が十分に高い実施形態については、重合性イオン液体は、有利なことに、酸素がない状態で必要とされる硬化に比べ、むしろ空気中(すなわち、酸素が豊富な環境)で実質的に完全に硬化させることができる。
完全に硬化した(すなわち、固化した)重合性イオン液体は、25℃で固体であり、未硬化の重合性イオン性液体を実質的に含まない。有意な未硬化イオン液体が存在する場合、それは典型的には「濡れた」外観を呈する表面残留物として生じる。表面の重合阻害を最小限に抑えることで、より完全な硬化が提供されるだけでなく、硬化が進んでいない酸素阻害された表面層の形成が最小限になる。表面層の形成が最小限になることで、抽出物が低減されるという利益が提供され、並びにエタノールなどの溶媒と共に、あるいはこのような溶媒は用いずに吸収性拭き取り材料を使用することによって未硬化の「濡れた」モノマー層を除去する必要も減らすという利益が提供される。硬化の程度は、当該技術分野で既知の様々な方法により、決定することができる。1つの一般的な方法は、溶媒抽出により未硬化の材料の量を決定することである。好ましい実施形態では、未硬化の抽出可能な重合性イオン液体の量は、硬化済み組成物の10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、並びに最も好ましくは1重量%未満である。
従来の(メタ)アクリレートモノマーは、典型的には、0.50以下、0.40以下、0.35以下、0.20以下又は0.25以下あるいはそれより低い空気下での硬化時発熱の比対窒素下での硬化時発熱を有する。例えば、TEGMAは約0.36の空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱比を有することが判明しており、一方、HEMAは0.25未満の空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱比を有することが判明している、従来の(メタ)アクリレートモノマー及び特にメタクリレートモノマーの光硬化は典型的には空気中に存在する酸素により阻害されるが、(例えば、多官能性)重合性イオン液体を含有させることで、混合物の空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱比を十分に上昇させることができ、その結果、有利なことに、混合物を空気中で実質的に完全に硬化させることができる。組成物が空気中で硬化されることになり、多官能性重合性イオン液体が、空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱比がより低くなる別の重合性(メタ)アクリレート構成成分と組み合わされる実施形態については、本明細書に記載の(例えば、多官能性)重合性イオン液体の空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱比は、好ましくは少なくとも0.85、0.90又は0.95である。
空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱比が高い(例えば、多官能性)重合性イオン液体の総濃度は、典型的には未充填組成物(無機充填剤以外の総重合性無機組成物)の少なくとも30重量%、並びに好ましくは少なくとも40重量%である。この実施形態では、他のエチレン性不飽和(例えば、(メタ)アクリレート)モノマー、オリゴマー及びポリマーの総濃度は、典型的には少なくとも10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%又は65重量%である。
ここに記載したように空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱比が高い、多官能性)重合性イオン液体の存在は硬化に有益であるが、他の従来の(メタ)アクリレートモノマーの存在もまた、(例えば、光)硬化に先立つ保存時などでの意図されない重合を妨げることにより安定性を向上させることによって、(例えば、多官能性)重合性イオン液体に利益をもたらし得る。これは、一液型硬化性コーティング組成物を提供することが可能である。それゆえに、少なくとも一部の好ましい実施形態では、他のエチレン性不飽和(例えば、(メタ)アクリレート)モノマー、オリゴマーの量は、典型的には、未充填組成物の少なくとも21重量%、22重量%、23重量%、24重量%又は25重量%である。それゆえに、高い酸素に対する空気の硬化比率を有する(例えば、多官能性)重合性イオン液体の濃度は、80重量%未満である。典型的には、混合物の酸素に対する空気の硬化比率が少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.80、0.85、0.90又はそれ以上であるならば、他のエチレン性不飽和(例えば、(メタ)アクリレート)モノマー、オリゴマーの濃度を最大化することが好ましい。他のエチレン性不飽和(例えば、(メタ)アクリレート)モノマー、オリゴマーの選択に依存して、これは、高い酸素に対する空気の硬化比率を有する(例えば、多官能性)重合性イオン液体の濃度が少なくとも約35重量%、40重量%又は45重量%である場合と同時に達成することができる。他のエチレン性不飽和モノマー、オリゴマー及びポリマーが約0.25以下の酸素に対する空気の硬化発熱を有する実施形態については、重合性イオン液体の濃度は、好ましくは少なくとも50重量%、55重量%又は60重量%である。
本明細書に記載の重合性イオン液体に加えて、組成物の硬化性構成成分は、広範囲の他のエチレン性不飽和化合物(酸官能性を持つもの又は持たないもの)、エポキシ官能性(メタ)アクリレート樹脂、ビニルエーテル及びこれらに類するものを含むことができる。
組成物(例えば、光重合可能な組成物)は、1個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマー、オリゴマー、及びポリマーを包含してもよいフリーラジカル反応性官能基を有する化合物を包含してもよい。好適な化合物は、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を含有し、付加重合を受けることが可能である。有用なエチレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性アクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性メタクリル酸エステル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。このようなフリーラジカル重合性化合物としては、モノ−、ジ−又はポリ(メタ)アクリレート(すなわち、アクリレート及びメタクリレート)が挙げられる。
本明細書で有用な他の重合性モノマー、オリゴマー又はポリマーの一部の具体例としては、例えば、(a)フェノキシエチルアクリレート、エトキシル化フェノキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシエチルアクリレート、エトキシル化テトラヒドロフルフラルアクリレート、及びカプロラクトンアクリレートなどの、モノ(メタクリル)含有化合物、(b)1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノアクリレートモノメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、アルコキシル化脂肪族ジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン修飾したネオペンチルグリコールヒドロキシピバル酸ジアクリレート、カプロラクトン修飾したネオペンチルグリコールヒドロキシピバル酸ジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシル化(10)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(30)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド修飾したトリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートなどの、ジ(メタ)アクリル含有化合物;(c)グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシル化トリアクリレート(例えば、エトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリアクリレート(例えば、プロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート、プロポキシル化(5.5)グリセリルトリアクリレート、プロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートなどの、トリ(メタ)アクリル含有化合物;(d)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメトロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシル化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン修飾したジペンタエリトリトールヘキサアクリレートなどの、高次官能性(メタ)アクリル含有化合物;(e)例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートなどの、(メタ)アクリルのオリゴマー化合物;前述のもののポリアクリルアミド類縁体;並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、ポリ(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。このような化合物は、例えば、Sartomer Company(Exton,Pennsylvania)、UCB Chemicals Corporation(Smyrna,Georgia)、Cytec Corporation(Cognis)及びAldrich Chemical Company(Milwaukee,Wisconsin)などの供給業者から広く入手可能である。追加の有用な(メタ)アクリレート材料には、例えば、米国特許第4,262,072号(Wendlingら)に記載されているようなヒダントイン部分含有ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を含有する他の化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビス[l−(2−アクリルオキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[l−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、及びトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド及びジアセトン(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド(すなわち、アクリルアミド及びメタクリルアミド);ウレタン(メタ)アクリレート;並びに、スチレン、フタル酸ジアリル、コハク酸ジビニル、アジピン酸ジビニル及びフタル酸ジビニルなどのビニル化合物が挙げられる。他の好適なフリーラジカル重合性化合物としては、シロキサン官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。必要に応じて、2つ以上のフリーラジカル重合性化合物の混合物を使用することが可能である。
硬化性(例えば、歯科用)組成物はまた、単一分子内にヒドロキシル基とエチレン性不飽和基を含有し得る。そのような材料の例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;グリセロールモノ−又はジ−(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンモノ−又はジ−(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールモノ−、ジ−、及びトリ−(メタ)アクリレート;ソルビトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、又はペンタ−(メタ)アクリレート;2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−エタアクリロキシプロポキシ)フェニル]プロパン(ビスGMA)が挙げられる。好適なエチレン性不飽和化合物はまた、多種多様な供給元、例えばSigma−Aldrich,St.Louisから入手可能である。
特定の実施形態では、硬化性成分としては、PEGDMA(分子量が約400のポリエチレングリコールジメタクリレート)、ビスGMA、UDMA(ウレタンジメタクリレート)、GDMA(グリセロールジメタクリレート)、TEGDMA(トリエチレングリコールジメタクリレート)、米国特許第6,030,606号(Holmes)に記載されるようなビスEMA6、及びNPGDMA(ネオペンチルグリコールジメタクリレート)を挙げることができる。
開始剤は、典型的には、本明細書で記載されるように、重合性イオン液体に、又は、少なくとも1種の多官能性重合性イオン液体を含む重合性成分の混合物に、添加される。開始剤は、重合性組成物を容易に溶解する(及び、重合性組成物からの分離を阻止する)ことを可能にするために、樹脂系と十分に混和性があるべきである。典型的に、開始剤は、組成物中に、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%〜約5.0重量%などの有効な量で存在する。
幾つかの実施形態では、多官能性重合性イオン性液体又はそれを含む組成物は、光重合性であり、この組成物は、化学線の照射時に組成物の重合(又は固化)を開始させる光反応開始剤(すなわち、光反応開始剤系)を含有する。こうした光重合性組成物は、フリーラジカル重合性であることができる。光開始剤は、典型的には、約250nm〜約800nmの機能性波長範囲を有する。
フリーラジカル光重合性組成物を重合するのに好適な光開始剤(すなわち、1つ以上の化合物を含む光開始剤系)としては、二成分及び三成分系が挙げられる。典型的な三成分光開始剤は、米国特許第5,545,676号(Palazzottoら)に記載されたようなヨードニウム塩、光増感剤及び電子供与体化合物を含む。ヨードニウム塩としては、ジアリールヨードニウム塩、例えば、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート及びジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート(tetrafluoroboarate)が挙げられる。一部の好ましい光開始剤としては、約300nm〜約800nm(好ましくは約400nm〜約500nm)の範囲内の一部の光を吸収するモノケトン及びジケトン(例えば、アルファジケトン)、例えば、カンファーキノン、ベンジル、フリル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、フェナントラキノン及び他の環式アルファジケトンを挙げてもよい。これらのうち、カンファーキノンが典型的には好ましい。好ましい電子供与体化合物としては、置換アミン、例えば、エチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエートが挙げられる。フリーラジカル光重合性組成物を重合させるために好適な他の光開始剤としては、典型的には約380nm〜約1200nmの範囲の有効波長を有するホスフィンオキシドの部類が挙げられる。約380nm〜約450nmの機能性波長範囲を有する好ましいホスフィンオキシドフリーラジカル開始剤は、アシル及びビスアシルホスフィンオキシドである。
約380〜約450nmの波長範囲で照射されるとフリーラジカル反応を開始することができる市販のホスフィンオキシド光開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE 819(Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,N.Y.))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド(CGI 403(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの重量で25:75の混合物(IRGACURE 1700(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの重量で1:1の混合物(DAROCUR 4265(Ciba Specialty Chemicals)、及びエチル−2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィネート(LUCIRIN LR8893X(BASF Corp.(Charlotte,N.C.))が挙げられる。
三級アミン還元剤を、アシルホスフィンオキシドと組み合わせて使用してもよい。代表的な三級アミンとしては、エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。存在する場合、アミン還元剤は、光重合可能な組成物中に、組成物の総重量に基づいて約0.1重量%〜約5.0重量%の量で存在する。
一部の好ましい実施形態では、硬化性組成物は、紫外(UV)線を照射され得る。この実施形態では、好適な光開始剤は、Ciba Speciality Chemical Corp.(Tarrytown,N.Y.)からの商品名IRGACURE及びDAROCURで入手可能なものであり、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE 651)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE 819)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE 2959)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン(IRGACURE 369)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907)及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR 1173)が挙げられる。
光重合可能な組成物は、典型的には、組成物の様々な構成成分を混合することにより、調製される。光重合可能な組成物が空気の存在下で硬化しない実施形態では、光開始剤は、「安全な光」条件(すなわち、組成物の硬化を早発させない条件)下で組み合わせられる。混合物を調製する際、必要であれば、好適な不活性溶媒を取り入れてもよい。好適な溶媒の例としては、アセトン及びジクロロメタンが挙げられる。
硬化は、組成物を放射線源、好ましくは紫外線又は可視光線源に暴露することにより、影響を受ける。石英ハロゲンランプ、タングステン−ハロゲンランプ、水銀アーク、カーボンアーク、低・中・高圧水銀ランプ、プラズマアーク、発光ダイオード、及びレーザーなどの20nm〜800nmの化学線光を発する光源を採用することが便利である。通常、有用な光源は、0.200〜1000W/cmの範囲の強度を有する。このような組成物を硬化させるための様々な従来の光を使用することができる。
この暴露は、複数の方法で達成され得る。例えば、重合性組成物は、全硬化プロセス(例えば、約2秒〜約60秒)にわたって放射線に持続的に暴露されてもよい。また、組成物を、放射線の単回投与に暴露し、その後、放射線源を取り外し、それにより重合を生じさせておくこともまた可能である。一部の場合には、物質は、低強度から高強度へ徐々に増強する光源に曝すことができる。二重暴露が採用される場合、それぞれの投与の強度は、同一でもよく、又は異なっていてもよい。同様に、各暴露の全体のエネルギーは、同一でもよく、又は異なっていてもよい。
多官能性重合性イオン液体又はこのようなものを含む組成物は、化学的に硬化性であってもよく、すなわち、組成物は化学的な開始剤(すなわち、開始剤系)を含有し、化学開始剤は、化学放射線を用いた照射によらないで組成物を重合、硬化、又はさもなければハードニングさせることができる。このような化学硬化性(例えば、重合性又は硬化性)組成物は、場合により、「自己硬化」組成物とも呼ばれ、レドックス硬化系、熱硬化系及びこれらの組み合わせを包含してもよい。更に、重合性組成物は、異なる複数の開始剤の組み合わせを含んでもよく、これらの開始剤のうちの少なくとも1つはフリーラジカル重合を開始するのに好適である。
化学硬化性組成物は、重合性成分(例えば、エチレン性不飽和重合性成分)並びに酸化剤及び還元剤を包含するレドックス剤を含むレドックス硬化系を包含してもよい。
樹脂系(例えば、エチレン性不飽和成分)の重合を開始することが可能なフリーラジカルを生成するために、還元剤及び酸化剤は、互いに反応するか、ないしは別の方法で協働する。この種の硬化は、暗反応であり、すなわち、光の存在に依存せずかつ光が存在しない状態下で進行可能である。還元剤及び酸化剤は、好ましくは十分に貯蔵安定性があり、望ましくない呈色がなく、典型的条件下での保存及び使用を可能にする。
有用な還元剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及び米国特許第5,501,727号(Wangら)に記載されているようなアスコルビン酸化合物;アミン、特に4−t−ブチルジメチルアニリンなどの三級アミン;p−トルエンスルフィン酸塩及びベンゼンスルフィン酸塩などの芳香族スルフィン酸塩;1−エチル−2−チオウレア、テトラエチルチオウレア、テトラメチルチオウレア、1,1−ジブチルチオウレア及び1,3−ジブチルチオウレアなどのチオウレア;及びこれらの混合物が挙げられる。他の二級還元剤としては、塩化コバルト(II)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン(酸化剤の選択に依存する)、亜ジチオン酸塩又は亜硫酸塩アニオンの塩、及びこれらの混合物を挙げてもよい。好ましくは、還元剤はアミンである。
好適な酸化剤はまた、当業者によく知られており、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、セシウム、及びアルキルアンモニウム塩などの過硫酸及びその塩が挙げられるが、これらに限定されない。更なる酸化剤としては、過酸化物、例えば、過酸化ベンゾイル、ヒドロペルオキシド(例えば、クミルヒドロペルオキシド)、t−ブチルヒドロペルオキシド、及びアミルヒドロペルオキシド、並びに遷移金属の塩、例えば、塩化コバルト(III)及び塩化第二鉄、硫酸セリウム(IV)、過ホウ酸並びにそれらの塩、過マンガン酸及びその塩、過リン酸及びその塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
1以上の酸化剤又は1以上の還元剤を使用することが望ましい場合がある。少量の遷移金属化合物を添加して、レドックス硬化速度を速めてもよい。還元剤又は酸化剤は、米国特許第5,154,762号(Mitraら)に記載されているように、マイクロカプセル化することができる。これは、一般に、重合性組成物の貯蔵安定性を増強し、必要であれば、還元剤及び酸化剤を共にパッケージングすることを許容するであろう。例えば、封入剤を適切に選択することにより、酸化剤及び還元剤を酸官能基成分及び任意の充填剤と組み合わせて、貯蔵安定状態を維持することができる。
組成物はまた、熱的に活性化されたすなわち熱により活性化されたフリーラジカル開始剤を用いて硬化することができる。典型的な熱的開始剤としては、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物及びアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物が挙げられる。
一部の実施形態では、例えば、組成物は、適量の(例えば、ナノ粒子)充填剤を含む場合がある。このような組成物は、組成物の総重量に基づいて好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも45重量%、並びに最も好ましくは50重量%の充填剤を含む。一部の実施形態では、充填剤の総量は、最大で90重量%、好ましくは最大で80重量%、並びにより好ましくは最大で75重量%の充填剤である。
適量の充填剤を含むこのような組成物では、1種以上の多官能性重合性イオン液体は、典型的には、組成物の総重量に基づいて少なくとも5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、又は10重量%の総量で存在する。多官能性重合性イオン液体の濃度は、一般的に、約60重量%以下である。一部の実施形態では、多官能性重合性イオン液体の総量は、最大で40重量%、好ましくは最大で30重量%、並びにより好ましくは最大で25重量%である。
充填剤は、当該技術分野において既知の幅広い材料から1種以上選択することができ、充填剤としては、有機及び無機充填剤が挙げられる。
充填剤は、無機物質であり得る。また、充填剤は、重合性樹脂に不溶性である架橋済み有機材料であることもでき、それは場合により無機充填剤と一緒に充填される。充填剤は、放射線不透過性、放射線透過性又は非放射線不透過性であり得る。充填剤は、セラミックの性質のものであり得る。
無機充填剤粒子としては、石英(すなわち、シリカ)、サブミクロンのシリカ、ジルコニア、サブミクロンのジルコニア、及び米国特許第4,503,169号(Randklev)に記載されている種類の非ガラス質微小粒子が挙げられる。
充填剤成分としては、ナノサイズのシリカ粒子、ナノサイズの金属酸化物粒子、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ナノ充填剤はまた、米国特許第7,090,721号(Craigら)、同第7,090,722号(Buddら)、同第7,156,911号(Kangasら)及び同第7,649,029号(Kolbら)に記載されている。
好適な有機充填剤粒子の例としては、充填又は非充填粉砕ポリカーボネート、ポリエポキシド、ポリ(メタ)アクリレート及びこれらに類するものが挙げられる。共通に採用される充填剤粒子は、石英、サブミクロンシリカ、及び米国特許第4,503,169号(Randklev)に記載されている種類の非ガラス質微小粒子である。
充填剤は、本質的に、粒子状又は繊維状のいずれかであり得る。粒子状充填剤は、一般に、20:1以下、より一般的には10:1以下である長さ対幅の比率、すなわち縦横比を有するものとして定義され得る。繊維は、20:1より大きい、より一般的には100:1より大きい縦横比を有するものとして定義され得る。球形から楕円形、又はフレーク若しくはディスクのようなより平面的なものの範囲で、粒子の形状は多様であり得る。巨視的特性は、充填剤粒子の形状、具体的には形状の均一性に大きく依存し得る。
一部の実施形態では、組成物は、好ましくは約0.100マイクロメートル(すなわち、ミクロン)未満、並びにより好ましくは0.075ミクロン未満の平均一次粒径を有するナノスケール粒子状充填剤(すなわち、ナノ粒子を含む充填剤)を含む。本明細書で使用するとき、用語「一次粒径」は、非会合型の単一粒子のサイズを指す。平均一次粒径は、硬化させた組成物の細長い試料を切断し、300,000倍で透過電子顕微鏡を使用して約50〜100個の粒子の粒径を測定し、平均を計算することにより、決定することができる。充填剤は、単峰性又は複峰性(例えば、二峰性)の粒径分布を有し得る。ナノスケール粒子状物質は、典型的には、少なくとも約2ナノメートル(nm)、並びに好ましくは少なくとも約7nmの平均一次粒径を有する。好ましくは、ナノスケール粒子状物質は、約50nm以下、より好ましくは約20nm以下のサイズの平均一次粒径を有する。このような充填剤の平均表面積は、好ましくは約20平方メートル毎グラム(m/g)、より好ましくは少なくとも約50m/g、並びに最も好ましくは少なくとも約100m/gである。
一部の実施形態では、ナノ粒子は、ナノクラスターであり、すなわち、樹脂中に分散させた場合でも粒子を凝集させる比較的弱い分子間力により会合した2個以上の粒子の集団の形態である。好ましいナノクラスターは、非重(例えば、シリカ)粒子とジルコニアなどの非晶質重金属酸化物(すなわち、原子番号が28よりも大きい)粒子の実質的に非晶質のクラスターを含むことができる。ナノクラスターの粒子は、好ましくは、約100nm未満の平均直径を有する。好適なナノクラスター充填剤は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,730,156号(Windisch et al.)に記載されている。
一部の好ましい実施形態では、組成物は、充填剤と樹脂の間の結合を強化するために、有機金属カップリング剤で処理されたナノ粒子及び/又はナノクラスター表面を含む。有機金属カップリング剤は、アクリレート、メタクリレート、ビニル基及びこれらに類するものなどの反応性硬化基で官能化され得る。
好適な共重合性有機金属化合物は、次の一般式を有し得る:CH=C(CHSi(OR)又はCH=C(CHC=OOASi(OR);式中、mは0又は1であり、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Aは二価有機結合基であり、nは1〜3である。好ましいカップリング剤としては、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びこれらに類するものが挙げられる。
一部の実施形態では、表面改質剤の組み合わせが有用な可能性があり、剤の少なくとも1つは、硬化性樹脂と共重合可能な官能基を有する。硬化性樹脂と一般に反応しない他の表面改質剤が、分散性又はレオロジー特性を強化するために含まれ得る。この種類のシランの例としては、例えば、アリールポリエーテル、アルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、又はアミノアルキル官能性シランが挙げられる。
場合により、組成物は、溶媒(例えば、アルコール(例えば、プロパノール、エタノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル(例えば、酢酸エチル)、他の非水性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリジノン))、及び水を含有してもよい。
所望により、組成物は、添加剤、例えば、インジケーター、色素、顔料、阻害剤、促進剤、粘度調整剤、湿潤剤、緩衝剤、ラジカル及びカチオン性安定剤(例えば、BHT)、並びに、当業者には明白である他の類似成分を含有することができる。硬化性組成物は、様々な他のエチレン性不飽和モノマー、オリゴマー及びポリマー、並びに、当該技術分野において既知の添加剤、例えば、米国特許仮出願第61/289,098号表題「硬化性歯科組成物及び重合性イオン液体からなる物品(CURABLE DENTAL COMPOSITIONS AND ARTICLES COMPRISING POLYMERIZABLEIONIC LIQUIDS)」(参照により本明細書に組み込む)に記載のものなどを含み得る。
本発明は、機械的強度の高い例示組成物として歯科組成物を参照することで更に例示される。歯科用複合材などの物品は、成形型と接触させて硬化性組成物を流延成形(例えば、高充填)し、組成物を硬化させることで製造できる。歯科用複合材などの物品は、別の方法としては、まず組成物を硬化させ、次に組成物を所望の物品に機械的にミリングすることにより製造することもできる。
多様なその他の用途に関し、特に硬化性(例えば、光硬化性)コーティングに関し、重合性イオン液体と従来のエチレン性不飽和モノマー(例えば、(メタ)アクリレート)との硬化性ブレンドを使用することができる。コーティングされた物品は、本明細書に記載の組成物を基材に塗布し、組成物を硬化させることにより、調製することができる。
硬化性ブレンドは、様々な基材に適用することができる。好適な基材材料としては、ガラス又はセラミックスなどの無機基材、紙、木材などの天然及び合成有機基材、並びに、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート若しくは「PMMA」)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン若しくは「PP」)、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート若しくは「PET」)、ポリアミド、ポリイミド、フェノール樹脂、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、エポキシ及びこれらに類するものなどの熱硬化性又は熱可塑性ポリマーが挙げられる。基材の厚さも、通常、意図された用途次第である。大部分の用途に関しては、約0.5mm未満の基材の厚さが好ましく、そしてより好ましくは約0.02〜約0.2mmである。基材と硬化性コーティング組成物との間での接着性を改善するために、例えば化学処置、空気又は窒素コロナなどのコロナ処置、プラズマ、火炎又は化学放射線などによって基材を処理することができる。所望される場合には、中間相接着を向上させるために、追加の結合層又は(例えば、重合性イオン液体系)下塗剤を基材に適用することができる。
硬化性コーティング組成物は、様々な従来のコーティング方法を用いて適用することができる。好適なコーティング法としては、例えば、スピンコーティング法、ナイフコーティング法、ダイコーティング法、ワイヤコーティング法、フラッドコーティング法、パジング法、スプレー法、ロールコーティング法、ディッピング法、ブラシ法、泡塗布法などが挙げられる。コーティングは、典型的には強制通気炉を用いて乾燥させる。乾燥させたコーティングを、エネルギー源を用いて、少なくとも部分的に、そして典型的には完全に硬化させる。
目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に、本発明を不当に制限するものと解釈すべきではない。別段の指定がない限り、部及び百分率はすべて、質量基準である。
(実施例1)
2−メタクリルオキシエチルアクリレート(Klee,J.E.,Neidhart,F.,Flammersheim,H.J.,and Mulhaupt,R.,Macromol.Chem.Phys.200,517〜523(1999)に従って調製、15.00g、81mmol)とイミダゾール(5.54g、81mmol)との混合物を85℃で1時間加熱して、黄色液体(イミダゾールマイケル付加化合物中間体)を得た。
記載のイミダゾールマイケル付加中間体化合物4.94g(20mmol)と4.6g(20mmol)のモノ−2−(メタクリルオキシ)エチルフタル酸(Aldrich)をフラスコ内で3時間混合し粘稠なイオン液体を得た。
Figure 2013531089
(実施例2)
Figure 2013531089

ジメチルアミノエチルメタクリレート(Aldrich、70.739g、0.45mol)と、Prostab 5198(Ciba、17mg)と、モノブチルフタル酸(Eastman、100.00g、0.45mol)とを瓶に入れた。瓶に蓋をし、室温で17時間にわたって回転させた。黄色油を得た。
(実施例3)
Figure 2013531089

ジメチルアミノエチルアクリレート(Aldrich、64.43g、0.45mol)と、Prostab 5198(17mg)と、モノブチルフタル酸(Eastman、100.00g、0.45mol)との混合物を瓶に入れた。瓶に蓋をし、室温で17時間にわたって回転させた。茶色油を得た。
(実施例4)
Figure 2013531089

ジメチルアミノエチルメタクリレート(56.62g、0.36mol)と、Prostab 5198(17mg)と、フタル酸モノ−2−(メタクリルオキシ)エチル(Aldrich、100.00g、0.36mol)との混合物を瓶に入れた。瓶に蓋をし、室温で17時間にわたって回転させた。無色の油を得た。
(実施例5)
Figure 2013531089

ジメチルアミノエチルアクリレート(51.47g、0.36mol)と、Prostab 5198(17mg)と、フタル酸モノ−2−(メタクリルオキシ)エチル(100.00g、0.36mol)との混合物を瓶に入れた。瓶に蓋をし、室温で17時間にわたって回転させた。無色の油を得た。
(実施例6)
Figure 2013531089

ジエチルアミノエチルメタクリレート(TCI、33.41g、0.18mol)と、Prostab 5198(8mg)と、モノ−2−(メタクリルオキシ)エチルフタル酸(50.00g、0.18mol)とを瓶に入れた。瓶に蓋をし、室温で3時間にわたって回転させた。無色の油を得た。
(実施例7)
Figure 2013531089

フタル酸無水物(Aldrich、50.00g、0.34mol)と、4−ヒドロキシブチルアクリレート(San Esters Corporation、48.67g、0.34mol)と、Prostab 5198(7mg)と、塩化メチレン(250mL)とを機械的に撹拌した混合物に、トリエチルアミン(Alfa Aesar、34.16g、0.34mol)を1時間かけて滴加した。次に混合物を室温で17時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した。真空下で溶媒と共に除去された一部のトリエチルアミンの代わりに、混合物に更にトリエチルアミン(5.52g)を添加した。粘調で無色の油を得た。
(実施例8)
Figure 2013531089

フタル酸無水物(50.00g、0.34mol)と、4−ヒドロキシブチルアクリレート(48.67g、0.34mol)と、Prostab 5198(7mg)と、塩化メチレン(250mL)とを機械的に撹拌した混合物に、トリブチルアミン(Alfa Aesar、62.65g、0.34mol)を1時間かけて滴加した。次に混合物を室温で17時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した。黄色油を得た。
(実施例9)
Figure 2013531089

フタル酸無水物(50.00g、0.34mol)と、4−ヒドロキシブチルアクリレート(48.67g、0.34mol)と、Prostab 5198(7mg)と、塩化メチレン(250mL)とを機械的に撹拌した混合物に、ブチルイミダゾール(Lancaster、41.97g、0.34mol)を1時間かけて滴加した。次に混合物を室温で17時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した。黄色油を得た。
(実施例10)
Figure 2013531089

フタル酸無水物(50.00g、0.34mol)と、4−ヒドロキシブチルアクリレート(48.67g、0.34mol)と、Prostab 5198(7mg)と、塩化メチレン(250mL)とを機械的に撹拌した混合物に、ジメチルアミノエチルメタクリレート(48.39g、0.34mol)を1時間かけて滴加した。次に混合物を室温で17時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した。黄色油を得た。
(実施例11)
Figure 2013531089

N,N−ジメチルビニルベンジルアミン(異性体混合物、Aldrich、1.000g、6.2mmol)と、モノ2−(メタクリルオキシ)エチルフタル酸(1.726g(6.2mmol))との混合物をバイアル瓶に入れた。5分にわたって混合した後、液体生成物を得た。
(実施例12)
Figure 2013531089

磁気撹拌しながら、N−(3−アミノプロピル)イミダゾール(Alfa Aesar、2.55g、0.02mol)と、テトラヒドロフラン(Alfa Aesar、30mL)とをフラスコに入れた。フラスコを氷浴中で冷却しながら2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工株式会社(日本)、3.26g、0.02mol)を30分にわたって滴加した。3時間後、モノ−2−(メタクリルオキシ)エチルフタル酸(5.67g、0.02mol)及びテトラヒドロフラン(10mL)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、粘性液体生成物を得た。
(実施例13)
Figure 2013531089

磁気撹拌しながら、N−(3−アミノプロピル)イミダゾール(Alfa Aesar、2.55g、0.02mol)と、テトラヒドロフラン(Alfa Aesar、30mL)とをフラスコに入れた。フラスコを氷水浴中で冷却しながら2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社(日本)、3.26g、0.02mol)を30分かけて滴加した。3時間後、2−エトキシ安息香酸(3.39g、0.02mol)と、テトラヒドロフラン(10mL)を添加し、混合物を室温で更に3時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、粘調な液体生成物を得た。
(実施例14)
Figure 2013531089

ジフェン酸無水物(Aldrich、11.21g、0.05mol)と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(6.70g、0.05mol)と、BHT(60mg)と、トルエン(20mL)を室温で混合した。懸濁液を90℃で5.5時間加熱した。固体は3.5時間後には溶解していた。混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。生成物として、無色の粘稠な液体を得た(収量17.7g)。
上記反応から得られた生成物(3.54g)と1−ブチルイミダゾール(1.24g、0.01mol)とを共に混合した。生成物として、粘調な無色の液体を得た。
(実施例15)
Figure 2013531089

1.5時間かけてメタクリル酸無水物(TCI、155.65g、1.0mol)をN−メチルジノエタノールアミン(Aldrich、50.03g、0.42mol)に滴加した。添加中に温度は70℃に上昇した。次いで混合物を室温で17時間撹拌した。酢酸エチル(600mL)を添加し、混合物を水酸化ナトリウム(50g)水(300mL)溶液で洗浄した。有機相を分離し、真空下で濃縮して油を得た。フェノチアジン(0.25g)を添加し、減圧下で粗油を蒸留した。生成物(N−メチルジメタクリルオキシエチルアミン)を無色の油(0.05mmHg下で90〜91℃、収量76.91g)として回収した。
モノ2−(メタクリルオキシ)エチルフタル酸(2.18g、7.8mmol)と、N−メチルジメタクリルオキシエチルアミン(2.00g、7.8mmol)と、Prostab 5198(2mg)とをバイアル瓶に入れた。バイアル瓶に蓋をし、室温で10分間混合した。黄色油を得た。
空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱(可視光線重合:
光示差走査熱量測定(光DSC)を使用して、N2及び空気の下でのモノマーの光重合挙動を調査した。光DSCには、TA instrument(New Castle,DE)のDSCモジュール2920を用いた。光源には、Oriel PN 59480の425nmのロングパス光フィルタを備える水銀/アルゴン電球を使用した。光の強度は3mW/cmであり、モデルXRL、340A検出器を装備したInternational Light光測定機モデルIL 1400を用いて測定した。光硬化性試料は、光開始剤パッケージとして0.5%のカンファーキノン(Sigma−Aldrich)と1.0%のエチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート(Sigma−Aldrich)と1.0%のジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファートを含有した。10mgの硬化した試料を対照として使用した。
試料ホルダーとしてHermetic Pan(アルミニウム試料パン)を用い、試験用に約10mgの試料を精確に計量した。試料を37℃にて5分にわたって平衡化し、次に、採光部を開けて試料を照射した。照射中、試料温度は37℃に維持した。総照射時間は30分であった。30分後、開口部を閉じ、試料を更に5分にわたって37℃に維持した。試料をそれぞれ窒素及び空気環境下で試験した。
データを単位重量当たりの熱出力(mW/g)で収集した。TA Thermal Solutions Universal Analysisソフトウェアを使用して、データを分析した。
モノマーはまずは窒素下で硬化させ、次に、同一試料を空気下で硬化させた。DSCにより、暴露中に硬化試料から生じる発熱を記録し、曲線下の面積を積分して、モノマーの総ジュール/グラムを得た。試料を空気中で硬化させた際に生じた熱を、試料を窒素中で硬化させた際に生じた熱で除算して、硬化比を得た。比が高いほど酸素による阻害が少ないことを示す。
空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱比の算出(UV重合)
各モノマーを0.1重量%の光開始剤I−819(BASF,Germany)と混合した。各サンプルおよそ15mgを、アルミニウム製のDSC用開放密閉パン(TA instruments TO91209)に入れた。パンを示差走査熱量計(DPC 2920、TA Instruments)のホルダーのうちの1つに配置し、空のDSCパンを参照ホルダーに配置した。オーバーヘッドUVランプから生じる照射線のみが個々のDSCパンを直接照射するようDSCホルダーを覆って蓋をした。次に、チャンバを取り囲むよう石英ガラスパネルにより蓋の上を覆い、続いて窒素又は酸素を用い流速1000cm/分でパージした。チャンバの扉を閉め、10分間パージした。次に、正確に10分間UVランプ(14mW/cm)のスイッチを入れた。
まず始めに、UVランプにより生成させた熱のベースラインを減算した後に、光重合させた各サンプルの熱流特性を積分することで、各サンプルから放出された熱の合計量を得た。次に、最初にDSCパンに配置したモノマーの重量により除算することで、合計熱放出量を正規化した。次に、各モノマーに関し、重合単位gあたりの空気下重合時発熱量対窒素下重合時発熱量を算出した。
光DSCによる光重合性カチオンと光重合性アニオンとを含む多官能性PILの光硬化についての試験結果
Figure 2013531089
可視光重合及びUV重合のいずれに関しても実施例4の硬化比は0.97であった。同様に、実施例2は、標準的な可視光線重合法による硬化比と実質的に同様の比も呈した。
歯科用硬化性組成物
Figure 2013531089
(実施例15)−樹脂改質されたガラスアイオノマーの修復(Restorative)
Figure 2013531089
(実施例16)−樹脂改質されたガラスアイオノマーの修復
Figure 2013531089
実施例15及び16の有機樹脂成分(A部)を計量カップ中で3000rpmでそれぞれ別々に2分間サイクルで五回にわたって混合した。次に、この重合性液体樹脂混合物を、3M(商標)ESPE(商標)から市販の「Vitremer(商標)Core Build−Up Materials Restorative」のFASガラス粉末(米国特許第5,154,762号に記載のもの)と、重量比1:4(粉末)で手動で混合した。
実施例4のPILの代わりにHEMAを使用したことを除き、同様の方法で対照を調製した。
直径方向引張強度(DTS)試験方法
試験試料のDTDを以下の手順に従って調製した。非硬化試料を4mm(内径)のガラス管に注入した;ガラス管にシリコーンゴムプラグで蓋をした;その後、軸方向におよそ2.88kg/cmの圧力で5分にわたって管を圧縮した。その後、XL 1500歯科硬化灯(3M Company(St.Paul,Minn.))への暴露により試料を80秒にわたって光硬化させ、続いてKulzer UniXS硬化ボックス(Heraeus Kulzer GmbH,Germany)内で90秒にわたって照射した。硬化試料を約37℃/90%+相対湿度に1時間置いた後、ダイアモンドのこぎりで切断し、圧縮強度を測定するための長さ8mmの円筒形のプラグを形成した。試験に先立ち、プラグは蒸留水中に37℃で約24時間保存した。測定は、ISO Specification 7489(又はAmerican Dental Association(ADS)規格No.27)に従って、10キロニュートン(kN)ロードセルを用い、クロスヘッド速度1mm/分でInstronテスター(Instron 4505、Instron Corp.(Canton,Mass.))で行なわれた。硬化試料の5つのシリンダーを調製して測定し、結果を5つの測定値の平均としてMPaで報告した。
歯科用複合材を、実施例4のPILの代わりにHEMAを使用した対照歯科用複合材と比較した。直径方向引張強度を次のように試験した:
Figure 2013531089
(実施例17)−木材コーティング
3重量部の実施例4の重合性イオン液体、1重量部のNanocryl C150(50%シリカナノ粒子/トリメチロールプロパントリアクリレート、Nanoresinsから入手可能)、1重量部のトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)(Sartomerから)の混合物として重合性イオン液体コーティングを調製した。光開始剤は0.5重量%濃度のエチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン酸塩(TPO−L、BASFから入手可能)であった。
対照用木材コーティングは、1重量部のNanocryl C150と4重量部のTMPTA(Sartomerから)との混合物として調製した。光開始剤は0.5重量%濃度のエチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン酸塩(TPO−L、BASFから入手可能)であった。
これらの実施例では、100グリット及び220グリットのサンドペーパーで連続してヤスリをかけた、オーク面処理した合板プラテンを木製基材とした。
#12メイヤーロッドにより木製基材にコーティング配合物を塗布し、次いで大気圧下で、様々なライン速度にてFusion Systems UV processor(Dバルブ、ダイクロイックミラー板)で処理した。UV暴露エネルギーは、15フィート/分(4.6メートル/分)のライン速度にて、UVAについては2637mJ/cm、UVBについては674mJ/cm、UVCについては55mJ/cm、及びUVVについては2160mJ/cmであると測定された。
綿棒を使用してコーティング表面をひっかき、コーティングが硬化している程度について判定した。
Figure 2013531089
この結果は、重合性イオン液体を含むコーティングが、対照と比べ大気中で良好に硬化したことを示す。

Claims (22)

  1. カチオン及び芳香族カルボキシレートアニオンを含む重合性イオン液体であって、カチオン、アニオン、又はカチオンとアニオンのいずれもがフリーラジカル重合性基を含む、重合性イオン液体。
  2. 前記カチオンがフリーラジカル重合性基を含み、前記アニオンがフリーラジカル重合性基を含まない、請求項1に記載の重合性イオン液体。
  3. 前記アニオンがフリーラジカル重合性基を含み、前記カチオンがフリーラジカル重合性基を含まない、請求項1又は2に記載の重合性イオン液体。
  4. 前記アニオン及びカチオンが、それぞれフリーラジカル重合性基を少なくとも1つ含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の重合性イオン液体。
  5. 前記フリーラジカル重合性基が(メタ)アクリレート基である、請求項2〜4に記載の重合性イオン液体。
  6. 前記カチオンが置換アンモニウム又はホスホニウムカチオンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の重合性イオン液体。
  7. 前記イオン液体が一般式:
    Figure 2013531089

    を有し、式中、
    Xは窒素又はリンであり、
    R3及びR4は、独立して、アルキル又はヘテロアルキルであり、少なくとも1個のR3又はR4は、フリーラジカル重合性基を含み、
    Dは芳香族部分を含み、場合により、カルボン酸塩末端部分と芳香族部分との間に結合基を含み、及び/又は場合により、芳香族部分とR4との間に結合基を含み、並びに
    bは0〜2である、請求項6に記載の重合性イオン液体。
  8. 前記フリーラジカル重合性基が(メタ)アクリレート基である、請求項7に記載の重合性イオン液体。
  9. R3がアルキル又はヘテロアルキル基であり、R4がフリーラジカル重合性基を含む、請求項7又は8に記載の重合性イオン液体。
  10. R4がアルキル又はヘテロアルキル基であり、R3がフリーラジカル重合性基を含む、請求項7又は8に記載の重合性イオン液体。
  11. R3及びR4がどちらもフリーラジカル重合性基を少なくとも1つ含む、請求項7又は8に記載の重合性イオン液体。
  12. R3が重合性基を少なくとも2つ含む、請求項10又は11に記載の重合性イオン液体。
  13. 前記カチオンが置換イミダゾリウムカチオンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のイオン液体。
  14. 前記イオン液体が一般式:
    Figure 2013531089

    を有し、式中、
    R3及びR4は独立して、アルキル又はヘテロアルキルであり、少なくとも1個のR3又はR4は、フリーラジカル重合性基を含み、
    Dは芳香族部分を含み、場合により、カルボン酸塩末端部分と芳香族部分との間に結合基を含み、及び/又は場合により、芳香族部分とR4との間に結合基を含み、
    cは0〜3であり、並びに
    bは0〜2である、請求項13に記載のイオン液体。
  15. 前記フリーラジカル重合性基が(メタ)アクリレート基である、請求項14に記載の重合性イオン液体。
  16. R3がアルキル又はヘテロアルキル基であり、R4がフリーラジカル重合性基を含む、請求項14又は15に記載の重合性イオン液体。
  17. R4がアルキル又はヘテロアルキル基であり、R3がフリーラジカル重合性基を含む、請求項14又は15に記載の重合性イオン液体。
  18. R3及びR4がどちらもフリーラジカル重合性基を含む、請求項14又は15に記載の重合性イオン液体。
  19. Dが、場合により縮合した1、2、又は3つの芳香環を含む、請求項7〜18のいずれか一項に記載の重合性イオン液体。
  20. 前記イオン液体の、空気下での硬化時発熱対窒素下での硬化時発熱の比が、少なくとも0.70、0.75、0.80、0.90、又は0.95である、請求項1〜19のいずれか一項に記載のイオン液体。
  21. 前記重合性イオン液体が、60℃、50℃、40℃、30℃又は25℃以下の融点を有する、請求項1〜20のいずれか一項に記載のイオン液体。
  22. 硬化性組成物であって、前記組成物が、請求項1〜21に記載の重合性イオン液体を少なくとも1つと、他のフリーラジカル重合性モノマー、オリゴマー、又はポリマーのうち少なくとも1つと、を含む、硬化性組成物。
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